説明

低圧ガス配管の安全バルブ

【課題】本発明は、製鉄所などの大型工場で発生した廃ガスが移動する大型管路に設置され、メンテナンス費用を低減させることができる、低圧ガス配管の安全バルブに関する。
【解決手段】本発明の低圧ガス配管の安全バルブは、廃ガス管路に提供されて、凝縮水を排出する凝縮水安全バルブにおいて、廃ガス管路の底面に連結されて、一側内壁に廃ガス管路が提供される第1管路、前記第1管路から延長されて折り曲げられて、第1管路と並んだ方向に延長される第2管路、および廃ガス排出口を開けたり閉じたりする開閉器を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低圧ガス配管の安全バルブに関し、より詳しくは、製鉄所などの大型工場で発生した廃ガスが移動する大型管路に設置され、メンテナンス費用を低減させることができる低圧ガス配管の安全バルブに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、製鉄所などの工場を稼動する過程で大量の廃ガスが発生する。このような廃ガスは、多様な有害物質、水分、そして油分などを含む。廃ガスは、廃ガス処理施設に連結された大型管路に沿って移動して処理される。
【0003】
このように廃ガスが移動する大型管路には、約千個の凝縮水排出のためのバルブが連結される。このような凝縮水排出バルブは、廃ガスで凝縮された凝縮水が溜まっていて、徐々に排出されるように、管路がベンディングされた形態からなっている。このような凝縮水排出バルブによって、廃ガスが移動する管路で急激な圧力の変化が発生するのを調節することができる。
【0004】
すなわち、凝縮水排出バルブは、図3に示しているように、大型のメイン廃ガス管路101の底面に凝縮水排出バルブが連結され、この凝縮水排出バルブは、下側方向に向かう状態で上側方向にベンディングされ、また続いて下側方向にベンディングされた構造を有することができる(通常、S字形に二回曲がって液体が常に溜まっていて、ガスの逆流を防ぐSトラップ(trap)装置を意味する)。
凝縮水排出バルブに溜まっている凝縮水105は、大型の管路を通過する廃ガスが適正な圧力を維持する場合に、廃ガスが外部に漏出するのを遮断する役割を果たす。
【0005】
廃ガスが大型の管路に沿って移動する過程で、局部的に圧力が上昇する場合がある。この時、廃ガスは、凝縮水排出バルブに溜まっている凝縮水を押し出して外部に排出される。このような過程を通じて、廃ガスが通過する管路の圧力が調節される。
この時、多量の廃ガスが凝縮水排出バルブを通じて持続的に外部に排出される場合には、ガス爆発事故やガス中毒事故が発生することがある。
廃ガスが漏出された凝縮水排出バルブでは、凝縮水が廃ガスの圧力によって排出され、廃ガスが持続的に漏出されることがあるので、迅速な廃ガス漏出遮断作業が必要である。
廃ガス漏出が発生する場合には、作業者が疑いのあるそれぞれの凝縮水排出バルブを確認して探し出し、排出された凝縮水の代わりに適当な水または液体を再び投入して、廃ガスの排出を遮断する。したがって、大型の管路に提供(設置)されている多数の凝縮水排出バルブのメンテナンス費用が増大する問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明は、前記問題点を解決するために提案されたものであって、本発明の実施例は、大型の廃ガス管路に提供された多数の凝縮水排出バルブの機能をそのまま維持しながら、メンテナンス費用を低減させることができる低圧ガス配管の安全バルブを提供することに目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例は、廃ガス管路に提供されて(設けられて)、凝縮水を排出する凝縮水安全バルブにおいて、前記廃ガス管路の底面に連結されて、一側内壁に廃ガス排出口が提供される(設けられる)第1管路;前記第1管路から延長されて折り曲げられて、前記第1管路と並んだ方向に延長される第2管路;および前記廃ガス排出口を開けたり閉じたりする開閉器;が提供される(設けられる)低圧ガス配管の安全バルブを提供する。
前記開閉器は、前記第1管路の前記一側内壁にヒンジ結合されて、前記廃ガス排出口を覆う開閉部材、前記開閉部材に連結される連結部材、および前記連結部材に連結されて、圧力によって前記第1管路に沿って前記連結部材が廃ガス排出口を開放する方向に移動し、前記第1管路の内部にある凝縮水の浮力によって元の位置に復帰するフロート(float)を含む。
前記連結部材は、ワイヤー(wire)からなり、また弾性を有する素材からなる。
前記廃ガス排出口は、前記第1管路にある凝縮水の水面より高い位置に配置される。
【発明の効果】
【0008】
このような本発明の実施例によれば、大型の廃ガス管路で局部的にガスの圧力が高まる場合に、廃ガスの圧力によってフロートが移動して、開放された廃ガス排出口を通じて廃ガスが排出され、廃ガスの圧力が低くなると、フロートが元の位置に復帰して、廃ガス排出口を遮断するため、適正な量の凝縮水が安全バルブ内に常に残っていて、作業者が別途に水などの液体を補充する必要がないので、作業工程数が減少して、メンテナンス費用を低減させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例を説明するための低圧ガス配管の安全バルブの構成図である。
【図2】図1の作動過程を説明するための図面である。
【図3】従来の技術を説明するための低圧ガス配管の安全バルブの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施例を説明するための構成図であって、低圧ガス配管の安全バルブを示している。
【0012】
低圧ガス配管の安全バルブは、低圧ガス配管で廃ガスが通過する廃ガス管路1の底面に提供される。低圧ガス配管の安全バルブは、廃ガス管路1の底面に連結されて、凝縮水が流入して集まる第1管路3、第1管路3から延長されて「U」字形に折り曲げられて、第1管路3と並んだ方向に延長される第2管路5、また第2管路5から延長されて再び折り曲げられて、第2管路5と並んだ方向に延長される第3管路7を含む。
【0013】
そして、低圧ガス配管の安全バルブは、第1管路3の一側内壁に提供される廃ガス排出口9、前記廃ガス排出口9を開閉する開閉器を含む。
【0014】
廃ガス排出口9は、第1管路3の側面に廃ガスを排出することができる排出管路11が連結されて、前記第1管路3の側面と前記排出管路11が連結される部分である。
このような廃ガス排出口9は、第1管路3にある凝縮水(W)の水面より高い位置に配置されるのが好ましい。これは、廃ガス管路1の内部圧力が局部的に一時的に増加する時に、一定の量の凝縮水が第1管路3の内部に維持されて、廃ガスのみを廃ガス排出口9に排出するためである。
【0015】
開閉器は、廃ガス排出口9を覆う開閉部材13、前記開閉部材13に連結される連結部材15、そして連結部材15に連結されるフロート(float)17を含む。
【0016】
開閉部材13は、第1管路3の一側内壁にヒンジ結合されて、廃ガス排出口9を開放又は遮断することができる。そして、開閉部材13の一側には、連結部材15が連結される。連結部材15は、ワイヤーまたは針金からなって、開閉部材13を引いたり押したりして、廃ガス排出口9を開放又は閉鎖するように配置されるのが好ましい。
【0017】
フロート17は、第1管路3の内部に沿って上下方向に移動することができる。フロート17は、連結部材15の一側が連結されて、フロート17の移動によって連結部材15を引いたり押したりする。
フロート17は、廃ガスの圧力によって下側方向に移動することができ、廃ガス管路1の圧力が一定になる場合に、浮力によって元の位置に復帰する。
【0018】
すなわち、第1管路3の内部には、凝縮水(W)が満たされていて、廃ガス管路1の廃ガスが外部に排出されるのを遮断している。また、このような凝縮水(W)は、フロート17に浮力を提供する。したがって、フロート17が常に元の位置に復帰することができる。
【0019】
前記連結部材15は、弾性を有する素材からなり、この時、前記フロート17の過度な動きがある場合に、これを緩衝する役割を果たすことができる。すなわち、前記開閉部材13が既に前記廃ガス排出口9を閉鎖した後にも前記フロート17が上側方向に移動を続ける場合に、前記弾性を有する連結部材150が変形されて緩衝することができる。
【0020】
このように構成される本発明の実施例の作動過程を図2を参照して詳細に説明する。
【0021】
廃ガス管路1を通過する廃ガスで凝縮水(W)が発生すると、この凝縮水(W)が第1管路3側に集まる。このような状態で凝縮水(W)が一定の量以上であれば、追加で発生する凝縮水(W)は第2管路5を通過して第3管路7を通じて外部に排出される。したがって、凝縮水(W)は、その量が常に適正に維持される。したがって、廃ガス管路1を通過する廃ガスが外部に漏れず、廃ガス処理装置に流入する。
【0022】
このような状態で局地的に廃ガス管路1の圧力が増加すると、図2に示したように、フロート17が廃ガスの圧力を受けて下部に移動する(点線矢印方向)。
【0023】
フロート17が下部に移動すると、連結部材15が引っ張られる。連結部材15が引っ張られた後に開閉部材13が引っ張られて、廃ガス排出口9が開放される。そうすると、廃ガス管路1にある廃ガスが廃ガス排出口9を通じて廃ガス排出管路11に移動する。廃ガス排出管路11は、別途の処理装置と連結することもでき、外部に排出することもできる。
もちろん、この時に、凝縮水(W)は、第2管路5および第3管路7を通じてある程度排出されるが、適正な量の凝縮水(W)は、第1管路3の内部に依然として残る。
【0024】
そして、廃ガス管路1の圧力が適正な圧力に還元されると、第1管路3の凝縮水(W)の水面は、再び上昇して、フロート17が浮力を受けて上昇する。
そうすると、連結部材15を元の位置に押す。そして、連結部材15は、開閉部材13を押して、廃ガス排出口9を閉鎖する。
したがって、第1管路3と第2管路5との間には、適正量の凝縮水(W)がそのまま維持されて、廃ガス管路1から廃ガスが持続的に流出するのを遮断することができる。
【0025】
また、このような場合に、第1管路3と第2管路5との間に常に適正量の凝縮水が維持されているので、作業者は別途に第1管路3および第2管路5側に水などの液体を満たす作業をする必要がない。
したがって、本発明の実施例は、既存の低圧ガス配管のバルブの性能をそのまま維持しながら、管理に所要される作業工程数を顕著に減少させることができる。したがって、本発明の実施例は、廃ガス管路1に提供される凝縮水バルブのメンテナンス費用を低減させることができる。
【0026】
以上のように、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲、発明の詳細な説明、および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することができ、これも本発明の範囲に属するのは当然である。
【符号の説明】
【0027】
3 第1管路
5 第2管路
7 第3管路
9 廃ガス排出口
11 排出管路
13 開閉部材
15 連結部材
17 ガス圧縮器
101 廃ガス管路
105 凝縮水
W 凝縮水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃ガス管路に提供されて、凝縮水を排出する凝縮水安全バルブにおいて、
前記廃ガス管路の底面に連結されて、一側内壁に廃ガス排出口が提供される第1管路;
前記第1管路から延長されて折り曲げられて、前記第1管路と並んだ方向に延長される第2管路;および
前記廃ガス排出口を開けたり閉じたりする開閉器;が提供される、低圧ガス配管の安全バルブ。
【請求項2】
前記開閉器は、
前記第1管路の前記一側内壁にヒンジ結合されて、前記廃ガス排出口を覆う開閉部材;
前記開閉部材に連結される連結部材;および
前記連結部材に連結されて、圧力によって前記第1管路に沿って前記連結部材が廃ガス排出口を開放する方向に移動し、前記第1管路の内部にある凝縮水の浮力によって元の位置に復帰するフロート(float);
を含む、請求項1に記載の低圧ガス配管の安全バルブ。
【請求項3】
前記連結部材は、
ワイヤー(wire)からなる、請求項1に記載の低圧ガス配管の安全バルブ。
【請求項4】
前記連結部材は、
弾性を有する素材からなる、請求項1に記載の低圧ガス配管の安全バルブ。
【請求項5】
前記廃ガス排出口は、
前記第1管路にある凝縮水の水面より高い位置に配置される、請求項1に記載の低圧ガス配管の安全バルブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2013−509547(P2013−509547A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536709(P2012−536709)
【出願日】平成22年11月3日(2010.11.3)
【国際出願番号】PCT/KR2010/007717
【国際公開番号】WO2011/055972
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(506376458)ポステック アカデミー−インダストリー ファンデーション (28)
【Fターム(参考)】