説明

付形した粒子含有不織布ウェブを利用するフィルタ要素

あるフィルタ要素が、多孔質の保形自立性の不織布ウェブを利用する。このウェブは、熱可塑性エラストマーポリマー繊維と、その繊維内に配置された活性粒子とを含む。このウェブはまた、3次元変形を有する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、広義には、付形した粒子含有不織布ウェブを利用するフィルタ要素に関する。より具体的には、本開示は、保形自立性の不織布ウェブを含むフィルタ要素に関し、そのウェブは3次元変形を有するものである。本開示はまた、そのようなフィルタ要素を含む呼吸用保護システムに関する。
【0002】
蒸気及び他の有害な空中浮揚物質の存在下で使用するための呼吸用保護装置は、多くの場合、吸着剤粒子を含有する濾過要素を用いている。そのような濾過要素の設計は、通気抵抗、サージ耐力、耐用寿命、重量、厚さ、全体的大きさ、振動又は摩擦などの損傷を与え得る力に対する耐性、及びサンプル間の変動など、時には矛盾する要素の調和を必要とすることがある。吸着剤粒子を添加した繊維ウェブは、多くの場合、小さな通気抵抗と他の利点を有する。
【0003】
吸着剤粒子を添加した繊維ウェブが、カップ状に成形された呼吸用保護具に組み込まれてきた。例えば、ブラウン(Braun)への米国特許第3,971,373号を参照されたい。そのような呼吸用保護装置の典型的な構造は、1対の保形層の間に置かれた、1層以上の粒子含有及び粒子保持層を含む。例えば、スプリンゲット(Springett)らへの米国特許第6,102,039号を参照されたい。保形層は、この保形層がなければ比較的柔軟である中間層に構造的完全性を与えるものであり、そのため、全体としての組立体はカップ状の形状を保持することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
有利な性能特性、構造的完全性、簡潔な構造を有し、かつ製造がより容易である濾過要素が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、多孔質の保形自立性の不織布ウェブを利用するフィルタ要素に関する。このウェブは、熱可塑性エラストマーポリマー繊維と、その繊維内に配置された活性粒子とを含み、このウェブはまた3次元変形を有する。一実現形態において、3次元変形は、ウェブの厚さ方向に沿って密度が均一であることを特徴とする。別の実現形態において、この3次元変形は、変形の全体にわたって少なくとも1つの方向に沿って5倍以下で変動する厚さを特徴とする。更なる別の実現形態において、この3次元変形は、その位置におけるウェブの厚さの少なくとも0.5倍、平面的な形状構成から逸脱することを特徴とする凹形表面を有する。
【0006】
本発明は、添付の図面と共に、本発明のさまざまな実施形態に関する以下の詳細な説明を考慮すれば、より完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本開示に従う多孔質不織布ウェブの一部分の概略斜視図。
【図2】ある例示的なフィルタ要素の断面の概略斜視図であり、このフィルタ要素は3次元変形を有する保形自立性の不織布ウェブを利用するもの。
【図3】別の例示的なフィルタ要素の断面の概略斜視図であり、このフィルタ要素は3次元変形を有する保形自立性の不織布ウェブを含むもの。
【図4】別の例示的なフィルタ要素の断面の概略斜視図であり、このフィルタ要素は3次元変形を有する保形自立性の不織布ウェブを含むもの。
【図5】別の例示的なフィルタ要素の断面の概略図であり、このフィルタ要素は2つ以上の3次元変形を有する保形自立性の不織布ウェブを含むもの。
【図6】カートリッジ内に配設された、本開示に従う例示的なフィルタ要素の概略横断面図。
【図7】図6に示すフィルタ要素を利用する例示的な呼吸用保護システムの斜視図。
【図8】図3に示す本開示に従う例示的なフィルタ要素を利用する使い捨て呼吸用保護装置の、部分的に破断図とした斜視図。
【図9】図4に示す本開示に従う例示的なフィルタ要素を利用する、集合保護システムにおける使用に好適なものなどの放射状濾過システムの横断面図。
【図10】本開示に従う、3次元変形を有する保形自立性の不織布ウェブを作製する例示的な方法を示す。
【0008】
図は必ずしも一定の縮尺ではない。図で用いられている同様の符号は、同様の構成要素を指す。しかしながら、所与の図における構成要素を指すために符号を用いることは、同じ符号で記された、別の図における構成要素を限定することを意図したものではない。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明において、添付の図面を参照するが、それらの図面は本願の一部をなすものであり、また、いくつかの特定の実施形態を実例として示すものである。他の実施形態も企図され、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく作られ得ることが理解されよう。したがって、以下の詳細な説明は限定的な意味で解釈されるものではない。
【0010】
本明細書で用いられるすべての科学的用語及び技術的用語は、特に明記しない限り、当該技術分野において広く用いられている意味を有するものである。本明細書にて提供される定義は、本明細書でしばしば使用されるある種の用語の理解を促進しようとするものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
【0011】
特に明記しない限り、本明細書及び特許請求の範囲において用いられる、機構の大きさ、数量、及び物理特性を表すすべての数値は、いかなる場合にも「約」という用語で修飾されるものとして理解される。したがって、そうでない旨を明記しない限り、先の明細書及び添付の特許請求の範囲に記載された数値的指標は、本願において開示される教示を利用する当業者が得ようと求める所望の特性に応じて変化し得る概算値である。
【0012】
数値の範囲を端点によって列挙したものは、その範囲に包含されるすべての数値(例えば、1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、及び5を含む)及びその範囲内の任意の範囲を含む。
【0013】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用するとき、その内容に別段の明確な指示がない限り、「a」、「an」、及び「the」という単数形には、複数の指示物を有する実施形態が包含される。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用するとき、その内容に別段の明確な指示がない限り、「又は」という用語は概して、「及び/又は」を含めた意味で用いられている。
【0014】
本開示の例示的な実施形態は、多孔質の保形自立性の不織布ウェブを利用するものであり、そのウェブは、熱可塑性エラストマーポリマー繊維と、その繊維内に捕らえられた活性粒子とを含むものである。本開示に従うウェブは、例えば成形プロセスによってウェブに付与され得る3次元的な形状又は変形を特徴とする。
【0015】
本開示は、既存の技術では達成が非常に困難である性能及び設計上の特徴により、呼吸用保護具において使用される付形された成形フィルタ要素の生産を容易にすると予想される。付形されたフィルタ要素、つまり樹脂結合質炭素粒子を作製するための主な既存の技術は、微細に粉砕された樹脂粒子を炭素粒子と結合させ、次いでそれらを熱及び圧力の下で付形することを伴う。炭素を添加されたそのような付形物は、多くの場合、フィルタベッドにおいて使用される。しかしながら、この既存の技術は様々な欠点を有している。例えば、樹脂結合質粒子プロセスにおいて使用するための小粒子へと樹脂を粉砕することは、比較的費用を要する手順となりがちである。更に、樹脂結合プロセスは、炭素の表面を閉ざす傾向があり、それによって炭素の活量が低下する。
【0016】
対照的に、本開示に従う例示的なフィルタ要素は、結合用樹脂の代わりに繊維を使用しているがために通気抵抗を低下させ、処理コストを削減し、炭素活量をより良好に維持すると期待される。本開示の実施形態の他の利点には、ストーム注入プロセス(storm filling process)を用いて生産されるフィルタベッドの代わりとなること、及び、従来の充填ベッドでは達成が困難な複雑な形状のフィルタ要素を生産できることが挙げられる。
【0017】
図1は、本開示の例示的な実施形態における使用に好適な多孔質不織布ウェブ10の一部分を概略的に示している。本明細書で用いるとき、「多孔質」という用語は、個人用の呼吸用保護装置のフィルタ要素において使用可能となるように気体に対して十分に透過性のある物品を指す。「不織布ウェブ」という語句は、繊維の絡み又は点結合を特徴とする繊維ウェブを指す。多孔質不織布ウェブ10は、ポリマー繊維14a、14b、14c内に配置された(例えば捕らえられた)活性粒子12a、12b、12cを含む。不織布ウェブ10内(例えば、ポリマー繊維と粒子との間)に形成された小さな連結孔により、環境空気又は他の流体は不織布10を通過することが可能となる。活性粒子、例えば12a、12b、12cは、そのような流体中に存在する溶媒及び他の潜在的有害物質を吸収可能なものであってもよい。「捕らえられる」という語は、不織布ウェブ内の粒子に関して用いられる場合、水平ロッドに垂らし掛けるなどの穏やかな取扱いをウェブが受けるときに、ウェブ内又はウェブ上に残留するように十分にウェブに結合されるか、あるいはウェブ内に閉じこめられる粒子を指す。そのような多孔質不織布ウェブ及びその多孔質不織布ウェブを作製する方法の例が、例えば、米国特許公開第2006/0096911号に記載されている。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態における使用に好適な活性粒子の例には、吸着剤、触媒、及び化学反応性物質が挙げられる。多様な活性粒子が用いられ得る。いくつかの実施形態において、活性粒子は、目的の使用条件下で存在すると予想される気体、エアロゾル又は液体を吸収又は吸着することが可能となる。活性粒子は、ビーズ、薄片、顆粒又は凝集粒子を含む任意の有用な形態をなすことができる。好ましい活性粒子には、活性炭と、アルミナ及び他の金属酸化物と、炭化水素ナトリウムと、吸着、化学反応、又はアマルガム化によって流体からある成分を除去できる金属粒子(例えば銀粒子)と、ホプカライト(一酸化炭素の酸化を触媒できる)などの粒子状の触媒と、ナノサイズ金粒子と、酢酸などの酸性溶液又は水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性溶液で処理された粘土及び他の無機質と、イオン交換樹脂と、モレキュラーシーブ及び他のゼオライトと、シリカと、殺虫剤と、殺菌剤及び抗ウイルス剤とが挙げられる。活性炭及びアルミナが、特に好ましい活性粒子である。
【0019】
例示的な触媒材料には、一酸化炭素(CO)を除去するCarulite 300(ホプカライトとも呼ばれる、酸化銅と二酸化マンガンの混合物(MSDSによる))、又は、二酸化チタンでコーティングされ、その二酸化チタン層上に配置されたナノサイズ金粒子でコーティングされた顆粒状の活性炭(米国特許出願第2004/0095189 A1号)、CO、OV及び他の成分を除去するナノサイズ金粒子を含有する触媒が挙げられる。
【0020】
例示的な化学反応性物質には、トリエチレンジアミン、ホプカライト、塩化亜鉛、アルミナ(フッ化水素に対し)、ゼオライト、炭酸カルシウム、及び炭酸ガススクラバ(例えば、水酸化リチウム)が挙げられる。そのような化学反応性物質のうちの任意の1つ以上が粒子の形態をなしてもよく、あるいは、粒子、典型的には、活性炭、アルミナ又はゼオライト粒子など、表面積の大きい粒子上に支持されてもよい。
【0021】
複数の種類の活性粒子が、本開示に従う同じ例示的な多孔質不織布ウェブにおいて使用されてもよい。例えば、活性粒子の混合物が、例えば気体の混合物を吸収するために用いられ得る。所望の活性粒子の寸法は大いに異なり得るものであり、通常、幾分かは目的の使用条件に基づいて選択される。一般的な指針として、活性粒子は、平均直径が約5〜3000マイクロメートルへと、寸法において様々であってよい。好ましくは、活性粒子は、平均直径が約1500マイクロメートル未満、より好ましくは平均直径が約30〜約800マイクロメートル、最も好ましくは平均直径が約100〜約300マイクロメートルである。また、種々の寸法範囲を有する活性粒子の混合物(例えば、バイモーダル混合物)も用いられ得る。本開示のいくつかの実施形態において、60重量%超の活性粒子がウェブ内に捕らえられる。他の実施形態において、好ましくは少なくとも80重量%の活性粒子、より好ましくは少なくとも84重量%、最も好ましくは少なくとも90重量%の活性粒子がウェブ内に捕らえられる。
【0022】
本開示のいくつかの実施形態における使用に好適なポリマー繊維の例には、熱可塑性ポリマー繊維、好ましくは熱可塑性エラストマーポリマー繊維が挙げられる。ポリウレタンエラストマー材料(例えば、ハンツマン社(Huntsman LLC)から商品名IROGRAN(商標)として、またノベオン社(Noveon, Inc.)から商品名ESTANE(商標)として入手可能なもの)、熱可塑性エラストマーポリオレフィン(エクソンモービルケミカル社(Exxon Mobil Chemical)から商品名Vistamaxxとして入手可能なポリマーなど)、ポリブチレンエラストマー材料(例えば、E.I.デュポンデヌムール社(E.I. DuPont de Nemours & Co.)から商品名CRASTIN(商標)として入手可能なもの)、ポリエステルエラストマー材料(例えば、E.I.デュポンデヌムール社(E.I. DuPont de Nemours & Co.)から商品名HYTREL(商標)として入手可能なもの)、ポリエーテルブロックコポリアミドエラストマー材料(例えば、アトフィナケミカルズ社(Atofina Chemicals, Inc.)から商品名PEBAX(商標)として入手可能なもの)、並びに、エラストマースチレンブロックコポリマー(例えば、クラトンポリマーズ社(Kraton Polymers)から商品名KRATON(商標)として、またダイナソルエラストマーズ社(Dynasol Elastomers)から商品名SOLPRENE(商標)として入手可能なもの)などの熱可塑性樹脂を含めて、多様な繊維形成高分子材料が好適に用いられ得る。
【0023】
いくつかのポリマーは、初期の弛緩した長さの125%超にまで伸張されることができ、これらのポリマーのうちの多くは、付勢力を解放すると、実質的にそれらの初期の弛緩した長さに回復し、この後者の類の材料が一般に好ましい。熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性エラストマーポリオレフィン、ポリブチレン及びスチレンブロックコポリマーが特に好ましい。所望により、ウェブの一部分が、記載した弾性又は結晶収縮度を有していない他の繊維、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどの通常のポリマーの繊維、複合繊維(例えば、芯鞘型繊維(core-sheath fibers)、分割可能な又は並列するコンジュゲートファイバ及びいわゆる「海島」繊維)、ステープルファイバ(例えば、天然又は合成材料でできたもの)などを呈することができる。好ましくは、しかしながら、所望の吸着剤添加レベル及び仕上げられたウェブの特性を不当に損なわないように、比較的少量でそのような他の繊維が用いられる。
【0024】
図2は、保形自立性の不織布ウェブ22を利用するある例示的なフィルタ要素20の断面の概略斜視図であり、この不織布ウェブは、図1に示すように、多孔質不織布ウェブ10であってもよい。本開示の状況において、ある物品に関して述べる「保形性」という用語は、その物品が、(i)力が加えられたときに変形に抵抗し、又は(ii)変形力に屈するが、その後、変形力が除去されると実質的に元の形状に戻るように、十分な弾性と構造的完全性を有することを表す。ここで、変形力の大きさ及び種類は、物品の使用が意図される通常の条件に対して一般的なものである。ある物品に関して述べる「自立性」という用語は、その物品が、それ自体で、つまり付加的な支持層又は構造の非存在下で、非平面的な形状構成を保持することが可能となるように、十分な剛性を有することを表す。
【0025】
更に図2を参照すると、ウェブ22は3次元変形24を有しており、この3次元変形24が断面図で示されている。具体的に言えば、典型的な不織布粒子含有ウェブの場合のように、ウェブ22の主要表面22a及び22bが平面的な形状構成を有し、互いに概ね平行となる平面的な形状構成を有するのではなく、ウェブ22は、その主要表面22a及び22bの少なくとも一方が平面的な形状構成から逸脱するように付形されている。この例示的な実施形態において、第1の表面22aは、Da程度、平面的な形状構成から変位しており、一方で、第2の表面22aは、Db程度、平面的な形状構成から変位している。
【0026】
ウェブ22は、ウェブ厚さTを更に特徴とし、このウェブ厚さTは、第1の表面22aと第2の表面22bとの間の距離として定義されてよい。本開示の例示的な実施形態に従う変形のいくつかの例示的な寸法に、5〜10mm以上のウェブ厚さTが挙げられる。Tの値は、フィルタ要素の目的の最終用途及び他の検討事項に依存する。変形24は直線的長さLを更に特徴とし、この直線的長さLは、変位Daを含む平面において、変形24の下方にある平面状表面へと変形24の横断面が突出する長さとして定義されてよい。
【0027】
いくつかの例示的な実施形態において、DaとDbの少なくとも一方は、その変位が測定されるウェブ位置において、ウェブ厚さTの少なくとも0.5倍である。図示の例示的な実施形態において、厚さTと変位Daは共に位置23において測定される。他の例示的な実施形態において、DaとDbの少なくとも一方は、フィルタ要素の目的の最終用途又は他の検討事項に応じて、変位が測定されるウェブ位置においてウェブ厚さTの少なくとも1〜10倍、2〜10倍、4〜10倍、5〜10倍、又は10倍超であってよい。
【0028】
更に図2を参照すると、例示的なフィルタ要素20のウェブ22の主要表面22aは、凹形表面を特徴としてもよく、一方で、主要表面22bは、凸形表面を特徴としてもよい。そのようないくつかの例示的な実施形態において、凹形表面22aは、変位が測定されるウェブ位置においてウェブ厚さTの少なくとも0.5倍の、平面的な形状構成からの逸脱Daを特徴とする。他の例示的な実施形態において、表面22aのDaは、フィルタ要素の目的の最終用途又は他の検討事項に応じて、変位が測定されるウェブ位置においてウェブ厚さTの少なくとも1〜10倍、2〜10倍、4〜10倍、5〜10倍、又は10倍超であってよい。
【0029】
典型的ないくつかの例示的な実施形態において、直線的変形の長さLは、厚さTの少なくとも3〜4倍、又は3〜5倍であってよい。他の例示的な実施形態において、直線的変形の長さLは、少なくとも10〜50倍、20〜50倍、30倍以上、40倍以上、又は50倍以上であってよい。Lのいくつかの例示的な絶対値には、2cm、4cm、又は10cm以上が挙げられる。Lの値及びそのTとの比は、フィルタ要素の最終用途を含めて、様々な要素に依存する。ウェブ22の変形は、限定するものではないが図3〜4に示すものを含めて、任意の他の好適な形状及び寸法を有し得ることが、当業者には容易に明らかとなろう。
【0030】
図3は、別の例示的なフィルタ要素30の断面の概略斜視図であり、このフィルタ要素30は保形自立性の不織布ウェブ32を利用するものである。ウェブ32は、3次元変形34を有している。この例示的な実施形態において、第1の表面32aは、Da’程度、平面的な形状構成から変位しており、一方で、第2の表面32aは、Db’程度、平面的な形状構成から変位している。ウェブ32は、可変のウェブ厚さT1、T2、T3及びT4を更に特徴とし、ウェブ厚さT1、T2、T3及びT4はそれぞれ、第1の表面32aと第2の表面32bとの間の距離として定義される。変形34は、線L’の直線的長さを更に特徴とする。L’は、変位Da’を含む平面において、変形34の横断面を、変形34の下方にある平面状表面へと射影したものである。
【0031】
好ましくは、可変のウェブ厚さを有する実施形態において、厚さは、変形34の全体にわたって少なくとも1つの方向に沿って、平均厚さTavの10倍以下で変動する。より好ましくは、厚さは、変形34の全体にわたって少なくとも1つの方向に沿って、平均厚さTavの5倍以下で、更により好ましくは2倍以下、1倍以下で、最も好ましくは0.5倍以下で変動する。平均厚さは、図3の紙面の平面によって、ウェブ32の横断面及び変形34に沿った方向など、変形34の全体にわたって特定の方向を選択し、選択した方向に沿って、好ましくは少なくとも4つの異なる位置(例えば、1、2、3及び4)のウェブ厚さの値を測定し(すなわち、T1、T2、T3及びT4の値)、これらの値を以下のように平均化することによって算出され得る。
Tav=(T1+T2+T3+T4)/4
いくつかの例示的な実施形態において、位置1、2、3、及び4は、Lを5つの略等しい部分に分割し、4つの中間点で厚さの測定を行うことによって選択され得る。
【0032】
更に図3を参照すると、例示的なフィルタ要素30において利用されている例示的な保形自立性の不織布ウェブ32が、ウェブの厚さ方向において密度が均一であることを特徴とする3次元変形34を有している。より具体的には、そのような実施形態において、2層以上の層が1つ以上の空隙によって分離される層状の構造とは異なり、ウェブが、断面において、1層、2層、又はそれ以上の連続層を有する一体的構成を呈する場合、ウェブ密度は厚さ方向に均一とみなされる。
【0033】
ウェブ32のいくつかの例示的な実施形態において、3次元変形34は、比較的小さな値を有する密度勾配を特徴としてもよい。例示的な一実施形態において、3次元変形34は、20未満〜1の密度勾配を特徴とする。他の例示的な実施形態において、3次元変形34は、10未満〜1、3未満〜1、又は2未満〜1の密度勾配を特徴としてもよい。
【0034】
密度勾配は、以下のように決定され得る。図3に示す位置1、2、3及び4のうちの任意の2つなど、ウェブ32の3次元変形34の2つの異なる位置から2つのサンプルを取る。次いで、以下で説明する手順を用いて密度δ1及びδ2を決定し、大きい方の密度値δ2と小さい方の密度値δ1との比として密度勾配δgを決定することができる。
【0035】
図4は、別の例示的なフィルタ要素40の概略斜視図であり、このフィルタ要素40は保形自立性の不織布ウェブ42を利用するものである。ウェブ42は、3次元変形44を有している。この例示的な実施形態において、ウェブ42の第1の表面42a及び第2の表面42bは、ウェブ42が概ね円筒状の形状を形成するように、平面的な形状構成から変位している。そのような例示的なフィルタ要素は、混成ガスの攻撃、例えばアンモニアと有機蒸気に対して使用するように設計された呼吸用保護装置における使用に、特に有利である。
【0036】
図5は、別の例示的なフィルタ要素50の横断面図であり、フィルタ要素50は、本開示の他の例示的な実施形態に関連して説明したウェブなど、多孔質不織布ウェブ52を利用するものである。ウェブ52は、2つ以上の3次元変形54を有している。この例示的な実施形態において、ウェブ52の第1の表面52a及び第2の表面52bは、ウェブ52が一連の3次元変形を形成するように、平面的な形状構成から変位している。図示の実施形態において、変形54は、直線的な配列を形成している(変形54は、1つの方向に沿って、反復する列を形成している)。他の例示的な実施形態において、変形54は、2次元配列を形成する(変形54は、2つの方向に沿って、反復する列を形成する)。他の例示的な実施形態において、変形54は、不規則的な配列など、任意の類の分布を形成してよい。個々の変形は、寸法及び/又は形状において類似していてもよく、又は、互いに異なっていてもよい。
【0037】
図6は、本開示に従う別の例示的なフィルタ要素150の概略横断面図を示している。例示的なフィルタ要素150は、ハウジング130を含んでいる。図2に示す例示的なウェブなど、本開示に従って構成された保形自立性の不織布ウェブ120が、ハウジング130の内部に配置されている。ハウジング130は、開口部133を有するカバー132を含んでいる。環境空気が開口部133を通じてフィルタ要素150に進入し、ウェブ120を通過し(ここで、そのような環境空気中の潜在的有害物質がウェブ120内の活性粒子によって処理される)、支持体137上に装着された吸気弁135を通り越えてハウジング130から抜け出る。
【0038】
差し口138及び差し込み口金139により、フィルタ要素150を、図7に示す呼吸用保護装置160に交換可能に取り付けることができる。装置160は、ときにハーフマスク呼吸用保護具と呼ばれるものであり、比較的薄い硬質な構造部材又はインサート164の周りにインサート成形され得る適合性面体を含んでいる。インサート164は、呼気弁165と、差し込み口金にねじ切りされた凹状の開口部(図7には示さず)とを含んでおり、この開口部は、フィルタ要素150のハウジング130を装置160の頬領域に取り外し可能に取り付けるためのものである。調節式ヘッドバンド166及びネックストラップ168により、装置160は、着用者の鼻及び口を覆って確実に着用されることが可能となる。そのような装置の構造に関する更なる詳細が、当業者には周知であろう。
【0039】
図8は、本開示の例示的な実施形態が用途を見出し得る別の例示的な呼吸用保護装置270を示している。装置270は、ときに使い捨て又はメンテナンスフリーマスクと呼ばれるものであり、概ねカップ状の形状をなすシェル又は呼吸用保護具本体271を有し、この呼吸用保護具本体271は、外側カバーウェブ272と、図2及び3に示す例示的なウェブなど、本開示に従って構成された保形自立性の不織布ウェブ220と、内側カバーウェブ274とを含んでいる。溶着縁部275がこれらの層を互いに保持し、装置270の縁部を経た漏れを減じるようにフェースシール領域を設けている。装置270は、タブ277によって装置270に締結された調節式ヘッド及びネックストラップ276と、ノーズバンド278と、呼気弁279とを含んでいる。そのような装置の構造に関する更なる詳細が、当業者には周知であろう。
【0040】
図9は、本開示の例示的な実施形態、特に図4に示す例示的な実施形態が用途を見出し得る別の例示的な呼吸用保護装置300を示している。装置300は、集合保護用の空気処理システムにおいて使用されるものなど、ときに半径流濾過システムと呼ばれるものである。図示の実施形態において、入口314は、ハウジング310の内周縁310aに位置している。出口316は、入口314と流体連通するものであり、ハウジング310の外周縁310bに位置してもよい。ハウジングの内部に配置された例示的なフィルタ要素320は、本開示に従う多孔質不織布ウェブ322と、本開示に従う3層の多孔質不織布ウェブ324とを含んでいる。
【0041】
ウェブ322は、ウェブ324の層のうちの1つ以上の材料と異なる材料を含んでもよく、かつ/又は、ウェブ324の層のうちの1つ以上と異なる濾過特性を有してもよい。いくつかの例示的な実施形態において、ウェブ324のある層が、ウェブ324の他の層の1つ以上の材料と異なる材料を含んでもよく、かつ/又は、ウェブ324の層の1つ以上と異なる濾過特性を有してもよい。また、粒子状物質のフィルタ要素330など、付加的なフィルタ要素がハウジング310の内部に設けられてもよい。粒子状物質のフィルタ要素が、好ましくは、フィルタ要素320の上流に設けられる。
【0042】
一実施形態において、空気又は他の流体が、ハウジング310の内周縁に位置する入口314に送られる。空気は次いで、矢印Fで示すようにフィルタ要素の各々を通過することができ、やがて出口316を通過する。本開示はまた、他の流体処理システムにおいて使用されてもよく、本開示の実施形態は、入口314及び出口316の種々の形状構成及び位置を有し得る。例えば、入口及び出口の位置は、逆転されてもよい。
【0043】
図10は、本開示に従う、3次元変形を有する保形自立性の多孔質不織布ウェブを作製する例示的な方法及び装置900を示している。粒子含有ウェブ920は最初に、平面的な形状構成を有してもよい。本開示に従う3次元変形が、例えば例示的な装置900を使用してウェブ920を成形することによって、ウェブ920に付与されてもよい。装置900は、第1の温度調整式の金型904aと、第2の温度調整式の金型904bとを含んでいる。金型の形状は、ウェブ902への付与が望まれる変形の形状によって決まる。第2の金型904bに向かう第1の金型904aの移動を制御するために、空気圧式のピストン906が使用されてもよい。フレーム902が、金型904a、904b、及びピストン906を支持している。
【0044】
3次元変形を有する保形自立性の不織布ウェブを作製する例示的な方法において、ウェブ920は金型904aと904bとの間に置かれ、金型は互いに近寄せられ、それにより金型はウェブ920を圧力と熱にさらし、それによりウェブ920が所望の形状に成形される。金型904a及び904bの温度は、同様となるかあるいは異なることがあり、ウェブ920の繊維に使用されるポリマーに依存すると予想される。エクソンモービル(ExxonMobil)Vistamaxxブランド2125熱可塑性ポリオレフィンエラストマーがウェブ902の繊維に使用される場合、機能すると予想される金型温度は、75℃〜250℃、より好ましくは95℃〜120℃となる。金型904a及び904bによってウェブ920に及ぼされる圧力は、ウェブ920の繊維に使用されるポリマーに依存すると予想され、また活性粒子の種類及び量に依存することもある。例えば、エクソンモービル(ExxonMobil)Vistamaxxブランド2125樹脂がウェブ902の繊維に使用される場合、機能すると予想される圧力は、20g/cm〜10000g/cm、より好ましくは300g/cm〜2000g/cmとなる。そのような条件下での例示的な成形時間は、2秒間〜30分間と予想される。一般に、成形時間は、温度、圧力、並びに、ポリマー及び活性粒子に依存する。
【0045】
成形プロセスにより、ウェブの熱可塑性エラストマーポリマー繊維が軟化し、付形され、それにより、所望の形状の3次元変形を有する、結果として得られるウェブは、次いで自立性及び保形性を持つことが可能となると考えられる。他の例示的な方法には、加熱された圧板を用いてプレス機上又はプレス機内で、あるいは重りを有する固定具をオーブン内に置くことによって、ウェブ920を成形することを挙げることができる。
【0046】
試験方法
本開示に従うフィルタ要素のサンプルの密度を算出するためには、通常、比較的損傷がなく、適度に特徴的なフィルタ要素の片を採取することから始める。これは、例えば、好ましくは、本開示に従う3次元変形の少なくとも一部分がサンプルに含まれるように、検討中のサンプルから一片を切断することによって達成され得る。その片は、「特徴的」と見なされるように、すべての方向において十分に大きいことが重要である。より具体的には、サンプルは、ウェブ内に分散する活性粒子よりもはるかに大きく、好ましくは、ウェブ内の微粒子の最大寸法の少なくとも5倍、より好ましくは、ウェブ内の微粒子の最大寸法の少なくとも100倍でなければならない。
【0047】
サンプルの形状は、矩形又は円筒形など、寸法の測定と体積の算出が容易となるように選択されてもよい。曲面の場合、サンプルを切断するために使用される装置(ルールダイ(rule die))で直径を規定できること、例えばルールダイが有利となる場合がある。そのようなサンプルの寸法を測定するために、ASTM D1777−96試験オプション#5を指針として用いることができる。押さえ金の大きさは、利用可能なサンプルの大きさに対応するように調節されなければならない。測定プロセスの間にサンプルを変形させないことが望ましいが、オプション#5での指定を越える高圧も、ある状況下では許容可能となり得る。測定される構造は多孔質であるため、単一の活性粒子と比較して相対的に大きな領域の全体に、接触圧が広がるはずである。特徴的な片の体積を求めた後、特徴的な片の重さを量る。密度は、その重量を体積で除算することによって求められる。
【0048】
また、不織布ウェブ内の粒子状成分の密度を、同じ粒子状材料の「充填ベッド」の密度と比較することによって、本開示の例示的な実施形態の密度を特徴付けることも可能である。これは、既知の体積の「特徴的な片」から粒子状物質を除去し、その結果として得られる粒子状サンプルの重量を量ることを伴う。次いで、「充填ベッド」の体積を得るために、この粒子状物質をメスシリンダーの中に注ぐことができる。これらのデータから、重量を測定値で除算することにより、「充填又は見かけ」密度を算出することができる。しかしながら、その結果は、粒子状物質に付着する残留ポリマーによって歪むことがある。
【実施例】
【0049】
本開示の方法に従って、以下の層を組み立て、濾過面体呼吸用保護具の形状(カップに似た)へと成形した。
【0050】
1.外側シェル:不織布材料層の層であり、20%はコサ社(Kosa Co.)のタイプ295を1.5インチ(3.8cm)に切断した6デニールのポリエステルステープルファイバ、80%はコサ社(Kosa Co.)のタイプ254を1.5インチ(3.8cm)に切断した4デニールの複合ポリエステル(bico-polyester)ステープルファイバ。
2.ブローンマイクロファイバ濾過材の層。
3.本開示に従う4000gsm(グラム毎平方メートル)の多孔質不織布ウェブの層であり、熱可塑性エラストマーポリオレフィン繊維に捕らえられた、クラレ社(Kuraray)から入手可能な12×20の有機蒸気活性炭粒子、タイプGGを含むもの。
4.本開示に従う600gsmの多孔質不織布ウェブの層であり、熱可塑性エラストマーポリオレフィンポリマー繊維内に捕らえられた40×140の有機蒸気活性炭粒子を含むもの。
5.高密度メルトブローンマイクロファイバの滑らかな不織布ウェブの層。
6.内側シェル:不織布材料層の層であり、20%はコサ社(Kosa Co.)のタイプ295を1.5インチ(3.8cm)に切断した6デニールのポリエステルステープルファイバとし、80%はコサ社(Kosa Co.)のタイプ254を1.5インチ(3.8cm)に切断した4デニールの複合ポリエステル(bico-polyester)ステープルファイバとしたもの。
【0051】
上記の層を、濾過面体呼吸用保護具の成形を目的とした成形装置の中に入れた。上部の金型を235°F(113℃)の温度に設定し、下部の金型を300°F(149℃)の温度に設定した。
【0052】
85L/mと測定されたときに、このようにして形成された呼吸用保護具の通気抵抗は、水柱14.9mm〜33.7mmであった。シクロヘキサンのCEN試験法(試験条件:1000ppm、30Lpm、20C、70% RH、10ppm通気(breathrough))に対して試験すると、成形した呼吸用保護具の構造は、40分間〜59分間の寿命を有した。関連するCEN試験が、英国規格BS EN 141:200「呼吸用保護装置(ガスフィルタ及び複合フィルタ)要件、試験、マーキング(Respiratory protective devices - Gas filters and combined filters - Requirements, testing, marking)」に記載されている。
【0053】
このようにして、「付形した粒子含有不織布ウェブを利用するフィルタ要素」の実施形態が開示される。本発明が、開示されたもの以外の実施形態で実施され得ることは、当業者には理解されよう。開示された実施形態は、限定ではなく説明を目的として提示されたものであり、本発明は、「特許請求の範囲」よってのみ限定される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質の保形自立性の不織布ウェブを備えるフィルタ要素であって、
前記ウェブは、熱可塑性エラストマーポリマー繊維と、該繊維内に配置された活性粒子と、を備え、
前記ウェブは、前記ウェブの厚さ方向に沿って密度が均一であることを特徴とする3次元変形を有する、フィルタ要素。
【請求項2】
前記変形は、前記ウェブの厚さの少なくとも0.5倍、平面的な形状構成から変位することを特徴とする表面形体を備える、請求項1に記載のフィルタ要素。
【請求項3】
前記ウェブの厚さは、前記変形の全体にわたって少なくとも1つの方向に沿って、前記ウェブの厚さの2倍以下で変動する、請求項1に記載のフィルタ要素。
【請求項4】
前記3次元変形は20未満〜1の密度勾配を特徴とする、請求項1に記載のフィルタ要素。
【請求項5】
前記3次元変形は10未満〜1の密度勾配を特徴とする、請求項4に記載のフィルタ要素。
【請求項6】
多孔質の保形自立性の不織布ウェブを備えるフィルタ要素であって、
前記ウェブは、熱可塑性エラストマーポリマー繊維と、該繊維内に配置された活性粒子と、を備え、
前記ウェブは、3次元変形を有し、前記変形は、該変形の全体にわたって少なくとも1つの方向に沿って5倍以下で変動する厚さを特徴とする、フィルタ要素。
【請求項7】
多孔質の保形自立性の不織布ウェブを備えるフィルタ要素であって、
前記ウェブは、熱可塑性エラストマーポリマー繊維と、該繊維内に配置された活性粒子と、を備え、
前記ウェブは3次元変形を有し、前記変形は、その位置における前記ウェブの厚さの少なくとも0.5倍、平面的な形状構成から逸脱することを特徴とする凹形表面を備える、フィルタ要素。
【請求項8】
前記変形は、前記ウェブの厚さの少なくとも1倍、平面的な形状構成から逸脱することを特徴とする凹形表面を備える、請求項7に記載のフィルタ要素。
【請求項9】
前記変形は、前記ウェブの厚さの少なくとも5倍、平面的な形状構成から逸脱することを特徴とする凹形表面を備える、請求項7に記載のフィルタ要素。
【請求項10】
前記ウェブは、同様の活性粒子でできた充填ベッドの密度の少なくとも30%である密度を特徴とする、請求項1、6又は7のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項11】
前記変形は湾曲を備える、請求項1、6又は7のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項12】
前記ウェブは、前記ウェブ内に捕らえられた60重量%超の吸着剤粒子を備える、請求項1、6又は7のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項13】
前記ウェブは、前記ウェブ内に捕らえられた少なくとも80重量%の吸着剤粒子を備える、請求項1、6又は7のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項14】
前記繊維は、熱可塑性ポリウレタンエラストマー、熱可塑性ポリブチレンエラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性エラストマーポリオレフィン、及び熱可塑性スチレンブロックコポリマーのうちの少なくとも1つを備える、請求項1、6又は7のいずれか一項に記載のフィルタ要素。
【請求項15】
前記活性粒子は、吸着剤、触媒、化学反応性物質のうちの少なくとも1つを含む、請求項1、6又は7のいずれか一項に記載の物品。
【請求項16】
ハウジングと、該ハウジング内に配置された、請求項1、6又は7のいずれか一項に記載のフィルタ要素とを備えるフィルタカートリッジ。
【請求項17】
少なくとも着用者の鼻と口を概ね囲む内部部分と、前記内部部分に環境空気を供給するための空気取り入れ経路と、そのような供給空気を濾過するために前記空気取り入れ経路の全体にわたって配置された、請求項1、6又は7のいずれか一項に記載のフィルタ要素とを備える呼吸用保護システム。
【請求項18】
前記呼吸用保護システムは、メンテナンスフリーの呼吸用保護具である、請求項17に記載の呼吸用保護システム。
【請求項19】
前記呼吸用保護システムは、電動ファン付き呼吸用保護具である、請求項17に記載の呼吸用保護システム。
【請求項20】
1対のフィルタカートリッジを備え、各フィルタカートリッジは、ハウジングと、前記ハウジング内に配置された、請求項1、6又は7のいずれか一項に記載のフィルタ要素とを備える呼吸用保護システム。
【請求項21】
請求項1、6又は7のいずれか一項に記載のフィルタ要素を備え、前記フィルタ要素は円筒として構成されている放射状濾過システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公表番号】特表2012−512743(P2012−512743A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−542218(P2011−542218)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/066494
【国際公開番号】WO2010/080251
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】