説明

仮想タッチパッド

本明細書に記載した実施形態は、同一のディスプレイ上に仮想タッチパッド及びオペレーティングシステムのグラフィカルユーザーインターフェースを同時に表示することを目的とする。ユーザーは、仮想タッチパッドを使用しOSと対話し得、ユーザータッチが、ディスプレイのタッチパッドに割り当てられたタッチスクリーン部分によって読み出される。タッチ入力ソフトウェアが、ユーザータッチからのタッチパケットを、OSを表示しているディスプレイ又はディスプレイの一部のスクリーン及びディスプレイ解像度にとって適切なデータパケットへ変換する。ジェスチャー認識ソフトウェアが、変換パケットにルールを適用し、ユーザーがタッチによって意味している動作を決定する。マウスカーソルを制御しているアプリケーションが、マウス動作に従ってマウスカーソルを操作する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計算装置に関し、具体的にはグラフィカルユーザーインターフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
[0001]マウスは、今日の計算装置を使用している多くの人々によって容易に理解されるおなじみの入力ツールである。数十年間、マウスは、依然として最も一般的な計算機用の入力機構の中の1つのままである。人々は、計算装置の画面上のマウスカーソルを速やかに認識し、典型的に、それらの使用方法を知っている。携帯電話、ラップトップ、パーソナルコンピューター、コンピュータータブレットのどれであっても、マウスカーソルは、依然としてグラフィカル・ユーザー・インターフェース(GUI)と対話するための一般的なものである。
【0003】
[0002]従来のマウスは、多くの状況において、扱いにくい。それは、通常、横断し滑らせるための平面を必要とする手に適合する個別装置を要求する。ラップトップがますます一般的になるにつれて、タッチパッドが、実際の計算装置上に移されている。これは、計算装置と対話するための個別の入力装置をユーザーが使用する必要がないようにするが、タッチパッドは、計算装置上にスペースを要求し、特定の大きさ及び領域に制限される。現代のタッチパッドは、ユーザーが指をドラッグするためか又はスタイラスを使用するための小さなスペースを提供しているに過ぎず、サイズがよりずっと大きいディスプレイ上のマウスカーソルをユーザーが制御することをいくらか困難にしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、同一のディスプレイ上に同時に表示する、仮想タッチパッドとオペレーティングシステムのグラフィカルユーザーインターフェースとを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0003]この「課題を解決するための手段」は、「発明を実施するための形態」において、更に後述される概念のいくつかを簡易化した形式で紹介するために提供される。この「課題を解決するための手段」は、請求対象項目の重要な機能も本質的な特徴も特定するように意図されておらず、請求対象項目の範囲を決定する際の支援として利用されることも意図されていない。
【0006】
[0004]本発明の一態様は、仮想タッチパッド及びOSのGUIを同一ディスプレイ上に同時に表示することを目的とする。ユーザーは、ディスプレイのタッチスクリーン部分の内部に具体化される仮想タッチパッドを使用し、OSと対話し得る。ユーザータッチが、タッチスクリーン部分によって読み出され、デジタイザーによって二値化される。タッチ入力ソフトウェアが、ユーザータッチからのタッチパケットを、OSを表示するディスプレイ又はディスプレイの一部いずれか一方のスクリーン及びディスプレイの解像度にとって適切なデータパケットに変換する。ジェスチャー認識ソフトウェアが、タッチによってユーザーが意味している動作を決定するためのルールを変換パケットに適用する。最終的に、マウスカーソルを制御するアプリケーションが、マウス動作に従ってマウスカーソルを操作する。
【0007】
[0005]本発明の別の態様は、仮想入力装置及びOS表示を同時に表示する単一のディスプレイ上のGUIを目的とする。ユーザーは、仮想入力装置を使用し、OSと対話し得る。
【0008】
[0006]本発明を添付の図面を参照し詳細に後述する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】[0007]本発明の実施形態を実装する際に使用する例示的な動作環境のブロック図である。
【図2】[0008]本発明の実施形態によるタッチスクリーン装置上の例示的GUIを示している略図である。
【図3】[0009]本発明の実施形態による仮想タッチパッドを表示するように構成されるタッチスクリーン装置の概略図である。
【図4】[0010]本発明の実施形態による仮想タッチパッドを表示し管理するためのステップを例示している流れ図の略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0011]本明細書に記載した対象項目は、法的要件を満たす特異性を用いて提供される。しかしながら、本明細書の記載は、この特許の範囲を限定するように意図されていない。もっと具体的に言えば、請求の対象項目が別の現在の技術又は将来の技術に関連し、本書に記載したものと異なるステップ又は同様のステップの組み合わせを含む別の方法で具体化され得ることも想定している。その上、更に用語「ブロック」は、本明細書において、使用されている異なる方法要素を内包するように使用され得るが、その用語が本明細書に開示した様々なステップの中又はステップの間の特定のどのような順番も含んでいるように解釈しないことである。
【0011】
[0012]本明細書に記載した実施形態は、タッチスクリーン上に表示される仮想タッチパッドを目的とする。仮想タッチパッドを使用し、ユーザーは、計算装置のスクリーン上においてマウスカーソルを制御し得る。仮想タッチパッドとの対話は、ジェスチャー認識ソフトウェアによってキャプチャされ、マウス動作に変換されるタッチスクリーン入力信号を作り出す。OSが、マウスの信号が従来のマウス又はタッチパッドから受信されたようにそれらを解釈し、かくしてタッチパッドの仮想提示を介し、タッチパッドの機能性を提供する。
【0012】
[0013]仮想タッチパッドが本明細書に記載されているが、実施形態はそれに制限されない。代わりに、実施形態は、別の入力装置の仮想表現を十分に想定している。例えば、実施形態の中には、仮想スクロールボール、仮想スクロールホイール、仮想マウスノブ、又はその他の装置の仮想表現が提示され得るものもある。明瞭にするために仮想タッチパッドだけを後述する。
【0013】
[0014]本明細書に記載した実施形態が仮想タッチパッドを用いたマウスカーソル制御を参照していても、実施形態は、別のタッチスクリーン機能とも結合され得る。具体的には、仮想タッチパッドが表示され得、マウスカーソルを制御するためのツールを提供すると同時に、計算装置の画面の他の部分もタッチに感度よく反応する。例えば、ユーザーは、(後述される)ディスプレイのタッチスクリーン部分における、マウスカーソルを制御するための仮想タッチパッドを使用するか、又は(また後述される)ディスプレイのシステム部分に表示されるカーソルを直接にタッチすることによって、マウスカーソルを制御する。
【0014】
[0015]本明細書に記載した実施形態の一般概要を簡潔に説明したので、例示的計算装置を後述する。初めに図1を参照すると、特に本発明を実装するための例示的動作環境が計算装置(100)として、一般に示され指定されている。計算装置(100)は、適切な計算環境の一例に過ぎず、本発明の利用範囲又は機能性に対し、どのような制限も提示するように意図されていない。計算環境(100)は、例示したコンポーネントの任意の1つ又は組み合わせに関連するどのような依存性も要件も有していないことを解釈されたい。一実施形態において、計算装置(100)は、従来の計算機(例えば、パーソナルコンピューター又はラップトップコンピューター)である。
【0015】
[0016]本発明の一実施形態は、計算機又はその他機械によって実行されるプログラムモジュールなどの計算機実行可能命令を含むコンピューターコード又は計算機が利用可能な命令の一般的文脈で記載され得る。通常、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含むプログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか又は特定の抽象データ型を実装しているコードを参照している。本明細書に記載した実施形態は、携帯用機器、家電、汎用計算機、より専門的な計算装置などを含む様々なシステム構成において実施され得る。本明細書に記載した実施形態は、通信ネットワークを介し接続されているリモート制御演算装置によってタスクが実行され得る分散計算環境においても実施される。
【0016】
[0017]図1を続けて参照すると、計算装置(100)は、以下、メモリー(112)、1つ以上のプロセッサー(114)、1つ以上の表示コンポーネント(116)、入力/出力ポート(118)、入力/出力コンポーネント(120)、及び例示的電源(122)装置、を直接的又は間接的に接続するバス(110)を含む。バス(110)は、(アドレスバス、データバス、又はその組み合わせのような)1つ以上のバスであり得ることを示している。図1の様々なブロックが明瞭にするために線で示されているけれども、実際には、図で表わしている様々なコンポーネントは、それほど明確でなくて、例えて言うと、線はより正確には灰色であって曖昧である。例えば、表示装置のような表示コンポーネントをI/Oコンポーネントとして考慮し得る。プロセッサーもメモリーを有する。そのようなことが当分野の特質であって、既に言及したように図1の略図が、本発明の1つ以上の実施形態に関連し利用され得る例示的な計算装置を反映していることを当業者は理解されよう。「ワークステーション」、「サーバー」、「ラップトップ」、「携帯用装置」などのような区別がカテゴリーの間でなされておらず、すべてが、図1の範囲内にあって「計算装置」への参照であるように想定されている。
【0017】
[0018]計算装置(100)は、典型的に、様々な計算機可読媒体を含む。非限定の例として、計算機可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリー、又はその他のメモリー技術、CDROM、DVD、又はその他の光若しくはホログラフィ記載媒体、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、又はその他の磁気記憶装置、又は本明細書に記載した実施形態にとって適切なデータ及び/又は命令をストアするように構成可能な具体的な同様の媒体を含む。
【0018】
[0019]メモリー(112)は、揮発性及び/又は不揮発性のメモリー形式の計算機記憶媒体を含む。メモリーは、取り外し可能、取り外し不可能、又はその組み合わせであり得る。例示的ハードウェア装置は、ソリッドステートメモリー、ハードドライブ、キャッシュ、光ディスクドライブなどを含む。計算装置(100)は、メモリー(112)又はI/Oコンポーネント(120)のような様々なエンティティからデータを読み出す1つ以上のプロセッサーを含む。表示コンポーネント(単数又は複数)(116)は、ユーザー又は別の装置に対しデータ表示するべきものを表示する。例示的表示コンポーネントは、ディスプレイ装置、スピーカー、印刷コンポーネント、振動コンポーネントなどを含む。
【0019】
[0020]I/Oポート(118)は、計算装置(100)をI/Oコンポーネント(120)を含み、そのいくつかは内蔵され得る別の装置と論理的に接続されることを可能にする。例示的コンポーネントは、マイクロフォン、ジョイスティック、ゲームパッド、衛星放送受信アンテナ、スキャナー、プリンター、無線機器などを含む。
【0020】
[0021]計算装置(100)と関連し前述したコンポーネントが、携帯装置にも含まれ得る。本明細書に記載したような携帯装置は、任意のタイプの携帯電話、携帯装置、携帯情報端末(PDA)、BlackBerry(登録商標)、スマートフォン、デジタルカメラ、又は無線通信可能な(ラップトップは別の)その他の携帯装置を参照している。当業者は、モバイル装置が、様々な機能を実行するためのプロセッサー及び計算機記憶媒体も含むことを十分理解されよう。本明細書に説明した実施形態は、計算装置及び携帯装置双方のことを言及している。実施形態において、計算装置は単に、画像がカメラによって携帯装置にキャプチャされるアプリケーションを実行している装置を参照している。
【0021】
[0022]計算装置(100)はタッチスクリーンを含んでいて、当業者は、表示領域の内部にタッチ場所を検出し得るディスプレイであることを十分理解されよう。実施形態の中には、(本明細書において「タッチ」として参照される)タッチスクリーン入力を受信するために割り当てられるディスプレイ部分を有する単一のディスプレイを含むものもある。別の実施形態の中には、表示領域全体が、ユーザーから指又はスタイラスなどのタッチを受信可能なものもある。タッチスクリーンは、抵抗パネル、容量パネル、赤外線パネル、又は同様のパネルを計算装置の典型的スクリーン−例えば、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)などに、追加することによって実装され得る。タッチスクリーンは、代替として、ひずみゲージ構成、又は光画像、分散信号、弾性表面波、又はタッチをキャプチャするためのその他の技術を組み込み得る。上記一覧は網羅的ではなくて、当業者はタッチをキャプチャするための別の多くのパネル及び技術が使用されることを理解されよう。
【0022】
[0023]図2は、本発明の実施形態によるタッチスクリーン装置上の例示的GUI(200)を示している図である。GUI(200)は、2つの表示部分であるシステム部分(202)及びタッチスクリーン部分(204)を含む。具体的には、システム部分(202)は、Microsoft Windows(登録商標)のようなOSのGUIを表示する。タッチスクリーン部分(204)内部におけるタッチが、システム部分(202)内部のマウスカーソル(206)に対する動作へ変換される。一実施形態において、システム部分(202)及びタッチスクリーン部分(204)双方を含む画面全体が、システム部分(202)におけるタッチを無視し、タッチスクリーン部分(204)におけるタッチを処理するように構成されるタッチスクリーン内部に含まれ得る。
【0023】
[0024]代替実施形態において、システム部分(202)におけるタッチは、無視されないというよりもむしろタッチは処理され、ユーザーがマウスカーソルを直接操作できるようにする。例えば、ユーザーは、システム部分におけるマウスカーソルにタッチそし得、システム部分(204)内部のどこでもマウスカーソルをタッチして指をスライドし得る。これは、結果として指を離すまで指に追随するマウスをもたらす。故に、この実施形態は、タッチスクリーン部分(204)におけるタッチに加え、システム部分(202)における直接的なタッチを処理する。
【0024】
[0025]システム部分(202)の表示ソフトウェアが、マウス又はその他の入力装置を使用し対話し得る。一実施形態において、システム部分(202)は、Windows(登録商標)、Windows Mobile(登録商標)、MacOS、LinuxなどのようなOSのGUIを表示する。ユーザーは、マウスを使用し、ウェブブラウザー(214)のようなソフトウェアアプリケーションと対話し得る。
【0025】
[0026]タッチスクリーン部分(204)は、トラックパッド(208)、左ボタン(210)、及び右ボタン(212)を含む。トラックパッド(208)はタッチパッドの通常のトラックパッド部分を提示し、ユーザーが、同一方法でトラックパッド(208)を処理できるようにする。トラックパッド(208)を使用し、ユーザーは、その方向へ指又はスタイラスをスライドすることによって、特定の任意方向へマウスカーソル(206)を動かし得る。(例えば、ドラッグ、ト゛ロップ、ホバリング、マルチタッチなどの)より複雑なタッチも特に、トラックパッド及び/又はボタンタッチによって登録され得る。例えば、ユーザーは、下方向スクロールを示すために、トラックパッド(208)の一番左の部分において、指を下方向にスライドし得る。あるいはユーザーは、タッチパッド(208)を二度連続してタップし(軽く叩き)、左マウスのボタンクリックを示す。更に、左ボタン(210)及び右ボタン(212)のタッチはそれぞれ、左ボタン及び右ボタンのマウスクリックを指定している。別のタッチも可能であってそれは、当業者には明らかであろう。その上、更に(例えば、トラックボール、スクロールホイールなどの)別の入力装置が代替として、本明細書に記載したジェスチャーソフトウェアによって容易に処理され得る異なる動作を使用し得る。
【0026】
[0027]実施形態は、図2に示した構成に限定されない。例えば、付加的ボタンが表示され得るか、又はタッチスクリーン部分が、GUI(200)の別の部分に位置付けられ得る。更に、タッチスクリーン部分(204)が個別区域に分離され得、異なる区域がGUI(200)の個別部分を占有し得る。
【0027】
[0028]実施形態の中には、タッチスクリーン部分(204)とシステム部分(202)との間の境界線がユーザーの対話に従って取り除かれ得るものもある。前述された代替実施形態において、タッチスクリーン部分(204)において発生し、システム部分(202)に繰り越すタッチがそれら全体として処理される。例えば、この実施形態は、タッチスクリーン部分(204)からシステム部分(202)への指のドラッグをトラッキングし続ける。指がタッチスクリーン部分(204)の境界を外側に超えたとき、カーソル(206)の動きを止める代わりに、カーソル(206)は、特定のイベントである例えば、ユーザーがドラッグを止めるまでその方向の指のドラッグを続ける。言い換えれば、そのような実施形態は、タッチがシステム部分に運び入れるとき、タッチをタッチスクリーン部分(204)に制限しない。その上、更に一実施形態において、タッチスクリーン部分(204)内部で開始しその外部で続く、どのようなタッチも結果として、タッチスクリーン部分(204)内部に存在しているように処理されるタッチをもたらす。
【0028】
[0029]図3は、本発明の実施形態による仮想タッチパッドを表示するように構成されるタッチスクリーン装置(300)の概略図である。図3は単に一実施形態を例示しているに過ぎないことに留意されたい。また、明瞭にするために計算装置(100)の多くのコンポーネントを例示していない。実際には、計算装置(100)は、本明細書において参照したソフトウェアを支援するためのプロセッサー及び計算機記憶媒体を含む。実際、実施形態の中には、タッチパケット(318)、マウスメッセージ(320)、又はマウス動作(322)が、迅速なリトリーブのためにキャッシュされ得るものもある。
【0029】
[0030]タッチスクリーン装置(300)は、本明細書に記載した任意のハードウェア及びソフトウェアを含み得る計算装置である。タッチスクリーン装置(300)は、ディスプレイ(302)、デジタイザー(308)、タッチ入力ソフトウェア(310)、ジェスチャーソフトウェア(312)、及びGUIコントロールアプリケーション(314)を含む。一実施形態において、タッチスクリーン部分(306)はユーザーの裁量で表示される。ユーザーは、タッチスクリーン部分(306)を示すためのハードキー又はソフトキーを選択し得る。表示されないとき、表示領域(302)は、唯一システム部分(304)を用いて構成される。別の実施形態は、図2に例示されていない付加的なソフトウェア及びハードウェアを含み得る。
【0030】
[0031]ディスプレイ(302)は、タッチスクリーン機能を有する単一の表示画面である。一実施形態において、計算装置(100)上のソフトウェアが、ディスプレイ(302)上に異なる2つのGUI部分を同時に表示する。これらの部分が図2に例示されていて、システム部分(304)及びタッチスクリーン部分(302)として上記参照されている。システム部分(304)は、オペレーティングシステム(OS)対話的表示を表示し、かくして、ソフトウェアアプリケーションに対するアクセスを提供する。一例として、システム部分(304)は、Microsoft Windows(登録商標)、Windows Mobile(登録商標)、Linux、MacOSなどのバージョンを表示するディスプレイ(302)の一部として考えられ得る。システム部分(304)内部において、ユーザーは、マウスカーソルを操作することによってソフトウェアアプリケーションと対話し得る。更に、タッチスクリーン部分(306)が、ユーザーがマウスカーソルを制御するために使用し得る仮想タッチパッドを表示する。仮想タッチパッドが、ユーザーから(例えば、指又はスタイラスを用いた)タッチ(316)を受信し、タッチ(316)をシステム部分(304)におけるマウスカーソルを動かすためのコマンドへ変換する。簡潔に述べるとユーザーは、タッチスクリーン部分(306)のタッチパッドにタッチし、システム部分(304)のマウスカーソルを制御する。
【0031】
[0032]ユーザーは、タッチスクリーン部分(306)上において様々なタッチ(316)を入力し得る。例えば、ユーザーは、その方向にカーソルを動かす指示の一方向にタッチスクリーン部分(306)を横断し指でドラッグし得る。右、左、中央、又はその他のボタンが、ボタンの1つの押下を意味する指又はスタイラスを用いてタップされ得る。これらのボタンは、「定着した(スティッキー)」機能も有し得、それによって(例えばすばやい下方向ドラッグによってボタン押下コマンド)動作は、リリース動作(例えば単一のボタン押下タップ)が登録されるまで、ボタンが下方向位置に保たれる結果になる。当然のこととして、様々な別のタッチ(316)が、タッチスクリーン部分(306)によって受信され得る。
【0032】
[0033]タッチスクリーン部分(306)によって受信されるタッチ(316)は、デジタイザー(308)を介し注がれる。一実施形態において、デジタイザー(308)は、タッチスクリーン部分(306)によって受信されるタッチ(316)を検出し、タッチ(316)をそれらとデジタル的に等価なものに変換するタッチスクリーンドライバーを含む。非限定の例として知られるデジタイザー(308)が、タッチ(316)から結果として生じる電流、電圧、抵抗、電気容量、又は赤外線における変化を検出するように構成される。デジタイザー(308)が、その変化をタッチパケット(318)へ変換する。
【0033】
[0034](「ペン及びタッチパケット」として一般に参照した)タッチパケット(318)は、タッチ(316)に関連するx/y座標、押下、大きさ、方向などの様々な情報を含む。加えるとパケットは、(例えば、2インチ×2インチ、200ピクセルなどの)タッチスクリーン部分(306)の寸法のようなディスプレイ(302)のタッチスクリーンの能力に関連する情報も含み得る。
【0034】
[0035]タッチ入力ソフトウェア(310)が、スクリーン部分(304)に適合するようにタッチパケット(318)を変換する。それを実行するために、タッチ入力ソフトウェア(310)が、タッチパケット(318)に提供されている情報をシステム部分(304)におけるそれらと同等物へ変換する。タッチ入力ソフトウェア(310)は、Microsoft Windows(登録商標)におけるWISPTISのような任意タイプのシェルプログラムを含み得る。作動中、タッチ入力ソフトウェア(310)は、タッチパケット(318)内の情報を取り入れ、それらをディスプレイ(302)の画面サイズ、解像度、又はピクセル数に適合するように変換する。
【0035】
[0036]作動中、タッチ入力ソフトウェア(310)が、タッチパケット(318)内の情報をタッチスクリーン部分(306)の表示サイズ又は解像度からディスプレイ(302)の基本的な画面に関連する画面サイズ及び解像度へ変換する。例えば、タッチスクリーン部分(306)は、幅2インチ×長さ2インチであり得、ディスプレイ(302)は、幅10インチ×長さ10インチであり得る。タッチパケット(318)を変換するタッチ入力ソフトウェア(310)が、一実施形態において、タッチスクリーン部分(306)上で指の動いた距離を5の倍数で乗ずる。更に、タッチ速度もマウスカーソルを動かす速度を示すように変換され得る。
【0036】
[0037]ディスプレイ(302)のタッチスクリーン機能は、ディスプレイ(302)の解像度よりも精密であり得る。例えば、ディスプレイ(302)は、200ラインピクセル及び10,000ラインを越える検出可能スペースを有する(例えば、容量性、抵抗、及び赤外線の)タッチスクリーンレイヤ輝度の能力があるコンピュータースクリーンを含み得る。この例において、デジタイザー(308)による検出が、システム部分(304)のそれらと等価な表示に変換され得、かくして、タッチ(316)がシステム部分(304)にレンダリングされ得るようにする。
【0037】
[0038]一旦、タッチパケット(318)が、ディスプレイ上又はシステム部分(304)の表示領域内に表示するためのタッチ入力ソフトウェア(310)によって変換されると、どんな動作がタッチ(316)によって指定されたか決定するためのジェスチャーソフトウェア(312)を介し変換パケット(320)が送り込まれる。一実施形態において、ジェスチャーソフトウェア(312)は状態機械を実装していて、マウス動作(322)が、様々なルールに基づいて決定される。ジェスチャーソフトウェア(312)によって実装されるルールは、マウス動作に関連付けられる任意の状態を含み得る。例えば、変換パケット(320)が、特定の速度で特定の方向の検出された動きを示しているとき、ジェスチャーソフトウェア(312)は、マウスがその速度でその方向に動いているものと決定し、それに従ったマウスパケット(322)が生成される。ホバリング、ドラッグ、マルチタッチなど、ほとんどどんなタイプのマウス動作に対するルールが設定され得る。
【0038】
[0039]マウス動作(322)は、タッチ(316)に関する線形又は非線形変換であり得る。線形変換は、システム部分(304)へのタッチ(316)に関する直接変換であって、タッチスクリーン部分(306)又はディスプレイ(302)の表示領域と比較すると、タッチスクリーン部分(306)の画面サイズの差をもたらす。言い換えれば、タッチ(316)の速度が、システム部分(304)上のそれと等価なものに変換される。非線形変換は、システム部分へ直接に変換されないタッチを参照していて、むしろタッチは増幅されるか又は別の方法でルールに基づいて操作される。例えば、指の速度が、タッチスクリーン部分(306)上において取得(スワイプ)され、特定の時間の間、同一方向に絶え間なく動いている場合、加速され得る。あるいは特定の速度の仮想ノブのスワイプは、マウスカーソルが動かされる速度を増幅し得る。線形運動又は非線形運動どちらか一方を引き起こすルールが、ジェスチャーソフトウェア(312)において指定され得る。
【0039】
[0040]ジェスチャーソフトウェア(312)に関するルールが、マルチタッチのジェスチャーを引き起こし得る。例えば、項目のドラッグは、仮想タッチパッド上で指をスライドしている間、仮想マウスの左ボタン上でタッチし続けることによって実行され得る。そのような動作及びその他のマルチタッチ動作を引き起こすルールが、ジェスチャーソフトウェア(312)によって設定され得、実行され得る。
【0040】
[0041]マウス動作(322)は、表示用のGUIコントロールアプリケーション(314)へ渡される。GUIコントロールアプリケーション(314)は、マウス動作を解釈し、マウスカーソルを用いた動作を実行する能力があるシェルプログラムである。作動中、GUIコントロールアプリケーション(314)は、システム部分(304)におけるマウスカーソルを制御する。一実施形態において、GUIコントロールアプリケーション(314)は、Windows(登録商標)OSにおけるアプリケーションプログラムexplorer.exeである。代替実施形態は、別のOSにおけるマウスカーソルを制御するための異なるアプリケーションプログラムを組み込み得る。
【0041】
[0042]一実施形態において、ジェスチャーソフトウェア(312)は、システム部分(304)内部のタッチパケット(318)ではなく、タッチスクリーン部分(306)内部のタッチパケット(318)を処理するためのルールを含む。そのため、ユーザーが指をタッチパッドの境界を超えてドラッグしたとき、タッチスクリーン部分(306)を超えたタッチパケット(318)は実際には、処理されず、マウスの動きを止める。しかしながら代替実施形態において、タッチスクリーン部分(306)内部から発生しシステム部分(304)まで達するマウスメッセージは、その全てにおいて処理される。この実施形態において、仮想タッチパッド上で開始しOS表示へ動くタッチは、タッチがシステム部分(304)の外側において完了されるまでマウスカーソルを絶え間なく動かすマウス動作(322)を生成する。かくしてユーザーは、ディスプレイ(302)全体において支援されるタッチスクリーン特性を使用した仮想タッチパッドに必ずしも縛られる必要はない。
【0042】
[0043]図4は、同一ディスプレイに本発明の実施形態による仮想タッチパッド及びオペレーティングシステムのGUIを表示し管理するためのステップを例示している流れ図(400)の概略図である。(402)に示されるように、初めに単一のタッチスクリーンディスプレイが、仮想タッチパッド及びオペレーティングシステムを同時に表示する。一実施形態において、ユーザーが仮想タッチパッドを表示するためのハードキー又はソフトキーを選択するまで、OSのGUIだけが提示される。別の実施形態において、仮想タッチパッドは、どのようなユーザー対話も必要とせずに表示される。
【0043】
[0044](404)に示されるように、ユーザーは、マウスカーソルを動かすなど、OSと対話するために仮想タッチパッドにタッチし得る。(406)に示されるように、ユーザーからのタッチが、タッチパケットを生成するデジタイザーによって読み出される。タッチパケットは、ユーザーからのタッチのデジタル表現である。タッチスクリーンが一定の精度を有するタッチ及び別の精度を有する表示情報を登録し得るので、(408)に示されるように、タッチパケットは、タッチスクリーンの表示設定に適合するように変換される。例えば、タッチパケットは、特定の画面サイズ又はタッチスクリーン表示解像度に適合するか又は仮想タッチパッドと同時に表示されるシステム部分に適合するように、変換され得る。
【0044】
[0045](410)に示されるように、ルールが変換パケットに適用され、(410)に示されるように、どんなマウス動作がタッチによって意図されているか決定する。これらのルールは、マウスの動き、ボタン押下、ボタンリリース、ドラッグ、ホバリング、マルチタッチなど、仮想パッド上においてユーザーが入力する動作を包含し得る。一旦、決定されると、マウス動作は、(例えばWindows(登録商標))におけるexplorer.exe)アプリケーションプログラムに送り込まれ、その後、それに従ってOSのGUIを操作する。
【0045】
[0046]対象項目が、構造的な機能及び/又は方法論的な動作に対し特定の言語で記載されているが、添付した請求項に定義されている対象項目が、前述した特定の機能又は動作に必ずしも限定されるわけではないことを理解されよう。もっと具体的に言うと、前述した特定の機能及び動作は、本請求項の実装形式の例として開示されている。例えば、本明細書に記載した以外の請求項の範囲による、サンプリングレート及びサンプリング周期がキャプチャされ得る。
【符号の説明】
【0046】
100 計算装置
110 バス
112 メモリー
114 1つ以上のプロセッサー
116 1つ以上の表示コンポーネント
118 1つ以上の入力/出力ポート
120 入力/出力コンポーネント(複数)
122 電源
200 例示的GUI
202 システム部分
204 タッチスクリーン部分
206 マウスカーソル
208 タッチパッド
210 左ボタン
212 右ボタン
214 ウェブブラウザー
300 タッチスクリーン装置
302 ディスプレイ
304 システム部分
306 タッチスクリーン部分
308 デジタイザー
310 タッチ入力ソフトウェア
312 ジェスチャーソフトウェア
314 GUIコントロールアプリケーション
316 タッチ(複数)
318 タッチパケット(複数)
320 変換パケット(複数)
322 マウス動作(複数)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想タッチパッドを表示し、同時に前記仮想タッチパッド上のタッチに基づいてマウスカーソルを制御する方法であって、
タッチスクリーン上にシステム部分及びタッチスクリーン部分を同時に表示するステップ(402)と、
前記システム部分にオペレーティングシステム(OS)のユーザーインターフェース(UI)を表示するステップであって、前記マウスカーソルが、前記OSの部分(202)として表示されるものと、
前記タッチスクリーン部分(208)に前記タッチパッドを表示するステップと、
前記タッチスクリーン部分内部において前記タッチ(316)を受信するステップと、
前記タッチを1つ以上のマウス動作へ変換するために1つ以上のルールを使用するステップ(410)と、
前記マウス動作を利用し前記マウスカーソルを制御するステップ(412)と、を含む方法を実行するために具体化された計算機実行可能命令を有する1つ以上の計算機可読媒体。
【請求項2】
更に、前記タッチにデジタイザーを適用し、前記タッチをタッチパケットへ変換するステップを含む請求項1記載の媒体。
【請求項3】
前記タッチパケットが、前記タッチに関連するx/y座標、方向、速度のうち少なくとも1つの指標を含むことを特徴とする請求項2記載の媒体。
【請求項4】
更に、前記タッチスクリーン部分に1つ以上の仮想ボタンを表示するステップを含む請求項1記載の媒体。
【請求項5】
更に、前記システム部分の一部の内部において前記タッチを受信するステップを含む請求項1記載の媒体。
【請求項6】
更に、
前記システム部分において第2のタッチを受信するステップと、
前記第2のタッチに基づいて前記マウスカーソルを制御するステップと、を含む請求項1記載の媒体。
【請求項7】
前記1つ以上のルールが、前記タッチスクリーン部分の外部から受信された前記タッチの一部を考慮しないことを特徴とする請求項1記載の媒体。
【請求項8】
前記タッチがタッチスクリーン部分において発生した場合、前記1つ以上のルールが、前記タッチスクリーン部分の外部から受信した前記タッチの一部を考慮することを特徴とする請求項1記載の媒体。
【請求項9】
前記仮想タッチパッドが、ユーザーがキーを押下したときだけ表示されることを特徴とする請求項1記載の媒体。
【請求項10】
前記タッチスクリーンが、多重タッチのタッチを支援していることを特徴とする請求項1記載の媒体。
【請求項11】
計算装置上の計算機が読み出し可能かつ実行可能な媒体上において具体化されたグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)であって、1つのタッチスクリーンディスプレイに表示される前記GUIが、
対話的オペレーティングシステム(OS)を表示するように構成されるシステム表示領域(202)であって、ユーザーが、入力装置を使用し1つ以上のソフトウェアアプリケーションと対話し得るものと、
仮想入力装置を表示し、前記ユーザーが、前記OSと対話可能なタッチを受信するように構成されるタッチスクリーンディスプレイ部(204)を含むグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項12】
前記仮想入力装置が、タッチパッド表現であることを特徴とする請求項11記載のグラフィカルユーザーインターフェース。
【請求項13】
前記仮想入力装置が、1つ以上の仮想ボタンを含むことを特徴とする請求項12記載の媒体。
【請求項14】
前記仮想入力装置が、トラックボール、スクロールホイール、又はスクロールノブのうち少なくとも1つの表現であることを特徴とする請求項11記載の媒体。
【請求項15】
前記タッチが、前記システム表示領域においてマウスカーソルを制御するために使用されることを特徴とする請求項11記載の媒体。
【請求項16】
ユーザーがオペレーティングシステム(OS)のグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)表示と対話し得るようにディスプレイ上に仮想入力装置を表示するための方法であって、
ディスプレイ上にシステム部分及びタッチスクリーン部分を同時に表示するステップ(402)であって、前記システム部分が、前記OSの前記GUIを表示し、前記タッチスクリーン部分が、前記仮想入力装置を表示するものと、
前記仮想入力装置上において1つ以上のタッチ(316)を受信するステップと、
前記1つ以上のタッチをx/y方向を示すタッチパケットへ変換するステップ(406)と、
前記タッチパケットを、前記システム部分に関連付けられる画面サイズをもたらす変換パケットへ変換するステップ(408)と、
前記変換パケットに基づいて1つ以上のマウス動作を決定するステップ(410)と、
前記マウスパケットに基づいて前記OSの前記GUIを操作するステップ(412)と、含む方法。
【請求項17】
更に、前記変換パケットをキャッシュするステップを含む請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記仮想入力装置が、1つ以上のボタン、トラックボール、スクロールホイール、及びスクロールノブを有するタッチパッドのうち少なくとも1つの提示を含むことを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記OSの前記GUIを操作するステップが更に、マウスカーソルを操作するステップを含むことを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記マウスカーソルが、アプリケーションプログラムによって制御されることを特徴とする請求項19記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−526396(P2011−526396A)
【公表日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516742(P2011−516742)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2009/048969
【国際公開番号】WO2009/158685
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(500046438)マイクロソフト コーポレーション (3,165)
【Fターム(参考)】