説明

体内物質の非侵襲的測定のための装置および方法

ヒトの血中のグルコースなど、体内物質の濃度の非侵襲的検出のための方法および装置が開示される。装置は、適切なフィルタのセットと組み合わせて、検出された赤外線を使用して、人体によって放出された遠赤外線領域の放射を検出することによって物質濃度を測定する。必要な精度を達成するために、検出器によって検出された放射の値は、システムコンポーネントの放射を補正する。検出器温度および周囲温度を含む各システムコンポーネントの温度は、様々なシステムコンポーネントに取り付けられた温度センサーを使用して測定される。これらの温度は、検出器測定値を補正するように、あらかじめ定められた較正パラメータのセットと相関される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は一般に、ヒトの体内のグルコースの濃度の測定など、様々な体内物質の非侵襲的測定に関し、より詳細には、体内物質の濃度を非侵襲的に分析し測定する遠赤外線検出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
赤外線(IR)放射を使用する分光法は、従来技術では既知であり、体内の対象物質の濃度の非侵襲的測定に広く使用されている。特に対象となる1つの領域は、これらの技術をグルコースおよびヒトの血中の他の成分の濃度の非侵襲的測定のために使用することである。
【0003】
赤外線スペクトルは、近赤外線(約1〜3ミクロン)、中間赤外線(約3〜6ミクロン)、遠赤外線(約6〜15ミクロン)、および超遠赤外線(約15〜100ミクロン)を含む。一般的な従来技術のグルコースおよび他の非侵襲的血液成分測定デバイスは、グルコースおよび他の血液成分による赤外線エネルギーの吸収が比較的低い近赤外線領域で動作する。しかし、グルコースおよび他の血液成分は、中間赤外線領域および遠赤外線領域で、強い明確な吸収スペクトルを有することが知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遠赤外線検出システムでは、システムの解像度は、十分に正確な測定を行うために、0.01℃と等しくするべきであることが明らかになっている。この高い精度では、システムのコンポーネント(例えば、鏡、フィルタ、フィールドリミッタ、検出器)の黒体放射によって測定に変動が生じることがある。そのような問題に対する従来の解決策は、システムを低温(例えば、-180度)に冷却し、システムを密封し、水分の堆積を防ぐために、乾燥窒素で充填することである。しかし、そのような解決策は、消費製品には実用的ではなく、高価である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本出願は、体内物質の濃度を非侵襲的に分析し測定する遠赤外線検出システムを開示する。1つの実施形態によれば、体内物質の非侵襲的測定のための装置は、例えば人体などの体から放出され、または再放出された放射を感知するための検出器を含む。光学システムは人体によって放出されたIR放射を検出器の感応領域に集束するように設けられ、位置合わせされている。
【0006】
検出器の視野内のシステムの各要素および検出器自体は、各要素の温度を測定するために、各要素に取り付けられたサーミスタなどの温度測定デバイスを有する。検出器が人体によって放射されたエネルギーを正確に測定するように、システムは、検出器の視野内の各要素の温度の影響を補正するように、較正される。各要素の加熱または加熱/冷却ユニットを別個に使用して、システムの他の要素の温度を安定させたまま、各要素の温度を較正のために変化させることができる。このプロセスは、測定に関連する多様な条件で、各要素の測定値への影響を較正するために、様々な周囲温度および様々な体温で何回も繰り返される。
【0007】
この手順は、各要素の検出器の測定への寄与を表す参照テーブル(「LUT」)を使用して、検出器の視野内の各要素について繰り返される。各測定には、システムの各要素の温度による擾乱を考慮に入れ、それにより、システムは高いレベルの精度を達成することができる。
【0008】
LUTの作成および構築中、検出器の視野を制限するために使用されるバッフルの温度の人体の測定値に対する影響は10:1であることが見出された。較正のみではそのような大きな影響を補償することはできない。
【0009】
遠赤外線領域での解決策は、反射率を高めることによってバッフルの放射率を低下させることである。しかし、バッフルの反射率を高めると、迷エネルギーを検出器へと反射させるという別の問題が生じる。放射率を低下させるように、研磨され、金めっきされた内面、すなわち、バッフルの検出器に対向する面を備えた球体バッフルを設計した。バッフルの設計によって、反射または多重反射が検出器の感応領域に到達しないようになっている。
【0010】
検出器およびバッフルが取り付けられている基板およびバッフルは、実質的に検出器と同じ温度を有する。基板およびバッフルの外面は、放射率が約97%となるくすんだ黒色の表面を有する放射トラップとして設計されている。
【0011】
人体から放出、または再放出されたIR放射を集光するために、システム光学器の設計は、検出器感応領域の画像を体表面に形成する。検出器は、この領域から放出、または再放出されたIR放射を平均化するので、検出器感応領域の画像によって輪郭を定められた体表面の領域は重要である。
【0012】
別の実施形態によれば、本発明の光学装置は、光学フィルタの第1の側に配置された第1の鏡、および第1の鏡と反対側の光学フィルタの第2の側に配置された第2の鏡である、2つの交換可能な光学フィルタを含む。検出器は、光学フィルタの第2の側に配置される。バッフルが、検出器の感応面の一部を取り囲む。温度測定デバイスは、バッフル、鏡およびフィルタの温度を測定するように構成されている。第1の鏡は、測定される体表面からのIR放射を受け、IR放射をビームにコリメートし、コリメートされたIRビームを、光学フィルタに向かって、光学フィルタを通って、反射させるように構成されている。光学フィルタの1つは、コリメートされたIRビームの、選択された帯域の範囲外の波長を有する部分を除去するように構成され、第2の光学フィルタは、コリメートされたIRビームの、選択された帯域の範囲内の波長を有する部分を除去するように構成されている。フィルタは電動機構によって交換可能であり、各IR放射測定は、1つのフィルタでの少なくとも1つの測定および第2のフィルタでの第2の測定を含む。第2の鏡は、コリメートされ、フィルタリングされたIRビームを受け、検出器に向かって反射させるように構成されている。バッフルは、迷IR放射が検出器感応領域に到達しないよう遮断するように構成されている。
【0013】
次いで、2つの放射測定値はそれぞれ、測定値へのシステム要素の放射の影響を取り除くように補正される。黒体測定値を補正および正規化した後の2つの放射測定値の比を、例えば人体の血中のグルコース濃度など、所望の体内物質の濃度と相関させる。
【0014】
同様の番号が同様の要素を示す以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明のある態様をさらに示すために添付される。本発明は、これらの図面の1つまたは複数を、本明細書に示された特定の実施形態の詳細な説明の記述と併せて参照することによって、より良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】体内物質の濃度の非侵襲的測定のためのシステムのブロック図である。
【図2】人体と検出器との間の電磁波の伝播経路を示す、図1の光学器および検出器装置の斜視図である。
【図3】図1および2の検出器の斜視図である。
【図4】温度測定デバイスの光学器および検出器装置の様々な要素の位置を示す、図2の光学器および検出器装置の斜視図である。
【図5】検出器および図2に示す光学器および検出器装置のバッフルの断面図である。
【図6】検出器および図2に示す光学器および検出器装置のバッフルの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本出願のこれらおよび他の実施形態は、本明細書でより詳しく説明される。特徴、機能、および利点は、本発明の様々な実施形態で個別に達成することができ、またはさらに他の実施形態で組み合わせることもできる。
【0017】
1つまたは複数の例示的な実施形態を以下で説明する。明確性のために、実際の実装形態のすべての特徴が必ずしも説明され、または図示されるわけではない。
【0018】
ここで図1を参照すると、体内物質の濃度の非侵襲的測定のためのシステム10のブロック図が示されている。人体11の表面から放出、または反射された赤外線(IR)放射が、光学サブシステム13によって集光され、コリメートされ、IR検出器アセンブリ15に集束される。人体11は、システム10によって測定されるIR放射の発生源である。人体11は一般に、例えばヒトの体など、対象の体表面の一部分である。光学サブシステム13は、図2に示すように、2つの異なる波長帯域信号を測定することができる、少なくとも2つの交換可能なフィルタ33、35を含み、第1の信号は、例えばグルコースなどの所望の測定しようとする物質の特性波長を含み、第2の信号は、放出された放射の基準信号として使用される物質特性波長を含まない部分である。
【0019】
検出器アセンブリ15は両方の信号を感知し、2つの信号測定値のそれぞれの強度に比例する出力電圧をマイクロプロセッサ17へと送る。図1に示すように、温度センサーは、様々な光学サブシステムおよび検出器アセンブリコンポーネントの温度および周囲温度を、線2、6、および8および参照テーブル(LUT)21を介して、マイクロプロセッサ17へと送る。較正プロセスでは、LUT 21に保存された較正パラメータのセットを提供するように、残りのシステムコンポーネントの温度を安定させたままで、光学サブシステムおよび検出器アセンブリコンポーネントのそれぞれの温度を変化させる。
【0020】
マイクロプロセッサ17は、あらかじめ定められた較正パラメータのセットを使用して、測定へのシステム要素の放射の影響を取り除くように、2つの放射測定値のそれぞれを補正する。2つの放射測定値の比を、黒体測定値のための補正および正規化の後、例えばヒトの体内の血中グルコースの濃度など、所望の体内物質の濃度と相関させる。次いで、結果を、例えばLCDまたはLEDビデオモニタなど、出力デバイス19へと送る。
【0021】
ここで図2も参照すると、図1に示すシステム10の光学器および検出器コンポーネントの構成の概略斜視図が示されており、人体11と検出器15との間のIR線の伝播経路を図示している。検出器15は、検出器要素23、検出器基部25およびバッフル27を含む。光学器および検出器コンポーネントの構成は、検出器15の感応または能動領域47(図3に示す)の画像12が人体11で鏡31の焦点面に形成されるように、設計されている。
【0022】
画像12の面積は、好ましくは直径約6mmである。ビーム41で人体11の画像12から放出、または反射されたIR放射は、鏡31によって集光され、コリメートされる。IR放射は鏡31によって反射され、フィルタ33またはフィルタ35を介して、コリメートされた平行な線のビーム43で鏡29へと伝播される。鏡29の焦点面は、検出器アセンブリ15の感応領域47の表面に位置している。鏡29に到達するビーム43は、ビーム45として反射され、伝播され、鏡29の焦点面で集束され、検出器アセンブリ15の感応領域47に入射する。
【0023】
検出器アセンブリ15は、鏡29を向いた面のバッフル27によって一部が囲まれている。バッフル27によって、実質的にビーム45のみが感応領域47に入射するようになっている。バッフル27はまた、迷放射が検出器アセンブリ15の感応領域47に到達しないように遮断する。したがって、光学サブシステム13は、画像12が人体11の表面に配置され、IR放射のビーム41が、鏡31、フィルタ33またはフィルタ35および鏡29を介して、検出器アセンブリ15の感応領域47に入射するように、位置合わせされている。
【0024】
1つの実施形態では、鏡29および31は好ましくは、金または他の適切な反射材料でコーティングされた、90度軸外し放物面鏡である。好ましくは、鏡29は約1インチの焦点距離を有し、鏡31は約3インチの焦点距離を有する。光学サブシステム13には、例えば、楕円面鏡または楕円面鏡と双曲面鏡の組み合わせなど、他の適切に設計された反射鏡を使用することもできる。
【0025】
フィルタ33およびフィルタ35はフレーム37に取り付けられており、フレーム37は鏡29と鏡31との間に配置されている。フィルタ33、35は、例えばフレーム37に連結される、モーターまたは空気圧などの適切な駆動機構を使用して、ビーム43と交差する位置の間で切り替えられる。1つの実施形態では、モーター39がフレーム37に連結され、フレーム37を鏡29と鏡31との間に配置して、所望のフィルタ33、35がビーム43と交差するようになっている。フィルタの一方、例えばフィルタ33は、好ましくは測定しようとする物質のスペクトル特性の波長を通過させる狭帯域フィルタである。他方のフィルタ、例えばフィルタ35は、好ましくは測定しようとする物質に限らずスペクトル特性の波長を通過させる狭帯域フィルタである。例えば、いくつかの実施形態では、フィルタ33は、測定しようとする物質では放射がないスペクトル領域に帯域を制限し(例えば、グルコースでは帯域は10.5μ〜15μである)、フィルタ35は、測定しようとする物質の放射の帯域特性を有する(グルコースでは帯域は8.5μ〜10.5μである)。
【0026】
ここで図3も参照すると、図1および2に示す検出器要素23の斜視図が示されている。対象の所望の波長に反応する適切なIR検出器を使用することができる。検出器要素23は、検出器感応領域47を形成するIR反応性材料を提供するチップを含む。チップまたは感応領域47は、ケース51内に包囲され、基部53に取り付けられている。ケース51は、IR放射が感応領域47に到達することができるように、上面に窓49を形成する適切なサイズの開口を有する。窓49は、シリコンまたは他の適切な材料など、対象の放射を透過する材料で覆われている。リード55が、検出器要素23をマイクロプロセッサ17および他の回路に接続する。1つの実施形態では、熱電対列検出器として知られる受動IRセンサーが使用される。熱電対列検出器は、入射電力に比例する電圧を生成することによって、視野内の物体から放出されたIR出力に反応する。1つの適切な熱電対列検出器は、Dexter Research Corporationによって製造されている(部品番号ST150)。1つの実施形態で使用される熱電対列検出器は、1.5mm×1.5mmの寸法の感応領域47およびシリコンの窓49を有する。
【0027】
ここで図4も参照すると、図2の光学サブシステム13および検出器アセンブリ15の斜視図が示されており、光学サブシステムおよび検出器アセンブリの様々な要素上の温度測定デバイスを置くことができる適切な位置を図示している。光学サブシステムおよび検出器アセンブリの各要素は、その温度の関数としてIR放射を含む電磁放射を放出する。所望の物質の正確な測定を行うのに必要な解像度を達成するために、好ましくは、システムの各要素の放射を考慮に入れる。
【0028】
検出器アセンブリ15の視野内の光学サブシステム13の各要素、および検出器アセンブリ15は、要素の温度を正確に測定するように、要素の適切な位置に取り付けられた1つまたは複数の適切な温度感知デバイスを含む。1つの実施形態では、温度測定デバイスとしてサーミスタが使用される。サーミスタは、一般に半導体材料から構成される温度依存性の抵抗器である。サーミスタの抵抗は温度に反比例し、すなわち、温度が上昇するとその抵抗は減少する。例えば熱電対など、他の適切な温度センサーを使用することもできるが、一般にサーミスタはより大きい出力電圧を提供する。
【0029】
図4に示す実施形態では、サーミスタ61は、熱電対列検出器が使用される冷接点の温度を測定するように、検出器アセンブリ15の内側に置かれている。サーミスタ63は、バッフル27の温度を測定する。サーミスタ65および67は、鏡29の温度を測定し、サーミスタ71および73は鏡31の温度を測定する。各鏡には、鏡のサイズおよび質量により、2つのサーミスタが使用される。サーミスタ69は、フィルタ33、35の温度、およびフレーム37アセンブリの温度を測定する。サーミスタ75は周囲の室温を測定する。様々な光学サブシステムおよび検出器アセンブリ要素の温度による物質濃度測定の擾乱を補償するように、各要素の温度が、検出器15の温度、周囲温度、および人体11の温度とともに、LUT 21に保存されたあらかじめ定められた較正パラメータのセットと一致させられる。
【0030】
ここで図5も参照すると、図2の光学器および検出器装置の検出器アセンブリ15およびバッフル27の断面図が示されている。図示された実施形態では、検出器要素23は、検出器基部25と熱接触した保持リング81によって保持される。バッフル27は締結具26で検出器基部25に取り付けられ、検出器要素23、リング81、検出器基部25、およびバッフル27の間に良好な熱接触を確立している。バッフル27の内面83は好ましくは金でコーティングされ、鏡を形成するように研磨されている。バッフル27の内面83は、非常に低い放射率および高い反射率を有するように設計されている。バッフル27の内面83の形状は、検出器要素23の感応領域47への入射による、放射の反射または多重反射を最小限にし、または防ぐように設計されている。
【0031】
1つの実施形態では、バッフル27の内面83は球面を形成し、球体の中心が検出器感応領域47の中心と一致し、検出器要素23を取り囲んでいる。球体の、感応領域47の上で感応領域47に対向する部分に、開口95が形成されている。開口95は、ビーム45(図2に示す)が感応領域47に入射でき、迷放射が検出器感応領域47に到達することを最小限にし、または防ぐのに十分な寸法にされている。球体内の検出器要素23の前面89、保持リング81の露出面87、および検出器基部25の露出部分85は、迷放射のための放射トラップを形成するように、例えば適切な黒色コーティングなど、適切な材料でコーティングされる。サーミスタ63は、物質濃度測定値への放射の影響を補償することができるように、バッフル27の温度を測定する。
【0032】
ここで図6も参照すると、別の実施形態による図2の光学器および検出器装置の検出器アセンブリ15およびバッフル27の断面図が示されている。この実施形態では、上記でパラグラフ0028および図2を参照して説明したように、鏡29および31は好ましくは、金または他の適切な反射性材料でコーティングされた90度軸外し放物面鏡である。バッフル27の内面83は好ましくは、検出器感応領域47の中心97に対して、中心から外れて配置された球体の中心99を有する球面を形成する。球体の、感応領域47の上で感応領域47に対向する部分に、開口95が形成されている。軸外し鏡の最大のIRエネルギー分布は中心から外れているので、バッフル開口95の中心99の位置も、最大のIRエネルギー集光を提供するように、検出器感応領域27の中心97から外れている。開口95は、ビーム45(図2に示す)が検出器感応領域47に入射でき、迷放射が検出器感応領域47に到達することを最小限にし、または防ぐのに十分な寸法にされている。
【0033】
以上、本発明をある実施形態に関して説明したが、本明細書に記載されたすべての特徴および利点のすべてを提供しない実施形態を含む、当業者には明らかな他の実施形態も、本発明の範囲内である。したがって、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって定義される。
【符号の説明】
【0034】
10 システム
11 人体
12 画像
13 光学サブシステム
15 検出器アセンブリ
17 マイクロプロセッサ
19 出力デバイス
21 参照テーブル(LUT)
23 検出器要素
25 検出器基部
27 バッフル
29 鏡
31 鏡
33 フィルタ
35 フィルタ
37 フレーム
39 モーター
41 ビーム
43 ビーム
45 ビーム
47 感応領域
49 窓
51 ケース
53 基部
55 リード
61 サーミスタ
63 サーミスタ
65 サーミスタ
67 サーミスタ
71 サーミスタ
73 サーミスタ
81 保持リング
83 内面
85 露出部分
87 露出面
89 前面
95 開口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内物質の非侵襲的測定のためのシステムであって、
人体から放出、または再放出された放射を感知するように構成された検出器と、
前記放射を前記検出器の感応領域に集束するように構成された光学サブシステムと、
前記光学サブシステムの複数の要素のうちの1つまたは複数および前記検出器に取り付けられた1つまたは複数の温度センサーとを含むシステム。
【請求項2】
前記光学サブシステムの複数の要素のうちの1つまたは複数の温度および前記検出器の温度が、前記複数の要素のうちの1つまたは複数および前記検出器のそれぞれの温度、周囲温度および体表面で測定される温度の非侵襲的測定への影響を補償するために、参照テーブルに保存されたあらかじめ定められた補償パラメータのセットと一致させられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記検出器が赤外線エネルギーセンサーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記赤外線エネルギーセンサーが熱電対列検出器を含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記光学サブシステムが、前記放射を前記検出器の感応領域に集束するように構成された1つまたは複数の鏡を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記光学サブシステムが、少なくとも2つの90度軸外し放物面鏡を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記光学サブシステムが、放射を選択された波長帯域に減衰するための2つの鏡の間に配設された少なくとも1つの減衰フィルタを含む、少なくとも2つの鏡を含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記光学サブシステムが、前記2つの鏡の間に配設された可動フレームに取り付けられた2つの減衰フィルタを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記2つの減衰フィルタが、第1の選択された波長帯域の放射を減衰するための第1の帯域通過フィルタであって、前記第1の選択された波長帯域は物質の少なくとも1つの波長特性を含む第1の帯域通過フィルタと、第2の選択された波長帯域の放射を減衰するための第2の帯域通過フィルタであって、前記第2の選択された波長帯域は物質の波長特性を最小限にする第2の帯域通過フィルタとを含む、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
体内物質の非侵襲的測定のための装置であって、
人体から放出、または再放出された放射を感知するための検出器と、
前記放射を前記検出器の感応領域に集束するように構成された光学器と、
前記検出器に取り付けられ、熱接触するバッフルであって、少なくとも一部が検出器感応領域を取り囲むように配設され、迷放射の前記検出器感応領域への入射を最小限にするように構成されたバッフルとを含み、
前記バッフルの前記検出器と対向する内面は高い反射率および低い放射率を有し、前記バッフルの内面は放射の反射または多重反射の前記検出器感応領域への入射を最小限にするように形成されている装置。
【請求項11】
前記光学器の複数の要素のうちの1つまたは複数および前記検出器に取り付けられた、1つまたは複数の温度センサーをさらに含む、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記複数の光学器要素のうちの1つまたは複数の温度および前記検出器の温度が、前記複数の光学器要素のうちの1つまたは複数および前記検出器のそれぞれの温度、周囲温度および体表面で測定される温度の非侵襲的測定への影響を補償するために、参照テーブルに保存されたあらかじめ定められた補償パラメータのセットと一致させられる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記バッフルの内面が前記検出器を取り囲む球体の一部分を構成し、前記バッフルの、前記検出器の前記感応領域の上で前記感応領域に対向する部分が開口を有し、それにより放射が前記検出器の前記感応領域に到達することができるようになる、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記バッフルの外面が迷放射を吸収するための適切な黒色コーティングでコーティングされている、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
検出器および光学システムを含む装置を使用して、体内物質の濃度を非侵襲的に測定する方法であって、
人体によって放出された、物質の少なくとも1つの波長特性を含む波長領域の赤外線放射の値を検出するステップと、
前記検出器および前記光学システムの1つまたは複数のコンポーネントの温度を測定するステップと、
前記検出された赤外線放射の値を、前記検出器および前記光学システムの1つまたは複数のコンポーネントのそれぞれの放射の影響に対し補正するように、前記検出器および前記光学システムの1つまたは複数のコンポーネントの温度をあらかじめ定められた較正パラメータのセットと相関させるステップとを含む方法。
【請求項16】
周囲温度を測定するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
人体の温度を測定するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記検出された赤外線放射の値の波長領域を制限するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記検出された赤外線放射の値の波長領域を、第1の検出された放射の値を提供するように、物質の少なくとも1つの波長特性を含む第1の波長範囲に制限し、前記検出された赤外線放射の値の波長領域を、第2の波長範囲に制限するステップとをさらに含み、物質の波長特性が、第2の検出された放射の値を提供するように、最小限にされている、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の波長領域が8.5μ〜10.0μを含み、前記第2の波長領域が10.5μ〜15.0μを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
請求項19に記載の方法であって、
前記第1および第2の検出された放射の値を前記検出器および前記光学システムの1つまたは複数のコンポーネントのそれぞれの放射の影響に対し補正するステップと、
前記第1および第2の検出された放射の値を、黒体測定値のために正規化するステップと、
前記第1および第2の検出された放射の値の比を体内物質の濃度に相関させるステップとを含む方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2013−509239(P2013−509239A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−536828(P2012−536828)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/050901
【国際公開番号】WO2011/056328
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(510016966)グルコ・ビスタ・インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】