説明

位相シフタ及び位相シフタを含むアンテナ

【課題】改善されたアンテナ性能を実現する。
【解決手段】位相シフタは、2又はそれ以上の同電性ストリップ、入力ライン31、入力ライン31と導電性ストリップに連結されたワイパー33を含む。回転の中心についてのワイパー33の回転は、入力ライン31と、出力ライン或いは導電性ストリップに接続されたアンテナ素子の間の経路の長さを変える。ワイパー33は、マルチブレードワイパーである。マルチブレードワイパー型の位相シフタの位相エラーは、削減される。位相シフタのサイズの削減、或いは位相シフトレンジの増加のための配置が実現される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位相シフタに関し、特に、但し排他的ではないが、セルラー通信アンテナに使用されるマルチブレードワイパー型の位相シフタに関する。
【背景技術】
【0002】
セルラーアンテナは、多くの場合、放射素子から受信された或いは供給される信号の位相を調整するための位相シフタを含む。位相の調整は、例えば電気的なダウンチルトといった、ビーム角度の電気的なステアリングのために用いられる。
【0003】
差動位相シフタは、一対のシグナルポートの間の位相を調整する。正相シフトは、一のポートに適用され、逆相シフトは、他のポートに適用される。
【0004】
位相シフタの一つの知られたタイプは、図1に概略的に示される"ワイパー"位相シフタ100である。信号は、入力ライン11を介して位相シフタにより受信され、位相シフタを介して複数のシグナルポートA1,A2,A3,A4に送信される。信号は、ポートA1,A2,A3,A4から、フィードライン12を介して、放射素子A1',A2',A3',A4'へと供給される。
【0005】
入力ライン11は、中央環状連結領域14を含む。この環状の導電性の領域14は、各末端において容量的に導電性のアーク16,17に連結される、導電性のワイパー15に容量的に連結されている。従って、入力ライン11を介して受信された信号は、環状連結領域14及びワイパー15を介して、アーク16,17に送信される。
【0006】
ワイパー15は、中央環状連結領域14の中央にてポイント18の周りを回転する。ワイパーの該ポイントまわりの回転は、入力ライン11とシグナルポートA1,A2,A3,A4のそれぞれとの間の経路の長さを変更し、それによって、それらポートのそれぞれに送信された信号に位相シフトを導入する。
【0007】
アーク16,17は、半径が異なり、一般には共に回転の中心18に中心が置かれている。これらの異なる半径は、異なるアークに接続されたポートに異なる位相シフトを導入する。例えば、図1に示される位相シフタでは、アーク17はアーク16に比べて小さい半径を有している。回転の中心18についてワイパー15の同じ回転角度θであるにも関わらず、アーク17に接続されたポートはアーク16に接続されたポートよりもリも小さい位相シフトを経験するだろう。このようにして、ポートA1はポートA2よりも大きい逆相シフトを有し、ポートA4はポートA3よりも大きい正相シフトを有する。
【0008】
図1に示される構成は、好ましくない位相エラーを導入することを見出した。
【0009】
以下は、各ポートに供給される信号の位相の分析であり、ここにRはアーク16の半径であり、Rはアーク17の半径であり、rは中央環状連結領域14の半径であり、θは中央位置に関するワイパー15の角度である。
【0010】
ポートA1について考えるに、位相シフトは、外側のアークの経路の長さの変化により生成される成分を含む。この成分は−2πRθ/λに等しく、ここでλは信号の波長であり、Rθは中央位置20とワイパー15がアーク16と交差するポイント21との間の外側のアークの長さであることは勿論である。
【0011】
しかしながら、位相シフトは、また中央環状連結領域14の経路の長さの変化により生成される成分も含む。この成分は、−2πrθ/λに等しい。
【0012】
同じ分析を各ポートに適用し、以下を見出した。
【0013】
【数1】

【0014】
上述の等式より、様々なポートに与えられる位相シフトは、ゼロ位相シフトについて対称性を有しないことが分かる。それは、次の関係にある。
【0015】
【数2】

【0016】
更に、隣接するアンテナ素子の全ての対の間に導入される位相シフトを同じにすることはできない。それらは、位相シフタを含むアンテナの動作にマイナスの影響をもたらす好ましくない位相エラーである。
【0017】
また、ワイパー位相シフタは、一般的にかさばり、それゆえにいくつかの用途には不適切である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的とするところは、改善されたアンテナ性能を実現することである。
【0019】
更に、本発明の目的とするところは、ワイパー型の位相シフタの好ましくない位相エラーを削減することである。
【0020】
本発明の他の目的とするところは、削減されたサイズのワイパー型の位相シフタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
ワイパー型の位相シフタと、ワイパー型の位相シフタを含むアンテナが提供される。アンテナ素子及び位相シフタは、従来の装置で存在していた位相エラーが削減される態様でアレンジされる。特に、最大の正相シフトを有することを意味する第1のアンテナ素子と、最大の逆相シフトを有することを意味する第2のアンテナ素子は、位相シフタの異なるアークに接続される。
【0022】
従来の位相シフタよりもコンパクトなワイパー型の位相シフタが提供され、及び/又は同等の面積の従来の位相シフタよりもより大きい位相シフトを提供する。位相シフタのアークは、電気的長さを増加させるために配置される。ワイパーは、電気的長さを増加させるために配置される。
【0023】
一つの例示的な実施態様では、複数のアンテナ素子と、信号をフィードし、及び/又はアンテナ素子からの信号を受信するように構成され、マルチブレードワイパー型の位相シフタを含むフィードネットワークと、を含むアンテナであって、回転の中心に位置された一又はそれ以上の導電性ストリップと、回転の中心を回転するよう構成され、一又はそれ以上の導電性ストリップと接続するために第1の方向に延びた第1のブレードと、一又はそれ以上の導電性ストリップと接続するために第2の方向に延びた第2のブレードを有するワイパーと、回転の中心の近くでワイパーと接続するよう構成された入力ラインとを有し、ワイパーは、入力ラインから導電性ストリップに接続されたアンテナ素子までの経路の長さを変えるように、回転の中心を回転するように構成され、第1の最大位相シフトを有するアンテナ素子は、第1の導電性ストリップに接続され、第1の最大位相シフトと反対の第2の最大位相シフトを有する他のアンテナ素子は、第2の導電性ストリップに接続される、アンテナが提供される。
【0024】
他の例示的な実施態様では、マルチブレードワイパー型の位相シフタであって、回転の中心に位置された一又はそれ以上の導電性ストリップと、回転の中心を回転するよう構成され、一又はそれ以上の導電性ストリップと接続するために第1の方向に延びた第1のブレードと、一又はそれ以上の導電性ストリップと接続するために第2の方向に延びた第2のブレードを有するワイパーと、回転の中心の近くでワイパーと接続するよう構成された入力ラインと、アンテナ素子を位相シフタに接続するための導電性ストリップ上の複数の出力ポートと、を有し、出力ポートは、第1の最大位相シフトを与える第1の導電性ストリップ上の第1の出力ポートと、第1の最大位相シフトとは反対の第2の最大位相シフトを与える第2の導電性ストリップ上の第2の出力ポートと、を有し、ワイパーは、入力ラインから出力ポートまでの経路の長さを変えるように、回転の中心を回転するように構成される、マルチブレードワイパー型の位相シフタが提供される。
【0025】
更なる例示的な実施態様では、複数のアンテナ素子と、信号をフィードし、及び/又はアンテナ素子からの信号を受信するように構成され、マルチブレードワイパー型の位相シフタを含むフィードネットワークと、を含むアンテナであって、回転の中心に位置された一又はそれ以上の導電性ストリップと、回転の中心を回転するよう構成され、一又はそれ以上の導電性ストリップと接続するために第1の方向に延びた第1のブレードと、一又はそれ以上の導電性ストリップと接続するために第2の方向に延びた第2のブレードを有するワイパーと、回転の中心の近くでワイパーと接続するよう構成された入力ラインとを有し、ワイパーは、入力ラインから導電性ストリップに接続されたアンテナ素子までの経路の長さを変えるように、回転の中心を回転するように構成され、隣接するアンテナ素子の各対の素子は異なる導電性ストリップに接続されている、アンテナが提供される。
【0026】
別の例示的な実施態様では、複数のアンテナ素子と、信号をフィードし、及び/又はアンテナ素子からの信号を受信するように構成され、マルチブレードワイパー型の位相シフタを含むフィードネットワークと、を含むアンテナであって、回転の中心に位置された一又はそれ以上の導電性ストリップと、回転の中心を回転するよう構成され、一又はそれ以上の導電性ストリップと接続するために第1の方向に延びた第1のブレードと、一又はそれ以上の導電性ストリップと接続するために第2の方向に延びた第2のブレードを有するワイパーと、入力ラインとワイパーを接続する回転の中心の周りの環状中央連結領域とを有し、ワイパーは、入力ラインから導電性ストリップに接続されたアンテナ素子までの経路の長さを変えるように、回転の中心を回転するように構成され、少なくとも一対の素子の間の位相の相違は、中央連結領域についてのワイパーの位置により生成される経路の違いにより実質的に決定される、アンテナが提供される。
【0027】
更なる例示的な実施態様では、マルチブレードワイパー型の位相シフタであって、ワイパーに接続された入力ラインと、複数の導電性ストリップに接続され、入力ラインから導電性ストリップに接続された出力ポートまでの効果的な経路の長さを変えるために導電性ストリップについて移動可能なワイパーとを有し、導電性ストリップの少なくとも1つは、同じ物理的面積の単純な導電性ストリップの電気的長さよりも大きい電気的長さを有する増加した電気的の長さの導電性ストリップである、マルチブレードワイパー型の位相シフタが提供される。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、改善されたアンテナ性能が実現される。更に、ワイパー型位相シフタの好ましくない位相エラーが削減される。そして、削減されたサイズのワイパー型の位相シフタが提供される。
この発明は、例示によって詳述され、以下の図面が参照される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】従来技術に係る位相シフタの回路図である。
【図2】一の実施形態に従った位相シフタの回路図である。
【図3】更なる実施形態に従った位相シフタの回路図である。
【図4】更なる実施形態に従った位相シフタを示す図である。
【図5】図4の位相シフタのワイパーを示す図である。
【図6】更なる実施形態に従った位相シフタを示す図である。
【図6A】図6の位相シフタからアークの部分を拡大して示した図である。
【図6B】図6の位相シフタのワイパーを示した図である。
【図7】更なる実施形態に従った位相シフタを示す図である。
【図7A】図7の位相シフタからアークの部分を拡大して示した図である。
【図8】更なる実施形態に従った位相シフタを示す図である。
【図9】更なる実施形態に従った位相シフタの示す図である。
【図9A】図9の位相シフタのワイパーを示した図である。
【図10】更なる実施形態に従った位相シフタを示す図である。
【図11】非線形位相シフトを実現する、更なる実施形態に従った位相シフタを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下の記述において、参照の容易さのために、文字(B,Cなど)に続く符号1から10は、位相シフタのシグナルポートを称するのに用いられる。ポートは、ポートに与えられる位相シフタの順にラベルが付けられる。即ち、ポート1は、最も高い逆相(正相)位相シフトを有するが、最も高いナンバーの付されたポートは最も高い正相(逆相)位相シフトを有する。同様に、アンテナ素子には、B1'からB10'等のラベルが付けられる。
【0031】
図2は一の実施形態に従ったアンテナ30の回路図である。アンテナ30は、信号をフィードし、及び/又はアンテナ素子からの信号を受信するフィードネットワークを含んでいる。このフィードネットワークは、入力ライン31を介して信号を受信し、複数の出力シグナルポートB1,B2,B3及びB4に信号を供給するワイパー型の位相シフタを含んでいる。
【0032】
出力ポートは、アンテナ素子の接続に好適なポートのいくつかのフォームを有し、例えば、アンテナフィードラインが半田付けされ得るフィードライン部分を単に含む。
【0033】
入力ライン31は中央環状連結領域32を含み、そこで信号は導電性ワイパー33に連結する。導電性ワイパーは、第1の方向に延びた第1のブレード33Aと、ワイパーの中央から第2の方向に延びた第2のブレード33Bを有するマルチブレードワイパーである。ワイパー33は、環状連結領域32の中央の回転の中心33C周りに回転する。このようにして、入力ライン31は、回転の中心33Cに近接したワイパー33と接続される。
【0034】
信号はワイパーブレードに沿って進み、導電性ストリップを備えたワイパー33の各ブレードを介して接続される。導電性ストリップは、回転の中心33Cに位置され、実質的に直線状の、或いはいくつかの適切な曲率に曲げられたストリップを含むいくつかの適切な形状とされ得る。この実施形態で示されるものは、導電性ストリップがアーク34,35の形状となっている。アーク34,35は、実質的に円形のアークであり、回転の中心33Cの上に中心を置く。信号が、ワイパーに沿って、環状連結領域から導電性ストリップまで進む距離が一定になるという利点を有する。
【0035】
各アーク34,35の各末端において、シグナルポートB1,B2,B3及びB4に接続され或いは位置が定められる。各シグナルポートはフィードライン36を介して、アンテナ素子B1',B2',B3'及びB4'に接続される。
【0036】
この実施形態では、アンテナ素子B1及びB3は上側のアーク34に接続されるが、アンテナ素子B2,B4は下側のアーク35に接続される。これは、最大の逆相及び正相の位相シフトを受けることを意味する素子が同じアークに接続されている、従来の位相シフタと異なっている。
【0037】
回転の中心周りのワイパー33の回転は、入力ラインと各シグナルポートB1,B2,B3及びB4との間の経路の長さの交替をもたらし、それによって調整可能な位相シフトを与える。図2に示される実施形態では、アーク34,35のぞれぞれは、同じ半径Rである。中央環状領域32及びアーク34,35の経路の相違の位相シフトへの寄与の分析によれば、以下が見出される。
【0038】
【数3】

【0039】
ここで、Rはアーク34,35の半径であり、rは中央環状連結領域32の半径であり、θは中央位置に係るワイパー33の角度であり、λは信号の波長である。
【0040】
ここで、従来技術で生じていた、好ましくない位相エラーは削除される。アンテナ素子を超えて実質的に線形の位相配分となる。
Δφ(B1)=−Δφ(B4)、及びΔφ(B2)=−Δφ(B3)
仮に望まれるならば、隣接する素子の全ての対の間の位相の相違は等しくされ得る。
【0041】
一般に、環状連結領域の半径及び最も長い導電性アークの半径は、以下のように決定される。
【0042】
【数4】

【0043】
ここで、βmaxは最大アンテナビームのステアリング角度であり、dは隣接するアンテナ素子の間の距離であり、θmaxはワイパーの最大回転角度であり、εeffはプリント回路基板の効果的な誘導性定数であり、Nはアンテナ素子の数である。
【0044】
同じ半径のアーク34,35の使用が、異なる半径のアークが用いられる従来技術とは異なることに気付く。従来技術において、経路の長さに完全に帰着する位相シフトは、アークにて変化する。その一方、本願の装置の位相シフトは、アークの経路の違いに依存しており、環状連結領域に関連したワイパー位置に帰着する。
【0045】
事実、ポートB1とB2との間の位相の相違と、ポートB3とB4との間の位相の相違は4πθr/λであり、アークの半径Rから独立している。こうすることによって、同じポートの間の位相の相違は、実質的には、環状連結領域に関連するワイパー位置に帰着する経路の相違により定まる。
【0046】
一般的に、アンテナは、位相シフタに接続されたN個のアンテナ素子を有する。アンテナ素子は、第1の最大位相シフト(正相又は逆相のいずれか)を有する素子から第2の最大位相シフト(逆相又は正相)まで位相シフト順に配置される。
【0047】
位相シフタに接続されたアンテナ素子は、線形配列に配置される。アンテナは、一以上の位相シフタを含み、それぞれは線形配列に配置されたアンテナ素子のセットに接続されている。この場合、線形配列は共に2次元配列で形成される。
【0048】
第1の最大位相シフトを有するアンテナエレメント(位相シフト順の第1のアンテナ素子であってよい)は、第1の導電性ストリップに接続され、第1の最大位相シフトとは反対の第2の最大位相シフトを有する他のアンテナ素子は第2の導電性ストリップに接続されている。従って、図2に示される位置にワイパーが回転すると、Δφ(B1)は逆相となるが、Δφ(B4)は正相となる。しかしながら、ワイパーの回転は、中央位置のいずれかの方向であり、その結果、ワイパーが時計回りにΔφ(B1)回転すると正相となるが、Δφ(B4)では逆相となる。
【0049】
位相シフト順の第2のアンテナ素子は、N番目の素子と同様に同じ導電性ストリップに接続されているが、(N−1)番目の素子は第1の素子と同様の同じ導電性ストリップに接続されている。
【0050】
位相シフト順に、隣接するアンテナ素子の各対は、異なる導電性ストリップに位置付けされている。
【0051】
本願の位相シフタの出力ポートは、それら位相状態を実現するように配置される。従って、第1の最大位相シフトを与える第1の出力ポートは、第1の導電性ストリップに位置付けされており、第1の最大位相シフトとは反対の第2の最大位相シフトを与える第2の出力ポートは、第2の導電性ストリップに位置付けされている。
【0052】
同様に、出力ポートの少なくとも1つの対の間の位相の相違は、中央環状領域に関連してワイパーの位置により実質的に決定される。また、位相順に隣接している出力ポートは異なる導電性ストリップに接続されている。
【0053】
図3は更なる実施形態の回路図である。これは、更なるシグナルポートが加えられている点を除いて図2と同様であり、その結果、ここでは、今度は5つの出力ポート位相シフタとなっている。中央ポートC3は、単に中央連結領域32に接続される。これは、ポートC3の位相がワイパーの角度から独立していることを意味する。中央ポートC3のために適切に固定された位相シフトが与えられる。この場合も先と同様、隣接する素子の全ての対の間の位相の相違は等しくされ得る。
【0054】
図4は、更なる実施形態を示している。位相シフタ50は、プリント回路基板(PCB)51の上に導電性のトレースを生成するように形成される。導電性のトレースは、入力ライン52、中央連結領域53、中央出力ライン54、及び導電性アーク55,56,57,58の形式の導電性ストリップを含む。
【0055】
2つのアーク55,56及び57,58は、中央連結領域53の各側に与えられる。中央出力ラインは、中央のポートE5に接続され、その結果、これは9つの出力ポートの位相シフタとなっている。
【0056】
マッチング回路59は、当業者であれば容易に理解できるように、インピーダンスマッチングパフォーマンスを改善するために、入力ライン52上に与えられる。
【0057】
図5に明確に示されるように、ワイパー60は、中央の回転の中心にて回転自在に取り付けられており、導電性アーク55,56,57,58とより効果的に接続するために広げられたアーチ形の部分を有している。図5は、また、PCBの中央連結領域53に連結されるよう構成されたワイパーの環状連結領域62を明確に示している。
【0058】
図4,5の実施形態において、中央連結領域53の半径は外側のアーク55,58の半径の約1/8である。内側のアーク56,57の半径は、外側のアーク55,58の半径の約1/2である。素子E5'のために適切に固定された位相シフトを伴い、隣接する素子の各対の間の位相シフトを等しくすることを可能にする。
【0059】
図4(実に図2,3の実施形態においても)において、位相シフタは、同一のアークの対を含んでいる。アーク55と58は同じ半径であり、アーク56と57は同じ半径である。この場合、同じアンテナ素子の間の位相シフトは、中央連結領域53の経路の違いだけにより与えられる。例えば、素子E1'とE2'との間の経路の違いは、2・(2πrθ)/λであり、環状領域53の経路の違いの寄与だけにより生じる。同じことが、素子E3'及びE4'、素子E6'及びE7'、E8'及びE9'の対についても言える。
【0060】
このように、本願の装置は、位相シフトに寄与するために中央環状連結領域53を用いる。これは、中央環状領域が入力ラインをワイパーに接続するためだけに用いられている従来技術の装置とは対照的である。
【0061】
いくつかの実施形態においては、同じ半径の2つのアークでないことも含まれることについて気付く。しかしながら、それら実施形態でさえ、中央環状連結領域53は位相シフトへの寄与に用いられる。
【0062】
いくつかの実施形態において、導電性ストリップは、電気的長さを増加させるために形成されることがあり、それは同じ物理的長さの簡単な導電性ストリップよりも大きい電気的長さを有する。この増加した電気的長さは、特定の面積の位相シフタのための増加した位相シフトレンジを与え、増加した電気的角度の調整、及び/又は更にコンパクトな位相シフタの実現を可能にする。
【0063】
図6は、アーク65,66が増加した電気的長さのために形成された一つの実施形態を示す。図6Aは図6に"6A"と付された導電性アークの一部分の拡大図である。
【0064】
ここで、各アークは、その内側及び外側のエッジに形成された連続した切り目67を含んでいる。切り目67の幅68は、導電性アークの幅69の1/5未満であり、好ましくは導電性アークの幅69の1/10未満である。切り目67の長さ70は、導電性アークの幅69の0.3から0.7であり、好ましくは導電性アークの幅の約0.5である。隣接する切り目の間の間隔71は、導電性アークの幅の約0.6から1.4であり、好ましくは導電性アークの幅におおよそ等しい。
【0065】
各切り目は、連続したインダクタンスとして作用し、各加えられた連続したインダクタンスはアークの電気的長さを増加させる。切り目を用いることで、最大で約50%まで導電性ストリップの電気的長さを増加することができる。
【0066】
図6Bは図6の位相シフタのための好ましいワイパーを示す。
【0067】
図7は、切り目が各アーク65,66の外側のエッジにのみ形成された更なる実施形態を示す。図7Aは、図7に"7A"と付した、導電性アークの一部分の拡大図である。このようにして、切り目は、導電性アークの外側のエッジにのみ、或いは実に内側のエッジに、含まれることが見られ得る。
【0068】
図8は、曲折部72を含む導電性アークを示し、その物理的長さに係る更なる実施形態を図示している。曲折されたラインは、そのかさばるより大きな大きさが原因で、前述した切り目が付けられた実施形態より望ましくはない。しかし、曲折されたラインは、いくつかの用途には好ましいことがある。
【0069】
曲折されたラインは、曲折した経路を含むことにより、ラインの物理的長さを増加させるので、メカニズムが更に幾分か異なることを意味する。対照的に、切り目が付けられたラインは、ラインの電気的長さを増加させる連続したインダクタンスを付加する。
【0070】
図9は、アーク75,76が電気的長さを増加させるために形成された更なる実施形態を示す。各アークは、複数の開路スタブ77を含む。各スタブの長さ78は<<λ/4である。各スタブは、等価回路素子、並列に接続されたキャパシタを有し、容量性の経路を与える。この容量性の経路は、アークの電気的長さを増加させる。開路スタブを用いることで、最大で約50%、導電性ストリップの電気的長さを増加させることができる。
【0071】
図9に示される実施形態では、開路スタブは、約λ/4の経路の長さにより分離された対にて形成されている。これにより、アーク75の第1及び第5のスタブについて、第2及び第6のスタブ等は、λ/4の経路の長さにより分離される。異なる開路スタブからのリフレクションは各他出力からキャンセルされるので、この間隔は、好ましいインピーダンスマッチングパフォーマンスを与える。
【0072】
図9Aは、図9の位相シフタの好ましいワイパー79を示す。このワイパー79は、環状連結領域80と広げられたアーチ型の連結領域81との間にλ/4の長さを有し、ここでも同様に、インピーダンスマッチングパフォーマンスを実現する。
【0073】
図10は、図4に示したような、中央連結領域の各側に2つのアークを有する位相シフタに好適なワイパー82を示す。
【0074】
ワイパー82は、環状連結領域83と、各導電性アークに接続される広げられたアーチ型の連結領域84,85,86,87を含む。インピーダンスマッチングパフォーマンスのために、環状連結領域と各アーチ型の連結領域85,86との間の電気的長さが約λ/4であることが好ましい。同様に、内側のアーチ型の連結領域85,86と外側のアーチ型の連結領域84,87の間の電気的長さは、約λ/4である。
【0075】
ワイパーの物理的長さを削減するために、それらの中に複数の環状部分88が形成される。環状部分は、中央スペースを含み、スペースの両側周りの第1の端を通り、第2の端にて再び連結される、導電性ラインを有する。各環状部分は、同じ電気的長さのためにワイパーの物理的な長さを減少することが可能となる。例えば、連結領域84,85の間の物理的長さは約λ/8からλ/6である。同様に、連結領域83及び85、83及び86、そして86及び87の間の物理的長さは、λ/8からλ/6である。
【0076】
こうすることによって、ワイパーブレードは、電気的長さを増加させる、即ち、ワイパーブレードの少なくとも一部における電気的長さは、同じ物理的長さの単純な導電性ストリップの電気的長さよりも大きい。導電性ストリップのために前述したのと同様に、切り目が付けられた、或いは容量性を備えたラインは、この目的のために、ワイパーブレードにも用いられる。
【0077】
図11は、非線形位相シフトが提供される更なる実施形態を示す。この位相シフタ90は、4つの全ての導電性アーク91,92,93,94が図6、6Aに示されたのと同様の複数の切り目95を含む点を除いては、図5に示したものと同様である。それら導電性アークの電気的長さは、それゆえに、同じ物理的長さの単純な導電性ストリップの電気的長さよりも大きい。
【0078】
しかしながら、導電性アーク91の上、切り目95はアークの全ての長さにわたり広がってはいない。切り目が提供されていない、出力ポートJ1に近接した、該アーク91のセクション96がある。この領域は単純な導電性ストリップであり、同じ物理的な長さの切り目が付けられたラインよりも小さい電気的長さを有する。
【0079】
これは、ワイパー角度の位相シフトの非線形の従属性を与える。基地局アンテナにおいて、これはハイビームチルト角度にてサイドローブ抑制に有益である。
【0080】
上側のサイドローブは、近接するアンテナサイト間の干渉を引き起こし得る。ハイビームチルト角度にて、より上側のサイドローブはこの干渉に寄与する。非線形位相シフトを用いることは、ハイビームチルト角度での該上側のサイドロープの削減の助けとなることがあり、それによってこの干渉が削減される。
【0081】
図11の実施形態において、中央位置からゼロワイパー角度周りに線形配置を用いることにより、ゼロ或いは小さなチルト角度を得るために高いアンテナ利得を許す。それらの角度において、上側のサイドローブは、上へ向かって方向付けられ、近接するアンテナサイトの間の干渉に著しく寄与しない。
【0082】
図2から11に示した実施形態は中央の回転中心の各サイドの同じ数の同電性ストリップを含むが、他の構成は検討し得る。例えば、位相シフタは、回転の中心の一の側にひとつのアークを、他の側に2つのアークを含んでよい。
【0083】
構成は2つのブレードワイパーを含むように示されたが、ワイパーは2、3、或いは4つのブレードワイパーを含むいくつかのマルチブレードワイパーであってよい。
【0084】
アンテナはセルラー通信アンテナであってよい。
【0085】
本願の位相シフタは、従来技術のワイパー型の位相シフタによる位相エラーを著しく削減し或いは除去する。これは、位相の精度、アンテナ素子の間の振幅配分を改善し、それゆえに、改善されたアンテナパフォーマンスに寄与する。
【0086】
位相エラーの削減は、改善されたサイドローブの性能を導く。一つの実施形態では、サイドローブレベルは、約3から5dBに改善される。位相エラーの削減は、またヌルフィル機能の改善をもたらす。一つの実施形態では、ヌルフィル機能は約5dBに改善される。
【0087】
アンテナ利得は、また、定量化されたローブレベルの削減の結果、位相エラーの削減により改善される。一つの実施形態では、アンテナ利得は、約0.3dBに改善する。
【0088】
増加した電気的長さを伴うアークの使用は、位相シフトの増加を与える。これは、位相シフタの大きさの増加なしに、アンテナビームの電気的な角度調整(電気的なダウンチルトのような)のレンジの増加を与える。電気的なダウンチルトレンジは、いくつかの実施形態に重複する。
【0089】
代わりに、位相シフタのサイズは、角度調整の所望のレンジを与えたままで、削減され得る。
【0090】
上記実施形態では、主に入力ラインから位相シフタを介して複数のアンテナ素子への信号の送信に関して言及したが、位相シフタは、また、受信した信号の位相シフトの生成にも用いられる。
【0091】
本発明は、その実施形態の言及により解説されたが、そして、実施形態は詳細に説明されたが、添付された特許請求の範囲を、そのように詳細に限定し、或いは制限することを出願人が意図するものではない。利点追加や改良は可能である。それゆえに、その広い解釈の中の本発明は、詳細な説明、代表する装置や方法、図示され説明された例に限定されるものではない。従って、出願人の一般的発明概念の精神又は意図から逸脱しない範囲でそのような詳細な説明から発展がなされるだろう。
【符号の説明】
【0092】
30 アンテナ
31 入力ライン
32 中央環状連結領域
33 導電性ワイパー
34 アーク
35 アーク
36 フィードライン
B1〜B4 シグナルポート
B1'〜B4' アンテナ素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナ素子と、信号をフィードし、及び/又は前記アンテナ素子からの信号を受信するように構成され、マルチブレードワイパー型の位相シフタを含むフィードネットワークと、を含むアンテナであって、
i.回転の中心に位置された一又はそれ以上の導電性ストリップと、
ii.前記回転の中心を回転するよう構成され、一又はそれ以上の導電性ストリップと接続するために第1の方向に延びた第1のブレードと、一又はそれ以上の導電性ストリップと接続するために第2の方向に延びた第2のブレードを有するワイパーと、
iii.前記回転の中心の近くで前記ワイパーと接続するよう構成された入力ラインと、
を有し、
前記ワイパーは、前記入力ラインから前記導電性ストリップに接続された前記アンテナ素子までの経路の長さを変えるように、前記回転の中心を回転するように構成され、
第1の最大位相シフトを有するアンテナ素子は第1の導電性ストリップに接続され、第1の最大位相シフトと反対の第2の最大位相シフトを有する他のアンテナ素子は第2の導電性ストリップに接続される、
ことを特徴とするアンテナ。
【請求項2】
前記入力ラインは、前記回転の中心まわりに位置され、前記ワイパーに連結される第1の環状連結領域を含むことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記アンテナ素子の少なくとも一つの対の間の位相の相違は、前記中央連結領域に関連するワ前記イパーの位置により生成される経路の相違により実質的に決定されることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記ワイパーは、前記第1の環状連結領域に連結される第2の環状連結領域を含むことを特徴とする請求項2に記載のアンテナ。
【請求項5】
前記位相シフタに接続され、第1番目のアンテナ素子から第N番目のアンテナ素子まで順に位相シフタに配置されるN個のアンテナ素子を含み、第1番目のアンテナ素子は第1の最大位相シフトを有するアンテナ素子であり、第N番目のアンテナ素子は第2の最大位相シフトを有するアンテナ素子であり、第1及び第(N−1)番目のアンテナ素子は、前記第1の導電性ストリップに接続され、第2及び第N番目のアンテナ素子は前記第2の導電性ストリップに接続されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項6】
隣接するアンテナ素子の各対の前記素子は、異なる導電性ストリップに接続されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項7】
前記ワイパーは2ブレードワイパーであり、前記第1及び第2の導電性ストリップは前記回転の中心の反対側に位置付けされることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項8】
前記第1のブレードは第1及び第3の導電性ストリップに連結され、前記第2のブレードは第2及び第4の導電性ストリップに接続されるように、第3及び第4の導電性ストリップが位置付けされることを特徴とする請求項7に記載のアンテナ。
【請求項9】
前記導電性ストリップは、1又はそれ以上の実質的に円形のアークを含むことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項10】
前記導電性ストリップの少なくとも1つは、同じ物理的長さの単純な導電性ストリップの電気的長さよりも大きい電気的長さを有する増加した電気的長さの導電性ストリップであることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項11】
前記増加した電気的長さの導電性ストリップは、一又はそれ以上の、曲折された部分、切り目が付された部分、容量性負荷分を含み、それら部分は増加した電気的長さを与えることを特徴とする請求項10に記載のアンテナ。
【請求項12】
前記ワイパーは、同じ物理的な面積の単純な導電性ストリップの電気的長さよりも大きい電気的長さを有する一又はそれ以上の増加した電気的長さの導電性部分を含むことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項13】
前記位相シフタは、入力ラインに接続された出力ラインを含み、該出力ラインに接続されたアンテナ素子の位相は、前記ワイパー角度から独立していることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項14】
前記アンテナは、セルラー通信アンテナであることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
【請求項15】
マルチブレードワイパー型の位相シフタであって、
i.回転の中心に位置された一又はそれ以上の導電性ストリップと、
ii.前記回転の中心を回転するよう構成され、一又はそれ以上の導電性ストリップと接続するために第1の方向に延びた第1のブレードと、一又はそれ以上の導電性ストリップと接続するために第2の方向に延びた第2のブレードを有するワイパーと、
iii.前記回転の中心の近くで前記ワイパーと接続するよう構成された入力ラインと、
iv.アンテナ素子を位相シフタに接続するための前記導電性ストリップ上の複数の出力ポートと、
を有し、
前記出力ポートは、
a)第1の最大位相シフトを提供する第1の導電性ストリップ上の第1の出力ポートと、
b)第1の最大位相シフトとは反対の第2の最大位相シフトを提供する第2の導電性ストリップ上の第2の出力ポートと、
を有し、
前記ワイパーは、前記入力ラインから前記出力ポートまでの経路の長さを変えるように前記回転の中心を回転するように構成される、
ことを特徴とするマルチブレードワイパー型の位相シフタ。
【請求項16】
前記入力ラインは、前記回転の中心まわりに位置され、前記ワイパーに連結される第1の環状連結領域を含み、前記出力ポートの少なくとも一つの対の間の位相の相違は、前記中央連結領域に関連する前記ワイパーの位置により生成される経路の相違により実質的に決定されることを特徴とする請求項15にマルチブレードワイパー型の位相シフタ。
【請求項17】
位相順に隣接する前記出力ポートの各対の前記出力ポートは、異なる導電性ストリップに接続されていることを特徴とする請求項15に記載のマルチブレードワイパー型の位相シフタ。
【請求項18】
複数のアンテナ素子と、信号をフィードし、及び/又はアンテナ素子からの信号を受信するように構成され、マルチブレードワイパー型の位相シフタを含むフィードネットワークと、を含むアンテナであって、
i.回転の中心に位置された一又はそれ以上の導電性ストリップと、
ii.前記回転の中心を回転するよう構成され、一又はそれ以上の導電性ストリップと接続するために第1の方向に延びた第1のブレードと、一又はそれ以上の導電性ストリップと接続するために第2の方向に延びた第2のブレードを有するワイパーと、
iii.前記回転の中心の近くで前記ワイパーと接続するよう構成された入力ラインと、
を有し、
前記ワイパーは、前記入力ラインから前記導電性ストリップに接続されたアンテナ素子までの経路の長さを変えるように、回転の中心を回転するように構成され、
隣接するアンテナ素子の各対の素子は異なる導電性ストリップに接続されている、
ことを特徴とするアンテナ。
【請求項19】
複数のアンテナ素子と、信号をフィードし、及び/又はアンテナ素子からの信号を受信するように構成され、マルチブレードワイパー型の位相シフタを含むフィードネットワークと、を含むアンテナであって、
i.回転の中心に位置された一又はそれ以上の導電性ストリップと、
ii.前記回転の中心を回転するよう構成され、一又はそれ以上の導電性ストリップと接続するために第1の方向に延びた第1のブレードと、一又はそれ以上の導電性ストリップと接続するために第2の方向に延びた第2のブレードを有するワイパーと、
iii.前記入力ラインと前記ワイパーを接続する回転の中心の周りの環状中央連結領域と、
を有し、
前記ワイパーは、前記入力ラインから前記導電性ストリップに接続されたアンテナ素子までの経路の長さを変えるように、前記回転の中心を回転するように構成され、
少なくとも一対の素子の間の位相の相違は、前記中央連結領域についてのワイパーの位置により生成される経路の違いにより実質的に決定される、
ことを特徴とするアンテナ。
【請求項20】
実質的に線形の位相寄与は前記アンテナ素子を横切って提供されることを特徴とする請求項19に記載のアンテナ。
【請求項21】
マルチブレードワイパー型の位相シフタであって、
ワイパーに接続された入力ラインと、複数の導電性ストリップに接続され、前記入力ラインから前記導電性ストリップに接続された出力ポートまでの効果的な経路の長さを変えるために前記導電性ストリップについて移動可能なワイパーと、を有し、前記導電性ストリップの少なくとも1つは、同じ物理的面積の単純な導電性ストリップの電気的長さよりも大きい電気的長さを有する増加した電気的の長さの導電性ストリップである、
ことを特徴とするマルチブレードワイパー型の位相シフタ。
【請求項22】
増加した電気的長さを有する導電性ストリップは、前記導電性ストリップのエッジから突き出た一又はそれ以上の歯を有する容量性負荷部分を含むことを特徴とする請求項21に記載のマルチブレードワイパー型の位相シフタ。
【請求項23】
前記歯は、歯の一又はそれ以上の対を含み、各対の前記歯は、歯により引き起こされる干渉を各他の出力にて打ち消すことを特徴とする請求項22に記載のマルチブレードワイパー型の位相シフタ。
【請求項24】
増加した電気的長さを有する導電性ストリップは切り目が付された部分を含むことを特徴とする請求項21に記載のマルチブレードワイパー型の位相シフタ。
【請求項25】
前記ワイパーブレードの一部分は環状部分を含むことを特徴とする請求項21に記載のマルチブレードワイパー型の位相シフタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図7A】
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【図8】
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【図9】
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【図9A】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−177808(P2009−177808A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−12076(P2009−12076)
【出願日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【出願人】(509023252)コムスコープ インコーポレイテッド オブ ノースキャロライナ (4)
【Fターム(参考)】