説明

人口算出装置および人口算出方法

【課題】短時間における急激な人数の増減を把握できる人口算出装置および人口算出方法の提供を課題とする。
【解決手段】長周期データ集計部602により、移動機が第1周期で登録する第1位置情報から所定エリア内の移動機数を集計し、短周期データ集計部603により、移動機が第1周期よりも短い第2周期で登録する第2位置情報から所定エリア内の移動機数を集計し、共通データ集計部604により、長周期データ集計部602で集計された移動機のうち短周期データ集計部603で集計された移動機と一致する移動機数を集計する。そして、係数算出部605および人口算出部606により、上記3種の集計結果を用いて人口を算出することで、第1周期で登録される第1位置情報を第2周期で登録される第2位置情報で補い、急激な人口の増減を把握可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動機数に基づいて人口を算出する人口算出装置および人口算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動機の位置登録数に基づいて移動機数を算出し、これを人口数と把握することが知られている。例えば、特許文献1(特開2003−122877号公報)には、携帯電話の位置情報DBを利用して携帯電話数を算出し、これを所定領域の人口として算出することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−122877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述従来の技術においては、短時間における急激な人数の増減を把握することができないという問題があった。即ち、従来の技術が利用する携帯電話の位置登録処理は、54分周期で行われることが通信規格上決まっているため、54分以内に移動する携帯電話数を把握できなかった。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、短時間における急激な人数の増減を把握できる人口算出装置および人口算出方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による人口算出装置は、移動機が第1周期で登録する第1位置情報に基づき、所定エリア内の移動機数を集計する第1集計手段と、移動機が第1周期よりも短い第2周期で登録する第2位置情報に基づき、所定エリア内の移動機数を集計する第2集計手段と、第1集計手段で集計された移動機のうち、第2集計手段で集計された移動機と一致する移動機数を集計する共通部集計手段と、第1集計手段により集計された移動機数、第2集計手段により集計された移動機数、および共通部集計手段により集計された移動機数を用い所定エリア内の人口を算出する人口算出手段と、を備える。
【0007】
また、本発明による人口算出方法は、人口算出装置が行う人口算出方法において、移動機が第1周期で登録する第1位置情報に基づき、所定エリア内の移動機数を集計する第1集計ステップと、移動機が第1周期よりも短い第2周期で登録する第2位置情報に基づき、所定エリア内の移動機数を集計する第2集計ステップと、第1集計ステップで集計された移動機のうち、第2集計ステップで集計された移動機と一致する移動機数を集計する共通部集計ステップと、第1集計ステップにより集計された移動機数、第2集計ステップにより集計された移動機数、および共通部集計ステップにより集計された移動機数を用い所定エリア内の人口を算出する人口算出ステップと、を備える。
【0008】
この発明によれば、第1集計手段により集計された移動機数、第2集計手段により集計された移動機数、および共通部集計手段により集計された移動機数が用いられ、所定エリア内の人口が算出される。そして、第1周期で登録される第1位置情報と、第2周期で登録される第2位置情報とが互いに補われる。これにより、例えば、第1位置情報のみでは急激な人口の増減をとらえられない一方で、第2位置情報を登録する移動機数が少なく第2位置情報のみでは人口を算出できない場合であっても、第1位置情報と第2位置情報とが互いに補われ、急激な人口の増減を把握すること可能となる。
【0009】
ここで、上記作用を効果的に奏する構成として、人口算出手段は、第2集計手段により集計された移動機数および共通部集計手段により集計された移動機数を用い、第1集計手段により集計された移動機数に対して第1周期よりも短く設定された期間における移動機数の増減分を調整する時間粒度詳細化係数を算出し、第1集計手段により集計された移動機数に時間粒度詳細化係数を乗算して人口を算出する構成が挙げられる。
【0010】
また、上記作用を効果的に奏する構成として、人口算出手段は、第1集計手段により集計された移動機数および共通部集計手段により集計された移動機数を用い、第1位置情報に対する第2位置情報の利用率を算出し、第2集計手段により集計された移動機数を利用率で除算して人口を算出する構成が挙げられる。
【0011】
また、上記作用を効果的に奏する構成として、人口算出手段は、第1集計手段により集計された移動機数、第2集計手段により集計された移動機数、および共通部集計手段により集計された移動機数を用いてユーザ数を算出し、ユーザ数を人口に変換するための拡大係数を用いて、ユーザ数を人口に変換することで人口を算出する構成が挙げられる。
【0012】
また、上記作用を効果的に奏する構成として、第1集計手段は、所定期間に所定エリア内で登録された第1位置情報のそれぞれについて、移動機が第1位置情報を登録した時刻、同じ移動機が一つ前の第1位置情報を登録した時刻、及び同じ移動機が一つ後の第1位置情報を登録した時刻、のうち二つ以上を用いて第1特徴量を算出し、第1特徴量の総和に基づいて所定エリア内の移動機数を集計し、第2集計手段は、所定期間に所定エリア内で登録された第2位置情報のそれぞれについて、移動機が第2位置情報を登録した時刻、同じ移動機が一つ前の第2位置情報を登録した時刻、及び同じ移動機が一つ後の第2位置情報を登録した時刻、のうち二つ以上を用いて第2特徴量を算出し、第2特徴量の総和に基づいて所定エリア内の移動機数を集計し、共通部集計手段は、所定期間に所定エリア内で第1位置情報を登録した移動機によって、所定期間に所定エリア内で登録された第2位置情報のそれぞれについて、移動機が第2位置情報を登録した時刻、同じ移動機が一つ前の第2位置情報を登録した時刻、及び同じ移動機が一つ後の第2位置情報を登録した時刻、のうち二つ以上を用いて共通特徴量を算出し、共通特徴量の総和に基づいて、第1集計手段で集計された移動機のうち、第2集計手段で集計された移動機と一致する移動機数を集計する構成が挙げられる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、短時間における急激な人数の増減を把握できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る人口算出装置の第1実施形態を含む通信システムのシステム構成図である。
【図2】本発明に係る人口算出装置の第1実施形態の機能構成を示すブロック図である。
【図3】図2の人口算出装置の人口算出手順を示すフローチャートである。
【図4】人口算出対象のエリアへの移動機の出入りを示す模式図である。
【図5】長周期データ集計部が有する管理テーブルを示す説明図である。
【図6】短周期データ集計部が有する管理テーブルを示す説明図である。
【図7】本発明に係る人口算出装置の第2実施形態の人口算出手順を示すフローチャートである。
【図8】関連セクタを例示する図である。
【図9】本発明に係る人口算出装置の第3実施形態の人口算出手順を示すフローチャートである。
【図10】端末数推計の考え方を説明するための図である。
【図11】端末数推計に係る計算方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る人口算出装置の好適な実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
【0016】
図1は、本発明に係る人口算出装置の第1実施形態を含む通信システムのシステム構成図である。図1に示すように、本実施形態の人口算出装置を含む通信システム10は、移動機100、BTS(基地局)200、RNC(無線制御装置)300、交換機400、および管理センタ500を含んで構成されている。また、この管理センタ500は、社会センサユニット501、ペタマイニングユニット502、モバイルデモグラフィユニット503、および可視化ソリューションユニット504を含んで構成されている。
【0017】
移動機100は、第1周期(ここでは54分周期)で第1位置情報の登録処理を行う。当該第1位置情報は、BTS200、RNC300、交換機400を介し、後述の社会センサユニット501に蓄積される。なお、第1位置情報は、BTS200の通信エリアを複数に等分したセクタや基地局の単位で表され、移動機100の在圏しているセクタや基地局のIDが第1位置情報として記録される。また、第1位置情報は、BTS200などの提供する機能(例えばPRACH PDなど)や移動機が有する機能(GPSなど)によって測位された緯度経度情報でもよい。
【0018】
また、一部の移動機100は、上記第1周期よりも短い第2周期(ここでは5分周期)で第2位置情報の登録処理を行う。そして、当該第2位置情報は、BTS200、RNC300、交換機400を介し、後述の社会センサユニット501に蓄積される。なお、第2位置情報はBTS200などの提供する機能(例えばPRACH PDなど)や移動機が有する機能(GPSなど)を用いて取得され、移動機100の位置する緯度および経度が第2位置情報として記録される。また、第2位置情報は、BTS200の通信エリアを複数に等分したセクタや基地局の単位で表され、移動機100の在圏しているセクタや基地局のIDが第2位置情報として記録されてもよい。
【0019】
社会センサユニット501は、移動機100の位置情報等を含んだデータを蓄積するサーバ装置である。この社会センサユニット501は、交換機400からのデータ受信要求に応じ、または交換機400にデータ送信要求を出すことでデータを取得し、蓄積する。
【0020】
ペタマイニングユニット502は、社会センサユニット501から受信したデータを所定のデータ形式に変換するサーバ装置である。例えば、ペタマイニングユニット502は、識別子をキーにソーティング処理を行ったり、エリアごとにソーティング処理を行ったりする。本実施形態による人口算出装置600は、ペタマイニングユニット502内に構成されており、人口算出対象(ここでは人口算出対象エリアおよび時間帯)の人口を移動機100の数から算出する。なお、人口算出装置600は、定期的な算出指示により、所定時間帯における所定エリア内の人口を定期的に算出させるように用いることが可能である。また、人口算出装置600は、外部インターフェースから適宜算出指示を入力し、所望の時間帯における所望のエリア内の人口を算出させるように用いることも可能である。
【0021】
モバイルデモグラフィユニット503は、ペタマイニングユニット502において処理されたデータに対する集計・統計解析処理、空間解析処理を行うサーバ装置である。
【0022】
可視化ソリューションユニット504は、モバイルデモグラフィユニット503において集計処理されたデータを可視化するサーバ装置である。例えば、可視化ソリューションユニット504は、集計されたデータを地図上にマッピング処理することができる。この可視化ソリューションユニット504にて処理されたデータは、企業、官公庁または個人等に提供され、店舗開発、道路交通調査、災害対策、環境対策等に利用される。なお、このように統計処理された情報は、当然に個人情報は特定されないように加工されている。
【0023】
ここで、人口算出装置600の構成を説明する。図2は、人口算出装置600の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように、人口算出装置600は、指示受付部601、長周期データ集計部602、短周期データ集計部603、共通データ集計部604、係数算出部605、人口算出部606、および結果出力部607を備えている。
【0024】
指示受付部601は、ユーザからの人口算出指示、人口算出対象のエリアおよび時間帯を受け付ける部分である。また、指示受付部601は、外部装置から定期的に発信される人口算出指示、人口算出対象のエリアおよび時間帯を受け付けることもできる。
【0025】
長周期データ集計部602は、指示受付部601において受け付けられた人口算出指示等に従って、ペタマイニングユニット502に蓄積された第1位置情報から、所定エリア内で第1位置情報を登録した移動機数(以下、長周期ユーザ数)を集計する部分である。このように、長周期データ集計部602は、移動機100が第1周期で登録する第1位置情報に基づき、所定エリア内の移動機数を集計する第1集計手段を構成している。このように集計された第1位置情報は、図5に示される管理テーブルに記憶される。図5は、長周期データ集計部602が有する管理テーブルを示す説明図である。図5に示されるように、長周期データ集計部602の管理テーブルでは、第1位置情報が、識別情報、タイムスタンプ等と対応付けて記憶される。
【0026】
短周期データ集計部603は、指示受付部601において受け付けられた人口算出指示等に従って、ペタマイニングユニット502に蓄積された第2位置情報から、所定エリア内で第2位置情報を登録した移動機数(以下、短周期ユーザ数)を集計する部分である。このように、短周期データ集計部603は、移動機100が第2周期で登録する第2位置情報に基づき、所定エリア内の移動機数を集計する第2集計手段を構成している。このように集計された第2位置情報は、図6に示される管理テーブルに記憶される。図6は、短周期データ集計部603が有する管理テーブルを示す説明図である。図6に示されるように、短周期データ集計部603の管理テーブルでは、第2位置情報が、識別情報、タイムスタンプ等と対応付けて記憶される。
【0027】
なお、第1位置情報及び第2位置情報が対応付けられる識別情報は、例えば、ユーザ識別子(例えば電話番号)に対して非識別化処理を行ったものである。非識別化処理の具体例としては、一方向性関数による不可逆符号への変換を含む処理が挙げられる。一方向性関数の具体例としては、国内外の評価プロジェクトや評価機関により推奨されているハッシュ関数に基づく鍵付ハッシュ関数が挙げられる。
【0028】
共通データ集計部604は、所定エリア内で第1位置情報及び第2位置情報の両方を登録した移動機数(以下、共通ユーザ数)を集計する部分である。即ち、共通データ集計部604は、長周期データ集計部602で集計された移動機100のうち、短周期データ集計部603で集計された移動機100と識別情報の一致する移動機数を集計する。このように、共通データ集計部604は、第1集計手段で集計された移動機100のうち、第2集計手段で集計された移動機100と一致する移動機数を集計する共通部集計手段を構成している。
【0029】
係数算出部605は、時間粒度詳細化係数を算出する部分である。時間粒度詳細化係数は、第1集計手段により集計された移動機数に対して第1周期よりも短く設定された期間における移動機数の増減分を調整する係数であり、下記式(1)により算出される。
【0030】
時間粒度詳細化係数=短周期ユーザ数/共通ユーザ数・・・(1)
【0031】
人口算出部606は、係数算出部605で算出された時間粒度詳細化係数を用い、下記式(2)により算出されるユーザ数に基づき人口を算出する部分である。
【0032】
ユーザ数=長周期ユーザ数×時間粒度詳細化係数・・・(2)
【0033】
なお、係数算出部605は、下記式(3)により、GPS利用率、即ち上記第1位置情報に対する上記第2位置情報の利用率を算出する部分であってもよい。
【0034】
GPS利用率=共通ユーザ数/長周期ユーザ数・・・(3)
【0035】
この場合、人口算出部606は、下記式(4)によりユーザ数を算出する。
【0036】
ユーザ数=短周期ユーザ数/GPS利用率・・・(4)
【0037】
このように、係数算出部605および人口算出部606は、第1集計手段により集計された移動機数、第2集計手段により集計された移動機数、および共通部集計手段により集計された移動機数を用い所定エリア内のユーザ数を算出し、求めたユーザ数にシェア率の逆数を乗算するなどの統計処理を施すことにより、人口を算出する人口算出手段を構成している。
【0038】
結果出力部607は、人口算出部606により算出された人口を出力する部分である。
【0039】
続いて、人口算出装置600の行う処理について説明する。図3は、人口算出装置600の人口算出手順を示すフローチャートである。まず、指示受付部601により人口算出指示が検出され、人口算出処理が開始される。人口算出処理が開始されると、指示受付部601によって人口算出対象のエリアおよび時間帯が取得される(ステップS600)。本実施形態では、人口算出対象のエリアが上記所定エリアとなる。また、人口算出対象のエリアは、上記セクタを一単位として取得されるものとし、人口算出対象エリアの境界線は上記セクタの境界線と一致しているものとする。なお、上記基地局のカバーエリアを一単位として人口算出対象のエリアを取得してもよい。
【0040】
ステップS600において人口算出対象のエリアおよび時間帯が取得されると、短周期データ集計部603により、人口算出対象の時間帯に人口算出対象のエリア内で第2位置情報を登録した移動機100が抽出される(ステップS601)。即ち、人口算出対象の時間帯において、上記緯度および経度が人口算出対象のエリア内にある移動機100が抽出される。そして、抽出された移動機100の数が短周期ユーザ数として集計される(ステップS602)。
【0041】
次に、長周期データ集計部602により、人口算出対象の時間帯に人口算出対象のエリア内で第1位置情報を登録した移動機100が抽出される(ステップS603)。即ち、人口算出対象の時間帯において、人口算出対象のエリアに含まれるセクタのIDを登録した移動機100が抽出される。そして、抽出された移動機100の数が長周期ユーザ数として集計される(ステップS604)。
【0042】
短周期ユーザ数および長周期ユーザ数が集計されると、共通データ集計部604により上記共通ユーザ数が集計される(ステップS605)。
【0043】
次に、係数算出部605により、上記式(1)により時間粒度詳細化係数が算出され、または上記式(3)によりGPS利用率が算出される(ステップS606)。そして、人口算出部606により、上記式(2)または式(4)によりユーザ数が算出される(ステップS607)。
【0044】
ここで、上記人口算出処理の具体例を示す。図4は、人口算出対象のエリアへの移動機の出入りを示す模式図である。
【0045】
図4に示すように、人口算出対象のエリアには識別情報a,b,c〜jの合計10台の移動機100が出入している。例えば識別情報bの移動機100は、実線の引かれた期間に人口算出対象のエリアに在圏し、ポイント61において第1位置情報の登録処理を行い、ポイント62において第2位置情報の登録処理を行っている。
【0046】
この状況において、人口算出対象の時間帯Tの短周期ユーザとして集計される移動機100は、識別情報b,c,f,g,jの5台の移動機となる(図6参照)。また、長周期ユーザとして集計される移動機100は識別情報a,bの2台の移動機となる(図5参照)。そして、共通ユーザとして集計される移動機100は、長周期ユーザとして集計される識別情報a,bの移動機うち、短周期ユーザとしても集計される識別情報bの1台の移動機となる。
【0047】
以上のように、短周期ユーザ数が5人、共通ユーザ数が1人であるため、式(1)より時間粒度詳細化係数が5となる。そして、長周期ユーザ数が2人であるため、式(2)よりユーザ数の算出結果は10人となる。
【0048】
また、長周期ユーザ数が2人、共通ユーザ数が1人であるため、式(3)よりGPS利用率が0.5となる。そして、短周期ユーザ数が5人であるため、式(4)よりユーザ数の算出結果は10人となる。
【0049】
このようにユーザ数が算出されると、そのユーザ数に拡大係数が乗算され、人口が算出される。拡大係数は、ユーザ数を人口に変換するための係数であり、例えばユーザの属性ごとに予め求められ、記憶されている。拡大係数は、時間帯やエリアに応じて求められていてもよい。
【0050】
また、予め記憶しておく以外に、以下のようにして拡大係数を求めてもよい。例えば、「在圏率」と「端末の普及率」との積(即ち、人口に対する在圏数の比率)の逆数を拡大係数とすることができる。ここで、「在圏率」とは、契約台数に対する在圏数の比率を意味し、「端末の普及率」とは人口に対する端末の契約台数の比率を意味する。人口に対する在圏数の比率は、例えば、ある集計単位ごとに移動機数を集計することで得られるユーザ数ピラミッドデータと、予め求められた統計データ(例えば住民基本台帳など)から同じ集計単位ごとに取得される人口ピラミッドデータと、を用い、集計単位ごとに求めることができる。集計単位としては、住所の都道府県ごと、5才刻み年齢層ごと、男女ごと、1時間の時間帯ごと、等が挙げられる。なお、拡大係数は、集計単位ごとに求めることが望ましいが、必須ではない。
【0051】
最後に、結果出力部607により算出結果が出力される(ステップS608)。以上により人口算出処理が終了する。なお、以上の人口算出処理を、性別・年齢層・住所といった属性ごとに行い、属性ごとに人口を出力できるようにしてもよい。
【0052】
以上説明したように、本発明に係る人口算出装置600によれば、54分周期で登録された第1位置情報に基づき長周期ユーザ数が集計され、5分周期で登録された第2位置情報に基づき短周期ユーザ数が集計され、さらに共通ユーザ数が集計される。そして、長周期ユーザ数に対して54分周期よりも短い5分周期における移動機数の増減分を調整する時間粒度詳細化係数が算出され、長周期ユーザ数に時間粒度詳細化係数を乗算することで、5分間での増減分を含むユーザ数が算出され、当該ユーザ数に基づいて人口が算出される。
【0053】
なお、時間粒度詳細化係数に代えて、GPS利用率即ち第1位置情報に対する第2位置情報の利用率を算出し、短周期ユーザ数からGPS利用率を除算することで、短周期ユーザ数をGPS利用率が100%である場合に換算し、ユーザ数を算出することもできる。
【0054】
このように、人口算出装置600によれば、54分周期で登録される第1位置情報と、5分周期で登録される第2位置情報とが互いに補われる。これにより、第1位置情報のみでは急激な人口の増減をとらえられない一方で、第2位置情報を登録する移動機数が少なく第2位置情報のみでは人口を算出できない状況であっても、第1位置情報と第2位置情報とが互いに補われ、急激な人口の増減を把握することが可能となる。
【0055】
続いて、本発明に係る人口算出装置の第2実施形態について説明する。第2実施形態は、セクタを一単位としていないエリアの人口を算出することができる点で第1実施形態と異なる。第2実施形態の機能構成は、第1実施形態の機能構成と同様であるため、第2実施形態については人口算出処理手順のみを説明する。
【0056】
図7に示すように、まず、第1実施形態と同様に、指示受付部601によって人口算出対象のエリア・時間帯が取得される(ステップS700)。さらに、人口算出対象のエリアと一部が重複するセクタが関連セクタとして抽出される(ステップS701)。本実施形態では、抽出された関連セクタの全てを含むエリアが上記所定エリアとなる。図8は、関連セクタを例示する図である。図8では、人口算出対象のエリアA1が、例えば周波数2GHzの基地局のセクタB1及びB2の一部と重複すると共に、周波数800MHzの基地局のセクタC1の一部と重複している場合を示している。この場合、セクタB1,B2及びセクタC1が関連セクタとして抽出され、これらのセクタの全てを含むエリアDが上記所定エリアとなる。
【0057】
次に、短周期データ集計部603により、人口算出対象の時間帯に関連セクタ内で第2位置情報を登録した移動機100が抽出される(ステップS702)。即ち、人口算出対象の時間帯において、緯度および経度が関連セクタ内にある移動機100が抽出される。そして、抽出された移動機100の数が短周期ユーザ数として集計される(ステップS703)。
【0058】
次に、長周期データ集計部602により、人口算出対象の時間帯に関連セクタ内で第1位置情報を登録した移動機100が抽出される(ステップS704)。即ち、人口算出対象の時間帯において、関連セクタのいずれかのIDを登録した移動機100が抽出される。そして、抽出された移動機100の数が長周期ユーザ数として集計される(ステップS705)。
【0059】
次に、共通データ集計部604により、関連セクタ内の共通ユーザ数が集計される(ステップS706)。
【0060】
次に、係数算出部605により、上記式(1)によって関連セクタ全体での時間粒度詳細化係数が算出され、または上記式(3)により関連セクタ全体でのGPS利用率が算出される(ステップS707)。
【0061】
次に、人口算出部606により、人口算出対象のエリア内のユーザ数が算出される(ステップS708)。ここでは、まず上記式(2)または式(4)によって関連セクタごとのユーザ数が算出される。この際に、各関連セクタの時間粒度詳細化係数またはGPS利用率には、関連セクタ全体での時間粒度詳細化係数またはGPS利用率が共通して用いられる。更に、各関連セクタと人口算出対象のエリアとの重複領域の面積が、その関連セクタの面積にしめる割合に応じて、各関連セクタのユーザ数が人口算出対象のエリアに按分される。即ち、各関連セクタのユーザ数に上記割合が乗算され、乗算結果が人口算出対象のエリアに割り当てられる。そして、各関連セクタから人口算出対象のエリアに割り当てられたユーザ数が合計され、人口算出対象のエリアのユーザ数が算出される。
【0062】
例えば、図8のエリアA1のユーザ数は次のように算出される。図8では、関連セクタB1のユーザ数が1000人、関連セクタC1のユーザ数が500人、関連セクタB2のユーザ数が2000人であるとする。また、関連セクタB1とエリアA1との重複領域の面積が関連セクタB1の面積にしめる割合が0.2、関連セクタB2とエリアA1との重複領域の面積が関連セクタB2の面積にしめる割合が0.2、関連セクタC1とエリアA1との重複領域の面積が関連セクタC1の面積にしめる割合が0.5であるとする。この場合、
エリアA1のユーザ数=1000人×0.2+500人×0.5+2000人×0.2=850人
となる。
【0063】
次に、第1実施形態と同様に拡大係数を乗算して人口が算出され(ステップS709)、人口算出結果が出力される(ステップS710)。以上により第2実施形態の人口算出処理が終了する。
【0064】
本実施形態によれば、セクタを一単位としていないエリアの人口を算出することができ、例えば市区町村等、様々なエリアの人口を算出することができる。
【0065】
なお、第2実施形態では、関連セクタ全体で時間粒度詳細化係数またはGPS利用率を算出している。即ち、第2実施形態では、時間粒度詳細化係数等を関連セクタごとには算出していない。これにより、第2位置情報のみを登録した移動機がいずれのセクタに属しているかを識別することなく、時間粒度詳細化係数等を算出することができる。第2位置情報のみを登録した移動機についても、いずれのセクタに属しているかを識別可能な場合には、長周期ユーザ数、短周期ユーザ数、及び共通ユーザ数を関連セクタごとに集計し、時間粒度詳細化係数等を関連セクタごとに算出してもよい。例えば、第2位置情報を登録した移動機が、登録処理の際にセクタIDを併せて登録している場合には、第2位置情報のみを登録した移動機についてもいずれのセクタに属するかを識別できる。
【0066】
続いて、本発明に係る人口算出装置の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、セクタを一単位としていないエリアの人口を算出する処理を、第2実施形態とは異なる手順で行うものである。
【0067】
図9に示すように、まず、第2実施形態と同様に、人口算出対象のエリア・時間帯が取得され(ステップS800)、関連セクタが抽出される(ステップS801)。本実施形態では、人口算出対象のエリアが上記所定エリアとなる。
【0068】
次に、短周期データ集計部603により、人口算出対象の時間帯に人口算出対象のエリア内で第2位置情報を登録した移動機100が抽出される(ステップS802)。即ち、人口算出対象の時間帯において、上記緯度および経度が人口算出対象のエリア内にある移動機100が抽出される。そして、抽出された移動機100の数が短周期ユーザ数として集計される(ステップS803)。
【0069】
次に、長周期データ集計部602により、人口算出対象の時間帯に関連セクタ内で第1位置情報を登録した移動機100が抽出される(ステップS804)。即ち、人口算出対象の時間帯において、関連セクタのいずれかのIDを登録した移動機100が抽出される。そして、抽出された移動機100の数が、各関連セクタごとに長周期ユーザ数として集計される(ステップS805)。
【0070】
次に、各関連セクタと人口算出対象のエリアとの重複領域の面積が、その関連セクタの面積にしめる割合に応じて、各関連セクタの長周期ユーザ数が人口算出対象のエリアに按分される。即ち、各関連セクタの長周期ユーザ数に上記割合が乗算され、乗算結果が人口算出対象のエリアに割り当てられる。そして、各関連セクタから人口算出対象のエリアに割り当てられた長周期ユーザ数が合計され、人口算出対象のエリアの長周期ユーザ数が集計される(ステップS806)。
【0071】
次に、共通データ集計部604により、人口算出対象のエリア内の共通ユーザ数が集計される(ステップS807)。
【0072】
次に、係数算出部605により、上記式(1)によって人口算出対象のエリア内での時間粒度詳細化係数が算出され、または上記式(3)により人口算出対象のエリア内でのGPS利用率が算出される(ステップS808)。
【0073】
次に、人口算出部606により、上記式(2)または式(4)によって人口算出対象のエリア内のユーザ数が算出される(ステップS809)。次に、第1実施形態と同様に拡大係数を乗算して人口が算出され(ステップS810)、人口算出結果が出力される(ステップS811)。以上により第3実施形態の人口算出処理が終了する。本実施形態も、第2実施形態と同様の効果を奏する。
【0074】
以上、本発明に係る好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、上述した実施形態では、短周期ユーザ数が長周期ユーザ数よりも先に集計されているが、長周期ユーザ数を短周期ユーザ数よりも先に算出してもよい。
【0075】
また、上述した実施形態では、人口算出装置はペタマイニングユニットに設けられているものとしたがこれに限られない。例えば、人口算出装置はモバイルデモグラフィユニットに設けられていてもよい。また、例えば、人口算出装置のうち結果出力部のみがモバイルデモグラフィユニットに設けられる等、人口算出装置がペタマイニングユニットやモバイルデモグラフィユニットに分散して設けられていてもよい。
【0076】
また、上述した実施形態では、人口算出対象の時間帯に、所定エリア内で第1位置情報及び第2位置情報の少なくとも一方を登録した移動機が抽出され、長周期ユーザ数、短周期ユーザ数、及び共通ユーザ数が集計されているがこれに限られない。例えば、次に説明する端末数推計により、長周期ユーザ数、短周期ユーザ数、及び共通ユーザ数のそれぞれを集計してもよい。以下に、端末数推計の考え方及び計算方法を説明する。
【0077】
図10に示すモデルのように、人口算出対象の時間帯Tの間に、n個の端末a,a,…,aがエリアSを通過し、各端末aの推計対象期間内のエリアSの滞在時間がt(0<t≦T)であったとする。端末数推計によって算出しようとする端末数mは、以下の式(5)で表わされる。
【数1】


即ち、端末数推計は、各端末aの推計対象期間内のエリアSの滞在時間tの総和を推計対象期間の長さTで除した結果を、端末数mとして推計しようとするものである。端末aの滞在時間tの真の値は観測不能であるが、各端末aが第1位置情報や第2位置情報を登録するために発する信号は観測可能である。
【0078】
端末aが人口算出対象の時間帯TにエリアSで発信した信号を、時刻順に
【数2】


(xは、端末aが推計対象期間内にエリアSで発信した信号の総数)とすると、観測された信号qij(jは1以上x以下の整数)からmの値を推計することができる。
【0079】
図11に基づき端末数推計の計算方法を説明する。端末aから信号qijが送信される密度(即ち、単位時間あたりの信号数)をpとする。このとき、信号が送信される確率がエリアに対して独立であれば、端末aが推計対象期間内にエリアSで発信した信号の総数xの期待値E(x)は、E(x)=t×pであるため、端末aの推計対象期間内のエリアSの滞在時間tの期待値E(t)について以下の式(6)が成立する。
E(t)=x/p・・・(6)
信号qijの送信時刻をuijとしたとき、信号qijの密度pijは、以下の式(7)で与えられる。
ij=2/(ui(j+1)−ui(j−1))・・・(7)
ここで、上記式(7)の(ui(j+1)−ui(j−1))を、信号qijについての特徴量wijとする。すると、上記式(7)は、以下となる。
ij=2/wij・・・(8)
【0080】
このとき密度pは、
【数3】


で与えられるため、端末数mの推計値E(m)は以下の式(10)で計算することができる。
【数4】

【0081】
図11の例に示すように、集計時間帯内であり且つ移動機aiがエリアSに滞在していた期間内に、移動機aiはGPS位置情報qi1、qi2、qi3を送信し、GPS位置情報qi1の直前にGPS位置情報qi0を、GPS位置情報qi3の直後にGPS位置情報qi4を送信したものとし、GPS位置情報qi0、qi1、qi2、qi3、qi4の送信時刻をそれぞれui0、ui1、ui2、ui3、ui4とすると、上記の考え方は、移動機aiの集計時間帯内のエリアSの滞在時間tiを、(ui0とui1の中点)から(ui3とui4の中点)までの期間と推計することに相当する。
【0082】
このような端末数推計を用いる場合、例えば、長周期データ集計部602は、人口算出対象の時間帯Tに所定エリア内で登録された第1位置情報のそれぞれについて、第1特徴量を算出する。例えば、移動機が第1位置情報を登録した時刻、同じ移動機が一つ前の第1位値情報を登録した時刻(直前登録時刻)、及び同じ移動機が一つ後の第1位置情報を登録した時刻(直後登録時刻)、を抽出し、
第1特徴量=直後登録時刻−直前登録時刻
として第1特徴量を算出する。
そして、
長周期ユーザ数=第1特徴量の総和/2/第1基準時間
として長周期ユーザ数を集計する。第1基準時間の長さは、人口算出の条件に応じて適宜設定できるが、少なくとも第1周期以上に設定することが好ましい。
【0083】
また、短周期データ集計部603は、人口算出対象の時間帯Tに所定エリア内で登録された第2位置情報のそれぞれについて、第2特徴量を算出する。例えば、移動機が第2位置情報を登録した時刻、同じ移動機が一つ前の第2位値情報を登録した時刻(直前登録時刻)、及び同じ移動機が一つ後の第2位置情報を登録した時刻(直後登録時刻)、を抽出し、
第2特徴量=直後登録時刻−直前登録時刻
として第2特徴量を算出する。
そして、
短周期ユーザ数=第2特徴量の総和/2/第2基準時間
として短周期ユーザ数を集計する。第2基準時間の長さは、人口算出の条件に応じて適宜設定できるが、少なくとも第2周期以上に設定することが好ましい。
【0084】
また、共通データ集計部604は、人口算出対象の時間帯Tに所定エリア内で第1位置情報を登録した移動機によって、人口算出対象の時間帯Tに所定エリア内で登録された第2位置情報のそれぞれについて、共通特徴量を算出する。例えば、移動機が第2位置情報を登録した時刻、同じ移動機が一つ前の第2位値情報を登録した時刻(直前登録時刻)、及び同じ移動機が一つ後の第2位置情報を登録した時刻(直後登録時刻)、を抽出し、
共通特徴量=直後登録時刻−直前登録時刻
として共通特徴量を算出する。
そして、
共通ユーザ数=共通特徴量の総和/2/共通基準時間
として共通ユーザ数を集計する。共通基準時間の長さは、人口算出の条件に応じて適宜設定できるが、少なくとも第2周期以上に設定することが好ましい。このように、共通ユーザ数の集計に、第1位置情報に比べ信号の発信周期が短い第2位置情報を用いることで、共通ユーザ数の精度を高めることができる。
【0085】
なお、このような端末数推計を、上記拡大係数の算出に適用することもできる。具体的には、端末数推計を用いて、上記集計単位ごとに移動機数を集計し、上記ユーザ数ピラミッドデータを得ることができる。
【符号の説明】
【0086】
10…通信システム、100…移動機、600…人口算出装置、601…指示受付部、602…長周期データ集計部、603…短周期データ集計部、604…共通データ集計部、605…係数算出部、606…人口算出部、607…結果出力部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動機が第1周期で登録する第1位置情報に基づき、所定エリア内の移動機数を集計する第1集計手段と、
移動機が第1周期よりも短い第2周期で登録する第2位置情報に基づき、前記所定エリア内の移動機数を集計する第2集計手段と、
前記第1集計手段で集計された移動機のうち、前記第2集計手段で集計された移動機と一致する移動機数を集計する共通部集計手段と、
前記第1集計手段により集計された移動機数、前記第2集計手段により集計された移動機数、および前記共通部集計手段により集計された移動機数を用い前記所定エリア内の人口を算出する人口算出手段と、
を備える人口算出装置。
【請求項2】
前記人口算出手段は、前記第2集計手段により集計された移動機数および前記共通部集計手段により集計された移動機数を用い、第1集計手段により集計された移動機数に対して第1周期よりも短く設定された期間における移動機数の増減分を調整する時間粒度詳細化係数を算出し、前記第1集計手段により集計された移動機数に前記時間粒度詳細化係数を乗算して人口を算出する請求項1記載の人口算出装置。
【請求項3】
前記人口算出手段は、前記第1集計手段により集計された移動機数および前記共通部集計手段により集計された移動機数を用い、前記第1位置情報に対する前記第2位置情報の利用率を算出し、前記第2集計手段により集計された移動機数を前記利用率で除算して人口を算出する請求項1記載の人口算出装置。
【請求項4】
前記人口算出手段は、前記第1集計手段により集計された移動機数、前記第2集計手段により集計された移動機数、および前記共通部集計手段により集計された移動機数を用いてユーザ数を算出し、前記ユーザ数を人口に変換するための拡大係数を用いて、前記ユーザ数を人口に変換することで人口を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の人口算出装置。
【請求項5】
前記第1集計手段は、所定期間に前記所定エリア内で登録された前記第1位置情報のそれぞれについて、移動機が前記第1位置情報を登録した時刻、同じ移動機が一つ前の前記第1位置情報を登録した時刻、及び同じ移動機が一つ後の前記第1位置情報を登録した時刻、のうち二つ以上を用いて第1特徴量を算出し、前記第1特徴量の総和に基づいて前記所定エリア内の移動機数を集計し、
前記第2集計手段は、前記所定期間に前記所定エリア内で登録された前記第2位置情報のそれぞれについて、移動機が前記第2位置情報を登録した時刻、同じ移動機が一つ前の前記第2位置情報を登録した時刻、及び同じ移動機が一つ後の前記第2位置情報を登録した時刻、のうち二つ以上を用いて第2特徴量を算出し、前記第2特徴量の総和に基づいて前記所定エリア内の移動機数を集計し、
前記共通部集計手段は、前記所定期間に前記所定エリア内で前記第1位置情報を登録した移動機によって、前記所定期間に前記所定エリア内で登録された前記第2位置情報のそれぞれについて、移動機が前記第2位置情報を登録した時刻、同じ移動機が一つ前の前記第2位置情報を登録した時刻、及び同じ移動機が一つ後の前記第2位置情報を登録した時刻、のうち二つ以上を用いて共通特徴量を算出し、共通特徴量の総和に基づいて、前記第1集計手段で集計された移動機のうち、前記第2集計手段で集計された移動機と一致する移動機数を集計することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の人口算出装置。
【請求項6】
人口算出装置が行う人口算出方法において、
移動機が第1周期で登録する第1位置情報に基づき、所定エリア内の移動機数を集計する第1集計ステップと、
移動機が第1周期よりも短い第2周期で登録する第2位置情報に基づき、前記所定エリア内の移動機数を集計する第2集計ステップと、
前記第1集計ステップで集計された移動機のうち、前記第2集計ステップで集計された移動機と一致する移動機数を集計する共通部集計ステップと、
前記第1集計ステップにより集計された移動機数、前記第2集計ステップにより集計された移動機数、および前記共通部集計ステップにより集計された移動機数を用い前記所定エリア内の人口を算出する人口算出ステップと、
を備える人口算出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−59254(P2012−59254A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177149(P2011−177149)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】