説明

低い構造伸びを有するケーブル

スチールコード(212)とポリマー材料(215)とを含むケーブル(211)が提供される。スチールコード(212)のスチールフィラメント(213)には、ポリマー材料(215)を浸透させる前に接着剤がコーティングされる。本発明のケーブル(211)は、0.025%未満の構造伸びと、スチールコード(212)のEモジュールよりも4%大きいEモジュールとを有する。これら2つの改善によって、特定の荷重におけるケーブル全体の伸びがさらに減少する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はケーブルに関する。特に本発明は、限定された伸びを有するケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
ケーブル、特に制御ケーブルは、窓昇降システムのケーブル、スクーター、自転車、およびその他の乗り物のブレーキ(braks)の開閉に使用されるケーブルなどの動きを伝達するために広く使用されている。これらおよび多くの他の用途において、ケーブルの伸びが限定されることが必要とされる。
【0003】
ラジアルタイヤを補強するスチールコード、伝動ベルト、タイミングベルト、または巻き上げ用平ベルトを補強するケーブルなど、ポリマー材料を補強するための引張部材としてもケーブルは広く使用されている。これらの用途でも、ケーブルの伸びが限定されることが必要とされる。
【0004】
一般に、従来技術のケーブルの引張曲線は、図1に示されるような「ホッケー用スティック型」曲線の形態をとる。初期伸び期間では、ケーブルの伸びは大きく、張力は低く、曲線は比較的平坦になる。最終伸び期間では、ケーブルの伸びは、図1の線120で示されるようにケーブルの張力に対してほぼ直線となる。張力の増加とともに、ケーブルの伸びは徐々に増加する。この段階では、ケーブルの伸び増加はケーブルの張力の増加に比例し、すなわちΔε=Δδ/Eとなり、式中、Δεはケーブルの伸びの増加であり、Δδはケーブルの張力の増加であり、Eはケーブルのモジュール(module)である。これは弾性伸びと呼ばれる。線120を横軸と交差するまで延ばすと、その交点ε0は、ケーブルの低引張応力における構造伸びを表す。したがって、ある引張応力におけるケーブルの伸びはε=ε0+δ/Eで表すことができる。この式から、ある引張応力におけるケーブル全体の伸びは、構造伸びおよび弾性伸びの2つの部分を含むことが分かる。
【0005】
したがって、限定された伸びを有するケーブルを得るためには2つの方法が存在する。1つの方法は、ケーブルの構造伸びを減少させることであり、もう1つの方法は、ケーブルのEモジュールが増加すると張力下での伸びが減少するので、ケーブルのEモジュールを増加させることである。
【0006】
さらに、ケーブルの構造、ケーブルのフィラメント間の空隙、およびケーブル化の間のフィラメントの予備張力などの、ケーブルの構造伸びを決定する多数の要因が存在するため、ケーブルの構造伸びε0は不安定で予測不可能である。したがって、ケーブルの構造伸びの不安定で予測不可能な挙動のために、張力下でのケーブル全体の伸びの予測に問題が生じ、たとえば高精度タイミングベルトを製造する機械の始動中により多くの破壊が生じる。したがって、構造伸びε0をさらに減少させる、またはほとんどなくすことによって、ケーブルの張力下で予測性を改善し、製造プロセスを促進することができる。
【0007】
国際公開第03044267号には、450Nの力を加えた後に50Nの永久力において0.05%未満の限定された伸びを有するケーブルが開示されている。この改善は、スチールコードとポリマー材料とを含むコードによって達成される。この低い伸びは、ポリマー材料をスチールコード中に浸透させることに非常に関連しているが、浸透率および押出プロセスの圧力に関して制限が存在する。
【0008】
国際公開第2005043003号には、低い構造伸びを有する細いスチールコードが開示されている。この低い構造伸びは特殊なケーブル化プロセスを使用することによって達成される。この特殊なケーブル化プロセスは、ケーブル化プロセスの生産性が低下するだけでなく、フィラメントまたはストランドの張力を設定するために時間がかかる微調整が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的の1つは、従来技術の欠点を解消することである。ケーブル化プロセスの製造プロセスを複雑化することなくケーブルの伸びをさらに制限することも本発明の目的の1つである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によると、スチールコードとポリマー材料とを含むケーブルが提供される。スチールコードのスチールフィラメントには、ポリマー材料を浸透させる前に接着剤がコーティングされる。本発明のケーブルは0.025%未満の構造伸びを有する。さらに、本発明のケーブルのEモジュールは、裸のスチールコードのEモジュールよりも4%を超えて増加する。これら2つの改善によって、特定の荷重におけるケーブル全体の伸びがさらに減少する。
【0011】
本発明の主題としてのケーブルはスチールコードを含み、そのスチールコードは数本のスチールフィラメントを含む。
【0012】
スチールコード用のスチールフィラメントの引張強度は、好ましくは1700N/mmを超え、または2200N/mmを超え、さらには2600N/mmを超え、最も好ましくは3000N/mmを超え、さらには4000N/mmを超える。このフィラメントの直径は400μm未満、好ましくは210μm未満、最も好ましくは110μm未満である。
【0013】
すべてのフィラメントが同一の直径を有することができる。場合によりフィラメントの直径は互いに異なっていてもよい。好ましくは、ケーブルの内部ストランドを形成するフィラメントの直径は、フィラメントの外部ストランドまたは外層をケーブルに形成するために使用されるフィラメントの直径よりも大きく、これによってケーブルの空間内へのポリマー材料の浸透が改善される。
【0014】
スチールコードは、数本のスチールフィラメントのストランドである内層またはコアを有する。このようなコアの周囲には、追加のスチール要素の少なくとも1つの層が設けられる。追加層のスチール要素は、スチールフィラメント、またはスチールフィラメントを含むスチールストランドのいずれかであってよい。種々のスチールコード構造を使用することができる。
【0015】
本発明の例としては以下のものが挙げられる:
たとえばm×n型のマルチストランドスチールコード、すなわちn本のスチールフィラメントについて各々m本のストランドを含むスチールコード、たとえば4×7×0.10、7×7×0.18、8×7×0.18、または3×3×0.18;最後の数字は、単位mmで表される該スチールフィラメントの直径である;
c本の金属フィラメントの1本のコアストランドと、該コアストランドを取り囲むn本のスチールフィラメントのm本のストランドとを含むマルチストランドスチールコード。これらのスチールコードを以降c+m×n型コードと呼び、たとえば19+9×7または19+8×7コードと呼ぶ;
ウォリントン(Warrington)型スチールコード;
たとえば1×n型のコンパクトコード、すなわちn本のスチールフィラメントを含むスチールコードであって、nは8を超え、1つのステップで1方向にのみ撚り合わされて、たとえば1×9×0.18のコンパクト断面を有する;最後の数字は、単位mmで表される該スチールフィラメントの直径である;
たとえばc+m(+n)型の層状スチールコード、すなわちc本のフィラメントのコアが、m本のフィラメントの1層で取り囲まれ、場合によりn本のフィラメントの別の1層でも取り囲まれたスチールコード、たとえば2+4×0.18;最後の数字は、単位mmで表される該スチールフィラメントの直径である。
【0016】
スチールコードの鋼組成は、好ましくは普通炭素鋼組成であり、すなわち一般に、最低炭素含有率が0.40%(たとえば少なくとも0.60%、または少なくとも0.80%であり、最高1.1%)、マンガン含有率が0.10〜0.90%の範囲内であり、ケイ素含有率が0.10〜0.90%の範囲内であり、硫黄およびリン含有率はそれぞれ好ましくは0.03%未満に維持され、クロム(最高0.2〜0.4%)、ホウ素、コバルト、ニッケル、バナジウムなどの追加のマイクロ合金化元素を組成に加えることができるが、ステンレス鋼組成が除外されるものではない。該スチールフィラメントおよび該スチールコードの製造は、湿式伸線の後にケーブル化またはバンチングを行う周知の従来技術により行われる。
【0017】
場合により行われる洗浄作業の後、該スチールコードとポリマー材料との間の接着を改善するために当分野において周知である有機官能性シラン、有機官能性チタネート、および有機官能性ジルコネートから選択される接着剤をスチールコードにコーティングする。限定するものではないが、好ましくは、有機官能性シランは次式の化合物から選択され:
Y−(CH−SiX
上式中、
Yは、−NH、CH=CH−、CH=C(CH)COO−、2,3−エポキシプロポキシ、HS−、およびCl−から選択される該有機官能基を表し、
Xは、−OR、−OC(=O)R’、−Clから選択されるケイ素官能基を表し、RおよびR’は独立にC1〜C4アルキルから選択され、好ましくは−CH、および−Cであり;
nは0〜10の間、好ましくは0〜3の間の整数である。
【0018】
前述の有機官能性シラン以外に、市場で市販される他のスチール用PU接着剤が存在する。これらはケモシル(Chemosil)(ドイツ企業のヘンケル(Henkel)製造)およびケムロック(Chemlock)(ロード・コーポレーション(Lord Corporation)製造)の名称で販売されている。
【0019】
本発明において使用されるポリマー材料は、十分な接着力でスチールコードに好都合に適用することができるあらゆるエラストマー材料であってよい。より好ましくは熱可塑性エラストマー(TPE)を使用することができる。非限定的な例は、ポリスチレン/エラストマーブロックコポリマー、ポリウレタン(PU)またはポリウレタンコポリマー、ポリアミド/エラストマーブロックコポリマー、熱可塑性加硫物である。好ましくは熱可塑性ポリウレタンが使用される。エステル、エーテルもしくはカーボネートポリウレタンのホモポリマー、ならびに、コポリマーまたはポリマーブレンドを使用することができる。好ましくは、このポリマー材料は30A〜90Dの間のショア硬度を有する。
【0020】
本発明の主題のケーブルのポリマー浸透率は70%を超え、好ましくは90%を超える。本発明の主題のケーブルを得るために使用されるスチールコードは、スチールコード構造を使用してスチールコードに変形される数本のスチールフィラメントを含む。このスチールコード構造のために、コードのスチール要素のスチールフィラメントの間に空間が形成される。該スチール要素の間にも空間が形成される。本明細書において以下で使用される「空間」は、スチールによって領域が占有されていない、スチールコードの半径方向断面を取り囲む仮想円の内側に位置するコードの半径方向断面の全領域として理解すべきである。したがって、本発明のケーブルのポリマー浸透率は、スチールによって占められていない空間に対するポリマーによって満たされた空間のパーセント比として定義される。
【0021】
本発明のポリマーコーティングの厚さは100μm未満、好ましくは10μm未満である。本発明の主題のケーブルを得るために使用されるスチールコードの光学直径は、スチールコードの半径方向断面を取り囲む最小仮想円の直径である。本発明のケーブルの光学直径は、ケーブルの半径方向断面を取り囲む最小仮想円の直径である。したがって、ポリマーの厚さは、ケーブルとスチールコードとの間の光学直径の差の半分として定義される。
【0022】
これより添付の図面を参照しながら本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来技術のケーブルの引張曲線の一例である。
【図2】本発明を具体化するケーブルの断面図の一例である。
【図3】本発明を具体化するケーブルの引張曲線の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1には、従来技術のケーブルの引張曲線110が示され、線120はケーブルのEモジュールを示している。線120は、横軸まで延びて交点ε0で交差し、交点ε0は、ケーブルの低引張応力における構造伸びを示す。
【0025】
図2に示されるような、本発明を具体化するケーブルの断面図が存在する。ケーブル211は、1本のスチールコード212を含み、このスチールコード212は数本のスチールフィラメント213を含む。この実施形態は、7本のストランド219を有し、各ストランドが直径dmmの7本のスチールフィラメント213を有する「7×7×d」構造のスチールコードを示している。このスチールコードは光学コード直径214を有する。このスチールコードはポリマー材料215でコーティングされ、それによって光学ケーブル直径216を有する本発明の主題としてのケーブル211が得られる。ポリマーコーティングの厚さ217は、光学コード直径と光学ケーブル直径との間の差の半分である。図2に示されるように、好ましくは異なるスチールフィラメント213の間の空間218は、ポリマー材料215で実質的に満たされる。
【0026】
図3中に本発明を具体化するケーブルの引張曲線310が示され、線320はケーブルのEモジュールを示している。線320は、横軸まで延びて交点ε0で交差し、交点ε0は、ケーブルの低引張応力における構造伸びを示す。
【0027】
以下の表中に、従来技術のケーブルと本発明を具体化するケーブルとの間の比較試験を示している。この試験はISO試験方法ISO RA−30−203に準拠してズウィックZ020(Zwick−Z020)試験機上で行われる。1回の試験が終了した後、この試験機は、試験体の以下の試験結果および引張曲線を自動的に提供することができる。
【0028】
比較試験1:
従来技術:1×3+5×7×0.15スチールコード;
本発明:接着剤処理およびPUコーティングを有する1×3+5×7×0.15スチールコード。
【0029】
【表1】

【0030】
この試験結果は、本発明が、ケーブルの構造伸びが74%だけ実質的に減少しただけでなく、さらにケーブルのEモジュールも9.6%だけ改善されたことを示している。これら2つの改善によって、特定の荷重における伸びに関して実質的に向上し、50Nにおける全体の伸びが52%減少している。さらに、図1および3中の引張曲線もこの改善を示している。
【0031】
比較試験2:
従来技術1:7×3×0.15スチールコード;
従来技術2:PUコーティングを有する7×3×0.15スチールコード;
本発明:接着剤処理およびPUコーティングを有する7×3×0.15スチールコード。
【0032】
【表2】

【0033】
この試験結果は、ケーブルの構造伸びが91%だけ実質的に減少しただけでなく、さらにケーブルのEモジュールも4%だけ改善されたことを示している。これら2つの改善によって、特定の荷重における伸びに関して実質的に向上し、50Nにおける全体の伸びが35%減少している。さらに、図1および3中の引張曲線もこの改善を示している。
【0034】
従来技術と比較すると、ポリマー材料を適用する前のスチールフィラメントの表面上に接着剤を使用することで、ポリマー材料の内側のスチールフィラメントの固定がさらに改善される。スチールコードのスチールフィラメントは、ポリマー材料で満たされていない一部の空間でさえも滑りや回転が抑制され、それによってケーブルの構造伸びがさらに制限される。さらに、ポリマー材料の内側のスチールフィラメントの固定が改善されることで、スチールフィラメントとポリマー材料との間で滑りや剥離が生じないため、ケーブルのEモジュールも改善される。
【0035】
本発明のさらなる改善は、ケーブルのポリマーコーティングの厚さを特徴とする。わずか10μmポリマーコーティングを有するケーブルは、ケーブルの直径をわずかに増加させるだけであり、このことは、歯付きベルトを補強する引張部材として使用されるケーブルの場合に特に有益である。歯付きベルトは半開放金型中で成形され、その場合、金型内にポリマー材料が注がれるか低圧で押し出されるかするため、金型内部のポリマー材料は、引張部材の間での流動が制限され、最終的に要求される形状(歯付、平坦、平滑など)が形成される。したがって、10μm未満のポリマーコーティングを有する細いケーブルは、金型内部をポリマー材料が流動して平坦および平滑なベルトを形成するためのより多くの空間が残る。
【0036】
10μm未満のポリマーコーティングを有するこの細いケーブルの別の用途の1つは、窓昇降システム用である。窓昇降システムに使用されるケーブルは、他の部品と接続するためにケーブル末端で金属製ニップルによって留める必要があるため、厚いポリマーコーティングを有するケーブルでは、ケーブル末端とニップルとの間の確実な接続を保証できない。ニップルはポリマーコーティング上に留められ、ポリマーコーティングはその張力を内側のスチールコードに伝達する。ポリマー材料の引張強度はスチールコードの引張強度よりもはるかに低いため、ケーブルとニップルとの間の接続は低い荷重で破壊され、ケーブルの荷重伝達能力は、この弱点のために徐々に低下する。10μm未満のポリマーコーティングを有するケーブルが窓昇降システム中に使用される場合、ポリマー材料の薄いコーティングが変形するため、金属製ニップルはスチールコードに直接留められる。このような適用によってケーブルとニップルとの間の接続が確実となり、この系の弱点が解消される。さらに、コーティング厚さが10μm未満、さらには0μmである場合、外側からのケーブルは、裸のケーブルと実質的に同じであり、同じ摩擦および摩耗特性を有する。このことは、案内部品、ケーブルチューブなどの交換が不要となるため、ケーブルシステム中に裸のケーブルの代わりにこのような製品を使用したい場合に非常に好都合となり得る。
【0037】
本発明の別の改善は、エレベーターロープなどの巻き上げ用途のマルチストランドロープの製造に本発明の主題のケーブルを使用することである。最初に、エレベーター業界は、限定された伸びを有するロープが探し求められている。本発明のストランドは限定された伸びを有するので、そのロープも限定された伸びを有する。したがって、本発明を使用したエレベーターロープはこの要求を満たす。第2に、エレベーター産業は、小さな滑車直径で使用可能なロープを探し求めている。標準的なエレベーターでは、一般に許容されている滑車直径「d」のロープ直径「D」に対する比が40となるロープが使用されている。従来のすべてのスチール製のロープがd/D比が40未満となる条件で使用される、ロープの疲労寿命が大きく低下する。これらの条件下でのロープの破壊の原因の1つは、ストランド間およびワイヤ間の過度のフレッティングである。ロープ上のポリマーコーティングはフレッティングを軽減し、ロープの疲労寿命を改善することができるが、耐久性ポリマーシースを確保するために厚いポリマーコーティングが必要となり、厚いコーティングはロープの直径を増加させる。本発明はこのジレンマを解決する。一方では、スチールストランドはポリマーをコーティングすることでフレッティングが軽減される。他方では、接着剤処理によって、スチールとポリマーとの間の接続が改善され、薄いコーティングが可能となる。したがって、本発明のケーブルから作製されたロープは巻き上げ用途に適している。
【符号の説明】
【0038】
項目110は従来技術のケーブルの引張曲線であり;
項目120は従来技術のケーブルのEモジュールを示す線であり;
項目211は本発明を具体化するケーブルであり;
項目212は本発明を具体化するケーブル用のスチールコードであり;
項目213は本発明を具体化するケーブル用のスチールフィラメントであり;
項目214は本発明を具体化するケーブル用のスチールコードの光学直径であり;
項目215は本発明を具体化するケーブルに使用されるポリマー材料であり;
項目216は本発明を具体化するケーブルの光学直径であり;
項目217は本発明を具体化するケーブルポリマーコーティングの厚さであり;
項目218は本発明を具体化するケーブル中の空間であり;
項目219は本発明を具体化するケーブル用のスチールストランドであり;
項目310は本発明を具体化するケーブルの引張曲線であり;
項目320は本発明を具体化するケーブルのEモジュールを示す線であり;
ε0はケーブルの構造伸びであり;
F(N)はニュートンの単位での試験体に対する力であり;
E(%)はパーセントの単位での試験体の伸びである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルの構造伸びが0.025%未満であることを特徴とするスチールコードとポリマー材料とを含むケーブル。
【請求項2】
前記ケーブルのEモジュールが前記スチールコードのEモジュールよりも4%大きいことを特徴とする、請求項1に記載のケーブル。
【請求項3】
ポリマー充填率が70%を超えることを特徴とする、請求項1および2のいずれか一項に記載に記載のケーブル。
【請求項4】
ポリマー充填率が90%を超えることを特徴とする、請求項3に記載のケーブル。
【請求項5】
ポリマーコーティングの厚さが100μm未満であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のケーブル。
【請求項6】
ポリマーコーティングの厚さが10μm未満であることを特徴とする、請求項5に記載のケーブル。
【請求項7】
前記ポリマー材料が熱可塑性ポリマーであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のケーブル。
【請求項8】
前記熱可塑性ポリマーがポリウレタンであることを特徴とする、請求項7に記載のケーブル。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の少なくとも1つのケーブルを含むロープ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−515833(P2010−515833A)
【公表日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−545160(P2009−545160)
【出願日】平成20年1月4日(2008.1.4)
【国際出願番号】PCT/EP2008/050053
【国際公開番号】WO2008/084010
【国際公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(592014377)ナムローゼ・フェンノートシャップ・ベーカート・ソシエテ・アノニム (81)
【氏名又は名称原語表記】N V BEKAERT SOCIETE ANONYME
【Fターム(参考)】