説明

位相シフトコントローラ、位相シフトの方法、およびそれらを用いた発光装置、電子機器

【課題】簡易に位相シフトバースト調光を実現可能な回路を提供する。
【解決手段】ポジティブエッジカウンタにより、調光パルス信号PWMのポジティブエッジを契機として初期値からカウントを開始する。ネガティブエッジカウンタにより、調光パルス信号のネガティブエッジを契機として初期値からカウントを開始する。第iチャンネル(2≦i≦n)において、調光パルス信号PWMの周期を示す周期カウント値CHLTCHR(CHLTCHF)を(i−1)/n倍することにより、そのチャンネルの位相シフト量SHFTR(SHFTF)を計算する。そしてカウント値CHCNTRが位相シフト量SHFTRと一致すると、バースト制御信号PWMを第1レベルに遷移させる。またカウント値CHCNTFが位相シフト量SHFTFと一致すると、バースト制御信号PWMを第2レベルに遷移させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオードの駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶パネルのバックライトや照明機器として、LED(発光ダイオード)を利用した発光装置が利用される。図1は、一般的な発光装置の構成を示す回路図である。発光装置1003は、複数のLEDストリング1006_1〜1006_nと、スイッチング電源1004と、電流駆動回路1008を備える。
【0003】
各LEDストリング1006は、直列に接続された複数のLEDを含む。スイッチング電源1004は、入力電圧Vinを昇圧してLEDストリング1006_1〜1006_nの一端に駆動電圧Voutを供給する。
【0004】
電流駆動回路1008は、LEDストリング1006_1〜1006_nごとに設けられた電流源CS〜CSを備える。各電流源CSは、対応するLEDストリング1006に、目標輝度に応じた駆動電流ILEDを供給する。
【0005】
スイッチング電源1004は、出力回路1102と、制御IC1100を備える。出力回路1102は、インダクタL1、スイッチングトランジスタM1、整流ダイオードD1、出力キャパシタC1を含む。制御IC1100は、スイッチングトランジスタM1のオン、オフのデューティ比を制御することにより、駆動電圧Voutを調節する。
【0006】
こうした発光装置1003において、LEDストリング1006の輝度を調節するために、駆動電流ILEDの点灯期間TONと消灯期間TOFFをPWM(Pulse Width Modulation)制御する場合がある。これはバースト調光またはバースト駆動とも称される。具体的には、電流駆動回路1008のバーストコントローラ1009は、輝度に応じたデューティ比を有するパルス信号PWM〜PWMを受け、それぞれに対応する電流源CS〜CSをスイッチング制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−015967号公報
【特許文献2】特開2009−188135号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
バースト調光を行う際に、各チャンネルの駆動電流ILED1〜ILEDnの位相が揃っていると、スイッチング電源1004の出力電流Ioutが時間的に集中し、出力電圧Voutのリップルや、予期せぬノイズの要因となるおそれがある。この問題は、バーストコントローラ1009に対して、互いに位相がシフトしたバースト制御信号PWM〜PWMを入力し、各チャンネルの点灯期間TONを時間的にずらすことにより解決することが可能である。
【0009】
しかしながらこの方法(位相シフトバースト調光という)では、発光装置1003の外部のプロセッサ(DSP)により、バースト制御信号PWM〜PWMを生成する必要があるため、液晶テレビの設計者の負担が大きかった。
【0010】
またLEDストリングのチャンネル数を設計変更したい場合に、バースト制御信号PWM〜PWMを生成する回路を設計変更する必要があるため、開発コストが高くなるという問題もある。
【0011】
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、簡易に位相シフトバースト調光を実現可能な回路の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のある態様は、パルス幅変調された調光パルス信号を受け、n(nは2以上の自然数)チャンネルの発光ダイオードストリングを駆動するためのバースト制御信号であって、それぞれの周期が調光パルス信号の周期と等しく、かつそれぞれの位相が調光パルス信号の1/n周期シフトしているn個のバースト制御信号を生成する位相シフトコントローラに関する。位相シフトコントローラは、調光パルス信号のポジティブエッジを契機として初期値からカウントを開始するポジティブエッジカウンタと、調光パルス信号のネガティブエッジを契機として初期値からカウントを開始するネガティブエッジカウンタと、ポジティブエッジカウンタおよびネガティブエッジカウンタの少なくとも一方のカウント値を受け、調光パルス信号の周期に対応する周期カウント値をラッチするラッチと、第2〜第nチャンネルごとに設けられたチャンネル制御部であって、第iチャンネル(2≦i≦n)のチャンネル制御部は、(i)周期カウント値を(i−1)/n倍することにより、そのチャンネルの位相シフト量を計算し、(ii)ポジティブエッジカウンタのカウント値が対応するチャンネルの位相シフト量と一致すると、対応するチャンネルのバースト制御信号を第1レベルに遷移させ、(iii)ネガティブエッジカウンタのカウント値が対応するチャンネルの位相シフト量と一致すると、対応するチャンネルのバースト制御信号を第2レベルに遷移させるチャンネル制御部と、を備える。
【0013】
この態様によると、単一の調光パルス信号を与えるのみで、チャンネルごとのバースト制御信号を位相シフトコントローラによって自動生成できるため、外部のプロセッサにおいてチャンネルごとの信号を生成する必要がなくなり、システム設計が容易となる。また位相シフトコントローラに必要なカウンタは2個で足りるため、チャンネルごとにカウンタを設ける回路に比べて、回路面積を削減できる。
【0014】
第iチャンネルのチャンネル制御部は、(iv)調光パルス信号のネガティブエッジより前に、対応するチャンネルのバースト制御信号が第2レベルに遷移していないとき、調光パルス信号のネガティブエッジのタイミングで、対応するバースト制御信号を第2レベルに遷移させてもよい。
これにより、調光パルス信号のデューティ比が急に小さくなった場合に、調光パルス信号が第1レベルを持続するのを防止できる。
【0015】
本発明の別の態様は、発光装置である。この発光装置は、複数の発光ダイオードストリングと、複数の発光ダイオードストリングに駆動電圧を供給するスイッチング電源と、パルス幅変調された調光パルス信号を受け、複数の発光ダイオードストリングごとにバースト制御信号を生成する上述のいずれかの態様の位相シフトコントローラと、それぞれが発光ダイオードストリングごとに設けられ、対応するバースト制御信号が点灯期間を示すとき、対応する発光ダイオードストリングに駆動電流を供給する複数の電流源と、を備える。
【0016】
本発明のさらに別の態様は、電子機器である。この電子機器は、液晶パネルと、液晶パネルのバックライトとして設けられた上述の発光装置と、を備える。
【0017】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0018】
本発明のある態様によれば、簡易に位相シフトバースト調光を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】一般的な発光装置の構成を示す回路図である。
【図2】実施の形態に係るスイッチング電源を備える電子機器の構成を示す回路図である。
【図3】バーストコントローラの構成を示すブロック図である。
【図4】チャンネル制御部の構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態に係るバーストコントローラの動作を示すタイムチャートである。
【図6】比較技術に係るバーストコントローラの構成を示すブロック図である。
【図7】図7(a)は、実施の形態に係るバーストコントローラの動作を示すタイムチャートであり、図7(b)は、第2リセット信号による強制リセットを行わない場合のタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0021】
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
【0022】
図2は、実施の形態に係るスイッチング電源を備える電子機器の構成を示す回路図である。
【0023】
電子機器2は、ノートPC、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話端末、PDA(Personal Digital Assistant)などの電池駆動型の機器であり、発光装置3とLCD(Liquid Crystal Display)パネル5を備える。発光装置3はLCDパネル5のバックライトとして設けられる。
【0024】
発光装置3は、発光素子であるLEDストリング6_1〜6_8と、電流駆動回路8と、スイッチング電源4と、を備える。有効なチャンネル数nは最大で8であり、電子機器2の設計者が、LCDパネル5のサイズや電子機器2の種類などに応じて決定する。すなわちチャンネル数nは、1〜8で任意の個数を取り得る。
【0025】
各LEDストリング6は、直列に接続された複数のLEDを含む。スイッチング電源4は、昇圧型のDC/DCコンバータであり、入力端子P1に入力された入力電圧(たとえば電池電圧)Vinを昇圧して、出力端子P2から出力電圧(駆動電圧)Voutを出力する。複数のLEDストリング6_1〜6_nそれぞれの一端(アノード)は、出力端子P2に共通に接続される。
【0026】
スイッチング電源4は、制御IC100および出力回路102を備える。出力回路102は、インダクタL1、整流ダイオードD1、スイッチングトランジスタM1、出力キャパシタC1を含む。出力回路102のトポロジーは一般的であるため、説明を省略する。
【0027】
制御IC100のスイッチング端子P4は、スイッチングトランジスタM1のゲートと接続される。制御IC100は、LEDストリング6の点灯に必要な出力電圧Voutが得られるように、フィードバックによりスイッチングトランジスタM1のオン、オフのデューティ比を調節する。なおスイッチングトランジスタM1は制御IC100に内蔵されてもよい。
【0028】
抵抗R1、R2は、出力電圧Voutを分圧することにより、それに応じたフィードバック電圧Vout’を生成する。フィードバック電圧Vout’はフィードバック端子P3(OVP端子)に入力される。図示しない過電圧保護(Over Voltage Protection)回路(不図示)は、フィードバック電圧Vout’がしきい値を超えると、過電圧保護を行う。
【0029】
電流駆動回路8は、複数のLEDストリング6_1〜6_nの他端(カソード)側に設けられる。電流駆動回路8は、LEDストリング6_1〜6_nそれぞれに、目標輝度に応じた間欠的な駆動電流ILED1〜ILEDnを供給する。
【0030】
電流駆動回路8は、チャンネルごとに設けられた複数の電流源CS〜CS、バーストコントローラ9、制御入力端子P5、チャンネルごとのバースト調光端子BS1〜BS8、チャンネルごとの電流制御端子CL1〜CL8、チャンネルごとのコンパレータCOMP1〜COMP8、コンパレータCOMP9を備える。
【0031】
i番目の電流源CSは、対応するLEDストリング6_iに駆動電流ILEDiを供給する。電流源CSは、出力回路CSbとチャンネル制御部CSaを含む。出力回路CSbは、出力トランジスタQ1、電流制御抵抗R4、プルアップ抵抗R5を含む。出力トランジスタQ1と電流制御抵抗R4は、LEDストリング6_iのカソードと固定電圧端子(接地端子)の間に順に直列に設けられる。出力トランジスタQ1と電流制御抵抗R4の接続点の電圧VR4、つまり電流制御抵抗R4の電圧降下は、電流制御端子CLiへと入力される。プルアップ抵抗R5は、出力トランジスタQ1のベースエミッタ間に設けられる。その他のチャンネルも同様に構成される。
【0032】
抵抗R4には、駆動電流ILEDiに比例した電圧降下VR4が発生する。
R4=ILEDi×R4
チャンネル制御部CSaは、対応する電圧降下VR4が基準電圧Vrefと一致するように、出力トランジスタQ1のベース電圧を調節する。つまり点灯期間において、
LEDi=Vref/R4
が成り立つ。
【0033】
チャンネル制御部CSaは、演算増幅器OA1、トランジスタM4を含む。トランジスタM4は、バースト調光端子BSiと接地端子の間に設けられる。演算増幅器OA1の非反転入力端子(+)には基準電圧Vrefが入力され、その反転入力端子(−)には電流制御端子CLの電圧VR4が入力される。演算増幅器OA1の出力電圧は、トランジスタM4のゲートと接続される。この電流源CSによって、VR4=Vrefが成り立つようにフィードバックがかかり、各チャンネルにおいて基準電圧Vrefに応じた駆動電流ILEDiを生成することができる。
【0034】
制御入力端子P5は、バースト調光を行う際に利用されるパルス幅変調された調光パルス信号PWMが入力される。調光パルス信号PWMの第1レベル(たとえばハイレベル)は、LEDストリング6の点灯期間TONを、その第2レベル(たとえばローレベル)は消灯期間TOFFを指示する。このPWM調光パルス信号PWMのデューティ比、すなわち点灯期間TONおよび消灯期間TOFFは、全チャンネル共通で利用される。
【0035】
バーストコントローラ9は、8チャンネルそれぞれのバースト調光端子BS1〜BS8の電圧レベルVBS1〜VBS8に応じて、以下のモードが切りかえ可能となっている。
【0036】
a. 全チャンネル共通モードφCOM
このモードにおいてバーストコントローラ9は位相シフトを行わず、接続されるLEDストリング6の個数にかかわらず、駆動対象となるすべてのチャンネルのLEDストリングを、それらの駆動電流ILEDの位相をすべて揃えて駆動する。このモードでは各チャンネルの駆動電流の位相差がゼロであることからφとも記す。
【0037】
b. 位相シフトモードφSHIFT
このモードにおいてバーストコントローラ9は、駆動対象のn(1≦n≦8)チャンネルの発光ダイオードストリングを、それぞれの駆動電流の位相が互いに調光パルス信号PWMの1/n周期シフトするように駆動する。位相シフトモードbは、以下の3つのモードを含む。
【0038】
b1. 90度位相シフトモードφ90
このモードでは、第1〜第4チャンネルが駆動対象とされ、LEDストリング6_1〜6_4に対する駆動電流ILED1〜ILED4の位相が、互いに調光パルス信号PWMの1/4周期シフトされる。
【0039】
b2. 60度位相シフトモードφ60
このモードでは、第1〜第6チャンネルのLEDストリング6_1〜6_6に対する駆動電流ILED1〜ILED6の位相が、互いに調光パルス信号PWMの1/6周期シフトされる。
【0040】
b3. 45度位相シフトモードφ45
このモードでは、第1から第8チャンネルのLEDストリング6_1〜6_8に対する駆動電流ILED1〜ILED8の位相が、互いに調光パルス信号PWMの1/8周期シフトされる。
【0041】
バーストコントローラ(位相シフトコントローラ)9は、各モードに応じたバースト制御信号PWM〜PWMを生成し、電流源CS〜CSに供給する。バースト制御信号PWMがハイレベルのとき、電流源CSは動作状態となって駆動電流ILEDiを生成し、それが点灯期間TONとなる。反対にバースト制御信号PWMがローレベルのとき、電流源CSは停止状態となり、それが消灯期間TOFFとなる。
【0042】
電流駆動回路8が起動すると判定期間TJDGとなる。判定期間TJDGは、たとえば調光パルス信号PWMの数周期、具体的には3周期程度である。この判定期間TJDGにおいてバーストコントローラ9は、8チャンネルそれぞれのバースト調光端子BS1〜BS8の電圧レベルVBS1〜VBS8にもとづきモードを決定する。
【0043】
たとえばバーストコントローラ9は、スタンバイ信号STBの電圧レベルVSTBに応じて、動作モードを決定する。スタンバイ信号STBの電圧レベルVSTBが所定の第1範囲に含まれるとき、全チャンネル共通モードφに設定される。コンパレータCOMP9は、電圧VSTBをしきい値電圧Vth1と比較し、比較結果を示す判定信号S9を出力する。判定信号S9がVSTB>Vth1を示すとき、バーストコントローラ9は全チャンネル共通モードφに設定される。
【0044】
スタンバイ信号STBの電圧レベルVSTBが所定の第2の電圧範囲に含まれるとき、バーストコントローラ9は位相シフトモードφSHIFTに設定される。第2電圧範囲は、VSTB<Vth1であるため、判定信号S9がVSTB<Vth1を示すとき、バーストコントローラ9は位相シフトモードφSHIFTとなる。
【0045】
位相シフトモードφSHIFTに設定されたバーストコントローラ9は、続いて各チャンネルのバースト調光端子BSの電圧レベルVBS1〜VBS8にもとづき、90度、60度、45度位相シフトモードのいずれかに設定される。
【0046】
コンパレータCOMP1〜COMP8は、チャンネルごとに設けられ、対応するチャンネルの電圧VBS1〜VBS8を、所定のしきい値電圧Vth2と比較する。しきい値電圧Vth2は、たとえば0.1V程度が好ましい。i番目のチャンネルのコンパレータCOMPiは、VBSi<Vth2のときハイレベル(H)、VBSi>Vth2のときローレベル(L)となる検出信号Siを出力する。
【0047】
i番目のバースト調光端子BSiにLEDストリング6_iが接続されるとき、駆動電流ILEDiがゼロであればその電圧レベルVBSiは、出力電圧Vout付近まで上昇する。一方、バースト調光端子BSiにLEDストリング6_iが接続されていないとき、その電圧レベルVBSiは、接地電圧付近まで低下する。つまり、コンパレータCOMPiの出力信号Siは、LEDストリング6_iの接続の有無を示す。
【0048】
バーストコントローラ9は、判定期間TJDGにおいて第5から第8チャンネルのすべてのバースト調光端子BS5〜BS8の電位VBS5〜VBS8が、所定の第2しきい値電圧Vth2より低いとき、言い換えれば、条件式
S5==H && S6=H && S7=H && S8=H
を満たすとき、90度位相シフトモードφ90に設定される。これは、第5から第8チャンネルにLEDストリング6_5〜6_8が接続されていない状態を示す。(A=B)は、AとBが等しいとき真(1)を、そうでないとき偽(0)を示す演算子であり、「&&」は、論理積を示す演算子である。
【0049】
上記条件式を満たさないとき、処理S106に進む。第7、第8チャンネルのバースト調光端子BS7、BS8の電位VBS7、VBS8が、第2しきい値電圧Vth2より低いとき、言い換えれば、条件式
S7=H && S8=H
を満たすとき、第1〜第6チャンネルが駆動対象となり、60度位相シフトモードφ60に設定される。
【0050】
それ以外のとき、すべてのチャンネルが駆動対象となり、45度位相シフトモードφ45に設定される。
【0051】
このようにして、チャンネルごとにLEDストリング6の接続の有無が判定される。誤差増幅器EA1は、駆動期間において、LEDストリング6が接続されているチャンネルそれぞれの電圧VBSのうち、最も低いひとつと、基準電圧(たとえば0.3V)の誤差を増幅し、誤差に応じた誤差電圧Verrを生成する。誤差電圧Verrは、トランジスタQ2および抵抗R6を介してFB端子から出力され、制御IC100のフィードバック端子に入力される。制御IC100は、駆動期間において、LEDストリング6が接続されているチャンネルそれぞれの電圧VBSのうち最も低いひとつと、基準電圧(たとえば0.3V)が一致するように、出力電圧Voutを調節する。
【0052】
以上が発光装置3の構成である。続いてバーストコントローラ9について説明する。
バーストコントローラ9は、調光パルス信号PWMを受け、n(nは2以上の自然数)チャンネルの発光ダイオードストリングを駆動するためのバースト制御信号PWM〜PWMを生成する。nチャンネルのバースト制御信号PWM〜PWMの周期は、調光パルス信号PWMの周期と等しく、かつそれぞれの位相は互いに、調光パルス信号PWMの1/n周期シフトしている。90度位相シフトモードφ90においてn=4、60度位相シフトモードφ60においてn=6、45度位相シフトモードφ45においてn=8である。
【0053】
図3は、バーストコントローラ9の構成を示すブロック図である。バーストコントローラ9の各ブロックは、システムクロックCLKと同期がとられる。バーストコントローラ9は、エッジ検出部10、第1ラッチ12、ポジティブエッジカウンタ14、第2ラッチ16、ネガティブエッジカウンタ18、チャンネル制御部CH1_CONT〜CHn_CONTを備える。
【0054】
エッジ検出部10は調光パルス信号PWMを受け、そのポジティブエッジごとにアサート(たとえばハイレベル)されるポジティブエッジ検出信号S1と、そのネガティブエッジごとにアサート(たとえばハイレベル)されるネガティブエッジ検出信号S2と、を生成する。
【0055】
ポジティブエッジカウンタ(立ち上がりカウンタ)14は、ポジティブエッジ検出信号S1を受け、調光パルス信号PWMのポジティブエッジを契機として初期値からカウントを開始する。ネガティブエッジカウンタ(立ち下がりカウンタ)18は、ネガティブエッジ検出信号S2を受け、調光パルス信号PWMのネガティブエッジを契機として初期値からカウントを開始する。第1ラッチ12は、ポジティブエッジ検出信号S1およびポジティブエッジカウンタ14のカウント値を受け、ポジティブエッジカウンタ14がリセットされる直前のカウント値をラッチする。第1ラッチ12には、調光パルス信号PWMの周期を示すカウント値(周期カウント値)CHLTCHRが保持され、調光パルス信号PWMの周期毎に更新される。同様に第2ラッチ16は、ネガティブエッジ検出信号S2がアサートされるごとに、第1ラッチ12に格納される周期カウント値が保持される。第2ラッチ16の出力値CHLTCHFもまた、調光パルス信号PWMの周期毎に更新され、調光パルス信号PWMの周期を示す。なお、第2ラッチ16は、ネガティブエッジカウンタ18のカウント値をラッチしてもよい。
【0056】
チャンネル制御部CH1_CONT〜CH8_CONTは、チャンネルごとに設けられる。第1チャンネルのチャンネル制御部CH1_CONT1は、調光パルス信号PWMをそのまま出力する。
【0057】
第iチャンネルのチャンネル制御部CHi_CONT(2≦i≦n)は、以下の(i)〜(iv)の処理を行う。
(i)周期カウント値CHLTCHを(i−1)/n倍することにより、そのチャンネルの位相シフト量SHFTを計算する。
(ii)そしてチャンネル制御部CHi_CONTは、ポジティブエッジカウンタ14のカウント値CHCNTRが対応するチャンネルの位相シフト量SHFTと一致すると、対応するチャンネルのバースト制御信号PWMを第1レベル(たとえばハイレベル)に遷移させる。
(iii)またチャンネル制御部CHi_CONTは、ネガティブエッジカウンタ18のカウント値CHCNTFが対応するチャンネルの位相シフト量SHFTと一致すると、対応するチャンネルのバースト制御信号PWMを第2レベル(ローレベル)に遷移させる。
【0058】
(iv) さらにチャンネル制御部CHi_CONTは、調光パルス信号PWMのネガティブエッジより前に、対応するチャンネルのバースト制御信号PWMが第2レベル(ローレベル)に遷移していないとき、調光パルス信号PWMのネガティブエッジのタイミングで、対応するバースト制御信号PWMを第2レベル(ローレベル)に遷移させる。
【0059】
図4は、チャンネル制御部の構成を示すブロック図である。
第1シフト量計算部20は、第1ラッチ12に格納された周期カウント値CHLTCHRを(i−1)/n倍することにより、そのチャンネルの位相シフト量SHFTRを計算する。同様に第2シフト量計算部22は、第2ラッチ16に格納された周期カウント値CHLTCHFを(i−1)/n倍することにより、そのチャンネルの位相シフト量SHFTFを計算する。位相シフト量SHFTR、SHFTLは等しいため、第1シフト量計算部20と第2シフト量計算部22のうち一方を省略してもよい。
【0060】
セット回路24は、ポジティブエッジカウンタ14のカウント値CHCNTRが、対応するチャンネルの位相シフト量SHFTRと一致するとアサートされるセット信号S3を生成する。
【0061】
リセット回路26は、ネガティブエッジカウンタ18のカウント値CHCNTFが、対応するチャンネルの位相シフト量SHFTFと一致するとアサートされる第1リセット信号S4を生成する。
セット回路24およびリセット回路26は、デジタルコンパレータで構成できる。
【0062】
第2リセット回路28は、調光パルス信号PWMのネガティブエッジより前に、対応するチャンネルのバースト制御信号PWMが第2レベル(ローレベル)に遷移していないとき、調光パルス信号PWMのネガティブエッジのタイミングでアサートされる第2リセット信号S5を生成する。第2リセット信号(強制リセット信号ともいう)S5は、バースト制御信号PWMを強制的にローレベルに遷移させるための信号である。
【0063】
SRフリップフロップ30のセット端子(S)には、セット信号S3が入力されており、対応するチャンネルのセット信号S3がアサートされると、対応するチャンネルのバースト制御信号PWMを第1レベル(ハイレベル)に遷移させる。またSRフリップフロップ30のリセット端子(R1、R2)には、第1リセット信号S4、第2リセット信号S5が入力されており、対応するチャンネルの第1リセット信号S4または第2リセット信号S5がアサートされると、対応するチャンネルのバースト制御信号PWMを第2レベル(ローレベル)に遷移させる。
【0064】
第2リセット回路28は、フリップフロップFF1〜FF4、ANDゲートA1〜A3、SRフリップフロップFF5を含む。
【0065】
第1フリップフロップFF1は、調光パルス信号PWMをラッチする。第2フリップフロップFF2は、第1フリップフロップFF1の出力をラッチする。第3フリップフロップFF3は、対応するチャンネルのバースト制御信号PWMをラッチする。第4フリップフロップFF4は、第3フリップフロップFF3の出力をラッチする。
第1ANDゲートA1は、第1フリップフロップFF1の反転出力と、第2フリップフロップFF2の出力の論理積を生成する。第2ANDゲートA2は、第3フリップフロップFF3の反転出力と、第4フリップフロップFF4の出力の論理積を生成する。
SRフリップフロップFF5のセット端子には第1ANDゲートの出力が入力され、そのリセット端子には第2ANDゲートの出力が入力される。第3ANDゲートA3は、第1ANDゲートA1の出力と、SRフリップフロップFF5の出力の論理積を第2リセット信号S5として生成する。
【0066】
第1チャンネルのチャンネル制御部CH1_CONTは、ポジティブエッジ検出信号S1によってセットされ、ネガティブエッジ検出信号S2によってリセットされるSRフリップフロップで構成してもよい。
【0067】
以上がバーストコントローラ9の構成である。続いてその動作を説明する。
【0068】
図5は、実施の形態に係るバーストコントローラ9の動作を示すタイムチャートである。このタイムチャートはn=4の場合を示す。実施の形態に係る電流駆動回路8によれば、接続されるLEDストリング6の個数に応じて、位相シフトの角度を自動的に設定することができる。すなわち、スタンバイ信号STBが第2の電圧範囲に含まれるときには、接続されるLEDストリングの個数に応じて、90度、60度、45度位相シフトモードに設定できる。ユーザは、所望の動作モードに応じたレベルのスタンバイ信号STBと、所望の輝度に応じたデューティ比を有する単一の調光パルス信号PWMを電流駆動回路8に対して与えるのみで、簡易にLEDストリング6を駆動することができる。
【0069】
またバーストコントローラ9によって、各チャンネルのバースト制御信号PWM〜PWMを好適に生成できる。さらに、調光パルス信号PWMの周期が固定されている必要はなく、周期の変化にも対応できる。
【0070】
また、このバーストコントローラ9は、チャンネル数にかかわらずカウンタの個数が2個で済むという利点がある。この利点は、比較技術に係るバーストコントローラとの対比によって明確となる。
【0071】
図6は、比較技術に係るバーストコントローラ9rの構成を示すブロック図である。
【0072】
比較技術において、周波数カウンタ52は、調光パルス信号PWMの周期をカウントし、ラッチ54はカウントされた周期をラッチする。デューティカウンタ56は、調光パルス信号PWMのハイレベルの期間(オン期間)を測定し、ラッチ58は、測定されたオン期間をラッチする。
【0073】
チャンネルごとにディレイカウンタ60およびデューティカウンタ62が設けられる。ディレイカウンタ60_2〜60_8は、調光パルス信号PWMのポジティブエッジからカウントを開始する。チャンネル制御部CHi_CONTは、ディレイカウンタ60のカウント値が、チャンネルごとに計算されたシフト量と一致すると、そのチャンネルのバースト制御信号PWMを第1レベルとする。バースト制御信号PWMが第1レベルに遷移すると、デューティカウンタ62がカウントを開始し、カウント値が調光パルス信号PWMのオン期間と一致すると、バースト制御信号PWMを第2レベルとする。
【0074】
かかる比較技術では、周波数カウンタ52およびデューティカウンタ56に加えて、チャンネルごとにディレイカウンタ60およびデューティカウンタ62を設ける必要があり、チャンネル数の増加にともない回路面積が大きくなる。これに対して実施の形態に係るバーストコントローラ9では、チャンネル数にかかわらず、カウンタが2つで足りるため、回路面積を小さくできる。
【0075】
図7(a)は、実施の形態に係るバーストコントローラ9の動作を示すタイムチャートである。このタイムチャートはn=8の場合を示す。調光パルス信号PWMの周期やデューティ比が急激に変化する状況を示す。
たとえばタイミングt1あるいはt2では、第6〜第8チャンネルの強制リセット信号S5がアサートされ、第6〜第8チャンネルのバースト制御信号PWM〜PWMがローレベルとなる。タイミングt3では、第3〜第8チャンネルの強制リセット信号S5がアサートされ、それらのチャンネルのバースト制御信号PWM〜PWMがローレベルとなる。
【0076】
図7(b)は、バーストコントローラ9が処理(iv)を実行しない場合、すなわち強制リセット信号を生成しない場合のタイムチャートである。この場合、タイミングt1、t2それぞれを跨いで、第6〜第8チャンネルのバースト制御信号PWM〜PWMがハイレベルを持続する。この箇所にハッチングを付している。このように調光パルス信号PWMの複数の周期をまたいで、バースト制御信号PWMがハイレベルを持続すると、LEDストリング6が明るくなるという問題がある。実施の形態に係るバーストコントローラ9では、処理(iv)を行うことにより、この問題を解決できる。
【0077】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセス、それらの組み合わせには、さまざまな変形例が存在しうる。以下、こうした変形例について説明する。
【0078】
実施の形態ではインダクタを用いた非絶縁型のスイッチング電源を説明したが、本発明はトランスを用いた絶縁型のスイッチング電源にも適用可能である。
【0079】
実施の形態では、発光装置3のアプリケーションとして電子機器を説明したが、用途は特に限定されず、照明などにも利用できる。
【0080】
また、本実施の形態において、ハイレベル、ローレベルの論理信号の設定は一例であって、インバータなどによって適宜反転させることにより自由に変更することが可能である。
【0081】
実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
【符号の説明】
【0082】
Q1…出力トランジスタ、L1…インダクタ、C1…出力キャパシタ、D1…整流ダイオード、M1…スイッチングトランジスタ、2…電子機器、3…発光装置、4…スイッチング電源、R4…電流制御抵抗、5…LCDパネル、BS…バースト調光端子、CL…電流制御端子、R5…プルアップ抵抗、6…LEDストリング、8…電流駆動回路、9…バーストコントローラ、100…制御IC、102…出力回路、10…エッジ検出部、12…第1ラッチ、14…ポジティブエッジカウンタ、16…第2ラッチ、18…ネガティブエッジカウンタ、CONT…チャンネル制御部、PWM…調光パルス信号、S1…ポジティブエッジ検出信号、S2…ネガティブエッジ検出信号、20…第1シフト量計算部、22…第2シフト量計算部、24…セット回路、26…リセット回路、28…第2リセット回路、30…SRフリップフロップ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルス幅変調された調光パルス信号を受け、n(nは2以上の自然数)チャンネルの発光ダイオードストリングを駆動するためのバースト制御信号であって、それぞれの周期が前記調光パルス信号の周期と等しく、かつそれぞれの位相が前記調光パルス信号の1/n周期シフトしているn個のバースト制御信号を生成する位相シフトコントローラであって、
前記調光パルス信号のポジティブエッジを契機として初期値からカウントを開始するポジティブエッジカウンタと、
前記調光パルス信号のネガティブエッジを契機として初期値からカウントを開始するネガティブエッジカウンタと、
前記ポジティブエッジカウンタおよび前記ネガティブエッジカウンタの少なくとも一方のカウント値を受け、前記調光パルス信号の周期に対応する周期カウント値をラッチするラッチと、
第2〜第nチャンネルごとに設けられたチャンネル制御部であって、第iチャンネル(2≦i≦n)のチャンネル制御部は、(i)前記周期カウント値を(i−1)/n倍することにより、そのチャンネルの位相シフト量を計算し、(ii)前記ポジティブエッジカウンタのカウント値が対応するチャンネルの前記位相シフト量と一致すると、対応するチャンネルの前記バースト制御信号を第1レベルに遷移させ、(iii)前記ネガティブエッジカウンタのカウント値が対応するチャンネルの前記位相シフト量と一致すると、対応するチャンネルの前記バースト制御信号を第2レベルに遷移させるチャンネル制御部と、
を備えることを特徴とする位相シフトコントローラ。
【請求項2】
第iチャンネルの前記チャンネル制御部は、(iv)前記調光パルス信号のネガティブエッジより前に、対応するチャンネルの前記バースト制御信号が前記第2レベルに遷移していないとき、前記調光パルス信号のネガティブエッジのタイミングで、対応する前記バースト制御信号を前記第2レベルに遷移させることを特徴とする請求項1に記載の位相シフトコントローラ。
【請求項3】
第iチャンネルの前記チャンネル制御部は、
前記周期カウント値を(i−1)/n倍することにより、そのチャンネルの位相シフト量を計算するシフト量計算部と、
前記ポジティブエッジカウンタのカウント値が、対応するチャンネルの前記位相シフト量と一致するとアサートされるセット信号を生成するセット回路と、
前記ネガティブエッジカウンタのカウント値が、対応するチャンネルの前記位相シフト量と一致するとアサートされる第1リセット信号を生成する第1リセット回路と、
前記調光パルス信号のネガティブエッジより前に、対応するチャンネルの前記バースト制御信号が前記第2レベルに遷移していないとき、前記調光パルス信号のネガティブエッジのタイミングでアサートされる第2リセット信号を生成する第2リセット回路と、
対応するチャンネルの前記セット信号がアサートされると、対応するチャンネルのバースト制御信号を前記第1レベルに遷移させ、対応するチャンネルの前記第1リセット信号または前記第2リセット信号がアサートされると、対応するチャンネルの前記バースト制御信号を前記第2レベルに遷移させるフリップフロップと、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の位相シフトコントローラ。
【請求項4】
第iチャンネルの前記チャンネル制御部は、
前記周期カウント値を(i−1)/n倍することにより、そのチャンネルの位相シフト量を計算するシフト量計算部と、
前記ポジティブエッジカウンタのカウント値が、対応するチャンネルの前記位相シフト量と一致するとアサートされるセット信号を生成するセット回路と、
前記ネガティブエッジカウンタのカウント値が、対応するチャンネルの前記位相シフト量と一致するとアサートされる第1リセット信号を生成する第1リセット回路と、
対応するチャンネルの前記セット信号がアサートされると、対応するチャンネルのバースト制御信号を前記第1レベルに遷移させ、対応するチャンネルの前記第1リセット信号がアサートされると、対応するチャンネルの前記バースト制御信号を前記第2レベルに遷移させるSRフリップフロップと、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の位相シフトコントローラ。
【請求項5】
前記第2リセット回路は、
前記調光パルス信号を受ける第1フリップフロップと、
前記第1フリップフロップの出力を受ける第2フリップフロップと、
対応するチャンネルの前記バースト制御信号を受ける第3フリップフロップと、
前記第3フリップフロップの出力を受ける第4フリップフロップと、
前記第1フリップフロップの反転出力と、前記第2フリップフロップの出力の論理積を生成する第1ANDゲートと、
前記第3フリップフロップの反転出力と、前記第4フリップフロップの出力の論理積を生成する第2ANDゲートと、
前記第1ANDゲートの出力によりセットされ、前記第2ANDゲートの出力によりリセットされる第2SRフリップフロップと、
前記第1ANDゲートの出力と、前記第2SRフリップフロップの出力の論理積を前記第2リセット信号として生成する第3ANDゲートと、
を含むことを特徴とする請求項3に記載の位相シフトコントローラ。
【請求項6】
複数の発光ダイオードストリングと、
前記複数の発光ダイオードストリングに駆動電圧を供給するスイッチング電源と、
パルス幅変調された調光パルス信号を受け、前記複数の発光ダイオードストリングごとにバースト制御信号を生成する請求項1から5のいずれかに記載の位相シフトコントローラと、
それぞれが前記発光ダイオードストリングごとに設けられ、対応する前記バースト制御信号が点灯期間を示すとき、対応する発光ダイオードストリングに駆動電流を供給する複数の電流源と、
を備えることを特徴とする発光装置。
【請求項7】
液晶パネルと、
前記液晶パネルのバックライトとして設けられた請求項6に記載の発光装置と、
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項8】
パルス幅変調された調光パルス信号にもとづき、n(nは2以上の自然数)チャンネルの発光ダイオードストリングを駆動するためのバースト制御信号であって、それぞれの周期が前記調光パルス信号の周期と等しく、かつそれぞれの位相が前記調光パルス信号の1/n周期シフトしているn個のバースト制御信号を生成する方法であって、
ポジティブエッジカウンタにより、前記調光パルス信号のポジティブエッジを契機として初期値からカウントを開始するステップと、
ネガティブエッジカウンタにより、前記調光パルス信号のネガティブエッジを契機として初期値からカウントを開始するステップと、
前記ポジティブエッジカウンタおよび前記ネガティブエッジカウンタの少なくとも一方のカウント値にもとづき、前記調光パルス信号の周期に対応する周期カウント値をラッチするステップと、
第iチャンネル(2≦i≦n)において、前記周期カウント値を(i−1)/n倍することにより、そのチャンネルの位相シフト量を計算するステップと、
第iチャンネルにおいて、前記ポジティブエッジカウンタのカウント値が対応するチャンネルの前記位相シフト量と一致すると、対応するチャンネルの前記バースト制御信号を第1レベルに遷移させるステップと、
第iチャンネルにおいて、前記ネガティブエッジカウンタのカウント値が対応するチャンネルの前記位相シフト量と一致すると、対応するチャンネルの前記バースト制御信号を第2レベルに遷移させるステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項9】
前記調光パルス信号のネガティブエッジより前に、対応するチャンネルの前記バースト制御信号が前記第2レベルに遷移していないとき、前記調光パルス信号のネガティブエッジのタイミングで、対応する前記バースト制御信号を前記第2レベルに遷移させるステップをさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−157172(P2012−157172A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−14402(P2011−14402)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】