説明

仕掛りの相対的優先順位を決定し、工程改善の対象を絞り込む方法およびシステム

仕掛りの相対的優先順位を決定し、工程改善の対象を絞り込む方法およびシステムであって、この方法は、既定のプロセスフローに含まれる特定の項目を選択するステップと、一定の報告間隔で、各報告点において提供された、その特定の項目および既定のプロセスフローにおけるその項目の進行に関連するトランザクションデータを利用するステップと、既定のプロセスフローに沿った選択項目の予定の進行を提供するステップと、トランザクションデータを処理して、既定のプロセスフローに沿った選択項目の実際の進行を確認し、その実際の進行と予定の進行とを比較するステップと、実際の進行と予定の進行の差を求めるステップと、既定のプロセスフローに沿った選択項目の進行についての合計予定タイムバッファを提供するステップと、求めた差を使用して、合計予定タイムバッファに対する実際の下流残存タイムバッファ量を計算するステップと、各報告点における実際の下流残存タイムバッファ量と予定の下流残存タイムバッファ量とを比較し、選択項目のバッファ回復割合を与える比率であるTBR/TBRPを計算するステップと、あらゆる項目について、その項目がプロセスフローにおいてある報告点から別の報告点まで進む際のバッファ回復割合を求め、すべての項目に対し、最低のバッファ回復割合を有する項目が最高の優先順位を有する相対的優先順位を設定し、報告点と項目レベルの両方における実際の完了と予定の完了の差を利用して、全体的結果との相関から局所的改善の対象を絞り込むステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2008年2月7日に出願された米国仮特許出願第61/026,840号、および2008年6月13日に出願された米国仮特許出願第61/061,307号の利益を主張するものである。
【0002】
本発明は一般に、既定のプロセスフローにおいて進行する項目の相対的優先順位を決定し、既定のプロセスフローにおける各ステップを特定して、改善のための最大限の可能性を提供する方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
既定のプロセスフロー内では、ある報告点(Reporting Point)(RP)から別の報告点(RP)までの項目の実際の進行が、その項目の予定の進行より遅い場合が生じる。そのような状況では、遅延の原因を特定し、将来そのような遅延が発生するのを防ぐために是正措置および/または対象を絞った改善策を実施することが必要である。
【0004】
既定のプロセスフローの前提には、十分に統合されたロジスティクス処理、ならびに材料およびその関連情報の処理および進行と関連付けられた関連要素の全体像が組み込まれている。この全体像は、生産工程に関して、The Goal,A Process of Ongoing Improvement,Eliyahu M.GoldrattおよびJeff Cox著、第1版1984年、第3改訂版2004年、North River Press出版社刊)という表題の出版物に例示されている。この全体像はさらに、生産販売および修理販売を含む統合されたプロセスフローに関して、Avraham Y.Goldratt Institute,New Haven,Connecticutで教授されている「Supply Chain Technical Expertおよび「Supply Chain Deployment Expert」という表題のプログラムにおいても例示されており、これらのプログラムはすべて、プロセスフローを評価、管理する包括的枠組みとして制約条件の理論(TOC)を利用するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
求められているのは、既定のプロセスフローにおける所定の項目の進行の遅延を特定し、ユーザが既定のプロセスフローの特定のステップに対して適切な是正措置を講じ、かつ/または調整を行うことを可能にする情報を提供する方法およびシステムである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
よって、前述の欠陥および問題に対処するために、本発明の方法は、一実施形態では、見直され、または管理されるべき項目を選択するステップと、各報告点(RP)において一定の報告間隔(Reporting Interval)(RI)で捕捉された、選択項目に関連するトランザクションデータを利用するステップと、提供されたトランザクションデータを処理資源で処理して、既定のプロセスフローに沿った項目の実際の進行と、同じ所定のプロセスフローに沿ったその項目の予定の進行との比較を明らかにするステップとを含む。この方法はさらに、選択項目の実際の進行と選択項目の予定の進行の差を求めるステップも含む。一定の報告間隔(RI)においてと、各報告点(RP)における実際と予定の進行の差を使用して、合計予定タイムバッファ(Time Buffer)(TB)に対する、実際の下流残存タイムバッファ(Time Buffer Remaining)(TBR)量が求められる。この方法では、各報告点(RP)における実際の下流残存タイムバッファ(TBR)量と予定の下流残存タイムバッファ(TBRP)量との比較、および比率TBR/TBRPの計算を実施する。比率は、選択項目のバッファ回復割合(Buffer Recovery Percent)(BRP)を与える。バッファ回復割合(BRP)は、あらゆる項目について、その項目が既定のプロセスフローにおいてある報告点(RP)から別の報告点(RP)まで進行する際に求められる。すべての項目に対し、最低のバッファ回復割合(BRP)を有する項目が最高の優先順位を有する相対的優先順位が割り当てられる。
【0007】
本発明の方法の別の実施形態では、この方法はさらに、各報告間隔(RI)における推定の下流残存割振りタイムバッファ(ATBR)量と、各報告点(RP)間の合計割振りタイムバッファ(ATB)とに基づいて推定タイムバッファ消費率を計算するステップを含む。このような計算は次式で表される。
BCRE=ATBR/ATB
【0008】
本発明は、所定のプロセスフロー内で、項目の実際の進行が予定の進行より遅く、これによって、(i)項目の実際の進行における遅延の可能性についての警報を作成することが求められ、(ii)その項目の実際の進行状況についての遅延の可能性の有無をチェックする措置が必要となるシナリオに対処するものである。そのような状況に対処するために、本発明の方法は、別の実施形態では、ユーザに、「警報」閾値と、「状態チェック」閾値を入力させるステップと、既定のプロセスフローにおいて、「警報」閾値に接近しつつあり、それに続いて「状態チェック」閾値に接近しつつある推定バッファ消費率(BCRE)を有する項目を特定し、それによってその項目の実際の進行の「状態チェック」を行う措置を開始するステップとを含む。
【0009】
本発明の方法の別の実施形態では、この方法はさらに、実際の下流残存タイムバッファ(TBR)量および合計予定タイムバッファ(TB)に基づいて実際のタイムバッファ消費率(BCR)を計算するステップと、合計予定タイムバッファ(TB)に対する予定の下流残存タイムバッファ(TBRP)量に基づいて予定タイムバッファ消費率(BCRP)を計算するステップとを含む。このような計算は次式で表される。
BCR=TBR/TB、および
BCRP=TBRP/TB
【0010】
関連する一態様において、本発明は、電子データシステムにおいて、仕掛りの相対的優先順位を決定する方法を実行するコンピュータプログラムであって、コンピュータ可読媒体と、プロセッサによって実行される、コンピュータ可読媒体上に記録されたコンピュータプログラム命令であり、既定のプロセスフローに含まれる特定の項目を選択するステップと、特定の項目および既定のプロセスフローにおけるその特定の項目の進行に関連するトランザクションデータを利用するステップと、トランザクションデータの中から、一定の報告間隔(RI)においてと、各報告点(RP)において提供された特定のトランザクションデータを抽出するステップと、既定のプロセスフローに沿った選択項目の予定の進行を表すデータを提供するステップと、抽出されたトランザクションデータを処理して既定のプロセスフローに沿った選択項目の実際の進行を確認し、既定のプロセスフローにおける選択項目の実際の進行と選択項目の予定の進行とを比較するステップと、選択項目の実際の進行と選択項目の予定の進行の差を求めるステップと、既定のプロセスフローに沿った選択項目の進行の合計予定タイムバッファ(TB)を提供するステップと、求められた差を使用して、合計予定タイムバッファ(TB)に対する実際の下流残存タイムバッファ(TBR)量を計算するステップと、一定の報告間隔(RI)においてと、各報告点(RP)において、実際の下流残存タイムバッファ(TBR)量と予定の下流残存タイムバッファ(TBRP)量とを比較し、選択項目のバッファ回復割合(BRP)を与える比率であるTBR/TBRPを計算するステップと、あらゆる項目について、その項目が既定のプロセスフローにおいてある報告点(RP)から別の報告点(RP)まで進行する際のバッファ回復割合(BRP)を求めるステップと、すべての項目に対し、最低のバッファ回復割合(BRP)を有する項目が最高の優先順位を有する相対的優先順位を割り当てるステップとを実行するコンピュータプログラム命令とを備えるコンピュータプログラムを対象とする。
【0011】
本発明は、所定のプロセスフロー内で、項目の実際の進行が予定の進行より遅く、それによって、(i)過度のタイムバッファ(TB)消費を回復することを計画し、(ii)タイムバッファ回復(RTB)の計画を実行に移す必要が生じるシナリオに対処する。そのような状況に対処するために、本発明の方法は、別の実施形態では、ユーザに、「評価・計画(Assess and Plan)」閾値と「措置(Action)」閾値とを入力させるステップと、既定のプロセスフローにおいて、「評価・計画」閾値に接近しつつあるバッファ回復割合(BRP)を有する項目を特定し、それに続いて、タイムバッファ回復の評価および計画を開始するステップと含む。またこの方法は、既定のプロセスフローにおいて、「措置」閾値に接近しつつあるバッファ回復割合(BRP)値を有する項目も特定し、それによって、タイムバッファ回復(RTB)の計画を開始する。タイムバッファ回復(RTB)の計画は、一般に、調整された優先順位に従い、かつ/または、過度のバッファ消費が発生しているプロセスフロー内の残りの作業量を処理するのにより多くの、より適切な、またはより高速の資源を適用することによって達成される。状況によっては、タイムバッファ回復(RTB)のために講じられる措置は、下流のプロセスフローがそこから引き出される上流の実地棚卸バッファ(Physical inventory Buffer)(PB)から、または上流の実地棚卸バッファ(PB)がゼロ(すなわち在庫なし)のときには、上流の仕掛りから追加の作業単位を解放することによって達成される。タイムバッファ回復(RTB)のためのこの特定の種類の措置が実施されるのは、(i)ユーザがその措置を適切な方針であるとみなすとき、(ii)上流の実地バッファ(PB)において現在利用可能な在庫があるとき、または(iii)上流のPBがゼロ(すなわち在庫なし)であるときにはその上流のPBに供給する仕掛りを有する上流のプロセスフローがあるとき、および(iv)上流のプロセスフローにさかのぼり、仕掛り中の部品を迅速に処理するという判断が行われるときである。よって、この上流の仕掛かりの優先順位の変更は、下流と上流両方のプロセスフローにおけるTBRおよびTBRPを使用することに基づき、その特定の項目のBRPを項目のTBRの調整により下げることによって達成される。このような調整は次式で表される。
BRPAUS=(TBRUS+TBRDS)/(TBRPUS+TBRPDS
式中、
BRPAUSは、調整上流バッファ回復割合であり、
TBRUSは、現在の上流残存タイムバッファであり、
TBRDSは、現在の下流残存タイムバッファであり、
TBRPUSは、現在の上流予定残存タイムバッファであり、
TBRPDSは、現在の下流予定残存タイムバッファである。
【0012】
上流のBRPを調整するための条件は、上流の工程がそこに供給し、下流の工程がそこから供給される実地バッファ(Physical Buffer)(PB)における在庫なし(NIS)条件を含む。しかし、本発明の別の実施形態では、ユーザはBRPAUSの代わりに、またはこれに加えて、後述する在庫なし実地バッファ係数(Not−In−Stock Physical Buffer Factor)(PBFNIS)を使用してBRPを調整しようとしてもよい。
【0013】
本発明の方法の別の実施形態は、一連の報告間隔(RI)にわたって実地バッファ(PB)から放出される在庫の量が合計されて、履歴データから導き出される累積最大報告間隔(Maximum Reporting Interval)(RIM)需要(RIDRIMax)パターンを上回る累積報告間隔需要(RIDRI)パターンを生み出すことになるシナリオに対処する。一実施形態では、履歴データは、本明細書で「エンタープライズ・バッファ・サイジング・ツール」またはEBSTと呼ぶ、同出願人による、「Method and System for Determining Buffer Inventory Size」という名称の米国特許出願公開第20060235734号明細書に記載されている方法によって生成される。よって、一実施形態では、本発明の方法は、EBSTを使用して確実補充時間(Time−to−Reliably Replenish)(TRR)における累積最大報告間隔(RIM)需要(RIDRIMax)を設定し、その場合、1報告間隔(RI)に等しいTRRから開始して最大放出量を計算し、TRRを1報告間隔(RI)だけ増分して2報告間隔(RI)での最大量を計算し、報告間隔(RI)の数が指定のTRRに等しくなるまでこの工程を繰り返す。以上の方法ステップでは、TRR全体にわたる各報告間隔(RI)ごとの最大報告間隔(RIM)需要(RIDRIMax)の累積に基づいて実地バッファパターン(PBP)を設定し、これは、需要(PBDP)、放出(PBIP)および補充(PBRP)に関しての各実地バッファパターン(Physical Buffer Pattern)(PBP)の観点から見ることができる。実地バッファパターン(PBP)は、1報告間隔(RI)当たりの実際の在庫放出をそこから追跡することができ、変動を記録することができる基準点として使用される。よって、在庫放出データが、選択項目に関連するデータソースから収集される。本発明の方法は、処理資源を用いて一定の報告間隔(RI)で捕捉された放出データを処理して、時系列による選択項目の実際の実地バッファパターン(PBP)を確認し、実際のPBPと履歴PBPとを比較して変動を特定する。このような変動を使用して、さらなる分析を必要とする需要パターンの変化を特定し、このような変化の原因を突き止め、必要に応じて更新履歴PBPを設定する。
【0014】
また本発明の方法は、その発生を見越しておく必要のある、大きいまれな(RI=1)RID1Max需要を生じる項目もあり、確実補充時間(TRR)の間に、結果的に在庫なし(NIS)状況をもたらす、実地バッファ(PB)を上回る累積需要を生じる項目もある需要の変動性にも対処する。各報告間隔(RI)ごとに放出される実際の量は、量の多いものから順にソートされ、次いで合計されて、最大履歴1報告間隔(RIM)需要(放出)量(RID1Max)以上の総放出量を生じさせるのに必要とされる報告間隔(RI)放出の量が求められる。次に、実地バッファ係数(PBF)が計算される。計算されたPBFは、(最大履歴1報告間隔(RI)需要(放出)量(RID1Max)以上の総放出量を生じさせるのに必要とされる)報告間隔(RI)放出の回数と、TRRにおける報告間隔(RI)の総数との比に基づくものである。PBFがユーザ定義のレベルを下回って減少するときには、PBFを使用して、既定のプロセスフローを完了し、合計が最大履歴1報告間隔(RIM)需要(RID1Max)から実地バッファ(PB)のPBFNISを差し引いた量になる寸前の項目のBRPにおける調整が、これらの項目の現在のBRPとPBFを掛け合わせ、調整BRP(Adjusted BRP)(BRPA)を計算することによって作成される。ユーザは、このPBF処理を適用するのを決定し、見込みRIDRIMax−x(すなわち、x=1−n)量を求めるのにどのRIM(すなわち、x=1−n)を使用すべきか選択することによって、1RIM、2RIM、…についての最大報告間隔(RIM)需要(RIDRIMax)を予測しようとすることもできる。放出に利用できる量がゼロであり、ある量の項目が放出されることを求める要求が生じたときには、プロセスフロー内においてBRPに別のユーザ定義の在庫なしPBF(PBFNIS)が適用される。
【0015】
また本発明の方法は、仕掛り中の項目の中に、負のBRPをもたらす過度の遅延を生じているものがあるプロセスフローの変動性にも対処する。そのような過度の遅延は、まだ仕掛り中の残りの項目の現在のBRPを調整してそれらの項目の進行速度を上げることによって一部埋め合わせることができる。そのような調整は、現在のBRPに次式で計算される値を掛け合わせることによって達成される。
PBF−BCR=((PB−BRP<0である項目の数)/PB)
【0016】
また本発明の方法は、改善策の対象を絞り込み、タイムバッファ(TB)サイズおよび/または実地バッファ(PB)サイズの再調整を可能にするためのタイムバッファ(TB)および実地バッファパターン(PBP)の傾向情報も提供する。このタスクを達成するために、この方法では、仕掛り中の各項目ごとに、各項目について以下のデータを含むトランザクションデータおよび放出データの獲得、記憶、および評価を実施する。
BCR:バッファ消費率
BCRP:予定バッファ消費率
BCRD:BCRとBCRPの差
BCRV:BCR変動
PBPV:実地バッファパターン変動
各報告点(RP)ごとに、次式に従ってBCRDRPおよびBCRVRPが計算される。
BCRDRPi=(BCRRPi−BCRPRPi
BCRVRPi=(BCRDRPi−BCRDRPi−1
【0017】
本発明によれば、前述のデータは、割振りタイムバッファの使用が生じない場合(ΣBCRVRP>0)には割振りタイムバッファ(ATB)を低減する機会を確認し、割振りタイムバッファの過度の使用が生じる場合(ΣBCRVRP<0)には工程改善の機会を確認するために、割振りタイムバッファ(ATB)消費に関連する既定のプロセスフローにおける各報告点(RP)ごとの傾向を設定すると共に、均衡のとれたフロー(#BCRFinish>(STB/TB)の場合と#BCRFinish<(STB/TB)の場合と#BCRFinish<0の場合の比較)を維持するための安全タイムバッファ(STB)に従って特定のタイムバッファ(TB)を増やし、または減らす機会を確認し、それに従ってRIDRIで最初に実地バッファパターン変動(PBPV)が生じた各項目の最大報告間隔(RIM)需要(RIDRIMax)ごとに発生するPBPVの大きさと数に基づくものである各項目ごとの需要パターンの変化を確認するために、予定タイムバッファ(TB)消費に関連するプロセスフロー全体の傾向を設定するのに使用される。これは、実地バッファパターン(PBP)に対して、そこからの需要パターンの変化を確認すべき対象であり、最大報告間隔(RIM)需要量(RIDRIMax)を予測するのに使用される実地バッファ係数(PBF)の基礎とすべき更新PBPを維持するための調整が行われることを可能にする。各報告間隔(RI)における各項目のオープンドキュメント(Open Documents)のために、各最大報告間隔(RIM)需要(RIDRIMax)ごとの実地バッファパターン変動(PBPVRIM−RI)が、次式に従って計算される。
PBPVRIM−RI=((ΣRIMRIDRIM−RI−(RIDRIMax))
以下のPBPVRIM−RI条件に関連する計算が、さらなる分析と、実地バッファパターン(PBP)および実地棚卸バッファ(PB)サイズの周囲の変更の可能性のために取り込まれる(PBPVRIM−RI<0は、PBPの周囲内の変動を示すはずであり、周囲が狭められる可能性があり、これに対して、(PBPVRIM−RI>0かつ(RIDRIMax+PBPVRIM−RI)<PB)は、PBPの周囲を超えるが、実地バッファ(PB)サイズは超えない変動を示すはずであり、PBPの周囲が広げられる可能性があり、(PBPVRIM−RI>0かつ(RIDRIMax+PBPVRIM−RI)>PB)は、実地バッファ(PB)を超える変動(すなわち在庫なし)を示すはずであり、実地バッファ(PB)サイズが拡大される可能性がある)。
【0018】
本発明の他の目的、特徴および利点は、以下の説明を読めば明らかになる。
【0019】
本発明の前述の特徴は、以下の本発明の例示的実施形態の詳細な説明を、添付の図面と併せて読めば、より容易に明らかになり、理解される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】各項目の既定のプロセスフローにおける各報告点(RP)、各報告点(RP)ごとの必要作業内容(Required Work Content)(RWC)を完了するのに必要とされる資源および時間、所定のプロセスフローに沿った各報告点(RP)と関連付けられる各項目の必要作業内容(RWCRP)の完了に関連付けられる変動性に対処するのに必要とされる割振りタイムバッファ(ATB)の量、ならびに各項目の確実補充時間(TRR)を特定することを含む、本発明の方法の個々のステップの実施を示すグラフの例である。
【図2】(i)各項目の工程ステップが受け取る割振りタイムバッファ(ATB)の量、(ii)各項目の全体工程の安全タイムバッファ(STB)、および(iii)各報告点(RP)における予定残存タイムバッファ(TBRP)を決定する方法ステップを示すグラフの例である。
【図3】タイムバッファ回復(RTB)を計画するためとタイムバッファ回復(RTB)の措置を講じるためのトリガとして使用されるバッファ回復割合(BRP)値をユーザに定義させるステップを含む、本発明の方法のいくつかのステップを示すグラフの例である。
【図4A】各項目のオープンドキュメントのために、一定の報告間隔(RI)および各報告点(RP)において更新バッファ回復割合(BRP)を計算するステップと、タイムバッファ回復(RTB)の計画を立て、その措置を講じるために、ユーザ定義の値より小さいバッファ回復割合(BRP)値を有する項目にフラグを立てるステップとを含む、本発明の方法のいくつかのステップを示すグラフの例である。
【図4B】各項目のオープンドキュメントのために、一定の報告間隔(RI)および各報告点(RP)において、実地バッファ係数(PBF)に基づいて更新調整バッファ回復割合(BRPA)を計算するステップと、タイムバッファ回復(RTB)の計画を立て、その措置を講じるために、ユーザ定義の値より小さい調整バッファ回復割合(BRPA)値を有する項目にフラグを立てるステップとを含む、本発明の方法のいくつかのステップを示すグラフの例である。
【図5A】報告点(RP)間の一定の報告間隔(RI)において、各項目のオープンドキュメントのために推定バッファ消費率(BCRE)を計算する方法ステップを示すグラフの例である。
【図5B】一定の報告間隔(RI)においてと、各報告点(RP)において、各項目のオープンドキュメントのために実際のバッファ消費率(BCR)を計算する方法ステップを示すグラフの例である。
【図6】各報告点(RP)における各項目ごとの計算されたバッファ消費率(BCR)をグラフで表示する方法ステップを示すグラフの例である。
【図7】一定の報告間隔(RI)においてと、各報告点(RP)において、各項目のオープンドキュメントのために予定バッファ消費率(BCRP)を計算する方法ステップを示すグラフの例である。
【図8】各報告点(RP)における各項目ごとの計算された予定バッファ消費率(BCRP)をグラフで表示する方法ステップを示すグラフの例である。
【図9】各項目のオープンドキュメントのために、各報告点(RP)において、バッファ消費率(BCR)と予定バッファ消費率(BCRP)のバッファ消費率差(BCRD)を計算し、バッファ消費率変動(BCRV)を、ある報告点(RP)から次の報告点(RP)までのBCRDの差として計算し、各項目が完了する際にバッファ消費率(BCRFinish)を記録する方法ステップを示すグラフの例である。
【図10A】各管理項目ごとに、確実補充時間(TRR)の各報告間隔(RI)ごとの最大期待報告間隔(RIM)需要(RIDRIMax)を設定し、需要(PBDP)、放出(PBIP)および補充(PBRP)の観点から見たTRR全体にわたる各報告間隔(RI)ごとの最大報告間隔(RIM)需要(RIDRIMax)の累積に基づく実地バッファパターン(PBP)のグラフ表示を設定し、確実補充時間(TRR)全体にわたる最大報告間隔(RIM)需要(RIDRIMax)の累積の数値表現を設定する方法ステップを示すグラフの例である。
【図10B】各管理項目ごとに、確実補充時間(TRR)の各報告間隔(RI)ごとの最大期待報告間隔(RIM)需要(RIDRIMax)を設定し、需要(PBDP)、放出(PBIP)および補充(PBRP)の観点から見たTRR全体にわたる各報告間隔(RI)ごとの最大報告間隔(RIM)需要(RIDRIMax)の累積に基づく実地バッファパターン(PBP)のグラフ表示を設定し、確実補充時間(TRR)全体にわたる最大報告間隔(RIM)需要(RIDRIMax)の累積の数値表現を設定する方法ステップを示すグラフの例である。
【図11】各項目ごとに、TRR全体にわたる最大報告間隔(RIM)需要(RIDRIMax)の累積の数値表現を利用するステップと、各報告間隔(RI)における各項目のオープンドキュメントの進行を追跡するステップと、TRRの各報告間隔(RI)ごとの累積の実際の報告間隔需要(RIDRIM−RI)を設定するステップと、各RIにおいて、累積の実際の報告間隔需要(RIDRIM−RI)と累積最大報告間隔(RIM)需要(RIDRIMax)の間の実地バッファパターン変動(PBPVRIM−RI)を計算するステップとを示すグラフの例である。
【図12】各項目ごとに、累積RIDRIM−RIと対応するRIDRIMaxの差を記録する方法ステップと、累積RIDRIM−RIが対応するRIDRIMaxより大きい各発生を特定する方法ステップと、処理されたすべてのドキュメントについての継続的PBPVRIM−RI記録を維持する方法ステップと、PBPVRIM−RI記録を分析して、実地バッファパターン(PB)のサイズを拡大するために、実地バッファ(PB)より大きい(RIDRIMax+PBPVRIM−RI)と共に発生した正の変動に従ってPBPVRIM−RI値をランク付けする方法ステップとを示すグラフの例である。
【図13】各項目ごとに、累積RIDRIM−RIと対応するRIDRIMaxの差を記録する方法ステップと、累積RIDRIM−RIが対応するRIDRIMaxより大きい各発生を特定する方法ステップと、処理されたすべてのドキュメントについての継続的PBPVRIM−RI記録を維持する方法ステップと、PBPVRIM−RI記録を分析して、実地バッファパターン(PBP)、特に、実地バッファ需要パターン(PBDP)の周囲を広げるために、実地バッファ(PB)より小さい(RIDRIMax+PBPVRIM−RI)と共に発生した正の変動に従ってPBPVRIM−RI値をランク付けする方法ステップとを示すグラフの例である。
【図14】各項目ごとに、累積RIDRIM−RIと対応するRIDRIMaxの差を記録する方法ステップと、累積RIDRIM−RIが対応するRIDRIMaxより小さい各発生を特定する方法ステップと、処理されたすべてのドキュメントについての継続的PBPVRIM−RI記録を維持する方法ステップと、PBPVRIM−RI記録を分析して、実地バッファパターン(PBP)、特に、実地バッファ需要パターン(PBDP)の周囲を狭めるために、発生した負の変動に従ってPBPVRIM−RI値をランク付けする方法ステップとを示すグラフの例である。
【図15】計算されたPBFがユーザ定義のレベルを下回って減少するときに、項目のオープンドキュメントのBRPの調整を作成するのに使用される、選択のRIDRIMax−x以上の総需要量を生み出すのに必要とされる報告間隔需要(RID)の数の比に基づく実地バッファ係数(PBF)の分析と計算に関連する方法ステップを示すグラフの例である。
【図16】ユーザ定義の在庫なし実地バッファ係数(PBFNIS)に基づく実地バッファ係数(PBF)への追加変更、および仕掛り中に過度の遅延が生じている所与の項目のオープンドキュメントの量に基づいて計算される負のBCR値(PBF−BCR)の分析と計算に関連する方法ステップを示すグラフの例である。
【図17】本発明の一実施形態による、本発明の方法を実施するためのコンピュータネットワークを示すブロック図である。
【図18A】本発明の方法を示す流れ図である。
【図18B】本発明の方法を示す流れ図である。
【図18C】本発明の方法を示す流れ図である。
【図18D】本発明の方法を示す流れ図である。
【図18E】本発明の方法を示す流れ図である。
【図18F】本発明の方法を示す流れ図である。
【図18G】本発明の方法を示す流れ図である。
【図18H】本発明の方法を示す流れ図である。
【図18I】本発明の方法を示す流れ図である。
【図18J】本発明の方法を示す流れ図である。
【図18K】本発明の方法を示す流れ図である。
【図18L】本発明の方法を示す流れ図である。
【図18M】本発明の方法を示す流れ図である。
【図18N】本発明の方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の説明では、図面の図1〜図18Nを参照する。図1〜図16に示されているグラフおよび表は例示であり、本発明の理解を容易にするために示すものである。
【0022】
図17を参照すると、本発明の方法を実施するのに使用することのできるネットワーク10が示されている。ネットワーク10は、キーボード16、マウス18、表示装置20、印刷装置22などの入力装置を有するエンド・ユーザ・コンピュータ・システム14を備える。コンピュータシステム14は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバシステム、およびミニコンピュータまたはメインフレームコンピュータとして構成することができる。コンピュータシステム14は、プロセッサまたはCPU23Aとメモリ23Bを含む。プロセッサ23Aは、本発明の諸機能を実行するためのプログラム命令を実行する。コンピュータシステム14のプロセッサは、Intel Pentium(登録商標)プロセッサなどのマイクロプロセッサであるが、ミニコンピュータやメインフレームコンピュータのプロセッサとすることもできる。メモリ23Bは、プロセッサ23Aによって実行されるプログラム命令を記憶する。またメモリ23Bは、プロセッサ23Aによって使用され、処理されるデータも記憶する。メモリ23Bは、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、プログラマブル読取り専用メモリ(PROM)、電気的消去書込み可能読取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリなどの電子メモリ素子や、統合ドライブエレクトロニクス(IDE)インターフェース、または拡張IDE(EIDE)、またはウルトラ・ダイレクトメモリ・アクセス(UDMA)、または小型コンピュータ・システム・インターフェース(SCSI)ベースのインターフェース、またはFast SCSI、またはWide SCSI、またはFast Wide SCSIなど、またはファイバチャネル調停ループ(FC−AL)インターフェースを使用し得る、磁気ディスクドライブ、テープドライブ、光ディスクドライブなどの電気機械メモリを含むことができる。
【0023】
またコンピュータシステム14は、入力/出力インターフェースと、ネットワークアダプタも含む。表示装置20は、CRTまたはLCDモニタとして構成することができる。
【0024】
コンピュータシステム14は、データリンク24と電子データ通信を行う。データリンク24は、データ信号の伝送を行うことのできる任意の種類の媒体として構成することができる。よってデータリンク24は、専用地上通信線、電話線、広帯域ケーブルなどとして構成することができる。またデータリンク24は、衛星アップリンク/ダウンリンクシステムなどの無線システムとして構成することもできる。またデータリンク24は、インターネットまたはワールド・ワイド・ウェブ30ともデータ通信を行う。ネットワーク10は、インターネット30とデータ通信を行うデータリンク31を含む。データリンク31には、データリンク24と同じ構成を持たせることができる。ネットワーク10はさらに、データリンク31を介してインターネット30とデータ通信を行うリモートサーバ32も含む。1台のサーバ32だけが示されているが、複数のサーバを利用することができることを理解されたい。
【0025】
ネットワーク10はさらにデータベース34も含む。各データベース34は、既定のプロセスフローに含まれる特定の項目に関連するトランザクションデータを記憶する。特定の項目は、部品、構成部分または製品とすることもでき、全体工程、すなわち製造工程における個々のステップとすることもできる。トランザクションデータは、所定の報告点(RP)において一定の報告間隔(RI)で収集されるデータを含む。好ましい一実施形態では、特定の項目が、一定の報告間隔(RI)で、各所定の報告点(RP)においてモニタされる。またデータベース34は、既定のプロセスフローにおける特定の項目の予定の進行を表すデータも記憶する。
【0026】
好ましい一実施形態では、特定の項目が部品、構成部分または製品である場合、データベース34は、その特定の部品、構成部分または製品のための需要要件に関連するデータも記憶する。そのようなデータは、その調達要求が発せられ、完了した日付、部品が在庫以外から放出される場合(在庫なし状況)のその調達要求を完了するための時間、または部品が在庫から放出された場合の在庫を補充するための時間(すなわち、確実補充時間(TRR))などの調達要求データを含む。また調達要求データは、構成部分または部品の通し番号およびプロジェクトコードも含み得る。データベース34は、すべての部品または構成部分の製造、修理および/または保守の履歴などの他のデータも含み得る。本明細書で使用する場合、「部品」、「構成部分」、「製品」という用語は区別なく使用され、本明細書ではこれらを総称して「項目」と呼ぶ。
【0027】
図17を参照すると、ネットワーク10は、コンピュータシステム14と同じ構内に位置するデータベース36も含み得る。データベース36は、データベース34に記憶されるのと同じデータを記憶し、かつ/またはコンピュータシステム14上で本発明の方法の実施によって生成される任意の分析結果およびデータを記憶するように構成され得る。
【0028】
本発明の方法の第1の部分は、タイムバッファ管理を対象とする。本発明によれば、本発明の方法によって実施されるタイムバッファ管理は、(a)日常的な対象の絞り込みおよび意思決定、(b)現在のタイムバッファ(TB)および実地バッファ(PB)をサイズ変更するためのバッファ傾向分析、ならびに(c)改善策の対象を絞り込むためのバッファ傾向分析という3つの領域において使用することができる。
【0029】
図18Aを参照すると、一実施形態では、ステップ100が本発明の方法の第1のステップである。ステップ100は、見直され、または管理されるべき項目を決定し、選択し、または指定することを伴う。ユーザは、キーボード16および/またはマウス18によってコンピュータシステム14に選択項目を表すデータを入力する。またこのステップでは、選択項目に関連するデータベース34および/またはデータベース36からのデータ検索も行う。この事例では、データベース34および/またはデータベース36から検索されるデータは、既定のプロセスフローにおける選択項目の進行に関連するトランザクションデータからなる。既定のプロセスフローは、項目(原材料、構成部分、部品、製品など)が、そこで何らかの種類の処理を受けるために一連の工程ステップを通過する、サプライチェーン全体、製造工程、またはこれらの一部分とすることができる。工程ステップは、原材料の機械加工などの物理的ステップとすることもでき、または品質検査や通し番号およびコードの適用などの手続き型ステップとすることもでき、または搬送とすることもできる。
【0030】
また、データベース34および36から検索されるデータは、選択項目に関連する「需要データ」も含み得る。「需要データ」という用語は、本明細書で使用する場合、供給側と消費側の間における選択項目の調達要求に関連するすべてのデータをいう。典型的には、その需要データが見直されるべき項目とは、信頼できる、かつ/または望ましい確実補充時間(TRR)を設定する際に、需要パターンが変化しやすく、かつ/または問題を生じやすい項目である。
【0031】
図1および図18Aを参照すると、ステップ102では、各選択項目が通過しなければならないすべての工程ステップを特定する。各工程ステップは、処理済みの項目を生産または提供する全体工程の一部をなす単一ステップである。例としては、原材料の機械加工、絶縁保護コーティング、塗装、構成部分組立て、搬送などが含まれる。
【0032】
ステップ104では、必要作業内容(RWC)を完了するのに必要とされる資源を特定する。RWCは、全体工程においてすべての工程ステップを完全に実行するのに必要とされる全部の必要作業である。
【0033】
図1および図18Aを参照すると、ステップ106では、各工程ステップごとに、必要作業内容(RWC)を完了するのに必要とされる実処理時間(touch time)の量を定義する。よって、このステップでは、工程における各ステップを完了するのに必要とされる実処理時間の量を定義する。またこのステップでは、すべての工程ステップを完了するのに必要とされる合計実処理時間も計算する。したがって、この計算される合計時間は、RWCを完了するのに必要とされる合計の実処理時間量である。
【0034】
ステップ106の後、次いでこの方法は、この方法の2つの部分に同時に移行する。第1の部分はステップ107から開始し、第2の部分はステップ216から開始する。以下の説明では、ステップ107から開始する方法の部分についてまず論じ、ステップ216から開始する方法の部分について後で論じる。
【0035】
図1および図18Aを参照すると、ステップ107では、各工程ステップごとに、必要作業内容(RWC)を完了することに伴う変動性に適応するのに必要とされる割振りタイムバッファ(ATB)の量を定義する。よって、このステップでは、工程の各ステップにおいて必要とされ割振りタイムバッファ(ATB)の量を定義する。またこのステップでは、すべての工程ステップを完了するのに必要とされる合計タイムバッファ(TB)も計算する。したがって、この計算される合計時間は、RWCを完了することに伴う変動性に適応するのに必要とされる合計のタイムバッファ(TB)量である。
【0036】
ステップ108では、各選択項目の確実補充時間(TRR)を確認する。TRRは、データベース34またはデータベース36にすでに記憶されている既知の値とすることができる。一実施形態では、TRRは、その公開出願の開示が参照により本明細書に組み込まれる、「Method and System for Determining Buffer Inventory Size」という名称の同出願人による米国特許出願公開第20060235734号明細書に記載の方法を使用して計算される。
【0037】
図1および図18Aを参照すると、ステップ110では、各選択項目の既定のプロセスフローにおける各報告点(RP)を特定する。図1に示すように、複数の報告点RP1、RP2、RP3、RP4などがある。好ましい一実施形態では、ステップ100で検索されるトランザクションデータなどのトランザクションデータは、報告点RP1、RP2、RP3、RP4などにおいて収集されたデータに基づくものである。
【0038】
図2および図18Bを参照すると、この方法の次のステップはステップ112である。このステップでは、選択項目が進む各工程ステップごとに、各工程ステップが割振りタイムバッファ(ATB)として受け取るタイムバッファ(TB)の量を決定する。よって理論的には、各工程ステップは、その割振りタイムバッファ(ATB)以内で完了すべきである。
【0039】
図2および図18Bを参照すると、ステップ114では、各選択項目の全体工程について、その全体工程が安全タイムバッファ(STB)として受け取るタイムバッファ(TB)の量を決定する。一例として、図2には、5つの工程ステップと5つの報告点RP1、RP2、RP3、RP4およびRP5とを有する全体工程を示す。各工程ステップは、割り当てられた割振りタイムバッファ(ATB)を有する。例えば、第1の工程ステップは、5単位のATB1を有する。全部で5つの工程ステップに、20時間の単位が割り振られている。全体工程に、2単位の安全タイムバッファ(STB)が割り振られている。したがって、工程全体のタイムバッファ(TB)は22単位である。
【0040】
ステップ114の後、次いでこの方法は、この方法の2つの部分に同時に移行する。第1の部分はステップ116から開始し、第2の部分はステップ218から開始する。以下の説明では、ステップ116から開始する方法の部分についてまず論じ、ステップ218から開始する方法の部分について後で論じる。
【0041】
ステップ116では、既定のプロセスフローにおける各工程ステップごとの割振りタイムバッファ(ATB)を加算することによって、選択項目の全体工程のタイムバッファ(TB)を検証する。
【0042】
ステップ117では、報告点(RP)を含む、報告点(RP)に至るすべての工程ステップのすべてのATBの合計を求める。
【0043】
ステップ117の後、次いでこの方法は、この方法の2つの部分に同時に移行する。第1の部分はステップ118から開始し、第2の部分はステップ218から開始する。以下の説明では、ステップ118から開始する方法の部分についてまず論じ、ステップお218から開始する方法の部分について後で論じる。
【0044】
ステップ118では、各報告点(RP)における予定残存タイムバッファ(TBRP)を求める。これは、各報告点(RP)ごとに、ステップ117で求められた先の各報告点(RP)からのATBの和を、タイムバッファ(TB)から差し引いて、各報告点(RP)における予定残存タイムバッファ(TBRP)を設定することによって行われる。
【0045】
ステップ118の後、次いでこの方法は、この方法の3つの部分に同時に移行する。第1の部分はステップ122から開始し、第2の部分はステップ233から開始し、第3の部分はステップ256から開始する。以下の説明では、ステップ122から開始する方法の部分についてまず論じ、ステップ233とステップ256から開始する方法の部分について後で論じる。
【0046】
タイムバッファ管理の重要な要因は、既定のプロセスフローにおける各項目の進行と併行して「時間領域(Time−Domain)」における各項目の進行をモニタすることに存する。ある項目の「時間領域」における進行をモニタする工程は、図18C、18Dおよび18D1に示すステップ200〜212から開始する。
【0047】
ステップ200で、どの項目が管理され、または見直されるべきかが決定される。よってユーザは、キーボード16を介してコンピュータシステム14に、管理すべき特定の項目を識別する何らかの識別データを入力することになる。
【0048】
ステップ202では、選択項目と関連付けられるすべての需要データを特定する。
【0049】
ステップ204で、ユーザは、コンピュータシステム14に所望のフィルタ設定を入力する。これに応答して、コンピュータシステム14は、問題の項目についての需要データを処理し、ユーザのフィルタ設定に基づいて需要データを選別する。ステップ204の一機能は、在庫補充措置のための需要を、卸売、小売または局所的修理/製造工程レベルでの在庫から生じる需要と区別することである。管理するように選択された項目が在庫なし(NIS)であり、またはNIS発生の履歴を有する場合には、この方法は、実地バッファ係数(PBF)を求め、実地バッファ(PB)をサイズ変更するこの方法の別の部分に移行する。具体的には、ステップ200、202、および204で作成された情報が、実地バッファ(PB)をサイズ変更する方法の一部であり、実地バッファ係数(PBF)に関連するステップ422に送られる。本発明の方法の実地バッファ係数(PBF)に関連する部分は、ステップ500(図18M参照)から開始し、これについては後で説明する。本発明の方法の実地バッファ(PB)のサイズ変更に関連する部分はステップ300(図18I参照)とステップ422(図18K参照)から開始し、これについては後で説明する。
【0050】
ステップ206では、プロセスフローに入る各項目ごとのドキュメント開始時刻を検索する。
【0051】
ステップ206の後、次いでこの方法は、この方法の2つの部分に同時に移行する。第1の部分はステップ208から開始し、第2の部分はステップ218から開始する。以下の説明では、ステップ208から開始する方法の部分についてまず論じ、ステップ218から開始する方法の部分について後で論じる。
【0052】
ステップ208では、各項目のオープンドキュメントのために、各項目がその時間内に完了する予定の時間量を計算する。この時間量は、各項目の開始時刻にその項目と関連付けられたTRRを加えたものに等しい。TRRは、前述の米国特許出願公開第20060235734号明細書に記載されている方法によって事前に生成された既知の値とすることができる。
【0053】
ステップ208の後、この方法は図18Dに示すステップ210に進む。ステップ210では、各項目のオープンドキュメントのために、各項目が各報告点(RP)において完了した時刻を検索する。
【0054】
図18Dおよびステップ214では、各工程ステップおよび報告点(RP)ごとに、必要作業内容(RWC)と割振りタイムバッファ(ATB)を割り当てるのに使用される日次作業カレンダ(Daily Work Calendar)(DWC)が設定される。
【0055】
図1および図18Dを参照すると、ステップ216では、各報告点(RP)ごとに、その報告点(RP)を含む、その報告点(RP)に至るすべての工程ステップの必要作業内容(RWC)を合計する。前述のように、ステップ216では、ステップ106によって提供されるデータおよび情報も受け取る。
【0056】
図18Dステップ218では、各項目のオープンドキュメント予定開始時刻と、各報告点(RP)の日次作業カレンダ(DWC)、合計された必要作業内容(RWC)、および合計された割振りタイムバッファ(ATB)とに従って、各報告点(RP)ごとの予定開始日時および予定終了日時が設定される。前述のように、ステップ218では、ステップ114、117、206、214、および216によって提供されるデータおよび情報も受け取る。
【0057】
ステップ218の後、この方法は、図18Dに示すステップ220に進む。ステップ220では、完了した各報告点(RP)ごとに、その報告点(RP)の完了日時がその予定開始日時の前か、その予定開始日時と予定終了日時の間か、その予定終了日時の後、ドキュメント予定終了日時の前か、またはドキュメント予定終了日時の後か判定する。またこのステップでは、ステップ210によって提供されるデータおよび情報も受け取る。
【0058】
ステップ220の後、この方法は同時に、図18D1に示すステップ224とステップ226に進む。ステップ224では、各項目の予定開始日時の前、各項目の予定開始日時と予定終了日時の間、各項目の予定終了日時の後、ドキュメント予定終了日時の前に完了した各RPごとに、RPの実際の完了日時からの、残りの未使用のRWC、ATBおよびSTBの予定時間を合計することによって、残存タイムバッファ(TBR)が計算される。ステップ226では、ドキュメント予定終了日時の後に完了した各RPごとに、ドキュメントの予定完了日時からRPの実際の完了日時までの利用可能な日次作業カレンダ(DWC)日数を合計し、それに、まだ完了していない各RPの残りのRWCがあればそれを加えることによって、負の残存タイムバッファ(TBR)が計算される。
【0059】
ステップ212では、各項目のオープンドキュメントのために、ステップ224およびステップ226から提供される情報から各報告点(RP)における残存タイムバッファ(TBR)を求める。
【0060】
ステップ212の後、この方法は同時に、ステップ122、ステップ233およびステップ250に移行する。以下の説明では、ステップ122について、ステップ120とステップ121の説明の後で説明する。以下の説明では、ステップ233およびステップ250について、ステップ120〜127の説明の後で説明する。
【0061】
図3および図18Eを参照すると、ステップ120では、ユーザに、タイムバッファ回復(RTB)の計画を立てるためのトリガとして使用される第1のバッファ回復割合(BRP)値を定義させる。ステップ121では、ユーザに、タイムバッファ回復(RTB)の計画を開始するトリガとして使用される第2のバッファ回復割合(BRP)値を定義させる。ユーザは、キーボード16を介してコンピュータシステム14に、ユーザ定義の第1および第2のBRP値を入力する。実際のバッファ回復割合(BRP)は次式で計算される。
BRP=TBR/TBRP
式中、TBRは実際の残存タイムバッファであり、TBRPは予定残存タイムバッファである。図3および図18Eには、第1のユーザ定義のBRP値が0.95より小さく、0.70より大きく、第2のユーザ定義のBRP値が0.70より小さい例が示されている。図3において、点線600は、RP1が実際に完了していると報告したときの残存タイムバッファ(TBR)を表している。四角610、620および630は、残存タイムバッファ(TBR)量の3つの異なる例を表している。四角610は、残りのTBRの量が予定残存タイムバッファ(TBRP)より大きく、1.0を超えるBRP値を生じるはずであることを示すものである。四角620は、残存タイムバッファ(TBR)の量が予定残存タイムバッファ(TBRP)より小さく、0.95より小さい、0.70以上のBRP値を生じるはずであることを示すものである。四角630は、残存タイムバッファ(TBR)が予定残存タイムバッファ(TBRP)よりはるかに小さく、0.70より小さいBRP値を生じるはずであることを示すものである。
【0062】
ステップ122では、更新バッファ回復割合(BRP)および/または更新調整バッファ回復割合(BRPA)が、各選択項目のオープンドキュメントのために、一定の報告間隔(RI)においてと、各報告点(RP)において計算される。「オープンドキュメント」という用語は、本明細書で使用する場合、既定のプロセスフローにおける項目のフローの実時間履歴であると定義される。このステップの一例が図4Aおよび図4Bに示されている。前述のように、ステップ122では、ステップ118およびステップ212によって提供されるデータおよび情報も受け取る。またステップ122では、後述するステップ518によって提供される実地バッファ係数(PBF)の情報およびデータも受け取る。更新バッファ回復割合(BRP)および更新調整バッファ回復割合(BRPA)は次式で計算される。
BRP=(TBR/TBRP)、および
BRPA=(TBR/TBRP)PBF
【0063】
図18Fを参照すると、ステップ124で、各オープンドキュメントの更新バッファ回復割合(BRP)および/または更新調整バッファ回復割合(BRPA)が表示装置20上に数値で表示される。
【0064】
ステップ126では、タイムバッファ回復(RTB)の是正措置の計画を開始するために、第1のユーザ定義のBRP値(0.95など)より小さい計算されたバッファ回復割合(BRP)または計算された調整バッファ回復割合(BRPA)を有する項目にフラグを立てる。ステップ127では、タイムバッファ回復(RTB)の実際の是正措置を講じることができるように、第2のユーザ定義のBRP値(0.70など)より小さい計算されたBRPまたは計算されたBRPAを有する項目にフラグを立てる。このステップの例が図4Aに示されている。点線700は、RP1が実際に完了していると報告したときの残存タイムバッファ(TBR)を表す。四角710は、RP1が実際に完了したと報告したときに対応し、その結果、残存タイムバッファ(TBR)は予定(TBRP)より大きく(すなわち、22−4=18)対(22−5=17)、BRP=1.06であるになる。1.06は0.95より大きいため、このBRP値には、是正措置の計画のフラグも、実際の是正措置のフラグも立てられない。四角720は、RP2が完了したと報告されたときの消費タイムバッファが12であり、対応する残存タイムバッファ(TBR)が10(すなわち、22−12=10)であることを識別する。報告されたRP2の完了時の予定残存タイムバッファ(TBRP)の値は13(すなわち22−9=13)であったため、したがって、BRP=10/13=0.77である。よって、タイムバッファ回復(RTB)の是正措置の計画を立てるために、バッファ回復割合BRP=0.77を有する選択項目にフラグが立てられる。四角730は、RP3が完了したと報告されたときの消費タイムバッファが14であり、対応する残存タイムバッファ(TBR)が8(すなわち22−14=8)であることを識別する。報告されたRP3の完了時の予定残存タイムバッファ(TBRP)の値が10であった(すなわち22−12=10)ため、したがって、BRP=8/10=0.80であり、これは、0.95より小さいが、0.70以上である。よって、BRP=0.80を有する選択項目には、タイムバッファ回復(RTB)の是正措置の計画を立てるためにフラグが立てられる。四角740は、RP4が完了したと報告されたときの消費時間が20であり、対応する残存タイムバッファ(TBR)が2(すなわち22−20=2)であることを識別する。報告されたRP4の完了時の予定残存タイムバッファ(TBRP)の値は6(すなわち22−16=6)であったため、したがって、BRP=2/6=0.33であり、これは0.70より小さい。したがって、BRP=0.33を有する選択項目には、タイムバッファ回復(RTB)の実際の是正措置のためにフラグが立てられる。BRP=1.0を有する選択項目には、BRP値が第1のユーザ定義のBRP値0.95より大きいため、是正措置の計画のためのフラグも、実際の是正措置のためのフラグも立てられない。
【0065】
図4Bにおいて、TBR値とTBRP値は、図4Aで使用したものと同じである。この場合、BRP値を計算するのではなく、調整BRP値(BRPA)が計算される。BRPA値は、BRP値に実地バッファ係数(PBF)を掛けて、いくつかの時点、いくつかの報告点(RP)におけるBRP値を下げ、優先順位を上げるためものである。図4Bに示すように、調整バッファ回復割合BRPA=0.85を有する選択項目には、タイムバッファ回復(RTB)の是正措置を計画するためにフラグが立てられる。調整バッファ回復割合BRPA=0.62を有する選択項目と、調整バッファ回復割合BRPA=0.64を有する選択項目と、調整バッファ回復割合BRPA=0.33を有する選択項目にはすべて、タイムバッファ回復(RTB)の実際の是正措置のためにフラグが立てられる。BRP=1.0を有する選択項目には、BRP値が第1のユーザ定義のBRP値0.95より大きいため、是正措置の計画についても実際の是正措置についてもフラグが立てられない。本発明の方法のBRPまたはBRPAに関連する部分は、ステップ127で終了する。ステップ230は、次に説明するように、本発明の方法の推定バッファ消費率(BCRE)に関連する部分を開始する。
【0066】
図5Aおよび図18F1を参照すると、ステップ230では、ユーザに、任意のRPのATBが合計TBの1/3より大きく、かつ/またはRPの(RWC+ATB)が6RIより大きいときにはいつでも、推定バッファ消費率(BCRE)を使用して、項目の2つの報告点(RP)間の推定の進行に関する情報を受け取るオプションを提供する。ステップ231では、ユーザに、ある報告点(RP)から次の報告点(RPi+1)までの項目の進行の遅延の可能性に対して「警報」をトリガするのに使用される第1の推定バッファ消費率(BCRE)値を定義させる。ステップ232では、ユーザに、ある報告点(RP)から次の報告点(RPi+1)までの項目の進行の「状態チェック」のトリガとして使用される第2の推定バッファ消費率(BCRE)を定義させる。
【0067】
ステップ233では、各選択項目のオープンドキュメントのために、各報告点(RP)においてと、報告点(RP)間の一定の報告間隔(RI)において、残存割振りタイムバッファ(ATBR)が計算される。「オープンドキュメント」という用語は、本明細書で使用する場合、既定のプロセスフローにおける項目のフローの実時間履歴であると定義される。前述のように、ステップ233では、ステップ118とステップ212によって提供されるデータおよび情報も受け取る。ステップ234では、各選択項目のオープンドキュメントのために、報告点(RP)間の一定の報告間隔(RI)において、推定バッファ消費率(BCRE)が計算される。ユーザは、キーボード16を介してコンピュータシステム14に、ユーザ定義の第1および第2のBCRE値を入力する。推定バッファ消費率(BCRE)は、次式によって各報告間隔(RI)において計算される。
BCRE=ATBR/ATBRPi+1、および
ATBR=TBRRPi−TBRPRPi+ATBRPi+1−(ΣRIi=0×((ATBRPi+1)/(RWCRPi+1+ATBRPi+1)))、および
n=RPの完了報告後の報告間隔(RI)の数
式中、ATBRは、各報告間隔(RI)において、(ΣRIi=0×((ATBRPi+1)/(RWCRPi+1+ATBRPi+1)))に等しい時間量だけ徐々に減らされる。図5Aおよび図18F1には、第1のユーザ定義のBCRE値が0.67より小さく、0.33より大きく、第2のユーザ定義のBRP値が0.33より小さい場合の例が示されている。
【0068】
図18F2を参照すると、ステップ240で、各選択項目のオープンドキュメントのための推定バッファ消費率(BCRE)が、表示装置20上に数値で表示される。
【0069】
ステップ241では、項目進行における遅延の可能性への「警報」を発するために、第1のユーザ定義のBCRE値(0.67など)より小さい計算されたBCREを有する項目にフラグを立てる。ステップ242では、項目の進行の状態チェックのための措置を講じることができるように、第2のユーザ定義のBRP値(0.33など)より小さい計算されたBCREを有する項目にフラグを立てる。図5Aに示すように、0.67より小さいBCRE値を有する選択項目には、警報のフラグが立てられ、0.33より小さいBCRE値を有する項目には、状態チェックのフラグが立てられる。ステップ250では、次に説明するように、本発明の方法の実際のバッファ消費率(BCR)に関連する部分を開始する。
【0070】
図5Bおよび図18Gを参照すると、ステップ250では、各項目のオープンドキュメントのために、各報告点(RP)において、実際のバッファ消費率(BCR)を計算する。BCRは次式に従って計算される。
BCR=TBR/TB
バッファ消費率(BCR)は、各報告点(RP)が完了したと報告されたときの残存タイムバッファ(TBR)に関連する同じ情報を使用し、それを、予定残存タイムバッファ(TBRP)の量ではなく合計タイムバッファ(TB)で割る。ステップ250の結果の例が図5Bに示されている。
【0071】
ステップ252では、既定のプロセスフローに沿った各報告点(RP)における、各項目ごとのバッファ消費率(BCR)をグラフで表示する。このステップでは、BCRが表示装置20上に表示される。このステップの実施の一例が図6に示されている。
【0072】
ステップ254では、各管理項目ごとに、各報告点(RP)で処理された各ドキュメントごとのバッファ消費率(BCR)の継続的記録を維持する。ステップ254の後、この方法はステップ300とステップ516とに同時に移行する。ステップ300およびステップ516については後で説明する。
【0073】
前述のように、ステップ256では、ステップ118によって提供されるデータおよび情報も受け取る。ステップ256では、管理されるべき各項目ごとに、その項目と関連付けられた各報告点(RP)において、予定バッファ消費率(BCRP)が計算される。BCRPは次式で求められる。
BCRP=TBRP/TB
ステップ256の結果の例が図7に示されている。ステップ256では、計算されたBCRPが表示装置20上に表示される。BCRPの計算および表示の一例が図8に示されている。
【0074】
ステップ258では、各項目のオープンドキュメントのために、その項目と関連付けられた各報告点(RP)において、バッファ消費率(BCR)と予定バッファ消費率(BCRP)の差を計算する。この差は次式で計算される。
BCRDRPi=BCRRPi−BCRPRPi
式中、BCRDRPiは、BCRRPiとBCRPRPiの差である。またこのステップでは、前述のように、ステップ254の結果も受け取る。この差は表示装置20上に表示される。このステップの結果の一例が図9に示されている。ステップ258の後、この方法はステップ260に進む。
【0075】
図9および図18Hを参照すると、ステップ260では、項目のオープンドキュメントのために、その項目と関連付けられた各報告点(RP)において、前の報告点(RP)に対するBCR変動(BCRV)を計算する。このBCRVRPiは次式で計算される。
BCRVRPi=BCRDRPi−BCRDRPi−1
図9には、ステップ260の実施の一例が示されている。ステップ261では、ステップ260によって生成されたデータを受け取り、表示装置20上にBCRVRPi値をグラフで表示するときに、ゼロより小さい(すなわち負の)各BCRVRPi値を強調表示する。
【0076】
この方法は、ステップ260の後でステップ262に進む。ステップ262では、各項目ごとに、その各項目と関連付けられた各報告点(RP)において、処理されたすべてのドキュメントの継続的なBCRDRPiおよびBCRVRPiの記録を維持する。「BCRDRPi」値は、ステップ258で計算された、BCRRPiとBCRPRPiの差である。「BCRVRPi」値は、ステップ260で計算されたBCR変動である。
【0077】
次にステップ264で、ユーザは、タイムフレームを選択し、選択のタイムフレーム内に含まれないすべての需要データを除外する。ユーザは、キーボード16を使用して選択タイムフレームを表すデータを入力する。
【0078】
次に、ステップ264の後で、ステップ266とステップ268が同時に実行される。ステップ266では、BCRVRPi記録を分析して、プロセスフロー内のタイムバッファ(TB)を再割振りするために、発生した負の変動の量に従って報告点(RP)をランク付けし、かつ/または改善策の対象を絞り込む。後述するように、ステップ266では、ステップ306によって提供されるデータおよび情報も受け取る。ステップ266では、所望の対象を絞った局所的改善をもたらす。ステップ268では、BCRVRPi記録が分析されて、プロセスフロー内のTBを再割振りし、かつ/または低減するために、発生した正の変動の量に従って報告点(RP)がランク付けされる。ステップ268で生成される情報およびデータは、後述する本発明の方法のタイムバッファサイズ変更の部分に含まれるステップ310に提供される。
【0079】
本発明の方法のステップ300〜ステップ314では、タイムバッファ(TB)および実地バッファ(PB)のサイズ変更を実施する。前述のように、ステップ254の完了後、この方法は、ステップ256、ステップ300およびステップ516に同時に移行する。ステップ258および後続の方法ステップについてはすでに前述された。図18Iを参照すると、ステップ300では、各管理項目ごとに、処理され、完了した各ドキュメントのBCRの継続的記録が維持される。
【0080】
次にステップ302で、完了した各ドキュメントごとに、完了したすべてについてのドキュメントのBCRFINISHの継続的記録が維持される。
【0081】
ステップ304で、ユーザは、選択のタイムフレーム内に含まれないすべての需要データを除外するのに使用されるタイムフレームを選択する。ユーザは、キーボード16を介してコンピュータシステム14に、この選択のタイムフレームを入力する。
【0082】
ステップ304の後、この方法は、ステップ306とステップ308とに同時に移行する。ステップ306では、各項目ごとのBCRFINISH記録が分析されて、タイムバッファ(TB)のサイズを拡大するために、発生した負の変動の量に従ってタイムバッファ(TB)をランク付けし、かつ/または改善策の対象を絞り込む。ステップ306で生成された情報およびデータは、前述の対象を絞った工程改善策のための方法の一部であるステップ266に提供される。次いでこの方法は、拡大されたTBのサイズに従ってTRRを延長するステップ312に移行する。ステップ312の後、ステップ314では、実地バッファ(PB)をサイズ変更する。一実施形態では、前述の、「Method and System for Determining Buffer Inventory Size」という名称の米国特許出願公開第20060235734号明細書に記載されている方法を使用して実地バッファ(PB)がサイズ変更される。ステップ314によって提供される結果は、所望の全体的改善の対象である。
【0083】
ステップ308では、各項目ごとのBCRFINISH記録が分析されて、タイムバッファ(TB)のサイズを縮小するために、発生した正の変動の量に従ってタイムバッファ(TB)がランク付けされる。
【0084】
ステップ310は、ステップ308後の次のステップであり、前述のステップ268後の次のステップでもある。ステップ310では、縮小されたタイムバッファ(TB)のサイズに従って確実補充時間(TRR)を短縮する。ステップ310の後、この方法は、前述のステップ314に移行する。
【0085】
また本発明の方法は、ある項目の実地バッファパターン(PBP)の設定、分析および調整も可能にする。そのような調整は、PBPに対して、ある項目が確実補充時間(TRR)において既定のプロセスフローを流れる際のその項目の需要パターンにおける変化を特定する場合のそのPBPの有効性を維持するために行われる。これらの機能を果たすために、ステップ400〜ステップ420が実施される。これらのステップは、前述の方法ステップと同時に実行されてもよい。図10A、図10Bおよび図18Jを参照すると、ステップ400では、各管理項目ごとに、確実補充時間(TRR)の各報告間隔ごとの最大期待需要(RIDRIMax)を設定する。前述の同出願人による米国特許出願公開第20060235734号明細書には、報告間隔(RI)の最大需要を求めることができる技法が記載されている。しかし、他の適切な方法を使用して各報告間隔ごとの最大需要(RIDRIMax)が設定されてもよい。図10Aおよび図10Bでは、TRRにおける最大期待需要は、「最大実地バッファサイズ」である「PB Max」で表されている。図10Aでは、9日間のTRRでPB Max=12である。図10Bでは、6日間のTRRでPB Max=10である。ステップ402では、表示装置20上に、図10Aと図10Bとに示される実地バッファパターン(PBP)をグラフで表示する。図10Aおよび図10Bでは、ステップ404で、各項目ごとに、TRR全体にわたる最大報告間隔需要(RIDRIMax)の累積の数値表現を設定する。
【0086】
図11に、図18Jに示すステップ406およびステップ408の実行例を示す。ステップ406では、各項目ごとに、各報告間隔(RI)における各項目のオープンドキュメントの進行を追跡し、TRRの各報告間隔(RI)ごとの実際の報告間隔需要(RIDRI)を設定する。ステップ406で生成されたデータおよび情報は、ステップ408とステップ500とに同時に提供される。ステップ500は、後述する、実地バッファ係数(PBF)に関連する方法ステップの一部を開始する。ステップ408では、次式を使用して、各報告間隔(RI)において、各項目ごとに、累積RIDRIと対応するRIDRIMaxの間の変動(PBPVRIM−RI)を計算する。
PBPVRIM−RI=((ΣRIMRIDRIM−RI−(RIDRIMax))
式中、
「RID」は、報告間隔需要であり、
「RIM」は、そのPBPVRIM−RIが計算されている各RIDRIMaxごとの報告間隔であり、
「RIDRIMax」は、TRR全体にわたる各RIMにおける最大報告間隔需要であり、
「PBPVRIM−RI」は、累積RIDRIと対応するRIDRIMaxの間の変動であり、
「i」は、RIDi=1からRIDi=RIMまでの個々のRIDを合計することによって各報告間隔(RI)における累積RIDRIM−RIを計算するのに使用される指数である。
【0087】
図12および図18Kを参照すると、ステップ421では、各項目ごとに、各報告間隔(RI)において、処理されたすべてのドキュメントの継続的PBPVRIM−RI記録を維持する。ステップ421で生成されたデータおよび情報は、ステップ422とステップ414とに同時に提供される。ステップ414では、後述する、実地バッファパターン(PBP)の調整に関連する方法ステップの部分を開始する。
【0088】
ステップ422では、各管理項目ごとに、要求日付、履行された量および日付、または要求が撤回された日付を含む、その項目のNIS(在庫なし)ドキュメントの継続的記録を維持する。またこのステップでは、前述のステップ204によって生成されたデータおよび情報も受け取る。
【0089】
ステップ422の後、この方法は、ステップ424とステップ514とに同時に移行する。ステップ424では、タイムフレームを選択し、選択のタイムフレーム内に含まれないすべての需要データを除外する。ステップ426では、PBPVRIM−RI記録が分析されて、在庫なし状況に従ってPBのサイズを拡大するために、発生の大きさと頻度の両方においてPBより大きい、発生した正の変動の量に従ってΣPBPVRIM−RI値がランク付けされる。ステップ426の実行例は図12に示されている。ステップ426の後、ステップ314では、実地バッファ(PB)をサイズ変更する。一実施形態では、前述の、「Method and System for Determining Buffer Inventory Size」という名称の米国特許出願公開第20060235734号明細書に記載されている方法を使用して実地バッファ(PB)がサイズ変更される。ステップ314によって提供される結果は、所望の全体的改善の対象である。
【0090】
前述のように、ステップ421の後、工程はステップ414とステップ422とに同時に移行する。ステップ422およびその後続の各ステップについては前述された。以下の説明は、図18Lステップ414およびその後続のステップに関するものである。ステップ414では、タイムフレームを選択し、選択のタイムフレーム内に含まれないすべての需要データを除外する。ステップ414の後、ステップ416とステップ418とが同時に実行される。
【0091】
ステップ416では、PBPVRIM−RI記録が分析されて、実地バッファパターン(PBP)の周囲を狭めるために、発生の大きさと頻度の両方において、発生した負の変動の量に従ってPBPVRIM−RI値がランク付けされる。ステップ418では、PBPVRIM−RI記録が分析されて、PBPの周囲を広げるために、発生の大きさと頻度の両方において、PBより小さい発生した正の変動の量に従ってPBPVRIM−RI値がランク付けされる。ステップ416の実行例が図14に示されており、ステップ418が図13に示されている。ステップ426、ステップ416、およびステップ418の後、ステップ420では、PBPの周囲に対して適切な調整を加える。
【0092】
前述のように、ステップ406の後、工程は、ステップ408とステップ500とに同時に移行する。ステップ408およびその後続のステップについては前述された。以下の説明は、ステップ500およびその後続のステップに関するものである。ステップ500は、実地バッファ係数(PBF)の計算をもたらす一連のステップにおける第1のステップである。ステップ500〜ステップ510が図18Mおよび図18Nに示されており、ステップ500〜ステップ510のグラフによる実行例が図15に示されている。
【0093】
ステップ500では、ユーザに、接近しつつある最大範囲要件(maximum coverage requirement)の見込みRIDRIMax−x(すなわち、x=1−n)量を決定するのにどのRIM(すなわち、x=1−n)が使用されるべきか選択させる。
【0094】
ステップ501では、各管理項目ごとに、ユーザに、接近しつつある最大範囲要件の見込みタイミングを決定するために選択RIDRIMax−xと併せて使用されるべき、初期の発生間時間間隔(TBORIMax−x)を設定させる。前述の同出願人による米国特許出願公開第20060235734号明細書に記載されている方法を実施する間に、初期のRIDRIMax−x発生間時間間隔(TBORIMax−x)を設定する際に使用するための特定のデータを抽出することができる。しかし、初期のRIDRIMax−x発生間時間間隔(TBORIMax−x)を設定するのに、他の適切な技法または方法が使用されてもよい。
【0095】
ステップ502では、各管理項目ごとに、RIDRIMax−x発生間時間間隔(TBORIMax−x)に対するRIDRIMax−x発生回数の継続的記録を維持する。ステップ504では、ユーザに、更新TBORIMax−xを求めるのに使用されるべきRIDRIMax−x報告間隔係数(RIF)を定義させる。例えば、ユーザは、接近しつつある最大範囲要件の見込みタイミングを決定するのに使用されるべき更新TBORIMax−xを設定するために、TBORIMax−xの分布と併せて使用されるべき、RIDRIMax−x発生の割合(90%など)に等しいRIFを選択することができる。
【0096】
ステップ506では、各項目ごとに、最後のRIDRIMax−x発生後の設定TBORIMax−xのユーザ定義の割合に従った各報告間隔(RI)において、RIDRIMax−xの量以上の総量を求めて最大RIDが加算される。
【0097】
ステップ508では、最後のRIDRIMax−x発生後の設定TBORIMax−xのユーザ定義の割合に従った各報告間隔(RI)において、各項目ごとに実地バッファ係数(PBF)を求める。PBFは次式で求められる。
PBF=[1−(LRID/TRI)]
式中、
「PBF」は、実地バッファ係数であり、
「LRID」は、RIDRIMax−x以上の量に到達するのに必要とされる最大RIDの数であり、
「TRI」は、TRRにおけるRIの総数である。
【0098】
次のステップ、ステップ510では、ユーザに、合計でRIDRIMax−xから実地バッファ(PB)の手持ち量を差し引いた量になる項目のオープンドキュメントのBRP値を調整することによって優先順位の上昇をトリガするのに使用されるPBF閾値(<0.67など)を定義させる。
【0099】
ステップ514では、ユーザに、NIS量に等しい量でNISになる項目のBRP値を調整することによって優先順位を上げるのに使用されるユーザ定義の値(0.50など)を用いて、PBFNISと呼ばれるPBFへの在庫なし(NIS)調整を定義させる。図16には、ステップ514の実行例が示されている。
【0100】
ステップ514の後、ステップ516が実施される。前述のように、ステップ254の実施後、この方法は同時にステップ516に移行する。ステップ516では、ユーザに、正のBCRを有するある項目のオープンドキュメントのBRP値を調整することによって優先順位を上げるのに使用される、PBF−BCRと呼ばれる、PBFへの負のバッファ消費率(BCR)調整を適用させる。PBF−BCR値は次式で求められる。
PBF−BCR=(((PB)−(QBCR<0))/PB)
式中、
「PBF−BCR」は、PBFに対する負のBCR調整であり、
「QBCR」は、BCR<0を有する部品の数であり、
「PB」は、現在の実地バッファサイズである。
図16には、ステップ516の実行例が示されている。
【0101】
ステップ518では、各項目のオープンドキュメントのために、各報告間隔(RI)において、あらゆる(NIS)または(−BCR)調整を含むPBFを計算する。また図16には、このステップの実行例も示されている。
【0102】
ステップ518の後、計算されたPBFが、図18Eに示されている、前述のステップ122に提供される。
【0103】
以上では本発明を完全に機能するデータ処理のシステムおよび方法の状況において説明しているが、本発明の各工程は、命令のコンピュータ可読媒体として様々な形で配布することができること、および本発明は、配布を実行するのに実際に使用される特定の種類の信号搬送媒体とは無関係に、等しく適用されることを、当業者は理解する。コンピュータ可読媒体の例には、フロッピー(登録商標)ディスク、ハード・ディスク・ドライブ、RAM、CD−ROMなどの記録可能型媒体、およびディジタル/アナログ通信リンクなどの伝送型媒体が含まれる。
【0104】
以上の明細書においては、本発明の原理、好ましい実施形態および動作モードが説明されている。しかし、本明細書において保護されるべき発明は、開示の特定の形態だけに限定されるものと解釈すべきではなく、これらの形態は、限定ではなく例示のためのものとみなすべきである。当業者によれば、本発明の趣旨を逸脱することなく変形および変更が行われ得る。いずれにしても、本発明の範囲は、どんな特定の実施形態よりはるかに広いものであるため、以上の詳細な説明は、本発明を限定するものと解釈すべきではなく、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕掛りの相対的優先順位を決定し、工程改善の対象を絞り込む方法であって、
既定のプロセスフローに含まれる特定の項目を選択するステップと、
前記特定の項目と、前記既定のプロセスフローにおける前記特定の項目の進行に関連するトランザクションデータを利用するステップと、
前記トランザクションデータから、一定の報告間隔(RI)におよび各報告点(RP)において捕捉された特定のトランザクションデータを抽出するステップと、
前記既定のプロセスフローに沿った前記選択項目の予定の進行を表すデータを提供するステップと、
前記抽出トランザクションデータを処理して前記既定のプロセスフローに沿った前記選択項目の実際の進行を確認し、前記既定のプロセスフローにおける前記選択項目の前記実際の進行と前記選択項目の前記予定の進行とを比較するステップと、
前記選択項目の前記実際の進行と前記選択項目の前記予定の進行の間の変動を求めるステップと、
前記既定のプロセスフローに沿った前記選択項目の前記進行についての合計予定タイムバッファ(TB)を提供するステップと、
前記求められた変動を処理して、前記合計予定タイムバッファ(TB)に対する実際の下流残存タイムバッファ(TBR)量を計算するステップと、
各報告点(RP)における前記実際の下流残存タイムバッファ(TBR)量と予定の下流残存タイムバッファ(TBRP)量とを比較し、前記選択項目のバッファ回復割合(BRP)を与える比率であるTBR/TBRPを計算するステップと、
あらゆる項目について、前記項目が既定のプロセスフローにおいてある報告点(RP)から別の報告点(RP)まで進行する際の前記バッファ回復割合(BRP)を求め、すべての項目に対し、最低の前記バッファ回復割合(BRP)を有する項目が最高の優先順位を有する相対的優先順位を設定するステップとを含む、方法。
【請求項2】
前記実際の下流残存タイムバッファ(TBR)量と前記合計予定タイムバッファ(TB)に基づいてタイムバッファ消費率(BCR)を計算するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
各報告点(RP)間の各報告間隔(RI)における推定の下流残存割振りタイムバッファ(ATBR)量と、割振りタイムバッファ(ATB)に基づいて推定タイムバッファ消費率を計算するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記合計予定タイムバッファ(TB)に対する前記予定の下流残存タイムバッファ(TBRP)量に基づいて予定バッファ消費率(BCRP)を計算するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
合計予定タイムバッファ(TB)を提供する前記ステップは前記選択項目の確実補充時間(TRR)を利用するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記選択項目のトランザクションデータを利用する前記ステップは、
前記選択項目が前記既定のプロセスフローに沿って進行するのをモニタするステップと、
前記選択項目の前記既定のプロセスフローに沿った進行を表すトランザクションデータを利用するステップと、
前記トランザクションデータをデータ記憶資源に記憶するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記データ記憶資源はコンピュータを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記選択項目の前記実際の進行と前記選択項目の前記予定の進行の間の前記求められた変動を表示装置上に表示するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記合計予定タイムバッファ(TB)と前記実際の下流残存タイムバッファ(TBR)量を表示装置上に表示するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記TBR/TBRPの比率を前記バッファ回復割合(BRP)として表示装置上に表示するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
各選択項目ごとに、
選択項目が通過するすべての工程ステップを特定するステップと、
全体工程におけるすべての工程ステップを完全に実行するための必要作業内容(RWC)を確認するステップと、
すべての工程ステップを完了するのに必要とされる総時間量TTOTALを求めるステップと、
前記総時間量TTOTALを合計タイムバッファ(TB)と併せて使用して、前記必要作業内容(RWC)を完了するための確実補充時間(TRR)を求めるステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
各選択項目ごとに、確実補充時間(TRR)を提供するステップをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記確実補充時間(TRR)を提供する前記ステップは、データベースから前記確実補充時間(TRR)を検索するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記確実補充時間(TRR)を提供する前記ステップは、前記確実補充時間(TRR)を計算するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
各選択項目の既定のプロセスフローにおける各報告点(RP)を特定するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
各報告点(RP)における前記予定残存タイムバッファ(TBRP)を計算するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
各選択項目ごとに、
前記プロセスフローに入る各選択項目ごとのドキュメント開始時刻を検索するステップと、
各選択項目のオープンドキュメントのために、前記選択項目の開始時刻に前記選択項目と関連付けられた前記確実補充時間(TRR)を加えたものに等しい、前記選択項目が完了する予定の期間Tを計算するステップと、
各選択項目のオープンドキュメントのために、前記選択項目が各報告点(RP)において完了した時刻を検索するステップと、
各選択項目のオープンドキュメントのために、各報告点(RP)における残存タイムバッファ(TBR)を求めるステップとをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
各報告点(RP)における前記残存タイムバッファ(TBR)を求める前記ステップは、
各工程ステップおよび報告点(RP)ごとに、必要作業内容(RWC)および割振りタイムバッファ(ATB)を割り当てるのに使用される日次作業カレンダ(DWC)を設定するステップと、
前記報告点(RP)を含む、前記報告点(RP)に至るすべての工程ステップの前記必要作業内容(RWC)を合計するステップと、
各項目のオープンドキュメント予定開始時刻と、各報告点(RP)の日次作業カレンダ(DWC)、合計必要作業内容(RWC)および合計割振りタイムバッファ(ATB)とに従って、各報告点(RP)ごとの予定開始日時および予定終了日時を設定するステップと、
完了した各報告点(RP)ごとに、前記報告点(RP)完了日時が、前記報告点(RP)の予定開始日時の前か、前記報告点(RP)の予定開始日時と予定終了日時の間か、前記報告点(RP)の予定終了日時の後、ドキュメント予定終了日時の前か、または前記ドキュメント予定終了日時の後か判定するステップと、
予前記報告点(RP)の定開始日時の前、前記報告点(RP)の予定開始日時と予定終了日時の間、および前記報告点(RP)の予定終了日時の後、前記ドキュメント予定終了日時の前に完了した各RPごとに、前記RPの実際の完了日時からの、残りの未使用のRWC、ATBおよびSTBの予定時間を合計することによって、前記残存タイムバッファ(TBR)を計算するステップと、
前記ドキュメント予定終了日時の後に完了した各RPごとに、前記ドキュメントの予定完了日時から前記RPの実際の完了日時までの利用可能な日次作業カレンダ(DWC)日数と、まだ完了していないRPの残りのRWCとを加算することによって、負の前記残存タイムバッファ(TBR)を計算するステップとを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
2つの報告点(RP)間の各報告間隔(RI)における残存割振りタイムバッファ(ATBR)を計算するステップをさらに含み、前記残存割振りタイムバッファ(ATBR)を計算する前記ステップは、
後続の報告点(RP)の前記割振りタイムバッファ(ATB)を、先の報告点(RP)の前記残存タイムバッファ(TBR)と前記予定残存タイムバッファ(TBRP)の差と加算するステップと、
各報告間隔(RI)ごとに、前記後続の報告点(RP)の必要作業内容(RWC)と前記割振りタイムバッファ(ATB)の和に対する前記後続の報告点(RP)の割振りタイムバッファ(ATB)の比と、前記後続の報告点(RP)の必要作業内容(RWC)と前記割振りタイムバッファ(ATB)の和に等しくなるのに必要とされる報告間隔(RI)の数とに比例する推定タイムバッファ消費量を差し引くステップとを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記残存タイムバッファ(TBR)および前記タイムバッファ(TB)を処理してバッファ消費率(BCR)を提供するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記先の報告点(RP)の前記残存割振りタイムバッファ(ATBR)および前記後続の報告点(RP)の前記割振りタイムバッファ(ATB)を処理して推定バッファ消費率(BCRE)を提供するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記処理するステップは、処理資源において、数学演算BCR=TBR/TBを実施するステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記処理するステップは、処理資源において、数学演算BCRE=ATBR/ATBを実施するステップを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
各選択項目ごとに、各報告点(RP)において処理された各ドキュメントごとのバッファ消費率(BCR)の継続的記録を維持するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項25】
予定残存タイムバッファ(TBRP)を提供するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項26】
各選択項目ごとに、前記選択項目と関連付けられた各報告点(RP)において、予定バッファ消費率(BCRP)を計算するステップをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記予定バッファ消費率(BCRP)を計算する前記ステップは、処理資源において、数学演算BCRP=TBRP/TBを実施するステップを含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
各選択項目のオープンドキュメントのために、前記選択項目と関連付けられた各報告点(RP)において、バッファ消費率(BCR)と前記予定バッファ消費率(BCRP)の差を計算するステップをさらに含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記バッファ消費率(BCR)と前記予定バッファ消費率(BCRP)の前記差を計算する前記ステップは、処理資源において、数学演算
BCRDRPi=BCRRPi−BCRPRPiを実施するステップを含み、
式中、
「BCRRPi」は、各報告点「i」において計算される前記バッファ消費率であり、
「BCRPRPi」は、各報告点「i」において計算される前記予定バッファ消費率であり、
「BCRDRPi」は、各報告点「i」における、前記BCRRPiと前記BCRPRPiの前記差である、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
各選択項目のオープンドキュメントのために、前記選択項目と関連付けられた各報告点(RP)において、式
BCRVRPi=BCRDRPi−BCRDRPi−1
に従って前の報告点に対するバッファ消費率変動(BCRV)を計算するステップをさらに含み、式中、
「BCRDRPi」は、各報告点「i」における、前記BCRRPiと前記BCRPRPiの前記差であり、
「BCRDRPi−1」は、前の各報告点「i−1」における、前記BCRRPiと前記BCRPRPiの前記差であり、
「BCRVRPi」は、各報告点「i」におけるバッファ消費率変動である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
各選択項目ごとに、前記選択項目と関連付けられた各報告点(RP)において、処理されたすべてのドキュメントについての継続的なBCRDRPiおよびBCRVRPiの記録を維持するステップをさらに含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
BCRVRPi記録を分析して、前記プロセスフロー内の前記タイムバッファ(TB)を再割振りするために、発生した負の変動の量に従って前記各報告点(RP)をランク付けし、かつ/または改善策の対象を絞り込むステップと、
BCRVRPi記録を分析して、前記プロセスフロー内の前記タイムバッファ(TB)を再割振りし、かつ/または低減するために、発生した正の変動の量に従って前記各報告点(RP)をランク付けするステップとをさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
各選択項目ごとに、処理され、仕上げられた各ドキュメントごとの前記バッファ消費率(BCR)(BCRFINISH)の継続的記録を維持するステップと、
各完了ドキュメントごとに、処理され、仕上げられた各ドキュメントごとの前記バッファ消費率(BCR)(BCRFINISH)の継続的記録を維持するステップとをさらに含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
各項目ごとのBCRFINISH記録を分析して、前記タイムバッファ(TB)のサイズを拡大するために、発生した負の変動の量に従ってタイムバッファ(TB)をランク付けし、かつ/または改善策の対象を絞り込むステップと、
前記タイムバッファ(TB)の前記拡大されたサイズに従って前記確実補充時間(TRR)を延長するステップと、
前記延長された確実補充時間(TRR)および前記拡大されたタイムバッファ(TB)に従って実地バッファ(PB)をサイズ変更するステップと、
前記各項目ごとのBCRFINISH記録を、各報告点(RP)からの負のBCRVRPi記録と併せて分析して、全体的結果の観点から局所的改善策の対象をさらに絞り込むステップとをさらに含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記各項目ごとのBCRFINISH記録を分析して、前記タイムバッファ(TB)のサイズを縮小するために、発生した正の変動の量に従って前記タイムバッファをランク付けするステップと、
前記タイムバッファ(TB)の前記縮小されたサイズに従って前記確実補充時間(TRR)を短縮するステップと、
前記短縮された確実補充時間(TRR)および前記縮小されたタイムバッファ(TB)に従って前記実地バッファ(PB)をサイズ変更するステップとをさらに含む、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
各管理項目ごとに、前記確実補充時間(TRR)における各報告間隔ごとの最大期待需要(RIDRIMax)を設定するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項37】
各選択項目ごとに、前記確実補充時間(TRR)全体にわたる最大報告間隔需要(RIDRIMax)の累積の数値表現を設定するステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
各選択項目ごとに、各報告間隔(RI)における前記選択項目のオープンドキュメントの進行を追跡するステップと、前記確実補充時間(TRR)の各報告間隔(RI)ごとの実際の報告間隔需要(RIDRI)を設定するステップとをさらに含む、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
管理されるべき各項目ごとに、各報告間隔(RI)において、前記累積報告間隔需要(RIDRI)と対応する前記最大報告間隔需要(RIDRIMax)の間の実地バッファパターン変動(PBPVRIM−RI)を計算するステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
各選択項目ごとに、各報告間隔(RI)において、前記計算された実地バッファパターン変動(PBPVRIM−RI)を維持するステップをさらに含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
各管理項目ごとに、前記各項目のNIS(在庫なし)ドキュメントの継続的記録を維持するステップをさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記計算された実地バッファパターン変動(PBPVRIM−RI)を分析して、対応する在庫なし状況に従って前記実地バッファ(PB)のサイズを拡大するために、発生の大きさと頻度の両方において前記実地バッファ(PB)より大きい発生した正の変動の量に従って前記計算された実地バッファパターン変動(PBPVRIM−RI)をランク付けするステップと、
次いで、前記現在の実地バッファ(PB)をサイズ変更するステップとをさらに含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記計算された実地バッファパターン変動(PBPVRIM−RI)を分析して、前記実地バッファパターン(PBP)の周囲を狭めるために、発生の大きさと頻度の両方において、発生した負の変動の量に従って前記計算された実地バッファパターン変動(PBPVRIM−RI)をランク付けするステップと、
前記計算された実地バッファパターン変動(PBPVRIM−RI)を分析して、前記実地バッファパターン(PBP)の周囲を広げるために、発生の大きさと頻度の両方において、前記実地バッファ(PB)より小さい発生した正の変動の量に従って前記計算された実地バッファパターン変動(PBPVRIM−RI)をランク付けするステップと、
次いで、前記実地バッファパターン(PBP)の周囲を調整するステップとをさらに含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
接近しつつある最大範囲要件の見込み量を決定するのに使用されるべき最大報告間隔需要(RIDRIMax−x)の報告間隔(RI)の数(xなど)を提供するステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項45】
接近しつつある最大範囲要件の見込みタイミングを決定するのに前記選択のRIDRIMax−xと併せて使用されるべき初期のRIDRIMax−x発生間時間間隔(TBORIMax−x)を提供するステップをさらに含む、請求項36に記載の方法。
【請求項46】
各選択項目ごとに、前記RIDRIMax−x発生間時間間隔(TBORIMax−x)を記録するステップをさらに含む、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
最後に発生したRIDRIMax−x後の接近しつつある最大範囲要件の見込みタイミングを決定するのに使用されるべき更新RIDRIMax−x発生間時間間隔(TBORIMax−x)を設定するために、前記TBORIMax−xの分布と併せて使用されるべき、前記RIDRIMax−x発生の割合である前記更新TBORIMax−xを求めるためのRIDRIMax−x報告間隔係数(RIF)を提供するステップをさらに含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
各選択項目ごとに、前記最後のRIDRIMax−x発生後の前記設定されたTBORIMax−xのユーザ定義の割合に従った報告間隔(RI)において、最大報告間隔需要(LRID)を加算して、RIDRIMax−xの量以上の総量を得るステップをさらに含む、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記確実補充時間(TRR)における報告間隔の総数(TRI)を求めるステップと、
前記確実補充時間(TRR)においてRIDRIMax−x以上の量に到達するのに必要とされる最大報告間隔需要(LRID)の総数を求めるステップと、
前記TRIおよび前記LRIDを処理して実地バッファ係数(PBF)を生成するステップとをさらに含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記TRIおよび前記LRIDを処理するステップは、処理資源において、数学演算PBF=[1−(LRID/TRI)]を実施するステップを含む、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
合計でRIDRIMax−xから実地バッファ(PB)の手持ち量を差し引いた量になる項目のオープンドキュメントのバッファ回復割合(BRP)値を調整することよって優先順位の上昇をトリガするのに使用するための実地バッファ係数(PBF)閾値係数を提供するステップをさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
在庫なし(NIS)量に等しい量で在庫なしになる項目のBRP値を調整することによって優先順位を上げるのに使用される実地バッファ係数への在庫なし(NIS)調整値(PBFNIS)を提供するステップをさらに含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
正のバッファ消費率(BCR)を有する選択項目のオープンドキュメントのBRP値を調整することによって優先順位を上げるのに使用される実地バッファ係数に負のバッファ消費率(BCR)調整を適用するステップをさらに含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
現在の実地バッファ(PB)を提供するステップと、
管理項目のバッファ消費率(BCR)を求めるステップと、
バッファ消費率(BCR)<0を有する管理項目の数を求めるステップと、
前記現在の実地バッファ(PB)を表すデータと、バッファ消費率(BCR)<0を有する管理項目の前記求められた数とを処理して、負のバッファ消費率調整値を与えるステップとをさらに含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記現在の実地バッファ(PB)を表すデータと、バッファ消費率(BCR)<0を有する管理項目の前記求められた数とを処理する前記ステップは、処理資源において、式
PBF−BCR=(((PB)−(QBCR<0))/PB)を実行するステップを含み、
式中、「PBF−BCR」は、前記PBFに対する前記負のBCR調整であり、
「QBCR」は、BCR<0を有する部品の数であり、
「PB」は、前記現在の実地バッファである、請求項53に記載の方法。
【請求項56】
各選択項目ごとに、各報告間隔(RI)において、あらゆる在庫なし調整または負のBCR調整を含む実地バッファ係数(PBF)を計算するステップをさらに含む、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
仕掛りの相対的優先順位を決定し、工程改善の対象を絞り込むシステムであって、
コンピュータプログラム命令を実行するように動作可能なプロセッサと、
前記プロセッサが実行することのできる、
既定のプロセスフローに含まれる特定の項目を選択するステップと、
前記特定の項目と、前記既定のプロセスフローにおける前記特定の項目の進行に関連するトランザクションデータを利用するステップと、
前記トランザクションデータから、一定の報告間隔(RI)および各報告点(RP)において捕捉された特定のトランザクションデータを抽出するステップと、
前記既定のプロセスフローに沿った前記選択項目の予定の進行を表すデータを提供するステップと、
前記抽出トランザクションデータを処理して前記既定のプロセスフローに沿った前記選択項目の実際の進行を確認し、前記既定のプロセスフローにおける前記選択項目の前記実際の進行と前記選択項目の前記予定の進行とを比較するステップと、
前記選択項目の前記実際の進行と前記選択項目の前記予定の進行の間の変動を求めるステップと、
前記既定のプロセスフローに沿った前記選択項目の前記進行についての合計予定タイムバッファ(TB)を提供するステップと、
前記求められた変動を処理して、前記合計予定タイムバッファ(TB)に対する実際の下流残存タイムバッファ(TBR)量を計算するステップと、
各報告点(RP)における前記実際の下流残存タイムバッファ(TBR)量と予定の下流残存タイムバッファ(TBRP)量とを比較し、前記選択項目のバッファ回復割合(BRP)を与える比率であるTBR/TBRPを計算するステップと、
あらゆる項目について、前記項目が既定のプロセスフローにおいてある報告点(RP)から別の報告点(RP)まで進行する際の前記バッファ回復割合(BRP)を求め、すべての項目に対し、最低の前記バッファ回復割合(BRP)を有する項目が最高の優先順位を有する相対的優先順位を設定するステップとを実行するコンピュータプログラム命令を記憶するように動作可能なメモリとを備える、システム。
【請求項58】
電子データ処理システムにおいて、仕掛りの相対的優先順位を決定し、工程改善の対象を絞り込む方法を実行するコンピュータプログラムであって、
コンピュータ可読媒体と、
プロセッサによって実行される、前記コンピュータ可読媒体上に記録された、
既定のプロセスフローに含まれる特定の項目を選択するステップと、
前記特定の項目と、前記既定のプロセスフローにおける前記特定の項目の進行に関連するトランザクションデータを利用するステップと、
前記トランザクションデータから、一定の報告間隔(RI)および各報告点(RP)において捕捉された特定のトランザクションデータを抽出するステップと、
前記既定のプロセスフローに沿った前記選択項目の予定の進行を表すデータを提供するステップと、
前記抽出トランザクションデータを処理して前記既定のプロセスフローに沿った前記選択項目の実際の進行を確認し、前記既定のプロセスフローにおける前記選択項目の前記実際の進行と前記選択項目の前記予定の進行とを比較するステップと、
前記選択項目の前記実際の進行と前記選択項目の前記予定の進行の間の変動を求めるステップと、
前記既定のプロセスフローに沿った前記選択項目の前記進行についての合計予定タイムバッファ(TB)を提供するステップと、
前記求められた変動を処理して、前記合計予定タイムバッファ(TB)に対する実際の下流残存タイムバッファ(TBR)量を計算するステップと、
各報告点(RP)における前記実際の下流残存タイムバッファ(TBR)量と予定の下流残存タイムバッファ(TBRP)量とを比較し、前記選択項目のバッファ回復割合(BRP)を与える比率であるTBR/TBRPを計算するステップと、
あらゆる項目について、前記項目が既定のプロセスフローにおいてある報告点(RP)から別の報告点(RP)まで進行する際の前記バッファ回復割合(BRP)を求め、すべての項目に対し、最低の前記バッファ回復割合(BRP)を有する項目が最高の優先順位を有する相対的優先順位を設定するステップとを実行するコンピュータプログラム命令と
を備える、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図18D1】
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【図18E】
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【図18F】
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【図18F1】
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【図18F2】
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【図18G】
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【図18H】
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【図18I】
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【図18J】
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【図18K】
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【図18L】
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【図18M】
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【図18N】
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【公表番号】特表2011−511385(P2011−511385A)
【公表日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−545905(P2010−545905)
【出願日】平成21年1月5日(2009.1.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/030163
【国際公開番号】WO2009/099686
【国際公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【出願人】(507339696)アヴラハム ワイ ゴールドラット インスティテュート、リミテッド パートナーシップ (2)
【Fターム(参考)】