説明

交通信号制御パラメータ設計装置及び交通信号制御パラメータ生成方法

【課題】制御パラメータや制御エリアのより効果的な組合せをより早く生成することができる交通信号制御パラメータ設計装置及び交通信号制御パラメータ生成方法を提供する。
【解決手段】試行変形シミュレーション部102は、予め多数の想定した交通状況の下で交差点のパラメータをランダムに複数点選択・変更して交通流シミュレーションを実行し、変更パラメータと評価値に関するデータを獲得する。これらを十分に繰り返して複数の交差点やパラメータによる組合せとその際の評価値のデータを収集する。選択確率分布正規化部103は、試行した交通状況における収集データを解析し、状況が改善した場合におけるパラメータテーブル上の当パラメータの組合せの選択確率を向上度合に応じて増力させる。得られた確率分布を正規化して事前の選択確率分布を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路網の複数の信号機を制御するための制御パラメータ及び制御エリアを表す符号列を変更し、交通及び制御エリア形状の状態量に関する評価値を求める試行変形操作を繰り返し、前記評価値を制御する制御パラメータ及び制御エリアを設計する交通信号制御装置において、より適切な制御パラメータ・制御エリアの組合せを設計するための交通信号制御パラメータ設計装置及び交通信号制御パラメータ生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の最適化制御では、非特許文献1に示すように、交通流シミュレーションモデル(TRANSYT)とHC(山登り法)といった最適化手法を適用してオフセット等の信号制御パラメータを最適化するが、最適化時、交差点毎のパラメータを順次選択、変更して試行、より良好な値を探索している。その他、最適化にはHC以外にSA(焼きなまし法)やGA(遺伝的アルゴリズム)といった手法が適用されている。また、特許文献1では、同じく制御パラメータと制御エリアを表現する符号列上の変更する点数をランダムに変更し、試行回数毎の変更点数と評価値を時系列に蓄積し、試行回数と変更点数及び評価値とによるデータ分布から変更点数を推定している。
【0003】
【特許文献1】特開2003−16582号公報
【非特許文献1】交通信号の手引((社)交通工学研究会、平成6年7月)、例えば、pp.135−137
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の交通信号を制御するための制御値は、各交差点におけるサイクル、スループット、オフセットの3種類のパラメータと同一制御エリアであるサイクルサブエリアから構成されるが、これらの制御値の組合せは膨大であり、種々の道路網や多様な交通状況に応じて適切に制御するためには、少なくとも妥当な制御パラメータや制御エリアの組合せを生成する必要がある。しかしながら、これにはかなりの時間を要することになる。以下、この点について詳細に説明する。
【0005】
HCやGA等は確率的手法であるため一定回数の試行を要するが、オンラインリアルタイム制御時には早期に少なくとも妥当なパラメータの生成を要する。現状、性能が芳しくない場合には制御周期を大きくせざるを得ない。最適化時、主要なボトルネック交差点や、交差点・パラメータ毎の組合せが存在するが、交通状況の時間変動等の多様性もあって多数の組合せが考えられる。制御規模増大に伴い戦略的試行は困難となるため、従来の最適化では、制御パラメータや制御エリアは前述の通り任意の順序に選択するか、全くランダムに組み合わせている。複数の点数を選択すれば、それらによって複数の制御パラメータや制御エリアの組合せが構成されるが、点数だけでは、パラメータや制御エリアのより良好な組合せを探索するわけではない。そのため、効果の乏しい組合せを試行している可能性も大きい。
【0006】
交通状況、例えば交通量の大小や主要経路上の流れに従えば、適当な制御として、道路網上の交差点(ノード)の組合せやノード毎の制御パラメータの組合せが考えられる。例えば、道路網上のあるノードとあるノードの組合せが重要で、さらにそれらの任意の制御パラメータの組合せ調整が重要といった局面が考えられる。このように、変化する交通状況に応じて適切なノードやパラメータの組合せを生成し制御する必要がある。これらの組合せ全てを予め把握できれば良好な制御が期待されるが、制御道路網の拡大や交通需要の多様性を伴う場合、これらの組合せを洗いざらい抽出することは困難になってくる。
【0007】
また、道路は往々にして網状であるため、交通流の円滑化等に際しては、2次元空間上で隣接する交差点や複数の経路上にある交差点との任意の制御パラメータといった互いに影響する組合せも考えられるが、時々刻々変化し、種々の様相を呈する交通需要や交通状況と合わせると明確な特定は難しい場合もあり、またランダムな選択の場合にはこれらの可能性ある組合せに配慮していない。このため、制御時には、通常、ボトルネック交差点や他交差点、パラメータも等確率で選択し試行するが、関連の小さい又は効果の乏しいパラメータの組合せを試行している場合がある。但し、少なくとも有意義なノードやパラメータの組合せの可能性を求めることは可能である。そこで、有限の試行を繰り返し、これらによるサンプリングデータを用いて、可能性のある組合せを形成し得るノード及びパラメータの選択確率分布を用意し、ノードやパラメータの組合せ探索をこの分布に基づいて試行することになる。
【0008】
本発明は、係る事情に鑑みてなされたものであり、制御パラメータや制御エリアのより効果的な組合せをより早く生成することができる交通信号制御パラメータ設計装置及び交通信号制御パラメータ生成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の交通信号制御パラメータ設計装置は、道路構造及び交通流を再現する交通流シミュレータ手段を備え、道路網上の複数の信号機を制御するための制御パラメータ及び制御エリアを表す符号列を変更し、シミュレーションによって交通及び制御エリア形状の状態量に関する評価値を求める過程を繰り返しながら、適切な制御パラメータ及び制御エリアを設計する交通信号制御パラメータ設計装置であって、予め多数の想定した交通状況の下で、符号列上の複数の点をランダムに選択・変更して交通流シミュレーションを実行し、変更パラメータの符号列上の位置とその際の評価値に関するデータを収集する試行変形シミュレーション手段と、前記試行変形シミュレーション手段で収集された符号列上の位置と評価値のデータから、状況が改善した場合における符号列上の選択確率分布を正規化し設定する選択確率分布正規化手段と、を備える。
【0010】
この構成によれば、予め多数の想定した交通状況の下で符号列上の複数の点をランダムに選択・変更して交通流シミュレーションを実行し、変更パラメータの符号列上の位置とその際の評価値に関するデータを収集し、収集した符号列上の位置と評価値のデータから、状況が改善(すなわち評価値が向上)した場合における符号列上の選択確率分布を正規化し設定するので、この設定した選択確率分布から、どの交差点や制御パラメータが制御に関して重要であるのかといった情報や効果的な組合せも間接的に評価することができる。したがって、制御パラメータや制御エリアのより効果的な組合せをより早く生成することが可能となり、設計コストや制御性能の向上に寄与できる。
【0011】
本発明の交通信号制御パラメータ生成方法は、道路構造及び交通流を再現する交通流シミュレータを備え、道路網上の複数の信号機を制御するための制御パラメータ及び制御エリアを表す符号列を変更し、シミュレーションによって交通及び制御エリア形状の状態量に関する評価値を求める過程を繰り返しながら、適切な制御パラメータ及び制御エリアを設計する交通信号制御パラメータ生成方法であって、予め多数の想定した交通状況の下で、符号列上の複数の点をランダムに選択・変更して交通流シミュレーションを実行し、変更パラメータの符号列上の位置とその際の評価値に関するデータを収集し、収集した符号列上の位置と評価値のデータから、状況が改善した場合における符号列上の選択確率分布を正規化し設定する。
【0012】
この方法によれば、上記同様に、設定した選択確率分布から、どの交差点や制御パラメータが制御に関して重要であるのかといった情報や効果的な組合せも間接的に評価することができる。したがって、制御パラメータや制御エリアのより効果的な組合せをより早く生成することが可能となり、設計コストや制御性能の向上に寄与できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、交通状況に対して影響や関連の大きい交差点、パラメータの組合せを優先して選択、良好な制御パラメータを生成可能となり、かつ収束性能も向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施の形態に係る交通信号制御パラメータ設計装置の概略構成を示すブロック図である。同図において、本実施の形態の交通信号制御パラメータ設計装置10は、処理部を有し、この処理部は、図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、プログラムを格納した記憶媒体、作業用メモリ等を有し、CPUがプログラムを実行して各部(交通流シミュレータ部101、試行変形シミュレーション部102、選択確率分布正規化部103)の機能を実現する。処理部の交通流シミュレータ部101は、付与された道路交通網や交通量や需要データと生成された制御パラメータや制御エリアに基づいて交通流動を再現する。本実施の形態では、制御対象である各信号機11の制御パラメータ(青黄赤の表示周期であるサイクル、青信号の比率であるスプリット、隣接交差点との青信号の開始時刻のずれを表すオフセット、以下CSOと略記)や、同期して動作する信号機の範囲である制御エリア12を、任意の範囲の整数で正規化及び量子化し符号化した値(例えば1〜100に正規化しかつ量子化した値)とする。
【0016】
制御エリア12に関しては、交差点(ノード)13間の道路(双方向リンク)14を1つの符号に対応させる。接続関係は、隣接ノード13の非接続又は接続を双方向リンクの値{0,1}で表わすものとして、パラメータの符号と一致させるために1〜100で表現しそれを2で除算した剰余として表現する。今、対象道路網の交差点や各信号制御のパラメータを上記のように符号化し、配列状に列挙したパラメータテーブル(X[1],X[2],X[3],…,X[N];インデックスNは配列位置に対する番号)にあるものとする。この場合、例えば交差点13のサイクルはX[1],スプリットX[2]等と適宜並べればよい。つまり、X[1],X[2],X[3],…,X[N]は、各交差点13のCSOと双方向リンクの値(1〜100)順に列挙した{1,33,49,…,22}といった符号列となる。インデックスは、任意の交差点の制御パラメ一タや双方向リンクに対応する。以下、このXをパラメータ符号列と称する。
【0017】
試行変形シミュレーション部102では、予め多数の想定した交通状況(交通量や需要)パターン(以下、シミュレーションパターンrと称する)の下で交差点13のパラメータをランダムに複数点選択・変更し、交通流シミュレーションを実行する最適化処理を試行し、変更パラメータ(パラメータテーブル上の位置)と評価値に関するデータを獲得する。これらを十分に繰り返し、複数の交差点13やパラメータによる組合せ(つまりパラメータテーブル上の位置1〜Nの組合せ)とその際の評価値のデータを収集する。
【0018】
最適化は、RS(ランダム探索法)といった手法により行なうものとする。RSのとき、乱数により、符号列の長さ(N)以下の任意個数とその位置を選択し、その符号をさらに乱数で別な符号に変更、この処理操作による符号列を、任意の交通量や交通流動等を想定したパターンの交通流シミュレーションで動作させ、その制御結果として評価値を得る。前回の評価値より向上したならば、その符号列を採用し、それ以外はその符号列を棄却する。これを任意回数Tだけ実行し、より良好な符号列すなわち制御パラメータや制御エリアを探索し獲得する。実際の値を得るためには、各符号を非正規化して元の範囲に変換すればよい。例えば、サイクルの範囲が0〜180[秒]として、ある信号のサイクルに該当する符号が50ならば、180×50/100=90[秒]となる。他のパラメータも同様である。制御エリア12は、上述の通り、例えば13ならば13%2=1(%はモジュロ演算子)となり、この場合は接続を意味する。
【0019】
選択確率分布正規化部103では、最適化を試行した交通状況における収集データ(変更パラメータ位置と評価値)を解析し、状況が改善すなわち評価値が向上した場合における、パラメータテーブル上の当パラメータの組合せ(1〜Nの任意該当位置)の選択確率を向上度合に応じて増加させる。得られた確率分布を正規化して事前の選択確率、つまりはパラメータテーブル上の選択確率分布を設定する。
【0020】
この最適化試行を、予め想定したシミュレーションパターンr(=1,2,…,R)について、各々任意回数T(1,2,…,t,…,T)繰り返して、符号列の位置と評価値のデータを獲得し、これらのデータから選択確率分布を生成する。
【0021】
以下、交通流シミュレータ部101、試行変形シミュレーション部102及び選択確率分布正規化部103の各部の詳細な動作を説明する。
【0022】
図2は試行変形シミュレーション部102の動作を説明するためのフロー図、図3は選択確率分布正規化部103の動作を説明するためのフロー図である。また、図4は試行変形シミュレーション部102及び選択確率分布正規化部103のそれぞれにおける処理概念を表した図である。
【0023】
(試行変形シミュレーション部102の動作)
図2において、まず予め設定する交通流シミュレーションパターンのデータr(=1,2,…)を読み込む(S201)。交通流シミュレーションは、実際の交通流に応じて発生交通量や流入位置を変えて実行する。これをシミュレーションパターンrとして、本実施の形態では、閑散・混雑・渋滞といった予め用意した多数のRパターン(r=1,2,…,R)分実行する。パターンは、可能な限り想定できる交通状況分用意する。他に流入交通量等を乱数で生成する方法でもよい。想定したパターン数R分、以降の処理を各パターンrで任意回数t=1〜Tだけ繰り返す。シミュレーションパターンデータ読み込み後、パラメータ符号列Xの初期値を乱数にて設定する(S202)。
【0024】
次いで、この符号列の変更とシミュレーションによる評価値算出を1セットとして、これを各時点tで処理、設定した時点数T(t=1,2,…,T)だけ繰り返す。この処理は次の通りである。すなわち、符号列の長さをNとして、変更点数M(t)(1≦M≦N)と、その際の位置P(t)を決定する(S203)。具体的には、乱数を用いてランダムに変更点数M(t)を決定したら、さらに位置に該当する1〜Nの中からM個をランダムに選択する。この変更点数M(t)と位置P(t)を決定したら、P(t)に該当する位置の符号を最適化手法(ここではRS)に基づいて乱数で他の値に変更(S204)、想定した交通状況パターンrのシミュレーションを実施し、該当位置の符号を変更した後の符号列の評価値、E(P(t))を得る(S205)。評価値Eは、例えば交通流の円滑化に対する指標である車両の遅れ時間や、環境評価指標である汚染物質排出量であり、制御目的によって算出する。シミュレーションは任意の方法で構わないが、例えば実施の形態ではTRANSYTモデルによる。
【0025】
今、シミュレーションパターンrの試行時点tにおいて、任意の乱数で変更点数M(t)=4、位置がP(t)={1,6,10,19}となったとすると、符号列のX[1],X[6],X[10],X[19]の値を乱数で変更し、X[P(t)]変更後の符号列Xによる評価値E(P(t))を算出することになる。この処理を設定回数T分繰り返す(S206)。これによってパターンpに対して試行したデータが得られる。さらに、想定される全シミュレーションパターンP分繰り返す(S207)。上記の処理で得られた各パターンに対する符号列の位置と評価値のデータ(P(t),E(P(t))r(r=1,2,…,R)を処理部の図示せぬ記憶手段に格納する(S208)。試行変形シミュレーション部102において、全シミュレーションパターンRに関する位置と評価値の試行データ(P(t),E(P(t))r(r=1,2,…,R)を獲得したならば、選択確率分布を生成する。
【0026】
(選択確率分布正規化部103の動作)
図3において、まず符号列Xに対応する評価値テーブルYを生成する(S301)。具体的にはX[1],X[2],X[3],…,X[N]に対応してY[1],Y[2],Y[3],…,Y[N]なる配列として、その初期値を0とする。処理部から試行した符号列の位置と評価値に関するデータP(t),E(P(t))r(t=1,2,…,T;r=1,2,…,R)を読み込む(S302)。各パターンデータrでt−1〜tにおける評価値の差分ΔE(P(t))rを求め、ΔEが向上している場合、その該当位置のY[(P(t))r]にΔE(P(t))rの絶対値を加算する(S303)。つまり、評価値テーブルY[(P(t)r)]にΔE(P(t))rの絶対値を加算する。
【0027】
したがって、評価値が向上した時点の各位置に向上しただけの値が積み上がることになる。Y[n](n=1,2,…,N)の配列に△E(P(t))rの絶対値を加算後、Y[n]>0で最低の値Yminを選択する(S304)。Ymin選択後、Y[n]=0の位置に対してYminのα[%]をY[n]=0の位置に付与する(S305)。例えば、x=50[%]として、Ymin×0.5の値をY[n]=0の位置に与える。評価値が向上しなかった位置についても、可能性として選択確率を与えるためである。この後、評価値テーブルYをΣY[n]=1.0になるように正規化する(S306)。正規化後の評価値テーブルYを選択確率分布として処理部の図示せぬ記憶手段に格納する(S307)。
【0028】
制御時には、この選択確率分布を読み出して、制御パラメータや制御エリアを表現する符号列を変更する。実際には、分布に応じたいびつなサイコロ様の乱数を生成すればよい。この分布によれば、評価値の向上する組合せが優先して選択されることになる。この確率分布は、1つだけではなく、閑散・混雑・渋滞といった交通状況毎に複数持ってもよい。また、道路網や交通流の経時的な変化等に対応するためには、選択確率分布を定期的に変更し更新すればよい。実際の変更位置に対する評価値が得られるならば、これらのデータを蓄積して選択確率分布を求めることも可能である。
【0029】
このように本実施の形態の交通信号制御パラメータ設計装置10によれば、予め多数の想定した交通状況の下で符号列上の複数の点をランダムに選択・設定して交通流シミュレーションを実行し、変更パラメータの符号列上の位置とその際の評価値に関するデータを収集し、収集した符号列上の位置と評価値のデータから、状況が改善(すなわち評価値が向上)した場合における符号列上の選択確率分布を正規化し設定するので、この設定した選択確率分布から、どの交差点や制御パラメータが制御に関して重要であるのかといった情報や効果的な組合せも間接的に評価することができる。したがって、制御パラメータや制御エリアのより効果的な組合せをより早く生成することが可能となり、設計コストや制御性能の向上に寄与できる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、制御パラメータや制御エリアのより効果的な組合せをより早く生成することができるといった効果を有し、交通信号制御装置などへの適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施の形態に係る交通信号制御パラメータ設計装置の概略構成を示すブロック図
【図2】図1の試行変形シミュレーション部の動作を説明するためのフロー図
【図3】図1の選択確率分布正規化部の動作を説明するためのフロー図
【図4】図1の試行変形シミュレーション部及び選択確率分布正規化部における処理概念を表した図
【符号の説明】
【0032】
10 交通信号制御パラメータ設計装置
11 信号機
12 制御エリア
13 交差点
14 道路
101 交通流シミュレータ部
102 試行変形シミュレーション部
103 選択確率分布正規化部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路構造及び交通流を再現する交通流シミュレータ手段を備え、道路網上の複数の信号機を制御するための制御パラメータ及び制御エリアを表す符号列を変更し、シミュレーションによって交通及び制御エリア形状の状態量に関する評価値を求める過程を繰り返しながら、適切な制御パラメータ及び制御エリアを設計する交通信号制御パラメータ設計装置であって、
予め多数の想定した交通状況の下で、符号列上の複数の点をランダムに選択・変更して交通流シミュレーションを実行し、変更パラメータの符号列上の位置とその際の評価値に関するデータを収集する試行変形シミュレーション手段と、
前記試行変形シミュレーション手段で収集された符号列上の位置と評価値のデータから、状況が改善した場合における符号列上の選択確率分布を正規化し設定する選択確率分布正規化手段と、
を備える交通信号制御パラメータ設計装置。
【請求項2】
道路構造及び交通流を再現する交通流シミュレータを備え、道路網上の複数の信号機を制御するための制御パラメータ及び制御エリアを表す符号列を変更し、シミュレーションによって交通及び制御エリア形状の状態量に関する評価値を求める過程を繰り返しながら、適切な制御パラメータ及び制御エリアを設計する交通信号制御パラメータ生成方法であって、
予め多数の想定した交通状況の下で、符号列上の複数の点をランダムに選択・変更して交通流シミュレーションを実行し、変更パラメータの符号列上の位置とその際の評価値に関するデータを収集し、収集した符号列上の位置と評価値のデータから、状況が改善した場合における符号列上の選択確率分布を正規化し設定する交通信号制御パラメータ生成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate