説明

作動流体供給装置及び電動アクチュエータ

【課題】本発明は、低電流で高圧力の作動流体を供給可能な作動流体供給装置及び低電流で大きな力を発揮できる電動アクチュエータを提供することを目的とする。
【解決手段】電動アクチュエータ1は、作動流体供給装置10と、可変容積型ポンプ12によって出力された作動流体が入力されて作動するアクチュエータ20と、を備える。作動流体供給装置10は、可変速電動機11と、可変速電動機11に駆動されて作動流体を吐出可能な可変容積型ポンプ12と、可変速電動機11を所望の回転速度となるように制御する電動機制御部13と、可変容積型ポンプ12の吐出圧の増加に伴って、可変容積型ポンプ12の吐出容積が減少するように可変容積型ポンプ12を制御するポンプ制御部14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作動流体を供給可能な作動流体供給装置及び当該作動流体供給装置を用いた
電動アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作動流体を供給可能な作動流体供給装置を用いた電動アクチュエータとして、特許文献1に記載のものが知られている。この電動アクチュエータは、電動機と、電動機の回転に応じて油を出力するポンプと、ポンプによって出力された油を入力されるシリンダと、シリンダの運動に応じて電動機の回転を制御する制御手段と、ポンプによって出力された油をシリンダに流通させるバックアップバルブとを備えている。そして、シリンダに入力される油の圧力が所定圧力以上の圧力になったとき、バックアップバルブが、ポンプによって出力された油の流通を防止する。この構成によると、バックアップバルブが、ポンプによって出力された油の流通を防止することによって、シリンダに加わった負荷に対向するので、ポンプがシリンダに油を供給する必要が無くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−54604号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された電動アクチュエータにおいては、ポンプから高圧力の油を供給する場合は、高トルクを出力できるように電動機を駆動する必要がある。即ち、ポンプを駆動する電動機に大電流を通電させる必要がある。この場合、電動機や当該電動機の制御手段等の発熱量が大きくなってしまう。そして、この発熱により電動機等の温度上昇が生じると、電動アクチュエータの駆動制御に不具合が生じるなど、電動アクチュエータの信頼性を低下させてしまう虞がある。この問題を解決するには十分な放熱面積を必要とし、電動アクチュエータの体積及び重量が増加する傾向にある。また、電動機に大電流を通電させる必要があるため、電動アクチュエータの消費電力が大きくなり問題となる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、低電流で高圧力の作動流体を供給可能な作動流体供給装置及び低電流で大きな力を発揮できる電動アクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0006】
本発明は、作動流体を供給可能な作動流体供給装置及び当該作動流体供給装置を用いた電動アクチュエータに関する。そして、本発明に係る作動流体供給装置及び電動アクチュエータは、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明の作動流体供給装置及び電動アクチュエータは、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
【0007】
上記目的を達成するための本発明に係る作動流体供給装置における第1の特徴は、可変速電動機と、前記可変速電動機に駆動されて作動流体を吐出可能な可変容積型ポンプと、設定された回転速度となるように前記可変速電動機を制御する電動機制御部と、前記可変容積型ポンプの吐出圧の増加に伴って、前記可変容積型ポンプの吐出容積が減少するように前記可変容積型ポンプを制御するポンプ制御部と、を備えることである。
【0008】
この構成によると、可変速電動機に流す電流を過度に大きくすることなく、可変容積型ポンプの吐出圧を高めることができる。更に、可変速電動機の回転速度を過度に大きくすることなく、可変容積型ポンプから吐出される作動流体の流量を増加させることができる。
【0009】
また、本発明に係る作動流体供給装置における第2の特徴は、第1の特徴を備える作動流体供給装置において、前記ポンプ制御部は、前記可変容積型ポンプの吐出圧の増加に伴って、前記可変容積型ポンプの吐出容積が比例的に減少するように前記可変容積型ポンプを制御することである。
【0010】
この構成によると、吐出圧と吐出容積との関係が複雑にならず、可変積型ポンプの制御が容易になる。
【0011】
また、本発明に係る作動流体供給装置における第3の特徴は、第1又は第2の特徴を有する作動流体供給装置において、前記ポンプ制御部は、前記可変容積型ポンプから吐出される作動流体の圧力が作用することにより移動して、前記可変容積型ポンプの吐出容積を増減させる作動部材と、前記作動部材に作用する前記作動流体の圧力に抗して前記作動部材を付勢する弾性部材と、を備えていることである。
【0012】
この構成によると、可変容積型ポンプの吐出圧の増加に伴って、前記可変容積型ポンプの吐出容積が減少するように前記可変容積型ポンプを制御するポンプ制御部を簡易な構成で実現できる。
【0013】
また、本発明に係る作動流体供給装置における第4の特徴は、可変速電動機と、前記可変速電動機に駆動されて作動流体を吐出可能な可変容積型ポンプと、所望の回転速度となるように前記可変速電動機を制御する電動機制御部と、前記可変容積型ポンプの吐出圧が所定の圧力よりも小さい場合は、前記可変容積型ポンプの吐出容積が第1吐出容積になるように前記可変容積型ポンプを制御し、前記可変容積型ポンプの吐出圧が前記所定の圧力に達すると、前記可変容積型ポンプの吐出容積が、前記第1吐出容積よりも小さい第2吐出容積になるように前記可変容積型ポンプを制御するポンプ制御部と、を備えることである。
【0014】
この構成によると、第2吐出容積になるように可変容積型ポンプが制御されることで、可変速電動機に流す電流を過度に大きくすることなく、可変容積型ポンプの吐出圧を高めることができる。更に、第1吐出容積になるように可変容積型ポンプが制御されることで、可変速電動機の回転速度を過度に大きくすることなく、可変容積型ポンプから吐出される作動流体の流量を増加させることができる。
【0015】
また、本発明に係る作動流体供給装置における第5の特徴は、第4の特徴を有する作動流体供給装置において、前記ポンプ制御部は、前記可変容積型ポンプから吐出される作動流体の圧力が作用することにより移動して、前記可変容積型ポンプの吐出容積を増減させる作動部材と、前記作動部材に作用する前記作動流体の圧力に抗して前記作動部材を付勢する弾性部材と、前記可変容積型ポンプと前記作動部材との間に設けられ、前記可変容積型ポンプと前記作動部材とを連通する流路を遮断する第1切換位置と、前記可変容積型ポンプと前記作動部材とを連通する第2切換位置と、に切り換え可能な切換弁と、を備え、前記切換弁は、前記可変容積型ポンプの吐出圧が前記所定の圧力よりも小さい場合は前記第1切換位置に保持され、前記可変容積型ポンプの吐出圧が前記所定の圧力に達すると前記第2切換位置に切り換わることである。
【0016】
この構成によると、前記可変容積型ポンプの吐出圧が所定の圧力よりも小さい場合は、前記可変容積型ポンプの吐出容積が第1吐出容積になるように前記可変容積型ポンプを制御し、前記可変容積型ポンプの吐出圧が前記所定の圧力に達すると、前記可変容積型ポンプの吐出容積が、第2吐出容積になるように前記可変容積型ポンプを制御するポンプ制御部を簡易な構成で実現できる。
【0017】
また、本発明に係る作動流体供給装置における第6の特徴は、可変速電動機と、前記可変速電動機に駆動されて作動流体を吐出可能な可変容積型ポンプと、所望の回転速度となるように前記可変速電動機を制御する電動機制御部と、前記可変速電動機の回転速度が安定してから所定時間が経過するまで、前記可変容積型ポンプの吐出容積が第1吐出容積になるように前記可変容積型ポンプを制御し、前記可変速電動機の回転速度が安定してから所定時間が経過すると、前記可変容積型ポンプの吐出容積が、前記第1吐出容積よりも小さい第2吐出容積になるように前記可変容積型ポンプを制御するポンプ制御部と、を備えることである。
【0018】
この構成によると、前記可変速電動機の回転速度が安定してから所定時間が経過した後は、可変速電動機に流す電流を過度に大きくすることなく、可変容積型ポンプの吐出圧を高めることができる。更に、前記可変速電動機の回転速度が安定してから所定時間が経過する前は、可変速電動機の回転速度を過度に大きくすることなく、可変容積型ポンプから吐出される作動流体の流量を増加させることができる。
【0019】
また、本発明に係る作動流体供給装置における第7の特徴は、第6の特徴を有する作動流体供給装置において、前記ポンプ制御部は、前記可変容積型ポンプから吐出される作動流体の圧力が作用することにより移動して、前記可変容積型ポンプの吐出容積を増減させる作動部材と、前記作動部材に作用する前記作動流体の圧力に抗して前記作動部材を付勢する弾性部材と、前記可変容積型ポンプと前記作動部材との間に設けられ、前記可変容積型ポンプと前記作動部材とを連通する流路を遮断する第1切換位置と、前記可変容積型ポンプと前記作動部材とを連通する第2切換位置と、に切り換え可能な切換弁と、を備え、前記切換弁は、前記可変速電動機の回転速度が安定してから所定時間が経過するまでは前記第1切換位置に保持され、前記可変速電動機の回転速度が安定してから所定時間が経過すると前記第2切換位置に切り換わることである。
【0020】
この構成によると、前記可変速電動機の回転速度が安定してから所定時間が経過するまで、前記可変容積型ポンプの吐出容積が第1吐出容積になるように前記可変容積型ポンプを制御し、前記可変速電動機の回転速度が安定してから所定時間が経過すると、前記可変容積型ポンプの吐出容積が、第2吐出容積になるように前記可変容積型ポンプを制御するポンプ制御部を簡易な構成で実現できる。
【0021】
また、本発明に係る作動流体供給装置における第8の特徴は、第3の特徴又は第5の特徴又は第7の特徴を有する作動流体供給装置において、前記ポンプ制御部は、前記可変容積型ポンプと前記作動部材との間に設けられ、前記可変容積型ポンプから前記作動部材に作用する作動流体の圧力を調整する圧力調整部を備えることである。
【0022】
この構成によると、作動部材に作用する圧力を調整することができる。これにより、前記可変容積型ポンプの吐出容積を制御するポンプ制御部における、前記作動部材及び前記弾性部材の設計の自由度を高めることができる。
【0023】
また、本発明に係る電動アクチュエータにおける第1の特徴は、前記第1〜第8の特徴の組合せ或いはいずれかの特徴を有する作動流体供給装置と、前記可変容積型ポンプによって出力された作動流体が入力されて作動するアクチュエータと、を備えることである。
【0024】
この構成によると、作動流体供給装置により、低電流で高圧力の作動流体をアクチュエータに供給することができるため、低電流で大きな力を発揮することができる。更に、可変速電動機に流す電流を過度に大きくすることなく、可変容積型ポンプから吐出される作動流体の流量を増加させることができるので、低電流で、大流量の作動流体をアクチュエータに供給して当該アクチュエータを駆動させることができる。
【0025】
また、本発明に係る電動アクチュエータにおける第2の特徴は、第1の特徴を有する電動アクチュエータにおいて、航空機の翼の舵面を駆動するために用いることである。
【0026】
航空機の飛行中においては、航空機の翼に設けられる舵面には、空気抵抗による高負荷が作用する(以下、飛行中に舵面に高負荷が作用し、アクチュエータが負荷に対抗して位置を保持した状態をストール状態と称する。)。そのため、ストール状態においては、舵面を駆動するアクチュエータは、空気抵抗による負荷に抗して大きな力を発生することが要求される。一方、例えば、離陸前の待機状態等、舵面に作用する負荷が小さい状態においては、より大きな作動速度で舵面の位置調整を行うことが望まれる。
この点、本構成によれば、低電流で、高圧力の作動流体をアクチュエータに供給可能であるため、ストール状態における消費電力を低減できるとともに、可変速電動機の発熱を抑えることが可能である。更に、舵面に作用する負荷が小さい状態においては、作動速度を大きくすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電動アクチュエータの油圧回路を示す図である。
【図2】図1に示す電動アクチュエータを備えた航空機を示す図である。
【図3】図1に示す可変容積型ポンプの吐出圧と吐出容積との関係を示す図である。
【図4】図1に示す電動アクチュエータにおける、アクチュエータの軸力と作動速度との関係、及び、軸力とモータ電流との関係を示す模式図である。
【図5】変形例における可変容積型ポンプの吐出圧と吐出容積との関係を示す図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る電動アクチュエータの油圧回路を示す図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る電動アクチュエータの油圧回路を示す図である。
【図8】図7に示す可変容積型ポンプの吐出圧と吐出容積との関係を示す図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る電動アクチュエータの油圧回路を示す図である。
【図10】図9に示す可変容積型ポンプの吐出圧と吐出容積との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1実施形態)
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。
【0029】
図1は、本発明の第1実施形態に係る電動アクチュエータの油圧回路を示す図である。
図1において、電動アクチュエータとしてのEHA(Electro Hydorostatic Actuator)1は、本発明の実施形態に係る油圧供給装置10(作動流体供給装置)と、当該油圧供給装置10から供給される油の圧力により駆動される油圧アクチュエータとしての油圧シリンダ20と、を備えている。
【0030】
油圧供給装置10は、サーボモータ11(可変速電動機)と、サーボモータ11の回転に応じて油(作動流体)を2経路(油路41a及び油路42a)に出力可能な可変容積型ポンプ12と、サーボモータ11を設定された回転速度となるように制御するモータ制御装置13(電動機制御部)と、可変容積型ポンプ12の吐出容積を制御するポンプ制御装置14(ポンプ制御部)と、を備えている。
【0031】
尚、可変容積型ポンプ12として、例えば、斜板式アキシアルピストンポンプを用いることができ、この場合、サーボモータ11の駆動軸は可変容積型ポンプ12のシリンダブロックに連結される。
【0032】
また、可変容積型ポンプ12から排出されたドレン油がサーボモータ11の駆動機構内を通過してアキュムレータ30が連結された油路40に排出されるように構成できる。これにより、可変容積型ポンプ12のドレン油を排出するとともに、サーボモータ11の冷却、潤滑等を行うことができる。
【0033】
油圧シリンダ20は、可変容積型ポンプ12によって出力された油を入力されるシリンダである。当該油圧シリンダ20は、シリンダ本体21と、シリンダ本体21内に配置されたピストン22と、ピストン22に一体的に係合されたロッド23とを備えている。そして、シリンダ本体21及びピストン22によって、油路41bを介して油を供給される油供給室20aと、油路42bを介して油を供給される油供給室20bとを形成している。
【0034】
可変容積型ポンプ12と油圧シリンダ20との間には切替弁50が設けられている。切替弁50は、例えば電磁弁やパイロット圧作動型のモード弁等で構成することで、第1切換位置50Aと第2切換位置50Bとに切換可能である。第1切換位置50Aは、油路41aと油路41bとを接続するとともに、油路42aと油路42bとを接続する切換位置である。第2切換位置50Bは、油路41aと油路41bとの間を遮断するとともに、油路42aと油路42bとの間を遮断し、油路41bと油路42bとを絞り通路を介して連通する切換位置である。切替弁50は、例えば電磁弁を使用する場合、外部の制御装置(図示せず)から通電可能に構成されており、通電状態においては第1切換位置50Aに切り換わり、非通電状態においては第2切換位置50Bに切り換わる。
【0035】
サーボモータ11には、当該サーボモータ11の回転位置を検出するセンサ(図示せず)が設けられ、回転速度を演算可能である。当該センサとしては、例えば、レゾルバやホール効果素子、パルスジェネレータ等が用いられる。
【0036】
モータ制御装置13には、サーボモータ11の回転速度を設定するための速度指令生成部(図示せず)が設けられている。そして、モータ制御装置13は、当該速度指令信号と、サーボモータ11に設けられたセンサの位置信号から得られる速度情報と、に基づいてサーボモータ11に所定の電流を供給して、サーボモータ11の回転速度が所望の回転速度となるようにフィードバック制御する。
【0037】
また、モータ制御装置13は、ロッド23の位置を検出する手段(例えば油圧シリンダ20とロッド23にリニア型作動変圧器を配置し、モータ制御装置13に前記リニア型差動変圧器の励磁部や整流処理部を設ける等)を備えていて、当該位置情報に基きサーボモータ11の速度指令を生成し、さらに速度指令と速度フィードバックの差に応じた電流をサーボモータ11に出力することによって、油圧シリンダ20の運動に応じてサーボモータ11の回転を制御することができる。
【0038】
ポンプ制御装置14は、傾斜角調整シリンダ17と、油路41a及び油路42aと当該傾斜角調整シリンダ17とを連通する油路18と、当該油路18に設けられた逆止弁181及び逆止弁182と、を有する。油路18は、油路41aから分岐した油路18aと、油路42aから分岐した油路18bと、これらが合流して傾斜角調整シリンダ17に連通する油路18cと、を有する。
【0039】
逆止弁181は、油路18aに設けられ、油路41aから傾斜角調整シリンダ17への油の流れを許容し、傾斜角調整シリンダ17から油路41aへの油の流れを遮断する。また、逆止弁182は、油路18bに設けられ、油路42aから傾斜角調整シリンダ17への油の流れを許容し、傾斜角調整シリンダ17から油路42aへの油の流れを遮断する。
【0040】
傾斜角調整シリンダ17は、シリンダ本体71と、シリンダ本体71内に配置されたピストン72(作動部材)と、ピストン72に一体的に係合されたロッド73(作動部材)と、ピストン72を付勢するバネ74(弾性部材)と、を備えている。そして、シリンダ本体71及びピストン72によって、油路18cを介して油を供給される第1油供給室17aと、油路43に油を排出可能な第2油供給室17bとを形成している。尚、ピストン72には、第1油供給室17aと第2油供給室17bとを連通する絞り通路72aが形成されている。
【0041】
ロッド73は、シリンダ本体71内におけるピストン72の往復移動に伴ってシリンダ本体71から進退可能である。ロッド73は、可変容積型ポンプ12の斜板に接続されている。そして、ロッド73がシリンダ本体71から進出する方向(以下、進出方向と称する)に移動すると、斜板の傾斜角が小さくなり、ロッド73がシリンダ本体71内に退避する方向(以下、退避方向と称する)に移動すると斜板の傾斜角が大きくなるように構成されている。即ち、ロッド73が進出方向に移動すると、サーボモータ11により可変容積型ポンプ12が1回転されたときに吐出する油の容積(容量)である吐出容積(以下、単に吐出容積と称する)が減少し、ロッド73が退避方向に移動すると吐出容積が増加するように構成されている。
【0042】
バネ74は、第2油供給室17bに配置され、第1油供給室17aを狭める方向(退避方向)にピストン72を付勢する。第1油供給室17aに油圧が発生していない場合においては、ピストン72は、退避方向に向かってバネ74に付勢された状態で、シリンダ本体71の内側端面に当接することで退避方向への移動が拘束されている。また、進出方向に所定量移動した位置において、例えば、シリンダ本体71の内周壁に形成された凸状の座部にピストン72が当接することで、当該ピストン72の進出方向への移動が拘束されるように構成されている。
【0043】
また、EHA1は、油路41a、油路42a、油路41b、及び、油路42bを流通する油の流量が不足した場合に、油路31を介して油を供給するアキュムレータ30を備えている。アキュムレータ30とサーボモータ11とは油路40で連通されている。また、当該油路40から傾斜角調整シリンダ17の第2油供給室17bに油路43が連通している。
【0044】
また、EHA1は、油路41a、油路42a、油路41b、及び、油路42bからアキュムレータ30に油が流入することをそれぞれ防止する逆止弁183、逆止弁184、逆止弁185、及び、逆止弁186を備えている。また、EHA1は、それぞれ油路41a及び油路42aを流通する油の圧力が設定圧力以上になることを防止するリリーフ弁32を備えている。
【0045】
また、アキュムレータ30に蓄えられる油の量が少なくなった場合は、油供給路60につながる油供給源から油を供給できるように構成されている。具体的には、アキュムレータ30に連通する油路31には、油供給路60が接続されている。油供給路60には、フィルタ61と、逆止弁62と、電磁弁63とが設けられている。そして、電磁弁63を通電することで、油供給源とアキュムレータ30に連通する油路31とを連通させることができる。アキュムレータ30から油供給源への油の流れは逆止弁62により遮断される。また、油供給路60は、当該油供給路60を流通する油の圧力が設定圧力以上になると、タンク64に当該油を排出するリリーフ弁65を備えている。
【0046】
また、EHA1のロッド23には、回転支点24を介してアーム25が接続されており、アーム25は、回転支点26を介して、図2に示すような航空機100の舵面110(例えばエルロン、フラッペロン、スポイラ、エレベータ、ラダー等の飛行制御舵面)に接続されている。舵面110は、EHA1によって揺動可能に構成されている。尚、舵面110には、EHA1の他に、当該EHA1の故障等の場合に操作に用いる別のアクチュエータ等が接続される。
【0047】
図2において、航空機100は、矢印Zの方向に飛行し、舵面110は、図1の矢印Y1又はY2の方向に空気抵抗による負荷を受けるようになっている。ここで、ロッド23(図1参照)は、舵面110が矢印Y1の方向に空気抵抗による負荷を受けるとき、図1に示す矢印X1の方向に負荷を受けるようになっている。また、ロッド23(図1参照)は、舵面110が矢印Y2の方向に空気抵抗による負荷を受けるとき、図1に示す矢印X2の方向に負荷を受けるようになっている。
【0048】
次に、第1実施形態に係るEHA1の作用について説明する。
油圧シリンダ20のロッド23に、図1における矢印X2の方向に向かう軸力(即ち、図2における矢印Y1の方向に作用する空気抵抗に対向する軸力)を発生させるためには、サーボモータ11により可変容積型ポンプ12を駆動して油路42a側に油を吐出させる。そして、切替弁50を第1切換位置50Aに切り換える。これにより、油路42a及び油路42bを介して油供給室20bに油が供給され、矢印X2の方向に向かう軸力をロッド23に発生させることができる。尚、このとき油供給室20aの油は、油路41b及び油路41aを介して可変容積型ポンプ12に供給される。
【0049】
また、可変容積型ポンプ12を駆動して油路41a側に油を吐出させることで、油圧シリンダ20のロッド23に図1における矢印X1の方向に向かう軸力を発生させることができる。
【0050】
第1実施形態に係るEHA1においては、可変容積型ポンプ12から吐出される油の圧力(以下、吐出圧と称する)は、油路18(油路18a、油路18b、油路18c)を介してピストン72に作用する。吐出圧が所定の圧力P1を超えると、ピストン72は、バネ74の付勢力に抗して、第2油供給室17bを狭める方向(進出方向)に移動する。そして、吐出圧が大きくなるほど、ピストン72の進出方向への移動量が増加していく。尚、所定の圧力P1はバネ74の付勢力に対応して定まる。
【0051】
つまり、図3に可変容積型ポンプ12の吐出圧と吐出容積との関係を示すように、吐出圧が所定の圧力P1に達するまでは、吐出容積はDmaxで一定である。そして、吐出圧が所定の圧力P1を超えると、可変容積型ポンプ12の吐出容積は、吐出圧の増加に伴って比例的に減少する。
【0052】
また、EHA1においては、吐出圧が所定の圧力Pmaxを超えるとリリーフ弁32が開くように構成されている。そのため、吐出圧が所定の圧力Pmaxを超えることはない。尚、図3において、吐出圧が圧力Pmaxのときの、吐出容積D1は、Dmaxの約20%の容積になるように図示しているが、EHA1に求められる性能に応じてD1をDmaxの5%〜70%の間に設定すれば十分な効果を得ることができる。
【0053】
また、吐出圧が所定の圧力P1よりも大きい状態において、吐出圧が減少した場合は、ピストン72が、退避方向に移動するとともに、ピストン72に形成された絞り通路72aを通って第1油供給室17aから第2油供給室17bに油が移動する。
【0054】
図4は、第1実施形態に係るEHA1における、アクチュエータの軸力(ロッド23により伝達される軸方向の力)とアクチュエータの作動速度(油圧シリンダ20におけるロッド23の移動速度)との関係、及び、アクチュエータの軸力とモータ電流(サーボモータ11に流れる電流)との関係を示す模式図である。また、比較例として、可変容積型ポンプ12の吐出容積を一定に保った場合の上記関係についても併せて示す。
【0055】
図4に示すように、サーボモータ11の回転速度が、例えば所定の回転速度(例えば、最大の回転速度)となるように制御される場合において、アクチュエータの軸力がF1よりも大きくなると、アクチュエータの作動速度は比例的に減少する。即ち、舵面110に対して作用する空気抵抗が大きいほどアクチュエータの作動速度は小さくなる。尚、軸力F1は、可変容積型ポンプ12の吐出圧が所定の圧力P1のときのアクチュエータの軸力である。
【0056】
このとき、モータ電流は、アクチュエータの軸力の増加に従って、最大値Imaxまで増加した後、減少していく。ここで、可変容積型ポンプ12の駆動に要するトルクは、アクチュエータの軸力(即ち吐出圧)と吐出容積の積に比例する。即ち、例えば、吐出容積が一定であれば、アクチュエータの軸力の増加に従って、当該トルクは大きくなる。また、アクチュエータの軸力が一定であれば、吐出容積が大きいほど、当該トルクは大きくなる。
【0057】
第1実施形態のEHA1は、アクチュエータの軸力の増加(即ち、吐出圧の増加)に従って、吐出容積が減少するように構成されている。そのため、アクチュエータの軸力の増加による当該トルクの増加分の少なくとも一部が、吐出容積の減少による当該トルクの減少分により相殺される。これにより、アクチュエータの軸力が、所定の軸力F2に達するまでのモータ電流の増加割合を小さくすることができる。
【0058】
また、アクチュエータの軸力が当該所定の軸力F2よりも大きくなると、アクチュエータの軸力の増加による当該トルクの増加分よりも、吐出容積の減少による当該トルクの減少分が大きくなる。そのため、アクチュエータの軸力の増加に従って、可変容積型ポンプ12の駆動に要するトルクが減少し、モータ電流も当該トルクの変動に追従して減少する。
【0059】
一方、吐出容積を一定に保った場合(比較例)においては、アクチュエータの軸力が大きくなっても、アクチュエータの作動速度は一定に保たれる。このとき、モータ電流はアクチュエータの軸力が大きくなるにつれ比例的に増加していく。アクチュエータの軸力に比例してサーボモータ11で出力すべきトルクが増加し、モータ電流は当該トルクに比例して増加するからである。
【0060】
本実施形態の一例として、アクチュエータが所定の最大軸力Fmaxを発揮するとき(即ち、吐出圧がPmaxのとき)の、可変容積型ポンプ12の吐出容積D1は、アクチュエータの軸力が0のときの第1吐出容積Dmaxの約20%となるように構成したものを記述している。この場合、モータ電流の最大値Imaxは、吐出容積を一定とした場合(比較例)のモータ電流の最大値Imax’の半分以下まで低減することが可能である。尚、アクチュエータが所定の最大軸力Fmaxを発揮している状態での比較によれば、更に低減されていることになる。D1の設定はアクチュエータに求められる性能に応じて変更され、例えばD1がDmaxの5%〜70%の間に設定することで効果を得る事ができ、D1がDmaxに対して小さいほど効果が大きくなる。
【0061】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る油圧供給装置10は、サーボモータ11と、サーボモータ11に駆動されて油を吐出可能な可変容積型ポンプ12と、サーボモータ11を設定された回転速度となるように制御するモータ制御装置13と、可変容積型ポンプ12の吐出圧の増加に伴って、可変容積型ポンプ12の吐出容積が減少するように可変容積型ポンプ12を制御するポンプ制御装置14と、を備える。
【0062】
この構成によると、サーボモータ11に流す電流を過度に大きくすることなく、可変容積型ポンプ12の吐出圧を高めることができる。更に、サーボモータ11の回転速度を過度に大きくすることなく、可変容積型ポンプ12から吐出される油の流量を増加させることができる。
【0063】
また、油圧供給装置10において、ポンプ制御装置14は、吐出圧が所定の圧力P1以上、所定の圧力Pmax以下のときは、可変容積型ポンプ12の吐出圧の増加に伴って、可変容積型ポンプ12の吐出容積が比例的に減少するように可変容積型ポンプ12を制御する。
【0064】
この構成によると、可変容積型ポンプ12の吐出圧と吐出容積との関係が複雑にならず、可変容積型ポンプ12の制御が容易になる。
【0065】
また、油圧供給装置10において、ポンプ制御装置14は、可変容積型ポンプ12から吐出される油の圧力が作用することにより移動して、可変容積型ポンプ12の吐出容積を増減させるロッド73及びピストン72と、ピストン72に作用する油の圧力に抗してピストン72を付勢するバネ74と、を備える。
【0066】
この構成によると、可変容積型ポンプ12の吐出圧の増加に伴って、可変容積型ポンプ12の吐出容積が比例的に減少するように可変容積型ポンプ12を制御するポンプ制御装置14を簡易な構成で実現できる。
【0067】
また、第1実施形態に係るEHA1は、油圧供給装置10と、可変容積型ポンプ12によって出力された作動流体が入力されて作動する油圧シリンダ20と、を備える。
【0068】
この構成によると、油圧供給装置10により、低電流で高圧力の油を油圧シリンダ20に供給することができるため、低電流で大きな軸力を発揮することができる。更に、サーボモータ11の回転速度を過度に大きくすることなく、可変容積型ポンプ12から吐出される油の流量を増加させることができるので、低電流で、大流量の油を油圧シリンダ20に供給してロッド23を高速駆動させることができる。このように、サーボモータ11に流す電流を抑えることができ、当該サーボモータ11の発熱を抑えることができるので、EHA1全体を小型化、軽量化することができる。更に、モータ制御装置13の負荷を下げ、信頼性を向上できる。
【0069】
また、EHA1は、航空機の翼(主翼、垂直尾翼、水平尾翼等)に設けられる、飛行制御用舵面110を駆動するために用いられている。
【0070】
航空機の飛行中においては、航空機の翼に設けられる舵面110には、空気抵抗による高負荷が作用し続けることになる。そのため、ストール状態においては、舵面110を駆動する油圧シリンダ20は、空気抵抗による負荷に抗して大きな力を発生することが要求される。一方、例えば、離陸前の待機状態等、舵面110に作用する負荷が小さい状態においては、より大きな作動速度で舵面110の位置調整を行うことが望まれる。この点、EHA1では、低電流で、高圧力の油を油圧シリンダ20に供給可能であるため、ストール状態における消費電力を低減できるとともに、サーボモータ11の発熱を抑えることが可能である。更に、舵面110に作用する負荷が小さい状態においては、舵面110を駆動する速度を大きくすることが可能である。
【0071】
上述のように、航空機においては、舵面110に作用する負荷が小さい状態においては当該舵面110を高速で作動でき、且つ、大きい負荷が作用した場合でも当該負荷に抗して舵面110を作動できるように構成することを要求される。そして、舵面110に作用する負荷と、要求される舵面110の作動速度と、の関係は、当該負荷の増加に伴って、略比例的に当該作動速度が低下する関係にある。
【0072】
この点、第1実施形態に係る舵面110を駆動するEHA1において、ポンプ制御装置14は、吐出圧が所定の圧力P1以上、所定の圧力Pmax以下のときは、可変容積型ポンプ12の吐出圧の増加に伴って、可変容積型ポンプ12の吐出容積が、上述の、舵面110に作用する負荷と、要求される舵面110の作動速度と、の関係を満たすように、比例的に減少するように可変容積型ポンプ12を制御する。そのため、EHA1は、上記舵面110の制御に特に適している。
【0073】
尚、油圧供給装置10においては、吐出圧が所定の圧力P1に達するまで吐出容積が一定になるように、可変容積型ポンプ12が制御されているが、この場合に限定されない。例えば、図5に示すように、吐出圧が発生したら吐出容積が減少するように構成してもよい。また、図5に示すように、リリーフ弁32が開かれる所定の圧力Pmaxにおいて、吐出容積が0になるように構成してもよい。
【0074】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係るEHA2について説明する。図6は、本発明の第2実施形態に係るEHA2を示す図である。第2実施形態に係るEHA2(電動アクチュエータ)は、第1実施形態におけるEHA1と、油圧供給装置におけるポンプ制御装置の構成が異なっている。他の構成については第1実施形態と同様であるため、同一部材には同一符号を付し説明を省略する。
【0075】
EHA2におけるポンプ制御装置200は、可変容積型ポンプ12と傾斜角調整シリンダ17との間にスプール弁220(圧力調整部)を備えている。
即ち、第2実施形態のポンプ制御装置200は、傾斜角調整シリンダ17と、油路41a及び油路42aと当該傾斜角調整シリンダ17とを連通する油路230と、当該油路230に設けられた逆止弁181及び逆止弁182と、スプール弁220と、を有する。油路230は、油路41aから分岐した油路18aと、油路42aから分岐した油路18bと、これらが合流してスプール弁220に連通する油路230aと、スプール弁220と傾斜角調整シリンダ17とを連通する油路230bと、スプール弁220と油路43とを連通する油路230cと、を有する。尚、油路230aは、スプール弁220を第2切換位置220Bに切り換えるためのパイロット室に連通する。また、スプール弁220を第1切換位置220Aに切り換える方向にバネの付勢力が作用している。
【0076】
スプール弁220は、油路230aの油圧が所定の圧力P2よりも小さい場合は、油路230bと、油路43に接続する油路230cと、を連通し、油路230aを遮断する第1切換位置220Aに切り換わり、油路230aの油圧が所定の圧力P2以上である場合は、油路230aと、傾斜角調整シリンダ17の第1油供給室17aに連通する油路230bと、を連通し、油路230cを遮断する第2切換位置220Bに切り換わる。当該スプール弁220は、スプール位置の切換時において、一時的に、油路230aと油路230bと油路230cとがつながるように構成されている。
【0077】
この構成によると、可変容積型ポンプ12の吐出圧は、油路230aを介してスプール弁220に作用する。油路230aの圧力(吐出圧)が所定の圧力P2よりも小さければ、スプール弁220は、第1切換位置220Aで保持される。この場合、傾斜角調整シリンダ17のピストン72は、定位置に保持される。
一方、吐出圧が増加して、油路230aの圧力が所定の圧力P2に達すると、スプール弁220は、第2切換位置220Bに切り換わる。このとき、一時的に、油路230aと油路230bと油路230cとがつながるため、傾斜角調整シリンダ17のピストン72に作用する圧力が急激に増加することを防ぐことができる。その後、傾斜角調整シリンダ17のピストン72は、進出方向における移動可能な範囲の最端の位置まで移動し、その位置で保持される。
【0078】
また、吐出圧がP2以上の状態から、P2よりも小さい圧力に減少した場合は、スプール弁220は第2切換位置220Bから第1切換位置220Aに切り換わる。そして、第1油供給室17aから油路230bを介して油を排出しながら、ピストン72が、退避方向に移動する。これにより、ピストン72の退避方向への移動が速やかに行われる。
【0079】
以上説明したように、第2実施形態に係るEHA2は、可変容積型ポンプ12とピストン72との間にスプール弁220を備えることにより、ピストン72に作用する圧力を調整することができる。本実施形態においては、可変容積型ポンプ12からピストン72に作用する圧力を減圧することができるため、ピストン72に作用する圧力が急激に増加することを防ぐことができる。これにより、可変容積型ポンプ12の吐出容積が不安定になることを抑制することができる。また、スプール弁220で圧力を調整することで、傾斜角調整シリンダ17の設計の自由度を高めることができる。
【0080】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係るEHA3について説明する。
図7は、本発明の第3実施形態に係るEHA3を示す図である。図8は、図7に示す可変容積型ポンプの吐出圧と吐出容積との関係を示す図である。
第3実施形態に係るEHA3(電動アクチュエータ)は、第2実施形態におけるEHA2と、油圧供給装置におけるポンプ制御装置の構成が異なっている。他の構成については第2実施形態と同様であるため、同一部材には同一符号を付し説明を省略する。
【0081】
EHA3におけるポンプ制御装置300は、可変容積型ポンプ12と傾斜角調整シリンダ370との間に切換弁320を備えている。
即ち、第3実施形態のポンプ制御装置300は、傾斜角調整シリンダ370と、油路41a及び油路42aと当該傾斜角調整シリンダ370とを連通する油路330と、当該油路330に設けられた逆止弁181及び逆止弁182と、切換弁320と、を有する。油路330は、油路41aから分岐した油路18aと、油路42aから分岐した油路18bと、これらが合流して切換弁320に連通する油路330aと、切換弁320と傾斜角調整シリンダ370とを連通する油路330bと、切換弁320と油路43とを連通する油路330cと、を有する。尚、油路330aは、切換弁320を第2切換位置320Bに切り換えるためのパイロット室に連通する。また、油路330bは、切換弁320を第1切換位置320Aに切り換えるためのパイロット室に連通する。
【0082】
切換弁320は、油路330aの油圧から、傾斜角調整シリンダ370の第1油供給室370aに連通する油路330bの油圧を差し引いた圧力差ΔPが、所定の圧力差ΔP3よりも小さい場合は、油路330bと油路43に接続する油路330cとを連通し、油路330aを遮断する第1切換位置320Aに切り換わり、前記圧力差ΔPが、前記所定の圧力差ΔP3以上の場合は、絞り通路を介して油路330aと油路330bとを連通し、油路330cを遮断する第2切換位置320Bに切り換わる。尚、所定の圧力差ΔP3は、切換弁320を第1切換位置320Aに保持するように付勢するバネの付勢力に応じて定まる。
【0083】
また、傾斜角調整シリンダ370は、シリンダ本体371と、シリンダ本体371内に配置されたピストン372(作動部材)と、ピストン372に一体的に係合されたロッド373(作動部材)と、ピストン372を付勢するバネ374(弾性部材)と、を備えている。そして、シリンダ本体371及びピストン372によって、油路330bを介して油を供給される第1油供給室370aと、油路43に油を排出可能な第2油供給室370bとを形成している。
【0084】
傾斜角調整シリンダ370におけるバネ374は、第1油供給室370aに油圧が発生していない状態においてピストン372を退避方向に移動させることができる程度の力で当該ピストン372を付勢するバネである。そして、第1油供給室370aに油圧が伝わると、ピストン372が進出方向における移動可能な範囲の最端の位置まで移動するように構成されている。尚、ピストン372が進出方向の最端の位置まで移動した状態において、可変容積型ポンプ12の第2吐出容積D3が、ピストン372が移動する前の状態の第1吐出容積Dmaxの約50%になるように構成されている。尚、当該第2吐出容積D3を第1吐出容積Dmaxの約50%にする場合に限らず、少なくとも所定量の油を吐出可能な吐出容積に変更して実施してもよい。
【0085】
この構成によると、可変容積型ポンプ12の吐出圧は、油路330aを介して切換弁320に作用する。可変容積型ポンプ12が駆動されていない状態においては、吐出圧は切換弁320に作用しないため、切換弁320は、第1切換位置320Aで保持されている。この場合、傾斜角調整シリンダ370のピストン372は、定位置に保持される。そのため、図8に示すように、可変容積型ポンプ12からの吐出圧が、所定の圧力P3に達するまでは、可変容積型ポンプ12の吐出容積はDmaxで一定となる。尚、所定の圧力P3とは、圧力差ΔPが所定の圧力差ΔP3となるような圧力である。
一方、吐出圧が所定の圧力P3まで増加して、圧力差ΔPが、所定の圧力差ΔP3に達した場合は、絞り通路を介して油路330aと、油路330bと、を連通する第2切換位置320Bに切り換わる。この場合、傾斜角調整シリンダ370のピストン372は、進出方向における移動可能な範囲の最端の位置まで移動し、その位置で保持される。そのため、図8に示すように、吐出圧が、P3以上である場合は、可変容積型ポンプ12の吐出容積はD3で一定となる。
【0086】
また、圧力差ΔPが所定の圧力差ΔP3以上の状態から、ΔP3よりも小さい圧力差に減少した場合は、切換弁320は第1切換位置320Aに切り換わる。そして、第1油供給室370aから油路330bを介して油を排出しながら、ピストン372が、退避方向に移動する。これにより、ピストン372の退避方向への移動が速やかに行われる。
【0087】
以上説明したように、第3実施形態に係るEHA3は、サーボモータ11と、サーボモータ11に駆動されて油を吐出可能な可変容積型ポンプ12と、サーボモータ11を設定された回転速度となるように制御するモータ制御装置13と、可変容積型ポンプ12の吐出圧が所定の圧力P3よりも小さい場合は、可変容積型ポンプ12の吐出容積が第1吐出容積Dmaxになるように可変容積型ポンプ12を制御し、可変容積型ポンプ12の吐出圧が前記所定の圧力P3に達すると、可変容積型ポンプ12の吐出容積が、前記第1吐出容積Dmaxの半分の第2吐出容積D3になるように可変容積型ポンプ12を制御するポンプ制御装置300と、を備える。
【0088】
この構成によると、第2吐出容積D3になるように可変容積型ポンプ12が制御されることで、サーボモータ11に流す電流を過度に大きくすることなく、可変容積型ポンプ12の吐出圧を高めることができる。更に、第1吐出容積Dmaxになるように可変容積型ポンプ12が制御されることで、サーボモータ11の回転速度を過度に大きくすることなく、可変容積型ポンプ12から吐出される油の流量を増加させることができる。
【0089】
また、EHA3において、ポンプ制御装置300は、可変容積型ポンプ12から吐出される油の圧力が作用することにより移動して、可変容積型ポンプ12の吐出容積を増加させるピストン372及びロッド373と、ピストン372に作用する油の圧力に抗してピストン372を付勢するバネ374と、可変容積型ポンプ12とピストン372との間に設けられ、可変容積型ポンプ12とピストン372とを連通する流路を遮断する第1切換位置320Aと、可変容積型ポンプ12とピストン372とを連通する第2切換位置320Bと、に切り換え可能な切換弁320と、を備える。切換弁320は、可変容積型ポンプ12の吐出圧が所定の圧力P3よりも小さい場合は第1切換位置320Aに保持され、可変容積型ポンプ12の吐出圧が所定の圧力P3に達すると第2切換位置320Bに切り換わる。
【0090】
この構成によると、可変容積型ポンプ12の吐出圧が所定の圧力P3よりも小さい場合は、可変容積型ポンプ12の吐出容積が第1吐出容積Dmaxになるように可変容積型ポンプ12を制御し、可変容積型ポンプ12の吐出圧が所定の圧力P3に達すると、可変容積型ポンプ12の吐出容積が、第2吐出容積D3になるように可変容積型ポンプ12を制御するポンプ制御装置200を簡易な構成で実現できる。
【0091】
尚、第3実施形態においては、油路330bが、切換弁320を第1切換位置320Aに切り換えるためのパイロット室に連通しているが、この場合に限らず、当該パイロット室を有さない構成としてもよい。この場合は、切換弁320を第2切換位置320Bに切り換えるためのパイロット室に油路330aから作用する圧力と、切換弁320を第1切換位置320Aに切り換える方向に作用するバネの付勢力と、に基づいて、切換弁320が切り換わる。
【0092】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係るEHA4について説明する。
図9は、本発明の第4実施形態に係るEHA4を示す図である。また、図10は、図9に示す可変容積型ポンプ12の吐出圧と吐出容積との関係を示す図である。第4実施形態に係るEHA4(電動アクチュエータ)は、第3実施形態におけるEHA3と、油圧供給装置におけるポンプ制御装置の構成が異なっている。他の構成については第3実施形態と同様であるため、同一部材には同一符号を付し説明を省略する。
【0093】
EHA4におけるポンプ制御装置400は、可変容積型ポンプ12と傾斜角調整シリンダ370との間に設けられた電磁切換弁420と、当該電磁切換弁420を通電して切り換えることができる弁切換装置421と、を備えている。(弁切換装置421は必要に応じ電動機制御装置13に内蔵することもできる。)
即ち、第4実施形態のポンプ制御装置400は、傾斜角調整シリンダ370と、油路41a及び油路42aと当該傾斜角調整シリンダ370とを連通する油路430と、当該油路430に設けられた逆止弁181及び逆止弁182と、電磁切換弁420と、弁切換装置421と、を有する。油路430は、油路41aから分岐した油路18aと、油路42aから分岐した油路18bと、これらが合流して電磁切換弁420に連通する油路430aと、電磁切換弁420と傾斜角調整シリンダ370とを連通する油路430bと、電磁切換弁420と油路43とを連通する油路430cと、を有する。
【0094】
電磁切換弁420は、非通電状態においては、油路430bと油路430cとを連通し、油路430aを遮断する第1切換位置420Aに保持され、弁切換装置421から通電されることで、絞り通路を介して油路430aと油路430bとを連通し、油路430cを遮断する第2切換位置420Bに切り換わる。
【0095】
弁切換装置421は、サーボモータ11の回転速度が安定してから所定時間が経過すると、電磁切換弁420を通電するように構成されている。
【0096】
これにより、電磁切換弁420は、サーボモータ11の回転速度が安定してから所定時間が経過するまでは第1切換位置420Aに保持される。この場合、傾斜角調整シリンダ370のピストン372は、定位置に保持される。そのため、図10に示すように、サーボモータ11の回転速度が安定してから所定時間が経過するまでは、可変容積型ポンプ12の吐出容積はDmaxで一定となる。サーボモータ11の回転開始から所定時間が経過すると第2切換位置420Bに切り換わる。この場合、傾斜角調整シリンダ370のピストン372は、進出方向における移動可能な範囲の最端の位置まで移動し、その位置で保持される。そのため、図10に示すように、サーボモータ11の回転速度が安定してから所定時間が経過した後は、可変容積型ポンプ12の吐出容積はD3で一定となる。
【0097】
また、サーボモータ11の回転速度が安定してから所定時間が経過した後、サーボモータ11の回転を再度変化させた場合は、電磁切換弁420は第1切換位置420Aに切り換わる。そして、第1油供給室370aから油路430bを介して油を排出しながら、ピストン372が、退避方向に移動する。これにより、ピストン372の退避方向への移動が速やかに行われる。
【0098】
以上説明したように、第4実施形態に係るEHA4は、サーボモータ11と、サーボモータ11に駆動されて油を吐出可能な可変容積型ポンプ12と、サーボモータ11を設定された回転速度となるように制御するモータ制御装置13と、サーボモータ11の回転速度が安定してから所定時間が経過するまで、可変容積型ポンプ12の吐出容積が第1吐出容積Dmaxになるように可変容積型ポンプ12を制御し、サーボモータ11の回転開始から所定時間が経過すると、可変容積型ポンプ12の吐出容積が、第2吐出容積D3になるように可変容積型ポンプ12を制御するポンプ制御装置400と、を備える。
【0099】
この構成によると、サーボモータ11の回転速度が安定してから所定時間が経過した後は、サーボモータ11に流す電流を過度に大きくすることなく、可変容積型ポンプ12の吐出圧を高めることができる。更に、サーボモータ11の回転速度が安定してから所定時間が経過する前は、サーボモータ11の回転速度を過度に大きくすることなく、可変容積型ポンプ12から吐出される油の流量を増加させることができる。
【0100】
また、EHA4において、ポンプ制御装置400は、可変容積型ポンプ12から吐出される油の圧力が作用することにより移動して、可変容積型ポンプ12の吐出容積を増減させるピストン372及びロッド373と、ピストン372に作用する油の圧力に抗してピストン372を付勢するバネ374と、可変容積型ポンプ12とピストン372との間に設けられ、可変容積型ポンプ12とピストン372とを連通する流路を遮断する第1切換位置420Aと、可変容積型ポンプ12とピストン372とを連通する第2切換位置420Bと、に切り換え可能な電磁切換弁420と、を備える。電磁切換弁420は、弁切換装置421により、サーボモータ11の回転速度が安定してから所定時間が経過するまでは第1切換位置420Aに保持され、サーボモータ11の回転速度が安定してから所定時間が経過すると第2切換位置420Bに切り換えられる。
【0101】
この構成によると、サーボモータ11の回転速度が安定してから所定時間が経過するまで、可変容積型ポンプ12の吐出容積が第1吐出容積Dmaxになるように可変容積型ポンプ12を制御し、サーボモータ11の回転速度が安定してから所定時間が経過すると、可変容積型ポンプ12の吐出容積が、第2吐出容積D3になるように可変容積型ポンプ12を制御するポンプ制御装置400を簡易な構成で実現できる。
【0102】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができるものである。
【0103】
(1)可変容積型ポンプとして、シリンダブロックを回転する斜板式アキシアルピストンポンプを用いる場合に限らず、斜板を回転させる回転斜板式のピストンポンプ、駆動軸の傾斜によってピストンの往復運動を生じさせる斜軸式のピストンポンプ、その他の可変容積型ポンプを用いることができる。また、斜板式のポンプにおいては、シュー(スリッパ)を用いずに、斜板にベアリングを埋め込み、ピストン頭部接触面の回転を許す構造を用いることもできる。
【0104】
(2)第3実施形態及び第4実施形態のように、吐出容積を2段階とする場合に限らず、複数段階に変化させてもよい。
【0105】
(3)ポンプ制御部は、可変容積型ポンプから吐出される油の圧力により作動する傾斜角調整シリンダ17等を用いる場合に限らない。例えば、可変容積型ポンプの吐出圧を測定する油圧測定装置からの測定結果に基づいて、可変容積型ポンプの吐出容積を変化させる構成であってもよい。
【0106】
(4)傾斜角調整シリンダ17のピストン72にダンパーを設けることで、急激なピストン72の移動を抑制することができ、安全性を高めることができる。
【0107】
(5)可変速電動機は、表面磁石型、或いは埋め込み磁石型のブラシレスモータや、スイッチトリラクタンスモータ、シンクロナスモータ、ブラシ付きモータ等、様々なモータを使用することができる。また、可変速電動機を制御するための電動機制御部は、可変速電動機と一体に構成してもよいし、別置きとしてもよい。
【0108】
(6)本発明の電動アクチュエータは、航空機の翼の舵面を駆動するために用いる場合に限らず、他の用途にも適用することができる。また、本発明の作動流体供給装置は、作動流体が入力されて作動するアクチュエータに用いる場合に限らず、他の用途に適用することもできる。
【0109】
(7)作動流体として油を用いる構成に限らず、例えば、作動流体として空気を用いた圧縮空気供給装置にも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0110】
1 EHA(電動アクチュエータ)
10 油圧供給装置(作動流体供給装置)
11 サーボモータ(可変速電動機)
12 可変容積型ポンプ
13 モータ制御装置(電動機制御部)
14 ポンプ制御装置(ポンプ制御部)
17 傾斜角調整シリンダ
71 シリンダ本体
72 ピストン(作動部材)
73 ロッド(作動部材)
74 バネ(弾性部材)
100 航空機
110 舵面
220 スプール弁(圧力調整部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変速電動機と、
前記可変速電動機に駆動されて作動流体を吐出可能な可変容積型ポンプと、
所望の回転速度となるように前記可変速電動機を制御する電動機制御部と、
前記可変容積型ポンプの吐出圧が所定の圧力よりも小さい場合は、前記可変容積型ポンプの吐出容積が第1吐出容積になるように前記可変容積型ポンプを制御し、前記可変容積型ポンプの吐出圧が前記所定の圧力に達すると、前記可変容積型ポンプの吐出容積が、前記第1吐出容積よりも小さい第2吐出容積になるように前記可変容積型ポンプを制御するポンプ制御部と、
を備える作動流体供給装置。
【請求項2】
前記ポンプ制御部は、
前記可変容積型ポンプから吐出される作動流体の圧力が作用することにより移動して、前記可変容積型ポンプの吐出容積を増減させる作動部材と、
前記作動部材に作用する前記作動流体の圧力に抗して前記作動部材を付勢する弾性部材と、
前記可変容積型ポンプと前記作動部材との間に設けられ、前記可変容積型ポンプと前記作動部材とを連通する流路を遮断する第1切換位置と、前記可変容積型ポンプと前記作動部材とを連通する第2切換位置と、に切り換え可能な切換弁と、
を備え、
前記切換弁は、前記可変容積型ポンプの吐出圧が前記所定の圧力よりも小さい場合は前記第1切換位置に保持され、前記可変容積型ポンプの吐出圧が前記所定の圧力に達すると前記第2切換位置に切り換わる請求項1に記載の作動流体供給装置。
【請求項3】
可変速電動機と、
前記可変速電動機に駆動されて作動流体を吐出可能な可変容積型ポンプと、
所望の回転速度となるように前記可変速電動機を制御する電動機制御部と、
前記可変速電動機の回転速度が安定してから所定時間が経過するまで、前記可変容積型ポンプの吐出容積が第1吐出容積になるように前記可変容積型ポンプを制御し、前記可変速電動機の回転速度が安定してから所定時間が経過すると、前記可変容積型ポンプの吐出容積が、前記第1吐出容積よりも小さい第2吐出容積になるように前記可変容積型ポンプを制御するポンプ制御部と、
を備える作動流体供給装置。
【請求項4】
前記ポンプ制御部は、
前記可変容積型ポンプから吐出される作動流体の圧力が作用することにより移動して、前記可変容積型ポンプの吐出容積を増減させる作動部材と、
前記作動部材に作用する前記作動流体の圧力に抗して前記作動部材を付勢する弾性部材と、
前記可変容積型ポンプと前記作動部材との間に設けられ、前記可変容積型ポンプと前記作動部材とを連通する流路を遮断する第1切換位置と、前記可変容積型ポンプと前記作動部材とを連通する第2切換位置と、に切り換え可能な切換弁と、
を備え、
前記切換弁は、前記可変速電動機の回転速度が安定してから所定時間が経過するまでは前記第1切換位置に保持され、前記可変速電動機の回転速度が安定してから所定時間が経過すると前記第2切換位置に切り換わることを特徴とする請求項3に記載の作動流体供給装置。
【請求項5】
前記ポンプ制御部は、
前記可変容積型ポンプと前記作動部材との間に設けられ、前記可変容積型ポンプから前記作動部材に作用する作動流体の圧力を調整する圧力調整部を備える請求項2又は請求項4に記載の作動流体供給装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の作動流体供給装置と、
前記可変容積型ポンプによって出力された作動流体が入力されて作動するアクチュエー
タと、を備える電動アクチュエータ。
【請求項7】
航空機の翼の舵面を駆動するために用いることを特徴とする請求項6に記載の電動アク
チュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−36616(P2013−36616A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−214634(P2012−214634)
【出願日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【分割の表示】特願2008−116716(P2008−116716)の分割
【原出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】