説明

体積ホログラム転写箔および体積ホログラム積層体

【課題】 本発明は、光カチオン型モノマーと光ラジカル型モノマーからなる体積ホログラム層と任意の被着体、特にポリエステル樹脂カードとの熱圧接着性に優れ、偽造防止に有効な体積ホログラム転写箔およびその転写箔を使用して形成される体積ホログラム積層体の提供を課題とする。
【解決手段】 本発明のホログラム転写箔は、基材(1)上に保護層(2)、体積ホログラム層(3)、プライマー層(4)、熱可塑性樹脂からなるヒートシール層(5)が順次積層され、前記基材から前記保護層、体積ホログラム層、プライマー層、ヒートシール層の順次積層体が剥離可能に積層された体積ホログラム転写箔であり、体積ホログラム層をカチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物とからなる感光材料からなる体積ホログラム記録層とすると共にプライマー層をポリウレタン系接着剤と硬化剤との混合物の水性分散液を使用して形成するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体積ホログラムを任意の被着体に熱圧により貼着可能とするホログラム転写箔および該転写箔を使用して得られる体積ホログラム積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
体積ホログラムは、情報を厚み方向に記録でき、また、立体的な画像の記録・再生が可能な手段である。体積ホログラムの製造方法自体は知られているが、製造に際しては光学機器を使用した精密な作業を要するため、体積ホログラムの模倣は困難であり、身分証明書、銀行カード等の模倣防止に利用されている。さらに、体積ホログラムは、光の干渉色で表現されるため、他の画像形成手段では得られにくい外観を有している。
【0003】
体積ホログラムの持つ上記の特性を利用し、フイルム状の体積ホログラムに接着剤層を設けたホログラム粘着ラベルが知られ、種々の被着体に貼ることが行なわれている。例えば特許文献1には、基材、体積ホログラム層、ヒートシール層の順次積層構造の転写型ホログラムを開示する。また、模倣防止の観点からは、レリーフホログラムを利用するものとして、例えば特許文献2には、基材、レリーフホログラム、ヒートシール層の順次積層構造の転写型ホログラムが開示されている。
【0004】
しかしながら、前者にあっては、体積ホログラム層は基本的に光硬化した樹脂層からなるのに対して、被着体としては例えば上質紙等とその材質を相違することが多く、双方との接着性に優れるヒートシール剤を選択することが困難であり、ヒートシール剤の種類によっては被着体としての対象が制限されるという問題がある。そのため、体積ホログラム層とヒートシール層との間、またはヒートシール層と被着体との間のいずれかの界面で体積ホログラム層が剥離し、偽造されやすいという問題がある。また、後者にあっては、被着体における文字、画像等を透視可能とすることはできないという問題を有する。
【0005】
また、偽造防止の観点からは、体積ホログラム層と被着体との接着性に優れることが必要とされ、体積ホログラム層と被着体との接着性を向上させる観点から、例えば特許文献3には、体積ホログラム層と被着体とを複数層のヒートシール層を介して接着させることを開示し、被着体としてポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂シートを例示する。しかしながら、ポリ塩化ビニルシートとすると焼却廃棄処理時のダイオキシン発生等の環境的問題が発生することから、近年は、被着体としてポリエステル樹脂シートを採用する場合が増加しているが、ポリエステル樹脂シートはポリ塩化ビニル樹脂カードに比して接着性が弱く、体積ホログラム層、特に光カチオン型モノマーと光ラジカル型モノマーからなる体積ホログラム層との接着性が不十分であり、偽造防止の観点から問題となる場合がある。また、複数層のヒートシール層では製造上不利であり、体積ホログラム層と被着体とを単層のヒートシール層を介して接着させることが望ましく、特に被着体としてポリエステル樹脂シートする場合におけるヒートシール層の開発が求められている。
【特許文献1】特開昭63−284586号公報
【特許文献2】特許第2934281号公報
【特許文献3】特開2002−358018号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、体積ホログラム層と任意の被着体、特にポリエステル樹脂カードとの熱圧接着性に優れ、また、体積ホログラム層をカチオン重合性化合物とラジカル重合性化合物とからなる体積ホログラム感光材料から形成しても、被着体との熱圧接着性に優れ、偽造防
止に有効な体積ホログラム転写箔およびその転写箔を使用して形成される体積ホログラム積層体の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のホログラム転写箔は、基材上に保護層、体積ホログラム層、プライマー層、熱可塑性樹脂からなるヒートシール層が順次積層され、前記基材から前記保護層、体積ホログラム層、プライマー層、ヒートシール層の順次積層体が剥離可能に積層された体積ホログラム転写箔において、体積ホログラム層がカチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、特定波長の光に感光してラジカル重合性化合物を重合させる光ラジカル重合開始剤系、及び上記特定波長の光に対しては低感光性であり、別の波長の光に感光してカチオン重合性化合物を重合させる光カチオン重合開始剤系とからなる感光材料からなる体積ホログラム記録層であり、また、プライマー層がポリウレタン系接着剤と硬化剤との混合物であり、該混合物の水性分散液を使用して形成されるものであることを特徴とする。
【0008】
熱可塑性樹脂からなるヒートシール層が、−10℃〜−30℃のガラス転移温度を有するポリエステル樹脂からなることを特徴とする。
【0009】
熱可塑性樹脂からなるヒートシール層が、18,000〜80,000の数平均分子量を有するポリエステル樹脂からなることを特徴とする。
【0010】
熱可塑性樹脂からなるヒートシール層が、微粒子を含有することを特徴とする。
【0011】
ヒートシール層上に、さらに離型フィルムが設けられたことを特徴とする。
【0012】
本発明の体積ホログラム積層体は、被着体上に熱可塑性樹脂からなるヒートシール層、プライマー層、体積ホログラム層、保護層が順次積層された体積ホログラム積層体において、体積ホログラム層がカチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、特定波長の光に感光してラジカル重合性化合物を重合させる光ラジカル重合開始剤系、及び上記特定波長の光に対しては低感光性であり、別の波長の光に感光してカチオン重合性化合物を重合させる光カチオン重合開始剤系とからなる感光材料からなる体積ホログラム記録層であり、また、プライマー層がポリウレタン系接着剤と硬化剤との混合物であり、該混合物の水性分散液を使用して形成されるものであることを特徴とする。
【0013】
被着体が、ポリエステル樹脂カードであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、体積ホログラム層、特にカチオン重合性化合物とラジカル重合性化合物等とからなる体積ホログラム層と任意の被着体、特にポリエステル樹脂カードとの熱圧接着性に優れるものであり、体積ホログラム転写箔を使用して被着体に体積ホログラム層を転写して体積ホログラム積層体とした後に、被着体上から体積ホログラム層を剥離しようとしても体積ホログラム層や被着体の材料破壊が生じ、偽造防止を可能とする体積ホログラム転写箔、及び体積ホログラム積層体である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本発明のホログラム転写箔の一例の断面を示す図で、図中1は基材、2は保護層、3は体積ホログラム層、4はプライマー層、5はヒートシール層を示す。また、図2は、本発明のホログラム転写箔の他例の断面を示す図で、図中6は離型フィルムを表し、図1と同一符号は同一内容を示す。また、図3は本発明のホログラム転写箔を使用して得られる体積ホログラム積層体の一例の断面を示す図で、図中7は被着体であり、図1と同一符号は同一内容を示す。
【0016】
体積ホログラム層は、物体光と参照光との干渉光を干渉縞の間隔よりも十分に厚い感光材料に記録したもので、物体の3次元構造がそのまま記録されたものである。この体積ホログラム層を形成するには、支持体フイルム上に体積ホログラム形成用材料を積層したものに対し、直接、物体光と参照光との干渉光を記録するか、あるいは、体積ホログラムの原版を密着露光することにより複製して得るものであり、工業的には後者の方法による。体積ホログラム形成用材料を塗布するための支持体フイルム(図示せず)としては、厚さ1μm〜1mm、好ましくは10μm〜100μmのポリエチレンテレフタレートフイルム(通称:PETフイルム)、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、アクリルフイルム、トリアセチルセルロースフイルム、セルロースアセテートブチレートフイルム等を用いる。支持体フイルムとしては透明性が高く、平滑性が高いフイルムを使用することが望ましい。
【0017】
本発明における体積ホログラム層形成用の感光材料は、カチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、特定波長の光に感光してラジカル重合性化合物を重合させる光ラジカル重合開始剤系、及び上記特定波長の光に対しては低感光性であり、別の波長の光に感光してカチオン重合性化合物を重合させる光カチオン重合開始剤系からなる。
【0018】
この感光材料は、支持フィルム上に塗布された後、光ラジカル重合開始剤系が感光するレーザー光等の光を照射し、次いで光カチオン重合開始剤系が感光する上記レーザー光等の光とは別の波長の光を照射することによりホログラム記録される。レーザー光等の光の照射(以下、第1露光)によってラジカル重合性化合物を重合させた後、カチオン重合性化合物は、その次に行う全面露光(以下、後露光)によって組成物中の光カチオン重合開始剤系を分解させて発生するブレンステッド酸あるいはルイス酸によってカチオン重合するものである。
【0019】
カチオン重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物の重合が終始比較的低粘度の組成物中で行なわれる様に室温で液状のものが用いられる。そのようなカチオン重合性化合物としてはジグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、1,4−ビス(2,3−エポキシプロポキシパーフルオロイソプロピル)シ
クロヘキサン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル等が例示される。
【0020】
また、ラジカル重合性化合物は、分子中に少なくとも1つのエチレン性不飽和二重結合を有するものが好ましい。また、ラジカル重合性化合物の平均屈折率は上記カチオン重合性化合物のそれよりも大きく、好ましくは0.02以上大きいとよく、小さいと屈折率変調が不十分となり好ましくない。ラジカル重合性化合物としては、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、スチレン、2−ブロモスチレン、フェニルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、2,3−ナフタレンジカルボン酸(アクリロキシエチル)モ
ノエステル、メチルフェノキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシエチルアクリレート、β−アクリロキシエチルハイドロゲンフタレート等が例示される。
【0021】
光ラジカル重合開始剤系は、ホログラム作製のための第1露光によって活性ラジカルを生成し、その活性ラジカルがラジカル重合性化合物を重合させる開始剤系であればよく、また、一般に光を吸収する成分である増感剤と活性ラジカル発生化合物や酸発生化合物を組み合わせて用いてもよい。光ラジカル重合開始剤系における増感剤は可視レーザー光を吸収するために色素のような有色化合物が用いられる場合が多いが、無色透明ホログラムとする場合にはシアニン系色素が好ましい。シアニン系色素は一般に光によって分解しや
すいため、本発明における後露光、または室内光や太陽光の下に数時間から数日放置することによりホログラム中の色素が分解されて可視域に吸収を持たなくなり、無色透明なホログラムが得られる。
【0022】
シアニン系色素の具体例としては、アンヒドロ−3,3'−ジカルボキシメチル−9−
エチル−2,2'チアカルボシアニンベタイン、アンヒドロ−3−カルボキシメチル−3',9−ジエチル−2,2’チアカルボシアニンベタイン、3,3',9−トリエチル−2,
2'−チアカルボシアニン・ヨウ素塩、3,9−ジエチル−3'−カルボキシメチル−2,2'−チアカルボシアニン・ヨウ素塩等が例示される。
【0023】
シアニン系色素と組み合わせて用いてもよい活性ラジカル発生化合物としては、ジアリールヨードニウム塩類、あるいは2,4,6−置換−1,3,5−トリアジン類が挙げられる。高い感光性が必要なときは、ジアリールヨードニウム塩類の使用が特に好ましい。上記ジアリールヨードニウム塩類の具体例としては、ジフェニルヨードニウム、4,4'
−ジクロロジフェニルヨードニウム、4,4'−ジメトキシジフェニルヨードニウム等が
例示され、また、2,4,6−置換−1,3,5−トリアジン類の具体例としては、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン等が例示される。
【0024】
光カチオン重合開始剤系は、第1露光に対しては低感光性で、第1露光とは異なる波長の光を照射する後露光に感光してブレンステッド酸、あるいはルイス酸を発生し、カチオン重合性化合物を重合させるような開始剤系とするとよく、第1露光の間はカチオン重合性化合物を重合させないものが特に好ましい。光カチオン重合開始剤系としては、例えばジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類あるいは鉄アレン錯体類等を挙げることができる。ジアリールヨードニウム塩類で好ましいものとしては、光ラジカル重合開始剤系で示したヨードニウムのテトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアルセネートおよびヘキサフルオロアンチモネート等が挙げられる。トリアリールスルホニウム塩類で好ましいものとしては、トリフェニルスルホニウム、4−ターシャリーブチルトリフェニルスルホニウム等が挙げられる。
【0025】
感光性組成物には、体積ホログラム層とした際の箔切れ性の向上のために、無機微粒子や有機樹脂微粒子を含有させるのが好ましく、体積ホログラム層中に意図的に欠陥を形成することができ、体積ホログラム層の箔切れ性を良好とすることができる。
【0026】
有機樹脂微粒子としては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、(メタ)アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂またこれらのコポリマーが例示され、また、無機微粒子としては、シリカ、マイカ、タルク、クレー、グラファイト、炭酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、フェライト、チャイナクレー、カオリン、二酸化チタン、ガラスフレーク、アスベスト、ろう石粉、けい石粉、硫酸バリウム、シェルベン、シャモット、チタニア等の無機微粒子が例示され、これらの微粒子の1種、または2種以上混合物が例示される。中でも、樹脂中の骨格または側鎖の水素の1部または全部がフッ素原子で置換された含フッ素系樹脂微粒子やチタニア微粒子が好ましい。含フッ素系樹脂微粒子は、摩擦係数が小さいことから体積ホログラム層中に含有される他の成分との相互作用が小さく好ましい。また、含フッ素系樹脂微粒子としては、上記で例示した有機樹脂微粒子の表面をフッ素系化合物で処理したものも使用することができ、例えば(メタ)アクリル酸エステル樹脂微粒子のフッ素系化合物処理物が好ましい。また、特開平5−194322号公報記載の含フッ素アクリル酸エステルや、特開平9−104655号公報記載の含フッ素(メタ)アクリル化合物、特開2001−72646の含フッ素多官能(メタ)アクリル化合物で例示されるフッ素モノマーの1種以上用いたポリマー、またはこれらのモノマーと
他のフッ素を含有しない1分子中に少なくとも1つのエチレン性不飽和結合をもった化合物とのコポリマー、特開平6−73137号公報に記載の含フッ素樹脂複合微粒子、特開平5−194668号公報に記載のフッ素含有(メタ)アクリル酸エステルコポリマー等が例示され、その1種または2種以上の混合微粒子が例示される。
【0027】
無機微粒子や有機樹脂微粒子は、平均粒径100nm〜600nm、好ましくは150nm〜500nm、特に好ましくは200nm〜500nmであり、体積ホログラム層への像記録に際して使用されるレーザー光の波長より粒径が小さいものであるのが好ましい。粒径が大きすぎると体積ホログラム記録に悪影響を及ぼす場合があるので好ましくない。微粒子の平均粒径は、レーザー法により測定されるもので、粒子を溶媒中に分散した分散液にレーザー光線を当てて得られる散乱光を細くし、演算することにより、平均粒径、粒度分布等を測定する方法であり、リーズ&ノースラップ社製の粒度分析計「マイクロトラックUPA Model−9230を使用して測定される値である。
【0028】
無機微粒子や有機樹脂微粒子は体積ホログラム層中に1質量%〜30質量%、好ましくは5質量%〜20質量%含有させるとよく、多いと体積ホログラム層とした際に強度や透明性を保持することが困難となる。
【0029】
また、感光性組成物には、必要に応じてバインダー樹脂、熱重合防止剤、シランカップリング剤、可塑剤、着色剤などを併用してよい。バインダー樹脂は、ホログラム形成前の組成物の成膜性、膜厚の均一性を改善する場合や、レーザー光等の光の照射による重合で形成された干渉縞を後露光までの間、安定に存在させるために使用される。バインダー樹脂は、カチオン重合性化合物やラジカル重合性組成物と相溶性のよいものであれば良く、その具体例としては塩素化ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレートと他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルの共重合体、塩化ビニルとアクリロニトリルの共重合体、ポリ酢酸ビニルなどが挙げられる。バインダー樹脂は、その側鎖または主鎖にカチオン重合性基などの反応性を有していても良い。
【0030】
感光性組成物の組成に於いて、組成物全重量に対してカチオン重合性化合物は2〜70質量%、好ましくは10〜50質量%、ラジカル重合性化合物は30〜90質量%、好ましくは40〜70質量%、光ラジカル重合開始剤系は0.3〜8質量%、好ましくは1〜5質量%及び光カチオン重合開始剤系は0.3〜8質量%、好ましくは1〜5質量%とするとよい。
【0031】
感光性組成物は、必須成分および任意成分をそのまま、もしくは必要に応じてメチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒、メチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、メタノール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン系溶媒と配合し、冷暗所にて例えば高速撹拌機を使用して混合することにより調製される。
【0032】
感光性組成物からなる記録層は、上記感光性組成物を固形分15〜50質量%の塗布液とされ、支持フィルムが枚葉(1枚毎のシート)の状態であれば、バーコート、スピンコート、又はディッピング等により塗布形成される。また、支持フィルムがロール状の長尺の状態で塗布するのであればグラビアコート、ロールコート、ダイコート、又はコンマコート等により塗布を行なうとよい。体積ホログラム形成層は、塗布液に合わせた乾燥ないし硬化の手段を用いて固化させる。このようにして得られる体積ホログラム形成材料層の厚みは、1μm〜50μm、好ましくは5μm〜20μmの乾燥膜厚とされ、必要に応じて保護フイルムが貼着される。
【0033】
体積ホログラム形成材料層への体積ホログラム記録は、通常のホログラフィー露光装置によってレーザー光等の光(例えば波長300〜1200nm)を使用し、ラジカル重合性化合物を重合させてその内部に干渉縞が記録される。この段階で、記録された干渉縞による回折光が得られホログラムが形成されるが、未反応のまま残っているカチオン重合性化合物を更に重合させるために、後露光として光カチオン重合開始剤系の感光する光(例えば波長200〜700nm)を全面照射してホログラムを形成するとよい。なお、後露光の前に記録層を熱や赤外線で処理することで回折効率、回折光のピーク波長、半値巾などを変化させることもできる。本発明の体積ホログラム転写箔は、光ラジカル重合性モノマーのみを重合性モノマーとする感光材料(例えば特許文献3の実施例)に比して耐熱性に優れ、ホログラム記録に対する熱圧転写による影響が少なくすることができる。
本発明における体積ホログラム層は、ホログラム記録され、紫外線照射及び加熱処理された状態で、そのガラス転移温度が50℃以上で、上限は特に限定されない。これにより、転写に際して、ホログラム記録に影響を与えないものとすることができる。
また、上記の状態での破断強度は0.01〜5kgf/mm2、好ましくは0.03〜3kgf/mm2、また、破断伸度は0.01〜30%、好ましくは、0.1〜10%であり、脆質なものであるので、体積ホログラム層を剥離しようとすると、体積ホログラム層自体が破断されてしまう。
体積ホログラム層のガラス転移温度は、下記の測定条件による。
測定装置: 固体粘弾性アナライザー RSA−II(レオメトリックス製)
測定モード: フィルム引っ張り
測定周波数: 6.28rad/s
(1)サンプルをフィルム引っ張り試験用治具にセットする。
(2)任意の温度領域で、周波数6.28rad/sでの温度依存性を測定し、tanδのピーク温度を求め、ガラス転移温度とする。
また、体積ホログラム層の破断強度と破断伸度は、JIS K7127−1989に従うINSTRON社製「INSTRON5565」万能材料試験機により下記の条件で測定されるものである。
測定雰囲気 : 25℃、RH50%
試験片 : 25mm巾
引張速度 : 2mm/min
【0034】
次に、図1〜図3において、体積ホログラム層の一方の面に設けられる保護層2について説明する。保護層は、基材1との間で剥離可能とさせるもので、ポリメチルメタクリレート等のメタクリル系樹脂を主バインダーとし、ハードコート性、印字性、スリップ性等を付与するために各種添加剤を適宜含有する。バインダーとしては、その他、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン等が例示される。また、添加剤としては、各種界面活性剤、ワックス、金属化合物のうち1種または2種以上の混合物が添加され、体積ホログラムの再生波長光を反射する所定の屈折率差を有する界面とするためにその屈折率が調整される。剥離性保護層は上記組成を有機溶剤でインキ化し、基材上に塗布等の方法によって形成されるとよく、その厚みは表面保護性を考慮すると0.1μm〜3μmが好ましい。
【0035】
剥離性保護層を電離放射線硬化型樹脂を用いて形成してもよい。電離放射線硬化型樹脂には、電子線硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂があり、後者の紫外線硬化型樹脂は光重合開始剤および増感剤を含有することを除いて、前者の電子線硬化型樹脂と成分的には同様である。電離放射線硬化型樹脂は、一般的には皮膜形成成分としてその構造中にラジカル重合性の活性基を有するモノマー、オリゴマー、またはポリマーを主成分とするもので、モノマーとしては(メタ)アクリル酸エステル等の誘導体等、また、オリゴマー、ポリマーとしてはウレタンアクリレートやポリエステルアクリレート等が例示される。紫外線硬化型樹脂とするには、上記のラジカル重合性の活性基を有するモノマー等に光重合開始剤としてアセトフェノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミノキシムエステル、テトラメチルチウラムモノサルファイド、チオキサントン類、また光増感剤としてn−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を添加した組成物とするとよい。硬化方法としては、例えば電子線照射の場合にはコックロフトワルトン型等の電子線加速機を使用し50〜1000KeV、好ましくは100〜300KeVの電子線を0.1〜100Mrad.、好ましくは1〜10Mrad.照射することにより行われ、また、紫外線照射の場合には、超高圧水銀灯等の光源から発せられる紫外線を0.1〜10000mJ/cm2 、好ましくは10〜1000mJ/cm2 照射することにより行うとよい。
【0036】
次に、基材1は、体積ホログラム転写箔が被着体に転写された後、剥離されるものであるが、その積層面を離型処理するか、または、剥離性保護層における離型性を利用して剥離されるとよい。基材としては、ポリエチレンフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリ弗化エチレン系フイルム、ポリ弗化ビニリデンフイルム、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリ塩化ビニリデンフイルム、エチレン−ビニルアルコールフイルム、ポリビニルアルコールフイルム、ポリメチルメタクリレートフイルム、ポリエーテルスルホンフイルム、ポリエーテルエーテルケトンフイルム、ポリアミドフイルム、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合フイルム、ポリエチレンテレフタレートフイルム、ポリイミドフイルム等が例示される。膜厚は2μm〜200μm、好ましくは10μm〜50μmである。基材には透明フィルム、また、カーボンブラック等の隠蔽性顔料を練り込んだ不透明性フィルムでもよく、これにより、使用時までホログラム層を保護することができると共に基材の剥がし忘れを防止できる。
【0037】
次に、体積ホログラム層の他面に積層されるプライマー層4について説明する。プライマー層4は、体積ホログラム層と後述する熱可塑性樹脂からなるヒートシール層とを感熱接着させるもので、水分散型のポリウレタン系接着剤と硬化剤との混合物であり、該混合物の水性分散液を使用して形成されるものであり、その塗布形成層は低温軟化性を有し、ヒートシール性を有するものである。
【0038】
水分散型のポリウレタン系接着剤としては、三井武田ケミカル(株)製の「タケラックW−2501」、日華化学社製「エバファノールHO−30C」等が例示される。また、硬化剤としては水分散型ポリイソシーネートである三井武田ケミカル(株)製の「タケネートWD−730」、日華化学社製「NKアシストIS−100N」等が例示される。「タケネートWD−730」はポリイソシアネート化合物にノニオン性の親水性基が付与されたものであり、水分散型のポリウレタン系接着剤と併用されることにより架橋構造を形成し、体積ホログラム層との接着性に優れるものとなる。
【0039】
ポリウレタン系接着剤と硬化剤との配合比(質量比)は、ポリウレタン樹脂におけるOH基とポリイソシアネート化合物のNCO基比(NCO/OH)=1.0〜2.0となるようにするとよく、ポリウレタン樹脂粒子とポリイソシアネート化合物の混合物の水分散液とし、バーコーター、アプリケーター、グラビアコーター等により、乾燥膜厚0.1μm〜10μmで、体積ホログラム層上に塗布形成されるとよい。
【0040】
プライマー層として、水を主成分とする水性溶媒分散液とすると、体積ホログラム層からの残留モノマーのヒートシール層への移動を防止することができ、体積ホログラム記録への影響を抑制することができる。また、高結晶性樹脂とすることにより、熱圧転写に際して俊敏に溶融させることができ、転写性に優れるものとできる。特許文献3には接着剤用のポリウレタン樹脂として有機溶剤系のものが記載しているが、後述する比較例4から明らかなように体積ホログラム層への接着性は悪く、転写性に問題がある。
【0041】
次に、ヒートシール層5は、熱可塑性樹脂でヒートシール性を有するものであり、有機溶剤を使用してヒートシール層を形成しうる樹脂としてはエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂、エチレン−イソブチルアクリレート共重合樹脂、ブチラール樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂、セルロース誘導体、ポリメチルメタクリレート樹脂等のアクリル樹脂、ポリビニルエーテル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、SBS、SIS、SEBS、SEPS等の熱可塑性エラストマー、又は反応ホットメルト系樹脂等が例示される。有機溶剤としてはトルエン、メチルエチルケトン等が例示され、コンマコーター、ダイコーター、グラビアコーター等により乾燥膜厚2〜10μmで体積ホログラム層上に積層されたプライマー層上に直接塗布形成されるとよい。
【0042】
また、水分散型熱可塑性樹脂の水分散液を使用として塗布形成してもよく、水分散型熱可塑性樹脂としては例えば酢ビ共重合ポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、エチレンメチルメタクリレート(EMMA)共重合樹脂、ポリエステル樹脂等が例示され、有機溶剤型同様にプライマー層上に直接塗布形成されるとよい。
【0043】
被着体をポリエステル樹脂カードとする場合には、ポリエステル樹脂によりヒートシール層を形成するとよく、構造上の類似から接着性に優れるものとなる。ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸類或はこれらの無水物やアルキルエステル化物の少なくとも1種とジオ
ール類の少なくとも1種とを、不活性ガス雰囲気下でエステル化触媒等を用いた常法により上述した所望物性が得られるよう縮重合させて得られるものである。有機溶剤型ポリエステル樹脂、水分散型ポリエステル樹脂としては、TOYOBO社製の「バイロン550、Tg:−15℃、数平均分子量48,284」、同「バイロンBX1001、Tg:−18℃、数平均分子量28,678」、同「バイロンUR8700、Tg:−22℃、数平均分子量29,208」、同「バイロナールMD1985、融点:110℃、Tg:−20℃、数平均分子量25,248」、同「バイロナールMD1930、融点:110℃、Tg:−10℃、数平均分子量18,826」等が例示される。上述の「バイロナール」は、親水性官能基を有する水分散型高分子量共重合ポリエステル樹脂粒子と少量の有機溶剤を含有する水とからなり、樹脂粒子の水分散性に優れるものであり、結晶融点を有し、PET接着性に優れるものである。
上記市販されているポリエステル樹脂の数平均分子量は次のようにして測定されている。
(1)シート状である「バイロン550」及び「バイロンBX1001」
サンプルをTHFに溶解して濃度0.5wt%の溶液を調整した。GPC測定は,液体クロマトグラム(東ソー製 HLC-8020)を用いた。溶離液としてTHF、GPCカラム(TSKgelG2000H×L+G3000H×L+G5000H×L),ガラム温度40℃、流量1ml/min,検出器としてRI(示差屈折率検出器)を用いてGPCを測定した。
(2)溶剤タイプである「バイロンUR8700」
サンプルを25℃で真空乾燥させ、乾固物を得た。得られた乾固物をNMPに溶解し、濃度0.5wt%の溶液を調整した。GPC測定は,液体クロマトグラム(東ソー製、HLC−8120GPC)を用いた。溶離液としてNMPに濃度1mMとなるようにLiBrを溶解させたもの、GPCカラム(東ソー製、TSKgel α−M×2本),カラム温度40℃、流量0.5ml/min、検出器としてRI(示差屈折率検出器)を用いてGPCを測定した。
(3)水性インキタイプである「バイロナールMD1985」及び「バイロナールMD1930」
サンプルを超遠心分離器にて90,000rpmで5hr処理し、上澄み液と沈殿物に分け、沈殿物をNMPに溶解し、濃度0.5wt%の溶液を調整した。GPC測定は,液体クロマトグラム(東ソー製、HLC−8120GPC)を用いた。溶離液としてNMPにLiBr及びリン酸をそれぞれ濃度50mMとなるように溶解して調整した緩衝溶液(極性の大きいものがカラムに吸着されることを防止するため緩衝溶液を使用した)、GPCカラム(東ソー製、TSKgel α−M×2本),カラム温度40℃、流量0.5ml/min、検出器としてRI(示差屈折率検出器)を用いてGPCを測定した。
【0044】
ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、−10℃以下、好ましくは−10℃〜−30℃とするとよい。ポリエステル樹脂のTgが高過ぎると被着体への熱圧転写に際して高温高圧が必要となり、場合によってはホログラムの変色等影響を与えてしまうので好ましくない。
【0045】
また、ポリエステル樹脂としては、上記のガラス転移温度を有する非晶質ポリエステル樹脂であってもよいが、上記のガラス転移温度を有すると共に融点が80℃〜200℃、好ましくは100℃〜150℃の結晶性ポリエステル樹脂としてもよい。結晶性ポリエステル樹脂とすると俊敏に溶融する特性を有するものであり、被着体への熱圧転写に際して、融点以上の温度で容易に融解し、転写性に優れるものとできる。結晶性ポリエステル樹脂の融点が高過ぎると被着体への熱圧転写に際して温度が高すぎるばかりでなく、ホログラム記録への影響を与える。また、低過ぎると環境温度によってはタック性を示し、体積ホログラム転写箔製造に際してブロッキングする等の問題がある。
【0046】
ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は18,000〜80,000、好ましくは20,000〜40,000である。数平均分子量が18,000未満であると接着性能の低下等の問題がある。また、80,000を越えるとインキ粘度の増大が起こり、実塗工性で支障が発生する等の問題がある。
【0047】
結晶性ポリエステル樹脂の融点およびTg、また、非晶質ポリエステル樹脂のTgは、例えば(株)島津製作所製「自動示差走査熱量計 DSC−60A」を用いて測定することができ、また、数平均分子量は、ポリスチレン換算のGPC(ゲル浸透クロマトグラフ)により測定することができる。
【0048】
ヒートシール層には、箔切れ性、耐ブロッキング性を付与することを目的として、上記した無機微粒子や樹脂微粒子が添加されるとよい。無機微粒子としてはシリカ微粒子、アルミナ微粒子、ZnO微粒子等が好ましく、シリカ微粒子{SiOx(1.5≦x≦2.0、屈折率1.35〜1.48)}が好ましい。微粒子の粒径としては0.1μm〜10μmとするとよい。微粒子の粒径としてはヒートシール層の膜厚以下とするとよく、粒径が膜厚より大となると熱転写性が低下するので好ましくない。配合割合は、ポリエステル樹脂:微粒子(質量比)=75:1〜75:12、好ましくは75:3〜75:5とするとよい。微粒子の添加割合が上記の配合割合より多くなると熱転写しても、被着体との密着性が低下するので好ましくない。なお、微粒子の平均粒径はレーザー回折散乱法により測定することができる。
【0049】
ヒートシール層は、ヒートシール層形成材料を水、または水とアルコールの混合溶媒、また、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶媒に溶解、または分散され、体積ホログ
ラム層上に、または離型フイルム、または一時支持フィルム上に、コンマコーター、ダイコーター、グラビアコーター等により乾燥膜厚2〜10μmに塗布形成されるとよい。
【0050】
また、一時支持フィルム上にヒートシール層とプライマー層とをこの順に形成した後、プライマー層側から体積ホログラム層上にプライマー層とヒートシール層とを同時に熱圧転写した後、一時支持フィルムを剥離して、体積ホログラム層上にプライマー層、ヒートシール層を積層してもよい。
【0051】
ヒートシール層は、ポリエステル樹脂、またはポリエステル樹脂と無機微粒子との混合物からなる無着色透明層としてもよいが、体積ホログラム層側からヒートシール層/溶剤可溶性染料や溶剤分散顔料により着色した着色剤層または光を反射する金属薄膜層/ヒートシール層の順次積層体の構成としてもよい。着色剤層または光を反射する金属薄膜層を設けると、ホログラム画像の背景色とできるので、コントラストに優れた画像が得られる。溶剤可溶性染料により着色した着色剤層の場合には、体積ホログラム層と接するヒートシール層としては、好ましくは水分散型結晶性ポリエステル樹脂を使用するとよく、着色剤層からの着色剤成分の体積ホログラム層への移行を防止でき、体積ホログラム記録への影響を抑制することができる。また、着色剤層における染料の利用が制限されないという利点がある。
【0052】
次に、離型フィルム6としては、通常使用される剥離紙の他に、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム、もしくはポリプロピレン樹脂フィルム等をフッ素系離型剤、シリコーン系離型剤等により離型処理して得た離型性フィルムを使用してもよい。
【0053】
次に、本発明のホログラム転写箔における偽造防止性について説明する。本発明のホログラム転写箔にあっては、被転写体(被着体ともいう)にホログラム転写した後に、偽造を目的として体積ホログラムを被着体から剥離しようとする場合、カチオン重合性化合物とラジカル重合性化合物とからなる体積ホログラム層とプライマー層、ヒートシール層との接着力が強く、体積ホログラム層が材料破壊されてホログラム画像を再生不能とするものである。また、被着体としてポリエステル樹脂カードとする場合、ヒートシール層として結晶性ポリエステル樹脂とすると、体積ホログラム層と被着体との接着性に優れることより、剥離に際して体積ホログラム層を確実に破壊することができる。なお、被着体が材料破壊力の小さい写真や上質紙のような場合には、偽造を目的として体積ホログラム層を被着体から剥離しようとすると、被着体が材料破壊されて偽造防止の目的を達成できるものでもよい。
【0054】
次に、本発明のホログラム転写箔の製造方法の一例としては、
(1) 体積ホログラム形成層を一時キャリア上に設け、体積ホログラム層上に保護フィルムを積層した後、体積ホログラム層にリップマンホログラムを記録する工程、
(2) 体積ホログラムを記録した後、50〜100℃、1〜20分間加熱し、保護フィルムを剥離する工程、
(3) 保護層形成層を一時キャリア上に設けて転写体とした後、(2)で得られた体積ホログラム層上に保護層形成層側から積層し、体積ホログラム層における記録に影響を与えないためには、熱ロールを使用して50℃〜100℃で熱圧する工程、
(4) 得られた積層体を高圧水銀灯を用いて紫外線を全面照射し、体積ホログラムを定着する工程
(5) 積層体における一時キャリアを剥離した後、体積ホログラム層面にプライマー層、ヒートシール層を順次塗布形成するか、または、離型フィルムまたは一時支持フィルム上にヒートシール層、プライマー層をこの順に塗布形成した後、体積ホログラム層面にプライマー層側から積層し、プライマー層、ヒートシール層を熱圧転写する工程
を順次経る製造方法が例示される。
【0055】
得られたホログラム転写箔は、離型フィルムを剥離した後、後述する被着体上に60℃〜200℃、好ましくは100℃〜160℃で、また、被着体の種類により相違するが、0.5Mpa〜15Mpaの範囲で熱圧転写し、必要に応じて基材を剥離することにより、体積ホログラム層を被着体上に転写することができる。
【0056】
被着体としては、例えば、ガラス、プラスチック等の透明のものもしくは不透明なものが挙げられる。プラスチックとしては、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が例示されるが、特に、ポリエステル樹脂からなるカード、シート、フィルムとする場合に適している。これらの素材からなる具体的な物品の例としては、例えば自動車、鉄道車両、船舶、もしくは航空機等の交通機関の窓、展望用窓、またはドア等がある。あるいは、建造物の窓、ドア、はめ殺しの窓、明かり採り窓等がある。また、上記のような交通機関においては、運転席、操縦席やその他の場所に備えられた計器類やディスプレイの表面の透明ガラス、もしくは透明プラスチック板にもホログラム転写箔を貼ることが出来る。 同様な表示は、電気器具、時計、カメラ、等の機器類にも、種々の表示部分があり、必ずしも無色透明ではなく、非表示時には黒色のものもあるが、このようなものの表面にもホログラム転写箔を貼ることができる。具体的に列挙すれば、上記の他に電卓、携帯可能なパソコン等や携帯可能な端末機器、携帯電話、IC録音機、CDプレーヤー、DVDプレーヤー、MDプレーヤー、ビデオテープレコーダー、各種オーディオ機器等の表示機能を有する機器類である。これらにおいては、ホログラム転写箔が透視性を有する場合、機器本来の表示機能を妨げずに、体積ホログラム層のホログラム画像を重ねることができる。これらに加えて、高級腕時計、宝飾品、貴金属、骨董品等、もしくはそれらのケース等には、ホログラム転写箔の体積ホログラム層の製造の困難性を利用して、真正品である旨の表示のために適用することも出来る。この場合、貼る対象が透明であってもよいが、不透明であってもよい。
【0057】
ホログラム転写箔は、身分証明書、受験票の如きシート、またIDカードのようなカード、また、パスポートのような小冊子に貼ってもよく、また、防火、消毒もしくは防火等の保安、衛生上の等級を示す証書として、あるいはそのための処置を施した事の証書に使用するのに適している。このほか、従来、紙製の証書を貼って封印した用途であって、対象物品が透明で、かつ、ほぼ平板状か、または2次曲面であるものには、原則的に証書に置き換えての使用が可能である。さらに、ホログラム転写箔を貼る対象としては、広く、紙、合成紙、合成樹脂、金属からなるフイルムやシート、あるいはガラス板等で出来た部分を持つ物品に用いることができる。また、体積ホログラムの持つ独特で立体が表現できる特性等を利用し、本や中綴じの週刊誌等の雑誌や、自動車等のガラス窓、プレミアム商品等に貼付するラベルとしても利用できる。
【0058】
体積ホログラム層のホログラム画像としては、上記した対象、用途、目的に合わせたデザインを施すことができ、必要な意味を表現する記号や文宇を自由に含む事ができる。ホログラム画像自体は、実物の撮影以外にホログラム回折格子を計算で求めたり、デジタルカメラで取り込んだデジタル画像やコンピュータグラフィックスから得られる2次元あるいは3次元の画像データから、ホログラフィックステレオグラム技術等の適宜な手段により作成できる。
【0059】
また、用途によって、予め、貼る対象やその部分の形状に合わせて切断しておくとよい。あるいは、離型フィルムを伴うときは、離型フィルム以外の部分に切れ目を入れておくことにより、大きいサイズや巻き取った形のホログラム転写箔から、所定の形状の個々のラベルを取り出して、貼る対象に適用することができる。離型フィルム以外の部分のみに切れ目を入れておくには、ホログラム転写箔の上面側から打ち抜き刃を離型フィルムの厚
み分を残したストロークにより上下動させればよい。また、所定の形状の個々のホログラム転写箔を残して、隣接するホログラム転写箔との間の離型フィルム以外の各層を除去しておいてもよい。この場合、離型フィルムの境界部に、個々のホログラム転写箔を分離可能とするミシン目を施しておいてもよい。
【0060】
以下、本発明を実施例により説明する。
【実施例】
【0061】
(実施例1)
(体積ホログラム形成材料層を有する第1積層体)
PETフィルム{ルミラーT60(膜厚50μm):東レ(株)製)を準備し、体積ホログラム形成材料として、下記組成
・ バインダー樹脂{メチルメタクリレート/グリシジルメタクリレート共重合体(共重合比(質量比)90/10)重量平均分子量50,000)}・・・ 30質量部
・ ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)メタン ・・・ 30質量部
・ 1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル ・・・ 30質量部
・ 光ラジカル重合開始剤(光カチオン重合開始剤兼用)(ジフェニルヨードニウムヘキ
サフルオロアンチモネート) ・・・ 4質量部
・ 増感剤(3,9−ジエチル−3′−カルボキシメチル−2,2′−チアカルボシアニ
ン沃素塩) ・・・ 1質量部
・ 微粒子(旭硝子社製「Fluon L170J、平均粒径200nm)
・・・ 5質量部
からなる組成40質量部と、メチルエチルケトン/メタノール=1/1(質量比)の混合溶媒60質量部とからなる体積ホログラム形成材料を、乾燥膜厚20μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、塗工面に表面離型処理PETフィルム(「SP−PET」膜厚50μm、トーセロ(株)製)をラミネートし、第1積層体とした。
【0062】
(保護層を有する第2積層体)
PETフィルム{ルミラーT60(膜厚50μm):東レ(株)製}を準備し、保護層として、下記組成
・ ポリメチルメタクリレート樹脂(分子量35,000) ・・ 97質量部
・ ポリエチレンワックス(分子量10,000) ・・ 3質量部
・ 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(質量比))・・ 400質量部
をグラビアコーターを使用して、乾燥膜厚1μmの保護層を有する積層体を得た。
【0063】
(体積ホログラム記録)
上記で得た第1積層体に、波長532nmのレーザー光を用いてリップマンホログラムを撮影し記録した。記録後、積層体を100℃の雰囲気中で10分間加熱し、表面離型処理PETフィルムを剥離し、体積ホログラム層を表出させた。
【0064】
表出した体積ホログラム層面に、上記で得た第2積層体をその保護層側から重ね、ニップした80℃の熱ローラ対間を通過させ、PETフィルム/体積ホログラム層/保護層/PETフィルムの積層体とした後、高圧水銀灯を用いて全面に照射線量2500mJ/cm2 の紫外線を照射し、体積ホログラムの定着を行った。
【0065】
(プライマー層の塗工)
体積ホログラムの定着を行ったPETフィルム/体積ホログラム層/保護層/PETフィルムの積層体からPETフィルムを剥離して体積ホログラム層を表出させた後、その体積ホログラム層面に、下記組成
・ 水分散型ポリウレタン樹脂(三井武田ケミカル社製「タケラックW2501」)
・・・ 100質量部
・ ポリイソシアネート硬化剤(三井武田ケミカル社製「タケネートWD−730)
・・・ 5質量部
・イオン交換水 ・・・ 50質量部
からなる材料を、乾燥膜厚1μmとなるようにグラビアコートし、プライマー層を形成した。
【0066】
(ヒートシール層の塗工)
得られたプライマー層/体積ホログラム層/保護層/PETフィルムの積層体におけるプライマー層面に、下記組成
・ ポリエステル樹脂(TOYOBO社製「バイロン550、Tg:−15℃、数平均分子量48,284」) ・・ 20質量部
・ 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(質量比))・・ 80質量部
を、乾燥後膜厚3μmとなるようにグラビアコートにて塗工し、本発明の体積ホログラム転写箔を得た。
【0067】
(実施例2)
プライマー層の塗工に下記組成からなる材料を使用する以外は実施例1と同様にして、本発明の体積ホログラム転写箔を得た。
・ 水分散型ポリウレタン樹脂(日華化学社製「エバファノールHO−30C」)
・・・ 100質量部
・ ポリイソシアネート硬化剤(日華化学社製「NKアシストIS−100N」)
・・・ 7質量部
・イオン交換水 ・・・ 50質量部
(実施例3)
ヒートシール層の塗工に下記組成からなる材料を使用する以外は実施例1と同様にして、本発明の体積ホログラム転写箔を得た。
・ ポリエステル樹脂(TOYOBO社製「バイロンUR8700、Tg:−22℃、数平均分子量29,208」) ・・ 30質量部
・ 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(質量比))・・ 70質量部
(実施例4)
ヒートシール層の塗工に下記組成からなる材料を使用する以外は実施例1と同様にして、本発明の体積ホログラム転写箔を得た。
・ ポリエステル樹脂(TOYOBO社製「バイロナールMD1930、融点:110℃、Tg:−10℃、数平均分子量18,826」) ・・ 50質量部 ・ 溶剤(水/イソプロピルアルコール=1/1(質量比))・・ 50質量部
(実施例5)
ヒートシール層の塗工に下記組成からなる材料を使用する以外は実施例1と同様にして、本発明の体積ホログラム転写箔を得た。
・ ポリエステル樹脂(TOYOBO社製「バイロナールMD1985、融点:110℃、Tg:−20℃、数平均分子量25,248」) ・・ 75質量部
・ シリカ微粒子(富士シリシア社製「サイリシア420」粒径4.1μm)
・・ 12質量部
・ 溶剤(水/イソプロピルアルコール=1/1(質量比))・・ 250質量部
(実施例6)
(プライマー層/ヒートシール層/離型フィルムからなる第3積層体)
膜厚50μmの表面離型処理済みPETフィルム(東セロ(株)製「SP−PET」)を準備し、その離型処理面にヒートシール層、その上にプライマー層の順に下記組成からなる組成物を乾燥後の膜厚がヒートシール層は4μm、プライマー層は1μmとなるように塗工して第3積層体を得た。
【0068】
(ヒートシール層の組成)
・ ポリエステル樹脂(TOYOBO社製「バイロン550、Tg:−15℃、数平均分子量48,284」) ・・ 20質量部
・ 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(質量比))・・ 80質量部
(プライマー層の組成)
・ 水分散型ポリウレタン樹脂(三井武田ケミカル社製「タケラックW2501」)
・・・ 100質量部
・ ポリイソシアネート硬化剤(三井武田ケミカル社製「タケネートWD−730)
・・・ 5質量部
・イオン交換水 ・・・ 50質量部
実施例1において作製した体積ホログラムの定着を行ったPETフィルム/体積ホログラム層/保護層/PETフィルムの積層体からPETフィルムを剥離して体積ホログラム層を表出させた後、その体積ホログラム層面に、第3積層体をプライマー層側から積層し、ニップした120℃の熱ローラ対の間を通過させて、表面離型処理済みPETフィルム/ヒートシール層/プライマー層/体積ホログラム層/保護層/PETフィルムの積層構成を有する本発明の体積ホログラム転写箔を得た。
【0069】
(比較例1)
プライマー層の塗工に下記組成からなる材料を使用する以外は実施例1と同様にして、比較用の体積ホログラム転写箔を得た。
・ ポリエステル樹脂(日本合成化学工業社製「TP−219、Tg:40℃、数平均分子量3,000」) ・・ 20質量部
・ 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(質量比)) ・・ 80質量部
(比較例2)
ヒートシール層の塗工に下記組成からなる材料を使用する以外は比較例1と同様にして、比較用の体積ホログラム転写箔を得た。
・ アクリル樹脂(大日本インキ化学工業社製「TS−413A」)・・ 30質量部
・ 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(質量比)) ・・ 70質量部
(比較例3)
プライマー層の塗工に下記組成からなる材料を使用する以外は実施例1と同様にして、比較用の体積ホログラム転写箔を得た。
・ ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業社製「エスレックBL−1」)
・・ 20質量部
・ 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(質量比)) ・・ 80質量部
(比較例4)
プライマー層の塗工に下記組成からなる材料を使用する以外は実施例1と同様にして、比較用の体積ホログラム転写箔を得た。
・ 有機溶剤型ポリウレタン樹脂(三井武田ケミカル社製「タケラックE−551T」)
・・・ 100質量部
・ ポリイソシアネート硬化剤(三井武田ケミカル社製「タケネートD−140N」)
・・・ 30質量部
・ 溶剤(メチルエチルケトン/トルエン=1/1(質量比))・・ 100質量部
実施例1〜5、比較例1〜4で得られた体積ホログラム転写箔を、140℃、0.5sec、0.7Mpaの条件で、ポリ塩化ビニルカード、ポリエステル樹脂カード(PET−Gカード)、コート紙(三菱製紙(株)製「スイングマット」64.0g/m2 )の被着体にそれぞれ熱圧し、体積ホログラム層を被着体に熱圧転写した。なお、実施例6で得られた体積ホログラム転写箔は、離型フィルムを剥離し熱転写した。
(熱転写性の評価)
ラミネート直後(約2秒後)に基材を保護層との間で剥離し、体積ホログラム層の転写
性を確認した結果を表1に示す。表1における評価において、○印は、被着物にきれいに転写したものを示し、×印は、熱転写しないことを示す。
(転写後の被着体との接着性の評価)
また、転写後、セロテープ(登録商標、ニチバン製)をそれぞれの保護層上から貼り付け、急激に剥がし、被着体と体積ホログラム層との密着性を評価する試験をした結果を同じく表1に示す。表1における評価において、二重丸印は5回テープ密着試験を行い、いずれも体積ホログラム層が被着体に残存した場合、○印はそのうち3回のテープ密着試験において体積ホログラム層が被着体に残存した場合、×印は、そのうちいずれもテープ側に体積ホログラム層が移行した場合である。なお、(−)印は体積ホログラム層が被着体に転写せず、被着体との接着性を評価できなかったことを示す。
【0070】
【表1】

【0071】
実施例1〜6の体積ホログラム転写箔を使用すると被着体への転写性と被着体との密着性共に優れるものであるが、比較例にあっては、被着体への転写性と被着体との密着性との両立ができないものであることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の体積ホログラム転写箔の一例をその断面図で説明するための図である。
【図2】本発明の体積ホログラム転写箔の一例をその断面図で説明するための図である。
【図3】本発明の体積ホログラム積層体をその断面図で説明するための図である。
【符号の説明】
【0073】
1は基材、2は保護層、3は体積ホログラム層、4はプライマー層、5はヒートシール層、6は離型フィルム、7は被着体である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に保護層、体積ホログラム層、プライマー層、熱可塑性樹脂からなるヒートシール層が順次積層され、前記基材から前記保護層、体積ホログラム層、プライマー層、ヒートシール層の順次積層体が剥離可能に積層された体積ホログラム転写箔において、体積ホログラム層がカチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、特定波長の光に感光してラジカル重合性化合物を重合させる光ラジカル重合開始剤系、及び上記特定波長の光に対しては低感光性であり、別の波長の光に感光してカチオン重合性化合物を重合させる光カチオン重合開始剤系とからなる感光材料からなる体積ホログラム記録層であり、また、プライマー層がポリウレタン系接着剤と硬化剤との混合物であり、該混合物の水性分散液を使用して形成されるものであることを特徴とする体積ホログラム転写箔。
【請求項2】
熱可塑性樹脂からなるヒートシール層が、−10℃〜−30℃のガラス転移温度を有するポリエステル樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の体積ホログラム転写箔。
【請求項3】
熱可塑性樹脂からなるヒートシール層が、18,000〜80,000の数平均分子量を有するポリエステル樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の体積ホログラム転写箔。
【請求項4】
熱可塑性樹脂からなるヒートシール層が、微粒子を含有することを特徴とする請求項1記載の体積ホログラム転写箔。
【請求項5】
ヒートシール層上に、さらに離型フィルムが設けられたことを特徴とする請求項1記載の体積ホログラム転写箔。
【請求項6】
被着体上に熱可塑性樹脂からなるヒートシール層、プライマー層、体積ホログラム層、保護層が順次積層された体積ホログラム積層体において、体積ホログラム層がカチオン重合性化合物、ラジカル重合性化合物、特定波長の光に感光してラジカル重合性化合物を重合させる光ラジカル重合開始剤系、及び上記特定波長の光に対しては低感光性であり、別の波長の光に感光してカチオン重合性化合物を重合させる光カチオン重合開始剤系とからなる感光材料からなる体積ホログラム記録層であり、また、プライマー層がポリウレタン系接着剤と硬化剤との混合物であり、該混合物の水性分散液を使用して形成されるものであることを特徴とする体積ホログラム積層体。
【請求項7】
被着体が、ポリエステル樹脂カードであることを特徴とする請求項6記載の体積ホログラム積層体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2007−11319(P2007−11319A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−153299(P2006−153299)
【出願日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】