説明

伝送装置及び伝送装置制御方法

【課題】回路規模を抑えて無瞬断でオーバヘッドの処理の仕様変更を実行する伝送装置及び伝送装置制御方法を提供する。
【解決手段】第2OH機能部20は、保持している監視保守信号の情報を出力する。CPU5は、第2OH機能部20のオーバヘッドのデータを更新する。前値データバッファ142は、オーバヘッドのデータを出力する。選択部141は、前記第2OH機能部20の更新指示を受けて、前値データバッファ142が出力するオーバヘッドのデータを出力し、第2OH機能部20の更新が完了すると、前記第2OH機能部20が出力するオーバヘッドのデータを出力する。主信号データ処理部3は、第2O機能部20が出力したオーバヘッドのデータを主信号に付加して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送装置及び伝送装置制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の光コア網では、OTN(Optical Transport Network)という光伝送規格が基本プラットフォームとして幅広く利用されている。このOTNでは、従来の電話サービスなどで使用されているデジタル同期伝送方式の規格であるSONET(Synchronous Optical Network)やSDH(Synchronous Digital Hierarchy)などを利用してデータの伝送を行っている。
【0003】
SONETやSDHを用いた伝送方式では、デジタル化された主信号を多重化して得られる主信号に対して、伝送装置及び通信網の監視保守運用を行うための信号であるオーバヘッド(OH: Over Head)が付加された同期多重化信号の伝送処理が実行される。以下では、同期多重化信号を「フレーム」と呼ぶことがある。オーバヘッドのデータをフレームに付加することにより、データ伝送の信頼性を向上させることができる。
【0004】
そして、オーバヘッドの機能を提供する処理部に適切な情報を格納することで、データ伝送の運用管理における要求に応じた監視保守運用が実現できる。例えば、障害として受信側の信号断 (SF:signal fail)や信号劣化(SD:signal degrade)を検出する。そして、これらの情報を格納したAPSバイト(K1、K2バイト)をフレームに付加させることで、対向装置へ自装置の情報を通知して、切替制御を実施する。また、セクショントレース機能を有するJ0バイトをフレームに付加することで、パスの接続監視を行うことができる。この点、オーバヘッドの使用方法はユーザ毎に異なるため、オーバヘッドの機能についての仕様変更を実施する必要がある。ここで、オーバヘッドの機能とはどのような内容のオーバヘッドのデータを付加させるかなどを指す。
【0005】
そこで、従来、以下に示すようなオーバヘッドの機能の仕様変更の技術が提案されていた。一つには、ファームウェアをバージョンアップすることで主信号の設定を行う処理部の設定値を変更し、オーバヘッドの機能の仕様変更を行う技術が提案されていた。また、オーバヘッドの機能を提供する処理部を書き換え可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)で構成した技術が提案されていた。この技術では、オーバヘッドの機能の仕様変更が発生した場合には、FPGAを書き換えた後、再コンフィグレーションを実施しオーバヘッドの機能を提供する処理部の仕様変更を実施している。さらには、オーバヘッドの機能を提供する処理部を構成するFPGAを2重化し、一方のFPGAの仕様変更時には他方のFPGAを選択し処理を行わせ、その後、仕様変更を行ったFPGAを選択し処理を行わせる技術が提案されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−80037号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ファームウェアのバージョンアップによる仕様変更では、1フレーム125μsec周期で更新が行われるため、仕様変更の実行にタイムラグが発生してしまっていた。
【0008】
これに対して、オーバヘッドの機能を提供する処理部をFPGAで構成した従来技術であれば、仕様変更のタイムラグを軽減することはできる。しかし、この技術では、FPGAの再コンフィグレーションの間には主信号を送信することができず、主信号の断が発生してしまう問題があった。
【0009】
また、オーバヘッドの機能を提供する処理部を構成するFPGAを2重化した構成であれば、主信号の断を発生することなくオーバヘッドの機能の仕様変更を行うことができる。しかし、この技術では、同一構成のFGPAを2つ設ける必要があるため、コストが高くなるとともに、回路規模が大きくなり、コスト及び実装面において非効率な構成となってしまうという問題があった。
【0010】
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、回路規模を抑えて無瞬断でオーバヘッドの機能の仕様変更を実行する伝送装置及び伝送装置制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願の開示する伝送装置及び伝送装置制御方法は、一つの態様において、主信号受信部は、主信号を受信する。第1の信号出力部は、第1の監視保守信号の情報を出力する。更新部は、前記第1の信号出力部の機能を更新する。第2の信号出力部は、前記更新部による前記第1の信号出力部の更新指示を受けた場合、前記更新部による更新前の前記第1の監視保守信号の情報を出力し、前記第1の信号出力部の更新が完了すると、前記第1の信号出力部から入力された前記更新部による更新後の第1の監視保守信号の情報を出力する。信号付加部は、前記第2の信号出力部により出力された前記更新部による更新前の第1の監視保守信号の情報又は前記更新部による更新後の第1の監視保守信号の情報を前記主信号に付加する。主信号送信部は、前記信号付加部により前記更新部による更新前の第1の監視保守信号の情報又は前記更新部による更新後の第1の監視保守信号の情報が付加された前記主信号を外部の装置へ送信する。
【発明の効果】
【0012】
本願の開示する伝送装置及び伝送装置制御方法の一つの態様によれば、回路規模を抑えて無瞬断でオーバヘッドの機能の仕様変更が実行できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、実施例1に係る伝送装置のブロック図である。
【図2】図2は、伝送装置の全体を表すブロック図である。
【図3】図3は、実施例1に係る伝送装置のオーバヘッドの仕様の更新処理のフローチャートである。
【図4】図4は、実施例1の変形例に係る伝送装置のブロック図である。
【図5】図5は、実施例2に係る伝送装置のブロック図である。
【図6】図6は、実施例2に係る伝送装置のオーバヘッドの仕様の更新処理のフローチャートである。
【図7】図7は、実施例2の変形例に係る伝送装置のブロック図である。
【図8】図8は、実施例3に係る伝送装置のブロック図である。
【図9】図9は、実施例3に係る伝送装置のオーバヘッドの仕様の更新処理のフローチャートである。
【図10】図10は、実施例3の変形例に係る伝送装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本願の開示する伝送装置及び伝送装置制御方法の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例により本願の開示する伝送装置及び伝送装置制御方法が限定されるものではない。
【実施例1】
【0015】
図1は、実施例1に係る伝送装置のブロック図である。また、図2は、伝送装置の全体を表すブロック図である。図1は、図2に示す伝送装置の一部であるIF(Inter Face)ユニットを取り出して記載したものである。本実施例に係る伝送装置において仕様変更の対象となる各オーバヘッドの機能は、固定値をオーバヘッドのデータとして主信号に付加する機能である。すなわち、本実施例に係る伝送装置において仕様変更の対象となるオーバヘッドの機能は、入力された主信号に対して、スタティックなオーバヘッドのデータを付加するものである。この場合、例えば仕様変更をしたオーバヘッドの部分に間違ったデータが挿入されても余剰警報のような機能が実行されるだけである。そのため、仕様変更を行うオーバヘッドの部分に単にダミーデータを付加しても問題が無い場合であるといえる。具体的には、J0バイトに付加するデータを変更する場合などであり、例えば64ビットのデータを付加していたものを128ビットのデータを付加するように変更する場合などである。このオーバヘッドが「監視保守信号」の一例にあたる。
【0016】
図1に示すように、本実施例に係る伝送装置は、主信号データ処理部3、第1FPGA1、第2FPGA2及びFLASH_ROM4を有している。FLASH_ROM4は、FPGA Configuration FlashROMと呼ぶ場合がある。これらは、図2に示すように伝送装置のIF(Inter Face)ユニット100に含まれる。
【0017】
さらに、図2に示すように、本実施例に係る伝送装置は、IFユニット100及び監視制御ユニット300を有している。そして、本実施例に係る伝送装置は操作端末400と接続されている。
【0018】
主信号データ処理部3は、特定用途向ICである。主信号データ処理部3は、自装置との間でデータの授受を行う外部の装置(以下では、「対向装置」という。)から主信号を受信する。ここで、主信号はSONET/SDHのデータである。なお、SONET/SDHフレームは、ITU(International Telecommunication Union:国際電気通信連合)勧告に準拠するものであるため、詳細な説明は省略する。
【0019】
そして、主信号データ処理部3は、主信号シリアル出力及びシリアル入力に対するパラレル/シリアル変換及びシリアル/パラレル変換やルーティング経路の決定などの処理を行う。また、主信号データ処理部3は、受信した主信号のエラーの個数やエラー内容などのオーバヘッドの処理に用いる情報を後述する第1FPGA1へ出力する。また、主信号データ処理部3は、主信号に付加するオーバヘッドのデータの入力を第1FPGA1から受ける。そして、主信号データ処理部3は、第1FPGA1から受信したオーバヘッドのデータを主信号に付加する。さらに主信号データ処理部3は、第1FPGA1から受信した主信号の設定情報を用いて主信号の設定を行う。そして、主信号データ処理部3は、オーバヘッドを付加した主信号を対向装置へ出力する。この主信号データ処理部3が、「主信号受信部」、「信号付加部」及び「主信号送信部」の一例にあたる。
【0020】
第1FPGA1は、主信号データIF(Inter Face)部11、主信号設定部12、固定OH(Over Head)機能部13及び第1OH機能部14を有している。ここで、第1FPGA1は、固定OH機能部13をオーバヘッドの仕様毎、言い換えればオーバヘッドの機能毎に1ずつ有している。本実施例では第1FPGA1は、固定OH機能部13をz個有している。また、第1FPGA1は、第1OH機能部14もオーバヘッドの仕様毎に有している。本実施例では、第1FPGA1は、第1OH機能部14をm個有している。以下では、m個あるオーバヘッドの仕様のうち任意の一つが更新される場合で説明する。そして、更新の対象となっているオーバヘッドの仕様を有する第1OH機能部14のうちの一つを単に第1OH機能部14と表すものとする。
【0021】
主信号データIF部11は、主信号データ処理部3と第1FPGA1との間のデータの受け渡しのインタフェースである。主信号データIF部11は、主信号データ処理部3から出力された主信号を受信する。また、主信号データIF部11は、固定OH機能部13及び第1OH機能部14から出力されたオーバヘッド、並びに主信号設定部12から出力された主信号の設定情報を主信号データIF部11へ出力する。
【0022】
主信号設定部12は、主信号のクロックの設定やリセットタイミングの設定などといった主信号の設定情報を出力する。
【0023】
固定OH機能部13が扱うオーバヘッドの機能は、仕様変更が行われない機能である。固定OH機能部13は、オーバヘッドの機能毎に1つ設けられている。すなわち、固定OH機能部13は、仕様変更が行われない機能を有するオーバヘッドの数(本実施例ではz個)だけ設けられている。
【0024】
固定OH機能部13は、主信号に含まれるエラーの数やエラー内容といったオーバヘッドの処理に用いるデータの入力を主信号データIF部11から受ける。そして、固定OH機能部13は、入力されたエラー内容やエラーの数に応じたオーバヘッドのデータを選択し、選択したオーバヘッドのデータを主信号データIF部11へ出力する。ここで、z個の固定OH機能部13が、それぞれオーバヘッドのデータの出力を個別に行う。この固定OH機能部13が「固定信号出力部」の一例にあたる。
【0025】
第1OH機能部14は、主信号の内容によらず主信号に対して固定値のオーバヘッドのデータを出力する処理を行う。言い換えれば、第1OH機能部14は、オーバヘッドのデータの出力をスタティックに行う。第1OH機能部14は、オーバヘッドの機能毎に1つずつ設けられている。すなわち、第1OH機能部14は、仕様変更がなされる可能性のある機能を有するオーバヘッドの数(本実施例ではm個)だけ設けられている。
【0026】
第1OH機能部14は、後述する第2OH機能部20を更新する旨の通知をCPU(Central Processing Unit)5から受信する。また、第1OH機能部14は、第2OH機能部20の更新の完了の通知をCPU5から受信する。
【0027】
そして、第1OH機能部14は、選択部141、前値データバッファ142及び更新フラグレジスタ部143を有している。この第1OH機能部14が「第2の信号出力部」の一例にあたる。
【0028】
選択部141は、第2OH機能部20をオーバヘッドのデータの供給元として選択している場合に、更新フラグレジスタ部143からの切替指示を受けて、オーバヘッドのデータの供給元の選択を前値データバッファ142に切り替える。そして、選択部141は前値データバッファ142からのオーバヘッドのデータを主信号データIF部11へ出力する。この時、選択部141は、第2OH機能部20から入力されたデータでオーバヘッドが上書きされないようにする。
【0029】
また、選択部141は、前値データバッファ142をオーバヘッドのデータの供給元として選択している場合に、更新フラグレジスタ部143からの切替指示を受けて、オーバヘッドのデータの供給元の選択を第2OH機能部20に切り替える。そして、選択部141は、第2OH機能部20からのオーバヘッドのデータを受信し主信号データIF部11へ出力する。
【0030】
前値データバッファ142は、通常の運用では、第2OH機能部20が出力するオーバヘッドのデータを自己が保持しているオーバヘッドのデータに上書きしていく。
【0031】
前値データバッファ142は、第2OH機能部20の更新が行われる場合、上書き禁止の指示を更新フラグレジスタ部143から受けて、第2OH機能部20が出力するオーバヘッドのデータによる自己が記憶しているオーバヘッドのデータの上書きを禁止する。すなわち、前値データバッファ142は、自己が記憶しているオーバヘッドのデータを保持し続ける。そして、前値データバッファ142は、自己が保持するオーバヘッドのデータを選択部141へ出力する。
【0032】
さらに、前値データバッファ142は、第2OH機能部20の更新が完了した場合、上書き再開の命令を更新フラグレジスタ部143から受けて、第2OH機能部20が出力するオーバヘッドのデータでの自己が記憶しているオーバヘッドのデータの上書を再開する。
【0033】
更新フラグレジスタ部143は、通常の運用では、第2OH機能部20の更新を行う旨の通知を受けるまでは、第2OH機能部20から出力されるオーバヘッドの情報を上書きするよう前値データバッファ142に指示する。さらに、更新フラグレジスタ部143は、通常の運用では、第2OH機能部20の更新を行う旨の通知を受けるまでは、第2OH機能部20からのオーバヘッドの情報を選択するよう選択部141に指示する。この更新フラグレジスタ部143の設定状態を「スルー設定」と呼ぶことがある。
【0034】
そして、更新フラグレジスタ部143は、第2OH機能部20の更新を行う旨の通知を受けて、第2OH機能部20から出力されるオーバヘッドの情報を上書を禁止するよう前値データバッファ142に指示する。さらに、更新フラグレジスタ部143は、第2OH機能部20の更新を行う旨の通知を受けて、前値データバッファ142からのオーバヘッドの情報を選択することを選択部141に指示する。この更新フラグレジスタ部143の設定状態を「ホールド設定」と呼ぶことがある。
【0035】
そして、更新フラグレジスタ部143は、第2OH機能部20の更新の完了の旨の通知を受けて、第2OH機能部20から出力されるオーバヘッドの情報を上書きするよう前値データバッファ142に指示する。また、更新フラグレジスタ部143は、第2OH機能部20の更新の完了の旨の通知を受けて、第2OH機能部20からのオーバヘッドの情報を選択するよう選択部141に指示する。すなわち、第2OH機能部20の更新の完了の旨の通知を受けると、更新フラグレジスタ部143は通常の運用の状態であるスルー設定に戻ることになる。
【0036】
第2FPGA2は、第2OH機能部20を有している。また、第2OH機能部20は、静的OH処理部201を有している。
【0037】
第2OH機能部20は、第1OH機能部14が主信号に付加するためのオーバヘッドの情報を提供する機能を有する。第2OH機能部20は、少なくとも一対一で第1OH機能部14と対応する個数が設けられている。本実施例では、第2OH機能部20は、y(y≧m)個設けられている。
【0038】
静的OH処理部201は、第1OH機能部14が行う処理に対応する仕様のオーバヘッドのデータを保持している。そして、静的OH処理部201が有するオーバヘッドの仕様は、変更される可能性があるものである。また、各静的OH処理部201は、オーバヘッドのデータを1つずつ有している。この静的OH処理部201が「情報記憶部」の一例にあたる。
【0039】
第2OH機能部20は、自己が有する静的OH処理部201が有するオーバヘッドを第1OH機能部14に出力するので、常に同じオーバヘッドのデータを第1OH機能部14へ提供することになる。言い換えれば、各第2OH機能部20は、オーバヘッドのデータをスタティックに第1OH機能部14に提供する。
【0040】
第2OH機能部20の更新を行う場合、CPU5により、FLASH_ROM4に格納されている静的OH処理部201のオーバヘッドを新規仕様にするコンフィグレーション用のデータを用いて第2FPGA2のリコンフィグレーションが行われる。より具体的には、CPU5の指示を受けて、FPGA Configuration Controller101が第2FPGA2のリコンフィグレーションを行う。これにより、第2OH機能部20はバージョンアップされる。さらに、CPU5により、バックアップメモリ103に保持されているオーバヘッド設定データを用いて、y個全ての静的OH処理部201の初期設定が行われる。この第2OH機能部20は「第1の信号出力部」の一例にあたる。そして、第2OH機能部20が出力するオーバヘッドのデータが「第1の監視保守信号の情報」の一例にあたる。
【0041】
FLASH_ROM4には、操作端末400を用いてオペレータから入力されたオーバヘッドを新規仕様にするための第2FPGA2のコンフィグレーション用のデータが格納される。
【0042】
監視制御ユニット300は、IFユニット100からエラー情報などを取得する。そして、監視制御ユニット300は、エラー情報などを操作端末400へ出力し、オペレータに通知する。オペレータは、エラー情報などを参照してオーバヘッド設定データや主信号設定データを操作端末400を用いて入力する。
【0043】
監視制御ユニット300は、バックアップメモリ301を有している。そして、監視制御ユニット300は、操作端末400を用いてオペレータから入力されたオーバヘッド設定データ及び主信号設定データを受信しバックアップメモリ301に記憶する。そして、監視制御ユニット300は、オーバヘッド設定データ及び主信号設定データをIFユニット100へ出力する。
【0044】
また、監視制御ユニット300は、操作端末400を用いたオペレータからの第2OH機能部20を新規仕様にする第2FPGA2のコンフィグレーション用のデータの入力を受ける。そして、監視制御ユニット300は、受信した第2OH機能部20を新規仕様にする第2FPGA2のコンフィグレーション用のデータをIFユニット100へ出力する。
【0045】
監視制御IF(Inter Face)102は、監視制御ユニット300とIFユニット100との間のデータの授受を行うためのインタフェースである。
【0046】
FPGA Configuration Controller101は、CPU5からの指示を受けて、FLASH_ROM4に格納されている第2OH機能部20を新規仕様にする第2FPGA2のコンフィグレーション用のデータを用いて第2FPGA2のコンフィグレーションを行う。同様に、FPGA Configuration Controller101は、第1FPGA1のコンフィグレーションも行う。
【0047】
CPU5は、監視制御ユニット300から入力された主信号設定データ及びオーバヘッド設定データをバックアップメモリ103に格納する。また、CPU5は、バックアップメモリ103に格納されている主信号設定データを用いて主信号データ処理部3の設定を行う。また、CPU5は、バックアップメモリ103に格納されているオーバヘッド設定データを用いて第2OH機能部20の設定を行う。ここで、監視制御ユニット300のバックアップメモリ301にも主信号設定データ及びオーバヘッド設定データは格納されているためバックアップメモリ103に格納しなくても良い。その場合には、CPU5は、バックアップメモリ301から主信号設定データ又はオーバヘッド設定データを読出して主信号データ処理部3又は第2FPGA2の設定を行うことになる。
【0048】
また、CPU5は、第2FPGA2の更新を統括制御する。例えば、CPU5は、FPGA Configuration Controller101に対して第2FPGA2の更新の実行命令を出したり、第1OH機能部14に対して第2FPGA2の更新を行う旨の通知をする。このCPU5が「更新部」の一例にあたる。
【0049】
次に、図3を参照して、本実施例に係る伝送装置のオーバヘッドの仕様の更新処理の流れを説明する。図3は、実施例1に係る伝送装置のオーバヘッドの仕様の更新処理のフローチャートである。
【0050】
第1OH機能部14は、第2OH機能部20から受信したオーバヘッドのデータを主信号データ処理部3へ出力する(ステップS101)。
【0051】
主信号データ処理部3は、固定OH機能部13及び第1OH機能部14から出力されたオーバヘッドのデータを主信号に付加して対向装置へ送信する(ステップS102)。
【0052】
前値データバッファ142は、第2OH機能部20から受信したオーバヘッドのデータを自己が記憶するオーバヘッドのデータに上書きする(ステップS103)。
【0053】
CPU5は、操作端末400から第2OH機能部20のオーバヘッドの仕様の更新指示を受けたか否かを判定する(ステップS104)。オーバヘッドの仕様の更新指示が無い場合(ステップS104否定)、ステップS101へ戻る。
【0054】
これに対して、オーバヘッドの仕様の更新指示を受けた場合(ステップS104肯定)、CPU5は、新規仕様のコンフィグレーションデータをFLASH_ROM4へ書き込む(ステップS105)。
【0055】
更新フラグレジスタ部143は、設定をホールド設定に変更する(ステップS106)。この場合、前値データバッファ142におけるオーバヘッドのデータの上書きが禁止されるとともに、選択部141は前値データバッファ142から出力されたオーバヘッドのデータを選択するよう指示される。
【0056】
CPU5は、m個全ての第1OH機能部14についてステップS106の処理が完了したか否かを判定する(ステップS107)。処理が完了していない第1OH機能部14がある場合(ステップS107否定)、ステップS106に戻る。
【0057】
これに対して、全ての第1OH機能部14に対して処理が完了している場合(ステップS107肯定)、第1OH機能部14は、前値データバッファ142から受信したオーバヘッドのデータを主信号データ処理部3に出力する(ステップS108)。
【0058】
主信号データ処理部3は、固定OH機能部13及び第1OH機能部14から出力されたオーバヘッドのデータを主信号に付加してその主信号を対向装置へ送信する(ステップS109)。
【0059】
FPGA Configuration Controller101はFLASH_ROM4に格納されているデータを用いて第2FPGA2のリコンフィグレーションを行う(ステップS110)。
【0060】
そして、CPU5は、バックアップメモリ103に格納されているオーバヘッド設定データを用いて第2FPGA2の初期設定を行う(ステップS111)。
【0061】
更新フラグレジスタ部143は、設定をスルー設定に変更する(ステップS112)。
【0062】
選択部141は、静的OH処理部201から取得したオーバヘッドのデータを主信号データ処理部3に出力する(ステップS113)。
【0063】
そして、主信号データ処理部3は、固定OH機能部13及び第1OH機能部14から出力されたオーバヘッドのデータを付加してその主信号を対向装置へ送信する(ステップS114)。
【0064】
ここで、図3のフローチャートでは説明の都合上、ステップS108、S109における前値データバッファ142からのデータの付加及び主信号の送信を行った後に、ステップS110、S111における第2FPGA2の更新を行うように説明している。しかし、実際には、ステップS110、S111が行われている間にも、ステップS107及びS108は並行して実行されている。
【0065】
以上に説明したように、実施例1に係る伝送装置は、オーバヘッドのデータをスタティックに主信号に付加する処理を行っており、そのオーバヘッドの仕様を更新する間、更新直前のオーバヘッドのデータを主信号に付加して対向装置に送信する。これにより、オーバヘッドの仕様を更新している間にも主信号の断が発生することを回避できる。すなわち、主信号の断を発生すること無くオーバヘッドの処理の仕様変更を実行することが可能となる。
【0066】
また、本実施例に係る伝送装置におけるオーバヘッド処理部の回路規模は、通常のオーバヘッドの処理を行う回路に比べて前値データバッファ分増加するだけである。したがって、本実施例に係るオーバヘッド処理部は、オーバヘッド処理部を完全に2重化構成した伝送装置よりも半分程度の回路規模に抑えることができるとともに、製造のコストを削減することもできる。
【0067】
(変形例)
図4は、実施例1の変形例に係る伝送装置のブロック図である。本変形例は、部分コンフィグレーションを行えるFPGAを用いたことが実施例と異なるものである。
【0068】
第1FPGA1に部分コンフィグレーションを行えるFPGAを用いたため、実施例1の第2FPGA2が有する機能を第1FPGA1に持たせることができる。
【0069】
第1OH機能部14は、選択部141、前値データバッファ142、更新フラグレジスタ部143及び静的OH処理部144を有する。ここで、静的OH処理部144は、実施例1における第2FPGA2の静的OH処理部201の機能を有するものである。
【0070】
選択部141は、静的OH処理部144をオーバヘッドのデータの供給元として選択している場合に、更新フラグレジスタ部143からの切り替え指示を受けて、オーバヘッドのデータの供給元の選択を前値データバッファ142に切り替える。そして、選択部141は、前値データバッファ142からのオーバヘッドのデータを主信号データIF部11へ出力する。この時、選択部141は、静的OH処理部144からのデータで主信号が上書きされないようにする。
【0071】
また、選択部141は、前値データバッファ142をオーバヘッドのデータの供給元として選択している場合に、更新フラグレジスタ部143からの切り替え指示を受けて、オーバヘッドのデータの供給元の選択を静的OH処理部144に切り替える。そして、選択部141は、静的OH処理部144からのオーバヘッドのデータを受信し、静的OH処理部144から受信したオーバヘッドのデータを主信号データIF部11へ出力する。
【0072】
前値データバッファ142は、通常の運用では、静的OH処理部144が出力するオーバヘッドのデータを自己が記憶しているオーバヘッドのデータに上書きしていく。
【0073】
前値データバッファ142は、静的OH処理部144の更新が行われる場合、上書き禁止の指示を更新フラグレジスタ部143から受けて、静的OH処理部144が出力するオーバヘッドのデータによる自己が記憶しているオーバヘッドのデータの上書きを禁止する。すなわち、前値データバッファ142は、自己が記憶しているオーバヘッドのデータを保持し続ける。そして、前値データバッファ142は、自己が保持するオーバヘッドのデータを選択部141へ出力する。
【0074】
さらに、前値データバッファ142は、静的OH処理部144の更新が完了した場合、上書き再開の命令を更新フラグレジスタ部143から受けて、静的OH処理部144が出力するオーバヘッドのデータでの自己が記憶しているオーバヘッドのデータの上書を再開する。
【0075】
更新フラグレジスタ部143は、通常の運用では、静的OH処理部144の更新を行う旨の通知を受けるまでは、静的OH処理部144から出力されるオーバヘッドの情報を上書きするよう前値データバッファ142に指示する。さらに、更新フラグレジスタ部143は、通常の運用では、静的OH処理部144を行う旨の通知を受けるまでは、静的OH処理部144からのオーバヘッドの情報を選択するよう選択部141に指示する。
【0076】
そして、更新フラグレジスタ部143は、静的OH処理部144の更新を行う旨の通知を受けて、静的OH処理部144から出力されるオーバヘッドの情報の上書を禁止するよう前値データバッファ142に指示する。さらに、更新フラグレジスタ部143は、静的OH処理部144の更新を行う旨の通知を受けて、前値データバッファ142からのオーバヘッドの情報を選択することを選択部141に指示する。
【0077】
そして、更新フラグレジスタ部143は、静的OH処理部144の更新の完了の旨の通知を受けて、静的OH処理部144から出力されるオーバヘッドの情報を上書きするよう前値データバッファ142に指示する。また、更新フラグレジスタ部143は、静的OH処理部144の更新の完了の旨の通知を受けて、静的OH処理部144からのオーバヘッドの情報を選択するよう選択部141に指示する。
【0078】
第1FPGA1は部分コンフィグレーションが可能であるので、静的OH処理部144だけを更新することが可能である。そこで、静的OH処理部144は、FPGA Configuration Controller101により、FLASH_ROM4に格納されている静的OH処理部144のオーバヘッドを新規仕様にするコンフィグレーション用のデータを用いてリコンフィグレーションが行われる。さらに、CPU5により、バックアップメモリ103に保持されているオーバヘッド設定データを用いて、静的OH処理部144の初期設定が行われる。
【0079】
以上に説明したように、本変形例に係る伝送装置ではFPGAの部分コンフィグレーションを用いて、主信号の断を発生させずにオーバヘッドの処理の仕様変更を実行することが可能となる。そして、部分コンフィグレーションを行うため、仕様変更を必要としない他のオーバヘッド機能部への影響を抑えることが可能となる。
【実施例2】
【0080】
図5は、実施例2に係る伝送装置のブロック図である。本実施例に係る伝送装置は、複数のオーバヘッドのデータの中から主信号に合わせて適したオーバヘッドを選択し主信号に付加することが実施例1と異なるものである。言い換えれば、本実施例に係る伝送装置は、主信号に付加するオーバヘッドのデータをダイナミックに変えていく。具体的には、オーバヘッドが伝送路の切り替えを行うような機能を有する場合である。本実施例に係る伝送装置の全体の構成図も図2で表される。図5において、図1と同じ符号を持つものは、特に説明のない限り同じ機能を有するものとする。
【0081】
第1FPGA1は、主信号データIF部11、主信号設定部12、固定OH機能部13及び第3OH機能部15を有している。
【0082】
第3OH機能部15が行うオーバヘッドの処理は、主信号の内容に応じたオーバヘッドのデータを出力するものである。第3OH機能部15は、オーバヘッドの機能毎に1つずつ設けられている。すなわち、第3OH機能部15は、仕様変更がなされる可能性のある機能を有するオーバヘッドの数(本実施例ではn個)だけ設けられている。
【0083】
第3OH機能部15は、後述する第4OH機能部21を更新する旨の通知をCPU5から受信する。また、第3OH機能部15は、第4OH機能部21の更新の完了の通知をCPU5から受信する。
【0084】
また、第3OH機能部15は、警報終端部151、動的OH処理部152及び選択部153を有している。この第3OH機能部15が「第2の信号出力部」の一例にあたる。そして、第3OH機能部15が出力するオーバヘッドのデータが「更新部による更新後の第1の監視保守信号の情報」の一例にあたる。
【0085】
警報終端部151は、主信号データIF部11が有する主信号から警報を検出し、検出した警報を終端させる。そして、警報終端部151は、検出した警報の内容を動的OH処理部152へ出力する。
【0086】
動的OH処理部152は、オーバヘッドのデータを複数記憶している。そして、動的OH処理部152は、警報の内容とオーバヘッドのデータとの対応を予め記憶している。
【0087】
さらに、後述する選択部153が動的OH処理部212を選択している状態で第4OH機能部21の更新が行われる場合、動的OH処理部152は、警報の内容とオーバヘッドのデータとの対応を変更する指示をCPU5から受ける。そして、動的OH処理部152は、更新直前に第4OH機能部21によるオーバヘッドの選択の処理に合わせて、警報の内容とオーバヘッドのデータとの対応を変更し記憶する。例えば、警報に合わせて伝送経路を選択する処理の場合、どの警報を受けるとどの伝送経路選択するかを判定し、警報に対応する各伝送経路を選択するオーバヘッドとその警報との対応を記憶する。
【0088】
これに対して、選択部153が動的OH処理部152を選択している状態で第4OH機能部21の更新が行われても、動的OH処理部152は、行っている処理を続行する。
【0089】
動的OH処理部152は、警報終端部151が検出した警報の内容の入力を受ける。そして、動的OH処理部152は、受信した警報の内容に対応したオーバヘッドデータを抽出する。そして、動的OH処理部152は、抽出したオーバヘッドデータを選択部153へ出力する。
【0090】
選択部153は、動的OH処理部152又は動的OH処理部212のいずれを選択するかの指示をCPU5から受ける。そして、選択部153は、指示された側から出力されるオーバヘッドのデータを取得し、取得したオーバヘッドのデータを主信号データIF部11に出力する。
【0091】
ここで、選択部153による、動的OH処理部152又は動的OH処理部212の選択について具体的に説明する。まず、伝送装置が起動すると、選択部153は、主信号の仕様に合わせて動的OH処理部152又は動的OH処理部212のいずれかを選択する。
【0092】
その後、動的OH処理部152を選択している状態で第4OH機能部21の更新が行われる場合、選択部153は、そのまま動的OH処理部152を選択し続ける。そして、第4OH機能部21の更新が完了すると、選択部153は、動的OH処理部212に選択を切り替える。
【0093】
これに対して、動的OH処理部212を選択している状態で第4OH機能部21の更新が行われる場合、選択部153は、動的OH処理部152に選択を切り替える。そして、第4OH機能部21の更新が完了すると、選択部153は、動的OH処理部212に選択を切り替える。
【0094】
第2FPGA2は、n個全ての第3OH機能部15が動的OH処理部152が出力するオーバヘッドのデータを主信号データIF部11へ出力している場合には、第4OH機能部21を形成するために必要な領域が設けられているだけであり、第4OH機能部21は存在しない。第2FPGA2には、n個の第1OH機能部14に対して予め更新が予測される個数の第4OH機能部21が収まる規模の領域が設けられている。本実施例では、第4OH機能部21は、x個設けられている。
【0095】
そして、第2FPGA2は、第3OH機能部15が第4OH機能部21からオーバヘッドのデータの提供を受けている状態では、第4OH機能部21を第3OH機能部15が使用している数だけ有する。第4OH機能部21は、警報終端部211及び動的OH処理部212を有している。
【0096】
すなわち、第4OH機能部21は、第3OH機能部15が動的OH処理部152から出力されるオーバヘッドのデータを主信号データIF部11へ出力している状態で、オーバヘッドの仕様変更が行われると第2FPGA2上に形成されるものである。また、第2FPGA2上に形成された第4OH機能部21は更新が可能である。この第4OH機能部14が「第1の信号出力部」の一例にあたる。
【0097】
警報終端部211は、主信号データIF部11が有する主信号から警報を検出し、検出した警報を終端させる。そして、警報終端部211は、検出した警報の内容を動的OH処理部212へ出力する。
【0098】
動的OH処理部212は、第3OH機能部15が行う処理に対応する仕様のオーバヘッドのデータを保持している。そして、動的OH処理部212が有するオーバヘッドの仕様は、変更される可能性があるものである。そして、動的OH処理部212は、複数のオーバヘッドのデータを有している。さらに、動的OH処理部212は、警報終端部211が検出する警報と自己が記憶しているオーバヘッドのデータとの対応関係を予め記憶している。
【0099】
動的OH処理部212は、自己が有するオーバヘッドの中から警報終端部211が検出した警報に対応したオーバヘッドのデータを取得する。
【0100】
第4OH機能部21は、動的OH処理部212が取得したオーバヘッドのデータを第3OH機能部15へ出力する。言い換えれば、各第4OH機能部21は、オーバヘッドのデータをダイナミックに変更し第3OH機能部15に提供する。
【0101】
第4OH機能部21の更新を行う場合、FPGA Configuration Controller101により、FLASH_ROM4に格納されている動的OH処理部212を新規仕様にするコンフィグレーション用のデータを用いて第2FPGA2のリコンフィグレーションが行われる。これにより、第4OH機能部21はバージョンアップされる。さらに、CPU5により、バックアップメモリ103に保持されているオーバヘッド設定データを用いて、x個全ての動的OH処理部212の初期設定が行われる。
【0102】
次に、図6を参照して、本実施例に係る伝送装置のオーバヘッドの仕様の更新処理の流れを説明する。図6は、実施例2に係る伝送装置のオーバヘッドの仕様の更新処理のフローチャートである。
【0103】
選択部153は、主信号の仕様に合わせて動的OH処理部152又は動的OH処理部212を選択し、選択した側からのオーバヘッドのデータを主信号データIF部11へ出力する(ステップS201)。
【0104】
主信号データ処理部3は、固定OH機能部13及び第3OH機能部15から出力されたオーバヘッドのデータを主信号に付加して対向装置へ送信する(ステップS202)。
【0105】
CPU5は、操作端末400からオーバヘッドの仕様の変更指示があるか否かを判定する(ステップS203)。オーバヘッドの仕様の変更指示が無い場合(ステップS203否定)、ステップS201に戻る。
【0106】
これに対して、オーバヘッドの仕様の変更指示がある場合(ステップS203肯定)、CPU5は、主信号に付加しているオーバヘッドのデータの供給元が動的OH処理部212か否かを判定する(ステップS204)。
【0107】
オーバヘッドのデータ供給元が動的OH処理部212の場合(ステップS204肯定)、 CPU5は、新規仕様のコンフィグレーションデータをFLASH_ROM4へ書き込む(ステップS205)。
【0108】
動的OH処理部152は、データの選択などのオーバヘッドのデータの処理の設定を動的OH処理部212の設定に合わせて変更する(ステップS206)。
【0109】
選択部153は、動的OH処理部152に選択を切り替え、動的OH処理部152からのオーバヘッドのデータを取得する(ステップS207)。
【0110】
CPU5は、n個全ての第3OH機能部15についてステップS205からステップS208の処理が完了したか否かを判定する(ステップS208)。処理が完了していない第3OH機能部15がある場合(ステップS208否定)、ステップS206に戻る。
【0111】
これに対して、全ての第3OH機能部15に対して処理が完了している場合(ステップS208肯定)及びオーバヘッドの供給元が動的OH処理部152の場合(ステップS204否定)、選択部153は、動的OH処理部152から取得したオーバヘッドのデータを主信号データIF部11へ出力する(ステップS209)。
【0112】
主信号データ処理部3は、固定OH機能部13及び第3OH機能部15から出力されたオーバヘッドのデータを主信号に付加して対向装置へ送信する(ステップS210)。
【0113】
FPGA Configuration Controller101はFLASH_ROM4に格納されているデータを用いて第2FPGA2のリコンフィグレーションを行う(ステップS211)。
【0114】
そして、CPU5は、バックアップメモリ103に格納されているオーバヘッド設定データを用いて第2FPGA2の初期設定を行う(ステップS212)。
【0115】
選択部153は、動的OH処理部212に選択を切り替え、動的OH処理部212からのオーバヘッドのデータを取得する(ステップS213)。
【0116】
選択部153は、動的OH処理部212から取得したオーバヘッドのデータを主信号データIF部11に出力する(ステップS214)。
【0117】
そして、主信号データ処理部3は、固定OH機能部13及び第3OH機能部15から出力されたオーバヘッドのデータを主信号に付加して対向装置へ送信する(ステップS215)。
【0118】
ここで、図6のフローチャートでは説明の都合上、ステップS209、S210における動的OH処理部152からのデータの付加及び主信号の送信を行った後に、ステップS211、S212における第2FPGA2の更新を行うように説明している。しかし、実際には、ステップS211、S212が行われている間にも、ステップS209、S210は並行して実行されている。
【0119】
以上に説明したように、実施例1に係る伝送装置は、主信号の仕様に応じてダイナミックに変更してオーバヘッドのデータを主信号に付加するものである。そして、実施例1に係る伝送装置は、オーバヘッドの仕様を更新する間、更新直前の処理に対応する処理を行ったオーバヘッドを主信号に付加して対向装置に送信する。これにより、オーバヘッドの仕様を更新している間にも主信号の断が発生することを回避できる。すなわち、主信号の仕様に応じてダイナミックに変更してオーバヘッドのデータを主信号に付加する場合にも、主信号の断を発生すること無くオーバヘッドの処理の仕様変更を実行することが可能となる。
【0120】
また、本実施例に係る伝送装置におけるオーバヘッド処理部全体の回路規模は、通常のオーバヘッドの処理を行う回路に将来の変更が予測されるオーバヘッド処理部の数(本実施例ではx)を加えたものである。したがって、本実施例に係るオーバヘッド処理部は、オーバヘッド処理部を完全に2重化構成した伝送装置に比べて回路規模を小さく抑えることができるとともに、製造のコストを削減することもできる。
【0121】
(変形例)
図7は、実施例2の変形例に係る伝送装置のブロック図である。本変形例は、部分コンフィグレーションを行えるFPGAを用いたことが実施例2と異なるものである。
【0122】
第1FPGA1に部分コンフィグレーションを行えるFPGAを用いたため、実施例1の第2FPGA2が有する機能を第1FPGA1に持たせることができる。
【0123】
第3OH機能部15は、警報終端部151、動的OH処理部152、選択部153及び部分OH機能部154を有している。そして、部分OH機能部154は、警報終端部155及び動的OH処理部156を有している。ここで、部分OH機能部154は、実施例2における第2FPGA2の第4OH機能部21の機能を有するものである。
【0124】
警報終端部151は、主信号データIF部11が有する主信号から警報を検出し、検出した警報を終端させる。そして、警報終端部151は、検出した警報の内容を動的OH処理部152へ出力する。
【0125】
動的OH処理部152は、オーバヘッドのデータを複数記憶している。そして、動的OH処理部152は、警報の内容とオーバヘッドのデータとの対応を予め記憶している。
【0126】
さらに、選択部153が動的OH処理部156を選択している状態で部分OH機能部154の更新が行われる場合、動的OH処理部152は、警報の内容とオーバヘッドのデータとの対応を変更する指示をCPU5から受ける。そして、動的OH処理部152は、更新直前における動的OH処理部156によるオーバヘッドのデータの選択といった処理に合わせて、警報の内容とオーバヘッドのデータとの対応を変更し記憶する。
【0127】
これに対して、選択部153が動的OH処理部152を選択している状態で第4OH機能部21の更新が行われても、動的OH処理部152は、行っている処理を続行する。
【0128】
動的OH処理部152は、警報終端部151が検出した警報の内容の入力を受ける。そして、動的OH処理部152は、受信した警報の内容に対応したオーバヘッドのデータを抽出する。そして、動的OH処理部152は、抽出したオーバヘッドのデータを選択部153へ出力する。
【0129】
選択部153は、動的OH処理部152又は動的OH処理部156のいずれを選択するかの指示をCPU5から受ける。そして、選択部153は、指示された側から出力されるオーバヘッドのデータを取得し、取得したオーバヘッドのデータを主信号データIF部11が有する主信号に付加する。
【0130】
ここで、選択部153による、動的OH処理部152又は動的OH処理部156の選択について具体的に説明する。まず、伝送装置が起動すると、選択部153は、主信号の仕様に合わせて動的OH処理部152又は動的OH処理部156のいずれかを選択する。
【0131】
その後、動的OH処理部152を選択している状態で部分OH機能部154の更新が行われる場合、選択部153は、そのまま動的OH処理部152を選択し続ける。そして、部分OH機能部154の更新が完了すると、選択部153は、動的OH処理部156に選択を切り替える。
【0132】
これに対して、動的OH処理部156を選択している状態で部分OH機能部154の更新が行われる場合、選択部153は、動的OH処理部152に選択を切り替える。そして、部分OH機能部154の更新が完了すると、選択部153は、動的OH処理部156に選択を切り替える。
【0133】
警報終端部155は、主信号データIF部11が有する主信号から警報を検出し、検出した警報を終端させる。そして、警報終端部155は、検出した警報の内容を動的OH処理部212へ出力する。
【0134】
動的OH処理部156は、オーバヘッドのデータを複数有している。さらに、動的OH処理部156は、警報終端部155が検出する警報と自己が記憶しているオーバヘッドのデータとの対応を予め記憶している。
【0135】
動的OH処理部156は、自己が有するオーバヘッドの中から警報終端部155が検出した警報に対応したオーバヘッドのデータを取得する。
【0136】
動的OH処理部156は、取得したオーバヘッドのデータを選択部153へ出力する。
【0137】
第1FPGA1は、部分コンフィグレーションができるので、部分OH機能部154のみを更新することが可能である。部分OH機能部154の更新を行う場合、FPGA Configuration Controller101により、FLASH_ROM4に格納されている動的OH処理部156のオーバヘッドを新規仕様にするコンフィグレーション用のデータを用いて部分OH機能部154のリコンフィグレーションが行われる。これにより、動的OH処理部156の仕様が更新される。さらに、CPU5により、バックアップメモリ103に保持されているオーバヘッド設定データを用いて、動的OH処理部156の初期設定が行われる。
【0138】
以上に説明したように、本変形例では、主信号の仕様に応じてダイナミックに変更してオーバヘッドのデータを主信号に付加する場合にも、FPGAの部分コンフィグレーションを用いて、主信号の断を発生させずにオーバヘッドの処理の仕様変更を実行できる。そして、本実施例に係るオーバヘッド処理部全体の回路規模は、通常のオーバヘッドの処理を行う回路に最低1つのオーバヘッド処理部を加えた回路規模にすることができる。そのため、より回路規模を小さくすることが可能となる。
【実施例3】
【0139】
図8は、実施例3に係る伝送装置のブロック図である。本実施例に係る伝送装置は、スタティックなオーバヘッドのデータを主信号に付加する処理から、主信号に付加するオーバヘッドのデータをダイナミックに変えていく処理へと変更できることが実施例1と異なるものである。本実施例に係る伝送装置の全体の構成図も図2で表される。図8において、図1と同じ符号を持つものは、特に説明のない限り同じ機能を有するものとする。
【0140】
本実施例においても、固定のオーバヘッドを付加するオーバヘッド機能の更新及び主信号の仕様に対応した適切なオーバヘッドを付加するオーバヘッド機能の更新については、実施例1及び実施例2と同様である。ただし、第2OH機能部20を更新する場合でも、第4OH機能部21を更新する場合でも、第2OH機能部20及び第4OH機能部21のいずれも停止する必要がある。そのため、第2OH機能部20を更新する場合でも、各第3OH機能部15では、更新の間は、実施例2と同様に警報終端部151及び動的OH処理部152を用いて処理を行う必要がある。また、第4OH機能部21を更新する場合でも、更新の間は、各第1OH機能部14は、実施例1と同様に前値データバッファ142のデータを用いて処理を行うことになる。
【0141】
そこで、以下では、第1OH機能部14が取得した第2OH機能部20から出力されたオーバヘッドのデータを主信号に付加している状態から、主信号の仕様に適したオーバヘッドのデータを選択し主信号に付加する状態に変更する場合について説明する。これは、例えば、勧告でまだ規定がないOHバイトを用いることになった場合などである。
【0142】
第1FPGA1は、図8に示すように、主信号データIF部11、主信号設定部12、固定OH機能部13、第1OH機能部14、第3OH機能部15及びOH機能選択部16を有している。
【0143】
OH機能選択部16は、選択部161を有している。
【0144】
選択部161は、CPU5からの指示を受けて主信号に付加するオーバヘッドの提供元を第1OH機能部14の選択部141又は第4OH機能部20の動的OH処理部212のいずれにするかを選択する。
【0145】
そして、OH機能選択部16は、選択部161により選択された側から取得したオーバヘッドを主信号データIF部11へ出力する。
【0146】
ここで、OH機能選択部16による機能部選択の動作を具体的に説明する。本実施例では、第1OH機能部14が取得した第2OH機能部20から出力されたオーバヘッドのデータを主信号に付加している状態が最初の状態であるので、まず、選択部161は第1OH機能部14の選択部141を選択しているものとする。そして、OH機能選択部16は、操作端末400から入力された静的OH処理部201が行う固定値のオーバヘッドのデータを付加する処理から主信号の仕様に合わせて適切なオーバヘッドを選び付加する処理への変更指示を、CPU5を介して受信する。その変更指示を受けると、選択部161は、動的OH処理部212の設定が完了するのを待って、オーバヘッドのデータの提供元として動的OH処理部212を選択するよう切り替える。
【0147】
第1OH機能部14の更新フラグレジスタ部143は、CPU5からオーバヘッド機能の更新指示を受けて、設定をホールド設定に変更する。
【0148】
第1OH機能部14の前値データバッファ142は、更新フラグレジスタ部143からの指示を受けて、自己が保持するオーバヘッドのデータの上書きを禁止する。そして、前値データバッファ142は、自己が保持するオーバヘッドのデータを選択部141へ出力する。
【0149】
第1OH機能部14の選択部141は、まず、第2OH機能部20が出力したオーバヘッドのデータを選択し取得している。そして、選択部141は、第2OH機能部20が出力したオーバヘッドのデータをOH機能選択部16へ出力する。
【0150】
その後、選択部141は、更新フラグレジスタ部143からの指示を受けて、前値データバッファ142が出力したオーバヘッドのデータを選択し取得する。そして、選択部141は、第2OH機能部20が出力したオーバヘッドのデータをOH機能選択部16へ出力する。
【0151】
この第1OH機能部14の処理はm個全ての第1OH機能部14で行われる。
【0152】
オーバヘッド機能の更新指示を受けると、第2FPGA2は、FPGA Configuration Controller101により、FLASH_ROM4に格納されているデータを用いてリコンフィグレーションされる。この場合、FLASH_ROM4には、新規仕様の第4OH機能部20を含むコンフィグレーションのデータが格納されている。これにより、第2FPGA2は、バージョンアップされる。
【0153】
y個全ての第2OH機能部20及びx個全ての第4OH機能部21は、バックアップメモリ103に格納されているオーバヘッド設定データを用いて初期化される。
【0154】
そして、初期化が完了すると、警報終端部211は、主信号データIF部11が有する主信号から警報を検出し、検出した警報を終端させる。そして、警報終端部211は、検出した警報の内容を動的OH処理部212へ出力する。
【0155】
動的OH処理部212は、自己が有するオーバヘッドの中から警報終端部211が検出した警報に対応したオーバヘッドのデータを取得する。
【0156】
第4OH機能部21は、動的OH処理部212が取得したオーバヘッドのデータをOH機能選択部16へ出力する。
【0157】
次に、図9を参照して、本実施例に係る伝送装置のオーバヘッドの仕様の更新処理の流れを説明する。以下では、第1OH機能部14が取得した第2OH機能部20から出力されたオーバヘッドのデータを主信号に付加している状態から、主信号の仕様に適したオーバヘッドのデータを選択し主信号に付加する状態に変更する場合について説明する。図9は、実施例2に係る伝送装置のオーバヘッドの仕様の更新処理のフローチャートである。
【0158】
選択部141は、第2OH機能部20を選択し、選択した側からのオーバヘッドのデータを取得し出力する。選択部161は、第1OH機能部14から出力されたオーバヘッドのデータを選択し取得する。OH機能選択部16は、選択部161が取得したオーバヘッドのデータを主信号データIF部11へ出力する(ステップS301)。
【0159】
そして、主信号データ処理部3は、固定OH機能部13及びOH機能選択部16から入力されたオーバヘッドのデータを主信号に付加して対向装置へ送信する(ステップS302)。
【0160】
CPU5は、操作端末400からオーバヘッドの仕様の変更指示があるか否かを判定する(ステップS303)。オーバヘッドの仕様の変更指示が無い場合(ステップS303否定)、ステップS301に戻る。
【0161】
これに対して、オーバヘッドの仕様の変更指示がある場合(ステップS303肯定)、CPU5は、新規仕様のコンフィグレーションデータをFLASH_ROM4へ書き込む(ステップS304)。
【0162】
更新フラグレジスタ部143は、設定をホールド設定に変更する(ステップS305)。この場合、前値データバッファ142におけるオーバヘッドのデータの上書きが禁止されるとともに、選択部141は前値データバッファ142から出力されたオーバヘッドのデータを選択するよう指示される。
【0163】
CPU5は、m個全ての第1OH機能部14についてステップS305の処理が完了したか否かを判定する(ステップS306)。処理が完了していない第1OH機能部14がある場合(ステップS306否定)、ステップS305に戻る。
【0164】
これに対して、全ての第1OH機能部14に対して処理が完了している場合(ステップS306肯定)、選択部141は、前値データバッファ142が出力したオーバヘッドのデータを取得する。そして、第1OH機能部14は、選択部141が取得したオーバヘッドのデータを選択部161へ出力する。OH機能選択部16は、選択部161が取得した第1OH機能部14が出力した前値データバッファ142からのオーバヘッドのデータを主信号データIF部11に出力する(ステップS307)。
【0165】
主信号データ処理部3は、固定OH機能部13及びOH機能選択部16から出力されたオーバヘッドのデータを主信号に付加しその主信号を対向装置へ送信する(ステップS308)。
【0166】
FPGA Configuration Controller101はFLASH_ROM4に格納されているデータを用いて第2FPGA2のリコンフィグレーションを行う(ステップS309)。
【0167】
そして、CPU5は、バックアップメモリ103に格納されているオーバヘッド設定データを用いて第2FPGA2の初期設定を行う(ステップS310)。
【0168】
選択部161は、動的OH処理部212に選択を切り替え、動的OH処理部212からのオーバヘッドのデータを取得する(ステップS311)。
【0169】
OH機能選択部16は、選択部161が取得した動的OH処理部212からのオーバヘッドのデータを主信号データIF部11に出力する(ステップS312)。
【0170】
主信号データ処理部3は、固定OH機能部13及びOH機能選択部16から出力されたオーバヘッドのデータを主信号に付加しその主信号を対向装置へ送信する(ステップS313)。
【0171】
ここで、図9のフローチャートでは説明の都合上、ステップS307、S308における動的OH処理部152からのデータの付加及び主信号の送信を行った後に、ステップS309、S310における第2FPGA2の更新を行うように説明している。しかし、実際には、ステップS309、S310が行われている間にも、ステップS307、S308は並行して実行されている。
【0172】
以上に説明したように、実施例3に係る伝送装置は、オーバヘッドのデータをスタティックに主信号に付加する処理から主信号の仕様に対応したオーバヘッドを主信号に付加させる処理に更新する場合にも、主信号の断が発生することを回避できる。すなわち、主信号の断を発生すること無くオーバヘッドの処理の仕様変更を実行することが可能となる。
【0173】
また、本実施例に係る伝送装置におけるオーバヘッド処理部全体の回路規模は、オーバヘッド処理部を完全に2重化構成にした伝送装置に比べて、回路規模を抑えることができる。具体的には、通常のオーバヘッドの処理を行う回路に比べて、将来の変更が予測されるオーバヘッド処理部の数(本実施例ではx)、OH機能選択部、前値データバッファ及び各選択部の分の規模が増加するだけである。したがって、本実施例に係るオーバヘッド処理部は、完全に2重化構成に比べて回路規模を小さく抑えることができるとともに、製造のコストを削減することもできる。
【0174】
(変形例)
図10は、実施例3の変形例に係る伝送装置のブロック図である。本変形例は、部分コンフィグレーションを行えるFPGAを用いたことが実施例3と異なるものである。
【0175】
第1FPGA1に部分コンフィグレーションを行えるFPGAを用いたため、実施例1の第2FPGA2が有する機能を第1FPGA1に持たせることができる。
【0176】
本変形例において、固定のオーバヘッドを付加するオーバヘッド機能の更新及び主信号の仕様に対応した適切なオーバヘッドを付加するオーバヘッド機能の更新については、実施例1の変形例及び実施例2の変形例と同様である。
【0177】
そこで、以下では、OH機能選択部16が、静的OH処理部144からのオーバヘッドのデータを選択部141から受信して主信号に付加している状態から、主信号の仕様に適したオーバヘッドのデータを選択し付加する状態に変更する場合について説明する。
【0178】
OH機能選択部16は、選択部161を有している。
【0179】
選択部161は、CPU5からの指示を受けて主信号に付加するオーバヘッドの提供元を第1OH機能部14の選択部141又は第3OH機能部15の動的OH処理部156のいずれにするかを選択する。
【0180】
そして、OH機能選択部16は、選択部161により選択された側から取得したオーバヘッドを主信号データIF部11が有する主信号に付加する。
【0181】
第1OH機能部14は、選択部141、前値データバッファ142、更新フラグレジスタ部143及び静的OH処理部144を有している。ここで、静的OH処理部144は、実施例3における第2FPGA2の静的OH処理部201の機能を有するものである。
【0182】
選択部141は、静的OH処理部144をオーバヘッドのデータの供給元として選択している場合に、更新フラグレジスタ部143からの切り替え指示を受けて、オーバヘッドのデータの供給元の選択を前値データバッファ142に切り替える。そして、選択部141は、主信号データIF部11が有する主信号に対して前値データバッファ142からのオーバヘッドのデータを付加する。この時、選択部141は、静的OH処理部144からのデータで主信号が上書きされないようにする。
【0183】
また、選択部141は、前値データバッファ142をオーバヘッドのデータの供給元として選択している場合に、更新フラグレジスタ部143からの切り替え指示を受けて、オーバヘッドのデータの供給元の選択を静的OH処理部144に切り替える。そして、選択部141は、静的OH処理部144からのオーバヘッドのデータを受信し、主信号データIF部11が有する主信号に対して静的OH処理部144からのオーバヘッドのデータを付加する。
【0184】
前値データバッファ142は、通常の運用では、静的OH処理部144が出力するオーバヘッドのデータを自己が記憶しているオーバヘッドのデータに上書きしていく。
【0185】
前値データバッファ142は、静的OH処理部144の更新が行われる場合、上書き禁止の指示を更新フラグレジスタ部143から受けて、静的OH処理部144が出力するオーバヘッドのデータによる自己が記憶しているオーバヘッドのデータの上書きを禁止する。すなわち、前値データバッファ142は、自己が記憶しているオーバヘッドのデータを保持し続ける。そして、前値データバッファ142は、自己が保持するオーバヘッドのデータを選択部141へ出力する。
【0186】
さらに、前値データバッファ142は、静的OH処理部144の更新が完了した場合、上書き再開の命令を更新フラグレジスタ部143から受けて、静的OH処理部144が出力するオーバヘッドのデータでの自己が記憶しているオーバヘッドのデータの上書を再開する。
【0187】
更新フラグレジスタ部143は、通常の運用では、静的OH処理部144の更新を行う旨の通知を受けるまでは、静的OH処理部144から出力されるオーバヘッドの情報を上書きするよう前値データバッファ142に指示する。さらに、更新フラグレジスタ部143は、通常の運用では、静的OH処理部144を行う旨の通知を受けるまでは、静的OH処理部144からのオーバヘッドの情報を選択するよう選択部141に指示する。
【0188】
そして、更新フラグレジスタ部143は、静的OH処理部144の更新を行う旨の通知を受けて、静的OH処理部144から出力されるオーバヘッドの情報の上書を禁止するよう前値データバッファ142に指示する。さらに、更新フラグレジスタ部143は、静的OH処理部144の更新を行う旨の通知を受けて、前値データバッファ142からのオーバヘッドの情報を選択することを選択部141に指示する。
【0189】
そして、更新フラグレジスタ部143は、静的OH処理部144の更新の完了の旨の通知を受けて、静的OH処理部144から出力されるオーバヘッドの情報を上書きするよう前値データバッファ142に指示する。また、更新フラグレジスタ部143は、静的OH処理部144の更新の完了の旨の通知を受けて、静的OH処理部144からのオーバヘッドの情報を選択するよう選択部141に指示する。
【0190】
第3OH機能部15は、警報終端部151、動的OH処理部152及び選択部153に加えて、部分OH機能部154を有している。さらに、部分OH機能部154は、警報終端部155及び動的OH処理部156を有している。
【0191】
第1FPGA1は、部分コンフィグレーションができるので、部分OH機能部154のみを更新することが可能である。部分OH機能部154の更新を行う場合、FPGA Configuration Controller101により、FLASH_ROM4に格納されている動的OH処理部156のオーバヘッドを新規仕様にするコンフィグレーション用のデータを用いて部分OH機能部154のリコンフィグレーションが行われる。これにより、動的OH処理部156の仕様が更新される。さらに、CPU5により、バックアップメモリ103に保持されているオーバヘッド設定データを用いて、動的OH処理部156の初期設定が行われる。
【0192】
そして、初期化が完了すると、警報終端部155は、主信号データIF部11が有する主信号から警報を検出し、検出した警報を終端させる。そして、警報終端部155は、検出した警報の内容を動的OH処理部156へ出力する。
【0193】
動的OH処理部156は、自己が有するオーバヘッドの中から警報終端部155が検出した警報に対応したオーバヘッドのデータを取得する。
【0194】
部分OH機能部154は、動的OH処理部156が取得したオーバヘッドのデータをOH機能選択部16へ出力する。
【0195】
以上に説明したように、本変形例では、固定値を付加する状態から、適当なオーバヘッドを選択して主信号に付加する状態に変更する場合にも、FPGAの部分コンフィグレーションを用いて、主信号の断を発生させずにオーバヘッドの仕様変更を実行できる。そして、部分コンフィグレーションを行うため、本変形例に係るオーバヘッド処理部全体の回路規模は、通常のオーバヘッドの処理を行う回路に最低1つのオーバヘッド処理部を加えた回路規模にすることができる。そのため、より回路規模を小さくすることが可能となる。
【0196】
例えば、固定値のオーバヘッドのデータを付加するオーバヘッド処理部の数が10個、主信号に合わせて適切なオーバヘッドのデータを付加するオーバヘッド処理部の数が10個ある伝送装置を考える。一つのオーバヘッド処理部の回路規模を1とすると、完全な2重化を行った場合、20×2=40の回路規模が必要となる。これに対して、OH機能選択部、前値データバッファ及び各選択部によって、回路規模が1.2倍になるので、本変形例に係る伝送装置の回路規模は、20+1×1.2=25.2となる。したがって、この場合、本変形例に係る伝送装置の回路規模は、完全な2重化の構成を取った伝送装置に比べて63%の回路規模に抑えることができる。
【符号の説明】
【0197】
1 第1FPGA
2 第2FPGA
3 主信号データ処理部
4 FLASH_ROM
5 CPU
11 主信号データIF部
12 主信号設定部
13 固定OH機能部
14 第1OH機能部
15 第3OH機能部
20 第2OH機能部
21 第4OH機能部
100 IFユニット
101 FPGA Configuration Controller
102 監視制御IF
103 バックアップメモリ
141 選択部
142 前値データバッファ
143 更新フラグレジスタ部
151 警報終端部
152 動的OH処理部
153 選択部
201 静的OH処理部
211 警報終端部
212 動的OH処理部
300 監視制御ユニット
301 バックアップメモリ
400 操作端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
主信号を受信する主信号受信部と、
第1の監視保守信号の情報を出力する第1の信号出力部と、
前記第1の信号出力部の機能を更新する更新部と、
前記更新部による前記第の1信号出力部の更新指示を受けた場合、前記更新部による更新前の前記第1の監視保守信号の情報を出力し、前記第1の信号出力部の更新が完了すると、前記第1の信号出力部から入力された前記更新部による更新後の第1の監視保守信号の情報を出力する第2の信号出力部と、
前記第2の信号出力部により出力された前記更新部による更新後の第1の監視保守信号の情報又は前記更新部による更新後の第1の監視保守信号の情報を前記主信号に付加する信号付加部と、
前記信号付加部により前記更新部による更新前の第1の監視保守信号の情報又は前記更新部による更新後の第1の監視保守信号の情報が付加された前記主信号を外部の装置へ送信する主信号送信部と
を備えたことを特徴とする伝送装置。
【請求項2】
前記第1の信号出力部は、前記第1の監視保守信号の情報を記憶する情報記憶部に記憶されている前記第1の監視保守信号の情報を出力し、
前記更新部は、前記情報記憶部に記憶されている前記第1の監視保守信号を更新し、
前記第2の信号出力部は、前記更新部による前記第1の信号出力部の更新指示を受けた場合、前記情報記憶部が更新の直前に保持している前記更新部による更新前の第1の監視保守信号の情報を出力し、前記第1の信号出力部の更新が完了すると、前記第1の信号出力部から入力された前記更新部による更新後の第1の監視保守信号の情報を出力する
ことを特徴とする請求項1に記載の伝送装置。
【請求項3】
前記第1の信号出力部は、前記主信号に含まれる警報に基づいて前記第1の監視保守信号の情報を出力し、
前記更新部は、前記主信号に含まれる警報に基づいて異なる前記第1の監視保守信号の情報を出力するよう前記第1の信号出力部を更新し、
前記第2の信号出力部は、前記更新部による前記第1の信号出力部の更新指示を受けた場合、前記主信号に含まれる警報に基づいて前記更新部による更新前の第1の監視保守信号の情報を出力し、前記第1の信号出力部の更新が完了すると、前記第1の信号出力部から入力された前記更新部による更新後の第1の監視保守信号を出力する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の伝送装置。
【請求項4】
前記第1の信号出力部は、前記第1の監視保守信号の情報を記憶する情報記憶部に記憶されている前記第1の監視保守信号の情報を出力し、
前記更新部は、前記第1の信号出力部の出力を、前記主信号に含まれる警報に基づいて前記第1の監視保守信号の情報を出力する出力に更新し、
前記第2の信号出力部は、前記更新部による前記第1の信号出力部の更新指示を受けた場合、前記情報記憶部が更新の直前に保持している前記監視保守信号の情報を前記更新部による更新前の第1の監視保守信号の情報として出力し、前記第1の信号出力部の更新が完了すると、前記第1の信号出力部から入力された前記更新部による更新後の第1の監視保守信号の情報を出力する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の伝送装置。
【請求項5】
前記第1の信号出力部及び前記第2の信号出力部は部分コンフィグレーションが可能な1つのFPGA上に設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一つに記載の伝送装置。
【請求項6】
保持している監視保守信号の情報を出力する更新が行われない固定信号出力部をさらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一つに記載の伝送装置。
【請求項7】
主信号を受信する主信号受信ステップと、
第1回路が有する第1の監視保守信号の情報を出力する第1の信号出力ステップと、
前記第1の信号出力ステップにおいて出力された前記第1の監視保守信号の情報を前記主信号に付加し外部の装置へ送信する信号送信ステップと、
前記第1回路の機能を更新する更新ステップと、
前記更新部による前記第1回路の更新指示を受けた場合、前記更新ステップにおける更新前の前記第1の監視保守信号の情報を出力する第2の信号出力ステップと、
前記第2の信号出力ステップにおいて出力された前記更新部による更新前の第1の監視保守信号の情報を前記主信号に付加し外部の装置へ送信する信号送信ステップと、
前記第1回路の更新が完了すると、前記更新部による更新後の第1の監視保守信号の情報を出力する第3の信号出力ステップと、
前記第3の信号出力ステップにおいて出力された前記更新部による更新後の第1の監視保守信号の情報を前記主信号に付加し外部の装置へ送信する信号送信ステップと、
を含んだことを特徴とする伝送装置制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−49726(P2012−49726A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188772(P2010−188772)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】