会議システム、プログラム
【課題】参加者の注目度、理解度などを反映して、臨機応変な議事進行またはプレゼンテーションを可能とする会議システムを提供する。
【解決手段】
表示装置1、携帯端末4または携帯電話機5を備える。表示装置1は、表示部2、情報処理部3を備える。情報処理部3は、端末等4、5と通信回線を介して接続されている。情報処理部3は、例えばPCであり、プレゼンテーションのアプリケーションを実行し、そのコンテンツを表示する。これと同内容のコンテンツをその進行に合わせて端末等4、5に送信し、端末等4、5は、受信したコンテンツをこの進行に同期して表示する。端末等4、5は、コンテンツの項目の選択、およびその項目についての質問内容の入力を受け付ける。端末等4、5は、項目、質問内容を情報処理部3に送信する。情報処理部3は、項目を集計して、それに応じてコンテンツの対応する項目の表示の属性(下線、マーキング)を変える。
【解決手段】
表示装置1、携帯端末4または携帯電話機5を備える。表示装置1は、表示部2、情報処理部3を備える。情報処理部3は、端末等4、5と通信回線を介して接続されている。情報処理部3は、例えばPCであり、プレゼンテーションのアプリケーションを実行し、そのコンテンツを表示する。これと同内容のコンテンツをその進行に合わせて端末等4、5に送信し、端末等4、5は、受信したコンテンツをこの進行に同期して表示する。端末等4、5は、コンテンツの項目の選択、およびその項目についての質問内容の入力を受け付ける。端末等4、5は、項目、質問内容を情報処理部3に送信する。情報処理部3は、項目を集計して、それに応じてコンテンツの対応する項目の表示の属性(下線、マーキング)を変える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、情報処理端末を用いる会議システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子黒板または表示装置を有する発表会運営用のメイン端末と、発表会に参加した複数の参加者用のサブ端末を備えた表示装置が開示されている(特許文献1〜3等)。特許文献1には、発表者用と視聴者用の携帯端末を用いて、発表者が質問し視聴者が回答し集計する装置、又視聴者の質問をランダムに選択し通知するシステムが開示されている。また、特許文献4には、ネットワークと、該ネットワークに相互に接続されたホストサーバ、発表者用端末および投資家用端末とを接続し、発表者用端末に、質問登録手段に登録されている質問を質問一覧画面として表示する電話会議システムが開示されている。
【特許文献1】特開2002−358064公報
【特許文献2】特開2006−134094公報
【特許文献3】特開平06−178296号公報
【特許文献4】特開2002−123623公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の会議での質問形態では、質問件数や質問内容が把握しづらく、会議の出席者の意見を十分取り込めない可能性があった。例えば、挙手等による質疑応答では、挙手により指名された人の関心が高い箇所に対してのみ応答されるので、全体の関心がどの点にあるのか把握することが容易ではなかった。このような問題を解決するために、ともすれば、発表者に豊富な経験が必要であった。
【0004】
特許文献1の構成では質問一覧画面を表示し、特許文献4の構成では発表者に質問内容が伝わる構成としている。しかし、これらの構成では、表示している内容のうちどの部分に特に関心が高く、質問が求められているか、参加者の注目度、反応を発表者が把握することは容易ではなかった。したがって、参加者の注目度を反映した補足説明をすることや、注目度に応じた、臨機応変な質問の回答をすることが容易でなかった。
【0005】
また、参加者側としても、他の参加者の注目度を容易に把握できないので、これらの構成では、参加者側からの効率の良い議論を喚起することは容易ではなかった。結果として、参加者全体の理解度を効率よく高めることができない虞があった。
【0006】
そこで、本発明は、参加者の注目度、理解度などを反映して、臨機応変な議事進行またはプレゼンテーションを可能とする会議システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、以下の構成を備えることができる。
【0008】
(1) 表示装置と、情報処理端末と、を備えた会議システムにおいて、
前記表示装置は、
会議またはプレゼンテーションのコンテンツを表示する第1の表示部と、
前記情報処理端末との間でデータの送受信をする第1の通信手段と、
前記第1の表示部の表示状態を操作する第1の入力部と、を備え、
前記情報処理端末は、
会議またはプレゼンテーションのコンテンツを表示する第2の表示部と、
前記第2の表示部に表示された項目を選択する第2の入力部と、
前記表示装置との間でデータの送受信をする第2の通信手段を備え、
前記表示装置は、前記第1の通信部を用いて、前記第1の表示部に表示されているコンテンツを前記情報処理端末に送信して、
前記情報処理端末は、前記第1の表示部に表示されたコンテンツと同内容のコンテンツまたはその一部を前記第2の表示部に表示させると共に、前記第2の入力部を介して、前記コンテンツの項目の選択を受け付け、この選択がされた場合には、前記第2の通信部を介して、前記第2の入力部により選択された項目についての選択情報を送信し、
前記表示装置は、前記第1の表示部に表示されたコンテンツのうち、前記選択情報に対応する部分の表示状態を変更することを特徴とする。
【0009】
この構成では、前記情報処理端末は、前記表示装置に表示されたコンテンツと同内容のコンテンツまたはその一部を前記第2の表示部に表示させ、コンテンツの項目の選択を受け付け、表示装置は、選択された項目の表示状態を変化させる。したがって、会議の参加者の注目度を、発表者等(プレゼンテーションの発表者、コンテンツの進行の司会者、議事進行者等、以下、「発表者等」というときは同じ。)に伝達、フィードバックすることが出来る。発表者等は、第1の表示部以外を見なくても、参加者の反応を知ることができるから、その進行に集中しながら、参加者の反応に対応することが出来る。
【0010】
また、表示装置と端末は通信回線で接続されているから、遠隔地間で使用する場合にも、そのコンテンツを共有できる。
【0011】
(2) 前記情報処理端末の第2の通信部は、無線通信部を備えるようにしてもよい。
【0012】
このようにすれば、会議室に配線が必要でなくなり、自由な座席設定が可能になる。遠隔地間で使用する場合には、端末の位置が拘束されずに、そのコンテンツを共有できる。なお、この構成では、必ずしも無線通信部以外を備えなくてもよいし、また、無線通信部以外を備えていても良い。
【0013】
(3) 前記情報処理端末の第2の入力部は、タッチされた画面上の位置の座標を検出するタッチパネルを備え、
前記情報処理端末は、前記選択情報として、前記タッチパネルが検出した座標を前記表示装置に送信するようにしてもよい。
【0014】
タッチパネルによれば、迅速な会議進行において、小さな情報処理端末でも容易に入力でき、表示装置に反映できる。
【0015】
(4) 前記表示装置は、前記情報処理端末から送信された前記選択情報に基づいて、前記コンテンツの中の項目ごとに当該項目の選択がされた情報処理端末の数の集計を行う集計手段を備え、この集計の結果に応じて、前記コンテンツの中の表示状態を変化させる。
【0016】
情報処理端末の数は、その項目を選択した参加者の数になる。したがって、その項目についての注目度を表わす物であって、この構成では、この結果に基づいて、表示状態を変更するので、上記発表者等は、この注目度を知ることができ、臨機応変に補足説明したりするなどの対応が可能になる。
【0017】
(5) 前記情報処理端末の第2の入力部は、文字入力を受け付ける文字入力部を有し、
前記情報処理端末は、前記表示装置に表示されたコンテンツの項目の選択と併せて、前記第2の入力部を介して前記選択した項目に関する質問を受け付けて、前記表示装置に送信し、
前記表示装置の第1の表示部は、各項目の質問の有無に応じて前記表示状態を区別して表示する。
【0018】
この構成では、発表者等は、コンテンツを表示している第1の表示部に集中しつつも、質問がある項目を知ることが出来る。したがって、節目で臨機応変に質問に答えることが出来るし、説明不足であったと認識して補足説明することも可能である。また参加者としても、恥ずかしく手を挙げる必要もない。質問内容に関係する項目も示すことが出来るから、参加者、発表者等双方共に無駄のない進行が可能になる。
【0019】
(6) 前記表示装置は、前記集計手段を用いて、前記表示装置に表示しているコンテンツのうち、前記項目の選択と併せて質問を受け付けた情報処理端末の数と、質問を伴わないで項目が選択された情報処理端末の数と、を前記項目ごとに分けて集計を行い、この集計した結果に応じて、前記第1の表示部の各項目の表示状態を変更する。
【0020】
この構成では、質問の数と、質質問を伴わないで項目が選択された情報処理端末の数とを分けて集計するので、その結果を第1の表示部に反映でき、参加者の関心をより詳細に発表者等に伝達し、フィードバックできる。
【0021】
(7) 前記表示装置の第1の入力部は、これに表示されたコンテンツから質問された項目の選択を受け付け、この第1の入力部から当該項目の選択を受け付けると、当該項目に関する質問内容を表示するようにしてもよい。
【0022】
発表者等は、コンテンツの進行に合わせて、質問されている項目を把握できる。この状態では、質問内容が表示されず、コンテンツの進行を邪魔しない。さらに、第1の入力部で項目を選択すると、発表者等は、質問内容を把握できる。したがって、発表者等は、表示装置以外を見なくとも、表示装置だけを見ている状態で質問を把握でき、折を見てこれに答えることが出来る。
【0023】
(8) 前記表示装置は、前記第1の入力部を介して、前記質問についてのチェック入力を受け付けて、前記チェック入力がされると前記質問についての表示状態を変更する。
【0024】
チェック入力を受け付けて、第1の表示部にチェックを入れるので、質問に答えた部分をチェックすることができ、無駄なく、質問に答えることが出来る。
【0025】
(9) インターネットに接続されたサーバに格納され、ウェブサイトのコンテンツを構成するプログラムであって、コンピュータまたは携帯端末機器が当該ウェブサイトにアクセスしてダウンロードし、ウェブサイトを表示するソフトウェアにより実行するプログラムにおいて、
コンテンツを表示する表示ステップと、
特定人のみが知る所定の入力により、コンテンツを進行し、更新するステップと、
前記コンテンツについての各項目について選択を受け付ける項目選択ステップと、
項目が選択された場合に、選択された項目を前記サーバへ送信することを受け付ける選択項目送信ステップと、
前記項目が選択された場合に、質問内容を前記サーバへ送信することを受け付ける質問送信ステップと、
コンテンツの各項目について選択された数、質問の数を前記項目ごとに集計し、前記集計結果に応じて、コンテンツの表示状態を変更する表示状態変更ステップと、を実行する。
【0026】
このようにプログラムを構成すれば、会議システムをウェブサイトとして簡易にかつ大規模に構築できる。ウェブサイトを表示することができるコンピュータ、情報処理端末は広がりつつあるから、ウェブ上で講習会を行ったり、ウェブ上での株取引説明会を行ったりするような会議システムを提供できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の会議システムによれば、参加者の注目度を反映した議事進行またはプレゼンテーションをすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1に本発明の一実施形態の会議支援システムの概要を平面図で示す。会議支援システムは、表示装置1と、携帯端末4、携帯電話機5を備える。発表者102は、プレゼンテーションの発表者、コンテンツの進行の司会者、議事進行者等である。参加者103は、発表者102以外の会議の参加者である。表示装置1は、会議テーブル101の前に設けられ、会議の参加者103各々が視認できる程度の大きさの表示部2と、プレゼンテーションを行うための情報処理部3、マウス38、キーボード39を備える。携帯端末4、携帯電話機5は、少なくともいずれか一方が、参加者103に配布されている。
【0029】
表示部2は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、オプジェクタのスクリーンなどで構成する。
【0030】
情報処理部3は、例えばパーソナルコンピュータの構成とすることができる。情報処理部3は、プレゼンテーションを行うためのソフトウェアと、このソフトウェアを実行するCPU、携帯端末4、携帯電話機5と通信するためのLANカードなどを備える。表示部2は、このソフトウェアの実行結果を表示する。発表者102の操作するマウス38、キーボード39は、情報処理部3に指示を送り、プレゼンテーションのソフトウェアを操作する。これにより、発表者102は、プレゼンテーションのコンテンツ、資料を表示部2に表示させ、プレゼンテーションを進行させる。
【0031】
携帯端末4、携帯電話機5(以下「端末等4、5」と省略する。)は、それぞれ表示部と、操作キー、通信部を備え、電話回線からインターネット等を介して、操作キーから入力された情報を表示装置1の情報処理部3に送信する。
【0032】
情報処理部3は、通信回線を介して、端末等4、5にも表示部2に表示するコンテンツの内容と同内容のコンテンツを送信する。端末等4、5は、受信した内容のコンテンツまたはその一部を端末等4、5の表示部に表示させる。参加者103は、会議の質問内容を携帯端末4または携帯電話機5に入力する。これらの端末等4,5は、情報処理部3に質問内容を送る。情報処理部3は、各々の参加者103の質問状況を表示部2に反映させる。
【0033】
図2に表示装置1の正面(図1のA−A矢視図に相当)から見た会議システムと、表示部2の表示状態を示す。表示装置1は、表示部2と、情報処理部3、周辺機器6、これらを支持する台座9を備える。表示部2は、プレゼンテーション、または会議の内容を表示する。
【0034】
周辺機器6は、例えば、スキャナ装置61、プリンタ装置62を備える。発表者102、参加者103は、会議の進行に合わせて、これらを使用する。スキャナ装置61は、原稿の画像を読み取ってこれをデジタルデータにする装置である。プリンタ装置62は、表示情報を印字出力する装置である。例えば、参加者103から資料が提供された場合には、その資料を表示させるためスキャナ装置61を用いて資料を読み取り、表示部2に表示させる。また、例えば会議の内容や補助資料を配布するため、プリンタ装置62から表示部2に表示されている内容を印刷する。
【0035】
台座9は、基台91、脚部92、移動用車輪93、載置台94を備える。基台91は、床面と対向する位置に配置される土台であり、表示装置1全体を支持する。2つの脚部92は、基台91と表示部2とを連結して表示部2を支持する。移動用車輪93(キャスター)は、床と基台91との間に配置され、表示装置1を水平方向に移動可能にする。載置台94は、周辺機器6(61、62)を載置するためのトレイである。
【0036】
図3に本実施形態の会議システムの全体ブロック図を示す。会議システムは、表示装置1、端末等4,5、通信システム7を備える。
【0037】
前述したように表示装置1は、表示部2、情報処理部3を備える。表示部2は、さらにタッチパネル20を備える。タッチパネル20は、表示部2の前面に接して設けられ、タッチ部分の座標を検出する。情報処理部3は、タッチパネル20で受けたタッチ操作に基づいて、各種の処理を行う。例えば、タッチパネルに触った座標に表示している項目の表示状態を変える。また、その項目について質問がある場合には、その質問を表示したりする。
【0038】
情報処理部3は、CPU30、ROM31、RAM32、HD33(ハードディスク)、USB34、VGAカード35、LANカード36を備える。ROM31には、BIOS、制御情報などが記録されている。HD33は、各種のプログラムを記憶している。CPU30は、HD33からRAM32内にプログラムを呼び出して各種の処理を行う。USB34は、各種の装置(20、61、62)とデータを送受信する。VGAカード35は、ビデオメモリ、カラーパレット等を備え、表示部2の表示状態を制御する。LANカード36は、通信システム7とLANケーブルを介して接続され、外部との送受信を行う。この実施形態では、端末等4、5とデータの送受信を行う。
【0039】
通信システム7は、インターネット71、携帯基地局72を含む。携帯基地局72と端末等4、5は、それぞれ送受信部を備え、電波で送受信する。インターネット71は、外部との情報通信網であり、携帯基地局72とつながっている。表示装置1は、通信システム7を介して、端末等4、5と通信を行う。
【0040】
HD33が記憶するプログラムの例としては、オペレーティングシステム、プレゼンテーションを行うためのアプリケーション、スキャナ装置61、プリンタ装置62を制御するためのデバイスドライバー、VGAカード35、USB34を制御するためのデバイスドライバーなどが挙げられる。
【0041】
このプレゼンテーション用のアプリケーションとしては、例えば、3つのサブアプリケーションを含むようにすることができる。第1のサブアプリケーションは、プレゼンテーションのコンテンツを表示する。第1のアプリケーションは、タッチパネル20、マウス38、キーボード39の入力を受け付けて、VGAカード35のドライバーを呼び出して画面の状態を変化させる。これにより、このコンテンツを進行させたり、各種の表示状態を変更したりする。
第2のサブアプリケーションは、現在表示しているプレゼンテーションのコンテンツを、表示部2の表示状態と同期して、通信システム7を介して端末等4、5に送信する。このとき、LANカード36のデバイスドライバーを呼び出して、コンテンツのデータを送信する。
第3のサブアプリケーションは、端末等4、5から送信された項目、質問を解析して第1アプリケーションで表示するコンテンツの表示状態を変更させる。このとき、適宜、LANカード36、VGAカード35のデバイスドライバーを呼び出す。
【0042】
なお、コンテンツとしては、例えば、XML、HTMLなどのウェブコンテンツを用いることが可能である。さらに、XML、HTMLは、タグ形式の言語であるから、文字属性を決定することが出来るし、リンクや質問の送信フォームを埋め込んだりすることが可能である。また、外部アドインとしてプログラムを追加できるプレゼンテーション用アプリケーションを用いれば、以上で説明した第1〜第3のアプリケーションをこの外部アドインのプログラムとして構成できる。後述の端末等4、5も同様である。
【0043】
次に、端末等4、5の構成例について説明する。図4(A)の携帯端末4または図4(B)の携帯電話機5の構成を示す。図4に示すように携帯端末4は、端末表示部41、操作キー42、キーボード43、電子ペン44を備える。端末表示部41は、表示部2に表示するコンテンツと同様の内容を表示する。ただし、表示部41の画面の大きさには制限があるから、表示部2の表示とまったく同一とする必要はなく、表示部2の表示内容の一部か、表示部2の表示内容と実質同一であれば良い。
【0044】
操作キー42は、図示しない携帯端末4のCPUに指示を送る。なお、操作キー42各々は、キーの数の制限があるから、画面の表示状態に応じてキーの機能を変更するようにしてもよい。例えば、項目を選択するキー、選択した項目を送信するキー、質問を入力する画面へ移動するキーが表示状態に応じて割り当てられるようにしてもよい。また、端末表示部41の大きさには制限があるから、操作キー42によりスクロールや画面の切換を受け付けるようにしてもよい。キーボード43は、質問を受け付ける画面に移動したときに、質問の文字入力を受け付ける。
【0045】
参加者103が電子ペン44を端末表示部41にあてがうと、携帯端末4は、その接触した部分の座標を取得する。端末表示部41に表示された項目をなぞると、携帯端末4は、その位置を判断して端末表示部41の表示状態を変える。例えば、マーカーでなぞったようなマーキングを付す。
【0046】
また、携帯端末4は、図示しない送信受信部を備えている。表示装置1からコンテンツを受信する。また、参加者103が携帯端末の表示画像の関心のある箇所に電子ペン44でマーキング操作を行うと、端末等4、5は、マーキングした項目の情報(請求項記載の操作情報)を表示装置1に送信する。なお、ここでは、マーキングした座標を送信しても良い。
【0047】
さらに、マーキングした項目について質問を受け付けた場合には、質問の項目(またはマーキングした部分の座標)と併せて、質問内容の文字データを送信する。情報処理部3は、表示部2の中の、マーキングした部分に対応する項目の表示状態を変更させる。これにより、表示部2は、参加者103の関心のある部分を発表者102に知らせることができる。
【0048】
図4(B)に示すように、携帯電話機5は、電話機表示部51、番号ボタン52、操作キー53を備える。また図示しない送受信部を備える。51〜53は、それぞれ、41〜43に対応している。電話機表示部51は、表示部2に表示するコンテンツと同様の内容を表示する。操作キー52は、各種の操作を受け付ける。例えば、コンテンツの項目の選択を受け付けたり、質問を送信する決定を受け付けたりする。コンテンツの項目の選択を受け付けると、番号ボタン53から質問内容の入力を受け付ける。各番号ボタン53には複数の文字が当てられており、連打することにより、文字が変化する。上記決定ボタンが押されると、質問内容を表示装置1に送信する。
【0049】
図5、図6を用いて、表示部2の表示内容について説明する。前述のとおり、表示部2は、プレゼンテーションのコンテンツを表示し、端末等4、5にも、表示部2の内容が表示される。表示装置1は、端末等4、5から、質問の項目および質問内容を受信する。
【0050】
情報処理部3は、これらを受信して、質問状態が反映されるよう表示部2の表示状態を変更する。例えば、図2に示すように、アンダーライン表示をしたり(3行目)、二重のアンダーライン表示をしたり(5行目)、背景に色を付けたりする(即ちマーキングしたりする)(8行目)。この表示状態については、質問件数によって変更する。端末等4、5で入力された質問の数に応じて、その数が増えるほど徐々により強調するように表示状態を変える。例えば、質問件数が少ない場合はアンダーラインで表示し、さらに件数が増えると二重のアンダーライン表示となり、さらに件数が増えると背景に色を付ける様な表示方法で表示する。
【0051】
また、上述のとおり、参加者103は、質問をせずとも、注目している部分をマーキングすることができる。この場合も、マーキングした項目が情報処理部3に送信され表示部2に表示される。この項目の表示も、同様に、マーキングされた端末等4、5の台数に応じて強調する。同じ項目にマーキングしている参加者103が多い場合には、アンダーラインをより太く、マーキング表示をより濃く表示する。このような表示状態の変化をする場合には、マーキングと質問に応じて区別できるよう、別個に表示状態を変化させるようにしてもよい。例えば、マーキング数に対してはアンダーラインを変更し、質問の数に応じて背景色を変えるようにしてもよい。そのほかに、文字の太さや色を変更しても良いし、周期的に文字の装飾を変化させてもよい。
【0052】
また、項目の選択、質問がされた項目の数を合算した集計結果に基づいて表示状態を変化させ、質問の有無だけを反映するようにしても良い。例えば、この合算した集計結果に基づいて、アンダーラインを太くし、1つ以上の質問がある場合には、マーキングして、質問がない場合には、マーキングしないという表示状態の変化を行ってもよい。
【0053】
このように表示状態を変えることにより、発表者102は、表示部2以外を参照することなく、会議出席者の質問の多い項目をリアルタイムで把握できる。この表示方法では、項目の表示属性を変えるものであって、唐突に質問画面に移動するものでないから、議事進行を邪魔することもない。したがって、発表者102は、的確なタイミングで、例えばプレゼンテーションの節目で、質問に回答する事ができる。また、参加者103が質問入力するのに不慣れな場合でも、マーキングするだけで発表者102に伝わるので、補足説明を発表者102に促すことが出来る。
【0054】
図6に、発表者102が項目をクリックした場合に、表示される質問内容の例を示す。8行目の文字列の背景には、質問件数の多いので、文字をマーキングして表示する。この部分をクリックしたときに、質問内容が表示されている状態を示している。情報処理部3は、質問、および質問の受け付け順番を記憶しており、質問した順番に表示部2に表示させる。また、この質問の件数を集計して、件数も表示部2に表示させる。これにより、発表者102は、質問内容を見て、重要な内容から回答することもできる。また、同じ項目の質問の件数の多いものから回答する等の判断ができ、的確に参加者103の要求に答えることが出来る。回答の終わった質問に対しては、発表者102は、削除又は回答済みのチェックマークを入れて、回答の履歴を残すことができる。
【0055】
なお、上記アプリケーションの初期設定において、表示部2が参加者103の質問を表示する際には、社外等でのプレゼンでは表示しない、または社内会議であれば質問内容を表示する、といった選択を予め受け付けるようにしてもよい。
【0056】
図7に本実施形態の表示装置1についてのフローチャートを示す。このフローは、プレゼンテーションのアプリケーションを実行したときの処理手順を表わしている。
【0057】
F1:プレゼンテーションのコンテンツを表示部2に表示する。このとき、上記第1のサプアプリケーションを実行する。
F2:表示装置1の情報処理部3は、端末等4、5にプレゼンテーションの画面を送信する。また、現在表示部2に表示しているプレゼンテーションの頁または項目を送信する。このとき、上記第2のサブアプリケーションを実行する。
F3:情報処理部3は、端末等4、5からマーキング箇所の情報、または、質問内容のデータおよび質問に対応するプレゼンテーションの項目を受信する。このとき上記第3のサブアプリケーションを実行する。
【0058】
以下のF4、F5、F8、F11では、マーキング、質問内容の受信を待機し、これらを受信した場合には各々に対応する処理を行う。
F4、F8:端末等4、5から質問内容のデータを受信したかどうか判断する。このデータを受信した場合(F4のYES)、F8に移動する。F8では、質問に対応する項目の表示内容を変更する。このとき、上記第1のサブアプリケーションを実行する。F8の後、F3に戻る。他方、質問内容のデータを受信していない場合(F4のNO)、F5に移動する。
【0059】
F5、F11:携帯端末4の表示部41の画面にマーキング操作がされたことを携帯端末4から受信した場合、F11に移動する。F11では、表示部2に表示しているコンテンツのうち、マーキングに対応する表示箇所の表示状態を変更する。情報処理部3は、コンテンツの項目ごとにマーキング操作のされた携帯端末4の台数を集計する。情報処理部3は、このマーキングに対応する表示部2の表示箇所をより強調させるように変更させる。この表示状態の強調度合いを台数に応じて変える。例えば、前述のように、質問の場合と同様、下線→2重下線→背景色の変更というように変化してもよい。また、質問の数に応じて強調する表示部2の表示状態と区別するために、別の色を使っても良い。F11の後、F3に戻る。
F6:表示装置1に対して、プレゼンテーションの終了操作がされると(F6のYES)、終了する。
【0060】
F7:プレゼン画面を変更する操作がされた場合、例えば、次の頁への移動が選択された場合は(F7のYES)、F1に戻り、画面を更新する。変更する操作がされず、そのままの場合は(F7のNO)、F4へ戻り、F4〜F7の判断に応じて、各処理を続行する。
【0061】
図8に本実施形態の携帯端末4のフローチャートを示す。
【0062】
S1、S11:携帯端末4は、情報処理部3からプレゼンテーションのコンテンツを受信したかどうか判断する。受信した場合には(S1のYES)、S11に移動する。S11で、表示部2に表示しているコンテンツと同内容(同一頁)のコンテンツを表示する。受信していない場合には(S1のNO)、S2に移動する。
【0063】
S2、S21、S22:携帯端末4は、電子ペン44からマーキング入力がされたかどうか判断する。マーキング入力された場合には(S2のYES)、S21に移動する。S21で、携帯端末4内部の記憶部(フラッシュメモリ等)は、マーキング箇所を記憶する。S22で、携帯端末4内部の上記送受信部は、マーキング箇所を情報処理部3に送信する。マーキング入力がされていない場合には(S2のNO)、S3に移動する。
【0064】
S3、S31、S32:携帯端末4は、質問入力がされたかどうか判断する。マーキング入力された場合には(S3のYES)、S31に移動する。S31で、携帯端末4内部の図示しない記憶部は、質問内容およびコンテンツの中の質問箇所を記憶する。S32で、携帯端末4内部の上記送受信部は、これら質問内容およびコンテンツを情報処理部3に送信する。質問入力がされていない場合には(S3のNO)、S1に戻って、以上の処理を繰り返す。
【0065】
なお、以上の処理では省略しているが、携帯端末4がプレゼンテーションのコンテンツを表示しているときに参加者103がS3の質問の入力をするには、参加者103が項目を選択し、決定キーまたは質問キーを押すなどの操作をすることにより行う。この操作がされると、質問入力の画面を端末表示部41に表示し、その上で質問の入力を受け付ける。そのとき質問の入力を受け付けた場合には、S21以下の処理を行う。
【0066】
また、以上の図8では携帯端末4を例にとって説明したが、携帯電話機5についても、マーキング入力を操作キー52による項目選択とし、文字入力を番号ボタン52による入力としてそのまま適用できる。
【0067】
図9に本実施形態の会議システムで取り扱うデータのデータ構造を示す。これらのデータは、情報処理部3のHD33、携帯端末4内のフラッシュメモリ45に記憶されている。HD33は、項目データ331、マーキング箇所集計データ332、質問内容集計データ333を記憶している。フラッシュメモリ45は、項目データ451、マーキング箇所データ452、質問内容データ453を記憶している。
【0068】
項目データ331、項目データ451は、プレゼンテーションのコンテンツの各項目である。この項目のそれぞれは、参加者103がマーキングしたり、質問したりする対象となる単位である。情報処理部3は、発表者102が頁をめくるたびに、発表者102に表示されている項目を携帯端末4に送信する。そして、端末等4、5は、端末等4、5に表示されているコンテンツにおいて、項目データ451それぞれを単位として、選択、マーキング、質問を受け付ける。
【0069】
マーキング箇所集計データ332は、情報処理部3のCPU30がマーキング箇所データ452を集計したものである。マーキング箇所データ452は、参加者103が各端末でマーキングしたかどうか否かを2進数で表わすビットデータである。情報処理部3のCPU30は、上記第3のアプリケーションを実行して、マーキング箇所データ452を各々の項目データ451について端末数、即ち参加者103の数を合計する。これにより、参加者103の注目度を表示部2に示すことができる。
【0070】
質問内容集計データ333は、情報処理部3が上記第3のアプリケーションを実行して、質問内容データ453を項目データ451ごとに集計したものである。質問内容データ453は、参加者103が質問の内容を記憶するときに(図8のS31)、質問内容と共に、質問内容に対応する項目データ451を項目データ451各々についてビット列で記憶するデータである。そして、質問内容集計データ333には、各々項目データ451に対する質問の数、および質問内容のデータ集合を含む。
【0071】
このようなデータ構造にすれば、図5、図6で上述した表示状態の変更を、項目データ331ごとに、マーキング箇所集計データ332、質問内容集計データ333に基づいて行うことができる。そして、この表示状態を、文字の属性、例えば文字の太さ、アンダーライン、マーキング表示の属性として捉えることが出来る。情報処理部3は、項目データ331ごとの属性をデータ332、333に基づいて対応させ、その属性をHD33に併せて記憶する。
【0072】
図10、図11に、図9で示したデータ構造の具体例を示す。1〜12はコンテンツの各項目の識別番号を示している。情報処理部3のHD33は、データ331、332、333を、共通の識別番号ごとに整理して記憶する。図10のように、項目データ331に通し番号を振って、データ332、333に、この通し番号と、331〜333を区別するビットと、その通し番号に対する値をセットにして記憶することができる(なお、図中では説明のため、T(term)、M(marking)、Q(question)を付している)。具体的には、項目データ331の識別データとして、T1〜T12、マーキング箇所集計データ332の集計データとして、M1〜M12、質問内容の集計データとして、Q1〜Q12を付す。携帯端末4の記憶部も同様である。
【0073】
携帯端末4側でコンテンツの第2番目の項目にマーキングがされると、記憶部は、マーキング箇所データのM2に数値「1」(ビット列のH)を記憶し、これを項目データ451と関連付けて情報処理部3に送信する。また携帯端末4側で表示画像の8行目に質問入力がされると、質問内容データのL8に質問内容のテキストデータが記憶される。その後、表示装置1の情報処理部3にこれらのデータを送信する。情報処理部3は、これらを集計する。この例では、表示画像の第2項目に4台の携帯端末からマーキングがされ、表示画像の第8項目に7つの質問の内容が送信された場合を示している。この場合、マーキング箇所集計データのM8に数値「4」が記憶される。質問内容の集計データQ8のデータ領域には、数値「7」が記憶されると共に、質問内容データがこれと関連付けて集積される。
【0074】
図11に、図10で示した質問内容集計データ333の詳細を示す。プレゼンテーションのアプリケーションは、質問内容集計データ333のQ1〜Q12のうち、質問内容が1以上あるデータについては、質問内容のデータ数分のチェックボックス枠334(具体的にはデータ領域および枠画像)を用意する。図11の例では、データ334の数が7であるから、7つの枠を用意している。ここで、チェックボックス枠334は、質問内容335、チェック336を対照させた表である。
【0075】
発表者102が質問に回答すると、回答したことを記録するために、タッチパネル20またはマウス38、キーボード39から、チェック336の入力を受け付ける。
【0076】
なお、発表者102が回答し、チェック336を入れた場合には、質問内容集計データ333のQ8の数「7」を減少させても良い。そして、質問内容データ数に基づく表示状態の変化は(質問内容データ数−チェック数)に基づき決定されるようにすることができる。例えば、7つの質問のうち、3個の質問に対して回答し、3個チェックを入力すると、質問数7−チェック数3=4となる。この数4に基づいて、表示制御部は表示状態を変化させる。即ち情報処理部3は、未回答の質問が多いほど強調されて表示していたが、回答済みが多くなるほど強調度合いを弱くして、全て回答したら標準状態の表示状態にするようにしてもよい。
【0077】
なお、以上では、質問の数の例として7つ、マーキングの数の例として4を挙げたが、これらは、プレゼンテーションの成り行きにより変わってくるものであり、それよりも多い場合もあれば少ない場合もある。
【0078】
以上では、プレゼンテーション、会議を例にとって説明した。しかし、プレゼンテーションの各項目の名称は、会議では「議題」になり、発表者102は、司会者、議事進行者になり、プレゼンテーションのアプリケーションは、議題を表示するアプリケーションになる。本実施形態は、これらの会合、催し、プロジェクト、検討対象の内容はどうあれ、その複数人が同時に同一のコンテンツを閲覧するシステムに適用できる。また、本発明の「会議システム」の概念としては、必ずしも同じ場所に「会合」してなくてもよく、同時に同一のコンテンツを閲覧するものであれば、遠隔会議でも「会議システム」の概念に含まれる。
【0079】
そして、発表者102は、これらのコンテンツを閲覧する者のいずれかであればよく、発表者102に限らず、例えば、その閲覧するコンテンツの内容を説明したり、議事進行を務めたり、参加者103から出された質問をまとめる役の者であっても本実施形態を適用できる。例えば、発表者102のみならず、ホスト、司会者、プレゼンターであってもよい。これらまとめて、以下では発表者102ということにする。このように、同一のコンテンツを複数人が共有し、発表者102にそのコンテンツの一部の内容について端末等4、5を用いて、マーキングしたり、質問したりする内容を表示装置1に送信する形態に適用できる。
【0080】
また、本発明の「項目」は、表示部2に表示するコンテンツの一部であればよく、上記「議題」や、アイコン、画像をも包含する概念である。
また、この実施形態のシステムによれば、参加者103には、各々端末等4、5が配布され、これら4,5は、表示装置1と通信するから、コンテンツの内容を閲覧することができる。よって、必ずしも参加者103から、表示部2が見えることを要しないし、会議テーブル101に集まることも要しない。また、表示装置1が参加者103と遠隔であっても、発表者102が使用する表示部2に表示できれば、表示装置1を操作する発表者102に知らせることが出来る。したがって、表示装置1の表示部2の画面の大きさは、参加者103が視認できることが望ましいが、それよりも小さくても良い。表示装置1自体も携帯端末でも良い。
【0081】
また、会議テーブル101の前に参加者103が会し、その前に、単なるディスプレイを表示し、発表者102の前に設けた表示装置1から通信して、そのコンテンツを表示するようにしてもよい。このように本システムは、電話会議にも用いることができる。
【0082】
また、端末等4、5には、マーキングした内容を表示するようにしても良い。このためには、情報処理部3の第3のサブアプリケーションは、項目データ331、マーキング箇所集計データ332、質問内容集計データ333を送信し、端末等4、5は、これを共有する。
【0083】
また、携帯端末4、携帯電話機5は、いずれも備える必要はなく、いずれか一方でも良い。携帯電話機5を用いる場合には、携帯端末4での電子ペン44のマーキングの処理は、操作キー52から項目を選択することで同等の作用を発揮することが出来る。表示部2で表示しているコンテンツをすべて表示する必要はないし、表示部2で表示しているコンテンツの一部を表示するものでも良い。端末等4、5としては、マーキングした部分を表示部2に表示するためには、コンテンツを表示でき、項目を選択し、情報処理部3に送信できればよい。さらに、質問を受け付けるためには、文字入力を何らかの方法で情報処理部3に送信する必要がある。
【0084】
また、図2で示す台座9の例は1例であり、台座9の構成としては、表示部2、情報処理部3、周辺機器6をひとまとまりとして、床の上に支持できれば良い。ひとまとまりとするのは、これを使用する発表者102等の操作の便宜のためであり、必ずしもひとまとまりとしなくても、ばらばらに設置していてもよい。また、周辺機器6は、発表者102の発表を多面的に展開するには役立つが、コンテンツを表示部2に表示する上では必須ではない。
【0085】
また、以上では、端末等4、5とインターネット71、携帯基地局72で接続するとしたが、有線でもよく、無線LANで接続していても良く、通信できれば良い。
【0086】
以上の説明では、表示部2、端末等4、5の表示状態を同期させるために、コンテンツと、頁を送信するとした。そのためには、予めコンテンツ全体またはその一部を送信しておく必要がある。別の表示方法としては、予めコンテンツ全体を送信しなくても、画面の切換えごとに、現在表示部2に表示している頁のみを送信しても良い。また、テキストでなく、画像として合成されたものを携帯端末4に送信しても良い。
【0087】
また、携帯電話機5にアプリケーションをダウンロードするようにすれば、以上の実施形態について特別の装置がなくとも、アプリケーションのインストールのみで、参加者103の規模を拡大することが出来る。さらに、以上の実施形態を、PCと携帯電話機5と所定のウェブサイト上に構築したウェブアプリケーションで構成することも出来る。この場合には、ウェブサイトを表示するソフトが各装置(PC、携帯端末4、携帯電話機5)にインストールされていれば、新たなソフトウェアをインストールする必要がない。例えば、発表者は、コンテンツの画面を更新したり、別の頁に移動したりする場合には、発表者は、発表者しか分からない特定の操作で予めログインし、ウェブサイトを進行、更新させる。当該進行、更新した場合、その情報をサーバに記憶する。そして、参加者103は、ウェブアプリケーションを介してコンテンツをダウンロードする。そして、このウェブアプリケーションの更新を通して、自動的に頁を更新する。操作キー42、操作キー52を通じてコンテンツの項目を選択することによりマーキングを行う。また、キーボード43、番号ボタン53を通じて質問内容の入力を行う。これらのマーキング、質問は、そのウェブサイトに送信される。マーキング、質問がされると、以上の実施形態と同様に、表示状態を変化させる。発表者が質問を表示させると、各参加者のコンテンツは、質問画面に切り換わる。質問には、図11のようなチェック画面が表示される。
【0088】
また、以上の実施形態は、広い会場において多人数が集会をする場合の補助としても利用できる。例えば、携帯電話に集会の内容を表示させ、これに関する質問、マーキングを集会内の遠方の司会者に伝達して、多人数の会場をまとめることが出来る。
【0089】
また、以上の実施形態では、質問の回答に当たっては、端末機器、PC、インターネットを介して、発表者等の音声をストリーミングで放送しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施形態の会議支援システム(平面図)の概要図である。
【図2】本発明の実施形態の表示装置の本発明の実施形態の会議システムの正面図であって、本発明の実施形態の表示装置の構成例を示す。
【図3】本発明の実施形態の会議システムに用いる装置の全体ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態の携帯端末又携帯電話の構成例、および画面表示内容の例である。
【図5】本発明の実施形態の表示装置の表示状態の例である。
【図6】本発明の実施形態の表示装置の表示状態の例である。
【図7】本発明の実施形態のフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態の携帯端末(情報処理装置)のフローチャートを示す。
【図9】本発明の実施形態の会議システムで取り扱うデータのデータ構造を示す。
【図10】本発明の実施形態の会議システムで取り扱うデータのデータ構造を示す。
【図11】本発明の実施形態の会議システムで取り扱うデータのデータ構造を示す。
【符号の説明】
【0091】
1−表示装置、 2−表示部、 20−タッチパネル、 21−質問内容、
3−情報処理部、 30−CPU、 31−ROM、 32−RAM、
33−HD、 331−項目データ、 332−マーキング箇所集計データ、
333−質問内容集計データ、 334−チェックボックス、
335−質問内容、 336−チェック、
337−チェックマーク、 34−USB、 35−VGAカード、
36−LANカード、 38−マウス、 39−キーボード、
4−携帯端末、 41−端末表示部、 42−操作キー、
43−キーボード、 44−電子ペン、 45−フラッシュメモリ、
451−項目データ、 452−マーキング箇所データ、
453−質問内容データ、
5−携帯電話機、 51−電話機表示部、 52−番号ボタン、 53−操作キー、
6−周辺機器、 61−スキャナ装置、 62−プリンタ装置、
71−インターネット、 72−携帯基地局、
9−台座、 91−基台、 92−脚部、 93−移動用車輪、 94−載置台、
101−会議テーブル、 102−発表者、 103−参加者、
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置、情報処理端末を用いる会議システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子黒板または表示装置を有する発表会運営用のメイン端末と、発表会に参加した複数の参加者用のサブ端末を備えた表示装置が開示されている(特許文献1〜3等)。特許文献1には、発表者用と視聴者用の携帯端末を用いて、発表者が質問し視聴者が回答し集計する装置、又視聴者の質問をランダムに選択し通知するシステムが開示されている。また、特許文献4には、ネットワークと、該ネットワークに相互に接続されたホストサーバ、発表者用端末および投資家用端末とを接続し、発表者用端末に、質問登録手段に登録されている質問を質問一覧画面として表示する電話会議システムが開示されている。
【特許文献1】特開2002−358064公報
【特許文献2】特開2006−134094公報
【特許文献3】特開平06−178296号公報
【特許文献4】特開2002−123623公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の会議での質問形態では、質問件数や質問内容が把握しづらく、会議の出席者の意見を十分取り込めない可能性があった。例えば、挙手等による質疑応答では、挙手により指名された人の関心が高い箇所に対してのみ応答されるので、全体の関心がどの点にあるのか把握することが容易ではなかった。このような問題を解決するために、ともすれば、発表者に豊富な経験が必要であった。
【0004】
特許文献1の構成では質問一覧画面を表示し、特許文献4の構成では発表者に質問内容が伝わる構成としている。しかし、これらの構成では、表示している内容のうちどの部分に特に関心が高く、質問が求められているか、参加者の注目度、反応を発表者が把握することは容易ではなかった。したがって、参加者の注目度を反映した補足説明をすることや、注目度に応じた、臨機応変な質問の回答をすることが容易でなかった。
【0005】
また、参加者側としても、他の参加者の注目度を容易に把握できないので、これらの構成では、参加者側からの効率の良い議論を喚起することは容易ではなかった。結果として、参加者全体の理解度を効率よく高めることができない虞があった。
【0006】
そこで、本発明は、参加者の注目度、理解度などを反映して、臨機応変な議事進行またはプレゼンテーションを可能とする会議システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、以下の構成を備えることができる。
【0008】
(1) 表示装置と、情報処理端末と、を備えた会議システムにおいて、
前記表示装置は、
会議またはプレゼンテーションのコンテンツを表示する第1の表示部と、
前記情報処理端末との間でデータの送受信をする第1の通信手段と、
前記第1の表示部の表示状態を操作する第1の入力部と、を備え、
前記情報処理端末は、
会議またはプレゼンテーションのコンテンツを表示する第2の表示部と、
前記第2の表示部に表示された項目を選択する第2の入力部と、
前記表示装置との間でデータの送受信をする第2の通信手段を備え、
前記表示装置は、前記第1の通信部を用いて、前記第1の表示部に表示されているコンテンツを前記情報処理端末に送信して、
前記情報処理端末は、前記第1の表示部に表示されたコンテンツと同内容のコンテンツまたはその一部を前記第2の表示部に表示させると共に、前記第2の入力部を介して、前記コンテンツの項目の選択を受け付け、この選択がされた場合には、前記第2の通信部を介して、前記第2の入力部により選択された項目についての選択情報を送信し、
前記表示装置は、前記第1の表示部に表示されたコンテンツのうち、前記選択情報に対応する部分の表示状態を変更することを特徴とする。
【0009】
この構成では、前記情報処理端末は、前記表示装置に表示されたコンテンツと同内容のコンテンツまたはその一部を前記第2の表示部に表示させ、コンテンツの項目の選択を受け付け、表示装置は、選択された項目の表示状態を変化させる。したがって、会議の参加者の注目度を、発表者等(プレゼンテーションの発表者、コンテンツの進行の司会者、議事進行者等、以下、「発表者等」というときは同じ。)に伝達、フィードバックすることが出来る。発表者等は、第1の表示部以外を見なくても、参加者の反応を知ることができるから、その進行に集中しながら、参加者の反応に対応することが出来る。
【0010】
また、表示装置と端末は通信回線で接続されているから、遠隔地間で使用する場合にも、そのコンテンツを共有できる。
【0011】
(2) 前記情報処理端末の第2の通信部は、無線通信部を備えるようにしてもよい。
【0012】
このようにすれば、会議室に配線が必要でなくなり、自由な座席設定が可能になる。遠隔地間で使用する場合には、端末の位置が拘束されずに、そのコンテンツを共有できる。なお、この構成では、必ずしも無線通信部以外を備えなくてもよいし、また、無線通信部以外を備えていても良い。
【0013】
(3) 前記情報処理端末の第2の入力部は、タッチされた画面上の位置の座標を検出するタッチパネルを備え、
前記情報処理端末は、前記選択情報として、前記タッチパネルが検出した座標を前記表示装置に送信するようにしてもよい。
【0014】
タッチパネルによれば、迅速な会議進行において、小さな情報処理端末でも容易に入力でき、表示装置に反映できる。
【0015】
(4) 前記表示装置は、前記情報処理端末から送信された前記選択情報に基づいて、前記コンテンツの中の項目ごとに当該項目の選択がされた情報処理端末の数の集計を行う集計手段を備え、この集計の結果に応じて、前記コンテンツの中の表示状態を変化させる。
【0016】
情報処理端末の数は、その項目を選択した参加者の数になる。したがって、その項目についての注目度を表わす物であって、この構成では、この結果に基づいて、表示状態を変更するので、上記発表者等は、この注目度を知ることができ、臨機応変に補足説明したりするなどの対応が可能になる。
【0017】
(5) 前記情報処理端末の第2の入力部は、文字入力を受け付ける文字入力部を有し、
前記情報処理端末は、前記表示装置に表示されたコンテンツの項目の選択と併せて、前記第2の入力部を介して前記選択した項目に関する質問を受け付けて、前記表示装置に送信し、
前記表示装置の第1の表示部は、各項目の質問の有無に応じて前記表示状態を区別して表示する。
【0018】
この構成では、発表者等は、コンテンツを表示している第1の表示部に集中しつつも、質問がある項目を知ることが出来る。したがって、節目で臨機応変に質問に答えることが出来るし、説明不足であったと認識して補足説明することも可能である。また参加者としても、恥ずかしく手を挙げる必要もない。質問内容に関係する項目も示すことが出来るから、参加者、発表者等双方共に無駄のない進行が可能になる。
【0019】
(6) 前記表示装置は、前記集計手段を用いて、前記表示装置に表示しているコンテンツのうち、前記項目の選択と併せて質問を受け付けた情報処理端末の数と、質問を伴わないで項目が選択された情報処理端末の数と、を前記項目ごとに分けて集計を行い、この集計した結果に応じて、前記第1の表示部の各項目の表示状態を変更する。
【0020】
この構成では、質問の数と、質質問を伴わないで項目が選択された情報処理端末の数とを分けて集計するので、その結果を第1の表示部に反映でき、参加者の関心をより詳細に発表者等に伝達し、フィードバックできる。
【0021】
(7) 前記表示装置の第1の入力部は、これに表示されたコンテンツから質問された項目の選択を受け付け、この第1の入力部から当該項目の選択を受け付けると、当該項目に関する質問内容を表示するようにしてもよい。
【0022】
発表者等は、コンテンツの進行に合わせて、質問されている項目を把握できる。この状態では、質問内容が表示されず、コンテンツの進行を邪魔しない。さらに、第1の入力部で項目を選択すると、発表者等は、質問内容を把握できる。したがって、発表者等は、表示装置以外を見なくとも、表示装置だけを見ている状態で質問を把握でき、折を見てこれに答えることが出来る。
【0023】
(8) 前記表示装置は、前記第1の入力部を介して、前記質問についてのチェック入力を受け付けて、前記チェック入力がされると前記質問についての表示状態を変更する。
【0024】
チェック入力を受け付けて、第1の表示部にチェックを入れるので、質問に答えた部分をチェックすることができ、無駄なく、質問に答えることが出来る。
【0025】
(9) インターネットに接続されたサーバに格納され、ウェブサイトのコンテンツを構成するプログラムであって、コンピュータまたは携帯端末機器が当該ウェブサイトにアクセスしてダウンロードし、ウェブサイトを表示するソフトウェアにより実行するプログラムにおいて、
コンテンツを表示する表示ステップと、
特定人のみが知る所定の入力により、コンテンツを進行し、更新するステップと、
前記コンテンツについての各項目について選択を受け付ける項目選択ステップと、
項目が選択された場合に、選択された項目を前記サーバへ送信することを受け付ける選択項目送信ステップと、
前記項目が選択された場合に、質問内容を前記サーバへ送信することを受け付ける質問送信ステップと、
コンテンツの各項目について選択された数、質問の数を前記項目ごとに集計し、前記集計結果に応じて、コンテンツの表示状態を変更する表示状態変更ステップと、を実行する。
【0026】
このようにプログラムを構成すれば、会議システムをウェブサイトとして簡易にかつ大規模に構築できる。ウェブサイトを表示することができるコンピュータ、情報処理端末は広がりつつあるから、ウェブ上で講習会を行ったり、ウェブ上での株取引説明会を行ったりするような会議システムを提供できる。
【発明の効果】
【0027】
本発明の会議システムによれば、参加者の注目度を反映した議事進行またはプレゼンテーションをすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
図1に本発明の一実施形態の会議支援システムの概要を平面図で示す。会議支援システムは、表示装置1と、携帯端末4、携帯電話機5を備える。発表者102は、プレゼンテーションの発表者、コンテンツの進行の司会者、議事進行者等である。参加者103は、発表者102以外の会議の参加者である。表示装置1は、会議テーブル101の前に設けられ、会議の参加者103各々が視認できる程度の大きさの表示部2と、プレゼンテーションを行うための情報処理部3、マウス38、キーボード39を備える。携帯端末4、携帯電話機5は、少なくともいずれか一方が、参加者103に配布されている。
【0029】
表示部2は、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、オプジェクタのスクリーンなどで構成する。
【0030】
情報処理部3は、例えばパーソナルコンピュータの構成とすることができる。情報処理部3は、プレゼンテーションを行うためのソフトウェアと、このソフトウェアを実行するCPU、携帯端末4、携帯電話機5と通信するためのLANカードなどを備える。表示部2は、このソフトウェアの実行結果を表示する。発表者102の操作するマウス38、キーボード39は、情報処理部3に指示を送り、プレゼンテーションのソフトウェアを操作する。これにより、発表者102は、プレゼンテーションのコンテンツ、資料を表示部2に表示させ、プレゼンテーションを進行させる。
【0031】
携帯端末4、携帯電話機5(以下「端末等4、5」と省略する。)は、それぞれ表示部と、操作キー、通信部を備え、電話回線からインターネット等を介して、操作キーから入力された情報を表示装置1の情報処理部3に送信する。
【0032】
情報処理部3は、通信回線を介して、端末等4、5にも表示部2に表示するコンテンツの内容と同内容のコンテンツを送信する。端末等4、5は、受信した内容のコンテンツまたはその一部を端末等4、5の表示部に表示させる。参加者103は、会議の質問内容を携帯端末4または携帯電話機5に入力する。これらの端末等4,5は、情報処理部3に質問内容を送る。情報処理部3は、各々の参加者103の質問状況を表示部2に反映させる。
【0033】
図2に表示装置1の正面(図1のA−A矢視図に相当)から見た会議システムと、表示部2の表示状態を示す。表示装置1は、表示部2と、情報処理部3、周辺機器6、これらを支持する台座9を備える。表示部2は、プレゼンテーション、または会議の内容を表示する。
【0034】
周辺機器6は、例えば、スキャナ装置61、プリンタ装置62を備える。発表者102、参加者103は、会議の進行に合わせて、これらを使用する。スキャナ装置61は、原稿の画像を読み取ってこれをデジタルデータにする装置である。プリンタ装置62は、表示情報を印字出力する装置である。例えば、参加者103から資料が提供された場合には、その資料を表示させるためスキャナ装置61を用いて資料を読み取り、表示部2に表示させる。また、例えば会議の内容や補助資料を配布するため、プリンタ装置62から表示部2に表示されている内容を印刷する。
【0035】
台座9は、基台91、脚部92、移動用車輪93、載置台94を備える。基台91は、床面と対向する位置に配置される土台であり、表示装置1全体を支持する。2つの脚部92は、基台91と表示部2とを連結して表示部2を支持する。移動用車輪93(キャスター)は、床と基台91との間に配置され、表示装置1を水平方向に移動可能にする。載置台94は、周辺機器6(61、62)を載置するためのトレイである。
【0036】
図3に本実施形態の会議システムの全体ブロック図を示す。会議システムは、表示装置1、端末等4,5、通信システム7を備える。
【0037】
前述したように表示装置1は、表示部2、情報処理部3を備える。表示部2は、さらにタッチパネル20を備える。タッチパネル20は、表示部2の前面に接して設けられ、タッチ部分の座標を検出する。情報処理部3は、タッチパネル20で受けたタッチ操作に基づいて、各種の処理を行う。例えば、タッチパネルに触った座標に表示している項目の表示状態を変える。また、その項目について質問がある場合には、その質問を表示したりする。
【0038】
情報処理部3は、CPU30、ROM31、RAM32、HD33(ハードディスク)、USB34、VGAカード35、LANカード36を備える。ROM31には、BIOS、制御情報などが記録されている。HD33は、各種のプログラムを記憶している。CPU30は、HD33からRAM32内にプログラムを呼び出して各種の処理を行う。USB34は、各種の装置(20、61、62)とデータを送受信する。VGAカード35は、ビデオメモリ、カラーパレット等を備え、表示部2の表示状態を制御する。LANカード36は、通信システム7とLANケーブルを介して接続され、外部との送受信を行う。この実施形態では、端末等4、5とデータの送受信を行う。
【0039】
通信システム7は、インターネット71、携帯基地局72を含む。携帯基地局72と端末等4、5は、それぞれ送受信部を備え、電波で送受信する。インターネット71は、外部との情報通信網であり、携帯基地局72とつながっている。表示装置1は、通信システム7を介して、端末等4、5と通信を行う。
【0040】
HD33が記憶するプログラムの例としては、オペレーティングシステム、プレゼンテーションを行うためのアプリケーション、スキャナ装置61、プリンタ装置62を制御するためのデバイスドライバー、VGAカード35、USB34を制御するためのデバイスドライバーなどが挙げられる。
【0041】
このプレゼンテーション用のアプリケーションとしては、例えば、3つのサブアプリケーションを含むようにすることができる。第1のサブアプリケーションは、プレゼンテーションのコンテンツを表示する。第1のアプリケーションは、タッチパネル20、マウス38、キーボード39の入力を受け付けて、VGAカード35のドライバーを呼び出して画面の状態を変化させる。これにより、このコンテンツを進行させたり、各種の表示状態を変更したりする。
第2のサブアプリケーションは、現在表示しているプレゼンテーションのコンテンツを、表示部2の表示状態と同期して、通信システム7を介して端末等4、5に送信する。このとき、LANカード36のデバイスドライバーを呼び出して、コンテンツのデータを送信する。
第3のサブアプリケーションは、端末等4、5から送信された項目、質問を解析して第1アプリケーションで表示するコンテンツの表示状態を変更させる。このとき、適宜、LANカード36、VGAカード35のデバイスドライバーを呼び出す。
【0042】
なお、コンテンツとしては、例えば、XML、HTMLなどのウェブコンテンツを用いることが可能である。さらに、XML、HTMLは、タグ形式の言語であるから、文字属性を決定することが出来るし、リンクや質問の送信フォームを埋め込んだりすることが可能である。また、外部アドインとしてプログラムを追加できるプレゼンテーション用アプリケーションを用いれば、以上で説明した第1〜第3のアプリケーションをこの外部アドインのプログラムとして構成できる。後述の端末等4、5も同様である。
【0043】
次に、端末等4、5の構成例について説明する。図4(A)の携帯端末4または図4(B)の携帯電話機5の構成を示す。図4に示すように携帯端末4は、端末表示部41、操作キー42、キーボード43、電子ペン44を備える。端末表示部41は、表示部2に表示するコンテンツと同様の内容を表示する。ただし、表示部41の画面の大きさには制限があるから、表示部2の表示とまったく同一とする必要はなく、表示部2の表示内容の一部か、表示部2の表示内容と実質同一であれば良い。
【0044】
操作キー42は、図示しない携帯端末4のCPUに指示を送る。なお、操作キー42各々は、キーの数の制限があるから、画面の表示状態に応じてキーの機能を変更するようにしてもよい。例えば、項目を選択するキー、選択した項目を送信するキー、質問を入力する画面へ移動するキーが表示状態に応じて割り当てられるようにしてもよい。また、端末表示部41の大きさには制限があるから、操作キー42によりスクロールや画面の切換を受け付けるようにしてもよい。キーボード43は、質問を受け付ける画面に移動したときに、質問の文字入力を受け付ける。
【0045】
参加者103が電子ペン44を端末表示部41にあてがうと、携帯端末4は、その接触した部分の座標を取得する。端末表示部41に表示された項目をなぞると、携帯端末4は、その位置を判断して端末表示部41の表示状態を変える。例えば、マーカーでなぞったようなマーキングを付す。
【0046】
また、携帯端末4は、図示しない送信受信部を備えている。表示装置1からコンテンツを受信する。また、参加者103が携帯端末の表示画像の関心のある箇所に電子ペン44でマーキング操作を行うと、端末等4、5は、マーキングした項目の情報(請求項記載の操作情報)を表示装置1に送信する。なお、ここでは、マーキングした座標を送信しても良い。
【0047】
さらに、マーキングした項目について質問を受け付けた場合には、質問の項目(またはマーキングした部分の座標)と併せて、質問内容の文字データを送信する。情報処理部3は、表示部2の中の、マーキングした部分に対応する項目の表示状態を変更させる。これにより、表示部2は、参加者103の関心のある部分を発表者102に知らせることができる。
【0048】
図4(B)に示すように、携帯電話機5は、電話機表示部51、番号ボタン52、操作キー53を備える。また図示しない送受信部を備える。51〜53は、それぞれ、41〜43に対応している。電話機表示部51は、表示部2に表示するコンテンツと同様の内容を表示する。操作キー52は、各種の操作を受け付ける。例えば、コンテンツの項目の選択を受け付けたり、質問を送信する決定を受け付けたりする。コンテンツの項目の選択を受け付けると、番号ボタン53から質問内容の入力を受け付ける。各番号ボタン53には複数の文字が当てられており、連打することにより、文字が変化する。上記決定ボタンが押されると、質問内容を表示装置1に送信する。
【0049】
図5、図6を用いて、表示部2の表示内容について説明する。前述のとおり、表示部2は、プレゼンテーションのコンテンツを表示し、端末等4、5にも、表示部2の内容が表示される。表示装置1は、端末等4、5から、質問の項目および質問内容を受信する。
【0050】
情報処理部3は、これらを受信して、質問状態が反映されるよう表示部2の表示状態を変更する。例えば、図2に示すように、アンダーライン表示をしたり(3行目)、二重のアンダーライン表示をしたり(5行目)、背景に色を付けたりする(即ちマーキングしたりする)(8行目)。この表示状態については、質問件数によって変更する。端末等4、5で入力された質問の数に応じて、その数が増えるほど徐々により強調するように表示状態を変える。例えば、質問件数が少ない場合はアンダーラインで表示し、さらに件数が増えると二重のアンダーライン表示となり、さらに件数が増えると背景に色を付ける様な表示方法で表示する。
【0051】
また、上述のとおり、参加者103は、質問をせずとも、注目している部分をマーキングすることができる。この場合も、マーキングした項目が情報処理部3に送信され表示部2に表示される。この項目の表示も、同様に、マーキングされた端末等4、5の台数に応じて強調する。同じ項目にマーキングしている参加者103が多い場合には、アンダーラインをより太く、マーキング表示をより濃く表示する。このような表示状態の変化をする場合には、マーキングと質問に応じて区別できるよう、別個に表示状態を変化させるようにしてもよい。例えば、マーキング数に対してはアンダーラインを変更し、質問の数に応じて背景色を変えるようにしてもよい。そのほかに、文字の太さや色を変更しても良いし、周期的に文字の装飾を変化させてもよい。
【0052】
また、項目の選択、質問がされた項目の数を合算した集計結果に基づいて表示状態を変化させ、質問の有無だけを反映するようにしても良い。例えば、この合算した集計結果に基づいて、アンダーラインを太くし、1つ以上の質問がある場合には、マーキングして、質問がない場合には、マーキングしないという表示状態の変化を行ってもよい。
【0053】
このように表示状態を変えることにより、発表者102は、表示部2以外を参照することなく、会議出席者の質問の多い項目をリアルタイムで把握できる。この表示方法では、項目の表示属性を変えるものであって、唐突に質問画面に移動するものでないから、議事進行を邪魔することもない。したがって、発表者102は、的確なタイミングで、例えばプレゼンテーションの節目で、質問に回答する事ができる。また、参加者103が質問入力するのに不慣れな場合でも、マーキングするだけで発表者102に伝わるので、補足説明を発表者102に促すことが出来る。
【0054】
図6に、発表者102が項目をクリックした場合に、表示される質問内容の例を示す。8行目の文字列の背景には、質問件数の多いので、文字をマーキングして表示する。この部分をクリックしたときに、質問内容が表示されている状態を示している。情報処理部3は、質問、および質問の受け付け順番を記憶しており、質問した順番に表示部2に表示させる。また、この質問の件数を集計して、件数も表示部2に表示させる。これにより、発表者102は、質問内容を見て、重要な内容から回答することもできる。また、同じ項目の質問の件数の多いものから回答する等の判断ができ、的確に参加者103の要求に答えることが出来る。回答の終わった質問に対しては、発表者102は、削除又は回答済みのチェックマークを入れて、回答の履歴を残すことができる。
【0055】
なお、上記アプリケーションの初期設定において、表示部2が参加者103の質問を表示する際には、社外等でのプレゼンでは表示しない、または社内会議であれば質問内容を表示する、といった選択を予め受け付けるようにしてもよい。
【0056】
図7に本実施形態の表示装置1についてのフローチャートを示す。このフローは、プレゼンテーションのアプリケーションを実行したときの処理手順を表わしている。
【0057】
F1:プレゼンテーションのコンテンツを表示部2に表示する。このとき、上記第1のサプアプリケーションを実行する。
F2:表示装置1の情報処理部3は、端末等4、5にプレゼンテーションの画面を送信する。また、現在表示部2に表示しているプレゼンテーションの頁または項目を送信する。このとき、上記第2のサブアプリケーションを実行する。
F3:情報処理部3は、端末等4、5からマーキング箇所の情報、または、質問内容のデータおよび質問に対応するプレゼンテーションの項目を受信する。このとき上記第3のサブアプリケーションを実行する。
【0058】
以下のF4、F5、F8、F11では、マーキング、質問内容の受信を待機し、これらを受信した場合には各々に対応する処理を行う。
F4、F8:端末等4、5から質問内容のデータを受信したかどうか判断する。このデータを受信した場合(F4のYES)、F8に移動する。F8では、質問に対応する項目の表示内容を変更する。このとき、上記第1のサブアプリケーションを実行する。F8の後、F3に戻る。他方、質問内容のデータを受信していない場合(F4のNO)、F5に移動する。
【0059】
F5、F11:携帯端末4の表示部41の画面にマーキング操作がされたことを携帯端末4から受信した場合、F11に移動する。F11では、表示部2に表示しているコンテンツのうち、マーキングに対応する表示箇所の表示状態を変更する。情報処理部3は、コンテンツの項目ごとにマーキング操作のされた携帯端末4の台数を集計する。情報処理部3は、このマーキングに対応する表示部2の表示箇所をより強調させるように変更させる。この表示状態の強調度合いを台数に応じて変える。例えば、前述のように、質問の場合と同様、下線→2重下線→背景色の変更というように変化してもよい。また、質問の数に応じて強調する表示部2の表示状態と区別するために、別の色を使っても良い。F11の後、F3に戻る。
F6:表示装置1に対して、プレゼンテーションの終了操作がされると(F6のYES)、終了する。
【0060】
F7:プレゼン画面を変更する操作がされた場合、例えば、次の頁への移動が選択された場合は(F7のYES)、F1に戻り、画面を更新する。変更する操作がされず、そのままの場合は(F7のNO)、F4へ戻り、F4〜F7の判断に応じて、各処理を続行する。
【0061】
図8に本実施形態の携帯端末4のフローチャートを示す。
【0062】
S1、S11:携帯端末4は、情報処理部3からプレゼンテーションのコンテンツを受信したかどうか判断する。受信した場合には(S1のYES)、S11に移動する。S11で、表示部2に表示しているコンテンツと同内容(同一頁)のコンテンツを表示する。受信していない場合には(S1のNO)、S2に移動する。
【0063】
S2、S21、S22:携帯端末4は、電子ペン44からマーキング入力がされたかどうか判断する。マーキング入力された場合には(S2のYES)、S21に移動する。S21で、携帯端末4内部の記憶部(フラッシュメモリ等)は、マーキング箇所を記憶する。S22で、携帯端末4内部の上記送受信部は、マーキング箇所を情報処理部3に送信する。マーキング入力がされていない場合には(S2のNO)、S3に移動する。
【0064】
S3、S31、S32:携帯端末4は、質問入力がされたかどうか判断する。マーキング入力された場合には(S3のYES)、S31に移動する。S31で、携帯端末4内部の図示しない記憶部は、質問内容およびコンテンツの中の質問箇所を記憶する。S32で、携帯端末4内部の上記送受信部は、これら質問内容およびコンテンツを情報処理部3に送信する。質問入力がされていない場合には(S3のNO)、S1に戻って、以上の処理を繰り返す。
【0065】
なお、以上の処理では省略しているが、携帯端末4がプレゼンテーションのコンテンツを表示しているときに参加者103がS3の質問の入力をするには、参加者103が項目を選択し、決定キーまたは質問キーを押すなどの操作をすることにより行う。この操作がされると、質問入力の画面を端末表示部41に表示し、その上で質問の入力を受け付ける。そのとき質問の入力を受け付けた場合には、S21以下の処理を行う。
【0066】
また、以上の図8では携帯端末4を例にとって説明したが、携帯電話機5についても、マーキング入力を操作キー52による項目選択とし、文字入力を番号ボタン52による入力としてそのまま適用できる。
【0067】
図9に本実施形態の会議システムで取り扱うデータのデータ構造を示す。これらのデータは、情報処理部3のHD33、携帯端末4内のフラッシュメモリ45に記憶されている。HD33は、項目データ331、マーキング箇所集計データ332、質問内容集計データ333を記憶している。フラッシュメモリ45は、項目データ451、マーキング箇所データ452、質問内容データ453を記憶している。
【0068】
項目データ331、項目データ451は、プレゼンテーションのコンテンツの各項目である。この項目のそれぞれは、参加者103がマーキングしたり、質問したりする対象となる単位である。情報処理部3は、発表者102が頁をめくるたびに、発表者102に表示されている項目を携帯端末4に送信する。そして、端末等4、5は、端末等4、5に表示されているコンテンツにおいて、項目データ451それぞれを単位として、選択、マーキング、質問を受け付ける。
【0069】
マーキング箇所集計データ332は、情報処理部3のCPU30がマーキング箇所データ452を集計したものである。マーキング箇所データ452は、参加者103が各端末でマーキングしたかどうか否かを2進数で表わすビットデータである。情報処理部3のCPU30は、上記第3のアプリケーションを実行して、マーキング箇所データ452を各々の項目データ451について端末数、即ち参加者103の数を合計する。これにより、参加者103の注目度を表示部2に示すことができる。
【0070】
質問内容集計データ333は、情報処理部3が上記第3のアプリケーションを実行して、質問内容データ453を項目データ451ごとに集計したものである。質問内容データ453は、参加者103が質問の内容を記憶するときに(図8のS31)、質問内容と共に、質問内容に対応する項目データ451を項目データ451各々についてビット列で記憶するデータである。そして、質問内容集計データ333には、各々項目データ451に対する質問の数、および質問内容のデータ集合を含む。
【0071】
このようなデータ構造にすれば、図5、図6で上述した表示状態の変更を、項目データ331ごとに、マーキング箇所集計データ332、質問内容集計データ333に基づいて行うことができる。そして、この表示状態を、文字の属性、例えば文字の太さ、アンダーライン、マーキング表示の属性として捉えることが出来る。情報処理部3は、項目データ331ごとの属性をデータ332、333に基づいて対応させ、その属性をHD33に併せて記憶する。
【0072】
図10、図11に、図9で示したデータ構造の具体例を示す。1〜12はコンテンツの各項目の識別番号を示している。情報処理部3のHD33は、データ331、332、333を、共通の識別番号ごとに整理して記憶する。図10のように、項目データ331に通し番号を振って、データ332、333に、この通し番号と、331〜333を区別するビットと、その通し番号に対する値をセットにして記憶することができる(なお、図中では説明のため、T(term)、M(marking)、Q(question)を付している)。具体的には、項目データ331の識別データとして、T1〜T12、マーキング箇所集計データ332の集計データとして、M1〜M12、質問内容の集計データとして、Q1〜Q12を付す。携帯端末4の記憶部も同様である。
【0073】
携帯端末4側でコンテンツの第2番目の項目にマーキングがされると、記憶部は、マーキング箇所データのM2に数値「1」(ビット列のH)を記憶し、これを項目データ451と関連付けて情報処理部3に送信する。また携帯端末4側で表示画像の8行目に質問入力がされると、質問内容データのL8に質問内容のテキストデータが記憶される。その後、表示装置1の情報処理部3にこれらのデータを送信する。情報処理部3は、これらを集計する。この例では、表示画像の第2項目に4台の携帯端末からマーキングがされ、表示画像の第8項目に7つの質問の内容が送信された場合を示している。この場合、マーキング箇所集計データのM8に数値「4」が記憶される。質問内容の集計データQ8のデータ領域には、数値「7」が記憶されると共に、質問内容データがこれと関連付けて集積される。
【0074】
図11に、図10で示した質問内容集計データ333の詳細を示す。プレゼンテーションのアプリケーションは、質問内容集計データ333のQ1〜Q12のうち、質問内容が1以上あるデータについては、質問内容のデータ数分のチェックボックス枠334(具体的にはデータ領域および枠画像)を用意する。図11の例では、データ334の数が7であるから、7つの枠を用意している。ここで、チェックボックス枠334は、質問内容335、チェック336を対照させた表である。
【0075】
発表者102が質問に回答すると、回答したことを記録するために、タッチパネル20またはマウス38、キーボード39から、チェック336の入力を受け付ける。
【0076】
なお、発表者102が回答し、チェック336を入れた場合には、質問内容集計データ333のQ8の数「7」を減少させても良い。そして、質問内容データ数に基づく表示状態の変化は(質問内容データ数−チェック数)に基づき決定されるようにすることができる。例えば、7つの質問のうち、3個の質問に対して回答し、3個チェックを入力すると、質問数7−チェック数3=4となる。この数4に基づいて、表示制御部は表示状態を変化させる。即ち情報処理部3は、未回答の質問が多いほど強調されて表示していたが、回答済みが多くなるほど強調度合いを弱くして、全て回答したら標準状態の表示状態にするようにしてもよい。
【0077】
なお、以上では、質問の数の例として7つ、マーキングの数の例として4を挙げたが、これらは、プレゼンテーションの成り行きにより変わってくるものであり、それよりも多い場合もあれば少ない場合もある。
【0078】
以上では、プレゼンテーション、会議を例にとって説明した。しかし、プレゼンテーションの各項目の名称は、会議では「議題」になり、発表者102は、司会者、議事進行者になり、プレゼンテーションのアプリケーションは、議題を表示するアプリケーションになる。本実施形態は、これらの会合、催し、プロジェクト、検討対象の内容はどうあれ、その複数人が同時に同一のコンテンツを閲覧するシステムに適用できる。また、本発明の「会議システム」の概念としては、必ずしも同じ場所に「会合」してなくてもよく、同時に同一のコンテンツを閲覧するものであれば、遠隔会議でも「会議システム」の概念に含まれる。
【0079】
そして、発表者102は、これらのコンテンツを閲覧する者のいずれかであればよく、発表者102に限らず、例えば、その閲覧するコンテンツの内容を説明したり、議事進行を務めたり、参加者103から出された質問をまとめる役の者であっても本実施形態を適用できる。例えば、発表者102のみならず、ホスト、司会者、プレゼンターであってもよい。これらまとめて、以下では発表者102ということにする。このように、同一のコンテンツを複数人が共有し、発表者102にそのコンテンツの一部の内容について端末等4、5を用いて、マーキングしたり、質問したりする内容を表示装置1に送信する形態に適用できる。
【0080】
また、本発明の「項目」は、表示部2に表示するコンテンツの一部であればよく、上記「議題」や、アイコン、画像をも包含する概念である。
また、この実施形態のシステムによれば、参加者103には、各々端末等4、5が配布され、これら4,5は、表示装置1と通信するから、コンテンツの内容を閲覧することができる。よって、必ずしも参加者103から、表示部2が見えることを要しないし、会議テーブル101に集まることも要しない。また、表示装置1が参加者103と遠隔であっても、発表者102が使用する表示部2に表示できれば、表示装置1を操作する発表者102に知らせることが出来る。したがって、表示装置1の表示部2の画面の大きさは、参加者103が視認できることが望ましいが、それよりも小さくても良い。表示装置1自体も携帯端末でも良い。
【0081】
また、会議テーブル101の前に参加者103が会し、その前に、単なるディスプレイを表示し、発表者102の前に設けた表示装置1から通信して、そのコンテンツを表示するようにしてもよい。このように本システムは、電話会議にも用いることができる。
【0082】
また、端末等4、5には、マーキングした内容を表示するようにしても良い。このためには、情報処理部3の第3のサブアプリケーションは、項目データ331、マーキング箇所集計データ332、質問内容集計データ333を送信し、端末等4、5は、これを共有する。
【0083】
また、携帯端末4、携帯電話機5は、いずれも備える必要はなく、いずれか一方でも良い。携帯電話機5を用いる場合には、携帯端末4での電子ペン44のマーキングの処理は、操作キー52から項目を選択することで同等の作用を発揮することが出来る。表示部2で表示しているコンテンツをすべて表示する必要はないし、表示部2で表示しているコンテンツの一部を表示するものでも良い。端末等4、5としては、マーキングした部分を表示部2に表示するためには、コンテンツを表示でき、項目を選択し、情報処理部3に送信できればよい。さらに、質問を受け付けるためには、文字入力を何らかの方法で情報処理部3に送信する必要がある。
【0084】
また、図2で示す台座9の例は1例であり、台座9の構成としては、表示部2、情報処理部3、周辺機器6をひとまとまりとして、床の上に支持できれば良い。ひとまとまりとするのは、これを使用する発表者102等の操作の便宜のためであり、必ずしもひとまとまりとしなくても、ばらばらに設置していてもよい。また、周辺機器6は、発表者102の発表を多面的に展開するには役立つが、コンテンツを表示部2に表示する上では必須ではない。
【0085】
また、以上では、端末等4、5とインターネット71、携帯基地局72で接続するとしたが、有線でもよく、無線LANで接続していても良く、通信できれば良い。
【0086】
以上の説明では、表示部2、端末等4、5の表示状態を同期させるために、コンテンツと、頁を送信するとした。そのためには、予めコンテンツ全体またはその一部を送信しておく必要がある。別の表示方法としては、予めコンテンツ全体を送信しなくても、画面の切換えごとに、現在表示部2に表示している頁のみを送信しても良い。また、テキストでなく、画像として合成されたものを携帯端末4に送信しても良い。
【0087】
また、携帯電話機5にアプリケーションをダウンロードするようにすれば、以上の実施形態について特別の装置がなくとも、アプリケーションのインストールのみで、参加者103の規模を拡大することが出来る。さらに、以上の実施形態を、PCと携帯電話機5と所定のウェブサイト上に構築したウェブアプリケーションで構成することも出来る。この場合には、ウェブサイトを表示するソフトが各装置(PC、携帯端末4、携帯電話機5)にインストールされていれば、新たなソフトウェアをインストールする必要がない。例えば、発表者は、コンテンツの画面を更新したり、別の頁に移動したりする場合には、発表者は、発表者しか分からない特定の操作で予めログインし、ウェブサイトを進行、更新させる。当該進行、更新した場合、その情報をサーバに記憶する。そして、参加者103は、ウェブアプリケーションを介してコンテンツをダウンロードする。そして、このウェブアプリケーションの更新を通して、自動的に頁を更新する。操作キー42、操作キー52を通じてコンテンツの項目を選択することによりマーキングを行う。また、キーボード43、番号ボタン53を通じて質問内容の入力を行う。これらのマーキング、質問は、そのウェブサイトに送信される。マーキング、質問がされると、以上の実施形態と同様に、表示状態を変化させる。発表者が質問を表示させると、各参加者のコンテンツは、質問画面に切り換わる。質問には、図11のようなチェック画面が表示される。
【0088】
また、以上の実施形態は、広い会場において多人数が集会をする場合の補助としても利用できる。例えば、携帯電話に集会の内容を表示させ、これに関する質問、マーキングを集会内の遠方の司会者に伝達して、多人数の会場をまとめることが出来る。
【0089】
また、以上の実施形態では、質問の回答に当たっては、端末機器、PC、インターネットを介して、発表者等の音声をストリーミングで放送しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施形態の会議支援システム(平面図)の概要図である。
【図2】本発明の実施形態の表示装置の本発明の実施形態の会議システムの正面図であって、本発明の実施形態の表示装置の構成例を示す。
【図3】本発明の実施形態の会議システムに用いる装置の全体ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態の携帯端末又携帯電話の構成例、および画面表示内容の例である。
【図5】本発明の実施形態の表示装置の表示状態の例である。
【図6】本発明の実施形態の表示装置の表示状態の例である。
【図7】本発明の実施形態のフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態の携帯端末(情報処理装置)のフローチャートを示す。
【図9】本発明の実施形態の会議システムで取り扱うデータのデータ構造を示す。
【図10】本発明の実施形態の会議システムで取り扱うデータのデータ構造を示す。
【図11】本発明の実施形態の会議システムで取り扱うデータのデータ構造を示す。
【符号の説明】
【0091】
1−表示装置、 2−表示部、 20−タッチパネル、 21−質問内容、
3−情報処理部、 30−CPU、 31−ROM、 32−RAM、
33−HD、 331−項目データ、 332−マーキング箇所集計データ、
333−質問内容集計データ、 334−チェックボックス、
335−質問内容、 336−チェック、
337−チェックマーク、 34−USB、 35−VGAカード、
36−LANカード、 38−マウス、 39−キーボード、
4−携帯端末、 41−端末表示部、 42−操作キー、
43−キーボード、 44−電子ペン、 45−フラッシュメモリ、
451−項目データ、 452−マーキング箇所データ、
453−質問内容データ、
5−携帯電話機、 51−電話機表示部、 52−番号ボタン、 53−操作キー、
6−周辺機器、 61−スキャナ装置、 62−プリンタ装置、
71−インターネット、 72−携帯基地局、
9−台座、 91−基台、 92−脚部、 93−移動用車輪、 94−載置台、
101−会議テーブル、 102−発表者、 103−参加者、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置と、情報処理端末と、を備えた会議システムにおいて、
前記表示装置は、
会議またはプレゼンテーションのコンテンツを表示する第1の表示部と、
前記情報処理端末との間でデータの送受信をする第1の通信手段と、
前記第1の表示部の表示状態を操作する第1の入力部と、を備え、
前記情報処理端末は、
会議またはプレゼンテーションのコンテンツを表示する第2の表示部と、
前記第2の表示部に表示された項目を選択する第2の入力部と、
前記表示装置との間でデータの送受信をする第2の通信手段を備え、
前記表示装置は、前記第1の通信部を用いて、前記第1の表示部に表示されているコンテンツを前記情報処理端末に送信して、
前記情報処理端末は、前記第1の表示部に表示されたコンテンツと同内容のコンテンツまたはその一部を前記第2の表示部に表示させると共に、前記第2の入力部を介して、前記コンテンツの項目の選択を受け付け、この選択がされた場合には、前記第2の通信部を介して、前記第2の入力部により選択された項目についての選択情報を送信し、
前記表示装置は、前記第1の表示部に表示されたコンテンツのうち、前記選択情報に対応する部分の表示状態を変更することを特徴とする会議システム。
【請求項2】
前記情報処理端末の第2の通信部は、無線通信部を備える請求項1に記載の会議システム。
【請求項3】
前記情報処理端末の第2の入力部は、タッチされた画面上の位置の座標を検出するタッチパネルを備え、
前記情報処理端末は、前記選択情報として、前記タッチパネルが検出した座標を前記表示装置に送信する請求項1〜2のいずれかに記載の会議システム。
【請求項4】
前記表示装置は、前記情報処理端末から送信された前記選択情報に基づいて、前記コンテンツの中の項目ごとに当該項目の選択がされた情報処理端末の数の集計を行う集計手段を備え、この集計の結果に応じて、前記コンテンツの中の表示状態を変化させる請求項1〜3のいずれかに記載の会議システム。
【請求項5】
前記情報処理端末の第2の入力部は、文字入力を受け付ける文字入力部を有し、
前記情報処理端末は、前記表示装置に表示されたコンテンツの項目の選択と併せて、前記第2の入力部を介して前記選択した項目に関する質問を受け付けて、前記表示装置に送信し、
前記表示装置の第1の表示部は、各項目の質問の有無に応じて前記表示状態を区別して表示する請求項4に記載の会議システム。
【請求項6】
前記表示装置は、前記集計手段を用いて、前記表示装置に表示しているコンテンツのうち、前記項目の選択と併せて質問を受け付けた情報処理端末の数と、質問を伴わないで項目が選択された情報処理端末の数と、を前記項目ごとに分けて集計を行い、この集計した結果に応じて、前記第1の表示部の各項目の表示状態を変更する請求項5に記載の会議システム。
【請求項7】
前記表示装置の第1の入力部は、これに表示されたコンテンツから質問された項目の選択を受け付け、この第1の入力部から当該項目の選択を受け付けると、当該項目に関する質問内容を表示する請求項6に記載の会議システム。
【請求項8】
前記表示装置は、前記第1の入力部を介して、前記質問についてのチェック入力を受け付けて、前記チェック入力がされると前記質問についての表示状態を変更する請求項7に記載の会議システム。
【請求項9】
インターネットに接続されたサーバに格納され、ウェブサイトのコンテンツを構成するプログラムであって、コンピュータまたは携帯端末機器が当該ウェブサイトにアクセスしてダウンロードし、ウェブサイトを表示するソフトウェアにより実行するプログラムにおいて、
コンテンツを表示する表示ステップと、
特定人のみが知る所定の入力により、コンテンツを進行し、更新するステップと、
前記コンテンツについての各項目について選択を受け付ける項目選択ステップと、
項目が選択された場合に、選択された項目を前記サーバへ送信することを受け付ける選択項目送信ステップと、
前記項目が選択された場合に、質問内容を前記サーバへ送信することを受け付ける質問送信ステップと、
コンテンツの各項目について選択された数、質問の数を前記項目ごとに集計し、前記集計結果に応じて、コンテンツの表示状態を変更する表示状態変更ステップと、を実行するプログラム。
【請求項1】
表示装置と、情報処理端末と、を備えた会議システムにおいて、
前記表示装置は、
会議またはプレゼンテーションのコンテンツを表示する第1の表示部と、
前記情報処理端末との間でデータの送受信をする第1の通信手段と、
前記第1の表示部の表示状態を操作する第1の入力部と、を備え、
前記情報処理端末は、
会議またはプレゼンテーションのコンテンツを表示する第2の表示部と、
前記第2の表示部に表示された項目を選択する第2の入力部と、
前記表示装置との間でデータの送受信をする第2の通信手段を備え、
前記表示装置は、前記第1の通信部を用いて、前記第1の表示部に表示されているコンテンツを前記情報処理端末に送信して、
前記情報処理端末は、前記第1の表示部に表示されたコンテンツと同内容のコンテンツまたはその一部を前記第2の表示部に表示させると共に、前記第2の入力部を介して、前記コンテンツの項目の選択を受け付け、この選択がされた場合には、前記第2の通信部を介して、前記第2の入力部により選択された項目についての選択情報を送信し、
前記表示装置は、前記第1の表示部に表示されたコンテンツのうち、前記選択情報に対応する部分の表示状態を変更することを特徴とする会議システム。
【請求項2】
前記情報処理端末の第2の通信部は、無線通信部を備える請求項1に記載の会議システム。
【請求項3】
前記情報処理端末の第2の入力部は、タッチされた画面上の位置の座標を検出するタッチパネルを備え、
前記情報処理端末は、前記選択情報として、前記タッチパネルが検出した座標を前記表示装置に送信する請求項1〜2のいずれかに記載の会議システム。
【請求項4】
前記表示装置は、前記情報処理端末から送信された前記選択情報に基づいて、前記コンテンツの中の項目ごとに当該項目の選択がされた情報処理端末の数の集計を行う集計手段を備え、この集計の結果に応じて、前記コンテンツの中の表示状態を変化させる請求項1〜3のいずれかに記載の会議システム。
【請求項5】
前記情報処理端末の第2の入力部は、文字入力を受け付ける文字入力部を有し、
前記情報処理端末は、前記表示装置に表示されたコンテンツの項目の選択と併せて、前記第2の入力部を介して前記選択した項目に関する質問を受け付けて、前記表示装置に送信し、
前記表示装置の第1の表示部は、各項目の質問の有無に応じて前記表示状態を区別して表示する請求項4に記載の会議システム。
【請求項6】
前記表示装置は、前記集計手段を用いて、前記表示装置に表示しているコンテンツのうち、前記項目の選択と併せて質問を受け付けた情報処理端末の数と、質問を伴わないで項目が選択された情報処理端末の数と、を前記項目ごとに分けて集計を行い、この集計した結果に応じて、前記第1の表示部の各項目の表示状態を変更する請求項5に記載の会議システム。
【請求項7】
前記表示装置の第1の入力部は、これに表示されたコンテンツから質問された項目の選択を受け付け、この第1の入力部から当該項目の選択を受け付けると、当該項目に関する質問内容を表示する請求項6に記載の会議システム。
【請求項8】
前記表示装置は、前記第1の入力部を介して、前記質問についてのチェック入力を受け付けて、前記チェック入力がされると前記質問についての表示状態を変更する請求項7に記載の会議システム。
【請求項9】
インターネットに接続されたサーバに格納され、ウェブサイトのコンテンツを構成するプログラムであって、コンピュータまたは携帯端末機器が当該ウェブサイトにアクセスしてダウンロードし、ウェブサイトを表示するソフトウェアにより実行するプログラムにおいて、
コンテンツを表示する表示ステップと、
特定人のみが知る所定の入力により、コンテンツを進行し、更新するステップと、
前記コンテンツについての各項目について選択を受け付ける項目選択ステップと、
項目が選択された場合に、選択された項目を前記サーバへ送信することを受け付ける選択項目送信ステップと、
前記項目が選択された場合に、質問内容を前記サーバへ送信することを受け付ける質問送信ステップと、
コンテンツの各項目について選択された数、質問の数を前記項目ごとに集計し、前記集計結果に応じて、コンテンツの表示状態を変更する表示状態変更ステップと、を実行するプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
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【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−187094(P2009−187094A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−23813(P2008−23813)
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月4日(2008.2.4)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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