説明

位置情報の提供

ネットワーク・アプリケーションに位置情報を提供する方法、位置サーバ、トリガ通知を提供する方法、フェムト基地局、およびコンピュータ・プログラム製品を開示する。この方法は、ネットワーク・アプリケーションに通知されるべきトリガするイベントの詳細を受信するステップであって、トリガするイベントは、無線遠隔通信ネットワークの所定のフェムト・セルへのユーザ機器の登録である、ステップと、所定のフェムト・セルに無線通信カバレージを提供するフェムト基地局に、トリガするイベントが発生する時を示すトリガ通知を提供させるために、そのフェムト基地局にトリガするイベントを示すトリガする情報を提供するステップと、フェムト基地局からのトリガ通知の受信に応答して、位置情報をネットワーク・アプリケーションに提供するステップであって、位置情報は、トリガするイベントが発生した時の表示と一緒に、ユーザ機器および所定のフェムト・セルの表示をネットワーク・アプリケーションに提供する、ステップとを含む。これは、後続の位置判定処理が発生する必要を全く伴わずに、特定の位置へのユーザ機器の移動を検出し、ネットワーク・アプリケーションに効率的に提供することを可能にし、これは、ユーザ機器の変更を必要としない、低電力、スケーラブル、正確、かつ非侵入的な手法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク・アプリケーションに位置情報を提供する方法、位置サーバ、トリガ通知を提供する方法、フェムト基地局、およびコンピュータ・プログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
無線遠隔通信ネットワーク内のユーザ機器の位置に関する情報を提供する技法が、既知である。1つの手法では、ユーザ機器が少なくとも3つの基地局との接続性を有する場合に、そのユーザ機器の近似位置を三角測量を使用して判定することが可能である。代替の手法では、全地球測位システム(GPS)テクノロジが、ユーザ機器内で提供され、これが、ユーザ機器の位置を入手するのに利用される。ユーザ機器の位置がわかった後に、この情報をネットワーク・アプリケーションによって利用して、位置固有サービスを提供することができる。
【0003】
国際公開第02/085049号に、セルラ・ネットワークでの延期された位置報告の方法が開示されている。ユーザの位置が監視されることが望まれる時に、ユーザが識別され、そのユーザの延期された位置報告が要求され、トリガ位置変更イベントは、ルーティング・エリアの変更である。要求メッセージは、GMLCおよびMSCを介して、そのユーザを現在サポートしているRNCに転送される。RNCは、そのユーザを監視して、そのユーザがエリアを変更したか否かを調べる。RNCは、エリアの変化を検出する時に、位置報告メッセージを送信する。位置報告メッセージは、ユーザが現在位置する新しいエリアを識別し、この新しいエリアは、地理的座標またはネットワークの構造に関連するなんらかの情報のいずれかによって提供され得る。その後、この情報は、MSCおよびGMLCを介して要求元クライアントに戻って供給される。これは、ユーザ機器をレディ・モード(ready mode)に維持するかユーザ機器をレディ・モードにトリガすることによって、ユーザ機器がアクティブ・シグナリング接続を提供することを必要とする。代替配置では、事前定義のユーザではなく事前定義のエリアを監視することができ、特定のサービス・エリアに入るかこれから出るすべてのユーザが、報告される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第02/085049号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ユーザ機器の位置を判定する改善された技法を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、ネットワーク・アプリケーションに位置情報を提供する方法であって、位置情報は、無線遠隔通信ネットワーク内のユーザ機器の位置を示し、方法は、ネットワーク・アプリケーションに通知されるべきトリガするイベントの詳細を受信するステップであって、トリガするイベントは、無線遠隔通信ネットワークの所定のフェムト・セルへの所定のユーザ機器の登録である、ステップと、所定のフェムト・セルに無線通信カバレージを提供するフェムト基地局に、トリガするイベントが発生する時を示すトリガ通知を提供させるために、そのフェムト基地局にトリガするイベントを示すトリガする情報を提供するステップと、フェムト基地局からのトリガ通知の受信に応答して、位置情報をネットワーク・アプリケーションに提供するステップであって、位置情報は、トリガするイベントが発生した時の表示と一緒に、所定のユーザ機器および所定のフェムト・セルの表示をネットワーク・アプリケーションに提供する、ステップとを含む、方法が提供される。
【0007】
第1の態様は、三角測量技法に伴う問題が、この技法が働くためにユーザ機器がアクティブ・モードになる必要があり、これが電力を消費することであることを認めたものである。また、精度は、最良でも、多数の基地局接続が使用可能である場合に50m以内までであるが、これは、基地局接続の個数が減るにつれて非常に不正確になる。GPS手法に伴う問題は、専用GPSハードウェアをユーザ機器内に設ける必要があり、そのようなハードウェアが、コストを大幅に増やすので、しばしばユーザ機器内に設けられていないことである。また、GPS技法は、位置情報が最も有用な応用例を有する可能性がある建物内で、良好には動作しない。さらに、両方の技法は、ユーザ機器の現在位置に関する情報を提供するが、ユーザが対象となる位置に移動する時に通知を生成せず、したがって、これらの技法によって判定された位置が、ユーザ機器が実際に対象となる位置にあることを示すかどうかを判定するために、さらなる査定を行う必要がある。したがって、これらの技法を使用すると、モバイルの位置を継続的に監視し、対象となるすべての位置と比較しなければならない。これは、追加のシグナリングおよび処理を必要とする高いオーバーヘッドをもたらし、これが、低いスケーラビリティをもたらす。
【0008】
したがって、ネットワーク・アプリケーションに通知されるべきトリガするイベントの詳細が、受信される。このトリガするイベントは、無線遠隔通信ネットワークの特定のフェムト・セル内のユーザ機器の登録である。ユーザ機器のそのような登録は、アクティブ・モードにおけるフェムト・セルへのハンドオーバまたはアイドル・モードにおけるフェムト・セルでのユーザ機器のキャンプに必要な、ユーザ機器とフェムト・セルとの間の登録情報交換を含むことができる。このトリガするイベントから、トリガする情報が、その後、対象となる位置の特定のフェムト・セルに通信カバレージを提供するフェムト基地局に供給され、このトリガする情報は、そのフェムト基地局に、特定のユーザ機器の登録がそのフェムト・セル内でいつ発生したのかを示すトリガ通知を提供させ、これによって、対象となる位置での特定のユーザ機器の存在(プレゼンス)を示す。トリガ通知がフェムト基地局から受信される時に、位置情報が、ネットワーク・アプリケーションに提供され、この位置情報は、ネットワーク・アプリケーションに、特定のユーザ機器および登録が発生したフェムト・セルの詳細と一緒に、トリガ・イベントがいつ発生したのかの表示を与える。この手法を介して、アプリケーションに通知されるべきトリガするイベントの詳細を定義することができる。この情報は、その後、対象となるフェムト基地局に渡される。ユーザ機器がそのフェムト基地局に登録する時に、通知が提供される。その通知を、その後、そのイベントがどのユーザ機器およびフェムト基地局に関係するのかと一緒に、トリガ・イベントが発生した時の表示を提供するのに使用することができる。これは、後続の位置判定処理が発生する必要を全く伴わずに、特定の位置へのユーザ機器の移動を検出し、ネットワーク・アプリケーションに効率的に提供することを可能にする。ユーザ機器の位置の正確な判定を行うことができる。というのは、フェムト・セルによって提供されるカバレージ・エリアが、通常は数10m以下の範囲内であるからである。したがって、この手法は、1つのフェムト基地局との接続性だけがある時であっても、三角測量技法より大幅に正確である。さらに、フェムト基地局への登録は、ユーザ機器がアイドルである時であっても発生することができ、したがって、ユーザ機器がアクティブ・モードで動作することを必要とせずにモビリティ・イベントを検出することができ、これによって電力が節約される。さらに、基地局へのユーザ機器の登録は、追加の機能性を設けることを必要としない標準ユーザ機器特徴であり、したがって、この技法は、追加の機能性を必要とするGPS手法とは異なって、標準ユーザ機器と共に働く。また、GPS手法とは異なって、フェムト・セルは、通常、建物内のカバレージを提供する。したがって、ユーザ機器の変更を必要としない、低電力、スケーラブル、正確、かつ非侵入的な手法であって、ユーザ機器の位置をたやすく判定し、その情報をユーザの加入したサービスと共に使用するためにネットワーク・アプリケーションに提供することを可能にする手法が、提供される。
【0009】
一実施形態では、トリガするイベントは、所定の時間期間にわたる所定のフェムト・セルへの所定のユーザ機器の登録を含み、トリガする情報は、トリガ通知が提供される前に所定の時間期間にわたる所定のユーザ機器の登録が発生しなければならないことをフェムト基地局に示す。したがって、ネットワーク・アプリケーションにとって重要なトリガするイベントを、特定の時間期間の間の特定のフェムト・セル内の特定のユーザ機器の登録とすることができる。トリガする情報は、この登録期間および対象となるユーザ機器を示し、これをフェムト基地局に提供して、そのイベントが発生する時に限ってトリガするイベントが生成されることを保証する。この手法を介して、通過するユーザ機器が、トリガするイベントを不必要には発生させず、ネットワーク・アプリケーションが、ユーザ機器が特定の時間期間の間にフェムト・セル内にあった時に限ってトリガするイベントについて知らされることを了解されたい。
【0010】
一実施形態では、本方法は、トリガするイベントに続いて位置更新レートの詳細を受信するステップと、更新レートに応答してフェムト基地局に更新情報を提供するステップであって、更新情報は、所定のユーザ機器がまだ所定のフェムト・セルとの無線通信をサポートできるかどうかをフェムト基地局が判定しなければならないレートを示す、ステップとを含む。したがって、ネットワーク・アプリケーションは、ユーザ機器の位置の更新がどのように規則的に行われなければならないのかを指定することができる。これは、フェムト基地局に提供され、このフェムト基地局は、その後、ユーザ機器がまだ通信しているかどうかの判定をその更新レートで行う。一部のネットワーク・アプリケーションによって提供される一部のサービスが、フェムト・セル内でユーザ機器によって過ごされる時間の正確な査定を必要とし、したがって高い更新レートを保証するが、他のネットワーク・アプリケーションによって提供される他のサービスが、より正確でない査定を必要とする場合があり、したがってより低い更新レートを保証する場合があることを了解されたい。
【0011】
一実施形態では、更新情報は、フェムト基地局が所定のユーザ機器にページング・メッセージを繰り返して送信しなければならないレートの表示を含む。したがって、あるユーザ機器がアイドル・モードにおけるフェムト・セル内にまだ位置するかどうかを検出するために、フェムト基地局に、更新レートでそのユーザ機器にページング・メッセージを繰り返して送信するように指示することができる。ユーザ機器がもはやそのフェムト・セル内にない場合には、ページング・メッセージに対する応答は、受信されない。
【0012】
一実施形態では、本方法は、所定のユーザ機器がもはや所定のフェムト・セルとの無線通信をサポートできないことのフェムト基地局からの表示であって、所定のユーザ機器が所定のフェムト・セルとの無線通信を有すると最後に判定された時を示す情報を含む表示の受信時に、所定のユーザ機器が所定のフェムト・セルとの無線通信をサポートすると最後に判定された時を識別する位置情報をネットワーク・アプリケーションに提供するステップを含む。したがって、ユーザ機器がもはやフェムト・セル内にないと判定される場合には、そのユーザ機器がもはや存在しないことの表示が、そのユーザ機器がそのフェムト・セル内に存在したことが確立された最後の時の表示と一緒に、フェムト基地局から受信される。この情報を、その後、ネットワーク・アプリケーションに提供することができ、そのユーザ機器がそのフェムト・セル内に存在した持続時間を、確立することができる。
【0013】
一実施形態では、受信するステップは、複数のトリガするイベントの詳細を受信するステップであって、複数のトリガするイベントのそれぞれは、ネットワーク・アプリケーションに通知されなければならず、各トリガするイベントは、無線遠隔通信ネットワークの複数の所定のフェムト・セルのうちの所定の1つへの複数のユーザ機器のうちの所定の1つの登録である、ステップを含み、提供するステップは、複数の所定のフェムト・セルに無線通信カバレージを提供するフェムト基地局に、トリガするイベントのうちの1つが発生した時を示すトリガ通知を提供させるために、それらのフェムト基地局に複数のトリガするイベントのそれぞれを示すトリガする情報を提供するステップと、フェムト基地局のうちの1つからのトリガ通知の受信に応答して、ネットワーク・アプリケーションに位置情報を提供するステップであって、位置情報は、トリガするイベントが発生した時の表示と一緒に、所定のユーザ機器を示す一意識別子および所定のフェムト・セルを示す一意識別子をネットワーク・アプリケーションに提供する、ステップとを含む。したがって、アプリケーションが、複数のフェムト・セルに入る複数のユーザ機器に関連する位置情報を必要とする時には、そのアプリケーションは、これらのトリガするイベントの詳細を提供する。これらのトリガするイベントに関連する情報は、その後、対象となるフェムト・セルのそれぞれに供給され、これらのフェムト・セルは、これらのイベントの発生を、それらがいつ発生したのかと一緒に報告するように要求される。その後、これらのイベントの発生が、それらが発生する時にネットワーク・アプリケーションに戻って渡される。
【0014】
一実施形態では、トリガするイベントは、所定のユーザ機器とフェムト基地局との間の登録を引き起こす、所定のフェムト・セルへの所定のユーザ機器の移動に起因する。
【0015】
一実施形態では、トリガするイベントの発生の表示は、所定のユーザ機器がフェムト基地局との無線通信を確立した時刻を含む。
【0016】
本発明の第2の態様によれば、コンピュータ上で実行される時に、第1の態様の方法ステップを実行するように動作可能なコンピュータ・プログラム製品が提供される。
【0017】
本発明の第3の態様によれば、ネットワーク・アプリケーションに位置情報を提供するように動作可能な位置サーバであって、位置情報は、無線遠隔通信ネットワーク内のユーザ機器の位置を示し、位置サーバは、ネットワーク・アプリケーションに通知されるべきトリガするイベントの詳細を受信するように動作可能なトリガするイベント受信論理であって、トリガするイベントは、無線遠隔通信ネットワークの所定のフェムト・セルへの所定のユーザ機器の登録である、トリガするイベント受信論理と、所定のフェムト・セルに無線通信カバレージを提供するフェムト基地局に、トリガするイベントが発生する時を示すトリガ通知を提供させるために、そのフェムト基地局にトリガするイベントを示すトリガする情報を提供するように動作可能なトリガ情報送信論理と、フェムト基地局からのトリガ通知の受信に応答して、位置情報をネットワーク・アプリケーションに提供するように動作可能なトリガ通知受信論理であって、位置情報は、トリガするイベントが発生した時の表示と一緒に、所定のユーザ機器および所定のフェムト・セルの表示をネットワーク・アプリケーションに提供する、トリガ通知受信論理とを含む、位置サーバが提供される。
【0018】
一実施形態では、トリガするイベントは、所定の時間期間にわたる所定のフェムト・セルへの所定のユーザ機器の登録を含み、トリガする情報は、トリガ通知が提供される前に所定の時間期間にわたる所定のユーザ機器の登録が発生しなければならないことをフェムト基地局に示す。
【0019】
一実施形態では、トリガするイベント受信論理は、トリガするイベントに続く位置更新レートの詳細を受信するように動作可能であり、トリガ情報送信論理は、更新レートに応答してフェムト基地局に更新情報を提供するように動作可能であり、更新情報は、所定のユーザ機器がまだ所定のフェムト・セルとの無線通信をサポートできるかどうかをフェムト基地局が判定しなければならないレートを示す。
【0020】
一実施形態では、更新情報は、フェムト基地局が所定のユーザ機器にページング・メッセージを繰り返して送信しなければならないレートの表示を含む。
【0021】
一実施形態では、トリガ通知受信論理は、所定のユーザ機器がもはや所定のフェムト・セルとの無線通信をサポートできないことのフェムト基地局からの表示であって、ユーザ機器が所定のフェムト・セルとの無線通信を有すると最後に判定された時を示す情報を含む表示の受信時に、所定のユーザ機器が所定のフェムト・セルとの無線通信をサポートすると最後に判定された時を識別する位置情報をネットワーク・アプリケーションに提供するように動作可能である。
【0022】
一実施形態では、トリガするイベント受信論理は、複数のトリガするイベントの詳細を受信するように動作可能であり、複数のトリガするイベントのそれぞれは、ネットワーク・アプリケーションに通知されなければならず、各トリガするイベントは、無線遠隔通信ネットワークの複数の所定のフェムト・セルのうちの所定の1つへの複数の所定のユーザ機器のうちの所定の1つの登録であり、トリガ情報送信論理は、複数の所定のフェムト・セルに無線通信カバレージを提供するフェムト基地局に、トリガするイベントのうちの1つが発生した時を示すトリガ通知を提供させるために、そのフェムト基地局に複数のトリガするイベントのそれぞれを示すトリガする情報を提供するように動作可能であり、トリガ通知受信論理は、フェムト基地局のうちの1つからのトリガ通知の受信に応答して、ネットワーク・アプリケーションに位置情報を提供するように動作可能であり、位置情報は、トリガするイベントが発生した時の表示と一緒に、所定のユーザ機器を示す一意識別子および所定のフェムト・セルを示す一意識別子をネットワーク・アプリケーションに提供する。
【0023】
本発明の第4の態様によれば、トリガするイベントが発生する時を示すトリガ通知を提供する方法であって、トリガ・イベントは、無線遠隔通信ネットワークの所定のフェムト・セルへの所定のユーザ機器の登録であり、方法は、所定のフェムト・セルに無線通信カバレージを提供するフェムト基地局でトリガするイベントが発生する時に通知すべきトリガするイベントを示すトリガする情報を受信するステップと、フェムト基地局で所定のフェムト・セルへの所定のユーザ機器の登録を検出するステップと、所定のフェムト・セルへの所定のユーザ機器の登録を検出した時に、トリガするイベントが発生した時を示すトリガ通知を提供するステップとを含む、方法が提供される。
【0024】
一実施形態では、無線ネットワーク内の隣接セルは、異なる位置エリア・コードを割り当てられ、登録を検出するステップは、所定のフェムト・セルに関連する異なる位置エリア・コードに起因する所定のユーザ機器からの登録要求を受信するステップを含む。無線ネットワーク内の隣接セルに異なる位置エリア・コードを割り当てることによって、ユーザ機器は、更新手順を実行することを強制され、この更新手順は、トリガするイベントの表示を提供する。
【0025】
一実施形態では、トリガする情報は、所定のフェムト・セルへの所定のユーザ機器の登録がトリガ通知の提供の前の所定の時間期間の間に発生しなければならないことをフェムト基地局に示し、提供するステップは、フェムト基地局での所定のフェムト・セルへの所定のユーザ機器の登録が少なくとも所定の時間期間の間に検出された時を示すトリガ通知を提供するステップを含む。
【0026】
一実施形態では、本方法は、所定のユーザ機器がまだ所定のフェムト・セルとの無線通信をサポートできるかどうかをフェムト基地局が判定しなければならないレートを示す更新情報をフェムト基地局で受信するステップと、そのレートでページング・メッセージを所定のユーザ機器に繰り返して送信するステップとを含む。
【0027】
一実施形態では、この方法は、ページング・メッセージに対する応答がない場合に、所定のユーザ機器が所定のフェムト・セルとの無線通信をサポートすると最後に判定された時を示す通知を提供するステップを含む。
【0028】
本発明の第5の態様によれば、コンピュータ上で実行される時に、第4の態様の方法ステップを実行するように動作可能なコンピュータ・プログラム製品が提供される。
【0029】
本発明の第6の態様によれば、トリガするイベントが発生する時を示すトリガ通知を提供するように動作可能なフェムト基地局であって、トリガ・イベントは、フェムト基地局によってサポートされる無線遠隔通信ネットワークのフェムト・セルへの所定のユーザ機器の登録であり、フェムト基地局は、トリガするイベントが発生する時に通知すべきトリガするイベントを示すトリガする情報を受信するように動作可能なトリガ情報受信論理と、所定のユーザ機器の登録を検出するように動作可能な検出論理と、フェムト・セルへの所定のユーザ機器の登録を検出した時に、トリガするイベントが発生した時を示すトリガ通知を提供するように動作可能なトリガ通知論理とを含む、フェムト基地局が提供される。
【0030】
一実施形態では、無線ネットワーク内の隣接セルは、異なる位置エリア・コードを割り当てられ、検出論理は、所定のフェムト・セルに関連する異なる位置エリア・コードに起因する所定のユーザ機器からの登録要求を受信するように動作可能である。
【0031】
一実施形態では、トリガする情報は、所定のフェムト・セルへの所定のユーザ機器の登録がトリガ通知の提供の前の所定の時間期間の間に発生しなければならないことをフェムト基地局に示し、トリガ通知論理は、フェムト基地局での所定のフェムト・セルへの所定のユーザ機器の登録が少なくとも所定の時間期間の間に検出された時を示すトリガ通知を提供するように動作可能である。
【0032】
一実施形態では、トリガ情報受信論理は、所定のユーザ機器がまだ所定のフェムト・セルとの無線通信をサポートできるかどうかをフェムト基地局が判定しなければならないレートを示す更新情報を受信するように動作可能であり、検出論理は、そのレートでページング・メッセージを所定のユーザ機器に繰り返して送信するように動作可能である。
【0033】
一実施形態では、トリガ通知論理は、ページング・メッセージに対する応答がない場合に、所定のユーザ機器が所定のフェムト・セルとの無線通信をサポートすると最後に判定された時を示す通知を提供するように動作可能である。
【0034】
一実施形態では、ユーザ機器の表示は、一意の国際移動体通信識別番号(international mobile subscriber identifier)を含む。
【0035】
一実施形態では、フェムト・セルによって使用される位置エリア・コードは、マクロ・セルによって使用されない。
【0036】
本発明のさらなる特定の態様および好ましい態様は、添付の独立請求項および従属請求項に示されている。従属請求項の特徴を、適宜、請求項に明示的に示された組合せとは異なる組合せで、独立請求項の特徴と組み合わせることができる。
【0037】
本発明の実施形態を、これから、添付図面を参照してさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】一実施形態による遠隔通信ネットワークの主コンポーネントを示す図である。
【図2】図1に示された1つのマクロ・セル内の例のフェムト・セル展開を示す図である。
【図3】図1に示されたアプリケーション・サーバのコンポーネントを示す図である。
【図4】図1に示された位置サーバのコンポーネントを示す図である。
【図5】図1に示されたフェムト基地局のコンポーネントを示す図である。
【図6】図1に示されたアプリケーション・サーバ、位置サーバ、およびフェムト基地局の主要処理ステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1に、一実施形態による無線通信システム、全体的に10を示す。ユーザ機器44は、無線通信システム10を通ってローミングする。それぞれのマクロ・セル24をサポートする基地局22が設けられる。複数のそのような基地局が設けられ、これらの基地局は、ユーザ機器44に広い面積のカバレージを提供するために地理的に分散される。ユーザ機器44が、基地局22によってサポートされるマクロ・セル24内にある時には、ユーザ機器44と基地局22との間で関連する無線リンクを介して通信を確立することができる。各基地局は、通常、複数のセクタをサポートする。通常、1つの基地局内の1つの異なるアンテナが、関連するセクタをサポートする。したがって、各基地局は、複数のアンテナを有し、異なるアンテナを介して送信された信号は、セクタ化された手法を提供するために、電子的に重みを付けられる。もちろん、図1が、通常の通信システム内に存在し得るユーザ機器および基地局の総数のうちの小さいサブセットを示すことを了解されたい。
【0040】
無線通信システム10は、無線ネットワーク・コントローラ170によって管理される。無線ネットワーク・コントローラ170は、バックホール通信リンク160を介して基地局22と通信することによって無線通信システム10の動作を制御する。無線ネットワーク・コントローラ170は、無線通信システム10を効率的に管理するために、それぞれの無線リンクを介してユーザ機器44とも通信する。
【0041】
無線ネットワーク・コントローラ170は、基地局によってサポートされるセルの間の地理的関係に関する情報を含む近傍リストを維持する。さらに、無線ネットワーク・コントローラ170は、無線通信システム10内のユーザ機器の位置に関する情報を提供する位置情報を維持する。無線ネットワーク・コントローラ170は、回線交換ネットワークおよびパケット交換ネットワークを介してトラフィックをルーティングするように動作可能である。したがって、これを用いて無線ネットワーク・コントローラ170が通信できる移動通信交換局(mobile switching centre)250が設けられる。その後、移動通信交換局250は、公衆交換電話網(PSTN)210などの回線交換ネットワークと通信する。同様に、ネットワーク・コントローラ170は、SGSN(service general packet radio service support node)220およびGGSN(gateway general packet radio support node)180と通信する。その後、GGSNは、たとえばインターネットなどのパケット交換コア190と通信する。
【0042】
図2により詳細に示されているように、関連するフェムト・セル基地局がその中に設置される建物の近くのフェムト・セル32、36、および40をそれぞれが提供するフェムト・セル基地局30、34、および38が設けられる。フェムト・セル32、36、および40は、これらの建物の近くのユーザにローカル通信カバレージを提供する。各フェムト・セル基地局30、34、および38は、フェムト・セル・コントローラ/ゲートウェイ230を介して通信する。ハンドオーバ・イベントまたはキャンピング・イベントは、ユーザ機器が範囲内に来ることをフェムト基地局30、34、および38が検出する時に、基地局22とフェムト・セル基地局30、34、および38との間で発生する。フェムト・セル基地局30、34、および38は、通常、バックホールとしてユーザのブロードバンド・インターネット接続240(ADSL、ケーブル、その他など)を利用する。
【0043】
フェムト・セル基地局30、34、および38は、住居環境または企業環境内で高いセルラ・サービス品質を提供する、低電力低コストのユーザ展開される基地局である。複雑で非常に信頼できる基地局がネットワーク所有者によって判断された戦略的位置に展開される現在のマクロ・セル手法とは異なって、フェムト・セル基地局30、34、および38は、顧客によってローカルに提供される。そのようなフェムト・セル基地局30、34、および38は、サービス品質が低い可能性があるマクロ・ネットワークのエリア内にローカル・カバレージを提供する。したがって、フェムト・セル基地局30、34、および38は、ネットワーク・オペレータにとって困難なエリア内で改善されたサービス品質を提供する。フェムト基地局30、34、および38のコストを減らし、フェムト・セルの複雑さおよびマクロ・セル内の他のユーザ機器に対するフェムト・セルの干渉効果を減らすために、フェムト・セル基地局30、34、および38の送信電力は、フェムト・セルのサイズを数10m以下の範囲に制限するために、比較的低い。フェムト・セル基地局30、34、および38は、単純にプラグアンドプレイの展開を可能にするために広範囲の自動構成機能および自己最適化機能を有する。したがって、フェムト・セル基地局30、34、および38は、既存のマクロ・セルラ無線ネットワーク20にそれら自体を自動的に一体化するように設計されている。さらに、マクロ・セルラ・ネットワーク内の一部のアクセス・ポイントは、伝統的にコア・ネットワークによって提供された一部の機能性を含む。1つの例が、マクロ基地局20、RNC 170、SGSN 220、およびGGSN 180の機能を一体化するUMTS基地局ルータである。
【0044】
フェムト・セル基地局30、34、および38の制限された範囲の結果として、従来のマクロ・セル位置確立技法を使用して可能なものよりはるかに正確で価値のある位置情報を入手することが可能である。たとえば、ユーザ機器が特定の建物内または他の位置にあるかどうかを確立することが可能である。これは、そのようなフェムト・セル32、36、および40が、通常はこれらの構造内の通信カバレージが特に達成がむずかしいのでこれらの構造と一致するように配置されるので、特にそうなる可能性が高い。フェムト・セル32、36、および40のカバレージ・エリアの比較的小さい寸法は、ユーザ機器の近接を正確に検出し、この質を高められた位置情報に基づいてネットワーク・アプリケーションを調整する能力をもたらす。これは、フェムト・セル32、36、および40によって提供されるカバレージ・エリアに出入りするユーザ機器の移動に関連する使用可能な情報を利用することによって、新しいクラスの位置ベースおよびプレゼンス・ベースのサービスを提供することを可能にする。
【0045】
したがって、アプリケーション・サーバ100に常駐するネットワーク・アプリケーションが、たとえばユーザ機器が特定のフェムト・セル32、36、および40に入るまたはその中にあるかどうかなどの位置情報を必要とする時に、そのネットワーク・アプリケーションは、位置サーバ200からこの情報を受信するために加入する。位置サーバ200およびアプリケーション・サーバ100は、コア・ネットワーク内の別々のエンティティとして図示されているが、これらを、フェムト・セル・コントローラ/ゲートウェイ230内で同一の位置に配置するか、インターネット190内のどこかで提供することができることを了解されたい。
【0046】
特定のユーザ機器は、そのユーザ機器が特定のフェムト・セル内に配置される時に、ネットワーク・アプリケーションによって提供されるサービスに加入することに合意することができる。ネットワーク・アプリケーションは、加入プロセス中に、ユーザ機器の国際移動体通信識別番号(international mobile subscriber identifier)(IMSI)など、ユーザ機器を一意に識別する識別子を判定する。加入プロセスは、そのサービスが提供されなければならないフェムト・セル位置をも識別する。ネットワーク・アプリケーションは、ユーザ機器が、この例示的な例で5分を超えて、これらのフェムト基地局のいずれかで登録された場合に限ってサービスが提供されなければならないことと、ユーザ機器がフェムト基地局に登録されたままであるかどうかの査定も5分の間隔で行われなければならないこととをも判定する。その後、ネットワーク・アプリケーションは、ユーザ機器およびフェムト・セルの詳細を位置サーバ200に提供する。
【0047】
その後、位置サーバ200は、ユーザ機器へのサービスをサポートするフェムト・セル基地局に連絡し、それらが、ユーザ機器に関連するイベントが発生した時にそれらのイベントを報告することを要求する。たとえば、位置サーバ200は、これらのフェムト・セルに連絡し、ユーザ機器のIMSIを送信し、5分を超えて登録されるユーザ機器のオカレンスだけが、そのユーザ機器との通信が失われた時刻と一緒に報告されなければならないことを示す。位置サーバ200は、フェムト・セル基地局に、イベントが発生する時にそのイベントを報告させ、プレゼンス情報、時刻情報、および位置情報を使用可能にさせるために、これらのフェムト・セル基地局に情報を提供する。さらに、位置サーバ200は、ユーザ機器が5分を超えて登録された後に、ページング・メッセージを5分の間隔でそのユーザ機器に送信しなければならないことをフェムト・セル基地局に知らせる。
【0048】
フェムト・セル基地局は、マクロ・セル内の隣接セルにそれらのセルの隣のセルとは異なる位置エリア・コードが割り当てられるように配置することによって発生することが強制される標準位置更新手順に基づいて、これらのイベントの通知を入手する。特定のユーザ機器がフェムト・セルに入る時に関する情報を、結果の位置更新によって判定することができる。ユーザ機器を識別する情報は、そのIMSIを要求することによって入手される。ユーザ機器がまだセル内に配置されているかどうかに関する情報は、そのユーザ機器にページング・メッセージを繰り返して送信することによって判定することができ、そのユーザ機器がページング・メッセージに応答する場合には、そのユーザ機器は、まだそのフェムト・セル内に配置されている。これらのページング・メッセージの頻度は、アプリケーション・サーバ100上に常駐するアプリケーションによって要求される精度に応答して、位置サーバ200によってセットされる位置更新精度によってセットされる。その後、すべての関連情報が、フェムト・セル基地局によって位置サーバ200を介して送信され、この位置サーバ200から、それらの関連情報は、アプリケーション・サーバ100に転送される。
【0049】
上で述べたように、フェムト・セル32、36、および40は、マクロ・セルによって使用されていない位置エリア・コードを割り当てられる。制限された個数のエントリが各近傍リスト内で作られる可能性があるので、位置エリア・コードがネットワーク10全体で再利用される場合があるが、隣接するフェムト・セルは、異なる位置エリア・コードを割り当てられる。
【0050】
ユーザ機器がネットワーク10全体にわたってローミングする時に、そのユーザ機器は、マクロ基地局の間でハンドオーバされるか、キャンプする。通常、各マクロ・セルは、それ自体のIDを有するが、隣接マクロ・セルのグループ化が、要求される位置更新の回数を減らすために、同一の位置エリア・コードを与えられる。しかし、ユーザ機器がフェムト・セルに入る時には、位置更新が発生する。そのような位置更新は、ユーザ機器がアクティブ・モードである時に発生する。というのは、通常のハンドオーバ・シグナリングが、以前にそのユーザ機器をサポートしていたマクロ・セルの基地局と、現在そのユーザ機器をサポートしているフェムト・セルのフェムト・セル基地局との間で発生するからである。しかし、位置更新は、ユーザ機器がアイドル・モードである時にも強制される。というのは、各フェムト・セルが、異なる位置エリア・コードを用いて構成され、この位置エリア・コードが、ユーザ機器によって検出されるからである。したがって、ユーザ機器は、そのフェムト・セル基地局への登録を要求し、そのIMSIをそのフェムト・セル基地局に送信する。これは、そのフェムト・セル基地局が、各要求するユーザ機器を一意に識別することを可能にする。
【0051】
図3に、アプリケーション・サーバ100のコンポーネントをより詳細に示す。アプリケーション・サーバ100は、顧客と通信するように動作可能な通信論理110およびオペレータ・ネットワークと通信するように動作可能な通信論理120を含む。通信論理120および110に結合されているのが、メモリ・ストレージ140を設けられた処理論理130である。メモリ・ストレージ140は、ネットワーク・アプリケーションが顧客に提供できるサービスに関連する情報を格納する。顧客は、通信論理110を介してネットワーク・アプリケーションと通信することによって、これらのサービスに加入する。通常、通信論理110は、直接にまたはフェムト・セル・コントローラ/ゲートウェイ230を介してのいずれかでインターネット190と通信する。顧客は、一般にインターネット190を介してアプリケーション・サーバ100と通信するが、アプリケーション・サーバ100との通信が、テキスト・メッセージまたは自動化された呼処理システム(図示せず)を介してネットワーク・アプリケーションによって提供されるサービスに加入する時に、オペレータ・ネットワークを介して発生することが可能である可能性がある。提供されるサービスの詳細は、これらのサービスに加入したユーザ機器の詳細と一緒に、メモリ・ストレージ140に格納される。アプリケーション・サーバは、周期的にまたはユーザ機器が特定のサービスに加入するかその加入を止める時にのいずれかで、サービス加入詳細を位置サーバ200に提供する。
【0052】
図4に、位置サーバ200のコンポーネントをより詳細に示す。位置サーバ200は、オペレータ・ネットワークを介してアプリケーション・サーバ100およびフェムト・セル基地局と通信するように動作可能な通信論理210を含む。位置サーバ200は、トリガ・イベントに関連するアプリケーション・サーバ100から受信された情報に応答し、フェムト基地局にそのようなイベントが発生する時を報告させるために関連情報をフェムト基地局に転送する、トリガ・エンジン220をも含む。また、トリガ・エンジン220は、フェムト基地局からイベントの報告を受信し、関連情報をアプリケーション・サーバ100に転送する。
【0053】
図5に、フェムト基地局のコンポーネントをより詳細に示す。フェムト基地局は、通信論理310を使用して、インターネット190およびフェムト・セル・コントローラ/ゲートウェイ230を介してオペレータ・ネットワークと通信する。フェムト・セル構成ストレージ320は、フェムト・セル基地局の自動構成プロセスの一部として提供されたフェムト・セルの位置エリア・コードなどの構成情報の詳細を格納する。構成ストレージ320は、そのフェムト基地局の登録されたユーザ機器の詳細をも格納し、この詳細は、ローカルに提供されるか、そのフェムト基地局によって提供されるサービスに加入したユーザ機器の位置サーバ200によってフェムト基地局に送信されるかのいずれかである。管理論理340は、フェムト基地局の動作を制御する。ユーザ機器との通信は、フェムト・セル内の無線通信を提供するために1つまたは複数のアンテナ360を使用して送信する通信論理350を介して達成される。フェムト・セル基地局に登録された場合にトリガ通知を発生させなければならないそのフェムト・セルのユーザ機器に関連する情報を格納するトリガ論理360が、設けられる。トリガ論理360は、それについてトリガ通知が生成されなければならないユーザ機器のIMSIを、通知が通信論理310を介し、インターネット190を介して位置サーバ200に発行される前にユーザ機器がフェムト基地局にどれほど長く登録されている必要があり得るかの詳細と一緒に格納する。また、ユーザ機器がトリガ通知を発生させた後にどれほどしばしばページング・メッセージをそのユーザ機器に送信しなければならないのかの詳細が、格納される。トリガ論理360は、登録を試みつつあるユーザ機器、登録済みのユーザ機器、およびそれらが成功して登録した時刻のリストを、ユーザ機器が最後にページング・メッセージに応答した時刻の表示と一緒に維持する。この情報を、その後、位置サーバ200に提供することができる。
【0054】
図6に、図1に示された無線遠隔通信ネットワークのコンポーネントによって実行される主な処理ステップを示す。
【0055】
ステップS10では、アプリケーション・サーバ100が、1つまたは複数のサービスを使用可能にするネットワーク・アプリケーションを提供する。
【0056】
ステップS20では、ユーザが、これらのサービスのうちの1つに加入する。ユーザは、ユーザ機器を識別するのに使用される彼らのIMSIまたは他の識別子を提供する。
【0057】
ステップS30では、アプリケーション・サーバ100が、ユーザ機器がフェムト・セル基地局に登録されたままになる必要がある最短時間および/またはユーザ機器がまだ範囲内にあることをフェムト・セル基地局がチェックする必要が生じる前に経過し得る最短期間などの任意のタイミング精度詳細と一緒に、ユーザ機器および加入されたサービスの詳細を位置サーバ200に送信する。
【0058】
ステップS40では、位置サーバ200が、その情報から、提供される必要があるユーザ機器の詳細およびすべてのタイミング精度情報と一緒に、連絡される必要があるフェムト基地局を判定する。この情報は、位置サーバ200によってフェムト基地局に提供される。
【0059】
その後、ステップS50で、フェムト基地局が、これらのイベントの監視を開始する。
【0060】
ステップS60では、ユーザ機器が、フェムト基地局への登録を試みる。
【0061】
ステップS70では、フェムト基地局が、登録するユーザ機器のIMSIを、そのトリガ論理360に格納されたIMSIに対してチェックする。
【0062】
ステップS80では、一致がない場合に、ユーザ機器は、そのフェムト基地局によって提供されるどのサービスにも加入されておらず、処理はS50に戻る。一致がある場合には、処理はステップS90に進み、ここで、トリガ論理360が、そのユーザ機器の登録時刻を記録する。
【0063】
ステップS100では、トリガ論理360が、通知が送信される前に経過しなければならない登録の最短の所定の期間があることが位置サーバ200によって知らされたかどうかを判定する。最短の所定の期間がある場合には、フェムト基地局は、その所定の期間だけ待ち、その期間が経過した時に、処理はステップS120に進む。最短の所定の期間がない場合には、フェムト基地局は待たず、処理は直ちにステップS120に進む。
【0064】
ステップS120では、登録の最短の所定の期間が要求される場合に、フェムト基地局が、ユーザ機器がまだ存在するかどうかを判定する。これは、ユーザ機器が現在アクティブであるかどうかをチェックすることまたはユーザ機器にページング・メッセージを送信し、応答を待つことのいずれかによって達成することができる。ユーザ機器が最短期間の後に存在しない場合には、処理はステップS50に戻り、通知は送信されない。しかし、ユーザ機器がまだ存在する場合には、処理はステップS130に進む。
【0065】
ステップS130では、フェムト基地局が、インターネット・バックホール240を介して位置サーバ200に通知を送信する。位置サーバ200は、その通知を受信し、これをアプリケーション・サーバ100に転送して、ユーザ機器がサービスを利用したことを示す。
【0066】
一方、ステップS150では、ユーザ機器がアクティブであるかどうかに関する判定を行う。ユーザ機器がアクティブである場合には、そのユーザ機器についてトリガ論理360によって格納された最終アクティブ時刻を更新する。ユーザ機器が、アイドル・モードで発生するものなど、アクティブではない場合には、フェムト基地局は、トリガ論理360によって位置サーバ200から受信されたタイミング情報によってセットされる所定の間隔の後にページング・メッセージを送信する。
【0067】
ステップS170では、フェムト基地局が、ユーザ機器がページング・メッセージに応答したかどうかを判定し、そうである場合には、トリガ論理360に格納された最終アクティブ時刻を更新して、ユーザ機器がそのページング・メッセージに応答した時刻を示す。その後、処理はステップS150に戻る。応答が受信されない場合には、処理はステップS190に進む。
【0068】
ステップS190では、フェムト基地局が、ユーザ機器が存在したとフェムト基地局によって考えられる最終時刻を示す通知を位置サーバ200に送信する。
【0069】
ステップS200では、この通知をアプリケーション・サーバ100に転送する。
【0070】
したがって、この手法が、ユーザ機器の使用可能な位置情報およびプレゼンス情報を作る効率的な技法を提供することがわかる。これは、位置ベースおよびプレゼンス・ベースのサービスを効率的な形でユーザ機器に提供することを可能にする。ユーザ位置の連続的な監視は、不要であるが、対象となるイベントは、たやすく検出可能である。これは、以前の技法のスケーラビリティを制限するシグナリングおよび処理の労力を減らすことをもたらす。フェムト・セルのカバレージ・エリアは、比較的小さいので、高い度合の位置精度を、室内と戸外との両方で判定することができる。コア・ネットワークの機能性に対する変更は要求されず、必要なものは、フェムト基地局の機能性の多少の変更と一緒に、コア・ネットワークにたやすく一体化されるアプリケーション・サーバ100および位置サーバ200を追加することだけである。しかし、ユーザ機器がサービスを利用することを可能にするためのユーザ機器に対する変更は、不要である。
【0071】
上で説明した例では、特定のサービスの加入者のIMSIが、そのサービスをサポートするすべてのフェムト・セル基地局に提供されるが、いくつかの情況では、これが非実用的である場合がある。これは、数百万人の加入者の詳細を格納するのには不十分なストレージ容量がフェムト・セル基地局にある、ある種のサービスに、特にあてはまる可能性がある。また、セキュリティの理由から、この情報をフェムト・セル基地局に格納しないことが望ましい可能性がある。これらの情況では、位置サーバ200は、サービスを提供するフェムト基地局に情報を提供して、これらのフェムト基地局に、発生するすべてのユーザ機器登録の通知を位置サーバ200に提供するように要求することができる。この通知は、上で説明したものに似た形で、登録が発生した時の詳細と一緒に、ユーザ機器のIMSI、フェムト基地局の識別子を含む。その後、位置サーバ200またはアプリケーション・サーバ100は、IMSIから、ユーザ機器がそのフェムト基地局によって提供されるサービスに加入したかどうかを判定するはずである。
【0072】
本発明の例示的実施形態を、添付図面を参照して本明細書で詳細に説明したが、本発明が、示された正確な実施形態に限定されないことと、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明およびその均等物の範囲から逸脱せずに当業者がさまざまな変更および修正を行えることとを理解されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク・アプリケーションに位置情報を提供する方法であって、前記位置情報は無線遠隔通信ネットワーク(10)内のユーザ機器(44)の位置を示し、前記方法が、
前記ネットワーク・アプリケーションに通知されるべきトリガするイベントの詳細を受信するステップ(S10、S20)を含み、前記トリガするイベントは、前記無線遠隔通信ネットワークの所定のフェムト・セル(32、36、40)への所定のユーザ機器の登録であり、さらに、
前記所定のフェムト・セルに無線通信カバレージを提供するフェムト基地局に、前記トリガするイベントが発生する時を示すトリガ通知を提供させるために、前記フェムト基地局に前記トリガするイベントを示すトリガする情報を提供するステップ(S30、S40)と、
前記フェムト基地局からの前記トリガ通知の受信に応答して、位置情報を前記ネットワーク・アプリケーションに提供するステップ(S140)とを含み、前記位置情報は、前記トリガするイベントが発生した時の表示と一緒に、前記所定のユーザ機器および前記所定のフェムト・セルの表示を前記ネットワーク・アプリケーションに提供する、方法。
【請求項2】
前記トリガするイベントは、所定の時間期間にわたる前記所定のフェムト・セルへの前記所定のユーザ機器の登録を含み、前記トリガする情報は、前記トリガ通知が提供される前に前記所定の時間期間にわたる前記所定のユーザ機器の登録が発生しなければならないことを前記フェムト基地局に示す、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
トリガするイベントに続いて位置更新レートの詳細を受信するステップと、
前記更新レートに応答して前記フェムト基地局に更新情報を提供するステップとを含み、前記更新情報は、前記所定のユーザ機器がまだ前記所定のフェムト・セルとの無線通信をサポートできるかどうかを前記フェムト基地局が判定しなければならないレートを示す、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記更新情報は、前記フェムト基地局が前記所定のユーザ機器にページング・メッセージを繰り返して送信しなければならないレートの表示を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記所定のユーザ機器が前記所定のフェムト・セルとの無線通信を有すると最後に判定された時を示す情報を含む、前記所定のユーザ機器がもはや前記所定のフェムト・セルとの無線通信をサポートできないことの前記フェムト基地局からの表示の受信に応じて、前記ユーザ機器が前記所定のフェムト・セルとの無線通信をサポートすると最後に判定された時を識別する位置情報を前記ネットワーク・アプリケーションに提供するステップ(S200)を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
受信する前記ステップは、
複数のトリガするイベントの詳細を受信するステップを含み、前記複数のトリガするイベントのそれぞれは、前記ネットワーク・アプリケーションに通知されなければならず、各トリガするイベントは、前記無線遠隔通信ネットワークの複数の前記所定のフェムト・セルのうちの所定の1つへの複数の前記ユーザ機器のうちの所定の1つの登録であり、
提供する前記ステップは、
前記複数の前記所定のフェムト・セルに無線通信カバレージを提供するフェムト基地局に、前記トリガするイベントのうちの1つが発生した時を示すトリガ通知を提供させるために、前記フェムト基地局に前記複数のトリガするイベントのそれぞれを示すトリガする情報を提供するステップと、
前記フェムト基地局のうちの1つからの前記トリガ通知の受信に応答して、前記ネットワーク・アプリケーションに位置情報を提供するステップとを含み、前記位置情報は、前記トリガするイベントが発生した時の表示と一緒に、前記ユーザ機器を示す一意識別子および前記所定のフェムト・セルを示す一意識別子を前記ネットワーク・アプリケーションに提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
コンピュータ上で実行される時に、請求項1に記載の方法ステップを実行するよう動作可能なコンピュータ・プログラム製品。
【請求項8】
ネットワーク・アプリケーションに位置情報を提供するよう動作可能な位置サーバ(200)であって、前記位置情報は無線遠隔通信ネットワーク(10)内のユーザ機器(44)の位置を示し、前記位置サーバが、
前記ネットワーク・アプリケーションに通知されるべきトリガするイベントの詳細を受信するように動作可能なトリガするイベント受信論理(210)を含み、前記トリガするイベントは、前記無線遠隔通信ネットワークの所定のフェムト・セルへの所定のユーザ機器の登録であり、さらに、
前記所定のフェムト・セルに無線通信カバレージを提供するフェムト基地局に、前記トリガするイベントが発生する時を示すトリガ通知を提供させるために、前記フェムト基地局に前記トリガするイベントを示すトリガする情報を提供するように動作可能なトリガ情報送信論理(210、230)と、
前記フェムト基地局からの前記トリガ通知の受信に応答して、位置情報を前記ネットワーク・アプリケーションに提供するように動作可能なトリガ通知受信(210、220)論理とを含み、前記位置情報は、前記トリガするイベントが発生した時の表示と一緒に、前記所定のユーザ機器および前記所定のフェムト・セルの表示を前記ネットワーク・アプリケーションに提供する、位置サーバ(200)。
【請求項9】
トリガするイベントが発生する時を示すトリガ通知を提供する方法であって、前記トリガ・イベントは無線遠隔通信ネットワークの所定のフェムト・セルへの所定のユーザ機器の登録であり、前記方法が、
前記所定のフェムト・セルに無線通信カバレージを提供するフェムト基地局(32、36、40)で前記トリガするイベントが発生する時に通知すべき前記トリガするイベントを示すトリガする情報を受信するステップと、
前記フェムト基地局で前記所定のフェムト・セルへのユーザ機器(44)の登録を検出するステップ(S60)と、
前記所定のフェムト・セルへの前記所定のユーザ機器の登録を検出した時に、前記トリガするイベントが発生した時を示すトリガ通知を提供するステップ(S130)とを含む、方法。
【請求項10】
前記無線ネットワーク内の隣接セルは異なる位置エリア・コードを割り当てられ、登録を検出する前記ステップは、
前記所定のフェムト・セルに関連する異なる位置エリア・コードに起因する前記ユーザ機器からの登録要求を受信するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記トリガする情報は、前記所定のフェムト・セルへの前記所定のユーザ機器の登録がトリガ通知の提供の前の所定の時間期間の間に発生しなければならないことを前記フェムト基地局に示し、提供する前記ステップは、
前記フェムト基地局での前記所定のフェムト・セルへの前記所定のユーザ機器の登録が少なくとも前記所定の時間期間の間に検出された時を示すトリガ通知を提供するステップ
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記所定のユーザ機器がまだ前記所定のフェムト・セルとの無線通信をサポートできるかどうかを前記フェムト基地局が判定しなければならないレートを示す更新情報を前記フェムト基地局で受信するステップと、
前記レートでページング・メッセージを前記所定のユーザ機器に繰り返して送信するステップ(S160)とを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記ページング・メッセージに対する応答がない場合に、前記所定のユーザ機器が前記所定のフェムト・セルとの無線通信をサポートすると最後に判定された時を示す通知を提供するステップ(S190)を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
コンピュータ上で実行される時に、請求項9に記載の方法ステップを実行するよう動作可能なコンピュータ・プログラム製品。
【請求項15】
トリガするイベントが発生する時を示すトリガ通知を提供するように動作可能なフェムト基地局(30、34、38)であって、前記トリガ・イベントは、前記フェムト基地局によってサポートされる無線遠隔通信ネットワーク(10)のフェムト・セル(32、36、40)への所定のユーザ機器の登録であり、前記フェムト基地局が、
前記トリガするイベントが発生する時に通知すべき前記トリガするイベントを示すトリガする情報を受信するように動作可能なトリガ情報受信論理(310)と、
ユーザ機器の登録を検出するように動作可能な検出論理(360)と、
前記フェムト・セルへの前記所定のユーザ機器の登録を検出した時に、前記トリガするイベントが発生した時を示すトリガ通知を提供するように動作可能なトリガ通知論理(3690)とを含む、フェムト基地局(30、34、38)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−511272(P2012−511272A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538895(P2011−538895)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際出願番号】PCT/EP2009/008629
【国際公開番号】WO2010/063469
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】