人体局部洗浄装置
【課題】制御要素を配設した袖部を有していなくても、人体を検出して便座及び/または便蓋の自動開閉を行うことができること。
【解決手段】人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲とし、便蓋6または便座4をθ角度回動して開放するとき、その重力方向を一定として、その検出角度範囲を便蓋6または便座4を閉じた状態と同一としたものである。
【解決手段】人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲とし、便蓋6または便座4をθ角度回動して開放するとき、その重力方向を一定として、その検出角度範囲を便蓋6または便座4を閉じた状態と同一としたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水洗便器に設置される人体局部洗浄装置に関し、特に、人体を検出して便座、便蓋の自動開閉を行う人体局部洗浄装置の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の人体局部洗浄装置として特許文献1の発明がある。特許文献1の人体局部洗浄装置は、前方側及び後方側に夫々座面部及びボックス部を一体的に設けた便座ユニットと、前記ボックス部の内部に収容された洗浄機構その他の機構部とを備え、前記ボックス部を便器リム面の後部に固定されたブラケットの所定高さの位置に枢支したとき、前記便座ユニットが、前記座面部が前記便器リム面上に載置される閉位置と前記座面部が前記便器リム面に対して直角若しくは鈍角をなす開位置との間を回動変移されるようにし、更には、前記座面部を覆う便蓋の後端部を前記ボックス部に、前記ボックス部の枢支位置と略同芯となるように枢支したものである。この構成によって、便座ユニットと便蓋とが共通の枢支点乃至は回動中心を持つことになるので、ボックス部の後方への回動の際、便蓋が勝手に後方に回動することがないので、操作性がよくなり、かつ、楽に操作できる。
【0003】
また、従来の人体局部洗浄装置として特許文献2の発明がある。即ち、便器と、該便器上に配設された温水洗浄手段を有する本体と、該本体側部の袖部にスイッチボタン群が配設されたスイッチパネルと、便座と、人体検知センサとからなる人体局部洗浄装置において、前記袖部上面には袖部前方から後方にかけて高くなる段部が形成され、かつ、該段部前方には人体検知センサ収納部が形成され、該センサ収納部には人体検知センサが内蔵されているものである。この構成によって、操作部の視認性を損なうことなく、袖部に人体検知センサを配設することができ、かつ、センサ窓を床に対し垂直に近づけることにより、ホコリや水によるセンサ性能の低下を少なくするものである。
【特許文献1】特開2005−213875
【特許文献2】特開平11−172741
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の構造の人体局部洗浄装置において、特許文献2の人体検知機能を持たせて、便蓋や便座を自動開閉しようとするとき、特許文献1の構成の人体局部洗浄装置には制御要素を配設した袖部を有していないから、人体検知センサを便座及び便蓋を回動自在に機械的に支持する便座ユニット本体に配設することにならざるを得ない。
しかし、上記特許文献1の便座ユニット本体に人体検知センサを配設し、人体を検出したとき便座、便蓋のオート開閉を行う機能を持たせようとすると、便座や、便蓋を開放したとき、人体検知センサが便座や、便蓋に遮られ、それらの繰り返しの反射波でないと人体を検出することが困難となる。しかし、反射波による人体検知では、人体検知センサによる信頼性が低下する。
そこで回避策として、壁面または天井、床面に人体検知センサを配設することが考えられるが、配管等の別な工事が必要となり、トイレ室内が完成したものには施工が困難である。
【0005】
また、図11の人体局部洗浄装置を取付けた状態のトイレの側面の説明図に示すように構成することが考えられる。即ち、ロータンク2が上部に設置されている便器1には、回動自在に便座4が取付けられている。同様に、便座4の後部位置において、便蓋6が機械的に回動自在に取付けられている。したがって、便蓋6または便座4が閉じた常態下で前方に人体検知センサS1を配設し、また、便蓋6または便座4を開放した常態下で人体が検出できるように、便蓋6、便座4の下側に水平方向に人体の存在を確認する人体検知センサS2を配設する対応が考えられる。
ところが、図11に示す人体検知センサS1及び人体検知センサS2の配設は、便座4と便蓋6の単独開閉の仕様から判断すると少なくとも2個以上のセンサが必要となり、使用するセンサのコスト高となり、また、センサの故障発生確率も高くなる。
【0006】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、制御要素を配設した袖部を有していなくても、低コストで信頼性の高い人体検出を行い、かつ、便座及び/または便蓋の自動開閉を行うことができる人体局部洗浄装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1にかかる人体局部洗浄装置は、便器の後部に装着され、前記便器の前方から接近する人体を検知する検知センサと、便座及び/または便蓋を定常状態位置から開放状態位置に、また、前記開放位置から定常状態位置に回動する駆動手段と、前記検知センサから検知信号を受けると前記駆動手段をして、前記便座及び/または前記便蓋を定常状態位置から開放状態位置に回動制御する制御手段とを具備し、前記便座及び前記便蓋の何れか一方を前記検知センサが取り付けられる被装着体となし、前記検知センサの垂直方向の検知角度αは、前記被装着体が定常状態位置から開放状態位置の何れの位置にあっても、水平方向を含むように設定されたものである。
上記便座、便蓋、駆動手段は、課題提起からすれば、一般に便座一体型と呼ばれる構成の人体局部洗浄装置を前提とし、袖部を有していない構成を意味するものであるが、本発明を実施するには、袖部を有しているものにも適用でき、便座一体型以外の構成にも適用できる。また、上記人体を検出する検知センサの検出領域が便座を閉じた状態で、略水平方向をその検出角度に含むα角度範囲は、床面に平行な水平方向を基準とすると、110〜120度程度の広角度センサである。便座を開放する角度θは、通常110±10度程度である。したがって、α角度が110〜120度程度であれば、便座を開放しても略水平方向をその検出角度に含むことになる。そして、上記人体を検出する検知センサの設置箇所は、前方が望ましいが、必ずしもそれに限定されるものではなく、意匠性との兼ね合いで決定できる。更に、前記駆動手段は、公知の便座及び/または便蓋等の被装着体の開閉装置の使用が可能である。
なお、ここで検知センサの垂直方向の検知角度αとは、便器の前後の長さ方向の中央を垂直面で切断した平面を想定するものである。
そして、便座及び/または便蓋等の被装着体の定常状態位置とは、便器の開口側にある位置状態をいい、また、開放状態位置とは、便座及び/または便蓋等の被装着体が起立した状態にあることをいう。
【0008】
請求項2にかかる人体局部洗浄装置の前記人体を検出する検知センサの検出角度のα角度と便座の回動角度のθ角度とは、α≧θとしたものである。
ここで、検知センサの検出角度のα角度と便座の回動角度のθ角度とをα≧θとしたものであるが、本発明を実施する場合、検知センサの検出角度のα角度と便座の回動角度のθ角度とは、便座の回動角度のθ角度が通常90度以上回動するものであるから、検知センサの検出角度のα角度も90度以上を意味するものである。
【0009】
請求項3にかかる人体局部洗浄装置の前記人体を検出する検知センサの検出角度は、赤外線反射体によってその角度範囲を拡大させることもできる。ここで赤外線反射体は、赤外線を高効率で反射するアルミ等の材料で形成されておればよい。
【0010】
請求項4にかかる人体局部洗浄装置は、便器の後部に装着され、前記便器の前方から接近する人体を検知する検知センサと、便座及び/または便蓋を定常状態位置から開放状態位置に、また、前記開放位置から定常状態位置に回動する駆動手段と、前記検知センサから検知信号を受けると前記駆動手段をして、前記便座及び/または前記便蓋を定常状態位置から開放状態位置に回動制御する制御手段とを具備する人体局部洗浄装置において、前記便座及び前記便蓋の何れか一方を前記検知センサが取り付けられる被装着体となし、前記検知センサの垂直方向の検知角度αは、前記被装着体が定常状態位置から開放状態位置の何れの位置にあっても、前記被装着体の回動角度に対応して前記検知センサに逆方向の回転を付与し、前記検知センサの垂直方向の検知角度αを略同一としたものである。
ここで、上記便座、便蓋、駆動手段は、課題提起からすれば、一般に便座一体型と呼ばれる構成の人体局部洗浄装置を前提とし、袖部を有していない構成を意味するものであるが、本発明を実施するには、袖部を有しているものにも適用でき、便座一体型以外の構成にも適用できる。また、前記駆動手段は、公知の便座及び/または便蓋等の被装着体の開閉装置の使用が可能である。そして、上記被装着体を回動して開放するとき、その回動角度に対応する逆方向の回転を付与するのは、上記被装着体の回動を検出してその検出値をもって検知センサの検知方向を修正する方法、同時に、被装着体の回動する信号と、逆の信号でもって検知センサの検知方向を修正する方法等が採用できる。具体的には、電気的または機械的に制御できる。
【0011】
請求項5にかかる人体局部洗浄装置は、便器の後部に装着され、前記便器の前方から接近する人体を検知する検知センサと、便座及び/または便蓋を定常状態位置から開放状態位置に、また、前記開放位置から定常状態位置に回動する駆動手段と、前記検知センサから検知信号を受けると前記駆動手段をして、前記便座及び/または前記便蓋を定常状態位置から開放状態位置に回動制御する制御手段とを具備する人体局部洗浄装置において、前記便座及び前記便蓋の何れか一方を前記検知センサが取り付けられる被装着体となし、前記被装着体が定常状態位置から開放状態位置の何れの位置にあっても、前記検知センサの垂直方向の検知角度αは前記被装着体の回動角度に関係なく、その重力方向に依存する特定の方向とし、前記被装着体の検出角度範囲を前記被装着体の回動角度に左右されることなく略同一としたものである。
ここで、上記便座、便蓋、駆動手段は、課題提起からすれば、一般に便座一体型と呼ばれる構成の人体局部洗浄装置を前提とし、袖部を有していない構成を意味するものであるが、本発明を実施するには、袖部を有しているものにも適用でき、便座一体型以外の構成にも適用できる。また、前記駆動手段は、公知の便座及び/または便蓋等の被装着体の開閉装置の使用が可能である。そして、上記便座の前方に取付けられた人体を検出する検知センサの検出領域が被装着体を閉じた状態で、略水平方向をその検出領域に含むα角度範囲は、その重力方向を一定として、その重力方向に従って検出領域を被装着体を閉じた状態と同一とすべく軸支したものであるから、如何なる被装着体の回動位置においても、略水平方向をその検出角度に含む領域が検出領域となる。
【0012】
請求項6にかかる人体局部洗浄装置の前記人体を検出する検知センサは、被装着体の前方に配設され、便座の厚みの略2/3以下の位置に配設したものである。ここで、便座の厚みの略2/3以下の位置であれば、人が便座に着座するときには、検知センサの配設箇所に気づくことなく使用できる確率を高くするものであるから、その程度は2/3以下の下方に限定すればするほど、気づくことなく使用可能となる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の人体局部洗浄装置によれば、人体を検出する検知センサは、被装着体の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が被装着体を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むα角度範囲とし、また、前記被装着体をθ角度回動して開放した状態下においても、前記α角度範囲内に略水平方向を含む検出角度としたものであるから、被装着体を閉じた状態では、少なくとも、水平方向の情報によって人体を検出でき、被装着体を開いた状態でも水平方向の情報によって人体を検出でき、しかも、被装着体を開いた状態の水平方向は、床面から80〜100cm程度の位置の検出となるから、確実に人体の検出を行うことができる。そして、検知センサを複数個使用する必要性がない。
したがって、仮に、制御要素を配設した袖部を有していなくても、低コストで信頼性の高い人体検出を行い、かつ、便座及び/または便蓋等の被装着体の自動開閉を行うことができる。
【0014】
請求項2の人体局部洗浄装置の前記人体を検出する検知センサの検出角度のα角度と被装着体の回動角度のθ角度とは、α≧θとしたものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、被装着体の回動角度のθ角度よりも検知センサの検出角度のα角度が大きいから、被装着体を開いた状態の水平方向以下の角度までを検出領域とすることができ、確実に人体の検出を行うことができる。
【0015】
請求項3の人体局部洗浄装置の前記人体を検出する検知センサの検出角度は、赤外線反射体によってその角度範囲を拡大させたものであるから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、廉価に広角度センサが得られ、複数のセンサを用いることなく広い範囲の人体検出を行うことができる。
【0016】
請求項4の人体局部洗浄装置の前記人体を検出する検知センサは、前記便蓋及び/または前記便座等の被装着体に取付けられ、その垂直平面の検出領域が前記被装着体を閉じた状態で略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲とし、前記被装着体を回動して開放するとき、その回動角度に対応する逆方向の回転を付与し、その検出角度範囲は前記被装着体を閉じた状態と同一としたものである。
したがって、被装着体がθ角度回動しても、略水平方向をその検出範囲に含む検知センサの検出領域は変化しないから、常に略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲の検出領域で検出することができる。
よって、仮に、制御要素を配設した袖部を有していなくても、低コストで信頼性の高い人体検出を行い、かつ、便座及び/または便蓋等の被装着体の自動開閉を行うことができる。
【0017】
請求項5の人体局部洗浄装置は、人体を検出する検知センサが被装着体の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便座を閉じた状態で略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲とし、前記被装着体をθ角度回動して開放するとき、その重力方向を一定として、その検出角度範囲を被装着体が閉じた状態と同一の角度として軸支されている。即ち、被装着体はθ角度回動するが、その重力方向に対して、略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲は、重力方向が定まることにより、その重力方向に対して一義的に決定される人体を検出する検知センサの方向に設定することにより、被装着体の回動角度にかかわらず、常に略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲の検出領域で検出することができる。
したがって、仮に、制御要素を配設した袖部を有していなくても、低コストで信頼性の高い人体検出を行い、かつ、便座及び/または便蓋等の被装着体の自動開閉を行うことができる。
【0018】
請求項6の人体局部洗浄装置の前記人体を検出する検知センサは、被装着体の前方に配設され、被装着体の厚みの略2/3以下の位置に配設したものであるから、請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の効果に加えて、通常の被装着体の開閉の使用状態では、検知センサの配設箇所を認識し難いから、それによる意匠性の低下を招くことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、実施の形態2以降において、実施の形態1の部分と同一記号及び同一符号は、実施の形態1と同一または相当する機能を意味する部品であるから、ここでは重複する説明を省略する。
【0020】
図1は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置を取付けた状態のトイレの側面図である。また、図2は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置の便蓋が閉じた状態の側面図、図3は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置の便蓋を開けた状態の側面図、図4は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置の便座を開けた状態の側面図である。そして、図5は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置における検知センサの設置範囲を説明する平面図、図6は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置における検知センサの設置状況を説明する平面図である。
【0021】
図1乃至図6を用いて、本実施の形態1における人体局部洗浄装置について説明する。
洋式トイレ用として形成された便器1は、陶器で成形された公知の形態のものである。本実施の形態1で説明するものは、ロータンク2が便器1の上部に設置されている。便器1には、基体3がボルト3aによって取付けられている。基体3に対しては、機械的に支軸5を中心に回動自在に便座4が取付けられている。同様に、便座4の後部位置において、便蓋6が機械的に回動自在に取付けられている。便蓋6は単独で便座4の開口を開閉することができ、また、便座4に被さった状態で便座4の動作によって回動することもできる。これら便座4と便蓋6は、公知の技術によって電気的制御によって開閉自在になっている。
【0022】
図2は便蓋6が便座4の上に閉じた状態であり、図3は便蓋6を便座4から離して開けた状態であり、図4は便蓋6と便座4とを同時に開けた状態である。これら便蓋6と便座4の開閉制御については、公知であるからここではその説明を省略する。
本実施の形態の便座ユニット本体7は、便座4の後部位置に便蓋6を回動自在に機械的に軸支し、かつ、人体を検出する検知センサ8の出力によって図示しない制御回路の設定に従って、便座4及び/または便蓋6を回動制御する図示しない制御回路を内蔵するものであり、便座4と一体に連続して形成されている。
なお、本発明を実施する場合の便座ユニット本体7は、便座4の後部位置で便蓋6を回動自在に機械的に軸支するものであれば、便蓋6と一体に連続して形成されているか、否かを問うものではない。
【0023】
便座4の前方には、赤外線が透過する透明体部分41が形成されている。この透明部分は、便座4の厚みの2/3以下、好ましくは1/2以下に形成されている。そして、便座4の下面にまで至るものであり、広角度センサである焦電型の赤外線の検知センサ8がその内部の隔壁4aに配設されている。検知センサ8から見れば、その垂直平面を想定する検出領域は、便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むα角度範囲としている。なお、理解のしやすさからここでは、これを水平から下方向にα角度範囲とすることとする。念のため、記載するが、本発明を実施する場合には、便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むα角度範囲とは、水平方向よりも上の角度を含むことを否定するものではない。
【0024】
このα角度範囲は、通常、100〜120度程度に設定される。なお、このα角度範囲は、現実に人体の検出可能な範囲を意味するものではなく、便座4が便器1の上に載置されている状態では、便器1の陰になり検出不可能な範囲も含む設計値である。
人がトイレに入退室したことを検知する赤外線の検知センサ8は、他の超音波、マイクロ波、光等のセンサとすることもできるが、発明者等の実験によれば、デザイン的にも、検出能力的にも、赤外線のセンサが好適であることが確認された。
【0025】
また、便座4は便器1の上面に載置された状態からθ角度回動して開放した状態で便蓋6がその回動を停止し、便蓋6の回動制限によって便座4も停止する。このとき、便座4はθ角度回動したことになる。このことは、便器1の上面に載置された状態の便座4の水平面が、θ角度回動したことになり、その垂直平面を想定する検出領域は、θ−α〜θ角度の範囲となる。
そして、本実施の形態の人体局部洗浄装置では、便座4に人体を検出する検知センサ8を配設する事例で説明したが、本発明を実施する場合、同様にスペースを確保することにより、便蓋6に人体を検出する検知センサ8を配設することもできる。
【0026】
即ち、本実施の形態1の人体局部洗浄装置は、便器1に取付けられる基体3と、基体3に対して回動自在に機械的に軸支された便座4と、便座4の後部位置において、便蓋6を回動自在に機械的に軸支すると共に、人体を検出する検知センサ8の出力によって便座4及び/または便蓋6を回動制御する制御回路を内蔵する便座4と一体に形成された便座ユニット本体7とを具備し、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むα角度範囲とし、便座4をθ角度回動して開放した状態で前記α角度範囲内に略水平方向を含む検出角度としたものである。
【0027】
即ち、本実施の形態1の人体局部洗浄装置は、便器1の後部に装着され、便器1の前方から接近する人体を検知する検知センサ8と、便座4及び/または便蓋6を定常状態位置から開放状態位置に、また、前記開放位置から定常状態位置に支軸5を中心に回動する駆動手段と、検知センサ8から検知信号を受けると駆動手段をして、便座4及び/または便蓋6を定常状態位置から開放状態位置に回動制御する制御手段とを具備し、便座4及び便蓋6の何れか一方を検知センサ8が取り付けられる被装着体となし、検知センサ8の垂直方向の検知角度αは、前記被装着体が定常状態位置から開放状態位置の何れの位置にあっても、水平方向を含むように設定された構成の発明とすることができる。
したがって、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むα角度範囲とし、便座4をθ角度回動して開放した状態でα角度範囲内に略水平方向を含む検出角度としたことにより、検知センサ8は必ず人体を検出できる領域を、その検出領域とするものであるから、信頼性の高い人体の検出が行える。
【0028】
発明者らは、念のため、人体を検出する検知センサ8が便座4及び便蓋6に設置できる範囲について検討した。検知センサ8の設置場所としては、上記実施の形態のように、便座4に設置したが、本発明を実施する場合には、便蓋6に設置しても同様の効果が得られることが確認され、更に、便座4及び便蓋6の前方のみに限定されることなく、意匠性において、設計自由度が制限されるものの、図6に示すように、その周辺部に配設しても同様の効果が得られることが確認された。しかし、意匠性を考慮すると便座4及び/または便蓋6の前方に配設することが望ましい。特に、便座4の前方に配設すると、そのスペースの確保、配線等の処理が簡単になるので望ましい。
【0029】
[実施の形態2]
上記実施の形態では、検知センサ8に広角度センサを用いたが、それよりも狭い領域の検知センサとすることもできる。
図7は本発明の実施の形態2における人体局部洗浄装置を取付けた状態のトイレの側面から見た概略断面図である。
便器1に取付けられている基体3は、機械的に支軸5を堅固に回動しないように取付けている。支軸5には歯車21が嵌め込まれていて、支軸5と歯車21は一体に固定されている。また、人体を検知する赤外線の検知センサ8は、便座4の前方に軸支された支軸22に直接、堅固に取付けられている。検知センサ8と図示しない制御回路とは、フレキシブル基板によって電気的に接続されている。また、支軸22には歯車23が嵌め込まれていて、支軸22と歯車23は一体に固定されている。そして、歯車21と歯車23とはタイミングベルト24によって便座4の回動が伝達されるようになっている。
【0030】
即ち、便座4を開閉すると、基体3に固定されている支軸5の歯車21はそのままの状態を維持する。しかし、便座4の前方が移動すると歯車21とタイミングベルト24との噛み合いが変化する。便座4が開くとき、下方向の噛み合いが増加し、上方向の噛み合いが減少する。便座4が閉じるとき、下方向の噛み合いが減少し、上方向の噛み合いが増加する。そのタイミングベルト24の変移は、歯車23に伝達され、歯車21と歯車23との比が1対1のとき、歯車23はタイミングベルト24によって移動方向の回転が補完されるので、側面から見ると、便座4の開放角度に左右されることなく、便座4が水平状態にあるときから変化しない。
側面から見て歯車23の回転が変化しない(歯車23は現実には回転している)ことは、検知センサ8の検知角度も便座4が水平状態にあるときと変化しないことを意味し、常に、便器1の前方の人の存在を検知することができる。
本実施の形態では、タイミングベルト24によって歯車21と歯車23とを連結したが、本発明を実施する場合には、歯車21と歯車23とを平板またはアームとし、それら平板の両端相互間をワイヤーで接続してもよい。いずれにせよ、便座4の回動角が歯車23側の支軸22の角度情報として使用できればよい。
【0031】
このように、本実施の形態2の人体局部洗浄装置は、便器1に取付けられる基体3と、基体3に対して回動自在に機械的に軸支された便座4と、便座4の後部位置において、便蓋6を回動自在に機械的に軸支すると共に、人体を検出する検知センサ8の出力によって便座4及び/または便蓋6を回動制御する制御回路を内蔵する便座4と一体に形成された便座ユニット本体7とを具備し、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲とし、便蓋6または便座4をθ角度回動して開放するとき、その回動角度に対応する逆方向の回転を付与し、その検出角度範囲を便蓋6または便座4を閉じた状態と同一としたものである。
【0032】
即ち、本実施の形態2の人体局部洗浄装置は、便器1の後部に装着され、便器1の前方から接近する人体を検知する検知センサ8と、便座4及び/または便蓋6を定常状態位置から開放状態位置に、また、前記開放位置から定常状態位置に支軸5を中心に回動する駆動手段と、検知センサ8から検知信号を受けると駆動手段をして、便座4及び/または便蓋6を定常状態位置から開放状態位置に回動制御する制御手段とを具備し、便座4及び前記便蓋6の何れか一方を検知センサ8が取り付けられる被装着体となし、検知センサ8の垂直方向の検知角度αは、被装着体が定常状態位置から開放状態位置の何れの位置にあっても、前記被装着体の回動角度に対応して検知センサ8に逆方向の回転を付与し、検知センサ8の垂直方向の検知角度αを略同一とした構成の発明とすることができる。
【0033】
[実施の形態3]
上記実施の形態2では、便蓋6または便座4をθ角度回動して開放するとき、その回動角度に対応する逆方向の回転を付与し、その検出角度範囲を便蓋6または便座4を閉じた状態と同一としたものであるが、この制御を電気的に行うこともできる。
図8は本発明の実施の形態3における人体局部洗浄装置の検知センサの構造の要部斜視図である。
【0034】
便器1に取付けられている基体3は、機械的に支軸5を堅固に回動しないように取付けている。支軸5にはコード板31が配設されていて、支軸5とコード板31は一体に固定されている。コード板31の周囲にはコード検出器32が便座4に配設されており、便座4を回転させると、コード検出器32が所定の角度毎にパルスを発生することになる。即ち、コード板31とコード検出器32は回転を検出するエンコーダ30を構成し、便座4の回動角度をエンコーダ30の出力として検出し、当該エンコーダ30の出力を増幅して、パルスモータ33の駆動に使用する。
【0035】
パルスモータ33の出力軸36は、一端を軸受34で軸支し、減速機構を解し介して、または減速機構を介すことなく出力し、その出力軸36に人体を検知する検知センサ8が堅固に取付けられている。このパルスモータ33の出力軸36は、便座4の回動角度を検出するエンコーダ30の出力と1対1となるように設定され、パルスモータ33の出力に減速機構を介在させた場合には、エンコーダ30の出力を逓倍することになる。
また、人体を検知する検知センサ8は、便座4の前方に軸支された出力軸36に直接、堅固に取付けられている。検知センサ8と図示しない制御回路とは、フレキシブル基板35によって電気的に接続されている。
即ち、便座4を開閉すると、基体3に固定されている支軸5のコード板31はそのままの状態を維持する。しかし、便座4の前方が移動するとコード板31とコード検出器32との相対位置が変化する。その相対位置の変化は、コード検出器32からのパルス出力の変化となり、エンコーダ30の出力とパルスモータ33との回転が1対1のとき、パルスモータ33の出力の出力軸36は便座4の開放角度に左右されることなく、便座4が水平状態にあるときから変化しない。
【0036】
パルスモータ33の出力軸36の回転が変化しないことは、検知センサ8の検知角度も便座4が水平状態にあるときと変化しないことを意味し、常に、便器1の前方の人の存在を検知することができる。
本実施の形態では、エンコーダ30の出力とパルスモータ33とを連結したが、本発明を実施する場合には、エンコーダ30の出力を特定の外部の制御回路からパルス数を入力して、パルスモータによって便座4を回動させ、同時にパルスモータ33によって検知センサ8の位置を制御することもできる。いずれにせよ、便座4の回動角がパルスモータ33の出力軸36の角度情報として使用できればよい。
【0037】
このように、本実施の形態3においては、便器1に取付けられる基体3と、基体3に対して回動自在に機械的に軸支された便座4と、便座4の後部位置において、便蓋6を回動自在に機械的に軸支すると共に、人体を検出する検知センサ8の出力によって便座4及び/または便蓋6を回動制御する制御回路を内蔵する便座4と一体に形成された便座ユニット本体7とを具備し、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲とし、便蓋6または便座4をθ角度回動して開放するとき、その回動角度に対応する逆方向の回転を付与し、その検出角度範囲を便蓋6または便座4を閉じた状態と同一としたものである。
【0038】
即ち、本実施の形態3の人体局部洗浄装置は、便器1の後部に装着され、便器1の前方から接近する人体を検知する検知センサ8と、便座4及び/または便蓋6を定常状態位置から開放状態位置に、また、前記開放位置から定常状態位置に支軸5を中心に回動する駆動手段と、検知センサ8から検知信号を受けると駆動手段をして、便座4及び/または便蓋6を定常状態位置から開放状態位置に回動制御する制御手段とを具備し、便座4及び前記便蓋6の何れか一方を検知センサ8が取り付けられる被装着体となし、検知センサ8の垂直方向の検知角度αは、被装着体が定常状態位置から開放状態位置の何れの位置にあっても、前記被装着体の回動角度に対応して検知センサ8に逆方向の回転を付与し、検知センサ8の垂直方向の検知角度αを略同一とした構成の発明とすることができる。
【0039】
[実施の形態4]
上記実施の形態3では、便蓋6または便座4をθ角度回動して開放するとき、その回動角度に対応する逆方向の回転を付与し、その検出角度範囲を便蓋6または便座4を閉じた状態と同一としたものであるが、この制御を電気的、機械的制御を行うことなく実施することもできる。
図9は本発明の実施の形態4における人体局部洗浄装置の検知センサの構造の要部正面図である。
【0040】
便座4の前方に軸支された回転軸46は、一端を軸受43で、他端を軸受44で軸支し、その出力軸46に人体を検知する赤外線の検知センサ8が堅固に取付けられている。この検知センサ8は、回転軸46に対して重量部材47に取付けられており、重量部材47は検知センサ8及びフレキシブル基板45によって回動が規制されるという影響力がないような重さの錘となっている。検知センサ8と図示しない制御回路とは、フレキシブル基板45によって電気的に接続されている。
即ち、便座4を開閉すると、回転軸46に固定されている重量部材47は、その錘で重力方向の力の向きを維持する。このとき、軸受43及び軸受44と回転軸46は、回転自在に接続されているから、便座4を開閉しても、重量部材47の重力方向の力の向きを変更しない。即ち、検知センサ8は、便座4の開閉が行われても、便座4の開放角度に左右されることなく、検知センサ8の検知範囲は便座4が水平状態にあるときから変化しない。常に、便器1の前方の人の存在を検知することができる。
なお、本実施の形態では、回転軸46に対して重量部材47に取付けた形態で説明したが、本発明を実施する場合には、ヒンジとして回転軸46をヒンジの軸とすることもできる。
【0041】
このように、本実施の形態4においては、本実施の形態1の人体局部洗浄装置は、便器1に取付けられる基体3と、基体3に対して回動自在に機械的に軸支された便座4と、便座4の後部位置において、便蓋6を回動自在に機械的に軸支すると共に、人体を検出する検知センサ8の出力によって便座4及び/または便蓋6を回動制御する制御回路を内蔵する便座4と一体に形成された便座ユニット本体7とを具備し、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲とし、便蓋6または便座4をθ角度回動して開放するとき、その重力方向を一定として、その検出角度範囲を便蓋6または便座4を閉じた状態と同一としたものである。
【0042】
即ち、本実施の形態4の人体局部洗浄装置は、便器1の後部に装着され、便器1の前方から接近する人体を検知する検知センサ8と、便座4及び/または便蓋6を定常状態位置から開放状態位置に、また、前記開放位置から定常状態位置に支軸5を中心に回動する駆動手段と、検知センサ8から検知信号を受けると駆動手段をして、便座4及び/または便蓋6を定常状態位置から開放状態位置に回動制御する制御手段とを具備し、便座4及び便蓋6の何れか一方を検知センサ8が取り付けられる被装着体となし、前記被装着体が定常状態位置から開放状態位置の何れの位置にあっても、検知センサ8の垂直方向の検知角度αは前記被装着体の回動角度に関係なく、その重力方向に依存する特定の方向とし、前記被装着体の検出角度範囲を前記被装着体の回動角度に左右されることなく略同一とした構成の発明とすることができる。
【0043】
人体を検出する検知センサ8は、便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むα角度範囲とし、また、便座4をθ角度回動して開放した状態下においても、前記α角度範囲内に略水平方向を含む検出角度としたものであるから、便座4を閉じた状態では、少なくとも、水平方向の情報によって人体を検出でき、便座4を開いた状態でも水平方向の情報によって人体を検出でき、しかも、便座4を開いた状態の水平方向は、床面から80〜100cm程度の位置の検出となるから、確実に人体の検出を行うことができる。
また、上記実施の形態1の人体局部洗浄装置は、便座4に検知センサ8を配設する事例で説明したが、本発明を実施する場合には、便蓋6に配設することもできる。したがって、仮に、制御要素を配設した袖部を有していなくても、人体を検出して便座4及び/または便蓋6の信頼性の高い自動開閉を行うことができる。上記実施の形態2乃至4にも適用できることは当然である。
【0044】
[実施の形態5]
上記実施の形態2乃至実施の形態4では、便蓋6または便座4を回動して開放するとき、その回動角度に対応する逆方向の回転を生じさせ、その検出角度範囲を便蓋6または便座4を閉じた状態と同一としたものであるが、検知センサの検知領域を拡大することにより、稼動部をなくして最も簡単に検出する構成を採用することができる。
図10は本発明の実施の形態5における人体局部洗浄装置の検知センサの構造の取付け状態を示す要部断面図(a)、要部側面図(b)、要部正面図(c)である。
便座4の前方には、赤外線が透過する透明体部分41が形成されている。この透明部分は、便座4の厚みの2/3以下に形成されている。そして、便座4の下面にまで至るものであり、広角度センサである焦電型の赤外線の検知センサ8が基台51を介して、その内部に配設されている。基台51は便座4の厚み内に、透明体部分41の内側に空間を形成する隔壁4aに接合されている。
【0045】
検知センサ8の検出領域は、垂直方向の角度βの範囲である。そこで、赤外線反射体50を焦電型の赤外線の検知センサ8が、その境界面50cによって、正面から見て40〜70%が露出するように配設されている。便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むα角度範囲としている。即ち、検知センサ8はそれ自体の能力で、垂直方向の角度βの範囲については、赤外線反射体50を配設しないときに比べて、40〜70%の検出出力を出すことになる。
なお、検知センサ8を取付けた基台51と赤外線反射体50とは、接続具52によって所定の距離だけ離され、かつ、両者間は所定の角度を維持している。
また、検知センサ8の検出出力は、増幅器等によって増幅されるので、外乱と区別ができない程度の小出力でない限り問題とはならない。
【0046】
赤外線反射体50はプリズム状になっており、反射面50a及び反射面50bの反射により、検知センサ8の検出領域は、垂直方向の角度γの範囲となる。即ち、反射面50a及び反射面50bでは、検知センサ8の検出角度βが拡大する角度γの範囲となるように設定されている。したがって、検知センサ8の検出領域は、垂直方向の角度γの範囲となり、その出力は、赤外線反射体50を配設しないときには検出不可能領域であるが、仮想比較すると、30〜60%の検出出力となる。
このように、上記実施の形態2乃至実施の形態4のように、便蓋6または便座4を回動して開放するとき、その回動角度に対応して逆方向の回転を生じさせなくとも、赤外線の検出方向の角度を拡大することによっても可能となる。
【0047】
本実施の形態5の人体局部洗浄装置は、上記実施の形態1と同様、便器1に取付けられる基体3と、基体3に対して回動自在に機械的に軸支された便座4と、便座4または便座4に対して回動自在に機械的に軸支された便蓋6と、人体を検出する検知センサ8の出力によって便座4及び/または便蓋6を回動制御する図示しない制御回路を内蔵する便座4と一体に形成された便座ユニット本体7とを具備し、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むγ(α<γ)角度範囲とし、便座4をθ角度回動して開放した状態でγ(α<γ)角度範囲内に略水平方向を含む検出角度とした発明の構成とすることができる。
【0048】
このように、人体を検出する検知センサ8の検出角度は、赤外線反射体50によって検知センサ8の検出角度βを、拡大する角度γの範囲となるよう拡大させて使用することもできる。
したがって、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むγ(α<γ)角度範囲とし、便座4をθ角度回動して開放した状態でγ(α<γ)角度範囲内に略水平方向を含む検出角度としたことにより、検知センサ8は必ず人体を検出できる領域を、その検出領域とするものであるから、信頼性の高い人体の検出が行える。
【0049】
上記実施の形態2,3の人体局部洗浄装置は、便器1に取付けられる基体3と、基体3に対して回動自在に機械的に軸支された便座4と、便座4の後部位置において、便蓋6を回動自在に機械的に軸支すると共に、人体を検出する検知センサ8の出力によって便座4及び/または便蓋6を回動制御する制御回路を内蔵する便座4と一体に形成された便座ユニット本体7とを具備し、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲とし、便蓋6または便座4を回動して開放するとき、その回動角度に対応する逆方向の回転を付与し、その検出角度範囲を便蓋6または便座4を閉じた状態と同一としたものである。
【0050】
したがって、便座4または便蓋6がθ角度回動しても、略水平方向をその検出範囲に含む検知センサ8の検出領域は変化しないから、常に略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲の検出領域で検出することができる。故に、仮に、制御要素を配設した袖部を有していなくても、人体を検出して便座4及び/または便蓋6の信頼性の高い自動開閉を行うことができる。
【0051】
また、上記実施の形態4の人体局部洗浄装置は、便器1に取付けられる基体3と、基体3に対して回動自在に機械的に軸支された便座4と、便座4の後部位置において、便蓋6を回動自在に機械的に軸支すると共に、人体を検出する検知センサ8の出力によって便座4及び/または便蓋6を回動制御する制御回路を内蔵する便座4と一体に形成された便座ユニット本体7とを具備し、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲とし、便蓋6または便座4をθ角度回動して開放するとき、その重力方向を一定として、その検出角度範囲を便蓋6または便座4を閉じた状態と同一としたものである。
【0052】
したがって、便座4はθ角度回動するが、その重力方向に対して、略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲は、重力方向が定まることにより、その重力方向に対して一義的に決定される人体を検出する検知センサ8の方向に設定することにより、便座4の回動角度にかかわらず、常に略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲の検出領域で検出することができる。故に、仮に、制御要素を配設した袖部を有していなくても、人体を検出して便座4及び/または便蓋6の信頼性の高い自動開閉を簡単な構造で行うことができる。
【0053】
そして、本実施の形態1または実施の形態5の人体局部洗浄装置は、便器1に取付けられる基体3と、基体3に対して回動自在に機械的に軸支された便座4と、便座4の後部位置において、便蓋6を回動自在に機械的に軸支すると共に、人体を検出する検知センサ8の出力によって便座4及び/または便蓋6を回動制御する制御回路を内蔵する便座4と一体に形成された便座ユニット本体7とを具備し、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むαまたはγ角度範囲とし、便座4をθ角度回動して開放した状態で前記αまたはγ角度範囲内に略水平方向を含む検出角度としたものである。
【0054】
したがって、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むαまたはγ角度範囲とし、便座4をθ角度回動して開放した状態でαまたはγ角度範囲内に略水平方向を含む検出角度としたことにより、検知センサ8は必ず人体を検出できる領域を、その検出領域とするものであるから、信頼性の高い人体の検出が行える。
【0055】
上記実施の形態1乃至5の人体局部洗浄装置の人体を検出する検知センサ8は、便器1の前方に配設され、便座4の厚みの略1/2以下の位置に配設したものであるから、その意匠性をよくすることができる。
また、上記実施の形態1乃至5の人体局部洗浄装置の人体を検出する赤外線を使用した検知センサ8は、内蔵させるものであるから、センサ設置のための凹凸がなく、清掃性がよくなる。
【0056】
そして、便座4または便蓋6に内蔵させた検知センサ8は、設置する場所に制約が少なく、デッドスペースを活用でき、余ったスペースに多機能を入れ込むことができ、外観が良くコストが廉価となる。また、複数個使用する必要がないので廉価となり、故障の発生確率も低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置を取付けた状態のトイレの側面図である
【図2】図2は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置の便蓋が閉じた状態の側面図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置の便蓋を開けた状態の側面図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置の便座を開けた状態の側面図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置における検知センサの設置範囲を説明する平面図である。
【図6】図6は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置における検知センサの設置状況を説明する平面図である。
【図7】図7は本発明の実施の形態2における人体局部洗浄装置を取付けた状態のトイレの側面から見た概略断面図である。
【図8】図8は本発明の実施の形態3における人体局部洗浄装置の検知センサの構造の要部斜視図である。
【図9】図9は本発明の実施の形態4における人体局部洗浄装置の検知センサの構造の要部正面図である。
【図10】図10は本発明の実施の形態5における人体局部洗浄装置の検知センサの構造の取付け状態を示す要部断面図(a)、要部側面図(b)、要部正面図(c)である。
【図11】図11は想定される人体局部洗浄装置を取付けた事例のトイレの側面の説明図である。
【符号の説明】
【0058】
1 便器
3 基体
4 便座
6 便蓋
7 便座ユニット本体
8 検知センサ
24 タイミングベルト
30 エンコーダ
33 パルスモータ
47 重量部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、水洗便器に設置される人体局部洗浄装置に関し、特に、人体を検出して便座、便蓋の自動開閉を行う人体局部洗浄装置の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の人体局部洗浄装置として特許文献1の発明がある。特許文献1の人体局部洗浄装置は、前方側及び後方側に夫々座面部及びボックス部を一体的に設けた便座ユニットと、前記ボックス部の内部に収容された洗浄機構その他の機構部とを備え、前記ボックス部を便器リム面の後部に固定されたブラケットの所定高さの位置に枢支したとき、前記便座ユニットが、前記座面部が前記便器リム面上に載置される閉位置と前記座面部が前記便器リム面に対して直角若しくは鈍角をなす開位置との間を回動変移されるようにし、更には、前記座面部を覆う便蓋の後端部を前記ボックス部に、前記ボックス部の枢支位置と略同芯となるように枢支したものである。この構成によって、便座ユニットと便蓋とが共通の枢支点乃至は回動中心を持つことになるので、ボックス部の後方への回動の際、便蓋が勝手に後方に回動することがないので、操作性がよくなり、かつ、楽に操作できる。
【0003】
また、従来の人体局部洗浄装置として特許文献2の発明がある。即ち、便器と、該便器上に配設された温水洗浄手段を有する本体と、該本体側部の袖部にスイッチボタン群が配設されたスイッチパネルと、便座と、人体検知センサとからなる人体局部洗浄装置において、前記袖部上面には袖部前方から後方にかけて高くなる段部が形成され、かつ、該段部前方には人体検知センサ収納部が形成され、該センサ収納部には人体検知センサが内蔵されているものである。この構成によって、操作部の視認性を損なうことなく、袖部に人体検知センサを配設することができ、かつ、センサ窓を床に対し垂直に近づけることにより、ホコリや水によるセンサ性能の低下を少なくするものである。
【特許文献1】特開2005−213875
【特許文献2】特開平11−172741
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の構造の人体局部洗浄装置において、特許文献2の人体検知機能を持たせて、便蓋や便座を自動開閉しようとするとき、特許文献1の構成の人体局部洗浄装置には制御要素を配設した袖部を有していないから、人体検知センサを便座及び便蓋を回動自在に機械的に支持する便座ユニット本体に配設することにならざるを得ない。
しかし、上記特許文献1の便座ユニット本体に人体検知センサを配設し、人体を検出したとき便座、便蓋のオート開閉を行う機能を持たせようとすると、便座や、便蓋を開放したとき、人体検知センサが便座や、便蓋に遮られ、それらの繰り返しの反射波でないと人体を検出することが困難となる。しかし、反射波による人体検知では、人体検知センサによる信頼性が低下する。
そこで回避策として、壁面または天井、床面に人体検知センサを配設することが考えられるが、配管等の別な工事が必要となり、トイレ室内が完成したものには施工が困難である。
【0005】
また、図11の人体局部洗浄装置を取付けた状態のトイレの側面の説明図に示すように構成することが考えられる。即ち、ロータンク2が上部に設置されている便器1には、回動自在に便座4が取付けられている。同様に、便座4の後部位置において、便蓋6が機械的に回動自在に取付けられている。したがって、便蓋6または便座4が閉じた常態下で前方に人体検知センサS1を配設し、また、便蓋6または便座4を開放した常態下で人体が検出できるように、便蓋6、便座4の下側に水平方向に人体の存在を確認する人体検知センサS2を配設する対応が考えられる。
ところが、図11に示す人体検知センサS1及び人体検知センサS2の配設は、便座4と便蓋6の単独開閉の仕様から判断すると少なくとも2個以上のセンサが必要となり、使用するセンサのコスト高となり、また、センサの故障発生確率も高くなる。
【0006】
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、制御要素を配設した袖部を有していなくても、低コストで信頼性の高い人体検出を行い、かつ、便座及び/または便蓋の自動開閉を行うことができる人体局部洗浄装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1にかかる人体局部洗浄装置は、便器の後部に装着され、前記便器の前方から接近する人体を検知する検知センサと、便座及び/または便蓋を定常状態位置から開放状態位置に、また、前記開放位置から定常状態位置に回動する駆動手段と、前記検知センサから検知信号を受けると前記駆動手段をして、前記便座及び/または前記便蓋を定常状態位置から開放状態位置に回動制御する制御手段とを具備し、前記便座及び前記便蓋の何れか一方を前記検知センサが取り付けられる被装着体となし、前記検知センサの垂直方向の検知角度αは、前記被装着体が定常状態位置から開放状態位置の何れの位置にあっても、水平方向を含むように設定されたものである。
上記便座、便蓋、駆動手段は、課題提起からすれば、一般に便座一体型と呼ばれる構成の人体局部洗浄装置を前提とし、袖部を有していない構成を意味するものであるが、本発明を実施するには、袖部を有しているものにも適用でき、便座一体型以外の構成にも適用できる。また、上記人体を検出する検知センサの検出領域が便座を閉じた状態で、略水平方向をその検出角度に含むα角度範囲は、床面に平行な水平方向を基準とすると、110〜120度程度の広角度センサである。便座を開放する角度θは、通常110±10度程度である。したがって、α角度が110〜120度程度であれば、便座を開放しても略水平方向をその検出角度に含むことになる。そして、上記人体を検出する検知センサの設置箇所は、前方が望ましいが、必ずしもそれに限定されるものではなく、意匠性との兼ね合いで決定できる。更に、前記駆動手段は、公知の便座及び/または便蓋等の被装着体の開閉装置の使用が可能である。
なお、ここで検知センサの垂直方向の検知角度αとは、便器の前後の長さ方向の中央を垂直面で切断した平面を想定するものである。
そして、便座及び/または便蓋等の被装着体の定常状態位置とは、便器の開口側にある位置状態をいい、また、開放状態位置とは、便座及び/または便蓋等の被装着体が起立した状態にあることをいう。
【0008】
請求項2にかかる人体局部洗浄装置の前記人体を検出する検知センサの検出角度のα角度と便座の回動角度のθ角度とは、α≧θとしたものである。
ここで、検知センサの検出角度のα角度と便座の回動角度のθ角度とをα≧θとしたものであるが、本発明を実施する場合、検知センサの検出角度のα角度と便座の回動角度のθ角度とは、便座の回動角度のθ角度が通常90度以上回動するものであるから、検知センサの検出角度のα角度も90度以上を意味するものである。
【0009】
請求項3にかかる人体局部洗浄装置の前記人体を検出する検知センサの検出角度は、赤外線反射体によってその角度範囲を拡大させることもできる。ここで赤外線反射体は、赤外線を高効率で反射するアルミ等の材料で形成されておればよい。
【0010】
請求項4にかかる人体局部洗浄装置は、便器の後部に装着され、前記便器の前方から接近する人体を検知する検知センサと、便座及び/または便蓋を定常状態位置から開放状態位置に、また、前記開放位置から定常状態位置に回動する駆動手段と、前記検知センサから検知信号を受けると前記駆動手段をして、前記便座及び/または前記便蓋を定常状態位置から開放状態位置に回動制御する制御手段とを具備する人体局部洗浄装置において、前記便座及び前記便蓋の何れか一方を前記検知センサが取り付けられる被装着体となし、前記検知センサの垂直方向の検知角度αは、前記被装着体が定常状態位置から開放状態位置の何れの位置にあっても、前記被装着体の回動角度に対応して前記検知センサに逆方向の回転を付与し、前記検知センサの垂直方向の検知角度αを略同一としたものである。
ここで、上記便座、便蓋、駆動手段は、課題提起からすれば、一般に便座一体型と呼ばれる構成の人体局部洗浄装置を前提とし、袖部を有していない構成を意味するものであるが、本発明を実施するには、袖部を有しているものにも適用でき、便座一体型以外の構成にも適用できる。また、前記駆動手段は、公知の便座及び/または便蓋等の被装着体の開閉装置の使用が可能である。そして、上記被装着体を回動して開放するとき、その回動角度に対応する逆方向の回転を付与するのは、上記被装着体の回動を検出してその検出値をもって検知センサの検知方向を修正する方法、同時に、被装着体の回動する信号と、逆の信号でもって検知センサの検知方向を修正する方法等が採用できる。具体的には、電気的または機械的に制御できる。
【0011】
請求項5にかかる人体局部洗浄装置は、便器の後部に装着され、前記便器の前方から接近する人体を検知する検知センサと、便座及び/または便蓋を定常状態位置から開放状態位置に、また、前記開放位置から定常状態位置に回動する駆動手段と、前記検知センサから検知信号を受けると前記駆動手段をして、前記便座及び/または前記便蓋を定常状態位置から開放状態位置に回動制御する制御手段とを具備する人体局部洗浄装置において、前記便座及び前記便蓋の何れか一方を前記検知センサが取り付けられる被装着体となし、前記被装着体が定常状態位置から開放状態位置の何れの位置にあっても、前記検知センサの垂直方向の検知角度αは前記被装着体の回動角度に関係なく、その重力方向に依存する特定の方向とし、前記被装着体の検出角度範囲を前記被装着体の回動角度に左右されることなく略同一としたものである。
ここで、上記便座、便蓋、駆動手段は、課題提起からすれば、一般に便座一体型と呼ばれる構成の人体局部洗浄装置を前提とし、袖部を有していない構成を意味するものであるが、本発明を実施するには、袖部を有しているものにも適用でき、便座一体型以外の構成にも適用できる。また、前記駆動手段は、公知の便座及び/または便蓋等の被装着体の開閉装置の使用が可能である。そして、上記便座の前方に取付けられた人体を検出する検知センサの検出領域が被装着体を閉じた状態で、略水平方向をその検出領域に含むα角度範囲は、その重力方向を一定として、その重力方向に従って検出領域を被装着体を閉じた状態と同一とすべく軸支したものであるから、如何なる被装着体の回動位置においても、略水平方向をその検出角度に含む領域が検出領域となる。
【0012】
請求項6にかかる人体局部洗浄装置の前記人体を検出する検知センサは、被装着体の前方に配設され、便座の厚みの略2/3以下の位置に配設したものである。ここで、便座の厚みの略2/3以下の位置であれば、人が便座に着座するときには、検知センサの配設箇所に気づくことなく使用できる確率を高くするものであるから、その程度は2/3以下の下方に限定すればするほど、気づくことなく使用可能となる。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の人体局部洗浄装置によれば、人体を検出する検知センサは、被装着体の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が被装着体を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むα角度範囲とし、また、前記被装着体をθ角度回動して開放した状態下においても、前記α角度範囲内に略水平方向を含む検出角度としたものであるから、被装着体を閉じた状態では、少なくとも、水平方向の情報によって人体を検出でき、被装着体を開いた状態でも水平方向の情報によって人体を検出でき、しかも、被装着体を開いた状態の水平方向は、床面から80〜100cm程度の位置の検出となるから、確実に人体の検出を行うことができる。そして、検知センサを複数個使用する必要性がない。
したがって、仮に、制御要素を配設した袖部を有していなくても、低コストで信頼性の高い人体検出を行い、かつ、便座及び/または便蓋等の被装着体の自動開閉を行うことができる。
【0014】
請求項2の人体局部洗浄装置の前記人体を検出する検知センサの検出角度のα角度と被装着体の回動角度のθ角度とは、α≧θとしたものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、被装着体の回動角度のθ角度よりも検知センサの検出角度のα角度が大きいから、被装着体を開いた状態の水平方向以下の角度までを検出領域とすることができ、確実に人体の検出を行うことができる。
【0015】
請求項3の人体局部洗浄装置の前記人体を検出する検知センサの検出角度は、赤外線反射体によってその角度範囲を拡大させたものであるから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、廉価に広角度センサが得られ、複数のセンサを用いることなく広い範囲の人体検出を行うことができる。
【0016】
請求項4の人体局部洗浄装置の前記人体を検出する検知センサは、前記便蓋及び/または前記便座等の被装着体に取付けられ、その垂直平面の検出領域が前記被装着体を閉じた状態で略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲とし、前記被装着体を回動して開放するとき、その回動角度に対応する逆方向の回転を付与し、その検出角度範囲は前記被装着体を閉じた状態と同一としたものである。
したがって、被装着体がθ角度回動しても、略水平方向をその検出範囲に含む検知センサの検出領域は変化しないから、常に略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲の検出領域で検出することができる。
よって、仮に、制御要素を配設した袖部を有していなくても、低コストで信頼性の高い人体検出を行い、かつ、便座及び/または便蓋等の被装着体の自動開閉を行うことができる。
【0017】
請求項5の人体局部洗浄装置は、人体を検出する検知センサが被装着体の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便座を閉じた状態で略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲とし、前記被装着体をθ角度回動して開放するとき、その重力方向を一定として、その検出角度範囲を被装着体が閉じた状態と同一の角度として軸支されている。即ち、被装着体はθ角度回動するが、その重力方向に対して、略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲は、重力方向が定まることにより、その重力方向に対して一義的に決定される人体を検出する検知センサの方向に設定することにより、被装着体の回動角度にかかわらず、常に略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲の検出領域で検出することができる。
したがって、仮に、制御要素を配設した袖部を有していなくても、低コストで信頼性の高い人体検出を行い、かつ、便座及び/または便蓋等の被装着体の自動開閉を行うことができる。
【0018】
請求項6の人体局部洗浄装置の前記人体を検出する検知センサは、被装着体の前方に配設され、被装着体の厚みの略2/3以下の位置に配設したものであるから、請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の効果に加えて、通常の被装着体の開閉の使用状態では、検知センサの配設箇所を認識し難いから、それによる意匠性の低下を招くことがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、実施の形態2以降において、実施の形態1の部分と同一記号及び同一符号は、実施の形態1と同一または相当する機能を意味する部品であるから、ここでは重複する説明を省略する。
【0020】
図1は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置を取付けた状態のトイレの側面図である。また、図2は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置の便蓋が閉じた状態の側面図、図3は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置の便蓋を開けた状態の側面図、図4は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置の便座を開けた状態の側面図である。そして、図5は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置における検知センサの設置範囲を説明する平面図、図6は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置における検知センサの設置状況を説明する平面図である。
【0021】
図1乃至図6を用いて、本実施の形態1における人体局部洗浄装置について説明する。
洋式トイレ用として形成された便器1は、陶器で成形された公知の形態のものである。本実施の形態1で説明するものは、ロータンク2が便器1の上部に設置されている。便器1には、基体3がボルト3aによって取付けられている。基体3に対しては、機械的に支軸5を中心に回動自在に便座4が取付けられている。同様に、便座4の後部位置において、便蓋6が機械的に回動自在に取付けられている。便蓋6は単独で便座4の開口を開閉することができ、また、便座4に被さった状態で便座4の動作によって回動することもできる。これら便座4と便蓋6は、公知の技術によって電気的制御によって開閉自在になっている。
【0022】
図2は便蓋6が便座4の上に閉じた状態であり、図3は便蓋6を便座4から離して開けた状態であり、図4は便蓋6と便座4とを同時に開けた状態である。これら便蓋6と便座4の開閉制御については、公知であるからここではその説明を省略する。
本実施の形態の便座ユニット本体7は、便座4の後部位置に便蓋6を回動自在に機械的に軸支し、かつ、人体を検出する検知センサ8の出力によって図示しない制御回路の設定に従って、便座4及び/または便蓋6を回動制御する図示しない制御回路を内蔵するものであり、便座4と一体に連続して形成されている。
なお、本発明を実施する場合の便座ユニット本体7は、便座4の後部位置で便蓋6を回動自在に機械的に軸支するものであれば、便蓋6と一体に連続して形成されているか、否かを問うものではない。
【0023】
便座4の前方には、赤外線が透過する透明体部分41が形成されている。この透明部分は、便座4の厚みの2/3以下、好ましくは1/2以下に形成されている。そして、便座4の下面にまで至るものであり、広角度センサである焦電型の赤外線の検知センサ8がその内部の隔壁4aに配設されている。検知センサ8から見れば、その垂直平面を想定する検出領域は、便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むα角度範囲としている。なお、理解のしやすさからここでは、これを水平から下方向にα角度範囲とすることとする。念のため、記載するが、本発明を実施する場合には、便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むα角度範囲とは、水平方向よりも上の角度を含むことを否定するものではない。
【0024】
このα角度範囲は、通常、100〜120度程度に設定される。なお、このα角度範囲は、現実に人体の検出可能な範囲を意味するものではなく、便座4が便器1の上に載置されている状態では、便器1の陰になり検出不可能な範囲も含む設計値である。
人がトイレに入退室したことを検知する赤外線の検知センサ8は、他の超音波、マイクロ波、光等のセンサとすることもできるが、発明者等の実験によれば、デザイン的にも、検出能力的にも、赤外線のセンサが好適であることが確認された。
【0025】
また、便座4は便器1の上面に載置された状態からθ角度回動して開放した状態で便蓋6がその回動を停止し、便蓋6の回動制限によって便座4も停止する。このとき、便座4はθ角度回動したことになる。このことは、便器1の上面に載置された状態の便座4の水平面が、θ角度回動したことになり、その垂直平面を想定する検出領域は、θ−α〜θ角度の範囲となる。
そして、本実施の形態の人体局部洗浄装置では、便座4に人体を検出する検知センサ8を配設する事例で説明したが、本発明を実施する場合、同様にスペースを確保することにより、便蓋6に人体を検出する検知センサ8を配設することもできる。
【0026】
即ち、本実施の形態1の人体局部洗浄装置は、便器1に取付けられる基体3と、基体3に対して回動自在に機械的に軸支された便座4と、便座4の後部位置において、便蓋6を回動自在に機械的に軸支すると共に、人体を検出する検知センサ8の出力によって便座4及び/または便蓋6を回動制御する制御回路を内蔵する便座4と一体に形成された便座ユニット本体7とを具備し、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むα角度範囲とし、便座4をθ角度回動して開放した状態で前記α角度範囲内に略水平方向を含む検出角度としたものである。
【0027】
即ち、本実施の形態1の人体局部洗浄装置は、便器1の後部に装着され、便器1の前方から接近する人体を検知する検知センサ8と、便座4及び/または便蓋6を定常状態位置から開放状態位置に、また、前記開放位置から定常状態位置に支軸5を中心に回動する駆動手段と、検知センサ8から検知信号を受けると駆動手段をして、便座4及び/または便蓋6を定常状態位置から開放状態位置に回動制御する制御手段とを具備し、便座4及び便蓋6の何れか一方を検知センサ8が取り付けられる被装着体となし、検知センサ8の垂直方向の検知角度αは、前記被装着体が定常状態位置から開放状態位置の何れの位置にあっても、水平方向を含むように設定された構成の発明とすることができる。
したがって、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むα角度範囲とし、便座4をθ角度回動して開放した状態でα角度範囲内に略水平方向を含む検出角度としたことにより、検知センサ8は必ず人体を検出できる領域を、その検出領域とするものであるから、信頼性の高い人体の検出が行える。
【0028】
発明者らは、念のため、人体を検出する検知センサ8が便座4及び便蓋6に設置できる範囲について検討した。検知センサ8の設置場所としては、上記実施の形態のように、便座4に設置したが、本発明を実施する場合には、便蓋6に設置しても同様の効果が得られることが確認され、更に、便座4及び便蓋6の前方のみに限定されることなく、意匠性において、設計自由度が制限されるものの、図6に示すように、その周辺部に配設しても同様の効果が得られることが確認された。しかし、意匠性を考慮すると便座4及び/または便蓋6の前方に配設することが望ましい。特に、便座4の前方に配設すると、そのスペースの確保、配線等の処理が簡単になるので望ましい。
【0029】
[実施の形態2]
上記実施の形態では、検知センサ8に広角度センサを用いたが、それよりも狭い領域の検知センサとすることもできる。
図7は本発明の実施の形態2における人体局部洗浄装置を取付けた状態のトイレの側面から見た概略断面図である。
便器1に取付けられている基体3は、機械的に支軸5を堅固に回動しないように取付けている。支軸5には歯車21が嵌め込まれていて、支軸5と歯車21は一体に固定されている。また、人体を検知する赤外線の検知センサ8は、便座4の前方に軸支された支軸22に直接、堅固に取付けられている。検知センサ8と図示しない制御回路とは、フレキシブル基板によって電気的に接続されている。また、支軸22には歯車23が嵌め込まれていて、支軸22と歯車23は一体に固定されている。そして、歯車21と歯車23とはタイミングベルト24によって便座4の回動が伝達されるようになっている。
【0030】
即ち、便座4を開閉すると、基体3に固定されている支軸5の歯車21はそのままの状態を維持する。しかし、便座4の前方が移動すると歯車21とタイミングベルト24との噛み合いが変化する。便座4が開くとき、下方向の噛み合いが増加し、上方向の噛み合いが減少する。便座4が閉じるとき、下方向の噛み合いが減少し、上方向の噛み合いが増加する。そのタイミングベルト24の変移は、歯車23に伝達され、歯車21と歯車23との比が1対1のとき、歯車23はタイミングベルト24によって移動方向の回転が補完されるので、側面から見ると、便座4の開放角度に左右されることなく、便座4が水平状態にあるときから変化しない。
側面から見て歯車23の回転が変化しない(歯車23は現実には回転している)ことは、検知センサ8の検知角度も便座4が水平状態にあるときと変化しないことを意味し、常に、便器1の前方の人の存在を検知することができる。
本実施の形態では、タイミングベルト24によって歯車21と歯車23とを連結したが、本発明を実施する場合には、歯車21と歯車23とを平板またはアームとし、それら平板の両端相互間をワイヤーで接続してもよい。いずれにせよ、便座4の回動角が歯車23側の支軸22の角度情報として使用できればよい。
【0031】
このように、本実施の形態2の人体局部洗浄装置は、便器1に取付けられる基体3と、基体3に対して回動自在に機械的に軸支された便座4と、便座4の後部位置において、便蓋6を回動自在に機械的に軸支すると共に、人体を検出する検知センサ8の出力によって便座4及び/または便蓋6を回動制御する制御回路を内蔵する便座4と一体に形成された便座ユニット本体7とを具備し、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲とし、便蓋6または便座4をθ角度回動して開放するとき、その回動角度に対応する逆方向の回転を付与し、その検出角度範囲を便蓋6または便座4を閉じた状態と同一としたものである。
【0032】
即ち、本実施の形態2の人体局部洗浄装置は、便器1の後部に装着され、便器1の前方から接近する人体を検知する検知センサ8と、便座4及び/または便蓋6を定常状態位置から開放状態位置に、また、前記開放位置から定常状態位置に支軸5を中心に回動する駆動手段と、検知センサ8から検知信号を受けると駆動手段をして、便座4及び/または便蓋6を定常状態位置から開放状態位置に回動制御する制御手段とを具備し、便座4及び前記便蓋6の何れか一方を検知センサ8が取り付けられる被装着体となし、検知センサ8の垂直方向の検知角度αは、被装着体が定常状態位置から開放状態位置の何れの位置にあっても、前記被装着体の回動角度に対応して検知センサ8に逆方向の回転を付与し、検知センサ8の垂直方向の検知角度αを略同一とした構成の発明とすることができる。
【0033】
[実施の形態3]
上記実施の形態2では、便蓋6または便座4をθ角度回動して開放するとき、その回動角度に対応する逆方向の回転を付与し、その検出角度範囲を便蓋6または便座4を閉じた状態と同一としたものであるが、この制御を電気的に行うこともできる。
図8は本発明の実施の形態3における人体局部洗浄装置の検知センサの構造の要部斜視図である。
【0034】
便器1に取付けられている基体3は、機械的に支軸5を堅固に回動しないように取付けている。支軸5にはコード板31が配設されていて、支軸5とコード板31は一体に固定されている。コード板31の周囲にはコード検出器32が便座4に配設されており、便座4を回転させると、コード検出器32が所定の角度毎にパルスを発生することになる。即ち、コード板31とコード検出器32は回転を検出するエンコーダ30を構成し、便座4の回動角度をエンコーダ30の出力として検出し、当該エンコーダ30の出力を増幅して、パルスモータ33の駆動に使用する。
【0035】
パルスモータ33の出力軸36は、一端を軸受34で軸支し、減速機構を解し介して、または減速機構を介すことなく出力し、その出力軸36に人体を検知する検知センサ8が堅固に取付けられている。このパルスモータ33の出力軸36は、便座4の回動角度を検出するエンコーダ30の出力と1対1となるように設定され、パルスモータ33の出力に減速機構を介在させた場合には、エンコーダ30の出力を逓倍することになる。
また、人体を検知する検知センサ8は、便座4の前方に軸支された出力軸36に直接、堅固に取付けられている。検知センサ8と図示しない制御回路とは、フレキシブル基板35によって電気的に接続されている。
即ち、便座4を開閉すると、基体3に固定されている支軸5のコード板31はそのままの状態を維持する。しかし、便座4の前方が移動するとコード板31とコード検出器32との相対位置が変化する。その相対位置の変化は、コード検出器32からのパルス出力の変化となり、エンコーダ30の出力とパルスモータ33との回転が1対1のとき、パルスモータ33の出力の出力軸36は便座4の開放角度に左右されることなく、便座4が水平状態にあるときから変化しない。
【0036】
パルスモータ33の出力軸36の回転が変化しないことは、検知センサ8の検知角度も便座4が水平状態にあるときと変化しないことを意味し、常に、便器1の前方の人の存在を検知することができる。
本実施の形態では、エンコーダ30の出力とパルスモータ33とを連結したが、本発明を実施する場合には、エンコーダ30の出力を特定の外部の制御回路からパルス数を入力して、パルスモータによって便座4を回動させ、同時にパルスモータ33によって検知センサ8の位置を制御することもできる。いずれにせよ、便座4の回動角がパルスモータ33の出力軸36の角度情報として使用できればよい。
【0037】
このように、本実施の形態3においては、便器1に取付けられる基体3と、基体3に対して回動自在に機械的に軸支された便座4と、便座4の後部位置において、便蓋6を回動自在に機械的に軸支すると共に、人体を検出する検知センサ8の出力によって便座4及び/または便蓋6を回動制御する制御回路を内蔵する便座4と一体に形成された便座ユニット本体7とを具備し、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲とし、便蓋6または便座4をθ角度回動して開放するとき、その回動角度に対応する逆方向の回転を付与し、その検出角度範囲を便蓋6または便座4を閉じた状態と同一としたものである。
【0038】
即ち、本実施の形態3の人体局部洗浄装置は、便器1の後部に装着され、便器1の前方から接近する人体を検知する検知センサ8と、便座4及び/または便蓋6を定常状態位置から開放状態位置に、また、前記開放位置から定常状態位置に支軸5を中心に回動する駆動手段と、検知センサ8から検知信号を受けると駆動手段をして、便座4及び/または便蓋6を定常状態位置から開放状態位置に回動制御する制御手段とを具備し、便座4及び前記便蓋6の何れか一方を検知センサ8が取り付けられる被装着体となし、検知センサ8の垂直方向の検知角度αは、被装着体が定常状態位置から開放状態位置の何れの位置にあっても、前記被装着体の回動角度に対応して検知センサ8に逆方向の回転を付与し、検知センサ8の垂直方向の検知角度αを略同一とした構成の発明とすることができる。
【0039】
[実施の形態4]
上記実施の形態3では、便蓋6または便座4をθ角度回動して開放するとき、その回動角度に対応する逆方向の回転を付与し、その検出角度範囲を便蓋6または便座4を閉じた状態と同一としたものであるが、この制御を電気的、機械的制御を行うことなく実施することもできる。
図9は本発明の実施の形態4における人体局部洗浄装置の検知センサの構造の要部正面図である。
【0040】
便座4の前方に軸支された回転軸46は、一端を軸受43で、他端を軸受44で軸支し、その出力軸46に人体を検知する赤外線の検知センサ8が堅固に取付けられている。この検知センサ8は、回転軸46に対して重量部材47に取付けられており、重量部材47は検知センサ8及びフレキシブル基板45によって回動が規制されるという影響力がないような重さの錘となっている。検知センサ8と図示しない制御回路とは、フレキシブル基板45によって電気的に接続されている。
即ち、便座4を開閉すると、回転軸46に固定されている重量部材47は、その錘で重力方向の力の向きを維持する。このとき、軸受43及び軸受44と回転軸46は、回転自在に接続されているから、便座4を開閉しても、重量部材47の重力方向の力の向きを変更しない。即ち、検知センサ8は、便座4の開閉が行われても、便座4の開放角度に左右されることなく、検知センサ8の検知範囲は便座4が水平状態にあるときから変化しない。常に、便器1の前方の人の存在を検知することができる。
なお、本実施の形態では、回転軸46に対して重量部材47に取付けた形態で説明したが、本発明を実施する場合には、ヒンジとして回転軸46をヒンジの軸とすることもできる。
【0041】
このように、本実施の形態4においては、本実施の形態1の人体局部洗浄装置は、便器1に取付けられる基体3と、基体3に対して回動自在に機械的に軸支された便座4と、便座4の後部位置において、便蓋6を回動自在に機械的に軸支すると共に、人体を検出する検知センサ8の出力によって便座4及び/または便蓋6を回動制御する制御回路を内蔵する便座4と一体に形成された便座ユニット本体7とを具備し、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲とし、便蓋6または便座4をθ角度回動して開放するとき、その重力方向を一定として、その検出角度範囲を便蓋6または便座4を閉じた状態と同一としたものである。
【0042】
即ち、本実施の形態4の人体局部洗浄装置は、便器1の後部に装着され、便器1の前方から接近する人体を検知する検知センサ8と、便座4及び/または便蓋6を定常状態位置から開放状態位置に、また、前記開放位置から定常状態位置に支軸5を中心に回動する駆動手段と、検知センサ8から検知信号を受けると駆動手段をして、便座4及び/または便蓋6を定常状態位置から開放状態位置に回動制御する制御手段とを具備し、便座4及び便蓋6の何れか一方を検知センサ8が取り付けられる被装着体となし、前記被装着体が定常状態位置から開放状態位置の何れの位置にあっても、検知センサ8の垂直方向の検知角度αは前記被装着体の回動角度に関係なく、その重力方向に依存する特定の方向とし、前記被装着体の検出角度範囲を前記被装着体の回動角度に左右されることなく略同一とした構成の発明とすることができる。
【0043】
人体を検出する検知センサ8は、便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むα角度範囲とし、また、便座4をθ角度回動して開放した状態下においても、前記α角度範囲内に略水平方向を含む検出角度としたものであるから、便座4を閉じた状態では、少なくとも、水平方向の情報によって人体を検出でき、便座4を開いた状態でも水平方向の情報によって人体を検出でき、しかも、便座4を開いた状態の水平方向は、床面から80〜100cm程度の位置の検出となるから、確実に人体の検出を行うことができる。
また、上記実施の形態1の人体局部洗浄装置は、便座4に検知センサ8を配設する事例で説明したが、本発明を実施する場合には、便蓋6に配設することもできる。したがって、仮に、制御要素を配設した袖部を有していなくても、人体を検出して便座4及び/または便蓋6の信頼性の高い自動開閉を行うことができる。上記実施の形態2乃至4にも適用できることは当然である。
【0044】
[実施の形態5]
上記実施の形態2乃至実施の形態4では、便蓋6または便座4を回動して開放するとき、その回動角度に対応する逆方向の回転を生じさせ、その検出角度範囲を便蓋6または便座4を閉じた状態と同一としたものであるが、検知センサの検知領域を拡大することにより、稼動部をなくして最も簡単に検出する構成を採用することができる。
図10は本発明の実施の形態5における人体局部洗浄装置の検知センサの構造の取付け状態を示す要部断面図(a)、要部側面図(b)、要部正面図(c)である。
便座4の前方には、赤外線が透過する透明体部分41が形成されている。この透明部分は、便座4の厚みの2/3以下に形成されている。そして、便座4の下面にまで至るものであり、広角度センサである焦電型の赤外線の検知センサ8が基台51を介して、その内部に配設されている。基台51は便座4の厚み内に、透明体部分41の内側に空間を形成する隔壁4aに接合されている。
【0045】
検知センサ8の検出領域は、垂直方向の角度βの範囲である。そこで、赤外線反射体50を焦電型の赤外線の検知センサ8が、その境界面50cによって、正面から見て40〜70%が露出するように配設されている。便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むα角度範囲としている。即ち、検知センサ8はそれ自体の能力で、垂直方向の角度βの範囲については、赤外線反射体50を配設しないときに比べて、40〜70%の検出出力を出すことになる。
なお、検知センサ8を取付けた基台51と赤外線反射体50とは、接続具52によって所定の距離だけ離され、かつ、両者間は所定の角度を維持している。
また、検知センサ8の検出出力は、増幅器等によって増幅されるので、外乱と区別ができない程度の小出力でない限り問題とはならない。
【0046】
赤外線反射体50はプリズム状になっており、反射面50a及び反射面50bの反射により、検知センサ8の検出領域は、垂直方向の角度γの範囲となる。即ち、反射面50a及び反射面50bでは、検知センサ8の検出角度βが拡大する角度γの範囲となるように設定されている。したがって、検知センサ8の検出領域は、垂直方向の角度γの範囲となり、その出力は、赤外線反射体50を配設しないときには検出不可能領域であるが、仮想比較すると、30〜60%の検出出力となる。
このように、上記実施の形態2乃至実施の形態4のように、便蓋6または便座4を回動して開放するとき、その回動角度に対応して逆方向の回転を生じさせなくとも、赤外線の検出方向の角度を拡大することによっても可能となる。
【0047】
本実施の形態5の人体局部洗浄装置は、上記実施の形態1と同様、便器1に取付けられる基体3と、基体3に対して回動自在に機械的に軸支された便座4と、便座4または便座4に対して回動自在に機械的に軸支された便蓋6と、人体を検出する検知センサ8の出力によって便座4及び/または便蓋6を回動制御する図示しない制御回路を内蔵する便座4と一体に形成された便座ユニット本体7とを具備し、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むγ(α<γ)角度範囲とし、便座4をθ角度回動して開放した状態でγ(α<γ)角度範囲内に略水平方向を含む検出角度とした発明の構成とすることができる。
【0048】
このように、人体を検出する検知センサ8の検出角度は、赤外線反射体50によって検知センサ8の検出角度βを、拡大する角度γの範囲となるよう拡大させて使用することもできる。
したがって、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むγ(α<γ)角度範囲とし、便座4をθ角度回動して開放した状態でγ(α<γ)角度範囲内に略水平方向を含む検出角度としたことにより、検知センサ8は必ず人体を検出できる領域を、その検出領域とするものであるから、信頼性の高い人体の検出が行える。
【0049】
上記実施の形態2,3の人体局部洗浄装置は、便器1に取付けられる基体3と、基体3に対して回動自在に機械的に軸支された便座4と、便座4の後部位置において、便蓋6を回動自在に機械的に軸支すると共に、人体を検出する検知センサ8の出力によって便座4及び/または便蓋6を回動制御する制御回路を内蔵する便座4と一体に形成された便座ユニット本体7とを具備し、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲とし、便蓋6または便座4を回動して開放するとき、その回動角度に対応する逆方向の回転を付与し、その検出角度範囲を便蓋6または便座4を閉じた状態と同一としたものである。
【0050】
したがって、便座4または便蓋6がθ角度回動しても、略水平方向をその検出範囲に含む検知センサ8の検出領域は変化しないから、常に略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲の検出領域で検出することができる。故に、仮に、制御要素を配設した袖部を有していなくても、人体を検出して便座4及び/または便蓋6の信頼性の高い自動開閉を行うことができる。
【0051】
また、上記実施の形態4の人体局部洗浄装置は、便器1に取付けられる基体3と、基体3に対して回動自在に機械的に軸支された便座4と、便座4の後部位置において、便蓋6を回動自在に機械的に軸支すると共に、人体を検出する検知センサ8の出力によって便座4及び/または便蓋6を回動制御する制御回路を内蔵する便座4と一体に形成された便座ユニット本体7とを具備し、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲とし、便蓋6または便座4をθ角度回動して開放するとき、その重力方向を一定として、その検出角度範囲を便蓋6または便座4を閉じた状態と同一としたものである。
【0052】
したがって、便座4はθ角度回動するが、その重力方向に対して、略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲は、重力方向が定まることにより、その重力方向に対して一義的に決定される人体を検出する検知センサ8の方向に設定することにより、便座4の回動角度にかかわらず、常に略水平方向をその検出範囲に含むα角度範囲の検出領域で検出することができる。故に、仮に、制御要素を配設した袖部を有していなくても、人体を検出して便座4及び/または便蓋6の信頼性の高い自動開閉を簡単な構造で行うことができる。
【0053】
そして、本実施の形態1または実施の形態5の人体局部洗浄装置は、便器1に取付けられる基体3と、基体3に対して回動自在に機械的に軸支された便座4と、便座4の後部位置において、便蓋6を回動自在に機械的に軸支すると共に、人体を検出する検知センサ8の出力によって便座4及び/または便蓋6を回動制御する制御回路を内蔵する便座4と一体に形成された便座ユニット本体7とを具備し、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むαまたはγ角度範囲とし、便座4をθ角度回動して開放した状態で前記αまたはγ角度範囲内に略水平方向を含む検出角度としたものである。
【0054】
したがって、人体を検出する検知センサ8は、便蓋6または便座4の前方に取付けられ、その垂直平面の検出領域が便蓋6または便座4を閉じた状態で略水平方向をその検出角度に含むαまたはγ角度範囲とし、便座4をθ角度回動して開放した状態でαまたはγ角度範囲内に略水平方向を含む検出角度としたことにより、検知センサ8は必ず人体を検出できる領域を、その検出領域とするものであるから、信頼性の高い人体の検出が行える。
【0055】
上記実施の形態1乃至5の人体局部洗浄装置の人体を検出する検知センサ8は、便器1の前方に配設され、便座4の厚みの略1/2以下の位置に配設したものであるから、その意匠性をよくすることができる。
また、上記実施の形態1乃至5の人体局部洗浄装置の人体を検出する赤外線を使用した検知センサ8は、内蔵させるものであるから、センサ設置のための凹凸がなく、清掃性がよくなる。
【0056】
そして、便座4または便蓋6に内蔵させた検知センサ8は、設置する場所に制約が少なく、デッドスペースを活用でき、余ったスペースに多機能を入れ込むことができ、外観が良くコストが廉価となる。また、複数個使用する必要がないので廉価となり、故障の発生確率も低下させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置を取付けた状態のトイレの側面図である
【図2】図2は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置の便蓋が閉じた状態の側面図である。
【図3】図3は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置の便蓋を開けた状態の側面図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置の便座を開けた状態の側面図である。
【図5】図5は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置における検知センサの設置範囲を説明する平面図である。
【図6】図6は本発明の実施の形態1における人体局部洗浄装置における検知センサの設置状況を説明する平面図である。
【図7】図7は本発明の実施の形態2における人体局部洗浄装置を取付けた状態のトイレの側面から見た概略断面図である。
【図8】図8は本発明の実施の形態3における人体局部洗浄装置の検知センサの構造の要部斜視図である。
【図9】図9は本発明の実施の形態4における人体局部洗浄装置の検知センサの構造の要部正面図である。
【図10】図10は本発明の実施の形態5における人体局部洗浄装置の検知センサの構造の取付け状態を示す要部断面図(a)、要部側面図(b)、要部正面図(c)である。
【図11】図11は想定される人体局部洗浄装置を取付けた事例のトイレの側面の説明図である。
【符号の説明】
【0058】
1 便器
3 基体
4 便座
6 便蓋
7 便座ユニット本体
8 検知センサ
24 タイミングベルト
30 エンコーダ
33 パルスモータ
47 重量部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器の後部に装着され、前記便器の前方から接近する人体を検知する検知センサと、便座及び/または便蓋を定常状態位置から開放状態位置に、また、前記開放位置から定常状態位置に回動する駆動手段と、前記検知センサから検知信号を受けると前記駆動手段をして、前記便座及び/または前記便蓋を定常状態位置から開放状態位置に回動制御する制御手段とを具備する人体局部洗浄装置において、
前記便座及び前記便蓋の何れか一方を前記検知センサが取り付けられる被装着体となし、前記検知センサの垂直方向の検知角度αは、前記被装着体が定常状態位置から開放状態位置の何れの回動位置にあっても、水平方向を含むように設定されたことを特徴とする人体局部洗浄装置。
【請求項2】
前記人体を検出する検知センサの検出角度のα角度と前記被装着体の定常状態位置から開放状態位置の回動角度のθ角度とは、α≧θの関係としたことを特徴とする請求項1に記載の人体局部洗浄装置。
【請求項3】
前記人体を検出する検知センサの検出角度は、赤外線反射体によってその角度範囲を拡大させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の人体局部洗浄装置。
【請求項4】
便器の後部に装着され、前記便器の前方から接近する人体を検知する検知センサと、便座及び/または便蓋を定常状態位置から開放状態位置に、また、前記開放位置から定常状態位置に回動する駆動手段と、前記検知センサから検知信号を受けると前記駆動手段をして、前記便座及び/または前記便蓋を定常状態位置から開放状態位置に回動制御する制御手段とを具備する人体局部洗浄装置において、
前記便座及び前記便蓋の何れか一方を前記検知センサが取り付けられる被装着体となし、前記検知センサの垂直方向の検知角度αは、前記被装着体が定常状態位置から開放状態位置の何れの回動位置にあっても、前記被装着体の回動角度に対応して前記検知センサに逆方向の回転を付与し、前記検知センサの垂直方向の検知角度αを略同一としたことを特徴とする人体局部洗浄装置。
【請求項5】
便器の後部に装着され、前記便器の前方から接近する人体を検知する検知センサと、便座及び/または便蓋を定常状態位置から開放状態位置に、また、前記開放位置から定常状態位置に回動する駆動手段と、前記検知センサから検知信号を受けると前記駆動手段をして、前記便座及び/または前記便蓋を定常状態位置から開放状態位置に回動制御する制御手段とを具備する人体局部洗浄装置において、
前記便座及び前記便蓋の何れか一方を前記検知センサが取り付けられる被装着体となし、前記被装着体が定常状態位置から開放状態位置の何れの回動位置にあっても、前記検知センサの垂直方向の検知角度αは前記被装着体の回動角度に関係なく、その重力方向に依存する特定の方向とし、前記被装着体の検出角度範囲を前記被装着体の回動角度に左右されることなく略同一としたことを特徴とする人体局部洗浄装置。
【請求項6】
前記人体を検出する検知センサは、前記便座の前方に配設され、前記便座の厚みの略2/3以下の位置に配設したことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の人体局部洗浄装置。
【請求項1】
便器の後部に装着され、前記便器の前方から接近する人体を検知する検知センサと、便座及び/または便蓋を定常状態位置から開放状態位置に、また、前記開放位置から定常状態位置に回動する駆動手段と、前記検知センサから検知信号を受けると前記駆動手段をして、前記便座及び/または前記便蓋を定常状態位置から開放状態位置に回動制御する制御手段とを具備する人体局部洗浄装置において、
前記便座及び前記便蓋の何れか一方を前記検知センサが取り付けられる被装着体となし、前記検知センサの垂直方向の検知角度αは、前記被装着体が定常状態位置から開放状態位置の何れの回動位置にあっても、水平方向を含むように設定されたことを特徴とする人体局部洗浄装置。
【請求項2】
前記人体を検出する検知センサの検出角度のα角度と前記被装着体の定常状態位置から開放状態位置の回動角度のθ角度とは、α≧θの関係としたことを特徴とする請求項1に記載の人体局部洗浄装置。
【請求項3】
前記人体を検出する検知センサの検出角度は、赤外線反射体によってその角度範囲を拡大させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の人体局部洗浄装置。
【請求項4】
便器の後部に装着され、前記便器の前方から接近する人体を検知する検知センサと、便座及び/または便蓋を定常状態位置から開放状態位置に、また、前記開放位置から定常状態位置に回動する駆動手段と、前記検知センサから検知信号を受けると前記駆動手段をして、前記便座及び/または前記便蓋を定常状態位置から開放状態位置に回動制御する制御手段とを具備する人体局部洗浄装置において、
前記便座及び前記便蓋の何れか一方を前記検知センサが取り付けられる被装着体となし、前記検知センサの垂直方向の検知角度αは、前記被装着体が定常状態位置から開放状態位置の何れの回動位置にあっても、前記被装着体の回動角度に対応して前記検知センサに逆方向の回転を付与し、前記検知センサの垂直方向の検知角度αを略同一としたことを特徴とする人体局部洗浄装置。
【請求項5】
便器の後部に装着され、前記便器の前方から接近する人体を検知する検知センサと、便座及び/または便蓋を定常状態位置から開放状態位置に、また、前記開放位置から定常状態位置に回動する駆動手段と、前記検知センサから検知信号を受けると前記駆動手段をして、前記便座及び/または前記便蓋を定常状態位置から開放状態位置に回動制御する制御手段とを具備する人体局部洗浄装置において、
前記便座及び前記便蓋の何れか一方を前記検知センサが取り付けられる被装着体となし、前記被装着体が定常状態位置から開放状態位置の何れの回動位置にあっても、前記検知センサの垂直方向の検知角度αは前記被装着体の回動角度に関係なく、その重力方向に依存する特定の方向とし、前記被装着体の検出角度範囲を前記被装着体の回動角度に左右されることなく略同一としたことを特徴とする人体局部洗浄装置。
【請求項6】
前記人体を検出する検知センサは、前記便座の前方に配設され、前記便座の厚みの略2/3以下の位置に配設したことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1つに記載の人体局部洗浄装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−244781(P2007−244781A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−75786(P2006−75786)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)
【Fターム(参考)】
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