会議システム、拠点システムの制御プログラムおよび拠点システムに用いられる印刷装置
【課題】各拠点で個別に印刷を指示しなくても、ある拠点から他の拠点に印刷を指示できる会議システムを提供する。
【解決手段】相互に通信可能に接続され、画像Sを共有して同時に表示する複数の拠点システム10(20、30)を有する会議システム1であって、各拠点システム10は、画像Sを表示する表示手段14、15(24、25、32)と、表示手段14、15によって表示されている画像Sを印刷可能な複合機11(21、31)と、を有する。複数の拠点システム10、20、30のうちの少なくとも一つの拠点システム10は、少なくとも一つの他の前記拠点システム20、30の複合機21、31に画像Sの印刷を指示する指示手段を有する。
【解決手段】相互に通信可能に接続され、画像Sを共有して同時に表示する複数の拠点システム10(20、30)を有する会議システム1であって、各拠点システム10は、画像Sを表示する表示手段14、15(24、25、32)と、表示手段14、15によって表示されている画像Sを印刷可能な複合機11(21、31)と、を有する。複数の拠点システム10、20、30のうちの少なくとも一つの拠点システム10は、少なくとも一つの他の前記拠点システム20、30の複合機21、31に画像Sの印刷を指示する指示手段を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議システム、拠点システムの制御プログラムおよび拠点システムに用いられる印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
離れた場所にいる複数人が同じ画像を共有して参照しながら会議を進行する会議システムが知られている。たとえば、遠隔の2つの拠点を接続する会議システムでは、一方の拠点から他方の拠点に資料が送信され、両拠点に共有される。共有された資料の画像は、それぞれの拠点のコンピュータの画面や、プロジェクタの投影面に表示される。したがって、それぞれの拠点のユーザは、同じ画像を参照しながら、議論等ができる(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、特許文献1記載の会議システムでは、共有された資料を印刷する場合、各拠点のコンピュータ等を用いて、各拠点にある印刷装置にそれぞれ印刷を指示する必要がある。これでは、各拠点で別々のユーザが別個に印刷を指示することになり、操作が煩雑となってしまう。また、会議中に各拠点で別々に印刷指示するのでは、会議のスムーズな進行を妨げてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−294237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、各拠点で個別に印刷を指示しなくても、ある拠点から他の拠点に印刷を指示できる会議システム、拠点システムの制御プログラムおよび拠点システムに用いられる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)相互に通信可能に接続され、画像を共有して同時に表示する複数の拠点システムを有する会議システムであって、各前記拠点システムは、前記画像を表示する表示手段と、前記表示手段によって表示されている前記画像を印刷可能な印刷手段と、を有し、複数の前記拠点システムのうちの少なくとも一つの前記拠点システムは、少なくとも一つの他の前記拠点システムの前記印刷手段に前記画像の印刷を指示する指示手段を有する会議システム。
【0007】
(2)前記指示手段を有する前記拠点システムの前記印刷手段に対し、前記画像の印刷が指示された場合に、前記指示手段は、他の前記拠点システムの前記印刷手段にも前記画像の印刷を指示する(1)の会議システム。
【0008】
(3)複数の前記拠点システムのうち少なくとも一の前記拠点システムは、前記拠点システム間で前記画像を共有するために、前記画像の画像データを他の前記拠点システムに配信する配信手段を有する(1)または(2)の会議システム。
【0009】
(4)前記画像を印刷する際に付加するための付加情報の入力を受け付ける受付手段をさらに有し、前記指示手段は、前記画像の印刷を指示する際に、当該指示に付加情報を加えて送信する(1)〜(3)のいずれか1つの会議システム。
【0010】
(5)複数の前記拠点システムのうちの少なくとも一つの前記拠点システムは、前記画像を編集する編集手段と、編集した前記画像の画像データを他の前記拠点システムに送信する送信手段と、をさらに有し、各前記表示手段は、編集後の前記画像を表示し、各前記印刷手段は、編集後の前記画像を印刷可能である(1)〜(4)のいずれか1つに記載の会議システム。
【0011】
(6)前記表示手段は、前記画像を投影する投影手段と、投影された画像を映し出すスクリーンとを含み、前記編集手段は、前記スクリーン上に追記された追記内容を前記画像と合成する合成手段と、を含む(5)の会議システム。
【0012】
(7)前記送信手段は、前記編集手段によって前記画像が編集される際には、当該編集が行われていない他の前記拠点システムに、編集不可通知を送信し、当該他の拠点システムは、前記編集不可通知を受信してから編集した前記画像の画像データを受信するまでは、前記編集手段を有している場合でも、当該編集手段による編集が禁止される(5)または(6)の会議システム。
【0013】
(8)前記拠点システムは、前記画像とは別に、他の前記拠点システムとは共有されないローカル画像を表示するローカル表示手段と、前記画像と前記ローカル画像とを合成するローカル画像合成手段と、をさらに有し、前記印刷手段は、前記ローカル画像合成手段によって合成された合成画像を印刷可能である(1)〜(7)のいずれか1つの会議システム。
【0014】
(9)複数の前記拠点システムのうちの少なくとも一つの前記拠点システムは、任意の前記拠点システムの前記印刷手段に対して、前記画像の印刷禁止を設定する設定手段を有する(1)〜(8)のいずれか1つの会議システム。
【0015】
(10)異なる拠点に配置された複数の拠点システムが画像を共有して同時に表示する会議システムにおいて、前記拠点システムを制御するためのプログラムであって、一の拠点において、前記拠点システムに含まれる表示手段に、各拠点で共有される前記画像を表示させるステップ(1)と、前記一の拠点とは別の少なくとも一つの別の拠点の前記拠点システムに含まれる印刷手段に対して、当該別の拠点でも共有されて同時に表示されている前記画像について、印刷を指示するステップ(2)と、をコンピュータに実行させるプログラム。
【0016】
(11)前記一の拠点の前記拠点システムに含まれる印刷手段に対して、前記表示手段に表示されている前記画像の印刷を指示するステップ(3)をさらにコンピュータに実行させ、前記ステップ(2)は、前記ステップ(3)が実行された際に実行される(10)のプログラム。
【0017】
(12)前記拠点システム間で前記画像を共有するために、前記画像の画像データを、前記一の拠点とは別の拠点の前記拠点システムに配信する配信するステップ(4)をさらに前記コンピュータに実行させる(10)または(11)のプログラム。
【0018】
(13)前記画像を印刷する際に付加するための付加情報の入力を受け付けるステップ(5)をさらにコンピュータに実行させ、前記ステップ(2)では、前記画像の印刷を指示する際に、当該指示に付加情報を加えて送信する(10)〜(12)のいずれか1つのプログラム。
【0019】
(14)前記画像を編集するステップ(6)と、編集した前記画像の画像データを、前記一の拠点とは別の拠点の前記拠点システムに送信するステップ(7)と、をさらにコンピュータに実行させ、ステップ(1)では、編集後の前記画像を表示し、ステップ(2)では、編集後の前記画像について、印刷を指示する(10)〜(13)のいずれか1つのプログラム。
【0020】
(15)前記一の拠点以外の任意の拠点の前記拠点システムに含まれる印刷手段に対して、前記画像の印刷禁止を設定するステップ(8)をさらにコンピュータに実行させる(10)〜(14)のいずれか1つのプログラム。
【0021】
(16)異なる拠点に配置された複数の拠点システムが画像を共有して同時に表示する会議システムにおいて、前記拠点システムに含まれる印刷装置であって、自身とは別の拠点の前記拠点システムに含まれる他の印刷装置に対して、各拠点で共有され同時に表示されている画像について、印刷を指示する指示手段を有する印刷装置。
【0022】
(17)各拠点で共有され同時に表示されている前記画像について、自身が印刷する際に、前記他の印刷装置に対して印刷を指示する(16)の印刷装置。
【0023】
(18)前記拠点システム間で前記画像を共有するために、前記画像の画像データを、前記別の拠点の前記拠点システムに配信する配信する配信手段を有する(16)または(17)の印刷装置。
【0024】
(19)前記画像を印刷する際に付加するための付加情報の入力を受け付ける受付手段をさらに有し、前記指示手段は、前記画像の印刷を指示する際に、当該指示に付加情報を加えて送信する(16)〜(18)のいずれか1つの印刷装置。
【0025】
(20)自身とは別の任意の拠点の前記拠点システムに含まれる他の印刷装置に対して、前記画像の印刷禁止を設定する設定手段をさらに有する(16)〜(19)のいずれか1つの印刷装置。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、指示手段を有する拠点システムから、他の拠点システムの印刷手段に印刷を指示できるので、他の拠点システムで別個に印刷を指示せずに画像を印刷できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】会議システムの概略構成の一例を示す図である。
【図2】拠点システムの動作の流れを示す図である。
【図3】共有画像送信側処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】表示用の画像データの生成を説明する図である。
【図5】共有画像編集処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】共有画像受信側処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】ローカル画像を処理する流れを示すフローチャートである。
【図10】会議システムの各拠点の動作タイミングの例を示す図である。
【図11】第2実施形態における共有画像送信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】第2実施形態における共有画像受信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】第2実施形態における会議システムの各拠点の動作タイミングの例を示す図である。
【図14】第3実施形態における共有画像送信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】第3実施形態における共有画像受信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】第4実施形態における共有画像送信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】第4実施形態における共有画像受信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】第4実施形態における会議システムの各拠点の動作タイミングの例を示す図である。
【図19】第5実施形態における共有画像送信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】第5実施形態における共有画像受信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】第5実施形態における会議システムの各拠点の動作タイミングの例を示す図である。
【図22】第6実施形態における共有画像送信側処理の流れを示すフローチャートである。
【図23】共有画像編集処理−2の流れを示すフローチャートである。
【図24】第6実施形態における共有画像送信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図25】第6実施形態における共有画像受信側処理の流れを示すフローチャートである。
【図26】第6実施形態における共有画像受信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図27】第6実施形態における会議システムの各拠点の動作タイミングの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0029】
図1は、会議システムの概略構成の一例を示す図である。
【0030】
図1に示す一例では、会議システム1は、離れた複数の拠点A〜Cを相互に通信可能に接続し、各拠点で同一の画像を共有して同時に表示する。
【0031】
各拠点A〜Cは、会議システム1を構成する拠点システム10、20、30を有する。拠点システム10〜30は、ネットワークを介して相互に接続されている。ネットワークは、たとえば、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)あるいはローカルエリアネットワーク(LAN)等である。
【0032】
まず、拠点Aに注目して、拠点Aの拠点システム10の構成を説明する。拠点システム10は、会議用複合機11、コンピュータ12、プロジェクタ13、14、スクリーン15を有する。
【0033】
会議用複合機11(MFP:Multi Function Peripheral)は、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリ等の機能を複合的に備えた画像形成装置である。複合機11は、印刷手段として、拠点Aで表示されている画像を印刷できる。複合機11は、拠点システム10の各構成12〜15に接続され、各構成12〜15と通信すると共に、各構成12〜15同士の通信を可能とするハブの役割も果たす。さらに、複合機11は、拠点システム10を他の拠点B、Cと通信可能とするインタフェースの役割も果たす。
【0034】
コンピュータ12は、複合機11に対してプリントを指示したり、会議で共有される画像をディスプレイに表示したり、あるいは、会議では共有されない画像(以下、ローカル画像という)を表示したりできる。図1に示す例では、コンピュータ12は、ディスプレイにローカル画像Lを表示している。
【0035】
プロジェクタ13は、コンピュータ12で指定されたローカル画像、あるいは直接入力されたローカル画像を図示しないスクリーンや壁面に投影する。プロジェクタ13は、拠点A内のユーザだけで参照する画像を表示するためのものである。
【0036】
一方、プロジェクタ14は、複合機11を介して入力され、拠点A〜Cで共有する画像Sを、スクリーン15に投影する。スクリーン15は、たとえば、ホワイトボートのような白い平面部150と、スキャナ152とを有する。平面部150は、投影された画像Sを映し出すと共に、ユーザによる追記を許容する。ユーザは、ペンを使い、画像Sが投影されている平面部150に、文字や図面を書き込める。書き込まれた文字等は、スキャナ152によって光学的に読み取り可能である。ユーザがスキャン開始ボタン(不図示)を押すと、文字等が書かれた平面部150が端からスキャナ152の下を通過するように移動し、追記した画像が読み込まれる。読み込まれた画像は、共有画像Sと合成される。合成は、合成手段として、複合機11によって、あるいは、コンピュータ12やスクリーン15に組み込まれたアプリケーションによって実行される。
【0037】
なお、スクリーン15は、平面部150が電子ペンによる書き込みを認識できる構成でもよい。この場合、スクリーン15は、電子ペンにより追記された文字や画像を表示する。電子ペンで書いた文字や図形は即座にデータとして読み込めるので、スキャナ152によって光学的に読み込まなくても、追記された画像を共有画像と合成できる。
【0038】
次に、拠点Bの拠点システム20の構成を説明する。本実施形態の例では、拠点システム20は、拠点Aの拠点システム10と同様の構成を有する。すなわち、拠点Aの複合機11、コンピュータ12、プロジェクタ13、14、スクリーン15に対応する構成として、複合機21、コンピュータ22、プロジェクタ23、24、スクリーン25を有する。ただし、拠点Bでは、ローカル画像Lは、拠点Aとは異なる画像が表示されている。
【0039】
拠点Cの拠点システム30は、拠点Aの複合機11、コンピュータ12に対応する構成として、複合機31、コンピュータ32を有する。拠点Cでは、コンピュータ32のディスプレイに、共有画像Sが表示されている。このように、共有画像Sは、プロジェクタだけでなく、コンピュータ32のディスプレイ等の他の構成でも共有できる。
【0040】
次に、上記の会議システム1において、共有画像Sの印刷を指示する複数の形態について説明する。
【0041】
(第1実施形態)
以下では、拠点システム10、20、30の動作の流れを示す。基本的には、拠点システム10、20、30の動作は共通しているので、これらを代表して拠点システム10の動作として説明する。
【0042】
図2は、拠点システムの動作の流れを示す図である。
【0043】
拠点システム10は、上述のように、複数の構成11〜15を含む。拠点システム10の動作を総括的に管理するのは、複合機11である。
【0044】
最初に、拠点システム10は、複合機11を通じて、他の拠点B、Cの拠点システム20、30との接続を確立する(ステップS101)。接続の確立には、たとえば、複合機11から複合機21、31のIPアドレスを指定してインターネットを介して接続する方法や、複合機21、31への発呼により電話回線を接続する方法等がある。
【0045】
拠点システム10は、ユーザによって各拠点A〜Cで共有する共有画像Sの指定や入力を受け付ける(ステップS102)。ここでは、たとえば、コンピュータ12に記憶されている発表用のスライドファイルの1ページ分の画像や、複合機11によりスキャンされた画像等を指定できる。
【0046】
共有画像Sが指定された場合(ステップS103:YES)、複合機11は、配信手段として、指定された共有画像Sを他の拠点B、Cに配信する(ステップS104)。そして、拠点システム10は、共有画像Sを送信した拠点として、共有画像送信側処理を実行する(ステップS105)。共有画像送信側処理の詳細については、図3を参照して後述する。
【0047】
ステップS103に戻って、共有画像Sが指定されなかった場合(ステップS103:NO)、複合機11は、他拠点B、Cから共有画像を受信したか判断する(ステップS106)。共有画像を受信した場合(ステップS106:YES)、共有画像Sを受信した拠点として、共有画像受信側処理を実行する(ステップS107)。共有画像受信側処理の詳細については、図7を参照して後述する。
【0048】
ステップS106に戻って、共有画像を受信しない場合(ステップS106:NO)、ステップS108の処理に進む。複合機11は、会議終了したか、すなわち、他の拠点の複合機21、31との接続が切断されたかを判断する(ステップS108)。会議が終了していない場合(ステップS108:NO)、ステップS102の処理に戻る。会議が終了した場合(ステップS108:YES)、拠点システム10の会議システム1としての動作を終了する。
【0049】
共有画像送信側処理について説明する。
【0050】
図3は共有画像送信側処理の流れを示すフローチャート、図4は表示用の画像データの生成を説明する図、図5は共有画像編集処理の流れを示すフローチャート、図6は印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【0051】
図2で、共有画像送信側となった拠点システム10は、まず、他拠点B、Cと共有する共有画像Sを表示する(ステップS201)。ここで、共有画像Sは、プロジェクタ14によりスクリーン15に表示されるか、あるいは、コンピュータ12のディスプレイに表示される。どこに表示手段として表示させるかは、ユーザによって適宜選択できる。なお、共有画像Sの元データは、高画質の印刷もできるように、情報量が多いデータである。しかし、プロジェクタ14等で表示させる画像は、それほどの高画質が求められないこともある。この場合、図4に示すように、元の画像データを、表示用に変換して、低画質の表示用画像データを生成し、このデータをプロジェクタ14等で表示できる。印刷の際には、表示用に変換された画像データではなく、元の高画質の画像データが使用される。
【0052】
続けて、拠点システム10は、共有画像Sの切換え操作がなされたか判断する(ステップS202)。共有画像Sの切換え操作とは、たとえば、共有画像Sが複数ページを有するスライド資料の1ページだった場合、ページを進めたり戻したりする操作である。コンピュータ12や複合機11において、スライド資料のページを変更することよって、ページが切り換えられる。
【0053】
ページが切換えられない場合(ステップS202:NO)、ステップS205の処理に進む。
【0054】
ページが切換えられた場合(ステップS202:YES)、複合機11は、プロジェクタ14等により表示されている共有画像Sの代わりに、切り換えられた後の別の画像を新たな共有画像Sとして表示する(ステップS203)。ここでも、図5に示すように、オリジナルの画像データが表示用に変換されて、画像Sが表示される。続けて、複合機11は、切り換えられた後の別の共有画像Sを他の拠点B、Cの複合機21、31に送信する(ステップS204)。ステップS205の処理に進む。
【0055】
拠点システム10は、共有画像Sの編集が指示されたか判断する(ステップS205)。ここで、編集の指示は、たとえば、ユーザにより複合機11、コンピュータ12あるいはスクリーン15に設けられたボタンを押下することによりなされる。たとえば、ユーザがスクリーン15にペンを使って手書きで書き込んだ文字等を、一つのデータとして共有画像Sに合成する際に、編集が指示される。
【0056】
共有画像Sの編集が指示されていない場合(ステップS205:NO)、ステップS207の処理に進む。共有画像Sの編集が指示された場合(ステップS205:YES)、共有画像Sを編集するための処理(共有画像編集処理)を実行する(ステップS206)。ここで、共有画像編集処理のために、一旦、図5を参照する。
【0057】
共有画像編集処理では、まず、拠点システム10は、共有画像Sへの編集内容を読み込む(ステップS301)。編集内容とは、たとえば、共有画像Sが表示されているスクリーン15上にユーザによってペン等によって追記された内容である。追記された内容は、スキャナ152によってデータとして読み込まれる。
【0058】
そして、拠点システム10の複合機11またはコンピュータ12は、編集手段として、追記された内容を、現在表示されている共有画像Sのオリジナルの画像データと合成し、記憶する(ステップS302)。つまり、オリジナルの画像データを更新する。拠点システム10は、プロジェクタ14等により、合成されてできた(編集された)共有画像Sを、表示用データに変換し表示する(ステップS303)。
【0059】
続けて、拠点システム10は、複合機11を送信手段として、他の拠点B、Cの複合機21、31に、編集後の共有画像Sの画像を送信する(ステップS304)。そして、図3の処理に戻る。
【0060】
他の拠点B、Cから、編集後の共有画像Sを受信したか判断する(ステップS207)。他の拠点B、Cでも、ステップS206のような共有画像Sの編集処理が実行されうるので、編集後の共有画像Sが送信されてきたかを判断している。
【0061】
編集後の共有画像Sを受信しない場合(ステップS207:NO)、ステップS209の処理に進む。編集後の共有画像Sを受信した場合(ステップS207:YES)、表示中の共有画像Sに代えて、受信した編集後の共有画像Sを表示用に変換し、表示する(ステップS208)。
【0062】
複合機11は、ユーザによって印刷指示があったか判断する(ステップS209)。印刷指示がない場合(ステップS209:NO)、ステップS211に進む。印刷指示があると(ステップS209:YES)、複合機11は、印刷手段として印刷処理(1)を実行する(ステップS210)。印刷処理(1)の説明のために、一旦、図6を参照する。
【0063】
複合機11は、入力された印刷の指示が、他拠点B、Cとの同時印刷を指定するものか判断する(ステップS401)。同時印刷の指定は、たとえば、複合機11の操作パネルや、コンピュータ12のプリンタドライバによる印刷設定画面から設定できる。
【0064】
他拠点B、Cとの同時印刷の指示の場合(ステップS401:YES)、複合機11またはコンピュータ12は、指示手段として、他拠点B、Cの複合機21、31に印刷指示を送信する(ステップS402)。他拠点との同時印刷ではない場合(ステップS401:NO)、ステップS403の処理に進む。
【0065】
複合機11は、表示中の共有画像Sを印刷する(ステップS403)。ここでは、表示用の画像データは使わず、オリジナルの共有画像Sの画像データを使う。図3の処理に戻る。
【0066】
拠点システム10は、共有画像Sの共有が終了されたか判断する(ステップS211)。共有画像Sの共有の終了は、ユーザが複合機11またはコンピュータ12に共有の解除を指示して達成できる。
【0067】
共有が終了されない場合(ステップS211:NO)、ステップS202からの処理を繰り返す。共有が終了される場合(ステップS211:YES)、図2の処理に戻る。
【0068】
次に、共有画像受信側処理について説明する。
【0069】
図7は共有画像受信側処理の流れを示すフローチャート、図8は印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【0070】
拠点システム10が、共有画像Sを受信して、共有画像の受信側となった場合の処理である。
【0071】
拠点システム10は、共有画像Sを表示する(ステップS501)。ここでの共有画像Sの表示は、図3のステップS201の処理と同様である。
【0072】
拠点システム10は、別の共有画像Sを受信したか判断する(ステップS502)。別の共有画像Sとは、図3のステップS202のように、送信側の拠点システムから送られてきた別のページの共有画像である。別の共有画像を受信しない場合(ステップS502:NO)、ステップS504の処理に進む。別の共有画像を受信した場合(ステップS502:YES)、拠点システム10は、表示中の共有画像Sに代えて、受信した共有画像Sを表示する(ステップS503)。
【0073】
ステップS504〜S507の処理は、図3のステップS205〜S208の処理と同様なので、説明は省略する。受信側の拠点システム10でも、一部送信側の拠点システムと同様の処理が実行される。ステップS508の説明に進む。
【0074】
複合機11は、印刷指示が入力されたか、あるいは、印刷指示を他の拠点B、Cの複合機21、31から受信したかを判断する(ステップS508)。印刷指示が入力されず受信もしない場合(ステップS508:NO)、ステップS510の処理に進む。印刷指示が入力または受信された場合(ステップS508:YES)、印刷処理(2)を実行する(ステップS509)。印刷処理(2)の説明のために、一旦、図9を参照する。
【0075】
印刷処理(2)では、表示中の共有画像Sを印刷する(ステップS601)。印刷には、オリジナルのデータ量が多い画像データが使用される。図7の処理に戻る。
【0076】
拠点システム10は、共有画像Sの共有が終了したか判断し(ステップS510)、共有が終了した場合、図2の処理に戻り、共有が終了するまでは、ステップS502からの処理を繰り返す。
【0077】
次に、各拠点システム10〜30において、会議システム1では共有されないが、各拠点で独自の画像(以下、ローカル画像という)を表示する際の処理を説明する。ローカル画像Lは、会議と並行に表示されうる。しかし、一つの拠点内でのみ表示されるので、会議とは関係なく、表示や表示の中止が選択される。
【0078】
図9はローカル画像を処理する流れを示すフローチャートである。
【0079】
拠点システム10は、ローカル画像Lの選択を受け付け(ステップS701)、ローカル画像Lが選択されたか判断する(ステップS702)。ローカル画像Lは、ユーザがコンピュータ12に記憶されている文書や画像を選択したり、複合機11に文書や画像を入力したりすることによって受け付けられる。
【0080】
ローカル画像Lが選択されない場合(ステップS701:NO)、ステップS709の処理に進む。ローカル画像Lが選択された場合(ステップS701:YES)、選択されたローカル画像Lが表示される(ステップS703)。ローカル画像Lは、たとえば、コンピュータ12のディスプレイやプロジェクタ13に表示される。コンピュータ12のディスプレイにすでに共有画像Sが表示されている場合、画面上に並列して表示したり、別ウィンドウとして表示したりできる。ローカル画像Lについても、図5に示す場合と同様に、オリジナルの画像が表示用に変換された上でプロジェクタ13等により表示される。
【0081】
続けて、拠点システム10は、ローカル画像Lの切換え操作がなされたか判断する(ステップS704)。ローカル画像Lの切換え操作とは、たとえば、ローカル画像Lが複数ページを有するスライド資料の1ページだった場合、ページを進めたり戻したりする操作である。コンピュータ12や複合機11において、スライド資料のページを変更することよって、ページが切り換えられる。
【0082】
ページの切換えがない場合(ステップS704:NO)、ステップS706の処理に進む。
【0083】
ページが切換えられた場合(ステップS704:YES)、複合機11は、プロジェクタ13等により表示されているローカル画像Lの代わりに、切り換えられた後の別の画像を新たなローカル画像Lとして表示する(ステップS705)。
【0084】
複合機11は、ローカル画像Lについて、印刷が指示されたか判断する(ステップS706)。印刷の指示は、ユーザが複合機11の操作パネルを操作して入力するか、コンピュータ12のプリンタドライバの設定画面により入力できる。
【0085】
印刷が指示されない場合(ステップS706:NO)、ステップS708の処理に進む。印刷が指示された場合(ステップS706:YES)、複合機11は、ローカル画像Lを印刷する(ステップS707)。
【0086】
複合機11は、ユーザによってローカル画像Lの表示の終了が指示されたか判断する(ステップS708)。ローカル画像Lの表示の終了は、たとえば、コンピュータ12の操作画面や複合機11の操作パネルにおいて入力できる。
【0087】
ローカル画像Lの表示が終了されない場合(ステップS708:NO)、ステップS704の処理に戻る。ローカル画像Lの表示が終了された場合(ステップS:YES)、ステップS709の処理に進む。
【0088】
複合機11は、拠点システム10が終了されるか判断する(ステップS709)。拠点システム10の終了がユーザに指定された場合(ステップS709:YES)、ローカル画像表示処理を終了する。拠点システム10が終了されない場合(ステップS709:NO)、ステップS701からの処理を繰り返す。
【0089】
図9に示すように、拠点システム10は、会議システム1として共有画像Sを共有することと並行して、拠点Aの全部または一部だけで共有するローカル画像も表示できる。拠点Aのユーザは、共有画像Sとローカル画像Lの両方を参照できる。
【0090】
図10は、会議システムの各拠点の動作タイミングの例を示す図である。
【0091】
まず、各拠点で共有する画像Sの画像データが、各拠点に配信される。図10に示す例では、拠点Aの複合機11から、拠点B、Cの複合機21、31に共有用画像データを送信する。共有用画像は、図10に示す例では「ABC」と記載された画像である。
【0092】
共有された画像「ABC」は、拠点A〜Cのいずれの拠点でも編集可能である。図10では、拠点Bのユーザが編集する。たとえば、「efg」という文字がスクリーン25に追記され、元の共有されていた画像Sに合成される。
【0093】
拠点Bで編集されてできた「ABC efg」という画像は、複合機21を介して、拠点A、Cの複合機11、31に送信される。これにより、各拠点A〜Cで共有された画像「ABC」が、拠点Bで編集された後の「ABC efg」に更新される。
【0094】
拠点Aにおいて、複合機11あるいはコンピュータ12から、印刷を指示する。ここで、印刷は、拠点Aだけでの印刷か、拠点B、Cも含めた印刷かを選択できる。同時印刷を選択すると、複合機11を介して、拠点B、Cの複合機21、31に印刷指示が送信される。そして、各拠点A〜Cの複合機11、21、31において共有画像が印刷される。印刷物は、図10の下側に印刷物例として示すように、拠点Bで編集された後の画像を用紙上に形成したものである。
【0095】
このように、第1実施形態の会議システム1では、ある拠点Aから、他の拠点B、Cに対して、共有している画像の印刷を指示できる。したがって、拠点B、Cでは、別個に印刷を指示する必要がなく、一つの拠点の印刷指示だけで他拠点でも印刷でき、印刷操作が簡単である。各拠点で別個に印刷を指示する必要がないので、各拠点での印刷操作によって会議の進行を妨げることがない。
【0096】
また、拠点Aにおいて印刷を指示するのに連動して、他の拠点にも印刷指示を送信している。したがって、拠点内での印刷と同時に、拠点外での印刷も指示できるので、他拠点との印刷物の共有をより容易にできる。ただし、本発明は、これに限定されない。拠点Aでは印刷せずに、他の拠点B、Cにのみ印刷を指示してもよい。拠点Aは、共有画像Sの配信元であり、いつでも印刷できるので、他拠点との同時の印刷を臨まない場合もあるからである。
【0097】
なお、上記実施形態では、拠点Aから印刷を指示しているが、他の拠点B、Cから印刷を指示してもよい。あるいは、共有画像Sを配布した拠点だけが、他の拠点に印刷を指示する権限を有してもよい。
【0098】
また、拠点Aから、会議システム1に参加する全ての拠点B、Cに印刷を指示しているが、少なくとも一つの拠点にだけ印刷を指示してもよい。
【0099】
共有された画像の編集の際に、スクリーン15、25に書き込まれた内容をスキャン等して、共有画像に合成することを説明したが、これに限定されない。コンピュータ12、22、32のディスプレイに共有画像を表示しつつ、当該画像をアプリケーションによって編集してもよい。この場合、追記だけでなく、共有画像中の文字や図形を削除し、また新しい文字等に置き換えることができる。
【0100】
(第2実施形態)
次に、会議システム1において、共有画像Sの印刷を指示する第2実施形態について説明する。
【0101】
第2実施形態では、他拠点に印刷を指示する際に、任意の付加情報も送信する。
【0102】
第2実施形態では、第1実施形態の図6に示す印刷処理(1)および図8に示す印刷処理(2)に対応する処理が異なる。したがって、以下では、第1実施形態の印刷処理(1)に置き換わる印刷処理(1)−2および、印刷処理(2)に置き換わる印刷処理(2)−2について説明する。第2実施形態の処理においても、基本的には、拠点システム10、20、30の動作は共通しているので、これらを代表して拠点システム10の動作として説明する。
【0103】
図11は第2実施形態における共有画像送信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。なお、図6に示す印刷処理と同様の処理については、同じ参照番号を付して、その説明を省略する場合がある。
【0104】
共有画像送信側処理において印刷が指示されると(図3のステップS209:YES)、拠点システム10は、他拠点同時印刷か判断する(ステップS401)。
【0105】
他拠点同時印刷の場合(ステップS401:YES)、拠点システム10は、付加情報があるか判断する(ステップS411)。ここでは、たとえば、複合機11の操作パネルにおいて、あるいは、コンピュータ12のプリンタドライバの設定画面において、付加情報が有るかどうかについてユーザに入力を促す。付加情報とは、共有画像Sが保存されている保存先のアドレス情報や、共有画像Sに対する補足説明のためのテキスト情報や、補足の画像情報などいかなる情報でもよい。
【0106】
付加情報有りとユーザに入力された場合(ステップS411:YES)、ユーザによる付加情報の入力を受け付ける(ステップS412)。付加情報の入力は、複合機11の操作パネルによって任意の情報を選択したり、コンピュータ12のプリンタドライバの設定画面においてキーボードやマウス等の入力デバイスによって入力したりできる。
【0107】
続けて、拠点システム10は、複合機11により、他拠点B、Cに印刷を指示すると共に、付加情報も送信する(ステップS413)。
【0108】
複合機11は、共有画像S(オリジナル高画質)に、送信した付加情報で表される画像を合成して、印刷用画像を作成し(ステップS414)、作成した合成画像を印刷する(ステップS415)。
【0109】
付加情報有りとユーザに入力されない場合(ステップS411:NO)、拠点システム10は、複合機11により他拠点に印刷指示だけを送信し(ステップS402)、表示中の共有画像Sを印刷する(ステップS403)。
【0110】
以上のように、拠点システム10が共有画像Sの送信側のシステムの場合、印刷指示と共に付加情報を送信する。次に、拠点システム10が共有画像Sの受信側のシステムである場合の処理を説明する。
【0111】
図12は第2実施形態における共有画像受信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【0112】
印刷指示を受信すると(図7のステップS508:YES)、拠点システム10は、複合機11において印刷指示と共に付加情報を受信したか判断する(ステップS611)。付加情報が有る場合(ステップS611:YES)、複合機11は、共有画像Sに付加情報で表される画像を合成して、印刷用画像を作成し(ステップS612)、作成した合成画像を印刷する(ステップS613)。
【0113】
図13は、第2実施形態における会議システムの各拠点の動作タイミングの例を示す図である。
【0114】
拠点Aから共有画像Sの画像データが拠点B、Cに配信され、拠点Bで画像編集され、拠点A、Cに送信されるまでは、図10と同様である。
【0115】
その後、拠点Aにおいて付加情報が入力されてから、同時印刷処理がなされる。ここでは、付加情報として、保存先アドレスが入力される。すると、拠点Aから拠点B、Cに、印刷指示に加えて、付加情報も送信される。各拠点A〜Cでは、共有画像Sと付加情報に基づく画像が印刷される。
【0116】
以上のように、第2実施形態の会議システム1では、共有画像Sだけでなく、付加情報として様々な情報も一緒に印刷できる。付加情報として、保存先のアドレスだけでなく、他の情報も印刷できる。たとえば、拠点Aで、ユーザが、会議の議事録を作成している場合、議事録を付加情報として送信することによって、共有画像Sと議事録を一緒に印刷できる。その他、画像や図形等様々な情報を付加情報として加えられる。
【0117】
(第3実施形態)
次に、共有画像Sの印刷を指示する第3実施形態について説明する。
【0118】
第3実施形態では、共有画像Sの印刷の際に、ローカル画像Lも一緒に印刷する。
【0119】
第3実施形態では、第1実施形態の図6に示す印刷処理(1)および図8に示す印刷処理(2)に対応する処理が異なる。したがって、以下では、第1実施形態の印刷処理(1)に置き換わる印刷処理(1)−3および、印刷処理(2)に置き換わる印刷処理(2)−3について説明する。第3実施形態の処理においても、基本的には、拠点システム10、20、30の動作は共通しているので、これらを代表して拠点システム10の動作として説明する。
【0120】
図14は第3実施形態における共有画像送信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。なお、図6に示す印刷処理と同様の処理については、同じ参照番号を付して、その説明を省略する場合がある。
【0121】
共有画像送信側処理において印刷が指示されると(図3のステップS209:YES)、拠点システム10は、他拠点同時印刷か判断し(ステップS401)、他拠点同時印刷の場合(ステップS401:YES)、他拠点B、Cに印刷指示を送信する(ステップS402)。
【0122】
さらに、拠点システム10は、複合機11によって、ローカル画像Lの同時印刷かを判断する(ステップS421)。ローカル画像Lの同時印刷の場合(ステップS421:YES)、複合機11は、拠点Aでプロジェクタ13等により表示されているローカル画像Lと、共有画像Sとを合成した印刷用画像を作成する(ステップS422)。複合機11は、合成された画像を印刷する(ステップS423)。たとえば、図13に示す、印刷物例の付加情報の部分が、ローカル画像Lに置き換わったような印刷物が形成される。
【0123】
次に、拠点システム10が共有画像Sの受信側のシステムである場合の処理を説明する。
【0124】
図15は第3実施形態における共有画像受信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【0125】
印刷指示を受信すると(図7のステップS508:YES)、拠点システム10は、複合機11によって、ローカル画像Lの同時印刷かを判断する(ステップS621)。ローカル画像Lの同時印刷の場合(ステップS621:YES)、複合機11は、拠点Aでプロジェクタ13等により表示されているローカル画像Lを、共有画像Sと合成した印刷用画像を作成する(ステップS622)。複合機11は、合成された画像を印刷する(ステップS623)。
【0126】
以上のように、第3実施形態の会議システム1では、共有画像送信側であっても受信側であっても、共有画像Sを印刷する際には、ローカル画像Lも一緒に印刷するかを判断して、必要に応じて印刷できる。したがって、他の拠点とは共有しない情報についても、共有画像Sと関連付けて印刷できる。
【0127】
(第4実施形態)
次に、共有画像Sの印刷を指示する第4実施形態について説明する。
【0128】
第4実施形態では、特定の拠点について、共有画像Sの印刷禁止を設定できる。
【0129】
第4実施形態では、第1実施形態の図6に示す印刷処理(1)および図8に示す印刷処理(2)に対応する処理が異なる。したがって、以下では、第1実施形態の印刷処理(1)に置き換わる印刷処理(1)−4および、印刷処理(2)に置き換わる印刷処理(2)−4について説明する。第4実施形態の処理においても、基本的には、拠点システム10、20、30の動作は共通しているので、これらを代表して拠点システム10の動作として説明する。
【0130】
図16は、第4実施形態における共有画像送信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。なお、図6および図11に示す印刷処理と同様の処理については、同じ参照番号を付して、その説明を省略する場合がある。
【0131】
共有画像送信側処理において印刷が指示されると(図3のステップS209:YES)、拠点システム10は、他拠点同時印刷か判断する。(ステップS401)。他拠点同時印刷の場合(ステップS401:YES)、印刷を禁止する拠点の指定があるか判断する(ステップS431)。この判断は、たとえば、複合機11により、印刷を禁止する拠点が有る場合には、その拠点を操作パネルに入力するように促し、入力があるかどうかを判断する。印刷を禁止する拠点がない場合(ステップS431:NO)は、そのままステップS411の処理に進む。
【0132】
印刷を禁止する拠点がある場合(ステップS431:YES)、禁止する拠点の複合機21(31)に印刷禁止指示を送信する(ステップS432)。ステップS411の処理に進む。ステップS411以降の処理は、図6および図11に示す処理と同様であるので、説明は省略する。
【0133】
次に、拠点システム10が共有画像Sの受信側のシステムである場合の処理を説明する。
【0134】
図17は第4実施形態における共有画像受信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。なお、図12に示す印刷処理と同様の処理については、同じ参照番号を付して、その説明を省略する場合がある。
【0135】
印刷指示が入力または受信されると(図7のステップS508:YES)、複合機11は、印刷禁止指示を受信したか判断する(ステップS631)。印刷禁止指示を受信していない場合(ステップS631:NO)、ステップS611の処理に進む。ステップS611以下の処理は、図12の印刷処理と同様なので説明を省略する。
【0136】
印刷禁止指示を受信している場合(ステップS631:YES)、複合機11は、印刷指示と共に付加情報が送信されているか判断する(ステップS632)。付加情報が送信されている場合(ステップS632:YES)、共有画像Sは印刷せずに、付加情報のみを印刷する(ステップS633)。付加情報がない場合(ステップS632:NO)、何も印刷せずに、図7の処理に戻る。
【0137】
図18は、第4実施形態における会議システムの各拠点の動作タイミングの例を示す図である。
【0138】
拠点Aから共有画像Sの画像データが拠点B、Cに配信され、拠点Bで画像編集され、拠点A、Cに送信されるまでは、図10と同様である。
【0139】
その後、拠点Aにおいて同時印刷が指示される。すると、拠点Aの複合機11は、共有画像の印刷を禁止する拠点の入力を受け付ける。拠点Bが印刷禁止拠点として選択されると、印刷禁止指示が拠点Bに送信される。拠点Bは、印刷禁止指示を受信することで、印刷禁止が設定されることになる。さらに、拠点Aの複合機11は、付加情報の入力を受け付け、印刷指示に加え付加情報を拠点B、Cに送信する。
【0140】
拠点Bでは、印刷禁止指示を先に受信しているので、共有画像Sについては印刷せずに、付加情報だけ印刷する。拠点Aおよび拠点Cでは、共有画像Sと付加情報の両方を一緒に印刷する。
【0141】
以上のように、第4実施形態の会議システム1では、特定の拠点について、共有画像Sの印刷を禁止できる。印刷禁止指示を受信している拠点の複合機は、他の拠点からの印刷指示に関わらず、共有画像Sを印刷しない。したがって、会議では、各拠点A〜Cで共有して参照したいものの、印刷物としては一部の拠点では残したくない場合でも、そのように対応できる。
【0142】
(第5実施形態)
次に、共有画像Sの印刷を指示する第5実施形態について説明する。
【0143】
第5実施形態では、共有画像Sの印刷を指示した各拠点A〜Cにおける印刷状況を確認できる。
【0144】
第5実施形態では、第1実施形態の図6に示す印刷処理(1)および図8に示す印刷処理(2)に対応する処理が異なる。したがって、以下では、第1実施形態の印刷処理(1)に置き換わる印刷処理(1)−5および、印刷処理(2)に置き換わる印刷処理(2)−5について説明する。第5実施形態の処理においても、基本的には、拠点システム10、20、30の動作は共通しているので、これらを代表して拠点システム10の動作として説明する。
【0145】
図19は、第5実施形態における共有画像送信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。なお、図6に示す印刷処理と同様の処理については、同じ参照番号を付して、その説明を省略する場合がある。
【0146】
共有画像送信側処理において印刷が指示されると(図3のステップS209:YES)、拠点システム10は、他拠点同時印刷か判断し(ステップS401)、他拠点同時印刷の場合(ステップS401:YES)、他拠点B、Cに印刷指示を送信する(ステップS402)。複合機11は、共有画像Sを印刷する(ステップS403)。
【0147】
続けて、複合機11は、各拠点B、Cからの印刷状況を受信する(ステップS442)。印刷状況とは、たとえば、印刷良好(OK)、用紙切れ(Empty)、紙詰まり(Jam)、故障(Broken)等であり、後述するように、印刷指示を受信した複合機21、31から送信される。
【0148】
複合機11は、受信した印刷状況にエラーがあるか確認する(ステップS442)。エラーがない場合(ステップS442:NO)、すべての拠点で印刷が良好なので、そのまま図3の処理に戻る。
【0149】
受信した印刷状況にエラーがある場合(ステップS442:YES)、拠点システム10は、複合機11によりユーザにエラーを通知するための画像を作成し(ステップS443)、当該画像をプロジェクタ14等により表示する(ステップS444)。
【0150】
次に、拠点システム10が共有画像Sの受信側のシステムである場合の処理を説明する。
【0151】
図20は第5実施形態における共有画像受信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【0152】
印刷指示が入力または受信されると(図7のステップS508:YES)、複合機11は、印刷可能かどうかを判断する(ステップS641)。印刷可能かどうかは、たとえば、印刷のための用紙が給紙トレイにあるか、印刷のための構成が正常に機能しているか等を、複合機11が自分自身で調べて判断する。
【0153】
印刷可能である場合(ステップS641:YES)、複合機11は、通常通り、共有画像Sを印刷する(ステップS601)。一方、印刷不可能である場合(ステップS641:NO)、複合機11は、印刷不可能である理由を印刷状況として送信する(ステップS642)。ここで、印刷状況の送信先は、印刷指示を送信した複合機である。たとえば、拠点Bの複合機21から印刷指示を受信した場合は、複合機21に印刷状況を送信する。印刷状況は、複合機11が判断できる範囲で詳細に報告される。
【0154】
図21は、第5実施形態における会議システムの各拠点の動作タイミングの例を示す図である。
【0155】
拠点Aから共有画像Sの画像データが拠点B、Cに配信され、拠点Bで画像編集され、拠点A、Cに送信されるまでは、図10と同様である。
【0156】
拠点Aにおいて、他の拠点B、Cとの同時印刷が指示されると、各拠点A〜Cで印刷が実行される。図21に示す例では、拠点Bおよび拠点Cで印刷が失敗している。すると、拠点B、Cの複合機21、31は、それぞれ、印刷が失敗した理由を印刷状況として返信する。たとえば、拠点Bからは用紙詰まり(Jam)、拠点Cからは用紙切れ(Empty)といった印刷状況が送信される。
【0157】
拠点Aの複合機11は、印刷状況を集計して、図中、表示例として示すように、各拠点の印刷状況を表示する。拠点Cでは、エラー原因が解消されると、エラーがなくなった旨が複合機31から送信され、共有画像Sの印刷が実行される。
【0158】
以上のように、実施形態5の会議システム1によれば、各拠点での印刷状況も把握できる。
【0159】
なお、実施形態4のようにある拠点に印刷禁止が設定されている場合、印刷が禁止されていることを印刷状況として、印刷指示した拠点に返信してもよい。
【0160】
また、どこかの拠点で印刷が失敗したときのみ印刷状況を表示しているが、これに限定されない。他の拠点に印刷を指示した際には、正常に印刷が終了してもその旨が返信されるようにして、各拠点で印刷が正常に終了したことを表示してもよい。
【0161】
(第6実施形態)
次に、共有画像Sの印刷を指示する第6実施形態について説明する。
【0162】
第6実施形態では、ある拠点で共有画像Sを編集(更新)している際には、他の拠点で編集や印刷を禁止できる。
【0163】
第6実施形態では、第1実施形態の図3に示す共有画像送信側処理および図7に示す共有画像受信側処理に対応する処理が異なる。したがって、以下では、第1実施形態の処理に代わる共有画像送信側処理−2および共有画像受信側処理−2について説明する。第6実施形態の処理においても、基本的には、拠点システム10、20、30の動作は共通しているので、これらを代表して拠点システム10の動作として説明する。
【0164】
まず、共有画像送信側処理−2について説明する。
【0165】
図22は第6実施形態における共有画像送信側処理の流れを示すフローチャート、図23は共有画像編集処理−2の流れを示すフローチャート、図24は第6実施形態における共有画像送信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。なお、図22、図23および図24について、図3、図5および図6に示すフローチャートと同様の処理については、同じ参照番号を付して、説明を省略する場合がある。
【0166】
図22に示すステップS201〜S204の処理は、図3と同様である。共有画像の編集が指示されると(ステップS205:YES)、拠点システム10は、共有画像編集処理−2を実行する(ステップS221)。ステップS221の処理の詳細を説明するために、ここで、一旦図23を参照する。
【0167】
拠点システム10は、編集禁止フラグがオンかどうか(1かどうか)を判断する(ステップS311)。編集禁止フラグは、他拠点が編集している際に、他拠点からの通知により設定されるフラグである。編集禁止フラグがオンかどうかの確認は、複合機11およびスクリーン15のいずれで行われてもよい。
【0168】
編集禁止フラグがオンの場合(ステップS311:YES)、拠点システム10は、共有画像Sを編集不可の旨を表示する(ステップS312)。表示は、複合機11の操作パネル、プロジェクタ14またはコンピュータ12のディスプレイ上で行われる。
【0169】
一方、編集禁止フラグがオンでない(1ではない)場合(ステップS311:NO)、拠点システム10は、複合機11から他拠点の複合機21、31に編集禁止の通知を送信する(ステップS313)。以降のステップS301〜S304の処理は、図5と同様であるので、説明を省略する。図22の説明に戻る。
【0170】
拠点システム10は、他の拠点の複合機21または31から複合機11に編集禁止通知を受信したか判断する(ステップS222)。編集禁止通知を受信した場合(ステップS222:YES)、複合機11は、編集禁止フラグを1に設定する(ステップS223)。さらに、複合機11は、プロジェクタ14等を制御して、共有画像Sの背景色を変更する(ステップS224)。背景色の変更は、共有画像Sの背景色を完全に変えるだけでなく、一定時間ごとに異なる背景色を挿入して、共有画像Sの背景が点滅しているようにしてもよい。
【0171】
続けて、拠点システム10は、他拠点で編集された新たな共有画像を受信したか判断し(ステップS207)、受信した場合(ステップS:YES)、表示中の共有画像Sを受信した新たな共有画像Sに差し替える(ステップS208)。拠点システム10は、複合機11に記憶されている編集禁止フラグを0に戻し(ステップS225)、さらに、変更していた共有画像Sの背景色も元に戻す(ステップS226)。
【0172】
ユーザから印刷指示があると(ステップS209:YES)、拠点システム10は、印刷処理(1)−6に進む。図24を参照して、印刷処理(1)−6を説明する。
【0173】
拠点システム10は、複合機11により、編集禁止フラグがオンかどうか判断する(ステップS451)。編集禁止フラグがオンの場合(ステップS451:YES)、複合機11は、プロジェクタ14等に印刷不可を表示させ、ユーザに印刷ができないことを伝える(ステップS452)。編集禁止フラグがオフの場合(ステップS451:NO)、図6と同様の処理により印刷を実行する。
【0174】
以上が、共有画像送信側処理−2である。
【0175】
次に、共有画像受信側処理−2の処理について説明する。
【0176】
図25は第6実施形態における共有画像受信側処理の流れを示すフローチャート、図26は第6実施形態における共有画像受信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。なお、図25および図26について、図7および図8に示すフローチャートと同様の処理については、同じ参照番号を付して、説明を省略する場合がある。
【0177】
図25に示すステップS501〜S503の処理は、図7と同様である。共有画像の編集が指示されると(ステップS504:YES)、拠点システム10は、共有画像編集処理−2を実行する(ステップS511)。ステップS511の処理は、上述の図23の処理と同様である。
【0178】
ステップS512〜S514の処理は、図22に示す共有画像送信側処理のステップS222〜S224の処理と同様である。共有画像受信側処理でも、他拠点で共有画像Sが編集されている場合には、同時の編集を禁止するためである。つまり、拠点システム10は、編集禁止通知を受信した場合(ステップS512:YES)、編集禁止フラグを1に設定し(ステップS513)、共有画像Sの背景色を変更する(ステップS514)。
【0179】
ステップS506〜S516の処理も、図22に示す共有画像送信側処理のステップS207〜S226に対応している。共有画像受信側処理でも、他拠点での共有画像Sの編集が終われば、そのことをユーザに知らせる必要があるからである。つまり、拠点システム10は、編集後の共有画像Sを受信すると(ステップS506:YES)、共有画像Sを差し換え(ステップS507)、編集禁止フラグをオフにし(ステップS515)、共有画像Sの背景色を元に戻す(ステップS516)。
【0180】
ユーザから印刷指示があるか、他の拠点B、Cから印刷指示を受信すると(ステップS508:YES)、拠点システム10は、印刷処理(2)−6に進む。図26を参照して、印刷処理(2)−6を説明する。
【0181】
拠点システム10は、複合機11により、編集禁止フラグがオンかどうか判断する(ステップS651)。編集禁止フラグがオンの場合(ステップS651:YES)、複合機11は、プロジェクタ14等に印刷不可を表示させ、ユーザに印刷ができないことを伝える(ステップS652)。編集禁止フラグがオフの場合(ステップS651:NO)、複合機11は、共有画像Sを印刷する。
【0182】
上記の第6実施形態について、会議システム1の各拠点の動作タイミングの例を説明する。
【0183】
図27は、第6実施形態における会議システムの各拠点の動作タイミングの例を示す図である。
【0184】
まず、各拠点で共有する画像Sの画像データが、各拠点に配信される。図27に示す例では、拠点Aの複合機11から、拠点B、Cの複合機21、31に共有用画像データを送信する。共有用画像は、図27に示す例では「ABC」と記載された画像である。
【0185】
共有された画像「ABC」は、拠点A〜Cのいずれの拠点でも編集可能である。図27では、拠点Bのユーザが編集する。たとえば、拠点Bのユーザが、スクリーン25に表示されている共有画像Sに重ねて「efg」という文字を追記する。追記しただけでは、スクリーン上では「efg」という文字が見られるものの、データとしては共有画像Sと合成されていない。追記が終わって、追記した文字のスキャンをユーザがスキャナ252に指示すると、拠点システム20への編集指示として、共有画像Sの編集処理が始まる。この段階で、拠点Bの複合機21は、他の拠点A、Cに編集禁止通知を送信する。編集禁止通知を受信した拠点A、Cでは、共有画像Sの背景色が変更される。
【0186】
拠点Bでは、スキャナ252によって取得した追記画像を共有画像Sと合成して、「ABC efg」という画像が生成され、複合機21を介して、拠点A、Cの複合機11、31に送信される。これにより、各拠点A〜Cで共有された画像「ABC」が、拠点Bで編集された後の「ABC efg」に更新される。編集後の共有画像Sを受信した時点で、拠点A、Cでの共有画像Sの背景色の変更が元に戻され、編集後の共有画像Sに差し替えられる。
【0187】
その後、拠点Aから同時印刷処理の指示があり、各拠点で共有画像Sが印刷される。
【0188】
以上のように、第6実施形態の会議システム1によれば、ある拠点で共有画像Sの編集が行われる際には、他の拠点で共有画像Sや印刷が禁止される。したがって、各拠点での共有画像Sの編集が錯綜ないし混同しない。また、他拠点での編集中には、共有画像Sの背景色が変更されることで、編集不可である旨の警告や、他の拠点で編集中である旨の通にも使用できる。
【0189】
なお、上記実施形態6では、共有画像Sの背景色を変更しつつその編集を禁止している。これに代えて、あるいは追加的に、共有画像Sの一部に編集禁止の文字等を表示してもよい。
【0190】
以上のように、第1実施形態から第6実施形態として、会議システム1において、ある拠点から他の拠点に印刷を指示する例を説明してきた。しかし、これらは例示であり、当業者によって様々な改変ができる。
【0191】
たとえば、上記実施形態では、各拠点のハブとして、複合機を例に説明した。しかし、本発明のハブとして、複合機よりも機能が少ないプリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリ装置などを適用してもよい。
【0192】
また、各拠点に接続される機器も、上記ものに限定されない。共有画像Sやローカル画像Lを表示したり、追記等の編集をしたりするものとして、携帯電話やタブレット端末などの携帯端末が使用されてもよい。
【0193】
また、拠点システム10等は、複数の構成を含むシステムとして説明してきたが、これに限定されない。拠点システムの機能全てが一つの装置に統合されて達成されることもできる。その場合、一つの装置の全体が拠点システムを構成する。たとえば、1台の複合機が拠点システムとして、表示手段、印刷手段、指示手段等を複合的に有する。
【0194】
本発明による会議システム、拠点システムの制御プログラムは、上記各手順を実行するための専用のハードウエア回路によっても、また、上記各手順を記述したプログラムをCPUが実行することによっても実現することができる。後者により本発明を実現する場合、拠点システムを動作させる上記プログラムは、フロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ROMやハードディスク等に転送され記憶される。また、このプログラムは、たとえば、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、拠点システムの一機能としてその装置のソフトウエアに組み込んでもよい。
【符号の説明】
【0195】
10、20、30…拠点システム、
11、21、31…会議用複合機、
12、22、32…コンピュータ、
13、14、23、24…プロジェクタ、
15、25…スクリーン、
150…平面部、
152、252…スキャナ、
A、B、C…拠点、
S…共有画像、
L…ローカル画像。
【技術分野】
【0001】
本発明は、会議システム、拠点システムの制御プログラムおよび拠点システムに用いられる印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
離れた場所にいる複数人が同じ画像を共有して参照しながら会議を進行する会議システムが知られている。たとえば、遠隔の2つの拠点を接続する会議システムでは、一方の拠点から他方の拠点に資料が送信され、両拠点に共有される。共有された資料の画像は、それぞれの拠点のコンピュータの画面や、プロジェクタの投影面に表示される。したがって、それぞれの拠点のユーザは、同じ画像を参照しながら、議論等ができる(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、特許文献1記載の会議システムでは、共有された資料を印刷する場合、各拠点のコンピュータ等を用いて、各拠点にある印刷装置にそれぞれ印刷を指示する必要がある。これでは、各拠点で別々のユーザが別個に印刷を指示することになり、操作が煩雑となってしまう。また、会議中に各拠点で別々に印刷指示するのでは、会議のスムーズな進行を妨げてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−294237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、各拠点で個別に印刷を指示しなくても、ある拠点から他の拠点に印刷を指示できる会議システム、拠点システムの制御プログラムおよび拠点システムに用いられる印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)相互に通信可能に接続され、画像を共有して同時に表示する複数の拠点システムを有する会議システムであって、各前記拠点システムは、前記画像を表示する表示手段と、前記表示手段によって表示されている前記画像を印刷可能な印刷手段と、を有し、複数の前記拠点システムのうちの少なくとも一つの前記拠点システムは、少なくとも一つの他の前記拠点システムの前記印刷手段に前記画像の印刷を指示する指示手段を有する会議システム。
【0007】
(2)前記指示手段を有する前記拠点システムの前記印刷手段に対し、前記画像の印刷が指示された場合に、前記指示手段は、他の前記拠点システムの前記印刷手段にも前記画像の印刷を指示する(1)の会議システム。
【0008】
(3)複数の前記拠点システムのうち少なくとも一の前記拠点システムは、前記拠点システム間で前記画像を共有するために、前記画像の画像データを他の前記拠点システムに配信する配信手段を有する(1)または(2)の会議システム。
【0009】
(4)前記画像を印刷する際に付加するための付加情報の入力を受け付ける受付手段をさらに有し、前記指示手段は、前記画像の印刷を指示する際に、当該指示に付加情報を加えて送信する(1)〜(3)のいずれか1つの会議システム。
【0010】
(5)複数の前記拠点システムのうちの少なくとも一つの前記拠点システムは、前記画像を編集する編集手段と、編集した前記画像の画像データを他の前記拠点システムに送信する送信手段と、をさらに有し、各前記表示手段は、編集後の前記画像を表示し、各前記印刷手段は、編集後の前記画像を印刷可能である(1)〜(4)のいずれか1つに記載の会議システム。
【0011】
(6)前記表示手段は、前記画像を投影する投影手段と、投影された画像を映し出すスクリーンとを含み、前記編集手段は、前記スクリーン上に追記された追記内容を前記画像と合成する合成手段と、を含む(5)の会議システム。
【0012】
(7)前記送信手段は、前記編集手段によって前記画像が編集される際には、当該編集が行われていない他の前記拠点システムに、編集不可通知を送信し、当該他の拠点システムは、前記編集不可通知を受信してから編集した前記画像の画像データを受信するまでは、前記編集手段を有している場合でも、当該編集手段による編集が禁止される(5)または(6)の会議システム。
【0013】
(8)前記拠点システムは、前記画像とは別に、他の前記拠点システムとは共有されないローカル画像を表示するローカル表示手段と、前記画像と前記ローカル画像とを合成するローカル画像合成手段と、をさらに有し、前記印刷手段は、前記ローカル画像合成手段によって合成された合成画像を印刷可能である(1)〜(7)のいずれか1つの会議システム。
【0014】
(9)複数の前記拠点システムのうちの少なくとも一つの前記拠点システムは、任意の前記拠点システムの前記印刷手段に対して、前記画像の印刷禁止を設定する設定手段を有する(1)〜(8)のいずれか1つの会議システム。
【0015】
(10)異なる拠点に配置された複数の拠点システムが画像を共有して同時に表示する会議システムにおいて、前記拠点システムを制御するためのプログラムであって、一の拠点において、前記拠点システムに含まれる表示手段に、各拠点で共有される前記画像を表示させるステップ(1)と、前記一の拠点とは別の少なくとも一つの別の拠点の前記拠点システムに含まれる印刷手段に対して、当該別の拠点でも共有されて同時に表示されている前記画像について、印刷を指示するステップ(2)と、をコンピュータに実行させるプログラム。
【0016】
(11)前記一の拠点の前記拠点システムに含まれる印刷手段に対して、前記表示手段に表示されている前記画像の印刷を指示するステップ(3)をさらにコンピュータに実行させ、前記ステップ(2)は、前記ステップ(3)が実行された際に実行される(10)のプログラム。
【0017】
(12)前記拠点システム間で前記画像を共有するために、前記画像の画像データを、前記一の拠点とは別の拠点の前記拠点システムに配信する配信するステップ(4)をさらに前記コンピュータに実行させる(10)または(11)のプログラム。
【0018】
(13)前記画像を印刷する際に付加するための付加情報の入力を受け付けるステップ(5)をさらにコンピュータに実行させ、前記ステップ(2)では、前記画像の印刷を指示する際に、当該指示に付加情報を加えて送信する(10)〜(12)のいずれか1つのプログラム。
【0019】
(14)前記画像を編集するステップ(6)と、編集した前記画像の画像データを、前記一の拠点とは別の拠点の前記拠点システムに送信するステップ(7)と、をさらにコンピュータに実行させ、ステップ(1)では、編集後の前記画像を表示し、ステップ(2)では、編集後の前記画像について、印刷を指示する(10)〜(13)のいずれか1つのプログラム。
【0020】
(15)前記一の拠点以外の任意の拠点の前記拠点システムに含まれる印刷手段に対して、前記画像の印刷禁止を設定するステップ(8)をさらにコンピュータに実行させる(10)〜(14)のいずれか1つのプログラム。
【0021】
(16)異なる拠点に配置された複数の拠点システムが画像を共有して同時に表示する会議システムにおいて、前記拠点システムに含まれる印刷装置であって、自身とは別の拠点の前記拠点システムに含まれる他の印刷装置に対して、各拠点で共有され同時に表示されている画像について、印刷を指示する指示手段を有する印刷装置。
【0022】
(17)各拠点で共有され同時に表示されている前記画像について、自身が印刷する際に、前記他の印刷装置に対して印刷を指示する(16)の印刷装置。
【0023】
(18)前記拠点システム間で前記画像を共有するために、前記画像の画像データを、前記別の拠点の前記拠点システムに配信する配信する配信手段を有する(16)または(17)の印刷装置。
【0024】
(19)前記画像を印刷する際に付加するための付加情報の入力を受け付ける受付手段をさらに有し、前記指示手段は、前記画像の印刷を指示する際に、当該指示に付加情報を加えて送信する(16)〜(18)のいずれか1つの印刷装置。
【0025】
(20)自身とは別の任意の拠点の前記拠点システムに含まれる他の印刷装置に対して、前記画像の印刷禁止を設定する設定手段をさらに有する(16)〜(19)のいずれか1つの印刷装置。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、指示手段を有する拠点システムから、他の拠点システムの印刷手段に印刷を指示できるので、他の拠点システムで別個に印刷を指示せずに画像を印刷できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】会議システムの概略構成の一例を示す図である。
【図2】拠点システムの動作の流れを示す図である。
【図3】共有画像送信側処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】表示用の画像データの生成を説明する図である。
【図5】共有画像編集処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】共有画像受信側処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】ローカル画像を処理する流れを示すフローチャートである。
【図10】会議システムの各拠点の動作タイミングの例を示す図である。
【図11】第2実施形態における共有画像送信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】第2実施形態における共有画像受信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】第2実施形態における会議システムの各拠点の動作タイミングの例を示す図である。
【図14】第3実施形態における共有画像送信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】第3実施形態における共有画像受信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】第4実施形態における共有画像送信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】第4実施形態における共有画像受信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】第4実施形態における会議システムの各拠点の動作タイミングの例を示す図である。
【図19】第5実施形態における共有画像送信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】第5実施形態における共有画像受信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】第5実施形態における会議システムの各拠点の動作タイミングの例を示す図である。
【図22】第6実施形態における共有画像送信側処理の流れを示すフローチャートである。
【図23】共有画像編集処理−2の流れを示すフローチャートである。
【図24】第6実施形態における共有画像送信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図25】第6実施形態における共有画像受信側処理の流れを示すフローチャートである。
【図26】第6実施形態における共有画像受信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【図27】第6実施形態における会議システムの各拠点の動作タイミングの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0029】
図1は、会議システムの概略構成の一例を示す図である。
【0030】
図1に示す一例では、会議システム1は、離れた複数の拠点A〜Cを相互に通信可能に接続し、各拠点で同一の画像を共有して同時に表示する。
【0031】
各拠点A〜Cは、会議システム1を構成する拠点システム10、20、30を有する。拠点システム10〜30は、ネットワークを介して相互に接続されている。ネットワークは、たとえば、インターネット、ワイドエリアネットワーク(WAN)、公衆交換電話網(PSTN)あるいはローカルエリアネットワーク(LAN)等である。
【0032】
まず、拠点Aに注目して、拠点Aの拠点システム10の構成を説明する。拠点システム10は、会議用複合機11、コンピュータ12、プロジェクタ13、14、スクリーン15を有する。
【0033】
会議用複合機11(MFP:Multi Function Peripheral)は、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリ等の機能を複合的に備えた画像形成装置である。複合機11は、印刷手段として、拠点Aで表示されている画像を印刷できる。複合機11は、拠点システム10の各構成12〜15に接続され、各構成12〜15と通信すると共に、各構成12〜15同士の通信を可能とするハブの役割も果たす。さらに、複合機11は、拠点システム10を他の拠点B、Cと通信可能とするインタフェースの役割も果たす。
【0034】
コンピュータ12は、複合機11に対してプリントを指示したり、会議で共有される画像をディスプレイに表示したり、あるいは、会議では共有されない画像(以下、ローカル画像という)を表示したりできる。図1に示す例では、コンピュータ12は、ディスプレイにローカル画像Lを表示している。
【0035】
プロジェクタ13は、コンピュータ12で指定されたローカル画像、あるいは直接入力されたローカル画像を図示しないスクリーンや壁面に投影する。プロジェクタ13は、拠点A内のユーザだけで参照する画像を表示するためのものである。
【0036】
一方、プロジェクタ14は、複合機11を介して入力され、拠点A〜Cで共有する画像Sを、スクリーン15に投影する。スクリーン15は、たとえば、ホワイトボートのような白い平面部150と、スキャナ152とを有する。平面部150は、投影された画像Sを映し出すと共に、ユーザによる追記を許容する。ユーザは、ペンを使い、画像Sが投影されている平面部150に、文字や図面を書き込める。書き込まれた文字等は、スキャナ152によって光学的に読み取り可能である。ユーザがスキャン開始ボタン(不図示)を押すと、文字等が書かれた平面部150が端からスキャナ152の下を通過するように移動し、追記した画像が読み込まれる。読み込まれた画像は、共有画像Sと合成される。合成は、合成手段として、複合機11によって、あるいは、コンピュータ12やスクリーン15に組み込まれたアプリケーションによって実行される。
【0037】
なお、スクリーン15は、平面部150が電子ペンによる書き込みを認識できる構成でもよい。この場合、スクリーン15は、電子ペンにより追記された文字や画像を表示する。電子ペンで書いた文字や図形は即座にデータとして読み込めるので、スキャナ152によって光学的に読み込まなくても、追記された画像を共有画像と合成できる。
【0038】
次に、拠点Bの拠点システム20の構成を説明する。本実施形態の例では、拠点システム20は、拠点Aの拠点システム10と同様の構成を有する。すなわち、拠点Aの複合機11、コンピュータ12、プロジェクタ13、14、スクリーン15に対応する構成として、複合機21、コンピュータ22、プロジェクタ23、24、スクリーン25を有する。ただし、拠点Bでは、ローカル画像Lは、拠点Aとは異なる画像が表示されている。
【0039】
拠点Cの拠点システム30は、拠点Aの複合機11、コンピュータ12に対応する構成として、複合機31、コンピュータ32を有する。拠点Cでは、コンピュータ32のディスプレイに、共有画像Sが表示されている。このように、共有画像Sは、プロジェクタだけでなく、コンピュータ32のディスプレイ等の他の構成でも共有できる。
【0040】
次に、上記の会議システム1において、共有画像Sの印刷を指示する複数の形態について説明する。
【0041】
(第1実施形態)
以下では、拠点システム10、20、30の動作の流れを示す。基本的には、拠点システム10、20、30の動作は共通しているので、これらを代表して拠点システム10の動作として説明する。
【0042】
図2は、拠点システムの動作の流れを示す図である。
【0043】
拠点システム10は、上述のように、複数の構成11〜15を含む。拠点システム10の動作を総括的に管理するのは、複合機11である。
【0044】
最初に、拠点システム10は、複合機11を通じて、他の拠点B、Cの拠点システム20、30との接続を確立する(ステップS101)。接続の確立には、たとえば、複合機11から複合機21、31のIPアドレスを指定してインターネットを介して接続する方法や、複合機21、31への発呼により電話回線を接続する方法等がある。
【0045】
拠点システム10は、ユーザによって各拠点A〜Cで共有する共有画像Sの指定や入力を受け付ける(ステップS102)。ここでは、たとえば、コンピュータ12に記憶されている発表用のスライドファイルの1ページ分の画像や、複合機11によりスキャンされた画像等を指定できる。
【0046】
共有画像Sが指定された場合(ステップS103:YES)、複合機11は、配信手段として、指定された共有画像Sを他の拠点B、Cに配信する(ステップS104)。そして、拠点システム10は、共有画像Sを送信した拠点として、共有画像送信側処理を実行する(ステップS105)。共有画像送信側処理の詳細については、図3を参照して後述する。
【0047】
ステップS103に戻って、共有画像Sが指定されなかった場合(ステップS103:NO)、複合機11は、他拠点B、Cから共有画像を受信したか判断する(ステップS106)。共有画像を受信した場合(ステップS106:YES)、共有画像Sを受信した拠点として、共有画像受信側処理を実行する(ステップS107)。共有画像受信側処理の詳細については、図7を参照して後述する。
【0048】
ステップS106に戻って、共有画像を受信しない場合(ステップS106:NO)、ステップS108の処理に進む。複合機11は、会議終了したか、すなわち、他の拠点の複合機21、31との接続が切断されたかを判断する(ステップS108)。会議が終了していない場合(ステップS108:NO)、ステップS102の処理に戻る。会議が終了した場合(ステップS108:YES)、拠点システム10の会議システム1としての動作を終了する。
【0049】
共有画像送信側処理について説明する。
【0050】
図3は共有画像送信側処理の流れを示すフローチャート、図4は表示用の画像データの生成を説明する図、図5は共有画像編集処理の流れを示すフローチャート、図6は印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【0051】
図2で、共有画像送信側となった拠点システム10は、まず、他拠点B、Cと共有する共有画像Sを表示する(ステップS201)。ここで、共有画像Sは、プロジェクタ14によりスクリーン15に表示されるか、あるいは、コンピュータ12のディスプレイに表示される。どこに表示手段として表示させるかは、ユーザによって適宜選択できる。なお、共有画像Sの元データは、高画質の印刷もできるように、情報量が多いデータである。しかし、プロジェクタ14等で表示させる画像は、それほどの高画質が求められないこともある。この場合、図4に示すように、元の画像データを、表示用に変換して、低画質の表示用画像データを生成し、このデータをプロジェクタ14等で表示できる。印刷の際には、表示用に変換された画像データではなく、元の高画質の画像データが使用される。
【0052】
続けて、拠点システム10は、共有画像Sの切換え操作がなされたか判断する(ステップS202)。共有画像Sの切換え操作とは、たとえば、共有画像Sが複数ページを有するスライド資料の1ページだった場合、ページを進めたり戻したりする操作である。コンピュータ12や複合機11において、スライド資料のページを変更することよって、ページが切り換えられる。
【0053】
ページが切換えられない場合(ステップS202:NO)、ステップS205の処理に進む。
【0054】
ページが切換えられた場合(ステップS202:YES)、複合機11は、プロジェクタ14等により表示されている共有画像Sの代わりに、切り換えられた後の別の画像を新たな共有画像Sとして表示する(ステップS203)。ここでも、図5に示すように、オリジナルの画像データが表示用に変換されて、画像Sが表示される。続けて、複合機11は、切り換えられた後の別の共有画像Sを他の拠点B、Cの複合機21、31に送信する(ステップS204)。ステップS205の処理に進む。
【0055】
拠点システム10は、共有画像Sの編集が指示されたか判断する(ステップS205)。ここで、編集の指示は、たとえば、ユーザにより複合機11、コンピュータ12あるいはスクリーン15に設けられたボタンを押下することによりなされる。たとえば、ユーザがスクリーン15にペンを使って手書きで書き込んだ文字等を、一つのデータとして共有画像Sに合成する際に、編集が指示される。
【0056】
共有画像Sの編集が指示されていない場合(ステップS205:NO)、ステップS207の処理に進む。共有画像Sの編集が指示された場合(ステップS205:YES)、共有画像Sを編集するための処理(共有画像編集処理)を実行する(ステップS206)。ここで、共有画像編集処理のために、一旦、図5を参照する。
【0057】
共有画像編集処理では、まず、拠点システム10は、共有画像Sへの編集内容を読み込む(ステップS301)。編集内容とは、たとえば、共有画像Sが表示されているスクリーン15上にユーザによってペン等によって追記された内容である。追記された内容は、スキャナ152によってデータとして読み込まれる。
【0058】
そして、拠点システム10の複合機11またはコンピュータ12は、編集手段として、追記された内容を、現在表示されている共有画像Sのオリジナルの画像データと合成し、記憶する(ステップS302)。つまり、オリジナルの画像データを更新する。拠点システム10は、プロジェクタ14等により、合成されてできた(編集された)共有画像Sを、表示用データに変換し表示する(ステップS303)。
【0059】
続けて、拠点システム10は、複合機11を送信手段として、他の拠点B、Cの複合機21、31に、編集後の共有画像Sの画像を送信する(ステップS304)。そして、図3の処理に戻る。
【0060】
他の拠点B、Cから、編集後の共有画像Sを受信したか判断する(ステップS207)。他の拠点B、Cでも、ステップS206のような共有画像Sの編集処理が実行されうるので、編集後の共有画像Sが送信されてきたかを判断している。
【0061】
編集後の共有画像Sを受信しない場合(ステップS207:NO)、ステップS209の処理に進む。編集後の共有画像Sを受信した場合(ステップS207:YES)、表示中の共有画像Sに代えて、受信した編集後の共有画像Sを表示用に変換し、表示する(ステップS208)。
【0062】
複合機11は、ユーザによって印刷指示があったか判断する(ステップS209)。印刷指示がない場合(ステップS209:NO)、ステップS211に進む。印刷指示があると(ステップS209:YES)、複合機11は、印刷手段として印刷処理(1)を実行する(ステップS210)。印刷処理(1)の説明のために、一旦、図6を参照する。
【0063】
複合機11は、入力された印刷の指示が、他拠点B、Cとの同時印刷を指定するものか判断する(ステップS401)。同時印刷の指定は、たとえば、複合機11の操作パネルや、コンピュータ12のプリンタドライバによる印刷設定画面から設定できる。
【0064】
他拠点B、Cとの同時印刷の指示の場合(ステップS401:YES)、複合機11またはコンピュータ12は、指示手段として、他拠点B、Cの複合機21、31に印刷指示を送信する(ステップS402)。他拠点との同時印刷ではない場合(ステップS401:NO)、ステップS403の処理に進む。
【0065】
複合機11は、表示中の共有画像Sを印刷する(ステップS403)。ここでは、表示用の画像データは使わず、オリジナルの共有画像Sの画像データを使う。図3の処理に戻る。
【0066】
拠点システム10は、共有画像Sの共有が終了されたか判断する(ステップS211)。共有画像Sの共有の終了は、ユーザが複合機11またはコンピュータ12に共有の解除を指示して達成できる。
【0067】
共有が終了されない場合(ステップS211:NO)、ステップS202からの処理を繰り返す。共有が終了される場合(ステップS211:YES)、図2の処理に戻る。
【0068】
次に、共有画像受信側処理について説明する。
【0069】
図7は共有画像受信側処理の流れを示すフローチャート、図8は印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【0070】
拠点システム10が、共有画像Sを受信して、共有画像の受信側となった場合の処理である。
【0071】
拠点システム10は、共有画像Sを表示する(ステップS501)。ここでの共有画像Sの表示は、図3のステップS201の処理と同様である。
【0072】
拠点システム10は、別の共有画像Sを受信したか判断する(ステップS502)。別の共有画像Sとは、図3のステップS202のように、送信側の拠点システムから送られてきた別のページの共有画像である。別の共有画像を受信しない場合(ステップS502:NO)、ステップS504の処理に進む。別の共有画像を受信した場合(ステップS502:YES)、拠点システム10は、表示中の共有画像Sに代えて、受信した共有画像Sを表示する(ステップS503)。
【0073】
ステップS504〜S507の処理は、図3のステップS205〜S208の処理と同様なので、説明は省略する。受信側の拠点システム10でも、一部送信側の拠点システムと同様の処理が実行される。ステップS508の説明に進む。
【0074】
複合機11は、印刷指示が入力されたか、あるいは、印刷指示を他の拠点B、Cの複合機21、31から受信したかを判断する(ステップS508)。印刷指示が入力されず受信もしない場合(ステップS508:NO)、ステップS510の処理に進む。印刷指示が入力または受信された場合(ステップS508:YES)、印刷処理(2)を実行する(ステップS509)。印刷処理(2)の説明のために、一旦、図9を参照する。
【0075】
印刷処理(2)では、表示中の共有画像Sを印刷する(ステップS601)。印刷には、オリジナルのデータ量が多い画像データが使用される。図7の処理に戻る。
【0076】
拠点システム10は、共有画像Sの共有が終了したか判断し(ステップS510)、共有が終了した場合、図2の処理に戻り、共有が終了するまでは、ステップS502からの処理を繰り返す。
【0077】
次に、各拠点システム10〜30において、会議システム1では共有されないが、各拠点で独自の画像(以下、ローカル画像という)を表示する際の処理を説明する。ローカル画像Lは、会議と並行に表示されうる。しかし、一つの拠点内でのみ表示されるので、会議とは関係なく、表示や表示の中止が選択される。
【0078】
図9はローカル画像を処理する流れを示すフローチャートである。
【0079】
拠点システム10は、ローカル画像Lの選択を受け付け(ステップS701)、ローカル画像Lが選択されたか判断する(ステップS702)。ローカル画像Lは、ユーザがコンピュータ12に記憶されている文書や画像を選択したり、複合機11に文書や画像を入力したりすることによって受け付けられる。
【0080】
ローカル画像Lが選択されない場合(ステップS701:NO)、ステップS709の処理に進む。ローカル画像Lが選択された場合(ステップS701:YES)、選択されたローカル画像Lが表示される(ステップS703)。ローカル画像Lは、たとえば、コンピュータ12のディスプレイやプロジェクタ13に表示される。コンピュータ12のディスプレイにすでに共有画像Sが表示されている場合、画面上に並列して表示したり、別ウィンドウとして表示したりできる。ローカル画像Lについても、図5に示す場合と同様に、オリジナルの画像が表示用に変換された上でプロジェクタ13等により表示される。
【0081】
続けて、拠点システム10は、ローカル画像Lの切換え操作がなされたか判断する(ステップS704)。ローカル画像Lの切換え操作とは、たとえば、ローカル画像Lが複数ページを有するスライド資料の1ページだった場合、ページを進めたり戻したりする操作である。コンピュータ12や複合機11において、スライド資料のページを変更することよって、ページが切り換えられる。
【0082】
ページの切換えがない場合(ステップS704:NO)、ステップS706の処理に進む。
【0083】
ページが切換えられた場合(ステップS704:YES)、複合機11は、プロジェクタ13等により表示されているローカル画像Lの代わりに、切り換えられた後の別の画像を新たなローカル画像Lとして表示する(ステップS705)。
【0084】
複合機11は、ローカル画像Lについて、印刷が指示されたか判断する(ステップS706)。印刷の指示は、ユーザが複合機11の操作パネルを操作して入力するか、コンピュータ12のプリンタドライバの設定画面により入力できる。
【0085】
印刷が指示されない場合(ステップS706:NO)、ステップS708の処理に進む。印刷が指示された場合(ステップS706:YES)、複合機11は、ローカル画像Lを印刷する(ステップS707)。
【0086】
複合機11は、ユーザによってローカル画像Lの表示の終了が指示されたか判断する(ステップS708)。ローカル画像Lの表示の終了は、たとえば、コンピュータ12の操作画面や複合機11の操作パネルにおいて入力できる。
【0087】
ローカル画像Lの表示が終了されない場合(ステップS708:NO)、ステップS704の処理に戻る。ローカル画像Lの表示が終了された場合(ステップS:YES)、ステップS709の処理に進む。
【0088】
複合機11は、拠点システム10が終了されるか判断する(ステップS709)。拠点システム10の終了がユーザに指定された場合(ステップS709:YES)、ローカル画像表示処理を終了する。拠点システム10が終了されない場合(ステップS709:NO)、ステップS701からの処理を繰り返す。
【0089】
図9に示すように、拠点システム10は、会議システム1として共有画像Sを共有することと並行して、拠点Aの全部または一部だけで共有するローカル画像も表示できる。拠点Aのユーザは、共有画像Sとローカル画像Lの両方を参照できる。
【0090】
図10は、会議システムの各拠点の動作タイミングの例を示す図である。
【0091】
まず、各拠点で共有する画像Sの画像データが、各拠点に配信される。図10に示す例では、拠点Aの複合機11から、拠点B、Cの複合機21、31に共有用画像データを送信する。共有用画像は、図10に示す例では「ABC」と記載された画像である。
【0092】
共有された画像「ABC」は、拠点A〜Cのいずれの拠点でも編集可能である。図10では、拠点Bのユーザが編集する。たとえば、「efg」という文字がスクリーン25に追記され、元の共有されていた画像Sに合成される。
【0093】
拠点Bで編集されてできた「ABC efg」という画像は、複合機21を介して、拠点A、Cの複合機11、31に送信される。これにより、各拠点A〜Cで共有された画像「ABC」が、拠点Bで編集された後の「ABC efg」に更新される。
【0094】
拠点Aにおいて、複合機11あるいはコンピュータ12から、印刷を指示する。ここで、印刷は、拠点Aだけでの印刷か、拠点B、Cも含めた印刷かを選択できる。同時印刷を選択すると、複合機11を介して、拠点B、Cの複合機21、31に印刷指示が送信される。そして、各拠点A〜Cの複合機11、21、31において共有画像が印刷される。印刷物は、図10の下側に印刷物例として示すように、拠点Bで編集された後の画像を用紙上に形成したものである。
【0095】
このように、第1実施形態の会議システム1では、ある拠点Aから、他の拠点B、Cに対して、共有している画像の印刷を指示できる。したがって、拠点B、Cでは、別個に印刷を指示する必要がなく、一つの拠点の印刷指示だけで他拠点でも印刷でき、印刷操作が簡単である。各拠点で別個に印刷を指示する必要がないので、各拠点での印刷操作によって会議の進行を妨げることがない。
【0096】
また、拠点Aにおいて印刷を指示するのに連動して、他の拠点にも印刷指示を送信している。したがって、拠点内での印刷と同時に、拠点外での印刷も指示できるので、他拠点との印刷物の共有をより容易にできる。ただし、本発明は、これに限定されない。拠点Aでは印刷せずに、他の拠点B、Cにのみ印刷を指示してもよい。拠点Aは、共有画像Sの配信元であり、いつでも印刷できるので、他拠点との同時の印刷を臨まない場合もあるからである。
【0097】
なお、上記実施形態では、拠点Aから印刷を指示しているが、他の拠点B、Cから印刷を指示してもよい。あるいは、共有画像Sを配布した拠点だけが、他の拠点に印刷を指示する権限を有してもよい。
【0098】
また、拠点Aから、会議システム1に参加する全ての拠点B、Cに印刷を指示しているが、少なくとも一つの拠点にだけ印刷を指示してもよい。
【0099】
共有された画像の編集の際に、スクリーン15、25に書き込まれた内容をスキャン等して、共有画像に合成することを説明したが、これに限定されない。コンピュータ12、22、32のディスプレイに共有画像を表示しつつ、当該画像をアプリケーションによって編集してもよい。この場合、追記だけでなく、共有画像中の文字や図形を削除し、また新しい文字等に置き換えることができる。
【0100】
(第2実施形態)
次に、会議システム1において、共有画像Sの印刷を指示する第2実施形態について説明する。
【0101】
第2実施形態では、他拠点に印刷を指示する際に、任意の付加情報も送信する。
【0102】
第2実施形態では、第1実施形態の図6に示す印刷処理(1)および図8に示す印刷処理(2)に対応する処理が異なる。したがって、以下では、第1実施形態の印刷処理(1)に置き換わる印刷処理(1)−2および、印刷処理(2)に置き換わる印刷処理(2)−2について説明する。第2実施形態の処理においても、基本的には、拠点システム10、20、30の動作は共通しているので、これらを代表して拠点システム10の動作として説明する。
【0103】
図11は第2実施形態における共有画像送信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。なお、図6に示す印刷処理と同様の処理については、同じ参照番号を付して、その説明を省略する場合がある。
【0104】
共有画像送信側処理において印刷が指示されると(図3のステップS209:YES)、拠点システム10は、他拠点同時印刷か判断する(ステップS401)。
【0105】
他拠点同時印刷の場合(ステップS401:YES)、拠点システム10は、付加情報があるか判断する(ステップS411)。ここでは、たとえば、複合機11の操作パネルにおいて、あるいは、コンピュータ12のプリンタドライバの設定画面において、付加情報が有るかどうかについてユーザに入力を促す。付加情報とは、共有画像Sが保存されている保存先のアドレス情報や、共有画像Sに対する補足説明のためのテキスト情報や、補足の画像情報などいかなる情報でもよい。
【0106】
付加情報有りとユーザに入力された場合(ステップS411:YES)、ユーザによる付加情報の入力を受け付ける(ステップS412)。付加情報の入力は、複合機11の操作パネルによって任意の情報を選択したり、コンピュータ12のプリンタドライバの設定画面においてキーボードやマウス等の入力デバイスによって入力したりできる。
【0107】
続けて、拠点システム10は、複合機11により、他拠点B、Cに印刷を指示すると共に、付加情報も送信する(ステップS413)。
【0108】
複合機11は、共有画像S(オリジナル高画質)に、送信した付加情報で表される画像を合成して、印刷用画像を作成し(ステップS414)、作成した合成画像を印刷する(ステップS415)。
【0109】
付加情報有りとユーザに入力されない場合(ステップS411:NO)、拠点システム10は、複合機11により他拠点に印刷指示だけを送信し(ステップS402)、表示中の共有画像Sを印刷する(ステップS403)。
【0110】
以上のように、拠点システム10が共有画像Sの送信側のシステムの場合、印刷指示と共に付加情報を送信する。次に、拠点システム10が共有画像Sの受信側のシステムである場合の処理を説明する。
【0111】
図12は第2実施形態における共有画像受信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【0112】
印刷指示を受信すると(図7のステップS508:YES)、拠点システム10は、複合機11において印刷指示と共に付加情報を受信したか判断する(ステップS611)。付加情報が有る場合(ステップS611:YES)、複合機11は、共有画像Sに付加情報で表される画像を合成して、印刷用画像を作成し(ステップS612)、作成した合成画像を印刷する(ステップS613)。
【0113】
図13は、第2実施形態における会議システムの各拠点の動作タイミングの例を示す図である。
【0114】
拠点Aから共有画像Sの画像データが拠点B、Cに配信され、拠点Bで画像編集され、拠点A、Cに送信されるまでは、図10と同様である。
【0115】
その後、拠点Aにおいて付加情報が入力されてから、同時印刷処理がなされる。ここでは、付加情報として、保存先アドレスが入力される。すると、拠点Aから拠点B、Cに、印刷指示に加えて、付加情報も送信される。各拠点A〜Cでは、共有画像Sと付加情報に基づく画像が印刷される。
【0116】
以上のように、第2実施形態の会議システム1では、共有画像Sだけでなく、付加情報として様々な情報も一緒に印刷できる。付加情報として、保存先のアドレスだけでなく、他の情報も印刷できる。たとえば、拠点Aで、ユーザが、会議の議事録を作成している場合、議事録を付加情報として送信することによって、共有画像Sと議事録を一緒に印刷できる。その他、画像や図形等様々な情報を付加情報として加えられる。
【0117】
(第3実施形態)
次に、共有画像Sの印刷を指示する第3実施形態について説明する。
【0118】
第3実施形態では、共有画像Sの印刷の際に、ローカル画像Lも一緒に印刷する。
【0119】
第3実施形態では、第1実施形態の図6に示す印刷処理(1)および図8に示す印刷処理(2)に対応する処理が異なる。したがって、以下では、第1実施形態の印刷処理(1)に置き換わる印刷処理(1)−3および、印刷処理(2)に置き換わる印刷処理(2)−3について説明する。第3実施形態の処理においても、基本的には、拠点システム10、20、30の動作は共通しているので、これらを代表して拠点システム10の動作として説明する。
【0120】
図14は第3実施形態における共有画像送信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。なお、図6に示す印刷処理と同様の処理については、同じ参照番号を付して、その説明を省略する場合がある。
【0121】
共有画像送信側処理において印刷が指示されると(図3のステップS209:YES)、拠点システム10は、他拠点同時印刷か判断し(ステップS401)、他拠点同時印刷の場合(ステップS401:YES)、他拠点B、Cに印刷指示を送信する(ステップS402)。
【0122】
さらに、拠点システム10は、複合機11によって、ローカル画像Lの同時印刷かを判断する(ステップS421)。ローカル画像Lの同時印刷の場合(ステップS421:YES)、複合機11は、拠点Aでプロジェクタ13等により表示されているローカル画像Lと、共有画像Sとを合成した印刷用画像を作成する(ステップS422)。複合機11は、合成された画像を印刷する(ステップS423)。たとえば、図13に示す、印刷物例の付加情報の部分が、ローカル画像Lに置き換わったような印刷物が形成される。
【0123】
次に、拠点システム10が共有画像Sの受信側のシステムである場合の処理を説明する。
【0124】
図15は第3実施形態における共有画像受信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【0125】
印刷指示を受信すると(図7のステップS508:YES)、拠点システム10は、複合機11によって、ローカル画像Lの同時印刷かを判断する(ステップS621)。ローカル画像Lの同時印刷の場合(ステップS621:YES)、複合機11は、拠点Aでプロジェクタ13等により表示されているローカル画像Lを、共有画像Sと合成した印刷用画像を作成する(ステップS622)。複合機11は、合成された画像を印刷する(ステップS623)。
【0126】
以上のように、第3実施形態の会議システム1では、共有画像送信側であっても受信側であっても、共有画像Sを印刷する際には、ローカル画像Lも一緒に印刷するかを判断して、必要に応じて印刷できる。したがって、他の拠点とは共有しない情報についても、共有画像Sと関連付けて印刷できる。
【0127】
(第4実施形態)
次に、共有画像Sの印刷を指示する第4実施形態について説明する。
【0128】
第4実施形態では、特定の拠点について、共有画像Sの印刷禁止を設定できる。
【0129】
第4実施形態では、第1実施形態の図6に示す印刷処理(1)および図8に示す印刷処理(2)に対応する処理が異なる。したがって、以下では、第1実施形態の印刷処理(1)に置き換わる印刷処理(1)−4および、印刷処理(2)に置き換わる印刷処理(2)−4について説明する。第4実施形態の処理においても、基本的には、拠点システム10、20、30の動作は共通しているので、これらを代表して拠点システム10の動作として説明する。
【0130】
図16は、第4実施形態における共有画像送信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。なお、図6および図11に示す印刷処理と同様の処理については、同じ参照番号を付して、その説明を省略する場合がある。
【0131】
共有画像送信側処理において印刷が指示されると(図3のステップS209:YES)、拠点システム10は、他拠点同時印刷か判断する。(ステップS401)。他拠点同時印刷の場合(ステップS401:YES)、印刷を禁止する拠点の指定があるか判断する(ステップS431)。この判断は、たとえば、複合機11により、印刷を禁止する拠点が有る場合には、その拠点を操作パネルに入力するように促し、入力があるかどうかを判断する。印刷を禁止する拠点がない場合(ステップS431:NO)は、そのままステップS411の処理に進む。
【0132】
印刷を禁止する拠点がある場合(ステップS431:YES)、禁止する拠点の複合機21(31)に印刷禁止指示を送信する(ステップS432)。ステップS411の処理に進む。ステップS411以降の処理は、図6および図11に示す処理と同様であるので、説明は省略する。
【0133】
次に、拠点システム10が共有画像Sの受信側のシステムである場合の処理を説明する。
【0134】
図17は第4実施形態における共有画像受信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。なお、図12に示す印刷処理と同様の処理については、同じ参照番号を付して、その説明を省略する場合がある。
【0135】
印刷指示が入力または受信されると(図7のステップS508:YES)、複合機11は、印刷禁止指示を受信したか判断する(ステップS631)。印刷禁止指示を受信していない場合(ステップS631:NO)、ステップS611の処理に進む。ステップS611以下の処理は、図12の印刷処理と同様なので説明を省略する。
【0136】
印刷禁止指示を受信している場合(ステップS631:YES)、複合機11は、印刷指示と共に付加情報が送信されているか判断する(ステップS632)。付加情報が送信されている場合(ステップS632:YES)、共有画像Sは印刷せずに、付加情報のみを印刷する(ステップS633)。付加情報がない場合(ステップS632:NO)、何も印刷せずに、図7の処理に戻る。
【0137】
図18は、第4実施形態における会議システムの各拠点の動作タイミングの例を示す図である。
【0138】
拠点Aから共有画像Sの画像データが拠点B、Cに配信され、拠点Bで画像編集され、拠点A、Cに送信されるまでは、図10と同様である。
【0139】
その後、拠点Aにおいて同時印刷が指示される。すると、拠点Aの複合機11は、共有画像の印刷を禁止する拠点の入力を受け付ける。拠点Bが印刷禁止拠点として選択されると、印刷禁止指示が拠点Bに送信される。拠点Bは、印刷禁止指示を受信することで、印刷禁止が設定されることになる。さらに、拠点Aの複合機11は、付加情報の入力を受け付け、印刷指示に加え付加情報を拠点B、Cに送信する。
【0140】
拠点Bでは、印刷禁止指示を先に受信しているので、共有画像Sについては印刷せずに、付加情報だけ印刷する。拠点Aおよび拠点Cでは、共有画像Sと付加情報の両方を一緒に印刷する。
【0141】
以上のように、第4実施形態の会議システム1では、特定の拠点について、共有画像Sの印刷を禁止できる。印刷禁止指示を受信している拠点の複合機は、他の拠点からの印刷指示に関わらず、共有画像Sを印刷しない。したがって、会議では、各拠点A〜Cで共有して参照したいものの、印刷物としては一部の拠点では残したくない場合でも、そのように対応できる。
【0142】
(第5実施形態)
次に、共有画像Sの印刷を指示する第5実施形態について説明する。
【0143】
第5実施形態では、共有画像Sの印刷を指示した各拠点A〜Cにおける印刷状況を確認できる。
【0144】
第5実施形態では、第1実施形態の図6に示す印刷処理(1)および図8に示す印刷処理(2)に対応する処理が異なる。したがって、以下では、第1実施形態の印刷処理(1)に置き換わる印刷処理(1)−5および、印刷処理(2)に置き換わる印刷処理(2)−5について説明する。第5実施形態の処理においても、基本的には、拠点システム10、20、30の動作は共通しているので、これらを代表して拠点システム10の動作として説明する。
【0145】
図19は、第5実施形態における共有画像送信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。なお、図6に示す印刷処理と同様の処理については、同じ参照番号を付して、その説明を省略する場合がある。
【0146】
共有画像送信側処理において印刷が指示されると(図3のステップS209:YES)、拠点システム10は、他拠点同時印刷か判断し(ステップS401)、他拠点同時印刷の場合(ステップS401:YES)、他拠点B、Cに印刷指示を送信する(ステップS402)。複合機11は、共有画像Sを印刷する(ステップS403)。
【0147】
続けて、複合機11は、各拠点B、Cからの印刷状況を受信する(ステップS442)。印刷状況とは、たとえば、印刷良好(OK)、用紙切れ(Empty)、紙詰まり(Jam)、故障(Broken)等であり、後述するように、印刷指示を受信した複合機21、31から送信される。
【0148】
複合機11は、受信した印刷状況にエラーがあるか確認する(ステップS442)。エラーがない場合(ステップS442:NO)、すべての拠点で印刷が良好なので、そのまま図3の処理に戻る。
【0149】
受信した印刷状況にエラーがある場合(ステップS442:YES)、拠点システム10は、複合機11によりユーザにエラーを通知するための画像を作成し(ステップS443)、当該画像をプロジェクタ14等により表示する(ステップS444)。
【0150】
次に、拠点システム10が共有画像Sの受信側のシステムである場合の処理を説明する。
【0151】
図20は第5実施形態における共有画像受信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【0152】
印刷指示が入力または受信されると(図7のステップS508:YES)、複合機11は、印刷可能かどうかを判断する(ステップS641)。印刷可能かどうかは、たとえば、印刷のための用紙が給紙トレイにあるか、印刷のための構成が正常に機能しているか等を、複合機11が自分自身で調べて判断する。
【0153】
印刷可能である場合(ステップS641:YES)、複合機11は、通常通り、共有画像Sを印刷する(ステップS601)。一方、印刷不可能である場合(ステップS641:NO)、複合機11は、印刷不可能である理由を印刷状況として送信する(ステップS642)。ここで、印刷状況の送信先は、印刷指示を送信した複合機である。たとえば、拠点Bの複合機21から印刷指示を受信した場合は、複合機21に印刷状況を送信する。印刷状況は、複合機11が判断できる範囲で詳細に報告される。
【0154】
図21は、第5実施形態における会議システムの各拠点の動作タイミングの例を示す図である。
【0155】
拠点Aから共有画像Sの画像データが拠点B、Cに配信され、拠点Bで画像編集され、拠点A、Cに送信されるまでは、図10と同様である。
【0156】
拠点Aにおいて、他の拠点B、Cとの同時印刷が指示されると、各拠点A〜Cで印刷が実行される。図21に示す例では、拠点Bおよび拠点Cで印刷が失敗している。すると、拠点B、Cの複合機21、31は、それぞれ、印刷が失敗した理由を印刷状況として返信する。たとえば、拠点Bからは用紙詰まり(Jam)、拠点Cからは用紙切れ(Empty)といった印刷状況が送信される。
【0157】
拠点Aの複合機11は、印刷状況を集計して、図中、表示例として示すように、各拠点の印刷状況を表示する。拠点Cでは、エラー原因が解消されると、エラーがなくなった旨が複合機31から送信され、共有画像Sの印刷が実行される。
【0158】
以上のように、実施形態5の会議システム1によれば、各拠点での印刷状況も把握できる。
【0159】
なお、実施形態4のようにある拠点に印刷禁止が設定されている場合、印刷が禁止されていることを印刷状況として、印刷指示した拠点に返信してもよい。
【0160】
また、どこかの拠点で印刷が失敗したときのみ印刷状況を表示しているが、これに限定されない。他の拠点に印刷を指示した際には、正常に印刷が終了してもその旨が返信されるようにして、各拠点で印刷が正常に終了したことを表示してもよい。
【0161】
(第6実施形態)
次に、共有画像Sの印刷を指示する第6実施形態について説明する。
【0162】
第6実施形態では、ある拠点で共有画像Sを編集(更新)している際には、他の拠点で編集や印刷を禁止できる。
【0163】
第6実施形態では、第1実施形態の図3に示す共有画像送信側処理および図7に示す共有画像受信側処理に対応する処理が異なる。したがって、以下では、第1実施形態の処理に代わる共有画像送信側処理−2および共有画像受信側処理−2について説明する。第6実施形態の処理においても、基本的には、拠点システム10、20、30の動作は共通しているので、これらを代表して拠点システム10の動作として説明する。
【0164】
まず、共有画像送信側処理−2について説明する。
【0165】
図22は第6実施形態における共有画像送信側処理の流れを示すフローチャート、図23は共有画像編集処理−2の流れを示すフローチャート、図24は第6実施形態における共有画像送信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。なお、図22、図23および図24について、図3、図5および図6に示すフローチャートと同様の処理については、同じ参照番号を付して、説明を省略する場合がある。
【0166】
図22に示すステップS201〜S204の処理は、図3と同様である。共有画像の編集が指示されると(ステップS205:YES)、拠点システム10は、共有画像編集処理−2を実行する(ステップS221)。ステップS221の処理の詳細を説明するために、ここで、一旦図23を参照する。
【0167】
拠点システム10は、編集禁止フラグがオンかどうか(1かどうか)を判断する(ステップS311)。編集禁止フラグは、他拠点が編集している際に、他拠点からの通知により設定されるフラグである。編集禁止フラグがオンかどうかの確認は、複合機11およびスクリーン15のいずれで行われてもよい。
【0168】
編集禁止フラグがオンの場合(ステップS311:YES)、拠点システム10は、共有画像Sを編集不可の旨を表示する(ステップS312)。表示は、複合機11の操作パネル、プロジェクタ14またはコンピュータ12のディスプレイ上で行われる。
【0169】
一方、編集禁止フラグがオンでない(1ではない)場合(ステップS311:NO)、拠点システム10は、複合機11から他拠点の複合機21、31に編集禁止の通知を送信する(ステップS313)。以降のステップS301〜S304の処理は、図5と同様であるので、説明を省略する。図22の説明に戻る。
【0170】
拠点システム10は、他の拠点の複合機21または31から複合機11に編集禁止通知を受信したか判断する(ステップS222)。編集禁止通知を受信した場合(ステップS222:YES)、複合機11は、編集禁止フラグを1に設定する(ステップS223)。さらに、複合機11は、プロジェクタ14等を制御して、共有画像Sの背景色を変更する(ステップS224)。背景色の変更は、共有画像Sの背景色を完全に変えるだけでなく、一定時間ごとに異なる背景色を挿入して、共有画像Sの背景が点滅しているようにしてもよい。
【0171】
続けて、拠点システム10は、他拠点で編集された新たな共有画像を受信したか判断し(ステップS207)、受信した場合(ステップS:YES)、表示中の共有画像Sを受信した新たな共有画像Sに差し替える(ステップS208)。拠点システム10は、複合機11に記憶されている編集禁止フラグを0に戻し(ステップS225)、さらに、変更していた共有画像Sの背景色も元に戻す(ステップS226)。
【0172】
ユーザから印刷指示があると(ステップS209:YES)、拠点システム10は、印刷処理(1)−6に進む。図24を参照して、印刷処理(1)−6を説明する。
【0173】
拠点システム10は、複合機11により、編集禁止フラグがオンかどうか判断する(ステップS451)。編集禁止フラグがオンの場合(ステップS451:YES)、複合機11は、プロジェクタ14等に印刷不可を表示させ、ユーザに印刷ができないことを伝える(ステップS452)。編集禁止フラグがオフの場合(ステップS451:NO)、図6と同様の処理により印刷を実行する。
【0174】
以上が、共有画像送信側処理−2である。
【0175】
次に、共有画像受信側処理−2の処理について説明する。
【0176】
図25は第6実施形態における共有画像受信側処理の流れを示すフローチャート、図26は第6実施形態における共有画像受信側の印刷処理の流れを示すフローチャートである。なお、図25および図26について、図7および図8に示すフローチャートと同様の処理については、同じ参照番号を付して、説明を省略する場合がある。
【0177】
図25に示すステップS501〜S503の処理は、図7と同様である。共有画像の編集が指示されると(ステップS504:YES)、拠点システム10は、共有画像編集処理−2を実行する(ステップS511)。ステップS511の処理は、上述の図23の処理と同様である。
【0178】
ステップS512〜S514の処理は、図22に示す共有画像送信側処理のステップS222〜S224の処理と同様である。共有画像受信側処理でも、他拠点で共有画像Sが編集されている場合には、同時の編集を禁止するためである。つまり、拠点システム10は、編集禁止通知を受信した場合(ステップS512:YES)、編集禁止フラグを1に設定し(ステップS513)、共有画像Sの背景色を変更する(ステップS514)。
【0179】
ステップS506〜S516の処理も、図22に示す共有画像送信側処理のステップS207〜S226に対応している。共有画像受信側処理でも、他拠点での共有画像Sの編集が終われば、そのことをユーザに知らせる必要があるからである。つまり、拠点システム10は、編集後の共有画像Sを受信すると(ステップS506:YES)、共有画像Sを差し換え(ステップS507)、編集禁止フラグをオフにし(ステップS515)、共有画像Sの背景色を元に戻す(ステップS516)。
【0180】
ユーザから印刷指示があるか、他の拠点B、Cから印刷指示を受信すると(ステップS508:YES)、拠点システム10は、印刷処理(2)−6に進む。図26を参照して、印刷処理(2)−6を説明する。
【0181】
拠点システム10は、複合機11により、編集禁止フラグがオンかどうか判断する(ステップS651)。編集禁止フラグがオンの場合(ステップS651:YES)、複合機11は、プロジェクタ14等に印刷不可を表示させ、ユーザに印刷ができないことを伝える(ステップS652)。編集禁止フラグがオフの場合(ステップS651:NO)、複合機11は、共有画像Sを印刷する。
【0182】
上記の第6実施形態について、会議システム1の各拠点の動作タイミングの例を説明する。
【0183】
図27は、第6実施形態における会議システムの各拠点の動作タイミングの例を示す図である。
【0184】
まず、各拠点で共有する画像Sの画像データが、各拠点に配信される。図27に示す例では、拠点Aの複合機11から、拠点B、Cの複合機21、31に共有用画像データを送信する。共有用画像は、図27に示す例では「ABC」と記載された画像である。
【0185】
共有された画像「ABC」は、拠点A〜Cのいずれの拠点でも編集可能である。図27では、拠点Bのユーザが編集する。たとえば、拠点Bのユーザが、スクリーン25に表示されている共有画像Sに重ねて「efg」という文字を追記する。追記しただけでは、スクリーン上では「efg」という文字が見られるものの、データとしては共有画像Sと合成されていない。追記が終わって、追記した文字のスキャンをユーザがスキャナ252に指示すると、拠点システム20への編集指示として、共有画像Sの編集処理が始まる。この段階で、拠点Bの複合機21は、他の拠点A、Cに編集禁止通知を送信する。編集禁止通知を受信した拠点A、Cでは、共有画像Sの背景色が変更される。
【0186】
拠点Bでは、スキャナ252によって取得した追記画像を共有画像Sと合成して、「ABC efg」という画像が生成され、複合機21を介して、拠点A、Cの複合機11、31に送信される。これにより、各拠点A〜Cで共有された画像「ABC」が、拠点Bで編集された後の「ABC efg」に更新される。編集後の共有画像Sを受信した時点で、拠点A、Cでの共有画像Sの背景色の変更が元に戻され、編集後の共有画像Sに差し替えられる。
【0187】
その後、拠点Aから同時印刷処理の指示があり、各拠点で共有画像Sが印刷される。
【0188】
以上のように、第6実施形態の会議システム1によれば、ある拠点で共有画像Sの編集が行われる際には、他の拠点で共有画像Sや印刷が禁止される。したがって、各拠点での共有画像Sの編集が錯綜ないし混同しない。また、他拠点での編集中には、共有画像Sの背景色が変更されることで、編集不可である旨の警告や、他の拠点で編集中である旨の通にも使用できる。
【0189】
なお、上記実施形態6では、共有画像Sの背景色を変更しつつその編集を禁止している。これに代えて、あるいは追加的に、共有画像Sの一部に編集禁止の文字等を表示してもよい。
【0190】
以上のように、第1実施形態から第6実施形態として、会議システム1において、ある拠点から他の拠点に印刷を指示する例を説明してきた。しかし、これらは例示であり、当業者によって様々な改変ができる。
【0191】
たとえば、上記実施形態では、各拠点のハブとして、複合機を例に説明した。しかし、本発明のハブとして、複合機よりも機能が少ないプリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリ装置などを適用してもよい。
【0192】
また、各拠点に接続される機器も、上記ものに限定されない。共有画像Sやローカル画像Lを表示したり、追記等の編集をしたりするものとして、携帯電話やタブレット端末などの携帯端末が使用されてもよい。
【0193】
また、拠点システム10等は、複数の構成を含むシステムとして説明してきたが、これに限定されない。拠点システムの機能全てが一つの装置に統合されて達成されることもできる。その場合、一つの装置の全体が拠点システムを構成する。たとえば、1台の複合機が拠点システムとして、表示手段、印刷手段、指示手段等を複合的に有する。
【0194】
本発明による会議システム、拠点システムの制御プログラムは、上記各手順を実行するための専用のハードウエア回路によっても、また、上記各手順を記述したプログラムをCPUが実行することによっても実現することができる。後者により本発明を実現する場合、拠点システムを動作させる上記プログラムは、フロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ROMやハードディスク等に転送され記憶される。また、このプログラムは、たとえば、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、拠点システムの一機能としてその装置のソフトウエアに組み込んでもよい。
【符号の説明】
【0195】
10、20、30…拠点システム、
11、21、31…会議用複合機、
12、22、32…コンピュータ、
13、14、23、24…プロジェクタ、
15、25…スクリーン、
150…平面部、
152、252…スキャナ、
A、B、C…拠点、
S…共有画像、
L…ローカル画像。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に通信可能に接続され、画像を共有して同時に表示する複数の拠点システムを有する会議システムであって、
各前記拠点システムは、
前記画像を表示する表示手段と、
前記表示手段によって表示されている前記画像を印刷可能な印刷手段と、
を有し、
複数の前記拠点システムのうちの少なくとも一つの前記拠点システムは、少なくとも一つの他の前記拠点システムの前記印刷手段に前記画像の印刷を指示する指示手段を有する会議システム。
【請求項2】
前記指示手段を有する前記拠点システムの前記印刷手段に対し、前記画像の印刷が指示された場合に、前記指示手段は、他の前記拠点システムの前記印刷手段にも前記画像の印刷を指示する請求項1記載の会議システム。
【請求項3】
複数の前記拠点システムのうち少なくとも一の前記拠点システムは、
前記拠点システム間で前記画像を共有するために、前記画像の画像データを他の前記拠点システムに配信する配信手段を有する請求項1または請求項2に記載の会議システム。
【請求項4】
前記画像を印刷する際に付加するための付加情報の入力を受け付ける受付手段をさらに有し、
前記指示手段は、前記画像の印刷を指示する際に、当該指示に付加情報を加えて送信する請求項1〜3のいずれか一項に記載の会議システム。
【請求項5】
複数の前記拠点システムのうちの少なくとも一つの前記拠点システムは、
前記画像を編集する編集手段と、
編集した前記画像の画像データを他の前記拠点システムに送信する送信手段と、
をさらに有し、
各前記表示手段は、編集後の前記画像を表示し、
各前記印刷手段は、編集後の前記画像を印刷可能である請求項1〜4のいずれか一項に記載の会議システム。
【請求項6】
前記表示手段は、前記画像を投影する投影手段と、投影された画像を映し出すスクリーンとを含み、
前記編集手段は、前記スクリーン上に追記された追記内容を前記画像と合成する合成手段と、を含む請求項5記載の会議システム。
【請求項7】
前記送信手段は、前記編集手段によって前記画像が編集される際には、当該編集が行われていない他の前記拠点システムに、編集不可通知を送信し、
当該他の拠点システムは、前記編集不可通知を受信してから編集した前記画像の画像データを受信するまでは、前記編集手段を有している場合でも、当該編集手段による編集が禁止される請求項5または請求項6に記載の会議システム。
【請求項8】
前記拠点システムは、
前記画像とは別に、他の前記拠点システムとは共有されないローカル画像を表示するローカル表示手段と、
前記画像と前記ローカル画像とを合成するローカル画像合成手段と、
をさらに有し、
前記印刷手段は、前記ローカル画像合成手段によって合成された合成画像を印刷可能である請求項1〜7のいずれか一項に記載の会議システム。
【請求項9】
複数の前記拠点システムのうちの少なくとも一つの前記拠点システムは、任意の前記拠点システムの前記印刷手段に対して、前記画像の印刷禁止を設定する設定手段を有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の会議システム。
【請求項10】
異なる拠点に配置された複数の拠点システムが画像を共有して同時に表示する会議システムにおいて、前記拠点システムを制御するためのプログラムであって、
一の拠点において、前記拠点システムに含まれる表示手段に、各拠点で共有される前記画像を表示させるステップ(1)と、
前記一の拠点とは別の少なくとも一つの別の拠点の前記拠点システムに含まれる印刷手段に対して、当該別の拠点でも共有されて同時に表示されている前記画像について、印刷を指示するステップ(2)と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項11】
前記一の拠点の前記拠点システムに含まれる印刷手段に対して、前記表示手段に表示されている前記画像の印刷を指示するステップ(3)をさらにコンピュータに実行させ、
前記ステップ(2)は、前記ステップ(3)が実行された際に実行される請求項10記載のプログラム。
【請求項12】
前記拠点システム間で前記画像を共有するために、前記画像の画像データを、前記一の拠点とは別の拠点の前記拠点システムに配信する配信するステップ(4)をさらに前記コンピュータに実行させる請求項10または請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記画像を印刷する際に付加するための付加情報の入力を受け付けるステップ(5)をさらにコンピュータに実行させ、
前記ステップ(2)では、前記画像の印刷を指示する際に、当該指示に付加情報を加えて送信する請求項10〜12のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記画像を編集するステップ(6)と、
編集した前記画像の画像データを、前記一の拠点とは別の拠点の前記拠点システムに送信するステップ(7)と、
をさらにコンピュータに実行させ、
ステップ(1)では、編集後の前記画像を表示し、
ステップ(2)では、編集後の前記画像について、印刷を指示する請求項10〜13のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項15】
前記一の拠点以外の任意の拠点の前記拠点システムに含まれる印刷手段に対して、前記画像の印刷禁止を設定するステップ(8)をさらにコンピュータに実行させる請求項10〜14のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項16】
異なる拠点に配置された複数の拠点システムが画像を共有して同時に表示する会議システムにおいて、前記拠点システムに含まれる印刷装置であって、
自身とは別の拠点の前記拠点システムに含まれる他の印刷装置に対して、各拠点で共有され同時に表示されている画像について、印刷を指示する指示手段を有する印刷装置。
【請求項17】
各拠点で共有され同時に表示されている前記画像について、自身が印刷する際に、前記他の印刷装置に対して印刷を指示する請求項16記載の印刷装置。
【請求項18】
前記拠点システム間で前記画像を共有するために、前記画像の画像データを、前記別の拠点の前記拠点システムに配信する配信する配信手段を有する請求項16または請求項17に記載の印刷装置。
【請求項19】
前記画像を印刷する際に付加するための付加情報の入力を受け付ける受付手段をさらに有し、
前記指示手段は、前記画像の印刷を指示する際に、当該指示に付加情報を加えて送信する請求項16〜18のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項20】
自身とは別の任意の拠点の前記拠点システムに含まれる他の印刷装置に対して、前記画像の印刷禁止を設定する設定手段をさらに有する請求項16〜19のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項1】
相互に通信可能に接続され、画像を共有して同時に表示する複数の拠点システムを有する会議システムであって、
各前記拠点システムは、
前記画像を表示する表示手段と、
前記表示手段によって表示されている前記画像を印刷可能な印刷手段と、
を有し、
複数の前記拠点システムのうちの少なくとも一つの前記拠点システムは、少なくとも一つの他の前記拠点システムの前記印刷手段に前記画像の印刷を指示する指示手段を有する会議システム。
【請求項2】
前記指示手段を有する前記拠点システムの前記印刷手段に対し、前記画像の印刷が指示された場合に、前記指示手段は、他の前記拠点システムの前記印刷手段にも前記画像の印刷を指示する請求項1記載の会議システム。
【請求項3】
複数の前記拠点システムのうち少なくとも一の前記拠点システムは、
前記拠点システム間で前記画像を共有するために、前記画像の画像データを他の前記拠点システムに配信する配信手段を有する請求項1または請求項2に記載の会議システム。
【請求項4】
前記画像を印刷する際に付加するための付加情報の入力を受け付ける受付手段をさらに有し、
前記指示手段は、前記画像の印刷を指示する際に、当該指示に付加情報を加えて送信する請求項1〜3のいずれか一項に記載の会議システム。
【請求項5】
複数の前記拠点システムのうちの少なくとも一つの前記拠点システムは、
前記画像を編集する編集手段と、
編集した前記画像の画像データを他の前記拠点システムに送信する送信手段と、
をさらに有し、
各前記表示手段は、編集後の前記画像を表示し、
各前記印刷手段は、編集後の前記画像を印刷可能である請求項1〜4のいずれか一項に記載の会議システム。
【請求項6】
前記表示手段は、前記画像を投影する投影手段と、投影された画像を映し出すスクリーンとを含み、
前記編集手段は、前記スクリーン上に追記された追記内容を前記画像と合成する合成手段と、を含む請求項5記載の会議システム。
【請求項7】
前記送信手段は、前記編集手段によって前記画像が編集される際には、当該編集が行われていない他の前記拠点システムに、編集不可通知を送信し、
当該他の拠点システムは、前記編集不可通知を受信してから編集した前記画像の画像データを受信するまでは、前記編集手段を有している場合でも、当該編集手段による編集が禁止される請求項5または請求項6に記載の会議システム。
【請求項8】
前記拠点システムは、
前記画像とは別に、他の前記拠点システムとは共有されないローカル画像を表示するローカル表示手段と、
前記画像と前記ローカル画像とを合成するローカル画像合成手段と、
をさらに有し、
前記印刷手段は、前記ローカル画像合成手段によって合成された合成画像を印刷可能である請求項1〜7のいずれか一項に記載の会議システム。
【請求項9】
複数の前記拠点システムのうちの少なくとも一つの前記拠点システムは、任意の前記拠点システムの前記印刷手段に対して、前記画像の印刷禁止を設定する設定手段を有する請求項1〜8のいずれか一項に記載の会議システム。
【請求項10】
異なる拠点に配置された複数の拠点システムが画像を共有して同時に表示する会議システムにおいて、前記拠点システムを制御するためのプログラムであって、
一の拠点において、前記拠点システムに含まれる表示手段に、各拠点で共有される前記画像を表示させるステップ(1)と、
前記一の拠点とは別の少なくとも一つの別の拠点の前記拠点システムに含まれる印刷手段に対して、当該別の拠点でも共有されて同時に表示されている前記画像について、印刷を指示するステップ(2)と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項11】
前記一の拠点の前記拠点システムに含まれる印刷手段に対して、前記表示手段に表示されている前記画像の印刷を指示するステップ(3)をさらにコンピュータに実行させ、
前記ステップ(2)は、前記ステップ(3)が実行された際に実行される請求項10記載のプログラム。
【請求項12】
前記拠点システム間で前記画像を共有するために、前記画像の画像データを、前記一の拠点とは別の拠点の前記拠点システムに配信する配信するステップ(4)をさらに前記コンピュータに実行させる請求項10または請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記画像を印刷する際に付加するための付加情報の入力を受け付けるステップ(5)をさらにコンピュータに実行させ、
前記ステップ(2)では、前記画像の印刷を指示する際に、当該指示に付加情報を加えて送信する請求項10〜12のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記画像を編集するステップ(6)と、
編集した前記画像の画像データを、前記一の拠点とは別の拠点の前記拠点システムに送信するステップ(7)と、
をさらにコンピュータに実行させ、
ステップ(1)では、編集後の前記画像を表示し、
ステップ(2)では、編集後の前記画像について、印刷を指示する請求項10〜13のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項15】
前記一の拠点以外の任意の拠点の前記拠点システムに含まれる印刷手段に対して、前記画像の印刷禁止を設定するステップ(8)をさらにコンピュータに実行させる請求項10〜14のいずれか一項に記載のプログラム。
【請求項16】
異なる拠点に配置された複数の拠点システムが画像を共有して同時に表示する会議システムにおいて、前記拠点システムに含まれる印刷装置であって、
自身とは別の拠点の前記拠点システムに含まれる他の印刷装置に対して、各拠点で共有され同時に表示されている画像について、印刷を指示する指示手段を有する印刷装置。
【請求項17】
各拠点で共有され同時に表示されている前記画像について、自身が印刷する際に、前記他の印刷装置に対して印刷を指示する請求項16記載の印刷装置。
【請求項18】
前記拠点システム間で前記画像を共有するために、前記画像の画像データを、前記別の拠点の前記拠点システムに配信する配信する配信手段を有する請求項16または請求項17に記載の印刷装置。
【請求項19】
前記画像を印刷する際に付加するための付加情報の入力を受け付ける受付手段をさらに有し、
前記指示手段は、前記画像の印刷を指示する際に、当該指示に付加情報を加えて送信する請求項16〜18のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項20】
自身とは別の任意の拠点の前記拠点システムに含まれる他の印刷装置に対して、前記画像の印刷禁止を設定する設定手段をさらに有する請求項16〜19のいずれか一項に記載の印刷装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2012−253416(P2012−253416A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122254(P2011−122254)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】
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