説明

人間関係推定装置、及び、人間関係推定方法

【課題】ユーザ同士の人間関係の程度のみではなく、ユーザ同士がどのような人間関係にあるのかを推定することが人間関係推定装置、及び、人間関係推定方法を提供する。
【解決手段】人間関係推定装置の10のコミュニケーション頻度判定部106は、ユーザ同士のコミュニケーション頻度を判定する。エリア判定部108は、各ユーザがどのエリアに存在したかを判定する。人間関係推定部109は、コミュニケーション頻度判定部106及びエリア判定部108による判定結果から判断された、各ユーザがどの程度の頻度でコミュニケーションを行いどのエリアに同時に存在していたかに基づいて、ユーザ同士の人間関係を推定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ同士の人間関係を推定する人間関係推定装置、及び、人間関係推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、myspace(登録商標)やFacebook(登録商標)、mixi(登録商標)等の、人同士の繋がりをサポートし、コミュニティ型のコミュニケーションをインターネット上において提供するSNS(Social Networking Service)が普及している。これらのSNSにおいては、ユーザが自らコミュニティを立ち上げたり、興味のあるコミュニティを探し出して参加したりして、特定の人間関係にあるユーザ(友人など自分と関係のあるユーザや嗜好が同じユーザ)とコミュニケーションをとる。
【0003】
以上のようなユーザ同士のコミュニケーションに基づいてユーザ同士の人間関係の程度(深さ、強さ、親密さ等)を推定する技術としては、特許文献1〜3に記載のものがある。
特許文献1には、ユーザの総受信メール数に占める相手ユーザからの受信メール数の比率をユーザ間関係値として算出し、さらに、電子メールサイズ、電子メールの同報、社会的関係性等に基づいて、ユーザ間関係値の重み付けを行う技術が記載されている。これにより、電子メールのやり取りの通信頻度に加え、電子メールサイズ、電子メールの同報、社会的関係性等を反映して、ユーザ同士の関係の程度を把握することができる。
【0004】
特許文献2には、電子メール、BBS、チャット、データへのアクセス履歴、アクセス頻度、スケジュール等の電子データの中から、ユーザを特定できるデータを抽出し、当該データに基づいて、ユーザ同士の関連及び強度を、線及び数字でグラフィカルに表示することが記載されている。
特許文献3には、ユーザに取り付けられた無線タグの移動軌跡を記録し、当該移動軌跡に基づいてユーザ同士の人間関係を把握することが記載されている。例えば、あるユーザと他のユーザとが過去の一定時間の間に一定距離内に存在すると判断されるとき、当該ユーザ同士が友好的関係にあると判定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−260099号公報
【特許文献2】特開2007−193685号公報
【特許文献3】特開2005−327156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の技術では、ユーザ同士の人間関係の程度(深さ、強度、友好関係にあるか否か等)を判定することはできるが、仕事上の関係があるのかプライベートの関係があるのか区別が付かず、「家族」、「同僚」等の人間関係の種別を判別することができない。
本発明は、上記の従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、ユーザ同士の人間関係の程度のみではなく、ユーザ同士がどのような人間関係にあるのかを推定することができる人間関係推定装置、及び、人間関係推定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の人間関係推定装置は、モバイル端末の位置情報を受信する位置情報受信手段と、前記位置情報受信手段により受信された位置情報を蓄積する位置情報履歴蓄積手段と、各モバイル端末を利用するユーザ間で行ったコミュニケーションに関するコミュニケーション情報を受信するコミュニケーション情報受信手段と、前記コミュニケーション情報受信手段により受信したコミュニケーション情報を蓄積するコミュニケーション履歴蓄積手段と、前記各モバイル端末を利用するユーザを特定するためのユーザ情報を蓄積するユーザ情報蓄積手段と、前記コミュニケーション履歴蓄積手段に蓄積されたコミュニケーション情報と前記ユーザ情報蓄積手段に蓄積されたユーザ情報とに基づいて、ユーザ同士のコミュニケーション頻度を判定するコミュニケーション頻度判定手段と、各ユーザが目的に応じて存在するエリアの名称と位置情報との関係を定義したエリア設定情報を蓄積するエリア設定情報蓄積手段と、前記位置情報履歴蓄積手段に蓄積された位置情報と前記エリア設定情報蓄積手段に蓄積されたエリア設定情報と前記ユーザ情報蓄積手段に蓄積されたユーザ情報とに基づいて、各ユーザがどのエリアに存在したかを判定するエリア判定手段と、前記コミュニケーション頻度判定手段及び前記エリア判定手段による判定結果に基づいて判断された、各ユーザがどの程度の頻度でコミュニケーションを行いどのエリアに同時に存在していたかによって、ユーザ同士の人間関係を推定する人間関係推定手段とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、人間関係推定装置は、各ユーザがどの程度の頻度でコミュニケーションを行いどのエリアに同時に存在していたかによってユーザ同士の人間関係を推定するため、例えば、コミュニケーションが行われたことが確認されたユーザ同士が、自宅のエリアに同時に存在していた場合には人間関係を「家族」、会社エリアに同時に存在していた場合には人間関係を「同僚」と推定することができるため、コミュニケーション頻度に基づくユーザ同士の人間関係の程度のみではなく、ユーザ同士がどのような人間関係にあるのかを推定することが可能となる。
【0009】
請求項2に記載の人間関係推定装置は、請求項1において、前記人間関係推定手段は、ユーザ同士がどのエリアに同時に存在したかに基づいて前記ユーザ同士の人間関係の種別を推定し、前記ユーザ同士のコミュニケーション頻度に基づいて前記ユーザ同士の人間関係の深さを推定することを特徴とする。
本発明によれば、ユーザ同士の人間関係の深さのみではなく、ユーザ同士がどのような人間関係にあるのかを推定することが可能となる。
【0010】
請求項3に記載の人間関係推定装置は、請求項1又は2において、前記人間関係推定手段は、前記ユーザ同士のコミュニケーション頻度が所定の頻度を超えている場合に、前記ユーザ同士の人間関係の種別を推定することを特徴とする。
本発明によれば、ユーザ同士のコミュニケーション頻度が多く、特定の間関係があると推定される場合にのみ、人間関係の種別を推定することができる。
【0011】
請求項4に記載の人間関係推定装置は、請求項1から3の何れか1項において、前記人間関係推定手段は、所定期間内における第1のユーザの第2のユーザとのコミュニケーション回数が、前記所定期間内における前記第1のユーザの他の全ユーザとのコミュニケーション回数の平均値よりも大きい場合に、前記第1のユーザと前記第2のユーザとの人間関係の深さを深いと推定する第1の推定手段と、前記第1の推定手段により人間関係が深いと推定された場合に、前記第1のユーザの前記第2のユーザとの単位時間あたりのコミュニケーション回数の中に、前記第1のユーザの他の全ユーザとの前記単位時間あたりのコミュニケーション回数の平均値よりも大きいものが存在するか否かによって、前記第1の推定手段により推定された人間関係の深さに重み付けを行う第2の推定手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ユーザ同士の各種コミュニケーションの頻度に基づいて、人間関係の深さの程度を推定することができる。
【0012】
請求項5に記載の人間関係推定装置は、請求項1から4の何れか1項において、前記ユーザ情報蓄積手段は、ユーザを特定可能なユーザ識別子と、ユーザの氏名、性別、年齢、職業及び住所の少なくとも1つを含む属性情報とを含むユーザ情報を蓄積し、前記人間関係推定手段は、前記ユーザ情報蓄積手段に蓄積されている属性情報にさらに基づいて、ユーザ同士の人間関係を推定することを特徴とする。
本発明によれば、ユーザの属性情報に基づいてユーザ同士の人間関係を推定することで、例えば、家族の関係にあるユーザ同士を友人と誤って推定することがなくなる。
【0013】
請求項6に記載の人間関係推定装置は、請求項1から5の何れか1項において、ユーザがSNSにおいてどのコミュニティに所属し誰とコミュニケーションを行ったかを示すコミュニケーション活動履歴を受信するコミュニケーション活動履歴受信手段をさらに備え、前記コミュニケーション履歴蓄積手段は、前記コミュニケーション活動履歴受信手段により受信されたコミュニケーション活動履歴をさらに蓄積し、前記コミュニケーション頻度判定手段は、前記コミュニケーション履歴蓄積手段に蓄積されたコミュニケーション情報とコミュニケーション活動履歴とに基づいて、ユーザ同士のコミュニケーション頻度を判定することを特徴とする。
本発明によれば、コミュニケーション頻度判定手段は、電話や電子メール等によるコミュニケーション情報に加えて、SNSによるコミュニケーション活動履歴を用いて、コミュニケーション頻度を判定するため、ユーザ同士のコミュニケーション頻度を正確に判定することができる。
【0014】
請求項7に記載の人間関係推定装置は、請求項5において、前記人間関係推定手段は、前記ユーザ同士が同じコミュニティに属している場合に、前記ユーザ同士の共通点をさらに推定することを特徴とする。
本発明によれば、ユーザ同士の人間関係の程度のみではなく、ユーザ同士の共通点をさらに推定することができる。
【0015】
請求項8に記載の人間関係推定装置は、請求項1から7の何れか1項において、前記人間関係推定手段により推定されたユーザ同士の人間関係を示す人間関係情報で、前記ユーザ同士のうち一方のユーザにより利用されるアドレス帳情報に含まれる、他方のユーザの人間関係情報を更新するアドレス帳更新手段をさらに備えることを特徴とする。
本発明によれば、アドレス帳情報に含まれる人間関係情報を自動的に更新することができる。
【0016】
請求項9に記載の人間関係推定方法は、人間関係推定装置が行う人間関係推定方法であって、モバイル端末の位置情報を受信する位置情報受信ステップと、前記位置情報受信ステップにおいて受信された位置情報を蓄積する位置情報履歴蓄積ステップと、各モバイル端末を利用するユーザ間で行ったコミュニケーションに関するコミュニケーション情報を受信するコミュニケーション情報受信ステップと、前記コミュニケーション情報受信ステップにおいて受信したコミュニケーション情報を蓄積するコミュニケーション履歴蓄積ステップと、前記各モバイル端末を利用するユーザを特定するためのユーザ情報を蓄積するユーザ情報蓄積ステップと、前記コミュニケーション履歴蓄積ステップにおいて蓄積されたコミュニケーション情報と前記ユーザ情報蓄積ステップにおいて蓄積されたユーザ情報とに基づいて、ユーザ同士のコミュニケーション頻度を判定するコミュニケーション頻度判定ステップと、各ユーザが目的に応じて存在するエリアの名称と位置情報との関係を定義したエリア設定情報を蓄積するエリア設定情報蓄積ステップと、前記位置情報履歴蓄積ステップにおいて蓄積された位置情報と前記エリア設定情報蓄積ステップにおいて蓄積されたエリア設定情報と前記ユーザ情報蓄積ステップにおいて蓄積されたユーザ情報とに基づいて、各ユーザがどのエリアに存在したかを判定するエリア判定ステップと、前記コミュニケーション頻度判定ステップ及び前記エリア判定ステップにおける判定結果に基づいて判断された、各ユーザがどの程度の頻度でコミュニケーションを行いどのエリアに同時に存在していたかによって、ユーザ同士の人間関係を推定する人間関係推定ステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、人間関係推定装置は、各ユーザがどの程度の頻度でコミュニケーションを行いどのエリアに同時に存在していたかによってユーザ同士の人間関係を推定するため、例えば、コミュニケーションが行われたことが確認されたユーザ同士が、自宅のエリアに同時に存在していた場合には人間関係を「家族」、会社エリアに同時に存在していた場合には人間関係を「同僚」と推定することができるため、コミュニケーション頻度に基づくユーザ同士の人間関係の程度のみではなく、ユーザ同士がどのような人間関係にあるのかを推定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係る人間関係推定システムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態に係る位置情報履歴蓄積部に蓄積されている位置情報の履歴を示す図である。
【図3】(A)は、コミュニケーション履歴蓄積部に蓄積されたコミュニケーション情報の履歴の一例を示す図であり、(B)は、(A)に示すコミュニケーション履歴が月間で集計されたコミュニケーション履歴統計の一例を示す図である。
【図4】同実施形態に係るユーザ情報蓄積部に記憶されるユーザ情報の一例を示す図である。
【図5】同実施形態に係るエリア設定情報蓄積部に蓄積されたエリア設定情報の一例を示す図である。
【図6】同実施形態に係る人間関係推定部が備える機能構成を示す図である。
【図7】同実施形態に係る人間関係推定システムが行う人間関係推定処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態に係る人間関係推定システムの全体構成を示す図である。
【図9】同実施形態に係るコミュニケーション活動履歴蓄積部に蓄積されるコミュニケーション活動履歴のデータ構成の一例を示す図である。
【図10】同実施形態に係るコミュニケーション頻度判定部により集計され、コミュニケーション履歴蓄積部に蓄積される情報の一例を示す図である。
【図11】同実施形態に係る人間関係推定システムが行う人間関係推定処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において参照する各図では、他の図と同等の構成要素は同一符号によって示されている。
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
(システム全体の構成)
図1は、本発明の第1実施形態に係る人間関係推定システムの全体構成を示すブロック図である。本実施形態に係る人間関係推定システムは、人間関係推定装置10とモバイル端末20とを含んで構成される。人間関係推定装置10とモバイル端末20とは、通信ネットワークを介して通信可能に接続されている。人間関係推定装置10は、例えばインターネット上のサーバである。モバイル端末20は、ユーザが携帯して持ち歩くことが可能な通信端末であり、例えば携帯電話機、スマートフォン等である。図1においては、モバイル端末20を1つのみ図示しているが、実際には複数存在する。
【0020】
(人間関係推定装置の構成)
次に、人間関係推定装置10の構成について説明する。人間関係推定装置10は、位置情報受信部101と、位置情報履歴蓄積部102と、コミュニケーション情報受信部103と、コミュニケーション履歴蓄積部104と、ユーザ情報蓄積部105と、コミュニケーション頻度判定部106と、エリア設定情報蓄積部107と、エリア判定部108と、人間関係推定部109とを備えている。これらの機能は、人間関係推定装置10が備える図示せぬCPU(Central Processing Unit)、ハードディスク等の記憶装置、通信インターフェース等のハードウェア資源と、記憶装置に記憶されたプログラム、データ等のソフトウェア資源とが協働して動作することにより実現される。
【0021】
位置情報受信部101は、モバイル端末20の位置情報を受信する。本実施形態では、モバイル端末20に搭載されたGPS(Global Positioning System)によりモバイル端末20の位置情報が定期的に測位され、モバイル端末20から送信された当該位置情報を、位置情報受信部101が受信する。
位置情報履歴蓄積部102は、位置情報受信部101が受信した位置情報を蓄積する。図2には、位置情報履歴蓄積部102に蓄積されている発信者毎の位置情報の履歴を示す。同図に示すように、位置情報の履歴は、ユーザが利用するモバイル端末20の電話番号と、モバイル端末20の位置情報を測位した時の日時と、測位されたモバイル端末20の緯度・経度と、モバイル端末20が在圏するセルID(基地局情報)と、を含んで構成される。
【0022】
コミュニケーション情報受信部103は、各モバイル端末20を利用するユーザ間で行った音声通話の発着信や電子メール送受信等のコミュニケーションがあったことを示すコミュニケーション情報を受信する。
コミュニケーション履歴蓄積部104は、コミュニケーション情報受信部13が受信したコミュニケーション情報を蓄積する。図3(A)には、コミュニケーション履歴蓄積部104に蓄積されたコミュニケーション情報の履歴の一例を示す。同図に示すように、コミュニケーション情報の履歴は発信者毎に蓄積され、コミュニケーション情報は、発信者の電話番号と、発信した日時と、発信先となるコミュニケーション相手が利用するモバイル端末20の電話番号と、を含んで構成される。
【0023】
図3(B)には、図3(A)に示すコミュニケーション履歴が月間で集計されたコミュニケーション履歴統計の一例を示す。図3(B)に示すように、コミュニケーション履歴統計は、各発信者の各コミュニケーション相手との月間のコミュニケーション回数(Y)と、各発信者の各コミュニケーション相手との単位時間あたりの平均コミュニケーション数(Z)と、各発信者の月間の全コミュニケーション回数(a)と、各発信者の月間の通信相手の総数(b)と、発信者毎の月間の平均コミュニケーション数(X)と、各発信者の各コミュニケーション相手との単位時間あたりの平均送受信数の平均(W)と、を含んで構成される。なお、これらの集計は、コミュニケーション頻度判定部106により行われ、コミュニケーション履歴蓄積部104に蓄積される。
ユーザ情報蓄積部105は、モバイル端末20を利用するユーザのユーザ情報を蓄積する。ユーザ情報は、ユーザを一意に特定可能なユーザ識別子と、ユーザの属性情報とを含む。
【0024】
図4には、ユーザ情報蓄積部15に記憶されるユーザ情報の一例を示す。同図に示すように、ユーザ情報は、ユーザの氏名と、ユーザが利用するモバイル端末20の電話番号と、ユーザの年齢と、ユーザの性別と、ユーザの住所と、ユーザの職業と、を含んで構成される。
図4に示す例では、「ユーザを一意に特定可能なユーザ識別子」は、ユーザが利用するモバイル端末20の電話番号が該当する。また、「ユーザの属性情報」は、ユーザの年齢と、ユーザの性別と、ユーザの住所と、ユーザの職業と、が該当する。これらの属性情報は、ユーザが利用するモバイル端末20の移動通信サービスの契約情報を管理する装置から取得することができる。
【0025】
コミュニケーション頻度判定部106は、コミュニケーション履歴蓄積部104に蓄積されたコミュニケーション情報と、ユーザ情報蓄積部105に蓄積されたユーザ情報とに基づいて、ユーザ同士のコミュニケーション頻度を判定する。具体的には、コミュニケーション頻度判定部106は、コミュニケーション履歴蓄積部104に蓄積されたコミュニケーション情報に基づいてコミュニケーション頻度を集計し、ユーザ情報蓄積部105に蓄積されたユーザ情報に基づいて電話番号に対応するユーザを特定することにより、誰と誰がどの程度の頻度でコミュニケーションを行っているかを判定する。
【0026】
エリア設定情報蓄積部107は、各ユーザが目的に応じて存在するエリアの名称と位置情報との関係を定義したエリア設定情報を蓄積する。
ここで、ユーザが目的に応じて存在するエリアには、ユーザが住むために存在するエリアであるホームエリア、ユーザが仕事をするために存在するエリアである会社エリア、ユーザが授業を受けるために存在するエリアである学校エリア、ユーザが海外旅行中に存在するエリアである観光地エリアや国エリア等が存在する。
【0027】
図5には、エリア設定情報蓄積部18に蓄積されたエリア設定情報の一例を示す。同図に示すように、エリア設定情報は、ユーザが利用するモバイル端末20の電話番号と、エリアを識別するためのエリア名と、当該エリアの所在地を特定するための位置情報と、を含んで構成される。なお、これらの情報以外に、エリア設定情報に、エリアの大きさ、形状等を含めることも可能である。
【0028】
エリアの所在地を特定するための位置情報としては、当該エリアの住所であってもよいし、当該エリアの中心付近の緯度・経度であってもよいし、或いは、当該エリアでの無線通信サービスの提供を行う基地局を識別するセルIDであってもよい。これらの何れかをエリア設定情報蓄積部18に登録しておくことで、エリアの所在地を特定することが可能となる。
【0029】
エリア設定情報蓄積部18に蓄積されるこれらのエリア設定情報は、ユーザの契約情報に基づいて、もしくはユーザによる事前設定によって、登録される。ユーザの契約情報に基づいて登録する場合には、ユーザの移動通信サービスの契約情報に含まれるユーザの住所を抽出し、当該住所で特定される場所をホームエリアとして自動設定する。ユーザによる事前設定によって登録する場合には、例えば、ユーザの勤務地の住所と、エリア名「会社エリア」とを、ユーザが入力を行うことで登録する。或いは、ユーザ情報蓄積部105に蓄積されているユーザの属性情報に勤務先の住所が含まれる場合は、ユーザ情報蓄積部105から勤務先の住所を抽出することにより、会社エリアを設定することができる。
【0030】
エリア判定部108は、位置情報履歴蓄積部102に蓄積された各ユーザの位置情報の履歴と、エリア設定情報蓄積部107に蓄積されているエリア設定情報と、ユーザ情報蓄積部105に蓄積されたユーザ情報とに基づいて、各位置情報に対応するエリア及びユーザを特定することで、各ユーザがどのエリアに存在したかを判定する。
人間関係推定部109は、ユーザ同士の人間関係を推定する。具体的には、人間関係推定部109は、コミュニケーション頻度判定部106及びエリア判定部108による判定結果に基づいて、各ユーザがどの程度の頻度でコミュニケーションを行いどのエリアに同時に存在していたかを判断し、当該判断結果によってユーザ同士の人間関係を推定する。
【0031】
本実施形態では、人間関係推定部109は、ユーザ同士のコミュニケーション頻度が予め定められた所定の頻度よりも高い場合に、ユーザ同士に特別な人間関係があると判断し、ユーザ同士の人間関係を推定する。
具体的には、人間関係推定部109は、エリア判定部108から取得した情報に基づいて、ユーザ同士がどのエリアに同時に存在したかを判断し、ユーザ同士の人間関係の種別を推定する。
【0032】
例えば、2人のユーザがホームエリアに同時に存在していたことがある場合に、人間関係推定部109は、2人のユーザの人間関係の種別は「家族」であると推定する。
また、2人のユーザが会社エリアに同時に存在していたことがある場合に、人間関係推定部109は、2人のユーザの人間関係は「同僚」であると推定する。
また、2人のユーザがホームエリア以外及び会社エリア以外のエリアに同時に存在していることがある場合に、人間関係推定部109は、2人のユーザの人間関係は「友人」であると推定する。
【0033】
また、2人のユーザが学校エリアに同時に存在していたことがある場合に、人間関係推定部109は、2人のユーザの人間関係は「級友」であると推定する。
また、2人のユーザが同じ時期に同じ観光地エリア、或いは日本以外の国エリアに存在していた場合に、人間関係推定部109は、2人のユーザの人間関係は「旅行仲間」又は「友人」と推定する。
【0034】
さらに、人間関係推定部109は、コミュニケーション頻度判定部106により判定されたユーザ同士のコミュニケーション頻度に基づいて、ユーザ同士の人間関係の程度(深さ、強さ、親密さ等)を推定する。ここで、人間関係の程度を推定するための機能構成として、人間関係推定部109は、図6に示す第1の推定部1091と第2の推定部1092とを備えている。
【0035】
第1の推定部1091は、あるユーザ(以下「第1のユーザ」という)の所定期間内(例えば、月間)における第2のユーザとのコミュニケーション回数が、第1のユーザの所定期間における他の全てのユーザとのコミュニケーション回数の平均値よりも大きい場合に、第1のユーザと第2のユーザとの人間関係が深いと推定する。
【0036】
第2の推定部1092は、第1の推定部1091により第1のユーザと第2のユーザとの人間関係が深いと推定された場合に、ピーク時の単位時間あたりのコミュニケーション回数の平均値に基づいて、当該推定された人間関係の深さに重み付けを行う。具体的には、第2の推定部1092は、第1のユーザの第2のユーザとの単位時間あたりのコミュニケーション回数の中に、第1のユーザの他の全てのユーザとの単位時間あたりのコミュニケーション回数の平均値よりも大きいものが存在する場合には、第1の推定部1091により推定された人間関係の深さの程度がより深くなるように重み付けを行う。一方、大きいものが存在しない場合には、第1の推定部1091により推定された人間関係の深さの程度が浅くなるように重み付けを行う。
【0037】
なお、以上のように、ユーザ同士のコミュニケーション頻度が所定の頻度よりも高い場合に特別な人間関係があると判断してユーザ同士の人間関係の種別を推定し、ユーザ同士のコミュニケーション頻度に基づいてユーザ同士の人間関係の程度を推定する手法に限らず、例えば、ユーザ同士のコミュニケーションがあったことを示すコミュニケーション情報の履歴がコミュニケーション履歴蓄積部104に僅かでも蓄積されている場合に、人間関係の種別を推定するようにしてもよい。
【0038】
また、コミュニケーション頻度に応じて、人間関係の種別を変更するようにしてもよい。例えば、コミュニケーション頻度が所定の頻度よりも多い場合に、人間関係推定部109は、人間関係の種別を「友人」ではなく「親友」と推定する。
また、人間関係推定部109は、ユーザ情報蓄積部105に蓄積されている属性情報にさらに基づいて、ユーザ同士の人間関係を推定することができる。例えば、ユーザ同士の住所が一致しているか否かに基づいて人間関係を推定することにより、「家族」が「友人」と判断されることを避けることができる。
【0039】
アドレス帳更新部110は、ユーザ同士の人間関係を示す人間関係情報を人間関係推定部109から取得し、当該2人のユーザのうち一方のユーザにより利用されるアドレス帳情報に含まれる他方のユーザのアドレス情報のグループ名を、取得した人間関係情報で更新する。なお、アドレス情報のグループ名を更新する他に、アドレス情報中に人間関係情報を登録するための項目を設けてもよい。
【0040】
また、ユーザにより利用されるアドレス帳情報は、ユーザが利用するモバイル端末20に記憶されていても、ネットワーク上のサーバに記憶されていてもよい。
更新方法としては、モバイル端末20又はネットワーク上のサーバに記憶されているアドレス帳情報を構成する各ユーザのアドレス情報が、契約情報と紐付いたユーザIDで管理されているとした場合、人間関係推定装置10のアドレス帳更新部110は、深夜帯等に行われるバッチ処理時に、モバイル端末20へ「ユーザID」と「人間関係」とを示す情報を送信する(例:ユーザID;0001、人間関係;友人)。
【0041】
モバイル端末20又はネットワーク上のサーバは、人間関係推定装置10から受信したユーザIDと一致するユーザIDが自装置で記憶しているアドレス帳情報中に存在するかを判別し、一致するユーザIDが存在する場合に、当該ユーザIDに対応するアドレス情報のグループ名を、受信した「人間関係」で更新する(例:変更前 ユーザID;0001、グループ;0 → 変更後 ユーザID;0001、グループ;友人)。
【0042】
(モバイル端末の構成)
次に、モバイル端末20の構成について説明する。モバイル端末20は、通話発着信部201と、メール送受信部202と、コミュニケーション情報送信部203と、位置測位部204と、位置情報送信部205とを備えている。これらの構成は、モバイル端末20が備える図示せぬCPU、不揮発性メモリ等の記憶装置、通信インターフェース等のハードウェア資源と、記憶装置に記憶されたプログラム、データ等のソフトウェア資源とが協働して動作することにより実現される。
【0043】
通話発着信部201は、他のモバイル端末20と音声通話の発着信を行う。
メール送受信部202は、他のモバイル端末20と電子メールの送受信を行う。
コミュニケーション情報送信部203は、他のモバイル端末20と音声通話の発着信や電子メール送受信等のコミュニケーションがあったことを示すコミュニケーション情報を送信する。
【0044】
位置測位部204は、GPS受信機を含んで構成され、モバイル端末20のGPSによる位置測位を行う。なお、GPSによる位置測位に限らず、モバイル端末20が在圏する基地局の位置情報を、モバイル端末20の位置情報として位置測位部204が取得する(以下「基地局測位」という)ようにしてもよい。或いは、GPSによる位置測位ができなかった場合にのみ、代わりに基地局測位を行うようにしてもよい。或いは、無線LAN(Local Area Network)、磁性タグ、RF−ID(Radio Frequency Identification)、可視光等の技術を用いて、位置測位を行うようにしてもよい。
位置情報送信部205は、位置測位部204により測位されたモバイル端末20の位置情報を人間関係推定装置10に送信する。
【0045】
(動作)
次に、図7に示すフローチャートを参照して、人間関係推定システムが行う人間関係推定処理の動作について説明する。
前提として、ユーザはモバイル端末20を利用して、通話や電子メールにより他のモバイル端末20を利用するユーザとコミュニケーションを行っている。また、モバイル端末20は、定期的に位置測位を行い、位置情報を取得している。これらのコミュニケーションに関するコミュニケーション情報や位置情報は、モバイル端末20から人間関係推定装置10へ送信され、人間関係推定装置10のコミュニケーション履歴蓄積部104及び位置情報履歴蓄積部102に蓄積される。
【0046】
コミュニケーション頻度判定部106は、コミュニケーション履歴蓄積部104に蓄積されたコミュニケーション情報の履歴に基づいて、例えば月間の全コミュニケーション回数aとコミュニケーション相手の総数bとから、コミュニケーション相手一人あたりの平均コミュニケーション数X(=a/b)を算出する(ステップS11)。例えば、図3(B)に示すように、電話番号090-1111-XXXXが割り当てられたモバイル端末20を利用するユーザAの月間の全コミュニケーション回数aが100回であり、コミュニケーション相手の総数bが15人の場合、平均コミュニケーション数Xは6.666(100/15)と算出される。
【0047】
次に、人間関係推定部109の第1の推定部1091は、ユーザとコミュニケーション相手とのコミュニケーション回数Yが平均コミュニケーション数Xより多いか少ないかを比較し(ステップS12)、多い(Y≧X)場合はそのユーザ間の関係性が深く(ステップS15)、少ない(Y<X)場合は関係性が浅いと判断する(ステップS13)。例えば、図3(B)に示すように、ユーザAと、電話番号090-2222-XXXXが割り当てられたモバイル端末20を利用するユーザBとの月間のコミュケーション回数は20回であるため、Y(20)≧X(6.66)となり、ユーザAとユーザBとは関係性が深いと判断される。
【0048】
一方、ユーザAと、電話番号090-3333-XXXXが割り当てられたモバイル端末20を利用するユーザCとの月間のコミュケーション回数は2回であるため、Y(2)<X(6.66)となり、ユーザAとユーザCとは関係性が浅いと判断される。
関係性が深いと判断された場合、人間関係推定部109の第2の推定部1092は、当該関係性が深いと判断されたコミュニケーション相手との単位時間あたりの平均コミュニケーション数Zが、全コミュニケーション相手各々との単位時間あたりの平均コミュニケーション数Wより大きいものがあるか否かを判定し(ステップS16)、コミュニケーションの時間密度に応じて、関係性の程度(深いか浅いか)をさらに詳細に判別する。
【0049】
図3(B)に示す例では、ユーザAの他の全コミュニケーション相手各々との単位時間あたりの平均コミュニケーション数Wは0.0154であり、ピーク時におけるユーザAとユーザBとの単位時間あたりの平均コミュニケーション数Zは0.028であるため、Z(0.028)≧W(0.0154)となり、人間関係推定部109の第2の推定部1092は、ユーザAとユーザBとがより関係性の深い間柄と判断する(ステップS15で判断された深い関係性に対する重み付けを上昇させる)(ステップS17)。
【0050】
一方、Z<Wの場合には、人間関係推定部109の第2の推定部1092は、ユーザ同士は関係性が深い間柄ながらも、関係性が少し浅いと判断する(ステップS15で判断された深い関係性に対する重み付けを低下させる)(ステップS18)。
なお、ステップS12において、ユーザ同士は関係性が浅い間柄であると判断された場合は(ステップS13)、人間関係推定部109は、ユーザ同士に特別な関係がないと判断し、コミュニケーション頻度判定部106は別のコミュニケーション相手とのコミュニケーション回数を算出する(ステップS14)。
【0051】
次に、エリア判定部108は、コミュニケーションが行われたことが確認されたユーザ同士が、どの同一エリアに同時に存在していたことがあるかを判別し、当該判別結果に基づいて、人間関係推定部109は、そのユーザ間の関係性の種別(家族や友人、同僚など)を判別する(ステップS19)。例えば、同時に存在していたエリアがホームエリアの場合は人間関係を「家族」、会社エリアの場合は「同僚」等と判別する。
【0052】
以上説明したように、人間関係推定装置10は、各ユーザがどの程度の頻度でコミュニケーションを行いどのエリアに同時に存在していたかに基づいてユーザ同士の人間関係を推定するため、例えば、コミュニケーションが行われたことが確認されたユーザ同士が自宅のエリアに同時に存在していた場合は、人間関係を「家族」、会社エリアに同時に存在していた場合は「同僚」と判定することができるため、コミュニケーション頻度に基づくユーザ同士の人間関係の程度(深さや強度、友好関係にあるか否か)のみではなく、ユーザ同士がどのような人間関係にあるのかを推定することが可能となる。
【0053】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、モバイル端末20を用いた通話、電子メール送受信等によるコミュニケーション情報の履歴に加えて、SNSにおけるコミュニケーション活動履歴を利用して、ユーザ同士の人間関係を推定する。
(システム全体の構成)
図8には、本発明の第2実施形態に係る人間関係推定システムの全体構成を示す。同図に示すように、本実施形態に係る人間関係推定システムは、人間関係推定装置10Aと、モバイル端末20と、コミュニティサービス提供装置30とを備えている。
【0054】
(コミュニティサービス提供装置の構成)
次に、第2実施形態に係るコミュニティサービス提供装置30の構成について説明する。コミュニティサービス提供装置30は、SNS機能提供部301と、コミュニケーション活動履歴蓄積部302と、コミュニケーション活動履歴送信部303とを備えている。
SNS機能提供部301は、インターネット上のコミュニティ形成や掲示板機能等の一般的なSNSを提供する。
【0055】
コミュニケーション活動履歴蓄積部302は、コミュニケーション活動履歴を蓄積する。ここで、コミュニケーション活動履歴とは、ユーザがSNSにおいてどのコミュニティに所属し誰とコミュニケーションを行ったかを示す情報である。ユーザがコミュニティにおいて誰とコミュニケーションを行ったかは、当該コミュニティにおいてユーザがコミュニケーション相手とメッセージ交換を行った回数や、コミュニケーション相手が所有する掲示板へのユーザによるコメントの書き込み回数等により、判別することができる。
【0056】
図9には、コミュニケーション活動履歴蓄積部302に蓄積されるコミュニケーション活動履歴のデータ構成の一例を示す。同図に示すように、コミュニケーション活動履歴は、ユーザが利用するモバイル端末20の電話番号と、ユーザがSNSにおいて所属するコミュニティの種別と、SNSにおいてコミュニケーション相手を識別するためのユーザIDと、SNSにおいてコミュニケーションを行った回数と、を含んで構成される。
コミュニケーション活動履歴送信部303は、コミュニケーション活動履歴蓄積部302に蓄積されたコミュニケーション活動履歴を人間関係推定装置10に送信する。
【0057】
(人間関係推定装置の構成)
次に、図8に戻り、第2実施形態に係る人間関係推定装置10Aが備える機能構成のうち、第1実施形態に係る人間関係推定装置10と異なる機能構成について説明する。
コミュニケーション活動履歴受信部111は、コミュニティサービス提供装置30からコミュニケーション活動履歴を受信する。
コミュニケーション履歴蓄積部104Aは、コミュニケーション情報受信部103がモバイル端末20から受信したコミュニケーション情報に加えて、コミュニケーション活動履歴受信部111がコミュニティサービス提供装置30から受信したコミュニケーション活動履歴を蓄積する。
【0058】
コミュニケーション頻度判定部106Aは、コミュニケーション履歴蓄積部104Aに蓄積されたコミュニケーション情報の履歴とコミュニケーション活動履歴とに基づいて、ユーザ同士のコミュニケーション頻度を判定する。
ここで、人間関係推定装置10Aには、ユーザのSNSにおけるユーザIDとユーザが利用するモバイル端末20の電話番号との対応関係を示す情報が予め記憶されており、コミュニケーション頻度判定部106Aは、コミュニティサービス提供装置30から受信したコミュニケーション相手のSNSのユーザIDと、モバイル端末20から受信したコミュニケーション相手の電話番号とをマッチングし、同一のコミュニケーション相手についてのモバイル端末20におけるコミュニケーション回数とSNSにおけるコミュニケーション回数とを合算する。
【0059】
このように人間関係推定装置10がSNSのユーザIDと電話番号との対応関係を保持し、SNSのユーザIDと電話番号とのマッチングを行うことで、SNSにおいてコミュニケーション相手の電話番号を公開しなくてもコミュニケーション相手を特定することが可能となる。
図10には、コミュニケーション頻度判定部106Aにより集計され、コミュニケーション履歴蓄積部104Aに蓄積される情報の一例を示す。同図に示すように、コミュニケーション頻度判定部106Aにより集計され、コミュニケーション履歴蓄積部104Aに蓄積される情報は、ユーザ毎に、ユーザが利用するモバイル端末20の電話番号と、コミュニケーション相手のユーザIDと電話番号と、同一所属コミュニティ種別と、月間のコミュニケーション回数(Y)と、単位時間あたりの平均コミュニケーション数(Z)と、全各発信者の各コミュニケーション相手との各発信者のコミュニケーション数(Z)と、各発信者の月間の全コミュニケーション回数(a)と、各発信者の月間の通信相手の総数(b)と、発信者毎の月間の平均コミュニケーション数(X)と、各発信者の各コミュニケーション相手との単位時間あたりの平均送受信数の平均(W)と、を含んで構成される。
【0060】
人間関係推定部109Aは、第1実施形態に係る人間関係推定部109と同様に、コミュニケーション頻度判定部106A及びエリア判定部108による判定結果から各ユーザがどの程度の頻度でコミュニケーションを行いどのエリアに同時に存在していたかを判定し、当該判定結果に基づいてユーザ同士の人間関係を推定する。さらに、人間関係推定部109Aは、ユーザ同士が同じコミュニティに属している場合に、ユーザ同士の共通点をさらに推定する。例えば、共通の趣味や同級生等の共通点を推定する。
このように、第2実施形態においては、モバイル端末20での通話や電子メールのコミュニケーション履歴に加え、SNSにおけるコミュニケーション活動履歴を使用してユーザ同士の人間関係を推定する事が可能となる。
【0061】
(動作)
次に、図11に示すフローチャートを参照して、第2実施形態に係る人間関係推定装置10Aが行う人間関係推定処理の動作について説明する。
ステップS11からステップS18までにおける一人当たりの平均コミュニケーション数X及び単位時間あたりの平均コミュニケーション数Wに基づく関係の判別動作は、第1実施形態において図7を参照して説明したステップS11からステップS18における動作と同様である。
ステップS21では、人間関係推定部109Aは、コミュニケーション履歴蓄積部104Aの所属コミュニティ種別を参照して、関係性が深い間柄と判定されたユーザ同士が同じコミュニティに所属しているか否かを判定する。
【0062】
同じコミュニティに所属していないと判定された場合には、第1実施形態において図7を参照して説明したステップS19、S20における動作と同様に、人間関係推定部109Aは、ユーザ同士が一緒に存在していたエリアから関係性の種別(家族、友人、旅行仲間等)を判別し(ステップS25)、ユーザ同士の人間関係の推定結果として、関係性の程度(深い、浅い)及び種別を出力する(ステップS26)。
【0063】
一方、同じコミュニティに所属していると判定された場合には、人間関係推定部109Aは、所属コミュニティ種別から共通点(共通の趣味や同級生などの繋がり)を判別する(ステップS22)。次に、人間関係推定部109Aは、ユーザ同士が一緒に存在していたエリアから関係性の種別(家族、友人、旅行仲間等)を判別し(ステップS23)、ユーザ同士の人間関係の推定結果として、関係性の程度(深い、浅い)、人間関係の種別及び共通点を出力する(ステップS24)。
【0064】
このように、第2実施形態においては、SNSにおけるコミュニケーション活動履歴を用いることで、ユーザ同士のコミュニケーション頻度を正確に把握することができ、また、ユーザ同士が同じコミュニティに所属している場合、所属コミュニティ種別からユーザ同士の共通点(共通の趣味や同級生などの繋がり)を判別することができる。
【0065】
なお、推定されたユーザ同士の人間関係の活用方法としては、上述したようなアドレス帳情報を更新する以外に、所定の人間関係を有するユーザグループに対して情報配信装置から同一の情報を配信してもよい。具体例としては、旅行仲間への旅行プラン情報配信、旅行仲間への旅行写真のグループ送信、友人のオンラインショッピング履歴を用いたおすすめ商品情報配信等が考えられる。
また、ユーザが存在するエリアを位置情報で判別する以外に、海外ローミング時に国識別IDを取得することで判別することもできる。
【符号の説明】
【0066】
10、10A 人間関係推定装置
13 コミュニケーション情報受信部
15 ユーザ情報蓄積部
18 エリア設定情報蓄積部
101 位置情報受信部
102 位置情報履歴蓄積部
103 コミュニケーション情報受信部
104 コミュニケーション履歴蓄積部
104A コミュニケーション履歴蓄積部
105 ユーザ情報蓄積部
106、106A コミュニケーション頻度判定部
107 エリア設定情報蓄積部
108 エリア判定部
109、109A 人間関係推定部
1091 第1の推定部
1092 第2の推定部
110 アドレス帳更新部
111 コミュニケーション活動履歴受信部
20 モバイル端末
201 通話発着信部
202 メール送受信部
203 コミュニケーション情報送信部
204 位置測位部
205 位置情報送信部
30 コミュニティサービス提供装置
301 SNS機能提供部
302 コミュニケーション活動履歴蓄積部
303 コミュニケーション活動履歴送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モバイル端末の位置情報を受信する位置情報受信手段と、
前記位置情報受信手段により受信された位置情報を蓄積する位置情報履歴蓄積手段と、
各モバイル端末を利用するユーザ間で行ったコミュニケーションに関するコミュニケーション情報を受信するコミュニケーション情報受信手段と、
前記コミュニケーション情報受信手段により受信したコミュニケーション情報を蓄積するコミュニケーション履歴蓄積手段と、
前記各モバイル端末を利用するユーザを特定するためのユーザ情報を蓄積するユーザ情報蓄積手段と、
前記コミュニケーション履歴蓄積手段に蓄積されたコミュニケーション情報と前記ユーザ情報蓄積手段に蓄積されたユーザ情報とに基づいて、ユーザ同士のコミュニケーション頻度を判定するコミュニケーション頻度判定手段と、
各ユーザが目的に応じて存在するエリアの名称と位置情報との関係を定義したエリア設定情報を蓄積するエリア設定情報蓄積手段と、
前記位置情報履歴蓄積手段に蓄積された位置情報と前記エリア設定情報蓄積手段に蓄積されたエリア設定情報と前記ユーザ情報蓄積手段に蓄積されたユーザ情報とに基づいて、各ユーザがどのエリアに存在したかを判定するエリア判定手段と、
前記コミュニケーション頻度判定手段及び前記エリア判定手段による判定結果に基づいて判断された、各ユーザがどの程度の頻度でコミュニケーションを行いどのエリアに同時に存在していたかによって、ユーザ同士の人間関係を推定する人間関係推定手段と
を備えることを特徴とする人間関係推定装置。
【請求項2】
前記人間関係推定手段は、
ユーザ同士がどのエリアに同時に存在したかに基づいて前記ユーザ同士の人間関係の種別を推定し、前記ユーザ同士のコミュニケーション頻度に基づいて前記ユーザ同士の人間関係の深さを推定することを特徴とする請求項1に記載の人間関係推定装置。
【請求項3】
前記人間関係推定手段は、
前記ユーザ同士のコミュニケーション頻度が所定の頻度を超えている場合に、前記ユーザ同士の人間関係の種別を推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の人間関係推定装置。
【請求項4】
前記人間関係推定手段は、
所定期間内における第1のユーザの第2のユーザとのコミュニケーション回数が、前記所定期間内における前記第1のユーザの他の全ユーザとのコミュニケーション回数の平均値よりも大きい場合に、前記第1のユーザと前記第2のユーザとの人間関係の深さを深いと推定する第1の推定手段と、
前記第1の推定手段により人間関係が深いと推定された場合に、前記第1のユーザの前記第2のユーザとの単位時間あたりのコミュニケーション回数の中に、前記第1のユーザの他の全ユーザとの前記単位時間あたりのコミュニケーション回数の平均値よりも大きいものが存在するか否かによって、前記第1の推定手段により推定された人間関係の深さに重み付けを行う第2の推定手段と
を備えることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の人間関係推定装置。
【請求項5】
前記ユーザ情報蓄積手段は、ユーザを特定可能なユーザ識別子と、ユーザの氏名、性別、年齢、職業及び住所の少なくとも1つを含む属性情報とを含むユーザ情報を蓄積し、
前記人間関係推定手段は、前記ユーザ情報蓄積手段に蓄積されている属性情報にさらに基づいて、ユーザ同士の人間関係を推定することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の人間関係推定装置。
【請求項6】
ユーザがSNS(Social Networking Service:ソーシャル・ネットワーキング・サービス)においてどのコミュニティに所属し誰とコミュニケーションを行ったかを示すコミュニケーション活動履歴を受信するコミュニケーション活動履歴受信手段をさらに備え、
前記コミュニケーション履歴蓄積手段は、
前記コミュニケーション活動履歴受信手段により受信されたコミュニケーション活動履歴をさらに蓄積し、
前記コミュニケーション頻度判定手段は、
前記コミュニケーション履歴蓄積手段に蓄積されたコミュニケーション情報とコミュニケーション活動履歴とに基づいて、ユーザ同士のコミュニケーション頻度を判定することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の人間関係推定装置。
【請求項7】
前記人間関係推定手段は、
前記ユーザ同士が同じコミュニティに属している場合に、前記ユーザ同士の共通点をさらに推定することを特徴とする請求項5に記載の人間関係推定装置。
【請求項8】
前記人間関係推定手段により推定されたユーザ同士の人間関係を示す人間関係情報で、前記ユーザ同士のうち一方のユーザにより利用されるアドレス帳情報に含まれる、他方のユーザの人間関係情報を更新するアドレス帳更新手段をさらに備えることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の人間関係推定装置。
【請求項9】
人間関係推定装置が行う人間関係推定方法であって、
モバイル端末の位置情報を受信する位置情報受信ステップと、
前記位置情報受信ステップにおいて受信された位置情報を蓄積する位置情報履歴蓄積ステップと、
各モバイル端末を利用するユーザ間で行ったコミュニケーションに関するコミュニケーション情報を受信するコミュニケーション情報受信ステップと、
前記コミュニケーション情報受信ステップにおいて受信したコミュニケーション情報を蓄積するコミュニケーション履歴蓄積ステップと、
前記各モバイル端末を利用するユーザを特定するためのユーザ情報を蓄積するユーザ情報蓄積ステップと、
前記コミュニケーション履歴蓄積ステップにおいて蓄積されたコミュニケーション情報と前記ユーザ情報蓄積ステップにおいて蓄積されたユーザ情報とに基づいて、ユーザ同士のコミュニケーション頻度を判定するコミュニケーション頻度判定ステップと、
各ユーザが目的に応じて存在するエリアの名称と位置情報との関係を定義したエリア設定情報を蓄積するエリア設定情報蓄積ステップと、
前記位置情報履歴蓄積ステップにおいて蓄積された位置情報と前記エリア設定情報蓄積ステップにおいて蓄積されたエリア設定情報と前記ユーザ情報蓄積ステップにおいて蓄積されたユーザ情報とに基づいて、各ユーザがどのエリアに存在したかを判定するエリア判定ステップと、
前記コミュニケーション頻度判定ステップ及び前記エリア判定ステップにおける判定結果に基づいて判断された、各ユーザがどの程度の頻度でコミュニケーションを行いどのエリアに同時に存在していたかによって、ユーザ同士の人間関係を推定する人間関係推定ステップと
を備えることを特徴とする人間関係推定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−165097(P2010−165097A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5566(P2009−5566)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】