説明

仕分け装置

【課題】簡易な構成で仕分け部材と搬送ローラとの間で生じる搬送物の噛み込みを防止する。
【解決手段】ローラコンベヤ部により搬送される搬送物を主搬送方向と交差する副搬送方向に払い出す払出し部を、長手方向の両端部が無端回転体のそれぞれに固定される2つの連結部材と、2つの連結部材のそれぞれに設けられ、搬送ローラの軸方向に沿って2つの連結部材のいずれかが搬送ローラの下方近傍を移動する際に搬送面の下方から突出し、主搬送方向に搬送される搬送物を主搬送方向と交差する副搬送方向に押圧する仕分け部材と、仕分け部材が所定位置に到達したことを検出する検出手段と、検出手段により仕分け部材が検出されたことを受けて、高速移動から速度変更し一定速で前記一対の輪体周囲に仕分け部材を低速移動させることで、無端回転体を半周ずつ間欠駆動させる駆動制御部とから構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
搬送される搬送物を払い出して仕分ける仕分け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来提案されている仕分け装置の中には、ローラコンベヤ部として配置される複数の搬送ローラ間の隙間から搬送面に突出し、搬送される搬送物をローラの軸方向、言い換えれば搬送物の搬送方向と直交する方向に移動する仕分けピン等の仕分け部材を複数備えた仕分け装置が挙げられる。この仕分け装置においては、複数の搬送ローラが形成する搬送面の下方近傍に、少なくとも一対のスプロケットの周囲をかけ廻されたチェーンベルトによってそのチェーンベルトに直接又は間接的に固定された仕分けピンを移動させる仕分けピン駆動部が存在する。この仕分けピン駆動部の構造により、仕分けピンはチェーンベルトのスプロケット部の周回移動の際に傾斜しながら搬送面から退避することとなる。この仕分けピンを傾斜させながら搬送面から退避させる場合には、仕分けピンと搬送ローラとの間で搬送物の噛み込みが発生することから、仕分けピンを傾斜させずに搬送面から退避させることができる仕分け装置が考案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−208029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、仕分けピンを傾斜させずに搬送面から退避させるためには、仕分けピンを搬送面に直交する方向に退避させる必要があるが、このような仕分けピンの動作を可能にする駆動機構の構成は複雑になり、また、仕分け装置自体が大型化するという問題がある。
【0005】
本発明は、簡易な構成で仕分け部材と搬送ローラとの間で生じる搬送物の噛み込みを防止することができるようにした仕分け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の仕分け装置は、搬送物の主搬送方向と直交する方向を軸方向とした搬送ローラが前記主搬送方向に沿って複数配列されるとともに、前記複数配列される搬送ローラの少なくとも1つが駆動され、且つ前記複数配列される搬送ローラの頂点を含む面を搬送面として、前記搬送物を搬送するローラコンベヤ部と、前記ローラコンベヤ部の下方に設けられ、該ローラコンベヤ部により前記主搬送方向に搬送される搬送物を、前記主搬送方向と交差する副搬送方向に払い出す払出し部と、を備えるとともに、前記払出し部は、前記主搬送方向に所定の間隔を空けて、且つ軸方向が前記主搬送方向となるように、少なくとも2組設けられた一対の輪体と、前記少なくとも2組設けられた一対の輪体のそれぞれに巻き掛けられる無端回転体と、前記無端回転体の走行方向に等しい間隔を空けて、且つ長手方向が前記主搬送方向と同一方向となるように、該長手方向の両端部が前記無端回転体のそれぞれに固定される2つの連結部材と、前記2つの連結部材のそれぞれに設けられ、前記搬送ローラの軸方向に沿って前記2つの連結部材のいずれかが前記搬送ローラの下方近傍を移動する際に前記搬送面の下方から突出し、前記主搬送方向に搬送される搬送物を前記主搬送方向と交差する副搬送方向に押圧する仕分け部材と、前記仕分け部材が所定位置に到達したことを検出する検出手段と、前記検出手段により前記仕分け部材が検出されたことを受けて、一定速の低速移動状態の前記無端回転体を停止して待機させ、払い出し信号を受けた場合に、予め定めた第1期間、前記無端回転体を高速移動させた後、前記第1期間とは異なる第2期間、前記高速移動から速度変更し一定速で前記一対の輪体周囲に仕分け部材を低速移動させることで、前記無端回転体を半周ずつ間欠駆動させる駆動制御部と、から構成されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の仕分け装置は、搬送物の主搬送方向と直交する方向を軸方向として、前記主搬送方向に沿って配列される複数の搬送ローラと、前記複数の搬送ローラが回転自在に軸支される両側の支持枠部材とを備え、前記複数配列される搬送ローラの少なくとも1つが駆動され、且つ前記複数配列される搬送ローラの頂点を含む面を搬送面として、前記搬送物を搬送するローラコンベヤ部と、前記ローラコンベヤ部の下方に設けられ、該ローラコンベヤ部により前記主搬送方向に搬送される搬送物を、前記主搬送方向と交差する副搬送方向に払い出す払出し部と、を備えるとともに、前記払出し部は、前記主搬送方向に所定の間隔を空けて、且つ軸方向が前記主搬送方向となるように、少なくとも2組設けられた一対の輪体と、前記少なくとも2組設けられた一対の輪体のそれぞれに巻き掛けられる無端回転体と、前記無端回転体の走行方向に等しい間隔を空けて、且つ長手方向が前記主搬送方向と同一方向となるように、該長手方向の両端部が前記無端回転体のそれぞれに固定される2つの連結部材と、前記搬送ローラの軸方向に沿って前記2つの連結部材のいずれかが前記搬送ローラの下方近傍を移動する際に前記搬送面の下方から突出し、前記主搬送方向に搬送される搬送物を前記主搬送方向と交差する副搬送方向に押圧するとともに、前記無端回転体の前記一対の輪体周囲の周回移動の際の、前記副搬送方向における前記無端回転体から離れた先端が移動する移動範囲が、前記副搬送方向における前記両側の支持枠部材の内面間距離以下となるように、前記2つの連結部材のそれぞれに設けられた仕分け部材と、前記仕分け部材が所定位置に到達したことを検出する検出手段と、前記検出手段により前記仕分け部材が検出されたことを受けて、一定速の低速移動状態の前記無端回転体を停止して待機させ、払い出し信号を受けた場合に、予め定めた第1期間、前記無端回転体を高速移動させた後、前記第1期間とは異なる第2期間、前記高速移動から速度変更し一定速で前記一対の輪体周囲に仕分け部材を低速移動させることで、前記無端回転体を半周ずつ間欠駆動させる駆動制御部と、から構成されることを特徴とする。
【0008】
また、前記2つの連結部材のそれぞれに設けられた仕分け部材のうち、前記搬送面の下方から突出する側の仕分け部材は、前記搬送ローラの軸方向に沿って上に位置する連結部材が前記搬送ローラの下方近傍を移動する際に、前記上に位置する連結部材が前記一対の輪体周囲を回動することで、前記搬送面に対して傾斜しながら該搬送面から退避するとともに、前記仕分け部材が前記搬送面に対して退避を開始する前に、前記副搬送方向に払い出される搬送物における前記副搬送方向の先端部が、前記搬送ローラから下流側に設けられた下流側コンベヤに受け渡され駆動力を受けることが好ましい。
【0009】
また、前記2つの連結部材のそれぞれに設けられた仕分け部材のうち、前記搬送面の下方から突出する側の仕分け部材は、前記搬送ローラの軸方向に沿って上に位置する連結部材が前記搬送ローラの下方近傍を移動する際に、前記上に位置する連結部材が前記一対の輪体周囲を回動することで、前記搬送面に対して傾斜しながら該搬送面から退避するとともに、前記搬送面の下方から突出する側の仕分け部材が搬送面から退避を完了する位置から、前記下流側コンベヤにおける最も上流となる回転体の頂点までの距離は、搬送される各種の前記搬送物のうちの副搬送方向の最小長さよりも小さく設定されることが好ましい。
【0010】
また、前記仕分け部材の先端が搬送面から突出する最大長は、搬送物の高さの1/10以上であることが好ましい。
【0011】
また、前記ローラコンベヤ部の搬送ローラの駆動機構は、アクチュエータと、前記アクチュエータの駆動により回転する主動プーリと、前記主搬送方向における下流側に、前記主動プーリと所定の間隔を空けて配置される従動プーリと、前記前記主動プーリ及び前記従動プーリにそれぞれ巻き掛けられる無端ベルトと、前記無端ベルトが走行したときの該無端ベルトの弛みを防止するテンションプーリと、前記無端ベルトを前記搬送ローラに向けて押圧し、走行される前記無端ベルトとの摺接により前記搬送ローラを回転させる押圧プーリと、を備えていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、検出手段により仕分け部材が所定位置にあることが検出されたことを受けて、一定速の低速移動状態の仕分け部材を停止して待機させ、払い出し信号を受けた場合に、予め定めた第1期間、仕分け部材を高速移動させた後、第1期間とは異なる第2期間、高速移動から速度変更し一定速で一対の輪体周囲に仕分け部材を低速移動させることで、無端回転体を半周ずつ間欠駆動させる。つまり、仕分け部材が高速移動したときには、ローラコンベヤ部を主搬送方向に搬送される搬送物が、該主搬送方向と直交する副搬送方向に高速で払い出される。また、仕分け部材が高速移動から急に一定速の低速移動に切り替わると、副搬送方向に移動する搬送物の搬送速度が、搬送物の重量による慣性によりそのまま保たれるのに対し、仕分け部材の移動速度が遅くなることから、搬送物は仕分け部材を離れて突き飛ばされる形となる。この突き飛ばされる瞬間以前に、搬送物の仕分け部材が当接している端部に対向するもう一方の端部が、副搬送方向下流側に位置するコンベヤの搬送ローラもしくは搬送ベルト面により駆動開始される。よって、仕分け部材が低速移動に切り替わると、仕分け部材による搬送物の払い出しが終了し、搬送物は下流側に設けられたコンベヤによって搬送されていく。つまり同方向に移動する搬送物と仕分け部材とが、それら移動速度の違いにより離れていくので、仕分け部材による搬送物の噛み込みを防止することができる。
【0013】
また、このような仕分け部材の駆動制御を、仕分け部材が所定位置にあることを検出したことを契機にして実行することから、仕分け部材を複数位置で検出しながら駆動制御する場合に比べて、装置構成を簡易にすることができる。
【0014】
さらに、仕分け部材を周回移動させる構成において、無端回転体の一対の輪体周囲の周回移動の際に、副搬送方向における仕分け部材先端が移動する移動範囲が副搬送方向における両側の支持枠部材の内面間距離以下とすることで、仕分け装置自体を簡易な構成で、且つ小型化できる。
【0015】
また、搬送面の下方から突出する側の仕分け部材が搬送面に対して傾斜しながら搬送面から退避することとなるが、この仕分け部材が搬送面に対して退避を開始する前に、搬送物は、副搬送方向に払い出される搬送物の副搬送方向の先端部が、搬送ローラから下流側に設けられた下流側コンベヤに受け渡され駆動力を受けるので、主搬送方向から副搬送方向への駆動力を失って下流コンベヤに到達できず、その結果主搬送方向搬送ローラの駆動により当該搬送物が仕分けされずに、主搬送方向に搬送される不具合を防止することができる。また、搬送される搬送物は、搬送時に適応する大きさが予め設定されていることから、小さい搬送物でも最低限の仕分けができるように、仕分け部材が搬送面から退避が完了する位置から下流側コンベヤにおける最も上流側に配置される回転体(搬送ローラもしくは搬送ベルトを掛け廻すエンドプーリ)の頂点までの距離は、適応となる搬送される各種の前記搬送物のうちの副搬送方向の最小長さよりも小さく設定されることで、主搬送方向から副搬送方向への駆動力を失って下流コンベヤに到達できず、その結果主搬送方向搬送ローラの駆動により当該搬送物が仕分けされずに、主搬送方向に搬送される不具合を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】仕分け装置の構成を示す上面図である。
【図2】図1におけるC−C断面図である。
【図3】仕分け装置を上流側コンベヤ側から見たときの図である。
【図4】払出し部の構成を示す上面図である。
【図5】払出し部の配置関係を示す図である。
【図6】高速移動、第1低速移動、第2低速移動の順で仕分け片を移動させる場合のタイミングチャートである。
【図7】高速移動、低速移動の順で仕分け片を移動させる場合のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1〜図4に示すように、仕分け装置10は、上流側コンベヤ11から搬送される搬送物50を、下流側コンベヤ12に向けて搬送する、又は下流側コンベヤ13に向けて搬送することで、搬送物50を仕分ける装置である。なお、搬送物50は、予め設定された範囲の大きさのものが搬送される。
【0018】
仕分け装置10は、ローラコンベヤ部15と払出し部16とから構成される。ローラコンベヤ部15は、上流側コンベヤ11から搬送された搬送物50を、図1に示すA方向(つまり主搬送方向下流側)に搬送することで、下流側コンベヤ12に向けて搬送する。一方、払出し部16は、ローラコンベヤ部15によりA方向に搬送される搬送物50を、ローラコンベヤ部15の側方に配置される下流側コンベヤ13に向けて払い出す。なお、なお、図1に示すB方向は、後述する払出し部16による搬送物50の払出し方向であり、ローラコンベヤ部15による主搬送方向であるA方向と直交し、搬送物の実際の払出し方向とは角度において異なる場合がある。なお、詳細は後述するが、ローラコンベヤ部15は、払出し部16の上部に配置される。
【0019】
ローラコンベヤ部15は、複数の搬送ローラ21、駆動機構22及び保持枠23とから構成される。搬送ローラ21は、その回転軸方向がA方向と直交する方向となるように、また、隣り合う搬送ローラ21に対して所定間隔を空けてA方向に複数配列される。なお、所定間隔とは、後述する仕分け片47,48の幅よりも広い隙間となる。また、これら搬送ローラ21は、その中心の高さが同一の高さとなるように、それぞれ配置される。このように複数の搬送ローラ21を配列することで、搬送ローラ21の頂点を含む平面24が搬送物50を搬送する搬送面(以下、搬送面24)となる。
【0020】
駆動機構22は、搬送ローラ21をそれぞれ回転させるために設けられている。この駆動機構22は、搬送ローラ21の軸方向で、且つ払出し部16による搬送物50が払い出される一端部とは反対側の端部に設けられる。駆動機構22は、主動プーリ25、従動プーリ26、押圧プーリ27、テンションプーリ28、無端ベルト29、ベルトカバー29a及び駆動モータ30から構成される。
【0021】
主動プーリ25及び従動プーリ26は、それぞれ搬送ローラ21よりも上方に配置される。これら主動プーリ25と従動プーリ26とには、無端ベルト29が巻き掛けられる。
【0022】
押圧プーリ27は、走行する無端ベルト29を、隣り合う2つの搬送ローラ21の外周面に押圧することで、これら搬送ローラ21を回転させる。なお、押圧プーリ27は、その中心が隣り合う2つの搬送ローラ21の中心を結ぶ直線の中点を通り、該直線と直交する直線上に位置するように配置される。このように押圧プーリ27を配置することで、走行する無端ベルト29を、近接する2つの搬送ローラ21へ押圧する際の押圧力を均一にでき、無端ベルト29と摺接されることで回転する2つの搬送ローラ21の回転速度を同一速度とすることができる。なお、テンションプーリ28は、無端ベルト29の走行時に発生する無端ベルト29の弛みを防止する。
【0023】
無端ベルト29は、例えば断面が六角形状のベルト(以下、六角ベルト)が用いられ、その上部にベルトカバー29aが被される。図1はベルトカバー29aを取り外した状態である。駆動モータは、その駆動軸に主動プーリ25が組み付けられる。この駆動モータ30としては、周知のギアードモータが用いられる。なお、この駆動モータ30は、主搬送方向の上流側コンベヤ11、下流側コンベヤ12が運転されている際には、同様に運転していれば良い。
【0024】
保持枠23は、少なくとも主搬送方向両側の支持枠部材23aを備えた矩形枠からなる。この保持枠23には、複数の搬送ローラ21、駆動機構22などが取り付けられる。両側の支持枠部材23aには搬送ローラ21の回転自在な軸がそれぞれ軸支されている。なお、この保持枠23は、払出し部16を構成する保持枠43の上部に固定される。
【0025】
払出し部16は、スプロケット35a〜35d、回転軸36,37、チェーンベルト38、39、連結部材40,41、駆動モータ42及び保持枠43とから構成される。スプロケット35a〜35dは、その歯数が同一数となるものが使用される。これらスプロケット35a〜35dのうち、スプロケット35a、35cは所定の間隔を空けて回転軸36に取り付けられる。また、スプロケット35b、35dも同様にして、所定の間隔を空けて回転軸37に取り付けられる。
【0026】
スプロケット35a、35cが固着される回転軸36と、スプロケット35b、35dが固着される回転軸37とは、これら軸方向がA方向となるように、また、それぞれの回転軸の軸中心が同一平面上に位置するように、所定の間隔を空けて保持枠43に軸支される。なお、これら回転軸36、37は、スプロケット35aとスプロケット35bとがA方向において同一位置となるように、また、スプロケット35cとスプロケット35dとが同一位置となるように保持枠43に軸支される。
【0027】
上述した回転軸36,37のうち、回転軸37は、その一端が保持枠43を貫通し、駆動モータ42に設けられたフォローシャフト(図示省略)に嵌入される。これにより、回転軸36に固着されるスプロケット35a,35cが主動側のスプロケット(以下、主動側スプロケット)となり、回転軸37に固着されるスプロケット35b,35dが従動側のスプロケット(以下、従動側スプロケット)となる。
【0028】
チェーンベルト38は主動側スプロケット35aと従動側スプロケット35bとに、チェーンベルト39は主動側スプロケット35cと従動側スプロケット35dとに、それぞれ巻き掛けられる。つまり、主動側スプロケット35a,35cを回転させることで、これらチェーンベルト38,39が周回移動する。なお、符号45,46は、チェーンベルト38,39のブレをそれぞれ防止するためのガイド部材であり、これらガイド部材45,46を配置することで、チェーンベルト38,39が左右方向、或いは上下方向へのブレを防止する。なお、このガイド部材45,46は、搬送ローラ21の近傍となる、チェーンベルト38,39の直線部分に、チェーンベルト38,39の下方に配置される。
【0029】
連結部材40,41は、例えばチェーンベルト38,39の半周分の間隔を空けて、それぞれのチェーンベルト38,39に、それぞれ連結される。なお、この連結の際に、連結部材40,41の長手方向が、回転軸36又は回転軸37の軸方向(A方向)と平行な方向となるように、チェーンベルト38,39にそれぞれ固定される。なお、連結部材40,41は、チェーンベルト38,39に連結させるためのブラケットを介してチェーンベルト38,39に固定される。
【0030】
これら連結部材40,41には、その上面に複数の仕分け片が設けられる。なお、以下では、連結部材40に設けられる仕分け片に対しては符号47を付し、連結部材41に設けられる仕分け片に対しては符号48を付して説明する。なお、連結部材40,41の構成や仕分け片の構成は同一であることから、以下では、連結部材40についてのみ説明し、連結部材41についてはその説明を省略する。
【0031】
連結部材40に設けられる仕分け片47は、連結部材40の長手方向に沿って、所定の間隔を空けて設けられる。なお、所定の間隔とは、隣り合う2つの搬送ローラ21の間に生じる隙間と同一の間隔からなる。これら仕分け片47は、連結部材40から突出する方向に直交する断面形状がL字形状からなる。この断面において、短手方向の一辺がA方向に搬送される搬送物50に当接される箇所となる。なお、この仕分け片47の短手方向の一辺の幅は、隣り合う2つの搬送ローラ21の隙間よりも短く設定される。
【0032】
上述したように、チェーンベルト38,39は、それぞれ周回移動することから、連結部材40、41に設けられる仕分け片47,48も、これらチェーンベルト38,39とともに周回移動する。これら仕分け片47,48の周回移動時の移動軌跡(図5中符号Wで示す二点鎖線の内側の領域)は、チェーンベルト38,39が搬送面24に沿って移動する直線部と、主動側スプロケット35a,35cの中心を軸にして回動する曲線部及び従動側スプロケット35b,35dの中心を軸にして回動する曲線部とからなる。
【0033】
移動軌跡を構成する直線部においては、仕分け片47,48は、その長手方向がそれぞれ搬送面24に直交した状態を維持しながら移動する。また、これら直線部のうち、搬送ローラ21の近傍となる直線部(つまり上部の直線部)においては、仕分け片47,48の先端部が搬送面24から突出した状態となる。また、移動軌跡を構成する曲線部においては、仕分け片47,48は、その長手方向がそれぞれ、主動側スプロケット35a,35cの中心、又は従動側スプロケット35b,35dの法線方向となる。
【0034】
このため、仕分け片47,48が主動側スプロケット35a,35cの中心を軸にして回動する場合、仕分け片47,48は、それら先端部が移動方向(図1に示すB方向)側に傾斜しながら移動する。この傾斜の角度は、仕分け片47,48が曲線部を移動するに従い大きくなるので、仕分け片47,48と搬送面24との間で搬送物50を挟み込む、つまり搬送物50の噛み込みが発生する。この搬送物50の噛み込みを防止するためには、上述した仕分け片47,48の移動軌跡のうち、上述した直線部を搬送ローラ21よりも下流側コンベヤ13側に配置する、つまり、B方向における移動軌跡の直線部となる範囲をローラコンベヤ部15に設けられる搬送ローラ21の一端部よりも外側、又は保持枠23の外側まで広げることが理想的である。
【0035】
しかしながら、移動軌跡の範囲を搬送ローラ21よりも外側、又は保持枠23の外側まで広げた場合には、ローラコンベヤ部15や払出し部16の形状の他に、下流側コンベヤ13の形状などがそれぞれ複雑なものとなる。なぜなら、仕分け片47,48が主動側スプロケットもしくは従動側スプロケットを回動する曲線部の少なくとも一部で、支持枠部材23aを突き破る形で突出し、下流側コンベヤ13は、この仕分け片47,48をかわしつつ、搬送物を駆動力を働かせながら受け取るため、櫛状をなしている仕分け装置10と接する上流側搬送面が必要となるからである。このため、移動軌跡の範囲を搬送ローラ21よりも外側、又は保持枠23の外側まで広げると、装置が大掛かりで複雑となるのを避けるため、本実施形態では、仕分け片47,48が周回移動時の移動軌跡、特に仕分け片47,48の先端部の移動する軌跡が、保持枠23の内側に収まるように各部材が配置される。
【0036】
図5は、払出し部16を構成する部品の配置を示す図である。なお、図5中、仕分け片47が搬送面と直交するときの搬送面24から仕分け片47の先端までの距離(最大突出量)をL1、主動側スプロケット35a,35cの中心から仕分け片47の先端までの距離をL2、主動側スプロケット35a,35cの中心からローラコンベヤ部15の保持枠23を構成する支持枠部材23aの内壁面までの距離をL3、仕分け片47が搬送面24から退避した位置における仕分け片47の先端から下流側コンベヤ13の搬送ローラ55の中心までの距離をL4、主動側スプロケット35a,35cの中心から搬送面24までの距離をL5として説明する(図5参照)。
【0037】
上述したように、この仕分け装置10で搬送できる搬送物50の大きさは、予め設定されている。仕分け片47の最大突出量である距離L1は、例えば最小となる搬送物50の高さの10%、つまり、L1=(最大の搬送物50の高さ)×0.1となるように設定される。このL1の設定に基づいて、距離L2や距離L5が決定される。なお、この距離L1は、距離L2と距離L5の差分、つまり、L1=L2−L5からなる。
【0038】
次に、仕分け片47が搬送面24から退避したときの仕分け片47の先端から下流側コンベヤ13の搬送ローラ55の中心(頂点)までの距離L4について考慮する。なお、下流側コンベヤ13の搬送面と、ローラコンベヤ部15の搬送面24の高さは同一の高さに設定されている。上述したように、仕分け片47は、搬送物50を搬送している過程で水平移動した状態から傾斜し、最終的に搬送面24の下方に退避する。傾斜した仕分け片47の先端部が搬送面24から退避すると、搬送物50は仕分け片47による押圧の影響を受けなくなる。この状態で搬送物50をB方向に移動させるためには、B方向の搬送力を搬送物50に与えなくてはならない。つまり、傾斜した仕分け片47が搬送面24から退避する前に搬送物50の先端部が下流側コンベヤ13の最上流回転体に乗り上げていることが条件となる。つまり、距離L4は、L4<(搬送される搬送物50の最小幅)となるように設定される。
【0039】
最後に、主動側スプロケット35a,35cの中心からローラコンベヤ部15の保持枠23を構成する支持枠部材23aの内面までの距離をL3について考慮する。上述したように、周回移動する仕分け片47の移動軌跡は符号Wで示す範囲となる。この移動軌跡の境界部分が、B方向においてローラコンベヤ部15の保持枠23を構成する支持枠部材23aの内壁面よりも内側となることが好ましい。つまり、距離L3は、距離L3>距離L2を満足することが好ましい。なお、支持枠部材23aの形状(例えば、搬送面24近傍は上流側に張り出すが、下方は下流側に張り出す形状)や、払出し部16の形状によっては、必ずしも距離L3>距離L2とならない場合もあることから、距離L3は距離L2と近似する値であることが好ましい。これら値に基づいて、払出し部16の各部の配置や、ローラコンベヤ部15や、下流側コンベヤ13の配置が決定される。
【0040】
駆動モータ42は、例えばギアードモータが用いられる。この駆動モータ42は、モートルの回転軸の回動方向を変換する駆動部を一体化したもので、駆動部にはモートルの回転軸と直交する方向に回転軸36を嵌入させるフォローシャフトが設けられている。また、駆動モータ42は、保持枠43の下面にピンで引っかかるようにしたトルクアーム42aによりわずかにフォローシャフト周りに遊びを持って固定される。このような固定方法を用いることで、駆動モータ42の作動時にモータ自体が回転しないように、かつ保持枠43に固定することができる。これにより、トルクアーム42aを用いないで保持枠43にボルトで遊びなく強固に固定した場合に起こる、回転軸36のぶれが直に駆動モータ42のフォローシャフトに伝わり破損することが防止される。
【0041】
保持枠43は、複数の部材から構成された矩形状からなる。この保持枠43には、上述した回転軸36,37が軸支される他、駆動モータ42が保持される。なお、この保持枠43の上部には、ローラコンベヤ部15における搬送物50の搬送方向(A方向)と、上述した仕分け片47の移動方向(B方向)とが直交するように、ローラコンベヤ部15の保持枠23を構成する支持枠部材23aが固定される。
【0042】
位置検出センサ51は、所定位置に周回移動した連結部材40の仕分け片47、又は連結部材41の仕分け片48を検出することで、その検出信号を後述する駆動制御装置53に出力する。なお、位置検出センサ51が配置される位置については図示をしていないが、例えば、図3に示すように、主動側スプロケット35a、35cの中心を軸にして180度回転する直前、つまり、垂直下方に突出する状態直前の仕分け片47,又は仕分け片48を検出できる位置が挙げられる。もしくは、対向する従動側スプロケット35b、35dの中心を軸にして、仕分け片47又は仕分け片48が下から180度回転する直前、つまり、垂直上方に突出する状態直前の仕分け片47,又は仕分け片48を検出できる位置でもよい。以下、仕分け片47を検出した状態を第1状態、仕分け片48を検出した状態を第2状態として説明する。なお、第1状態と第2状態との間で、チェーンベルト38,39は半周分、それぞれ周回移動する。
【0043】
搬送検出センサ52は、上流側コンベヤ11により搬送される搬送物50を検出する。この搬送検知センサ52は、搬送物50を検出すると、その検出信号を駆動制御装置53に出力する。そして、搬送検出センサ52により搬送物50が検出されなくなると、出力していた検出信号の出力が停止される。
【0044】
駆動制御装置53は、払出し部16を構成する駆動モータ42の作動を少なくとも制御する。この駆動制御装置53には、搬送物を下流側コンベヤ12、又は下流側コンベヤ13のいずれか一方に搬送するかを示す情報(以下、仕分け情報)が入力されている。駆動制御装置53は、この仕分け情報と、上述した位置検出センサ51及び搬送検出センサ52からの検出信号に基づいて、駆動モータ42を作動させる。
【0045】
また、駆動制御装置53は駆動モータ30を作動させ続ける。この駆動モータ30の作動を受けて、主動プーリ25が例えば時計方向に回転し、無端ベルト29が図2に示すD方向に走行する。この無端ベルト29は、押圧ローラ27により搬送ローラ21に向けて押圧されていることから、この無端ベルト29がD方向に走行する際に、その摩擦力により搬送ローラ21を反時計方向に回転させる。これにより、搬送物50がローラコンベヤ部15の搬送面24上に載ってきたときには、A方向に向けて搬送される。よって、駆動制御装置53は、ローラコンベヤ部15における搬送物50の搬送速度が一定速度となるように駆動モータ30を作動させている。
【0046】
また、駆動制御装置53は、搬送物50をA方向に上流コンベヤ11に流す前に、一度駆動モータ42を駆動して仕分け片47,48のどちらかを位置検出センサ51に検出させて停止させる。
【0047】
その後、上流コンベヤ11を動作させた後、搬送検知センサ52からの検出信号が入力されると、駆動制御装置53は、仕分ける必要のある搬送物50であるか否かを、上述した仕分け情報から特定する。仕分ける必要のある搬送物50であると特定された場合には、駆動制御装置53は、シーケンス制御を用いて駆動モータ42を駆動する。駆動モータ42を駆動させる際のシーケンス制御は、仕切り片47,48が以下の移動速度を満たすように時間に基づいて制御されるよう設計される。以下、チェーンベルト38,39を半周周回移動時に係る時間を1.2秒とした場合について説明する。
【0048】
図6に示すように、仕分け片47,48が移動を開始してから0.4秒経過するまでの間に、仕分け片47,48は、停止状態からその移動速度が最高速度である88m/minとなるように加速される。仕分け片47,48が移動を開始してから0.4秒経過すると、仕分け片47,48の移動速度は一定の速度、つまり88m/minに維持される。以下、仕分け片47,48の移動速度が最高速度で移動する場合を、高速移動と称する。
【0049】
仕分け片47,48が移動を開始してから0.45秒経過すると、その移動速度が急減速される。仕分け片47,48の移動速度が急減速されてから0.15秒経過する、つまり、仕分け片47,48が移動を開始してから0.6秒経過すると、仕分け片47,48の減速が停止される。なお、減速が停止されたときの仕分け片47,48の移動速度は、例えば37m/minである。仕分け片47,48の移動速度の減速が停止されてからの0.2秒間は、その移動速度が一定の速度に維持される。このときの移動速度で移動する場合を、第1低速移動と称する。
【0050】
仕分け片47,48が移動を開始してから0.8秒経過すると、仕分け片47,48の移動速度は、さらに減速される。仕分け片47,48の移動速度が減速されてから0.05秒経過する、つまり、仕分け片47,48が移動を開始してから0.85秒経過すると、仕分け片47,48の減速が停止される。なお、減速が停止されたときの仕分け片47,48の移動速度は、例えば15m/minである。仕分け片47,48の移動速度の減速が停止されてからの0.1秒間は、その移動速度が一定の速度に維持される。この時の移動速度で移動すする場合を第2低速移動と称する。
【0051】
そして、仕分け片が移動を開始してから0.95秒経過すると、位置検出センサ51を仕分け片47,48のいずれかが横切り、停止がかかりタイマがリセットされる。例えば、位置検出センサ検出後の0.01秒後に、仕分け片の移動が停止される。なお、チェーンベルト38,39が半周周回移動時した後、再び移動開始に係る時間が1.2秒であった場合、仕分け片47,48は停止してから、0.24秒間は待機時間となる。この待機時間は、次の搬送検知センサ52からの駆動制御装置53への入力によるその仕分け特定の出力信号が発せられるまでとなる。
【0052】
このようなシーケンス制御によって仕分け片47が周回移動される際には、ローラコンベヤ部15の各搬送ローラ21が回転し、搬送物50をA方向に搬送している。移動速度が加速された状態でB方向に移動している仕分け片47は、その加速中にA方向に搬送される搬送物50に当接された後、搬送物50をB方向に押圧する。これにより、搬送物50にはA方向の推進力だけでなく、B方向の推進力も働くので、搬送面24上の搬送物50は、これら推進力を合成したE方向に移動する。なお、移動速度の加速中、或いは高速移動となるときに、仕分け片47により押圧される搬送物50の一端部が下流側コンベヤ13に乗り上げる。
【0053】
ここで、下流側コンベヤ13における搬送物50の搬送速度は、仕分け片47が高速移動される際の移動速度と同一の速度である。下流側コンベヤ13に搬送物50の一端部が乗り上げると、搬送物50は、下流側コンベヤ13におけるB方向の摩擦力と仕分け片47のB方向の押圧力とが搬送物に加わる。上述した仕分け片47の高速移動から第1低速移動への切り替えは、この状態が維持される期間にて実行される。仕分け片47が低速移動に切り替わると、搬送物50の搬送速度よりも、低速移動時の仕分け片47の移動速度が遅いことから、搬送物50は仕分け片47から突き飛ばされた状態となり、搬送物50は下流側コンベヤ13における推進力を受けてB方向に搬送される。一方、仕分け片47は、第1低速移動、第2低速移動の順で減速され、仕分け片47が移動を開始して所定時間経過後に位置検出センサ51を通過・停止する。
【0054】
これにより、チェーンベルト38,39が周回移動し、第1状態から第2状態に切り替わる。このように、仕分ける搬送物50が検出される度に、仕分け片47,48が半周づつ周回移動し、その周回移動の際にローラコンベヤ部15により搬送される搬送物50が仕分けられていく。このように、仕分け片47,48の半周移動は、仕分け片47,48が位置検出センサ51により検出されたことを基準にして所定のシーケンス制御により駆動制御されるので、移動する仕分け片47,又は仕分け片48を、他の例えば高速移動している位置で検出させる必要がない。
【0055】
本実施形態では、払出し部16に用いられる駆動モータ42としてギアードモータを例に取り上げているが、これに限定する必要はなく、例えばサーボモータを用いることも可能である。
【0056】
本実施形態では、駆動モータ42を駆動する際に用いるシーケンス制御の一例として、高速移動、第1低速移動、第2低速移動の順で仕切り片47,48を移動させる場合を例に取り上げているが、駆動モータ42を駆動する際に用いるシーケンス制御は、これに限定されるものではない。
【0057】
以下、高速移動、低速移動の順で切り替えながら、仕切り片47,48を移動させる場合のシーケンス制御について説明する。図7に示すように、仕分け片47,48が移動を開始してから0.43秒経過するまでの間、仕分け片47を、その移動速度が例えば73m/minで維持する。そして、0.43秒経過したときに、仕分け片47の移動速度を減速させて、その移動速度が36m/minで維持する。最後に1.2秒経過したときに、仕分け片47を停止させる。このように仕切り片47,48の移動速度が制御されることで、本実施形態と同様の効果を有する。
【0058】
本実施形態においては、位置検出センサ51は主動側スプロケット35a、35cの中心を軸にして180°回転する直前の仕分け片47、又は仕分け片48を検出しているが、これに限定されるものではなく、搬送面24から退避した直後の例えば仕分け片47、又は仕分け片48のいずれかを位置検出センサ51によって検出してもよいし、搬送面24から退避し、主動側スプロケット35a、35cの中心を軸にして例えば90°など所定の角度回転した仕分け片47、又は仕分け片48のいずれかを位置検出センサ51により検出することも可能である。
【0059】
この場合、ローラコンベヤ部15によって搬送される搬送物50の大きさが予めわかっていれば、仕分け片47,及び仕分け片48を移動させてから、搬送物50に当接されるまでの時間や仕分け片の移動速度は算出可能である。また、主動側スプロケット35a、35cの中心を軸にした回動中に停止した仕分け片47、又は仕分け片48や、従動側スプロケット35b、35dの中心を軸にした回動中に停止した仕分け片47、又は仕分け片48を検出する場合には、仕分け片は47や仕分け片48の先端が搬送面24から退避した状態となるので、搬送面上に突出するものがなく、メンテナンス中に仕分け片と搬送面による挟み込みによる怪我の発生を防止することが可能となる。
【符号の説明】
【0060】
10…仕分け装置、11…上流側コンベヤ、12,13…下流側コンベヤ、15…ローラコンベヤ部、16…払出し部、21…搬送ローラ、22…駆動機構、23,43…保持枠、25…主動プーリ、26…従動プーリ、27…押圧プーリ、28…テンションプーリ、30,42…駆動モータ、35a,35c…主動側スプロケット、35b,35d…従動側スプロケット、36,37…回転軸、38,39…チェーンベルト、40,41…連結部材、47,48…仕分け片、50…搬送物、51…位置検出センサ、52…搬送検出センサ、53…駆動制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物の主搬送方向と直交する方向を軸方向とした搬送ローラが前記主搬送方向に沿って複数配列されるとともに、前記複数配列される搬送ローラの少なくとも1つが駆動され、且つ前記複数配列される搬送ローラの頂点を含む面を搬送面として、前記搬送物を搬送するローラコンベヤ部と、
前記ローラコンベヤ部の下方に設けられ、該ローラコンベヤ部により前記主搬送方向に搬送される搬送物を、前記主搬送方向と交差する副搬送方向に払い出す払出し部と、を備えるとともに、
前記払出し部は、
前記主搬送方向に所定の間隔を空けて、且つ軸方向が前記主搬送方向となるように、少なくとも2組設けられた一対の輪体と、
前記少なくとも2組設けられた一対の輪体のそれぞれに巻き掛けられる無端回転体と、
前記無端回転体の走行方向に等しい間隔を空けて、且つ長手方向が前記主搬送方向と同一方向となるように、該長手方向の両端部が前記無端回転体のそれぞれに固定される2つの連結部材と、
前記2つの連結部材のそれぞれに設けられ、前記搬送ローラの軸方向に沿って前記2つの連結部材のいずれかが前記搬送ローラの下方近傍を移動する際に前記搬送面の下方から突出し、前記主搬送方向に搬送される搬送物を前記主搬送方向と交差する副搬送方向に押圧する仕分け部材と、
前記仕分け部材が所定位置に到達したことを検出する検出手段と、
前記検出手段により前記仕分け部材が検出されたことを受けて、一定速の低速移動状態の前記無端回転体を停止して待機させ、払い出し信号を受けた場合に、予め定めた第1期間、前記無端回転体を高速移動させた後、前記第1期間とは異なる第2期間、前記高速移動から速度変更し一定速で前記一対の輪体周囲に仕分け部材を低速移動させることで、前記無端回転体を半周ずつ間欠駆動させる駆動制御部と、
から構成されることを特徴とする仕分け装置。
【請求項2】
搬送物の主搬送方向と直交する方向を軸方向として、前記主搬送方向に沿って配列される複数の搬送ローラと、前記複数の搬送ローラが回転自在に軸支される両側の支持枠部材とを備え、前記複数配列される搬送ローラの少なくとも1つが駆動され、且つ前記複数配列される搬送ローラの頂点を含む面を搬送面として、前記搬送物を搬送するローラコンベヤ部と、
前記ローラコンベヤ部の下方に設けられ、該ローラコンベヤ部により前記主搬送方向に搬送される搬送物を、前記主搬送方向と交差する副搬送方向に払い出す払出し部と、を備えるとともに、
前記払出し部は、
前記主搬送方向に所定の間隔を空けて、且つ軸方向が前記主搬送方向となるように、少なくとも2組設けられた一対の輪体と、
前記少なくとも2組設けられた一対の輪体のそれぞれに巻き掛けられる無端回転体と、
前記無端回転体の走行方向に等しい間隔を空けて、且つ長手方向が前記主搬送方向と同一方向となるように、該長手方向の両端部が前記無端回転体のそれぞれに固定される2つの連結部材と、
前記搬送ローラの軸方向に沿って前記2つの連結部材のいずれかが前記搬送ローラの下方近傍を移動する際に前記搬送面の下方から突出し、前記主搬送方向に搬送される搬送物を前記主搬送方向と交差する副搬送方向に押圧するとともに、前記無端回転体の前記一対の輪体周囲の周回移動の際の、前記副搬送方向における前記無端回転体から離れた先端が移動する移動範囲が、前記副搬送方向における前記両側の支持枠部材の内面間距離以下となるように、前記2つの連結部材のそれぞれに設けられた仕分け部材と、
前記仕分け部材が所定位置に到達したことを検出する検出手段と、
前記検出手段により前記仕分け部材が検出されたことを受けて、一定速の低速移動状態の前記無端回転体を停止して待機させ、払い出し信号を受けた場合に、予め定めた第1期間、前記無端回転体を高速移動させた後、前記第1期間とは異なる第2期間、前記高速移動から速度変更し一定速で前記一対の輪体周囲に仕分け部材を低速移動させることで、前記無端回転体を半周ずつ間欠駆動させる駆動制御部と、
から構成されることを特徴とする仕分け装置。
【請求項3】
請求項2に記載の仕分け装置において、
前記2つの連結部材のそれぞれに設けられた仕分け部材のうち、前記搬送面の下方から突出する側の仕分け部材は、前記搬送ローラの軸方向に沿って上に位置する連結部材が前記搬送ローラの下方近傍を移動する際に、前記上に位置する連結部材が前記一対の輪体周囲を回動することで、前記搬送面に対して傾斜しながら該搬送面から退避するとともに、
前記仕分け部材が前記搬送面に対して退避を開始する前に、前記副搬送方向に払い出される搬送物における前記副搬送方向の先端部が、前記搬送ローラから下流側に設けられた下流側コンベヤに受け渡され駆動力を受けることを特徴とする仕分け装置。
【請求項4】
請求項2に記載の仕分け装置において、
前記2つの連結部材のそれぞれに設けられた仕分け部材のうち、前記搬送面の下方から突出する側の仕分け部材は、前記搬送ローラの軸方向に沿って上に位置する連結部材が前記搬送ローラの下方近傍を移動する際に、前記上に位置する連結部材が前記一対の輪体周囲を回動することで、前記搬送面に対して傾斜しながら該搬送面から退避するとともに、
前記搬送面の下方から突出する側の仕分け部材が搬送面から退避を完了する位置から、前記下流側コンベヤにおける最も上流となる回転体の頂点までの距離は、搬送される各種の前記搬送物のうちの副搬送方向の最小長さよりも小さく設定されることを特徴とする仕分け装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の仕分け装置において、
前記仕分け部材の先端が搬送面から突出する最大長は、搬送物の高さの1/10以上であることを特徴とする仕分け装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の仕分け装置において、
前記ローラコンベヤ部の搬送ローラの駆動機構は、
アクチュエータと、
前記アクチュエータの駆動により回転する主動プーリと、
前記主搬送方向における下流側に、前記主動プーリと所定の間隔を空けて配置される従動プーリと、
前記前記主動プーリ及び前記従動プーリにそれぞれ巻き掛けられる無端ベルトと、
前記無端ベルトが走行したときの該無端ベルトの弛みを防止するテンションプーリと、
前記無端ベルトを前記搬送ローラに向けて押圧し、走行される前記無端ベルトとの摺接により前記搬送ローラを回転させる押圧プーリと、
を備えていることを特徴とする仕分け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−215352(P2010−215352A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−63452(P2009−63452)
【出願日】平成21年3月16日(2009.3.16)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)
【Fターム(参考)】