説明

人体組織液成分含有量センサ、流体通路ユニット及びその検出方法

マイクロキャンチレバー検出ユニットを備えた人体組織液中被検成分含有量感知用センサであって、前記マイクロキャンチレバー検出ユニットは、第1の基板と、前記第1の基板に略平行し、一端が前記第1の基板に支持されたマイクロキャンチレバーと、前記マイクロキャンチレバーの少なくとも1つの側面に形成された金膜と、前記金膜に形成され、その表面において人体組織液中のブドウ糖分子を吸着するための蛋白質層と、前記第1の基板に設けられた駆動電極と、前記第1の基板における前記マイクロキャンチレバーを支持するための位置に形成され、前記駆動電極に結合して、前記マイクロキャンチレバーを前記第1の基板に垂直する方向において共振させるように駆動するマイクロキャンチレバー電極と、前記第1の基板に設けられ、前記マイクロキャンチレバー電極に結合して前記マイクロキャンチレバーの共振周波数を検出する検出電極とを含む。本発明はさらに、流体通路ユニット、センサシステム及び人体組織液中被検成分含有量の検出方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体組織液中の被検成分含有量を検出するためのセンサシステムに関する。特に、本発明は、人体組織液中の例えばブドウ糖のような被検成分の濃度(又は含有量)を検出するための共振型マイクロキャンチレバーセンサ、このセンサとともに使用される流体通路ユニット、このセンサ及び流体通路ユニットを採用して人体組織液中の例えばブドウ糖のような被検成分の濃度(又は含有量)を検出する検出方法、及び人体組織液中の例えばブドウ糖のような被検成分含有量を感知するセンサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は中高年者によくある多発病である。生活水準の向上に伴い、糖尿病の発病率も日増しに上昇してきた。世界保健機関は、それを腫瘤、心臓・脳血管疾患とともに、世界範囲内の三大難病として挙げている。世界保健機関の推定によると、現在、世界には約1.7億人の糖尿病人がおり、中国には約3000万人の糖尿病人がいるにもかかわらず、2025年にその数が3億人に増える。アジアでは、糖尿病は早くから既に、人を死なせる疾病の前十位に入り、その流行程度が感染性疾病の脅威を超えている。したがって、糖尿病を積極的に予防及び治療することは既に目前に迫っている。人体ブドウ糖濃度の精確な検出は、臨床では糖尿病を予防及び治療する重要な一環である。
【0003】
人体ブドウ糖濃度の検出方法は主に、侵襲、最小侵襲及び非侵襲という3種類を含む。現在のブドウ糖検出方法は、主に侵襲検出によるものである。即ち、一般的には、患者の指から血液を取得してから、酵素電極などの化学方法によって患者の血液中のブドウ糖濃度を測定する。侵襲方法は血糖検出過程において消耗品を必要とし、血糖検出を行なう度に患者に一定程度の傷を与え、彼らに苦痛させるとともに感染の危険性をもたらす。且つ、このような方法の最大な欠点は、人体血糖濃度に対するダイナミックな検出を実現しえず、患者体内の血糖濃度のリアルタイム変化状況を反映しえず、良い補助資料となる効果を達成し得ないことである。例えば、定期的な指血取り試験は低血糖事件及び高血糖事件を全部探測し得ない場合があり、特に夜間の低血糖がいつも測定され得ない。したがって、人体ブドウ糖濃度をダイナミックでリアルタイムに監視測定できることは、きっと糖尿病臨床予防及び治療の分野における大きな発展となる。
【0004】
研究中の人体ブドウ糖濃度の非侵襲検出技術は主に、近赤外線スペクトル法、中赤外線スペクトル法、ラマンスペクトル法、及び旋光測定法などの一連の光学方法を含む。これらの方法によると、ブドウ糖濃度を検出する際に、人体に如何なる傷をももたらさないため、最も将来性のある技術に属する。しかしながら、現段階の検出精度の限りがあり信頼性が低いなどの欠点を有するため、非侵襲検出技術は未だに臨床応用を実現できておらず、まだ研究段階にある。
【0005】
人体ブドウ糖濃度の侵襲検出技術及び非侵襲検出技術の欠点及び不足に鑑み、近年、人体組織液最小侵襲抽出及び精確分析に基づいた人体ブドウ糖濃度の最小侵襲検出技術は注目を集めている。この方法が依拠としている基本原理は、人体組織液中のブドウ糖濃度と人体血糖濃度とが高い関連性を有することである。最小侵襲検出技術とは、まず最小侵襲、無痛の方法によって人体皮膚表層から組織液を抽出、その後に人体組織液中のブドウ糖濃度を精確に検出し、最後に人体組織液中のブドウ糖濃度と人体血液中のブドウ糖濃度との関連性に基づき、人体の血糖濃度に対して正確な予測を行なう技術である。低周波超音波経皮処理及び逆イオントフォレシスなどの一連の方法を採用することにより、人体皮膚中の組織液の連続抽出を実現することができる。人体血糖濃度をダイナミックで連続的に測定するという臨床検出要求を実現するには、最小侵襲方法は重要な現実的意義を有する。
【0006】
しかしながら、人体組織液には複数種の化学物質及び微量成分を含んでいるため、如何に組織液中の微量ブドウ糖を選択的に精確検出することは、最小侵襲検出方法のポイントである。同時に、人体ブドウ糖濃度をダイナミックで連続的に検出するには、患者が常に最小侵襲検出装置を携帯する必要があるため、最小侵襲検出装置は小型化でなければならない。したがって、微小型で組織液中の微量ブドウ糖を精確検出できるセンサは、最小侵襲血糖検出装置の核心である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来技術に存在している欠陥に対して、本発明は、人体組織液中の被検成分の濃度を選択的に精確検出でき、臨床における血糖最小侵襲検出の要求を満足できる人体組織液中被検成分含有量感知用センサを提供する。
【0008】
本発明は、人体組織液中被検成分含有量感知用センサを提供する。前記センサはGGBP(D-Galactose/D-Glucose Binding Protein, D-ガラクトース/ D-ブドウ糖結合蛋白質)蛋白質を結合する共振型マイクロキャンチレバーを含み、人体組織液中の微量ブドウ糖濃度を選択的に精確検出することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一つは、マイクロキャンチレバー検出ユニットを備えた人体組織液中被検成分含有量感知用センサを提供し、前記マイクロキャンチレバー検出ユニットは、第1の基板と、前記第1の基板に略平行し、一端が前記第1の基板に支持されたマイクロキャンチレバーと、前記マイクロキャンチレバーの少なくとも1つの側面に形成された金膜と、前記金膜に形成され、その表面において人体組織液中の被検成分を吸着するための蛋白質層と、前記第1の基板に設けられた駆動電極と、前記第1の基板における前記マイクロキャンチレバーを支持するための位置に形成され、前記駆動電極に結合して、前記マイクロキャンチレバーを前記第1の基板に垂直する方向において共振させるように駆動するマイクロキャンチレバー電極と、前記第1の基板に設けられ、前記マイクロキャンチレバー電極に結合して前記マイクロキャンチレバーの共振周波数を検出する検出電極とを含む。
【0010】
上記センサにおいて、前記金膜は、前記マイクロキャンチレバーにおける前記第1の基板に対向する側の反対側の表面に形成されている。
【0011】
上記センサにおいて、スパッタリング又は蒸着技術によって、シリコンで製造されたマイクロキャンチレバーの表面に金膜を沈積する。
【0012】
上記センサにおいて、前記蛋白質層は、人体組織液中のブドウ糖分子を選択的に吸着するためのD-ガラクトース/ D-ブドウ糖結合蛋白質を含む。
【0013】
上記センサにおいて、前記蛋白質層は、アミン結合又はメルカプタン結合の方式によって金膜表面に固定される。
【0014】
上記センサにおいて、前記マイクロキャンチレバーにおける前記第1の基板に対向する面と前記検出電極とは平行板コンデンサを構成する。
【0015】
さらに、人体組織液を上記センサの金膜表面上に均一に吸着させるために、本発明は上記センサと一緒に使用する流体通路ユニットを提供する。
【0016】
上記技術課題を解決するために、本発明は、第2の基板と前記第2の基板に形成された流体通路とを含む流体通路ユニットを提供し、被検人体組織液が前記流体通路中を流れることができ、上記人体組織液中被検成分含有量感知用センサにおける前記蛋白質層を、流れている被検人体組織液の表面と少なくとも部分的に接触させ、人体組織液中の人体組織液分子を前記蛋白質層表面に吸着させる。
【0017】
上記流体通路ユニットにおいて、前記金膜の表面が、前記流体通路中を流れる蛋白質溶液と少なくとも部分的に接触することにより、前記金膜上に前記蛋白質層を形成する。
【0018】
本発明の更なる一つは、上記センサ及び流体通路ユニットを採用して人体組織液中被検成分含有量を検出する検出方法を提供し、以下のステップを含む。
前記マイクロキャンチレバーを前記第1の基板に垂直する方向において振動させるように前記駆動電極とマイクロキャンチレバー電極との間に交流駆動電圧を付加する電圧付加ステップと、前記マイクロキャンチレバーの振動過程における、前記第1の基板上の検出電極と前記マイクロキャンチレバー電極との間の容量変化をリアルタイムに測量する容量測量ステップと、交流駆動電圧の駆動周波数を調節して容量測量ステップを繰り返し、測量した容量値の変化が最大となる場合、このときの交流駆動電圧の駆動周波数がマイクロキャンチレバーの第1の共振周波数f0であると確定する共振周波数確定ステップと、を含む上記人体組織液中被検成分含有量感知用センサの固有共振周波数を測量する固有共振周波数測量ステップ;
人体組織液中の人体組織液分子を前記蛋白質層の表面に吸着させるように人体組織液を含む流体を前記蛋白質層の表面に接触させる吸着ステップ;
前記電圧付加ステップ、容量測量ステップ、及び共振周波数確定ステップを繰り返すことにより、人体組織液分子を吸着した後のマイクロキャンチレバーの第2の共振周波数f1を測量する第2の共振周波数測量ステップ;及び
第1の共振周波数f0及び第2の共振周波数f1に基づいて人体組織液中の被検人体組織液分子の含有量を計算する計算ステップ。
【0019】
上記人体組織液含有量の検出方法の前記吸着ステップにおいて、人体組織液を含む流体は、上記流体通路ユニットの流体通路において前記蛋白質層の表面を流れる。
【0020】
上記人体組織液含有量の検出方法はさらに蛋白質層形成ステップを含み、前記蛋白質層形成ステップは、前記金膜表面を活性化するための第1の化学溶液を、前記流体通路に導入することと、前記化学溶液が金膜表面を流れることにより前記金膜表面を活性化し、且つAu−S結合によって自己組立分子層を形成することと、表面結合のための第2の化学溶液及びD-ガラクトース/ D-ブドウ糖結合蛋白質をそれぞれマイクロ流体通路に導入することと、自己組立分子層表面に、アミン結合方式によって、D-ガラクトース/ D-ブドウ糖結合蛋白質を表面活性化処理された前記金膜の表面に固定することと、を含む。
【0021】
上記人体組織液含有量の検出方法において、前記D-ガラクトース/ D-ブドウ糖結合蛋白質は、ブドウ糖分子を選択的に吸着するD-ガラクトース/ D-ブドウ糖結合蛋白質である。
【0022】
上記人体組織液含有量の検出方法はさらに、前記D-ガラクトース/ D-ブドウ糖結合蛋白質を形成する蛋白質形成ステップを含み、前記蛋白質形成ステップは、大腸菌D-ガラクトース/ D-ブドウ糖結合蛋白質コード遺伝子mglBを部位特異的突然変異誘発し、突然変異のサイトが、E149サイトにおける単独突然変異、又はE149C+A213Sにおける二サイト突然変異、又はE149、A213及びL238の3つのサイトにおける同時突然変異を含むことと、大腸菌野生型D-ガラクトース/ D-人体組織液結合蛋白質及び突然変異型D-ガラクトース/ D-人体組織液結合蛋白質を過剰発見する遺伝子工学菌株を構築することと、フラスコで形成された遺伝子工学菌株を発酵し、D-ガラクトース/ D-人体組織液結合蛋白質を安定的に発見することと、発酵生成物に対してGGBP蛋白質の分離精製を行うことと、を含む。
【0023】
本発明の更なる一つは、上記人体組織液中被検成分含有量感知用センサと、上記流体通路ユニットとを含む人体組織液中被検成分含有量感知用センサシステムを提供する。
【0024】
上記センサシステムはさらに、前記第1の基板の相対する両端に形成された少なくとも2つの第1のセルフアラインメント孔と、前記第2の基板の相対する両端に形成されるとともに、それぞれ前記第1のセルフアラインメント孔に対応する少なくとも2つの第2のセルフアラインメント孔と、それぞれセルフアラインメント孔に設けられ、前記マイクロキャンチレバーセンサを前記流体通路ユニットに支持するとともに、前記流体通路中を流れる蛋白質溶液を前記金膜の表面と少なくとも部分的に接触させるように保持する複数の支柱と、を含む。
【0025】
本発明におけるGGBP蛋白質を結合した共振型マイクロキャンチレバーブドウ糖センサシステムは構造上、共振型マイクロキャンチレバーセンサとマイクロ流体通路ユニットという2つの部分を有する。測量中にマイクロ流体通路ユニットによって、人体組織液がセンサの共振型マイクロキャンチレバー検出ユニット表面を流れるようにし、この検出ユニットによって人体組織液中の例えばブドウ糖のような被検成分の含有量を検出する。共振型マイクロキャンチレバー検出ユニットとマイクロ流体通路ユニットとの2つの部分は、結合などのマイクロ加工技術によって集積され、上下二層のセンサ構造を構成することができる。共振型マイクロキャンチレバー検出ユニットは、マイクロキャンチレバーと基板とを含む。マイクロキャンチレバーは基板上に加工され、シリコンマイクロキャンチレバー、金膜及びGGBP蛋白質という三層を含むサンドイッチ構造である。基板上には、マイクロキャンチレバーの駆動電極と検出電極とが集積されている。マイクロ流体通路ユニットは、試料入口、マイクロ流体通路及び試料出口という3つの部分を含むが、試料入口及び試料出口は、被検溶液がマイクロ流体通路に進入する及びそこから流出する継ぎ口を提供する。
【0026】
本発明におけるGGBP蛋白質を結合した共振型マイクロキャンチレバーブドウ糖センサの動作原理は以下の通りである。
マイクロキャンチレバーの上表面に結合したGGBP蛋白質によって、人体組織液中の微量ブドウ糖を選択的に吸着する;
静電気アクチュエーティングと容量検出とを結合する方法によって、マイクロキャンチレバーを垂直方向において共振させるように駆動する;
ブドウ糖分子を吸着する前後のマイクロキャンチレバー共振周波率の変化を測量することにより、マイクロキャンチレバー表面に吸着されたブドウ糖分子の質量を検出する。
【発明の効果】
【0027】
本発明の実施例によると、以下の技術効果がある。
【0028】
本発明はGGBP蛋白質により人体組織液中のブドウ糖分子を選択的に吸着し、特異性がよく、人体組織液中の他の化学成分及び微量元素によるブドウ糖測量に対する影響及び妨害をよく低減ひいては排除することができる。結合されたGGBPは長い使用寿命を有し、伝統的な酵素電極などという方式の使用寿命上の不足を克服できる。
【0029】
本発明は、共振方式によりマイクロキャンチレバーセンサの表面に吸着されたブドウ糖分子の質量を検出し、高い測量分解能を有する。理論分析及び計算が表明するように、適切なセンサ構造設計及び駆動電子回路設計により、最小侵襲ブドウ糖検出の要求を満たすように、該センサの質量分解能をfgランクに向上させることができる。
【0030】
本発明が採用したマイクロキャンチレバー構造は、伝統的なブドウ糖光学センサに比べて、デバイスの構造及び製造技術が簡単であり、体積が小さくて重量が軽く、マイクロ流体通路と集積し易くて必要とされる周辺部品が少なく、駆動及び検出回路が簡単で必要とされる被検組織液の量が小さい。マイクロキャンチレバー検出ユニットと流体通路ユニットは、いずれもマイクロ加工技術によって量産されることができ、生産コストが低い。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図面を参照しながら本発明を更に詳しく説明する。図面において、
【図1】図1は本発明実施例によるGGBP蛋白質を結合する前のマイクロキャンチレバーセンサ構造の断面模式図である。
【図2】図2は本発明実施例によるマイクロ流体通路ユニット構造の断面模式図である。
【図3】図3はセンサの金膜表面にGGBP蛋白質を結合するために、図1に示されるマイクロキャンチレバーセンサと図2に示されるマイクロ流体通路ユニットとを結合した断面模式図である。
【図4】図4は、GGBP蛋白質を結合した後の図1に示されるマイクロキャンチレバーセンサの断面模式図である。
【図5】図5は、金膜の表面に人体組織液中の例えばブドウ糖分子のような被検成分を吸着するために、図4に示されるGGBP蛋白質を結合した後のマイクロキャンチレバーセンサと図2に示されるマイクロ流体通路ユニットとを結合した断面模式図である。
【図6】図6は、ブドウ糖分子を吸着した後のマイクロキャンチレバーセンサ上における表面物質の拡大分布模式図である。
【図7】図7は本発明実施例によるマイクロキャンチレバーセンサとマイクロ流体通路ユニットとを結合したとき、セルフアライメント組立構造を設けた断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明は、多くの変形体及び選択可能な形式に変更されることができるが、その細部は既に例示の方式にて図面に示され、且つこれから詳しく説明される。しかしながら、本発明は前記特定の実施例の発明に限られるものではなく、特許請求の範囲で限定した本発明の保護範囲に入る全ての変形体、等価物及び代替物を含む。
【0033】
好ましい実施例に関する下記記載において、図面における図面符号を使用し、図面を結合しながら本発明の採用し得る具体的な実施例を示している。示された実施例は、本発明による全ての実施例を列挙したものではない。本発明の保護範囲からさえ離れなければ、他の実施例を採用することもできるし、構造或いはロジック上の変更をすることもできる。したがって、下記詳しい説明は、実施方式に対する制限を意味していない。
【0034】
これから図1を参照しながら、本発明の1種の例示的な実施例によるGGBP蛋白質を結合する前の、人体組織液中被検成分含有量感知用センサの構造を説明する。図1に示すように、該センサはマイクロキャンチレバー検出ユニットを備え、前記マイクロキャンチレバー検出ユニットは、ベースである第1の基板6と、第1の基板6に略平行して一端が前記第1の基板上に支持されるマイクロキャンチレバー4であって、1つの実施例において全体形状が「L」型を呈することにより前記一端を介して第1の基板6に掛かり、第1の基板6に対向する面と検出電極2とで平行板コンデンサを構成するマイクロキャンチレバー4と、マイクロキャンチレバー4の少なくとも1つの側面に形成される金膜5であって、1つの例示的な実施例においてマイクロキャンチレバー4における第1の基板6に対向する側の反対側の表面、即ち第1の基板6との反対側に形成された金膜5と、第1の基板6に形成された駆動電極1と、第1の基板6上における前記マイクロキャンチレバーを支持するための位置、即ちマイクロキャンチレバー4と第1の基板6とが接触する位置に形成されるマイクロキャンチレバー電極3であって、駆動電極1に結合して、マイクロキャンチレバー4を第1の基板6に垂直する方向において共振させるように駆動するマイクロキャンチレバー電極3と、第1の基板6に設けられ、マイクロキャンチレバー電極3に結合してマイクロキャンチレバー4の共振周波数を検出するための検出電極2と、を含む。1つの実施例において、検出電極2は、駆動電極1とマイクロキャンチレバー電極3との間に設けられている。本発明の例示的な実施例において、マイクロ加工技術によって、第1の基板6と、駆動電極1と、検出電極2と、例えばシリコン材料によって製造されたマイクロキャンチレバー4と、GGBP蛋白質を結合するための金膜5とを含む集積型マイクロセンサを製造することができる。
【0035】
図2は本発明実施例によるマイクロ流体通路ユニット構造の断面模式図である。該流体通路ユニットは、第2の基板15と、第2の基板15に形成されたマイクロ流体通路7とを含む。マイクロ流体通路7は試料入口8及び試料出口9を含むが、試料入口及び試料出口は、被検溶液がマイクロ流体通路7に進入する及びそこから流出する継ぎ口を提供する。例示的な実施例において、マイクロ加工技術によって、該センサと組み合わせて使用するマイクロ流体通路ユニットを直接に製造することができる。本発明において、該流体通路ユニットは、検出ユニットの金膜5の表面にGGBP蛋白質層を結合させる作用と、GGBP蛋白質層に人体組織液中の例えばブドウ糖分子である被検分子を吸着させ、GGBP蛋白質層11上にブドウ糖分子層13を形成させる作用とを有する(図6を参照)。
【0036】
以下、図3を参照しながら、検出ユニットの金膜5の表面にGGBP蛋白質層を結合する操作過程を説明する。なお、図3に示される構造は、図1に示されるマイクロキャンチレバーセンサと図2に示されるマイクロ流体通路ユニットとを結合した模式図である。即ち、図1に示されるマイクロキャンチレバーセンサをマイクロキャンチレバー4を下にし第1の基板6を上にするように倒置してから、倒置のマイクロキャンチレバーセンサと図2に示されるマイクロ流体通路ユニットとを上下に係合する。
【0037】
1つの例示的な実施例において、図7に示されるように、マイクロキャンチレバーセンサの第1の基板6及び流体通路ユニットの第2の基板15に形成されたV型セルフアラインメント孔14を介して、マイクロキャンチレバーセンサと流体通路ユニットとを一緒に組み立てる。マイクロ加工において、異方性のセルフストップ腐食技術によってこのようなV型セルフアラインメント孔14を形成することができる。第1の基板6と第2の基板15との間に所定の長さを有する支柱10が固定されることにより、金膜5の表面とマイクロ流体通路7の表面とを緊密に接触させる。
【0038】
引続き図3を参照し、金膜5の表面を活性化するための化学溶液を、マクロポンプを介してマイクロ流体通路7に導入することにより、化学溶液が安定的な速度で金膜5の表面を流れるようにし、マイクロキャンチレバーセンサの金膜5の表面を活性化し、Au−S結合12(図6を参照)によって自己組立分子層を形成する。マクロポンプを介して、表面結合のための化学溶液及びGGBP蛋白質をそれぞれマイクロ流体通路7に導入し、自己組立分子層の表面において、例えばアミン結合又はメルカプタン結合のような結合方式によって、GGBP蛋白質を表面活性化処理されたマイクロキャンチレバーセンサの金膜5の表面に固定する。これにより、図4に示されるGGBP蛋白質を結合した後のセンサ構造を形成する。
【0039】
なお、本発明における特異的にブドウ糖分子を選択吸着するGGBP蛋白質は、生物技術によって合成される必要がある。その合成方法及び具体的ステップは下記の通りである。
1. 大腸菌GGBP蛋白質コード遺伝子mglBを部位特異的突然変異誘発し、突然変異のサイトは、E149サイトにおける単独突然変異、又はE149及びA213における二サイト突然変異、又はE149、A213及びL238の3つのサイトにおける同時突然変異を含む。
2. 大腸菌野生型GGBP蛋白質及び突然変異型GGBP蛋白質を過剰発見する遺伝子工学菌株を構築する。
3. フラスコで遺伝子工学菌株を発酵し、GGBP蛋白質を高レベルで安定的に発見する。
4. 発酵生成物に対してGGBP蛋白質の分離精製を行い、目標蛋白質の純度を95%以上にする。
【0040】
本発明のもう1つは、上記センサ及び流体通路ユニットを採用して人体組織液中の被検成分含有量を検出する検出方法を提供し、以下のステップを含む。
マイクロキャンチレバー4を第1の基板6に垂直する方向において振動させるように駆動電極1とマイクロキャンチレバー電極3との間に交流駆動電圧を付加する電圧付加ステップと、マイクロキャンチレバー4の振動過程における、第1の基板6上の検出電極2とマイクロキャンチレバー電極3との間の容量変化をリアルタイムに測量する容量測量ステップと、交流駆動電圧の駆動周波数を調節して容量測量ステップを繰り返し、測量した容量値の変化が最大となる場合、このときの交流駆動電圧の駆動周波数がマイクロキャンチレバー4の第1の共振周波数f0であると確定する共振周波数確定ステップと、を含む上記人体組織液中被検成分含有量感知用センサの固有共振周波数を測量する固有共振周波数測量ステップ;
人体組織液中の人体組織液分子を蛋白質層11の表面に吸着させるように人体組織液を含む流体を蛋白質層11の表面に接触させる吸着ステップ;
前記電圧付加ステップ、容量測量ステップ、及び共振周波数確定ステップを繰り返すことにより、人体組織液分子を吸着した後のマイクロキャンチレバー4の第2の共振周波数f1を測量する第2の共振周波数測量ステップ;
第1の共振周波数f0及び第2の共振周波数f1に基づいて人体組織液中の被検人体組織液分子の含有量を計算する計算ステップ。
【0041】
本発明のGGBP蛋白質を結合した共振型マイクロキャンチレバーブドウ糖センサの依拠している基本原理は以下の通りである。
【0042】
マイクロキャンチレバー4の表面がGGBPによってブドウ糖分子を選択的に吸着した後、マイクロキャンチレバーの共振周波数は変化する。マイクロキャンチレバー4の共振周波数を下記式で表すことができる。
【0043】
【数1】

【0044】
但し、meffはマイクロキャンチレバーの有効質量である;kはマイクロキャンチレバーの弾性定数であり、かつ下記式で表すことができる。
【0045】
【数2】

【0046】
但し、Eはマイクロキャンチレバー4のヤング率であり、w、l及びtはそれぞれマイクロキャンチレバー4の幅、長さ及び厚みである。マイクロキャンチレバー4がGGBP蛋白質によってブドウ糖分子を吸着した後、マイクロキャンチレバー4の有効質量の変化Δmはセンサの共振周波数の変化を引き起こす。マイクロキャンチレバー4の弾性定数kに対するΔmの影響は、一般的に無視してもよい。マイクロキャンチレバーの有効質量の変化Δmは、下記式で表すことができる。
【0047】
【数3】

【0048】
上記の3つの式から分かる通り、マイクロキャンチレバー4の有効質量の変化Δmは、マイクロキャンチレバー4のヤング率及び幾何パラメータと関係がある。
【0049】
本発明におけるマイクロキャンチレバー4の構造は実際に、シリコンマイクロキャンチレバー4、金膜5、及びGGBP蛋白質層11という3つの主な部分を含む複合構造である。したがって、GGBP蛋白質を結合した後に、複合膜構造力学理論を利用してマイクロキャンチレバーの合計ヤング率E及び有効質量meffを計算すること必要があり、且つナノインデンターなどの力学テスト設備によってこれらのパラメータを計算した上で試験標定することにより、センサのブドウ糖分子質量に対する精確検出を実現する。
【0050】
具体的には、共振型マイクロキャンチレバー4及びマイクロ流体通路ユニットの設計と製造、GGBP蛋白質の生物合成と結合、及びGGBP蛋白質を結合した共振型マイクロキャンチレバーブドウ糖センサパラメータの標定などという作業を完成した後、本発明による人体組織液中の例えばブドウ糖のような被検成分の含有量を検出する検出方法は下記のステップを含む。
【0051】
ステップS10:GGBP蛋白質を結合した共振型マイクロキャンチレバーブドウ糖センサ(図4に示される)の固有共振周波数を測量する。具体的な測量方法及び過程は以下の通りである。
【0052】
ステップS11:マイクロキャンチレバー4を第1の基板6に垂直する方向において振動させ始めるように図4に示される第1の基板6における駆動電極1とマイクロキャンチレバー電極3との間に交流駆動電圧を付加する。
【0053】
ステップS12:マイクロキャンチレバーの振動過程において、検出電極2とマイクロキャンチレバー電極3との間の容量変化をリアルタイムに測量する。
【0054】
ステップS13:掃引周波数方式によって、一定の範囲において一定の周波数間隔にて、交流駆動電圧を調節する駆動周波数を掃引するとともに、ステップS12における容量値をリアルタイムに検出する。容量値の変化が最大となる場合、マイクロキャンチレバー4は共振状態となる。このとき、交流駆動電圧の第1の周波数f0は、マイクロキャンチレバーの固有共振周波数である。
【0055】
ステップS20:静電駆動を停止し、金膜5及びGGBPを含むマイクロキャンチレバー4のセンサを倒置する。図2に示されるマイクロ流体通路構造によって、マイクロキャンチレバーセンサの第1の基板6及びマイクロ流体通路ユニットの第2の基板15に形成されたV型セルフアラインメント孔14を介して、センサと流体通路ユニットとを組み立てる。V型セルフアラインメント孔14の構造及びセルフアライメント組立過程は、図7に示されている。マイクロ加工において、異方性のセルフストップ腐食技術によってこのようなV型セルフアラインメント孔14を形成することができる。2つの基板の間における一定長さの支柱10により、GGBP表面とマイクロ流体通路の表面とを緊密に接触させ、図5に示される構造を形成する。
【0056】
ステップS30:図5に示される構造によって、ブドウ糖分子を含む人体組織液を、マクロポンプを介してマイクロ流体通路に導入し、且つ人体組織液が安定的な速度でGGBP蛋白質層11の表面を流れるようにする。GGBP蛋白質層11によって、人体組織液中のブドウ糖分子をGGBP蛋白質層11の表面に吸着させる。このとき、マイクロキャンチレバーセンサの表面における物質成分及び構造は、図6に示されている。
【0057】
ステップS40:図5に示される構造から下方のマイクロ流体通路構造を外し、マイクロキャンチレバーセンサを図4に示される状態に戻す。なお、このときのGGBP蛋白質層11の表面は、ブドウ糖分子層13(図6に示される)を形成する。ステップS11〜ステップS13を繰り返し、ブドウ糖分子を吸着した後のマイクロキャンチレバー4の新たな共振周波数f1を測量する。
【0058】
ステップS50:実施例の上記式(3)を利用し、GGBP蛋白質層に吸着された人体組織液中のブドウ糖分子の質量を計算する。
【0059】
本発明は、人体組織液中のブドウ糖濃度を測定するためのGGBP蛋白質を結合した共振型マイクロキャンチレバーブドウ糖センサを提供するが、マイクロ加工技術に基づき、該センサは複数個のマイクロキャンチレバーからなる多センサアレイ構造に広められることができ、本発明におけるマイクロ流体通路構造も相応的にマイクロ流体多通路アレイ構造に広められ、異なるマイクロキャンチレバーの表面に、異なる物質に対して選択吸着能力を有する蛋白質(または抗体−抗原)を結合することができる。更に、このようなアレイ型のマイクロキャンチレバーセンサは、人体組織液中のブドウ糖以外の複数種の微量物質又は化学成分に対して、一回で快速に複数のパラメータを測量することができる。
【0060】
本発明に開示又は掲示された全ての組合せ及び方法は、本文の開示内容に鑑みて実現されることができる。本発明の組合せ及び方法は既に詳しい実施過程に説明されたが、当業者は明らかに、本発明内容、精神及び範囲を離れない前提で、本文に記載の方法及び装置に対して継ぎ合せる又は変更することができ、或いは一部の部品を増減することができる。更に具体的に言うと、全ての類似した取替え及び変更は当業者にとって容易になし得ることであり、本発明の精神、範囲及び内容に含まれると見なされる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロキャンチレバー検出ユニットを備えた人体組織液中被検成分含有量感知用センサであって、前記マイクロキャンチレバー検出ユニットが、
第1の基板と、
前記第1の基板に略平行し、一端が前記第1の基板に支持されたマイクロキャンチレバーと、
前記マイクロキャンチレバーの少なくとも1つの側面に形成された金膜と、
前記金膜に形成され、その表面において人体組織液中の被検成分を吸着するための蛋白質層と、
前記第1の基板に設けられた駆動電極と、
前記第1の基板における前記マイクロキャンチレバーを支持するための位置に形成され、前記駆動電極に結合して、前記マイクロキャンチレバーを前記第1の基板に垂直する方向において共振させるように駆動するマイクロキャンチレバー電極と、
前記第1の基板に設けられ、前記マイクロキャンチレバー電極に結合して前記マイクロキャンチレバーの共振周波数を検出する検出電極と、
を含むセンサ。
【請求項2】
請求項1に記載のセンサであって、
前記金膜が、前記マイクロキャンチレバーにおける前記第1の基板に対向する側の反対側の表面に形成されているセンサ。
【請求項3】
請求項2に記載のセンサであって、
スパッタリング又は蒸着技術によって、シリコンで製造されたマイクロキャンチレバーの表面に金膜を沈積するセンサ。
【請求項4】
請求項1に記載のセンサであって、
前記蛋白質層が、人体組織液中のブドウ糖分子を選択的に吸着するためのD-ガラクトース/ D-ブドウ糖結合蛋白質を含むセンサ。
【請求項5】
請求項4に記載のセンサであって、
前記蛋白質層が、アミン結合又はメルカプタン結合の方式によって金膜表面に固定されるセンサ。
【請求項6】
請求項1に記載のセンサであって、
前記マイクロキャンチレバーにおける前記第1の基板に対向する面と前記検出電極とが平行板コンデンサを構成するセンサ。
【請求項7】
流体通路ユニットであって、
第2の基板と、前記第2の基板に形成された流体通路とを含み、
被検人体組織液が前記流体通路中を流れることができ、請求項1〜5に記載の人体組織液中被検成分含有量感知用センサにおける前記蛋白質層を、流れている被検人体組織液の表面と少なくとも部分的に接触させ、人体組織液中の人体組織液分子を前記蛋白質層表面に吸着させる流体通路ユニット。
【請求項8】
請求項7に記載の流体通路ユニットであって、
前記金膜の表面が、前記流体通路中を流れる蛋白質溶液と少なくとも部分的に接触することにより、前記金膜に前記蛋白質層を形成する流体通路ユニット。
【請求項9】
人体組織液中被検成分含有量の検出方法であって、
請求項1〜5に記載の人体組織液中被検成分含有量感知用センサの固有共振周波数を測量するステップであって、前記マイクロキャンチレバーを前記第1の基板に垂直する方向において振動させるように前記駆動電極とマイクロキャンチレバー電極との間に交流駆動電圧を付加する電圧付加ステップと、前記マイクロキャンチレバーの振動過程における、前記第1の基板上の検出電極と前記マイクロキャンチレバー電極との間の容量変化をリアルタイムに測量する容量測量ステップと、交流駆動電圧の駆動周波数を調節して容量測量ステップを繰り返し、測量した容量値の変化が最大となる場合、このときの交流駆動電圧の駆動周波数がマイクロキャンチレバーの第1の共振周波数f0であると確定する共振周波数確定ステップと、を含む固有共振周波数測量ステップ;
人体組織液中の人体組織液分子を前記蛋白質層の表面に吸着させるように人体組織液を含む流体を前記蛋白質層の表面に接触させる吸着ステップ;
前記電圧付加ステップ、容量測量ステップ、及び共振周波数確定ステップを繰り返すことにより、人体組織液分子を吸着した後のマイクロキャンチレバーの第2の共振周波数fを測量する第2の共振周波数測量ステップ;及び
第1の共振周波数f0及び第2の共振周波数fに基づいて人体組織液中の被検人体組織液分子の含有量を計算する計算ステップ、を含む人体組織液中被検成分含有量の検出方法。
【請求項10】
請求項9に記載の人体組織液含有量の検出方法であって、
前記吸着ステップにおいて、人体組織液が、請求項6に記載の流体通路ユニットの流体通路において前記蛋白質層の表面を流れる人体組織液含有量の検出方法。
【請求項11】
請求項9に記載の人体組織液含有量の検出方法であって、さらに蛋白質層形成ステップを含み、前記蛋白質層形成ステップが、
前記金膜表面を活性化するための第1の化学溶液を、前記流体通路に導入することと、
前記化学溶液が金膜表面を流れることにより前記金膜表面を活性化し、且つAu−Sによって自己組立分子層を形成することと、
表面結合のための第2の化学溶液及びD-ガラクトース/ D-ブドウ糖結合蛋白質をそれぞれマイクロ流体通路に導入することと、
自己組立分子層表面に、アミン結合又はメルカプタン結合の方式によって、D-ガラクトース/ D-ブドウ糖結合蛋白質を表面活性化処理された前記金膜の表面に固定することと、
を含む人体組織液含有量の検出方法。
【請求項12】
請求項11に記載の人体組織液含有量の検出方法であって、
前記D-ガラクトース/ D-ブドウ糖結合蛋白質が、ブドウ糖分子を選択的に吸着するD-ガラクトース/ D-ブドウ糖結合蛋白質である人体組織液含有量の検出方法。
【請求項13】
請求項12に記載の人体組織液含有量の検出方法であって、さらに前記D-ガラクトース/ D-ブドウ糖結合蛋白質を形成する蛋白質合成ステップを含み、前記蛋白質合成ステップが、
大腸菌D-ガラクトース/ D-ブドウ糖結合蛋白質コード遺伝子mglBを部位特異的突然変異誘発し、突然変異のサイトが、E149サイトにおける単独突然変異、又はE149C+A213Sにおける二サイト突然変異、又はE149、A213及びL238の3つのサイトにおける同時突然変異を含むことと、
大腸菌野生型D-ガラクトース/ D-ブドウ糖結合蛋白質及び突然変異型D-ガラクトース/ D-ブドウ糖結合蛋白質を過剰発見する遺伝子工学菌株を構築することと、
フラスコで形成された遺伝子工学菌株を発酵し、D-ガラクトース/ D-ブドウ糖結合蛋白質を安定的に発見することと、
発酵生成物に対してGGBP蛋白質の分離精製を行うことと、
を含む人体組織液含有量の検出方法。
【請求項14】
人体組織液中被検成分含有量感知用センサシステムであって、
請求項1〜5に記載の人体組織液中被検成分含有量感知用センサと、請求項6に記載の流体通路ユニットとを含むセンサシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のセンサシステムであって、さらに、
前記第1の基板の相対する両端に形成された少なくとも2つの第1のセルフアラインメント孔と、
前記第2の基板の相対する両端に形成されるとともに、それぞれ前記第1のセルフアラインメント孔に対応する少なくとも2つの第2のセルフアラインメント孔と、
それぞれセルフアラインメント孔に設けられ、前記マイクロキャンチレバーセンサを前記流体通路ユニットに支持するとともに、前記流体通路中を流れる蛋白質溶液を前記金膜の表面と少なくとも部分的に接触させるように保持する複数の支柱と、
を含むセンサシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2011−515658(P2011−515658A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−547027(P2010−547027)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【国際出願番号】PCT/CN2008/001933
【国際公開番号】WO2009/103197
【国際公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(510226842)天津市先石光学技術有限公司 (1)
【Fターム(参考)】