説明

低押し圧タッチパネル付き表示装置およびそれに用いた低押し圧タッチパネル

【課題】指あるいはペンによる軽い接触による押し圧であってもデータ入力が可能であり、ニュートンリングが発生せず、かつギラツキ、モアレが発生しない低押し圧タッチパネル付き表示装置およびそれに用いた低押し圧タッチパネルを提供する。
【解決手段】低押し圧タッチパネル100は、片面に第1の透明電極10が形成された第1の透明基板11と、片面に第2の透明電極20が形成された第2の透明基板21とが、第1の透明電極10及び第2の透明電極20を内側にしてシール材30を介して互いに離間して接着されてなる。また、第2の透明基板21の内面には、互いに垂直する方向に配列されて所定の高さとピッチを有する多数の凹凸21aが形成されている。多数の凹凸21aは、互いに垂直する方向に配列した開口を有するメッシュを第2の透明基板21に密着させ、エッチングを行って形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ等の表示画面の表面に配置されて、指或いはペン等でタッチし入力を行うための低押し圧タッチパネル付き表示装置およびそれに用いた低押し圧タッチパネルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータ、自動販売機、ATM等の機器において、液晶ディスプレイやブラウン管等の表示画面の表面に配置されて、透視した画像の指示等に従って操作者が表示画面を指やペン等で直接押してデータの入力が行われるタッチパネルが知られている。最近、各種端末機のタッチパネルにおいて、指のみでなく、ペン入力も要求されている。これらの機器に使用されるタッチパネルでは、押し圧の点で操作しにくいおそれがあった。そのため、押し圧の低いタッチパネルが求められている。
【0003】
現状では、タッチパネルに必要な押し圧を低くするために、タッチする側の基板を薄くすること、かつタッチパネルの2枚の基板間のギャップ(Gap)を小さくすることが必要である。しかし、ギャップ(Gap)を小さくすることで、光干渉模様であるニュートンリングが発生し、表示装置と組み合わせる際に、表示装置の画面に表示された画像が見えにくくなってしまう。
【0004】
これを解決するために、ニュートンリングの発生を防止するタッチパネルおよびそれを用いた入力機能付き表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1のタッチパネルにおいては、一方の基板の表面にフロスト加工により微細な凹凸が形成されている。かつ微細な凹凸は、算術平均粗さRaが0.1μm以下で、表面凹凸の平均間隔Smが10〜60μmである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−231183号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1のタッチパネル、入力機能付き表示装置は、ニュートンリングの発生を防止することができるが、タッチパネルにおいてフロスト加工により形成された微細な凹凸の形状、ピッチが不規則であるため、表示装置の液晶ディスプレイ(LCD)、有機EL(Organic Electro-Luminescence)などの表示画面の表面に配置される場合、ギラツキが発生する問題点があった。
【0008】
また、ギラツキは表示装置の画素ピッチと大きく関連しており、高精細ディスプレイパネルには、より細かいピッチの凹凸が必要であるが、その調整が困難であるため、高精細表示装置(LCD等)対応のタッチパネルの製作が困難であった。
【0009】
また、微細な凹凸の形状、ピッチを規則にすることが困難であり、かつ規則にした場合、タッチパネルを表示装置のLCD、有機ELなどの表示画面の表面に配置した際にモアレが発生する問題点があった。モアレ(干渉縞)は、規則正しい繰り返し模様を複数重ね合わせた時に、それらの周期のずれにより視覚的に発生する縞模様のことである。画面にモアレが発生すると、見栄えが悪い。
【0010】
そこで、本発明は、指あるいはペンによる軽い接触による押し圧であってもデータ入力が可能であり、ニュートンリングが発生せず、かつギラツキ、モアレが発生しない低押し圧タッチパネル付き表示装置およびそれに用いた低押し圧タッチパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る低押し圧タッチパネル付き表示装置は、画像を生成し表示画面に表示するディスプレイ装置と、前記ディスプレイ装置の表示画面の表面に配置されてデータ入力を行うためのタッチパネルとを備え、前記タッチパネルは、片面に第1の透明電極が形成された第1の透明基板と、片面に第2の透明電極が形成された第2の透明基板とが、前記第1の透明電極及び第2の透明電極を内側にしてシール材を介して互いに離間して接着され、前記第1の透明基板および第2の透明基板の少なくとも一方の透明電極が形成される面には、互いに垂直する方向に配列されて所定のピッチと高さを有する多数の凹凸が形成されることを特徴とするものである。
【0012】
例えば、前記多数の凹凸は、ピッチP≦100μmの場合、凹凸の中心から上端までの高さH≧0.15μm、またはピッチP≧100μmの場合、凹凸の中心から上端までの高さH/ピッチP≧0.0015であり、かつ、ピッチと前記ディスプレイ装置のストライプピッチまたは1ドットの短手の長さの比が4.0より大きいおよび0.7より小さい場合、凹凸の配列角度が水平に対して10〜80°である。
【0013】
また例えば、前記多数の凹凸は、ピッチP≦100μmの場合、凹凸の中心から上端までの高さH≧0.15μm、またはピッチP≧100μmの場合、高さH/ピッチP≧0.0015であり、かつ、ピッチと前記ディスプレイ装置のストライプピッチまたは1ドットの短手の長さの比が0.7〜4.0の場合、凹凸の配列角度が水平に対して35°±5°もしくは55°±5°である。
【0014】
また例えば、前記多数の凹凸は、互いに垂直する方向に配列した開口を有するメッシュもしくはマスクを前記第1の透明基板または第2の透明基板に密着させ、エッチングを行って形成される。
【0015】
また、上記課題を解決するため、本発明に係る低押し圧タッチパネルは、片面に第1の透明電極が形成された第1の透明基板と、片面に第2の透明電極が形成された第2の透明基板とが、前記第1の透明電極及び第2の透明電極を内側にしてシール材を介して互いに離間して接着されてなるタッチパネルにおいて、前記第1の透明基板および第2の透明基板の少なくとも一方の透明電極が形成される面には、互いに垂直する方向に配列されて所定のピッチと高さを有する多数の凹凸が形成されることを特徴とするものである。
【0016】
例えば、前記多数の凹凸は、互いに垂直する方向に配列した開口を有するメッシュもしくはマスクを前記第1の透明基板または第2の透明基板に密着させ、エッチングを行って形成される。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る低押し圧タッチパネルによれば、第1の透明基板および第2の透明基板の少なくとも一方の透明電極が形成される面には、互いに垂直する方向に配列されて所定のピッチと高さを有する多数の凹凸が形成されることで、指あるいはペンによる軽い接触による押し圧であってもデータ入力が可能であり、入射光が散乱され、光の干渉が発生しなくなり、ニュートンリングの発生を防止し、LCD等の表示デバイスと組み合わせて使用してもギラツキ、モアレが発生することがなく、鮮明に映像を表示できる。
【0018】
また、本発明に係る低押し圧タッチパネル付き表示装置によれば、上記低押し圧タッチパネルを用いることで、ニュートンリングの発生を防止し、かつギラツキ、モアレが発生することがなく、画像視認性の改善を図ることができ、鮮明に映像を表示することができる。
【0019】
また、多数の凹凸は、ピッチP≦100μmの場合、凹凸の中心から上端までの高さH≧0.15μm、またはピッチP≧100μmの場合、凹凸の中心から上端までの高さH/ピッチP≧0.0015であり、かつ、ピッチとディスプレイ装置のストライプピッチまたは1ドットの短手の長さの比が4.0より大きいおよび0.7より小さい場合、凹凸の配列角度が水平に対して10〜80°である。または、多数の凹凸は、ピッチP≦100μmの場合、凹凸の中心から上端までの高さH≧0.15μm、またはピッチP≧100μmの場合、高さH/ピッチP≧0.0015であり、かつ、ピッチとディスプレイ装置のストライプピッチまたは1ドットの短手の長さの比が0.7〜4.0の場合、凹凸の配列角度が水平に対して35°±5°もしくは55°±5°である。即ち、凹凸のピッチ、高さおよび配列角度を制御することで、ニュートンリングが発生せず、かつギラツキ、モアレが発生しないことが可能となる。
【0020】
また、多数の凹凸は、互いに垂直する方向に配列した開口を有するメッシュもしくはマスクを第1の透明基板または第2の透明基板に密着させ、エッチングを行って形成されることで、凹凸のピッチ、高さおよび配列角度を容易に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態としての低押し圧タッチパネルの構成を示す断面図である。
【図2】凹凸の形状を示す拡大説明図である。
【図3】本発明の実施の形態としての低押し圧タッチパネル付き表示装置の構成を示す断面図である。
【図4】ガラス基板に凹凸を形成する方法を示すフローチャートである。
【図5】ガラス基板に凹凸を形成する方法を示す説明図である。
【図6】ガラス基板に凹凸を形成する他の方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態の低押し圧タッチパネルおよびそれを用いた低押し圧タッチパネル付き表示装置について説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施の形態としての低押し圧タッチパネルの構成を示す断面図である。この図1において、低押し圧タッチパネルの構成を模式的に示している。図2は、凹凸の形状を示す拡大説明図である。図2において、凹凸の中心からの高さ、および凹凸のピッチを定義している。図3は、本発明の実施の形態としての低押し圧タッチパネル付き表示装置の構成を示す断面図である。図3において、低押し圧タッチパネルおよび液晶ディスプレイ装置の構成を模式的に示している。
【0024】
図1に示すように、低押し圧タッチパネル100は、片面に第1の透明電極10が形成された第1の透明基板11と、片面に第2の透明電極20が形成された第2の透明基板21とが、第1の透明電極10及び第2の透明電極20を内側にしてシール材30を介して互いに離間して接着されてなる。また、第2の透明基板21の第2の透明電極20が配置する面には、互いに垂直する方向に配列した所定のピッチと高さを有する多数の凹凸21aが形成されている。
【0025】
第1の透明基板11は、ガラス材からなり、内面には第1の透明電極10が形成されている。
【0026】
第2の透明基板21はガラス材からなる。この第2の透明基板21の内面には、予め規則的に配列した多数の凹凸21aが形成され、その上に第2の透明電極20が形成されている。これにより、図1に示すように、第2の透明電極20が凹凸状になっている。また、図2に示すように、凹凸の中心からの高さをHとし、また、凹凸のピッチをPとして定義している。凹凸の凹部から上端までの高さは2Hである。
【0027】
また、図3に示すように、低押し圧タッチパネル付き表示装置200は、画像を生成し、表示画面に表示するディスプレイ装置100Aと、ディスプレイ装置100Aの表示画面の表面に配置されて、データ入力を行うための低押し圧タッチパネル100とを備える。
【0028】
ディスプレイ装置100Aは、液晶ディスプレイであり、片面に駆動電極40が形成された上側の透明基板41と、片面にコモン電極50が形成された下側の透明基板51とが、シール材60を介して互いに離間して接着されてなる。透明基板41と透明基板51との間に液晶61が充填されている。
【0029】
この例において、低押し圧タッチパネル100の第2の透明基板21は、以下のように製作される。
【0030】
図4は、ガラス基板に凹凸を形成する方法を示すフローチャートである。ここで、第2の透明基板21(以下、「ガラス基板」という)に凹凸を形成する。図5はガラス基板に凹凸を形成する方法を示す説明図である。
【0031】
図4に示すように、ガラス基板に凹凸を形成する際に、まず、ガラス基板を設置する(S101)。ここで、図5(a)に示すように、ベース1にウレタンシート2を配置し、ウレタンシート2の上にガラス基板3を設置する。
【0032】
次に、ガラス基板3の表面に互いに垂直する方向に配列した開口を有するメッシュ4を密着させて配置する(S102)。ここで、図5(b)に示すように、メッシュ枠5によりメッシュ4を保持してガラス基板3の表面に密着させる。図5(b)中の拡大部にはメッシュ4の構成を示している。ここで、メッシュ4の材質はポリエステルである。メッシュ4の材質としてエッチング液に対して耐性のある他の材料を用いてもよい。また、メッシュ4のメッシュ数を変えることで凹凸のピッチを調整することができる。なお、メッシュ4を密着させるために、メッシュ枠5を上から加重し押し付けることで、エッチングする際にムラの発生を抑制することができる。
【0033】
次に、図5(c)に示すように、メッシュ4の上にエッチング液6を載せてエッチング処理を行う(S103)。そして、この状態で放置、またはエッチング液を軽く攪拌する(S104)。ここで、放置時間および攪拌により凹凸の高さを調整することができる。
【0034】
一定時間のエッチングを行った後、洗浄を行う(S105)。ここで、水でガラス基板を洗うことでガラス基板に付着したエッチング液を取り除く。最後に、洗浄後のガラス基板を乾燥する(S106)。
【0035】
この場合、形成した凹凸を測定した結果、凹凸のピッチは約170μm、凹凸の中心から上端までの高さは約0.4μmである。
【0036】
なお、エッチング処理を行う際に、図6に示すように、エッチング液を入れた液槽の中で行うようにしてもよい。この場合、エッチング液の攪拌が容易にできる。
【0037】
上述の方法で製作した凹凸を有するガラス基板を用いてタッチパネルを構成する場合、ニュートンリングの発生について評価したところ、全くニュートングは観察されなかった。また、凹凸のピッチ、高さの異なるガラス基板を作成して、ニュートンリングの発生する状態を調べた結果、ニュートンリングの発生しない凹凸の条件(第1の条件)は、以下の通りである。
【0038】
(1)P≦100μmの場合、H≧0.15μm
(2)P≧100μmの場合、H/P≧0.0015
ここで、Pは、凹凸のピッチであり、Hは、凹凸の中心から上端までの高さである(図2参照)。
【0039】
凹凸のピッチPが小さく、かつ高さHが大きくなると、へーズ(くもり度)が大きくなるので、へーズやエッチング処理を考量すると、P=100μm程度、H=0.15μm程度が望ましい。
【0040】
また、ギラツキの発生について検討した結果、凹凸が規則的に配列しているため、ギラツキの発生はない。
【0041】
さらに、モアレの発生について検討した結果、凹凸が規則的に配列しているため、モアレが発生する場合がある。モアレとギラツキは凹凸を有するガラス基板でタッチパネルを作成した場合、凹凸のピッチとその下に配置されたディスプレイ装置100Aの画素のピッチとの干渉により発生する。そのため、下に配置されるディスプレイ装置100Aの画素のピッチ(例えば、ディスプレイ装置のストライプピッチ、ストライプ状ではない場合は1ドットの短手の長さ)に応じて、凹凸のピッチと配列角度(水平方向に対する角度)を調整することでモアレを防止することが可能である。
【0042】
モアレの発生しない凹凸の条件について検討した結果、表1に示している。
【0043】
【表1】

【0044】
即ち、モアレの発生しない凹凸の条件(第2の条件)としては、ピッチとディスプレイ装置100Aのストライプピッチの比、またはストライプ状ではない場合はピッチとディスプレイ装置の1ドットの短手の長さの比が4.0より大きいおよび0.7より小さい場合、配列角度が10〜80°である。ピッチとディスプレイ装置のストライプピッチの比、またはストライプ状ではない場合はピッチとディスプレイ装置100Aの1ドットの短手の長さの比が0.7〜4.0の場合、配列角度が35°±5°もしくは55°±5°である。好ましくは、配列角度が35°もしくは55°である。
【0045】
したがって、低押し圧タッチパネル100を用いて低押し圧タッチパネル付き表示装置200を構成する場合、ニュートンリングが発生せず、かつギラツキ、モアレが発生しないようにするには、上記の第1の条件と第2の条件をともに満たすことが必要となる。即ち、ガラス基板に凹凸を形成する際に、これらの条件を満たすように、凹凸のピッチ、高さおよび配列角度を調整すればよい。
【0046】
このように本実施の形態においては、低押し圧タッチパネル付き表示装置200は、画像を生成し、表示画面に表示するディスプレイ装置100Aと、ディスプレイ装置100Aの表示画面の表面に配置されて、データ入力を行うためのタッチパネル100とを備える。低押し圧タッチパネル100は、片面に第1の透明電極10が形成された第1の透明基板11と、片面に第2の透明電極20が形成された第2の透明基板21とが、第1の透明電極10及び第2の透明電極20を内側にしてシール材30を介して互いに離間して接着されてなる。また、第2の透明基板21の内面には、互いに垂直する方向に配列されて所定の高さとピッチを有する多数の凹凸21aが形成されている。
【0047】
これにより、指あるいはペンによる軽い接触による押し圧であってもデータ入力が可能であり、入射光が散乱され、光の干渉が発生しなくなり、ニュートンリングの発生を防止し、かつギラツキ、モアレが発生することがなく、LCD等の表示デバイスと組み合わせて使用しても鮮明に映像を表示できる。
【0048】
また、凹凸の高さとピッチを制御することで、ニュートンリングが発生せず、かつギラツキ、モアレが発生しないことが可能となる。
【0049】
例えば、多数の凹凸は、ピッチP≦100μmの場合、高さH≧0.15μm、またはピッチP≧100μmの場合、高さH/ピッチP≧0.0015であり、かつ、ピッチとディスプレイ装置のストライプピッチまたは1ドットの短手の長さの比が4.0より大きいおよび0.7より小さい場合、配列角度が10〜80°である。
【0050】
また例えば、多数の凹凸は、ピッチP≦100μmの場合、高さH≧0.15μm、またはピッチP≧100μmの場合、高さH/ピッチP≧0.0015であり、かつ、ピッチとディスプレイ装置のストライプピッチまたは1ドットの短手の長さの比が0.7〜4.0の場合、配列角度が35°±5°もしくは55°±5°である。
【0051】
また、多数の凹凸は、互いに垂直する方向に配列した開口を有するメッシュを第2の透明基板21に密着させ、エッチングを行って形成されることにより、凹凸のピッチ、高さ、および配列角度を容易に制御することができる。
【0052】
なお、上述実施の形態において、第2の透明基板21の片面に多数の凹凸を形成する例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1の透明基板11の片面に多数の凹凸を形成するようにしてもよい。また、第1の透明基板11および第2の透明基板21の両方の内側の面に多数の凹凸を形成するようにしてもよい。
【0053】
また、上述した実施の形態において、ガラス基板に凹凸を形成する際に、所定のメッシュ数を有するメッシュを用いた例について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、互いに垂直する方向に配列した開口を有するマスクなどを用いてもよい。
【0054】
また、上述実施の形態において、ディスプレイ装置100Aとして、液晶ディスプレイの例について説明したが、これに限定されるものではない。他のディスプレイ、例えばブラウン管、有機ELディスプレイを用いてもよい。
【0055】
また、上述実施の形態において、ガラス基板に凹凸を形成する際に、エッチング液を用いた方法について説明したが、これに限定されるものではない。印刷、フォトリソ、サンドブラスト等の方法を用いてもよい。
【0056】
また、上述実施の形態において、ガラス基板に規則的に配列する凹凸を形成したものについて説明したが、規則でなくランダムな凹凸の場合も凹凸のピッチと高さを調整することで、ニュートンリング、およびギラツキを防止することが可能である。ランダムな凹凸の場合、ニュートンリング、およびギラツキを防止する条件は以下の通りである。
【0057】
<P かつ(1)または(2)
(1)P≦100μmの場合、H≧0.15μm
(2)P≧100μmの場合、H/P≧0.0015
ここで、Pは、凹凸の平均ピッチであり、Pは、ディスプレイ装置のドットピッチ(即ち、1ドットの短手の長さ)であり、Hは、凹凸の中心から上端までの高さである。
【産業上の利用可能性】
【0058】
この発明は、コンピュータ、自動販売機、ATM等の機器、および通信端末機に利用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 ベース
2 ウレタンシート
3 ガラス基板
4 メッシュ
5 メッシュ枠
6 エッチング液
10 第1の透明電極
11 第1の透明基板
20 第2の透明電極
21 第2の透明基板
21a 凹凸
30 シール材
40 駆動電極
41 上側の透明基板
50 コモン電極
51 下側の透明基板
60 シール材
61 液晶
100 低押し圧タッチパネル
100A ディスプレイ装置
200 低押し圧タッチパネル付き表示装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を生成し表示画面に表示するディスプレイ装置と、前記ディスプレイ装置の表示画面の表面に配置されてデータ入力を行うためのタッチパネルとを備え、
前記タッチパネルは、
片面に第1の透明電極が形成された第1の透明基板と、片面に第2の透明電極が形成された第2の透明基板とが、前記第1の透明電極及び第2の透明電極を内側にしてシール材を介して互いに離間して接着され、
前記第1の透明基板および第2の透明基板の少なくとも一方の透明電極が形成される面には、互いに垂直する方向に配列されて所定のピッチと高さを有する多数の凹凸が形成されることを特徴とする低押し圧タッチパネル付き表示装置。
【請求項2】
前記多数の凹凸は、ピッチP≦100μmの場合、凹凸の中心から上端までの高さH≧0.15μm、またはピッチP≧100μmの場合、凹凸の中心から上端までの高さH/ピッチP≧0.0015であり、
かつ、ピッチと前記ディスプレイ装置のストライプピッチまたは1ドットの短手の長さの比が4.0より大きいおよび0.7より小さい場合、凹凸の配列角度が水平に対して10〜80°であることを特徴とする請求項1記載の低押し圧タッチパネル付き表示装置。
【請求項3】
前記多数の凹凸は、ピッチP≦100μmの場合、凹凸の中心から上端までの高さH≧0.15μm、またはピッチP≧100μmの場合、高さH/ピッチP≧0.0015であり、
かつ、ピッチと前記ディスプレイ装置のストライプピッチまたは1ドットの短手の長さの比が0.7〜4.0の場合、凹凸の配列角度が水平に対して35°±5°もしくは55°±5°であることを特徴とする請求項1記載の低押し圧タッチパネル付き表示装置。
【請求項4】
前記多数の凹凸は、互いに垂直する方向に配列した開口を有するメッシュもしくはマスクを前記第1の透明基板または第2の透明基板に密着させ、エッチングを行って形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の低押し圧タッチパネル付き表示装置。
【請求項5】
片面に第1の透明電極が形成された第1の透明基板と、片面に第2の透明電極が形成された第2の透明基板とが、前記第1の透明電極及び第2の透明電極を内側にしてシール材を介して互いに離間して接着されてなるタッチパネルにおいて、
前記第1の透明基板および第2の透明基板の少なくとも一方の透明電極が形成される面には、互いに垂直する方向に配列されて所定のピッチと高さを有する多数の凹凸が形成されることを特徴とする低押し圧タッチパネル。
【請求項6】
前記多数の凹凸は、互いに垂直する方向に配列した開口を有するメッシュもしくはマスクを前記第1の透明基板または第2の透明基板に密着させ、エッチングを行って形成されることを特徴とする請求項5記載の低押し圧タッチパネル。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−165040(P2011−165040A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−28789(P2010−28789)
【出願日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【出願人】(503376596)株式会社びにっと (13)
【Fターム(参考)】