説明

伝動装置用サンドイッチ成形部品

【課題】 実使用中における耐久性の低下を効果的に防止できる伝動装置用サンドイッチ成形部品を提供する。
【解決手段】 チェーンが摺接して走行するスライドレール体11とレール支持体12とで構成される伝動装置用サンドイッチ成形部品において、表層を構成する第1の樹脂がナイロン66を主成分とする材料からなり、該第1の樹脂の300℃での溶融粘性が、せん断速度1000s-1で500Pa・s以上2000Pa・s以下であり、コア層を構成する第2の樹脂が前記第1の樹脂よりも高い強度を有し、スライドレール体11の摺動部11aの表層の肉厚が1.0mm以上であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チェーンなどの動力伝達媒体によって動力を伝達する自動車用エンジンなどの伝動装置に用いられ、詳しくは、動力伝達媒体を摺接状態で走行させながら案内又は緊張する固定ガイド又は可動ガイドとして用いられる伝動装置用プラスチック製ガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、チェーンなどの動力伝達媒体によって動力伝達する自動車用エンジンなどの伝動装置には、動力伝達媒体を摺接走行させる可動ガイド、固定ガイドなどの伝動装置用ガイドがエンジンブロック壁などの躯体フレームにボルトなどで取り付けられている。このような伝動装置に用いられるテンショナレバーなどの可動ガイドは、循環走行する動力伝達媒体の張り過ぎ、緩み過ぎなどに起因する伝動障害を防止するために動力伝達媒体に対して適切な伝動張力を付与しており、また、ガイドレールなどの固定ガイドは、循環走行する動力伝達媒体の振動騒音、横振れ、噛み外れなどを防止するために動力伝達媒体に対して所定の走行軌跡にガイド規制している。
【0003】
図4は従来の伝動装置用プラスチック製ガイド(テンショナレバー)を示しており、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。この伝動装置用プラスチック製ガイド40は、チェーンを動力伝達媒体とする伝動装置の可動ガイドとして単一の合成樹脂で成形されたものであり、走行するチェーンCに摺接するスライドレール体41と、レール支持体42とで構成され、更に、このレール支持体42には、エンジンブロック壁に取り付けて可動ガイドとして機能させるための取付孔43を有するボス部42aと、適切なチェーン張力を付与するテンショナ(不図示)を当接させるためのテンショナ当接部42bと、補強機能と軽量化を兼ね備えた補強リブ42cが形成されている。
【0004】
ところが、従来の伝動装置用プラスチック製ガイド40は、単一の合成樹脂で一体成形されているため、チェーンCが摺接するスライドレール体41に対して要求される摺接性、耐摩耗性と、このスライドレール体41を支持するレール支持体42に対して要求される強度特性を高いレベルで両立させて維持することは困難であった。例えば、この伝動装置用プラスチック製ガイド40を摺接性、耐摩耗性に優れたプラスチックのみで成形すると、機械的強度が劣り、また、この強度不足を補うために断面寸法を大きくすると、ガイドの厚みが増大して大型化し、エンジンブロック壁への組み付け時における占有スペースが大きくなるという問題点があった。
【0005】
上述したような問題点を解決する伝動装置用プラスチック製ガイドとして、例えば特許文献1には、スライドレール体が耐摩耗性と耐熱性を有する第1の高分子材料を主成分とする材料からなり、レール支持体が前記第1の高分子材料を主成分とする材料より高い強度を有する第2の高分子材料を主成分とする材料からなり、これらのスライドレール体とレール支持体とが、サンドイッチ成形法により射出成形されて互いに密着接合した状態で一体化しているとともに、前記スライドレール体とレール支持体の表層部分が前記第1の高分子材料を主成分とする材料により全体に被覆されている伝動装置用サンドイッチ成形ガイドが提案されている。
【0006】
【特許文献1】特開2002−372111号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
自動車用エンジンなどの伝動装置に用いられるプラスチック製ガイドでは、特にチェーンなどの動力伝動媒体が摺接するスライドレール体に対して耐摩耗性が要求される。本発明者が、通常の使用を終えた伝動装置用プラスチック製ガイドのスライドレール体の摩耗の程度を調査した結果、0.数mm程度の摩耗が見られた。よって、安全率を十分に確保するにはスライドレール体の表層の1mm程度が耐摩耗性に優れる材料で形成されている必要がある。
【0008】
特許文献1に記載のサンドイッチ成形による伝動装置用ガイドは、耐摩耗性が要求されるスライドレール体には耐摩耗性に優れる第1の高分子材料(ポリアミド樹脂)を主成分とする材料を用い、機械的強度が要求されるレール支持体には長繊維状又は粒子状の無機材料等を分散含有せしめるなどした強度的に優れる第2の高分子材料を主成分とする材料を用い、両者をサンドイッチ成形法により一体的に接着融合させることによって、第1の高分子材料を主成分とする材料が有する耐摩耗性と、第2の高分子材料を主成分とする材料が有する高強度特性とが相互補完的に作用するとともに、複雑な金型と製造工程を用いることなく単一の金型で簡便に成形できるといった、特筆すべき構成を有している。
【0009】
しかしながら、上記の伝動装置用成形ガイドに用いられている一般的なポリアミド樹脂は溶融粘性が比較的小さいため、サンドイッチ成形法により上記のような伝動装置用ガイドを成形すると、スキン層の厚みが不十分となりやすい。このため、実使用中にスキン層が少しずつ削れてきて耐摩耗性に乏しい第2の高分子材料からなるコア層が剥き出しになり、自動車用エンジンなどの伝動装置用のガイドとしての耐久性が急激に低下する恐れがあった。
【0010】
本発明の目的は、上記事情に鑑み、チェーンなどの動力伝達媒体の摺接面全域に亘って優れた摺接性、耐摩耗性を備え、且つ、機械的強度にも優れるとともに、実使用中における耐久性の低下を効果的に防止できる伝動装置用サンドイッチ成形部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために成された本発明の伝動装置用サンドイッチ成形部品は、チェーンが摺接して走行するスライドレール体と前記スライドレール体に一体不可分に添設されたレール支持体とで構成される伝動装置用サンドイッチ成形部品において、表層(スキン層)を構成する第1の樹脂材料がナイロン66を主成分とし、該第1の樹脂材料の300℃での溶融粘性が、せん断速度1000s-1で300Pa・s以上2000Pa・s以下であり、コア層を構成する第2の樹脂材料が前記第1の樹脂材料よりも高い強度を有し、前記スライドレール体の摺接面(チェーンが摺接する面)全域における表層(スキン層)の肉厚が1.0mm以上であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、チェーンなどの動力伝達媒体の摺接面全域に亘って優れた摺接性、耐摩耗性を備え、且つ、機械的強度にも優れるとともに、通常の使用期間中における耐久性の低下を効果的に防止できる伝動装置用サンドイッチ成形部品が実現される。また、サンドイッチ成形法により単一の成形金型を用いて射出成形したことによって、スライドレール体の成形、レール支持体の成形、スライドレール体とレール支持体の接合の各工程を単一工程で行うことができ、製造コストを大幅に削減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の伝動装置用成形部品は、所謂サンドイッチ成形法によって成形されるものである。このサンドイッチ成形法は、溶融した第1の樹脂材料と第2の樹脂材料を成形部品の外形を模した金型内に所定のタイミングで射出・成形することによって、第1の樹脂材料からなる表層(スキン層)と第2の樹脂材料からなるコア層で構成される2層成形品を製造する方法であって、公知のサンドイッチ成形用射出成形機を使用することができる。
【0014】
以下、本発明の実施形態例を図1乃至図3に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本実施形態例に係る伝動装置用サンドイッチ成形部品の使用態様を説明する図である。図2は、伝動装置用サンドイッチ成形部品を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。図3は、図2のA−A線断面図である。
【0016】
図1に示すように、本実施例の伝動装置用サンドイッチ成形部品10は、駆動側スプロケットS1と従動側スプロケットS2とに周回して循環走行するチェーンCによって動力を伝達する自動車用エンジン内部に用いられるものであって、チェーンCを摺接状態で走行させながら案内または緊張させる可動ガイドとして用いられる。尚、20は伝動装置用ガイド(固定ガイド)である。
【0017】
伝動装置用サンドイッチ成形部品10は、図2に示すように、循環走行するチェーンCが摺接するチェーン摺接面11aを有するほぼ円弧状のスライドレール体11と、このスライドレール体11の裏面に長手方向に亘って垂設されたレール支持体12とで構成され、更に、このレール支持体12には、エンジンブロック壁に取り付けて可動ガイドとして機能させるための取付孔13を有するボス部12aと、循環走行するチェーンCの張り過ぎ、緩み過ぎなどに起因する伝動障害を防止して適切なチェーン張力を付与するテンショナTを当接させるためのテンショナ当接部12bと、補強機能と軽量化を兼ね備えた補強リブ12cが形成されている。
【0018】
また、伝動装置用サンドイッチ成形部品10は、図3に示すように、第1の樹脂材料からなる表層(スキン層)31と第2の樹脂材料からなるコア層32で構成される2層成形品である。
【0019】
スキン層31を構成する第1の樹脂材料には、耐摩耗性に優れるナイロン66を主成分とする材料が用いられている。そして、特にこの第1の樹脂は、300℃での溶融粘性が、せん断速度1000s-1で300Pa・s以上2000Pa・s以下(より好ましくは500Pa・s以上1500Pa・s以下)であることが重要である。このような溶融粘性を有することにより、特にスライドレール体11の摺接面11a(チェーンが摺接する面)全域に亘ってスキン層31の肉厚1.0mm以上を実現できるとともに、コア層32を構成する第2の樹脂材料によって確実に補強された2層成形品を実現できる。
【0020】
上記の溶融粘性が300Pa・s未満であると、摺接面全域に亘ってはスキン層31の肉厚1.0mm以上を実現することができず、成形部品の実使用期間内に少しずつ削れてきて耐摩耗性に乏しいコア層32が剥き出しになり、自動車用エンジンなどの伝動装置用のガイド部品としての耐久性が急激に低下してしまう結果となる。仮に、スキン層31となる第1の樹脂材料の射出量を増したとしても、流動末端側(ゲートから遠い領域)では第1の樹脂材料のみで成形される結果となり易く、第2の樹脂材料によるコア層32の形成が阻害され、十分な機械的強度が得られない。一方、上記の溶融粘性が2000Pa・sを超えると、ショートショットによる成形不良が発生し易くなる。
【0021】
第1の樹脂材料には、必要に応じて耐熱性改良剤(熱安定剤)、酸化防止剤、離型剤、着色剤等を配合しても良い。
【0022】
耐熱性改良剤としては、特に制限はないが、好ましいものとして、ハロゲン金属塩および第I属遷移系列金属化合物を挙げることができる。
【0023】
前記ハロゲン金属塩とは、ハロゲンと元素周期律表の1族あるいは2族金属元素との塩であり、好ましいものとしては、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム、塩化ナトリウムなど、あるいはこれらの混合物を挙げることができ、中でも最も好ましいものとしては、ヨウ化カリウムを挙げることができる。
【0024】
また、前記第I属遷移系列金属化合物とは、元素周期律表の第I属遷移系列金属(11族)の化合物であり、好ましくは銅元素(Cu)の金属化合物を挙げることができ、例えば、銅のハロゲン化物、硫酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、アジピン酸塩、テレフタル酸塩、サリチル酸塩、ニコチン酸塩、ステアリン酸塩や、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸等のキレート化合物など、あるいはこれらの混合物を挙げることができる。この中でも、好ましいものとしては、ヨウ化銅、臭化第一銅、臭化第二銅、塩化第一銅、酢酸銅を挙げることができる。
【0025】
酸化防止剤としては、一般的に使用される例えば亜リン酸ソーダやヒンダードフェノール系、アミン系の酸化防止剤が挙げられる。
【0026】
離型剤としては、通常のポリアミド樹脂に用いられるポリエチレングリコールや高級脂肪酸金属塩等が挙げられる。
【0027】
着色剤としては、カーボンブラック、チタンホワイト、メタリック顔料などの顔料や各種染料が挙げられる。
【0028】
さらに第1の樹脂材料には、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、すず酸亜鉛、ヒドロキシすず酸亜鉛、ポリリン酸アンモニウム、シアヌル酸メラミン、サクシノグアナミン、ポリリン酸メラミン、硫酸メラミン、フタル酸メラミン、芳香族系ポリフォスフェート、複合ガラス粉末などの難燃剤、種々の可塑剤、成形性改良剤、耐候性向上剤や帯電防止剤などの各種添加剤を含有させることができる。
【0029】
コア層32を構成する第2の樹脂材料には、前記第1の樹脂材料よりも高い強度を有する材料を用いる。この第2の樹脂材料としては、ナイロン66を主成分とする第1の樹脂材料と化学的に親和性があり、収縮特性に大きな違いがないものが、サンドイッチ成形時において両者の境界領域で融合して良好に密着接合されるという点で好ましい。具体的には、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、全芳香族ナイロン等から選定したポリアミド樹脂などの材料に、ガラス繊維やタルク、マイカ、ウォラストナイトなどの一般的な強化材を分散含有させたものが挙げられる。この強化材の含有量は5〜60重量%、好ましくは30〜50重量%である。なお、第2の樹脂材料の溶融粘性は、第1の樹脂材料と同程度であることが好ましい。
【0030】
また、第2の樹脂材料についても、必要に応じて前記と同様の耐熱性改良剤(熱安定剤)、酸化防止剤、離型剤、着色剤等を配合しても良い。
【0031】
本発明の伝動装置用サンドイッチ成形部品の成形は、成形部品の外形を模した金型内に、サンドイッチ成形用射出成形機のサンドイッチノズルから、まず前記第1の樹脂を射出した後、適宜のタイミングで前記第2の樹脂を射出することによって行われ、これにより耐摩耗性を有する第1の樹脂からなるスキン層31と高強度特性を有する第2の樹脂からなるコア層32とが完全溶融状態で一体的に密着接合される。
【実施例】
【0032】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0033】
[実施例1〜3、比較例1〜4]
図2に示したような伝動装置用サンドイッチ成形部品(全長200mm)を以下のようにしてサンドイッチ成形した。
【0034】
(第1の樹脂材料)
スキン層を構成する第1の樹脂材料として、旭化成ケミカルズ(株)製ナイロン66を主成分とする以下に示す試料1〜4を用いた。
・試料1(グレード1300) :溶融粘性 100Pa・s
・試料2 :溶融粘性 600Pa・s
・試料3 :溶融粘性 1800Pa・s
・試料4 :溶融粘性 2500Pa・s
【0035】
これらの試料には、成形性改良剤としてステアリン酸アルミニウムを0.05重量%、展着剤としてPEG(ポリエチレングリコール)を0.03重量%配合した。
なお、溶融粘性はISO11443準拠で300℃、せん断速度1000s-1の溶融粘度を測定した。
【0036】
(第2の樹脂材料)
コア層を構成する第2の樹脂材料として、ガラス繊維(GF)配合の旭化成ケミカルズ(株)製ナイロン66(グレード14G33、14G50)を用いた。なお、スキン層の厚みを測定できるように、黒着色剤としてカーボンブラックを0.05重量%配合した黒着色品を使用した。
【0037】
(金型)
スライドレール体とレール支持体を一体化したガイド金型を用いた。樹脂ゲートは、スライドレール体の長手方向の端部近傍(図2(a)中の取付孔13の右上部)に設けられている。
【0038】
(成形条件)
日精樹脂工業(株)製成形機:FS80を用い、射出速度20cc/sec、第1及び第2の樹脂材料共にシリンダー温度290℃、金型温度80℃の条件で、第1の樹脂材料を射出した後第2の樹脂材料を射出し、最後にもう一度第1の樹脂材料を射出してサンドイッチ成形した。
【0039】
(スキン層厚み測定方法)
得られた成形品をゲートから2cm部、中央部、流動末端から2cm部で切断し、断面からスライドレール体11のチェーン摺接面11aのスキン層の厚みを10倍の拡大写真から測定した。
【0040】
(静破壊強度の試験方法)
得られた成形品を図2のA−A断面の上部から20kNの荷重を負荷した時に破壊するか否かのテストを行った。
【0041】
実施例1〜3、比較例1〜4における第1の樹脂と第2の樹脂材料の組み合わせ、チェーン摺接面11aのスキン層厚みt(図3参照)の測定結果、及び、静破壊強度の試験結果を表1に纏めて示す。
【0042】
【表1】

【0043】
表1に示すように、スキン層を形成する第1の樹脂材料として300℃での溶融粘性がせん断速度1000s-1で300Pa・s以上2000Pa・s以下のものを用いた本発明の伝動装置用サンドイッチ成形部品(実施例1〜3)は、スライドレール体の全長に亘ってチェーン摺接面のスキン層の厚みが1mm以上となっている。このため、摺接面全域に亘って優れた摺接性、耐摩耗性を備えるとともに、実使用中に耐摩耗性に乏しい第2の樹脂材料からなるコア層が剥き出しになることがなく、自動車用エンジンなどの伝動装置用のガイドとしての耐久性に優れたものとなる。
【0044】
一方、第1の樹脂材料の溶融粘性が低すぎる場合(比較例1、2)には、流動末端側ではスキン層の厚みが1mm以上であるものの、摺接面全域に亘ってはスキン層の厚み1.0mm以上を実現できない。また、第1の樹脂材料の溶融粘性が高すぎる場合(比較例3)には、型再現性が悪く成形不能であった。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態に係る伝動装置用サンドイッチ成形部品の使用態様を説明する図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る伝動装置用サンドイッチ成形部品を示し、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は底面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】従来の伝動装置用プラスチック製ガイドを示し、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
【符号の説明】
【0046】
10 伝動装置用サンドイッチ成形部品
11 スライドレール体
11a チェーン摺接面
12 レール支持体
12a ボス部
12b テンショナ当接部
12c 補強リブ
13 取付孔
20 伝動装置用ガイド(固定ガイド)
31 表層(スキン層)
32 コア層
40 伝動装置用プラスチック製ガイド
41 スライドレール体
42 レール支持体
42a ボス部
42b テンショナ当接部
42c 補強リブ
43 取付孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーンが摺接して走行するスライドレール体と前記スライドレール体に一体不可分に添設されたレール支持体とで構成される伝動装置用サンドイッチ成形部品において、
表層を構成する第1の樹脂材料がナイロン66を主成分とし、該第1の樹脂材料の300℃での溶融粘性が、せん断速度1000s-1で300Pa・s以上2000Pa・s以下であり、
コア層を構成する第2の樹脂材料が前記第1の樹脂材料よりも高い強度を有し、
前記スライドレール体の摺接面全域における表層の肉厚が1.0mm以上であることを特徴とする伝動装置用サンドイッチ成形部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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