説明

体液のサンプル採取装置

体液サンプル採取に用いられる装置(10)が提供される。この装置は、複数のキャビティを備えたカートリッジ(12)を有する。この装置は、カートリッジのキャビティ内に部分的に収納される複数の穿刺部材(18)を有する。この装置は、複数の分析物検出部材(740)及び複数のチャンバ(760)を更に有するのがよい。各チャンバをキャビティの各々に一つずつ関連させるのがよい。一実施形態では、この装置は、流体を分析物検出部材のうちの一つに向かって押圧するよう分析物検出部材の少なくとも一部上に配置された流体スプレッダ更に有するのがよい。各分析物検出部材は、低容積の器具であるのがよい。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
分析のための血液を得るために皮膚を穿刺するランセット切開装置が医療健康管理製品業界において知られている。典型的には、指先に小さな切開部を作って小さな創部を生じさせ、それにより皮膚の表面上に血液の小滴を生じさせることによって、この種の分析のための一滴の血液を得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
初期のランセット切開方法では、皮膚を針で穿刺し又は剃刀で皮膚をスライスしていた。現在の方法は、ランセットを駆動するための多数のばね、カム及び質量アクチュエータを有する切開装置を利用している。これらとしては、片持ちばね、ダイヤフラム、コイルばね、ランセットを駆動するために用いられる重力下げ振り(plumb)が挙げられる。装置を皮膚に当てて保持でき、これを機械的にトリガするとランセットを弾道学的に発射することができる。残念なこととして、公知の技術を利用する各ランセット切開処置に付きものの痛みの故に患者は検査を受けるのを思い止まる。ドライバがランチャーストップの端部に衝突した場合の皮膚の振動的刺激に加えて、公知のばね利用装置は、ランセットを出射する恐れがあり、かかるランセットは、患者の皮膚に対して調和振動し、それにより反動に起因して多数回の打撃を生じさせる。ランセットのこの反動及び多数回の打撃は、構造化されたグルコース監視(モニタリング)方式に関する患者のコンプライアンスに対する1つの大きな支障である。
【0003】
患者のコンプライアンスに対するもう1つの支障は、公知のランセット切開技術では自発的な血液の流れが得られないということにある。上述したような痛みに加えて、患者は、血液サンプルを得るには2回以上のランセット切開処置を必要とする場合がある。というのは、自発的血液発生は、公知のランセット切開技術を用いた場合には確実ではないからである。したがって、痛みは、自発的な血液の流れを首尾よく発生させるのに患者に必要な試行回数によって倍化される。互いに異なる皮膚の厚さは、痛みの知覚、血液の収率及びランセット切開装置のユーザが異なることによる血液を得る上での成功率の違いの観点から異なる結果を生じさせる場合がある。公知の装置は、これら皮膚の厚さのばらつきを考慮に入れる度合いが不十分である。
【0004】
グルコース監視に関するコンプライアンスの向上に対する更にもう1つの支障は、各ランセット切開処置と関連した多くの段階及び不便さである。インシュリンに依存している多くの糖尿病患者は、毎日5〜6回、血液グルコースレベルについて自己検査する必要がある。ランセット切開、血液のミルキング、検査ストリップへの血液の塗布及び検査ストリップからの測定値の入手というグルコース検査の従来方法において必要な多くの段階の故に多くの糖尿病患者は、自分の血液グルコースレベルを推奨されるほど頻繁に検査するのを思い止まる。高齢の患者及び運動能力の落ちた患者は、ランセットをランチャー装置内に装填し、血液を検査ストリップ上に移送し、又は薄い検査ストリップをグルコース測定計器に設けられたスロット内へ挿入することに困難さを経験する。加えて、公知のシステムによって患者に跡形として残る創チャネルは又、自分の手で色々なことができる患者又は自分のグルコースレベルを検査することにより生じる創チャネルの治癒について気掛かりな患者を思い止まらせるほどの大きさのものである場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の欠点のうちの少なくとも幾つかの解決策を提供する。具体的に説明すると、本発明の幾つかの実施形態は、体内の分析物レベルの測定に対する多くのランセット解決策を提供する。本発明は、カートリッジ内の穿刺部材の数に関し、高密度設計を利用できる。本発明は、流体を皮膚からサンプル採取するために用いられるランセット又は穿刺部材の衝撃点の指標を提供できる。本明細書において説明する上記目的及び他の目的のうち少なくとも幾つかは、本発明の実施形態で達成される。
【0006】
本発明の一実施形態では、体液を解剖学的特徴部から抽出する体液サンプル採取装置に用いられる装置が提供される。この装置は、複数のキャビティを備えたカートリッジを有する。この装置は、カートリッジのキャビティ内に部分的に収納される複数の穿刺部材を有する。この装置は、複数の分析物検出部材及び複数のチャンバを更に有するのがよい。各チャンバをキャビティの各々にそれぞれ関連させ、チャンバをカートリッジの外周部に沿って位置決めするのがよく、分析物検出部材のうち少なくとも1つは、複数のチャンバのうちの1つの一側壁の一部を形成する。
【0007】
一実施形態では、この装置は、流体を分析物検出部材のうちの1つに向かって押すよう分析物検出部材の少なくとも一部上に配置された流体スプレッダを更に有する。穿刺部材は各々、先端部を有し、少なくとも1つの先端部は、チャンバ内の開始位置を有する。分析物検出部材は、電気化学式のものであるのがよい。一実施形態では、チャンバのうち少なくとも1つは、その表面のうちの1つに設けられた開口部を有し、分析物検出部材のうちの1つは、開口部を通して視認できる。
【0008】
別の実施形態では、本発明は、体液を解剖学的特徴部から抽出する体液サンプル採取装置に用いられる装置を提供する。この装置は、複数のサンプルチャンバを備えたカートリッジと、各々が少なくとも部分的に単一カートリッジのサンプルチャンバ内に収納された複数の穿刺部材とを有し、穿刺部材は、カートリッジに設けられた開口部から外方に伸長して組織を穿刺するよう摺動自在に動くことができる。複数の分析物検出部材を設けるのがよい。チャンバは、実質的にカートリッジの外周部に隣接して配置されるのがよく、分析物検出部材のうちの少なくとも1つは、複数のサンプルチャンバのうちの1つの1つの壁の一部を形成している。
【0009】
本発明の特徴及び利点について更に深い理解は、明細書の残りの部分及び図面を参照すると明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明は、体液サンプル採取のための多数の分析物検出部材を用いた解決策を提供する。具体的に説明すると、本発明の幾つかの実施形態は、体内の分析物レベルを測定する上での多数の分析物検出部材及び多数のランセットを用いる解決策を提供する。これは、公知のランセットよりも小さなサイズのランセットを用いることができるが,例えば直径又は長さには限定されない。装置は、装置から使い捨て部品を取り出す必要なく、多数のランセット切開処置に使用できる。本発明は、向上した検出能力を提供できる。本明細書において説明する上記目的及び他の目的のうち少なくとも幾つかは、本発明の実施形態によって達成される。
【0011】
上述の全体的説明と以下の詳細の説明の両方は、例示であって、説明のためだけであり、特許請求の範囲に記載された本発明を限定するものではない。注目されなければならないこととして、原文明細書及び特許請求の範囲に用いられている単数形の要素は、もし明示の定めが無ければ、複数形を含む。かくして、例えば、「材料(a material)」という場合、複数の場合を含み、「チャンバ(a chamber )」という場合、多数のチャンバを含む場合があり、その他同様である。本明細書において援用する先行技術文献の記載内容全体をここに参照により援用する。ただし、これら文献が本明細書に明示した教示と相反する範囲を除く。
【0012】
以下の明細書及び特許請求の範囲において、以下の意味を有するものと定義された多くの用語を参照されたい。
「任意的な」又は「任意的に」という用語は、以下に記載された状況が、起こる場合があり又は起こらない場合があり、したがって、以下の記載は、状況が生じる場合及び状況が生じない場合を含む。例えば、装置が任意的に血液サンプルを分析するための特徴を有する場合、これは、分析特徴が、与えられ又は与えられておらず、かくして、この記載は、装置が分析特徴を備えている構造及び分析特徴が存在していない構造を含む。
【0013】
「分析物検出部材」という用語は、血液サンプルに関する情報を生じさせる化学的検査試薬及び方法、電気的検査回路及び方法、物理的検査コンポーネント及び方法、光学式検査コンポーネント及び方法、及び生物学的検査試薬及び方法の単一又は組み合わせた状態における使用を意味している。これら方法の中には、当該技術分野において周知のものがあり、かかる方法は、例えば、「ティーツ・テキストブック・オブ・クリニカル・ケミストリー(Tietz Textbook of Clinical Chemistry)」,第3版,セクションV,P.776〜778)(バーティス及びアッシュウッド(Burtis & Ashwood)編,W.B.サウンダーズ・カンパニー(W. B. Saunders Company)フィラデルフィア(Philadelphia),1999)、クリスモア等に付与された米国特許第5,997,817号明細書(1999年12月7日)、フィリップス等に付与された米国特許第5,059,394号明細書(1991年10月22日)、ワグナー等に付与された米国特許第5,001,054号明細書(1991年3月19日)、ナカムラ等に付与された米国特許第4,392,933号明細書(1983年7月12日)の教示に基づく場合があり、これらの教示を他のものと同様、ここに参照により援用する。分析物検出部材は、血液の電気的化学的性質を検査するサンプル検査チャンバ内の検査を含む場合があり、又は、これらは、血液の光学的性質(例えば、酸素飽和レベル)を検出する光学手段を含む場合があり、或いは、血液の性質(例えば、抗原の存在)を検出する生物化学試薬(例えば、抗体)を含む場合がある。分析物検出部材は、血液中の分析物(例えば、グルコース)又は他の体液と反応して分析物の存在と相互に関連する適当な信号を発生させ、読取り装置により読み取ることができるようにする生体感応物質又は試薬物質を含むのがよい。非限定的に一例を挙げると、分析物検出部材は、分析物検出部材が血液サンプルに関する適当な信号を読取り装置に提供する機能に関与する場合、チャンバ又は他の構造体「に関連し」、「内に設けられ」又は「に結合され」る場合がある。分析物検出部材は、本明細書で説明するナノワイヤ型分析物検出部材を更に含む場合がある。分析物検出部材は、電位差測定法、電量測定法、又は分析物レベルの検出に有用な他の方法を単独で又は組み合わせて用いることができる。
【0014】
添付の図面の図1〜図11は、血液サンプルを得るために皮膚を穿刺するシステムの一実施形態を示している。このシステム10は、交換可能なカートリッジ12及びカートリッジ12を着脱自在に受け入れたりカートリッジ12のコンポーネントを操作する装置14を有するのがよい。
【0015】
図1及び図2を併せて参照すると、カートリッジ12は、複数の穿刺部材18を有するのがよい。カートリッジ12は、円板又は円形ディスクの形態をしているのがよく、このカートリッジは、円形外面20及び円形内面22を形成する開口部を有している。複数の溝24が、カートリッジ12の平らな表面26に形成されている。各溝24は、細長く、カートリッジ12の中心点から半径方向外方に延びている。各溝24は、円形外面20を貫通して形成されている。図示していないが、溝24は、平らな表面26の周囲全体に形成される。図3及び図4に示すように、各溝24は、カートリッジ12の中心点に近づくほど比較的幅が狭く、中心点から離れるにつれて僅かに幅が広い。これら溝24をカートリッジ12に成形し、カートリッジに機械加工し、鍛造し、プレス加工し又は医用器具の製造に有用な他の方法を用いて形成することができる。
【0016】
本実施形態では、各穿刺部材18は、細長い本体26及び尖った先端部30を備えた鋭利な遠位端部27を有している。穿刺部材18は、この実施形態では直径が約0.315mmの円形断面を有するのがよい。穿刺部材18の全ての外面は、同一の摩擦係数を有するのがよい。穿刺部材は、むき出しのランセットであるのがよいが、必ずしもそうである必要はない。ランセットは、これに別の構造体と相補的に係合可能な隆起した構成体又は成形部品が形成されていないという意味において「むき出し」である。従来型ランセットは、係合を容易にするために用いられる大きなプラスチック成形部品を含む。残念なこととして、かかるアタッチメントにより、寸法及び費用が増大する。最も基本的な意味において、むき出しのランセット又はむき出しの穿刺部材は、尖った又は鋭利にされた端部を有する細長いワイヤである。先端部は、もし十分に小さな直径のものである場合、鋭利にする必要なく穿刺できる。むき出しのランセットは、曲げられたものであってもよく、依然としてむき出しのランセットであると考えられる。むき出しのランセットは一実施形態では、一材料で作られたものであるのがよい。
【0017】
本実施形態では、各穿刺部材18は、溝24の各々の中にそれぞれ配置される。穿刺部材18は、カートリッジ12の中心点から半径方向外方に向けられた鋭利な遠位端部27を有している。各穿刺部材15の近位端部は、図3に示すようにそれぞれの溝24の対向した側部と締り嵌め関係をなして係合することができる。カートリッジ12の他の実施形態は、かかる締り嵌めを用いない場合がある。非限定的な例として、これら実施形態は、穿刺部材18をカートリッジ12に解除自在に固定する破断可能な接着剤を利用する場合がある。図4に示すように、穿刺部材18のより遠位側の部分は、側部相互間の間隔が広いので溝24の対向した側部には係合しない。
【0018】
カートリッジ12は、上面26に取り付けられた滅菌バリヤ28を更に有するのがよい。滅菌バリヤ28は、穿刺部材18上に配置され、穿刺部材18を外部汚染要因物から隔離するのに役立つ。滅菌バリヤ28は、装置の縁部が力をこれに加えたときに、容易に壊れることができる材料で作られる。滅菌バリヤ28は、単独で又は他のバリヤと組み合わせて、ランセット切開又は作動に先立って穿刺部材の少なくとも先端部の周りに滅菌環境を作るよう使用できる。滅菌バリヤ28は、例えば金属箔、アルミニウム箔、紙、ポリマー材料又は上述の任意の組合せとしての積層品のような種々の材料で作られたものであってよく、尚これら構成材料には限定されない。
【0019】
本実施形態では、装置14は、ハウジング30、イニシエータボタン32、穿刺部材移動組立部品34、カートリッジ前進組立部品36、電池38、コンデンサ40、マイクロプロセッサコントローラ42及びスイッチ44を有するのがよい。ハウジング30は、下方部分46及び蓋48を有するのがよい。蓋48は、ヒンジ50で下方部分46に固定されている。下方部分46は、凹部52を有するのがよい。下方部分46に設けられた円形開口部54は、凹部52の外側境界を定め、下方部分46のレベルプラットホーム56は、凹部52のベース又は底を定める。
【0020】
使用時には、本実施形態の蓋48を図1に示すような位置に回動させる。凹部52を覆うようにカートリッジ12をこの中に入れて位置決めする。平らな表面26は、レベルプラットホーム56に載り、円形開口部54は、円形外面20に接触してその平面内におけるカートリッジ12の運動を阻止する。次に、蓋48を方向60に回動させ、カートリッジ12を閉じる。
【0021】
図5に示す実施形態を参照すると、穿刺部材移動組立部品34は、レバー62、穿刺部材加速器64、直線アクチュエータ66及びばね68を有している。他の適当なアクチュエータとしては、2002年4月19日に出願された共通譲受人の同時係属米国特許出願第10/127,395号(代理人事件番号:38187−2551)明細書に記載された回転アクチュエータが挙げられるが、これには限定されない。レバー62を下方部分46に回動自在に固定するのがよい。ボタン32は、下方部分46の外部の接近可能な位置に配置され、下方部分46を貫通したシャフト70によってレバー62の一端部に連結されている。穿刺部材加速器64は、レバー62の反対側の端部に取り付けられている。ユーザは、ボタン32を上向きの方向66に押してシャフト70によりシャフト70が連結されているレバー62の端部を上向きの方向へ回動させるようにする。レバーの反対側の端部は、下向きの方向66に回動する。ばね46は、ボタン32とベース40との間に配置され、ボタン32が押されると縮んでボタン32を下方に移動させると共に穿刺部材加速器を方向64と逆の方向に上方に回動させる傾向のある力を生じさせる。
【0022】
図6A及び図6Bを参照すると、この特定の実施形態では、ボタンを図5に示す位置に動かすことにより、シャフト20に取り付けられた端子74と下方部分46に固定された端子70の接触も引き起こされる。端子74,76相互間の接触により、ボタン32が完全に押し下げられたことが分かる。ボタン32が押し下げられた状態で、穿刺部材アクチュエータ64による干渉を受けないでカートリッジ12を回転させることができる。この効果を得るため、カートリッジ前進組立部品36は、ピニオン80及びステップモータ82を有する。ステップモータ82は、下方部分46に固定されている。ピニオン80は、ステップモータ82に固定され、ステップモータ82により回転する。ピニオン80の刃は、カートリッジ12の円形内面22に設けられた刃と噛み合う。ピニオン80を回転させることにより、カートリッジ12がその中心点回りに回転する。端子74,76が互いに接触する度に、ステップモータ82は、穿刺部材18のうちの1つの中心線から隣りの穿刺部材の中心線までの角度間隔に等しい別個の角度にわたりカートリッジ12を回転させるよう動作する。選択穿刺部材18は、図6Bに示すように穿刺部材加速器64上を動かされる。次にボタン32を押し下げると、次の隣り合う穿刺部材18が穿刺部材加速器64上の位置まで回転することになる。
【0023】
ユーザは次に、図7Aに示すように圧力をボタンから除く。ばね68又は他の弾性部材により生じる力は、ボタン32を下向きの方向76に動かす。シャフト70は、シャフト70がこれが下に取り付けられているレバー62の端部を動かすようレバー62に回動自在に固定されている。レバー62の反対側の端部は、穿刺部材加速器64を方向80に上方に回動させる。図7Bに示すように、穿刺部材加速器64の縁部82は、滅菌バリヤ28の一部を通って壊れ、穿刺部材18の下方側面と物理的に接触する。
【0024】
図8Aを参照すると、直線アクチュエータ66は、別々の前進コイル86a及び引っ込みコイル86b並びにコイル86a、86b内に設けられた磁化可能なスラグ90を有している。コイル86a,86bは、下方部分46に固定され、スラグ90は、コイル86a,86b内で動くことができる。穿刺部材加速器64を図7A及び図7Bに示す位置にいったん配置すると、電流が前進コイル86にのみ流れる。電流が前進コイル86中を流れることにより、電磁石に関連した従来原理に従ってスラグ90に加わる方向88に向いた力が生じる。
【0025】
軸受91が、レバーに固定され、穿刺部材加速器64は、軸受91上にスロット92を有している。スロット92は、レバー62に対する方向88の穿刺部材加速器64の運動を可能にし、したがってスラグに加わるよう生じる力が穿刺部材加速器64を方向88に動かすようになっている。
【0026】
ばね68は、完全には弛緩されず、したがってばね68は、レバー62を介して穿刺部材加速器64を力F1で穿刺部材18の下方側面に押し付けるようにする。穿刺部材18は、カートリッジ12のベース88に載る。穿刺部材18の上方側面に加わる大きさが等しくて逆向きの力F2がベース88によって生じる。
【0027】
穿刺部材加速器64の縁部82は、カートリッジ12のベース88よりも摩擦係数が非常に高い。縁部の高い摩擦係数は、穿刺部材18の下方側面に加わる比較的高い摩擦係数が原因となって、穿刺部材18の下方側面に加わる比較的大きな摩擦力F3が生じる。ベース88の低い摩擦係数により、穿刺部材18の上方側面に加わる比較的小さな摩擦力F4が生じる。力F3と力F4の差による力で、穿刺部材がカートリッジ12に対して方向88に加速する。穿刺部材は、動かされて図3に示す締り嵌めから外れる。むき出しの穿刺部材18は、穿刺部材に何ら係合構成体を設ける必要なく、動かされる。これとは対照的に、現行の装置は、穿刺部材を操作するのを助けるために各穿刺部材上に成形されたプラスチック本体を利用する場合が多い。穿刺部材18を動かすことにより,その鋭利な端部が下方部分46の側部に設けられた開口部90を通って動く。それにより、穿刺部材18の尖った端部30は、下方部分46内の引っ込み安全位置から、これが開口部90からはみ出る位置に動かされる。穿刺部材の加速された高速運動は、尖った先端部30がヒトの皮膚を穿刺するよう用いられる。次に、血液サンプルを代表的には糖尿病分析のためにヒトから採取することができる。
【0028】
次に図9A及び図9Bを参照すると、穿刺部材を加速した後(例えば、その後0.25秒未満で、しかしながらこれには限定されない)、加速コイル86aへの電流は止められ、電流は引っ込みコイル86bに与えられる。スラグ90は、穿刺部材加速器64と一緒に逆方向92に動く。次に、穿刺部材加速器64は、使用済みの穿刺部材をその元の位置、即ち、図7Bに示す同一位置に戻す。
【0029】
次いで図5に示すようにボタンを押し下げると、上述のプロセスが隣りの滅菌穿刺部材について1回繰り返される。次いで、滅菌穿刺部材を全ての穿刺部材が用いられるまで、即ち、カートリッジ12が完全に一回転するまで使用できる。この実施形態では、カートリッジ12の2回目の回転は、先の回転で用いられ、汚染状態になっている穿刺部材の使用を阻止するために実施できない。ユーザは、図1に示すように蓋48を開き、使用済みのカートリッジ12を取り出し、使用済みのカートリッジを別のカートリッジで置き換えることにより装置14を引き続き使用することができる。検出器(図示せず)が、カートリッジが取り出されて別のカートリッジに置き換えられたときはいつでもこれを検出する。かかる検出器は、光センサ、電気接触センサ、バーコードリーダ等であるのがよいが、これらには限定されない。
【0030】
図10は、本実施形態の場合に電気的コンポーネントを機能的に相互に接続できるやり方を示している。電池38は、コンデンサ40及びコントローラ42に電力をもたらす。端子76は、コントローラ42に接続され、コントローラがボタン32を押し下げた時点を認識するようになっている。キャパシタ40は、電力(電位差及び電流)を個々にスイッチ(例えば、電界効果トランジスタ、しかしながらこれには限定されない)を介して前進コイル86aにもたらし、コイル86b及びステップモータ82を引っ込める。スイッチ44a,44b,44cは全て、コントローラ42の制御下にある。メモリ100が、コントローラに接続されている。1組の命令が、メモリ100に記憶されており、コントローラ42によって読み取り可能である。次にコントローラ42を端子76及びスイッチ44a,44b,44cと組み合わせて機能させることは、上述の説明から明らかである。
【0031】
図11は、穿刺部材を備えたカートリッジの別の実施形態に関する構成を示している。カートリッジ112は、波形形態のものであり、複数の穿刺部材118が、カートリッジ112の互いに反対側の側部に形成された溝124に納められている。滅菌バリヤ126,128が、それぞれ頂部のところの穿刺部材118及び底部のところの穿刺部材118を覆って取り付けられている。かかる構成により、滅菌バリヤ126,128の取付けのための広い表面が得られる。一方の側部の穿刺部材118は全て、先ず最初に使用され、しかる後カートリッジ112が裏返されて他方の側部の穿刺部材118が用いられる。また、かかるカートリッジの別の特徴が図42〜図44に記載されている。
【0032】
次に図12及び図13を参照して、むき出しのランセット又はむき出しの穿刺部材と結合し、これらを駆動する摩擦を利用した方法について詳細に説明する。本明細書において開示する本発明のどの実施形態も、これらの方法を利用するよう改造可能である。図12で分かるように、表面201は、穿刺部材202と物理的に接触状態にある。表面203も又、穿刺部材202と接触状態にある。本発明の本実施形態では、表面201は、ステンレス鋼であり、穿刺部材202は、ステンレス鋼であり、表面203は、ポリテトラフルオロエチレン被覆ステンレス鋼である。
【0033】
図13は、使用中における摩擦を利用した結合法の一実施形態を示している。垂直力206を表面201に垂直に加え、これを穿刺部材202に圧接させる。穿刺部材202はそれにより表面203に圧接される。垂直力206は、表面201及び穿刺部材202を介して伝えられて穿刺部材202と表面203との間でも作用する。表面203は、ランセットの標的に対し剛性に又は静止状態に保持される。伝統的な静的摩擦モデルを用いると、表面201と穿刺部材202との間の最大摩擦力は、表面201と穿刺部材202との間の摩擦係数に表面201と穿刺部材202との間の垂直力を乗算して得た値に等しい。この実施形態では、表面203と穿刺部材202との間の最大摩擦力は、表面203と穿刺部材202との間の摩擦係数に表面203と穿刺部材202との間の垂直力を乗算して得られた値に等しい。表面203と穿刺部材202との間の摩擦係数は、表面201と穿刺部材202との間の摩擦係数よりも小さいので、表面201と穿刺部材202との間のインタフェースは、表面203と穿刺部材202との間のインタフェースの場合よりも高い最大静摩擦力を生じさせることができる。
【0034】
矢印207で示された駆動力を垂直力206に垂直に表面201に加える。表面201に水平方向に作用する力の和は、駆動力207と、表面201と穿刺部材202とのインタフェースのところに生じ、駆動力207と逆方向に働く摩擦力の和である。表面203と穿刺部材202との間の摩擦係数は、表面201と穿刺部材202との間の摩擦係数よりも小さいので、穿刺部材202及び表面201は、互いに対し静止したままであり、駆動力207が表面203と穿刺部材202との間のインタフェースにより支持できる最大摩擦力をちょうど超えたときに一体品として挙動すると考えることができる。表面201と穿刺部材202は、表面201と穿刺部材202との間の摩擦係数がこれら2つの間の相対運動を阻止するに足るほど高いので、一体品として考えることができる。
【0035】
一実施形態では、表面201と穿刺部材202との間の摩擦係数は、ステンレス鋼の2つの表面相互間の摩擦係数に一致して約0.8であり、表面203と穿刺部材202との間の摩擦係数は、ステンレス鋼の表面とポリテトラフルオロエチレンの表面との間の摩擦係数に一致して約0.04である。垂直力206は、202ニュートンの値を有する。これら値を用いると、表面202と穿刺部材202との間のインタフェースが支えることができる最大摩擦力は、1.6ニュートンであり、表面203と穿刺部材202との間のインタフェースが支えることができる最大摩擦力は、0.08ニュートンである。駆動力207が0.08ニュートンを超えると、表面201及び穿刺部材202は、表面203に対して一緒に加速し始める。これと同様に、駆動力207が1.6ニュートンを超え、穿刺部材が剛性のバリヤに遭遇すると、表面201は、穿刺部材202に対して動く。
【0036】
表面201が穿刺部材202に対して動く別の条件は例えば、極端な加速の場合である。一実施形態では、穿刺部材202の質量は、8.24×10-6kgである。したがって、穿刺部材202の194.174m/s2の加速力が、19.800gに一致した穿刺部材202と表面201との間の摩擦力よりも大きいことが必要である。任意特定の実施形態又は動作理論には拘束されないが、摩擦を利用した結合力を加える他の方法も又使用できる。例えば、穿刺部材202を締り嵌めを用いたカプラに係合させると穿刺部材との摩擦係合を生じさせることができる。
【0037】
図14は、ステンレス鋼表面203に被着されたポリテトラフルオロエチレン被膜を詳細に示している。表面203を他の材料、例えばテフロン(Teflon:登録商標)、シリコン、ポリマー又はガラスで被覆してもよく、これらの材料には限定されない。被膜は、穿刺部材の全て、近位部分のみ、遠位部分のみ、先端部のみ、或る他の部分のみ、又は上述の幾つか又は全ての幾つかの組合せを覆ってもよい。図15は、表面201に施される鉛のドープ法を示しており、これは、穿刺部材に圧接された場合に顕微鏡的に穿刺部材202と同形になる。これら実施形態と穿刺部材の他の被覆実施形態の両方を本明細書において説明する作動方法に用いることができる。
【0038】
表面201及び表面102の形状及び形態は、図12〜図15に示すもの以外の形態であってよい。例えば、表面201は、回転時に穿刺部材202が表面203に対して前進し又は引っ込むようにする車輪の表面であってよい。表面201を鉛以外の別の順応性材料、例えばプラスチック(これには限定されない)で被覆してもよい。また、これを粒子、例えばダイヤモンドのダスト(これには限定されない)で被覆してもよく,或いは、これに穿刺部材202に対する表面201の摩擦係数を高める表面模様を与えてもよい。表面202は、ダイヤモンド、弗素化エチレンプロピレン、ペルフルオロアルコキシ、エチレン及びテトラフルオロエチレンのコポリマー、エチレン及びクロロトリフルオロエチレンのコポリマー又は表面201に用いられる材料の摩擦係数よりも低い穿刺部材202との摩擦係数を備えた任意の他の材料で作られ又は被覆されたものであってよい。
【0039】
図16を参照すると、穿刺部材の実施形態のベースプレート210の一部が、示されており、複数の穿刺部材スロット212が、ベースプレートの頂面214に半径方向に切断形成されている。駆動部材216が示されており、遠位縁部218がベースプレート210の穿刺部材スロット212のうちの1つの中に配置されている。駆動部材216の遠位縁部218は、ランセット切開サイクル中、横方向運動を最小限に抑えるよう最小限の摩擦であるが締り嵌め状態で穿刺部材スロット212内を摺動するよう形作られている。
【0040】
図17は、被覆穿刺部材222の遠位部分220を部分縦断面で示している。被覆穿刺部材222は、コア部分224、被膜226及びテーパ付き遠位端部228を有している。被覆駆動部材230の一部が、穿刺部材接触面236を備えた被膜234を有した状態で示されている。穿刺部材接触面236は、被覆穿刺部材222の外面240とのインタフェース238を形成する。インタフェース238は、或る程度は穿刺部材被膜226及び駆動部材被膜234の材料の選択で決まる特徴的な摩擦係数を有している。銀を穿刺部材及び駆動部材被膜226,236として用いる場合、これは、約1.3〜約1.5の摩擦係数を生じさせる。所望の摩擦係数を得るために被膜226,236に他の材料を用いることができる。例えば、金、プラチナ、ステンレス鋼及び他の材料を被膜226,236に用いることができる。被膜226,236について互いに異なる材料の組合せを用いることが望ましい場合がある。例えば、一実施形態としては、穿刺部材被膜226について銀、駆動部材被膜について金が用いられる。インタフェース238の幾つかの実施形態は、約1.15〜約5.0、特に約1.3〜約2.0の摩擦係数を有するのがよい。
【0041】
穿刺部材222の実施形態の横方向外寸又は直径は、約200〜400ミクロン、特に約275〜325ミクロンであるのがよい。穿刺部材222の実施形態の長さは、約10〜30ミリメートル、特に約15〜25ミリメートルであるのがよい。穿刺部材222は、任意適当な高強度合金、例えばステンレス鋼等(これには限定されない)で作られたものであってよい。
【0042】
図18は、本発明の特徴を備えたランセット切開装置242の斜視図である。穿刺部材カートリッジ244が、カプラロッド250により駆動部材248に結合されたドライバ246の周りに配置されている。穿刺部材カートリッジ244は、穿刺部材カートリッジ244のベースプレート256の頂面254に放射状形態をなして設けられた複数の穿刺部材スロット252を有している。穿刺部材スロット252の遠位端部253は、ベースプレート246の外面260のところに設けられている。部分的に切除された状態で示されている破損しやすい滅菌バリヤ258が、複数の穿刺部材スロット252を覆ってベースプレート256の頂面254上に設けられている。滅菌バリヤ258も又、穿刺部材スロットをランセット切開サイクル前に密封して汚染から守るためにベースプレート256の外面260上に設けられる。穿刺部材262の遠位部分は、穿刺部材カートリッジ244から患者の指264の方向に半径方向に延びた状態で示されている。
【0043】
図19は、ランセット切開装置242に用いられるベースプレート256の一部を詳細に示しており、この場合、滅菌バリヤ258は定位置で示されていない(図示しやすくするため)。ベースプレート256は、複数の穿刺部材スロット252を有し、これら穿刺部材スロットは、対応関係にある駆動部材スロット266と半径方向位置合わせ状態にある。駆動部材スロット266は、駆動部材スロット266及び穿刺部材スロット252内への下方運動中、駆動部材248の位置合わせを容易にすることができる任意的なテーパ付き入力形態を有する。穿刺部材スロット252は、穿刺部材262を収納状態で受け入れるような寸法形状になっており、かかる穿刺部材スロットにより、実質的に横方向運動を生じることなく穿刺部材スロット252内での穿刺部材262の軸方向運動が可能になる。
【0044】
再び図18を参照すると、使用中、穿刺部材カートリッジ242の本実施形態は、ドライバ246と動作上関連した形態で配置されている。ランセット切開サイクルを開始させ、駆動部材248を滅菌バリヤ258を介して穿刺部材スロット252内へ下降させる。すると、駆動部材の穿刺部材接触面は、駆動部材262の外面と接触し、図20に記載された実施形態と関連して上述したように患者の指264に向かって遠位側へ駆動される。駆動部材248の穿刺部材接触面と穿刺部材262との間の摩擦係数は、穿刺部材262と穿刺部材スロット252の内面との間の摩擦係数よりも大きい。したがって、駆動部材248は、駆動部材248と穿刺部材262の相対運動を全く生じさせず又は実質的な相対運動を生じさせないで滅菌バリヤ258を通って穿刺部材262を患者の指264内に遠位側へ刺入することができる。
【0045】
図20〜図22を参照すると、図23及び図24に示すような穿刺部材カートリッジ244の別の実施形態を備えたランセット切開装置242についてのランセット切開サイクルシーケンスが示されている。図23及び図24に示された穿刺部材カートリッジ242のベースプレート256は、ベースプレート256の外面260までは半径方向に延びていない頂部開口部268を備えた複数の穿刺部材スロット252を有している。このように、穿刺部材スロット252をベースプレート256の頂面254上に設けられた第1の滅菌バリヤ270及びベースプレート256の外面260上に設けられた第2の滅菌バリヤ272で密封することができる。穿刺部材出口ポート274が、穿刺部材スロット252の遠位端部のところに設けられている。
【0046】
再び図20を参照すると、穿刺部材262は、穿刺部材スロット252内の起因側へ引っ込められた開始位置で示されている。穿刺部材276の外面は、駆動部材248の穿刺部材接触面278と接触状態にある。駆動部材248の穿刺部材接触面278と穿刺部材262の外面276との間の摩擦係数は、穿刺部材262と穿刺部材スロット252の内面280との間の摩擦係数よりも大きい。次に、図10の矢印282で示されている遠位側駆動力を駆動カプラ250を介して駆動部材248に加え、穿刺部材を穿刺部材出口ポート274から押し出して患者の指264中へ刺入させる。次に、図22の矢印284で示されている近位側引っ込み力を駆動部材248に加え、穿刺部材262を患者の指264から引っ込めて穿刺部材スロット252内へ戻す。
【0047】
図25及び図26は、穿刺部材62による穿刺中における多層滅菌バリヤ258の実施形態を示している。このバリヤ258は、本発明の任意の実施形態に使用できるよう改造可能である。図25及び図26に示す滅菌バリヤ258は、穿刺部材262が滅菌バリヤ258を通ってこれを出るときの穿刺部材262の滅菌性を維持しやすくする2層滅菌バリヤ258である。図25では、穿刺部材262の遠位端部286は、軸方向力を滅菌バリヤ258の第1の層290の内面288に遠位側の方向に加えて滅菌バリヤ258の第1の層290を変形させる。第1の層290の変形部291は、変形又は歪力を滅菌バリヤ258の第2の層292に加える。滅菌バリヤの第2の層は、第1の層290よりも低い引張強度を有するよう構成されている。したがって、第2の層292は、図26に示すように穿刺部材262の遠位端部286により第1の層290に加えられた歪に起因して第1の層290よりも前に破損する。第2の層292が破損した後、第2の層は、図26の矢印294で示すように第1の層290の変形部分291から引っ込む。第1の層290の内面288及び外面296が第2の層292の破損前に滅菌状態である限り、穿刺部材262は、第1の層が最終的にいったん破損して穿刺部材が第1の層290を通過しているときでも滅菌状態のままである。かかる多層滅菌バリヤ258を本明細書において説明する実施形態のうちの任意のものに用いることができる。多層滅菌バリヤ258は又、3以上の層を有してもよい。
【0048】
図27及び図28を参照すると、駆動部材300の実施形態がドライバ302に結合されており、駆動部材300は、駆動部材300が穿刺部材に接触するようにするために、ランセット切開サイクル中、穿刺部材スロット252の滅菌バリヤ258を切断するよう構成された鋭利な縁部306を備えた切断部材304を有している。切断部材304に設けられた任意使用の係止ピン308は、ランセット切開サイクル中、駆動部材300と一緒の切断部材304の遠位側への運動を阻止するために、ベースプレートの頂面310に係合するよう形作られたものであるのがよい。
【0049】
図29及び図30は、穿刺部材スロットの遠位端部320のところに設けられた傾斜部分318を有する穿刺部材スロット316の実施形態を縦断面で示している。駆動部材322が、部分的に穿刺部材スロット316内に位置した状態で示されている。駆動部材322の遠位端部326のところに、ランセット切開サイクル中、滅菌バリヤ328を切断する切れ刃324が設けられている。図30は、ランセット切開サイクル中、滅菌バリヤ328を切断する切れ刃324を示しており、切断された滅菌バリヤ328は、切れ刃324から剥離する。
【0050】
図31〜図34は、穿刺部材カートリッジのベースプレート330に設けられた駆動部材スロットを示しており、駆動部材スロットの少なくとも一部は、駆動部材スロットの底部のところよりもベースプレートの頂面のところの方が横方向寸法の大きなテーパ付き開口部を有している。図31は、穿刺部材スロット332を備えたベースプレート330を示しており、この穿刺部材スロット332は、穿刺部材スロット332の長さ全体に沿ってベースプレート330の頂面336の入力部334のところがテーパしている。かかる形態では、穿刺部材スロットと駆動部材スロット(図示せず)は、スロット332の長さ全体に沿って互いに連通すると共に連続している。任意使用の変形例として、図32及び図33に示すようなベースプレート338は、駆動部材スロット340を有するのがよく、この駆動部材スロットは、対応関係にある穿刺部材スロット342から軸方向に分離されている。この形態では、駆動部材スロット340は、テーパ付き形態を有するのがよく、穿刺部材スロット342は、まっすぐな壁を備えた形態を有するのがよい。加えて、この形態は、図34に示すようにベースプレート346の波形実施形態に使用できる。図34においては、駆動部材348は、駆動部材スロット350内に配置されている。穿刺部材接触面352が、駆動部材348上に設けられている。接触面352は、駆動部材348と駆動部材スロット350の横方向位置合わせを容易にするテーパ付き形態を有する。
【0051】
図35〜図37は、穿刺部材カートリッジ360及び駆動部材362の実施形態を示しており、かかる実施形態では、駆動部材362は、穿刺部材シャフト366を把持するよう構成された異形ジョー364を有している。図35においては、駆動部材362及び穿刺部材シャフト366は、異形ジョー364が穿刺部材シャフト366の周りに配置された状態で横断面で示されている。ピボット点368が、異形ジョー364と駆動部材362に設けられたテーパ付き圧縮スロット370との間に設けられている。圧縮ウェッジ372が、テーパ付き圧縮スロット370内に位置した状態で示されている。圧縮ウェッジ372を矢印374で指示するように圧縮スロット370内へ挿入することにより、異形ジョー364は矢印376で指示するように穿刺部材シャフト366の周りに閉じてこれを把持するようになる。
【0052】
図36は、駆動部材362を穿刺部材カートリッジ360に設けられた穿刺部材スロット378内で穿刺部材シャフト366の周りの定位置で示している。駆動部材を他の駆動部材及びドライバ実施形態に関して上述した方法で作動させることができる。図37は、穿刺部材スロット378内に配置された穿刺部材シャフト366の縦断面立面図である。矢印380,382は、一般的なやり方で、ランセット切開サイクル中における駆動部材362の辿る経路を示している。ランセット切開サイクル中、駆動部材は、任意使用の滅菌バリヤ(図示せず)を通って矢印380で指示されているように穿刺部材スロット387内へ下降する。次に、駆動部材の異形ジョーは、穿刺部材シャフト366周りをクランプし、遠位側方向に前方へ動いて穿刺部材を矢印382で指示されているように患者の皮膚中へ駆動する。
【0053】
図38及び図39は、使用済み穿刺部材カートリッジ396を取り出して新しい穿刺部材カートリッジ398を挿入できるようにするため、穿刺部材カートリッジキャビティ394を露出させるよう開くことができる蓋392を備えたランセット切開装置390の一部を示している。ボタン400を矢印402で指示された方向に押し下げることにより、駆動部材404がピボット点406周りのレバー動作により穿刺部材カートリッジ396の表面から持ち上げられる。蓋392を持ち上げることにより、レバーアーム408が矢印410で指示された方向に作動され、それにより引張力が矢印414で指示された方向でケーブル412に加えられる。この動作により、駆動部材が穿刺部材カートリッジ396から引き戻されて穿刺部材カートリッジ396をランセット切開装置390から取り出すことができるようになる。次に、新しい穿刺部材カートリッジ398をランセット切開装置390内へ挿入することができ、そして駆動部材404を穿刺部材カートリッジ398の上方で動作位置に位置決めするために上述の段階を逆の順序で実施する。
【0054】
図40及び図41は、穿刺部材カートリッジ420を示しており、この穿刺部材カートリッジ420は、穿刺部材カートリッジ420の頂側部424及び底側部426に穿刺部材スロット424を有している。これにより、直径Dの穿刺部材カートリッジ420は、使用のために、同一直径Dの片面式穿刺部材カートリッジの2倍の数の穿刺部材を貯蔵できる。
【0055】
図42〜図44は、穿刺部材カートリッジ430の端面図及び斜視図であり、この穿刺部材カートリッジ430は、穿刺部材カートリッジ430の波形面434で形成された複数の穿刺部材スロット432を有している。穿刺部材430は、穿刺部材カートリッジ430の両面に設けられている。滅菌バリヤ438が、図44では穿刺部材スロット432を覆って設けられた状態で示されている。
【0056】
図45〜図48は、穿刺部材440及び駆動部材442の実施形態を示しており、かかる実施形態では、穿刺部材440は、穿刺部材シャフト446に設けられた横方向スロット444を有し、駆動部材442は、穿刺部材シャフト446の横方向スロット444と嵌合するよう形作られた突起448を有している。図45は、穿刺部材シャフト446の横方向スロット444のテーパ付き形態と一致したテーパ付き形態を有する突起448を示している。図46は突起が図46に示す横方向スロット444のまっすぐな壁付き側部に一致するよう形作られたまっすぐな壁付き側部を有する任意的な変形実施形態を示している。図47は、突起448の端部と穿刺部材シャフト446の横方向スロットの底部との間に端部隙間450を空けるよう形作られたテーパ付き突起448を示している。
【0057】
図48は、駆動部材442を穿刺部材シャフト446に係止する機構452を示しており、この機構452は、レバーアーム454を有し、このレバーアーム454は、その第1の端部458に設けられていて、駆動部材442の案内スロット459内に位置する任意使用の軸受456を備えている。レバーアーム454は、レバーアーム454の第1の端部458とレバーアーム454の第2の端部462との間に位置するピボット点460を有する。付勢力が、ばね部材464によってレバーアーム454の第2の端部462に加えられ、このばね部材464は、レバーアーム454の第2の端部462とベースプレート466との間に設けられている。矢印468によって指示された方向における付勢力は、駆動部材442の穿刺部材接触面470を穿刺部材446の外面に押し付け、更に、駆動部材442の突起448を穿刺部材シャフト464の横方向スロット444に押し込む。
【0058】
次に図49を参照して、複数の個々に動くことができる穿刺部材(図示せず)を収容するのに適した交換可能なカートリッジ500の別の実施形態を詳細に説明する。カートリッジ500は、面取りされた外周部を備える状態で示されているが、カートリッジ500について面取りの度合いの少ない及び面取りされていない実施形態も又、本明細書において開示する本発明の任意の実施形態に使用可能に改造できる。カートリッジに摺動自在に結合された穿刺部材は、従来型ランセットで見られるような外側成形部品又は本体部品を備えていないむき出しのランセット又はむき出しの細長い部材であるのがよい。むき出し設計により、コストが軽減されると共に本発明に用いられる穿刺部材の製造が簡単になる。穿刺部材は、引っ込み自在であり、再使用できないようカートリッジ内に保持できる。カートリッジは、穿刺部材をいったん全て用いると、新しいカートリッジと交換可能である。ランセット又は穿刺部材は、かかる廃棄物と患者との接触の恐れを最小限に抑えるよう使用済みカートリッジ内に完全に収納できる。
【0059】
図49で理解できるように、カートリッジ500は、穿刺部材を収容する複数のキャビティ501を有するのがよい。この実施形態では、キャビティ501は、キャビティと関連した長手方向開口部502を有するのがよい。キャビティ501は、穿刺部材がカートリッジから半径方向外方に出ることができるようにする側方開口部503を更に有するのがよい。図49で理解されるように、キャビティの半径方向部分の幅を狭くするのがよい。この幅の狭い領域の上方部分も又、頂部505を閉鎖して図50に示すように密閉開口部506を画定するよう密封され又はスエージ加工されたものであるのがよい。幅の狭い領域504は、開口頂部形態を保持するのがよいが、このようにするかどうかは任意である。ただし、幾つかの実施形態では、隙間を覆う箔は壊されず、穿刺部材は持ち上がり又は上方に延びてカートリッジから出るのが阻止される。幅の狭い部分504は、穿刺部材の軸受及び(又は)案内としての役目を果たすことができる。図51は、開口部506が種々の形状、例えば円形、矩形、3角形、6角形、正方形又は上述の形状の任意のもの又は全ての組合せを有することができることを示しているが、これら形状には限定されない。他の超小型流体素子、毛管等の開口部507(想像線で示されている)も又、開口部506のすぐ近くに設けるのがよい。幾つかの任意的な実施形態では、かかる開口部507は、開口部506を同心状又は他の形態で包囲するよう形作られたものであるのがよい。
【0060】
次に図52を参照してカートリッジ500の裏面を詳細に説明する。この図は、一つのカートリッジ500に設けられた多くの特徴を示している。カートリッジは、これら特徴のうち幾つか又は全てを含んでもよく、或いはこれら特徴を全く含まなくてもよく、これら特徴は、図示しやすいよう図52に示されている。裏面は、カートリッジを適当に位置決めして穿刺部材グリッパに係合すると共に(或いは)前進装置(図56B及び図56Cに示されている)がカートリッジ500を回転することができるようにする目的で内周部の近くに凹み又は穴510を有するのがよい。凹み又は穴511をカートリッジ500の裏面上の種々の位置に沿って形成するのがよく、これら凹み又は穴は、種々の形状、例えば円形、矩形、3角形、6角形、正方形又は上述の形状のうち任意のもの又は全ての組合せを取ることができる。また、カートリッジの位置合わせ及び(又は)回転を助けるために切欠き512をカートリッジ500の内面に沿って形成するのがよい。当然のことながら、これら特徴のうちの幾つかも又、穿刺部材を収容したキャビティ501によって占められていない領域でカートリッジの上側に設けてもよい。また、切欠き513をカートリッジの外周部に沿って設けてもよい。これら切欠き513を用いると、過剰な材料を滅菌バリヤ28(図示せず)から集めることができ、かかる過剰材料を用いてカートリッジの傾斜部分514を覆うことができる。本実施形態では、カートリッジは、平らな頂面及び外部の周りに設けられた傾斜面を有する。箔型滅菌バリヤを傾斜面上に溶着させることにより、箔は、45°の状態にある表面の変化により折り重なる。これにより、過剰の材料が生じる。溝又は切欠き513は、その過剰材料の場所として設けられる。箔は、45°の傾斜面を横切って材料をピンと引き伸ばすことができる溝513内へ嵌まり込む。この実施形態では、この表面は45°の角度状態にあるよう示されているが、他の角度も使用できる。例えば表面は、水平に対し約3°〜90°の間の任意の角度状態であってよい。幾つかの実施形態では、表面を正方形にしてもよい。表面の面取りを行なわなくてもよい。表面は又、湾曲した表面であってもよく、或いは、種々の傾斜面、湾曲した表面及びまっすぐな表面の組合せ或いは上述のうちの幾つか又は全ての任意の全ての組合せであってよい。
【0061】
次に、図53及び図54を参照してカートリッジ500を割出し、穿刺部材を作動させるシーケンスについて以下に説明する。本明細書に記載する幾つかの段階を本発明の精神から逸脱することなく互いに組み合わせることができ又は順序を変更することができる。これら段階のシーケンスは、穿刺部材をドライバ上に装填するよう本発明に用いられる垂直及び水平運動を提供する。
【0062】
上述したように、カートリッジの各キャビティを個々に箔カバー又は滅菌エンクロージャ材料で密封して使用時点まで又は使用直前まで滅菌性を維持するのがよい。本実施形態では、穿刺部材は、作動直前にこれらの滅菌環境から解放され、使用のためにランチャー機構上に装填される。穿刺部材を発射に先立って滅菌環境から解放することにより、滅菌エンクロージャ材料を穿刺する必要なく本実施形態の穿刺部材を作動させることができる。なお、滅菌エンクロージャ材料を穿刺すると、それにより穿刺部材の先端部がなまくらになり又は穿刺部材が標的組織に向かって移動しているときに汚染要因物が穿刺部材に付着する場合がある。この目的を達成するために種々の方法を利用することができる。
【0063】
図53Aは、穿刺部材解放装置の一実施形態を示しており、この解放装置は、この実施形態では、説明を容易にするために透視図で示されたパンチプレート520である。パンチプレート520は、長手方向開口部502を覆う滅菌材料を穿刺する第1の部分521及び側方開口部503を覆う材料を穿刺する第2の部分522を有するのがよい。スロット523により、穿刺部材グリッパは、パンチプレート520を通過してカートリッジ500内に収容されている穿刺部材に係合することができる。パンチプレートの第2の部分522は、約45°の勾配で傾斜した滅菌バリヤに係合するよう下へ延びている。当然のことながら、バリヤの勾配は様々であってよい。パンチプレート部分522は先ず最初に、前側ポケット滅菌バリヤの後部に接触し、下に行くにつれて、亀裂が各側部を下って走り、バリヤは、前側キャビティの底部まで押し下げられる。最初にパンチ部分522と接触したバリヤの後縁部は、ちぎれてバリヤが押し下げられて、実質的に邪魔にならないところへ離れる。これら特徴は、図53Bでより明らかに理解できる。パンチ部分521は、中心線の下に位置するブレード部分を有するのがよい。パンチが下降すると、そのブレードは、キャビティの中心と整列し、滅菌バリヤを2つの部分に切断する。すると、パンチ521の幅の広い部分はバリヤを下に押してこれらがキャビティの側部に平行に整列するようになる。これにより、キャビティの長手方向開口部全体にわたるグリッパの完全且つ邪魔の無い経路が得られる。加えて、図53B及び図54Aで理解されるように、複数の突起524が、パンチプレート520及びカートリッジプッシャ525の打抜き及び他の垂直運動を順番付けするカム(図55A)に係合するよう配置されている。駆動シャフト526は、穿刺部材527を作動させるために用いられる力発生器(図示せず)を形成する。
【0064】
次に図54A〜図54Fを参照すると、穿刺部材の解放及び装填は、以下の順序で達成される。図54Aは、汚れたむき出しの穿刺部材527が穿刺部材グリッパ530内に保持された状態の解放及び装填機構を休止状態で示している。これは、ランセット切開処置相互間の装置の状態である。患者が別のランセット切開処置を開始する時間になると、実際のランセット切開処置の直前に、使用済み穿刺部材を取り除き、新しい穿刺部材を装填する。患者は、プロセスを開始させるよう設定レバー又はスライダを作動させることにより新しい穿刺部材の装填を開始する。設定レバーは、パンチプレート520及びカートリッジプッシャ525を動かすカム(図55A参照)を回転させるよう機械的に動作することができる。スライダを連係させてカートリッジの回転を生じさせるようにするために種々の機構を利用することができる。他の実施形態では、ステップモータ又は他の原動機、例えば空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ等(これらには限定されない)を用いて装填シーケンスを進める。
【0065】
図54Bは、穿刺部材グリッパ530の一実施形態を詳細に示している。穿刺部材グリッパ530は、穿刺部材に接触する脚部の内側に沿って鋭利な縁部を備えた音叉の形態をしているのがよい。幾つかの実施形態では、穿刺部材に切欠き又は凹部を設け、或いは他の形状にして穿刺部材グリッパを受け入れるようにするのがよい。グリッパ530を穿刺部材上に押し下げると、脚部は、弾性的に広がって開き、それにより穿刺部材との摩擦グリップ、例えばアタッチメントが成形されておらず又は取り付けられていないむき出しの細長いワイヤ(これには限定されない)を作る。幾つかの実施形態では、穿刺部材は、追加のアタッチメントが成形されず、くっ付けられず、膠着されず、或いは穿刺部材に追加されていない均質材料で作られる。
【0066】
幾つかの実施形態では、グリッパ530は、穿刺部材の側部に切り込むことができる。穿刺部材の一実施形態では、幅が約300ミクロンであるのがよい。ナイフエッジにより穿刺部材の側部に形成された溝は、深さが約5〜10ミクロンのオーダーのものであり、極めて細い。この特定の実施形態では、ナイフエッジにより、装置は、穿刺部材を細長い穿刺部材の長手方向軸線に沿ってグリッパから取り出すための力と比較して、僅かな挿入力でグリッパを穿刺部材上に載せることができる。かくして、作動中に穿刺部材が離脱する恐れが減少する。グリッパ530は、種々の材料、例えば、硬さを増大させるよう熱処理された高強度炭素鋼、セラミック、ダイヤモンド膜を備えた基材、複合強化プラスチック、エラストマー、ポリマー及び焼結金属(これらには限定されない)で作られたものであるのがよい。加えて、鋼を表面処理するのがよい。グリッパ130は、ソレノイド又は他のドライバに対する摩擦効力が小さな高い把持力を有するのがよい。
【0067】
図54Cで理解されるように、シーケンスは、パンチプレート520を押し下げることで始まる。この結果、次の滅菌キャビティ532が開く。或る実施形態では、パンチプレート520のこの運動の結果として、汚れた状態の穿刺部材が再び用いられるのを阻止するようかかる汚れた穿刺部材の圧着も又得られる。この圧着は、パンチプレートに設けられた突起が穿刺部材を曲げ又は穿刺部材をカートリッジに設けられた溝の中に押し込むことに起因して得られ、このカートリッジの溝は、穿刺部材を締り嵌めにより定位置に保持する。図53B及び図54Cで理解されるように、パンチプレート520は、カートリッジに設けられた長手方向開口部502及び側方開口部503に入り込むよう形作られた突起又はパンチを有する。キャビティ532を開放するパンチの第1の部分521は、先ず最初に滅菌バリヤを穿孔し、次に滅菌エンクロージャ材料を長手方向開口部502の側部に向かって押し、圧縮し又は動かす。パンチの第2の部分522は、滅菌バリヤを側方開口部又は穿刺部材出口503のところで押し下げて穿刺部材がこれを組織部位に向かって作動させても材料を穿孔しないようにする。
【0068】
次に図54Dを参照すると、カートリッジプッシャ525は、カム550(図示せず)と係合し、カートリッジ500を押し下げ始める。パンチプレート520も又、カートリッジをその最大下向き位置に押し下げるまでカートリッジ500と共に下向きに移動するのがよく、その間、穿刺部材グリッパ530は、垂直方向に静止したままである。穿刺部材グリッパ530から遠ざかるこの共同的下向き運動により、穿刺部材は、グリッパから取り外されることになる。パンチプレート520は本質的に、突起534(図55A)で穿刺部材を押し、穿刺部材をカートリッジと共に保持し、他方、カートリッジ500及びパンチプレート520を下降させて穿刺部材グリッパ530から離し、この穿刺部材グリッパは、この実施形態では垂直方向静止状態のままである。これにより、カートリッジがグリッパに対して移動しているときに使用済み穿刺部材がグリッパ530(図54D)から突き出る。
【0069】
この時点で、図54Eに示すように、パンチプレート520は、上方に引っ込み、カートリッジ500は、完全に下に押されてグリッパ530を通過する。障害物が無く、回転自在な位置において、カートリッジ500は、キャビティ532内の新たに解放された滅菌穿刺部材を図54Fで分かるように穿刺部材グリッパ530に整列させる方向で一つのポケット又はキャビティをインクリメントする。カートリッジの回転は、図54Aで分かるように、フィンガがカートリッジの穴又は凹み533と嵌合することにより生じる。幾つかの実施形態では、この凹み533は、カートリッジ500を完全には通過しない。他の実施形態では、これら凹みは、完全に貫通した穴である。カートリッジは、カートリッジの中心近くの頂面に内径に沿って複数の小さな凹み533を有している。一実施形態では、滅菌バリヤは、これら複数の凹み533を覆うことがないよう短く切断されている。当然のことながら、これら穴を底部、側部又は他の接近可能な表面に設けてもよい。これら凹み533は、2つの目的を持っている。本装置は、1又は複数本の位置決めピン、静止ピン又は動かない他のキー留め特徴を有するのがよい。この実施形態では、カートリッジは、グリッパ530が穿刺部材を把持する位置に下降するに過ぎない。カセットを割り出すため、カートリッジをこれらピン又は他のキー留め特徴から持ち上げ、これらのピンの回りに回転させてこれらピン上に落として次の位置にする。回転装置は、2つのフィンガを用いることによるものであり、一方のフィンガは、静止ツメであり、他方は、摺動フィンガである。これらは、穴533と嵌合する。フィンガは、自動的に作動でき又はユーザにより作動可能なスライダにより駆動される。これは、機械的に、或いは電気又は他の動力供給装置により生じることができる。行程の半分で、フィンガは、カートリッジに係合してこの回りに回転することができる。より完全な説明は、図56B及び図56Cと関連した説明で理解できる。
【0070】
次に、図54Gを参照すると、滅菌穿刺部材が位置合わせされている状態で、カートリッジ500を矢印540で指示するように解放し、これを穿刺部材グリッパ530に接触するよう戻す。新たな穿刺部材541をグリッパ530内に挿入すると、もう一度出射する準備ができている。発射後、そして本実施形態についてのランセット切開処置相互間で、むき出しのランセット又は穿刺部材541をグリッパ530によって定位置に保持し、穿刺部材がカートリッジ500から偶発的に突き出たり、或いは滑り出るのを阻止する。
【0071】
本発明の精神から逸脱することなく変更を上記実施形態に加えることができる。例えば、穿刺部材541を発射に先立ってカートリッジ500内の停止位置に配置してもよい。図55Aで分かるように、穿刺部材をカートリッジの幅の狭い部分542で保持することができ、それにより穿刺部材の近位端部を挟む締り嵌め状態を生じさせる。成形品又はカートリッジからの摩擦は、休止中、穿刺部材を保持し、穿刺部材が滑って前後に動くのを阻止する。当然のことながら、穿刺部材を保持する他の方法も又利用できる。図55Bで分かるように、発射前に、穿刺部材グリッパ530は、穿刺部材541を部分542から引き出すことができる。穿刺部材541は、穿刺部材グリッパに結合されたソレノイド又は他の力発生器により作動させられるまではこの位置のままでいることができる。カム面544を用いると穿刺部材を部分542から引き出すことができる。この機械的カム面を患者により駆動される機械的スライダに結合するのがよく、患者は、別個の力発生器であると考えることができる。かくして、患者からのエネルギにより、穿刺部材が引き出され、これにより、ソレノイド又は電気ドライバが穿刺部材を引き出す場合、装置の電池の消耗度が減少する。穿刺部材をその停止位置から僅かな距離(約1mm以下のオーダーで)前方に動かして穿刺部材を休止位置グリッパから引き出すことができる。組織を穿刺した後、穿刺部材をカートリッジに戻し、最終的に停止位置に配置するのがよい。これは又、患者により得られる力によって起こるが、必ずしもそうでなくてもよい。一実施形態では、ランセットを停止位置に配置することは、新しい穿刺部材を装填するプロセスが患者によって開始されるまでは起こらない。他の実施形態では、停止位置からの引き出しは、穿刺部材の作動と同一の動作で起こる。停止位置への戻りも又、連続運動であると考えることができる。
【0072】
図55Aは又、パンチプレート520の運動を協調させるために用いられるカム及び他の表面の一実施形態を示している。例えば、カム550はこの実施形態では、円形であり、パンチプレート520に設けられた突起524及びカートリッジプッシャ525に係合する。図55Aは又、相対的に言って穿刺部材グリッパ530が引いて穿刺部材から離れている間、穿刺部材をカートリッジ500内に保持するのを助ける突起534を更に明確に示している。カム550と共に回転するラチェット面552を用いるとカムが後方に回転するのを阻止することができる。穿刺部材を装填したり取り出すために用いられるカートリッジ500及びパンチプレート50の昇降は、当業者によって決定できる種々のカム面、ばね等で機械的に作動できる。また、幾つかの実施形態は、むき出しの穿刺部材の装填、取出し及びリリースを行なうための電気又は磁気装置を用いることができる。パンチプレート520は、箔又は他の滅菌環境エンクロージャを変位させ、除去し又は移動させるよう下方に打ち抜きしているものとして図示されているが、他の方法、例えばストリッピング、引き抜き、引き裂き又はこれら方法のうちの1以上の幾つかの組合せ(これらには限定されない)を用いると箔又は滅菌エンクロージャを除去できる。例えば、他の実施形態では、パンチプレート520をカートリッジの裏面上に配置して上方に打ち抜いてもよい。他の実施形態では、カートリッジは、垂直方向に静止したままであってよく、その間、他の部品、例えば穿刺部材グリッパ及びパンチプレート(これらには限定されない)は、滅菌穿刺部材を穿刺部材グリッパ上に装填するよう動く。
【0073】
図55Bは、本発明に設けることができる他の特徴を更に示している。ユーザが穿刺部材を作動させるために出射ボタン560を設けるのがよい。患者はランセット切開のために自分の指又は他の標的組織を置くことができるよう前側端部インタフェース561を設けるのがよい。インタフェース561は、これを清拭し又は交換できるよう着脱自在であるのがよい。装置の状態、ランセット切開性能、誤差の報告等を患者に示すために視覚表示装置562を設けるのがよい。
【0074】
次に図56Aを参照すると、患者が新しい穿刺部材を装填するために用いられる機械式スライダ564も又、ハウジングに設けるのがよい。スライダ564も又、ランセット切開装置に設けられたLCD又は視覚表示装置を作動させるよう結合可能である。カートリッジを割り出すためにエネルギ源を設けることに加えて、スライダ564は又、電子回路を切り替えて視覚表示装置の動作を開始させることができる。ユーザは、視覚表示装置を用いてランセット切開深さ又は他の特徴を選択することができる。表示装置は、スライダ564の運動により再び作動されるまで再びスリープ状態に戻るのがよい。ハウジング566の裏面も又、装置内へのカートリッジ500の挿入を可能にするようヒンジ止めされ又は着脱自在であるのがよい。コンパクトディスク又は他のディスクをコンパクトディスクプレーヤに挿入するのに現在用いられている技術を利用してカートリッジ500を挿入することができる。一実施形態では、カートリッジを受け入れ又は取り出すために外方に展開されるトレーを設けるのがよい。トレーを装置内へ引っ込めることができ、ここでトレーを穿刺部材ドライバに使用するために定位置まで上昇させ、下降させ又は運ぶことができる。他の実施形態では、装置は、カートリッジを部分的に挿入するスロットを有するのがよく、その時点で、機械的装置は、カートリッジの挿入を完了させるのを助け、カートリッジを装置内部の適正な位置に装填する。かかる装置は、自動車に見られる形式のコンパクトディスクプレーヤに類似している。これらコンパクトディスクプレーヤの挿入/突き出し及び装填装置は、歯車、プーリ、ケーブル、トレー及び(又は)本発明に用いるために改造可能な他の部品を用いている。
【0075】
次に図56Bを参照すると、スライダ564の一実施形態の詳細図が示されている。この実施形態では、スライダ564は、最初に矢印567で指示されるように動く。サイクルを完了するため、患者は、スライダを矢印568で指示されるようにそのホームポジション又は元の開始位置に戻す。スライダ564は、カム550を回転させて部分522に係合するようスライダと共に動くアーム569を有する。スライダ564の運動も又、フィンガ570に機械的に結合され、このフィンガは、カートリッジ500に設けられた凹み571に係合する。フィンガ570は、カートリッジ500をカートリッジと同一平面内で矢印572によって指示されるように引くことにより回転させるよう同期が行なわれる。幾つかの実施形態では、フィンガ570は、引く代わりに押してカートリッジを正しい方向に回転させる。フィンガ570も又、図66で分かるようにラチェット面706に係合してカートリッジを回転させるよう改造可能である。フィンガ570も又、カートリッジ500の昇降と協調するよう垂直運動を更に行なうことができる。フィンガ570の運動は又、電気アクチュエータによって動力供給可能であり、かかる電気アクチュエータとしては、ステップモータ又は運動を達成するのに有用な他の装置が挙げられるが、これらには限定されない。図56Bは又、エンコーダ573の一部を位置検出に用いられている状態で示している。
【0076】
次に図56Cを参照すると、スライダ564及びアーム569の更に別の図が示されている。アーム569は、矢印575で指示されるように部分522に係合するよう動き、これにより、カム550は、矢印577で指示されるように回転する。この特定の実施形態では、カム550は、スライダ564を引く度に約1/8回転する。スライダ564をそのホームポジション又は開始位置に戻すと、アーム569は、部分522に載る。また、スライダの運動により、カム面544は、ピボット点579回りに回転する。弾性部材580をカム面544に結合して、アーム569が矢印567の方向に動くと、カム面544が反時計回りに回転するようにするのがよい。ピン580は、アーム569と接触したままである。カム面544が回転すると、第1の表面582は、グリッパブロック584のピン583に接触し、ピン583を引き戻して穿刺部材を図55Aで分かるようにカートリッジ500の結合部分又は幅の狭い部分542内へ停止させる。アーム569をホームポジションに戻すと、カム面544は、後方に回転し、第2の表面586が時計回りに回転して穿刺部材を前方に押してこれを幅の狭い部分542から離脱させ、その結果図55Bで分かるように定位置を取る。幾つかの実施形態では、部分542からのランセットの解放及び(又は)停止は、カム面544からの機械的補助を用いないでドライバ588により動力供給できる。
【0077】
カートリッジ装置の別の実施形態では、機械的特徴をカートリッジに設けてカートリッジを装置内へ装填するのに1つの方法しかないようにする。非限定的な例として、50個の穿刺部材を保持する一実施形態では、カートリッジは、51個のポケット又はキャビティを有するのがよい。51番目のポケットは、装置を装填すると出射位置になり、かくして、穿刺部材を滅菌環境から解放しないでグリッパがカートリッジ内に休息する場所が得られる。グリッパ530は、その0番目の位置では、ポケット又はキャビティ内部に位置し、これは、ポケットのうちの1つが空であるからである。当然のことながら、幾つかの実施形態は、カートリッジ500を装置内へ装填すると、穿刺部材を掴むよう位置決めされたグリッパ530を有するのがよく、患者は、その後すぐに自分でランセット切開して穿刺部材が滅菌エンクロージャの外部で長時間露出したことにより汚染されることがないようにする。この0番目の位置は、開始且つ最終位置であるのがよい。また、カートリッジは、装置に設けられた突起と嵌合するよう切欠きが設けられるのがよく、かくしてこれ又、穿刺部材を1つの向きでのみ装填し又は取り出すことができる方法が得られる。本質的に、カートリッジ500を装置と連携してキー留めし又はこれにスロットを設けるのがよく、従ってカートリッジ500を1つの向きでのみ挿入し又は取り出すことができるようにする。例えば、図56Dで分かるように、カートリッジ592は、突起594の外形に合致するキー付きスロット593を有するのがよく、従ってカートリッジ592を開始又は終了位置にあるときにスロット593と突起594の位置合わせ時にのみ取り出すことができるようになる。他のキー付き技術を利用し、1つだけの向き又は選択された数の向きからのカートリッジの挿入又は取り出しを可能にする上で有用な仕方でスロット又はキーをカートリッジ592上の外周部又は他の場所に設けることができる。
【0078】
次に図57を参照すると、穿刺部材を収容したキャビティ600の別の実施形態の断面が示されている。キャビティ600は、グリッパ530がキャビティ内へ十分深く侵入して穿刺部材541に摩擦係合できるようにする窪み602を有するのがよい。また、穿刺部材を溝604内に納めてもよく、この溝は、穿刺部材を作動前後において定位置に保持する。穿刺部材541を作動の際溝604を通過するよう上方に持ち上げ、この穿刺部材は、開口部506を通って出る。
【0079】
次に図58を参照して本発明のシステムの別の変形例を以下に説明する。図58は、穿刺部材が半径方向内方に向けられた尖った又は鋭利な先端部を有するランセット切開システム610を示している。患者の指又は他の組織を中央穴611に挿入して部材612によって穿刺する。力発生器613を駆動するよう結合された穿刺部材グリッパ530は、図54A〜図54Gに記載されているのと実質的に同一の仕方で動作する。パンチ部分521,522は、穿刺部材を滅菌エンクロージャから解放するのと実質的に同一の仕方で動作する。パンチ部分522を穿刺部材の出口が設けられている装置の内周部に配置するのがよく、従って滅菌エンクロージャ材料は、穿刺部材出口の経路から外れるようになる。
【0080】
次に図59を参照して本発明のランセット切開システムの更に別の変形例について以下に説明する。図53及び図54に示す実施形態では、穿刺部材グリッパ530は、上方から穿刺部材に近づき、駆動システムの少なくとも一部は、カートリッジ500の平面とは異なる平面内に配置されている。図59は、穿刺部材ドライバ620が穿刺部材622と実質的に同一平面内にある実施形態を示している。カプラ624が、部材622の曲げ部分又はL字形部分626に係合する。カートリッジ628は、カートリッジ又はカプラを垂直方向に移動させる必要なく、新しい穿刺部材をカプラ624に係合させるよう回転することができる。新しい穿刺部材は、カプラ624によって提供されるスロット内の定位置に回転する。カートリッジの幅の狭い部分は、穿刺部材がカートリッジから出るときに穿刺部材を整列させるよう穿刺部材の遠位端部の近くで穿刺部材案内630として働く。
【0081】
カプラ624は、種々の形態で提供できる。例えば、図60Aは、曲げ部分又はL字形部分を備えていない穿刺部材633に係合できるカプラ632を示している。かかる穿刺部材633を支持した半径方向カートリッジは、穿刺部材をカプラ632の溝634内へ摺動させるよう回転することができる。図60Bは、カプラ632が穿刺部材633をスロット634内へ案内するようテーパ付き部分636を有するのがよいことを示す正面図である。図60Cは、T字形穿刺部材を受け入れるスロット638を備えたカプラ637を用いるドライバ620の実施形態を示している。カプラ637は、作動中、駆動シャフトの位置合わせ状態を維持するようオーバーヘッドスロット内で案内可能な突起639を更に有するのがよい。
【0082】
次に図61を参照すると、平面内ドライバ620に用いられるカートリッジ640が示されている。カートリッジ640は、カートリッジをドライバ620と共に定位置に配置できる空のスロット642を有している。この実施形態では、空のスロット642により、カプラ644を未使用の穿刺部材645に係合するよう位置決めすることができ、かかる未使用の穿刺部材645を矢印646で示すように定位置に回転させることができる。図61で分かるように、カートリッジ640は又、滅菌状態のままであることが必要な穿刺部材の部分だけ(即ち、実際に組織に穿刺することができる部分)を包囲するよう設計されたものであるのがよい。図61で分かるように、穿刺部材の近位部分647は露出している。この露出状態の近位部分は、穿刺部材の約70%であるのがよい。他の実施形態では、これは、穿刺部材の約69%〜約5%である場合がある。カートリッジ640は、密封突起648を更に有するのがよいが、必ずしもそうではない。これら突起648は、カートリッジ640に解放自在に結合され、カートリッジが回転して穿刺部材645を使用中の穿刺部材の位置に配置すると、これら突起は、リムーバ649によりカートリッジ640から取り出される。滅菌環境は、部材645の作動に先立って壊され、この部材は、作動中、穿刺部材の先端部をなまくらにする場合のある滅菌エンクロージャ材料を穿刺しない。砕けやすい密封材料650を穿刺部材に施してカートリッジの内周部分に密着させるのがよい。
【0083】
次に図62を参照して、本発明に用いられるカートリッジの更に別の実施形態を説明する。このカートリッジ652は、カプラ655がキャビティ656に入ることができるようにするテーパ付き部分654を有している。幅の狭い部分657が、穿刺部材658を案内する。カプラ655は、穿刺部材658を掴むよう係合する可動ジョー659を有するのがよいが、必ずしもそうではない。カプラがキャビティ656に入ることができるようにすることにより、穿刺部材の位置合わせを作動中良好に維持できる。このテーパ付き部分654は、本明細書において開示するカートリッジの任意の実施形態に使用できるよう改造可能である。
【0084】
次に図63を参照して、本発明に用いられる直線状カートリッジ660を説明する。本発明は、半径方向カートリッジに用いられる状態で示されているが、ランセット切開システムは、他の形状をしたカートリッジに使用できるよう改造可能である。図79〜図83は、本発明に使用できるよう改造可能な様々な形状をした他のカートリッジを示している。図63は、穿刺部材の滅菌保護を行なう部分662のみを備えたカートリッジ660を示している。しかしながら、カートリッジ660は、穿刺部材665を載せることができるベース664を備えている。これは、取扱い中、或る程度の穿刺部材の保護をもたらす。ベース664も又、穿刺部材667を収納保持できるスロット666を備えるよう形作られたものであるのがよい。また、スロット666は、テーパ付き部分668を有するようになっているのがよい。これら形態は、本明細書において開示する実施形態のうちの任意のもの、例えばカートリッジ652に使用できるよう改造可能である。
【0085】
次に図64A〜図64Cを参照すると、カートリッジ500に設けられた側方開口部503を覆う滅菌シールを解除する多種多様な装置が示されている。図64Aは、滅菌バリヤを打ち抜く突起672を有する回転パンチ装置670を示しており、かくして、滅菌バリヤ材料に触れることなく穿刺部材を出すことができる開口部674が作られる。図64Bは、滅菌バリヤ679を有効出射位置になるように回転しているときに滅菌バリヤを打ち抜く異形突起678を備えた垂直方向回転装置676を示している。図64Cは、カートリッジをパンチ上に下降させると、バリヤ682を打ち抜くよう位置決めされたパンチ680を示している。カートリッジを回転させると、パンチ680はカートリッジと共に回転する。カートリッジを正しい位置に回転させて持ち上げた後、パンチ680は、次の未使用の穿刺部材を覆う滅菌バリヤに係合する位置に戻るようばね押しされ又は構成されている。
【0086】
次に図65A及び図65Bを参照して、パンチプレート520に用いられる別のタイプのパンチ機構を説明する。図53及び図54に示された装置は、まず最初に解放された穿刺部材を打ち抜き、次にこれを定位置に回転させ又は割り出す機構を示している。本実施形態では、カートリッジをまず最初に回転させ、次にグリッパとパンチが同時に下降することができる。図65Aは、第1の部分686及び第2の部分687を備えたパンチ685の一実施形態を示している。図65Bの断面図で分かるように、穿刺部材グリッパ690は、パンチ685の内部に配置されている。かくして、滅菌バリヤの穿刺は、穿刺部材とグリッパ690の係合段階に組み込まれる。パンチ685は、グリッパ690の一部694を上方に伸長させることができるスロット692を有するのがよい。穿刺部材を出すことができる側方開口部695が設けられている。幾つかの実施形態では、パンチ部分687は、パンチ686には設けられておらず、その代わりに、側方開口部503を覆うバリヤ材料を押し下げる例えば図64A〜図64Cに示された他の或る機構を利用している。
【0087】
次に図66を参照して、本発明のカートリッジの更に別の実施形態を説明する。図66は、複数のキャビティ702及び個々の撓むことができる部分又はフィンガ704を備えたカートリッジ700を示している。保護キャビティ702の端部は、ディスクの外周部に設けられた個々のフィンガ(例えば、各キャビティについて1つずつ)に分割されている。各フィンガ704は、使用時まで滅菌性を維持するよう箔カバー(説明しやすくするために図示せず)で個々に密封されるのがよい。カートリッジ700の内周部に沿って、ラチェットタイプの機構を構成する隆起段部分706が設けられている。図67で分かるように、穿刺部材708を各キャビティ内に収容するのがよい。穿刺部材は、隆起部分710に載ることができる。幅の狭い部分712が、穿刺部材708の近位部分を挟む。各キャビティは、穿刺部材708を使用した後、かかる穿刺部材を押し込むことができる壁部分714を有するのがよい。図68は、穿刺部材708に係合するよう下降させられた穿刺部材グリッパ716を示している。説明を容易にするため、キャビティの各々を覆う滅菌バリヤは図示されていない。
【0088】
次に図69A〜図69Lを参照して、カートリッジ700内の穿刺部材を作動させる段階のシーケンスを説明する。他の実施形態では、本発明の範囲から逸脱することなく段階を組み合わせ又は減少させることができる。使用される最後の穿刺部材は、グリッパ716によって捕捉された状態で引っ込み位置に残される場合がある。保護キャビティ704の端部は、先の作動により下方に撓ませることができる。ユーザは、新しい穿刺部材720を図69Aで分かるように発射位置に前進させる機構、例えばサムホイール(指動輪)、レバー、クランク、スライダ等を作動させることができる。この機構は、保護キャビティがディスクの平面内のその元の位置に戻ることができるようにするバーを持ち上げる。
【0089】
図69Bに示すようなこの実施形態では、穿刺部材案内722は、ポケットの後ろで箔に押し入って穿刺部材を「誘導」し、垂直方向隙間を制御する。説明しやすくするために、穿刺部材案内722及び他の機構を動かす作動装置は図示されていない。これらは、ばね、カム又はこれらの図に示されたコンポーネントを下降させて動かすことができる他の装置であるのがよい。幾つかの実施形態では、カートリッジ700を昇降させて穿刺部材案内722及び他の装置に係合させることができる。
【0090】
図69Cで分かるように、プラウ又は滅菌エンクロージャ解除装置724は、カートリッジ700に係合するよう下降する。幾つかの実施形態では、ディスク又はカートリッジ700をプラウ又はプラウ刃724が箔覆いであるのがよい滅菌バリヤ726を穿刺するまで上方に途中まで持ち上げることができる。
【0091】
次に図69Dを参照すると、プラウ724は、箔をポケットの前から取り除き、これをカートリッジ700に取り付けられたままにする。プラウ724を半径方向内方に駆動して滅菌バリヤを切断して開き、スクラップをプラウの前のコイル中へ転動させる。箔は自然にカールしてプラウ進み角が水平に対し約55°をなしたときに密なコイルを形成する。プラウの角度は、約60°〜40°、好ましくは55°に近い角度であるのがよい。幾つかの実施形態では、箔を、穿刺部材が発射中どの滅菌エンクロージャ材料も穿刺する必要がないような仕方で除去するのがよい。
【0092】
次に図69Eを参照すると、グリッパ716を下降させてむき出しの穿刺部材又は穿通部材720に係合させることができる。ディスク又はカートリッジ800を穿刺部材720がしっかりとグリッパ716内へ押し込まれるまで上昇させることができるが、このようにするかどうかは任意である。この図には示されていないが、本実施形態の穿刺部材ドライバ又はアクチュエータは、穿刺部材と同一の水平面内に位置したままであるのがよい。
【0093】
図69Fで分かるように、バー730を保護キャビティの外端部732上に押し下げてこれを撓ませてこれが穿刺部材の経路から外れるようにすることができる。本実施形態では、バー730は、むき出しの穿通部材720を通過させることができるよう形作られている。バーの他の形状及び向き(例えば、端部732の一方の側部又は一部にのみ接触する)が端部732に係合するよう使用できる。
【0094】
次に図69Gを参照すると、電気ソレノイド又は他の電子又はフィードバック制御可能な駆動装置が、グリッパ716を半径方向外方に作動させることができ、それによりむき出しの穿通部材720をこれと共に支持する。むき出しの穿通部材は、保護ケースから突き出て、アクチュエータ組立体の孔上に配置されている指又は他の組織部位の皮膚に刺入する。適当な穿刺部材ドライバは、2002年4月19日に出願された共通譲受人の同時係属米国特許出願第10/127,395号(代理人事件番号:38187−2551)明細書に記載されている。
【0095】
次に図69Hを参照すると、ソレノイド又は他の適当な穿刺部材ドライバは、むき出しの穿刺部材720をこれが次のランセット切開サイクルの開始までに停止している引っ込み位置に引っ込める。
【0096】
次に図69Iを参照すると、バー730は、端部150がカートリッジ800との平面内形態に戻るよう解放することができる。
【0097】
図69Jで分かるように、グリッパ716はむき出しの使用済み穿刺部材を半径方向外方に駆動して、ついには鋭利な先端部がキャビティの外方端部732のところ又はその近くに設けられたプラスチック壁714に埋め込まれ、かくして汚染状態の穿刺部材を動かないようにする。
【0098】
図69K及び図69Lで分かるように、プラウ724、グリッパ716及び穿刺部材案内722は全て、むき出しの穿刺部材720から離脱可能である。前進機構がカートリッジ700をグリッパ716から下降させることができるが、このようにするかどうかは任意である。プラスチック中に埋め込まれた先端部及び反対側の端部のところに位置しているカバー箔により拘束される使用済み穿刺部材をグリッパから抜き取る。ディスク又はカートリッジ700を、新しい密封状態の滅菌穿刺部材が発射機構の下の定位置に至るまで回転させるのがよい。
【0099】
次に図70及び図71を参照すると、本発明の幾つかの実施形態の1つの目的は、血液サンプル採取を行ない、この穿刺部材作動装置について検出を行なうことにある。本実施形態では、駆動機構(グリッパ738及びソレノイド駆動コイル739)は、穿刺部材を皮膚に刺入し、このランセット切開処置を結合して血液サンプルが指の表面のところに生じると血液サンプルを収集するよう使用できる。図70に示す第1の実施形態では、分析物検出部材化学反応及び検出装置742(図71)を支持した超小型流体素子モジュール740が、穿刺部材720のシャフトに結合されている。上述の駆動サイクルも又、モジュール740を作動させてこれが指の表面のところに載って穿刺部材を創部からいったん引っ込めると血液を収集するようにする。モジュール740は、指又は他の組織部位の表面上に位置したままであるが、ついにはグリッパ738が超小型流体素子モジュール740の後側端部744に到達し、その時点でモジュールも又ケーシング内へ引っ込められる。モジュール740が指の上に位置したままの時間の長さは、この実施形態では、端部744が位置している距離及びグリッパが引っ込み行程でこれに係合するのにかかる時間の長さに応じて様々であってよい。次に、血液で満たされたモジュール740は、穿刺された組織部位上に位置したままの状態で、例えば光学又は電気化学検出(これには限定されない)のような手段により分析物検出を受けるのがよい。
【0100】
血液は、穿刺部材が入っていた管腔内を満たし又はモジュールは、穿刺部材の管腔の側部にサンプルチャンバを別々に構成することができる。分析物検出部材も又、血液を受け入れるモジュール開口部のすぐ近くで適所に配置され又はこれから僅かに後退して設けられて、少ない血液の量が依然として分析物検出部材に達するようにする。幾つかの実施形態では、分析物検出装置及び視覚的表示装置又は他のインタフェースは、装置に搭載状態であるのがよく、かくして装置又は検査ストリップを別個の読み取り装置にプラグ接続する必要なく、分析物レベルの読みをもたらす。また、図71で分かるように、カバー746は、光学検出のために光を通過させることができるよう透明であるのがよい。分析物検出部材は、少ない量、例えば約1マイクロリットル以下のサンプル、好ましくは約0.6マイクロリットル、より好ましくは約0.3マイクロリットル、最も好ましくは約0.1マイクロリットル以下のサンプルに使用できる。
【0101】
図72で分かるように別の実施形態では、検出要素760は、向きに応じて、穿刺部材カートリッジ700の底部の頂部に直接印刷され又は形成できる。次に、むき出しの穿刺部材720をプラスチック表面材に設けられた穴762を通して作動させ、半径方向キャビティ内へ引っ込め、次に血液サンプル中へ引っ込める。次に、分析物検出のための電気化学検出又は光学検出を実施するのがよい(図72)。この場合も又、キャビティ766は、光学検出のために光を通過させることができる透明な部分を有するのがよい。一実施形態では、多数の小型化分析物検出部材フィールドを図72に示すように半径方向キャビティの床上又は図71に示す超小型流体素子モジュール上に配置して一滴の血液から単一の分析物について多数回の検査を可能にして測定の正確さ及び精度を向上させるのがよい。このように限定されないが、追加の分析物検出部材フィールド又は領域を較正又は他の目的のために設けるのがよい。
【0102】
次に図73を参照して、本発明のカートリッジの更に別の実施形態を説明する。図73は、穿刺部材を駆動して皮膚又は組織を穿刺するための装置に着脱自在に挿入できるカートリッジ800の一実施形態を示している。カートリッジ800は、複数の穿刺部材802を有し、これら穿刺部材を個々に又は選択的に作動させて穿刺部材802が矢印804で指示するようにカートリッジから外方に伸長して組織を穿刺することができるようになっている。本実施形態では、カートリッジ800は、平らなディスク上に置かれるのがよく、多数の、例えば25、50、75、100個、…(これらには限定されない)の穿刺部材がディスク又はカートリッジ800上に半径方向に配置されている。カートリッジ800は円板又は円板形のハウジングとして示されているが、カートリッジの他の形状又は形態も又、穿刺部材ドライバと単独で又は幾つかの組合せ状態で係合する複数の穿刺部材を配置する本発明の精神から逸脱することなく利用可能である。
【0103】
各穿刺部材802を穿刺部材の尖った端部が半径方向外方に向いた状態でカートリッジ800内のキャビティ806中に収納するのがよく、かかる穿刺部材は、カートリッジの平面と同一平面内に位置するのがよい。キャビティ806をカートリッジ内に成形し、プレス加工し、鍛造し又は別のやり方で形成することができる。このように限定されないが、キャビティ806の端部をディスクの外周部に個々のフィンガ(例えば、各キャビティについて1つずつ)に分割するのがよい。各キャビティ806の特定の形状は、この中に収められる穿刺部材の寸法又は形状、或いは分析物検出部材808の配置のために望ましい空間の大きさに合うよう設計されたものであるのがよい。例えば、限定しないが、キャビティ806は、V字形断面、U字形断面、C字形断面、マルチレベル断面又は他の断面のものであってよい。組織を穿刺するために穿刺部材802を出すことができる開口部810も又、種々の形状のものであってよく、かかる形状としては、例えば円形開口部、正方形又は矩形開口部、U字形開口部、穿刺部材を通過させることができるに過ぎない幅の狭い開口部、側部により大きな隙間を持つ開口部、スリット、図75に示すような形態又は他の形状が挙げられるが、これらには限定されない。
【0104】
この実施形態では、作動後、穿刺部材802をカートリッジ内へ戻し、かかる穿刺部材を再び用いることができないような仕方で穿刺部材をカートリッジ800内に保持するのがよい。一例を挙げると、限定しないが、使用済み穿刺部材をカートリッジ内に戻し、次のランセット切開処置までランチャーにより定位置に保持するのがよい。次のランセット切開時に、ランチャーは、カートリッジ800を次の清潔な穿刺部材に向け又は割出した状態で使用済み穿刺部材を外すのがよく、使用済み穿刺部材を保持しているキャビティをこれがユーザにとって接近可能ではないように位置決めする(即ち、穿刺部材出口開口部から遠ざかる方向に向くようにする)。幾つかの実施形態では、使用済み穿刺部材の先端部を穿刺部材を使用後定位置に保持している保護ストップ内へ押し込むのがよい。カートリッジ800は、全ての穿刺部材がいったん用いられると、又はユーザにより望ましいと考えられるかかる他の時点又は状況で新品のカートリッジ800と交換可能である。
【0105】
図73の実施形態を参照すると、カートリッジ800は、キャビティを密封し、穿刺部材が中で休止するための密閉領域をもたらすために用いられるシール、箔、カバー、ポリマー又はこれに類似した材料により穿刺部材のための滅菌環境を提供することができる。本実施形態では、箔又はシール層820がカートリッジ800の一表面に被着される。シール層820は、種々の材料、例えば金属箔又は他のシール材料(これらには限定されない)で作られたものであってよく、更にシール層820が密閉された滅菌環境を開くようあらかじめ選択された又は選択された大きさの力をもたらす適当な装置又は穿刺装置により穿刺されるまで密閉された滅菌環境を提供できるほどの引張強度及び他の品質のものであるのがよい。各キャビティ806は、一キャビティの開口部がカートリッジ800内のその隣の又は他のキャビティ内の滅菌性を損なわないような仕方で層820で個々に密封されたものであるのがよい。図73の実施形態で分かるように、シール層820は、カートリッジ800の頂面に接着された平らな材料であるのがよい。
【0106】
穿刺部材ドライバ装置内におけるカートリッジ800の向きに応じて、シール層820は、頂面、側面、底面又は他の位置決め表面上に位置するのがよい。図73の実施形態の図示及び説明を容易にするため、層820は、カートリッジ800の頂面上に被着されている。穿刺部材802を保持するキャビティ806は、箔層820で密封され、かくして、穿刺部材のための滅菌環境を作っている。箔層820は、複数のキャビティ806又は所望に応じて選択された数のキャビティだけを密封することができる。
【0107】
図73の更に別の特徴では、カートリッジ800は、基板822上に設けられた複数の分析物検出部材808を有するのがよいが、このようにするかどうかは任意であり、基板822は、カートリッジ800の底面に取り付けるのがよい。基板は、例えばポリマー、箔のような材料又はカートリッジへの取付け及び分析物検出部材808の保持に適した他の材料で作られたものであるのがよいが、これらには限定されない。図73で分かるように、基板822は、複数の、例えば約10〜50個、50〜100個(これらには限定されない)の分析物検出部材又は分析物検出部材の他の組合せを保持することができる。これにより、分析物検出部材808とカートリッジ800の組立て及び一体化が容易になる。これら分析物検出部材808は、穿刺部材802が標的組織中に創路を作り、この創路が体液を圧出し、体液が、分析物検出部材808のうちの少なくとも1つによる分析物検出のためにカートリッジ内へ流入する一体形体液サンプル採取システムの作用を可能にする。基板822は、複数のキャビティ806を備えたカートリッジ内での分析物の検出に適した任意の数の分析物検出部材808を有するのがよい。一実施形態では、多くの分析物検出部材808を単一の基板822上に印刷でき、次にこの基板をカートリッジに付着させ、それにより製造が容易になると共に組立てが単純化される。分析物検出部材808は、性質上、電気化学式であるのがよい。分析物検出部材808は、所望の分析物にさらされると反応する酵素、色素又は他の検出手段を更に含むのがよい。加えて、分析物検出部材808は、光を分析物の分析のために体液中へ通すことができる透明な光学窓を備えるのがよい。分析物検出部材808の数、配置場所及び種類は、或る程度は、カートリッジの設計、測定されるべき分析物の数、分析物検出部材の較正の必要性、分析物検出部材の感度に基づいて所望に応じて様々であってよい。カートリッジ800が、分析物検出部材がカートリッジの底部に取り付けられた基板上に位置する分析物検出部材構造を用いる場合、貫通穴(図76に示されている)、ウィッキング(吸上げ)要素、毛管又は体液がカートリッジから分析のために分析物検出部材808に流れることができるようにする他の装置をカートリッジ800に設けるのがよい。他の形態では、分析物検出部材808を穿刺部材802を収容するキャビティ内又はランセット切開後血液を受け入れるカートリッジ表面上の領域内に直接印刷し、形成し又は違ったやり方で設けてもよい。
【0108】
シール層820及び基板型分析物検出部材層822を用いることにより、これらカートリッジ10の製造を容易にすることができる。例えば、単一のシール層820をカートリッジ800に矢印824で指示するように被着させ、取り付け又は違うやり方で結合すると、キャビティ806のうち多くを一度に密封することができる。分析物検出部材のシート822も又、カートリッジ800に矢印825で指示するように被着させ、取り付け又は違うやり方で結合すると、カートリッジ上に多くの分析物検出部材を一度に設けることができる。本発明の一実施形態の製造中、カートリッジ800に穿刺部材802を装填し、層820及び基板822が取り付けられる底部に設けられた一時的な層(図示せず)で密封すると、穿刺部材のための密封環境を得ることができる。次に、一時的な底部層とのこの組立体を囲んで滅菌する。滅菌後、組立体をクリーンルームに運び(又は、これが既にクリーンルーム又はこれと同等の環境内に位置している場合がある)、ここで一時的底部層を除去し、基板822を分析物検出部材と共に図7に示すようにカートリッジに結合する。このプロセスにより、基板822上の分析物検出部材の精度又は機能性を劣化させる場合のあるプロセス及び(又は)温度を用いて穿刺部材802とのカートリッジの滅菌組立てが可能になる。非限定的な例として、次に、カートリッジ800全体を別の密閉容器、例えばパウチ、袋、プラスチック成形容器(これらには限定されない)内に入れて接触を容易にし、頑丈さを向上させると共に(或いは)取扱いを容易にすることができる。
【0109】
幾つかの実施形態では、2以上のシール層820を用いてキャビティ806を密封することができる。幾つかの実施形態の例として、多数の層を各キャビティ806を覆って配置することができ、キャビティのうち半分又は或る選択された部分を1つの層で密封し、キャビティのもう半分又は選択された部分を別のシート又は層で密封することができ、種々の形状のキャビティは、互いに異なるシール層を利用することができること等が挙げられる。シール層820は、互いに異なる物理的性質を有することができ、例えば、カートリッジの端部の近くで穿刺部材802を覆うシール層は、カートリッジを交換する前にユーザが例えば10個、5個又は他の数の穿刺部材を使用したことをユーザに指示するよう(もし視覚的に点検可能であれば)異なる色、例えば赤色(これには限定されない)を有するのがよい。
【0110】
次に図74及び図75を参照すると、カートリッジ800内の分析物検出部材808に用いられる超小型流体素子の一実施形態を以下に説明する。説明を容易にするため、キャビティ806の形状は、単純なウェッジ形状に単純化されている。より複雑精巧な形態、例えば図73に示す形態を用いてもよい。図74は、体液を分析物検出部材808に向かって引き寄せるのを助けるチャネル826を示している。本実施形態では、キャビティ806内に2つの分析物検出部材808が示されている。これは純粋に例示の目的のためである。というのは、キャビティ806は、1つの分析物検出部材又は所望に応じて任意他の数の分析物検出部材を有することができるからである。キャビティ806の一部を満たしながらキャビティ806に流入する体液も又、毛管作用により溝826を通って分析物検出部材808に向かって引き寄せられる。分析物検出部材808は全て、同一の分析を行うことができ、これら分析物検出部材は各々、互いに異なる種類の分析を行うことができ、或いは、これら2つの或る組合せを使用することができる(同一の分析を行うセンサがあれば、他の分析を行うセンサもある)。
【0111】
図75は、キャビティ806の切欠きの斜視図である。穿刺部材802(想像線で示されている)は、キャビティ806内に収容され、かかる穿刺部材は、矢印832で指示されるように穿刺部材出口開口部830を通って外方に延びることができる。穿刺部材802の先端部の位置は、様々であってよく、例えば、穿刺部材出口ポートの近くに位置し、又はこの出口から間隔をおいて位置することができる(これらには限定されない)。分析物検出部材808に対する先端部の配置場所も又、様々であってよく、例えば、分析物検出部材から間隔をおいて位置し又は遠ざかって位置し或いは分析物検出部材のすぐ近くで並べて配置できる。次に、流体は、キャビティ806に入り、チャネル826によって方向付けられる。チャネル826は、図75に示すように、頂部が開口した溝である。チャネル826は、全体が開口した頂部を備える溝であってもよく、或いは、ルーメンを形成する密閉頂部を有する一部を有してもよく、或いは更に、溝は、穿刺部材出口開口部830の近くに設けられた開口部を除き閉鎖されたものであってもよい。毛管作用は、一表面が露出した溝を用いて達成できる。幾つかの実施形態では、分析物検出部材808は、穿刺部材出口開口部830の近くに位置決めされて、分析物検出部材808が例えば図78に示す体液を引き込むのに毛管溝又はチャネルを必要としないようにしてもよい。
【0112】
図75及び図76で分かるように、キャビティ806は、その底面に結合されていて、分析物検出部材808を収容した基板822を有するのがよい。図76の実施形態で分かるように、カートリッジ800の裏面上に設けられた分析物検出部材808では、カートリッジ800は、体液がキャビティ806から分析物検出部材808に流れるようにするための通路をもたらす少なくとも1つの貫通穴834を有するのがよい。貫通穴834の寸法、配置場所、形状及び他の特徴は、キャビティ806及び設けられるべき分析物検出部材808の数に基づいて様々であってよい。他の実施形態では、ウィッキング要素等が、体液を溝826から1又は複数の貫通穴834を介して分析物検出部材808まで下方に吸い込むために使用できる。
【0113】
次に、図77を参照すると、種々の溝及び分析物検出部材の形態が単一のカートリッジに設けられた状態で示されている。これら形態は、例示目的でのみ示されているに過ぎず、単一のカートリッジが、これら形態の各々を備えない場合がある。幾つかの実施形態は、検出部材のうちの任意のものを単独で又は組み合わせて用いることができる。しかしながら、分析物検出部材の形態は、各キャビティについて特注可能であり、例えば、そのキャビティと関連したランセット切開変数、例えばランセット切開処置の時刻、測定されるべき分析物の種類、ランセットで切開されるべき検査部位、角質層の水和状態、又は他のランセット切開パラメータに応じて異なる数及び配置場所の分析物検出部材が用いられる。非限定的な例として、検出部材を円板の外縁部寄りに近くに、側壁上により近く、任意の組合せ等の場所に移動させることができる。
【0114】
図77は、キャビティ838内の穿刺部材802を示しており、3つの分析物検出部材808がキャビティ内に設けられている。説明を容易にするため、穿刺部材802は、残りのキャビティから省かれており、したがって分析物検出部材の形態を容易に見ることができる。キャビティ840は、2つの分析物検出部材808を備えたチャネル826を有している。キャビティ842は、単一の分析物検出部材808に結合されたチャネル844を有している。キャビティ846,848は、それぞれ1つの分析物検出部材808及び2つの分析物検出部材808を有している。これらキャビティ内の分析物検出部材808をカートリッジからの穿刺部材出口のところ又は実質的に穿刺部材出口のところに直接設けてもよい。他の分析物検出部材形態も又可能であり、例えば、1以上の分析物検出部材をキャビティの側壁上に配置し、分析物検出部材を特定のアレイ(例えば、直線アレイ、三角形アレイ、正方形アレイ等)をなして側壁又は底面上に配置し、混合した形式の分析物検出部材(例えば、電気化学的及び光学的又は他の或る組合せ)を用い、或いは、分析物検出部材の混合した位置決め(例えば、少なくとも1つの分析物検出部材をカートリッジの下の基板上に配置し、少なくとも1つの分析物検出部材をキャビティ内に配置する)を用いることが挙げられるが、これらには限定されない。
【0115】
図78は、分析物検出部材850がキャビティ806の遠位端部の近くに配置されたカートリッジ800の実施形態を示している。分析物検出部材850をカートリッジ800上に形成し、被着させ又は違ったやり方で取り付けるのがよい。別の実施形態では、分析物検出部材850は、ウェル又は凹みであるのがよく、このウェル又は凹みは、光学分析物検出部材がウェル又は凹み内に入っている流体中の分析物を検出できるのに十分な透明度を備えた底部を有する。ウェル又は凹みは、体液をウェル内に入れると、反応する(蛍光を発する、色が変化する、又は他の検出可能な特性を示す)或る分析物試薬を更に有するのがよい。更に別の実施形態では、分析物検出部材850に代えて流体を通過させることができる貫通穴を用いてもよい。基板822上の分析物検出部材808をカートリッジ800の裏面に取り付けてもよく、これによりキャビティ806から分析物検出部材808まで流れる流体に接近する。
【0116】
上述したように、分析物検出部材808も又、血液を受け入れるモジュール開口部のすぐ近くで適所に配置され又はこれから僅かに後退して設けられて、少ない血液の量が依然として分析物検出部材に達するようにする。分析物検出部材は、少ない量、例えば約1マイクロリットル以下のサンプル、好ましくは約0.6マイクロリットル、より好ましくは約0.3マイクロリットル、最も好ましくは約0.1マイクロリットル以下のサンプルに使用できる。分析物検出部材808は、穿刺部材カートリッジ800の底部の頂部に直接印刷され又は形成できる。一実施形態では、多数の小型化分析物検出部材フィールドを半径方向キャビティの床上又は超小型流体素子モジュール上に配置して一滴の血液から単一の分析物について多数回の検査を可能にして測定の正確さ及び精度を向上させるのがよい。このように限定されることはないが、追加の分析物検出部材フィールド又は領域を較正又は他の目的のために設けるのがよい。
【0117】
次に図79〜図84を参照して、カートリッジ800の別の実施形態を以下に説明する。図79は、半円形のカートリッジ860を示している。図80は、部分曲線の形状をしたカートリッジ862を示している。図80は又、カートリッジ862を種々の形態に、例えば、垂直に、水平に又は他の向きで(これらには限定されない)積み重ねることができることを示している。図81は、実質的に真っ直ぐで直線状の形態をしたカートリッジ864を示している。図82は、中心866から半径方向外方に延びるよう配置された複数のカートリッジ864を示している。各カートリッジは、カートリッジ864が穿刺部材ランチャーと整列するよう半径方向外方に摺動できるようにするスライダ(単純化のために図示せず)上に位置することができる。使用後、カートリッジ864を摺動させて中心866に向かって戻し、組立体全体を矢印868で指示するように回転させて新しいカートリッジ864を穿刺部材ドライバに用いるための位置に至らせる。図83は、複数のカートリッジ800を穿刺部材ドライバ(図85参照)に用いることができるよう積み重ねることができる更に別の実施形態を示している。ドライバをそれ自体各カートリッジ800と整列するよう移動させることができ、又はカートリッジをそれ自体ドライバと整列するよう移動させることができる。図84は、複数のカートリッジ864がアレイを構成するよう可撓性支持体と一緒に結合された更に別の実施形態を示している。ローラ870を用いると、カートリッジ864を穿刺部材ドライバ872によって作動される位置に動かすことができる。
【0118】
次に、図85を参照すると、穿刺部材ドライバ882を備えた半径方向カートリッジ800を用いる装置880の一実施形態が示されている。異形表面884が、穿刺部材出口ポート886の近くに設けられ、患者が自分の指をランセット切開のための位置に置くことができるようになっている。図示していないが、装置880が、状態をユーザに中継するよう人により読み取り可能な又は他形式の視覚表示装置を有するのがよい。表示装置は又、測定された分析レベル又は他の測定値、或いはフィードバックをユーザに示すことができ、この場合、装置880又は別個の検査ストリップを別個の分析物読み取り装置にプラグ接続し又は挿入する必要はない。装置880は、穿刺部材を作動させ又は分析物レベルを測定するプロセッサ又は他の分離回路を有するのがよい。カートリッジ800は、底部ハウジングにヒンジ止め又は着脱自在に結合できる装置の頂部ハウジングを開放することにより、カートリッジ800を装置880内へローディングすることができる。また、性質上コンパクトディスクプレーヤ等に見られるローディング機構と類似したローディング機構を用いてカートリッジ800を装置880内へ引き入れてもよい。かかる実施形態では、この装置は、装置880内へのカートリッジ800の挿入を可能にするスロット(自動車内に設置されたCDプレーヤに類似している)を有するのがよく、次にこのカートリッジ800を装置内で動作できるよう装置内の定位置に自動的にローディングし又は違ったやり方で収納する。ローディング機構は、機械的に動力供給され又は電気的に動力供給されるものであるのがよい。幾つかの実施形態では、ローディング機構は、スロットに加えてローディングトレーを使用するのがよい。スロットをハウジング上の高い位置に配置するのがよく、したがってカートリッジ800が装置内へローディングされ、次に穿刺部材ドライバ882上に落とされるのに十分な隙間を持つようになっている。カートリッジ800は、カートリッジ800をいったん装置880内に配置すると、カートリッジをローディング機構又は位置合わせ機構により正しく位置合わせできる表示マーク又は割出し装置を有するのがよい。カートリッジ800は、穿刺部材ドライバ882回りに回転する半径方向プラットホームに載ることができ、かくしてカートリッジを前進させて未使用の穿刺部材を穿刺部材ドライバに係合させる方法を提供する。カートリッジ800は、その裏面又は他の表面が、カートリッジの取扱い及び(又は)割出しを容易にするよう形作られ又は輪郭付けられたものであるのがよく、例えば、切欠き、溝、トラクター穴、光学的マーカ等を備えるのがよい。これら形状又は表面も又、カートリッジ内の未使用の穿刺部材がほぼ無くなっていること、5つの穿刺部材しか残っていないことを指示し又は所望通りに他の或るカートリッジ状態指標を指示するよう様々であってよい。
【0119】
穿刺部材を装填する適当な方法及び装置が、先に共通譲受人の同時係属米国特許出願(代理人事件番号:38187−2589及び38187−2590)明細書に記載されており、これらを全ての目的に関し参照によりここに援用する。穿刺部材に係合し、穿刺部材キャビティと関連した保護材料を除去する適当な装置が、共通譲受人の同時係属米国特許出願(代理人事件番号:38187−2601及び38187−2602)明細書に記載されており、これらを全ての目的に関して参照によりここに援用する。例えば、図78の実施形態では、箔又はシール層820が、頂面890に沿ってキャビティを横切って延び、そして傾斜面892に沿って下って延びることによりキャビティを覆うのがよく、それにより穿刺部材及び分析物検出部材の密閉滅菌環境を構成する。米国特許出願(代理人事件番号:38187−2602)明細書に記載された穿通要素は、穿通要素及び穿通要素の後ろに設けられていて、箔をキャビティの側部又は他の位置に押して穿刺部材802を作動させることができると共に体液がキャビティ内に流入することができるようにする異形部分を有する。
【0120】
次に図86を参照して本発明のランセット切開システムの更に別の実施形態を説明する。半径方向カートリッジ500を穿刺部材ドライバ882に用いるよう組み込むのがよい。穿刺部材を矢印894で指示するように外方に押し進めることができる。複数の分析物検出部材が、穿刺部材出口の近くに配置されたロール895上に設けられている。ロール895を矢印896で指示するように前進させることができ、したがって使用済み分析物検出部材は有効部位から遠ざけられるようにする。また、ロール895に代えて複数の分析物検出部材を保持した円板を用いることができ、この場合、分析物検出部材円板(図示せず)は、カートリッジ500の平面に実質的に垂直な平面内で配向される。分析物検出部材円板は又、新しい未使用の分析物検出部材をカートリッジ500の新しい未使用の穿刺部材と共に次々に回転させて提供できるようカートリッジ500の平面に平行ではない他の角度をなしていてもよい。
【0121】
次に図87Aを参照すると、カートリッジ500は、ランセット切開システム用の高密度包装システムを提供している。この形状因子により、患者は実質的に手持ち器具を維持した状態で多数の穿刺部材を単一のカートリッジ中へローディングすることができる。当然のことながら、かかるカートリッジ500は又、非手持ち装置に用いることもできる。本カートリッジ500は、単位体積当たり高検査密度の使い捨てカートリッジとなる。穿刺部材に加えて分析物検出部材を有するカートリッジ、例えばカートリッジ800の実施形態に関し、密度は又、使い捨てカートリッジ内の分析物検出部材及び穿刺部材の密度で測定できる。他の実施形態では、密度は又、使い捨てカートリッジ1つ当たりの分析物検出部材によって表現できる。例えば、一実施形態の物理的容量又は全エンベロープを測ることにより、この数値を穿刺部材の個数又は検査回数で割ることができる。この結果は、カセット状の穿刺部材1個当たり又は検査1回当たりの容積である。例えば、本発明の一実施形態では、カートリッジ500の総容積は、4.53立方センチメートルであると決定される。この実施形態では、カートリッジ500は、50個の穿刺部材を保持する。この容積を50で割ることにより、検査1回当たりの容積は、0.090立方センチメートルに達する。従来型検査装置、例えばドラムは、0.720又は0.670立方センチメートルであり、これは単に、複数の検査ストリップを保持する容積である。これは、本実施形態800の場合ほど穿刺部材を含まない。かくして、本実施形態は、実質的に高い密度の状態にある。0.500立方センチメートル範囲で穿刺部材及び分析物検出部材を有する僅かに低密度の装置であっても、これは、公知の装置と比べて飛躍的な技術進歩である。というのは、公知の装置について上記に列記した数は、穿刺部材を含まず、検査ストリップ1つ当たりの包装に過ぎないからである。
【0122】
各穿刺部材(又は、場合によっては穿刺部材及び分析物検出部材)は、カートリッジ500内に或る充填密度又は占有容積を有するのがよい。種々の実施形態では、カートリッジ500内の各穿刺部材の充填密度又は占有容積は、約0.66cm3以下、0.05cm3以下、0.4cm3以下、0.3cm3以下、0.2cm3以下、0.1cm3以下、0.075cm3以下、0.05cm3以下、0.025cm3以下、0.01cm3以下、0.090cm3以下、0.080cm3以下等であるのがよい。これらの数値は、穿刺部材だけ又は穿刺部材と分析物検出部材の組合せのための容積に適用できる。換言すると、各穿刺部材に必要な容積は、穿刺部材1つ当たり0.66cm3以下、穿刺部材1つ当たり0.05cm3以下、穿刺部材1つ当たり0.4cm3以下、穿刺部材1つ当たり0.3cm3以下、穿刺部材1つ当たり0.2cm3以下、穿刺部材1つ当たり0.1cm3以下、穿刺部材1つ当たり0.075cm3以下、穿刺部材1つ当たり0.05cm3以下、穿刺部材1つ当たり0.025cm3以下、穿刺部材1つ当た0.01cm3以下、穿刺部材1つ当たり0.90cm3以下等である。したがって、カートリッジの総包装容量をXとし、カートリッジがY個の穿刺部材、穿刺部材及び検査領域、又は他のユニット395を有するとすれば、各ユニットについての容積は、0.66cm3以下、0.05cm3以下、0.4cm3以下、0.3cm3以下、0.2cm3以下、0.1cm3以下、0.075cm3以下、0.05cm3以下、0.025cm3以下、0.01cm3以下、0.090cm3以下、0.080cm3以下等である。
【0123】
次に図87Bを参照して本発明のカートリッジの更に別の実施形態について以下に説明する。図87Bは、円錐形のカートリッジの断面を示しており、穿刺部材は、一実施形態では、矢印897で指示されるように半径方向外方に動くよう差し向けられている。別の実施形態では、穿刺部材は、矢印895で指示されるように半径方向内方に動くよう差し向けられるのがよい。グリッパは、穿刺部材をカートリッジの内面又は外面から係合するよう位置決めされるのがよい。
【0124】
次に、図88を参照すると、ナノワイヤも又、カートリッジ800に用いられる低容量分析物検出部材を形成するよう利用できる。ナノワイヤ装置についてのそれ以上の詳細は、2002年12月13日に出願された共通譲受人の同時係属米国仮特許出願第60/433,286号(代理人事件番号:38187−2605)明細書に記載されており、かかる米国仮特許出願明細書の記載内容全体を全ての目的に関しここに参照により援用する。これらナノワイヤ分析物検出部材898を穿刺部材802を収容したキャビティ806内に組み込むのがよい。これらは、キャビティ806の床又は底面上、壁上、頂面上又はこれら取り得る部分のうちの幾つか又は全ての任意の組合せ上に配置できる。分析物検出部材898は、かかる分析物検出部材のアレイの全体的感度を高めるよう種々の感度範囲を有するよう設計されたものであるのがよい。これを達成する方法としては、種々のサイズのナノワイヤを用いること、ナノワイヤの数を変えること又はナノワイヤに被着されるグルコースオキシダーゼ又はグルコース検出物質の量を変えることが挙げられるが、これらには限定されない。これらナノワイヤ分析物検出部材は、これらのサイズに起因して各サンプルについて少量の体液を用いるよう設計されたものであるのがよい。幾つかの実施形態では、分析物検出部材の各々は、約500ナノリットル以下の量の体液サンプルを用いると正確である。幾つかの実施形態では、分析物検出部材の各々は、約300ナノリットル以下の量の体液サンプルを用いると正確である。更に別の実施形態では、各分析物検出部材は、約50ナノリットル以下、約30ナノリットル以下、約10ナノリットル以下、約5ナノリットル以下、約1ナノリットル以下の体液サンプルについて正確である。幾つかの実施形態では、分析物検出部材の組合せアレイは、分析物測定を達成するために300ナノリットル未満の体液を用いる。
【0125】
次に図89を参照して本発明の更に別の実施形態を説明する。図89は、体液サンプルと接触状態になることができる光学分析物検出部材(図91)に用いられる光学照明システム910の一実施形態を示している。システム全体は、複数の分析物検出部材を含むのがよく、これら分析物検出部材は、或る光学表示器、分析物検出部材を照らす光をもたらす光源912、少なくとも1つの光検出器914及びプロセッサ(図示せず)を含む。1又は複数の分析物検出部材は、未知の組成の流体のサンプルにさらされる。複数の分析物検出部材は、一流体サンプルにさらされる分析物検出部材のアレイの状態に配列されたものであるのがよく、各グループは、特定の分析物を標的にし、分析されるべき他の或る分析物よりも一分析物と特異的に相互作用する分析物に特異的に働く化学物質を含むのがよい。また、各分析物検出部材は、かかる分析物検出部材のアレイの全体的感度を最大に高めるよう互いに異なる感度範囲を有するのがよい。光源912は、光を少なくとも1つの分析物検出部材に当てて光の相互作用を生じさせる。分析物検出部材相互間の差に起因して、光の相互作用の差が生じる場合がある。光検出器は、分析物検出部材による光の相互作用を検出する。プロセッサは、分析物検出部材による光の相互作用を分析して分析物のうちで光の相互作用の干渉を考慮し、それにより流体中の所望の分析物の濃度を求める。 依然として、図89の実施形態を参照すると、光源912は、LEDであるのがよいが、これには限定されない。別のLED915も又、本発明に使用できる。LED912からの光、照明又は励起エネルギは、経路に沿ってピンホール916、フィルタ917及びレンズ918を通って伝搬する。次に光は、ビームスプリッタ919、例えばビーム分光に有用なダイクロイックミラー又は他の装置に(これらには限定されない)に接触する。レンズ920は、光を分析物検出部材(図91)上に合焦させる。この励起エネルギにより、分析物検出部材からの検出可能な光インジケータが生じる場合がある。非限定的に一例を挙げると、蛍光エネルギをレンズ920で上方に反射させるのがよい。このエネルギは、ビームスプリッタ919を通ってレンズ922に至り、次に矢印923で指示されるように検出器914によって受け取られる。検出器914は、このエネルギを測定し、この情報は、プロセッサ(図示せず)に送られて分析物レベルが求められる。照明システム910は、円板表面上に位置した細胞924を更に有するのがよい。この特定の実施形態では、力発生器926、例えばソレノイド(これには限定されない)により駆動される穿刺部材925は、流体サンプルを得るために使用できる。戻り止め927も又他のむき出しのランセット又は穿刺部材928と一緒に装置に設けるのがよい。
【0126】
次に図90を参照すると、照明システム910の別の実施形態がカートリッジ929に用いられた状態で示されている。カートリッジ929は、カートリッジ800に類似している。カートリッジ929は、複数の穿刺部材及び複数の光学分析物検出部材(図示せず)を有する単一のカートリッジである。カートリッジ929は、複数の光学的に透明な部分930を更に有し、これら光学的に透明な部分は、LED912からの光がカートリッジ929のキャビティ中を照らすようにする窓等であるのがよいが、これには限定されない。一実施形態では、カートリッジ929の各キャビティは、少なくとも1つの透明な部分930を有するのがよい。これにより、光は、分析物検出部材914によって読み取り可能なエネルギを発生させることができる。カートリッジ929は、穿刺部材を作動させるドライバ882を用いるのがよく、カートリッジ929は、矢印931で指示するように回転することができる。
【0127】
次に図91を参照すると、類似した照明システムの実施形態の断面が示されている。このシステム932は、励起フィルタ934付きのレンズ933を備えた光源912を有している。この励起フィルタ934は、一実施形態では、励起エネルギを通過させることができるに過ぎない。このフィルタ934により、励起エネルギはダイクロイックミラー935に伝搬することができるが、光源912に戻されることはない。励起エネルギは、矢印936で指示するように下に反射される。レンズ937は、エネルギを光学分析物検出部材938に合焦させる。蛍光エネルギ939は、ダイクロイックミラー935を通って蛍光フィルタ940に向かって伝搬する。一実施形態では、蛍光フィルタ940は、蛍光エネルギをレンズ941に向かって通すことができるに過ぎない。かくして、検出器914は、分析物検出部材938からの蛍光エネルギだけを受け取る。当然のことながら、分析物検出部材938により生じた形式のエネルギを通すことができるようフィルタを交換できる。幾つかの実施形態では、フィルタは用いられない場合がある。ダイクロイックミラー935は、63×40×8mmのBk7基板であるのがよい。フィルタは、直径が約40mm、厚さが約6mmのBk7基板であってもよい。レンズ933,937,941は、bfl=53.6、動作口径38mmのアクロマートであるのがよい。
【0128】
次に図92を参照して照明システム942の更に別の実施形態を説明する。このシステムは、ビームスプリッタ又はダイクロイックミラーを用いていない。その代わり、光源又はLED912と検出器914の両方が、光学分析物検出部材938に向かう方向の視線を有している。この実施形態では、多数の要素が単一のハウジングの状態に組み合わされている。例えば、レンズ943、レンズ944及びフィルタ945が組み合わされ、レンズ946、レンズ947及びフィルタ948も又組み合わされている。
【0129】
次に図93を参照すると、図89のシステムと類似したシステムの断面がハウジング950内に示されている。LED912が、光をミラー919に送り、そして光路951を通って円板の表面上の細胞924に送る。フィンガアクセス952により、サンプルを得て、これが流体通路953に沿って流れて分析されるようになる。プロセッサ954を検出器914に結合して結果を分析するのがよい。
【0130】
次に図94を参照して、図90のシステムに類似したシステムの断面を更に説明する。これは、ドライバ882に用いられるカートリッジ929を示している。これにより、穿刺部材が矢印955で指示されるように半径方向外方に延びる半径方向設計が実現可能である。ドライバ882は、矢印956で指示されるように往復動するカプラ部分を有するのがよい。図95及び図96は、図89のシステムに類似したシステムの別の図を提供している。図95及び図96の実施形態は、エネルギ検出を向上させるのに役に立つよう追加のレンズ又はフィルタを有するのがよい。
【0131】
次に図97を参照すると、関心のある領域は、ランセットが所定の深さに達するまで指の皮膚層を切断している間、速度プロフィール1000である。具体的に説明すると、進入軌道の種々の段階を通じたランセット速度のばらつきが図97に示されている。この実施形態では、段階Iは、角質層に相当し、段階IIは、表皮に相当し、段階IIIは、真皮に相当している。各段階では(及びかかる段階中)、選択肢は、現在の速度を維持し、現在の速度を増大させ、又は現在の速度を減少させることである。角質層の厚さに基づいて、この実施形態では、4エッジ検出アルゴリズム及び1インチ当たり360ストリップのエンコーダストリップを用いて角質層中では9箇所、表皮中では6箇所及び真皮中では29箇所で速度をモニタして変更することができる。本明細書において説明しているドライバの実施形態は所与の変位の場合、上述した数のモニタ箇所をもたらすが、これよりも高い又は低い解像度を与える他のドライバ及び位置センサ実施形態を使用できることは注目されるべきである。
【0132】
この非限定的な例についての本明細書の目的上、皮膚は、3つの別々の領域又は組織層、即ち、角質層SC(段階I)、表皮E(段階II)及び真皮D(段階III)を有するものとして見える。一実施形態では、ランセット又は穿刺部材10は、第1の所望の速度まで加速される。この速度は、あらかじめ決定されたものであってよく、或いは作動中、プロセッサによって計算してもよい。プロセッサは又、組織中のランセット速度を制御するために用いられる。ランセット10は、この速度で皮膚に当たって角質層の切断を開始する。角質層は硬く、それ故この実施形態では、穿刺部材10の最大速度を用いてこの層を効率的に切断するのがよく、この速度は、ランセットが層を通過するまで一定に維持されるのがよい。第1の速度又は初速を維持するためには、ランセットが角質層を切断している間、動力をランセット駆動装置12に供給する必要性が多分にある。角質層の平均厚さは、約225μmである。この実施形態の位置センサ14について4エッジ検出アルゴリズムを用いると、速度情報を確かめてフィードバックする機会を225/17で又は約13箇所で実施できる。別の実施形態では、衝撃に続き角質層を通る加速により、切断効率を向上させることができる。加速は、ランセットが衝撃前にその標的又は所望の速度に達していない場合に可能である。図4は、組織層の各々についてランセット軌道に関し速度を増大させた((a)矢印)、維持した((b)矢印)又は減少させた((c)矢印)の結果を示している。
【0133】
表皮E(段階II)に達すると、方法の一実施形態は、速度((c)矢印)を第1の速度から減少させて組織圧迫度をこの第2の組織層中で減少させるようにするのがよい。かくして、ランセット10は、この非限定的な例では、第1の速度よりも低い第2の所望の速度を有することができる。第2の組織中におけるこの速度減少により、真皮層(第3の組織層)中の機械的受容器神経細胞により受ける痛みが軽減する場合がある。しかしながら、真皮層に対する組織圧迫効果が無ければ、ランセット速度は、効果的な切断が得られるよう一定に維持できる(即ち、第2の速度を第1の速度と同一に維持できる)。別の実施形態では、速度を第2の組織中で第1の速度から増大させることができる。
【0134】
段階IIIでは、ランセット又は穿刺部材10は、血管に達してこれらを切断して血液を生じさせることができる。この第3の組織層及びそれ故にランセット切開中における痛みの知覚の神経刺激伝達は、選択された速度プロフィールの影響を受けやすい。一実施形態では、第3の所望の速度を選択することができる。速度は、切断効率を維持しながら神経刺激を最小限に抑えるよう選択できる。一実施形態では、速度を第2の速度から減少させて痛みを最小限に抑えることが行われ、そしてこれを切断されるべき血管の直前で増大させることができる。真皮中において上述した位置センサについて可能な速度測定段階の数は、約58である。ユーザは、慣例により最善の速度/切断プロフィールを決定する。ランセット切開時の痛みが最小量であり、首尾良く血液サンプルを生じさせるプロフィールは、装置中へプログラム可能である。
【0135】
現在、ユーザは、種々の設定値を検査し、慣例により機械的ランチャーに関する深さの設定値を最適化し、ランセット切開上の快適さに基づいて所望の設定値を定めている。本明細書において説明する装置及び方法の実施形態は、種々の速度プロフィール(図97)をもたらし、かかる速度プロフィールは、制御されたランセット切開が得られるようユーザによって最適化でき、かかる速度プロフィールとしては、ランセットが皮膚の中に位置した状態でランセットの切断速度を制御すること、ランセットが皮膚層の組成に基づいて皮膚中にある間にランセットの速度プロフィールを調整すること、皮膚の表面から表皮及び真皮中への細胞タイプのばらつきに基づいて正確な局部速度プロフィールに従ってランセット切開すること、所望の速度で任意の組織層をランセット切開すること、及び各層について速度を変化させることが挙げられる。これは、角質層中の最高速度、真皮中における痛みセンサへの衝撃波を最小限に抑えるための速度の表皮中への介入、刺激痛み受容器無しに血管の効率的な切断を得るための速度の真皮中への介入を含む。それ以上の詳細は、2003年4月21日に出願された共通譲受人の同時係属米国特許出願第10/420,535号(代理人事件番号:38187−2664)明細書に見られ、かかる米国特許出願明細書の内容を参照によりここに援用する。
【0136】
次に図98を参照して本発明の別の実施形態を以下に説明する。本発明の幾つかの実施形態は、サンプルを採取する身体上の箇所の存在場所を突き止める正確な方法を提供することができる。非限定的な例として、光ビームを用いるのがよい。加えて、ビームは、サンプル採取の容易さを指示するために使用できる。更に別の実施形態では、反射光ビームは、装置を使用のために作動状態にし、又は装置を実際に作動させるために使用できる。これら実施形態はどれでも、本明細書において説明するカートリッジ及び(又は)ランセット切開システムのどれにも使用できるよう設計可能である。
【0137】
図98の実施形態で分かるように、光源1000を用いると、光ビームを皮膚又は組織の表面上に投射することができる。種々の光源を用いることができる。光源としては、白熱灯、発光ダイオード、蛍光、電気蛍光発光又は他形式の光源が挙げられるが、これらには限定されない。光源1000は、大抵の実施形態では、ヒトの目に見えるスペクトルの放射線を放出する。光源1000は又、他の波長の放射線、例えば紫外線、赤外線等(これらには限定されない)を放出することができ、別個の検出器装置によって検出される。一例は、図99の装置に類似しているのがよい。図98の実施形態は、複数の光源1000を用いているが、幾つかの実施形態は単一の光源1000だけを用いてもよい。
【0138】
図98の実施形態では、光を身体の標的領域に案内する要素を設けるのがよい。これは、組込み型視準手段、例えばレンズ(これには限定されない)を備えた光源を用いることによって達成できる。光を案内する別の方法は、光が装置に設けられた1以上の孔1002を通って逃げることができるようにすることにある。指の位置決めを容易にする端キャップ又は前端部103を設けるのがよい。さらに別の方法は、光ビームを身体上に作る或る形態の光ファイバ又は光パイプ技術を用いることである。光パイプ技術は、これらに組み込まれたレンズ(例えば、従来型レンズ又はフレネルレンズ(これらには限定されない))を有するのがよい。図98で分かるように、ランセット又は穿刺部材1004は、開口部1006を通って出る。装置は、ドライバを穿刺部材1004に取り付けるカプラ1008を有するのがよい。動力を送って光源1000を駆動するためにワイヤ又はリード線110を用いるのがよい。光ビームの数は様々であってよい。光ビームは、1、2又は3以上の個々のビーム又は連続リングであってよく、或いは衝撃点をマークする他の形状の光(例えば、円、点、X、アイコン、ロゴ等(これらには限定されない))であってよい。光源1000も又、異なる色の光を投射するのがよい。非限定的な例として、標的を定めるために第1の色の光を用い、装置に正確に又は所望の標的のところに狙いをつける場合に第2の色の光を用いるのがよい。例えば、赤色光を最初に用い、装置を正確に標的にする場合に緑色光を用いるのがよい。2つの互いに異なる光源1000を用いると互いに異なる色の光をもたらすことができる。
【0139】
次に図99を参照すると、種々の目的のため、例えば装置を作動状態にし、皮膚の特性を決定し又は反射信号を用いてランセット切開手術を開始するために用いることができる追加の特徴により、フォトダイオード又はこれに類似したセンサ1020が、光源1000からの反射光を検出することができる。図99の実施形態では、光を投射のために光源1000から導く光ファイバ1022を用いるのがよい。一実施形態では、光ビームをかなり高い周波数で変調するのがよく、かかるかなり高い周波数は、AC結合検出器信号を検出することにより検出プロセスを向上させることができる。位置決め光ビームの反射を用いると、解剖学的特徴の近接度を検出することができる。変調により、解剖学的特徴の近接度を誤って指示する周辺光レベルを除去する一方法が得られる。光は、サンプル採取点Sに投射され、ここでもし正確であればランセット又は穿刺部材が創を作ることになる。
【0140】
光源1000には追加の用途があり、即ち、装置がいつでもランセット切開を行なうことができる状態にあることを指示する電子アクチュエータに光を用いることができる。ランセット切開部位を照明するビームに加えて、光は、信号を用いるためにいつでも見やすいように装置の本体内で見えるのがよい。この場合、スイッチが、光源を入切して装置の状態を指示する。別の実施形態では、装置に設けられた視覚表示器1040が、装置に正しく狙いをつける場合にともり又は色を変化させるのがよい。正しく狙いがつけられているかどうかを指示するために装置に設けられたLCDディスプレイスクリーン上の表示器、画像の変化、黒色と白色のフラッシングを用いることもできる。或る状況では、装置に指の隆起部(即ち、指上の隆線と関連していて指紋を作る隆起部)上で狙いをつける場合、光は、装置に隆起部相互間の谷又はトラフ上で狙いをつける場合、1つの色又は第2の色を指示することができる。幾つかの実施形態では、第2の光ビーム又は第2の像を、装置が所望通りに狙いをつけられた場合に投射する。光ビームを制御すると、オペレータにとっての供用に関する容易さを指示することができる。さらに、ビームは、補助光導通路(光ビーム以外のもの)によって見ることができるようにするのがよい。
【0141】
次に図100を参照すると、この実施形態では、光源1000がカートリッジ500の前に位置決めされる必要がないことが示されている。光源100は、光源がカートリッジの上、下又は側部に位置している場合、オーバーラップ形態を有してもよい。光源100は、穿刺部材1004を1つしか収容していない装置又は多数の穿刺部材を収容している装置に用いることができる。分析物検出又は測定のために光源912を用いる幾つかの実施形態では、光源912は又、光学トレーン1042、例えば光ファイバ、ミラー又はレンズ(これらには限定されない)により狙いをつける目的で光をもたらすよう使用できる。説明を容易にするために、光源912がその分析物測定機能を実施するために用いられる他の光学部品は、図100には示されていない。
【0142】
次に図100及び図101の実施形態を参照すると、ハウジング1052の一部1050は、指をランセット切開のために位置決めしているときに指を見やすいようにするために透明であるのがよい。図101の実施形態は、透明であるべき実質的に広い領域をもたらし、図102の実施形態は、ランセット切開場所の近くに丸形、円形、正方形、矩形、多角形、他の形状の窓に透明な領域をもたらす。光ビーム実施形態、透明なハウジング実施形態及び狙いをつけるために用いられる他の特徴のうち任意のものを本明細書に開示した実施形態のうち任意のもの又は参照により援用した技術文献に記載された実施形態と組み合わせることができる。
【0143】
次に図103を参照して本発明の更に別の実施形態を以下に説明する。図103は、カートリッジ1100、複数の分析物検出部材1004を備えた層1102及び滅菌バリヤ1106を示す分解図である。層1102に設けられた分析物検出部材1104は、層1102に沿って延びるリード線又はコネクタ1108を有するのがよい。幾つかの実施形態では、これらリード線1108は、層1102の内周部までずっと延びている。他の実施形態では、リード線1108は、内周部まではずっと延びていない場合がある。矢印1110及び矢印1112で指示するように、層1102及び滅菌バリヤ1106をカートリッジ1100に結合してランセット切開装置880に用いられる装置を形成することができる。大抵の実施形態では、穿刺部材(図示せず)は、滅菌バリヤ1106をカートリッジ1100に結合する前に、カートリッジ1100内に納められる。分析物検出部材1104は、例えば国際公開第WO02/02796号パンフレットに記載されている低容量電気化学的分析物検出部材であるのがよく、かかる国際公開パンフレットの記載内容全体をここに参照により援用する。使い捨て分析物検出部材は、電気導体及び対向電極と反応層で作られた作業電極とから成る電極システムが載せられた支持材料と、支持材料及び電気導体を覆う誘電体絶縁層と、ポテンシオスタットユニット及び電極システムのための接点を形成する凹部と、分析物の認識のためのバイオコンポーネントとから成るのがよい。使い捨て分析物検出部材の反応層は、電子伝導材料と一緒に昇華度の軽微な電子伝達媒介物質から成る。分析物検出部材の電極システムは、ポリマー保護膜で被覆されている。本発明は更に、分析物検出部材、酵素から電子伝導材料への電子の伝達のための電気機械的センサ内に電子伝達媒介物としての昇華度が軽微な化合物の使用及び体内又はサンプル流体中の分析物濃度の測定のための分析物検出部材の使用によりサンプル流体中の分析物の測定を行なう方法に関する。分析物検出部材は、約600ナノリットル以下、500ナノリットル以下、400ナノリットル以下、300ナノリットル以下、200ナノリットル以下、100ナノリットル以下、50ナノリットル以下、25ナノリットル以下、20ナノリットル以下、15ナノリットル以下、10ナノリットル以下、5ナノリットル以下又はこれよりも少ない量に基づいて十分な読みをもたらすよう設計されたものであるのがよい。非限定的な例として、分析物検出器の寸法は、別の実施形態では、1×1mm又は0.5×0.5mmであるのがよい。
【0144】
次に図104の実施形態を参照すると、キャビティ1116が長い長さのものであり、穿刺部材グリップ又は停止領域1118を備えたカートリッジ1114が示されている。この領域1118は、穿刺部材(図示せず)を作動前に定位置に保持する。この領域は又、穿刺部材を作動後、定位置に保持するために使用できる。カートリッジ1114は、カートリッジの内周部に沿って形成された切欠き1120を更に有するのがよい。これら切欠き1120は、位置決め目的、カートリッジを回転する目的又はこれら2つ或いは他の理由の任意の組合せのために使用できる。非円形形態に関し、切欠き1120は、非円形カートリッジに設けられた開口部の壁に沿って形成される。
【0145】
図105は、カートリッジ1114の一部の拡大図である。カートリッジ1114の外周部に沿って、チャンバ1122が形成されている。一実施形態では、ランセット切開により作られた創からの血液又は他の体液は、チャンバ1122内に集まることになる。チャネル1124は、流体を開口部1126に向かって引き寄せるよう設けられている。一実施形態では、分析物検出部材(図示せず)は、開口部1126を占めることができる。幾つかの実施形態では、分析物検出部材は、開口部1126を占めないで、開口部1126の底壁を形成する。幾つかの実施形態では、カートリッジ1114の裏面には流体支持構造が設けられていない。
【0146】
次に図106及び図107の実施形態を参照すると、カートリッジ1114の裏面に関する形態が示されている。この実施形態では、開口部1126は、カートリッジ1114の裏面の流体チャネル1128に通じている。チャネル1128は、拡張された流体領域1130を実質的に満たすのに十分な量の血液を収容するのに十分な長さのものであるように選択できる。非限定的な例として、チャネル1128は、少なくとも約1.5μl、約1.4μl、約1.3μl、約1.2μl、約1.1μl、約1.0μl、約0.9μl、約0.8μl、約0.7μl、約0.6μl、約0.5μl、約0.4μl、約0.3μl、約0.2μl、約0.1μl、約0.05μl又は約0.01μlを収容するよう形作られたものであるのがよい。別の非限定的な例として、チャネル1128は又、流体が領域1130に入る前に、約1.5μl以下、約1.4μl以下、約1.3μl以下、約1.2μl以下、約1.1μl以下、約1.0μl以下、約0.9μl以下、約0.8μl以下、約0.7μl以下、約0.6μl以下、約0.5μl以下、約0.4μl以下、約0.3μl以下、約0.2μl以下、約0.1μl以下、約0.05μl以下又は約0.01μl以下保持するものとして観察できる。更に別の実施形態では、チャネル1128から領域1130内へ流れる流体の量は、種々の検出部材によって望ましい量に応じて、約1.5μl以下、約1.4μl以下、約1.3μl以下、約1.2μl以下、約1.1μl以下、約1.0μl以下、約0.9μl以下、約0.8μl以下、約0.7μl以下、約0.6μl以下、約0.5μl以下、約0.4μl以下、約0.3μl以下、約0.2μl以下、約0.1μl以下、約0.05μl以下又は約0.01μl以下である。分析物検出部材(図示せず)は、一実施形態では、領域1130を占め又は配置場所が領域1130に一致する。流体が流体チャネル1128を満たして領域1130に流入すると、幅の突然の拡張により、流体は好ましくは領域を実質的に満たすのに十分な量で又は少なくとも分析物検出部材が読みを生じさせるのに十分な量で領域1130内へ突進する。領域1130は、約1.5μl、約1.4μl、約1.3μl、約1.2μl、約1.1μl、約1.0μl、約0.9μl、約0.8μl、約0.7μl、約0.6μl、約0.5μl、約0.4μl、約0.3μl、約0.2μl、約0.1μl、約0.05μl又は約0.01μlを収容できる。幾つかの実施形態では、領域1130は、流体が領域1130に達する前にチャネル1128内に収容できる量よりも僅かに少ない量を収容するよう設計されている。非限定的な一例では、これは、約0.01μl、約0.05μl又は約0.1μl以下であるのがよい。流体の過剰流れを取り扱うためにベント1132を拡張状態の流体領域1130に流体結合するのがよい。ベント1132は、カートリッジの他方の側でキャビティ1116に再び連結される。
【0147】
図108及び図109は、本発明の更に別の実施形態を示している。図108は、開口部1134がチャンバ1122の外周部により接近して配置されている実施形態を示している。この場合も又、幾つかの実施形態では、カートリッジ1114は、流体支持チャネル又は構造を備えていなくてもよい。分析物検出部材は、開口部1134を占めてもよく、開口部1134の裏面を形成してもよく、或いはこれら2つの或る組合せであってもよい。図108は又、滅菌バリヤ1106から過剰な材料を集める溝1136を示している。図109は、開口部1134が直接拡張領域1138内へ開口した実施形態を示している。流体を拡張領域1138に運ぶチャネルは設けられていない。この実施形態では、3つの分析物検出部材1140,1142,1144が、各領域1138と関連しているのがよい。本発明の実施形態のいずれにおいても、単一又は複数の分析物検出部材を各領域、例えば領域1138に関連させてもよい。本発明の実施形態のいずれにおいても、分析物検出部材は、同一の分析、異なる分析又はこれらの任意の組合せを行なう。
【0148】
次に図110の実施形態を参照すると、チャンバ1150の開口部1148を横切ってリブ1146が設けられている。チャンバ1150は、体液をランセット切開処置により作られた創から受け入れるよう位置決めされている。リブ1146は、種々の材料で作られたものであってよく、かかる材料としては、環状オレフィン又は当該技術分野において周知の他のプラスチックが挙げられるが、これらには限定されない。幾つかの実施形態では、リブは、表面処理により親水性に作られたものであるのがよく、或いは周囲領域を疎水性に作ってもよい。一実施形態では、リブ1146は、約100ミクロンのオーダーの非常に薄いものとして作るのがよい。リブ1146は又、他の厚さ、例えば約200ミクロン以下又は約300ミクロン以下を有するものであってもよい。一実施形態では、リブ1146をカートリッジと一体に形成してもよく、或いはカートリッジの形成後カートリッジに取り付け又は結合してもよい。分析物検出部材は、開口部1148を占め、開口部1148の裏面を形成し、或いはこれら2つの或る組合せであってよい。分析物検出部材は、リブ1146から広がっている流体を受け入れるよう形成され、構成され又は形作られたものであるのがよい。幾つかの実施形態では、カートリッジの裏面には流体支持構造は設けられていない。
【0149】
図111は、カートリッジ1152の一実施形態の裏面を示している。説明を容易にするため、リブ1146は、実際よりも厚く見えるよう記載されている。薄くされた領域1154が設けられている。分析物検出部材は、リブ1146を備えた開口部1148に対応する領域1154の一部を占めるように形成されたものであってよく、実質的に領域1154を満たすよう形成されたものであってもよく、表面1154に当てて配置されるよう形成されたものであってよく、或いは開口部1146からの流体を受け入れるよう違ったやり方で位置決めされたものであってよい。幾つかの実施形態では、分析物センサは、チャンバ1150の底面を形成し、チャンバの1つの「壁」であるように見える。分析物検出部材は、カートリッジ1152を組み立てると(そして滅菌バリヤを穴あけすると)開口部1148を介して視認できる。幾つかの実施形態では、ベントチャネル1156が、過剰の流体を開口部1160経由でベント1158に引き寄せるよう構成されたものであるのがよい。他の実施形態では、ベントチャネル1156は、設けられておらず、過剰の血液又は流体は単にチャンバ1150を満たし又は幅の狭い部分1162(図110で分かるように)に向かって流れる。
【0150】
図112は、単独又は組み合わせて用いることができる2つの互いに異なる流体構造を備えたカートリッジの裏面を示している。右側の実施形態は、開口部1166の寸法の減少により結果的に生じる領域1164を有している。開口部1166の寸法決めは、分析物検出部材がその分析を実施するのに必要な血液又は流体の量に応じて制御できる。種々の実施形態では、これは、約1.0μl以下、約0.9μl以下、約0.8μl以下、約0.7μl以下、約0.6μl以下、約0.5μl以下、約0.4μl以下、約0.3μl以下、約0.2μl以下、約0.1μl以下、約0.05μl以下又は約0.01μl以下であるのがよい。
【0151】
図113は、本発明のカートリッジ1152の一実施形態の平面図である。幾つかの構成例では、リブ1146が流体を分析物検出部材1140,1142,1144に向かって塗り広げるためにチャンバ1150内に設けられている。幾つかの実施形態では、カートリッジの裏面には流体支持構造が設けられていない。非限定的な例として、本実施形態で用いられる分析物検出部材は、約1.0μl以下、約0.9μl以下、約0.8μl以下、約0.7μl以下、約0.6μl以下、約0.5μl以下、約0.4μl以下、約0.3μl以下、約0.2μl以下、約0.1μl以下、約0.05μl以下又は約0.01μl以下の流体を用いてその分析を行なうことができる。幾つかの実施形態では、分析にあたり各サンプルチャンバ1150と関連した全ての分析物検出部材により用いられる流体の量は、約1.0μl以下、約0.9μl以下、約0.8μl以下、約0.7μl以下、約0.6μl以下、約0.5μl以下、約0.4μl以下、約0.3μl以下、約0.2μl以下、約0.1μl以下、約0.05μl以下又は約0.01μl以下である。例えば国際公開第WO02/022796号パンフレットに記載されているような分析物検出部材では、本実施形態で用いられる分析物検出部材は、約20ナノリットル以下、約15ナノリットル以下、約10ナノリットル以下、約5ナノリットル以下又はこれよりも少ない量を用いてその分析を行なうことができる。これら検出部材、例えば部材1143,1148も又、アレイ1145,1147又は1149の状態に配列されたものであるのがよい。非限定的な例として、これら分析物検出部材は、電気化学的な原理を利用したものであるのがよく、分析物を測定するのに電流測定技術を使用している。分析物検出部材を多数の表面材に印刷してもよく、かかる表面材としては、ガラス、セラミック及びプラスチックが挙げられるが、これらには限定されない。これら分析物検出部材は、非常に僅かな血液容量と適合性のある寸法(高さ50〜100ミクロン)の親水性の層を用いる印刷親水性チャネルを有するのがよい。
【0152】
図114は、複数の分析物検出部材を有するカートリッジの一実施形態の拡大図である。この図には、穿刺部材1168が示されている。一実施形態では、穿刺部材1168は、ランセット切開前にはチャンバ1150内のこの位置で始まるのがよい。穿刺部材1168は又、ランセット切開後、この位置に戻ることができる。さらに別の実施形態では、穿刺部材1168を図114に示す位置まで非ランセット切開速度で前進させ、停止させ、次にランセット切開速度で作動させて皮膚を穿刺することができる。サンプルチャンバ1150は、一実施形態では、2つの分析物検出部材1142,1144しか備えていない。他の実施形態では、他の分析物検出部材1140,1148又は1143(全て想像線で示されている)を設けてもよい。
【0153】
図115は、カートリッジ1152の裏面の一実施形態を示している。この実施形態では、分析物検出部材1140,1142,1143,1144,1148は、これらが領域1154内に位置決めされた状態で示されている。リード線又はコネクタ1108を分析物検出部材に結合するのがよい。本明細書に開示し又は当該技術分野において知られている分析物検出部材のうちどれも本発明に用いるよう改造できる。
【0154】
次に図116及び図117を参照して本発明の更に別の実施形態を以下に説明する。カートリッジのこの実施形態では、流体を種々の開口部1174,1176,1178に押し込むための多数の流体スプレッダ1170,1172が設けられている。この実施形態では、スプレッダは、カートリッジと一体に形成されたものであるのがよい。分析物検出部材1180,1182はこの実施形態では、開口部1174,1176,1178に垂直に差し向けられている。
【0155】
次に図118及び図119を参照すると、本発明のカートリッジに用いられるキャビティ及び開口部の種々の形態が示されている。これら形態は、カートリッジに関して単独で又は組み合わせて使用できる。キャビティ1116は、図118に示すような配置場所にベント開口部1184を有するのがよい。幾つかの実施形態は、位置番号4と関連した実施形態で分かるように延長した形態のチャンバ1150を有するのがよい。さらに別の実施形態では、開口部1186は設けられておらず、流体を裏面に運ぶ唯一の方法は、開口部1184のうちの1つを介してであり、この開口部は、キャビティ1116に関して示された配置場所のうち任意のところに位置しているのがよい。さらに別の実施形態では、分析物検出部材は、流体をこれに導く開口部、例えば開口部1184又は1186を用いることに頼らないで、直接キャビティ1116内に配置可能である。分析物検出部材をキャビティ1116内のどこにでも配置できる(側面上、底面上等)。
【0156】
図119は、裏面の形態を図118に示す対応関係にある各位置についての番号で示している。位置番号3と関連した形態では、開口部1186は、直接開放領域1188に通じ、この開放領域は、分析物検出部材の配置場所に対応している。
【0157】
次に図120を参照して本発明の更に別の実施形態を以下に説明する。この実施形態は、塗り広げ要素1190を有し、この塗り広げ要素は、要素1190の下に位置する少なくとも1つの分析物検出部材と一緒になって、チャンバ1150の底壁を形成している。非限定的な例として、要素1190は、メッシュ、ウィーブ又は「鎖帷子(chainmail)」形の形態をしているのがよい。図120で分かるように、穿刺部材1168は、チャンバ1150内の開始位置を有するのがよい。塗り広げ要素1190は、種々の材料で作られたものであってよく、かかる材料としては、ニトロセルロースポリマー、セルロースナイトレート、ナイロン、ポリスルホン及びポリカーボネイトの疎水性多孔質バージョンが挙げられるが、これらには限定されない。これら要素1190は、幾つかの実施形態ではメンブレンであるのがよく、検出領域の頂部に直接塗布された溶液から注型されたものであるのがよい場合が多い。これらは、ランセット切開部位から染み出た血液を吸い上げ、全血又は血漿分の流れをセンサ上に導くような仕方で形態学的に構成されたものであるのがよい。多孔度制御及び表面処理は、流れの速度(横方向又は貫通方向における)又は側方広がり速度を制御するよう様々であってよい。また、かかる多孔度制御及び表面処理は、粒子、例えば赤血球を濾過するよう加減されたものであるのがよい。加えて、要素1190は、検出化学的性質と混合されたポリマー又は検出化学的性質と混合された他の材料であってよい。要素1190は、分析物センサ上の領域全体、一部、或る幾何学的形状(丸形、矩形、正方形、開口部を備えた形状、8の字形、十字形、格子状等)又はこれら形態のうちの1以上の任意の組合せを占めることができる。
【0158】
次に図121及び図122を参照して本発明のカートリッジの更に別の実施形態を以下に説明する。図121のカートリッジ1200は、カートリッジに設けられた開口部1204に形成された複数の切欠き1202を有している。これら切欠き1202は、カートリッジ1200をランセット切開装置内に位置決めすること(これには限定されない)を含む種々の目的で又は穿刺部材発射装置と位置合わせされたキャビティ1116の位置を変化させる回転目的で使用できる。開口部1204と嵌合するハブ(図示せず)は、ランチャーに係合可能に位置決めするのがどのキャビティ1116及び穿刺部材であるかを制御するために使用される回転装置であるのがよい。
【0159】
一実施形態では、カートリッジ1200は、穿刺部材を案内する前側支承領域1208及び後側支承領域1210を有するのがよい。後側支承領域1210は、穿刺部材が後側支承領域1210からの接触又は案内を失うことなく、標的組織中に創を作ることができるのに十分な長さのものであるのがよい。これにより、穿刺部材のとる切断経路の一層の制御が可能になる。キャビティは、穿刺部材グリッパが穿刺部材を前進させて組織に接触させるためにグリッパにより用いられる動程に適合するのに十分な開放空間を提供する。幾つかの実施形態では、中間案内支承体1212を用いるのがよい。かかる実施形態では、グリッパは、穿刺部材の後側部分を掴み、両方の支承体は、グリッパの「前側」に位置したままであり、キャビティ1116の動作領域は、図123の矢印1213で指示するようにカートリッジの少なくとも後側半分(一実施形態では)寄りに移されている。非限定的な例として、動程は、キャビティ1116の1/2以上、キャビティの1/3未満又は1/4未満を占めるよう所望に応じて調節できる。穿刺部材が作動されていない場合、穿刺部材を保持する幅の狭い部分1218を設けるのがよい。
【0160】
図122で分かるように、カートリッジ1200の一部1220は、開放状態にあり又は前側支承体の頂面を閉鎖するようプレス加工されたものであるのがよい(依然として、穿刺部材を通過させることができる開口部を有する状態で)。キャビティ1116の後側は、穿刺部材を定位置に保持するよう幅が狭くなっているのがよい。部分1220も又、製造工程と関連したフラッシュを取り扱うために使用できる。
【0161】
次に図124及び図125を参照すると、本発明の実施形態は、穿刺部材アクチュエータ1230のうちいずれかを収納するキットを有するのがよい。キットは、上述の方法のうちのどれかを説明するIFU用の取扱い説明を更に含むのがよい。キットは、複数の穿刺部材を収容したカートリッジを更に有するのがよいが、このようにするかどうかは任意である。カートリッジ1232は、本明細書に開示した実施形態のうちのいずれかのものであってよい。通常、キットコンポーネントは、パウチP又は他の従来型医用器具包装材、例えば、箱、トレー、管等(これらに限定されない)内に一緒に包装される。多くの実施形態では、カートリッジは、使い捨てである。カートリッジ1232をそれ自体別個のパウチ又は容器内に入れ、次に容器P内へ挿入してもよい。幾つかの実施形態では、IFUを容器Pに印刷するのがよい。非限定的な例では、容器Pは、カートリッジ1232を収容しないでアクチュエータ1230だけを収納してもよい。
【0162】
次に図125参照すると、本発明の実施形態は、カートリッジ1232だけを有するキットを有するのがよい。IFUも又設けるのがよい。幾つかの実施形態では、複数のカートリッジ1232(想像線で示されている)を設けてもよい。これらの図の要素又は本願において説明されている他の要素のうち任意のものを単独で又は任意の組合せ状態で容器P内に配置することができる。
【0163】
代表的な分析物検出部材は、最適範囲の感度を有している。図126は、サンプル流体中のグリコースの濃度に対する代表的なグルコースセンサの感度をプロットしている。図126で分かるように、グルコースセンサは、グルコースレベルを制限された範囲で検出する場合にのみ正確である。大抵のセンサの最適感度は、約3mM(ミリモル)又は1mL当たりのマイクロモル又は1リットル当たり3mモル高いグルコースレベル又は高血糖範囲に関し、センサの精度は低い。低いグルコースレベル又は高血糖範囲に関し、センサの精度はこれまた低い。センサ範囲をシフトさせて高いグルコースレベル又は低いグルコースレベルをカバーできるが、これはシフトさせて離れるグルコース範囲の高い精度を犠牲にするので不適切な解決策である。低感度範囲でのグルコースの読みの不正確さにより結果的に重篤な合併症、例えば患者が自分の体内へのインシュリンの量を過剰に注射することが生じる場合がある。
【0164】
次に図127を参照して本発明の一実施形態を以下に説明する。図127は、多数のグルコース分析物検出部材1222,1224,1226,1228の感度のグラフ図である。各分析物検出部材の感度は、種々の分析物濃度に合わせて最適化されている。最適感度のこれら領域を互い違いにするのがよい。グルコースの監視では、これは特に有用である。というのは、この形態により、単一の従来型分析物検出部材の有効範囲と比べて有効範囲を増大させるよう互いに異なる感度を割り当てることができるからである。同一ではない感度範囲を持つ分析物検出部材のアレイは、感度が拡張された濃度範囲をカバーできるので精度を高める。したがって、本発明の一実施形態が、互いに異なる感度を有する複数の分析物検出部材を同一の体液サンプルに用いられる。
【0165】
図128に示すように種々の感度範囲を備えた分析物検出部材のうち2つだけを有する実施形態であっても、これは、分析物検出部材の性能を向上させるである。任意的に、他の実施形態では、群をなす分析物検出部材を用いることができ、この場合、1つの群の分析物検出部材は全て、同一の感度範囲を有するが、別の群の分析物検出部材は、異なる単位を有する。これにより、万全さが得られると共に統計学的な利点が得られる。というのは、一範囲にわたる測定値を、グルコースをその同一濃度範囲で測定する同一の群内の別の分析物検出部材と比較できるからである。
【0166】
次に図129を参照すると、例えば国際公開第WO02/02796号パンフレットに記載されているような分析物検出部材のアレイ1242を、複数のランセット又は穿刺部材1240を有するカートリッジ1229内に用いると共にドライバ1236に用いることができるからである。説明を容易にするため、複数の穿刺部材1240のうち1つだけ示されている。分析物検出部材アレイ1242をランセット出口1230の近くに配置して患者から圧出された体液がアレイに容易に達することができるようにするのがよい。アレイ1242をモジュール1229の底面上、側面上、頂面上に設け、モジュール1229に取り付けられた別個の材料層に取り付け、又はこれら取り得る手段のうちの任意のものの或る組合せであってもよい。アレイ1242は、体液を分析物検出部材まで案内する超小型流体素子チャネル又は管と共に使用できる。アレイ1242は、グルコース監視の精度を最大にするために有用な種々の形態のものであってよい。例えば、アレイ1242は、円形形態、矩形形態(N×M、ここでN及びMは、整数である)、3角形形態、同心円形態又は他の設計のものであってよい。サンプルモジュールに関する適当な設計例は、2002年11月1日に出願された共通譲受人の同時係属米国仮特許出願第60/422,988号(代理人事件番号:38187−2601)明細書、2002年11月6日に出願された共通譲受人の同時係属米国仮特許出願第60/424,429号(代理人事件番号:38187−2602)明細書、2002年11月20日に出願された共通譲受人の同時係属米国仮特許出願第60/428,084号(代理人事件番号:38187−2604)明細書及び2002年12月18日に出願された共通譲受人の同時係属米国特許出願第10/323,624号(代理人事件番号:38187−2608)明細書に見出すことができる。
【0167】
多数の分析物検出部材をグルコース監視のために毎日の環境で使用できるようにするため、各分析物検出部材に用いられる体液の量を従来レベルよりも減少させるのが望ましい。実用的な観点からは、患者に設けられたランセットによる各創からの自発的血液の量は、制限されている。あまりに多量の血液を吸い込むことは、患者にとって実際的ではなく、患者が一日に提供できる又は進んで提供するサンプルの数を制限する場合がある。したがって、各分析物検出部材について必要な血液又は体液が少なければ少ないほど、現在のランセット切開技術により利用できる血液又は体液サンプルに対して用いることができる分析物検出部材の数がそれだけ一層多くなる。非限定的に一例を挙げると、分析物検出部材のアレイの一実施形態における各グルコース分析物検出部材は、約500ナノリットル以下の血液量を用いることができる。他の実施形態では、各分析物検出部材は、約300ナノリットル以下を用いる。さらに別の実施形態では、各分析物検出部材は、約50ナノリットル以下、約30ナノリットル以下、約10ナノリットル以下、約5ナノリットル以下、約1ナノリットル以下を用いる。リード線に結合されたこれら分析物検出部材1140のアレイ1238が、図130に示されている。図131及び図132は、本発明に適した他のアレイ形態を示している。
【0168】
図133は、単一の穿刺部材を収容するカートリッジ1300が示されている更に別の実施形態を示している。複数の低容量分析物検出部材1140を印刷したプラスチック又は他のオーバーレイシートがカートリッジ1300に取り付けられている。体液は、サンプルチャンバ1302内へ吸い込まれ、ここで部材1140は、流体中の分析物を検出することになる。当然のことながら、別の数の分析物検出部材をシート1304に取り付けてもよく、これはこの図133に示された実施形態には限定されない。
【0169】
本発明をその或る特定の実施形態に関して図示すると共に説明したが、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の改造、変更、設計変更、置換、削除又は手順及びプロトコルの追加を想到できることがわかる。例えば、上述の実施形態のいずれの場合でも、穿刺部材駆動装置の配設場所は、穿刺部材又はカートリッジに対して様々であってよい。上述の実施形態のうちのいずれの場合でも、穿刺部材の先端部は、作動中露出状態であってよい(即ち、穿刺部材を発射中、穿刺部材エンクロージャ又は保護箔を穿刺しない)。上述の実施形態のいずれの場合でも、穿刺部材は、発射中、むき出しの穿刺部材であってよい。上述の実施形態のうちのいずれの場合でも、穿刺部材は、発射前はむき出しの穿刺部材であってよい。というのは、これは、穿刺部材の著しく高い密度を考慮に入れることができるからである。幾つかの実施形態では、穿刺部材は、アクチュエータによる取扱いを容易にするよう近位端部又は近位領域のところが曲げられ、湾曲し、模様が付けられ、形作られ又は違ったやり方で処理されたものであってもよい。穿刺部材は、グリッパへの結合を容易にするよう切欠き又は溝を備えるように形作られたものであってよい。切欠き又は溝を穿刺部材の細長い部分に沿って形成することができる。上述の実施形態のいずれの場合でも、キャビティは、カートリッジの底部又は頂部に位置し、グリッパが他方の側に位置してもよい。幾つかの実施形態では、分析物検出部材をキャビティの頂部、底部又は側部に印刷してもよい。カートリッジの前側端部は、ランセット切開中、ユーザと接触状態にあってもよい。穿刺部材を前進させたり引っ込めるために同一のドライバを使用できる。穿刺部材は、本明細書において説明した血液の量を得るのに適した直径及び長さのものであってよい。穿刺部材のドライバは又、カートリッジと実質的に同一平面内に位置してもよい。ドライバは、穿刺部材の近位端部に係合して穿刺部材を経路に沿って作動させて組織に出入りさせるために貫通孔又は他の開口部を用いることができる。
【0170】
本願又は本明細書に記載した任意の技術文献に記載された特徴のうち任意のものを本発明の任意の実施形態に使用できるようになっている。例えば、本発明の装置は、2002年4月19日に出願された共通譲受人の同時係属米国特許出願第10/127,395号(代理人事件番号:38187−2551)明細書に記載されているような注入穿刺部材又は針に用いるよう組み合わせることができる。箔の存在を分析する分析物検出部材をランセット切開装置内に設けてもよい。例えば、キャビティを先に用いた場合、箔又は滅菌バリヤは、打ち抜かれる。分析物検出部材は、キャビティが新しいか又はバリヤの状態に基づいていないかどうかを検出することができる。任意的な実施形態では、滅菌バリヤは、穿刺部材の先端部をなまくらにしない厚さの滅菌バリヤを穿刺するよう設計されたものであってよい。ランセット切開装置は又、改良型駆動機構を用いることができる。例えば、ソレノイド力発生器を改良して所与の電流の場合にソレノイドが発生させることができる力の大きさを増大させるよう試みることができる。本発明に用いられるソレノイドは、5つのコイルを有するのがよく、本実施形態では、スラグは、大雑把に言ってコイル2つ分のサイズである。1つの変更は、コイルを包囲する外側金属シェル又は巻線の厚さを増大させることである。厚さを増大させることにより、磁束も又増大する。スラグを分割してもよく、即ち、2つの小さなスラグも又、用いてコイルピッチの1/2だけずらしてもよい。これにより多くのスラグがコイルの接近することができ、ここで加速できる。これにより、スラグがコイルに近づき、より効率の高いシステムを構成する事象が多く得られる。
【0171】
別の任意的な変形実施形態では、保護キャビティの内端部内に設けられたグリッパは、移送中及び使用後、穿刺部材を保持することができ、それにより、使用済み穿刺部材を保持するための箔、保護端部又は他の部分を用いるという特徴が不要になる。開示した実施形態の他の幾つかの利点及び追加の実施形態の特徴としては、使用済み穿刺部材を貯蔵領域に運搬するのに同一の機構が用いられること、多くの数、例えば25個、50個、75個、100個、500個(これらには限定されない)の穿刺部材、又はこれよりも多くの穿刺部材を円板又はカートリッジ上に置くことができること、ランセットの周りの成形本体が不要になること、多数の穿刺部材装置の製造がカートリッジの使用により単純化されること、むき出しのロッド又は金属ワイヤを組織中に作動させるための追加の構造的特徴無くこれらの取り扱いが可能であること、案内の際の高い精度(側方に50ミクロン以上且つ垂直に20ミクロン以上の向上)を維持できること、個々のキャビティ/スロットを備えた新しい穿刺部材及び使用済み穿刺部材の貯蔵システムが設けられることが挙げられる。ランセット切開装置のハウジングも又、人間工学的に心地よいものであるよう寸法決めできる。一実施形態では、装置の幅は、約56mmであり、長さは約105mmであり、厚さは約15mmである。加えて、本発明の幾つかの実施形態は、非電気的力発生器又は駆動機構に使用できる。例えば、パンチ装置及び穿刺部材を滅菌エンクロージャから解放する方法は、ばね押しランチャーに使用できるよう改造できる。摩擦結合を利用したグリッパも又、他の駆動技術に使用できるよう改造可能である。
【0172】
更に別の任意的な特徴を本発明に設けることができる。例えば、上述の実施形態のうちいずれの場合でも、穿刺部材駆動装置の配設場所は、穿刺部材又はカートリッジに対して様々であってよい。上述の実施形態のうちのいずれの場合でも、穿刺部材先端部は、作動中露出状態であってよい(即ち、穿刺部材は、発射中、穿刺部材エンクロージャ又は保護箔を穿刺しない)。穿刺部材は、発射中、むき出しの穿刺部材であってよい。穿刺部材を前進させたり引っ込めるために同一のドライバを用いることができる。種々の範囲のグルコース濃度、種々の分析物等を検出する種々の分析物検出部材を各検出部材に用いるよう組み合わせることができる。非電位差測定法も又、分析物検出に使用できる。例えば、炭素ナノチューブ粉末微小電極に吸着されたグルコースオキシダーゼ分子の直接的な電子伝達を用いるとグルコースレベルを測定することができる。幾つかの実施形態では、分析物検出部材を「ウェル」が形成されないようカートリッジと面一をなして形成可能である。他の幾つかの実施形態では、分析物検出部材は、カートリッジ表面と実質的に面一をなすよう(200ミクロン又は100ミクロン以内)形成できる。全ての方法において、ナノスコピック(nanoscopic)ワイヤ成長を化学気相成長方法CVD)により実施できる。本発明の実施形態の全てにおいて、好ましいナノスコピックワイヤは、ナノチューブであるのがよい。グルコースオキシダーゼ又は他の分析物検出物質をナノワイヤ又はナノチューブに被着させるのに有用な任意の方法を本発明に利用することができる。加えて、幾つかの実施形態に関し、上述のカートリッジのうちのどれでも、穿刺部材を備えないで構成でき、したがってカートリッジは単に分析物検出装置である。さらに、カートリッジの割出しは、隣り合うキャビティが必ずしも連続的に又は順次使用されないようなものであってよい。非限定的な例として、2つ置きのキャビティを順次用いてもよく、これは、カートリッジがキャビティのうちどれも又は実質的に全てを用いる前に2回転行なうことを意味している。別の非限定的な例として、キャビティ3つ分離れ、キャビティ4つ分離れ、又はキャビティN個分離れたキャビティは、使用される次のものであってよい。これにより、ちょうど使用された穿刺部材を収容したキャビティと次に使用されるべき新しい穿刺部材を収容したキャビティとの間の間隔を大きく取ることができる。本願に関する関連出願としては、2002年12月18日に出願された共通譲受人の同時係属米国特許出願第10/323,622号(代理人事件番号:38187−2606)、2002年12月18日に出願された共通譲受人の同時係属米国特許出願第10/323,623号(代理人事件番号:38187−2607)、2002年12月18日に出願された共通譲受人の同時係属米国特許出願第10/323,624号(代理人事件番号:38187−2608)が挙げられる。上記において列記した全ての米国特許出願の開示内容全体を全ての目的に関しここに参照に援用する。結果における予想されるばらつき又は差は、本発明の目的又は実施に応じて本発明の範囲に含まれる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の技術的事項によって特定され、かかる特許請求の範囲は、妥当な限り広く解釈されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【図1】皮膚を穿刺して血液サンプルを得る際に用いられる実施形態のシステムを示す斜視図である。
【図2】このシステムの一部をなす交換可能な穿刺部材カートリッジの一部の平面図である。
【図3】図2の3−3線に沿った断面端面図である。
【図4】図2の4−4線に沿った断面端面図である。
【図5】システムの一部をなし、カートリッジのコンポーネントを操作するために用いられる装置の斜視図であり、穿刺部材加速器を下向きに回動させている状態を示す図である。
【図6A】図5に類似した図であり、カートリッジをどのように回転させるか又は漸進させるかを示す図である。
【図6B】穿刺部材加速器がどのようにカートリッジを漸進させることができるかを示す断面側面図である。
【図7A】図6Aと類似した図であり、カートリッジ内の穿刺部材のうちの選択された1つと係合するよう穿刺部材加速器を逆方向に回動させている状態を示す図である。
【図7B】図6Bと類似した図であり、カートリッジ内の穿刺部材のうちの選択された1つと係合するよう穿刺部材加速器を逆方向に回動させている状態を示す図である。
【図8A】図7Aと類似した図であり、穿刺部材加速器が選択された穿刺部材をどのように動かして皮膚を穿刺するかを示す図である。
【図8B】図7Bと類似した図であり、穿刺部材加速器が選択された穿刺部材をどのように動かして皮膚を穿刺するかを示す図である。
【図9A】図8Aと類似した図であり、穿刺部材加速器が穿刺部材をどのようにその元の位置に戻すかを示す図である。
【図9B】図8Bと類似した図であり、穿刺部材加速器が穿刺部材をどのようにその元の位置に戻すかを示す図である。
【図10】装置の機能的コンポーネントを示すブロック図である。
【図11】滅菌バリヤの良好な付着を可能にする任意的な実施形態のカートリッジを示す端面図である。
【図12】本発明の特徴を有する実施形態の断面図である。
【図13】作動中の本発明の特徴を有する実施形態の断面図である。
【図14】1つの穿刺部材接触面に被着された低摩擦被膜を示す断面図である。
【図15】1つの穿刺部材接触面に被着され、摩擦を増大させると共に穿刺部材と穿刺部材接触部材との間の顕微鏡的接触領域を改善する被膜を示す断面図である。
【図16】複数の半径方向に差し向けられた穿刺部材スロットを備えた環状形態の穿刺部材カートリッジの一部及び穿刺部材スロットのうちの1つの中に収納された駆動部材の遠位縁部を示す図である。
【図17】被覆された穿刺部材接触面と接触状態にある被覆された穿刺部材の部分縦断面立面図である。
【図18】本発明の特徴を有するランセット切開装置の実施形態を示す図である。
【図19】複数の穿刺部材スロット及び穿刺部材スロットの半径方向内方に位置した状態でこれらと整列した駆動部材案内スロットを有する穿刺部材カートリッジベースプレートの一部の斜視図である。
【図20】ランセット切開サイクルの3つの連続した段階のうちの一段階中の穿刺部材カートリッジを断面で示すと共に駆動部材、穿刺部材及び患者の指先を示す図である。
【図21】ランセット切開サイクルの3つの連続した段階のうちの一段階中の穿刺部材カートリッジを断面で示すと共に駆動部材、穿刺部材及び患者の指先を示す図である。
【図22】ランセット切開サイクルの3つの連続した段階のうちの一段階中の穿刺部材カートリッジを断面で示すと共に駆動部材、穿刺部材及び患者の指先を示す図である。
【図23】本発明の特徴を有する穿刺部材カートリッジの実施形態を示す図である。
【図24】図12の穿刺部材カートリッジの一部の分解図である。
【図25】ランセット切開サイクル中、穿刺部材スロット上に配置されていて、穿刺部材の遠位端部によって穿刺されている多層滅菌バリヤを示す図である。
【図26】ランセット切開サイクル中、穿刺部材スロット上に配置されていて、穿刺部材の遠位端部によって穿刺されている多層滅菌バリヤを示す図である。
【図27】ドライバに結合された駆動部材の実施形態を示す図であり、駆動部材が、穿刺部材と接触するために、駆動部材が、ランセット切開サイクル中に穿刺部材スロットの滅菌バリヤを切断するよう形作られた鋭利なエッジを備えた切断部材を有する状態を示す図である。
【図28】ドライバに結合された駆動部材の実施形態を示す図であり、駆動部材が、穿刺部材と接触するために、駆動部材が、ランセット切開サイクル中に穿刺部材スロットの滅菌バリヤを切断するよう形作られた鋭利なエッジを備えた切断部材を有する状態を示す図である。
【図29】穿刺部材スロットの遠位端部のところに位置する傾斜部分を備えた穿刺部材スロットの実施形態を縦断面で示すと共にランセット切開サイクル中、滅菌バリヤを切断する切れ刃を遠位端部に備えた駆動部材の実施形態を示す図である。
【図30】穿刺部材スロットの遠位端部のところに位置する傾斜部分を備えた穿刺部材スロットの実施形態を縦断面で示すと共にランセット切開サイクル中、滅菌バリヤを切断する切れ刃を遠位端部に備えた駆動部材の実施形態を示す図である。
【図31】穿刺部材カートリッジに設けられた駆動部材スロットを示す図であり、駆動部材スロットの少なくとも一部は、駆動部材スロットの底部のところよりも駆動部材スロットの頂部のところの横方向寸法が大きなテーパ付き開口部を有する状態を示す図である。
【図32】穿刺部材カートリッジに設けられた駆動部材スロットを示す図であり、駆動部材スロットの少なくとも一部は、駆動部材スロットの底部のところよりも駆動部材スロットの頂部のところの横方向寸法が大きなテーパ付き開口部を有する状態を示す図である。
【図33】穿刺部材カートリッジに設けられた駆動部材スロットを示す図であり、駆動部材スロットの少なくとも一部は、駆動部材スロットの底部のところよりも駆動部材スロットの頂部のところの横方向寸法が大きなテーパ付き開口部を有する状態を示す図である。
【図34】穿刺部材カートリッジに設けられた駆動部材スロットを示す図であり、駆動部材スロットの少なくとも一部は、駆動部材スロットの底部のところよりも駆動部材スロットの頂部のところの横方向寸法が大きなテーパ付き開口部を有する状態を示す図である。
【図35】穿刺部材カートリッジ及び穿刺部材駆動部材の実施形態を示す図であり、穿刺部材駆動部材が穿刺部材シャフトを把持するよう構成された異形ジョーを有する状態を示す図である。
【図36】穿刺部材カートリッジ及び穿刺部材駆動部材の実施形態を示す図であり、穿刺部材駆動部材が穿刺部材シャフトを把持するよう構成された異形ジョーを有する状態を示す図である。
【図37】穿刺部材カートリッジ及び穿刺部材駆動部材の実施形態を示す図であり、穿刺部材駆動部材が穿刺部材シャフトを把持するよう構成された異形ジョーを有する状態を示す図である。
【図38】使用済み穿刺部材の取り出し及び新しい穿刺部材カートリッジの挿入のために穿刺部材カートリッジキャビティを露出させるよう開くことができる蓋を備えたランセット切開装置の一部を示す図である。
【図39】使用済み穿刺部材の取り出し及び新しい穿刺部材カートリッジの挿入のために穿刺部材カートリッジキャビティを露出させるよう開くことができる蓋を備えたランセット切開装置の一部を示す図である。
【図40】両方の側部に穿刺部材スロットを有する穿刺部材カートリッジを示す図である。
【図41】両方の側部に穿刺部材スロットを有する穿刺部材カートリッジを示す図である。
【図42】穿刺部材カートリッジの波形面で作られた複数の穿刺部材スロットを有する穿刺部材カートリッジの端面図である。
【図43】穿刺部材カートリッジの波形面で作られた複数の穿刺部材スロットを有する穿刺部材カートリッジの斜視図である。
【図44】穿刺部材カートリッジの波形面で作られた複数の穿刺部材スロットを有する穿刺部材カートリッジの端面図である。
【図45】穿刺部材及び駆動部材の実施形態を示す図であり、穿刺部材がスロット付きシャフトを有し、駆動部材が穿刺部材シャフトのスロットと嵌合するよう形作られた突起を有する状態を示す図である。
【図46】穿刺部材及び駆動部材の実施形態を示す図であり、穿刺部材がスロット付きシャフトを有し、駆動部材が穿刺部材シャフトのスロットと嵌合するよう形作られた突起を有する状態を示す図である。
【図47】穿刺部材及び駆動部材の実施形態を示す図であり、穿刺部材がスロット付きシャフトを有し、駆動部材が穿刺部材シャフトのスロットと嵌合するよう形作られた突起を有する状態を示す図である。
【図48】穿刺部材及び駆動部材の実施形態を示す図であり、穿刺部材がスロット付きシャフトを有し、駆動部材が穿刺部材シャフトのスロットと嵌合するよう形作られた突起を有する状態を示す図である。
【図49】本発明のカートリッジの斜視図である。
【図50】一カートリッジの外周部のクローズアップを示す図である。
【図51】別のカートリッジの外周部のクローズアップを示す図である。
【図52】カートリッジの裏面の斜視図である。
【図53A】カートリッジ及びパンチとプッシャから成る装置の下向き平面図である。
【図53B】パンチプレートの一実施形態の斜視図である。
【図54A】パンチプレート、カートリッジ及びカートリッジプッシャの運動のシーケンスを示す図である。
【図54B】パンチプレート、カートリッジ及びカートリッジプッシャの運動のシーケンスを示す図である。
【図54C】パンチプレート、カートリッジ及びカートリッジプッシャの運動のシーケンスを示す図である。
【図54D】パンチプレート、カートリッジ及びカートリッジプッシャの運動のシーケンスを示す図である。
【図54E】パンチプレート、カートリッジ及びカートリッジプッシャの運動のシーケンスを示す図である。
【図54F】パンチプレート、カートリッジ及びカートリッジプッシャの運動のシーケンスを示す図である。
【図54G】パンチプレート、カートリッジ及びカートリッジプッシャの運動のシーケンスを示す図である。
【図55A】本発明のシステムの断面図である。
【図55B】本発明のシステムの断面図である。
【図56A】本発明のシステムの斜視図である。
【図56B】本発明の内部の機構を示す切除図である。
【図56C】本発明の内部の機構を示す切除図である。
【図56D】本発明の内部の機構を示す切除図である。
【図57】本発明の任意的な実施形態を示す図である。
【図58】本発明の任意的な実施形態を示す図である。
【図59】本発明の任意的な実施形態を示す図である。
【図60A】本発明の任意的な実施形態を示す図である。
【図60B】本発明の任意的な実施形態を示す図である。
【図60C】本発明の任意的な実施形態を示す図である。
【図61】本発明の任意的な実施形態を示す図である。
【図62】本発明の任意的な実施形態を示す図である。
【図63】本発明の任意的な実施形態を示す図である。
【図64A】本発明の任意的な実施形態を示す図である。
【図64B】本発明の任意的な実施形態を示す図である。
【図64C】本発明の任意的な実施形態を示す図である。
【図65A】本発明の任意的な実施形態を示す図である。
【図65B】本発明の任意的な実施形態を示す図である。
【図66】本発明のカートリッジの更に別の実施形態を示す図である。
【図67】本発明のカートリッジの更に別の実施形態を示す図である。
【図68】本発明のカートリッジの更に別の実施形態を示す図である。
【図69A】本発明のカートリッジの任意的な実施形態と関連した運動のシーケンスを示す図である。
【図69B】本発明のカートリッジの任意的な実施形態と関連した運動のシーケンスを示す図である。
【図69C】本発明のカートリッジの任意的な実施形態と関連した運動のシーケンスを示す図である。
【図69D】本発明のカートリッジの任意的な実施形態と関連した運動のシーケンスを示す図である。
【図69E】本発明のカートリッジの任意的な実施形態と関連した運動のシーケンスを示す図である。
【図69F】本発明のカートリッジの任意的な実施形態と関連した運動のシーケンスを示す図である。
【図69G】本発明のカートリッジの任意的な実施形態と関連した運動のシーケンスを示す図である。
【図69H】本発明のカートリッジの任意的な実施形態と関連した運動のシーケンスを示す図である。
【図69I】本発明のカートリッジの任意的な実施形態と関連した運動のシーケンスを示す図である。
【図69J】本発明のカートリッジの任意的な実施形態と関連した運動のシーケンスを示す図である。
【図69K】本発明のカートリッジの任意的な実施形態と関連した運動のシーケンスを示す図である。
【図69L】本発明のカートリッジの任意的な実施形態と関連した運動のシーケンスを示す図である。
【図70】本発明のカートリッジの更に別の実施形態に用いられるサンプルモジュールの図である。
【図71】本発明のカートリッジの更に別の実施形態に用いられるサンプルモジュールの図である。
【図72】本発明のカートリッジの更に別の実施形態に用いられるサンプルモジュールの図である。
【図73】滅菌バリヤ及び分析物検出部材層を備えたカートリッジを示す図である。
【図74】カートリッジに結合された分析物検出部材の更に別の実施形態を示す図である。
【図75】カートリッジに結合された分析物検出部材の更に別の実施形態を示す図である。
【図76】カートリッジに結合された分析物検出部材の更に別の実施形態を示す図である。
【図77】カートリッジに結合された分析物検出部材の更に別の実施形態を示す図である。
【図78】カートリッジに結合された分析物検出部材の更に別の実施形態を示す図である。
【図79】本発明に用いられるカートリッジについての任意的な形態を示す図である。
【図80】本発明に用いられるカートリッジについての任意的な形態を示す図である。
【図81】本発明に用いられるカートリッジについての任意的な形態を示す図である。
【図82】本発明に用いられるカートリッジについての任意的な形態を示す図である。
【図83】本発明に用いられるカートリッジについての任意的な形態を示す図である。
【図84】本発明に用いられるカートリッジについての任意的な形態を示す図である。
【図85】本発明のシステムの一実施形態の透視図である。
【図86】本発明のシステムの任意的な実施形態の略図である。
【図87A】本発明のカートリッジの更に別の実施形態を示す図である。
【図87B】本発明のカートリッジの更に別の実施形態を示す図である。
【図88】分析物検出部材のアレイを有するカートリッジを示す図である。
【図89】本発明に用いられる照明システムの実施形態を示す図である。
【図90】本発明に用いられる照明システムの実施形態を示す図である。
【図91】分析物検出のための任意的な方法を用いる別の実施形態を示す図である。
【図92】分析物検出のための任意的な方法を用いる別の実施形態を示す図である。
【図93】分析物検出のための任意的な方法を用いる別の実施形態を示す図である。
【図94】分析物検出のための任意的な方法を用いる別の実施形態を示す図である。
【図95】分析物検出のための任意的な方法を用いる別の実施形態を示す図である。
【図96】分析物検出のための任意的な方法を用いる別の実施形態を示す図である。
【図97】組織の別々の部分における変化する穿刺部材速度の図表を示す図である。
【図98】ドライバに狙いを定めて用いられる光源の断面図である。
【図99】ドライバに狙いを用いて定められる光源を有するハウジングの断面図である。
【図100】ドライバに狙いを用いて定められる光源を有するハウジングの断面図である。
【図101】一部が透明な材料で作られたハウジングを示す図である。
【図102】一部が透明な材料で作られたハウジングを示す図である。
【図103】本発明のカートリッジ、滅菌バリヤ及び基板を示す図である。
【図104】本発明の一実施形態の斜視図である。
【図105】本発明の一実施形態の斜視図である。
【図106】本発明の一実施形態の裏面の斜視図である。
【図107】本発明の一実施形態の裏面の斜視図である。
【図108】本発明のカートリッジの別の実施形態の平面図である。
【図109】本発明のカートリッジの別の実施形態の底面図である。
【図110】カートリッジの一実施形態の裏面を示す図である。
【図111】カートリッジの一実施形態の裏面を示す図である。
【図112】本発明に用いられる追加の実施形態を示す図である。
【図113】本発明のカートリッジ及び分析物検出部材の更に別の実施形態の種々の図である。
【図114】本発明のカートリッジ及び分析物検出部材の更に別の実施形態の種々の図である。
【図115】本発明のカートリッジ及び分析物検出部材の更に別の実施形態の種々の図である。
【図116】本発明のカートリッジの別の実施形態の平面図である。
【図117】本発明のカートリッジの別の実施形態の底面図である。
【図118】本発明に用いられる追加の実施形態を示す図である。
【図119】本発明に用いられる追加の実施形態を示す図である。
【図120】分析物検出部材上に配置された流体スプレッダを用いるカートリッジの下向き図である。
【図121】本発明のカートリッジの別の実施形態の斜視図である。
【図122】本発明のカートリッジの別の実施形態の斜視図である。
【図123】本発明のカートリッジの別の実施形態の斜視図である。
【図124】本発明のキットを示す図である。
【図125】本発明のキットを示す図である。
【図126】分析物検出部材の感度を示すグラフ図である。
【図127】分析物検出部材の感度を示すグラフ図である。
【図128】分析物検出部材の感度を示すグラフ図である。
【図129】複数の分析物検出部材を備えたカートリッジの実施形態を示す図である。
【図130】分析物検出部材のアレイの一形態を示す図である。
【図131】分析物検出部材のアレイの別の形態を示す図である。
【図132】分析物検出部材のアレイの別の形態を示す図である。
【図133】単一の穿刺部材を収容するのに適していて、複数の分析物検出部材を有するカートリッジを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体液を解剖学的特徴部から抽出する体液サンプル採取装置に用いられる装置であって、
複数のキャビティを備えたカートリッジと、
各々が少なくとも部分的にカートリッジの前記キャビティ内に収納された複数の穿刺部材とを有し、
穿刺部材は、前記カートリッジに設けられた開口部から外方に伸長して組織を穿刺するよう摺動自在に動くことができ、前記装置は更に、
複数の分析物検出部材を有する、
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
体液を解剖学的特徴部から抽出する体液サンプル採取装置に用いられる装置であって、
複数のキャビティを備えたカートリッジと、
各々が少なくとも部分的にカートリッジの前記キャビティ内に収納された複数の穿刺部材とを有し、
穿刺部材は、前記カートリッジに設けられた開口部から外方に伸長して組織を穿刺するよう摺動自在に動くことができ、前記装置は更に、
複数の分析物検出部材を有し、
各々が前記キャビティの各々とそれぞれ関連した複数のチャンバを有し、前記チャンバは、前記カートリッジの外周部に沿って配置され、
前記分析物検出部材のうち少なくとも1つは、前記複数のチャンバのうちの1つの一側壁の一部を形成している、
ことを特徴とする装置。
【請求項3】
流体を前記分析物検出部材のうちの1つに向かって押すよう前記分析物検出部材の少なくとも一部上に配置された流体スプレッダを更に有する、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記穿刺部材は各々、先端部を有し、少なくとも1つの先端部は、前記チャンバ内の開始位置を有する、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記分析物検出部材は、電気化学式のものである、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記分析物検出部材は、サンプル流体に用いられた場合、前記分析物検出部材のアレイの総合的感度範囲を高める互いに異なる感度範囲を有している、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記分析物検出部材が実施できる分析において必要とする容量は、次の容量、即ち、20ナノリットル、15ナノリットル、10ナノリットル、5ナノリットルのうちの一以下である、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記チャンバのうち少なくとも1つは、その表面のうちの1つに設けられた開口部を有し、前記分析物検出部材のうちの1つは、前記開口部を通して視認できる、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記チャンバのうち少なくとも1つは、その表面のうちの1つに設けられた開口部を有し、前記分析物検出部材のうちの1つは、開口部が分析物検出部材上に直接開口するよう位置決めされている、
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記分析物検出部材上に配置されたメッシュ形態の流体スプレッダを更に有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置に用いられる穿刺部材ドライバ。
【請求項12】
体液を解剖学的特徴部から抽出する体液サンプル採取装置に用いられる装置であって、
複数のサンプルチャンバを備えたカートリッジと、
各々が少なくとも部分的に単一カートリッジの前記サンプルチャンバ内に収納された複数の穿刺部材を有し、
穿刺部材は、前記カートリッジに設けられた開口部から外方に伸長して組織を穿刺するよう摺動自在に動くことができ、前記装置は更に、
複数の分析物検出部材を有し、
前記チャンバは、実質的に前記カートリッジの外周部に隣接して配置され、
前記分析物検出部材のうちの少なくとも1つは、前記複数のサンプルチャンバのうちの1つの1つの壁の一部を形成している、
ことを特徴とする装置。
【請求項13】
各々が前記サンプルチャンバの各々とそれぞれと関連した複数のリブを更に有する、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
体液を解剖学的特徴部から抽出する体液サンプル採取装置に用いられる装置であって、
複数のサンプルチャンバを備えたカートリッジと、
各々が少なくとも部分的に単一カートリッジのキャビティ内に収納された複数の穿刺部材とを有し、
穿刺部材は、前記カートリッジに設けられた開口部から外方に伸長して組織を穿刺するよう摺動自在に動くことができ、前記装置は更に、
複数の分析物検出部材を有し、
前記チャンバは、実質的に前記カートリッジの外周部に隣接して配置され、
前記サンプルチャンバのうちの一つの少なくとも1つの開口部は、流体を流体経路に沿って前記分析物検出部材のうちの1つに向かって導くことを特徴とする装置。
【請求項15】
前記流体経路は、1マイクロリットル以下を収容するよう寸法決めされたチャネルを有する、
請求項14に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

image rotate

image rotate

image rotate

image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate

【図39】
image rotate

【図40】
image rotate

【図41】
image rotate

【図42】
image rotate

【図43】
image rotate

【図44】
image rotate

【図45】
image rotate

【図46】
image rotate

【図47】
image rotate

【図48】
image rotate

【図49】
image rotate

【図50】
image rotate

【図51】
image rotate

【図52】
image rotate

image rotate

image rotate

image rotate

image rotate

image rotate

image rotate

image rotate

image rotate

【図57】
image rotate

【図58】
image rotate

【図59】
image rotate

image rotate

【図61】
image rotate

【図62】
image rotate

【図63】
image rotate

image rotate

image rotate

image rotate

【図66】
image rotate

【図67】
image rotate

【図68】
image rotate

image rotate

image rotate

image rotate

image rotate

image rotate

image rotate

image rotate

【図70】
image rotate

【図71】
image rotate

【図72】
image rotate

【図73】
image rotate

【図74】
image rotate

【図75】
image rotate

【図76】
image rotate

【図77】
image rotate

【図78】
image rotate

【図79】
image rotate

【図80】
image rotate

【図81】
image rotate

【図82】
image rotate

【図83】
image rotate

【図84】
image rotate

【図85】
image rotate

【図86】
image rotate

image rotate

【図88】
image rotate

【図89】
image rotate

【図90】
image rotate

【図91】
image rotate

【図92】
image rotate

【図93】
image rotate

【図94】
image rotate

【図95】
image rotate

【図96】
image rotate

【図97】
image rotate

【図98】
image rotate

【図99】
image rotate

【図100】
image rotate

【図101】
image rotate

【図102】
image rotate

【図103】
image rotate

【図104】
image rotate

【図105】
image rotate

【図106】
image rotate

【図107】
image rotate

【図108】
image rotate

【図109】
image rotate

【図110】
image rotate

【図111】
image rotate

【図112】
image rotate

【図113】
image rotate

【図114】
image rotate

【図115】
image rotate

【図116】
image rotate

【図117】
image rotate

【図118】
image rotate

【図119】
image rotate

【図120】
image rotate

【図121】
image rotate

【図122】
image rotate

【図123】
image rotate

【図124】
image rotate

【図125】
image rotate

【図126】
image rotate

【図127】
image rotate

【図128】
image rotate

【図129】
image rotate

【図130】
image rotate

【図131】
image rotate

【図132】
image rotate

【図133】
image rotate


【公表番号】特表2006−504506(P2006−504506A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−502261(P2005−502261)
【出願日】平成15年11月3日(2003.11.3)
【国際出願番号】PCT/US2003/035015
【国際公開番号】WO2004/041082
【国際公開日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(503457482)ペリカン テクノロジーズ インコーポレイテッド (4)
【Fターム(参考)】