説明

位置監視デバイス

【課題】より信頼できる位置監視デバイスを提供すること。
【解決手段】位置監視デバイスは、第2の部分1又は2に対する第1の部分2又は1の位置を確認する位置監視デバイスであって、質問信号を送信し、かつ質問信号に応答して応答機3によって送信され得る応答信号を受信する送受信機5を第1の部分に有している。位置監視デバイスは、応答機3と送受信機5との間で信号を減衰するスクリーン4を備え、送受信機5、スクリーン4、および応答機3から成る群のうち2つの構成要素が相互に対して可動である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は扉、フラップ等の閉位置、工作機械の回転部分の静止または回転、あるいはアームの伸縮位置を検知するのに使用され得るような位置監視デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4又は特許文献5に記載された既知の位置スイッチは、特に、潜在的危険がある機械または機械装置、例えばミートダイシングマシンのライニング内のフラップまたは加工用ロボットを有する製造ラインのある区間のフェンスの接近ゲートのための接近保護デバイスの閉位置を監視するように働く。典型的には、機械または機械装置は、接近保護デバイスが開放されるとオフになり、接近保護デバイスが再び閉鎖されるまでは再度オンになるのが阻止される。この目的のために応答機が接近保護デバイスの閉鎖部分、例えばフラップまたはゲートに取り付けられ、この応答機は閉鎖することのできる部分、例えばライニングまたはフェンスにある送受信機によって、応答機と送受信機との間の距離が閉位置限界距離以下になっているかどうかが確認され得る。この場合、応答機および送受信機を正確に設置することによって、接近保護デバイスが完全に閉鎖されているときに限り閉位置限界距離に達しないことを保証しなければならない。設置後に調整が必要となるかもしれない場合、応答機および/または送受信機の補正が必要となる。さらに、空間条件が制限されている場合、応答機および送受信機を相互に対して所要の距離で設置することが必ずしも可能になるわけではない。これは接近保護デバイスが僅かに開いた位置にある場合に、完全に閉鎖された位置であるということが信号で送られるので、機械がオフにならないという影響を及ぼすかもしれない。
【特許文献1】独国特許出願公開第19953898号明細書(DE19953898A1)
【特許文献2】独国特許発明第19928641号明細書(DE19928641C1)
【特許文献3】独国特許出願公開第19711588号明細書(DE19711588A1)
【特許文献4】独国特許出願公開第10230564号明細書(DE10230564A1)
【特許文献5】欧州特許出願公開第0987726号明細書(EP0987726A2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明はより信頼できる位置監視デバイスを提供するという目的に基づくものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明のうち請求項1に係る位置監視デバイスは、第2の部分に対する第1の部分の位置を確認する位置監視デバイスであって、質問信号を送信し、かつ該質問信号に応答して応答機によって送信され得る応答信号を受信する送受信機を前記第1の部分に有する位置監視デバイスにおいて、前記応答機と前記送受信機との間で信号を減衰するスクリーンを備え、前記送受信機、前記スクリーン、および前記応答機から成る群のうち2つの構成要素が相互に対して可動であることを特徴としている。
【0005】
本発明のうち請求項2に係る位置監視デバイスは、請求項1記載の発明において、前記スクリーンは、前記応答機に対して相対的に可動であることを特徴としている。
本発明のうち請求項3に係る位置監視デバイスは、請求項1又は2記載の発明において、前記スクリーンは、異なる遮蔽強度を有する位置間で前記応答機を担持する前記第2の部分に対して相対的様式で位置決め可能であることを特徴としている。
【0006】
本発明のうち請求項4に係る位置監視デバイスは、請求項3記載の発明において、前記第1の部分と前記第2の部分との間の限界距離が前記スクリーンを介して調整可能であることを特徴としている。
本発明のうち請求項5に係る位置監視デバイスは、請求項3記載の発明において、前記第1の部分と前記第2の部分との間の限界位置ずれが前記スクリーンを介して調整可能であることを特徴としている。
【0007】
本発明のうち請求項6に係る位置監視デバイスは、請求項3記載の発明において、前記送受信機の検出領域内の前記応答機の検出時間間隔が、前記スクリーンを介して調整可能であることを特徴としている。
本発明のうち請求項7に係る位置監視デバイスは、請求項3乃至6のうちいずれか一項に記載の発明において、より低い遮蔽強度を有する位置よりも、より高い遮蔽強度を有する位置にある前記スクリーンが、前記応答機または前記送受信機の少なくとも1つのより大きな区間を遮蔽し、かつより短い位置限界距離を定めることを特徴としている。
【0008】
本発明のうち請求項8に係る位置監視デバイスは、請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載の発明において、前記スクリーンが、少なくとも2つの位置において前記応答機または前記送受信機を担持する前記第1の部分又は第2の部分に対して固定され得ることを特徴としている。
本発明のうち請求項9に係る位置監視デバイスは、請求項8記載の発明において、前記スクリーンは、2つの端部位置間で前記応答機を担持する前記第2の部分に対して相対的様式で可動であることを特徴としている。
【0009】
本発明のうち請求項10に係る位置監視デバイスは、請求項1乃至9のうちいずれか一項に記載の発明において、相互に対して可動的様式で前記応答機および前記スクリーンを担持する前記第2の部分を受容するハウジングを備えた無接点位置スイッチとして形成されることを特徴としている。
本発明のうち請求項11に係る位置監視デバイスは、請求項1乃至10のうちいずれか一項に記載の発明において、前記応答機を担持する第2の部分はプランジャであることを特徴としている。
【0010】
本発明のうち請求項12に係る位置監視デバイスは、請求項1乃至11のうちいずれか一項に記載の発明において、前記スクリーンは、前記応答機に対して相対的に可動であるスリーブを有することを特徴としている。
本発明のうち請求項13に係る位置監視デバイスは、請求項1乃至12のうちいずれか一項に記載の発明において、前記送受信機は、前記応答機用の開口部を有することを特徴としている。
【0011】
本発明のうち請求項14に係る位置監視デバイスは、請求項1乃至13のうちいずれか一項に記載の発明において、評価論理部と接続された少なくとも1つの送受信機を介して検出可能である少なくとも2つの応答機が、前記応答機を担持する第2の部分上に設けられていることを特徴としている。
本発明のうち請求項15に係る位置監視デバイスは、請求項14記載の発明において、前記位置監視デバイスを確認するための少なくとも1つの付加的な応答機が設けられたことを特徴としている。
【0012】
本発明のうち請求項16に係る位置監視デバイスは、請求項14又は15記載の発明において、前記応答機の各々について、別個の相対的に静止した送受信機を備えたことを特徴としている。
本発明のうち請求項17に係る位置監視デバイスは、請求項14記載の発明において、2つの前記応答機が、送受信機によって中間位置において検出可能であるとともに、前記中間位置の一方または他方にずれた位置において、前記第2の部分によって搬送可能であり、前記2つの応答機のうちずれている位置の1つが前記送受信機に対してスクリーンによって遮蔽されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る位置監視装置は、第2の部分に対して第1の部分の位置を確認する位置監視デバイスであって、質問信号を送信し、かつ該質問信号に応答して応答機によって送信され得る応答信号を受信する送受信機を第1の部分に有する。そして、応答機と送受信機との間で信号を減衰するスクリーンを備え、送受信機、スクリーン、および応答機から成る群のうち2つの構成要素は相互に対して可動になっている。これによって、位置決めを特定的に正確に調整する必要がないので、他方の部分に対して個々に可動である部分の確実な位置割当てを達成することができる。
【0014】
応答機または送受信機の各場合において種々の遮蔽強度を有する位置の間で調整することのできるスクリーンは応答機と送受信機との間の信号を減衰することができるので、位置限界距離、すなわち相互に対して可動である2つの部分の第1の位置と第2の位置との間の限界距離をゼロから送信/受信力によって規定される最大値まで簡単な方法で設定することができる。位置限界距離を正確に設定できる能力のために信頼性が増大したことに加え、特定の距離を考慮する必要がないので、応答機および送受信機の設置も簡単になる。
【0015】
本位置監視デバイスは便宜的に位置スイッチの形態で設計されてよく、接近保護デバイスの閉位置を監視するのに、かつ一般には第1の部分が第2の部分に近接しているか否かを、例えば、第1の部分が第2の部分に対して引っ込んでいるか、または伸びているかを監視するのに、特に潜在的危険のある機械または機械装置用の接近保護デバイスの閉鎖され得る部分に対して閉鎖部分の閉位置を確認するのに適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
図1に示す位置スイッチは、機械ライニング、機械フェンス等においてゲート開口部または接近開口部の形態で閉鎖することのできる部分2に対して、滑動または旋回するゲートまたはフラップ等の形態で閉鎖部分1の閉位置を確認するようになっている。そして、この位置スイッチは、閉鎖部分1に取り付けられた応答機3と、スクリーン4と、送受信機5とを備えている。送受信機5は、閉鎖することができる部分2に静止的に取り付けられていると共に、ハウジング内に収容されることが好ましい。送受信機5は、直接的に電線ベースでまたはワイヤなしの接続を介して、あるいはバス7、例えば電圧源および信号伝送用の2線バスで、潜在的危険のある機械のスイッチオンおよびスイッチオフの能力を閉鎖部分1の閉位置に依存して制御する機械制御器8に結合された制御論理部6を有している。
【0017】
バス7、別個の端子、バッテリ等を介して給電される制御論理部6は、好適には周期的に送受信機5のコイル9、特に空心コイルを励磁して質問信号を送る。この質問信号はある時間間隔にわたって放射される電磁波である。この電磁波は一定かまたは変動する周波数を有し得、かつ/または、マークされ、例えば情報ビットを増幅または周波数変調した様式で含み得る。
【0018】
質問信号は応答機3内の応答機IC10bに結合されたコイル10a、例えば、バー型コイルによって受信される。受け取られたエネルギーは便宜的に応答機3に動作エネルギーを供給するが、バス7、別個の端子、バッテリ等を介して給電されてもよい。応答機3は質問信号に応答して、便宜的に同じコイル10aを介して、または適切な場合には、さらなるコイルを介して応答信号を送る。最も単純な場合、前記応答信号は特定の周波数を有し得るか、または他の方法でマークされ得、特に情報ビット、例えば、固有の応答機識別子を含み得る。この応答信号はさらに受信された情報ビットに依存し得る。一例を挙げれば、鍵が応答機3に格納されてよく、この鍵を用いて受信された情報ビットが暗号化され、続いて返信される。
【0019】
この応答信号は便宜的にはコイル9を用いて、または適切な場合には送受信機5内のさらなるコイルを用いて受信され、また制御論理部6によって評価され得る。一例を挙げると、制御論理部6は応答信号の周波数または該応答信号のマーキングを評価することができ、故に、特に、特定の応答機3が存在するか否かを確認することができる。この場合、完全に閉鎖された状態であることが確認され、機械制御器8に提供され、特に機械制御器8に送信されるか、または呼び出される準備ができた状態が保持される。応答機3が確認されないか、または正しくない応答機3が確認された場合、開放している閉鎖状態であることが確認され、機械制御器8に提供される。さらなる実施形態では、受信された信号は機械制御器8で評価することができ、この場合、制御論理部6は省略されてよい。
【0020】
閉位置限界距離はスクリーン4を用いて設定され、このスクリーン4は送受信機5と応答機3との間を伝播する種々の程度の信号の減衰を有する位置間で、特に連続的に可変的に調整することができるとともに、応答機3に対して少なくとも2つの位置で、好適にはすべてのまたは複数の位置において、固定、特に固定的にネジ締めまたは固定的に型締めすることができる。この場合、図示したようにスクリーン4は、応答機3を挿入することができかつ応答機3用の取付部を形成する金属のスリーブであってよい。挿入された位置では、スクリーン4は完全にコイル10aを覆って、これにより可能な最大の減衰が達成される。この位置では閉位置限界距離は最小である。つまり、完全に閉鎖状態であるという信号を位置スイッチが送るために、応答機3は送受信機5の非常に近傍になければならない。応答機3がスクリーン4に挿入されていない場合、減衰は最小で、閉位置限界距離は最大である。つまり、応答機3と送受信機5との間に大きな距離が存在する場合であっても、完全な閉鎖状態であるということが信号で送られる。応答機3がスクリーン4にほんの部分的に挿入されている場合、減衰、故に閉位置限界距離は前記2つの極値の間に存在する。
【0021】
したがって、位置スイッチを設置する工程では、まず応答機3をスクリーン4と共に閉鎖部分1上に設置し、送受信機5を閉鎖することのできる部分2上に設置するか、これとは逆に、応答機3および送受信機5が閉鎖状態のゲートにおいて相互に隣接するように、例えば応答機3はゲートのエッジに隣接しかつ送受信機はゲートフレーム上に任意の距離で設置する。応答機3はスクリーン4と共に、例えばピンの形態でまたはボルト用の開口部を有する機械的阻止デバイスの一部として、ゲートの表面から突出してよく、この場合、それに対応する切欠き部が送受信機5に設けられ、特に応答機3の少なくとも一部と共にスクリーン4が接近保護デバイスの閉鎖状態で係合するコイル9の内側を通って延在してよい。
【0022】
この後、閉位置限界距離が、接近保護デバイスの完全な閉鎖状態と開放した閉鎖状態とを確実に区別することができるように、応答機3に対してスクリーン4をずらすか、またはスクリーン4に対して応答機3をずらすことによって設定される。
金属のスリーブの代わりに、スクリーン4は、減衰位置では応答機3のコイル10aの少なくとも一部を覆う金属シートまたは格子、あるいは他の構造体として形成されてもよい。スクリーン4は、付加的にまたは別の場合には、送受信機5上に設置されてもよい。
【0023】
応答機3がコイル9の内部に係合する実施形態では、スクリーン4は、コイル9に挿入することができかつ適切な場合には軸方向に変動する減衰力を有し、この目的のために例えば一端が他端より厚くなっている内部スリーブであってよい。
図1に関して、部分1は図面の平面に対して垂直方向に可動であると仮定すると、スクリーン4を位置決めすることによって、応答機3が送受信機5の読取領域内に依然として存在する側方への変位を調整することが可能となる。したがって、読取領域内の応答機3の持続時間、故に応答機3の検出時間を調整することも可能である。部分1が応答機3と共に部分2に対して回転する場合、応答機3がスクリーン4の位置によって依然として検出される最小および最大の回転速度を調整することが可能である。
【0024】
図2に示した実施形態の場合、移動の方向に互いにある距離離れた、例えば長手方向に移動可能である静止的または可動的な部分11上に配置された2つの応答機3a、3bが提供される。2つの応答機3a、3bの各々に関し、コイル9a、9bが静止的に配置され、このコイルは各々の場合、それらの部分について評価論理部12に接続された別個の送受信機6a、6bに接続されている。適切な場合、図示したようにコイル9a、9bは部分11を包囲し得る。部分11および例えば遮蔽スリーブであるスクリーン4は、スクリーン4が個々の端位置において2つの応答機3a、3bの一方をそのコイル9aまたは9bに対して遮蔽することができるように、例えば2つの位置間を、相互に対して可動である。
【0025】
部分11、例えばボルトは、例えばゲートなどの閉鎖部分上を矢印14に従ってその長手方向に可動的であってよく、同時に、閉鎖部分に関してスクリーン4は、機械ライニング内にゲートまたは接近開口部を有する壁、フェンス等の形態の静止的に閉鎖可能な部分上に配置されるか、またはそれに動的に結合されている。個々の応答機3a、3bに対するスクリーン4の相対位置に従って、このように閉鎖部分の閉鎖状態または開放状態を確認することが可能となる。十分なレベルのエコーが応答機3a、3bのいずれかから来ない場合、閉鎖部分は開放状態である。応答機3a、3bの両方から、または2つの応答機3a、3bの特定の一方のみからエコーが戻ってくる場合、まだ閉位置には達していない。対照的に、2つの応答機3a、3bの特定の他方のみが応答する場合、閉鎖部分は閉鎖することのできる部分に対して閉鎖状態にある。
【0026】
しかし、例えば応答機3a、3bを有する部分11に対して、スクリーンを担持する部分の引っ込んだ状態または伸びた状態が存在するかどうかを確認することができるように、別の部分に対して伸び得るか、または動き得る部分、例えば滑動ゲートも、この場合に関与し得る。
適切な場合、スクリーンによって応答機の1つを遮蔽することにより決定される種々の状態の伸びを検出するために、関連するコイルおよび送受信機と共に相互に対してある距離で配置された3つ以上の応答機3a、3bが提供されてよい。
【0027】
部分11は、ハウジング13に対して可動である部分に結合されるようにそのハウジング13内で移動可能な様式で、無接点位置スイッチのプランジャとして形成されてもよい。
適切な場合、さらなる応答機14a、14bが少なくとも2つのコイル9a、9bの各々に対して静止した状態で配置されるように設けられてもよく、上記のように位置監視デバイスの機能性を試験できるようにコイル9a、9bの各々によってさらなる応答機が呼び出され得る。
【0028】
複数の位置スイッチを設ける場合、個々のハウジング13は少なくとも1つの窓15を備えてよく、少なくとも1つの付加的な応答機14a、14bがハウジング13が取り付けられる部分に配置され、バスの7上の異なる場所に位置する位置スイッチ信号を区別するために個々の位置スイッチに対応するアドレスを供給するために、この応答機は対応するコイル9a、9bによって永久的に検出され得る。個々の応答機14a、14bが個々のコイル9a、9bについて存在している場合、機能性を試験する上記可能性が与えられる。
【0029】
図3の実施形態の場合には、スクリーン4は等距離にある穴16を備えたシートストリップから成り、可動部分1に固定され、これにより応答機3および送受信機5は部分1に対し、故にスクリーン4に対して静止している。このため、ある種の電磁的「光障壁」によって、例えば部分2に対する部分1の回転速度または長手方向速度が、応答機3とスクリーン4によって生じる遮断との間を検出する時間距離に従って決定され得る。
【0030】
ケーブルラインスイッチの形態の図4の実施形態の場合、部分1の長手方向に相互に離間した2つの応答機3a、3bを備えたプランジャ形態の部分1は、ハウジング17内で導かれ、ハウジング17の外部に延び、通常は張られた状態のケーブルライン18を備えている。スリーブ様であってよく、かつ送受信機5のコイル9に対して応答機3a、3bを遮蔽することのできる2つのスクリーン4a、4bが設けられている。部分1はバネ19によって、ハウジング17に対してケーブルライン18の張力とは反対方向に偏る。ケーブルライン18は、応答機3a、3bの両方がコイル9の読取領域内に存在しているように、応答機3a、3bの中間位置であり、故にスクリーン4a、4bの中間位置である開始位置に部分1を保持する。ケーブルライン18が起動されている、すなわち、引っ張られている場合、応答機3bはスクリーン4bの領域に達するので、コイル9によってそれ以上検出することができない。これによってコイル9を介して対応する信号が放出される。ケーブルライン18が破断してケーブルラインスイッチが故障する場合、バネ19は応答機3aがスクリーン4aの領域に達する場所で部分1を押すので、コイル9は応答機3aをそれ以上検出できない。このように応答機のコードのために、スイッチの故障が検出可能であり、相当する故障信号が生成され得る。
【0031】
電子的(デジタル式またはアナログ式)送信機に接続可能な応答機3を使用することも可能である。次に、応答機3は応答信号を介してスイッチング状態および測定値を送ることができる。回転する部分1の情報および測定値を静止部分2に送信する必要がある場合、これが使用されてよい。
金属スクリーン4の代わりに、強磁性プラスチック材料等の1つを使用することが可能である。
スクリーン4はスリーブ状である必要はなく、任意の幾何学形態を取ることもでき、例えば板状または球状であってよい。
本発明を好適な実施形態を参照して示し、説明してきたが、当業者には多くの変更および変形が本特許請求の範囲に定められた本発明の精神および範囲から逸脱することなくなされてよいことが明白であるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】位置スイッチ形態の位置監視デバイスの第1の例示的実施形態を示す略図である。
【図2】位置監視デバイスの第2の例示的実施形態を示す略図である。
【図3】位置監視デバイスの第3の例示的実施形態を示す略図である。
【図4】ケーブルラインスイッチ形態の位置監視デバイスの第4の例示的実施形態を示す略図である。
【符号の説明】
【0033】
1、2 第1の部分、第2の部分
3、3a、3b、14a、14b 応答機
4、4a、4b スクリーン
5、6、6a、6b 送受信機
12 評価論理部
13 ハウジング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の部分に対する第1の部分の位置を確認する位置監視デバイスであって、質問信号を送信し、かつ該質問信号に応答して応答機によって送信され得る応答信号を受信する送受信機を前記第1の部分に有する位置監視デバイスにおいて、
前記応答機と前記送受信機との間で信号を減衰するスクリーンを備え、前記送受信機、前記スクリーン、および前記応答機から成る群のうち2つの構成要素が相互に対して可動であることを特徴とする位置監視デバイス。
【請求項2】
前記スクリーンは、前記応答機に対して相対的に可動であることを特徴とする請求項1記載の位置監視デバイス。
【請求項3】
前記スクリーンは、異なる遮蔽強度を有する位置間で前記応答機を担持する前記第2の部分に対して相対的様式で位置決め可能であることを特徴とする請求項1又は2記載の位置監視デバイス。
【請求項4】
前記第1の部分と前記第2の部分との間の限界距離が前記スクリーンを介して調整可能であることを特徴とする請求項3記載の位置監視デバイス。
【請求項5】
前記第1の部分と前記第2の部分との間の限界位置ずれが前記スクリーンを介して調整可能であることを特徴とする請求項3記載の位置監視デバイス。
【請求項6】
前記送受信機の検出領域内の前記応答機の検出時間間隔が、前記スクリーンを介して調整可能であることを特徴とする請求項3記載の位置監視デバイス。
【請求項7】
より低い遮蔽強度を有する位置よりも、より高い遮蔽強度を有する位置にある前記スクリーンが、前記応答機または前記送受信機の少なくとも1つのより大きな区間を遮蔽し、かつより短い位置限界距離を定めることを特徴とする請求項3乃至6のうちいずれか一項に記載の位置監視デバイス。
【請求項8】
前記スクリーンが、少なくとも2つの位置において前記応答機または前記送受信機を担持する前記第1の部分又は第2の部分に対して固定され得ることを特徴とする請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載の位置監視デバイス。
【請求項9】
前記スクリーンは、2つの端部位置間で前記応答機を担持する前記第2の部分に対して相対的様式で可動であることを特徴とする請求項8記載の位置監視デバイス。
【請求項10】
相互に対して可動的様式で前記応答機および前記スクリーンを担持する前記第2の部分を受容するハウジングを備えた無接点位置スイッチとして形成されることを特徴とする請求項1乃至9のうちいずれか一項に記載の位置監視デバイス。
【請求項11】
前記応答機を担持する第2の部分はプランジャであることを特徴とする請求項1乃至10のうちいずれか一項に記載の位置監視デバイス。
【請求項12】
前記スクリーンは、前記応答機に対して相対的に可動であるスリーブを有することを特徴とする請求項1乃至11のうちいずれか一項に記載の位置監視デバイス。
【請求項13】
前記送受信機は、前記応答機用の開口部を有することを特徴とする請求項1乃至12のうちいずれか一項に記載の位置監視デバイス。
【請求項14】
評価論理部と接続された少なくとも1つの送受信機を介して検出可能である少なくとも2つの応答機が、前記応答機を担持する第2の部分上に設けられていることを特徴とする請求項1乃至13のうちいずれか一項に記載の位置監視デバイス。
【請求項15】
前記位置監視デバイスを確認するための少なくとも1つの付加的な応答機が設けられたことを特徴とする請求項14記載の位置監視デバイス。
【請求項16】
前記応答機の各々について、別個の相対的に静止した送受信機を備えたことを特徴とする請求項14又は15記載の位置監視デバイス。
【請求項17】
2つの前記応答機が、送受信機によって中間位置において検出可能であるとともに、前記中間位置の一方または他方にずれた位置において、前記第2の部分によって搬送可能であり、前記2つの応答機のうちずれている位置の1つが前記送受信機に対してスクリーンによって遮蔽されることを特徴とする請求項14記載の位置監視デバイス。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−90545(P2006−90545A)
【公開日】平成18年4月6日(2006.4.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−270236(P2005−270236)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(504312737)カー.アー.シュマーサル ホールディンク カーゲー (4)
【氏名又は名称原語表記】K.A.Schmersal Holding KG
【住所又は居所原語表記】Moeddinghofe 30,42279 Wuppertal,Germany
【Fターム(参考)】