説明

仕分け設備

【課題】本発明は、集品ラインの各列を独立してタクト送りでき、1つの集品容器の仕分け作業の遅れの影響を少なくでき、さらに各列の集品容器に同時に物品の仕分けができる仕分け設備を提供することを目的とする。
【解決手段】集品容器16の搬送経路を、それぞれ独立して集品容器16をタクト送り可能な3つの集品ライン17から構成し、タクト送りによる各集品ライン17の各集品容器16の停止位置にそれぞれ、停止位置の集品容器16への仕分けを表示するコンベヤ投入表示器48を設け、各ゾーンZ毎に、各店舗からの物品の注文データに基づいて、フローラック21の間口32の間口表示器37により各集品ライン17の集品容器16に仕分ける物品の情報を表示し、物品を仕分ける各集品ライン17の集品容器16を各集品ライン17のコンベヤ投入表示器48により同時に表示する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の仕分けを行う仕分け設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の仕分け設備において、一度のタクト送りで、多くの集品容器を移動させ、集品ラインの能力を改善できる仕分け設備の一例が、特許文献1に提案されている。
この特許文献1に開示されている仕分け設備は、物品収納用の複数の区画収納空間を有し、各区画収納空間毎にピッキング表示器を設けたピッキング棚を備え、仕分け先毎に物品を集品する集品容器を、ピッキング棚に沿って配置された集品ライン(ローラコンベヤ)によりタクト送りし、前記集品容器に、前記ピッキング表示器の表示にしたがって各区画収納空間から物品の仕分けを行う仕分け設備であって、前記集品ラインを、平行な2列の集品容器を同時に移動可能な構成とし、2列の各集品容器に対応した仕分け位置(タクト送りによる集品容器の停止位置)に、各集品容器への仕分けを指示する指示表示器を設けている。
【0003】
この構成によれば、2列の集品容器が同時に集品ラインによりタクト移動され、指示表示器によって仕分けが指示される2列の集品容器に対して、各区画収納空間から物品の仕分けが行われる。よって、一度のタクト移動で、多くの集品容器を移動させて仕分け作業を行うことができ、集品ラインの能力を改善させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−356209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の仕分け設備では、2列の各集品容器の全てへの仕分け作業が終了しないとタクト送りができないため、1つの集品容器への仕分け作業の遅れが全体に波及し、集品ラインの能力を改善できても、作業効率が低下する恐れがあった。
【0006】
そこで、本発明は、集品ラインの各列を独立してタクト送りでき、1つの集品容器の仕分け作業の遅れの影響を少なくでき、且つ各列の集品容器に物品の仕分けができる仕分け設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、物品収納用の複数の区画収納空間を有し、各区画収納空間毎に、仕分けする物品の情報を表示する仕分け表示手段を設けた仕分け棚を備え、前記仕分け棚に、仕分け作業を実行する複数のゾーンを設定し、前記仕分け棚に沿って、仕分け先が特定された集品容器を、前記ゾーン毎に搬送するタクト送りを行う搬送経路を備え、前記搬送経路により前記ゾーン毎に停止した前記各集品容器に、前記仕分け先の物品要求情報に応じて表示される前記仕分け表示手段の物品の情報にしたがって前記仕分け棚の各区画収納空間から物品の仕分けを行う仕分け設備であって、
前記搬送経路を、それぞれ独立して前記集品容器をタクト送り可能な複数の集品ラインから構成し、前記タクト送りによる各集品ラインの各集品容器の停止位置にそれぞれ、停止位置の集品容器への仕分けを表示する容器表示手段を設け、各ゾーン毎に、前記各仕分け先からの物品の要求情報に基づいて、前記区画収納空間の仕分け表示手段により各集品ラインの集品容器に仕分ける物品の情報を表示し、前記物品を仕分ける各集品ラインの集品容器を前記各集品ラインの容器表示手段により少なくとも一つ表示することを特徴とするものである。
【0008】
上記構成によれば、区画収納空間の仕分け表示手段により各集品ラインの集品容器に仕分ける物品の情報が表示されると、各集品ラインの容器表示手段により、物品を仕分ける各集品ラインの集品容器が少なくとも一つ表示される。よって、1つの区画収納空間から取り出した物品を、各集品ラインの集品容器に仕分けることができ、仕分け効率が改善される。また各集品ラインが独立して集品容器をタクト送りすることにより、1つの集品容器の仕分け作業の遅れが全体に与える影響を少なくできる。
【0009】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記複数の集品ラインのうち、前記仕分けを優先する集品ラインを優先集品ラインとして手動設定し、手動設定した優先集品ラインを表示する優先表示手段を設けたことを特徴とするものである。
【0010】
上記構成によれば、各集品ラインは独立してタクト送りされることにより、1つの集品ラインを優先して仕分けることが可能となる。優先集品ラインを設定したとき、この優先集品ラインは優先表示手段により表示される。
【0011】
また請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記複数の集品ラインのうち、各集品ラインを移動する集品容器へ仕分ける物品の数量が一番多い集品ラインを、前記仕分けを優先する優先集品ラインに設定することを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によれば、最も仕分け作業に時間がかかると判断される、仕分ける物品の数量が一番多い集品ラインが、優先集品ラインに設定され、この優先集品ラインの仕分けを優先することにより、全体の仕分け時間を短縮することが可能となる。
【0013】
また請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明であって、前記各ゾーンに、このゾーンでの仕分け作業が終了すると前記タクト送りを実行できる集品ラインを表示する遅れ表示手段を設けたことを特徴とするものである。
【0014】
上記構成によれば、このゾーンでの仕分け作業が終了するとタクト送りできる集品ラインがあると、遅れ表示手段にその集品ラインが表示される。よって、このゾーンにおけるこの集品ラインへの仕分けを優先させることにより、この集品ラインのタクト送りの遅れに迅速に対応できる。
【0015】
また請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の発明であって、予め設定された前記集品容器を投入する集品ラインに遅れが発生しているとき、前記集品容器を配送ルートまたは配送方面単位で、投入する集品ラインの設定を変更することを特徴とするものである。
【0016】
上記構成によれば、遅れが発生している集品ラインへの投入が設定されていた集品容器は、配送ルートまたは配送方面単位で別の集品ラインへの投入に変更され、投入して、さらに仕分けが遅れるという事態が回避される。
【0017】
また請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の発明であって、前記仕分け先への物品の集品に複数の集品容器が必要なとき、仕分け先に複数の集品容器を設定し、同じ仕分け先の集品容器を、同じ集品ラインに投入することを特徴とするものである。
【0018】
上記構成によれば、同じ集品ラインに、同じ仕分け先の集品容器が設定されることから、仕分け作業の終了後、同じ仕分け先へ配送する物品をまとめることが容易に、且つ間違えることなく実行される。
【0019】
また請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の発明であって、前記各集品ラインにおいて仕分け作業が終了した後に集品した物品が取り出されて空になった集品容器を集約し、前記複数の集品ラインの上流に戻す戻りラインを1ライン設けたことを特徴とするものである。
【0020】
上記構成によれば、1ラインの戻りラインが設けられ、仕分けが終了して空となった集品容器は、複数の集品ラインの上流に戻され、再び各集品ラインへ投入されて再使用される。
【0021】
また請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の発明であって、各ゾーン毎に、前記区画収納空間から各集品ラインへ同時に仕分ける物品が1個でも不足すると、この区画収納空間から各集品ラインへの物品の仕分けを中止し、区画収納空間から仕分ける物品を欠品とすることを特徴とするものである。
【0022】
上記構成によれば、全ての集品ラインの集品容器へ仕分ける物品の数量が不足したときに、この物品の仕分けが中止されることにより、1つの集品ラインの集品容器へは物品は仕分けているが、他の集品ラインの集品容器へは物品を仕分けていないという中途半端な仕分けが回避され、不足した物品を補充する際の混乱が回避される。
【0023】
また請求項9に記載の発明は、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の発明であって、前記複数の集品ラインに、作業性の良い順に順位を設定し、順位が良い集品ラインから、集品ラインに設定する前記仕分け先の割合を多く設定することを特徴とするものである。
【0024】
上記構成によれば、作業性の良い集品ラインの順に、仕分け先の割合が多く設定され、すなわち各ゾーンにタクト送りで停止する集品容器の数が多くされる。例えば、1タクトで、作業者に近い作業性の良い集品ラインには6個、次に近い集品ラインには4個、その次に近い集品ラインには3個が、搬送される。
【0025】
また請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の発明であって、前記各集品ラインには、各集品ラインの先頭から前記集品容器を仕分け先への配送順に設定することを特徴とするものである。
【0026】
上記構成によれば、各集品ラインの先頭から順に仕分け先への配送順に集品容器が設定され、仕分けが終了した集品容器から順に、配送先へ配送することが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の仕分け設備は、区画収納空間の仕分け表示手段により各集品ラインの集品容器に仕分ける物品の情報が表示されると、物品を仕分ける各集品ラインの集品容器が各集品ラインの容器表示手段により表示されることにより、1つの区画収納空間から取り出した物品を、各集品ラインの集品容器に仕分けることができ、よって仕分け効率を改善でき、また各集品ラインが独立してタクト送りされることにより、1つの集品容器の仕分け作業の遅れが全体に与える影響を少なくできる、という効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態における仕分け設備の全体構成図である。
【図2】同仕分け設備のピッキングエリアの側面構成図である。
【図3】同仕分け設備のピッキングエリアの要部平面構成図である。
【図4】同仕分け設備の制御構成図である。
【図5】同仕分け設備の統括コンピュータで形成される仕分けデータを示す図である。
【図6】同仕分け設備の容器投入コントローラで形成される投入データを示す図である。
【図7】同仕分け設備のピッキングコントローラで形成されるピッキングデータを示す図である。
【図8】同仕分け設備のピッキングコントローラで形成されるステップデータの説明図である。
【図9】同仕分け設備のピッキングコントローラにおけるステップデータの作成手順を示すフローチャートである。
【図10】同仕分け設備のピッキングエリアにおいて、基本ステップデータに基づいて間口表示器とコンベヤ投入表示器のランプが順に点灯されることを説明する動作説明図である。
【図11】同仕分け設備のピッキングエリアにおいて、優先ステップデータに基づいて間口表示器とコンベヤ投入表示器のランプが順に点灯されることを説明する動作説明図である。
【図12】同仕分け設備のピッキングエリアにおいて、優先ステップデータに基づいて間口表示器とコンベヤ投入表示器のランプが順に点灯されることを説明する動作説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態における仕分け設備の全体構成図であり、仕分け設備10は、集品容器投入エリア11と、ピッキングエリア12と、梱包エリア13と、出荷エリア14から構成されている。そして、これら集品容器投入エリア11、ピッキングエリア12、梱包エリア13、および出荷エリア14と順に、仕分け先が特定された複数の集品容器16を、それぞれ独立してタクト送りする3本(複数の一例)の集品ライン17が備えられ、また梱包エリア13から集品容器投入エリア11へ、空きとなった集品容器16を戻す戻りライン18が1ライン備えられている。上記各集品ライン17は、集品容器16の搬送経路を形成しており、また各集品ライン17と戻りライン18は、例えば、集品容器16を移動可能なローラ駆動のコンベヤから形成されている。
[ピッキングエリア12]
ピッキングエリア12には、集品ライン17に沿ってフローラック(流動棚;仕分け棚の一例)21と優先表示器(優先表示手段の一例)22が備えられ、フローラック21、およびピッキングエリア12内の集品ライン17は、仕分け作業を実行する複数のゾーンZ(1)〜(n)(nは2以上の整数)に分けられている。
【0030】
また各集品ライン17は、ゾーンZ毎に、グループ化された複数(実施の形態では6個)の集品容器16を、独立してタクト毎に下流のゾーンZへ搬送可能な構成とされている。今、3本の集品ライン17をフローラック21に近いほうから、図2および図3に示すように、第1集品ライン17A、第2集品ライン17B、第3集品ライン17Cとし、第1集品ライン17Aを特徴とする色として赤色(R)が割り当てられ、第2集品ライン17Bを特徴とする色として緑色(G)が割り当てられ、第3集品ライン17Cを特徴とする色として黄色(Y)が割り当てられている。
【0031】
「フローラック21」
フローラック21は、図2および図3に示すように、4個(複数の一例)の入荷用容器31を連続して格納可能な間口(区画収納空間の一例)32を、1つのゾーンZ毎に4段6列(計24個)設けて構成されている。そして、各間口32にはそれぞれ、品名で特定される1種類の物品33がそれぞれ割り当てられ、この物品33の割り当ては、後述するピッキングコントローラ34(図4)に登録されている。
【0032】
また各間口32にはそれぞれ、間口表示器(仕分け表示手段の一例)37が設けられ、またゾーンZ毎に、遅れ表示器(遅れ表示手段の一例)38が設けられている。
前記間口表示器37は、各集品ライン17A,17B,17Cにそれぞれ対応した3台のピッキング表示器41A,41B,41Cから構成され、各ピッキング表示器41(41A,41B,41C)は、ピッキングする物品33の数量が表示される3桁のディジタル数量表示器42(表示手段)と、ピッキング作業完了時に操作するランプ付きの完了押釦スイッチ43(完了操作手段)と、欠品時に完了押釦スイッチ33とともに操作する欠品押釦スイッチ(欠品操作手段)44から構成されている。また完了押釦スイッチ43のランプの色は、各集品ライン17A,17B,17Cに割り当てられた色に合わせて、ピッキング表示器41Aは赤色(R)、ピッキング表示器41Bは緑色(G)、ピッキング表示器41Cは黄色(Y)としている。
【0033】
また前記遅れ表示器38は、このゾーンZでの仕分け作業が終了するとタクト送りを実行できる集品ライン17を表示する表示器であり、各集品ライン17A,17B,17Cにそれぞれ対応した、赤色(R)ランプ46A、緑色(G)ランプ46B、および黄色(Y)ランプ46Cから構成されている。
【0034】
「ピッキングエリア12内の集品ライン17」
タクト送りによる各集品ライン17A,17B,17Cの各集品容器16の停止位置にはそれぞれ、停止位置の集品容器16への仕分けを指示(表示)するコンベヤ投入表示器(容器表示手段の一例)48が設けられている。
【0035】
前記コンベヤ投入表示器48は、ランプ付きの押釦スイッチであり、ピッキング作業を実行する仕分け位置の集品容器16を指示(表示)するものであり、ランプの点灯で、物品33を投入する集品容器16を指示し、スイッチの操作により消灯する。ランプの色は、各集品ライン17A,17B,17Cに割り当てられた色に合わせて、第1集品ライン17Aは赤色(R)、第2集品ライン17Bは緑色(G)、第3集品ライン17Cは黄色(Y)としている。また図3に示すように、上流から順に、各集品ライン17のコンベヤ投入表示器48のランプを、(R1),(R2),(R3),(R4),(R5),(R6)、(G1),(G2),(G3),(G4),(G5),(G6)、(Y1),(Y2),(Y3),(Y4),(Y5),(Y6)とする。
【0036】
「優先表示器22」
上記優先表示器22は、集品ライン17A,17B,17Cのうち、仕分けを優先する集品ラインを優先集品ラインとして設定したとき、設定した優先集品ラインを表示する優先表示手段であり、図2に示すように、タワータイプの表示灯から構成され、下から各集品ライン17A,17B,17Cにそれぞれ対応する、赤色(R)ランプ51A、緑色(G)ランプ51B、黄色(Y)ランプ51Cが設けられている。
[集品容器投入エリア11]
集品容器投入エリア11は、各集品ライン17A,17B,17Cに対して集品容器16を投入するエリアであり、また集品容器16は折り畳み可能なコンテナで形成され、図1に示すように、組み立てられた後、それぞれ物品33を収納するビニール袋53が被されて各集品ライン17A,17B,17Cに投入される。
【0037】
集品容器16は、たとえば3個(複数個の一例)で、1つの店舗(仕分け先の一例)に対応しており、下流の2個を子箱16B、最も上流の1個を親箱16Aと称している。また各ビニール袋53には、それぞれの店舗とその売り場を特定するバーコードが印刷されたラベル54が取り付けられる。この1つの店舗に対応する3個の集品容器16は、1つの集品ライン17へ連続して投入され、別の集品ライン17へ投入されないようにしている。
【0038】
また集品容器投入エリア11には、図4に示すように、前記ラベル54を発行するラベルプリンタ55と、集品容器投入エリア11の作業者に対して各集品ライン17A,17B,17Cへそれぞれ投入する集品容器16を店舗および売り場名で指示・表示するディスプレイ56が備えられ、さらに折り畳み可能なコンテナを実際に組み立てる組立機やビニール袋53を被せる袋掛機(いずれも図示せず)などが備えられる。
[梱包エリア13]
各集品ライン17A,17B,17Cによりピッキング作業が終了した集品容器16が搬送されてくると、子箱16Bの物品33を、親箱16Aへ集約するエリアである。すなわち、図1に示すように、この梱包エリア13の作業者により、親箱16Aのビニール袋53のラベル54は、親箱16Aへ貼り付けられ、続いて親箱16Aのビニール袋53は梱包され、各子箱16Bのビニール袋53はラベル54が見えるように梱包され、親箱16Aへ収納され、親箱16Aは出荷エリア14へ搬送される。空きとなった子箱16Bは戻りライン18へ投入され、集品容器投入エリア11へ搬送され、集品容器16として再使用される。
【0039】
前記戻りライン18は、梱包エリア13において各集品ライン17A,17B,17Cにおいて仕分け作業が終了した後に集品した物品が取り出され、空になった集品容器16を集約し、集品容器投入エリア11(集品ライン17の上流)に戻すためのラインである。
[出荷エリア14]
各集品ライン17A,17B,17Cにより搬送されてきた集品容器16(親箱16A)を配送ルート別または配送方面別等にかご車などに段積みし、配送トラックへ積み込むエリアである。例えば、コンテナ段積機が備えられる。
[制御構成]
仕分け設備10の制御手段として、図4に示すように、統括コンピュータ60と、容器搬入コントローラ61と、前記ピッキングコントローラ34が備えられている。
【0040】
「統括コンピュータ60」
統括コンピュータ60には、容器搬入コントローラ61と、ピッキングコントローラ34と、第1集品ライン17Aと、第2集品ライン17Bと、第3集品ライン17Cが接続され、各店舗に割り当てる集品容器16を、各集品ライン17A,17B,17Cのどのラインに、どの順番へ投入するかが店舗への配送順により予め設定され、また注文対象の物品33がそれぞれ、どのゾーンZの間口32に格納されているかが予め設定されている。
【0041】
統括コンピュータ60は、次の機能を有している。
(イ).各店舗から注文データ{物品を特定する情報(例えば、物品名、物品コード等)と数量からなる複数のデータ}を受け付けると、図5に示す、全体の仕分けデータを形成する。
【0042】
図5に示すように、店舗名(店舗を特定する情報の一例)で特定される各店舗毎で且つ店舗内の3つの売り場毎、すなわち各売り場に割り当てられる集品容器16(親箱16Aが1個と子箱16Bが2個)毎に、注文された物品33毎、すなわち物品33が格納されているゾーンZの間口32毎に、注文された数量が設定されている。
【0043】
また投入順は、第1集品ライン17AをAラインとして順にA1,A2,A3…と設定され、第2集品ライン17BをBラインとして順にB1,B2,B3…と設定され、第3集品ライン17CをCラインとして順にC1,C2,C3…と設定されている。例えば、Aラインには、店舗S1の売り場(1)の集品容器16(子箱16B)が1番目に投入され、店舗S1の売り場(2)の集品容器16(子箱16B)が2番目に投入され、店舗S1の売り場(3)の集品容器16(親箱16A)が3番目に投入され、続いて店舗S4の売り場(1)の集品容器16(子箱16B)が4番目に投入され、店舗S4の売り場(2)の集品容器16(子箱16B)が5番目に投入され、店舗S4の売り場(3)の集品容器16(親箱16A)が6番目に投入されることが示されている。
【0044】
(ロ).形成した全体の仕分けデータを、容器搬入コントローラ61と、ピッキングコントローラ34へ出力する。
(ハ).ピッキングコントローラ34から、後述する第1集品ライン17AのタクトOK信号を入力すると、第1集品ライン17Aをタクト送りして集品容器16を下流のゾーンZへ送り、第2集品ライン17BのタクトOK信号を入力すると、第2集品ライン17Bをタクト送りして集品容器16を下流のゾーンZへ送り、また第3集品ライン17CのタクトOK信号を入力すると、第3集品ライン17Cをタクト送りして集品容器16を下流のゾーンZへ送る。またタクト送りした集品ライン17のデータ(以下、タクトデータと称す。)をピッキングコントローラ34へ出力する。
【0045】
(ニ).全体の仕分けデータの形成により、各集品ライン17A,17B,17Cを移動する集品容器16へ仕分ける物品33の総数量が一つの集品ライン17に集中していると判断したとき、この集品ライン17(仕分ける物品33の総数量が一番多い集品ライン17)への仕分けを優先する優先集品ライン17に自動的に設定し、または各集品ライン17A,17B,17Cのうちの1つを優先して仕分け作業を実行するよう外部指示信号が入力されると、この集品ライン17を同じく優先集品ライン17として手動にて設定し、“優先データ”(優先する集品ライン17のナンバーを含む)を形成し、ピッキングコントローラ34へ出力する。
【0046】
「容器搬入コントローラ61」
容器搬入コントローラ61は、集品容器投入エリア11の制御用のコントローラであり、図4に示すように、統括コンピュータ60と、ディスプレイ56と、ラベルプリンタ55が接続されている。
【0047】
容器搬入コントローラ61は次の機能を有している。
全体の仕分けデータを統括コンピュータ60から入力すると、図6に示す、投入データ(画像表示およびラベルプリントデータ)を形成し、すなわち、全体の仕分けデータから、各集品ライン17A,17B,17C毎に集品容器16を投入する順に、店舗名(売り場ナンバーを含む)を並べ、続いてこの画像表示およびラベルプリントデータをディスプレイ56とラベルプリンタ55へ出力する。
【0048】
ラベルプリンタ55は、画像表示およびラベルプリントデータを入力すると、各集品ライン17A,17B,17C毎に、投入順に、店舗名(売り場ナンバーを含む)が印刷されたラベルを発行し、ディスプレイ56は、画像表示およびラベルプリントデータを入力すると、投入データ(図6に示すデータ)を表示する。これにより、集品容器投入エリア11の作業者は、ディスプレイ56の表示にしたがってビニール袋53に、ラベルプリンタ55により発行されたラベル54を貼り付け、各集品ライン17A,17B,17Cに順に投入する。各集品ライン17A,17B,17Cでは、6個の集品容器16によりグループが形成され、各ゾーンZの停止位置に対応するように間隔が設けられ、タクト搬送される。
【0049】
「ピッキングコントローラ34」
ピッキングコントローラ34は、ピッキングエリア12の制御用のコントローラであり、図4に示すように、統括コンピュータ60と、優先表示器22と、各ゾーンZ毎の間口表示器37、コンベヤ表示器48、および遅れ表示器38が接続されている。
【0050】
ピッキングコントローラ34は次の機能を有している。
(イ).全体の仕分けデータを統括コンピュータ60から入力すると、図7に示す、各ゾーンZの各間口32毎のピッキングデータを形成する。
【0051】
すなわち、ゾーンZにタクト送りされてくる、3つの集品ライン17の6個の集品容器16(計18個の集品容器16)毎(以下、各集品ライン毎タクト群と称す。)に、各集品容器16に投入する数量を特定している。また各タクト群では、コンベヤ投入表示器48のランプ(R1),(R2),(R3),(R4),(R5),(R6)、(G1),(G2),(G3),(G4),(G5),(G6)、(Y1),(Y2),(Y3),(Y4),(Y5),(Y6)毎に、物品33の数量を特定している。
【0052】
各集品ライン17A,17B,17Cには、投入順に集品容器16が搬送されてくるので、6個単位で、投入する数量を特定できる。例えば、ゾーン(1)の間口(1)において、集品ライン17Aに1番目に搬送されてくる集品容器16(A1)はランプ(R6)位置に停止され、図5に示すデータから、2個の物品33が特定され、また集品ライン17Bに1番目に搬送されてくる集品容器16(B1)はランプ(G6)位置に停止され、図5に示すデータから、5個の物品33が特定される。
【0053】
(ロ).各間口32のピッキングデータが形成されると、上記タクトデータが入力される毎に、図8に示すように、ゾーンZ毎に、No.1の間口32からNo.24の間口32まで順に、間口表示器37に表示し、且つコンベヤ投入表示器48を同時に点灯するステップデータを形成する。
【0054】
・基本的には、次のような基本ステップデータを形成する。
すなわち、ステップデータとして、各間口32において、第1集品ライン17Aへのピッキングデータを基本して、同時に仕分け作業を実行する、(R)第1集品ライン17Aと(G)第2集品ライン17Bと(Y)第3集品ライン17Cの集品容器16のデータを形成する。例えば、図8(a)に示すように、第1タクト群のピッキングデータから、
1番目のデータ;(R1)へ2個、(G2)へ2個、(Y1)へ1個、
2番目のデータ;(R2)へ1個、(G3)へ1個、(Y2)へ1個、
3番目のデータ;(R6)へ2個、(G4)へ1個、(Y4)へ1個、
4番目のデータ; (G6)へ5個、(Y5)へ1個、
5番目のデータ; (Y6)へ1個、
を形成する。
【0055】
・また一つの集品ライン17を優先して仕分け作業を実行する必要があるとき、この集品ライン17の集品が先行して終了するように、次のように優先ステップデータを形成する。
【0056】
ステップデータとして、例えば、第1集品ライン17Aが遅れているとき、(R)第1集品ライン17Aの集品容器16のみへのデータを最初に設定し、その後、(G)第2集品ライン17Bと(Y)第3集品ライン17Cの集品容器16のデータを形成する。例えば、図8(b)に示すように、
1番目のデータ;(R1)へ2個、
2番目のデータ;(R2)へ1個、
3番目のデータ;(R6)へ2個、
4番目のデータ; (G2)へ2個、(Y1)へ1個、
5番目のデータ; (G3)へ1個、(Y2)へ1個、
6番目のデータ; (G4)へ1個、(Y4)へ1個、
7番目のデータ; (G6)へ5個、(Y5)へ1個、
8番目のデータ; (Y6)へ1個、
を形成する。
【0057】
上記ステップデータの形成の手順を、図9に示すフローチャートにしたがって説明する。
まず、上記タクトデータの入力を確認すると(ステップ−1)、このタクトデータにより第1集品ライン17Aか、第2集品ライン17Bか、第3集品ライン17Cのいずれかがタクト送りされたかどうかを確認し、このゾーンZに位置する各集品ライン17A,17B,17Cの集品ライン毎タクト群(群ナンバー)を特定する(ステップ−2)。
【0058】
続いて上記“優先データ”を入力しているかどうかを確認し(ステップ−3)、確認すると、または後述する“遅れタクトデータ”(集品ライン17のナンバーを含む)を確認し(ステップ−4)、確認すると、これらデータに含まれるナンバーの集品ライン17の集品容器16への仕分けを優先する上記優先ステップデータを形成する(ステップ−5)。
【0059】
また集品ライン毎タクト群(群ナンバー)で仕分け作業が遅れている、すなわち群ナンバーが小さい集品ライン毎タクト群が存在するかどうかを確認し(ステップ−6)、確認すると、ステップ−5において、遅れている群ナンバーが小さい集品ライン毎タクト群の集品容器16への仕分けを優先する上記優先ステップデータを形成する。
【0060】
またステップ−6において、群ナンバーが小さい集品ライン毎タクト群が存在しないとき、上記基本ステップデータを作成する(ステップ−7)。
上記手順により、仕分け作業の状況に応じて、ステップデータが形成される。
【0061】
(ハ).ステップデータが作成されると、各ゾーンZ毎に、ステップデータに基づいてピッキング制御を実行する。
すなわちステップデータに基づいて、ゾーンZの間口32の間口表示器37の3つのピッキング表示器41A,41B,41Cと、コンベヤ投入表示器48を制御する。
・通常ピッキング(“優先データ”、“遅れタクトデータ”が無いとき)
基本ステップデータ、または遅れたタクト群有りで作成された優先ステップデータに基づいて、図10に実線の矢印で示すように、各間口32の順にピッキング制御を実行する。
【0062】
例えば、図11(a)に示すように、間口(1)において、図8(a)に示す1番目のデータに基づいて、ピッキング表示器41Aのディジタル数量表示器42に2個を表示し、完了押釦スイッチ43の(R)ランプを点灯し、またピッキング表示器41Bのディジタル数量表示器42に2個を表示し、完了押釦スイッチ43の(G)ランプを点灯し,またピッキング表示器41Cのディジタル数量表示器42に1個を表示し、完了押釦スイッチ43の(Y)ランプを点灯し、集品ライン17側では、(R1)のコンベヤ投入表示器48を点灯し、(G2)のコンベヤ投入表示器48を点灯し、(Y1)のコンベヤ投入表示器48を点灯する。
【0063】
これにより、各ゾーンZのピッキング作業者は、間口表示器37の表示にしたがって、間口32の入荷用容器31から物品33を合計5個(=2+2+1個)を取り出し、各完了押釦スイッチ43を押し、(R1)のコンベヤ投入表示器48に対応して位置する集品容器16へ2個投入し、このコンベヤ投入表示器48を押し操作し、(G2)のコンベヤ投入表示器48に対応して位置する集品容器16へ2個投入し、このコンベヤ投入表示器48を押し操作し、(Y1)のコンベヤ投入表示器48に対応して位置する集品容器16へ1個投入し、このコンベヤ投入表示器48を押し操作する。
【0064】
各完了押釦スイッチ43の押し操作により、間口32からの物品33の取り出しを確認し、コンベヤ投入表示器48の押し操作により集品容器16への物品33の投入を確認すると、続いて次のステップデータによるピッキング制御を実行する。
【0065】
例えば、図11(b)に示すように、第2番目のデータに基づいて、間口表示器37の3つのピッキング表示器41A,41B,41Cと、コンベヤ投入表示器48を制御し、終了すると、図11(c)に示すように、第3番目のデータに基づいて、間口表示器37の3つのピッキング表示器41A,41B,41Cと、コンベヤ投入表示器48を制御し、終了すると、図11(d)に示すように、第4番目のデータに基づいて、間口表示器37の2つのピッキング表示器41B,41Cと、コンベヤ投入表示器48を制御し、終了すると、図11(e)に示すように、第5番目のデータに基づいて、間口表示器37の1つのピッキング表示器41Cと、コンベヤ投入表示器48を制御する。このように間口(1)でのピッキングが終了すると、間口(2)のピッキングを実行し、順に間口(24)までのピッキング制御を実行する。
【0066】
そして、間口(24)におけるステップデータで、第1集品ライン17Aの集品容器16への物品33の投入が終了すると、このゾーンZの第1集品ライン17AのタクトOK信号を形成し、また第2集品ライン17Bの集品容器16への物品33の投入が終了すると、このゾーンZの第2集品ライン17BのタクトOK信号を形成し、また第3集品ライン17Cの集品容器16への物品33の投入が終了すると、このゾーンZの第3集品ライン17CのタクトOK信号を形成する。
・“優先データ”または“遅れタクトデータ”が有るときのピッキング
“優先データ”または“遅れタクトデータ”有りにより作成された優先ステップデータに基づいて、図10に破線の矢印で示すように、優先する集品ライン17の集品容器16への集品を先行するピッキング制御を実行する。
【0067】
例えば、間口(1)では、図8(b)に示す第1番目〜第3番目のデータのみを、図12(a)〜(c)に示すように、間口表示器37のピッキング表示器41Aとコンベヤ投入表示器48への表示により実行し、すなわち第1集品ライン17Aの集品容器16のみへの仕分けを実行し、終了すると間口(2)において第1集品ライン17Aの集品容器16のみへの仕分けを実行し、このように間口(24)まで第1集品ライン17Aの集品容器16のみへの仕分けを実行し、実行後、このゾーンZの第1集品ライン17AのタクトOK信号を形成する。
【0068】
これにより、優先集品ライン17への集品、または“遅れタクトデータ”が発生している集品ライン17への集品が優先して実施され、タクト送りが可能となる。
続いて、残りのステップデータを実行する。例えば、間口(1)では、図8(b)に示す第4番目〜第8番目のデータを、図12(d)〜(h)に示す間口表示器37のピッキング表示器41B,41Cとコンベヤ投入表示器48への表示により実行し、すなわち第2集品ライン17Bの集品容器16と、第3集品ライン17Cの集品容器16への仕分けを実行する。
【0069】
これらのピッキング終了により、遅れて、このゾーンZの第2集品ライン17BのタクトOK信号と第3集品ライン17CのタクトOK信号を形成する。
なお、ピッキング作業者は、間口表示器37の表示にしたがって、間口32の入荷用容器31から物品33を取り出すとき、合計した個数の物品33が不足すると、欠品として、各集品ライン17の集品容器16への仕分けを全て停止して、完了押釦スイッチ43とともに欠品押釦スイッチ44を操作する。すると、ピッキングコントローラ34は、この間口32からのステップデータにより仕分けを中止し、残ったステップデータによる仕分ける集品容器16には欠品があることを示す欠品データ(間口32に格納されている物品33のデータと数量を含む)を形成し、ピッキング作業が終了したと見なし、タクト送りを可能とする。
【0070】
(ニ).各ゾーンZの第1集品ライン17AのタクトOK信号、第2集品ライン17BのタクトOK信号、第3集品ライン17CのタクトOK信号を確認する。そして、第1集品ライン17AのタクトOK信号が全て揃うと、統括コントローラ60へ第1集品ライン17AのタクトOK信号を出力し、また第2集品ライン17BのタクトOK信号が全て揃うと、統括コントローラ60へ第2集品ライン17BのタクトOK信号を出力し、また第3集品ライン17CのタクトOK信号が全て揃うと、統括コントローラ60へ第3集品ライン17CのタクトOK信号を出力する。
【0071】
また残り1つのゾーンZのみがタクトOK信号が形成されていないと、このゾーンZの遅れ表示器38に、タクトOK信号が形成されていない集品ライン17に対応する(R)ランプ46Aまたは(G)ランプ46Bまたは(Y)のランプランプ46Cを点灯し、上記“遅れタクトデータ”を形成する。これにより、上記優先ステップデータが形成され、遅れている集品ライン17への仕分け作業が優先して実行される。
【0072】
(ホ).統括コンピュータ60から“優先データ”を入力すると、優先表示器22の“優先データ”に対応するランプ、すなわち第1集品ライン17Aが優先のときは(R)ランプ51A、第2集品ライン17Bが優先のときは(G)ランプ51B、第3集品ライン17Cが優先のときは(Y)ランプ51Cを点灯する。また上述したように、“優先データ”に応じて優先ステップデータが形成され、優先集品ライン17への仕分け作業が優先して実行される。
【0073】
上記構成により各エリア11〜14において作業者は次の動作を実行する。
[集品容器投入エリア11]
組み立てられた集品容器16または戻りライン18により戻ってきた集品容器16に、ビニール袋53が被せられると、集品容器投入エリア11の作業者は、ディスプレイ56の表示にしたがってビニール袋53にラベル54を貼り付け、各集品ライン17A,17B,17Cに投入する。
[ピッキングエリア12]
各ゾーンZにおいて、作業者は、上記ピッキング作業を実行する。各集品ライン17A,17B,17Cはそれぞれ独立して集品容器16をタクト移動させる。
[梱包エリア13]
各集品ライン17A,17B,17Cによりピッキング作業が終了した集品容器16が搬送されてくると、梱包エリア13の作業者は、親箱16Aのビニール袋53のラベル54を、親箱16Aへ貼り付け、続いて親箱16Aのビニール袋53を梱包し、各子箱16Bのビニール袋53をラベル54が見えるように梱包し、親箱16Aへ収納する。親箱16Aは出荷エリア14へとそのまま移動される。空きとなった子箱16Bは戻りライン18へ投入する。空きとなった子箱16Bは、集品容器投入エリア11へ搬送され、集品容器16として再使用される。
[出荷エリア14]
各集品ライン17A,17B,17Cにより搬送されてきた集品容器16(親箱16A)は、コンテナ段積機等により配送ルート別または配送方面別等にかご車などに段積みされ、出荷エリア14の作業者により、搬送されて配送トラックへ積み込まれる。
【0074】
以上のように本実施の形態によれば、間口32の間口表示器37により各集品ライン17A,17B,17Cの集品容器16に仕分ける物品33の情報が表示されると、物品33を仕分ける各集品ライン17A,17B,17Cの集品容器16が各集品ライン17A,17B,17Cのコンベヤ投入表示器48が同時に表示されることにより、1つの間口32から取り出した物品33を、各集品ライン17A,17B,17Cの集品容器16に同時に仕分けることができ、仕分け効率を改善することができる。また各集品ライン17A,17B,17Cが独立して集品容器16をタクト送りすることにより、1つの集品容器16の仕分け遅れが全体に与える影響を少なくできる。なお、各集品ライン17A,17B,17Cのコンベヤ投入表示器48が同時に表示される場合について説明したが、例えば集品ライン17Aまたは17Bまたは17Cに物品33を投入すべき集品容器16がない場合には、表示されるコンベヤ投入表示器48も1つまたは2つとなる。
【0075】
また本実施の形態によれば、各集品ライン17A,17B,17Cは独立してタクト送りされることにより、1つの集品ライン17を優先して仕分けることができる。また優先集品ラインを設定したとき、この優先集品ラインが優先表示器22により表示されることにより、優先集品ラインをピッキング作業者に周知させることができる。
【0076】
また本実施の形態によれば、最も仕分け作業に時間がかかると判断される物品33の総数量が一番多い集品ラインが、優先集品ラインに設定され、“優先データ”が形成され、この優先集品ラインの仕分け作業が優先されることにより、全体の仕分け時間を短縮することができる。
【0077】
また本実施の形態によれば、1つのゾーンZでの仕分け作業が終了するとタクト送りできる集品ライン17があると、前記ゾーンZの遅れ表示器38にその集品ライン17が表示され、この集品ライン17への仕分けが優先されることにより、この集品ライン17のタクト送りの遅れに迅速に対応することができる。
【0078】
また本実施の形態によれば、同じ集品ライン17に、同じ店舗の集品容器16が設定され投入されることから、ピッキング作業後、梱包エリア13において同じ店舗へ配送する物品33をまとめることを容易に、且つ間違えることなく実行できる。
【0079】
また本実施の形態によれば、1ラインの戻りライン18が設けられ、仕分けが終了して空となった集品容器16は、集品容器投入エリア11(集品ライン17の上流)に戻されることにより、再び各集品ライン17へ投入して再使用することができる。
【0080】
また本実施の形態によれば、全ての集品ライン17の集品容器16へ仕分ける物品33の数量が不足したときに、物品33の仕分けが中止されることにより、1つの集品ライン17の集品容器16へは物品は仕分けているが、他の集品ライン17の集品容器16へは物品33を仕分けていないという中途半端な仕分けを回避でき、不足した物品33を補充する際の混乱を回避することができる。
【0081】
また本実施の形態によれば、各集品ライン17の先頭から順に店舗への配送順に集品容器16が設定されていることにより、仕分けが終了した集品容器16から順に、配送先へ配送することができる。
【0082】
なお、本実施の形態では、遅れが発生した集品ライン17に対して、“遅れタクトデータ”が形成されてその遅れを取り戻しているが、集品容器投入エリア11から集品容器16を投入するとき、遅れが発生した集品ライン17への投入を中止し、集品容器16を配送ルートまたは配送方面単位で、投入する集品ライン17の設定を変更することも可能である。この構成によれば、遅れが発生している集品ライン17への投入が設定されていた集品容器16は、配送ルートまたは配送方面単位で別の集品ライン17への投入に変更され、投入して、さらに仕分けに遅れが生じるという事態を回避できる。このとき、上記全体の仕分けデータ、投入データ、ピッキングデータ、ステップデータが変更される。
【0083】
また本実施の形態では、各集品ライン17にはゾーンZ単位で、6個ずつ集品容器16を投入しているが、各集品ライン17に、作業性の良い順に順位を設定し、順位が良い集品ライン17から、集品ライン17に設定する集品容器16の個数を多く設定することもできる。例えば、作業性の良い集品ライン17の順に、各ゾーンZにタクト送りで移動する集品容器16の数が多くされるように、ピッキング作業者に近い作業性の良い集品ライン17には6個、次に近い集品ライン17には4個、その次に近い集品ラインには3個とする。この構成によれば、ピッキング作業者の仕分け作業の作業性が改善され、仕分け設備全体の仕分け効率の改善を期待できる。なお、上述したように、集品容器16の数を1ゾーン6個や4個のように変更する方式の他に、作業性の良い集品ライン17Aについては1ゾーン6個の単位は同じとして(つまり、10割)、他の集品ライン17B,17Cについては処理量の割合を6割や3割などに変更する方式も採用することができる。
【0084】
また本実施の形態では、物品33の格納手段としてフローラック21を使用しているが、作業者により、出口(集品ライン17側)の空となった入荷用容器31を取り出すとき、間口32の複数の入荷用容器31を出口(集品ライン17側)へ移動させることができる棚であればよい。
【0085】
また本実施の形態では、フローラック21の各間口に格納されるものとして入荷用容器31を使用しているが、「容器」に限ることはなく、「パレット」(入荷用パレット)であってもよく、またピッキングされた物品が投入されるものとして集品容器16を使用しているが、「容器」に限ることはなく、「パレットのようなもの」(集品パレット)であってもよい。
【0086】
また本実施の形態では、フローラック21の各間口32へ入荷用容器31を補充する手段について記載していないが、スタッカークレーン、天井台車等を設置し、間口32へ入荷用容器31を自動補充できる手段を備えることもできる。
【符号の説明】
【0087】
Z ゾーン
10 仕分け設備
11 集品容器投入エリア
12 ピッキングエリア
13 梱包エリア
16 集品容器
16A 親箱
16B 子箱
17 集品ライン
17A 第1集品ライン
17B 第2集品ライン
17C 第3集品ライン
18 戻りライン
21 フローラック
22 優先表示器
31 入荷用容器
32 間口
33 物品
34 ピッキングコントローラ
37 間口表示器
38 遅れ表示器
41A,41B,41C ピッキング表示器
48 コンベヤ投入表示器
53 ビニール袋
54 ラベル
56 ディスプレイ
60 統括コンピュータ
61 容器投入コントローラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品収納用の複数の区画収納空間を有し、各区画収納空間毎に、仕分けする物品の情報を表示する仕分け表示手段を設けた仕分け棚を備え、
前記仕分け棚に、仕分け作業を実行する複数のゾーンを設定し、前記仕分け棚に沿って、仕分け先が特定された集品容器を、前記ゾーン毎に搬送するタクト送りを行う搬送経路を備え、
前記搬送経路により前記ゾーン毎に停止した前記各集品容器に、前記仕分け先の物品要求情報に応じて表示される前記仕分け表示手段の物品の情報にしたがって前記仕分け棚の各区画収納空間から物品の仕分けを行う仕分け設備であって、
前記搬送経路を、それぞれ独立して前記集品容器をタクト送り可能な複数の集品ラインから構成し、
前記タクト送りによる各集品ラインの各集品容器の停止位置にそれぞれ、停止位置の集品容器への仕分けを表示する容器表示手段を設け、
各ゾーン毎に、前記各仕分け先からの物品の要求情報に基づいて、前記区画収納空間の仕分け表示手段により各集品ラインの集品容器に仕分ける物品の情報を表示し、前記物品を仕分ける各集品ラインの集品容器を前記各集品ラインの容器表示手段により少なくとも一つ表示すること
を特徴とする仕分け設備。
【請求項2】
前記複数の集品ラインのうち、前記仕分けを優先する集品ラインを優先集品ラインとして手動設定し、手動設定した優先集品ラインを表示する優先表示手段を設けたこと
を特徴とする請求項1に記載の仕分け設備。
【請求項3】
前記複数の集品ラインのうち、各集品ラインを移動する集品容器へ仕分ける物品の数量が一番多い集品ラインを、前記仕分けを優先する優先集品ラインに設定すること
を特徴とする請求項1に記載の仕分け設備。
【請求項4】
前記各ゾーンに、このゾーンでの仕分け作業が終了すると前記タクト送りを実行できる集品ラインを表示する遅れ表示手段を設けたこと
を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項5】
予め設定された前記集品容器を投入する集品ラインに遅れが発生しているとき、前記集品容器を配送ルートまたは配送方面単位で、投入する集品ラインの設定を変更すること
を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項6】
前記仕分け先への物品の集品に複数の集品容器が必要なとき、仕分け先に複数の集品容器を設定し、同じ仕分け先の集品容器を、同じ集品ラインに投入すること
を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項7】
前記各集品ラインにおいて仕分け作業が終了した後に集品した物品が取り出されて空になった集品容器を集約し、前記複数の集品ラインの上流に戻す戻りラインを1ライン設けたこと
を特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項8】
各ゾーン毎に、前記区画収納空間から各集品ラインへ同時に仕分ける物品が1個でも不足すると、この区画収納空間から各集品ラインへの物品の仕分けを中止し、区画収納空間から仕分ける物品を欠品とすること
を特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項9】
前記複数の集品ラインに、作業性の良い順に順位を設定し、順位が良い集品ラインから、集品ラインに設定する前記仕分け先の割合を多く設定すること
を特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項10】
前記各集品ラインには、各集品ラインの先頭から前記集品容器を仕分け先への配送順に設定すること
を特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の仕分け設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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