説明

位置決め体及び工作機械

【課題】位置決め体における位置決め部の位置を変更可能とすることにより、テーブル中心から位置決め部までの距離をより多様に変更することができる位置決め体を提供する。
【解決手段】位置決め体が、テーブルに固定されるベースと、当て具13を備え、ベース上に組み付けられるタレット4とからなり、ベースの上面に、その中心から放射方向へ延びる係合突条を設けるとともに、タレット4の下面に、係合突条7、7が係合可能で、その中心から放射方向へ延びる複数の係合溝12a〜12fを設けており、ベースに対してタレット4を回転させ、係合突条7、7が係合する係合溝を任意に選択することにより、当て具13の位置を変更可能とした。したがって、たとえテーブル上におけるベースの取付位置が限られていたとしても、1つの取付位置において位置決め部の位置を変更することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械のテーブルに取り付けられて、該テーブル上に載置されるワークやパレット等を位置決めするための位置決め体、及び該位置決め体が取り付けられる工作機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、位置決め体をテーブルへ取り付けるための取付構造としては、図9に示すような取付構造が知られている。これは、テーブル71上に、放射状に延びるT溝72、72・・を複数設けるとともに、T溝72内へ位置決め体73を固定可能なT溝ナット(図示せず)を収納してなる。したがって、T溝72に沿った所望の位置で位置決め体73とT溝ナットとを連結することにより、位置決め体73のテーブル1中心からの距離を変更可能としていた。しかしながら、当該構成においては、テーブル71を旋回させ、各位置決め体73に遠心力がかかった際、T溝72に沿って位置決め体73(及びT溝ナット)が径方向外側へズレてしまうおそれがあるという問題があった。尚、位置決め体73には、当て具(位置決め部)74が一体的に設けられている。
【0003】
そこで、本件出願人は、特許文献1に示すような位置決め体の取付構造を考案した。これは、T溝に沿って有底の凹部を複数個設けており、いずれかの凹部内に位置決め体を収納した状態でT溝ナットと連結することにより、径方向外側へズレないようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−120113号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の構成では、位置決め体の取付箇所が凹部に限られているため、テーブル中心から位置決め体(具体的には位置決め部)までの距離を変更しようにも、その変更可能距離が限られてしまう。したがって、当該取付構造を採用すると、汎用性に劣るという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、位置決め体における位置決め部の位置を変更可能とすることにより、テーブル中心から位置決め部までの距離をより多様に変更することができ、ひいては工作機械の汎用性の向上をも図ることができる位置決め体及び工作機械を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、工作機械のテーブルに取り付けられ、前記テーブル上に載置されるワーク等を位置決めするための位置決め部を備えた位置決め体であって、テーブルに固定される第1部材と、前記位置決め部を備え、前記第1部材上に組み付けられる第2部材とからなり、前記第1部材の上面又は前記第2部材の下面の何れか一方に、その中心から放射方向へ延びる係合突条を設けるとともに、何れか他方に、前記係合突条が係合可能で、その中心から放射方向へ延びる複数の係合溝を設けており、前記第1部材に対して前記第2部材を回転させ、前記係合突条が係合する前記係合溝を任意に選択することにより、前記位置決め部の位置を変更可能としたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記係合溝が、前記第2部材の下面に設けられているとともに、基準となる1つの係合溝から左右回転方向へ夫々等間隔、且つ、対称に設けられており、さらに、前記位置決め部の中心が、前記基準となる係合溝の中心線上から左右何れか一方側へずれた位置に設定されていることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項3に記載の発明は、工作機械において、ワーク等を載置するためのテーブルを備えており、前記テーブル上に、請求項1又は2に記載の位置決め体が取り付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、位置決め体が、テーブルに固定される第1部材と、位置決め部を備え、第1部材上に組み付けられる第2部材とからなり、第1部材の上面又は第2部材の下面の何れか一方に、その中心から放射方向へ延びる係合突条を設けるとともに、何れか他方に、係合突条が係合可能で、その中心から放射方向へ延びる複数の係合溝を設けており、第1部材に対して第2部材を回転させ、係合突条が係合する係合溝を任意に選択することにより、位置決め部の位置を変更可能としているため、たとえテーブル上におけるベースの取付位置が限られていたとしても、1つの取付位置において位置決め部の位置を変更することができる。したがって、テーブル中心から位置決め部までの距離をより多様に変更することができ、ひいては工作機械の汎用性の向上をも図ることができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、係合溝が、第2部材の下面に設けられているとともに、基準となる1つの係合溝から左右回転方向へ夫々等間隔、且つ、対称に設けられており、第2部材が係合溝にのみ関して言うと左右対称形状となっている。したがって、第2部材の製造が容易であり、製造コストを低減することができる。
さらに、位置決め部の中心が、基準となる係合溝の中心線上から左右何れか一方側へずれた位置に設定されている。したがって、係合溝に関してのみ言うと左右対称形状になっているにも拘わらず、基準となる係合溝から左右へ同位相にある係合溝を夫々選択した際に、テーブル中心から位置決め部までの距離を夫々異ならせることができるため、当該距離をより一層多様に変更することができ、工作機械の汎用性を更に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】工作機械を前方から示した説明図である。
【図2】工作機械を側方から示した説明図である。
【図3】テーブルを上方から示した説明図である。
【図4】位置決め体をテーブルに取り付けた様子を示した説明図であって、(a)は径方向での断面を示した説明図であり、(b)は径方向から見た説明図である。
【図5】ベースを示した説明図であって、(a)は上方から示した説明図、(b)は(a)中のA−A線断面を示した説明図である。
【図6】タレットを下方から示した説明図である。
【図7】タレットの基準となる係合溝の中心線での断面を示した説明図である。
【図8】タレットのベースへの組み付け姿勢の違いに伴う当て具の位置の違いを示した説明図である。
【図9】従来の位置決め体のテーブルへの取付構造を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態となる位置決め体及び工作機械について、図面にもとづき詳細に説明する。
【0011】
まず、本実施形態の位置決め体1を取り付ける工作機械51について、図1及び図2をもとに説明する。図1は、工作機械51を前方から示した説明図であり、図2は、工作機械51を側方から示した説明図である。
工作機械51は、いわゆる立旋盤であって、ベッド52上の前部には、ワークやパレット等を載置可能なテーブル53が設けられている。テーブル53は、ベッド52上を前後方向(図2に示すY軸方向)へスライド可能になっているとともに、ベッド52上において上下方向(図1に示すZ軸方向)を軸として旋回可能とされている。また、ベッド52を挟むように一対のコラム54、54が設けられており、各コラム54の前面にはZ軸レール55が設けられている。さらに、コラム54、54の前面には、X軸レール56を有する昇降台57がZ軸レール55、55間にわたるように架設されており、該X軸レール56には、Z軸方向を軸として回転する主軸58を備えた主軸装置59が取り付けられている。そして、該工作機械51では、図示しないNC装置による制御のもと、主軸装置59をX軸方向へ、昇降台57をZ軸方向へ、テーブル53をY軸方向へ夫々スライドさせるとともに、テーブル53及び主軸58をZ軸方向を軸として回転・旋回させながら、テーブル53上のワーク(図示せず)を加工するようになっている。
【0012】
次に、位置決め体1を実際に取り付けるテーブル53について、図3をもとに説明する。図3は、テーブル53を上方から示した説明図である。
テーブル53は、円板状に形成されており、その上面には、放射状に延びる複数のT溝41、41・・が刻設されている。また、各T溝41に沿って、複数の収納凹部42、42・・が所定の間隔L1毎に設けられている。各収納凹部42は、T溝41を挟んで対向するように設けられた一組の弓形状凹部からなり、後述する位置決め体1の一部を収納凹部42内へ収納した状態で取り付け可能としている。
【0013】
ここで、本発明の要部となる位置決め体1について、図4〜図7をもとに説明する。図4は、位置決め体1をテーブル53に取り付けた様子を示した説明図であって、(a)は径方向での断面を示した説明図であり、(b)は径方向から見た説明図である。図5は、ベース3を示した説明図であって、(a)は上方から示した説明図、(b)は(a)中のA−A線断面を示した説明図である。図6は、タレット4を下方から示した説明図であり、図7は、タレット4の係合溝12a中心線での断面を示した説明図である。図8は、タレット4のベース3への組み付け姿勢の違いに伴う当て具の位置Pa1、Pa2、pb1・・の違いを示した説明図である。
【0014】
位置決め体1は、テーブル53上にワークやパレットを載置するに際して、その載置位置を位置決めするためのものであって、テーブル53に設置されるベース3と、ベース3に組み付けられるタレット4と、カバー部材10とからなる。ベース3は、扁平な円筒状のブロック体であって、中央にはT溝41内に収納されるT溝ナット43に連結するためのボルト孔8が穿設されている。また、ベース3の下面中央には、収納凹部42内へ収納可能な突起5が下方へ突設されている。該突起5は、ベース3と同軸で収納凹部42と略同じ直径を有する円筒形に成形されている。また、ベース3の下面で突起5を挟んで前後となる位置には、T溝41内へ嵌入可能な一対の嵌合突条6、6が下方へ突設されている。一方、ベース3の上面には、タレット4が係合する係合突条7、7が上方へ突設されている。そして、該係合突条7、7は、ベース3の中心から放射方向へ延設されており、且つ、嵌合突条6、6の延設方向(前後方向)と直交する方向(左右方向)へ延設されている。
【0015】
一方、タレット4は、ベース3と略同径の円筒状に形成されており、中心にはベース3へ固定するための固定孔11が穿設されている。そして、該タレット4の下面には、6つの有底の係合溝12a、12b、・・12fが、タレット4の中心から径方向に沿って放射状に刻設されている。各係合溝12a・・は、固定孔11を挟んで対向する位置に設けられた一組の溝からなり、係合突条7、7が係合可能な幅、深さ、及び径方向長さを有している。また、係合溝12b、12c、12d、12eは、係合溝12aを基準として左右の回転方向へ夫々等間隔且つ対称に設けられている。すなわち、図6中におけるα1〜α4は、α1=α2=α3=α4の関係にある。また、係合溝12aと係合溝12fとは直交しており(すなわち、タレット4の軸を中心として係合溝12aを90°回転させると係合溝12fに一致する)、図6中におけるα5、α6は、α5=α6>α1〜α4の関係にある。したがって、係合溝12a〜12fのみに関して言うと、タレット4は係合溝12aを中心とした際に左右対称形状とされている。一方、タレット4の上面には、ワーク等を位置決めするための当て具13を取り付けるための取付孔14が設けられている。そして、該取付孔14の中心は、所定の半径R1の円周上で係合溝12aを基準として右回り方向へ角度βだけずれた位置(すなわち、加工の際の指示としては、半径R1の円周上にあり、係合溝12aの中心線よりも右方へ距離sだけずれた位置)に設けられている。
また、カバー部材10は、リング状部材であって、ベース3の上面にタレット4を設置した際、両部材3、4の隙間及びタレット4の使用していない係合溝12a〜12fの周面側の開口を塞ぐように取り付けられる。
【0016】
さらに、以上のような位置決め体1のテーブル53への取り付けについて説明する。
位置決め体1を取り付けるにあたっては、まずベース3をテーブル53上の所望の位置に設置する。すなわち、テーブル53上に設けられた所望の収納凹部42内へベース3の突起5を収納させるとともに、嵌合突条6、6をT溝41内(該収納凹部42の前後)へ嵌入させる。
次に、該ベース3に対してタレット4を所望の姿勢で組み付けた後、ボルト9によってベース3及びタレット4をテーブル53に固定する。すなわち、ベース3の上面にあり、テーブル53の径方向(T溝41の延設方向)と直交方向へ延びている係合突条7、7に対し、タレット4を回転させて係合溝12a〜12fの内から所望の係合溝を選択し、係合させる。そして、ボルト9を、固定孔11及びボルト孔8を介してT溝41内へ突出させて、T溝41内に収納されているT溝ナット43と連結し、テーブル53に固定する。
さらに、タレット4の取付孔14へ当て具13をねじ込めば、位置決め体1のテーブル53への取り付けは完了となる。尚、カバー部材10については、タレット4を組み付ける前に、タレット4若しくはベース3の何れか一方へ予め装着しておけばよい。
【0017】
上述したようにして取り付けられる位置決め体1においては、係合突条7、7に係合させる係合溝の選択に加え、取付孔14をベース3の中心よりもテーブル53の径方向で内側に位置させるか外側に位置させるかによって、図8に示すように、取付孔14に取り付けられる当て具13のタレット4上での位置、ひいてはテーブル53の中心からの距離を12種類にも変更することができる。すなわち、係合溝12fを係合突条7、7に係合させた際には、取付孔14を径方向内側となる位置Pf2へ位置させると、テーブル53の中心から当て具までの距離は、おおよそテーブル53の中心からタレット4(ベース3)の中心までの距離−R1×sin(α1+α3+α5−β)となる。また、径方向外側となる位置Pf1へ位置させると、おおよそテーブル53の中心からタレット4の中心までの距離+R1×sin(α1+α3+α5−β)となる。また、係合溝12aを係合させると、位置Pa1では、おおよそテーブル53の中心からタレット4の中心までの距離−R1×sin(α1+α3+α5−β)となり、位置Pa2では、おおよそテーブル53の中心からタレット4の中心までの距離+R1×sin(α1+α3+α5−β)となる。同じく、係合溝12bでは位置Pb1又は位置Pb2、係合溝12cでは位置Pc1又はPc2、係合溝12dでは位置Pd1又は位置Pd2、係合溝12eでは位置Pe1又は位置Pe2といった具合に、夫々2つの位置に取付孔14を位置させることができる。また、取付孔14の位置を係合溝12aの中心線上ではなく角度βだけずらしているため、係合溝12aを基準として左右へ同位相にある係合溝12bと係合溝12cとで、テーブル53の中心から当て具13までの距離が夫々異なってくる(たとえば、係合溝12bを利用した場合における位置Pb1では、おおよそテーブル53の中心からタレット4の中心までの距離+R1×sin(α1−β)となるのに対し、係合溝12cを利用した場合における位置Pc1では、おおよそテーブル53の中心からタレット4の中心までの距離+R1×sin(α2+β)となる)。
【0018】
このように、上述したような位置決め体1によれば、テーブル53上における取付位置が限られているにも拘わらず、ベース3に対してタレット4を回転させ、係合突条7、7に係合させる係合溝12a〜12fを任意に選択するだけで、1つの取付位置において当て具13の位置を変更することができる。したがって、テーブル53中心から当て具13までの距離をより多様に変更することができ、ひいては工作機械1の汎用性の向上をも図ることができる。
【0019】
また、係合溝12b〜12eについては、係合溝12aを基準として左右の回転方向へ夫々等間隔且つ対称に設けており(α1=α2=α3=α4としている)、係合溝にのみ関して言うと、タレット4を左右対称形状としている。したがって、タレット4の製造が容易であり、製造コストを低減することができる。
さらに、それにも拘わらず、取付孔14の中心を係合溝12aの中心線上に設けずに右方へずらして設けており、取付孔14をも含めるとタレット4を左右対称形状としていない。したがって、係合溝12aを基準として左右へ同位相にある係合溝12b、12cのどちらへ係合突条7、7を係合させるかで取付孔14の位置、すなわちテーブル53中心から当て具13までの距離を夫々異ならせることができるため、当該距離をより一層多様に変更することができ、工作機械1の汎用性を更に向上することができる。
【0020】
なお、本発明の位置決め体及び工作機械は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、タレットの係合溝に係る構成や、位置決め体をテーブルに取り付けるための構成等について、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で必要に応じて適宜変更可能である。
【0021】
たとえば、上記実施形態ではベース3に係合突条7、7を、タレット4に係合溝12a〜12fを夫々設けているが、ベース3に複数の係合溝を、タレット4に該係合溝に係合可能な係合突条を夫々設けても何ら問題はない。
また、係合溝を設ける間隔についても適宜変更可能であって、上記実施形態では一定間隔(α1=α2=α3=α4)としているが、間隔を全て異ならせても何ら問題はない。そして、間隔を異ならせる場合の例としては、当て具が最もテーブルの中心側に近くなる位置から最も遠くなる位置へ向けて等間隔で離れていく(上記実施形態で言うなら、位置Pf2におけるタレット4(ベース3)の中心までの距離−R1×sin(α1+α3+α5−β)と、位置Pf1におけるテーブル53の中心からタレット4の中心までの距離+R1×sin(α1+α3+α5−β)との間を等間隔で割り出せる)ように、α1〜α6を設定するといった構成が考えられる。
【0022】
さらに、係合溝の数についても上記実施形態の6つに何ら限定されることはなく、7つ以上若しくは5つ以下であってもよい。
さらにまた、取付孔を形成する位置、すなわち当て具の設置位置についても適宜変更可能であって、基準となる係合溝の中心線上に取付孔の中心を位置させることも当然可能である。
さらにまた、ベース3には必ずしも突起5を形成する必要はなく、本発明の位置決め体は、収納凹部42を備えていないテーブルに対しても使用することができる。そのようなテーブルに対して使用しても、ベースの位置を変更することなく当て具の位置を変更することができるため、使い勝手が良いというメリットがある。
加えて、本発明の位置決め体が取り付けられる工作機械も上記実施形態の立旋盤に何ら限定されることはなく、ワーク等を載置し回転するテーブルを有していれば、マシニングセンタや複合加工機等の他の工作機械であっても何ら問題はない。
【符号の説明】
【0023】
1・・位置決め体、3・・ベース(第1部材)、4・・タレット(第2部材)、5・・突起、6・・嵌合突条、7・・係合突条、10・・カバー部材、12a〜12f・・係合溝、13・・当て具(位置決め部)、14・・取付孔、41・・T溝、42・・収納凹部、43・・T溝ナット、51・・工作機械、53・・テーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械のテーブルに取り付けられ、前記テーブル上に載置されるワーク等を位置決めするための位置決め部を備えた位置決め体であって、
テーブルに固定される第1部材と、前記位置決め部を備え、前記第1部材上に組み付けられる第2部材とからなり、
前記第1部材の上面又は前記第2部材の下面の何れか一方に、その中心から放射方向へ延びる係合突条を設けるとともに、何れか他方に、前記係合突条が係合可能で、その中心から放射方向へ延びる複数の係合溝を設けており、
前記第1部材に対して前記第2部材を回転させ、前記係合突条が係合する前記係合溝を任意に選択することにより、前記位置決め部の位置を変更可能としたことを特徴とする位置決め体。
【請求項2】
前記係合溝が、前記第2部材の下面に設けられているとともに、基準となる1つの係合溝から左右回転方向へ夫々等間隔、且つ、対称に設けられており、さらに、前記位置決め部の中心が、前記基準となる係合溝の中心線上から左右何れか一方側へずれた位置に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の位置決め体。
【請求項3】
ワーク等を載置するためのテーブルを備えており、前記テーブル上に、請求項1又は2に記載の位置決め体が取り付けられることを特徴とする工作機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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