説明

体腔をマーキングするシステム及び方法

体腔をマーキングするためのシステム及び方法。一実施形態ではシステムは、体腔を検査する手段と、体腔に関する視覚的な情報を伝達するために体腔を視覚的にマーキングする手段とを含む。一実施形態では方法は、体腔を検査する段階と、体腔をマーキング材料でマーキングし腔部に関する視覚的な表示を与える段階とを含む。一実施形態では体腔をマーキングするマーキング材料は、蛍光透視法により見ることができる放射線不透過性造影剤と、内部観察装置を使用して見ることができる着色色素とを含む。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
外科医は、病状を診断又は治療するために体内腔部の検査を求められることが多い。例えば、外科医は、腎臓結石を見つけて除去するために、患者の腎臓の腎杯を検査する場合がある。
【0002】
腎臓の検査及び結石の除去の場合、外科医は複数の腎杯の各々を検査する必要になる場合がある。図1は、外科医が検査する必要のある腎臓を表す典型的な腎臓10を示している。図1に示すように、腎臓10は、複数の小腎杯16が形成された腎皮質14を囲む外部被膜12を含む。小腎杯16の各々は、大腎杯18から延びることができ、大腎杯18は腎盂20から延びている。腎盂20は、腎盂尿管移行部22につながり、腎盂尿管移行部は尿管24に通じている。
【0003】
腎臓10を検査するには、外科医は通常、結石を探して各腎杯を目視検査できるようにするため、内視鏡のような観察装置を腎臓10の腎杯16の各々に挿入する。このような観察装置は、尿道から腎臓に挿入することができる。また、外科医が腎臓10の所望の位置に観察装置を位置決めする助けとなるように、このような施術中に蛍光透視法を用いることもできる。
【0004】
腎臓10を検査する場合に、外科医は、上から下へのアプローチを用いるのが一般的である。このような施術では、外科医は、第1の腎杯16を調べ、これが結石を含むかどうかを判断し、含んでいなければ次の腎杯を調べる。結石が見つかった場合、必要であれば破砕され、回収装置を使用して腎杯16から取り除かれる。この処置は、各腎杯16が検査されて全ての結石又は結石の砕片が取り除かれるまでは腎臓10の上部26から底部28まで継続する。処置の間、外科医又は手術スタッフは、どの腎杯16が検査されたかを追跡して、確実に各腎杯が検査されるように努める。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
数多くの様々な腎杯16を検査する場合があり、観察装置の位置は該観察装置により取り込まれる画像及び取り込まれた蛍光透視画像から推論的に判断することでしか可能でないので、所与の腎杯が検査されたか否かを外科医が確実に知ることは困難であることが多い。その結果、外科医は、1つ又はそれ以上の腎杯を1回又は複数回臨検して、腎杯が確かに検査済みであり結石を含んでいないことを保証する場合がある。この「二重チェック」は、この施術を完了するのに要する時間を長引かせ、従って、患者に対するリスク及び/又は不快感を大きくする。
【0006】
外科医及びスタッフが注意深くどの腎杯16が検査されたかを追跡し続けていたとしても、ミスを犯して1つ又はそれ以上の腎杯が検査されていない結果となる可能性がある。このような場合、1つ又はそれ以上の結石又は結石の砕片が残り、これが更なる結石の形成のもととして作用する可能性がある。
【0007】
結石を取り除く前に破砕する必要がある場合、例えば、結石が大きすぎて1つの片として取り除くことができない場合には、砕石術を行って結石を小砕片に砕くことができる。砕石術を行う場合、結石の砕片が既に調べた腎杯16中に押しやられる可能性がある。このようなことが起こると、1つ又はそれ以上の結石又は結石の砕片が残り、これがやはり更なる結石の形成のもととして作用する可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
体腔をマーキングするシステム及び方法が開示される。一実施形態では、システムは体腔を検査する手段と、体腔に関する視覚情報を伝達するために体腔を視覚的にマーキングする手段とを含む。
【0009】
一実施形態では、方法は、体腔を検査する段階と、体腔をマーキング材料でマーキングし腔部に関する視覚的な表示を与える段階とを含む。
【0010】
一実施形態では、体腔をマーキングするマーキング材料は、蛍光透視法によって見ることができる放射線不透過性造影剤と、内部観察装置を使用して見ることができる着色色素とを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下の図面を参照すれば開示されるシステム及び方法をより良く理解することができる。図面中の構成要素は必ずしも同一の縮尺ではない。
前述のように、外科的処置中に複数の体腔のどれが検査され、又は検査されていないかを追跡することが困難である場合がある。しかしながら、以下で述べるように、マーキング材料を使用してこのような検査の進展を明確に示すことができる。一例として、このようなマーキング材料を使用して、既に検査した1つ又はそれ以上の腔部をマーキングすることができる。或いは、マーキング材料を使用して、例えば取り除くべき対象物を含む、関心のある1つ又はそれ以上の腔部をマーキングすることができる。更に代替として、第1のタイプのマーキング材料を使用して、第1のタイプの腔部(例えば、取り除くべき対象物を含む)をマーキングし、第2のタイプのマーキング材料を使用して第2のタイプの腔部(例えば、取り除くべき対象物を含まない)をマーキングすることができる。マーキング材料は、観察装置を使用して見ることができ、及び/又は蛍光透視法で見ることができるマーキング物質を含む。前者の場合、マーキング物質は色素を含むことができる。後者の場合、マーキング物質は造影剤を含むことができる。
【0012】
次に、同じ参照符号が対応する構成要素を示す図面を参照すると、図2A〜Eは、複数の体内腔部を検査する方法の実施形態の様々なステップを示している。図2A〜2Eの実施例では、体腔は、腎臓結石の検査が行われることになる腎臓の腎杯を含む。本明細書では例証の目的で腎臓の適用例が図示され詳細に説明されるが、本開示のシステム及び方法は、他の体内腔部に適用することも可能である。従って、本開示は、腎臓検査及び結石除去以外の用途を包含するものとする。
【0013】
図2Aから始めると、図1に関連して最初に説明した腎臓10が示されている。上述のように、腎臓10は、取り除かれることになる腎臓結石(図2Aでは見えない)を含む可能性のある複数の腎杯16を含む。図2Aでは、腎杯16の幾つかの本体が見えるが、腎杯の開口部のみが見えるものもある(図2A〜2E中に円で示す)。
【0014】
図2Aに示すように、内部観察装置30は、尿管24を通って腎臓10に挿入されている。実施例として、観察装置30は、外尿道口を介して尿道に挿入された尿管アクセスシース32を通して挿入された尿管鏡を含む。図2Aでは、アクセスシース32の使用を示しているが、代替的に、アクセスシースなしで尿道を通って観察装置30を挿入することもできる。しかしながら、アクセスシース32を使用すると、特に複数の結石砕片を取り除く場合のように、観察装置を繰り返し挿入及び取り外す必要のある場合、観察装置30の挿入及び取り外しが容易になる。代替的な実施形態では、観察装置30を他の方法を用いて、例えば経皮的に腎臓10に挿入することができる。
【0015】
図2Aを更に参照すると、観察装置30は、腎臓10の上部の第1の腎杯34に操作されている。例えば、この腎杯34は、前述のような上から下への検査施術において開始するのに好適な腎杯とすることができる。図2Aに示すように、腎杯34には、取り除く必要がある結石又は他の対象物がない。このため、腎杯34に関してこれ以上の措置は必要ではなく、外科医は、腎臓10の次の腎杯16に移ることができる。
【0016】
上述のように、外科医又は手術スタッフがどの腎杯16を検査し、又は検査していないかを追跡することは困難である場合がある。この問題を回避するために、外科医は、次の腎杯16に移る前に腎杯34をマーキングすることができる。このようにして腎杯34をマーキングすることにより、外科医は、当該腎杯を既に検査したことを容易に判断し、この腎杯をこれ以上検査する必要がないことを理解することができる。幾つかの実施形態では、腎杯34にマーキング材料を充填することによりマーキングを実現することができる。このような施術が図2Bに示されている。この図で示されているように、腎杯34は、マーキング材料36が充填されている。腎杯16全体にこのマーキング材料36が充填されて示しているが、腎杯の一部のみにマーキング材料を充填することにより、腎杯(又は他の腔部)をマーキングしてもよい。例えば、必要に応じて腎杯34の入口だけに充填するようにマーキング材料36を使用することができる。
【0017】
マーキング材料36は、様々な異なる装置及び技術を用いて堆積させることが可能である。幾つかの実施形態では、観察装置30の作業用又は潅注用のチャネルを使用して、腎杯34(又は他の腔部)にマーキング材料36が注入される。他の実施形態では、尿道(図示せず)を通じて挿入される別個のカテーテルを使用して、マーキング材料36が送達される。更に別の実施形態では、シリンジなどの外部注入装置を使用して、マーキング材料36が所望の部位に経皮的に注入される。
【0018】
マーキング材料36が堆積される方法に関係なく、マーキング材料は、観察装置及び蛍光透視法の一方又は両方を使用して見ることができるマーキング物質を含む。幾つかの実施形態では、マーキング材料36は、観察装置30を使用して腎臓内部を調べるときに外科医がマーキング材料を容易に識別することができる1つ又はそれ以上の色素を含む。好適な色素は、例えば、メチレンブルー及びメチレンレッドなどのメチレン色素を含む。このような色素を使用すると、外科医は、腎臓10の当該領域に後で戻ってきたときに、その腎杯34が既に検査されていることを容易に判断することができる。
【0019】
幾つかの実施形態では、マーキング材料36は更に、又は代替的に、蛍光透視法によってマーキング材料及びマーキング材料が配置された腔部を識別できる造影剤を含む。「造影剤」という用語は、蛍光透視法によりモニター可能なあらゆる放射線不透過性材料を意味する。造影剤は、水溶性か又は不水溶性とすることができる。水溶性の造影剤の実施例には、メトリザミド、イオパミドール、イオタラム酸ナトリウム、ヨードミドナトリウム、及びメグルミンがある。不水溶性の造影剤の実施例には、タンタル、酸化タンタル、及び硫酸バリウムがあり、これらの各々は、生体内で使用するのに適切な形態で市販されている。他の不水溶性造影剤には、金、タングステン、及びプラチナがある。色素と同様に、造影剤は、外科医がどの腎杯16(又は他の腔部)が既に検査されているかを判断するのを助ける。
【0020】
幾つかの好ましい実施形態では、マーキング材料36は、堆積前には液体の形態であるが、堆積後又は堆積中はゲルを形成する。幾つかの実施形態では、マーキング材料36は、正常な体温未満では液体形態であるが、体温以上ではゲル状になる感温材料とすることができる。このような材料は、ポリオキシエチレン‐ポリオキシプロピレン(PEO−PPO)ブロック共重合体などの下限臨界溶解温度材料を含む。このような材料を使用すると、材料は液体の形態で腎杯34に送達され、次いで、腎臓10により温められるとゲルに移行する。代替的な感温材料には、正常体温以上では液体の形態であるが、体温未満ではゲルを形成するものがある。このような場合、材料を腎杯34の中に堆積させ、冷却してゲルを形成する。このような材料の実施例には、ゼラチン材料がある。
【0021】
他の実施形態では、マーキング材料36は、混合されるとゲルを形成する2つの別個の成分を含む。このような材料の一例は、架橋剤と接触するとゲルを形成する架橋性ポリマーを含むものである。本発明で使用するのに好適とすることができる架橋性ポリマーは、イオン架橋性ポリマーと非イオン架橋性ポリマーの両方を含む。使用することができる架橋剤は、イオン架橋剤と非イオン架橋剤とを両方含む。イオンによる架橋性ポリマーは、陰イオン架橋剤及び陽イオン架橋剤とそれぞれ併せて使用することができる陰イオン架橋性ポリマーと陽イオン架橋性ポリマーとを含む。
【0022】
使用されるマーキング材料36のタイプに関係なく、マーキング材料は一時的な注入物であり、腎杯34(又は他の腔部)を識別する必要がなくなると、自動的又は手動的に取り除かれる。例えば、マーキング材料36が感温材料である場合、この材料は腎臓内でゆっくりと分解して排出されることになる。任意選択的に、感温性ゲルが分解される速度は、マーキング材料36が高温又は低温でゲルを形成するかに応じて、マーキング材料36を冷却又は加温することにより高めることができる。
【0023】
マーキング材料36が共にゲルを形成する2つの別個の成分を含む場合、マーキング材料の分解は、例えば、ゲルを分解する第3の材料を提供することにより実現すことができる。例えば、マーキング材料36が架橋性ポリマーを含む場合、好適な架橋分解剤を使用してゲルを分解することができ、この場合も材料が排出される。好適な架橋分解剤には、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、無機硫酸塩、エチレンジアミン四酢酸、及びエチレンジメテトラアセテート、クエン酸塩、有機リン酸塩(例えばリン酸セルロース)、無機リン酸塩(例えばトリポリリン酸五ナトリウム、リン酸一カリウム及びリン酸二カリウム、ピロリン酸ナトリウム)、リン酸、コハク酸カルボキシメチルオキシ三ナトリウム、ニトリロ三酢酸、マレイン酸、シュウ酸塩、ポリアクリル酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、又はマグネシウムのイオンがある。
【0024】
更に他の実施形態では、観察装置又は別のカテーテルのルーメンを使用して腎杯からゲルを引き出すことにより、ゲルを除去することができる。
【0025】
マーキング材料36は、場合によっては、自然に分解して時間とともに排出されることもあるが、少なくとも検査手順が続いている間は所定位置に留まることになる。従って、外科医が他の腎杯16(又は他の腔部)に移るときに、マーキング材料36は外科医が既に調べたところに視覚的なマーカーを与え続ける。
【0026】
次いで、図2Cを参照すると、外科医は、観察装置30を第2の腎杯38(この腎杯は図2Cのページ内に延びている)中への挿入に備えて位置付けるように操作している。第2の腎杯38が結石(図2Cでは見えない)を含むと仮定すると、外科医は観察装置30を使用して結石を識別し、次いでこれを取り除くことができる。図2Dを参照すると、外科医が回収装置42を使用して結石40を取り除いている。例証として、回収装置42は、観察装置30の作業チャネルを通して挿入される。このような場合、回収装置42及び観察装置30を本体から一緒に(例えばアクセスシース32を通して)引き抜いて、結石40を取り除くことができる。或いは、回収装置42を観察装置30とは別に、腎臓10中に挿入することができる。
【0027】
結石40が取り除かれた後、第2の腎杯38に他の結石がないと仮定すると、この腎杯を第1の腎杯34に関して上述したのと同様にマーキング材料36でマーキングすることができる。従って、第2の腎杯38は、例えば、図2Eに示したようにマーキング材料36を注入することができる。同様に、このような充填は、観察装置30の作業もしくは灌注チャネル、別個のカテーテル、又は皮内注射器具を使用して行うことができる。
【0028】
上述の処置は、あらゆる腎杯16を検査し、全ての結石を取り除き、検査した全ての腎杯をマーキングするまで同様の方法で継続することができる。このような場合、外科医は、各腎杯が検査されたことを容易に確認することができる。マーキング材料36がゲルを含む場合には、砕石術を行う場合に更に利点を提供する。具体的には、腎杯16又はその入り口にゲルベースのマーキング材料が充填されると、砕石術中に結石から砕けた砕片は、腎杯に入ることができない。従って、外科医は、砕石術後に既に検査した腎杯を再点検する必要がない。
【0029】
図3A及び3Bは、別のマーキング用途の実施例を示している。図3Aから始めると、所与の腎杯44は、除去されることになる複数の結石46を含む。一例として、結石46は、砕石術によって砕かれた大きな結石の砕片を含む。外科医は一度に1つの結石46しか取り除くことができず、又は少なくとも一度に全ての結石を取り除くことはできないと仮定すると、外科医は、観察装置30を引き抜いた後に1回又は複数回この腎杯44に戻ることが必要とすることができる。このような場合、外科医が腎杯44の位置を再配置すること、すなわち腎臓10の他の腎杯16とこの腎杯を見分けることは困難となる可能性がある。このような再配置において外科医の助けとなるように、外科医は、図3Aに示すようにマーキング材料36で腎杯44をマーキングすることができる。腎杯44をマーキングした後、外科医は回収装置42を使用して、マーキング材料36を通して腎杯から結石46を(例えば1つずつ)取り除くことができる。マーキング材料36がゲルの場合、観察装置30及び/又は回収装置42の挿入及び引き抜きにもかかわらず、マーキング材料は所定位置に留まることになる。
【0030】
図4は、別のマーキング用途を示している。この用途では、腎杯48の幾つかは、第1の状態を示す第1のマーキング材料50でマーキングされて、1つの腎杯52は、第2の状態を示す第2のマーキング材料54でマーキングされている。この実施例では、第1の状態には結石がなく、第2の状態には1つ又はそれ以上の結石56がある。マーキング材料50は、1つ又はそれ以上の方法でマーキング材料54と見分けられる。幾つかの実施形態では、マーキング材料50は、マーキング材料54が含むものとは異なる色の色素を含む。このような場合、外科医は、観察装置30を使用して、腎杯の2つのタイプ(例えば結石を含むものと結石を含んでいないもの)を見分けることができる。加えて、又は例外として、マーキング材料50は、マーキング材料54とは異なる濃度の造影剤を含む。このような場合、外科医は蛍光透視画像から腎杯の2つのタイプを見分けることができる。
【0031】
図4に示すように、腎杯48の各々は大腎杯58から延びている。マーキングされる腔部が所与の群又は分岐の腔部の全てを含む場合には、腎杯58全体にマーキング材料50を充填し、腎臓10の当該部分全体が既に調べられたことを示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】腎臓の概略断面図である。
【図2A】観察装置を使用した第1の腎杯の検査を示す、腎臓の概略断面図である。
【図2B】第1の腎杯をマーキング材料でマーキングすることを示す、腎臓の概略断面図である。
【図2C】観察装置を使用した第2の腎杯の検査を示す、腎臓の概略断面図である。
【図2D】回収装置を使用して第2の腎杯から結石を除去することを示す、腎臓の概略断面図である。
【図2E】第2の腎杯をマーキング材料でマーキングすることを示す、腎臓の概略断面図である。
【図3A】第3の腎杯をマーキング材料でマーキングすることを示す、腎臓の概略断面図である。
【図3B】回収装置を使用して第3の腎杯から結石を除去することを示す、腎臓の概略断面図である。
【図4】一群の腎杯に第1のマーキング材料を充填し、別の腎杯を第2のマーキング材料で充填することを示す、腎臓の概略断面図である。
【符号の説明】
【0033】
10 腎臓
12 外部被膜
14 腎皮質
16 小腎杯
18 大腎杯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔をマーキングする方法であって、
体腔を検査する段階と、
前記体腔をマーキング材料でマーキングして前記体腔に関する視覚表示を与える段階と、
を含む方法。
【請求項2】
前記体腔の検査段階が、内部観察装置を使用して前記体腔を検査する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記内部観察装置が内視鏡を含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記体腔の検査段階が、蛍光透視画像を用いて前記体腔を検査する段階を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記体腔のマーキング段階が、前記体腔内で前記マーキング材料を堆積させる段階を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記体腔内に前記マーキング材料を堆積させる段階が、前記体腔全体に充填する段階を含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記体腔内にマーキング材料を堆積させる段階が、前記体腔の入り口にだけ充填する段階を含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記マーキング材料が造影剤を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記マーキング材料が着色されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記体腔が腎臓の腎杯である、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
体腔をマーキングするシステムであって、
体腔を検査する手段と、
前記体腔を視覚的にマーキングして前記体腔に関する視覚情報を伝達する手段と、
を含むシステム。
【請求項12】
前記検査手段が内視鏡を含む、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記検査手段が蛍光透視画像を含む、
請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記マーキング手段が、前記体腔内に堆積されるマーキング材料を含む、
請求項11に記載の装置。
【請求項15】
前記マーキング材料が、放射線不透過性造影剤を含む、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記マーキング材料が着色色素を含む、
請求項14に記載の装置。
【請求項17】
体腔をマーキングするためのマーキング材料であって、
蛍光透視法により見ることができる放射線不透過性造影剤と、
内部観察装置を使用して見ることができる着色色素と
を含むマーキング材料。
【請求項18】
前記マーキング材料が、前記体腔内に堆積される前は液体形態であるが、前記体腔に堆積された後又は堆積中はゲルを形成する、
ことを特徴とする請求項17に記載のマーキング材料。
【請求項19】
前記マーキング材料が温度感受性であり、加温又は冷却されるとゲルに移行する、ことを特徴とする請求項18に記載のマーキング材料。
【請求項20】
前記マーキング材料が、混合時にゲルを形成する別個の成分を含む、
請求項18に記載のマーキング材料。
【請求項21】
尿管鏡を使用して腎臓の第1の腎杯を検査する段階と、
前記第1の腎杯が結石を含むかどうかを判断する段階と、
前記第1の腎杯から結石を取り除く段階と、
前記第1の腎杯にマーキング材料を堆積させ、前記第1の腎杯が検査されて、含まれていた結石が取り除かれたことを示す段階と、
を含む手術方法。
【請求項22】
前記尿管鏡を使用して前記腎臓の第2の腎杯を検査する段階と、
前記第2の腎杯が結石を含むかどうかを判断する段階と、
前記第2の腎杯から結石を取り除く段階と、
前記第2の腎杯にマーキング材料を堆積させ、前記第2の腎杯が検査されて、含まれていた結石が取り除かれたことを示す段階と、
を更に含む、
請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記腎臓の各腎杯に対して前記第1及び第2の腎杯で行った段階を繰り返す段階を更に含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項24】
結石を取り除く段階が、回収装置を使用して結石を取り除く段階を含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項25】
マーキング材料を堆積させる段階が、造影剤を含むマーキング材料を堆積させる段階を含む、
請求項22に記載の方法。
【請求項26】
マーキング材料を堆積させる段階が、着色されたマーキング材料を堆積させる段階を含む、
請求項25に記載の方法。
【請求項27】
尿管鏡を使用して腎臓の腎杯を検査する段階と、
前記腎杯が結石を含むかどうかを判断する段階と、
前記腎杯が結石を含む場合、前記腎杯にマーキング材料を堆積させて結石を含むことを示す段階と、
回収装置を使用して前記腎杯から結石を取り除く段階と、
前記マーキング材料を利用して前記腎杯を再認識する段階と、
別の結石を取り除くために前記腎杯に再び入る段階と、
を含む手術方法。
【請求項28】
第1の腎杯を検査する段階と、
前記第1の腎杯に第1のマーキング材料を堆積させ第1の状態を識別する段階と、
第2の腎杯を検査する段階と、
前記第2の腎杯に前記第1のマーキング材料と視覚的に区別できる第2のマーキング材料を堆積させる段階と、
を含む手術方法。
【請求項29】
前記第1のマーキング材料が第1の濃度の造影剤を含み、前記第2のマーキング材料が第2の濃度の造影剤を含み、前記第1の濃度は前記第2の濃度とは異なる、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1のマーキング材料が第1の色であり、前記第2のマーキング材料が第2の色である、
ことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項31】
複数の体内腔部を検査して前記腔部から対象物を取り除くシステムであって、
前記体腔を体内から直接観察することができる内視鏡と、
前記体腔から対象物を取り除く回収装置と、
前記体腔をマーキングするマーキング材料と、
前記体腔内に前記マーキング材料を堆積させるための送達機構と、
を含む装置。
【請求項32】
前記マーキング材料が造影剤を含む請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記マーキング材料を堆積させる段階が、着色色素を含む、
請求項31に記載の装置。
【請求項34】
前記送達機構が前記内視鏡のチャネルを含む、
請求項31に記載の装置。
【請求項35】
前記送達機構が別個のカテーテルを含む、
請求項31に記載の装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−537730(P2008−537730A)
【公表日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−558204(P2007−558204)
【出願日】平成18年3月1日(2006.3.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/007381
【国際公開番号】WO2006/094105
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(591018693)シー・アール・バード・インコーポレーテッド (106)
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【Fターム(参考)】