説明

仕分け装置および画像形成装置

【課題】仕分けされたシートがばらけることなく、仕分けされたシート全部を一度にスムーズに取り出せるように改良された新規な仕分け装置および画像形成装置を提供する。
【解決手段】仕分け装置40は、仕分け部材群25Gを積載位置に重合状態で保持する積載手段と、各仕分け部材25を、排紙台7上に積載された排紙Sの上に案内する案内手段と、排紙台7上に積載された排紙Sが仕分けすべき枚数に達する毎に、仕分け部材25を、上記案内手段を介して上記積載位置から上記仕分け位置に送出する送出手段とを有し、少なくとも上記送出手段の一部が排紙台7に対して着脱自在ないしは挿脱自在に構成されていることを特徴としている。仕分けユニット35は、積載手段、案内手段および上記送出手段の一部を具備して構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕分け装置およびこれを有する画像形成装置に関し、さらに詳しくは、孔版印刷装置等を含む印刷装置、電子写真方式の複写機を含む複写機、ファクシミリ、プリンタ、インクジェット記録装置、プロッタ等またはそれら複数の機能を備えた複合機等の画像形成装置に設置される仕分け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記技術分野に記載の画像形成装置に設置され、シート排出台上に排出されるシートを所定の枚数毎に仕分けする仕分け装置が知られている(例えば、特許文献1〜6参照)。
【0003】
特許文献1に記載された「排紙スタッカ装置」では、シートが積載される排紙トレイを、設定された枚数のシートが排出される度にシート給送方向に直交する幅方向に往復移動させることにより、排出されたシートを設定枚数毎に幅方向にずらし、これにより、印刷物を仕分けグループ毎に仕分けするというものである。
【0004】
これと同様の効果をねらう仕分け装置には、排紙台を移動させるのではなく、用紙の排出位置を設定枚数の用紙が排出される度に変えるようにしたものがある。上記排紙スタッカ装置と類似の効果を持つものでは、排紙台を幅方向に往復移動させるのではなく、特許文献2記載の「区分け装置」のように、用紙が積載される排紙台を、設定枚数の用紙が排出される度に90度回転させるものがある。これは、排紙台の向きを変えることによって、排紙台に積載される用紙が、設定枚数毎に互い違いに重ねられていくものである。
【0005】
孔版印刷機など一般的な事務用印刷機において、用紙搬送ユニットの両側に用紙の側縁部を隆起させるジャンプ板を設け、これらのジャンプ板により用紙中央部がその側縁部に対して下方にU字形に撓むように湾曲させて用紙に腰をもたせ、排出された用紙の両サイドを二枚のサイドフェンスにより支持し、用紙をU形に撓ませて収納するようにした排紙積載装置がある。このような排紙積載装置には、上記のような、用紙を幅方向にずらして重ねて仕分けする方式は使用できないので、仕分けする際には、設定枚数毎に印刷機を停止させ、作業者が目印用のテープを用紙に置く仕分け作業を繰り返していた。
【0006】
このようなテープによる仕分け作業を自動化したものに、特許文献3記載の「印刷機用テープ打ち出し装置」がある。これは、仕分け状況の情報などを打ち出したテープを、設定枚数の用紙が排出される度に送出し、用紙の設定枚数毎に挟み込んでゆくものである。
【0007】
周知のように、画像形成装置や印刷装置から排出された用紙を、設定枚数毎に複数のビントレイとも呼ばれる排紙トレイに分けて送り、排紙トレイ毎に用紙を分けるソータ装置もある。
【0008】
特許文献4記載の「排紙仕分け装置」は、ピックアップ駆動方式により仕分けを行うものであり、排紙台の上に仕分けグループ毎に用紙を積層する場合に、仕分けグループの最上層の用紙の端をピックアップにより保持して水平方向にずらし、そのずらした用紙により仕分けグループの仕切り目印とするようにしたものである。
【0009】
また、特許文献5記載の「区分け装置」では、排紙トレイに排出される用紙の間に挿入される複数の区分け部材を用いて仕分けを行っている。
【0010】
また、特許文献6では、搬送機構に備えられた軌道ポールを使用して、排出される印刷用紙の間に仕分け用のシート材を挿入・挟み込み、そのシート材を着脱する方法について記載されている。
【0011】
【特許文献1】特開平7−101615号公報
【特許文献2】特公平6−78151号公報
【特許文献3】特開平7−1722号公報
【特許文献4】特開2000−16680号公報
【特許文献5】特開平9−315661号公報
【特許文献6】特開2006−225142号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述の各仕分け装置には下記のような種々の問題点がある。すなわち、特許文献1記載の「排紙スタッカ装置」などシートを幅方向にずらして積載させるものでは、排紙台を移動させて停止させたときに重なるシートが慣性で移動するため、シートの仕分けされた境目が明確にならないことがある。
【0013】
特許文献2記載の「区分け装置」のように排紙台を90度回転させるものは、排紙台の何れの辺の長さも、所定の用紙の長手方向の長さ以上にしなければならないため、装置が大型化して重量が増えてしまう。また、排紙台を回転させるため、構成が複雑になり、高価になる。また、これらの装置は、排紙される用紙に腰をもたせるために用紙の両サイドをガイドしてU形に積載するものには使用できないという問題点もある。
【0014】
用紙をU形に腰付けして積載するものでは、テープを使用した仕分けを行うものがあるが、テープは丸まったりするので不安定であったり、また、テープは再利用しにくいので不経済であるという問題点もある。
【0015】
前述した目印用のテープに代えて、印刷を一時停止した状態で白紙を一枚排紙し、仕分けグループの境界の目印とすることも行われている。しかしながら、この目印用の白紙は印刷物がベタ画像の場合にコントラスト差がはっきりするため判別し易いが、画像領域の少ない印刷物の場合にはコントラスト差が少ないため判別しにくいという問題点がある。
【0016】
特許文献4のように、ピックアップにより仕分けする方法では、用紙の種類等により用紙をずらせないなど不安定であり、画像位置によっては、画像を汚す可能性がある。
【0017】
また、特許文献5記載の区分け部材を挿入する方法では、仕分けされた用紙のグループ毎に取り出さなければならず、排紙台からの用紙取り出し作業性に問題がある。
【0018】
また、特許文献6記載のように仕分け用のシート材を挿入し、そのシート材を着脱する方法では、用紙とシート材を排紙台から取り出す際にシート材がずれる可能性が高いという問題点、およびシート材をシート収容部に戻す作業も煩わしい問題点が挙げられる。
【0019】
そこで、本発明は、上述した問題点・事情に鑑みてなされたものであり、排出されてくる複数の画像形成済みのシートを印刷ジョブ毎に仕分ける仕分け装置において、仕分けされたシートがばらけることなく、仕分けされたシート全部を一度にスムーズに取り出せるように改良された新規な仕分け装置およびこれを有する画像形成装置を実現し提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上述した課題を解決するとともに上述した目的を達成するために、請求項毎の発明では、以下のような特徴ある手段・構成を採っている。
請求項1記載の発明は、排出されてくる画像形成済みのシートを順次積載するシート排出台と、上記シート排出台上に排出されるシートの間に挿入されて仕分けを行う複数の仕分け部材を備え、該複数の仕分け部材を積載保持する積載位置から上記仕分けを行う仕分け位置に順次上記各仕分け部材を送出する、上記シート排出台に対して着脱自在に構成された仕分けユニットとを有することを特徴とする仕分け装置である。
【0021】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の仕分け装置において、上記複数の仕分け部材を上記積載位置に重合状態で保持する積載手段と、上記各仕分け部材を、上記シート排出台上に積載されたシートの上に案内する案内手段と、上記シート排出台上に積載されたシートが仕分けすべき枚数に達する毎に、上記仕分け部材を、上記案内手段を介して上記積載位置から上記仕分け位置に送出する送出手段とを有し、少なくとも上記送出手段の一部が上記シート排出台に対して着脱自在に構成されており、上記仕分けユニットは、上記積載手段、上記案内手段および上記少なくとも送出手段の一部を具備していることを特徴とする。
【0022】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の仕分け装置において、排出されてくる画像形成済みのシートを上記シート排出台のシート幅方向に位置決め揃える、上記シート排出台に対して着脱自在に構成されたサイドフェンスを有し、上記仕分けユニットは、上記サイドフェンスに取り付けられ、該サイドフェンスと共に上記シート排出台に対して着脱自在に構成されていることを特徴とする。
【0023】
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の仕分け装置において、排出されてくる画像形成済みのシートを受け止める、上記シート排出台に対して着脱自在に構成されたエンドフェンスを有し、上記仕分けユニットは、上記エンドフェンスに取り付けられ、該エンドフェンスと共に上記シート排出台に対して着脱自在に構成されていることを特徴とする。
【0024】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一つに記載の仕分け装置において、上記仕分けユニットは、所定の仕分け終了後に、仕分けされたシートを保持する保持手段を有することを特徴とする。
【0025】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一つに記載の仕分け装置において、上記各仕分け部材のシートと接触する面には、該シートとの接触面積を減少させる凹凸表面処理が施されていることを特徴とする。
【0026】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6の何れか一つに記載の仕分け装置と、シートに画像を形成する画像形成手段と、画像形成済みのシートを上記シート排出台に排出するシート排出手段とを有することを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、上記課題を解決して新規な仕分け装置およびこれを有する画像形成装置を実現し提供することができる。請求項毎の効果を挙げれば、以下のとおりである。請求項1、2記載の発明によれば、上記構成により、仕分け部材によって印刷ジョブ毎に仕分けされた画像形成済みのシートを、仕分けユニットと共にシート排出台から、ばらけることなくスムーズに一度に取り出すことができる。
【0028】
請求項3記載の発明によれば、上記構成により、仕分け部材によって印刷ジョブ毎に仕分けされた画像形成済みのシートを、仕分けユニットおよびサイドフェンスと共にシート排出台から、ばらけることなくスムーズに一度に取り出すことができる。この際、仕分けされた画像形成済みのシートの一側端面部がサイドフェンスに当接しているので、そのシートを揃ったまま取り出すことができる。
【0029】
請求項4記載の発明によれば、上記構成により、仕分け部材によって印刷ジョブ毎に仕分けされた画像形成済みのシートを、仕分けユニットおよびエンドフェンスと共にシート排出台から、ばらけることなくスムーズに一度に取り出すことができる。この際、仕分けされた画像形成済みのシートの先端面部がサイドフェンスに当接しているので、そのシートを揃ったまま取り出すことができる。
【0030】
請求項5記載の発明によれば、保持手段により、仕分けされたシートが仕分けユニットに確実に保持されるので、シート取り出し性がさらに向上する。
【0031】
請求項6記載の発明によれば、上記構成により、仕分けされたシートと接触する各仕分け部材の接触面に施された凹凸表面処理によって、仕分けされたシートの例えばインキ等が各仕分け部材の接触面に付着するのが減少するので、シート汚れが減少する。
【0032】
請求項7記載の発明によれば、請求項1ないし6の何れか一つに記載の仕分け装置による効果を奏する利便性に優れた画像形成装置を実現し提供することがでる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、「実施形態」という)を説明する。各実施形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する構成要素(部材や構成部品)等については、一度説明した後では同一符号を付すことによりその説明を省略する。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき構成要素であっても、その図において特別に説明する必要がない構成要素は適宜断わりなく省略することがある。公開特許公報等の構成要素を引用して説明する場合は、その符号に括弧を付して示し、各実施形態等のそれと区別するものとする。
【0034】
(第1の実施形態)
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る仕分け装置およびこれを有する画像形成装置の一例としての孔版印刷装置100の全体構成について説明する。本実施形態における画像形成装置は、その一例として孔版印刷装置100で説明するが、勿論これに限られるものではない。
【0035】
孔版印刷装置100は、図示しない装置本体のほぼ中央に配置され、給送されてくるシートないしシート状記録媒体としての用紙Sに印刷画像を形成する印刷画像形成手段(画像形成手段)の機能を有する版胴2を備えた印刷部Pと、印刷部Pの左上方に配置され、マスタ1に製版を行う製版部Nと、印刷部Pの左下方に配置され、印刷部Pで印刷された印刷済みの用紙Sをシート排出台としての排紙台7に排出・積載するシート排出手段の機能を有する排紙部Qと、印刷部Pの右下方に配置され、印刷部Pに用紙Sを給送する給紙部Rとから主に構成されている。
【0036】
版胴2は、インキ通過性の多孔構造を備え、製版済みのマスタ1を外周面に巻き付けて回転自在に設けられている。この版胴2の周囲には、マスタ1を加熱穿孔して製版し、マスタ1を版胴2へ給版する上記製版部Nと、上記給紙部Rを構成する図示しない給紙ローラおよび分離手段としての分離ローラ等からなるシート給送手段から給送された用紙Sを、版胴2に巻き付けたマスタ1の進行にタイミングを合わせて送出する一対のレジストローラ4と、このレジストローラ4から送出された用紙Sをマスタ1を介して版胴2に押し付ける押圧手段としてのプレスローラ5と、印刷済みの用紙Sを版胴2から剥離する剥離爪6と、この剥離爪6により剥離された用紙Sを排紙台7に向けて搬送する用紙搬送ユニット24とが配置されている。
【0037】
製版部Nは、マスタ1の搬送路8に沿って、図示しないステッピングにより回転駆動されるプラテンローラ9と、このプラテンローラ9に対して接離自在に配設され多数の発熱素子を備えたサーマルヘッド10と、マスタ1を切断する切断手段として配設された固定刃11aおよび可動刃11bからなるカッタ12と、製版済みのマスタ1を搬送路8の下流側に搬送する一対の搬送ローラ13,14と、製版済みのマスタ1を案内すべく搬送路8を構成するガイド板15等とを順次配置することにより構成されている。マスタ1をロール状に巻き付けるロール芯1a、プラテンローラ9、搬送ローラ対13,14等は、孔版印刷装置本体の側板(図示せず)に回転自在に支持されている。
【0038】
版胴2には、非開口部2aと、インキ通過性の多数の開孔2cを備えた開口部2bとが形成されている。開口部2bには、樹脂または金属の網体により形成されたメッシュスクリーンが巻着されている。この版胴2は、その両端部に固定されたフランジ(図示せず)がインキパイプ16を兼ねる支軸16の回りに回転自在に支持されている。版胴2は、支軸16を介して上記図示しない孔版印刷装置本体の側板に回転自在に支持されていて、図示しない版胴駆動手段としての版胴駆動モータにより図中矢印方向(時計方向)に回転駆動される。インキパイプ16の下側には、複数箇所のインキ供給孔19が形成されている。
版胴2の内部には、版胴2の内周面に接触するインキローラ17とドクターローラ18とが僅かの隙間を開けて回転自在に設けられ、これらのインキローラ17とドクターローラ18との間に形成される楔状の空間に、インキパイプ16のインキ供給孔19から滴下するインキを受けるインキ溜まり20が形成される。インキパイプ16には、版胴2の外部に設けられたインキパック(図示せず)からインキが供給される。
【0039】
版胴2の外周面には、非開口部2aの部分でマスタ1の先端部を挟持するステージ21とクランパ22とが取り付けられている。ステージ21は、強磁性体により形成されて版胴2の軸心方向に沿う長さを有する。クランパ22は、ステージ21の長手方向に沿って配置されたクランパ軸23を揺動支点として開閉自在に支持されている。
【0040】
プレスローラ5は、版胴2の下方に、インキローラ17と対向してマスタ1を介して版胴2の外周面と接離自在に配設されている。
ここで、版胴2と、プレスローラ5と、版胴2に内蔵されたインキローラ17と、ドクターローラ18とは、用紙Sに印刷画像を形成する印刷画像形成手段として機能し、印刷部Pを構成している。
【0041】
排紙部Qは、版胴2の外周面に近接自在に構成された剥離爪6と、上記用紙搬送ユニット24と、上記排紙台7と、仕切板45と、一対のサイドフェンス50と、エンドフェンス60と、排紙台7に対して着脱自在に配設された仕分けユニット35とから主に構成されている。
【0042】
用紙搬送ユニット24は、駆動ローラ24aと従動ローラ24bとの間に掛け渡された無端状の搬送ベルト24cと、ファンの回転によって用紙Sを吸引する負圧を発生する吸引装置24dとからなる。
仕切板45は、用紙搬送ユニット24の駆動ローラ24a近接して垂下して設けられ、排紙台7と用紙搬送ユニット24とを仕切っている仕切り部材である。
一対のサイドフェンス50は、用紙搬送ユニット24により搬送・排出されてくる印刷済みの用紙S(以下、「排紙S」ともいう)をシート幅方向に位置決め揃える機能を有する。エンドフェンス60は、用紙搬送ユニット24により搬送・排出されてくる排紙Sの先端部を受け止めてシート排出方向Xに位置決め揃える機能を有する。上述したように、排紙台7上には、シート排出方向Xの下流側にエンドフェンス60を、上流側に仕切板45を有し、エンドフェンス60と仕切板45との間隔は使用する用紙Sの長さサイズより少し大きく設定されている。
本実施形態では、排紙台7と仕分けユニット35とは、図9等に示すように仕分け装置40を構成している。仕分け装置40の細部の説明は、孔版印刷装置100の非仕分けモード時の動作、つまり通常印刷モード時の動作説明後に行う。
【0043】
次に、孔版印刷装置100の通常印刷モード(非仕分けモード)時の動作を含む全体動作を説明する。孔版印刷装置100の上部に配置されている図示しない原稿読取部に原稿がセットされ、同じく孔版印刷装置100の上部に配置されている図示しない操作パネルに配設されている製版スタートキー(図示せず)の押下により、スタート信号が図示しない制御手段に送信されると、上記原稿読取部において原稿の画像が読み取られるとともに、上記版胴駆動モータにより版胴2が反時計方向に回転駆動される。この過程で、それまでに版胴2に巻き付けられていた使用済みのマスタ(図示せず)が図示しない排版装置により剥離されて廃棄される。そして、版胴2はクランパ22が略真上に達したとき、すなわち版胴2のホームポジションで一時停止される。この停止時では、クランパ22がクランパ軸23を中心に開放方向に揺動し給版待機状態に維持される。
【0044】
上記原稿読取部で読み取られた原稿の画像に係る画像データがサーマルヘッド10に出力されると、製版部Nにおいて、画像データに基づいてマスタ1が穿孔製版され、ドット状の穿孔画像が形成される。この製版済みのマスタ1はプラテンローラ9、搬送ローラ対13,14による回転搬送によって版胴2側に搬送される。このとき、プラテンローラ9、搬送ローラ対13,14を駆動する上記ステッピングモータのステップ数をカウント等することにより、製版済みのマスタ1の先端がクランパ22に届いたと判断されると、図示しない開閉装置によりクランパ22が閉じられ、製版済みのマスタ1の先端部がクランパ22と版胴2上のステージ21との間で挾持される。続いて、版胴2がマスタ1の搬送速度と略等しい周速度をもって今度は時計方向に回転駆動されて、版胴2の外周への製版済みのマスタ1の巻き付けが行われる。そして、ステッピングモータのステップ数より製版が完了したと判断されると、可動刃11bが作動し製版済みのマスタ1が切断されるとともに、プラテンローラ9および搬送ローラ13,14の回転が停止される。そして、版胴2がさらに回転することにより、版胴2への製版済みのマスタ1の巻き付けが完了する。
【0045】
このように、版胴2への製版済みのマスタ1の巻き付けが完了すると、給紙部Rの図示しない給紙トレイに積載されているシート状記録媒体としての用紙Sが給紙手段としての給紙ローラ(図示せず)により引き出され、さらにシート分離手段としての分離ローラおよび分離パッド(ともに図示せず)との協働作用によって1枚ずつに分離・給送され、版胴2の回転運動に同期して回転するレジストローラ対4により所定のタイミングで版胴2とプレスローラ5との間に搬送される。印刷に際しては、プレスローラ5が図示しない版胴接離手段を構成するバネの付勢力によって上昇変位されることで、搬送されてきた用紙Sを版胴2の外周に押し付ける。これにより、インキが版胴2の開孔2c部分、製版済みのマスタ1の穿孔部分から滲み出されて用紙Sに転移・転写されることで、画像データに応じた印刷画像が形成され、いわゆる版付けと呼ばれる印刷が行われる。
この時、版胴2の内周側では、インキパイプ19からインキ溜まり20にインキが供給され、版胴2の回転方向と同一方向に、かつ、版胴2の回転速度と同期して回転しながら内周面に転接するインキローラ17により、インキが版胴2の内周側に供給される。
【0046】
印刷部Pにおいて印刷画像が形成された排紙Sは、排紙部Qにおける剥離爪6により版胴2から剥がされ、吸引装置24dに吸引されつつ、搬送ベルト24c上に吸着保持され、この搬送ベルト24cの反時計方向の回転により、排紙台7へ向かって搬送され、一対のサイドフェンス50により排紙Sのシート幅方向の位置決め揃えが行われつつ、また排紙Sの先端部がエンドフェンス60に受け止められることで、シート排出方向Xの位置決め揃えが行われて整然と排紙台7上に順次排出積載される。このようにしていわゆる版付け印刷が終了する。版付け印刷終了後、プレスローラ5は版胴2から離間し、版胴2は上記ホームポジションに復帰して、印刷待機状態となる。
【0047】
次に、図示しない操作パネルに配置されている図示しない印刷速度設定キーを押下することにより、所望する印刷速度値を設定し、これに前後して同操作パネルの図示しないテンキーで印刷枚数をセットし、印刷スタートキー(図示せず)を押すと上記版付け印刷と同様の工程で、給紙、印刷および排紙の各工程が設定された印刷速度でセットした印刷枚数分繰り返して行われ、孔版印刷の全工程が終了する。
【0048】
なお、孔版印刷装置の構成および動作は、上記孔版印刷装置100に限らず、その構成要素および配置構成が異なる例えば特許第3691182号公報の図1に記載されている装置例等であってもよい。また、シート排出手段として機能する排紙部の構成は、仕分け装置40を除き、例えば上記特許第3691182号公報の図1〜図20に記載されている装置例等であってもよい。本発明はそのようなシート排出手段を備えた孔版印刷装置である画像形成装置にも適用できることは無論である。
【0049】
図1〜図9を参照して、仕分け装置40、これを構成する排紙台7および仕分けユニット35周りについて詳述する。
仕分け装置40は、図1および図2等に示すように、排紙台7と、排紙台7上に排出される排紙(用紙)Sの間に挿入されて仕分けを行う複数の仕分け部材25を備え、該複数の仕分け部材25を積載保持する積載位置から仕分けを行う仕分け位置に順次各仕分け部材25を送出するユニット構成であり、排紙台7に対して着脱自在ないしは挿脱自在に構成された仕分けユニット35とを有することを特徴としている。図1および図2において、25Gは複数枚の仕分け部材25が上記積載位置に保持されている状態の仕分け部材群を示す。
【0050】
仕分け装置40は、図1および図2等に示すように、仕分け部材群25Gを積載位置に重合状態で保持する積載手段と、各仕分け部材25を、排紙台7上に積載された排紙Sの上に案内する案内手段と、排紙台7上に積載された排紙Sが仕分けすべき枚数に達する毎に、仕分け部材25を、上記案内手段を介して上記積載位置から上記仕分け位置に送出する送出手段とを有し、少なくとも上記送出手段の一部が排紙台7に対して着脱自在ないしは挿脱自在に構成されていることを特徴としている。
仕分けユニット35は、上記積載手段、上記案内手段および上記少なくとも送出手段の一部を具備して構成されている。
【0051】
ここで、仕分けユニット35が排紙台7に対して着脱自在ないしは挿脱自在に構成されているとは、ユーザの操作性向上および装置の簡素化を図る上からは、挿脱自在に構成されていること、すなわち仕分けされた排紙Sを排紙台7から容易に取り出せるよう本発明の効果を奏するように構成されていることが好ましいが、ユーザの操作性および装置の簡素化をそれ程阻害しない程度であれば、着脱自在に構成されていてもよい。
仕分けユニット35を排紙台7に対して挿脱自在にする挿脱手段の構成としては、本実施形態例の他、一般的に案内部材と被案内部材とを用いたものである案内孔や案内溝等の凹状部材とこれに緩く嵌入される被案内棒等の凸状部材との嵌合、それら嵌合時に所定の保持力を与えたり位置決めとして機能したりするキー溝やセレーション等の結合手段を加えたものであってもよい。
仕分けユニット35を排紙台7に対して着脱自在にする構成例としては、上記挿脱自在にする構成を含み、例えばワンタッチの手動操作で行えるクランプを取り入れた機構や、手締めが容易な蝶ネジを用いた機構等を含む。但し、工具を用いてネジ締結をしたりする着脱手段は、本発明の効果を奏さないから含まない。
【0052】
図1において、サイドフェンス対50は、排紙台7に対して起倒自在に構成されているとともに、用紙Sのサイズ、例えばA4、A3等に合わせてシート幅方向Yにスライド・移動可能に構成されている。各サイドフェンス50を排紙台7に対して起倒自在に、かつ、用紙Sのサイズに応じてシート幅方向Yにスライド・移動可能にする構成は、例えば上記特許第3691182号公報の図2、図6等に開示されているものと同様である。
【0053】
エンドフェンス60は、図1において、排紙台7に対して起倒自在に構成されているとともに、用紙Sのサイズ、例えばA4、A3等に合わせてシート排出方向Xの両方向にスライド・移動可能に構成されている。エンドフェンス60を排紙台7に対して起倒自在に、かつ、用紙Sのサイズに応じてシート排出方向Xの両方向にスライド・移動可能にする構成は、例えば特開平10−87146号公報の図1〜図4等に開示されているものと同様である。
【0054】
仕分け部材25は、図8(a)に拡大して示すように、仕分け動作に何度も繰り返し使用できるようにプラスチックまたは金属製の薄板からなり、その厚さが0.5〜3mm程度のものが用いられる。
仕分け部材25には、図2〜図5に示すキャップ27に形成された本体外周面27aおよびホルダ31に形成された本体外周面31aを緩く嵌入させることが可能な被ガイド用の円状の孔25aと、キャップ27に形成された凸条部27b、ホルダ31に形成された凸条部31bおよびシャフト可動部26aをそれぞれ緩く嵌入させることが可能な被ガイド兼被位置決め用の凹状の2つの溝25bとが形成されている。各溝25bは、仕分け部材25の孔25aの内周180度の位置に互いに対向し孔25aに連結して2箇所形成されている。
【0055】
上述したとおり、仕分け部材25の孔25aと溝25bとを結ぶ輪郭内周形状は、キャップ27の本体外周面27aと凸条部27bとを結ぶ輪郭外周形状、ホルダ31の本体外周面31aと凸条部31bとを結ぶ輪郭外周形状、およびシャフト可動部26aの輪郭外周形状よりもやや大きい形状に設定・形成されていて、少なくとも仕分け部材25の自重で凸条部27bや凸条部31b、あるいはシャフト可動部26aに案内されつつ昇降移動できるような寸法公差が設定されている。
【0056】
図3(a)において、仕分け部材25の孔25aの中心から先端までの長さLは、各種用紙サイズに応じて仕分けされる用紙S束の間に仕分け載置可能な長さLを備えていることが好ましい。本実施形態例では、図1および図9に示すように、エンドフェンス60と仕切板45との間であって仕切板45寄りの排紙台7上に仕分けユニット35のホルダ31が配置されているため、B5サイズ等の小さな用紙(排紙)Sでも仕分けすることができるように、例えば長さL=30〜80mmに設定されている。後述の図13、図14に示す第2、第3の実施形態の仕分けユニット36では、これらがサイドフェンスやエンドフェンスに着脱自在に設けられ、各種用紙サイズに応じて一緒にスライド可能であるため、L=10〜50mm程度あれば十分である。
【0057】
また、仕分け部材25は、排紙Sのインキによる汚れに対してインキ付着のし難い材質、例えばポリプロピレン(PP)やポリアセタール樹脂(POM)等の結晶性樹脂で形成することが望ましい。
仕分け部材25は、これに限らず、排紙Sと接触する面には、排紙Sとの接触面積を減少させる凹凸表面処理が施されていることがさらに好ましい。例えば、図8(b)や図8(c)に拡大誇張して示すように、微細な丸やリブ状の凹凸をつけた仕分け部材25A,25Bを用いることがさらに好ましい。また、同様の目的で、例えばオフセット印刷機などで印刷物の汚れ防止等に採用されているものと同様の、多数の微細凹凸としてのガラスやセラミックからなる球状体のビーズを均一に被覆またはこれらを表面処理したフィルムを接着してもよい(以下、後述の実施形態や変形例等でも同様)。
【0058】
仕分け部材群25Gを積載位置に重合状態で保持する積載手段は、キャップ部材27(以下、「キャップ27」という)およびホルダ部材31(以下、「ホルダ31」という)で構成されている。キャップ27は、図2〜図7に示すように、ほぼ円柱状をなし、仕分け部材25の孔25aに緩く嵌入可能な本体外周面27aと、この本体外周面27aの180度位置の外壁面から直径方向に突出して上下方向(鉛直方向)に延在し、仕分け部材25の溝25bに緩く嵌入可能な仕分け部材ガイド用兼位置決め用の2つの凸条部27bと、本体外周面27aの底壁に2つの凸条部27bに対して所定の位相・角度をもって下向きに突出した2本のピン27cと、シャフト可動部26aからのシャフト26の突出部分を逃がすための中空部27dと、本体外周面27aの上部において2つの凸条部27bと同じ突出量で円板状をなすストッパ部27eとを有しており、それらが例えばポリアセタール樹脂(POM)等の耐摩耗性に優れた樹脂または適宜の金属で一体的に形成されている。
キャップ27の本体外周面27a、各凸条部27bが、仕分け部材25の孔25a、各溝25bに嵌入された際、仕分け部材25の自重で素早く落下するように上記各部の寸法が設定されている。
【0059】
ホルダ31は、厚肉円筒状をなし、仕分け部材25の孔25aに緩く嵌入可能な仕分け部材ガイド用の本体外周面31aと、この本体外周面31aの180度位置の外壁面から直径方向に突出して上下方向(鉛直方向)に延在し、仕分け部材25の溝25bに緩く嵌入可能な仕分け部材ガイド用兼位置決め用の2つの凸条部31bと、上下方向(鉛直方向)に延びた縦長状のシャフト挿通孔31cと、本体外周面31aの下端部に形成された台座部31dと、この台座部31dの下面から下方に突出したホルダ31位置決め用の2つのピン31eと、ホルダ31の上端部における各凸条部31bに対して所定の位相・角度位置をもって形成され、キャップ27のピン27cを緩く嵌入する2つのピン嵌入孔31fとを有しており、それらが例えばポリアセタール樹脂(POM)等の耐摩耗性に優れた樹脂または適宜の金属で一体的に形成されている。
ホルダ31の本体外周面31a、各凸条部31bは、仕分け部材25の孔25a、各溝25bに嵌入された際、仕分け部材25の自重で素早く落下するように上記各部の寸法が設定されている。
【0060】
各仕分け部材25を、排紙台7上に積載された排紙Sの上に案内する案内手段は、ホルダ31の本体外周面31aおよび2つの凸条部31bと、図3〜図5等に示すシャフト可動部26aとで構成されている。
排紙台7上に積載された排紙Sが仕分けすべき枚数に達する毎に、仕分け部材25を、上記案内手段を介して上記積載位置から上記仕分け位置に送出する送出手段は、シャフト部材26(以下、「シャフト26」という)と、シャフト26の上端部に一体的に取り付けられた舌片状の上記したシャフト可動部26aと、シャフト26の下端部に一体的に取り付けられた従動ギア28と、この従動ギア28と選択的に噛み合う部分扇形状の駆動ギア29a(図6参照)を出力軸に取り付け・固定されたシャフト駆動用のモータ29とから主に構成されている。モータ29は、例えばステッピングモータからなる。
【0061】
シャフト可動部26aの厚さ(板厚)は、図8等に示した仕分け部材25の板厚よりも僅かに薄く形成されている。これは、シャフト可動部26aが、図2に示すように上記積載位置を占めている仕分け部材群25Gの最下端に位置する1枚の仕分け部材25だけに確実に係合して、上記仕分け位置を占めるようにするためである。
シャフト26、シャフト可動部26a、および従動ギア28は、例えば鉄材等の金属で形成されている。図2および図3に示すように、モータ29は、仕切板45寄りの排紙台7上面に取り付け・固定されたフレーム部材30(以下、「フレーム30」という)に取り付け・固定されている。フレーム30は、排紙台7に取り付け・固定されている。フレーム30の下方の排紙台7は、モータ29の駆動ギア29aおよび従動ギア28を逃がして収納可能にするためにくり抜かれている。フレーム30には、図6に示すように、ホルダ31の2つのピン31eと挿脱可能に嵌合しホルダ31を位置決めする嵌合孔30bと、従動ギア28逃げ用の開口30aとが形成されている。
図5において、シャフト26、シャフト可動部26aおよび従動ギア28は、同図のように組立られてシャフト組体26Aを構成している。
【0062】
ここで、上記積載手段(キャップ27およびホルダ31)により、仕分け部材群25Gを重合状態で保持する積載位置と、上記案内手段(ホルダ31およびシャフト可動部26a)を介して、上記送出手段(シャフト26、シャフト可動部26a、従動ギア28、駆動ギア29aおよびモータ29)によって、仕分け部材25を上記積載位置から送出される仕分け位置とについて、補説する。
【0063】
仕分け部材群25Gを重合状態で保持する積載位置は、図1、図2に示すとおりであり、この際、シャフト可動部26aは図6(b)に示すように、ホルダ31を介して仕分け部材25をして下方に落下させる落下位置以外の位置にあるように設定される。
図6(a)および図7に示すシャフト可動部26aの位置は、キャップ27の凸条部27bとシャフト可動部26aとが鉛直線上に完全に重なった位置状態にあり、上記積載位置を占めている仕分け部材群25Gの最下部の1枚だけに係合・嵌合して図6(b)に示す仕分け部材25の落下位置に案内移動させ得る位置であり、以下、このシャフト可動部26aの位置をホームポジション(初期位置)と名付ける。
【0064】
一方、図6(b)に示すシャフト可動部26aの位置は、ホルダ31の凸条部31bとシャフト可動部26aとが鉛直線上に完全に重なった位置状態にあり、仕分け部材群25Gの最下部の1枚だけに係合・嵌合した仕分け部材25を上記積載位置から上記仕分け位置に案内移動させ得る位置であり、以下、このシャフト可動部26aの位置を落下案内位置と名付ける。
【0065】
次に、図4〜図7を参照して、仕分けユニット35の組立等について補説する。
図4および図5に示すように、所定の長さおよび外径のシャフト26を準備し、シャフト26の一端部(図において下端部)に従動ギア28をカシメないしは溶接等によって固着し、この後、ホルダ31を準備し、シャフト26の他端(図において上端)を台座部31d側のシャフト挿通孔31cに挿通する。
次に、従動ギア28と所定の位相・角度をもってシャフト可動部26aをカシメないしは溶接等によって固着する。この際、キャップ27をホルダ31に装着したとき、すなわちキャップ27の各ピン27cをホルダ31の各ピン嵌入孔31fに嵌合させることにより、ピン27cがシャフト可動部26aと当たる(図6(a)参照)ようにストッパの役目をピン27cに付与しておけば、シャフト可動部26aがホームポジションを占めやすくするための操作上の指標となる。
【0066】
仕分け装置40の動作を制御する制御構成について、簡単に説明する。モータ29は、孔版印刷装置100の本体に配設されている図示しない電源部および図示しない制御手段等を備えた制御基板と電気的に接続されている。
駆動ギア29a近傍のフレーム30裏面には、駆動ギア29aのホームポジションを検知することでモータ29のホームポジションを検知する例えば反射型フォトセンサまたは透過型フォトセンサからなる駆動側用のホームポジションセンサ(図示せず)が配設されていて、駆動ギア29a(モータ29)のホームポジションを監視するようになっている。ホームポジションセンサとして反射型フォトセンサを用いた場合には、例えば駆動ギア29aのホームポジションに対応した位置に施した光吸収性の黒色マークを検知する組合せ構成であり、透過型フォトセンサを用いた場合には、例えば駆動ギア29aのホームポジションを検知する位置に対応した駆動ギア29aに形成された貫通孔を検知する組合せ構成が挙げられる。
同様に、被駆動側であるシャフト可動部26aのホームポジションを検知する例えば反射型フォトセンサまたは透過型フォトセンサからなるホームポジションセンサ(図示せず)を配設することで、シャフト可動部26aのホームポジションを監視するように構成することが好ましい。この被駆動側用のシャフト可動部26aのホームポジションセンサとして反射型フォトセンサを用いた場合には、例えば従動ギア28のホームポジションに対応した位置に施した光吸収性の黒色マークを検知する組合せ構成であり、透過型フォトセンサを用いた場合には、例えば従動ギア28のホームポジションを検知する位置に対応した従動ギア28に形成された貫通孔を検知する組合せ構成が挙げられる。上記各ホームポジションセンサは、上記図示しない制御手段と電気的に接続されている。
【0067】
仕分け装置40の動作は、それぞれ図示しない、CPU、ROM、RAM、内部タイマ、I/Oポート等を備えたマイクロコンピュータ等を具備して構成された上記図示しない制御手段が上記図示しない各ホームポジションセンサからの信号に基づいて、モータ29を制御することで行われる。
【0068】
次に、図1〜図9を参照して、仕分け装置40の動作を説明する。印刷をするにあたり、例えば1枚の原稿について用紙S(印刷物)を40枚ずつ5つのクラスに仕分けするとする。上述した通常印刷モードと同様の版付け印刷終了後、ユーザは版付け印刷物を確認オーケーと判断すると、原稿を上記図示しない原稿読取部にセットしてから、上記図示しない操作パネルの印刷速度設定キーで所望する印刷速度値を設定し、これに前後して上記図示しないテンキーで「40」と入力し、次に「×」を押してから「5」と入力し、次いで上記図示しない印刷スタートキーを押すと、仕分け印刷モードが設定されて仕分け印刷動作が開始する。なお、上記図示しない操作パネルに仕分け印刷モードキーを配設してもよい。
【0069】
上述した通常印刷モードと同様に、設定された印刷速度で連続的に40枚の用紙Sに印刷が行われ、40枚の用紙(排紙)Sが排紙台7上に順次排出・積載されると、印刷動作が一時停止して、次の仕分け動作が実行される。以下、仕分けすべき用紙(排紙)を他の用紙(排紙)Sと区別するため符号Saを用いる。本実施形態での仕分け動作は、必ず、モータ29および駆動ギア29aのホームポジションから開始されるように予め上記ROM等に記憶設定されている。すなわち、図2、図6(a)、図7等に示すように、ホームポジションを占めている駆動ギア29aと噛み合っている従動ギア28がホームポジションを占めている状態、つまりシャフト可動部26aがホルダ31の凸条部31bに対して90度の位相・角度の位置であって、キャップ27の凸条部27bと鉛直線上に完全に重なり合うホームポジションを占めている。この位置状態では、仕分け部材群25Gの最下端に位置する1枚の仕分け部材25だけがシャフト可動部26aと係合・嵌合している。
この状態で、上記各ホームポジションセンサからのホームポジションに係る信号に基づいての上記図示しない制御手段の指令によって、モータ29の図示しないモータ駆動回路に例えば正転駆動用の所定のパルスが供給され、モータ29が上記正転駆動用の所定のパルスに対応した所定ステップ数分正転駆動されることで、駆動ギア29aに噛合している従動ギア28と共に、シャフト26を介してシャフト可動部26aが矢印(時計回り)方向に回転され、シャフト可動部26aが落下案内位置を占めた時、モータ29の駆動が停止する。これにより、仕分け部材群25Gの最下端に位置する1枚の仕分け部材25だけが図2の仕分け部材群25Gの位置から図2および図3に示す太矢印(時計回り)方向に回動され(仕分け部材25’参照)、最終的にシャフト可動部26aが落下案内位置を占めた時、すなわち図2および図6(b)に示すようにシャフト可動部26aとホルダ31の凸条部31bとが鉛直線上に完全に重なった位置状態になった時、図2に示す仕分け部材25’’はシャフト可動部26aとの嵌合状態を解除され、ホルダ31の本体外周面31aおよび凸条部31bに沿って案内されながら自重で落下することによって、排紙台7上に積載された仕分けをすべき40枚の用紙(印刷物)Saの最上面に当接・載置される。
【0070】
仕分け部材25’’の落下は、上述のように上記図示しない制御手段が仕分け装置40のモータ29に正転駆動用の所定のパルスを供給する指令を出力することによって行われるが、この時の駆動ギア29aを介してのシャフト可動部26aの停止は、駆動ギア29aの一部に設けられた突起(図示せず)を図示しないセンサで検知するような周知の回転位置検知方法によって行ってもよい。
仕分け部材25’’の落下が終了すると、上記図示しない制御手段が例えば逆転駆動用の所定のパルスを供給する指令を図示しないモータ駆動回路を介してモータ29に出力することによって、モータ29が上記逆転駆動用の所定のパルスに対応した所定ステップ数分逆転駆動されることで、駆動ギア29aに噛合している従動ギア28と共に、シャフト26を介してシャフト可動部26aが矢印方向と反対方向(反時計回り)に回転され、シャフト可動部26aが再びホームポジションに戻ることとなる。
なお、シャフト可動部26aのホームポジションへの戻りは、前述のように周知の回転位置検知方法によって行ってもよい。
【0071】
引き続いて再び印刷動作がスタートし、連続的に2回目の40枚の印刷が行われた後、印刷動作が一時停止して、2回目の40枚の用紙(印刷物)Saの上に、2個目の仕分け部材25’’が一個落下する。このような工程を繰り返して印刷ジョブ内において設定された40枚の用紙(印刷物)Sa毎に一個の仕分け部材25’’が挿入されながら、40×5=200枚の用紙(印刷物)Sが排紙台7上に仕分けされながら整然と積載される。
【0072】
なお、試し刷りを何枚か必要としたような場合には、これらの試し刷りを行った用紙(印刷物)Sの上に、一個目の仕分け部材25’’を落下させ、その後に正規の印刷物を積載し、上述の動作と同様に印刷ジョブ内において設定された所定枚数の印刷が行われた後に仕分け部材25’’を挿入する動作を行うようにしてもよい。
【0073】
このように、用紙(印刷物)Sは40枚ずつ5つに仕分けされて排紙台7上に積載されるが、この間ユーザは何もする必要はなく、全て孔版印刷装置100、仕分け装置40が自動的に動作する。
そして設定された待ち時間が経過したことを認識したときに、再度製版や印刷を実行し、設定終了まで印刷と仕分けを繰り返す。
【0074】
次に、ユーザは整然と仕分けされた用紙(印刷物)S全部を排紙台7から取り出す際には、図1および図9において、まずサイドフェンス50を外側に倒し、用紙(印刷物)Sを取り出し易くする。次に用紙(印刷物)S下部より用紙(印刷物)S全部を取り出すが、図2〜図5に示すように、仕分け部材群25G、シャフト組体26A、キャップ27およびホルダ31から構成される仕分けユニット35は、図2および図3に示す上記送出手段の駆動手段を具備するフレーム30に差し込まれているだけの構成、すなわち上述したようにホルダ31の2本のピン31eがフレーム30の嵌合孔30bに挿脱可能に嵌合していて挿脱自在になっていると共に従動ギア28と駆動ギア29aとの噛合も挿脱可能であるため、用紙(印刷物)S取り出しに気を使うことなく、仕分けユニット35と一緒に、仕分けされた用紙(印刷物)S200枚全部を容易に上方向へ取り出すことができる。
【0075】
次に、仕分けされた用紙(印刷物)S全部の取り出し後の仕分け部材25のリセット操作について説明する。まず、キャップ27をホルダ31の上部から取り外し、その後、シャフト可動部26aとホルダ31の凸条部31bとが鉛直線上に完全に重なり合う位置状態にし、仕分け動作に使用した各仕分け部材25をホルダ31から一度取り出す。この後、キャップ27を上下逆にした状態で各仕分け部材25をキャップ27の凸条部31bに沿って挿入してから、各仕分け部材25がリセットされたキャップ27を図2に示すようにホルダ31の上部に装着・セットする。さらに、従動ギア28またはシャフト可動部26aを回転させて、図6(a)および図7に示すようにシャフト可動部26aがホームポジションを占めるようにリセットすればよい。
【0076】
上述したとおり、本実施形態では、上記送出手段の一部、すなわち被駆動側の従動ギア28等を具備する仕分けユニット35部分と駆動ギア29aおよびモータ29等を具備する駆動側部分とに分離可能かつ挿脱自在に構成されているため、シャフト可動部26aをしてホームポジションに確実に位置させる操作が重要である。ユーザによるシャフト可動部26aのホームポジションへの位置付け操作性向上を図る上から、例えば図6(a)で説明したようにキャップ27の2本のピン27cをストッパとみなしてこれに当接するようにセットしたり、両部材のホームポジションに合わせて色別・合マーク表示を施したり、これに加えて、そのセット位置からずれないように適宜のゴム等のブレーキ部材およびワンタッチ方式のクランプ等を追加することで動かないように一時的に保持する機構の追加をしたりしてもよい。また、これらに限らず、従動ギア28と駆動ギヤ29aとがホームポジションでのみ噛み合うようにギアの歯を部分的に切り欠いて噛合させたりする周知の構成を用いてもよい。
【0077】
何れの構成を付加するにしても、本実施形態例では上述したように被駆動側の従動ギア28と駆動側の駆動ギヤ29aとでホームポジションセンサをそれぞれ設けているので、モータ29の駆動力によってシャフト可動部26aやキャップ27のピン27c等を破損することを未然に防止することができる。また、ホームポジションセンサからの非ホームポジションに係る信号が上記制御手段に入力された場合には、上記制御手段は上記操作パネルにその旨の表示・報知をして、上記仕分け動作を禁止するように構成することで、シャフト可動部26aやキャップ27のピン27c等を破損することを未然に防止すればよい。
【0078】
(第1の実施形態の変形例1)
図10〜図12を参照して、第1の実施形態の変形例1を説明する。
変形例1は、第1の実施形態と比較して、仕分けユニット35に代えて、所定の仕分け終了後に、仕分けされた排紙(用紙)Sを保持する保持手段としての排紙保持レバー上32および排紙保持レバー下33等を有する仕分けユニット35Aを用いる点のみが相違する。この相違点以外は、変形例1は第1の実施形態と同様である。
【0079】
仕分けユニット35Aは、第1の実施形態の仕分けユニット35と比較して、上記した排紙保持レバー上32および排紙保持レバー下33を有する点、キャップ27に代えて、キャップ27Aの上部に形成され排紙保持レバー上32を所定角度回動自在に支持するための支持部27Abと、キャップ27Aの上部のストッパ部27eの外周180度の位置に形成され排紙保持レバー上32と弾撥的に係合して位置決め・ロックするための上下に突起を備えた保持部27Aaとが設けられたキャップ27Aを用いる点、およびホルダ31に代えて、排紙保持レバー下33を取り付け・固定した台座部31Adを備えたホルダ31Aを用いる点が主に相違する。
【0080】
排紙保持レバー上32および排紙保持レバー下33は、バネ鋼材でできている。排紙保持レバー上32は、支持部27Abを中心として所定角度回動自在に支持されていて、一対の保持部27Aaに弾撥的に係合して仕分け終了後の仕分けされた排紙Sの上面を押さえ付ける図10および図12に示す押さえ位置と、この押さえ位置から180度以上回動した図11に示す開放位置との間で変位自在に構成されている。
【0081】
印刷ジョブ中の仕分け動作時には、ユーザの操作によって排紙保持レバー上32をして開放位置を占めさせるようにし、排紙Sの排出動作に支障を与えないようにする。所定の印刷ジョブにおける仕分け動作終了後には、ユーザの操作によって排紙保持レバー上32をして押さえ位置を占めさせるようにする。排紙保持レバー上32が押さえ位置を占めたとき、仕分けされた排紙Sが崩れないような所定の押し付け力を作用するようにバネの付勢力が設定されている。
【0082】
排紙保持レバー下33は、排紙Sの排出動作に影響を与えないため、ホルダ31の台座部31Adに固定されている。なお、保持部27Aaは、仕分け部材群25Gの積載および仕分け部材25の落下案内に支障を与えないような位置・形状をもってキャップ27Aの凸条部27bを利用して数箇所設け、仕分けされた排紙Sの枚数によって押さえ位置を数段に調整可能に構成することもできる。
本変形例によれば、仕分けされた排紙(用紙)Sが仕分けユニット35Aに確実に保持されるので、排紙取り出し性がさらに向上する。本変形例は、後述の第2および第3の実施形態等にも適用可能なことは無論である。
【0083】
(第2の実施形態)
図13を参照して、第2の実施形態を説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態のように用紙サイズによっては排紙台7に排出・積載された排紙より仕分け装置40が離れると仕分けができないことや、仕分け部材25の長さを長くする必要があり、スペース面で不利となる。これを解消すべく第2の実施形態を創作した。
第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して、一方のサイドフェンス50に代えて、排紙台7に対して着脱自在に構成されたサイドフェンスユニット51を用いる点、仕分け装置40に代えて、仕分け装置41を用いる点が相違する。この相違点以外は、第2の実施形態は第1の実施形態と同様である。なお、サイドフェンス50およびサイドフェンスユニット51には、排紙Sに対して上向きに凸・U字状に腰付けをする腰付け部材等が適宜配設されるが、図13では本実施形態の特徴点の簡明化を図るためこれらの図示を省略し簡略的に示している。
【0084】
仕分け装置41は、第1の実施形態の仕分け装置40と比較して、仕分けユニット35に代えて、サイドフェンスユニット51に取り付けられ、該サイドフェンスユニット51と共に排紙台7に対して着脱自在に構成された仕分けユニット36を用いる点が主に相違する。
【0085】
仕分けユニット36は、図13に簡略的に示すように、図1に示す孔版印刷装置100の排紙部Qにおける仕切板45に近いサイドフェンスユニット51の一側壁を切り欠いた部位に取り付けられている。サイドフェンスユニット51の下部底壁には、2本のピン51aが一体的に植設されている。
仕分けユニット36は、その基本的な機能および構成は仕分けユニット35と同様であり、仕分けユニット35と比較して、図示を省略した上部のキャップ部分が例えば蝶ボルト(図示せず)を介してサイドフェンスユニット51の上部に取り付けられている点、図示を省略した下部の台座部分が例えば蝶ボルト(図示せず)を介してサイドフェンスユニット51の下部に取り付けられている点、図5に示したシャフト組体26Aの従動ギア28に代えて、カップリング46を備えている点が主に相違する。
【0086】
一方、排紙台7側には、サイドフェンスユニット51の2本のピン51aと嵌入可能な2つの支持孔52aが形成されたサイドフェンス受け台52が、排紙(用紙)サイズに応じてシート幅方向Yにスライド可能に配設されている。また、排紙台7側には、仕分けユニット36のカップリング46と選択的に嵌合可能なカップリング47を出力軸に有するモータ29が配設されている。図13に一点鎖線で囲んで示すように、サイドフェンス受け台52とモータ29とは、図示を省略した連結部材で一体的に結合されて、排紙(用紙)サイズに応じてシート幅方向Yにスライド可能なスライダ53を構成している。モータ29に接続されている電源線および信号線(図示せず)は、移動に追随可能な可撓性を有するもの、例えばフレキシブルフラットケーブル等を用いている(第3の実施形態でも同様)。スライダ53は、例えば上記特許第3691182号公報の図2、図4および図5等に示されているスライド構成と同様の機構を採用していて、排紙台7側に設けられたレール(図示せず)と係合してスライド・移動可能となっている。
【0087】
上述のとおり、本実施形態の仕分けユニット36は、一方のサイドフェンスユニット51に取り付けられ、サイドフェンスユニット51と共に排紙台7に対して着脱自在ないしは挿脱自在に構成されている。
仕分け装置41の動作は、第1の実施形態と基本的に同様であるため、その説明を省略する。
【0088】
本実施形態によれば、仕分け部材25によって印刷ジョブ毎に仕分けされた排紙を、仕分けユニット36およびサイドフェンスユニット51と共に排紙台7から、ばらけることなくスムーズに一度に取り出すことができる。この際、仕分けされた排紙の一側端面部がサイドフェンスユニット51の内壁面に当接しているので、その排紙を揃ったまま取り出すことができる。また、仕分けユニット36を排紙サイズに応じてサイドフェンスユニット51と共に移動できるから、仕分け部材25の長さを第1の実施形態のそれと比べて短く小型にできる。
【0089】
(第3の実施形態)
図14を参照して、第3の実施形態を説明する。第3の実施形態では、第1の実施形態のように用紙サイズによっては排紙台7に排出・積載された排紙より仕分け装置40が離れると仕分けができないことや、仕分け部材25の長さを長くする必要があり、スペース面で不利となる。これを解消すべく第3の実施形態を創作した。
第3の実施形態は、第1の実施形態と比較して、エンドフェンス60に代えて、排紙台7に対して着脱自在に構成されたエンドフェンスユニット61を用いる点、仕分け装置40に代えて、仕分け装置42を用いる点が相違する。この相違点以外は、第3の実施形態は第1の実施形態と同様である。
【0090】
仕分け装置42は、第1の実施形態の仕分け装置40と比較して、仕分けユニット35に代えて、エンドフェンスユニット61に取り付けられ、該エンドフェンスユニット61と共に排紙台7に対して着脱自在に構成された第2の実施形態と同様の仕分けユニット36を用いる点が主に相違する。
【0091】
仕分けユニット36は、図14に簡略的に示すように、エンドフェンスユニット61の一側壁を切り欠いた部位に取り付けられている。エンドフェンスユニット61の下部底壁には、2本のピン61aが一体的に植設されている。
仕分けユニット36は、その基本的な機能および構成は仕分けユニット35と同様であり、仕分けユニット35と比較して、図示を省略した上部のキャップ部分が例えば蝶ボルト(図示せず)を介してエンドフェンスユニット61の上部に取り付けられている点、図示を省略した下部の台座部分が例えば蝶ボルト(図示せず)を介してエンドフェンスユニット61の下部に取り付けられている点、図5に示したシャフト組体26Aの従動ギア28に代えて、カップリング46を備えている点が主に相違する。
【0092】
一方、排紙台7側には、エンドフェンスユニット61の2本のピン61aと嵌入可能な2つの支持孔62aが形成されたエンドフェンス受け台62が、排紙(用紙)サイズに応じてシート排出方向Xにスライド可能に配設されている。また、排紙台7側には、仕分けユニット36のカップリング46と選択的に嵌合可能なカップリング47を出力軸に有するモータ29が配設されている。図14に一点鎖線で囲んで示すように、エンドフェンス受け台62とモータ29とは、図示を省略した連結部材で一体的に結合されて、排紙(用紙)サイズに応じてシート排出方向Xにスライド可能なスライダ63を構成している。スライダ63は、例えば特開平10−87146号公報の図1〜図4等に示されているスライド構成と類似の機構を採用していて、排紙台7側に設けられたレール状部材(図示せず)と係合してスライド・移動可能となっている。
【0093】
上述のとおり、本実施形態の仕分けユニット36は、エンドフェンスユニット61に取り付けられ、エンドフェンスユニット61と共に排紙台7に対して着脱自在ないしは挿脱自在に構成されている。
仕分け装置42の動作は、第1の実施形態と基本的に同様であるため、その説明を省略する。
【0094】
本実施形態によれば、仕分け部材25によって印刷ジョブ毎に仕分けされた排紙を、仕分けユニット36およびエンドフェンスユニット61と共に排紙台7から、ばらけることなくスムーズに一度に取り出すことができる。この際、仕分けされた排紙の一側端面部がエンドフェンスユニット61の内壁面に当接するので、その排紙を揃ったまま取り出すことができる。また、仕分けユニット36を排紙サイズに応じてエンドフェンスユニット61と共に移動できるから、仕分け部材25の長さを第1の実施形態のそれと比べて短く小型にできる。
【0095】
本発明の仕分け装置は、上記実施形態等に示したものに限らず、例えば特開平9−315661号公報の図1〜図5等に示されている区分け装置(1)を例えばモータ(5)等の駆動手段側を排紙台側に配設すると共に、区分け装置(1)を排紙台に対して着脱ないしは挿脱可能にユニット化することで、適用可能となるものである。
【0096】
以上説明したとおり、本発明の仕分け装置は、孔版印刷装置を含む印刷装置に好ましく適用されるが、これに限らず、電子写真方式の複写機を含む複写機、ファクシミリ、プリンタ、インクジェット記録装置、プロッタ等またはそれら複数の機能を備えた複合機等の画像形成装置に搭載・適用可能なことは無論である。
本発明を特定の実施形態や変形例等について説明したが、本発明が開示する技術的範囲は、上述した実施形態や変形例あるいは実施例等に例示されているものに限定されるものではなく、それらを適宜組み合わせて構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および用途等に応じて種々の実施形態や変形例あるいは実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す仕分け装置を備えた孔版印刷装置の概略的な正断面図である。
【図2】第1の実施形態の仕分け装置の外観斜視図である。
【図3】図2から仕分け部材群を取り除いた仕分け装置の外観斜視図である。
【図4】(a)は、図2から仕分け部材群を取り除いた仕分けユニットの平面図、(b)は、同仕分けユニットの正面図、(c)は、(a)のSa−Sa断面図である。
【図5】図2から仕分け部材群を取り除いた仕分けユニットの分解斜視図である。
【図6】(a)は、キャップを取り外した状態で、シャフト可動部がホームポジションを占めている状態を説明する仕分けユニット周りの平面図、(b)は、キャップを取り外した状態で、シャフト可動部が落下案内位置を占めている状態を説明する仕分けユニット周りの平面図である。
【図7】シャフト可動部がホームポジションを占めている状態を説明する仕分けユニット周りの斜視図である。
【図8】(a)、(b)、(c)は、仕分け部材の形状および表面処理状態を説明する斜視図である。
【図9】第1の実施形態の仕分け装置の配置状態を示す斜視図である。
【図10】変形例1における仕分けユニットの排紙保持レバーの動作を説明する斜視図である。
【図11】変形例1における仕分けユニットの排紙保持レバーの動作を説明する斜視図である。
【図12】変形例1における仕分けユニットの排紙保持レバーの動作を説明する斜視図である。
【図13】第2の実施形態の仕分け装置のサイドフェンスへの配置状態を示す分解斜視図である。
【図14】第3の実施形態の仕分け装置のエンドフェンスへの配置状態を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
【0098】
1 マスタ
2 版胴
7 排紙台(シート排出台)
25,25A,25B 仕分け部材
26 シャフト(送出手段の構成要素)
26a シャフト可動部(案内手段の構成要素)
27 キャップ(積載手段の構成要素)
28 従動ギア(送出手段の構成要素)
29 モータ(送出手段の構成要素)
29a 駆動ギア(送出手段の構成要素)
30 フレーム
31 ホルダ(積載手段、案内手段の構成要素)
32 排紙保持レバー上(保持手段)
33 排紙保持レバー下(保持手段)
35,35A,36,37 仕分けユニット
40,41,42 仕分け装置
45 仕切板
50 サイドフェンス
51 サイドフェンスユニット
53 スライダ
60 エンドフェンス
61 エンドフェンスユニット
63 スライダ
100 孔版印刷装置(画像形成装置)
N 製版部
P 印刷部(画像形成手段)
Q 排紙部(シート排出手段)
R 給紙部(シート給送手段)
S 用紙、排紙(シート、シート状記録媒体)
Sa 仕分けすべき用紙
X シート排出方向
Y シート幅方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出されてくる画像形成済みのシートを順次積載するシート排出台と、
上記シート排出台上に排出されるシートの間に挿入されて仕分けを行う複数の仕分け部材を備え、該複数の仕分け部材を積載保持する積載位置から上記仕分けを行う仕分け位置に順次上記各仕分け部材を送出する、上記シート排出台に対して着脱自在に構成された仕分けユニットと、
を有することを特徴とする仕分け装置。
【請求項2】
請求項1記載の仕分け装置において、
上記複数の仕分け部材を上記積載位置に重合状態で保持する積載手段と、
上記各仕分け部材を、上記シート排出台上に積載されたシートの上に案内する案内手段と、
上記シート排出台上に積載されたシートが仕分けすべき枚数に達する毎に、上記仕分け部材を、上記案内手段を介して上記積載位置から上記仕分け位置に送出する送出手段と、
を有し、少なくとも上記送出手段の一部が上記シート排出台に対して着脱自在に構成されており、
上記仕分けユニットは、上記積載手段、上記案内手段および上記少なくとも送出手段の一部を具備していることを特徴とする仕分け装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の仕分け装置において、
排出されてくる画像形成済みのシートを上記シート排出台のシート幅方向に位置決め揃える、上記シート排出台に対して着脱自在に構成されたサイドフェンスを有し、
上記仕分けユニットは、上記サイドフェンスに取り付けられ、該サイドフェンスと共に上記シート排出台に対して着脱自在に構成されていることを特徴とする仕分け装置。
【請求項4】
請求項1または2記載の仕分け装置において、
排出されてくる画像形成済みのシートを受け止める、上記シート排出台に対して着脱自在に構成されたエンドフェンスを有し、
上記仕分けユニットは、上記エンドフェンスに取り付けられ、該エンドフェンスと共に上記シート排出台に対して着脱自在に構成されていることを特徴とする仕分け装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか一つに記載の仕分け装置において、
上記仕分けユニットは、所定の仕分け終了後に、仕分けされたシートを保持する保持手段を有することを特徴とする仕分け装置。
【請求項6】
請求項1ないし5の何れか一つに記載の仕分け装置において、
上記各仕分け部材のシートと接触する面には、該シートとの接触面積を減少させる凹凸表面処理が施されていることを特徴とする仕分け装置。
【請求項7】
請求項1ないし6の何れか一つに記載の仕分け装置と、
シートに画像を形成する画像形成手段と、
画像形成済みのシートを上記シート排出台に排出するシート排出手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−298584(P2009−298584A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−158435(P2008−158435)
【出願日】平成20年6月17日(2008.6.17)
【出願人】(000221937)東北リコー株式会社 (509)
【Fターム(参考)】