説明

仕切り具

【課題】本発明は、縦仕切り板と横仕切り板との嵌合係止力を大幅にアップせしめ、区画形成せしめた各小室の形態を変動せしめることなく常に確実に保形せしめて収納物品を正確、かつ確実に区分け保持せしめることが出来る、仕切り具を提供するものである。
【解決手段】所要の幅と長さを備えた縦仕切り板3と横仕切り板2とを略格子状に嵌合係止して箱体14等の内部を所要の小室に区画形成せしめる仕切り具1a・1bであって、上記縦仕切り板3と横仕切り板2の一方にはその上端部に嵌合切欠き溝4が、同下部には嵌合長孔5が、同下端部には該嵌合長孔5と連通するスリット7を介して開閉自在な嵌合係止部6が各々幅方向に沿って所定間隔毎に形成されると共に、同他方には同形状の嵌合係止部9と嵌合長孔10と嵌合切欠き溝11とが各々嵌合係止自在に対向形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱体等の内部を略格子状に仕切って所要数の小室に区画形成せしめるさいに
使用する、仕切り具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、菓子や陶器などの物品の販売や展示、或いは貯蔵等を行う場合には、所要の
箱体内に上記菓子などの物品を収納して保管や持ち運びに供されている。そして、持ち運
び時などにおける収納物品の散りを防いだり、あるいは、箱体内での収納物品の移動を規
制する目的で、箱体内の空間を仕切って小室に区画形成せしめる仕切り具が用いられてい
る。
【0003】
ところで、この種の仕切り具としては、下端部に下向き状の嵌合切り溝が幅方向に沿っ
て所定間隔毎に形成された縦仕切り板と、該嵌合切り溝に対応すべく上端部に上向き状の
嵌合切り溝が幅方向に沿って形成された横仕切り板とより構成されたものが知られている
(実開昭62−182211号公報、特開平11−79161号公報参照)。
【0004】
そして、上述のごとく構成された従来の仕切り具は、下向き状の嵌合切り溝と上向き状
の嵌合切り溝とを嵌合係止せしめつつ、縦仕切り板と横仕切り板とを格子状に組立て、箱
体内に組込んで小室に区画形成せしめると共に、各小室に所要の物品を区分け状に収納せ
しめるものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭62−182211号公報
【特許文献2】特開平11−79161号公報(段落番号0002、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述のごとく構成された従来の仕切り具は、下向き状の嵌合切り溝と上向き
状の嵌合切り溝とを嵌合係止せしめつつ、縦仕切り板と横仕切り板とを略格子状に組立て
て箱体内に組込むものであるから、縦仕切り板と横仕切り板との嵌合係止力が弱いもので
ある。このため、グラついたり、あるいはガタついて区画形成せしめた各小室の形態を変
動せしめやすく、ひいては、収納物品の確実なる区分け保持がしずらいのみならず、場合
によっては縦仕切り板と横仕切り板との嵌合係止が外れ、収納物品が散ける等のおそれが
あるものである。
【0007】
本発明は従来の課題を解決し、縦仕切り板と横仕切り板との嵌合係止力を大幅にアップ
せしめ、区画形成せしめた各小室の形態を変動せしめることなく常に確実に保形せしめて
収納物品を正確、かつ確実に区分け保持せしめることが出来る、仕切り具を提供しようと
するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1記載の発明は、所要の幅と長さを備えた
縦仕切り板と横仕切り板とを略格子状に嵌合係止して箱体等の内部を所要の小室に区画形
成せしめる仕切り具であって、上記縦仕切り板と横仕切り板の一方にはその上端部に嵌合
切欠き溝が、同下部には嵌合長孔が、同下端部には該嵌合長孔と連通するスリットを介し
て開閉自在な嵌合係止部が各々幅方向に沿って所定間隔毎に形成されると共に、同他方に
は同形状の嵌合係止部と嵌合長孔と嵌合切欠き溝とが各々嵌合係止自在に対向形成されて
なることを特徴とする、仕切り具を要旨とするものである。
【0009】
そして、上記請求項1記載の仕切り具は、上記嵌合係止部の外端縁にはスリットに沿っ
て嵌合せしめるべく略湾曲状のガイド部が切欠き形成されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の請求項1記載の発明は、上述のように構成されているから、嵌合係止部どうし
を対向状に当てがいつつ押圧せしめ、スリットに沿って拡開せしめつつ、縦仕切り板と横
仕切り板とを嵌合せ、嵌合長孔を通して上下端の嵌合切欠き溝に各々強固に嵌合係止せし
めることが出来るものであって、ひいては、従来例に比して縦仕切り板と横仕切り板との
嵌合係止力を大幅にアップせしめ、区画形成する各小室の形態を変動せしめることなく確
実に保形せしめて収納物品を正確、かつ確実に区分け保持せしめることが出来るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施例を示す分解斜視図である。
【図2】図1のA部拡大正面図である。
【図3】本発明の組立てた使用状態を示す斜視図である。
【図4】実施例の縦仕切り板3と横仕切り板2を格子状に嵌合係止せしめた状態を示す一部拡大斜視図である。
【図5】図4のB−B線に沿う断面図である。
【図6】本発明の他の使用状態を示す正面図である。
【図7】本発明のその他の使用状態を示す正面図である。
【図8】本発明の他の実施例を示す斜視図である。
【図9】本発明の他の実施例の組立てた使用状態を示す斜視図である。
【図10】縦仕切り板3の嵌合係止部9の変形例を示す一部拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための形態を図面に示す一実施例に基づいて詳細に説明する

【0013】
図1〜図5は本発明の一実施例を示すもので、同図中、1aは箱体等の内部を略格子状
に仕切る仕切り具、2・3は該仕切り具1aを構成する所要の幅と長さを備えた若干弾性
を有する合成樹脂製の横仕切り板と縦仕切り板である。
4は上記横仕切り板2の幅方向に沿ってその上端部に所定間隔毎に形成された所要数の
嵌合切欠き溝、5は該各嵌合切欠き溝4に対応すべく同下部に形成された長尺状の嵌合長
孔で、該嵌合長孔5の孔幅と上記嵌合切欠き溝4の溝幅は上記縦仕切り板3が嵌合自在な
大きさに設定されている。6は上記嵌合長孔5の下端部と連通するスリット7を介して開
閉作動自在に形成された嵌合係止部で、該嵌合係止部6は上記嵌合切欠き溝4や嵌合長孔
5と共に幅方向に沿って同一線上に位置せしめられると共に、該各嵌合係止部6の下端縁
には前記縦仕切り板3をガイドせしめつつスリット7に沿って嵌合せしめるべ略湾曲状の
ガイド部8が形成されている。
【0014】
9・10・11は上記横仕切り板2の嵌合切欠き溝4と嵌合長孔5とスリット7付き嵌
合係止部6とに各々嵌合係止せしめるべく、上記縦仕切り板3の幅方向に沿って同一線上に形成されたガイド部13を備えたスリット12a付き嵌合係止部と、嵌合長孔と、嵌合切欠き溝で、該各嵌合係止部9・嵌合長孔10・嵌合切欠き溝11は各々横仕切り板2のそれと同形状に形成せしめられている。
その他、14は所要の幅と深さを備えた方形体状の箱体である。
【0015】
次に、上述のごとく構成された仕切り具1aの使用状態について説明する。
先ず、図1に示すように、順次横仕切り板2の嵌合係止部6を縦仕切り板3の嵌合係止
部9に当てがいつつ押圧せしめる。そして、スリット7・12aに沿って各々外側方に強
制的に拡開せしめつつ、横仕切り板2を縦仕切り板3に嵌合せしめ、嵌合長孔5・10を
通して上下端の嵌合切欠き溝4・11に嵌合係止部6・9を各々嵌合係止せしめ、格子状
に組立てる。しかるのち、箱体14内に組付け、内部を小室に区画形成せしめて所要の物
品を各小室内に区分けして収納せしめる(図3〜図5参照)。
このさい、横仕切り板2と縦仕切り板3とは、各々その嵌合係止部6・9を嵌合切欠き
溝4・11に各々嵌合せしめつつスリット7・12aに沿って閉作動せしめることにより
係止せしめるものであるから、その嵌合係止力を大幅にアップせしめることが出来るもの
であって、ひいては、区画形成せしめた各小室の形態を変動せしめることなく常に確実に
保形せしめて収納物品を正確、かつ確実に区分け保持せしめることが出来るものである。
【0016】
図6は本発明に係る仕切り具1aの他の適用例を示すもので、横仕切り板2と縦仕切り
板3とを格子状に組立てて所要の商品陳列棚15に組付け、商品陳列棚15を所要数の小
室に区画形成せしめて所要の商品を陳列せしめるものである。
【0017】
図7は本発明に係る仕切り具1aの他の適用例を示すもので、横仕切り板2と縦仕切り
板3とを菱形格子状に組立てて商品陳列台16などの上にセットせしめ、商品の陳列のみ
ならずアクセサリ−的な使用に供せしめるものである。
【0018】
図8及び図9は本発明の他の実施例を示す仕切り具1bで、横仕切り板2の各嵌合切欠
き溝4と嵌合長孔5とスリット7付き嵌合係止部6とが上端部より斜下向き状に形成され
ると共に、これに対応すべく縦仕切り板3の嵌合係止部9と嵌合長孔10と嵌合切欠き溝
11とが各々上端部より斜下向き状に形成された点が、上記実施例と相違し、他の部分は
同一であり、同一符号は同一部分を示す。
【0019】
そして、上述のごとく構成された実施例は、図9に示すように、上記実施例と同様に縦
仕切り板3に対して横仕切り板2を傾斜状に組立てて所要の箱体14内に組付け、所要数
の小室に区画形成せしめて所要の物品を区分け収納せしめるものである。
【0020】
なお、上記実施例において、横仕切り板2と縦仕切り板3の嵌合係止部6・9は各々直
線状のスリット7・12aを介して開閉自在とされているが、係止時における嵌合切欠き
溝4・11からの離脱を防止して強固に係止せしめるべく縦仕切り板3のスリット12b
を図10に示すように噛み合い自在な鋸歯状に形成してもよく、横仕切り板2のスリット
7についても同様である。
また、上記実施例において、横仕切り板2には嵌合切欠き溝4と嵌合長孔5と嵌合係止
部6が形成されると共に、縦仕切り板3には嵌合係止部9と嵌合長孔10と嵌合切欠き溝
11が対向状に形成されているが、これに限定されるものではなく、横仕切り板2に嵌合
係止部9と嵌合長孔10と嵌合切欠き溝11を形成せしめると共に、縦仕切り板3に嵌合
切欠き溝4と嵌合長孔5と嵌合係止部6を各々対向状に形成せしめてもよいものである。
【符号の説明】
【0021】
1a・1b 仕切り具
2 横仕切り板
3 縦仕切り板
4 嵌合切欠き溝
5 嵌合長孔
6 嵌合係止部
7 スリット
8 ガイド部
9 嵌合係止部
10 嵌合長孔
11 嵌合切欠き溝
12a・12b スリット
13 ガイド部
14 箱体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所要の幅と長さを備えた縦仕切り板と横仕切り板とを略格子状に嵌合係止して箱体等の
内部を所要の小室に区画形成せしめる仕切り具であって、上記縦仕切り板と横仕切り板の
一方にはその上端部に嵌合切欠き溝が、同下部には嵌合長孔が、同下端部には該嵌合長孔
と連通するスリットを介して開閉自在な嵌合係止部が各々幅方向に沿って所定間隔毎に形
成されると共に、同他方には同形状の嵌合係止部と嵌合長孔と嵌合切欠き溝とが各々嵌合
係止自在に対向形成されてなることを特徴とする、仕切り具。
【請求項2】
上記嵌合係止部の外端縁にはスリットに沿って嵌合せしめるべく略湾曲状のガイド部が
切欠き形成されてなることを特徴とする、請求項1記載の仕切り具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−224340(P2012−224340A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90573(P2011−90573)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(511095621)
【Fターム(参考)】