説明

仮ホーム構造及び桁式ホーム化工法

【課題】盛土式プラットホームを桁式ホーム化する際の仮覆工の短時間化を図る。
【解決手段】仮ホーム構造のホーム部は、覆工板と、平面状に敷設された複数の覆工板を支持するフレーム部と、フレーム部を支持する横桁部とを備えている。フレーム部は、プラットホームの幅方向に沿って延在する一対の縦根太材と、奥行き方向に沿って延在し、一対の縦根太材の両端部にそれぞれ係合する一対の横根太材と、一対の横根太材を水平面に沿って回動させて、一方の縦根太材を他方の縦根太材に対して接離させることで、縦根太材及び横根太材を折り畳み自在とする折り畳み機構とを有している。ホーム先端部は、プラットホームの長手方向に沿って延在し、横桁部により支持される先端用フレーム部と、平面状に複数敷設され、先端用フレーム部により支持される先端用覆工板とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮ホーム構造及び桁式ホーム化工法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、盛土式プラットホームをホーム柵新設やホーム改良を行うため、桁式(PC版造)ホーム化する場合、一旦仮ホーム化して対応していた。ところで、盛土式プラットホームの先端部では、石積ブロック、大谷石ブロック、擁壁コンクリート式などの盛土材を抑えている構造のため、この先端部材と土砂を除去しながらの施工法となり、支保工材や、角材、合板、ゴムマットなどで仮ホーム化を行っていた(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−68015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、稼働中の盛土式プラットホームを営業後に桁式ホームに改修する場合では、夜間の終電から初電までの作業時間は2〜3時間と限られているため、仮ホーム構造の簡素化による施工時間の短時間化が望まれている。
このため、本発明の課題は、盛土式プラットホームを桁式ホーム化する際の仮ホーム構造の簡素化と、桁式ホーム化工法による施工時間の短時間化を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、盛土式プラットホームを桁式ホーム化する際に用いる仮ホーム構造において、
ホーム部と、前記ホーム部よりも線路側に位置するホーム先端部とを有し、
前記ホーム部は、
覆工板と、
平面状に敷設された複数の前記覆工板を支持するフレーム部と、
プラットホームの奥行き方向に沿って延在して、前記フレーム部を支持する横桁部とを備え、
前記フレーム部は、
前記プラットホームの幅方向に沿って延在する一対の縦根太材と、
前記奥行き方向に沿って延在し、一対の前記縦根太材の両端部にそれぞれ係合する一対の横根太材と、
前記一対の横根太材を水平面に沿って回動させて、一方の前記縦根太材を他方の前記縦根太材に対して接離させることで、前記縦根太材及び前記横根太材を折り畳み自在とする折り畳み機構とを有し、
前記ホーム先端部は、
前記プラットホームの長手方向に沿って延在し、前記横桁部により支持される先端用フレーム部と、
平面状に複数敷設され、前記先端用フレーム部により支持される先端用覆工板とを備えることを特徴としている。
【0006】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の仮ホーム構造は、
前記ホーム先端部は、前記先端用フレーム部を支持する支保工部を有することを特徴としている。
【0007】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の仮ホーム構造において、
前記支保工部は、折り畳み自在であることを特徴としている。
【0008】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の仮ホーム構造において、
前記先端用フレーム部は、側面視凹形状の本体部と、前記本体部の先端部に取り付けられた調整部とを備え、
前記調整部は、前記本体部に対して伸縮自在に取り付けられていることを特徴としている。
【0009】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の仮ホーム構造において、
前記覆工板及び前記先端用覆工板は、高さ調整機構を有していることを特徴としている。
【0010】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の仮ホーム構造において、
前記先端用フレーム部と前記先端用覆工板とを固定する固定具を有することを特徴としている。
【0011】
請求項7記載の発明は、
盛土式プラットホームを桁式ホーム化する桁式ホーム化工法において、
前記プラットホームにおけるホーム部からホーム用化粧板を除去するとともに、前記ホーム部よりも線路側に位置するホーム先端部から先端用化粧板を除去し、
前記ホーム用化粧板及び前記先端用化粧板の除去位置に対して、プラットホームの奥行き方向に沿って延在した横桁部を複数配置し、
前記ホーム部においては、隣接する前記横桁部の上に、覆工板を支持するための折り畳み自在なフレーム部を掛け渡した後、当該フレーム部上に前記覆工板を複数平面状に敷設し、
前記ホーム先端部においては、前記プラットホームの長手方向に沿って延在した先端用フレーム部を、前記横桁部に掛け渡した後、当該先端用フレーム部上に先端用覆工板を複数平面状に敷設し、
前記覆工板、前記先端用覆工板、前記フレーム部及び前記先端用フレーム部を取り除いて、前記横桁部に対してPC板を掛け渡し、当該PC板上に新たなホーム用化粧板及び先端用化粧板を敷設することを特徴としている。
【0012】
請求項8記載の発明は、請求項7記載の桁式ホーム化工法において、
前記先端用覆工板は、前記先端用化粧板が除去されてから、前記PC板が敷設されるまでの間、前記先端用フレーム部に対して着脱自在であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、フレーム部が折り畳み自在となっているので、従来のように角材、合板、ゴムマットなどで仮覆工を行う場合よりも簡素化することができる。
また、ホーム部とホーム先端部とが、別個の構造となっているので、ホーム先端部においては、ホーム部に制約されることなく先端部特有の構造とすることができる。これにより、ホーム部とホーム先端部それぞれに適切な構造とすることができ、それに応じて作業も簡素化することができる。
これらのことにより、桁式ホーム化工法の施工時間の短時間化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態の仮ホーム構造を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II切断線からみた断面図である。
【図3】図1における覆工板を設置する前のフレーム部を示す上面図である。
【図4】本実施形態のフレーム部単体を示す上面図である。
【図5】図4のフレーム部を折り畳んだ状態を示す上面図である。
【図6】図1の仮ホーム構造に備わる先端用フレーム部の概略構成を示す上面図である。
【図7】図6のVII−VII切断線から見た先端用フレーム部の概略構成を示す側面図である。
【図8】本実施形態の支保工部の概略構成を示す正面図である。
【図9】図8の支保工部を折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【図10】図1の仮ホーム構造の設置時の一工程を示す説明図であり、(a)は断面図、(b)は正面図である。
【図11】図1の仮ホーム構造の設置時の一工程を示す説明図であり、(a)は断面図、(b)は正面図である。
【図12】図1の仮ホーム構造の撤去時を示す説明図であり、(a)は断面図、(b)は正面図である。
【図13】図11の一工程の変形例を示す説明図であり、(a)は断面図、(b)は正面図である。
【図14】図12の撤去時の変形例を示す説明図であり、(a)は断面図、(b)は正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。図1は、本実施形態の仮ホーム構造を示す斜視図であり、図2は図1のII−II切断線からみた断面図である。なお、図1における一点鎖線Pは、プラットホームにおける改修対象でない基部を示している。
【0016】
図1及び図2に示すように、仮ホーム構造1は、ホーム部100と、ホーム部100よりも線路側に位置するホーム先端部200とを有する。
ホーム部100は、覆工板10と、複数の覆工板10を支持するフレーム部20と、プラットホームPの奥行き方向Yに沿って延在して、フレーム部20を支持するH形鋼からなる横桁部30とを備えている。
【0017】
覆工板10は、金属製の長尺な板状部材であり、図1に示すようにプラットホームPの幅方向Xに沿って延在するように配置されている。そして覆工板10は複数奥行き方向Yに沿って配列されることで、平面状に敷設されている。なお、図1の点線部分に示すように、短尺な板状部材を覆工板10aとして用いる場合は、覆工板10aを奥行き方向Yに沿って延在させることも可能である。この場合、覆工板10aは複数幅方向Xに沿って配列されることで、平面状に敷設されることになる。
また、図2に示すように覆工板10の裏面には、位置決め用の切欠11が形成されている。
【0018】
図3は、覆工板10を設置する前のフレーム部20を示す上面図であり、図4はフレーム部20単体を示す上面図である。この図3及び図4に示すように、フレーム部20は、幅方向Xに沿って延在する一対の縦根太材21,22と、奥行き方向Yに沿って延在し、一対の縦根太材21,22の両端部にそれぞれ係合する一対の横根太材23,24とを有する。また、一対の縦根太材21,22の中央部には、横根太材23,24と平行な補助根太材29が係合している。
【0019】
図2に示すように、縦根太材21,22の下面には、横桁部30に固定するための固定穴25が形成されている。また、横根太材23,24の上面には、その両端部に覆工板10の切欠11に係合する位置決めピン26が設けられている。
【0020】
ここで、一対の縦根太材21,22と、一対の横根太材23,24及び補助根太材29とは、これらを折り畳み自在とする折り畳み機構50を介して連結されている。折り畳み機構50は、図3及び図4に示すように、縦根太材21,22の両端部及び中央部に取り付けられた断面視コ字状の連結片51と、横根太材23,24及び補助根太材29の両端部に取り付けられ、連結片51に回動自在に軸支される軸体52とを有する。横根太材23,24及び補助根太材29は、図2に示すように連結片51の内側に配置されている。
【0021】
そして、折り畳み機構50を介して一対の横根太材23,24及び補助根太材29を水平面に沿って回動させて、一方の縦根太材21を他方の根太材22に対して接近させると、図5に示すように、縦根太材21,22、横根太材23,24及び補助根太材29が折り畳まれることになる。
図5に示す折り畳み状態から、再度折り畳み機構50を介して一対の横根太材23,24及び補助根太材29を水平面に沿って回動させて、一方の縦根太材21を他方の根太材22から離間させると、図4に示すように、縦根太材21,22、横根太材23,24及び補助根太材29が展開されることになる。
【0022】
横桁部30には、図2に示すように、縦根太材21,22の固定穴25に挿通されてネジ止めされる固定ネジ31が設けられている。
【0023】
また、図1に示すように、ホーム先端部200は、プラットホームの長手方向に沿って延在し、横桁部30により支持される先端用フレーム部210と、平面状に複数敷設され、先端用フレーム部210により支持される先端用覆工板250と、先端用フレーム部210及び先端用覆工板250を固定する固定具260と、先端用フレーム部210を支持する支保工部40とを有備えている。
【0024】
図6は先端用フレーム部210の概略構成を示す上面図であり、図7は図6のVII−VII切断線から見た先端用フレーム部210の概略構成を示す側面図である。先端用フレーム部210は、複数のフレーム材220と、複数のフレーム材220を横桁部30に固定するための固定部230とを備えている。
【0025】
フレーム材220は、側面視凹形状となっている。フレーム材220には、本体部221と、本体部221の先端部に取り付けられた調整部222とを備えている。調整部222は、本体部221に対して伸縮自在に取り付けられていて、これにより本体部221全体の長さを調節できるようになっている。具体的に説明すると、本体部221の先端部には長穴223が形成されている。調整部222には、この長穴223に係合する係合ボルト224が螺合している。この係合ボルト224を緩めて、本体部221に対して調整部222を伸縮させ、所定の長さになった後に係合ボルト224を締結することで、本体部221全体の長さを調整できるようになっている。
また、本体部221には、他のフレーム材220の本体部221と連結し、剛性を高める補強部材227が設けられている。補強部材227は、一対のフレーム材220の間隔が広いところに設置されている。
【0026】
固定部230は、横桁部30上に載置される支持柱231と、支持柱231の上部に取り付けられ、フレーム材220を受けるフレーム受け部232と、奥行き方向Yに延在した角形鋼管280とを備えている。
【0027】
先端用覆工板250は、金属製の板状部材であり、図1に示すようにプラットホームPの奥行き方向Yに沿って延在するように配置されている。そして先端用覆工板250は複数幅方向Xに沿って配列されることで、平面状に敷設されている。先端用覆工板250の所定箇所には固定具260が係合する係合部251が設けられている。
【0028】
固定具260は、図7に示すように、板金により形成されていて、先端用フレーム部210のフレーム材220と固定部230とに係止されている。この固定具260の上部には、先端用覆工板250と略平行に延出する延出部261が形成されていて、この延出部261と、先端用覆工板250の係合部251とが対向するようになっている。そして、この延出部261と係合部251との両者を固定ネジ271とナット272とにより締結することにより、先端用フレーム部210と先端用覆工板250とが固定されることとなる。なお、固定ネジ271とナット272との締結を解除すれば、先端用フレーム部210と先端用覆工板250との固定も解除され、先端用覆工板250を取り外すことも可能となる。
【0029】
図8は支保工部40の概略構成を示す側面図である。図8に示すように、支保工部40には、先端用フレーム部210が載置される台座41と、台座41を支持する脚部42とが設けられている。脚部42には、台座41に固定された固定脚43と、台座41に回動自在に連結された回動脚44と、固定脚43及び回動脚44の下端部に取り付けられた中折れ式の開き止め金具45とが設けられている。この開き止め金具45を折り曲げることで、回動脚44が固定脚43側に接近し、支保工部40全体が折り畳まれることになる(図9参照)。また、固定脚43及び回動脚44の下端部には、円筒状の係合部46が設けられている。この係合部46内には、土台に設置される支持部47が挿通されていて、両者の固定位置を調整することで支持部47の突出量を調整することができるようになっている。この支持部47の突出量を調整することにより台座41の高さ位置を調整することができるようになっている。
【0030】
次に、上記の仮覆工構造1を用いて盛土式プラットホームを桁式ホーム化する桁式ホーム化工法について説明する。
まず、プラットホームPの改修施工前においては、フレーム部20、支保工部40ともに折り畳まれた状態で改修箇所近傍に複数搬入する。同様に、覆工板10、先端用覆工板250及び先端用フレーム部210も改修箇所に複数搬入する。
【0031】
そして、盛土式プラットホームPのホーム部100からホーム用化粧板(図示省略)を除去するとともに、ホーム先端部200から先端用化粧板(図示省略)を除去する。ホーム用化粧板とは例えばアスファルトやタイル等であり、先端用化粧板とはすべり止め用のクリーンタイルや、警告板等である。各化粧板の除去後においては、図10に示すように支柱300を埋設して、当該支柱300上に横桁部30を設置して、ホーム用化粧板及び先端化粧板の除去位置に対して横桁部30を複数配置する。このとき、盛土式プラットホームPをなすブロックBの一部を除去して、その除去部分に横桁部30を配置する。これにより、横桁部30の先端部がブロックBにより支持される。
【0032】
横桁部30の設置後、ホーム部100においては、フレーム部20を展開してから、隣り合う横桁部30上に掛け渡す。この際、フレーム部20における縦根太材21,22の固定穴25内に、横桁部30の固定ネジ31を挿通して位置決めをし、ネジ止めすることで、横桁部30とフレーム部20とを固定する。
【0033】
その後、フレーム部20上に、複数の覆工板10を平面状に敷設する。この際、覆工板10の切欠11を、フレーム部20の位置決めピン26に係合させて、覆工板10の位置決めを行う。これを修復対象全域にわたって施す。
また、ホーム先端部200においては、各横桁部30上に先端用フレーム部210を掛け渡した後、この先端用フレーム部210上に複数の先端用覆工板250を平面状に敷設する。
このように、覆工板10及び先端用覆工板250を敷設すれば、翌日の営業が可能な状態となる。
【0034】
次いで、次回の改修工事の際には、図11に示すように、横桁部30を支持するブロックB以外のブロックBを撤去する。この撤去により形成された空間には支保工部40を設置し、当該支保工部40により先端用フレーム部210を支持する。支保工部40の設置後においても、翌日の営業か可能な状態となるように、覆工板10及び先端用覆工板250を敷設する。
【0035】
次いで、次回の改修工事の際には、図12に示すように、覆工板10、先端用覆工板250、支保工部40、フレーム部20及び先端用フレーム部210を取り除いて、横桁部30に対してPC板400を掛け渡す。そして、PC板400の上に新たなホーム用化粧板(図示省略)及び先端用化粧板500を敷設することで、改修工事が完了する。
【0036】
以上のように、本実施形態のプラットホームPの仮ホーム構造1によれば、フレーム部20が折り畳み自在となっているので、従来のように角材、合板、ゴムマットなどで仮覆工を行う場合よりも、短時間に仮覆工を行うことが可能となる。
また、ホーム部100とホーム先端部200とが、別個の構造となっているので、ホーム先端部200においては、ホーム部100に制約されることなく先端部特有の構造とすることができる。これにより、ホーム部100とホーム先端部200それぞれに適切な構造とすることができ、それに応じて作業も簡素化することができる。したがって仮覆工の短時間が図られることとなる。
【0037】
さらに、支保工部40も折り畳み自在であるので、支保工部40の設置時間も短縮することが可能となる。
また、一対のフレーム材220の間には補強部材227が掛け渡されているので、一対のフレーム材220の剛性を高めることができる。
また、フレーム材220が長さ調整可能であるので、設置箇所の条件に応じた長さに調整することができる。
【0038】
また、先端用フレーム部210の調整部222は、本体部221に対して伸縮自在に取り付けられているので、設置箇所の幅に対応するように先端用フレーム210の長さを調整することができる。
また、先端用フレーム部210と先端用覆工板250とを固定する固定具が備えられているので、
【0039】
また、固定ネジ271とナット272との締結を解除すれば、先端用フレーム部210と先端用覆工板250との固定も解除され、先端用覆工板250を取り外すことも可能となっているので、先端用覆工板250は、先端用化粧板が除去されてからPC板400が敷設されるまでの間、先端用フレーム部210に対して着脱自在となっている。このように着脱自在であるので、先端用覆工板250を設置した後でも先端用覆工板250を取り外しての作業が可能となる。
【0040】
なお、本発明は上記実施形態に限らず適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、覆工板10及び先端用覆工板250においては、高さ調節機構を有していることが好ましい。ホーム部100及びホーム先端部200に段差が生じる場合においても、覆工板10及び先端用覆工板250それぞれの高さ調整機構で高さ調整すれば、段差を解消することが可能である。
【0041】
また、上記実施形態では、支保工部40を用いて先端用フレーム部210を支持する場合を例示しして説明したが、支保工部40を用いずに桁式ホーム化を行うことも可能である。以下に、支保工部40を用いない場合の桁式ホーム化工法について説明する。
まず、プラットホームPの改修施工前においては、折り畳まれたフレーム部20を改修箇所近傍に複数搬入する。同様に、覆工板10、先端用覆工板250及び先端用フレーム部210も改修箇所に複数搬入する。
【0042】
そして、盛土式プラットホームPから、化粧板を除去し、図10に示すように支柱300を埋設して、当該支柱300上に横桁部30を設置する。このとき、盛土式プラットホームPをなすブロックBの一部を除去して、その除去部分に横桁部30を配置する。これにより、横桁部30の先端部がブロックBにより支持される。
【0043】
横桁部30の設置後、ホーム部100においては、フレーム部20を展開してから、隣り合う横桁部30上に掛け渡す。この際、フレーム部20における縦根太材21,22の固定穴25内に、横桁部30の固定ネジ31を挿通して位置決めをし、ネジ止めすることで、横桁部30とフレーム部20とを固定する。
【0044】
その後、フレーム部20上に、複数の覆工板10を平面状に敷設する。この際、覆工板10の切欠11を、フレーム部20の位置決めピン26に係合させて、覆工板10の位置決めを行う。これを修復対象全域にわたって施す。
また、ホーム先端部200においては、各横桁部30上に先端用フレーム部210を掛け渡した後、この先端用フレーム部210上に複数の先端用覆工板250を平面状に敷設する。
このように、覆工板10及び先端用覆工板250を敷設すれば、翌日の営業が可能な状態となる。
【0045】
次いで、次回の改修工事の際には、図13に示すように、一番上のブロックBを撤去する。撤去後においても、翌日の営業か可能な状態となるように、覆工板10及び先端用覆工板250を敷設する。
【0046】
次いで、次回の改修工事の際には、図14に示すように、覆工板10、先端用覆工板250、フレーム部20及び先端用フレーム部210を取り除いて、横桁部30に対してPC板400を掛け渡す。そして、PC板400の上に化粧板500を敷設することで、改修工事が完了する。
【符号の説明】
【0047】
1 仮ホーム構造
10 覆工板
11 切欠
20 フレーム部
21,22 縦根太材
23,24 横根太材
25 固定穴
26 位置決めピン
29 補助根太材
30 横桁部
31 固定ネジ
40 支保工部
41 台座
42 脚部
43 固定脚
44 回動脚
45 開き止め金具
46 係合部
47 支持部
50 折り畳み機構
51 連結片
52 軸体
100 ホーム部
200 ホーム先端部
220 フレーム材
221 本体部
222 調整部
223 長穴
224 係合ボルト
227 補強部材
230 固定部
231 支持柱
232 フレーム受け部
250 先端用覆工板
300 支柱
400 PC板
500 化粧板
B ブロック
P プラットホーム
X 幅方向
Y 奥行き方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
盛土式プラットホームを桁式ホーム化する際に用いる仮ホーム構造において、
ホーム部と、前記ホーム部よりも線路側に位置するホーム先端部とを有し、
前記ホーム部は、
覆工板と、
平面状に敷設された複数の前記覆工板を支持するフレーム部と、
プラットホームの奥行き方向に沿って延在して、前記フレーム部を支持する横桁部とを備え、
前記フレーム部は、
前記プラットホームの幅方向に沿って延在する一対の縦根太材と、
前記奥行き方向に沿って延在し、一対の前記縦根太材の両端部にそれぞれ係合する一対の横根太材と、
前記一対の横根太材を水平面に沿って回動させて、一方の前記縦根太材を他方の前記縦根太材に対して接離させることで、前記縦根太材及び前記横根太材を折り畳み自在とする折り畳み機構とを有し、
前記ホーム先端部は、
前記プラットホームの長手方向に沿って延在し、前記横桁部により支持される先端用フレーム部と、
平面状に複数敷設され、前記先端用フレーム部により支持される先端用覆工板とを備えることを特徴とする仮ホーム構造。
【請求項2】
請求項1記載の仮ホーム構造は、
前記ホーム先端部は、前記先端用フレーム部を支持する支保工部を有することを特徴とする仮ホーム構造。
【請求項3】
請求項2記載の仮ホーム構造において、
前記支保工部は、折り畳み自在であることを特徴とする仮ホーム構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の仮ホーム構造において、
前記先端用フレーム部は、側面視凹形状の本体部と、前記本体部の先端部に取り付けられた調整部とを備え、
前記調整部は、前記本体部に対して伸縮自在に取り付けられていることを特徴とする仮ホーム構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の仮ホーム構造において、
前記覆工板及び前記先端用覆工板は、高さ調整機構を有していることを特徴とする仮ホーム構造。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の仮ホーム構造において、
前記先端用フレーム部と前記先端用覆工板とを固定する固定具を有することを特徴とする仮ホーム構造。
【請求項7】
盛土式プラットホームを桁式ホーム化する桁式ホーム化工法において、
前記プラットホームにおけるホーム部からホーム用化粧板を除去するとともに、前記ホーム部よりも線路側に位置するホーム先端部から先端用化粧板を除去し、
前記ホーム用化粧板及び前記先端用化粧板の除去位置に対して、プラットホームの奥行き方向に沿って延在した横桁部を複数配置し、
前記ホーム部においては、隣接する前記横桁部の上に、覆工板を支持するための折り畳み自在なフレーム部を掛け渡した後、当該フレーム部上に前記覆工板を複数平面状に敷設し、
前記ホーム先端部においては、前記プラットホームの長手方向に沿って延在した先端用フレーム部を、前記横桁部に掛け渡した後、当該先端用フレーム部上に先端用覆工板を複数平面状に敷設し、
前記覆工板、前記先端用覆工板、前記フレーム部及び前記先端用フレーム部を取り除いて、前記横桁部に対してPC板を掛け渡し、当該PC板上に新たなホーム用化粧板及び先端用化粧板を敷設することを特徴とする桁式ホーム化工法。
【請求項8】
請求項7記載の桁式ホーム化工法において、
前記先端用覆工板は、前記先端用化粧板が除去されてから、前記PC板が敷設されるまでの間、前記先端用フレーム部に対して着脱自在であることを特徴とする桁式ホーム化工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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