説明

位置検出方法及び位置検出システム

【課題】位置を検出するための信号の周波数と指示器の共振周波数のズレに基づく検出精度の低下を抑制すること。
【解決手段】送信信号発生部102は、送信コイル111、112が指示器120に送信した信号と指示器120から受信した信号の位相差に基づいて、受信信号レベルが大きくなるように送信コイル111、112に供給する駆動電流又は電圧の位相を変化させ、定電流ドライバ103を介して送信選択部104に駆動電流を出力する。送信選択部104は、いずれかの送信コイル111、112を選択して駆動電流を出力し、該選択した送信コイルは指示器120に信号を送信する。受信選択部109は、センサコイル114、115中の複数のセンサコイルを順次選択して指示器120からの信号を受信し、制御部101は、検出部110で検出した信号に基づいて指示器120による指示位置を算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CAD(Computer Aided Design)、コンピュータ、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)等の入力システム等に利用され、共振回路を有し位置を指示するための指示器と、前記指示器との間で電磁結合によって信号の送受信を行うことにより前記指示器による指示位置を検出する位置検出装置とを用いた位置検出方法及びこれに適した位置検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、CADの入力装置やコンピュータの入力システム等として、指示器と位置検出装置間で電磁結合により信号を送受信し、前記指示器による指示位置を前記位置検出装置で検出するようにした電磁結合方式の位置検出システムが利用されている(例えば、特許文献1参照)。
従来の位置指示システムにおいて、指示器による指示位置を確実に検出するため、指示器と位置検出装置のセンサコイル間で、各センサコイル毎に複数回送受信を繰り返し、得られた受信信号値の合計を用いて位置を検出するように構成している。
【0003】
図4は、指示器と1つのセンサコイル間で行う送受信動作のタイミング図で、位置検出装置から指示器に送信する位置検出用信号を示すタイミング図である。図4に示すように、各センサコイル毎に、送信期間において位置検出装置から指示器に信号を送信すると共に受信期間において指示器からの位置指示用信号を位置検出装置のセンサコイルで検出するような送受信走査を所定回数(図4の例では4回)行い、得られた受信信号値の合計を用いて指示器による指示位置を算出するようにしている。
【0004】
この場合、位置検出装置から送信する位置検出用信号の周波数は指示器に含まれる共振回路の共振周波数にほぼ一致するように構成されており、これにより、指示器に対する励振効率を大きくすることができるため、より正確な位置検出が可能になる。
【特許文献1】特開平5−88811号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、製造時のバラツキ等により、指示器の共振周波数は必ずしも位置検出用信号の周波数に完全一致する訳ではなく又、筆圧を検出する方法として信号の周波数を若干ずらすように構成する場合があり、このような場合、前記のように複数回繰り返して得られた受信信号の合計値が、回数分程大きくならない場合がある。
図5は、この様子を示す波形図である。図5において、位置検出装置から送信される位置検出用信号が、信号501で示すように、指示器の共振周波数(例えば、500kHz)に一致する場合には、指示器を効率的に励振できるため、指示器からは大きな位置指示用信号が出力される。
【0006】
しかしながら、位置検出用信号が信号502、503に示すように、前記共振周波数から大きくずれると、指示器に対する励振効率が低下してしまうため、指示器から出力される位置指示用信号のレベルは低下する。
したがって、位置検出装置から送信される位置検出用信号と指示器の共振周波数とのズレによって、指示器による指示位置の検出精度が低下する恐れがあるという問題がある。
【0007】
特に、指示器の共振回路のQが高い場合、位置検出用信号の周波数と指示器の共振周波数が僅かにズレた場合でも励振効率が大きく低下してしまうため、位置指示用信号が大きく低下し、位置検出精度が低下する恐れがあるという問題がある。
また、指示器が筆圧等の付加情報を送信するために共振周波数を変化させる機能を有する場合、位置検出用信号の周波数と指示器の共振周波数の差が大きくなるため、付加情報の検出精度が低下する恐れがあるという問題がある。
【0008】
本発明は、位置を検出するための信号の周波数と指示器の共振周波数のズレに基づく検出精度の低下を抑制することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、共振回路を有し位置を指示するための指示器と位置検出装置との間で電磁結合によって信号の送受信を行うことにより前記指示器による指示位置を検出する位置検出方法において、信号送信手段がコイル手段に含まれるコイルに駆動電流を供給することによって前記指示器に信号を送信し、受信手段が前記コイル手段に含まれる複数のコイルを順次選択して前記指示器からの信号を受信し、検出手段が前記受信手段で受信した信号に基づいて前記指示器による指示位置を検出し、前記信号送信手段は、前記指示器に送信した信号と前記指示器から受信した信号の位相差に対応する位相変化量を記憶する位相変化量記憶手段を参照して、前記コイル手段が前記指示器に送信した信号と前記指示器から受信した信号の位相差に基づいて、前記コイル手段による信号の受信信号レベルが大きくなるように前記コイル手段に供給する駆動電流または電圧の位相変化量を決定し、次回の駆動において、前記駆動電流または電圧の位相を前記位相変化量だけ変えることを特徴とする位置検出方法が提供される。
【0010】
信号送信手段は、指示器に送信した信号と前記指示器から受信した信号の位相差に対応する位相変化量を記憶する位相変化量記憶手段を参照して、コイル手段が前記指示器に送信した信号と前記指示器から受信した信号の位相差に基づいて、前記コイル手段による信号の受信信号レベルが大きくなるように前記コイル手段に供給する駆動電流または電圧の位相変化量を決定し、次回の駆動において、前記駆動電流または電圧の位相を前記位相変化量だけ変える。
ここで、前記信号送信手段は、前記コイル手段中の駆動対象コイル毎に所定回数ずつ前記駆動電流を供給して駆動すると共に、前記所定回数毎に、各駆動電流または電圧の位相を変えるように構成してもよい。
【0011】
また、本発明によれば、共振回路を有し位置を指示するための指示器と、前記指示器との間で電磁結合によって信号の送受信を行うことにより前記指示器による指示位置を検出する位置検出装置とを有する位置検出システムにおいて、前記位置検出装置は、複数のコイルを有し、前記指示器に信号を送信すると共に前記指示器からの信号を受信するためのコイル手段と、前記コイル手段に含まれる複数のコイルを順次選択して前記指示器からの信号を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した信号に基づいて前記指示器による指示位置を検出する検出手段と、前記コイル手段が前記信号を発生するように前記コイル手段に駆動電流を供給すると共に、前記コイル手段が前記指示器に送信した信号と前記指示器から受信した信号の位相差に基づいて、前記コイル手段による信号の受信信号レベルが大きくなるように前記コイル手段に供給する駆動電流または電圧の位相を変える信号送信手段とを備えて成ることを特徴とする位置検出システムが提供される。
信号送信手段は、コイル手段が信号を発生するように前記コイル手段に駆動電流を供給すると共に、前記コイル手段が前記指示器に送信した信号と前記指示器から受信した信号の位相差に基づいて、前記コイル手段による信号の受信信号レベルが大きくなるように前記コイル手段に供給する駆動電流または電圧の位相を変える。
【0012】
ここで、前記コイル手段の複数のコイルは、前記指示器に信号を送信する送信専用コイルと、前記指示器からの信号を受信する受信専用コイルとを有し、前記信号送信手段は前記送信専用コイルに駆動電流を供給し、前記受信手段は前記受信専用コイルを順次選択して前記指示器からの信号を受信するように構成してもよい。
また、前記コイル手段の複数のコイルは、前記指示器に対する信号送信と前記指示器からの信号受信とを兼用するコイルであり、前記信号送信手段が前記駆動電流を供給するコイルと前記受信手段が選択して前記指示器からの信号を受信するコイルは、同一のコイルであるように構成してもよい。
また、前記コイル手段の複数のコイルは、前記指示器に対する信号送信と前記指示器からの信号受信とを兼用するコイルであり、前記信号送信手段が前記駆動電流を供給するコイルと前記受信手段が選択して前記指示器からの信号を受信するコイルは、異なるコイルであるように構成してもよい。
【0013】
また、本発明によれば、共振回路を有し位置を指示するための指示器と、前記指示器との間で電磁結合によって信号の送受信を行う位置検出装置を有し、前記指示器と位置検出装置との間で信号の送受信を行うことによって前記指示器による指示位置を検出するようにした位置検出システムにおいて、前記位置検出装置に設けられ、前記指示器に信号を送信する複数の送信専用コイルを有するコイル手段と、前記指示器に設けられ、前記コイル手段からの信号を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した信号に基づいて前記指示器による指示位置を検出する検出手段と、前記コイル手段が前記信号を発生するように前記コイル手段に駆動電流を供給すると共に、前記コイル手段が前記指示器に送信した信号と前記受信手段が受信した信号の位相差に基づいて、前記受信手段による信号の受信信号レベルが大きくなるように前記コイル手段に供給する駆動電流または電圧の位相を変える信号送信手段とを備えて成ることを特徴とする位置検出システムが提供される。
【0014】
検出手段は、受信手段で受信した信号に基づいて指示器による指示位置を検出する。信号送信手段は、コイル手段が前記信号を発生するように前記コイル手段に駆動電流を供給すると共に、前記コイル手段が前記指示器に送信した信号と前記受信手段が受信した信号の位相差に基づいて、前記受信手段による信号の受信信号レベルが大きくなるように前記コイル手段に供給する駆動電流または電圧の位相を変える。
【0015】
また、前記信号送信手段は、前記コイル手段中の駆動対象コイル毎に所定回数ずつ前記駆動電流を供給して駆動すると共に、前記所定回数毎に、各駆動電流または電圧の位相を変えるように構成してもよい。
また、前記指示器に送信した信号と前記指示器から受信した信号の位相差に対応する位相変化量を記憶する位相変化量記憶手段を有し、前記信号送信手段は、前記位相変化量記憶手段を参照して、前記コイル手段が前記指示器に送信した信号と前記指示器から受信した信号の位相差に基づいて位相変化量を決定し、次回の駆動において、前記駆動電流または電圧の位相を前記位相変化量だけ変えるように構成してもよい。
また、前記指示器は、前記共振回路の共振周波数を変更する共振周波数変更手段を備えて成るように構成してもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る位置検出方法によれば、位置検出用信号の周波数と指示器の共振周波数のズレに基づく検出精度の低下を抑制することが可能になる。
また、本発明に係る位置検出システムによれば、位置検出用信号の周波数と指示器の共振周波数のズレに基づく検出精度の低下を抑制することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明の実施の形態に係る位置検出システムのブロック図である。
図1において、位置検出システムは、共振回路を有し位置を指示するための指示器120と、指示器120との間で電磁結合によって信号の送受信を行うことにより、指示器120による指示位置を検出する位置検出装置100とを備えている。
指示器120は、共振回路を有し位置を指示する装置であり、コイル121およびコイル121に並列接続されたコンデンサ122を有している。コイル121及びコンデンサ122によって共振回路が構成されている。また、コンデンサ122には可変容量コンデンサ123が並列接続されている。使用者の操作によって、可変容量コンデンサ123の容量を変化させることによって、指示器120の共振周波数を変えることができる。
【0018】
例えば、指示器120をペン形状の部材に収納するように構成した場合、使用者がペン先に圧力(筆圧)を加えることによって可変容量コンデンサ123の容量値を変化させ、これによって共振周波数を変えて、筆圧等の付加情報を位置検出装置100側に送信できる。ここで、可変容量コンデンサ123は共振周波数変更手段を構成している。
位置検出装置100は、制御部101、位置検出用信号を生成する位相追従機能付き送信信号発生部102、送信コイル駆動用の交番信号である所定の定電流信号(駆動電流)を出力する定電流ドライバ103、複数の送信コイル111、112の中のいずれかの送信コイルを選択し定電流ドライバ103からの駆動電流で駆動する送信選択部104、センサ領域であるセンサ部105、共振用コンデンサ106、受信選択部108、受信アンプ109、検出部110を備えている。
【0019】
ここで、送信コイル111、112及びセンサコイル114、115はコイル手段を構成し、制御部101、位相追従機能付き送信信号発生部102、定電流ドライバ103及び送信選択部104は信号送信手段を構成し、制御部101、受信選択部108及び受信アンプ109は受信手段を構成し、制御部101及び検出部110は検出手段を構成している。
また、位相追従機能付き送信信号発生部102、ドライバ103、選択部104、送信コイル111、112及びコンデンサ106は電流供給回路を構成している。
【0020】
制御部101は、位置検出装置100全体を制御すると共に、位相追従機能付き送信信号発生部102、ドライバ103、送信選択部104、受信選択部108、受信アンプ109、検出部110を制御する。
位相追従機能付き送信信号発生部102は、その詳細な動作説明は後述するが、制御部101の制御の下、指示器120の指示位置を検出するための位置検出用信号等を生成する。
【0021】
位相追従機能付き送信信号発生部102は、制御部101の制御によって、送信コイル111、112から指示器120に送信した位置検出用信号と指示器120から受信した位置指示用信号の位相差に基づいて、位置指示用信号の受信信号レベルが大きくなるように、送信コイル111、112に供給する駆動電流の位相を制御する機能を有している。
尚、位相追従機能付き送信信号発生部102を、発振回路、予め定めたプログラムを実行する中央処理装置(CPU)(図示せず)によって構成された制御部等で構成し、制御部101で検出した位相差に基づいて、前記制御部がプログラムを実行して算出処理を行い、センサコイル114、115で受信する位置指示用信号の受信レベルが大きくなるように前記発振回路の出力信号の位相を制御するようにしても実現可能である。
【0022】
この場合、予め、前回の走査においてセンサコイルで受信した受信信号の位相に対して、送受信後に送信信号の位相をどれくらい変化(追従)させれば良いか実験的に求めておく。位相追従機能付き送信信号発生部102は、走査で得られた受信信号の位相から、先の実験的に求めた適切な追従位相の値に合わせた送信位相で位置検出用信号を送信する。これにより、指示器120の共振周波数から周波数ずれが調整される効果が得られる。送信信号の位相調整による受信信号の位相への影響を考慮して受信位相を算出し、適切な追従位相値を予測する。
【0023】
ドライバ103は、位相追従機能付き送信信号発生部102からの位置検出用信号を増幅して送信選択部104に出力する。
送信選択部104は、制御部101の制御に応答して、定電流ドライバ103からの駆動信号を送信コイル111又は送信コイル112に選択的に供給するように構成されている。例えば、送信選択部104は、内部に切換スイッチを有しており、制御部101の制御によって前記切換えスイッチを切換えることにより、制御部101の制御により複数の送信コイル111、112の中から1つを選択し、該選択した送信コイルに位置検出用信号を供給して駆動する。
【0024】
本実施の形態では、複数の送信コイルとして2つの送信コイル111、112を有している。複数の送信コイル111、112は、中心が略同一位置になるように(同心状に)配設されている。外側(センサ領域105の外周側)の送信コイル111は、内側(センサ領域105の中央側)の送信コイル112の外側に複数回巻回されて配設されている。外側送信コイル111はセンサ部105の外周部に沿って配設されている。送信コイル112は送信コイル111と同心状に複数回巻回されて配設されている。
【0025】
複数の送信コイル111、112には、単一のコンデンサ106が共通接続されている。コンデンサ106は各送信コイル111、112とともに直列共振回路を構成する。即ち、コンデンサ106と送信コイル111は直列共振回路を構成し又、コンデンサ106と送信コイル112は直列共振回路を構成している。前記各直列共振回路の共振周波数は、送信選択部104を介して送信コイル111、112に入力される信号の周波数に等しくなるように設定されている。
【0026】
このように、送信コイル111、112とコンデンサ106が各々、直列共振回路を構成しているため、低い電圧で、送信コイル111、112から指示器120に信号を送信することが可能になる。尚、前記各直列共振回路の共振周波数は、送信コイル111、112に入力される信号の周波数と完全に等しい必要はなく、実用上、略(例えば、±40%の誤差範囲内で)等しければよい。
センサ部105は、複数の送信コイル111、112、複数のセンサコイルを有する受信部113を備えている。受信部113は、X方向に並設された複数のセンサコイル(X方向センサコイル)114、及び、X方向に直交するY方向に並設された複数のセンサコイル(Y方向センサコイル)115によって構成されている。
【0027】
受信選択部108は、制御部101の制御により、複数のセンサコイル114、115を順次選択して走査し、選択したセンサコイル114、115で検出した検出信号を受信アンプ109へ出力する。受信アンプ109は制御部101の制御により、受信選択部108からの検出信号を増幅して検出部110に出力する。検出部110は、受信アンプ109から検出信号を受信して、前記検出信号のレベル及び位相に相当する信号又はデータを出力する。
【0028】
制御部101は、検出部で検出した検出信号のレベルに基づいて、指示器120のX座標位置及びY座標位置(XY座標)を算出する。これによって、位置指示器による指示位置の検出が行われる。
制御部101は、検出した指示器120のXY座標位置に応じて、後述するように、位相追従機能付き送信信号発生部102が出力する信号の位相の制御、送信選択部104による送信コイル111、112の選択制御等の各種制御を行う。
【0029】
図2は、本実施の形態に係る位置検出システムの動作を示すタイミング図である。本実施の形態では、X方向センサコイル114の走査(スキャン)を完了した後に、Y方向センサコイル115の走査を行うことにより、指示器120による指示位置を検出するようにしている。X方向センサコイル114及びY方向センサコイル115の各々において、1つのセンサコイルについて、所定単位時間幅の位置検出用信号201a〜201dを用いて複数回数(本実施の形態では4回)ずつ検出することによって、指示器120による指示位置をより正確に検出するようにしている。即ち、複数の位置検出用信号201a〜201dを用いて複数回指示器120に信号を送信し、指示器120から、位置検出用信号201a〜201dに対応する複数の位置指示用信号202a〜202dを受信することによって、指示器120の位置をより正確に検出するようにしている。
【0030】
尚、図1において受信選択部、受信アンプ、検出部をX軸用とY軸用の2系統設けることにより、X方向センサコイル114とY方向センサコイル115を同時に走査できるように構成することも可能であり、この場合のタイミングは、X軸スキャンとY軸スキャンが同時に並行して行われることになる。
【0031】
図3は、本実施の形態に係る位置検出システムの動作を示すタイミング図で、一つのセンサコイルについて行う所定回数(本実施の形態では4回)の送受信動作タイミングを示しており、送信期間a〜dにおいて送信コイル111又は112から出力される位置検出用信号の波形を示している。
図3に示すように、各送信期間a〜dの位置検出用信号の位相は相互に異なっている。図3では、送信期間a、b、c、dにおける位置検出用信号の位相は、送信期間aにおける位置検出用信号の位相を基準として、各々、0度、90度、180度、270度となるようにして、各位置検出用信号の位相を順次90度ずつ異なるように構成している。
【0032】
尚、前記各位置検出用信号の位相の全てが相互に異なるように構成する必要は必ずしもなく、前記複数の位置検出用信号の中、少なくとも2つの位置検出用信号の位相が異なるように構成してもよい。また、各位置検出用信号の位相を順次90度ずつ異なるように構成しているが、これは一例であり、他の角度であってもよい。
即ち、駆動対象コイル毎に所定回数ずつ駆動電流を供給して駆動すると共に、前記所定回数毎に、各駆動電流の位相を変えるようにすればよい。
【0033】
以下、図1〜図3を用いて、本実施の形態に係る位置検出システムの動作を詳細に説明する。
先ず、位置検出システムの動作を概略説明すると、位相追従機能付き送信信号発生部102は制御部101の制御により、所定の位相(例えば、移相量が0度)で単位時間幅の位置検出用信号を出力する。ドライバ103は制御部101の制御により、前記位置検出用信号を増幅して出力する。送信選択部104は制御部101の制御により、複数の送信コイル111、112の中のいずれか1つの送信コイルを選択し、ドライバ103からの前記位置検出用信号を該選択した送信コイルに出力する。
【0034】
送信選択部104で選択した送信コイル(例えば送信コイル111)からは、図2に示すように、所定の単位時間幅の位置検出用信号201aが出力される。指示器120は、選択した送信コイル111からの位置検出用信号201aを電磁結合によって受信し、位置指示用信号202aを位置検出装置100に対して返送する。
位置検出装置100側では、制御部101は、受信選択部108がX方向センサコイル114を一端部側から他端部側へ(K1側からK10側へ)順次選択して走査するように、受信選択部108を制御する。
【0035】
このとき、位置検出装置100が指示器120の位置を検出済みの場合には、指示器120近傍の所定数(例えばXセンサコイル6つ、Yセンサコイル6つ)について位置検出動作(セクタスキャン動作)を行い、電源投入時等のように指示器120の位置を検出していない場合には、全てのセンサコイル114、115について位置検出動作(オールスキャン動作)を行う。
前記走査により、例えば、先ず第1番目のX方向センサコイルK1が位置指示用信号202aを受信する。
【0036】
X方向センサコイルK1で受信した前記位置指示用信号は、X方向検出信号として、受信選択部108を介して受信アンプ109に出力される。前記X方向検出信号は受信アンプ109で増幅された後、検出部110に出力される。検出部110は前記検出信号を検出して、そのレベル及び位相に相当する信号又はデータを制御部101に出力する。制御部101は、制御部101の内部に設けられている記憶手段としてのメモリ(図示せず)に一旦記憶する。
【0037】
X方向センサコイルK1について前記動作を所定回数(本実施の形態では4回)行い、制御部101内の前記メモリに記憶する。制御部101は、制御部101内の前記メモリに記憶した前記4回分のデータの合計値をX方向センサコイルK1のX方向検出信号レベルとして、前記メモリに記憶する。
前記動作をX方向センサコイル114に関して、所定数(例えば6つ)のセンサコイルについて順次行う(センサコイルK2、・・・K6)ことによって、検出部110は前記X方向センサコイルの検出信号レベル(X方向検出信号レベル)を取得し、制御部101は前記データを前記メモリに記憶する。
【0038】
制御部101は、X方向センサコイル114の検出信号レベルのうちの所定数の点(例えば上位3点)を選択し、前記3点の検出レベルを用いて放物線近似により、最大レベル点を算出する。前記最大レベル点の座標が、指示器120の指示位置のX座標に相当する。
次に、位置検出装置100は、前記同様の動作をY軸方向センサコイル115について順次行い、指示器120のY方向の指示位置を検出する。
【0039】
以上のようにして、制御部101は指示器120のX座標及びY座標(XY座標)を検出する。
尚、前記のようなセクタスキャン動作において、指示器120の信号強度が所定値に達しない場合、即ち、指示器120が検出されなかった場合は、全X方向センサコイルK1〜K10のスキャン(オールスキャン動作)を行う。
【0040】
制御部101は、一旦、指示器120による指示位置を検出すると、指示器120と複数の送信コイル111、112との相対的な位置関係に応じて、指示器120の指示位置が属する領域において、指示器120に最大の位置検出信号を供給できるよう、複数の送信コイル111、112の中のいずれか一つを選択するように送信選択部104を制御する。
【0041】
同時に、制御部101は、図3に示すように、送信コイル111、112が指示器120に送信した位置検出用信号の位相(位相追従機能付き送信信号発生部102がドライバ103及び送信選択部104を介して送信コイル111、112に出力した駆動信号の位相に相当する。)と、指示器120から受信した位置指示用信号の位相(指示器120が送信した位置指示用信号の位相にほぼ相当する。)との間の位相差に基づいて、センサコイル114、115で受信する位置指示用信号の受信信号レベルが大きくなるよう送信コイル111、112に供給する駆動電流の位相を変えるように、位相追従機能付き送信信号発生部102に対して指示する。尚、この場合、制御部101は位相追従機能付き送信信号発生部102が駆動電圧の位相を変えるように指示してもよい。
【0042】
即ち、前述したように図3において、本実施の形態では1つのセンサコイルについて位置検出動作を行う場合、4回の位置検出動作を行うようにしており、各位置検出動作において位相追従機能付き送信信号発生部102が出力する位置検出用信号は、位相が相互に異なるようにしている。例えば、図3では、各位置検出用信号の位相が90度ずつ異なるようにしている。
これにより、位相追従機能付き送信信号発生部102から出力される位置検出用信号がFM変調されたような効果が得られて、位置検出用信号の周波数成分中に、指示器120の共振周波数に近い成分の信号が発生し、指示器の励振効率を向上させることが可能になる。
【0043】
特に、指示器120によって筆圧等の付加情報を送信する場合、使用者は可変容量コンデンサ123の容量値を変更するような操作を行うと、指示器120の共振回路の共振周波数が変化する。この場合でも、位置検出装置100は、前記動作によって位相追従機能付き送信信号発生部102から出力する駆動電流の位相を変えることにより、指示器120の励振効率を向上させることが可能になり、付加情報の検出精度の低下を抑制することが可能になる。
【0044】
したがって、位置検出用信号の基本周波数と指示器120の共振回路の共振周波数との間でズレがある場合でも、センサコイル114、115では、より大きなレベルの位置指示用信号を受信することが可能になり、位置検出用信号の周波数と指示器の共振周波数のズレに基づく検出精度の低下を抑制することが可能になる。
また、位相追従機能付き送信信号発生部102は、制御部101の制御の下、駆動する送信コイル111、112毎に所定回数ずつ駆動電流を供給して駆動し、前記駆動するコイルに供給する駆動電流の位相が、各駆動毎に相互に異なるように構成しているため、より高精度な検出が可能になる。
【0045】
以上述べたように、本実施の形態に係る位置検出システムによれば、指示器120から出力される信号の位相ズレを検出することによって指示器120の共振周波数のズレを検出して、そのズレの量に合わせて、位置検出用信号の位相を逐次追従させて変化させているので、指示器120の励振効率を向上させることが可能になり、検出精度の低下を抑制することが可能になる。
【0046】
尚、前記位相変更動作を行うタイミングは、1回又は複数回の送受信毎に行う等、種々の変更が可能である。
また、前記位相ズレの検出は、駆動電流の位相に対する受信信号(センサコイルで検出した位置指示信号)の位相差に基づいて行うことができる。この場合、例えば、前回走査した際の受信信号位相から予想する方法、前回走査時の1センサコイル毎の受信信号の位相から予想する方法、前回走査した際の1回又は複数回の送受信毎の受信信号の位相から予想する方法等がある。
【0047】
また、位置検出装置100から位置指示器に送信する信号は、位置指示器120による指示位置を検出するための信号のみならず、位置検出には関係しないものも含む信号、例えば、位置指示器120のコンデンサに電荷を貯めるだけのエネルギを供給する信号や、位置指示器120の返信モードを変更させるためのコマンドの役割をする信号等を含む信号を使用することが可能である。
【0048】
また、本実施の形態では、制御部101は、位置検出用信号を生成する際にCPUで所定の算出処理を行うことにより、位置検出用信号の位相と位置指示用信号の位相の差に基づいて位置指示信号の受信信号レベルが大きくなるように、位相追従機能付き送信信号発生部102を制御して、位置検出信号の位相を制御するように構成したが、位相追従機能付き送信信号発生部102の信号によって指示器120に送信した信号と指示器120から受信した信号の位相差に対応する位相変化量を記憶する位相変化量記憶手段(図示せず)を設けておき、前記位相変化量記憶手段を参照して、送信コイル111、112が指示器120に送信した信号とセンサコイル114、115が指示器120から受信した信号の位相差に基づいて位相変化量を決定し、前記駆動電流の位相を前記位相変化量だけ変化させるように構成してもよい。
【0049】
また、制御回路101は、前記駆動電流の位相を変化させるように位相追従機能付き送信信号発生部102を制御したが、駆動電圧の位相を制御するように位相追従機能付き送信信号発生部102を制御するように構成してもよい。即ち、制御部101は、位相追従機能付き送信信号発生部102を、駆動するコイルに供給する駆動電流または電圧の位相を直接変えるよう制御し、その結果として駆動電流の位相を変えるように構成してもよい。
【0050】
また、前記実施の形態では、指示器120の位置の算出処理を簡単にする等のために複数の送信コイル111、112を同心状に配設したが、必ずしも同心状に配設する必要はなく又、送信コイル111、112は複数ではなく1つだけでもよい。
また、前記実施の形態では、センサ部105に配設した送信専用の送信コイル111、112から指示器120に信号を送信し、指示器120からの信号を検出専用のセンサコイル114、115で受信するように構成したが、他の構成の位置検出装置にも適用可能である。
【0051】
例えば、コイル手段に含まれる複数のコイルに、指示器120に信号を送信する送信専用コイルと、指示器120からの信号を受信する受信専用コイルとが含まれるように構成し、前記送信専用コイルに駆動電流を供給して位置指示器120に信号を送信し、前記受信専用コイルを順次選択して指示器120からの信号を受信するように構成してもよい。 また、前記コイル手段に含まれる複数のコイルに、指示器120に対する信号送信と指示器120からの信号受信とを兼用するコイルが含まれるように構成し、前記駆動電流を供給して位置指示器に信号を送信するコイルと、指示器120からの信号を受信するコイルが、同一のコイルであるように構成してもよい。
【0052】
また、前記コイル手段の複数のコイルは、指示器120に対する信号送信と指示器120からの信号受信とを兼用するコイルとし、前記駆動電流を供給するコイルと指示器120からの信号を受信するコイルは、異なるコイルであるように構成してもよい。
また、信号送信及び信号検出を兼用した複数の送受信用コイルをマトリクス状に配設し、前記各送受信コイルから順次、コイルを有する指示器に電磁結合で信号を送信すると共に、前記信号を送信した送受信コイルで前記指示器からの電磁結合で信号を検出し、これによって前記指示器による指示位置を検出するようにした位置検出装置にも適用可能である。
【0053】
また、位置検出装置100側に信号送信用の複数の送信コイルをマトリクス状に配設し、前記各送信コイルから順次、コイルを有する指示器に電磁結合で信号を送信すると共に、前記指示器で前記コイルからの信号を電磁結合で検出し、前記指示器で検出した信号に基づいて前記指示器による指示位置を検出するようにした位置検出装置にも適用可能である。
即ち、共振回路を有し位置を指示するための指示器と、前記指示器との間で電磁結合によって信号の送受信を行う位置検出装置を有し、前記指示器と位置検出装置との間で信号の送受信を行うことによって前記指示器による指示位置を検出するようにした位置検出システムにおいて、前記位置検出装置に設けられ、前記指示器に信号を送信する複数の送信専用コイルを有するコイル手段と、前記指示器に設けられ、前記コイル手段からの信号を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した信号に基づいて前記指示器による指示位置を検出する検出手段と、前記コイル手段が前記信号を発生するように前記コイル手段に駆動電流を供給すると共に、前記コイル手段が前記指示器に送信した信号と前記受信手段が受信した信号の位相差に基づいて、前記受信手段による信号の受信信号レベルが大きくなるように前記コイル手段に供給する駆動電流または電圧の位相を変える信号送信手段とを備えて成るように構成してもよい。この場合、検出手段及び信号送信手段は、必ずしも前記位置検出装置側に配設する必要はなく、前記指示器側に配設したり、あるいは、独立した他の構成要素として構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
CAD(Computer Aided Design)、コンピュータ、携帯情報端末(PDA)、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)等の入力システム、3次元空間における入力装置の位置や姿勢等の3次元情報を検出する検出システム等に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の実施の形態に係る位置検出システムのブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る位置検出システムの動作を示すタイミング図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る位置検出システムの動作を示すタイミング図である。
【図4】従来の位置検出システムのタイミング図である。
【図5】従来の位置検出システムの動作を説明するための信号波形図である。
【符号の説明】
【0056】
100・・・位置検出装置
101・・・制御手段、信号送信手段、受信手段及び検出手段を構成する制御部
102・・・信号送信手段を構成する位相追従機能付き送信信号発生部
103・・・信号送信手段を構成するドライバ
104・・・信号送信手段を構成する送信選択部
105・・・センサ部
106・・・コンデンサ
108・・・受信手段を構成する受信選択部
109・・・受信手段を構成する受信アンプ
110・・・検出手段を構成する検出部
111、112・・・コイル手段を構成する送信コイル
113・・・受信部
114、115・・・コイル手段を構成するセンサコイル
120・・・指示器
121・・・共振回路を構成するコイル
122・・・共振回路を構成するコンデンサ
123・・・共振周波数変更手段を構成する可変容量コンデンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共振回路を有し位置を指示するための指示器と位置検出装置との間で電磁結合によって信号の送受信を行うことにより前記指示器による指示位置を検出する位置検出方法において、
信号送信手段がコイル手段に含まれるコイルに駆動電流を供給することによって前記指示器に信号を送信し、
受信手段が前記コイル手段に含まれる複数のコイルを順次選択して前記指示器からの信号を受信し、
検出手段が前記受信手段で受信した信号に基づいて前記指示器による指示位置を検出し、
前記信号送信手段は、前記指示器に送信した信号と前記指示器から受信した信号の位相差に対応する位相変化量を記憶する位相変化量記憶手段を参照して、前記コイル手段が前記指示器に送信した信号と前記指示器から受信した信号の位相差に基づいて、前記コイル手段による信号の受信信号レベルが大きくなるように前記コイル手段に供給する駆動電流または電圧の位相変化量を決定し、次回の駆動において、前記駆動電流または電圧の位相を前記位相変化量だけ変えることを特徴とする位置検出方法。
【請求項2】
前記信号送信手段は、前記コイル手段中の駆動対象コイル毎に所定回数ずつ前記駆動電流を供給して駆動すると共に、前記所定回数毎に、各駆動電流または電圧の位相を変えることを特徴とする請求項1記載の位置検出方法。
【請求項3】
共振回路を有し位置を指示するための指示器と、前記指示器との間で電磁結合によって信号の送受信を行うことにより前記指示器による指示位置を検出する位置検出装置とを有する位置検出システムにおいて、
前記位置検出装置は、複数のコイルを有し、前記指示器に信号を送信すると共に前記指示器からの信号を受信するためのコイル手段と、前記コイル手段に含まれる複数のコイルを順次選択して前記指示器からの信号を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した信号に基づいて前記指示器による指示位置を検出する検出手段と、前記コイル手段が前記信号を発生するように前記コイル手段に駆動電流を供給すると共に、前記コイル手段が前記指示器に送信した信号と前記指示器から受信した信号の位相差に基づいて、前記コイル手段による信号の受信信号レベルが大きくなるように前記コイル手段に供給する駆動電流または電圧の位相を変える信号送信手段とを備えて成ることを特徴とする位置検出システム。
【請求項4】
前記コイル手段の複数のコイルは、前記指示器に信号を送信する送信専用コイルと、前記指示器からの信号を受信する受信専用コイルとを有し、
前記信号送信手段は前記送信専用コイルに駆動電流を供給し、前記受信手段は前記受信専用コイルを順次選択して前記指示器からの信号を受信することを特徴とする請求項3記載の位置検出システム。
【請求項5】
前記コイル手段の複数のコイルは、前記指示器に対する信号送信と前記指示器からの信号受信とを兼用するコイルであり、
前記信号送信手段が前記駆動電流を供給するコイルと前記受信手段が選択して前記指示器からの信号を受信するコイルは、同一のコイルであることを特徴とする請求項3記載の位置検出システム。
【請求項6】
前記コイル手段の複数のコイルは、前記指示器に対する信号送信と前記指示器からの信号受信とを兼用するコイルであり、
前記信号送信手段が前記駆動電流を供給するコイルと前記受信手段が選択して前記指示器からの信号を受信するコイルは、異なるコイルであることを特徴とする請求項3記載の位置検出システム。
【請求項7】
共振回路を有し位置を指示するための指示器と、前記指示器との間で電磁結合によって信号の送受信を行う位置検出装置を有し、前記指示器と位置検出装置との間で信号の送受信を行うことによって前記指示器による指示位置を検出するようにした位置検出システムにおいて、
前記位置検出装置に設けられ、前記指示器に信号を送信する複数の送信専用コイルを有するコイル手段と、
前記指示器に設けられ、前記コイル手段からの信号を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した信号に基づいて前記指示器による指示位置を検出する検出手段と、
前記コイル手段が前記信号を発生するように前記コイル手段に駆動電流を供給すると共に、前記コイル手段が前記指示器に送信した信号と前記受信手段が受信した信号の位相差に基づいて、前記受信手段による信号の受信信号レベルが大きくなるように前記コイル手段に供給する駆動電流または電圧の位相を変える信号送信手段とを備えて成ることを特徴とする位置検出システム。
【請求項8】
前記信号送信手段は、前記コイル手段中の駆動対象コイル毎に所定回数ずつ前記駆動電流を供給して駆動すると共に、前記所定回数毎に、各駆動電流または電圧の位相を変えることを特徴とする請求項3乃至7のいずれか一に記載の位置検出システム。
【請求項9】
前記指示器に送信した信号と前記指示器から受信した信号の位相差に対応する位相変化量を記憶する位相変化量記憶手段を有し、
前記信号送信手段は、前記位相変化量記憶手段を参照して、前記コイル手段が前記指示器に送信した信号と前記指示器から受信した信号の位相差に基づいて位相変化量を決定し、次回の駆動において、前記駆動電流または電圧の位相を前記位相変化量だけ変えることを特徴とする請求項3、4、5、6又は8記載の位置検出システム。
【請求項10】
前記指示器は、前記共振回路の共振周波数を変更する共振周波数変更手段を備えて成ることを特徴とする請求項3乃至9のいずれか一に記載の位置検出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−128287(P2007−128287A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−320494(P2005−320494)
【出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(000139403)株式会社ワコム (118)
【Fターム(参考)】