説明

体細胞の再プログラミング

本開示は、1つまたは複数の体細胞(例えば、部分的に分化した体細胞または完全分化/最終分化した体細胞)をより低い分化状態(例えば、多能性状態または多分化能状態)に再プログラミングする方法に関する。さらなる実施形態では、本発明はまた、本発明の方法によって産生された再プログラミングされた体細胞、かかる細胞の使用、および体細胞の再プログラミングに有用な薬剤の同定方法に関する。本発明は、選択マーカーの発現が、マーカーが連結する内因性多能性遺伝子の発現と実質的に適合するような様式で1つまたは複数の内因性多能性遺伝子が選択マーカーに作動可能に連結する操作された体細胞を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
体細胞をより低い分化状態に再プログラミングする薬剤を同定する方法であって、
(a)体細胞を候補再プログラミング薬と接触させる工程であって、前記体細胞がDNAメチル化減少に感受性である、接触させる工程、および
(b)前記薬剤が体細胞を再プログラミングしない場合に予想されるよりも多数の細胞がDNAメチル化減少に耐性であるかどうかを決定する工程であって、前記候補再プログラミング薬が体細胞を再プログラミングしない場合に予想されるよりも多数の細胞がDNAメチル化減少に耐性を示す場合、前記候補再プログラミング薬は再プログラミング薬として同定される、決定する工程
を含む、方法。
【請求項2】
DNAメチル化減少条件下で培養物中の細胞を維持する工程および前記薬剤が体細胞を再プログラミングしない場合に予想されるよりも多数の細胞が生存するかどうかを決定する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ゲノムDNAのメチル化を減少させるように細胞を処理する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
DNAメチルトランスフェラーゼの発現または活性を阻害する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記細胞をDNAメチルトランスフェラーゼ活性を阻害する薬剤と接触させる工程を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記細胞中の干渉RNAの発現を逆に誘導する工程であって、前記干渉RNAがDNAメチルトランスフェラーゼの発現を阻害する、誘導する工程を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記DNAメチルトランスフェラーゼがDNAメチルトランスフェラーゼIである、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記細胞のゲノムDNA中のメチル化CpG配列の平均数を少なくとも10%減少させるように前記細胞を処理する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記細胞中のDNMT1タンパク質をコードするmRNAの平均レベルを少なくとも50%減少させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記細胞中のDNMT1タンパク質の平均レベルを少なくとも50%減少させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記細胞中のDNMT1メチルトランスフェラーゼ活性の平均レベルを少なくとも50%減少させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
DNAメチル化減少条件下で培養物中の細胞を適切な期間維持する工程であって、前記期間後の生細胞の存在数が、薬剤が体細胞を再プログラミングしない場合に予想されるよりも多いことは、前記候補薬が体細胞をES様状態に再プログラミングすることを示す、維持する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記期間が5日間と30日間との間である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記期間後の生細胞の存在が細胞を薬剤と接触させなかった場合の少なくとも2倍であることは、前記候補薬が体細胞をES様状態に再プログラミングすることを示す、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記候補再プログラミング薬が体細胞を再プログラミングしない場合、前記細胞の少なくとも80%は20日後に増殖を停止するか死滅すると予想される、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記細胞がヒト細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記細胞が有糸分裂終了していない、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
体細胞をES様状態に再プログラミングする再プログラミング薬を同定する方法であって、
(a)体細胞を請求項1に記載の方法にしたがって同定された再プログラミング薬と接触させる工程、および
(b)前記細胞がDNA脱メチル化耐性の増加以外のES細胞の少なくとも1つの特徴を示すかかどうかを決定し、前記特徴を示す場合、候補薬を、体細胞をES様状態に再プログラミングする薬剤であると同定する工程
を含む、方法。
【請求項19】
さらなる特徴が、(i)SCIDマウスに注射した場合に内胚葉、中胚葉、および外胚葉の特徴を有する細胞に分化する能力;(ii)内因性のOct4、Nanog、または両方の発現;(iii)ES細胞マーカーの発現;(iv)出産予定日(term)まで生存するキメラの形成に関与する能力からなる群から選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ES細胞マーカーが、アルカリホスファターゼ(AP)、SSEA−1、SSEA−3、およびSSEA−4からなる群から選択される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
ES様状態に再プログラミングされた可能性が増加する体細胞を同定する方法であって、
(a)体細胞を準備する工程であって、前記体細胞の少なくともいくつかがES様状態に少なくとも部分的に再プログラミングされている、準備する工程、および
(b)DNA脱メチル化耐性である細胞を選択し、それにより、ES様状態に再プログラミングされた可能性が増加する細胞を同定する工程
を含む、方法。
【請求項22】
工程(b)で選択された細胞がES様状態に再プログラミングされている、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記体細胞が外因的に導入した多能性遺伝子を発現する、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記方法が細胞を再プログラミング薬と接触させる工程を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
細胞を評価してDNA脱メチル化耐性以外のES細胞の1つまたは複数の特徴を示すかどうかを決定する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
前記体細胞が内因性DNAメチルトランスフェラーゼにターゲティングしたRNAi薬を可逆的に発現する、請求項21に記載の方法。
【請求項27】
選択された体細胞中のRNAi薬の発現を阻害し、それにより、選択された体細胞のゲノムDNAがメチル化されるようになる工程をさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
2つの転写活性X染色体を有する細胞を選択する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項29】
ES細胞マーカーを発現する細胞を選択する工程をさらに含む、請求項21に記載の方法。
【請求項30】
前記ES細胞マーカーが、アルカリホスファターゼ(AP)、SSEA−1、SSEA−3、およびSSEA−4からなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
ES様状態に少なくとも部分的に再プログラミングされた可能性が増加する体細胞を同定する方法であって、
(a)DNA脱メチル化に感受性である体細胞を準備する工程、
(b)体細胞を再プログラミングすることができる1つまたは複数の処置に前記細胞を供する工程、
(c)細胞を処置してゲノムDNAのメチル化を減少させる工程、
(d)培養物中の細胞を一定期間維持する工程、および
(e)前記期間後に生存する細胞を同定し、それにより、ES様状態に少なくとも部分的に再プログラミングされた可能性が増大する細胞を同定する工程
を含む、方法。
【請求項32】
工程(e)で同定された前記細胞がES様状態に再プログラミングされている、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
工程(b)の少なくとも1つの処置が、再プログラミング薬である小分子と前記細胞を接触させる工程を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
工程(b)の少なくとも1つの処置が細胞を遺伝子でトランスフェクトすることを含み、前記遺伝子が任意選択的に多能性遺伝子である、請求項31に記載の方法。
【請求項35】
前記処置が、Oct−4、Nanog、Sox−2、c−Myc、およびKlf4からなる群から選択される少なくとも2つの遺伝子で前記細胞をトランスフェクトする工程を含む、請求項31に記載の方法。
【請求項36】
細胞を評価してDNA脱メチル化耐性以外のES細胞の1つまたは複数の特徴を示すかどうかを決定する工程をさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
ES細胞マーカーを発現する細胞を選択する工程をさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項38】
前記ES細胞マーカーが、アルカリホスファターゼ(AP)、SSEA−1、SSEA−3、およびSSEA−4からなる群から選択される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
2つの転写活性X染色体を有する細胞を選択する工程をさらに含む、請求項31に記載の方法。
【請求項40】
ES様状態に再プログラミングした体細胞を同定する方法であって、
(a)細胞集団を準備する工程であって、前記細胞集団の少なくともいくつかがES様状態に少なくとも部分的に再プログラミングされており、前記細胞が、選択マーカーの発現が内因性多能性遺伝子の発現に実質的に適合するような様式で、内因性多能性遺伝子の発現を調節する発現調節エレメントに作動可能に連結された選択マーカーをコードするDNAを含む、準備する工程、および
(b)選択マーカーを発現する細胞を同定し、それにより、ES様状態に再プログラミングされた体細胞を同定する工程
を含む、方法。
【請求項41】
前記内因性多能性遺伝子がOct−4またはNanogである、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
ES細胞またはES細胞コロニーの形態学的特徴を有する細胞または細胞のコロニーを選択する工程をさらに含む、請求項40に記載の方法。
【請求項43】
工程(a)の細胞が、Oct−4、Sox−2、c−Myc、Klf4、およびその組み合わせからなる群から選択される1つまたは複数の外因的に導入した遺伝子を含む、請求項40に記載の方法。
【請求項44】
単離された多能性の再プログラミングされた哺乳動物体細胞の精製調製物であって、前記細胞が、(a)内因性のOct4およびNanogを発現し、(b)SCIDマウスに注射した場合に内胚葉、中胚葉、および外胚葉の特徴を有する組織に分化し、(c)少なくとも1つの遺伝子改変(genetic modification)を有し、(d)外因的に導入した多能性遺伝子または内因性多能性遺伝子に作動可能に連結された選択マーカーを発現しない、精製調製物。
【請求項45】
少なくとも50%の細胞がDNA脱メチル化耐性をである、請求項44に記載の細胞の精製調製物。
【請求項46】
DNAメチルトランスフェラーゼI発現が少なくとも50%減少する条件下で前記細胞が生存する、請求項44に記載の細胞の精製調製物。
【請求項47】
前記細胞が前記体細胞のドナーまたは前記体細胞の前駆細胞のドナーと遺伝的に適合し、前記ドナーが細胞療法を必要とする個体である、請求項44に記載の精製調製物。
【請求項48】
再プログラミングされた体細胞を生成する方法であって、
(a)体細胞のES様状態への再プログラミングに寄与する少なくとも1つの外因的に導入した遺伝子を含む体細胞を準備する工程であって、前記細胞は、前記細胞が(i)DNA脱メチル化に耐性であり、(ii)内因性Oct4を発現し、(c)SCIDマウスに注射した場合に内胚葉、中胚葉、および外胚葉の特徴を有する組織に分化する、ES様状態に再プログラミングされている、準備する工程、および
(b)少なくとも1つの前記外因的に導入した遺伝子を機能的に不活化する工程
を含む、方法。
【請求項49】
前記細胞が、Oct−4、Sox−2、c−Myc、およびKlf4をコードする外因的に導入した遺伝子を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
工程(b)が、前記細胞中への部位特異的リコンビナーゼの導入または前記細胞中の部位特異的リコンビナーゼの発現によって前記外因的に導入した遺伝子の少なくとも一部を切り出す工程を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
体細胞をより低い分化状態に再プログラミングする薬剤を同定する方法であって、
(a)2つのX染色体を含む体細胞を準備する工程であって、そのうちの1つが不活性である、準備する工程、
(b)体細胞を候補再プログラミング薬と接触させる工程、
(c)培養物中で前記細胞を維持する工程、
(d)前記培養物中で前記候補薬が体細胞を再プログラミングしない場合に予想されるよりも多数の細胞がその不活性X染色体を再活性化するかどうかを決定する工程であって、前記候補再プログラミング薬が体細胞を再プログラミングしない場合に予想されるよりも多数の細胞がその不活性X染色体を再活性化する場合に前記候補薬を再プログラミング薬として同定する、決定する工程
を含む、方法。
【請求項52】
前記方法が、
(a)2つのX染色体を含む体細胞を準備する工程であって、そのうちの1つが不活性であり、前記X染色体の一方が選択マーカー遺伝子の機能的対立遺伝子を含み、前記X染色体の他方が選択マーカー遺伝子の機能的対立遺伝子を含まない、準備する工程、
(b)選択マーカーを発現しない細胞を選択し、それにより、選択マーカー遺伝子を含むX染色体が不活性である細胞を選択する工程、
(c)工程(b)で選択した体細胞を候補再プログラミング薬と接触させる工程、
(d)選択マーカー遺伝子の機能的対立遺伝子を含むX染色体が不活性なままである場合に予想されるよりも多数の細胞が選択マーカーを発現するかどうかを決定し、それにより、候補再プログラミング薬が体細胞を再プログラミングしない場合に予想されるよりも多数の細胞がその不活性X染色体を再活性化するかどうかを決定する工程、および
(e)候補再プログラミング薬が体細胞を再プログラミングしない場合に予想されるよりも多数の細胞がその不活性X染色体を再活性化する場合、前記候補薬を再プログラミング薬と同定する工程
を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記方法が、細胞を候補再プログラミング薬と接触させた後に選択マーカーの機能的形態を発現する細胞を選択し、それにより、その不活性X染色体が再活性化された細胞を選択する工程を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記選択マーカーが正の選択および負の選択に適切である、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
工程(b)が選択マーカーの機能的形態を発現する細胞が実質的に生存しない条件下で細胞を維持することを含み、工程(d)が選択マーカーの機能的形態を発現しない細胞が実質的に生存しない条件下で細胞を維持することを含む、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記遺伝子が、X染色体上に存在する内因性遺伝子である、請求項52に記載の方法。
【請求項57】
前記遺伝子がヒポキサンチン−グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)をコードする、請求項52に記載の方法。
【請求項58】
前記遺伝子の機能的対立遺伝子を欠くX染色体が前記遺伝子を不活化する操作された遺伝子の変化を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項59】
前記方法が、
(a)2つのX染色体を含む体細胞を準備する工程であって、そのうちの1つが不活性であり、前記X染色体の一方が、その発現を選択することができる第1の選択マーカー遺伝子の機能的対立遺伝子およびその発現を選択することができる第2の選択マーカー遺伝子の機能的形態を含み、前記X染色体の他方が各前記遺伝子の機能的対立遺伝子を欠く、準備する工程、
(b)前記第1の選択マーカーの機能的形態を発現しない細胞を選択し、それにより、機能的対立遺伝子を含むX染色体が不活性である細胞を選択する工程、
(c)体細胞を候補再プログラミング薬と接触させる工程、
(d)前記第2の選択マーカーの機能的形態を発現する細胞を選択し、それにより、その不活性なX染色体を再活性化した細胞を選択する工程、
(e)前記候補再プログラミング薬が体細胞を再プログラミングしない場合に予想されるよりも多数の細胞が不活性なX染色体を再活性化するかどうかを決定する工程、および
(f)前記候補再プログラミング薬が細胞を再プログラミングしない場合に予想されるよりも多数の細胞がその不活性X染色体を再活性化する場合に前記候補薬を再プログラミング薬として同定する工程
を含む、請求項51に記載の方法。
【請求項60】
体細胞のES様状態への再プログラミングに適切な再プログラミング薬を同定する方法であって、
(a)体細胞を請求項51に記載の方法にしたがって同定した再プログラミング薬と接触させる工程、および
(b)前記細胞が2つの転写活性X染色体を有すること以外のES細胞の少なくとも1つの特徴を示すかどうかを決定して、前記特徴を示す場合、前記候補薬を、体細胞をES様状態に再プログラミングする薬剤であると同定する工程
を含む、方法。
【請求項61】
さらなる特徴が、(i)SCIDマウスに注射した場合に内胚葉、中胚葉、および外胚葉の特徴を有する細胞に分化する能力、(ii)内因性のOct4、Nanog、または両方の発現;(iii)ES細胞マーカーの発現;(iv)出産予定日まで生存するキメラの形成に関与する細胞の能力からなる群から選択される、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
ES様状態に再プログラミングされた可能性が増加する体細胞を同定する方法であって、
(a)2つのX染色体を含む体細胞を準備する工程であって、その一方が不活性である、準備する工程、
(b)前記細胞を体細胞を再プログラミングすることができる1つまたは複数の処理に供する工程、および
(c)不活性なX染色体が活性になった細胞を同定し、それにより、ES様状態に再プログラミングされた可能性が増加する細胞を同定する工程
を含む、方法。
【請求項63】
前記方法が、前記細胞を評価して前記細胞が2つの転写活性X染色体を有すること以外のES細胞の1つまたは複数の特徴を示すかどうかを決定する工程をさらに含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
工程(b)が、再プログラミング薬である小分子と前記細胞を接触させる工程を含む、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
工程(b)が、前記細胞を多能性遺伝子でトランスフェクトする工程を含む、請求項62に記載の方法。
【請求項66】
前記体細胞が2つのX染色体を含み、そのうちの1つが不活性であり、前記X染色体の一方が選択マーカー遺伝子の機能的対立遺伝子を含み、前記X染色体の他方が選択マーカー遺伝子の機能的対立遺伝子を含まない、請求項62に記載の方法。
【請求項67】
前記選択マーカー遺伝子が内因性遺伝子である、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記体細胞が2つのX染色体を含み、そのうちの1つが不活性であり、前記X染色体の両方が選択マーカー遺伝子の機能的対立遺伝子を含む、請求項62に記載の方法。
【請求項69】
ES様状態に再プログラミングされた可能性が増加する体細胞を同定する方法であって、
(a)2つのX染色体を含む体細胞を準備する工程であって、そのうちの1つが不活性であり、前記細胞の不活性なX染色体が正の選択および負の選択の両方に有用な選択マーカー遺伝子の機能的対立遺伝子を含み、前記活性なX染色体が前記マーカー遺伝子の機能的対立遺伝子を含まない、準備する工程、
(b)前記細胞を、体細胞を再プログラミングすることができる1つまたは複数の処理に供する工程、および
(c)選択マーカー遺伝子を発現する細胞を選択し、それにより、不活性なX染色体が転写的に活性になり、ES様状態に再プログラミングされた可能性が増加する細胞を選択する工程
を含む、方法。
【請求項70】
前記選択マーカー遺伝子が、前記X染色体上に通常存在する内因性遺伝子である、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記選択マーカー遺伝子がHPRTをコードする、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記活性なX染色体が選択マーカー遺伝子の非機能的対立遺伝子を含み、前記非機能的対立遺伝子が前記対立遺伝子を不活化する変異または操作された変化を有する、請求項69に記載の方法。
【請求項73】
(i)2つのX染色体を含む体細胞を準備する工程であって、そのうちの1つが不活性であり、前記X染色体の一方が選択マーカー遺伝子の機能的対立遺伝子を含み、前記X染色体の他方が選択マーカー遺伝子の機能的対立遺伝子を含まない、準備する工程、
(ii)選択マーカー遺伝子を発現しない細胞を選択し、それにより、不活性なX染色体が選択マーカー遺伝子の機能的対立遺伝子を含む細胞を選択する工程、
(iii)工程(ii)の細胞を体細胞を再プログラミングすることができる1つまたは複数の処理に供する工程、および
(iv)選択マーカー遺伝子を発現する細胞を選択し、それにより、不活性なX染色体が転写的に活性になった細胞を選択する工程
を含む、請求項69に記載の方法。
【請求項74】
前記体細胞が2つのX染色体を含み、そのうちの1つが不活性であり、前記X染色体の両方が正の選択および負の選択の両方に有用な選択マーカー遺伝子の機能的対立遺伝子を含み、前記方法が、
(a)選択マーカー遺伝子を発現しない細胞を選択し、それにより、第1のX染色体が転写的に不活性である細胞集団を得る工程、
(b)前記細胞を、体細胞を再プログラミングすることができる1つまたは複数の処理に供する工程、
(c)前記第1のX染色体上の選択マーカー遺伝子を機能的に不活化する工程、および
(d)選択マーカー遺伝子を発現する細胞を選択し、それにより、前記第2のX染色体が転写的に活性である細胞を選択する工程
を含む、請求項62に記載の方法。
【請求項75】
前記選択マーカー遺伝子が前記X染色体上に通常存在する内因性遺伝子である、請求項74に記載の方法。
【請求項76】
工程(c)が部位特異的リコンビナーゼを使用して選択マーカー遺伝子を機能的に不活化する工程を含む、請求項74に記載の方法。
【請求項77】
体細胞をより低い分化状態に再プログラミングする薬剤を同定する方法であって、
(a)体細胞を候補再プログラミング薬と接触させる工程であって、前記体細胞がDNAメチル化減少に感受性である、接触させる工程、および
(b)DNAメチル化減少に耐性である細胞の量を決定する工程であって、コントロールと比較した場合、DNAメチル化減少に耐性である細胞の量の増加が、候補薬が再プログラミング薬であることを示す、決定する工程
を含む、方法。
【請求項78】
ES様状態に再プログラミングした可能性が増加する体細胞を誘導する方法であって、
(a)細胞の化学的選択に有用な遺伝子改変を含まない体細胞を準備する工程であって、前記細胞の少なくともいくつかが、ES様状態に少なくとも部分的に再プログラミングされている、準備する工程、および
(b)ES細胞またはES細胞コロニーの形態的特徴を有する細胞または細胞のコロニーを選択する工程
を含む、方法。
【請求項79】
前記体細胞が遺伝的に改変されていない、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
準備した前記体細胞が、前記細胞の化学的選択に有用なDNA構築物を含まない、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
準備した前記体細胞が、前記細胞の遺伝的または化学的選択に有用なDNA構築物を含まない、請求項78に記載の方法。
【請求項82】
前記体細胞が、少なくとも1つの外因的に導入した再プログラミング薬を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項83】
前記外因的に導入した再プログラミング薬が、タンパク質形質導入または前記タンパク質をコードする構築物の一過性トランスフェクションによって導入されたタンパク質である、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
工程(a)の体細胞が、1つまたは複数の外因的に導入した多能性遺伝子またはかかる遺伝子によってコードされるタンパク質を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項85】
前記体細胞がOct−4、Sox−2、c−Myc、およびKlf4からなる群から選択される少なくとも2つの非内因性タンパク質を含むか発現する、請求項78に記載の方法。
【請求項86】
工程(a)の体細胞が、Oct−4、Sox−2、c−Myc、Klf4、およびその組み合わせからなる群から選択される1つまたは複数の外因的に導入した遺伝子を含む、請求項78に記載の方法。
【請求項87】
工程(a)の少なくともいくつかの細胞がES様状態に再プログラミングされている、請求項78に記載の方法。
【請求項88】
選択された前記細胞が、以下の特徴:(i)SCIDマウスに注射した場合に内胚葉、中胚葉、および外胚葉の特徴を有する細胞に分化する能力、(ii)内因性のOct4、Nanog、または両方の発現、(iii)ES細胞マーカーの発現、および(iv)出産予定日まで生存するキメラの形成に関与する能力の少なくとも3つを示す、請求項78に記載の方法。
【請求項89】
前記ES細胞マーカーが、アルカリホスファターゼ(AP)、SSEA−1、SSEA−3、SSEA−4、およびTRAF−60からなる群から選択される、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
同定された前記細胞を1つまたは複数の選択工程に供して、ES様細胞をES様状態に再プログラミングされない細胞から分離する工程をさらに含む、請求項78に記載の方法。
【請求項91】
前記1つまたは複数の選択工程が、
(a)ES様状態に再プログラミングされない細胞を溶解するのに十分な補体成分の存在下での細胞の補体媒介溶解に耐性を示す細胞を選択する工程、
(b)体細胞ではなくES細胞に特徴的な細胞表面マーカーの発現に基づいた細胞選別工程、
(c)DNA脱メチル化に耐性である細胞を選択する工程、
(d)2つの活性なX染色体を有する細胞を選択する工程、および
(e)前記コロニーを継代またはサブクローニングする工程、および前記コロニーの細胞の子孫からES様形態を有する細胞または細胞コロニーを同定する工程から選択される、請求項90に記載の方法。
【請求項92】
ES様状態に再プログラミングされた体細胞を同定する方法であって、
(a)細胞集団を準備する工程であって、その少なくともいくつかがES様状態に再プログラミングされており、前記細胞が内因性多能性遺伝子の発現を調節する発現調節エレメントに作動可能に連結された選択マーカーをコードするDNAを含まない、準備する工程、および
(b)ES細胞またはES細胞コロニーに特徴的な形態を有する細胞または細胞コロニーを同定する工程
を含む、方法。
【請求項93】
前記細胞のコロニー由来の細胞または少なくともいくつかの細胞を、かかる形態を欠く集団中の他の細胞と区別する工程をさらに含む、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
工程(a)の細胞が、Oct−4、Sox−2、c−Myc、Klf4、およびその組み合わせからなる群から選択される1つまたは複数の外因的に導入した遺伝子を含む、請求項92に記載の方法。
【請求項95】
ES様状態に再プログラミングされた体細胞を同定する方法であって、
(a)1つまたは複数の再プログラミング薬を細胞に導入する工程であって、前記再プログラミング薬が前記細胞の少なくともいくつかをES様状態に再プログラミングするのに十分である、導入する工程、
(b)前記細胞を、ES様細胞を含むコロニーが発生するのに適切な期間培養物中で維持する工程、および
(c)化学的選択または遺伝的選択を使用せずにES様細胞の少なくとも1つのかかるコロニーを同定する工程
を含む方法。
【請求項96】
工程(a)が、Oct−4、Sox−2、c−Myc、Klf4、およびその組み合わせからなる群から選択される1つまたは複数の遺伝子を細胞に導入することを含む、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
ES様状態に再プログラミングされた体細胞を同定する方法であって、
(a)体細胞集団を準備する工程であって、その少なくともいくつかがES様状態に再プログラミングされており、前記細胞が、内因性多能性遺伝子の発現を調節する発現調節エレメントに作動可能に連結された選択マーカーをコードするDNAを含まない、準備する工程、
(b)(i)細胞溶解に十分な補体成分および(ii)ES様状態に再プログラミングしない体細胞の細胞表面に存在するが、ES細胞によって存在しないか有意でないレベルで発現するマーカーに特異的に結合する補体結合抗体の存在下にて培養物中で前記細胞を維持する工程、および
(c)工程(b)を生存する細胞を単離する工程
を含む、方法。
【請求項98】
前記マーカーがMHCクラスI抗原である、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記有意でないレベルが、体細胞の型と同型の生物由来の線維芽細胞によって発現される平均レベルの10倍より小さい、請求項97に記載の方法。
【請求項100】
単離された多能性の再プログラミングされた哺乳動物体細胞の精製調製物であって、前記細胞が、(a)内因性のOct4およびNanogを発現し、(b)SCIDマウスに注射した場合に内胚葉、中胚葉、および外胚葉の特徴を有する組織に分化し、(c)内因性多能性遺伝子に作動可能に連結された選択マーカーをコードするDNAを含まない、精製調製物。
【請求項101】
前記細胞が遺伝的に改変されていない、請求項100に記載の細胞の精製調製物。
【請求項102】
前記細胞が前記体細胞のドナーまたは前記体細胞の前駆細胞のドナーと遺伝的に適合し、前記ドナーが細胞療法を必要とする個体である、請求項100に記載の細胞の精製調製物。
【請求項103】
再プログラミングされた体細胞を誘導する方法であって、
(a)前記細胞のES様状態への再プログラミングに寄与する少なくとも1つの外因的に導入した遺伝子またはタンパク質を含む体細胞を準備する工程であって、前記細胞が、(i)DNA脱メチル化に耐性を示し、(ii)内因性Oct4を発現し、(c)SCIDマウスに注射した場合に内胚葉、中胚葉、および外胚葉の特徴を有する組織に分化するES様状態に前記細胞が再プログラミングされている、準備する工程、
(b)遺伝的選択または化学的選択を使用せずにES様細胞を単離する工程、および
(c)少なくとも1つの前記外因的に導入した遺伝子を機能的に不活化する工程
を含む、方法。
【請求項104】
前記細胞が、Oct−4、Sox−2、c−Myc、およびKlf4をコードする外因的に導入した遺伝子またはこれらのタンパク質を含む、請求項103に記載の方法。
【請求項105】
工程(b)が、前記細胞における部位特異的リコンビナーゼの導入または前記細胞における部位特異的リコンビナーゼの発現によって前記外因的に導入した遺伝子の少なくとも一部を切り出す工程を含む、請求項103に記載の方法。
【請求項106】
再プログラミングされた細胞を誘導する方法であって、(i)遺伝的に改変されていない細胞集団を準備する工程であって、その少なくともいくつかがES様状態に部分的または完全に再プログラミングされている、準備する工程、(ii)補体媒介溶解を使用して部分的または完全に再プログラミングされた細胞を富化して、少なくともいくつかの非再プログラミング細胞を排除する工程、および(iii)形態的基準を使用して、再プログラミングされた細胞またはかかる細胞を含むコロニーを同定する工程を含む、方法。
【請求項107】
体細胞が、化学的選択または遺伝的選択に有用なマーカーをコードする核酸構築物で遺伝的に改変されない、ES様状態に再プログラミングされた単離体細胞。
【請求項108】
前記細胞が遺伝的に改変されない、請求項107に記載の単離体細胞。
【請求項109】
少なくとも90%の細胞がES様状態に再プログラミングされており、化学的選択または遺伝的選択に有用なマーカーをコードする核酸構築物で遺伝的に改変されない、精製体細胞集団。
【請求項110】
前記細胞が遺伝的に改変されていない、請求項32に記載の精製体細胞集団。
【請求項111】
準備した前記体細胞を、マウス、ラット、ウサギ、家畜、ペット(companion animal)、霊長類、またはヒトから得る、請求項78に記載の方法。
【請求項112】
前記体細胞を、マウス、ラット、ウサギ、家畜、ペット、霊長類、またはヒトから得る、請求項109に記載の精製体細胞集団。
【請求項113】
分化した体細胞を多能性状態に再プログラミングする方法であって、
(a)分化した体細胞を前記細胞の多能性状態への再プログラミングに寄与する少なくとも1つの再プログラミング薬と接触させる工程、
(b)前記細胞を、前記細胞の増殖および前記少なくとも1つの再プログラミング薬の活性に適切な条件下で前記細胞の再プログラミングの開始に十分な期間維持する工程、および
(c)前記少なくとも1つの再プログラミング薬を機能的に不活化する工程
を含む、方法。
【請求項114】
分化した体細胞を多能性状態に再プログラミングする方法であって、
(a)分化した体細胞の多能性状態への再プログラミングに寄与する少なくとも1つの外因的に導入した因子を含む分化した体細胞を準備する工程、
(b)前記細胞を、前記細胞の増殖および前記少なくとも1つの外因的に導入した因子の活性に適切な条件下で少なくとも1つの内因性多能性遺伝子の活性化に十分な期間維持する工程、および
(c)前記少なくとも1つの外因的に導入した因子を機能的に不活化する工程
を含む、方法。
【請求項115】
多能性状態に再プログラミングされた分化した体細胞を選択する方法であって、
(a)分化した体細胞の多能性状態への再プログラミングに寄与する少なくとも1つの外因的に導入した因子を含む分化した体細胞を準備する工程、
(b)前記細胞を、前記細胞の増殖および前記少なくとも1つの外因的に導入した因子の活性に適切な条件下で少なくとも1つの内因性多能性遺伝子の活性化に十分な期間維持する工程、
(c)前記少なくとも1つの外因的に導入した因子を機能的に不活化する工程、および
(d)1つまたは複数の多能性のマーカーを示す細胞と示さない細胞とを区別する工程
を含む、方法。
【請求項116】
前記分化した体細胞が部分的に分化している、請求項113、114、または115に記載の方法。
【請求項117】
前記分化した体細胞が完全に分化している、請求項113、114、または115に記載の方法。
【請求項118】
前記分化した体細胞が造血性系列細胞である、請求項113、114、または115に記載の方法。
【請求項119】
前記分化した体細胞を末梢血から得る、請求項113、114、または115に記載の方法。
【請求項120】
前記分化した体細胞が免疫系細胞である、請求項113、114、または115に記載の方法。
【請求項121】
前記分化した体細胞がマクロファージである、請求項113、114、または115に記載の方法。
【請求項122】
前記分化した体細胞がリンパ球系細胞である、請求項113、114、または115に記載の方法。
【請求項123】
前記分化した体細胞がB細胞である、請求項113、114、または115に記載の方法。
【請求項124】
前記部分的に分化した細胞が未熟B細胞である、請求項116に記載の方法。
【請求項125】
前記未熟B細胞がプレB細胞またはプロB細胞である、請求項116に記載の方法。
【請求項126】
前記完全に分化した細胞が成熟B細胞である、請求項117に記載の方法。
【請求項127】
前記完全に分化した細胞が非ナイーブ成熟B細胞である、請求項117に記載の方法。
【請求項128】
前記少なくとも1つの外因的に導入した因子がポリヌクレオチドである、請求項114または請求項115に記載の方法。
【請求項129】
前記少なくとも1つの外因的に導入した因子がポリペプチドである、請求項114または請求項115に記載の方法。
【請求項130】
前記少なくとも1つの外因的に導入した因子が、Oct4、Sox2、Klf−4、Nanog、Lin28、c−Myc、およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項114または請求項115に記載の方法。
【請求項131】
前記分化した体細胞が、外因的に導入したOct4、Sox2、およびKlf−4を含む、請求項114または請求項115に記載の方法。
【請求項132】
前記分化した体細胞が、外因的に導入したOct4、Sox2、Klf−4、およびc−Mycを含む、請求項114または請求項115に記載の方法。
【請求項133】
前記少なくとも1つの外因的に導入した因子が、Oct4、Sox2、Klf−4、c−Myc、およびその組み合わせからなる群から選択され、前記分化した体細胞が、前記分化した体細胞の脱分化を誘導することができる少なくとも1つの外因的に導入した因子をさらに含む、請求項123に記載の方法。
【請求項134】
前記分化した体細胞の脱分化を誘導することができる少なくとも1つの外因的に導入した因子がポリヌクレオチドである、請求項133に記載の方法。
【請求項135】
前記分化した体細胞の脱分化を誘導することができる少なくとも1つの外因的に導入した因子がポリペプチドである、請求項133に記載の方法。
【請求項136】
前記分化した体細胞が外因的に導入した遺伝子であるOct4、Sox2 およびKlf−4を含み、前記分化した体細胞の脱分化を誘導することができる少なくとも1つの外因的に導入した因子をさらに含む、請求項123に記載の方法。
【請求項137】
前記分化した体細胞の脱分化を誘導することができる少なくとも1つの外因的に導入した因子がポリヌクレオチドである、請求項136に記載の方法。
【請求項138】
前記分化した体細胞の脱分化を誘導することができる少なくとも1つの外因的に導入した因子がポリペプチドである、請求項136に記載の方法。
【請求項139】
前記分化した体細胞が、外因的に導入した遺伝子であるOct4、Sox2、Klf−4、およびc−Mycを含み、前記分化した体細胞の脱分化を誘導することができる少なくとも1つの外因的に導入した因子をさらに含む、請求項123に記載の方法。
【請求項140】
前記分化した体細胞の脱分化を誘導することができる少なくとも1つの外因的に導入した因子がポリヌクレオチドである、請求項139に記載の方法。
【請求項141】
前記分化した体細胞の脱分化を誘導することができる少なくとも1つの外因的に導入した因子がポリペプチドである、請求項139に記載の方法。
【請求項142】
前記分化した体細胞の脱分化を誘導することができる因子が、B細胞後期特異的マーカーを下方制御する少なくとも1つのポリヌクレオチド、Pax5発現を阻害する少なくとも1つのポリヌクレオチド、B細胞後期特異的マーカーを下方制御する少なくとも1つのポリペプチド、Pax5発現を阻害する少なくとも1つのポリペプチド、およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項133に記載の方法。
【請求項143】
前記分化した体細胞の脱分化を誘導することができる因子が、B細胞後期特異的マーカーを下方制御する少なくとも1つのポリヌクレオチド、Pax5発現を阻害する少なくとも1つのポリヌクレオチド、B細胞後期特異的マーカーを下方制御する少なくとも1つのポリペプチド、Pax5発現を阻害する少なくとも1つのポリペプチド、およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項136に記載の方法。
【請求項144】
前記分化した体細胞の脱分化を誘導することができる因子が、B細胞後期特異的マーカーを下方制御する少なくとも1つのポリヌクレオチド、Pax5発現を阻害する少なくとも1つのポリヌクレオチド、B細胞後期特異的マーカーを下方制御する少なくとも1つのポリペプチド、Pax5発現を阻害する少なくとも1つのポリペプチド、およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項139に記載の方法。
【請求項145】
前記分化した体細胞の脱分化を誘導することができる因子が、C/EBPαまたはC/EBPαのヒトホモログである、請求項133に記載の方法。
【請求項146】
前記分化した体細胞の脱分化を誘導することができる因子が、C/EBPαまたはC/EBPαのヒトホモログである、請求項136に記載の方法。
【請求項147】
前記分化した体細胞の脱分化を誘導することができる因子が、C/EBPαまたはC/EBPαのヒトホモログである、請求項139に記載の方法。
【請求項148】
前記少なくとも1つの外因的に導入した因子を、ベクターを使用して導入する、請求項114または請求項115に記載の方法。
【請求項149】
前記少なくとも1つの外因的に導入した因子を、誘導ベクターまたは条件的に発現されるベクターを使用して導入する、請求項114または請求項115に記載の方法。
【請求項150】
前記少なくとも1つの外因的に導入した因子を、メチル化媒介サイレンシングに供さないベクターを使用して導入する、請求項114または請求項115に記載の方法。
【請求項151】
前記少なくとも1つの外因的に導入した因子を、ウイルスベクターを使用して導入する、請求項114または請求項115に記載の方法。
【請求項152】
前記少なくとも1つの外因的に導入した因子を、レトロウイルスベクターを使用して導入する、請求項114または請求項115に記載の方法。
【請求項153】
前記少なくとも1つの外因的に導入した因子を、レンチウイルスベクターを使用して導入する、請求項114または請求項115に記載の方法。
【請求項154】
前記分化した体細胞を、造血性サイトカインおよび成長因子の存在下で維持する、請求項118に記載の方法。
【請求項155】
前記分化した体細胞を、造血性サイトカインおよび成長因子の存在下で維持する、請求項123に記載の方法。
【請求項156】
前記分化した体細胞を、骨髄間質細胞を含む培地上で培養する、請求項118に記載の方法。
【請求項157】
前記分化した体細胞を、骨髄間質細胞を含む培地上で培養する、請求項123に記載の方法。
【請求項158】
前記内因性多能性遺伝子が、Nanog、Oct4、Sox2、およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項114または請求項115に記載の方法。
【請求項159】
前記内因性多能性遺伝子が、選択マーカーと同時発現する、請求項114または請求項115に記載の方法。
【請求項160】
前記選択マーカーが、抗生物質耐性遺伝子または発光マーカーである、請求項159に記載の方法。
【請求項161】
前記分化した体細胞が、前記少なくとも1つの内因性多能性遺伝子の発現を調節する発現調節エレメントに作動可能に連結された選択マーカーをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドをさらに含む、113、114、または115に記載の方法。
【請求項162】
前記分化した体細胞が、Oct4遺伝子座中、Nanog遺伝子座中、またはOct4遺伝子座中およびNanog遺伝子座中の両方に選択遺伝子を含む、請求項113、114、または115に記載の方法。
【請求項163】
前記少なくとも1つの外因的に導入した因子を誘導ベクターを使用して導入し、前記少なくとも1つの外因的に導入した因子を機能的に不活化する工程が、前記細胞が維持される条件を前記ベクターの誘導発現に不適切にすることを含む、請求項113、114、または115に記載の方法。
【請求項164】
前記少なくとも1つの多能性のマーカーが、多能性遺伝子の発現、その発現が多能性遺伝子の発現の直接または間接的な結果である遺伝子の発現、アルカリホスファターゼの発現、SSEA1の発現、SSEA3の発現、SSEA4の発現、TRAF−60の発現、Nanogの発現、Oct4の発現、Fxb15の発現、ES細胞またはES細胞コロニーに特徴的な形態、出産予定日まで生存するキメラの形成に関与する能力、SCIDマウスに注射した場合に内胚葉、中胚葉、および外胚葉の特徴を有する細胞に分化する能力、2つの活性なX染色体の存在、DNAメチル化に対する耐性、およびその組み合わせからなる群から選択される、請求項115に記載の方法。
【請求項165】
再プログラミングされた分化した体細胞に由来する単離多能性細胞。
【請求項166】
再プログラミングされた分化した体細胞に由来する少なくとも70%の多能性細胞を含む精製体細胞集団。
【請求項167】
(a)分化した体細胞の多能性状態への再プログラミングに寄与する少なくとも1つの外因的に導入した因子を含む分化した体細胞を準備する工程、
(b)前記細胞を、前記細胞の増殖および前記少なくとも1つの外因的に導入した因子の活性に適切な条件下で少なくとも1つの内因性多能性遺伝子の活性化に十分な期間維持する工程、
(c)前記少なくとも1つの外因的に導入した因子を機能的に不活化する工程、および
(d)1つまたは複数の多能性のマーカーを示す細胞を示さない細胞と区別する工程
を含む方法によって産生された単離多能性細胞。
【請求項168】
(a)分化した体細胞の多能性状態への再プログラミングに寄与する少なくとも1つの外因的に導入した因子を含む分化した体細胞を準備する工程、
(b)前記細胞を、前記細胞の増殖および前記少なくとも1つの外因的に導入した因子の活性に適切な条件下で少なくとも1つの内因性多能性遺伝子の活性化に十分な期間維持する工程、
(c)前記少なくとも1つの外因的に導入した因子を機能的に不活化する工程、および
(d)1つまたは複数の多能性のマーカーを示す細胞と示さない細胞とを区別する工程
を含む方法によって産生された、再プログラミングされた分化した体細胞に由来する少なくとも70%の多能性細胞を含む精製体細胞集団。
【請求項169】
体細胞から多能性細胞を産生する方法であって、
(a)1つまたは複数の体細胞の多能性状態への再プログラミングに寄与する少なくとも1つの外因的に導入した因子をそれぞれ含む1つまたは複数の体細胞を準備する工程であって、前記外因的に導入した因子を、メチル化誘導サイレンシングに供さない誘導ベクターを使用して導入する、準備する工程、
(b)前記1つまたは複数の細胞を、前記細胞の増殖および前記少なくとも1つの外因的に導入した因子の活性に適切な条件下で少なくとも1つの内因性多能性遺伝子の活性化に十分な期間維持する工程、
(c)前記少なくとも1つの外因的に導入した因子を機能的に不活化する工程、
(d)多能性のマーカーを示す1つまたは複数の細胞を選択する工程、
(e)前記多能性のマーカーを示す1つまたは複数の細胞を使用してキメラ胚を生成する工程、
(f)前記キメラ胚から1つまたは複数の体細胞を得る工程、
(g)前記1つまたは複数の体細胞を、前記細胞の増殖および前記少なくとも1つの外因的に導入した因子の活性に適切な条件下で少なくとも1つの内因性多能性遺伝子の活性化に十分な期間維持する工程、および
(h)1つまたは複数の多能性のマーカーを示す細胞と示さない細胞との間で区別する工程
を含む、方法。
【請求項170】
(a)1つまたは複数の体細胞の多能性状態への再プログラミングに寄与する少なくとも1つの外因的に導入した因子をそれぞれ含む1つまたは複数の体細胞を準備する工程であって、前記外因的に導入した因子を、メチル化誘導サイレンシングに供さない誘導ベクターを使用して導入する、準備する工程、
(b)前記1つまたは複数の細胞を、前記細胞の増殖および前記少なくとも1つの外因的に導入した因子の活性に適切な条件下で少なくとも1つの内因性多能性遺伝子の活性化に十分な期間維持する工程、
(c)前記少なくとも1つの外因的に導入した因子を機能的に不活化する工程、
(d)多能性のマーカーを示す1つまたは複数の細胞を選択する工程、
(e)前記多能性のマーカーを示す1つまたは複数の細胞を使用してキメラ胚を生成する工程、
(f)前記キメラ胚から1つまたは複数の分化した体細胞を得る工程、
(g)前記1つまたは複数の分化した体細胞を、前記細胞の増殖および前記少なくとも1つの外因的に導入した因子の活性に適切な条件下で少なくとも1つの内因性多能性遺伝子の活性化に十分な期間維持する工程、および
(h)1つまたは複数の多能性のマーカーを示す細胞と示さない細胞とを区別する工程
を含む方法によって産生された単離多能性細胞。
【請求項171】
(a)1つまたは複数の体細胞の多能性状態への再プログラミングに寄与する少なくとも1つの外因的に導入した因子をそれぞれ含む1つまたは複数の体細胞を準備する工程であって、前記外因的に導入した因子を、メチル化誘導サイレンシングに供さない誘導ベクターを使用して導入する、準備する工程、
(b)前記1つまたは複数の細胞を、前記細胞の増殖および前記少なくとも1つの外因的に導入した因子の活性に適切な条件下で少なくとも1つの内因性多能性遺伝子の活性化に十分な期間維持する工程、
(c)前記少なくとも1つの外因的に導入した因子を機能的に不活化する工程、
(d)多能性のマーカーを示す1つまたは複数の細胞を選択する工程、
(e)前記多能性のマーカーを示す1つまたは複数の細胞を使用してキメラ胚を生成する工程、
(f)前記キメラ胚から1つまたは複数の分化した体細胞を得る工程、
(g)前記1つまたは複数の分化した体細胞を、前記細胞の増殖および前記少なくとも1つの外因的に導入した因子の活性に適切な条件下で少なくとも1つの内因性多能性遺伝子の活性化に十分な期間維持する工程、および
(h)1つまたは複数の多能性のマーカーを示す細胞と示さない細胞とを区別する工程
を含む方法によって産生された、再プログラミングされた分化した体細胞に由来する少なくとも70%の多能性細胞を含む精製体細胞集団。
【請求項172】
分化した免疫細胞を多能性状態に再プログラミングする方法であって、
(a)それぞれ誘導ベクターの調節下で、外因的に導入したOct4、Sox2、Klf−4、およびc−Mycを含み、外因的に導入したC/EBPαをさらに含む分化した免疫細胞を準備する工程、
(b)前記細胞を、前記細胞の増殖およびOct4、Sox2、Klf−4、c−Myc、およびC/EBPαの活性に適切な条件下で内因性のNanogおよび/またはOct4の活性化に十分な期間維持する工程、および
(c)外因的に導入したOct4、Sox2、Klf−4、およびc−Mycを機能的に不活化する工程
を含む、方法。
【請求項173】
前記誘導ベクターがメチル化誘導サイレンシングに供されない、請求項172に記載の方法。
【請求項174】
(a)それぞれ誘導ベクターの調節下で、外因的に導入したOct4、Sox2、Klf−4、およびc−Mycを含み、外因的に導入したC/EBPαをさらに含む分化した免疫細胞を準備する工程、
(b)前記細胞を、前記細胞の増殖およびOct4、Sox2、Klf−4、c−Myc、およびC/EBPαの活性に適切な条件下で内因性のNanogおよび/またはOct4の活性化に十分な期間維持する工程、および
(c)外因的に導入したOct4、Sox2、Klf−4、およびc−Mycを機能的に不活化する工程
を含む方法によって産生された、再プログラミングされた分化した免疫細胞に由来する少なくとも70%の多能性細胞を含む精製免疫細胞集団。
【請求項175】
再プログラミング薬を同定する方法であって、
(a)1つまたは複数の体細胞の多能性状態への再プログラミングに寄与する少なくとも1つの外因的に導入した因子をそれぞれ含む1つまたは複数の体細胞を準備する工程であって、前記外因的に導入した各因子を、メチル化誘導サイレンシングに供さない誘導ベクターを使用して導入し、その発現を異なるインデューサーによって誘導される調節エレメントによって調節する、準備する工程、
(b)前記1つまたは複数の細胞を、前記細胞の増殖および前記少なくとも1つの外因的に導入した因子の活性に適切な条件下で前記細胞を再プログラミングするか少なくとも1つの内因性多能性遺伝子の活性化に十分な期間維持する工程、
(c)前記少なくとも1つの外因的に導入した因子を機能的に不活化する工程、
(d)多能性のマーカーを示す1つまたは複数の細胞を選択する工程、
(e)前記多能性のマーカーを示す1つまたは複数の細胞を使用してキメラ胚を生成する工程、
(f)前記キメラ胚から1つまたは複数の体細胞を得る工程、
(g)前記1つまたは複数の体細胞を、前記細胞の増殖および前記少なくとも1つの外因的に導入した因子の活性に適切な条件下で維持する工程であって、前記少なくとも1つの外因的に導入した因子の活性のみでは少なくとも1つの内因性多能性遺伝子の活性化に不十分である、維持する工程、
(h)(g)の体細胞を1つまたは複数の候補再プログラミング薬と接触させる工程、および
(i)1つまたは複数の多能性のマーカーを示す前記1つまたは複数の候補再プログラミング薬と接触した細胞を同定する工程であって、(g)の体細胞を1つまたは複数の多能性のマーカーを示すように誘導する候補再プログラミング薬を再プログラミング薬と同定する、同定する工程
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−523117(P2010−523117A)
【公表日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−502158(P2010−502158)
【出願日】平成20年4月7日(2008.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/004516
【国際公開番号】WO2008/124133
【国際公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(500482810)ホワイトヘッド・インスティテュート・フォー・バイオメディカル・リサーチ (7)
【Fターム(参考)】