説明

低表面エネルギーエチレン性不飽和ポリイソシアネート付加化合物および被覆組成物におけるそれらの使用

本発明は、i) イソシアネート基を実質的に含有せず、および1つ以上のa) イソシアヌレート、ウレトジオン、ビウレット、アロファネート、イミノオキサジアジンジオンカルボジイミドおよび/またはオキサジアジントリオン基を含有するポリイソシアネートアダクトおよび/またはb) NCOプレポリマーから製造され、ii) ウレタン基を含有し、iii) シロキサン基(SiO、MW44として計算)を0.002〜50重量%の量で含有し、およびiv) エチレン性不飽和基(C=C、MW24として計算)を2〜40重量%の量で含有する、ポリイソシアネート付加化合物であって、前記パーセントは、ポリイソシアネート付加化合物の固形分に基づき、シロキサン基は、イソシアネート基と、炭素原子に直接的に結合した1つ以上のヒドロキシル基および1つ以上のシロキサン基を含有する化合物とを反応させてウレタン基および必要に応じてアロファネート基を形成することによって組み込まれ、ただし、ポリイソシアネート付加化合物にシロキサン基を化学的に組み込む基の50モル%より多くがウレタン基である、ポリイソシアネート付加化合物に関する。また、本発明は、フリーラジカル重合により硬化可能な被覆組成物における該ポリイソシアネート付加化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エチレン性不飽和基、ウレタン基およびシロキサン基を含有する低表面エネルギーポリイソシアネート付加化合物、およびフリーラジカル重合により硬化可能な被覆組成物におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
エチレン性不飽和基を含有し、ポリイソシアネートとエチレン性不飽和基含有イソシアネート反応性化合物との反応により製造され、およびフリーラジカル重合により硬化されるポリイソシアネート付加化合物は、よく知られている。
【0003】
このような組成物から製造した被覆物は、多くの有用な特性を有するが、向上させる必要がある1つの特性は、特に、表面の品質である。くぼみ(クレーター)などの表面欠陥を有する被覆物ではなくて、平滑面を有する被覆物を得るために、被覆組成物を処方することは困難なことである。
【0004】
このような困難さは、ポリイソシアネート付加化合物の高表面張力に関係していると考えられる。高表面張力によって生じる別の問題は、被覆物の洗浄の難しさである。その見込まれる応用分野にかかわらず、被覆物は、汚れ、落書き等を受ける可能性が高い。
【0005】
ポリイソシアネートの表面張力および得られるポリウレタン被覆物の表面エネルギーを減少させるために、アロファネート基を介してフッ素またはシロキサン基をポリイソシアネートに組み込むことは、米国特許第5,541,281号、第5,574,122号、第5,576,411号、第5,646,227号、第5,691,439号および第5,747,629号に開示されている。これらのポリイソシアネートを含有する一成分および二成分被覆組成物の硬化(これは、室温でおよび高温でさえも比較的遅い)の間、フッ素またはシロキサン基を含有するポリイソシアネート分子は、被覆物の表面に上昇し、その後、ウレタン形成により位置が固定され、低表面エネルギーをもたらす。
【0006】
エチレン性不飽和基およびシロキサン基を含有するポリイソシアネート付加化合物は、米国特許6,495,651、5,986,018、および5,556,929;欧州特許公開EP-A 937,998;特開平09-087338号公報および特許第2934782号および特開昭60-101107号公報;Ryabovら、Vysokomolekulyarnye Soedineniya、Seriya A i Seriya B (2001)、43(2)、204-210;およびVerkhunovら、Plasticheskie Massy (1997)、(1)、31-33に開示されている。これらの文献の全ては、ジイソシアネートモノマーからの重付加化合物の製造を記載している。また、エチレン性不飽和基およびシロキサン基を含有するポリイソシアネート付加化合物は、特開昭60-101107号公報にも開示されている。この文献において、ポリイソシアネート付加生成物は、ウレタン基含有ポリイソシアネートアダクトから製造された。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、減少した表面張力を有し、それにより、低表面エネルギー、改善した表面および向上した洗浄性、およびエチレン性不飽和化合物から製造された既知の被覆物の他の有用な特性も有する被覆物の製造に好適な、ポリイソシアネート付加化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的は、以下に記載される本発明のエチレン性不飽和基、ウレタン基およびシロキサン基を含有するポリイソシアネート付加化合物によって達成され得る。これらのポリイソシアネートから得られる被覆物が低表面エネルギーを有することは、驚くべきことである。フリーラジカル重合の間にこれらの被覆物が受ける迅速な硬化のために、シロキサン含有分子は表面の下に捕捉され、したがって、低表面エネルギーを有する被覆物を与えることができないと予想されていた。
【0009】
本発明は、i) イソシアネート基を実質的に含有せず、および1つ以上のa) イソシアヌレート、ウレトジオン、ビウレット、アロファネート、イミノオキサジアジンジオンカルボジイミドおよび/またはオキサジアジントリオン基を含有するポリイソシアネートアダクトおよび/またはb) NCOプレポリマーから製造され、
ii) ウレタン基を含有し、
iii) シロキサン基(SiO、MW44として計算)を0.002〜50重量%の量で含有し、および
iv) エチレン性不飽和基(C=C、MW24として計算)を2〜40重量%の量で含有する、
ポリイソシアネート付加化合物であって、
前記パーセントは、ポリイソシアネート付加化合物の固形分に基づき、シロキサン基は、イソシアネート基と、炭素原子に直接的に結合した1つ以上のヒドロキシル基および1つ以上のシロキサン基を含有する化合物とを反応させてウレタン基および必要に応じてアロファネート基を形成することによって組み込まれ、ただし、ポリイソシアネート付加化合物にシロキサン基を化学的に組み込む基の50モル%より多くがウレタン基である、
ポリイソシアネート付加化合物に関する。
【0010】
また、本発明は、フリーラジカル重合により硬化可能な被覆組成物における該ポリイソシアネート付加化合物の使用に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明によれば、用語「(シクロ)脂肪族的結合イソシアネート基」は、脂肪族的および/または脂環式的に結合したイソシアネート基を意味する。
【0012】
ポリイソシアネート付加化合物を製造するためのポリイソシアネート成分として使用し得る適当なポリイソシアネートの例としては、a) イソシアヌレート、ウレトジオン、ビウレット、アロファネート、イミノオキサジアジンジオンカルボジイミドおよび/またはオキサジアジントリオン基を含有するポリイソシアネートアダクト、およびb) 1.5〜6、好ましくは1.8〜6、より好ましくは2〜6および最も好ましくは2〜4の平均官能価を有するNCOプレポリマーが挙げられる。ポリイソシアネートアダクトが好ましい。
【0013】
ポリイソシアネートアダクトは、好ましくは、2〜6、より好ましくは2〜4の平均官能価、および5〜30重量%、好ましくは10〜25重量%およびより好ましくは15〜25重量%のNCO含量を有し、下記のものを包含する:
1) 独国特許DE-PS 2,616,416、欧州特許EP-OS 3,765、EP-OS 10,589、EP-OS 47,452、米国特許US-PS 4,288,586およびUS-PS 4,324,879に記載のように製造し得るイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート。
2) 好適な触媒、例えばトリアルキルホスフィン触媒の存在下に、ジイソシアネートのイソシアネート基の一部をオリゴマー化することによって製造でき、他の脂肪族および/または脂環式ポリイソシアネート、特に前記(1)に記載したイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートとの混合物として使用し得るウレトジオンジイソシアネート。
3) 共反応体、例えば、水、第三級アルコール、第一級および第二級モノアミン、および第一級および/または第二級ジアミンを使用して、米国特許3,124,605、3,358,010、3,644,490、3,862,973、3,906,126、3,903,127、4,051,165、4,147,714または4,220,749に開示されている方法によって製造し得るビウレット基含有ポリイソシアネート。
4) 米国特許3,769,318、4,160,080、4,177,342、および6,392,011に開示された方法により製造され得るアロファネート基含有ポリイソシアネート。これらのポリイソシアネートの製造のために好ましい触媒としては、有機錫(II)塩、例えば錫(II)オクトエートが挙げられる。
5) 米国特許5,124,427、5,208,334、5,235,018および5,444,146(それらの開示は、参照により本明細書に援用される)に記載の方法にしたがって製造され得るイソシアヌレートおよびアロファネート基含有ポリイソシアネート、好ましくは約10:1〜1:10、好ましくは約5:1〜1:7のモノイソシアヌレート基とモノアロファネート基との比率でこれらの基を含有するポリイソシアネート。
6) 独国特許DE-A 19611849に記載のように、特定のフッ素含有触媒の存在下に製造し得る、イミノオキサジアジンジオンおよび任意にイソシアヌレート基を含有するポリイソシアネート。
7) 独国特許DE-PS 1,092,007、米国特許US-PS 3,152,162および独国特許DE-OS 2,504,400、2,537,685および2,552,350に記載のように、既知のカルボジイミド化触媒の存在下にジ-またはポリイソシアネートをオリゴマー化することによって製造し得るカルボジイミド基含有ポリイソシアネート。
8) オキサジアジントリオン基を含有するポリイソシアネート、例えば、ジイソシアネート2モルと二酸化炭素1モルとの反応生成物。
【0014】
好ましいポリイソシアネートアダクトは、イソシアヌレート、ウレトジオン、ビウレット、アロファネートおよび/またはイミノオキサジアジンジオン基を含有するもの、特に、イソシアヌレート基および任意にウレトジオンまたはイミノオキサジアジンジオン基またはアロファネート基を含有するポリイソシアネートである。
【0015】
ポリイソシアネートアダクトを製造するのに適当なモノマージイソシアネートは、下記の式で示され得る:
R(NCO)2
[式中、Rは、約140〜400の分子量を有する有機ジイソシアネートからイソシアネート基を除去することによって得られる有機基を表す]。
本発明の方法のための好ましいジイソシアネートは、Rが、4〜18個の炭素原子を有する二価脂肪族炭化水素基、5〜15個の炭素原子を有する二価脂環式炭化水素基、7〜15個の炭素原子を有する二価芳香脂肪族炭化水素基、または6〜15個の炭素原子を有する二価芳香族炭化水素基を表す、上記式で示されるジイソシアネートである。
【0016】
適当な有機ジイソシアネートの例としては、1,4-テトラメチレンジイソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン-1,3-および-1,4-ジイソシアネート、1-イソシアナト-2-イソシアナトメチルシクロペンタン、1-イソシナト-3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチル-シクロヘキサン(イソホロンジイソシアネートまたはIPDI)、ビス-(4-イソシアナトシクロヘキシル)-メタン、2,4’-ジシクロヘキシル-メタンジイソシアネート、1,3-および1,4-ビス-(イソシアナトメチル)-シクロヘキサン、ビス-(4-イソシアナト-3-メチル-シクロヘキシル)-メタン、α,α,α’,α’-テトラメチル-1,3-および/または-1,4-キシリレンジイソシアネート、1-イソシナト-1-メチル-4(3)-イソシアナトメチルシクロヘキサン、2,4-および/または2,6-ヘキサヒドロトルイレンジイソシアネート、1,3-および/または1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-および/または2,6-トルイレンジイソシアネート、2,4-および/または4,4’-ジフェニル-メタンジイソシアネート、1,5-ジイソシアナトナフタレンおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0017】
3つ以上のイソシアネート基を含有するモノマーポリイソシアネート、例えば4-イソシアナトメチル-1,8-オクタメチレンジイソシアネート、および芳香族ポリイソシアネート、例えば4,4’,4’’-トリフェニルメタンジイソシアネート、およびアニリン/ホルムアルデヒド縮合物のホスゲン化によって得られるポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートも使用し得る。
【0018】
好ましい有機ジイソシアネートとしては、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート、1-イソシアナト-3-イソシアナトメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネートまたはIPDI)、ビス-(4-イソシアナトシクロヘキシル)-メタン、α,α,α’,α’-テトラメチル-1,3-および/または-1,4-キシリレンジイソシアネート、2,4-および/または2,6-トルイレンジイソシアネート、および2,4-および/または4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。
【0019】
ポリイソシアネート付加化合物を製造するためのポリイソシアネート成分として使用され得るNCOプレポリマーは、上記モノマーポリイソシアネートまたはポリイソシアネートアダクト、好ましくはモノマージイソシアネート、および少なくとも2つのイソシアネート反応性基、好ましくは少なくとも2つのヒドロキシル基を含有する有機化合物から製造される。これらの有機化合物には、600〜約6,000、好ましくは800〜約3,000の分子量を有する高分子量化合物、および必要に応じて600未満の分子量を有する低分子量化合物が含まれる。該分子量は、数平均分子量(Mn)であり、および末端基分析(OHおよび/またはNH価)によって決定される。ポリイソシアネートと専ら低分子量化合物とを反応させることにより得られる生成物は、ウレタン基を含有するポリイソシアネートアダクトであり、およびNCOプレポリマーであると見なされない。
【0020】
高分子量化合物の例は、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリヒドロキシポリカーボネート、ポリヒドロキシポリアセタール、ポリヒドロキシポリアクリレート、ポリヒドロキシポリエステルアミドおよびポリヒドロキシポリチオエーテルである。ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールおよびポリヒドロキシポリカーボネートが好ましいが、ポリエステルポリオールおよびポリヒドロキシポリカーボネートがより好ましい。
【0021】
低分子量化合物および出発材料並びに高分子量ポリヒドロキシ化合物の製造方法に関する詳細は、米国特許4,701,480(参照により本明細書に援用される)に開示されている。
【0022】
他の例としては、上記ポリオールの末端ヒドロキシ基をアミノ基に変換することにより製造され得る既知の高分子量アミン官能性化合物、および米国特許5,243,012および5,466,771(それぞれ、参照により本明細書に援用される)に開示される高分子量ポリアスパルテートおよびポリアルジミンが挙げられる。イソシアネート付加生成物を製造するためのポリアスパルテートの使用に関する特定の利点は、これらの生成物のその後の硬化の間、尿素基が反応して熱安定性ヒダントイン基を形成することである。
【0023】
NCOプレポリマーは、通常、0.4〜20重量%、好ましくは0.4〜15重量%およびより好ましくは0.5〜10.0重量%のイソシアネート含量を有する。NCOプレポリマーは、既知の方法にて、40〜120℃、好ましくは50〜100℃の温度でのおよび約1.3:1〜20:1、好ましくは約1.4:1〜10:1のNCO/OH(および/またはNH)当量比での上記出発材料の反応によって製造される。NCOプレポリマーの製造の間にウレタン基を介する鎖延長が所望される場合、1.3:1〜2:1のNCO/OH当量比が選択される。鎖延長が所望されない場合、4:1〜20:1、好ましくは5:1〜10:1のNCO/OH当量比に対応する過剰のジイソシアネートが好ましくは使用される。過剰のジイソシアネート(および製造の間に使用される任意の揮発性溶媒)は、反応が完了したとき、必要に応じて、薄層蒸発によって除去することができる。本発明にしたがって、NCOプレポリマーには、NCOセミプレポリマーも含まれる。これは、ウレタン基含有プレポリマーに加えて、未反応出発ポリイソシアネートを含有する。
【0024】
本発明によれば、ウレタン基は、炭素原子に直接的に結合した1つ以上の(好ましくは1つまたは2つ、より好ましくは1つの)ヒドロキシル基、および好ましくはジメチルシロキサン基-Si(CH3)2O-の形態の、1つ以上のシロキサン基を含有する化合物を使用することによりポリイソシアネート付加化合物に組み込まれる。
【0025】
これらの化合物の例は、下記の式で示される化合物である:
HO-R1-X-[Si(R2)2O-]n-[Si(R2)2-X]m-R1-Y
[式中、
R1は、互いに独立して、任意に不活性的に置換された、二価炭化水素基、好ましくはアルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、プロピレンまたはブチレン)またはポリオキシアルキレン基(例えば、ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレン基)を表し;
R2は、互いに独立して、水素、または任意に不活性的に置換された低級アルキル、フェニルまたはベンジル基、好ましくはメチルまたはエチル、より好ましくはメチルを表し;
Xは、互いに独立して、R1基とSi原子との間の結合、例えば、共有結合、-O-または-COO-を表し;
Yは、水素またはOHを表し;
mは、0または1であり;
nは、1〜1000、好ましくは2〜100、より好ましくは4〜15の整数である]。
【0026】
不活性置換基は、シロキサン化合物とポリイソシアネートとの反応またはイソシアネート基のアロファネート化反応を阻害しない置換基である。不活性置換基の例は、ハロゲン原子、例えばフッ素である。
【0027】
R1がオキシアルキレン基を表し、1つのイソシアネート反応性基を含有する化合物の例は、下記の式:
HO-(CHR3-CH2O-)o-(R4)m-[Si(R2)2O-]n-[Si(R2)2-X']m-R4-H
で示される化合物であり、
R1がオキシアルキレン基を表し、1つより多くのイソシアネート反応性基を含有する化合物の例は、下記の式:
HO-(CHR3-CH2O-)o-(R4)m-[Si(R2)2O-]n-(CH2-CHR3-O-)p-CH2-CHR3-OH
で示される化合物である。
[式中、
R2、mおよびnは、前記と同義であり;
R3は、互いに独立して、水素、または1〜12個の炭素原子を有するアルキル基、好ましくは、水素またはメチルを表し;
R4は、互いに独立して、任意に不活性的に置換された、二価炭化水素基、好ましくはアルキレン基(例えば、メチレン、エチレン、プロピレンまたはブチレン)を表し;
X’は、R4基とSi原子との間の結合、例えば、共有結合、-O-または-COO-を表し;
oは、1〜200、好ましくは2〜50、より好ましくは4〜25の整数であり;
pは、0〜200、好ましくは2〜50、より好ましくは4〜25の整数である]。
【0028】
これらのシロキサン化合物は、適切なシロキサンを、所望のシロキサン含量を有する化合物を製造するのに充分な量のアルキレンオキシド(好ましくは、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド)と反応させることによって製造される。
【0029】
他の適当なシロキサン含有化合物は、直鎖、分岐鎖または環式であってよく、50,000まで、好ましくは10,000まで、より好ましくは6000まで、最も好ましくは2000までの分子量(ポリスチレンを標準として使用するゲル透過クロマトグラフィーにより測定される数平均分子量)を有する。これらの化合物は一般に、5より大、好ましくは25より大、より好ましくは35より大のヒドロキシル価を有する。この種の化合物は、"Silicon Compounds"、第5版(Huels America、Inc. 発行)に記載されている。
【0030】
本発明のポリイソシアネート付加化合物において、シロキサン含有化合物対ポリイソシアネートの最小比は、ポリイソシアネート1モルにつき、シロキサン含有化合物約0.01ミリモル、好ましくは約0.1ミリモル、より好ましくは約1ミリモルである。シロキサン含有化合物対ポリイソシアネートの最大比は、ポリイソシアネート1モルにつき、シロキサン含有化合物約500ミリモル、好ましくは約100ミリモル、より好ましくは約20ミリモルである。得られるポリイソシアネート付加化合物が、固形分に基づいて最小で、0.002重量%、好ましくは0.02重量%、より好ましくは0.2重量%のシロキサン基(SiO、MW44として計算)、固形分に基づいて最大で、50重量%、好ましくは10重量%、より好ましくは7重量%、最も好ましくは3重量%のシロキサン基を含有するように、シロキサンの量を選択する。
【0031】
本発明のポリイソシアネート付加化合物を製造するために適当なエチレン性不飽和基含有イソシアネート反応性化合物は、1〜3個、好ましくは1〜2個およびより好ましくは1個のイソシアネート反応性基(好ましくはヒドロキシルまたはアミノ基およびより好ましくはヒドロキシル基)および1〜3個、好ましくは1個のエチレン性不飽和基を含有する化合物である。
【0032】
これらのエチレン性不飽和化合物の例としては、以下の式:
CH2=CR1-C(O)O-R2-OH
[式中、R1は水素またはメチルであり、R2は、2〜10個、好ましくは2〜4個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキレン基である。]
で示されるヒドロキシアルキルアクリレートまたはヒドロキシアルキルメタクリレートが挙げられる。
【0033】
適当なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの例としては、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、3-ヒドロキシペンチルアクリレート、6-ヒドロキシノニルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシブチルメタクリレート、2-ヒドロキシペンチルメタクリレート、5-ヒドロキシペンチルメタクリレート、7-ヒドロキシヘプチルメタクリレートおよび5-ヒドロキシデシルメタクリレートが挙げられる。
【0034】
他の適当なエチレン性不飽和化合物としては、好ましくはプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドによる上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのアルコキシル化生成物;ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレートとラクトン(例えばε-カプロラクトン)との反応生成物;アクリル酸および/またはメタクリル酸(好ましくはアクリル酸)と、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルシンナメート、グリシジルクロトネート、グリシジルアリルエーテル、グリシジルシンナミルエーテルおよび/またはグリシジルクロチルエーテル(好ましくはグリシジルメタクリレート)との反応生成物;(メタ)アクリル酸と、過剰量のより高い官能性の飽和アルコールとの反応生成物、例えばグリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレートおよびペンタエリスリトールトリアクリレートおよび対応するメタクリレート;好ましくは5〜14個の炭素原子を有し、および少なくとも1個の(好ましくは少なくとも2個の)β,γ-エチレン性不飽和エーテル基を含有するβ,γ-エチレン性不飽和エーテルアルコール、例えば、アリルアルコール、グリセロールジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテルおよびペンタエリスリトールトリアリルエーテル;ヒドロキシアルキルビニルエーテル、例えば、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、および4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、3-ヒドロキシ-1,4-ペンタジエンおよび3-ヒドロキシ-3-エテニル-1,4-ペンタジエン;(メタ)アクリル酸とモノエポキシド化合物との反応生成物;4-ヒドロキシスチレン;4-(ヒドロキシメチル)スチレン;および少なくとも2個のヒドロキシル基を含有するヒドロキシ官能性エチレン性不飽和化合物、例えば、トリメチロールプロパンモノアクリレートおよびモノアリルエーテル、グリセロールモノアクリレートおよびモノアリルエーテルおよびペンタエリスリトールジアクリレートおよびジアリルエーテルが挙げられる。
【0035】
ポリイソシアネート付加化合物は、ポリイソシアネートと、シロキサン基含有ヒドロキシル化合物を反応させてウレタン基を形成することにより製造される。次いで、得られた生成物を、実質的に全てのイソシアネート基が反応するまでエチレン性不飽和基含有イソシアネート反応性化合物と反応させる。また、エチレン性不飽和基含有化合物をポリイソシアネートと反応させ、その後、シロキサン基含有ヒドロキシル化合物と反応させることもできる。或いは、これらの化合物の両方を、同時にポリイソシアネートと反応させることもできる。
【0036】
ウレタン基含有ポリイソシアネート混合物を製造するのに適当な方法は既知である。ウレタン化反応は、既知のウレタン触媒、例えば有機金属塩または第三級アミンの存在下、40〜140℃、好ましくは60〜90℃、より好ましくは70〜80℃の温度で行いうる。反応は、反応温度の低下、触媒の除去、例えば、真空の適用、または触媒毒の添加によって停止し得る。反応終了後、任意の揮発性の未反応モノマーポリイソシアネートを、例えば薄膜蒸発により除去することができるが、これは必要ではない。なぜなら、得られる生成物中に存在するイソシアネート基は、その後、エチレン性不飽和基含有イソシアネート反応性化合物またはシロキサン基含有ヒドロキシル化合物と反応するからである。
【0037】
ウレタン化反応は、イソシアネート基に対し不活性な溶媒の存在下または不存在下、特に、液体出発物質を使用する場合は、好ましくは溶媒の不存在下に行われる。本発明の生成物の応用分野に依存して、低沸点ないし中沸点溶媒または高沸点溶媒を使用し得る。好適な溶媒は、エステル、例えば、酢酸エチルまたは酢酸ブチル;ケトン、例えば、アセトンまたはブタノン;芳香族化合物、例えば、トルエンまたはキシレン;ハロゲン化炭化水素、例えば、塩化メチレンおよびトリクロロエチレン;エーテル、例えば、ジイソプロピルエーテル;およびアルカン、例えば、シクロヘキサン、石油エーテルまたはリグロインである。
【0038】
本発明の方法は、回分的または連続的に、例えば以下に記載のように行いうる。湿分を排除し、任意に不活性ガスを使用して、出発ポリイソシアネートを好適な撹拌容器または管に導入し、場合によりイソシアネート基に対し不活性な溶媒、例えば、トルエン、酢酸ブチル、ジイソプロピルエーテルまたはシクロヘキサンと混合する。本発明の好ましい実施態様において、ヒドロキシル基およびシロキサン基を含有する上記化合物を、ポリイソシアネートと反応させ、その後、エチレン性不飽和基含有イソシアネート反応性化合物と反応させる。いくつかの実施形態によれば、ヒドロキシル基およびシロキサン基を含有する化合物を、反応器に導入し得る。それらを出発ポリイソシアネートと混合して反応器に導入してもよく;ポリイソシアネートを添加する前または後、好ましくは後に、それらを反応器に別々に添加してもよく;または、溶液を反応器に導入する前に、触媒をこれらの化合物に溶解させてもよい。
【0039】
滴定、屈折率またはIR分析のような適切な方法でNCO含量を測定することによって、反応の経過を追跡する。このようにして、所望のウレタン化度、好ましくは理論NCO含量にて、反応を停止し得る。
【0040】
中間生成物は、ウレタン基およびシロキサン基を含有するポリイソシアネートである。これらのポリイソシアネートは、1.5〜6、好ましくは2〜6およびより好ましくは2〜4の平均官能価を有し、およびウレタン基およびシロキサン基を含有するポリイソシアネートの固形分に基づいて1〜30重量%、好ましくは1〜25重量%およびより好ましくは5〜25重量%のNCO含量を有する。
【0041】
ウレタン基およびシロキサン基を含有するポリイソシアネートとエチレン性不飽和基含有イソシアネート反応性化合物との間の反応は、反応容器中に反応体および必要に応じて阻害剤を任意の順序で添加することにより行うことができる。反応体の量は、ポリイソシアネートのイソシアネート基の数とエチレン性不飽和化合物のイソシアネート反応性基の数が基本的に当量になるように、すなわち、当量比NCO:OH+NHが1.10:1〜1:1.10、好ましくは1.05:1〜1:1.05およびより好ましくは1.02:1〜1:1.02になるように選択される。反応体を添加後、触媒量のウレタン触媒(例えば、ジブチル錫ジラウレート)を添加し、そして混合物を、典型的に約40〜90℃、好ましくは約60℃の温度に加熱する。初期の発熱反応の間、温度を90℃未満に維持する。反応混合物を冷却後、例えばジブチルアミンを用いた滴定により測定されるイソシアネート含量が<0.5重量%になるまで温度を60℃と70℃との間に維持する。イソシアネート含量が高すぎる場合、さらなる量のイソシアネート反応性化合物を添加して任意の残りのイソシアネート基と反応させることができる。その後、生成物を冷却して保存する。
【0042】
あるいは、反応体の一つを他の添加剤と共に添加することができ、次いで、他の反応体を添加することができる。イソシアネート成分を最初に添加する場合、イソシアネート反応性成分の総量より低い量で最初に添加することができる。反応が本質的に完了した後、イソシアネート含量を決定することができ、次いで、イソシアネート反応性成分の残りを、イソシアネート基の残りの数と本質的に当量になる量で添加することができる。
【0043】
ポリイソシアネート付加化合物は、ポリイソシアネート付加化合物の重量に基づいて2〜40重量%、好ましくは2〜20重量%、およびより好ましくは2〜10重量%のエチレン性不飽和基含量(C=C、MW24として計算)を有する。
【0044】
フリーラジカル重合により硬化可能な被覆組成物に使用する前に、本発明のポリイソシアネート付加化合物を、既知の他のエチレン性不飽和基含有重付加化合物とブレンドしてもよい。このような他のポリイソシアネート付加化合物にブレンドすべき本発明のポリイソシアネート付加化合物の量は、本発明のポリイソシアネート付加化合物のシロキサン含量、得られる被覆組成物の意図する用途、およびこの用途に望まれる低表面エネルギー特性の程度に依存する。
【0045】
低表面エネルギー特性を得るために、得られるポリイソシアネート付加化合物のブレンドは、固形分に基づいて最小で、0.002重量%、好ましくは0.02重量%、より好ましくは0.2重量%のシロキサン基(MW44)、および固形分に基づいて最大で、10重量%、好ましくは7重量%、より好ましくは3重量%のシロキサン基(MW44)を含有すべきである。10重量%より多いシロキサン基含量も低表面エネルギー被覆物を与えるのに適しているが、より多い量を使用することによってさらに改善が得られるわけではない。本発明のポリイソシアネート付加化合物のシロキサン含量、および得られるブレンドの所望のシロキサン含量を知ることによって、本発明のポリイソシアネート付加化合物および他のポリイソシアネート付加化合物の相対量を容易に決定することができる。
【0046】
本発明によれば、得られるブレンドが本発明のポリイソシアネート付加化合物に必要とされる最小シロキサン含量を有する限り、如何なる本発明のポリイソシアネート付加化合物も、他のポリイソシアネート付加化合物とブレンドすることができる。しかしながら、ブレンドされるポリイソシアネート付加化合物は、好ましくは5重量%、より好ましくは10重量%の最小シロキサン含量を有し、好ましくは50重量%、より好ましくは40重量%、最も好ましくは30重量%の最大シロキサン含量を有する。次に、これらのいわゆる「濃縮物」を他のポリイソシアネート付加化合物とブレンドして、ブレンドを形成し、このブレンドを使用して低表面エネルギー特性を有する被覆物を製造することができる。
【0047】
シロキサン高含量を有する濃縮物を製造し、それをシロキサン非含有ポリイソシアネート付加化合物とブレンドすることによって、いくつかの利点が得られる。先ず、1つの濃縮物を製造するだけで、多くの生成物を低表面エネルギーポリイソシアネート付加化合物に変換することができる。市販のポリイソシアネート付加化合物と濃縮物とをブレンドすることによってそのような低表面エネルギーポリイソシアネート付加化合物を製造することにより、シロキサン含有およびシロキサン非含有の両形態の各生成物を別々に製造する必要がない。シロキサン最大含量によって生じうる1つの不都合は、小部分の出発ポリイソシアネートの全てのイソシアネート基が反応し得ることである。イソシアネート基を含有しないこれらの分子は、エチレン性不飽和化合物と反応することができないので、得られる被覆物に組み込まれ得ない。このことは、最終被覆物の特性に悪影響を及ぼし得る。
【0048】
また、本発明のポリイソシアネート付加化合物は、水性被覆組成物に使用することができる。これらの組成物において有用にするために、ポリイソシアネート付加化合物を、外部乳化剤と共に混合することにより、または陽イオン性、陰イオン性または非イオン性基を含有する化合物を化学的に組み込むことにより、親水性にすることができる。親水性化合物との反応は、シロキサン含有化合物を組み込むためのアロファネート化反応の前、間または後に行うことができる。ポリイソシアネートを親水性にするための方法は、米国特許5,194,487および5,200,489(これらの開示は、参照により本明細書に援用される)中に開示されている。変性ポリイソシアネート付加化合物の低減された表面張力は、顔料分散および基材湿潤を向上させる。
【0049】
本発明のポリイソシアネート付加化合物に加えて、被覆組成物は、既知の添加剤を含有することができる。これら添加剤の例は、湿潤剤、流れ制御剤、皮張り防止剤、消泡剤、艶消剤(例えば、シリカ、ケイ酸アルミニウムおよび高沸点ワックス)、粘度調整剤、顔料(有機顔料および無機顔料の両方を含む)、染料、紫外線吸収剤、並びに熱および酸化分解に対する安定剤を含む。
【0050】
他の添加剤は、共重合性モノマーおよび有機溶媒、好ましくは共重合性モノマーを含む。適当な共重合性モノマーは、1〜4個、好ましくは2〜4個のエチレン性不飽和基を有し、好ましくは、23℃で1,000 mPa・s 以下、より好ましくは500 mPa・s以下の粘度を有する有機化合物、例えば、2〜6個の炭素原子を有するグリコール並びに3〜4個のヒドロキシル基および3〜6個の炭素原子を有するポリオールの、ジ-およびポリ(メタ)アクリレートから選ばれる。
【0051】
その例としては、エチレングリコールジアクリレート、プロパン-1,3-ジオールジアクリレート、ブタン-1,4-ジオールジアクリレート、ヘキサン-1,6-ジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ-およびテトラアクリレート、並びに対応するメタクリレートが挙げられる。エチレングリコール、プロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオールで開始したポリエーテルグリコールのジ(メタ)アクリレート;1モルのトリメチロールプロパンと2.5〜5モルのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドとの反応生成物のトリアクリレート;並びに1モルのペンタエリスリトールと3〜6モルのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドとの反応生成物のトリ-およびテトラアクリレートも適当である。他の共重合性モノマーとしては、スチレンのような芳香族ビニル化合物;ビニルブチルエーテルまたはトリエチレングリコールジビニルエーテルのようなビニルアルキルエーテル;およびトリアリルイソシアヌレートのようなアリル化合物が挙げられる。好ましくは、共重合性モノマーは、2以上の官能価を有する。
【0052】
適当な溶媒の例としては、ポリウレタン被覆技術から既知の溶媒、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、酢酸ブチル、酢酸エチル、エチルグリコールアセテート、メトキシプロピルアセテート(MPA)、アセトン、メチルエチルケトンおよびこれらの混合物が挙げられる。低分子量アルコールも使用できるが、それらは、好ましくは全てのイソシアネート基が反応した後に添加すべきである。
【0053】
共重合性モノマーは、ポリイソシアネート付加化合物の総重量に基づいて約100重量%、好ましくは約60重量%およびより好ましくは約40重量%の最大量で存在する。有機溶媒は、ポリイソシアネート付加化合物の総重量に基づいて約150重量%、好ましくは約100重量%およびより好ましくは約50重量%の最大量で存在する。1つ以上のこれらの希釈剤が存在する場合、共重合性モノマーおよび有機溶媒の最小総量は、ポリイソシアネート付加化合物の総重量に基づいて少なくとも約10重量%、好ましくは少なくとも約15重量%およびより好ましくは少なくとも約20重量%である。
【0054】
被覆組成物は、木材、プラスチック、皮革、紙、繊維製品、ガラス、セラミック、石膏、石材、金属およびコンクリートのような、あらゆる種類の基材を被覆するために使用できる。該被覆組成物は、吹付塗り、引き塗り、流し塗り、流延、浸漬、ロール塗りのような標準的な方法によって塗布できる。該被覆組成物は、透明ラッカーまたは着色ラッカーであり得る。
【0055】
使用した不活性溶媒の一部または全てを必要に応じて蒸発させた後、被覆物を、高エネルギー放射線;紫外線または可視光線のような低エネルギー放射線(好ましくは少なくとも320 nmの波長を有し、より好ましくは約320〜500 nmの波長を有する);電子線;ガンマ線;水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプまたはカーボンアーク灯;太陽光および放射線源を用いることにより、ペルオキシドまたはアゾ化合物の存在下で高温に加熱することにより、或いは高温または室温以下の温度で、ドライヤーの酸の金属塩および必要に応じて(ヒドロ)ペルオキシドを用いて硬化することにより、フリーラジカル重合することによって、架橋することができる。
【0056】
被覆組成物を紫外線照射によって架橋する場合、光開始剤を被覆組成物に添加する。適当な光開始剤は既知であり、J. Korsar著、"Light-Sensitive Systems"、J. Wiley & Sons、ニューヨーク-ロンドン-シドニー、1976年、およびHouben-Weyl、Methoden der Organischen Chemie、E 20巻、80頁以下、Georg Thieme Verlag、シュトゥットガルト、1987 年に記載されているものを含む。
【0057】
特に適当な光開始剤は、ベンゾインイソプロピルエーテルのようなベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタールのようなベンジルケタール類、および1-フェニル-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オンのようなヒドロキシアルキルフェノン類を含む。光開始剤は、用途に応じて、エチレン性不飽和ポリウレタンおよび他の共重合性モノマーの重量に基づいて、0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の量で添加され得る。光開始剤を個々に添加してもよいし、または有利な相乗的効果を得るために混合物として使用してもよい。
【0058】
高温で被覆組成物を硬化するには、エチレン性不飽和ポリウレタンの重量に基づいて、0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の、ペルオキシドまたはアゾ化合物のような開始剤の存在下で硬化を行わなければならない。高温で被覆組成物を硬化するためには、80〜240℃、好ましくは120〜160 ℃の温度が必要である。
【0059】
適当な開始剤は、既知のフリーラジカル開始剤、例えば、アゾジイソブチロニトリル、アゾ-ビス-2-メチル-バレロニトリル、1,1'-アゾ-ビス-1-シクロヘキサンニトリル、およびアルキル-2,2'-アゾ-ビス-イソブチレートのような脂肪族アゾ化合物;アセチルペルオキシド、プロピオニルペルオキシドまたはブチリルペルオキシド、ブロモ基、ニトロ基、メチル基またはメトキシ基によって置換されているベンゾイルペルオキシド、およびラウリルペルオキシドのような対称ジアシルペルオキシド;ジエチルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネートおよびジベンゾイルペルオキシジカーボネートのような対称ペルオキシジカーボネート;t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエートおよび t-ブチルペルベンゾエート;t-ブチルヒドロペルオキシドおよびクメンヒドロペルオキシドのようなヒドロペルオキシド;およびジクミルペルオキシド、t-ブチルクミルペルオキシドまたはジ-t-ブチルペルオキシドのようなジアルキルペルオキシドを含む。
【0060】
本発明の被覆組成物は、イソシアネート基の一部がβ,γ-エチレン性不飽和エーテルアルコールと反応している限り、ドライヤーおよび必要に応じて(ヒドロ)ペルオキシドの存在下、室温でも硬化され得る。この方法によってアクリロイル基を硬化することはできない。しかしながら、アリルエーテル基を一旦開始させると、アリルエーテル基は(メタ)アクリロイル基と反応することができる。
【0061】
適当なドライヤーは既知であり、亜麻仁油脂肪酸、トール油脂肪酸および大豆油脂肪酸のような酸;アビエチン酸およびナフテン酸のような樹脂酸;酢酸;イソオクタン酸;塩酸および硫酸のような無機酸の、金属塩、好ましくはコバルト塩またはバナジウム塩を含む。被覆組成物に可溶であり、ドライヤーとして作用するコバルトおよびバナジウム化合物が特に適当であり、上記酸の塩、およびAkzo社によって販売されている「Vanadiumbeschleuniger VN-2(Vanadium Accelerator VN-2)」のような市販品も含む。ドライヤーは一般に、金属含量がエチレン性不飽和ポリウレタンの重量に基づいて0.0005〜1.0重量%、好ましくは0.001〜0.5重量%となるような量で有機溶液の形態で使用される。
【0062】
(ヒドロ)ペルオキシドの例は、ジ-t-ブチルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、ジノニルペルオキシド、ビス-(4-t-ブチルシクロヘキシル)-ペルオキシ-ジカーボネート、t-ブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、2,5-ジメチル-ヘキサン-2,5-ヒドロペルオキシドおよびジイソプロピルベンゼンモノヒドロペルオキシドを含む。(ヒドロ)ペルオキシドは、好ましくは、エチレン性不飽和ポリウレタンの重量に基づいて1〜10重量%の量で使用される。
【0063】
コバルトおよびペルオキシドの存在下で硬化する場合、被覆組成物は、一般に、20℃で1〜24 時間かけて硬化し、高品質被覆物を形成する。しかしながら、硬化は、低温(例えば-5℃)で、または130℃までの高温で迅速に行うこともできる。
【0064】
本発明のポリイソシアネート付加化合物を含有する被覆組成物は、良好な乾燥時間を有し、金属性基材に驚くほどよく付着し、非常に耐光性であり、熱に対して色安定性であり、耐摩耗性に優れた被覆剤を与える。それらは、高硬度、弾性、非常に良好な耐薬品性、高光沢、良好な耐候性、良好な耐環境腐食性および良好な顔料着色性も有する。特に、該被覆組成物は、優れた表面外観および優れた洗浄性を有する。
【0065】
本発明を下記の実施例によってさらに説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0066】
表中に記載の全ての量、部およびパーセンテージは、他に示さない限り、重量基準であり、および樹脂固形分に基づく。
【0067】
〔シロキサンアルコール0411〕
分子量約1000の、ブチルで開始したカルビノール末端ポリジメチルシロキサンアルコール(Chisso Corp.からSilaplane FM-0411として販売)。
〔シロキサンアルコール4411〕
分子量約1000の、カルビノール末端ポリジメチルシロキサンジオール(Chisso Corp.からSilaplane FM-4411として販売)。
【0068】
〔ポリイソシアネート3400〕
1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートから製造され、イソシアネート含量21.5%、モノマージイソシアネート含量<0.50%、25℃における粘度200 mPa・sおよび表面張力40 dynes/cmを有する、ウレトジオンおよびイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート(Bayer Material ScienceからDesmodur N 3400として販売)。
〔ポリイソシアネート3600〕
1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートから製造され、イソシアネート含量22.8%、モノマージイソシアネート含量<0.25%、25℃における粘度1145 mPa・s、および表面張力45 dynes/cmを有する、イソシアヌレート基含有ポリイソシアネート(Bayer Material ScienceからDesmodur N 3600として販売)。
〔ポリイソシアネート2410〕
1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートから製造され、イソシアネート含量23.6%、モノマージイソシアネート含量<0.30%、25℃における粘度640 mPa・s、および表面張力40 dynes/cmを有する、イソシアヌレートおよびイミノオキサジアジンジオン基含有ポリイソシアネート(Bayer Material ScienceからDesmodur XP 2410として販売)。
〔ポリイソシアネート4470〕
イソホロンジイソシアネートから製造され、イソシアネート含量11.9%、モノマージイソシアネート含量<0.50%、25℃における粘度670 mPa・s、および表面張力40 dynes/cmを有する、イソシアヌレート基含有ポリイソシアネート(Bayer Material ScienceからDesmodur Z 4470 BAとして販売)。ポリイソシアネートの上記特性の全ては、酢酸n-ブチル中の70%溶液として決定した。
【0069】
〔アクリレートM100〕
2-ヒドロキシエチルアクリレートのポリ(ε-カプロラクトン)エステル(Tone M 100、Dow Chemicalsから市販、ヒドロキシル当量344)。
〔アクリレート希釈剤2513〕
攪拌機、加熱器、滴下漏斗および酸素注入管を備えた3Lの丸底フラスコ中に、72.7 g(0.815当量)のポリイソシアネート3600、280.5 g(0.815当量)のアクリレートM100および1.8 gのブチル化ヒドロキシトルエン安定剤を添加した。混合物を均一になるまで撹拌し、次いで、0.06 gのジブチル錫ジラウレート触媒を添加した。次いで、反応混合物を65℃に加熱し、そして、IRスペクトル中にイソシアネートが見られなくなるまでこの温度に6時間保持した。得られたポリウレタンは、65℃での粘度22,000 mPa・sおよび100%固形分を有した。
〔アクリレート希釈剤238〕
1,6-ヘキサンジオールジアクリレート(SR238、Sartomerから市販)
〔アクリレート希釈剤256〕
2-(2-エトキシ)エチルアクリレート(SR256、Sartomerから市販)
〔光開始剤184〕
1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン光開始剤(Irgacure 184、Ciba Specialty Chemicalsから市販)
【0070】
〔液体試料の表面張力〕
ウイルヘルミー・プレート法(フレーム付スライドガラス)を使用して、表面張力を測定した。試料を、Cahn DCA 312動的接触角分析器で分析した。全ての試料を分析前に撹拌した。
【0071】
〔フィルム試料の表面エネルギー〕
水およびヨウ化メチレン、極性および非極性溶媒の前進角をそれぞれ、Rame-Hartゴニオメーターを使用して測定した。極性および分散性成分を包含する全固体表面エネルギーを、Owens Wendt法によって前進角を使用して計算した。
【0072】
〔実施例1〕
ウレタン基およびシロキサン基を含有するポリイソシアネート1の製造
機械撹拌器、冷水コンデンサー、加熱マントルおよびN2導入口を取り付けた1Lの三つ口丸底フラスコに、495 g(2.68当量、実滴定値に基づく)のポリイソシアネート3600および5 g(0.005当量)のシロキサンアルコール0411を加えた。反応物を撹拌し80℃に加熱した。3時間加熱後、NCO含量は22.31%に達した。これは理論値22.50%よりも極わずかに低い。熱源を除去し、冷水/氷浴を適用した。得られた生成物は、25℃での粘度1195 mPa・sを有し、および液体の表面張力は、22.9 dynes/cmであった。
【0073】
〔実施例2〜9〕
ウレタン基およびシロキサン基を含有するポリイソシアネート2〜9の製造
異なるポリイソシアネートおよび異なる種類および量のシロキサンアルコールを使用して、他のポリイソシアネートを実施例1と同様に製造した。シロキサンアルコールが低表面張力を与えるのに必要であることを示すために、比較例ではイソブタノールを使用した。比較例4および5は、それぞれ、実施例1および2と同じ当量のアルコールを使用する。実施例1〜9の詳細を表1に示す。
【0074】
【表1】

【0075】
〔実施例10〕
ポリイソシアネート付加化合物1の製造(本発明)
機械撹拌器、冷水コンデンサー、加熱マントル、および乾燥空気スパージを取り付けた1Lの三つ口丸底フラスコに、250 g(1.33当量)のポリイソシアネート1を充填した。これを60℃に加熱し、そして、添加漏斗を通じて、3.56 gのBHTを添加し、次いで456 g(1.33当量)のアクリレートM100を充填した。アクリレートM100の添加が完了したとき、0.06 gのジブチル錫ジラウレートを添加した。温度を60℃に維持した。12時間後、NCOピークはIRにより検出されなかった。粘度は、25℃において21,335 mPa・sであった。該液体の表面張力は、23.6 dynes/cmであった。
【0076】
〔実施例11〜18〕
ポリイソシアネート付加化合物11〜18の製造(本発明)
他のポリイソシアネート付加化合物を、実施例10と同様にして、ウレタン基およびシロキサン基を含有する異なるポリイソシアネートを使用して製造した。実施例10〜18の詳細を表2に示す。
【0077】
【表2】

【0078】
これらの実施例は、本発明の低表面張力ポリイソシアネート付加化合物を製造することができることを示す。比較例13および14は、非変性シロキサン非含有ポリイソシアネートからのポリイソシアネート付加化合物の製造は、高い表面張力を変化させなかったことを示す。
【0079】
〔実施例19〜24〕
濃縮物としてのポリイソシアネート付加化合物の使用
1 gの表3中に記載のポリイソシアネート付加化合物を、9 gのアクリレート希釈剤、すなわち、エチレン性不飽和基を含有する非変性シロキサン非含有ポリイソシアネート付加化合物と手で混合した。得られたポリイソシアネート付加化合物の混合物は、低表面張力値を有した。これは、本発明のポリイソシアネート付加化合物がアクリレート希釈剤を希釈するための濃縮物として使用できたことを示す。実施例19〜24の詳細を表3に示す。
【0080】
【表3】

【0081】
これらの実施例は、本発明のポリイソシアネート付加化合物が非変性アクリレート希釈剤で希釈できることを示す。これはシロキサンアルコール基を含有しなかったが、なお低表面張力を与える。実施例13および14からの比較のポリイソシアネート付加化合物の同じ非変性アクリレート希釈剤による希釈は、高い表面張力を変化させなかった。
【0082】
〔実施例25〜37〕
フリーラジカル重合により硬化可能な被覆組成物の製造
表4中に記載のポリイソシアネート付加化合物を、酢酸ブチルとキシレンとの50/50(w/w)溶媒ブレンドによって約200 mPa・sに希釈し、および固形分に基づいて3重量部の光開始剤184を添加することによって、フリーラジカル重合により硬化可能な被覆組成物を製造した。6ミルのドローダウンバーを使用して、冷ロール未研磨鋼鉄パネル上に被覆物をドローした。被覆物を10分間フラッシュし、そして、UV Fusion System中、100%のランプ強度下、20 rpmのベルト速度にて硬化して透明フィルムを得た。実施例25〜39の詳細を表4に示す。
【0083】
【表4】

【0084】
これらの実施例は、本発明のポリイソシアネート付加化合物(直接製造されたものおよび濃縮物から製造されたものの両方)を硬化して低表面エネルギーを有する透明被覆物を得ることができることを示す。シロキサン基を含有しない比較のポリイソシアネート付加化合物は、それらが直接製造されたか、または濃縮物から製造されたかに拘わらず、高表面エネルギーを有する被覆物をもたらした。
【0085】
本発明を例示目的で前記に詳しく記載したが、そのような記載は例示目的にすぎず、請求の範囲によって限定される以外は、本発明の精神および範囲を逸脱せずに当業者によってそれらに変更を加えうるものと理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i) イソシアネート基を実質的に含有せず、および1つ以上のa) イソシアヌレート、ウレトジオン、ビウレット、アロファネート、イミノオキサジアジンジオンカルボジイミドおよび/またはオキサジアジントリオン基を含有するポリイソシアネートアダクトおよび/またはb) NCOプレポリマーから製造され、
ii) ウレタン基を含有し、
iii) シロキサン基(SiO、MW44として計算)を0.002〜50重量%の量で含有し、および
iv) エチレン性不飽和基(C=C、MW24として計算)を2〜40重量%の量で含有する、
ポリイソシアネート付加化合物であって、
前記パーセントは、ポリイソシアネート付加化合物の固形分に基づき、シロキサン基は、イソシアネート基と、炭素原子に直接的に結合した1つ以上のヒドロキシル基および1つ以上のシロキサン基を含有する化合物とを反応させてウレタン基および必要に応じてアロファネート基を形成することによって組み込まれ、ただし、ポリイソシアネート付加化合物にシロキサン基を化学的に組み込む基の50モル%より多くがウレタン基である、
ポリイソシアネート付加化合物。
【請求項2】
シロキサン基が、イソシアネート基と、炭素原子に直接的に結合した1つのヒドロキシル基および1つ以上のシロキサン基を含有する化合物とを反応させることによって組み込まれる、請求項1に記載のポリイソシアネート付加化合物。
【請求項3】
ポリイソシアネート付加化合物が、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートから製造されるイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートを含んでなる1つ以上のポリイソシアネートアダクトから製造される、請求項1に記載のポリイソシアネート付加化合物。
【請求項4】
ポリイソシアネート付加化合物が、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートから製造されるイソシアヌレート基含有ポリイソシアネートを含んでなる1つ以上のポリイソシアネートアダクトから製造される、請求項2に記載のポリイソシアネート付加化合物。
【請求項5】
エチレン性不飽和基の少なくとも一部が、イソシアネート基と、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリル酸とε-カプロラクトンとの反応生成物とを反応させることにより組み込まれる、請求項1に記載のポリイソシアネート付加化合物。
【請求項6】
エチレン性不飽和基の少なくとも一部が、イソシアネート基と、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリル酸とε-カプロラクトンとの反応生成物とを反応させることにより組み込まれる、請求項2に記載のポリイソシアネート付加化合物。
【請求項7】
エチレン性不飽和基の少なくとも一部が、イソシアネート基と、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリル酸とε-カプロラクトンとの反応生成物とを反応させることにより組み込まれる、請求項3に記載のポリイソシアネート付加化合物。
【請求項8】
エチレン性不飽和基の少なくとも一部が、イソシアネート基と、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートまたは(メタ)アクリル酸とε-カプロラクトンとの反応生成物とを反応させることにより組み込まれる、請求項4に記載のポリイソシアネート付加化合物。
【請求項9】
ポリイソシアネート付加化合物が、固形分に基づいて0.02〜10重量%のシロキサン基および2〜20重量%のエチレン性不飽和基を含有する、請求項1に記載のポリイソシアネート付加化合物。
【請求項10】
ポリイソシアネート付加化合物が、固形分に基づいて0.02〜10重量%のシロキサン基および2〜20重量%のエチレン性不飽和基を含有する、請求項2に記載のポリイソシアネート付加化合物。
【請求項11】
ポリイソシアネート付加化合物が、固形分に基づいて0.02〜10重量%のシロキサン基および2〜20重量%のエチレン性不飽和基を含有する、請求項3に記載のポリイソシアネート付加化合物。
【請求項12】
ポリイソシアネート付加化合物が、固形分に基づいて0.02〜10重量%のシロキサン基および2〜20重量%のエチレン性不飽和基を含有する、請求項4に記載のポリイソシアネート付加化合物。
【請求項13】
ポリイソシアネート付加化合物が、固形分に基づいて0.02〜10重量%のシロキサン基および2〜20重量%のエチレン性不飽和基を含有する、請求項5に記載のポリイソシアネート付加化合物。
【請求項14】
ポリイソシアネート付加化合物が、固形分に基づいて0.02〜10重量%のシロキサン基および2〜20重量%のエチレン性不飽和基を含有する、請求項6に記載のポリイソシアネート付加化合物。
【請求項15】
ポリイソシアネート付加化合物が、固形分に基づいて0.02〜10重量%のシロキサン基および2〜20重量%のエチレン性不飽和基を含有する、請求項7に記載のポリイソシアネート付加化合物。
【請求項16】
ポリイソシアネート付加化合物が、固形分に基づいて0.02〜10重量%のシロキサン基および2〜20重量%のエチレン性不飽和基を含有する、請求項8に記載のポリイソシアネート付加化合物。
【請求項17】
フリーラジカル重合により硬化可能であり、および請求項1に記載のポリイソシアネート付加化合物を含有する、被覆組成物。

【公表番号】特表2009−516057(P2009−516057A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541248(P2008−541248)
【出願日】平成18年11月13日(2006.11.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/043977
【国際公開番号】WO2007/061663
【国際公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(503349707)バイエル・マテリアルサイエンス・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー (178)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience LLC
【Fターム(参考)】