説明

介護用携帯電話機

【課題】 介護を要する老人等の被介護者と遠隔地にいる介護者間のコミュニケーションを補助するための介護用携帯電話機を提供する。
【解決手段】 特定の発信者から発信された電子メールを受信した場合に、この電子メールの内容を音声化して音声出力するメール音声化手段と、被介護者の音声を受けた場合に、この音声を文書データに変換し、さらにこの文書データを電子メールに含め発信者に向け返信し、被介護者による所定のボタン操作を受けた場合に、このボタン操作に応じたメッセージを電子メールに含め発信者に向け返信する応答手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、介護用に好適な携帯電話機に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、少子高齢化および核家族化が進んでいるが、高齢となった親の介護が必要な状況であっても、別居あるいは就労のために常時介護をすることが困難な環境となっている。こうしたなか、介護を必要とする者の様子を知るため、電話を利用したりしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】固定電話の場合、設置場所が固定されており、介護を必要とする老人が電話に応答するのは、電話機が設置された場所まで行き応答することになるので身体的負担となる。一方、携帯電話の場合、電話機を身につけたり手近な場所に置くことができるので、負担は固定電話よりも軽減されるが、それでも被介護者の体調等によってはやはり負担になったり、老人にとっては操作が難しいものであったりする。
【0004】また、介護者の方は、被介護者と電話によりコミュニケーションをとることは、日中、就労中であったりするので、思うように行えない。一方、現在用いられている携帯電話機では、音声による通話機能に加え、電子メールの送受信等の機能も付加されており、こうした電子メールを利用すれば、好きな時間に電子メールの送受信を行える利点がある。しかし、被介護者である老人には、操作が難しいものであった。
【0005】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、介護を要する老人等の被介護者と遠隔地にいる介護者間のコミュニケーションを補助するための介護用携帯電話機を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の介護用携帯電話機は、被介護者に携帯される介護用携帯電話機であって、該携帯電話機は、特定の発信者から発信された電子メールを受信した場合に、該電子メールの内容を音声化して音声出力するメール音声化手段と、被介護者の音声を受け、該音声を文書データに変換し、該文書データを電子メールに含め前記発信者に向け返信する応答手段と、を具備することを特徴とする。
【0007】本発明の介護用携帯電話機は、被介護者に携帯される介護用携帯電話機であって、該携帯電話機は、特定の発信者から発信された電子メールを受信した場合に、該電子メールの内容を音声化して音声出力するメール音声化手段と、被介護者による所定のボタン操作を受け、該ボタン操作に応じたメッセージを電子メールに含め前記発信者に向け返信する応答手段と、を具備することを特徴とする。
【0008】また、本発明の介護用携帯電話機において、前記メール音声化手段は、被介護者の音声または所定のボタン操作を受けるまで、前記音声出力を繰り返すことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0010】本実施の形態の老人介護用携帯電話機(以下、携帯電話機と称す)は、遠隔地に居る介護者や就労のため離れた場所にいる介護者が、老人等の被介護者に負担をかけることなく、また、自身にかかる負担(時間的な負担等)を最小限にして、被介護者とコミュニケーションをとることができるようにするためのものである。図1に示した概念図では、介護者が電子メールの送受信機能をもつ一般の携帯電話機やコンピュータ端末等を用いて、被介護者宛に電子メールを送信し、被介護者の携帯電話機1がこの電子メールを受信する様子を示している。
【0011】本実施の形態の携帯電話機1の第一の特徴は、介護者から受けた電子メールに対してのみ、着信と同時に、この電子メールに含まれるメール本文を音声合成により音声化し出力する点にある。この機能により、被介護者は、この携帯電話機1に触れることなく介護者からのメッセージ(例えば、図中の「朝ごはん、食べた?」)を聞くことができる。
【0012】また、本実施の形態の携帯電話機1の第二の特徴として、被介護者による応答を電子メールとして介護者に返信する点にある。被介護者が、この携帯電話機1を用いて、音声もしくは所定の(簡単な)キー操作による応答をすると、音声による応答の場合では、入力された音声(例えば、図中の「あー」)を音声認識してテキストデータに変換し、このテキストデータを電子メールのメール本文に含めて介護者宛に返信する。また、所定のキー操作がなされた場合には、操作されたキーに対応するメッセージを電子メールのメール本文に含めて介護者宛に返信する。このようにして、介護者と被介護者間でコミュニケーションをとることができる。
【0013】このように本実施の形態の携帯電話機1を利用したコミュニケーションは、被介護者にかかる負担は軽く、また、介護者は、電子メールを利用するので、通常の電話を利用するのと異なり時間的な制約を受けずに被介護者の様子を知ることができるものとなっている。
【0014】次に、本発明の一実施の形態である携帯電話機1の構成について、図2のブロック図を参照して説明する。
【0015】図2において、符号11は、CPU(中央処理装置)であり、各種制御プログラムを実行することにより携帯電話機1の各部の動作を制御する。符号11は、RAM(Random Access Memory)であり、CPU11のワークエリアや、ダウンロードされた楽曲データや伴奏データの格納エリア、および、受信した電子メールのデータが格納されるメールデータ格納エリア、ならびに、下記の操作入力部18に備わるダイヤルボタン等のキーに対応して編集・設定されるメッセージが格納されるメッセージ格納エリアや介護者のメールアドレスが格納されるアドレス格納エリア等が設定される。
【0016】また、符号13は、ROM(Read Only Memory)であり、CPU11が実行する送信・着信等の制御をする各種電話機能プログラムや電子メールの送受信を制御するメール送受信機能プログラムや、楽曲再生処理を補助するプログラム、および、音声合成/認識処理を補助するプログラムや、予め記録された楽曲データや伴奏データや下記の操作入力部18に備わるダイヤルボタン等のキーに対応して予め設定されるメッセージデータ等の各種データが格納されている。
【0017】また、符号14は、通信部であり、この通信部14に備わるアンテナで受信された信号の復調を行うとともに、送信する信号を変調してアンテナに供給している。通信部14で復調された着信信号は、音声CODEC(コーダ/デコーダ)15において復号され、マイク21から入力された音声信号はデジタル化され音声CODEC15において圧縮符号化される。音声CODEC15は、例えばCELP(Code Excited LPC)系やADPCM(適応差分PCM符号化)方式により、音声データを高能率圧縮符号化/復号化している。符号16は、楽曲再生部であり、音声CODEC15からの音声信号を背面拡声スピーカから出力したり、選択された楽曲データを再生して着信音あるいは保留音として出力する。なお、着信音は背面拡声スピーカから出力され、保留音は着信信号とミキシングされてイヤスピーカから出力される。
【0018】また、符号17は、音声合成/認識部であり、受信した電子メールの内容を音声合成し、音声信号として出力するとともに、特定のメール発信者からのメール受信に対しその応答が音声によりなされた場合には、マイクから入力された音声信号を音声認識し、テキストデータとして出力する。この音声合成/認識部17から出力されるテキストデータは、CPU11において実行されるメール送受信機能プログラムにより、介護者宛の電子メールのメール本文として含められ自動的に返信される。また、介護者からの電子メールの着信があった場合、CPU11は、直ちに、マイクのスイッチをオンにし被介護者の音声による応答が可能となるように制御する。また、被介護者による応答が一定時間ない場合には、受信したメッセージ(メール本文)の再生を繰り返す。
【0019】なお、介護者からのメッセージは、定型文を用いるようにしてもよく、この場合、予めROM13に登録された定型文の音声データを再生するようにしてもよい。そして、非定型文の場合は、50音それぞれに対応する音声データを組み合わせて再生するようにしてもよい。また、音声による応答の音声認識は、文節を基準に認識し、これを電子メールに含め返信するようにしてもよいし、一通りの被介護者の応答(返事)の入力を受け、さらに電子メールによる返信をするためのキーワードを受けることで、このキーワードをトリガとして、入力された応答の内容を電子メールに含め返信するようにしてもよい。また、本実施の形態において、音声合成に関する技術は、特開平13−007937号公報等に開示された技術を利用して、また、音声認識に関する技術は、特開2001−236089号公報等に開示された技術を利用して実現できる。
【0020】また、符号18は、操作入力部であり、携帯電話機1の本体に設けられた「0」〜「9」のダイヤルボタンを含む各種ボタン(図示せず)からの入力を検知する入力手段である。CPU11は、特定のメール発信者からのメール受信に対しその応答がこの操作入力部18を用いてなされた場合、被介護者が操作したキーを検出し、RAM12あるいはROM13からこのキーに対応するメッセージデータを読み出し、介護者宛に当該メッセージデータを電子メールのメール本文に含めて返信する。また、符号19は、LCD(Liquid Crystal Display)であり、電話機能や電子メール送受信機能のメニューや、ダイヤルボタン等の各種ボタンの操作に応じた表示がされる表示器である。なお、各機能ブロックはバス20を介してデータや命令の授受を行っている。
【0021】ここで、送受信される電子メールのデータ構造の概要について、図3を参照し説明する。
【0022】図3に示すように、送受信される電子メールには、少なくとも、別途定められるヘッダ情報と、送信先のアドレスと、送信元のアドレスと、メール本文とを含んでいる。介護者が被介護者宛(当該携帯電話機1)に電子メールを送る場合、この電子メールの送信先アドレスには、被介護者(当該携帯電話機1)のメールアドレスが設定され、送信元アドレスには、介護者のメールアドレスが設定される。そして、介護者から被介護者宛に電子メールが送信されると、この電子メールを受信した携帯電話機1は、送信元アドレスをチェックし、介護者としてそのメールアドレス(介護者アドレス)が設定されている特定の送信者(介護者)からのものであるか判定し、介護者からのものである場合、音声合成/認識部17によりメール本文が音声合成され、合成された音声が背面拡声スピーカから出力される。なお、介護者以外から受けた電子メールは、通常の使われ方と同様にして、着信した電子メールに含まれるメール本文が、LCD19に表示される。
【0023】次に、このように構成された本実施形態の携帯電話機1の動作について説明する。
【0024】この携帯電話機1に対し、予め、介護者のメールアドレスの設定がなされる(図4参照)。ここでは、入力された介護者のメールアドレスを介護者アドレスとしてRAM12に格納する(ステップS41)。もちろん、登録される介護者アドレスは、複数あってもよい。また、必要に応じて携帯電話機1の本体に備わるキーに割り当てられるメッセージの設定・編集がなされる(図5参照)。ここでは、数値キーや、*、#等のキーに対し予め対応付け設定されたメッセージの変更や、割当て内容の変更をする(ステップS51)。なお、キーに割り当てられるメッセージは、例えば、0〜8(4,9は除かれている),*,#等のキーに対し、1:「はい」、2:「いいえ」、3:「絶好調!」、5:「まあまあ」、6:「いまいち」、7:「つらい」、8:「死にそう」、0:「たまには顔を見せろ」、*:「腹減った」、#:「うるさい!」などのように割り当てられる。このような設定が、デフォルトとしてROM13に設定されており、編集により変更された設定はRAM12の領域に設定される。なお、RAM12は、電池バックアップされており、編集された設定が優先されるものとする。
【0025】ここで、携帯電話機1が電子メールを受信し、被介護者が音声で応答する場合の動作を、図6〜8を参照して説明する。
【0026】携帯電話機1がメールを受信すると、CPU11は、前述した着信データに含まれる送信元アドレスと、先に設定されている介護者アドレスとを比較し、送信元アドレスが介護者アドレスと一致するか判断する(ステップS11)。ここで、着信メールの送信元アドレスが介護者アドレスではないと判定されると、着信メロディやバイブレーションやLCD表示等による通常のメール着信通知をする(ステップS12)。一方、ステップS11の判断で、着信メールの送信元アドレスが介護者アドレスであると判定されると、CPU11は、音声合成/認識部17に、メール本文を音声合成させ再生させる(ステップS13)。
【0027】次に、被介護者の音声による応答があるか判断する(ステップS14)。メールの再生後、被介護者の音声による応答があると、ステップS14の判断で、音声による応答があったと判定される。すると、CPU11は、音声合成/認識部17に、マイクで受けた被介護者の音声を音声認識させるとともにテキストデータに変換させる(ステップS15)。そして、CPU11は、音声合成/認識部17により変換されたテキストデータを電子メールとして送信元である介護者に向け返信する(ステップS16)。
【0028】一方、メールの再生後、被介護者の音声による応答がなく、キー入力による応答があると、ステップS17の判断で、キー入力による応答があったと判定される。すると、CPU11は、RAM12あるいはROM13に設定された各種キーに対応するメッセージを参照し、被介護者のキーによる応答を、対応するメッセージ(テキスト)に変換する(ステップS18)。そして、CPU11は、このメッセージを電子メールに含め送信元である介護者に向け返信する(ステップS16)。
【0029】他方、メールの再生後、被介護者の音声による応答も、キー入力による応答もなく所定時間(図6の例では、1分間)が経過したか判断する(ステップS19)。この判断で、所定時間の1分間が経過したと判定されると、CPU11は、RAM12の未応答回数エリアに「未応答(1回)」を格納する(ステップS20)。そして、さらにタイマーによる計時を開始させる(ステップS21)。一方、ステップS19の判断で、所定時間の1分間が経過していないと判定されると、ステップS14の判断へ移行しステップS14以降の処理を繰り返す。
【0030】次に、図6に示したフローの処理後、第2の所定時間(例えば、15分)が経過すると、RAM12の未応答回数エリアを参照し、「未応答(1回)」であるか判断する(ステップS22)。この判断で「未応答(1回)」であると判定されると、CPU11は、未応答となっているメールのメール本文を、再度、音声合成/認識部17に音声合成させ再生させる(ステップS23)。
【0031】次に、被介護者の音声による応答があるか判断する(ステップS24)。メールの再生後、被介護者の音声による応答があると、ステップS24の判断で、音声による応答があったと判定される。すると、CPU11は、音声合成/認識部17に、マイクで受けた被介護者の音声を音声認識させるとともにテキストデータに変換させる(ステップS25)。そして、CPU11は、音声合成/認識部17により変換されたテキストデータを電子メールに含め送信元である介護者に向け返信するとともに、タイマーによる計時を停止する(ステップS26)。
【0032】一方、メールの再生後、被介護者の音声による応答がなく、キー入力による応答があると、ステップS27の判断で、キー入力による応答があったと判定される。すると、CPU11は、RAM12あるいはROM13に設定された各種キーに対応するメッセージを参照し、被介護者のキーによる応答を、対応するメッセージ(テキスト)に変換する(ステップS28)。そして、CPU11は、このメッセージを電子メールに含め送信元である介護者に向け返信するとともに、タイマーによる計時を停止する(ステップS26)。
【0033】他方、メールの再生後、被介護者の音声による応答も、キー入力による応答もなく所定時間(図7の例では、1分間)が経過したか判断する(ステップS29)。この判断で、所定時間の1分間が経過したと判定されると、CPU11は、RAM12の未応答回数エリアに「未応答(2回)」を格納する(ステップS30)。そして、さらにタイマーによる計時を開始させる(ステップS31)。一方、ステップS29の判断で、所定時間の1分間が経過していないと判定されると、ステップS24の判断へ移行しステップS24以降の処理を繰り返す。
【0034】また、図7に示したフローのステップS22の判断で、「未応答(1回)」ではないと判定されると、CPU11は、未応答となっているメールを、再度、音声合成/認識部17に音声合成させ大音量で再生させる(ステップS32)。このとき、さらに再生速度を遅くし、ゆっくりと再生するようにしてもよい。
【0035】次に、被介護者の音声による応答があるか判断する(ステップS33)。メールの再生後、被介護者の音声による応答があると、ステップS33の判断で、音声による応答があったと判定される。すると、CPU11は、音声合成/認識部17に、マイクで受けた被介護者の音声を音声認識させるとともにテキストデータに変換させる(ステップS34)。そして、CPU11は、音声合成/認識部17により変換されたテキストデータを電子メールに含め送信元である介護者に向け返信するとともに、タイマーによる計時を停止する(ステップS35)。
【0036】一方、メールの再生後、被介護者の音声による応答がなく、キー入力による応答があると、ステップS36の判断で、キー入力による応答があったと判定される。すると、CPU11は、RAM12あるいはROM13に設定された各種キーに対応するメッセージを参照し、被介護者のキーによる応答を、対応するメッセージ(テキスト)に変換する(ステップS37)。そして、CPU11は、このメッセージを電子メールに含め送信元である介護者に向け返信するとともに、タイマーによる計時を停止する(ステップS35)。
【0037】他方、メールの再生後、被介護者の音声による応答も、キー入力による応答もなく、ステップS38の判断で、所定時間(図8の例では、1分間)が経過したと判定されると、CPU11は、所定の未応答メッセージからなる電子メールを介護者に向け返信する(ステップS39)。これにより、介護者は、被介護者の異常を知ることができる。そして、タイマーによる計時を停止する(ステップS40)。一方、ステップS38の判断で、所定時間の1分間が経過していないと判定されると、ステップS33の判断へ移行しステップS33以降の処理を繰り返す。なお、上記で説明した動作フローは一例であり、上記の処理の流れに限定されるものではない。
【0038】以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の構成等も含まれる。上記説明においては、本発明の一実施の形態を、携帯電話機として説明したが、もちろんPHS(登録商標)を利用してもよく、少なくとも音声による入出力および電子メールの送受信の機能を持つ装置に上記各部の機能を組み込みこむことで実施できることは言うまでもない。
【0039】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明によれば、特定の発信者から発信された電子メールを受信した場合に、該電子メールの内容を音声化して音声出力するメール音声化手段と、被介護者の音声を受け、該音声を文書データに変換し、該文書データを電子メールに含め前記発信者に向け返信する応答手段とを備えるので、被介護者は、介護者から電子メールとして送られたメッセージを、あたかも介護者がそばにいるかのように聞くことができ、また、声で答えるだけでこのメッセージに対する応答ができ、介護者は、電子メールを利用することから時間の制限を受けることなく被介護者とのコミュニケーションをとることができ、被介護者の様子を知ることができる。
【0040】また、本発明によれば、特定の発信者から発信された電子メールを受信した場合に、該電子メールの内容を音声化して音声出力するメール音声化手段と、被介護者による所定のボタン操作を受け、該ボタン操作に応じたメッセージを電子メールに含め前記発信者に向け返信する応答手段と、を備えるので、被介護者は、介護者から電子メールとして送られたメッセージを、あたかも介護者がそばにいるかのように聞くことができ、また、簡単なボタン操作だけでメッセージに対する応答ができ、介護者は、電子メールを利用することから時間の制限を受けることなく被介護者とのコミュニケーションをとることができ、被介護者の様子を知ることができる。さらに、コミュニケーションをとりながら、指の運動を行い、老化防止・ボケ防止にも有効な指の運動を促すことも可能である。
【0041】また、本発明によれば、前記メール音声化手段が、被介護者の音声または所定のボタン操作を受けるまで、前記音声出力を繰り返すので、被介護者に確実に介護者からの電子メールの内容を伝達することができ、逆に、被介護者の応答がない場合には、介護者は、被介護者の異常を知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を説明する概念図である。
【図2】 同実施の形態の携帯電話機の構成を示すブロック図である。
【図3】 同実施の形態の電子メールのデータ構造の概要を示す図である。
【図4】 同実施の形態の携帯電話機における介護者アドレス設定時のフローチャートである。
【図5】 同実施の形態の携帯電話機におけるキー割当て編集時のフローチャートである。
【図6】 同実施の形態の携帯電話機におけるメール受信時のフローチャートである。
【図7】 同実施の形態の携帯電話機におけるメール受信後のフローチャート(一部)である。
【図8】 図7に続く同実施の形態の携帯電話機におけるメール受信後のフローチャート(一部)である。
【符号の説明】
1…携帯電話機(介護用携帯電話機),11…CPU(メール音声化手段および応答手段の一部),12…RAM,13…ROM,14…通信部,15…音声CODEC,16…楽曲再生部,17…音声合成/認識部(メール音声化手段および応答手段の一部),18…操作入力部(応答手段の一部),19…LCD

【特許請求の範囲】
【請求項1】 被介護者に携帯される介護用携帯電話機であって、該携帯電話機は、特定の発信者から発信された電子メールを受信した場合に、該電子メールの内容を音声化して音声出力するメール音声化手段と、被介護者の音声を受け、該音声を文書データに変換し、該文書データを電子メールに含め前記発信者に向け返信する応答手段と、を具備することを特徴とする介護用携帯電話機。
【請求項2】 被介護者に携帯される介護用携帯電話機であって、該携帯電話機は、特定の発信者から発信された電子メールを受信した場合に、該電子メールの内容を音声化して音声出力するメール音声化手段と、被介護者による所定のボタン操作を受け、該ボタン操作に応じたメッセージを電子メールに含め前記発信者に向け返信する応答手段と、を具備することを特徴とする介護用携帯電話機。
【請求項3】 前記メール音声化手段は、被介護者の音声または所定のボタン操作を受けるまで、前記音声出力を繰り返すことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の介護用携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2003−125033(P2003−125033A)
【公開日】平成15年4月25日(2003.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−313142(P2001−313142)
【出願日】平成13年10月10日(2001.10.10)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】