説明

仮打ち打点決定方法、打点順決定方法、及びプログラム

【課題】仮打ち打点の決定に要する時間を短縮し、且つ、より少ない仮打ち打点で所望する剛性を保つことができる仮打ち打点決定方法、仮打ちによるワークの内部ひずみを抑えることができる打点順決定方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】打点決定方法は、第1接合部22が複数のワークを接合し、荷重付加部26によってワークの任意の特定点に荷重がかけられたときにおける複数の接合点の仕事エネルギーを仕事エネルギー算出部30がそれぞれ算出する。そして、合計仕事エネルギー算出部32が複数の接合点の仕事エネルギーの合計仕事エネルギーを求め、エネルギー割合算出部34が合計仕事エネルギーに対する接合点の仕事エネルギーの割合を算出する。仮打ち打点決定部36は、仕事エネルギーの割合が小さい接合点順に接合点を選択していき、選択した接合点の前記割合が基準割合を超えたときに、選択していた接合点を仮打ち打点として決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、より少ない仮打ち打点で仮止めすることができる仮打ち打点を決定する仮打ち打点決定方法、ワークの内部ひずみが小さくなるように決定された仮打ち打点の打点順を決定する打点順決定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来は、特許文献1に記載のように、コンピュータ上で、仮止め打点を経験により検索して、仮止め打点の配置を仮決定し、仮決定した仮止め打点の配置に応じたワークの変形量が基準値以下となる場合は、該仮決定した配置を、仮止め打点の配置として決定していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−290932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術思想では、仮止め打点が経験で検索されるため、時間がかかり、また、ワークの変形量を抑えるために決定される仮打ち打点の数が多くなってしまう。人によって決定される仮打ち打点の数にバラツキが生じてしまう。決定された仮打ち打点を打つ打点順によって、ワークの内部ひずみが大きくなったり、小さくなったりしてしまう。
【0005】
そこで、本発明は、係る従来の問題点に鑑みてなされたものであり、仮打ち打点の決定に要する時間を短縮し、且つ、より少ない仮打ち打点で所望する剛性を保つことができる仮打ち打点決定方法、仮打ちによるワークの内部ひずみを抑えることができる打点順決定方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、コンピュータが、複数のワークを仮打ちする仮打ち打点を予め決定する仮打ち打点決定方法であって、ワーク形状データに用いて、前記コンピュータ上で前記複数のワークを複数の接合点で接合する接合工程と、前記複数のワークのクランプ箇所を前記コンピュータ上で拘束する拘束工程と、前記コンピュータ上で、接合された前記複数のワークの特定点に荷重をかけたときの前記複数の接合点の仕事エネルギーをそれぞれ算出する仕事エネルギー算出工程と、前記複数の接合点のそれぞれの前記仕事エネルギーを合計して、合計仕事エネルギーを算出する合計仕事エネルギー算出工程と、前記合計仕事エネルギーに対する前記複数の接合点のそれぞれの前記仕事エネルギーの割合を算出するエネルギー割合算出工程と、前記割合が大きい順に前記接合点を選択していき、選択した前記接合点の前記割合の合計が基準割合を超えたときに、選択していた前記接合点を仮打ち打点として決定する仮打ち打点決定工程と、を備えることを特徴とする。
【0007】
前記仕事エネルギー算出工程により算出された前記仕事エネルギーが小さい前記仮打ち打点順に、前記複数の仮打ち打点を打つように打点順を決定する打点順決定工程をさらに備えてもよい。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、プログラムであって、コンピュータに、複数のワークの形状データを取得するワーク形状取得工程と、前記形状データに用いて、前記コンピュータ上で前記複数のワークを複数の接合点で接合する接合工程と、前記複数のワークのクランプ箇所を前記コンピュータ上で拘束する拘束工程と、前記コンピュータ上で、接合された前記複数のワークの特定点に荷重をかけたときの前記複数の接合点の仕事エネルギーをそれぞれ算出する仕事エネルギー算出工程と、前記複数の接合点のそれぞれの前記仕事エネルギーを合計して、合計仕事エネルギーを算出する合計仕事エネルギー算出工程と、前記合計仕事エネルギーに対する前記複数の接合点のそれぞれの前記仕事エネルギーの割合を算出するエネルギー割合算出工程と、前記割合が大きい順に前記接合点を選択していき、選択した前記接合点の前記割合の合計が基準割合を超えたときに、選択していた前記接合点を仮打ち打点として決定する仮打ち打点決定工程と、を実行させることを特徴とする。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、コンピュータが、複数のワークを仮打ちする複数の仮打ち打点の打点順を決定する仮打ち打点の打点順決定方法であって、ワーク形状データを用いて、前記コンピュータ上で前記複数のワークを複数の接合点で接合する接合工程と、前記複数のワークのクランプ箇所を前記コンピュータ上で拘束する拘束工程と、前記コンピュータ上で、接合された前記複数のワークの特定点に荷重をかけた場合における、前記複数の接合点のうち予め決定された複数の仮打ち打点の仕事エネルギーを算出する仕事エネルギー算出工程と、前記仕事エネルギーが小さい順に、前記複数の仮打ち打点を打つように打点順を決定する打点順決定工程と、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、プログラムであって、コンピュータに、複数のワークの形状データを取得するワーク形状取得工程と、前記形状データを用いて、前記コンピュータ上で前記複数のワークを複数の接合点で接合する接合工程と、前記複数のワークの複数のクランプ箇所を前記コンピュータ上で拘束する拘束工程と、前記コンピュータ上で、接合された前記複数のワークの特定点に荷重をかけた場合における、前記複数の接合点のうち予め決定された複数の仮打ち打点の仕事エネルギーを算出する仕事エネルギー算出工程と、前記仕事エネルギーが小さい順に、前記複数の仮打ち打点を打つように打点順を決定する打点順決定工程と、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の接合点で複数のワークを接合し、ワークの任意の特定点に荷重をかけたときにおける複数の接合点の仕事エネルギーをそれぞれ算出して合計仕事エネルギーを求め、合計仕事エネルギーに対する接合点の仕事エネルギーの割合を算出する。そして、仕事エネルギーの割合が小さい接合点順に接合点を選択していき、選択した接合点の前記割合が基準割合を超えたときに、選択していた接合点を仮打ち打点として決定するので、より少ない仮打ち打点で所望する剛性を保つことができ、ワークの変位量を抑えることができる。また、仮打ち打点の数を少なくすることができるので、ライン設計が容易となる。また、仮打ち打点の決定に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0012】
また、仕事エネルギーが小さい順に、仮打ち打点を打つように打点順を決定するので、仮打ちによるワークの内部ひずみを小さくすることができ、スプリングバックを小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施の形態の仮打ち打点・打点順決定装置の電気的な構成ブロック図である。
【図2】打点・打点順決定装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】打点・打点順決定装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】打点・打点順決定装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】取得される形状データの基となる複数のワークの正面図である。
【図6】図5に示す複数のワークを左側面から見た側面図である。
【図7】図5に示す複数のワークの右側面から見た側面図である。
【図8】第1クランプ箇所及び特定点を示す図である。
【図9】特定点80に荷重をかけたときの変位量を示す図である。
【図10】それぞれの接合点Nの仕事エネルギーのグラフを示す図である。
【図11】図4のステップS24の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明に係る仮打ち打点決定方法、及び打点順決定方法を実現するための仮打ち打点・打点順決定装置について、それを実施するプログラムとの関係で好適な実施の形態を掲げ、添付の図面を参照しながら以下、詳細に説明する。
【0015】
図1は、実施の形態の仮打ち打点・打点順決定装置10の電気的な構成ブロック図である。仮打ち打点・打点順決定装置10は、CAE(Computer Aided Engineering)の機能を搭載したコンピュータであり、入力部12、制御部(CPU等の情報処理装置)14、メモリ(記録媒体)16、及び出力部18を備える。メモリ16には、本実施の形態の仮打ち打点・打点順決定装置10として機能させるためのプログラムが格納されている。入力部12は、外部からの信号を受ける。入力部12は、ワーク形状取得部20として機能する。ワーク形状取得部20は、自動車パネルなどの複数のワークの形状データを取得して、メモリ16に記録する。ワーク形状取得部20は、ワークの材質データ等をさらに取得してメモリ16に記録してもよい。
【0016】
制御部14は、第1接合部22、クランプ拘束部24、荷重付加部26、ワーク変位量算出部28、仕事エネルギー算出部30、合計仕事エネルギー算出部32、エネルギー割合算出部34、仮打ち打点決定部36、接合点解除部38、第2接合部40、荷重ベクトル算出部42、第1合計荷重ベクトル算出部44、第2合計荷重ベクトル算出部46、クランプ変位量算出部48、及び打点順決定部50として機能する。
【0017】
第1接合部22は、コンピュータ上で、複数のワークを複数の接合点N(N=1,2,・・・,N)で接合する。つまり、接合点Nをスポット溶接させた状態にする。この接合点Nは、実際にワークを産業ロボットで溶接する際に、溶接する接合点Nであり、この接合点Nの中から、仮打ち打点、増し打ち打点が決定される。
【0018】
クランプ拘束部24は、ワークのクランプ箇所が動かないようにコンピュータ上で拘束する。荷重付加部26は、コンピュータ上で、ワークに荷重をかける。荷重付加部26は、それぞれのワークに、ワークの自重分(重力分)の荷重をかけ、また、複数のワークのいずれか1つのワークの特定点に荷重をかける。この特定点は、予め定められた任意の部位である。
【0019】
ワーク変位量算出部28は、荷重付加部26により荷重をかけられたワークの変位量を算出する。ワーク変位量算出部28は、荷重付加部26によりワークに自重分の荷重が付加された場合は、該ワーク全体の変位量を算出する。また、ワーク変位量算出部28は、荷重付加部26によりワークの特定点に荷重が付加された場合は、該特定点の変位量を算出する。ワーク変位量算出部28は、ワークの形状、ワークの材質等によって変位量を算出することができる。
【0020】
仕事エネルギー算出部30は、荷重付加部26により特定点に荷重が付加されたときの、複数の接合点Nの仕事エネルギーenをそれぞれ算出する。具体的には、仕事エネルギー算出部30は、特定点に荷重が付加されたときの、それぞれの接合点Nでの変位と応力とを求め、該求めた変位と応力とを乗算することで、複数の接合点Nの仕事エネルギーenをそれぞれ算出する。
【0021】
合計仕事エネルギー算出部32は、算出された複数の接合点Nの仕事エネルギーenを合計して、合計仕事エネルギーΣenを算出する。エネルギー割合算出部34は、合計仕事エネルギーΣenに対する複数の接合点Nのそれぞれの仕事エネルギーenの割合Enを算出する。En=en/Σenで表される。例えば、接合点1の仕事エネルギーの割合E1は、E1=e1/Σenで表され、接合点2の仕事エネルギーの割合E2は、E2=e2/Σenで表される。
【0022】
仮打ち打点決定部36は、複数の接合点Nのうち、仮打ち打点とする接合点nを決定する。仮打ち打点決定部36は、割合Enが大きい順に接合点nを選択していき、選択した接合点nの割合Enの合計が基準割合を超えたときに、選択していた接合点nを仮打ち打点として決定する。また、仮打ち打点決定部36は、決定した仮打ち打点のみで複数のワークが接合された場合であって、前記特定点に荷重をかけたときの該特定点の変位量が所定値以内でない場合には、該特定点の該変位量が所定値以内になるまで、仮打ち打点として決定されていない接合点Nのうち、仕事エネルギーの割合が高い接合点N順に、仮打ち打点として追加決定する。なお、仮打ち打点として決定される接合点Nを接合点nで表す。
【0023】
接合点解除部38は、第1接合部22が接合した複数の接合点Nのうち、仮打ち打点として決定された接合点n以外の接合点Nの接合をコンピュータ上で解除する。つまり、複数のワークが仮打ち打点として決定された接合点nのみで接合されている状態にする。
【0024】
第2接合部40は、仮打ち打点に対して、接合させる2つのワークの両側から等荷重をかけて、仮打ち打点で2つのワークを接触させた後接合させる。第2接合部40は、仕事エネルギーが小さい仮打ち打点順に、仮打ち打点での接触及び接合を行う。なお、この場合は、複数のワークは、所定の隙間があいた状態で、クランプ箇所で拘束されているものとする。
【0025】
荷重ベクトル算出部42は、各仮打ち打点でワークを接触させたときに、ワークのクランプ箇所にそれぞれかかる荷重ベクトルを算出する。つまり、各仮打ち打点毎に、クランプ箇所にそれぞれかかる荷重ベクトルを算出する。第1合計荷重ベクトル算出部44は、荷重ベクトル算出部42が算出した荷重ベクトルから、仮打ち打点毎に、クランプ箇所全体にかかる第1合計荷重ベクトルを算出する。第2合計荷重ベクトル算出部46は、荷重ベクトル算出部42が算出した荷重ベクトルから、クランプ箇所のそれぞれにかかるクランプ別の第2合計荷重ベクトルを算出する。つまり、クランプ別毎に、複数の仮打ち打点でワークを接触させたときにクランプ箇所にかかる第2合計荷重ベクトルを算出する。
【0026】
クランプ変位量算出部48は、ワークのクランプ箇所の拘束を解除して、それぞれの該クランプ箇所に、対応する第2合計荷重ベクトルと量が同じで逆方向の荷重をそれぞれかけたときの、それぞれのクランプ箇所の変位量を算出する。
【0027】
打点順決定部50は、クランプ変位量算出部48が算出したクランプ箇所の変位量が閾値以下の場合は、仕事エネルギーが小さい仮打ち打点順に、仮打ち打点を打つように打点順を決定し、クランプ箇所の変位量が閾値以下でない場合は、第1合計荷重ベクトルが小さい仮打ち打点順に、仮打ち打点を打つように打点順を決定する。
【0028】
次に、打点・打点順決定装置10の動作を図2〜図4のフローチャートにしたがって説明する。まず、ワーク形状取得部20は、複数のワークの形状データを取得する(図2のステップS1)。取得された形状データは、メモリ16に記録される。図5は、取得される形状データの基となる第1ワーク52及び第2ワーク54の正面図であり、図6は、図5に示す第1ワーク52及び第2ワーク54を左側面から見た側面図であり、図7は、図5に示す第1ワーク52及び第2ワーク54の右側面から見た側面図である。つまり、ステップS1では、図5〜図7に示すような複数のワークの形状データを取得する。図5〜図7では、第1ワーク52と第2ワーク54との2つのワークを例示したが、ワーク形状取得部20は、3つ以上のワークの形状データを取得してもよい。なお、ワーク形状取得部20は、ワークの材質データ、接合点Nの位置情報等も取得してもよい。
【0029】
次いで、第1接合部22は、取得した複数のワークを接合点Nで接合する(ステップS2)。図5〜図7に示す例では、点61〜点76までの16点を接合点Nする。第1接合部22は、接合点61〜接合点76で、第1ワーク52と第2ワーク54とを接合する。この接合点Nの数及び位置は、取得するワークに応じて予め決められたものであってもよく、ユーザによって入力された点を接合点Nとしてもよい。また、ワーク形状取得部20が接合点Nの位置情報を取得した場合は、該取得した位置情報に応じて接合点Nを決めてもよい。
【0030】
次いで、クランプ拘束部24は、接合された複数のワークが動かないように、複数のワークのいずれか1つ又は2以上のワークの第1クランプ箇所を拘束する(ステップS3)。つまり、該第1クランプ箇所が動かないように固定する。図8は、第1クランプ箇所及び特定点を示す図である。図8に示すように、第1クランプ箇所78は、第2ワーク54に4箇所設けられており、該第1クランプ箇所78をクランプ拘束部24は拘束する。
【0031】
次いで、荷重付加部26は、複数のワークにそれぞれ自重分(重力分)の荷重をかけ(ステップS4)、ワーク変位量算出部28は、そのときの複数のワークの変位量をそれぞれ算出する(ステップS5)。
【0032】
次いで、制御部14は、ステップS5で算出したワークの変位量が基準値以内であるか否かを判断し(ステップS6)、基準値以内でないと判断された場合は、そのまま処理を終了する。全ての接合点Nで接合した状態で、自重によって変位量が基準値より大きくなってしまう場合は、該接合点Nの位置、数が不適切であるからである。
【0033】
一方、ステップS6で、基準値以内であると判断されると、荷重付加部26は、いずれか1つのワークの特定点80に任意の荷重をかける(ステップS7)。図8では、第1ワーク52に特定点80が設定されている。この特定点80は予め定められた任意の部位である。また、特定点80は、剛性の精度を要求したい部位であってもよい。
【0034】
次いで、ワーク変位量算出部28は、該特定点の変位量S1を算出する(ステップS8)。図9は、特定点80に荷重をかけたときの変位量を表している。
【0035】
次いで、仕事エネルギー算出部30は、特定点に荷重が付加されたときの、複数の接合点N(本実施の形態では、N=61,62,・・・,75,76)の仕事エネルギーenをそれぞれ算出する(ステップS9)。仕事エネルギー算出部30は、特定点に荷重が付加されたときの、それぞれの接合点Nの変位と応力とを求め、該求めた変位と応力とを乗算することで、それぞれの接合点Nの仕事エネルギーenを算出する。
【0036】
図10は、それぞれの接合点Nの仕事エネルギーのグラフを示す図であり、仕事エネルギーが大きい順に並べている。図10を見るとわかるように、接合点66の仕事エネルギーが最も多く、次に接合点75、接合点65、接合点69、という順番、接合点Nの仕事エネルギーが小さくなっている。
【0037】
次いで、合計仕事エネルギー算出部32は、算出されたそれぞれの接合点Nの仕事エネルギーenを合計して、合計仕事エネルギーΣenを算出する(ステップS10)。
【0038】
次いで、エネルギー割合算出部34は、合計仕事エネルギーに対するそれぞれの接合点Nの仕事エネルギーenの割合Enを、En=en/Σenの式によって算出する(ステップS11)。例えば、接合点61の割合E61は、E61=e61/Σenで表され、接合点76の割合E76は、E76=e76/Σenで表される。
【0039】
次いで、仮打ち打点決定部36は、ステップS12で選択していない複数の接合点Nのうち、最も割合Enが大きい(仕事エネルギーenが大きい)接合点nを選択し(ステップS12)、現在選択されている接合点nの割合Enの合計を算出する(ステップS13)。ここで、初めてステップS12の動作を行う場合は、選択した接合点nはないので、最も仕事エネルギーの割合Enが大きい接合点n(例えば、接合点66)を選択することになる。また、次回のステップS12では、接合点75を選択することになる。
【0040】
次いで、仮打ち打点決定部36は、算出した接合点nの割合Enの合計が基準割合を超えるか否かを判断する(ステップS14)。ステップS14で、基準割合を超えていないと判断すると、ステップS12に戻り上記した動作を繰り返す。つまり、選択した接合点nの仕事エネルギーの割合Enの合計が基準割合を超えるまで、ステップS12で仕事エネルギーの割合が大きい接合点n順に選択していくことになる。
【0041】
一方で、ステップS14で、選択した接合点nの仕事エネルギーの割合Enの合計が基準割合を超えたと判断されると、仮打ち打点決定部36は、選択していた接合点nを仮打ち打点として決定する(図3のステップS15)。例えば、接合点66、接合点75、接合点65、及び接合点69のそれぞれの仕事エネルギーの割合Enの合計で初めて基準割合を超える場合は、接合点66、接合点75、接合点65、及び接合点69を仮打ち打点として決定する。これにより、選択された仮打ち打点で所望する剛性を保つことができ、ワークの変位量を抑えることができる。割合En(仕事エネルギーen)が大きい接合点は、その分、ワーク接合の剛性への寄与率が大きいからであり、割合Enが高い順に、仮打ち打点として接合点nを選択することで、より少ない仮打ち打点で、所望の剛性を保つことができる。
【0042】
次いで、接合点解除部38は、現在仮打ち打点として選択している接合点n以外の接合点Nの接合をコンピュータ上で解除する(ステップS16)。例えば、接合点66、接合点75、接合点65、及び接合点69を仮打ち打点として決定した場合は、それ以外の接合点61、接合点62等の接合を解除する。つまり、仮打点として決定された接合点nのみで複数のワークを接合する。
【0043】
次いで、荷重付加部26は、前記特定点80に荷重をかける(ステップS17)。荷重付加部26は、ステップS7でかけた荷重と同等の荷重をかける。
【0044】
次いで、ワーク変位量算出部28は、該特定点の変位量S2を算出し(ステップS18)、制御部14は、ステップS18で算出した変位量S2が所定値以下であるか否かを判断する(ステップS19)。この所定値は、ステップS8で算出した変位量S1に対する基準値であってもよい。この場合、所定値は、ステップS8で算出した変位量S1に応じて変わる。また、所定値は、予め定められた一定の値(一定値)であってもよい。
【0045】
ステップS19で所定値以下でないと判断すると、仮打ち打点決定部36は、仮打ち打点として決定されていない接合点Nのうち(溶接が解除されている接合点Nのうち)、仕事エネルギーの割合Enが最も高い接合点nを仮打ち打点として追加決定する(ステップS20)。つまり、決定された仮打ち打点で接合した場合における特定点の変位量S2が、全ての接合点で接合した場合における特定点の変位量S1に対する基準値より小さい場合は、仮打ち打点を追加決定するので、決定された仮打ち打点で、より剛性を高く保つことができ、ワークの変位量をより抑えることができる。
【0046】
次いで、第1接合部22は、仮打ち打点として追加決定された接合点nで第1ワーク52及び第2ワーク54を接合して(ステップS21)、ステップS17に戻り、上記した動作を繰り返す。
【0047】
一方、ステップS19で所定値以下であると判断すると、ステップS22に進む。ステップS22以降の動作は、決定された仮打ち打点を打つ打点順を決定するための動作である。簡単に説明すると、仕事エネルギーenが小さい順に、仮打ち打点を打てば、通常、ワークの内部ひずみが小さくなりクランプ解放後のスプリングバックが小さいと考えることができるが、内部ひずみ及びスプリングバックが本当に小さくなるかを判断するための確認作業を行い、内部ひずみ及びスプリングバックが小さい場合は、仮打ち打点の打点順を仕事エネルギーenが小さい順に決定する。
【0048】
ステップS22に進むと、接合点解除部38は、全ての仮打ち打点での第1ワーク52及び第2ワーク54の接合を解除する(ステップS22)。
【0049】
次いで、クランプ拘束部24は、複数のワークを所定の隙間あけた状態で、複数のワークを第2クランプ箇所でそれぞれ拘束する(図4のステップS23)。本実施の形態では、第1ワーク52と第2ワーク54とを第2クランプ箇所でそれぞれ拘束する。この所定の隙間は、第1ワーク52と第2ワーク54との許容最大公差分の隙間であってもよい。このとき、クランプ拘束部24は、複数の仮打ち打点で第1ワーク52と第2ワーク54とを接合できるように、第1ワーク52と第2ワーク54とを拘束する。
【0050】
次いで、第2接合部40は、最も仕事エネルギーenが小さい仮打ち打点に対して、接合させる2つのワーク(第1ワーク52、第2ワーク54)の両側から等荷重をかけて(図11参照)、仮打ち打点で2つのワークを接触させた後接合させる(ステップS24)。つまり、仮打ち打点での2つのワークの変位量の合計が前記所定の隙間と等しくなるように、2つのワークの両側から荷重をかける。ここで、第2接合部40は、2つのワークが仮打ち打点で接触した場合は、それ以上の荷重をかけない。また、最も仕事エネルギーenが小さい仮打ち打点としては、例えば、仮打ち打点として選択された接合点nが、接合点66、接合点75、接合点65、接合点69、接合点76とした場合、最も仕事エネルギーenが小さい仮打ち打点は、接合点76となる(図10参照)。
【0051】
次いで、荷重ベクトル算出部42は、ステップS24の動作によって第2クランプ箇所にそれぞれかかる荷重ベクトルを算出し(ステップS25)、第1合計荷重ベクトル算出部44は、第2クランプ箇所にそれぞれかかる荷重ベクトルから、第2クランプ箇所全体にかかる第1合計荷重ベクトルを算出する(ステップS26)。
【0052】
次いで、第2接合部40は、接合していない仮打ち打点があるか否かを判断する(ステップS27)。ステップS27で接合していない仮打ち打点がある場合は、接合していない仮打ち打点のうち、次に仕事エネルギーenが小さい仮打ち打点に対して2つのワークの両側から等荷重をかけて、仮打ち打点で2つのワークを接触させた後接合させて(ステップS28)、ステップS25に戻り上記した動作を繰り返す。この場合も、2つのワークが仮打ち打点で接触した場合は、それ以上の荷重をかけない。このステップS24からステップS28の動作によって、仮打ち打点毎に、第2クランプ箇所にそれぞれかかる荷重ベクトル、及び第2クランプ箇所全体にかかる第1合計荷重ベクトルを算出する。つまり、このステップS24からステップS28の動作は、仕事エネルギーenが小さい順に、産業用ロボットで仮打ち打点を打つときにワークにかかる荷重、そのときに第2クランプ箇所にそれぞれかかる荷重ベクトル、第2クランプ箇所全体にかかる第1合計荷重ベクトルをシミュレーションして求めている。
【0053】
ステップS27で、接合していない仮打ち打点がないと判断されると、第2合計荷重ベクトル算出部46は、ステップS25で算出した仮打ち打点毎の第2クランプ箇所にそれぞれかかる荷重ベクトルから、クランプ別に荷重ベクトルを合計したクランプ別の第2合計荷重ベクトルを算出する(ステップS29)。つまり、仕事エネルギーenが小さい順に、産業用ロボットで仮打ち打点を打つときにそれぞれの第2クランプにかかる第2合計ベクトルをシミュレーションして求めている。
【0054】
次いで、クランプ変位量算出部48は、接合された複数のワークをワーク基準点で拘束し、第2クランプ箇所の拘束を解除する(ステップS30)。そしてクランプ変位量算出部48は、複数の第2クランプ箇所に、該複数の第2クランプ箇所にそれぞれ対応する第2合計荷重ベクトルと量が同じで逆方向の荷重をそれぞれかけ(ステップ31)、それぞれの第2クランプ箇所の変位量を算出する(ステップS32)。つまり、それぞれの第2クランプ箇所にそれぞれかかった第2合計荷重ベクトルと逆ベクトルの荷重を、それぞれの第2クランプ箇所にかけ、そのときの第2クランプ箇所の変位量を算出する。
【0055】
次いで、打点順決定部50は、ステップS32で算出した変位量が閾値以下であるか否かを判断し(ステップS33)、閾値以下である場合は、仕事エネルギーenが小さい順に、仮打ち打点を打つように打点順を決定する(ステップS34)。つまり、変位量が閾値以下の場合は、仕事エネルギーenが小さい順に仮打ち打点を打っても、複数のワークの内部ひずみが小さく、スプリングバックが小さいので、仕事エネルギーが小さい順に、仮打ち打点を打っても問題はないからである。一方、ステップS33で閾値以下でないと判断された場合は、第1合計荷重ベクトルが小さい順に、仮打ち打点を打つように打点順を決定する(ステップS35)。つまり、内部ひずみ及びスプリングバックが小さくなるように打点順を決定する。
【0056】
このように、複数の接合点Nで複数のワークを接合し、あるワークの任意の特定点に荷重をかけたときにおける複数の接合点Nの仕事エネルギーをそれぞれ算出して合計仕事エネルギーを求め、合計仕事エネルギーに対する接合点Nの仕事エネルギーの割合を算出する。そして、仕事エネルギーの割合が小さい接合点順に接合点nを選択していき、選択した接合点nの前記割合が基準割合を超えたときに、選択していた接合点nを仮打ち打点として決定するので、より少ない仮打ち打点で所望する剛性を保つことができ、ワークの変位量を抑えることができる。また、仮打ち打点の数を少なくすることができるので、ライン設計が容易になる。また、仮打ち打点の決定に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0057】
また、仮打ち打点を決定した後に、仮打ち打点だけで複数のワークを接合させ、前記特定点に荷重をかけたときの変位量S2が所定値以内でない場合は、変位量S2が所定値以内となるまで、仮打ち打点として決定されていない接合点Nのうち、仕事エネルギーの割合が高い接合点順に、仮打ち打点として追加決定するので、より少ない仮打ち打点で、より剛性を高く保つことができ、ワークの変位量をより抑えることができる。
【0058】
また、仕事エネルギーが小さい順に、仮打ち打点を打つように打点順を決定するので、仮打ちによるワークの内部ひずみを小さくすることができ、スプリングバックを小さくすることができる。
【0059】
また、仕事エネルギーが小さい仮打ち打点順に、ワークの両側から等荷重をかけて仮打ち打点で接触させた後接合させ、仮打ち打点毎に第2クランプ箇所全体にかかる第1合計荷重ベクトル、及び第2クランプ箇所にそれぞれかかるクランプ別の第2合計荷重ベクトルを算出してから第2クランプ箇所の拘束を解除し、第2クランプ箇所に、第2クランプ箇所にそれぞれ対応する第2合計荷重ベクトルとは逆ベクトルの荷重をかけて、第2クランプ箇所の変位量を算出し、該算出した第2クランプ箇所の変位量が閾値以下である場合は、仕事エネルギーが小さい順に打点順を決定し、算出した第2クランプ箇所の変位量が閾値以下でない場合は、第1合計荷重ベクトルが小さい順に、複数の仮打ち打点を打つように打点順を決定するので、内部ひずみ及びスプリングバックを抑えることができる。
【0060】
上記実施の形態は、以下のような変形も可能である。
【0061】
(1)仮打ち打点として決定した接合点n以外も仮打ち打点としてもよい。要は、仮打ち打点として用いられる接合点は、少なくとも仮打ち打点決定部36が仮打ち打点として決定した接合点nを含んでいればよい。
【0062】
(2)また、ステップS15で仮打ち打点を決定したら、そのままステップS22に進んでもよい。つまり、変位量S2を算出することなく、仕事エネルギーの割合が小さい接合点順に接合点nを選択していき、選択した接合点nの前記割合が基準割合を超えたときに、選択していた接合点nを仮打ち打点として決定して、ステップS22に進んでもよい。
【0063】
(3)また、ステップS15又はステップS20で仮打ち打点を決定すると、そのままステップS34に進んでもよい。ステップS22〜ステップS33の動作は、ステップS34で決定する打点順が適正か否かを判断するための確認作業であるので、かかる動作を経ることなく、仮打ち打点を決定すると、ステップS34で仕事エネルギーの小さい順に打点順を決定してもよい。
【0064】
(4)また、上記実施の形態では、複数の接合点Nの中から仮打ち打点を決定して、その後、打点順を決定する動作を行うようにしたが、予め決められた仮打ち打点の打点順を決定する場合にも用いることができる。この場合は、ステップS1、ステップS2の動作を経ると、ステップS7に進み、ステップS8、ステップS9の動作を経ると、ステップS22に進む。
【0065】
(5)また、上記変形例(3)及び(4)を組み合わせた態様にする場合は、ステップS1、ステップS2の動作を経ると、ステップS7に進み、ステップS8、ステップS9の動作を経ると、そのままステップS34に進んでもよい。
【0066】
(6)上記変形例(1)〜(5)を任意に組み合わせた態様であってもよい。
【0067】
以上、本発明について好適な実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0068】
10…打点・打点順決定装置 12…入力部
14…制御部 16…メモリ
18…出力部 20…ワーク形状取得部
22…第1接合部 24…クランプ拘束部
26…荷重付加部 28…ワーク変位量算出部
30…仕事エネルギー算出部 32…合計仕事エネルギー算出部
34…エネルギー割合算出 36…打点決定部
38…接合点解除部 40…第2接合部
42…荷重ベクトル算出部 44…第1合計荷重ベクトル算出部
46…第2合計荷重ベクトル算出部 48…クランプ変位量算出部
50…打点順決定部 52…第1ワーク
54…第2ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータが、複数のワークを仮打ちする仮打ち打点を予め決定する仮打ち打点決定方法であって、
ワーク形状データに用いて、前記コンピュータ上で前記複数のワークを複数の接合点で接合する接合工程と、
前記複数のワークのクランプ箇所を前記コンピュータ上で拘束する拘束工程と、
前記コンピュータ上で、接合された前記複数のワークの特定点に荷重をかけたときの前記複数の接合点の仕事エネルギーをそれぞれ算出する仕事エネルギー算出工程と、
前記複数の接合点のそれぞれの前記仕事エネルギーを合計して、合計仕事エネルギーを算出する合計仕事エネルギー算出工程と、
前記合計仕事エネルギーに対する前記複数の接合点のそれぞれの前記仕事エネルギーの割合を算出するエネルギー割合算出工程と、
前記割合が大きい順に前記接合点を選択していき、選択した前記接合点の前記割合の合計が基準割合を超えたときに、選択していた前記接合点を仮打ち打点として決定する仮打ち打点決定工程と、
を備えることを特徴とする仮打ち打点決定方法。
【請求項2】
請求項1に記載の仮打ち打点決定方法であって、
前記仕事エネルギー算出工程により算出された前記仕事エネルギーが小さい前記仮打ち打点順に、前記複数の仮打ち打点を打つように打点順を決定する打点順決定工程をさらに備えることを特徴とする仮打ち打点決定方法。
【請求項3】
コンピュータに、
複数のワークの形状データを取得するワーク形状取得工程と、
前記形状データに用いて、前記コンピュータ上で前記複数のワークを複数の接合点で接合する接合工程と、
前記複数のワークのクランプ箇所を前記コンピュータ上で拘束する拘束工程と、
前記コンピュータ上で、接合された前記複数のワークの特定点に荷重をかけたときの前記複数の接合点の仕事エネルギーをそれぞれ算出する仕事エネルギー算出工程と、
前記複数の接合点のそれぞれの前記仕事エネルギーを合計して、合計仕事エネルギーを算出する合計仕事エネルギー算出工程と、
前記合計仕事エネルギーに対する前記複数の接合点のそれぞれの前記仕事エネルギーの割合を算出するエネルギー割合算出工程と、
前記割合が大きい順に前記接合点を選択していき、選択した前記接合点の前記割合の合計が基準割合を超えたときに、選択していた前記接合点を仮打ち打点として決定する仮打ち打点決定工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項4】
コンピュータが、複数のワークを仮打ちする複数の仮打ち打点の打点順を決定する仮打ち打点の打点順決定方法であって、
ワーク形状データを用いて、前記コンピュータ上で前記複数のワークを複数の接合点で接合する接合工程と、
前記複数のワークのクランプ箇所を前記コンピュータ上で拘束する拘束工程と、
前記コンピュータ上で、接合された前記複数のワークの特定点に荷重をかけた場合における、前記複数の接合点のうち予め決定された複数の仮打ち打点の仕事エネルギーを算出する仕事エネルギー算出工程と、
前記仕事エネルギーが小さい順に、前記複数の仮打ち打点を打つように打点順を決定する打点順決定工程と、
を備えることを特徴とする仮打ち打点の打点順決定方法。
【請求項5】
コンピュータに、
複数のワークの形状データを取得するワーク形状取得工程と、
前記形状データを用いて、前記コンピュータ上で前記複数のワークを複数の接合点で接合する接合工程と、
前記複数のワークの複数のクランプ箇所を前記コンピュータ上で拘束する拘束工程と、
前記コンピュータ上で、接合された前記複数のワークの特定点に荷重をかけた場合における、前記複数の接合点のうち予め決定された複数の仮打ち打点の仕事エネルギーを算出する仕事エネルギー算出工程と、
前記仕事エネルギーが小さい順に、前記複数の仮打ち打点を打つように打点順を決定する打点順決定工程と、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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