説明

位置ぎめ補助装置

本発明は、互いに配置される2つの(1,2)を容易に整列させることができる位置ぎめ補助装置に関する。このため位置ぎめ補助装置が、まず複数の素子の再び分離可能な組立て後及び結合後、第1の部材(1)及び第2の部材(2)と固定的に結合される。位置ぎめ補助装置にある円錐体(15)により、両方の部材(1,2)が後で再び容易に整列せしめられ、その際位置ぎめ補助装置の素子が両方の部材と固定的に結合されたままである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の装置に関する。更に本発明は請求項10の上位概念に記載の方法に関する。更に本発明は請求項14に記載の配置に関する。
【背景技術】
【0002】
機械製造において、機械は形式及び使用分野に応じて下部構造を備えている。最も簡単な下部構造は、地面の凹凸を保証できる調節可能な脚である。しかし大抵の場合機械の下部構造は非常に多くの費用をかけて構成されている。特に精密機械製造では、下部構造へ特別な注意が向けられる。この場合下部構造は機械の水平化又は上昇に役立つのみならず、望ましくない振動の減衰にも役立つ。従って精密機械の下部構造は、特に重い材料から製造される。更に材料は小さい熱膨張係数しか持っていないので、特殊合金のほかに石特にみかげ石も使用される。
【0003】
それにもかかわらず、みかげ石塊の加工が厄介であることが次第にわかった。従って下部構造を、一枚岩的な構造の代わりに注型鉱物混成物から製造するようになった。注型鉱物混成物は、機械の構造形状に正確に合わされるという利点を持っているが、岩石の利点も持っている。更に注型鉱物混成物部材は一層小さい単位で注型され、これらの単位が後で組立てられて精密機械の下部構造を形成する。下部構造体の輸送上の利点もある。
【0004】
下部構造体を組立てる際に重要なことは、個々の注型鉱物混成物の整列である。個々の部材の重さのため、これらの部材はかなりの費用をかけることによってのみ動かされ、互いに整列せしめられる。従って注型鉱物混成物部材は下側に凹所を持っている。これらの凹所へ、内部にある通路を経て圧縮空気が供給される。凹所に生じる空気クッションにより、部材が持ち上げられ、それにより下にある部材上で所望の位置へもたらされることができる。
【0005】
しかし部材の容易になる移動にもかかわらず、依然として整列の高い精度が必要とされる。今まで重なるか又は互いに接する部材に標識をつけることによって、この高い精度を得るように、試みていた。注型鉱物混成物部材はこれらの標識で整列され、それにより部材の整列の大体の精度が得られる。しかしこの整列方式では、精度のすべての要求を満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明の基礎になっている課題は、高精度の整列が簡単に可能な、最初にあげた種類の装置及び方法を発展させることである。
【課第を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、この課題は請求項1の特徴によって解決される。それによれば、両方の部材を結合する結合素子が、第1の部材及び第2の部材の凹所に固定的に設けられ、結合素子と第2の部材との固定的結合のために、この部材と結合素子との間の間隙が硬化する充填剤で満たされる。両方の部材が互いに移動せしめられ、互いに大まかに整列せしめられ、それから結合素子により非常に正確な整列が行われる。有利なようにまず結合素子が第1の部材に結合され、第2の部材の凹所内で充填材により包囲される。それにより第1の部材と第2の部材を、最初に高精度で互いに整列させる必要はない。後で再び構成する際、この位置ぎめ補助手段により正確な整列が行われる。
【0008】
結合素子が少なくとも第1の取付け具、第2の取付け具、円錐体及びピンを持っているのがよい。このように複数成分から成っていることにより、結合素子を断片的に組立てることが可能になり、更に部材の分解及び組立又は整列も容易になる。
【0009】
本発明の好ましい実施形態によれば、第1の取付け具が第1の部材と固定的に結合なるべくねじ止めされる。取付け具は円錐体を受入れるためスリーブとして構成されている。第2の部材が第1の部材に対して整列せしめられるので、第2の部材を第1の部材上に設ける前に、スリーブがこの部材中に既に取付けられる。これにより時間が節約される。円錐体を受入れるため、取付け具が長手方向に延びかつ円錐体の外側輪郭に一致する輪郭を持つ凹所を持っている。
【0010】
有利な展開では、第2の取付け具が第1のスリーブに対して一直線になるように設けられる。円錐体が第1及び第2の取付け具の長手方向に延びる凹所をそれぞれ通って延びる。両方の取付け具は、一方の凹所の輪郭と他方の凹所の輪郭が連続し、円錐体が両方の取付け具において一様に凹所の表面に当接するように、設けられている。円錐体及び両方の取付け具が同じ材料から製造されているので、両方の取付け具と円錐体は同じ材料特性を持っている。このことは特に熱膨張係数に関して有利である。なぜならば、異なる温度の影響で円錐体及び取付け具が一様に収縮又は膨張するからである。更に部材自体への適当な輪郭の削り出しより、取付け具の材料加工の方が容易である。更に表面が損傷した場合、部材にある凹所を再加工するか又は新しい部材を注型するより容易に、それぞれの取付け具を交換することができるであろう。
【0011】
好ましい実施形態によれば、とがっていない端部を持つ円錐体が第1のスリーブに設けられている。とがっていない端部は、円錐体の直径が小さい端部であり、それによりスリーブの凹所の輪郭が第1の部材にあるスリーブにある端部へ先細になっていることが明らかになる。
【0012】
ピンが、第2のスリーブと第1のスリーブとの分離可能な結合のため、円錐体の長手方向に延びる凹所を通って設けられると有利である。凹所はピンと一致する輪郭を持っている。ピンはねじとして構成され、大体において頭部とねじ山を有する円筒形状を持っている。凹所はそれに少なくとも一部合わされ、ねじ頭部の範囲で直径が他のピンの凹所より大きい。なぜならば、ねじの頭部はねじの軸部より幅広いからである。取付けられた状態でねじ頭部は、円錐体における凹所の異なる直径により形成される突起上に載っている。
【0013】
本発明の別の有利な展開では、充填材が第2のスリーブと凹所の表面との間へ入れられる。このため第2の部材にある凹所は、スリーブより著しく大きい直径を持っている。取付け具を部材と結合するため、間隙が合成樹脂又は類似物で満たされている。合成樹脂が硬化し、その際取付け具が取付け具において部材と固定的に結合されている。他方の取付け具は他方の部材の凹所へねじ込まれている。このため上部の縁範囲は、複数の凹所を持ち、これらの凹所に取付け手段特にねじを通すことができ、これらのねじは凹所の表面の対応する範囲ではまり、それにより取付け具を部材に固定する。取付け具と部材の他の固定的結合も同様に可能である。
【0014】
合成樹脂の硬化後、ピン及び円錐体の分離後及び除去後、両方の部材の結合が解除される。有利なように、合成樹脂の硬化後留めねじの分離及びピンと円錐体の除去により、両方の部材の結合が分離可能である。部材が機械の下部構造を形成しているので、これらの部材を分解して他の個所で再び組合わせることができる。円錐体により、空気を導かれる心出し補助手段の助けを借りて、上部部材の位置ぎめが容易に可能である。位置ぎめ後円錐体がピンにより固定されるので、両方の部材は動かないように重くなる。
【0015】
互いに整列させるべき部材の位置ぎめ方法では、第1の作業段階において、他方の部材の下に設けられる一方の部材の凹所へ、スリーブとして構成される第1の取付け具が差込まれる。スリーブは部材と固定的に結合され、特に部材とねじ止めされる。凹所自体は、部材の製造の際既にそれに形成されている。他の部材の上に設けられる部材の凹所は貫通するように形成され、これに反し他方の凹所は盲穴として形成されている。しかし別の実施形態も可能である。凹所は注型鉱物部材の注型の際形成されるか、又は後の作業過程で形成される。第2の作業段階で、第1のスリーブの上に、スリーブとして形成される第2の取付け具が設けられ、その間に微孔性ゴム板が設けられる。第2のスリーブは第1のスリーブの上に、凹所が一直線となるように位置している。第4の作業段階で円錐体が、ねじとして構成されるピンと共にスリーブへ導入される。円錐体は、差込まれた状態で第2のスリーブを最終的に心出しする。第2のスリーブはねじ止めにより第1のスリーブと互いに固定的に結合され、その際円錐体より上にねじが設けられる。第4の作業段階で、第2のスリーブと凹所の表面との間の間隙が合成樹脂又は類似物で満たされる。合成樹脂の硬化後、第2のスリーブも同様に部材と固定的に結合され、それにより組立てが終了される。
【0016】
最初にあげた課題を解決する装置が請求項11の特徴を持っている。それによれば、円錐体が取付け具内で相対移動可能であり、円錐体の端部を持つ部分が、取付け具に当接する際これから突出する。取付け具から突出する円錐体上に別の取付け具が位置ぎめ可能なので、円錐体が2つの取付け具を互いに結合しかつ心出しする。円錐体の斜めな表面の特別な構成により、その上に設けられる物体が中心に位置ぎめされ、特にその下にある物体に対しても中心に位置ぎめされる。従ってなるべく円錐台として形成される端部を持つ円錐体の部分は、別の取付け具に設けられて、これに対して移動可能である。
【0017】
本発明の有利な構成によれば、円錐体と両方の取付け具との分離可能な結合のために、円錐体にある凹所にピンが配置可能である。その際ピンは特にねじとして構成されている。円錐体はピンの外側輪郭と一致する中心凹所を持っている。円錐体により、両方の部材が一層簡単に整列せしめられる。一方の部材が貫通する凹所を備え、両方の部材を位置ぎめ又は整列させるピンを持つ円錐体をこの凹所に通すことができる。この貫通する凹所により、円錐体をその下にある凹所へ差込み可能であり、円錐体の小さい方の直径を持つ端部が、下にある部材に設けられている。円錐体の幾何学的形状により、両方の部材の心出しが著しく容易になる。
【0018】
更に本発明の課題は請求項14の特徴を持つ装置によって解決される。互いに位置ぎめ可能な素子を持つ装置は、第1の取付け具及び第2の取付け具が、円錐体により互いに同心的に整列され、第1の取付け具が第1の部材の凹所に設けられ、かつこの部材と固定的に結合されていることを、特徴としている。第2の取付け具が第2の部材の凹所に設けられ、第2の部材と第2の取付け具との固定的な結合のため、この部材とこの取付け具との間の間隙が硬化する充填材で満たされている。特に第2の取付け具と第2の部材との結合は、製造者の所で下部構造として両方の部材を持つ機械を予め組立てる際、第2のスリーブが第2の部材と結合される時、これらの部材が既に互いに上下に設けられている、という利点を生じる。従って両方の部材相互の正確な整列は必要でない。第2の部材から第2の部材の移行部にある凹所の直径は、その下にある取付け具の直径より大きいので、部材の整列の相違を可能にする。
【0019】
円錐体が、両方の取付け具において長手方向に延びる凹所をそれぞれ通って延びていると、有利である。円錐体により、両方の取付け具を互いに整列させることができる。更に取付け具がそれぞれの部材と固定的に結合されていると、両方の部材も正確に整列せしめられる。
【0020】
好ましい実施形態によれば、両方の取付け具の分離可能な結合のため、ピンが円錐体の長手方向に延びる凹所を通って延びている。両方の部材がその重量によってのみ動かないように互いに重なっていても、位置ぎめ補助手段の保全が必要である。反復される組立ての際第1の部材が第2の部材の上で浮動して動かされる時、ピンにより第2の部材も第1の部材へ引寄せられる。
【0021】
方法及び装置のそれ以外の有利な構成は、従属請求項からわかる。
【0022】
本発明の好ましい実施例が、図面により以下に詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】 互いに重ねられる部材の平面図を示す。
【図2】 互いに重ねられる部材の側面図を示す。
【図3】 図2のA−A線に沿う断面図を示す。
【図4】 図3の部分Bを示す。
【図5】 組立てられた状態にある位置ぎめ補助装置の断面図を示す。
【図6】 位置ぎめ補助装置の分解図を示す。
【図7】 組立てられた位置ぎめ補助装置の斜視図を示す。
【図8】 位置ぎめ補助装置の斜視図を一部の内部寸法と共に示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
注型鉱物混成物から成る2つの互いに重なる部材を位置ぎめするため、両方の部材の移行部に位置ぎめ補助手段が設けられる。位置ぎめ補助手段は第1及び第2の部材1,2内に延びている。位置ぎめ補助手段のために、部材1,2に互いに一致する凹所3,4が設けられている。凹所は完成した部材に形成されるか、又は注型鉱物混成物の製造過程中に形成される。次に図面により位置ぎめ補助装置の構造及び取付けについて詳細に説明する。
【0025】
第1の部材1の第1の凹所3に、取付け具として構成されたスリーブ5が設けられている。スリーブ5は大体において円筒状であり、凹所3の表面はスリーブ5の輪郭に一致している。第2の部材2に接する上部範囲で、環状の縁6がスリーブ5と結合されている。縁6はフランジの形に形成されて、穴7を持っている。穴7へ図示しない取付け手段特にねじを通すことができ、これらのねじがスリーブ7を第1の部材1と固定的に結合する。他の取付け方法も同様に考えられ、例えばスリーブ5が雄ねじを持ち、適当な凹所3へにじ込み可能である。
【0026】
第1の部材1上に第2の部材2が平らに載っている。盲穴として形成されている第1の凹所3とは異なり、第2の凹所4は2つの開いた端部を持つ貫通孔である。第2の凹所4に、スリーブ5とほぼ同心的に取付け具として構成される別のスリーブ8が位置ぎめされている。スリーブ8は大体において円筒状に構成され、スリーブ5とは反対側の端部に環状の縁9を持っている。
【0027】
第2の凹所7は、その寸法をスリーブ8より大きく形成されている。第2の凹所4の表面は少し斜めに延び、第2の凹所4の直径が小さい方の端部は第1の部材1の方へ向けられている。従って第2の凹所4の表面とスリーブ8との間に間隙が生じ、硬化する充填材で満たされている。充填材としてなるべく合成樹脂又は類似物が使用され、硬化することによりスリーブ8と第2の部材2との固定的にな結合を行う。更にスリーブ8の縁9に穴10を設け、スリーブ8を包囲する充填材と更に結合するために、図示しないねじ又は取付け手段を穴10に差込むことができる。
【0028】
互いに同心的になっているスリーブ5及び8は、軸線11に対して対称に延びる凹所12,13を持っている。スリーブ5の凹所12は盲穴として形成されている。凹所12の輪郭は部分的に異なるように形成されている。スリーブ5の開放端部に近い方にある部分は円錐状に形成され、盲穴の方へ先細になっている。この部分に、これに対して同心的な別の部分が続いている。この別の部分の直径は円錐状に形成される上の部分より著しく小さく、両方の移行部の段が形成されている。別の部分は大体において円筒状に形成されている。
【0029】
スリーブ8の凹所13は貫通孔であり、部分的に円錐状に形成されている。スリーブ5とは反対側にあるスリーブ8の上端で、上端部分が円筒状に形成されている。スリーブ5に隣接するスリーブ8の開口は、スリーブ5の開口に一致している。スリーブ5及び8のそれぞれ円錐状に形成される部分は対応しているので、凹所12及び13の表面は、スリーブ5と8の移行部における中断を除いて平らであり、少なくとも同じ角を持っている。
【0030】
両方のスリーブの間に密封片14が設けられている。この密封片14は第2の凹所4をスリーブ5に対して密封し、それにより間隙に注入される合成樹脂がスリーブ5に接触せず、そこでこれと接着する。スリーブ5と8の寸法は、スリーブ8を密封片14に載せる際円錐状表面が依然として平らであるように、合わされている。スリーブ8の出口開口は適当に大きく選ばれている。
【0031】
スリーブ5及び8の凹所12及び13へ円錐体15が位置ぎめされている。円錐体15は密封状態でスリーブ5及び8内にあるので、スリーブ5,8は軸線11に沿って互いに正確に同心的になっている。円錐体15は中心にほぼ円筒状の凹所16を持っている。凹所16は貫通孔として形成されている。円錐体15の出口開口は、凹所12の円筒状に形成される部分と一致している。円錐体15の他の出口開口は一層大きく形成されている。
【0032】
円錐体15の凹所16には取付け手段17が設けられている。取付け手段はなるべくねじであるが、他のいかなるピン状手段も使用可能である。取付け手段17はねじ山でスリーブ5にねじ止めされ、スリーブ5の円筒状部分も同様にねじ山を持っている。円錐体15の凹所16の出口開口はねじ頭部の直径にほぼ一致している。取付け手段17を締めることによって、スリーブ5及び8内の円錐体15が先細になる部分の方へ締付けられる。
【0033】
位置ぎめ手段を組込む際、凹所3と4がほぼ重なるように両方の部材1と2が互いに配置される。スリーブ5は前もって第1の凹所3へ組込まれる。なぜならば、第2の凹所4の下部出口はスリーブ5の縁6より小さいからである。更に注意すべきことは、密封片14が、第2の部材2を載せて整列させる際既に、第2の凹所4の下部出口開口の範囲に設けられる環状縁溝へ差込まれてこれを満たすことである。
【0034】
第2の段階でスリーブ8が第2の凹所4へ差込まれて、スリーブ5に対してほぼ同心的に位置ぎめされる。スリーブ5の上におけるスリーブ8の正確な位置ぎめは必要でない。なぜならば、スリーブ8への円錐体15の差込み及び差通しが、スリーブ8自体をスリーブ5に対して位置ぎめするからである。スリーブ5及び8へ円錐体15が全部差込まれることにより、スリーブ5と8が互いに整列せしめられる。固定のため、取付け手段17が円錐体15の凹所16へ導入され、そこで締付けられる。円錐体15より上で凹所13の円筒状部分に、終端ねじ18の形のカバーが設けられている。この終端ねじ18は円錐体15及び取付け手段17を外部の影響に対して保護する。
【0035】
スリーブ8の固定後、スリーブ8と第2の部材2との間の間隙に合成樹脂が充填される。合成樹脂はスリーブ8の外面と凹所4の表面を完全に覆う。合成樹脂の硬化後、スリーブ8が第2の部材2と固定的に結合される。安全のためスリーブ8の縁9にある穴10を通して、別の取付け手段をスリーブ9の固定用合成樹脂へ入れることができる。
【0036】
合成樹脂の硬化後、取付け手段17も同様に円錐体15から分離するために、終端ねじ18が取外される。スリーブ5,8から円錐体15を除去することにより、両方の部材1と2はもはや互いに結合されておらず、他の個所で再び組立てるために分解可能である。
【0037】
両方の部材1,2を再び組立てる際、第2の部材2が圧縮空気により浮動して第1の部材2の上にもたらされるので、スリーブ5とスリーブ8が互いにほぼ同心的に配置される。第1の部材1に対する第2の部材2の限界範囲に切欠き19が形成されている。第2の部材2に形成されて切欠き19に接続される空気通路20により、圧縮空気が切欠き19へ吹込まれる。こうして十分高い圧力により、第2の部材2が持ち上げられる。
【0038】
両方のスリーブ5と8が互いにほぼ同心的に位置ぎめされると、円錐体15がスリーブ8へ導入される。スリーブ5へ通す際、第2の部材2が第1の部材1に対して整列せしめられる。取付け手段17を締めることにより、両方の部材1と2との間隔が減少され、その際圧縮空気は第2の部材2をまだ動けるようにしているので、円錐体15が両方の部材1,2を密封状態になるまで互いに整列させる。円錐体15がスリーブ5及び8に当接することにより、第2の部材2が第1の部材1上に位置ぎめされる。
【0039】
簡単な位置ぎめ補助装置により、精密機械の下部構造を分離し、再び組立てる際再び正確に互いに整列させることが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに整列させるべき第1及び第2の部材(1,2)を位置ぎめする方法であって、両方の部材(1,2)が重ねて設けられ、これらの部材(1,2)の少なくとも一方が他方の部材(1,2)に対して移動されて整列せしめられ、両方の部材(1,2)を結合する結合素子が、第1の部材(1)及び第2の部材(2)の凹所(3,4)に固定的に設けられ、結合素子と第2の部材(2)との固定的結合のために、この部材(2)と結合素子との間の間隙が硬化する充填剤で満たされ、結合素子が少なくとも第1の取付け具、第2の取付け具、円錐体(15)及びピン(17)を持ち、スリーブ(5)として構成される第1の取付け具が、円錐体を受入れるため第1の部材(1)と固定的に結合されているものにおいて、スリーブ(8)として構成される第2の取付け具が第1のスリーブ(5)に対して一直線になるように設けられ、円錐体(15)が第1及び第2の取付け具(5,8)の長手方向に延びる凹所(12,13)をそれぞれ通って延びることを特徴とする、方法。
【請求項2】
とがっていない端部を持つ円錐体(15)が第1のスリーブ(5)に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ピン(17)が、第2のスリーブ(8)と第1のスリーブ(5)との分離可能な結合のため、円錐体(15)の長手方向に延びる凹所(16)を通って設けられることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ピン(17)がねじであることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の方法。
【請求項5】
充填材が第2のスリーブ(8)と凹所(4)の表面との間へ入れられることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の方法。
【請求項6】
充填材が合成樹脂又は類似物であることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の方法。
【請求項7】
充填材の硬化後、ピン(17)及び円錐体(15)の分離後及び除去により、両方の部材(1,2)の結合が解除されることを特徴とする、先行する請求項の1つに記載の方法。
【請求項8】
互いに整列させるべき第1及び第2の部材(1,2)を位置ぎめするための互いに位置ぎめ可能な複数の素子を持つ装置であって、両方の部材(1,2)が重ねて設けられ、これらの部材(1,2)の少なくとも一方が他方の部材(1,2)に対して移動されて整列可能であり、第1の取付け具及び第2の取付け具が、円錐体により互いに同心的に整列され、第1の取付け具が第1の部材(1)の凹所(3)に設けられ、かつこの部材と固定的に結合され、第2の取付け具が第2の部材(2)の凹所(4)に設けられ、第2の部材(2)と第2の取付け具との固定的な結合のため、この部材(2)とこの取付け具との間の間隙が硬化する充填材で満たされているものにおいて、円錐体(15)が、両方の取付け具において長手方向に延びる凹所(12,13)をそれぞれ通って延びていることを特徴とする装置。
【請求項9】
両方の取付け具の分離可能な結合のため、ピン(17)が円錐体(15)の長手方向に延びる凹所(16)を通って延びていることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
ピン(17)がねじとして構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
円錐体(15)が取付け具において相対移動可能であり、とがっていない端部を持つ円錐体(15)の一部が、取付け具において当接する際この取付け具から延びている、請求項8〜10の1つに記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−529166(P2011−529166A)
【公表日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521418(P2011−521418)
【出願日】平成21年7月6日(2009.7.6)
【国際出願番号】PCT/CH2009/000237
【国際公開番号】WO2010/009564
【国際公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【出願人】(599136784)シユネーベルゲル・ホールデイング・アクチエンゲゼルシヤフト (1)
【氏名又は名称原語表記】Schneeberger HoldingAG
【Fターム(参考)】