説明

低エネルギー電子衝撃によって物体を殺菌するための装置および方法

【課題】本発明は、処理チャンバ(16)を通過する軸線(A)に沿って電子ビームを発生させることが可能な殺菌手段(18)を含んだ、低エネルギー電子衝撃によって物体(2)を殺菌するための装置(1)に関するものである。
【解決手段】本発明によれば、装置は、物体と殺菌手段との間の軸線(A’)まわりの相対的回転移動を生じさせることが可能なように構成された機械式モジュール(12)を含んでおり、軸線(A’)は、殺菌手段によって発生される電子ビームの軸線(A)が、軸線(A’)まわりの相対的回転移動中に、物体の外面を連続的に通過するように選択されている。加えて、装置は、軸線(A’)に関して直交するように方向付けられた軸線(A”)まわりに物体を回転させることが可能な機械式モジュール(22)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般に、物体の外面に対する低エネルギー電子衝撃によって物体を殺菌する分野に関するものである。
【0002】
それは特に、排他的ではないが、低エネルギー電子衝撃による略直方体形状を有する物体の殺菌に適用され、該物体は、例えば医療用注射器のような好ましくは化学的に予備殺菌された多数のエレメントを含んだ閉鎖された容器に相当する「タブ(tubs)」と呼ばれるものである。
【0003】
より詳しくは、本発明は、物体の表面に対する低エネルギー電子衝撃によって物体を殺菌するための装置と、そのような装置によって実行されうる殺菌方法とに関するものである。
【背景技術】
【0004】
従来技術は、低エネルギー電子衝撃によって、つまり約400KeVよりも小さいエネルギーによって略直方体形状の物体を殺菌するための装置を含んでいる。
【0005】
このため、これらの装置は一般に、約200KeVの3つの低エネルギー加速器/銃タイプソースを備えており、該ソースは、物体を処理のために並進移動させて通過させる処理チャンバのまわりに、互いに関して120°で配置されている。このようにして、物体が処理チャンバを連続的を通過していくのにしたがい、各物体の外面は、注意深く位置決めされた上述のソースからの3つの電子ビームの組合せにより、360°にわたって同時に照らされる。
【0006】
このタイプの装置は、特に電子ビームの光浸透力および生成される殺胞子効果に関連するその有効性により、そしてまた、その急速処理および提供される安全性により、申し分ないものであることが分かっている。
【0007】
それにもかかわらず、この装置は、各物体の全ての外面の照射によって殺菌を実行するためには3つの異なった低エネルギー加速器/銃タイプソースを必要とするという事実に存在する重大な不具合を有している。もちろん、3つの複雑な低エネルギーソースの存在が必要となることに関連するこの制約は、装置を非常に高価なものとし、したがってそれは、完全には最適化されない。
【0008】
さらに、この装置が特に大きな空間を要求することも、他の不具合を構成していることに留意されたい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、従来技術に関して上述した不具合を少なくとも部分的に克服する、物体の表面に対する低エネルギー電子衝撃によって物体を殺菌するための装置と、そのような装置によって実行されうる殺菌方法とを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このため、本発明はまず、前記物体の外面に対する低エネルギー電子衝撃によって物体を殺菌するための装置に関するものであり、該装置は、装置の処理チャンバを通過する軸線Aに沿って低エネルギー電子ビームを発生させることができる殺菌手段を含んでいる。本発明によれば、それはまた、処理チャンバの内側に配置された処理される物体の殺菌中に、物体と殺菌手段との間の軸線A’まわりの相対的回転移動を生じさせることができるように構成された第1の機械式モジュールを含んでおり、該軸線A’は、前記軸線A’まわりの相対的回転移動の間に、殺菌手段によって発生される電子ビームの軸線Aが物体の外面を連続的に通過するように選択されている。加えて、該装置は、前記処理チャンバの内側に配置された物体が第1の機械式モジュールから解放されたときに、軸線A’に関して直交して方向付けられた軸線A”まわりの物体の回転を生じさせることができるように構成された第2の機械式モジュールを備えている。
【0011】
言い換えると、本発明の特徴の1つは、前記相対的回転移動の間に物体の外面が連続的にかつ次第に処理されるように、殺菌手段と物体との間の相対的回転移動をもたらすことからなっている。
【0012】
本発明による装置では、共同してかつ同時に物体の外面を360°にわたって照らすように意図された3つの異なった低エネルギーソースの使用が、もはや必要なくなることが有利である。実際、提案された構成では、相対的回転移動の任意の時間tにおいて軸線Aに沿った電子ビームが物体の外面を360°より小さい角度でのみ照らす単一の低エネルギーソースを使用することにより、殺菌される物体を処理することができる。そしてそれは、物体の外面を連続的に通過する軸線A’に関する、好ましくは軸線Aに対して直角となる軸線A’に関する、前記外面が360°にわたって照らされて次第に処理されることを可能にする相対的回転移動の作用となる。
【0013】
もちろん、1つの低エネルギー加速器/銃タイプソースのみが必要となることは、全体的なコストのかなり減少と、従来技術で周知の装置に比べて必要な空間の減少とにつながる。
【0014】
本発明による装置は、好ましくは、殺菌される各物体が、装置の入口に配置されたコンベアとこの装置の出口に配置された製品アイソレータとの間の全通路において、自動的に取り扱われるように構成されている。
【0015】
したがって、該装置は、入口コンベア上を連続的に移動する複数の物体を受け入れるためのものであって、それらのそれぞれが連続して処理チャンバに入るように意図されているものに適していることに留意されたい。該装置は、好ましくは、1物体/分のオーダーのいわゆる「低」レートで作動するように意図されており、例えば、装置の入口と出口との間の30秒の搬送と、物体の外面を殺菌するために電子衝撃による30秒の実際の処理とに相当する。
【0016】
軸線A’に沿った相対的回転移動の間に、殺菌手段によって発生される電子ビームが連続的に物体を照らす本発明による装置は、本来、好ましくは「タブ」を含む任意の形状の物体を処理するために適しており、該物体は、例えば医療用の注射器のための略直方体形状を有している。もちろん、例えば円形横断面を有する円筒形形状のような、表面が殺菌される他の形状の物体も、本発明の範囲を逸脱することなく考慮することができる。
【0017】
加えて、該装置は、本来、物体が装置内へ搬送されるフェーズ中に、処理チャンバを通した空気流の調節を保証するように構成されていることに留意されたい。
【0018】
さらに、上述したように軸線A”まわりの回転を作用させることにより、第1の機械式モジュールを使用して軸線A’まわりで360°にわたってスキャニングした後に、軸線A’まわりの第1の回転の間に処理されなかった物体の面の処理を考慮することができる。この特徴は、タブなどの略直方体形状を有する物体を殺菌するように装置が意図されている場合に、特に有利である。
【0019】
第1の機械式モジュールは、好ましくは、前記処理チャンバの内側に配置された処理される物体の殺菌中に、物体および殺菌手段から選択された2つのエレメントのうちのいずれか1つと協働して、このエレメントを軸線A’まわりに回転させるように制御される。このようにして、殺菌手段が装置上で静止したままとなっている間に物体に回転を作用させることによって、前述の相対的回転移動が好ましく得られるが、その逆も明らかに考慮できることが理解されるべきである。
【0020】
上述したように、該装置は、好ましくは、処理される物体が第1の機械式モジュールと協働して軸線A’まわりに回転されるように意図されたエレメントを構成し、そして、殺菌手段が装置に固定的に取り付けられるように構成されている。
【0021】
そのような場合、第1の機械式モジュールは、処理される物体を把持するための手段を備え、第1のモジュールが、把持手段と協働して物体を処理チャンバ内へ移動させるように意図された第1の移動手段を備えることができ、この物体の第1の面が軸線Aによって好ましくは垂直に通過されるようにする。加えて、第1の機械式モジュールはまた、軸線Aに関して直交しかつ物体の第2の面に関して直交して方向付けられた軸線A’まわりに、物体および把持手段を回転させるように構成された第2の移動手段を含み、第2の機械式モジュールは、処理チャンバの内側で把持手段から解放された物体を、軸線A’と前記第2の面に垂直な物体の面のうちのいずれかとに関して直交して方向付けられた軸線A”まわりに約90°回転させるように構成された第3の移動手段を含んでいる。
【0022】
これまでに説明されてきた第1および第2の機械式モジュールを有するそのような構造では、該装置は、以下でより詳細に説明されるように、直方体物体の6つの面を殺菌するのに完全に適している。
【0023】
第2の機械式モジュールは、好ましくは、物体を軸線A”にしたがって並進させて移動させるように構成された第4の移動手段を備え、第3の移動手段によって生じるこの同一の軸線A”に関する約90°のその回転の間に、前記把持手段から物体を分離するようにする。もちろん、これらの第4の手段はまた、前記回転が実行された後に、把持手段の方へ物体を移動させることを可能にしている。この点に関して、第1の機械式モジュールは、その把持手段が、第3の移動手段によって生じる約90°の回転を受けた後の略直方体形状を有する物体に再び係合するように構成されかつ制御され、物体が、第2の移動手段によって軸線A’まわりに回転されるようにすることに留意されたい。当然、軸線A’に関するこの第2の回転は、基本的に、この同一の軸線に関する第1の360°回転の間に処理されなかった平行六面体物体の2つの平行な面を殺菌するように意図されている。それにもかかわらず、それは選択的に、第1の回転の間に既に殺菌されたが、前記軸線A’に関する物体の第2の回転の間にも電子ビームによって照らされる他の2つの面の処理を完了するように使用されることができる。
【0024】
また、好ましくは、軸線A”は、装置の高さの方向Zに方向付けられ、軸線Aは、装置内における物体の前方への移動方向Xに方向付けられ、方向XおよびZは、互いに直交している。この点に関して、軸線Aも、好ましくは高さの方向Zに方向付けられる。
【0025】
該装置はまた、入口ロックおよび出口ロックを含み、これら該ロックに連通する処理チャンバをそれらの間に有し、処理チャンバと2つの入口および出口ロックとは、方向Xにおいて位置合わせされる。そのような場合、第1の移動手段は、入口ロックおよび処理チャンバの間と、前記処理チャンバおよび出口ロックの間とにおいて、把持手段によって保持された物体の方向Xにおける並進移動を可能にするように構成されている。
【0026】
好ましくは、閉鎖位置での2つの入口および出口ロックと処理チャンバとが、共同でシールされていないシールド筐体を形成し、したがって、電子ビームから全体の生物学的保護部を許容するが、特に2つのロックの閉鎖部の場所において空気が通過するのを許容し続ける。
【0027】
2つの入口および出口ロックのそれぞれは、好ましくは、方向Zに方向付けられたエレベータに関連付けされており、これは、そのような装置の必要空間がかなり減少することを可能にする。さらに、2つのエレベータのそれぞれは、物体のためのキャリアとして機能するシールドされた可動プレートを備え、該プレートが、それが関連するロックの閉鎖を確実に行うように構成され、したがって、上述した一部分がシールされていないシールド筐体を構成する。
【0028】
加えて、2つのエレベータは、それぞれ物体を移動させることができる入口コンベアおよび出口コンベアとそれぞれ協働する。したがって、出口コンベアは、殺菌された物体が送出される製品アイソレータにつながっている。
【0029】
加えて、本発明はまた、物体の外面に対する低エネルギー電子衝撃によって物体を殺菌するための方法であって、上述したような装置によって実行される特徴を有した方法に関するものである。
【0030】
言い換えると、この方法は、一般に、処理される物体を処理チャンバ内へ運び込んだ後に、第1の機械式モジュールによって物体と殺菌手段との間の軸線A’まわりの相対的回転移動を作用させることを含んでおり、該軸線A’は、殺菌手段によって発生される電子ビームの軸線Aが、前記軸線A’まわりのこの相対的回転移動の間に、物体の外面を連続的に通過するように選択されている。
【0031】
本発明の他の利点および特徴は、限定されない以下の詳細な説明において明らかになるであろう。
【0032】
この説明は、添付図面に関して提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
まず図1および2の両方を参照すると、低エネルギー電子衝撃によって物体2を殺菌するための装置1を見ることができ、該装置1は特に、略直方体形状を有する物体を処理するためのものとされている。
【0034】
上述したように、この形状は特に、例えば1つのタブにつき100個とされる多数のエレメントを含むタブの形状に相当しており、該エレメントは、医療用注射器のように好ましくは化学的に予備殺菌されている。
【0035】
装置1は、水平平面として特徴付けされうるフロア4に配置されている。したがって、当該説明は、互いに直角の方向X、YおよびZであって、グラウンド4に平行であるとともに装置内における物体の前方移動の方向に一致する方向Xと、装置の横方向に一致するとともにグラウンド4に平行な方向Yと、前記グラウンド4に対して直角である高さの方向に一致する方向Zと、を参照してなされていることに留意されたい。
【0036】
一般に、装置は、以下のエレメントを備えており、該エレメントは、入口コンベア6と、入口エレベータ8と、入口ロック10と、物体2を移動させるための第1の機械式モジュール12と、オゾン排出パイプ14と、「焼成トンネル(firing tunnel)」とも呼ばれる処理チャンバ16と、ケーシング20の内側に配置された殺菌手段18と、物体2を移動させるための第2の機械式モジュール22と、出口ロック24と、出口エレベータ26と、出口コンベア28と、その内部に殺菌された物体2が送出される製品アイソレータ30とである。
【0037】
入口コンベア6は、処理される物体2を実質的に方向Xに移動させるホイール付き重力コンベアである。それは、下方部分にゲート32を備えており、該ゲート32は、電磁石(図示せず)によって、あるいは当業者に周知の他のタイプのアクチュエータによって制御され、物体2が1つずつ解放されることを可能にして、それらが連続してかつ自動的に重力によって入口エレベータ8に入るようにする。図1に見られるように、入口コンベア6の端部分は、好ましくはステンレス鋼からなる保護壁によって取り囲まれており、該壁は、入口エレベータ8の下方部分に延びている。
【0038】
入口エレベータ8はまた、その上方部分に保護二重壁を備えており、該保護二重壁は、ステンレス鋼の不浸透性コーティングと、好ましくは鉛からなるシールドコーティングとを備えている。装置1における他のシールドされたエレメントに関して、エレベータ8を取り囲むシールドコーティングは、主に、処理中の殺菌手段18によって放出される電子ビームからの全体の生物学的保護部を提供するように機能する。
【0039】
加えて、エレベータ8は、コンベア6からの物体2のためのキャリアとして機能するシールド可動プレート34を有しており、該プレート34は、方向Zに移動されることができる。その下方位置において、プレート34が実質的に入口コンベア6における方向Xでの延長部に配置されていることに留意されたい。
【0040】
方向Zにおけるエレベータ8、つまり上方側へのエレベータ8の右側は、入口ロック10であり、該入口ロック10は、方向Xに隣接する処理チャンバ16の方へ開口した平行六面体ボックスの形をなす保護二重壁によって画成されている。この保護二重壁はまた、不浸透性のステンレス鋼と、15mmのオーダーの厚みを有する、好ましくは鉛からなるシールドコーティングとを備えている。
【0041】
第1の機械式モジュール12は、前記ボックスの外面YZに、つまり、方向YおよびZによって規定される平面内に方向付けられた外面YZに固定的に取り付けられている一方、オゾン排出パイプ14は、この同一のボックスの上の面XYに、つまり、方向XおよびZによって規定された平面内に方向付けられた面XYに取り付けられている。この点に関しては、シールドプレート34が、その上方位置において上述した保護ボックスの下面XYを構成するように意図されており、該保護ボックスは、内側における面YZが自発的に省略されて、入口ロック10と隣接する処理チャンバ16との間の連通を許容していることを明記しておく。したがって、プレート34は、その位置に応じて、上述の生物学的保護部を備えた入口ロック10の開閉を確実に行うことができる。
【0042】
処理チャンバ16は、方向Xにおける入口ロック10の延長部に配置され、そしてまた、この同一の方向Xにおける両側で開口した略平行六面体ボックスの形をなす保護二重壁によって画成されている。ここで再び、保護二重壁は、ステンレス鋼の不浸透性コーティングと、15mmのオーダーの厚みを有する、好ましくは鉛からなるシールドコーティングとを備えている。それにもかかわらず、このボックスの上面XY、つまり、方向XおよびYによって規定される平面内に方向付けられた上面XYは、殺菌手段18が配置される1つの不浸透性コーティングのみを有していることに留意されたい。これらの手段はまた、シールドケーシング20の内側に配置されており、該シールドケーシング20は、約15mmの厚みの鉛からなり、かつ、処理チャンバ16を画成する前述のボックスよりも上に配置されている。
【0043】
軸線Aに沿った低エネルギー電子ビームを発生させることができる殺菌手段18は、400KeVよりも下のエネルギーレベルを有する、例えば200のKeVのオーダーとされる、好ましくは電子銃あるいは加速器の形態をなしている。この銃18はしたがって、処理チャンバ16の縁部に、好ましくは図2に明確に見られるように方向Zで隣接して、装置1に固定的に取り付けられている。したがって、それらは、処理チャンバ6を通過するとともに方向Zと平行に方向付けられた軸線Aに沿って、電子ビームを放出することができる。加えて、これらの殺菌手段18は、周知の様式で、銃の端部に電子ビームスキャニングホーン(図示せず)を含んでおり、該電子ビームスキャニングホーンは、電子のための出口窓を画成し、方向Xにしたがうように方向付けられている。
【0044】
第2の機械式モジュール22は、以下で詳細に説明されるように、前述したボックスの内側で面XYに取り付けられている。
【0045】
出口ロック24は、方向Xにおける処理チャンバ16の延長部に配置され、そしてまた、処理チャンバ16の方へ開口した平行六面体ボックスの形をなす保護二重壁によって画成されている。この保護二重壁は、ステンレス鋼の不浸透性コーティングと、15mmのオーダーの厚みを有する好ましくは鉛からなるシールドコーティングとを備えている。
【0046】
方向Zとは反対方向における出口ロック24、つまり下方側への出口ロック24の右側は、出口エレベータ26であり、該出口エレベータはまた、その上方部分に保護二重壁を備え、該保護二重壁は、ステンレス鋼の不浸透性コーティングと、好ましくは鉛からなるシールドコーティングとを備えている。
【0047】
加えて、エレベータ26は、出口ロック24からの物体2のためのキャリアとして機能するシールド可動プレート36を有しており、該プレート36は、方向Zに移動されることができる。この点に関しては、シールドプレート36が、その上方位置において出口ロック24を画成する保護ボックスの下面XYを構成するように意図されており、該出口ロックは、内側における面YZが自発的に省略されて、入口ロック24と隣接する処理チャンバ16との間の連通を許容していることを明記しておく。したがって、プレート36は、その位置に応じて、出口ロック24の開閉を確実に行うことができる。
【0048】
加えて、その下方位置において、プレート36が実質的に出口コンベア28における方向Xでの延長部に配置されていることに留意されたい。入口コンベア6と同様に、出口コンベア28は、処理される物体2を実質的に方向Xに移動させるホイール付き重力コンベアである。図1に見られるように、出口コンベアの最初の部分は、好ましくはステンレス鋼からなる保護壁によって取り囲まれており、該壁は、出口エレベータ26の下方部分に延びている。
【0049】
最後に、出口コンベア28が製品アイソレータ30につながっていることに留意されたい。
【0050】
以下、図3および4を参照して、第1の機械式モジュール12を説明する。
【0051】
一般に、この第1の機械式モジュール12は、処理される物体2を把持するための手段38、40と、方向Xに方向付けられた軸線A’にしたがって、それゆえ軸線Aに対して直角の軸線A’にしたがって前記物体2を装置1の内側において並進させて移動させるように意図された第1の移動手段42と、前記物体2を装置1の内側において前記同一の軸線A’まわりに回転させて移動させるように意図された第2の移動手段と、を備えている。これらの第2の手段は、図1および2のみに示されており、それらが符号44で示されていることに留意されたい。実際には、これらの第2の手段44は、ドライブピニオン46と軸線A’にその軸線が結合されたギアアセンブリ48とによって、図3に示されるすべてのアセンブリを回転させるように意図されており、該ドライブピニオンおよびギアアセンブリは、ロック10、26と処理チャンバ16とによって共同で形成されたシールド筐体に対して外部に取り付けられている。加えて、図1も参照すると、第1のモジュール12は、円形横断面を有したケーシングの形をなす不浸透性のシールドされた保護二重壁49を備えており、その中には図3に示されるアセンブリが挿入されている。
【0052】
把持手段は、平面YZ内に実質的にしたがって方向付けられた2つの平行な把持面38および40を有しており、そのそれぞれが、図4に見られるように、物体2の周縁部47に係合するために方向Xに延びる歯49を備えている。処理される物体2を軸線A’まわりのその回転中に把持手段が保持するように意図されているならば、これらの歯49はもちろん、前述した周縁部46の上および下に配置されるように分散される。
【0053】
面38は、第1の機械式モジュール12の主アーム50の端部に配置されており、方向Xに延びるアーム50は、明瞭さの分かりきった理由のために1つのみが図3に示された2つの平行のトラック53に沿って、この同一方向にスライドするように意図されている。加えて、最外面40は、第1の機械式モジュール12の副アーム54の端部に配置されたフレーム52に属しており、該フレーム52は、物体2を方向Zに通過させることが可能な十ように分に大きいサイズを有している。加えて、アーム54はまた、方向Xに延びており、そして、主アーム50に対して、好ましくはその上に配置されて、方向Xにスライドするように意図されている。このオプションは、ドライブピニオン58によって制御される副アーム54上のラック56の存在によって提供される。したがって、このドライブピニオン58を作動させることにより、2つの把持面38、40の間の方向Xにおける距離を制御することが可能であり、主として、保持される物体2のサイズに関するこの上記距離を調節する。
【0054】
前記図3も参照すると、副アーム54を支持する主アーム50のスライドが可能なように意図された第1の移動手段42は、この同一のアーム50に配置されたドライブピニオン60およびラック62を含んでいる。
【0055】
第1の機械式モジュール12のドライブピニオン46に関しては、このモジュールのモータとドライブピニオン58および60とが、図1および2に見られるように、装置のシールドの外側に配置されている。
【0056】
図5を参照して、第2の機械式モジュール22を説明する。
【0057】
一般に、この第2の機械式モジュール22は、処理される物体2を支持するための手段64と、方向Zに方向付けられるとともに好ましくは電子ビームの軸線Aに結合された軸線A”のまわりに、物体2を装置1の内側において回転させて移動させるように意図された第3の移動手段66と、物体2を装置1の内側において前記軸線A”にしたがって並進させて移動させるように意図された第4の移動手段67と、を備えている。加えて、第2のモジュール22は、円形横断面を有したケーシングの形をなす不浸透性のシールドされた保護二重壁68を備えていることが図1に見受けられ、その中には図5に示されたアセンブリが挿入されている。
【0058】
モジュール22は、軸線A”に沿って方向付けられたアーム70を有しており、その上方端部は、物体2が重力によって載置されることが可能なサポート手段64とされている。加えて、このアーム70は、このアーム70に対して機械的に接続されたギアアセンブリ72を含む第3の移動手段66に結合されており、該ギアアセンブリ72は、軸線A”と軸線を共有し、かつ、同じく第3の手段66に属するドライブピニオン74と協働している。好ましくは、エレメント72、74が、より詳しくは保護二重壁68によって保護された装置のシールドの外側に配置されている。
【0059】
加えて、第4の移動手段67は、ドライブピニオン76を含み、そのモータはまた、保護二重壁68によって設けられたシールドの外側に設けられており、該ドライブピニオン76は、アーム70に直接形成されたラックと協働して、アーム70を方向Zにスライドさせることを許容する。
【0060】
本発明の好ましい実施例による低エネルギー電子衝撃によって物体を殺菌するための方法を実行中の装置1の動作を説明する。
【0061】
最初に、以下で示されるすべての動作は、適切なコンピュータ手段(図示せず)で自動化されることができるものであり、物体のそれぞれがコンベア6と製品アイソレータ30との間の全通路において完全に自動的に取り扱われる前には、殺菌される物体2をオペレーターが入口コンベア6に手動で配置する必要があるのみとできることに留意されたい。
【0062】
ゲート32の作動は、物体2を入口コンベア6から解放させ、該物体2はその後、重力によって、より詳しくは下方位置に保持されたプレート34上をスライドして、入口エレベータ8に自動的に入ることができる。
【0063】
それから、プレート34が入口ロック10を閉鎖する上方位置まで上昇し、前記プレート34によって支持された物体2が把持手段の2つの面38、40に侵入し、その分離が結果的に固定される。ドライブピニオン58および60は、面38、40が一緒に移動するように作動させられ、それらの歯49は、図4で符号80によって示されたいわゆる第2の面で、平行な平面YZ内に方向付けられた物体2の2つの対向する面の周縁部47にそれぞれ係合する。
【0064】
この第2の面80は、したがって、軸線A’に関して直交して配置されており、好ましくは軸線A’が通過する。
【0065】
それから、プレート34が、連続的な生物学的鉛保護を保証しつつ、わずかに下降され、そして、第1の移動手段42が、方向Xへの主アーム50の移動によって物体2を方向Xに並進させて処理チャンバ16の方へ移動させるように作動させられる。ドライブピニオン58が明らかに静止したままとなるようなこの移動を生じさせるドライブピニオン60は、平面XY内に方向付けられた物体2の上面に、好ましくは中央に、軸線A’が直交して通過したときに停止する。この上方のいわゆる第1の面は、図4で符号82によって示されている。
【0066】
このとき、表面が電子衝撃によって処理される物体2は、図6aに概略的に示されるように、処理チャンバ16の内側に配置されている。エレベータ26のプレート36は、シールされない様式で出口ロック24を閉鎖するように上方位置にあり、前記ロックは、入口ロック10およびチャンバ16と共同で、電子ビームから全体の生物学的保護部を提供する、シールされていないシールド筐体を構成する。入口ロック10および出口ロック24のシールされない閉鎖は、空気が前述の筐体に供給されることを可能にし、これは、電子衝撃によって生成されるとともにパイプ14によって放出されるように意図されたオゾンを希釈するために役立つ。さらに、このシールされた閉鎖は、アイソレータ30の無菌保護部にとって有利な空気循環の案内につながる。
【0067】
この段階で、殺菌手段18が、それから軸線Aに沿った前述の電子ビームを発生させるように実行され、前記ビームの焦点が固定されて実質的に第1の側面82の全面を照らすことができるか、あるいは、下方焦点によるビームのスキャニングが方向Xに作用させられる。実際には、この後者の場合、適用される振動周波数は、適用される回転速度で処理される物体の全面を照らすように、ビームにとって十分に高い。
【0068】
同時に、第1の機械式モジュール12の第2の移動手段44が、ドライブピニオン46によって作動させられ、物体2を軸線A’まわりに回転させて移動させる。
【0069】
軸線A’まわりに物体2を回転させるこのフェーズは、固定電子ビームの軸線Aが物体2の面のうちの1つを連続的に通過している間、前記物体が完全に回転させられるまで適用される、つまり図3に示された第1の機械式モジュール12の全体が前記軸線A’まわりの360°回転を実行するまで、適用される。
【0070】
したがって、物体2を回転させるこの第1のフェーズ中、第1の面82を含む前記物体の6つの面のうちの4つが、低エネルギー電子衝撃によって処理されうる。加えて、これらの4つの面のそれぞれが、ビームの軸線Aに垂直にさらされることになる。
【0071】
当然、満足な処理を得るため、殺菌手段18の供給電流/電力を制御することが可能であり、この第1の回転フェーズの終わりにおいて、4つの面のそれぞれが略同一かつ均一のユニット照射量を有する。軸線A’まわりに物体2を回転させている間に電子ビームの電力を変化させたいという願望は、これらの面は殺菌手段18から実質的に長い距離で電子ビームにさらされるという事実により、もちろん動機付けされる。実際、例として、殺菌手段18のベース55と処理される物体2の外面との間の垂直距離は、回転中に、85mm〜215mmの間で変化することができる。代わりに、物体によって受け入れられる照射量はまた、処理される物体2の位置に対する殺菌手段18の位置を制御することによって調整されてもよいことに留意されたい。
【0072】
第1の回転フェーズの後、物体2は、したがって、図6aに示すようにその最初の位置に戻る。このとき、第2の機械式モジュール22の第4の移動手段67が、サポート手段64を物体2の下面と接触するまで方向Zに移動させるように作動させられる。
【0073】
ドライブピニオン58および60は、それから、面38、40を互いに分離させるように作動させられ、そして、それらの歯49が物体2の周縁部47を解放する。この動作が一旦完了すると、物体2が第4の移動手段67によって方向Zに再び移動して、この同一の物体は、支障なく軸線Aまわりに回転することが可能なように、把持手段38、40およびフレーム52から十分に遠ざかる。
【0074】
実際には、第3の移動手段66が、前記軸線A”まわりに90°あるい270°とされる角度で物体2を回転させるために、ドライブピニオン74によって作動させられる。
【0075】
それから、第4の移動手段67が再び動かされて、物体2を把持手段38、40と協働可能な位置に下ろして戻し、該把持手段38、40がそれからまた互いの方へ向かって移動するように戻され、それらの歯49が物体2の他の2つの面の周縁部47にそれぞれ係合する。これが達成されると、ドライブピニオン76によってサポート手段64がそれらの当初の載置位置まで下方側へ移動され、それらが軸線A’まわりに回転する物体2に対する障害とならないようになる。
【0076】
図6bに見られるように、したがってそれは、第1および第2の面82、80に対して直角の2つの面のうちの1つであって軸線A’が直交して通過し、いわゆる第3の面が図6bにおいて符号84によって示されている。加えて、第1の面82は、平面XY内に方向付けられた上面のままとなっており、かつ、依然として電子ビームの軸線Aが直交して通過するようになっている。
【0077】
第1の機械式モジュール12の第2の移動手段44は、ドライブピニオン46によって再び作動させられ、物体2を軸線A’まわりに回転させて移動させる。
【0078】
軸線A’まわりに物体2を回転させるこの第2のフェーズは、固定電子ビームの軸線Aが物体2の面のうちの1つを連続的に通過している間、好ましくは前記物体が完全に回転するまで適用される。
【0079】
したがって、軸線A’まわりに物体2を回転させるこの第2のフェーズ中に、前記物体の6つの面のうちの4つが、低エネルギー電子衝撃によって処理されることができ、該面は、第1の面80とそれに平行かつ反対側の面とを含み、該2つの面は、第1の回転フェーズ中に処理されなかった唯一のものである。
【0080】
ここで、再び、満足な処理を得るため、殺菌手段18の供給電流/電力を制御することが可能であり、この第2の回転フェーズの終わりにおいて、4つの面のそれぞれが略同一かつ均一のユニット照射量を有することに留意されたい。処理される物体2の位置に関して殺菌手段18の位置を制御できるという代替例もまた考慮することができる。目安として、第1の物体回転フェーズにおいて面のうちの2つが既に処理されると、これら2つの面の処理が第1の回転フェーズにおいて既に実行された処理に関する最小の相補的処理のみを構成するように、制御が実行されることができる。それにもかかわらず、当然、2つの回転フェーズのそれぞれの間に軸線Aが通過する2つの面の殺菌を確実に行うための他の解決法を考慮でき、例えば、前記2つの回転のそれぞれの間に処理の半分が提供される解決法、あるいは、これらの2つのフェーズのうちの1つの間に必要なすべての処理が提供される解決法を考慮できる。
【0081】
また、第2の回転フェーズのおわりに、殺菌手段によって物体2を照らす終わりをマーキングすると、物体は、第1の移動手段42によって方向Xに移動する前に、図面6bに示される位置に戻される。この並進は、物体2が出口ロック24に到達したときに停止され、出口エレベータ26のプレート36の右側にかつほとんど接触するようにして配置される。
【0082】
ドライブピニオン58および60はそれから、面38、40が互いに分離するように作動させられ、それらの歯49が物体2の周縁部47を解放する。方向Zとは反対方向、つまり下方側にエレベータ24によって移動させられる物体2は、プレート36が下方位置に到達したときに停止され、該下方位置では、前記物体2が重力により、製品アイソレータ30へ物体を運び込む出口コンベア28に自動的に搬送される。
【0083】
該方法は、好ましくは、処理される物体2がプレート36上に降ろされるフェーズ中に、前記物体2が、例えば入口エレベータ8で入口ロック10に移動させられることによって、装置1におけるそのコースを開始するように実行されることを明記しておく。
【0084】
最後に、プレート34でロック10を閉鎖することにより、かつ、シールされたシールド筐体を通してアイソレータ30からの殺菌薬剤を循環させることにより、装置1の従来の殺菌が実行でき、該薬剤は、第1の機械式モジュール12のケーシング49の形をなす保護二重壁の自由端部に取り付けられた導管88と、パイプ14とを通して放出できることを示しておく。装置1を殺菌するこのフェーズ中、プレート34は、入口ロック10の開口部のまわりに設けられたシールジョイント(図示せず)を押圧することができる位置に移動され、求められるものとは違って、電子衝撃による物体2の殺菌中に、入口ロック10が密閉シールされることに留意されたい。装置1を殺菌する動作中、殺菌薬剤はそれから、アイソレータ30から入口ロック10まで移動する方向に循環される。
【0085】
図7を参照すると、低エネルギー電子衝撃によって物体2を殺菌するための装置1を見ることができ、該装置1が、本発明の他の好ましい実施例で示されている。
【0086】
上述した図面1〜6bに示された実施例に関するいくつかの違いが見受けられる。まず、殺菌手段18が、第1の機械式モジュール(符号を付けていない)により、軸線A’まわりに旋回可能に取り付けられているという事実に大きな相違点が存在していることに留意されたい。実際には、それは、低エネルギー電子衝撃処理中に、静止したままの物体2のまわりで軸線A’に関して回転する殺菌手段18である。
【0087】
加えて、この軸線A’は、物体2が装置1の内側で並進して移動するときにしたがうことができる軸線のままである。これは、2つの略同軸のアーム150、154によって達成され、そのそれぞれは、物体2の2つの対向する面YZにそれぞれ接触するように意図された把持面138、140を支持している。したがって、2つのアーム150、154はそれぞれ、上述の実施例に示されたものに類似する手段の補助により、方向Xにスライドすることができ、そして、それらのそれぞれは、装置の1つの側面に、例えば入口ロック10上および出口ロック24上のそれぞれに取り付けられている。
【0088】
加えて、図示されていないが、入口および出口エレベータを取り除くことができ、これは、入口および出口コンベア(図7に示されていない)が、直接的にかつ個々に、装置1の入口および出口ロック(図7に示されていない)につながっていることを意味する。そのような場合、これらのコンベアは、生物学的保護部を設けるようにバッフルを形成する。
【0089】
その上述した相違点のそれぞれは、本発明の範囲から逸脱することなく、図1〜6bに示された実施例の装置1に適用されることを明記しておく。
【0090】
もちろん、当業者により、単に非限定的な例として説明されてきた物体の殺菌のための装置1および方法に対して、様々な修正を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の好ましい実施例による低エネルギー電子衝撃によって物体を殺菌するための装置の斜視図である。
【図2】明瞭さのために装置のいくつかのエレメントを自発的に省略したバージョンの図1に類似した図である。
【図3】図1に示された装置の第1の機械式モジュールの一部の斜視図である。
【図4】図3の部分拡大斜視図であって、より詳しくは、第1の機械式モジュールの把持手段を示す図である。
【図5】図1に示された装置の第2の機械式モジュールの斜視図である。
【図6a】装置におけるその処理の異なるステージでの物体の位置を図解する正面図である。
【図6b】装置におけるその処理の異なるステージでの物体の位置を図解する正面図である。
【図7】本発明の他の好ましい実施例による低エネルギー電子衝撃によって物体を殺菌するための装置の部分斜視図である。
【符号の説明】
【0092】
1 装置
2 物体
6 入口コンベア
8 エレベータ
10 入口ロック
12 第1の機械式モジュール
16 処理チャンバ
18 殺菌手段
22 第2の機械式モジュール
24 出口ロック
26 エレベータ
28 出口コンベア
30 製品アイソレータ
34 プレート
36 プレート
38 把持手段
40 把持手段
42 第1の移動手段
44 第2の移動手段
66 第3の移動手段
67 第4の移動手段
80 第2の面
82 第1の面
A 軸線
A’ 軸線
A” 軸線
X 方向
Y 方向
Z 方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前記物体の外面に対する低エネルギー電子衝撃によって物体を殺菌するための装置(1)において、
該装置は、装置の処理チャンバ(16)を通過する軸線(A)に沿って低エネルギー電子ビームを発生させることができる殺菌手段(18)を含み、該装置はまた、処理チャンバ(16)の内側に配置された処理される物体(2)の殺菌中に、物体(2)と前記殺菌手段(18)との間の軸線(A’)まわりの相対的回転移動を生じさせることができるように構成された第1の機械式モジュール(12)を含み、該軸線(A’)は、前記殺菌手段(18)によって発生される前記電子ビームの軸線(A)が、前記軸線(A’)まわりの相対的回転移動の間に、物体(2)の外面を連続的に通過するように選択されており、
該装置は、前記処理チャンバ(16)の内側に配置された物体(2)が第1の機械式モジュール(12)から解放されたときに、軸線(A’)に関して直交して方向付けられた軸線(A”)まわりの物体(2)の回転を生じさせることができるように構成された第2の機械式モジュール(22)を備えていることを特徴とする装置。
【請求項2】
請求項1に記載の物体を殺菌するための装置(1)において、
前記第1の機械式モジュール(12)は、前記処理チャンバ(16)の内側に配置された処理される物体(2)の殺菌中に、前記物体(2)および前記殺菌手段(18)から選択された2つのエレメントのうちのいずれか1つと協働して、前記エレメントを前記軸線(A’)まわりに回転させるように制御されることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1に記載の物体を殺菌するための装置(1)において、
処理される物体(2)が、第1の機械式モジュール(12)と協働して前記軸線(A’)まわりに回転して移動されるように意図されたエレメントを構成し、かつ、前記殺菌手段(18)が、装置に固定的に取り付けられていることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項3に記載の物体を殺菌するための装置(1)において、
略直方体形状を有する物体を殺菌するように意図されていることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項4に記載の物体を殺菌するための装置(1)において、
前記第1の機械式モジュール(12)は、処理される物体(2)を把持するための手段(38、40)を備え、第1のモジュール(12)は、把持手段(38、40)と協働して前記物体(2)を処理チャンバ(16)内へ動かすように意図されて、この物体(2)の第1の面(82)が軸線(A)によって通過されるようにする第1の移動手段(42)を備え、第1の機械式モジュール(12)はまた、軸線(A)と物体(2)の第2の面(80)とに関して直交して方向付けられた軸線(A’)まわりに物体(2)および把持手段(38、40)を回転させるように構成された第2の移動手段(44)を含んでおり、
第2の機械式モジュール(44)は、処理チャンバ(16)の内側で把持手段(38、40)から解放された物体(2)を、軸線(A’)と前記第2の面(80)に垂直な物体(2)の面のうちのいずれか1つとに関して直交して方向付けられた軸線(A”)まわりに、約90°回転させるように構成された第3の移動手段(66)を含んでいることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項5に記載の物体を殺菌するための装置(1)において、
前記第2の機械式モジュール(22)は、前記物体(2)を軸線(A”)にしたがって並進させて移動させるように構成された第4の移動手段(67)を備え、第3の移動手段(66)によって生じる同一の前記軸線(A”)に関する約90°のその回転の間に、前記把持手段(38、40)から遠ざけるようにすることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項6に記載の物体を殺菌するための装置(1)において、
前記第1の機械式モジュール(12)は、その把持手段(38、40)が、第3の移動手段(66)によって約90°回転されて移動された略直方体形状を有する物体(2)に再び係合するように構成されかつ制御され、前記物体(2)が、第2の移動手段(44)によって軸線(A’)まわりに回転して移動されるようにすることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項7に記載の物体を殺菌するための装置(1)において、
前記軸線(A”)は、装置の高さの方向(Z)に方向付けられ、前記軸線(A)は、装置内における物体の前方への移動の方向(X)に方向付けられ、該方向(X)および(Z)は、互いに直交していることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項8に記載の物体を殺菌するための装置(1)において、
前記軸線(A)も、装置の高さの方向(Z)に方向付けられていることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の物体を殺菌するための装置(1)において、
該装置は、入口ロック(10)および出口ロック(24)を含み、それらの間には両ロックに連通する前記処理チャンバ(16)を含み、処理チャンバ(16)と2つの入口および出口ロック(10、24)とが前記方向(X)において位置合わせされていることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項10に記載の物体を殺菌するための装置(1)において、
前記第1の移動手段(42)が、入口ロック(10)と処理チャンバ(16)との間、および、処理チャンバ(16)と出口ロック(24)との間で、把持手段(38、40)によって保持された物体(2)の方向(X)における並進移動を許容するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項10または11に記載の物体を殺菌するための装置(1)において、
閉鎖位置における2つの入口および出口ロック(10、24)と、前記処理チャンバ(16)とが、共同して、シールされていないシールド筐体を形成することを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項10〜12のいずれかに記載の物体を殺菌するための装置(1)において、
2つの入口および出口ロック(10、24)のそれぞれが、方向(Z)に方向付けられたエレベータ(8、26)と関連していることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項13に記載の物体を殺菌するための装置(1)において、
2つのエレベータ(8、26)のそれぞれが、物体(2)のためのキャリアとして機能するシールドされた可動プレート(34、36)を備え、該プレート(34、36)は、それが関連するロック(10、24)の閉鎖を保証するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項13または14に記載の物体を殺菌するための装置(1)において、
2つのエレベータ(8、26)は、それぞれ前記物体を移動させることができる入口コンベア(6)および出口コンベア(28)とそれぞれ協働することを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項15に記載の物体を殺菌するための装置(1)において、
前記出口コンベア(28)は、殺菌された物体が送出される製品アイソレータ(30)につながっていることを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項10〜16のいずれかに記載の物体を殺菌するための装置(1)において、
前記第1の機械式モジュール(12)は、前記入口ロック(10)に固定的に取り付けられていることを特徴とする装置。
【請求項18】
請求1〜17のいずれかに記載の物体を殺菌するための装置(1)において、
低エネルギー電子ビームを発生させることのできる殺菌手段(18)が、前記処理チャンバ(16)の周囲に取り付けられた電子銃の形をとっていることを特徴とする装置。
【請求項19】
物体の外面に対する低エネルギー電子衝撃によって物体を殺菌するための方法において、
請求項1〜18のいずれかに記載の装置(1)を使用して実行されることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−212434(P2006−212434A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−23295(P2006−23295)
【出願日】平成18年1月31日(2006.1.31)
【出願人】(506034743)リナック・テクノロジーズ・エスエーエス (2)
【Fターム(参考)】