説明

作業室

【課題】開梱されたりした物品に紙片などの塵埃を付着させないで搬出できる作業室の提供。
【解決手段】天井から清浄空気を放出し、床から排気をして室内の空気を清浄に保つ作業チャンバと、前記作業チャンバ内で取り扱われた取扱物品を前記作業チャンバ外へ搬出する搬送装置と、前記搬送装置上で前記取扱物品の表面又は表面に付着している塵埃の静電気を除電して、前記取扱物品に付着している塵埃を除去する静電除塵装置とを備えたことを特徴とする作業室。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の開梱等を行う作業室に関する。
【背景技術】
【0002】
食品製造加工業をはじめとする多くの製造業では、原材料となる物品を外装材で梱包して工場内へ搬入し、使用前に開梱して原材料となる物品を取り出している。その際、原材料となる物品に塵埃が付着したり混入したりすることは製造工程においても、最終製品の品質管理の面においても好ましくない。特に、食品加工業においては、製造工程への異物の混入は絶対に避けねばならない。この為、食品加工における作業室は、常に清浄な空気を放出したり、作業員や物品の入室時にはエアーシャワーなどで塵埃を除去している。
【0003】
エアーシャワーには多くの技術が知られているが、例えば、空気の噴き出しや排気の構造に工夫をしたもの(特許文献1参照)や帯電エアーシャワー(特許文献2参照)等がある。また、エアーシャワーとしては、作業室の入り口に設置するだけでなく、作業室の壁をエアーシャワーで構成する方法も知られている。特許文献3には、天井からコロナ放電により生成したイオン風を噴射し、対応する床面に局所排気装置を設置して、所謂イオン風のエアーカーテンを形成することにより作業室を清浄にしている。しかし、これらはあくまでも作業室への入室の際に外部から塵埃等を持ち込まないようにする設備である。
【0004】
作業室で取扱物品に付着したり混入したりする塵埃には、外部から持ち込まれたものの他に、作業室内で発生するものもある。梱包材が段ボール箱や紙類であると、これを切断したり、破断したりして開梱することが多いが、その際、紙片や紙塵が発生することがある。このような塵埃に対する対策としては、作業室の空気を循環して空気とともに塵埃を排出する、所謂クリーンルームとする方法がある。しかし、作業室の空気を循環して塵埃を除去しても、ある程度の大きさのある紙片などは除去しにくい。また、これらの紙片や紙塵は、静電気を帯びやすく、帯電した状態で開梱された取扱物品に付着することが多い。取扱物品が非導電性で帯電しやすい場合には、紙片や紙塵が帯電してなくても付着しやすい状態になる。流動性の食品材料などの場合、食品材料がさらにプラスチック容器などで包装されて取り扱われる場合が多く、容器表面に帯電して塵埃を吸着しやすい。このように、開梱された取扱物品が紙片や紙塵等の異物を付着したまま次工程に搬送されることは、取扱物品を汚染するだけでなく、次工程における環境をも汚染してしまう。
【0005】
このような取扱物品表面に付着した紙片や紙塵等の塵埃を除去する装置として除電除塵装置が知られている。例えば、引用文献4には、開梱したプラスチックフィルムを、高電圧により正負のイオンを発生さるイオン発生用電極と発生したイオンを吸引するイオン吸引電極との間を通して、プラスチックフィルム表面を除電した後に付着している塵埃をエアー噴射で除去する除電除塵装置が開示されている。
【特許文献1】特開2007−139420号公報
【特許文献2】特開2005−061812号公報
【特許文献3】特開2002−095998号公報
【特許文献4】特開平08−168697号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、作業室の環境を清浄にする方法や、作業室で開梱作業などにより取り出した物品の塵埃を除去する装置、方法は種々検討されている。しかし、食品加工業のように製造工程全体として製品や半製品、原材料などの取扱物品に塵埃などが紛れ込まないようにするためには、個々の作業室や最終製品の管理だけでは不十分である。原材料や半製品などの取扱物品が、それぞれの作業工程を終えて次工程に送り出される時点で塵埃の付着などがない状態にしておかなければならない。特に、梱包材料の紙片や紙塵を発生する原材料の開梱作業室などにおける取扱物品の除塵には注意が必要である。
【0007】
本発明の目的は、上記の課題を踏まえ、開梱などの取扱作業を終えた取扱物品に紙片などの塵埃を付着させないで搬出できる作業室を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため本発明者等は、以下の発明を完成した。
本発明は、天井から清浄空気を放出し、床から排気をして室内の空気を清浄に保つ作業チャンバと、前記作業チャンバ内で取り扱われた取扱物品を前記作業チャンバ外に搬出する搬送装置と、前記搬送装置上で前記取扱物品の表面又は表面に付着している塵埃の静電気を除電して、前記取扱物品に付着している塵埃を除去する静電除塵装置とを備えたことを特徴とする作業室である。
【0009】
好ましい本発明は、前記静電除塵装置がコロナ放電によるイオン発生器を備えていることを特徴とする前記作業室である。
【0010】
好ましい本発明は、前記静電除塵装置が加湿器をさらに備えていることを特徴とする前記作業室である。
【0011】
好ましい本発明は、前記静電除塵装置が噴気口と排気口とを備えていることを特徴とする前記作業室である。
【0012】
好ましい本発明は、帯電防止性能を有する内壁面を備えたことを特徴とする前記作業室である。
【0013】
好ましい本発明は、前記作業チャンバの床から排気した室内の空気が清浄化されるとともに、循環して天井から放出されることを特徴とする前記作業室である。
【0014】
好ましい本発明は、前記循環される空気の一部は、作業室外へ排出されることを特徴とする前記作業室である。
【0015】
好ましい本発明は、前記搬送装置は、前記取扱物品を連続的に搬出できることを特徴とする前記作業室である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、開梱などの取扱作業を終えた取扱物品に紙片などの塵埃を付着させないで搬出できる作業室を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明を実施するための最良の形態を必要に応じて図面を参照にして説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明の好ましい形態における例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
【0018】
本発明の作業室は、天井から清浄空気を放出し、床から排気をして室内の空気を清浄に保った作業チャンバと、前記チャンバ内で取り扱われた取扱物品を作業室外に搬出する搬送装置と、前記搬送装置上で前記取扱物品の表面又は表面に付着している塵埃の静電気を除電して、前記取扱物品に付着している塵埃を除去する静電除塵装置とを備えている。
【0019】
図1の例示を参照にしながら、本発明の作業室の実施形態を説明する。図1に示すように、この実施形態の作業室は、天井に清浄空気を放出する給気チャンバ15と、床に塵埃を含む空気を吸引して室内の空気を清浄に保つための排気チャンバ18を備えた作業チャンバ2を有する。給気チャンバ15の空気放出口には高性能フィルタ16が設置されており、作業チャンバ2に要求される清浄度に合わせてフィルだの種類や清掃頻度、交換頻度を決定する。また、このフィルタの空気放出口からの空気の放出速度は、作業中に発生する塵埃を床面に押しつける速度が良く、遅すぎると十分に塵埃を床面に押し込めなく、早すぎると却って塵埃を舞い上がらせることになるので注意が必要である。具体的な放出速度は、塵埃の種類、大きさ、帯電性の強さ、室内の湿度などにより異なるので、実験等により最適地を求めることが好ましい。さらに、清浄空気は天井全体から均一に放出されることが好ましく、床面からの塵埃を含む空気の排出も床面全体から均一に排気されることが好ましい。
【0020】
給気チャンバ15に供給する空気は清浄なものが好ましい。また、排気チャンバ18に排気された空気は浄化して排出することがこのましい。作業チャンバ2内の空気のバランスを考えると、給気チャンバ15から供給される空気量と排気チャンバ18に排気される空気量はほぼ同じであるので、排気チャンバ18に排気された空気を浄化して給気チャンバ15に循環して供給する方法がある。図1においては、このような形態の空気循環方式を採用している。この場合、給気チャンバ15への給気ブロアと排気チャンバ18からの排気ブロアとは一つのブロア12で兼ねることができる。
【0021】
作業チャンバ2内の空気は、作業チャンバ2の床面に配置されたパンチングメタルやグレーチング、格子上床などの開口床17から排出される。開口床18はできるだけ床面全体にまんべんなく開口して、作業チャンバ2内の空気が均等に床下の排気チャンバ18に吸い込まれていく構造が好ましい。このため、排気チャンバ18にはブロア12が接続されており、このブロア12で排気チャンバ18の空気を排気することにより、作業チャンバ2内をチャンバ外よりも減圧にすることが好ましい。食品加工工程などでは、作業チャンバ2が設置されている部屋自身が清浄にされているので、作業チャンバ2へ作業チャンバ2が設置されている部屋から空気が侵入してくることには問題はないが、作業チャンバ2内で開梱作業などの塵埃発生作業を行うと、作業チャンバ内には塵埃が飛散するので、飛散した塵埃の全てを床下の排気チャンバに導くためには、作業チャンバ2内は外部より減圧にして空気が外部の部屋に漏れないようにしておくことが好ましい。作業チャンバ2内を減圧に保つ具体的な構造としては、空気をブロア12から給気チャンバ15へと循環するための循環ダクト10の途中に排気口13を設けておき、バルブ調節等によりここから循環空気の一部を排出すればよい。
【0022】
なお、排気チャンバ18に排気された空気中には、開梱等の作業時に発生した紙片や紙塵などの塵埃が含まれている。そこで、ブロア12がこれらを含む空気を吸引する前に取り除くために、ブロア12の吸気ライン前にはフィルタ11を設けている。このようにすれば、ブロア12の故障も少なくなり、給気チャンバ15に塵埃のない清浄な空気が送気され、高性能フィルタ16の負荷が軽くなるというメリットもある。また、ブロア12の下流にある排気口13から排出される空気も清浄になっているので、作業チャンバ2外側の排気された部屋等を汚染することもない。なお、フィルタ11は、グラスウールフィルタやメッシュフィルタ、燒結金属フィルタ、バッグフィルタなど通常使用されるフィルタでもよいが、コストや取り替え頻度などを勘案して、高性能フィルタ16ほど除塵性能の高い物を選ぶ必要はない。また、サイクロンや遠心式除塵器、衝突板式除塵器、自然落下式除塵器などを併用してもよい。
【0023】
この実施形態の作業室1では、作業チャンバ2内の作業者5が、例えば、原材料などの梱包された取扱物品4を開梱して、取扱物品4を一つひとつ取り出す。そして、作業室1内には、開梱作業などの取扱が終わった取扱物品4の搬出のための搬送装置7が設置されており、その上に載せられる。搬送装置7は、作業チャンバ2の内部から外部へと取扱物品4を搬出が着るようになっている。搬送装置7は、通常使用される物品の搬送装置であれば、どのようなものでもよく、例えば、ベルトコンベア、ローラコンベア、エスカレータ、滑り台形式の重力による移送装置、フォークリフト、台車、トロッコ、エレベータ等でもよい。搬送装置7として、図1には、重力を利用したローラコンベアを示した。搬送装置7は、取扱物品4を連続的に搬出できることが作業チャンバを有効利用できるので好ましい。搬送装置7は、作業者5の位置、取扱物品4の形態、取扱方法、搬出後の次工程との関係等により、その形態や構造、設置位置などを決定すればよい。図1に示す形態では、搬送装置7により搬出された取扱物品4は、取扱物品搬送コンテナ20などに積載されてさらに次の製造工程などに搬送される。
【0024】
この実施形態の作業室1は、搬送装置7の搬送路上の取扱物品4の表面を除電する静電除塵装置3を備えている。静電除塵装置3は、搬送装置7の搬送路の一部を覆うように設置され、取扱物品4が通過する上部にコロナ放電によるイオン発生器8と、加湿器9とを備えている。さらに、静電除塵装置3の上部には空気噴気口があり、ダクト10により清浄空気が導入され噴出され、静電除塵装置3の下部には排気口があり、静電除塵装置3内の空気が排気チャンバ18へと排気される構造になっている。図1の形態においては、静電除塵装置3の中央部には、取扱物品4を搬送するための搬送装置7の搬送路が通っており、左から右へと取扱物品4が連続的に搬送される仕組みになっている。取扱物品4の静電除塵装置3内での滞留時間は、取扱物品4に対する静電除塵性能を勘案して調整できるようにしておくことが好ましい。なお、搬送装置の形態により、静電除塵装置3の設置方法は図1に示す方法以外にも色々と変形することができる。
【0025】
図1に示したイオン発生器8につき、図2を参照にして簡単に説明する。図2はイオン発生器8を概念的に示したものであり、このイオン発生器8は、高電圧を発生させる高圧発生装置21、高圧発生装置21と接続しており高電圧が加電される放電電極22、放電電極22の対極となる接地電極23とを備えている。なお、高圧発生装置21は、電源24に接続されている。
【0026】
放電電極22と接地電極23とは適当な距離をおいて対向しており、両電極の間に高電圧が付加されると、両電極間でコロナ放電が起こる。このコロナ放電により周辺の空気の一部が電離状態になりイオン化する。電極周辺にはダクト10から供給された清浄空気の気流が形成されており、イオン化した空気の一部は気流とともに静電除塵装置3の下部へ流出する。空気のイオン化においては、塵埃のない清浄な空気を使用することが好ましい。塵埃等の不純物があると、電荷が塵埃に移動し、イオン発生量を減少させるばかりでなく、電荷を帯びた塵埃が放電電極や接地電極に付着してしまう。電極に塵埃が付着して汚れてしまうと放電効率、すなわちイオンの発生効率が低下してしまい好ましくない。
【0027】
図2の例では、電離したプラスイオン26のうち接地電極23に補足されずに気流とともに流れ出し、静電除塵装置3中の被除電物品27(図1に示した実施形態では、取扱物品4に相当する。)に到達する。被除電物品27の表面又は表面に付着している紙片等の塵埃は帯電しており、プラスイオン26が接近すると、これを補足して電荷を中和し、自身も放電して中和される。被除電物品27の表面と付着している塵埃とが中和されて、静電的な引力がなくなると、塵埃は被除電物品27表面から剥離しやすくなり脱落する。図1に示すように、取扱物品4(被除電物品27)周辺には、静電除塵装置3下部の排気口から吸入される気流が形成されているので、脱落した塵埃とともに、中和されても被除電物品27表面に付着している一部の塵埃も気流により簡単に剥離し、気流とともに排気口から排気チャンバ18に導かれる。
【0028】
イオン発生器9は市販品(例えば、春日電機株式会社製、除電器(ModelND503T))を用いることができるが、その仕様を以下に例示す。
イオン発生方式: 直流コロナ放電式
放電電極 : 低発塵特殊合金
雰囲気空気圧 : 0.02〜0.15MPa
気流流量 : 45〜105L/min
使用電源 : 100V(AC電源)
電力消費量 : 4VA
オゾン発生量 : 0.02ppm以下
使用環境 : 0〜40℃、80%RH以下
質量 : 1.5kg
静電除塵装置3のイオン発生器8の近傍には加湿器9を備えている。加湿器9によりダクト10から放出された清浄空気を加湿することで、イオン発生器8のイオン発生効率や発生したイオンの安定性を向上させることができる。イオン発生器8のイオン発生部分に気体の水分子が存在すると、水分子が電離してイオンになりやすく、比較的安定なイオンになるので、イオンの発生効率を向上させることができる。また、静電除塵装置3内の空気を加湿することにより、搬送されてきた取扱物品4の表面や付着している紙片等の塵埃を加湿して、帯電性を弱めて、取扱物品4からの塵埃の剥離を助長することができる。しかし、イオン発生器8の近傍を加湿する際には、イオン発生器8の電極やその付近に結露が生じないように注意する必要がある。イオン発生器8の電極は高電圧が印加されているので、導電性の水分が付着すると不測の漏電や放電が起こり、イオン発生器の効率低下だけでなく故障や事故の原因にもなる。
【0029】
静電除塵装置3の上部から噴出される清浄空気は、高性能フィルタ16により清浄にされた空気であることが好ましい。そして、静電除塵装置3内における給気と排気のバランスは、ダクト10からの給気量より排気量が多くなるようにすることが好ましい。このようにすれば、静電除塵装置3内の空気は全て排気され、静電除塵装置3外へ漏れることがなくなる。このような構造にすれば、静電除塵装置3内にはコロナ放電により少量のオゾンが生成していることがあるが、これらをすべて排気チャンバ18に回収してしまうことができる。なお、排気チャンバ18に回収されたオゾンは少量であるので、自然に分解することもあるが、これを確実に消滅させるためフィルタ11に活性炭やゼオライト等のオゾン吸収用の吸収剤や還元性試薬を含むオゾン分解剤を備えておくことが好ましい。
【0030】
この実施形態の作業室1は、作業チャンバ2の内壁面19が帯電防止性能を有する。作業チャンバ2の内壁面19が帯電すると、作業チャンバ2内の塵埃が内壁面19に付着しやすくなり、排気空気とともに開口床17から排出されにくくなる。そして、作業チャンバ2内の湿度変化や振動、天井からの放出風量の変化等によって付着していた塵埃が再び脱離して空気中に舞い上がり、取扱物品4に付着することがある。また、作業チャンバ2の内壁面19が帯電していると、空気中の塵埃に電荷を移動させて塵埃の帯電を助長することになり、この点からも塵埃が取扱物品4に付着する可能性が増す。作業チャンバ2の内壁面19が帯電防止性能を有する場合は、このような内壁面19への塵埃の付着や、塵埃の帯電を防止することができる。
【0031】
帯電防止性能を有する内壁面は、どのような形態の内壁面でもよいが、例えば、接地されている導電性の材料でできていればよい。具体的な内壁面19としては、金属板、金属やカーボンなど導電性物質を含む板、多少の水分を含んだ木材等が挙げられる。しかし、プラスチック板や表面に非導電性の塗装を施した板、表面をビニル製壁紙やプラスチックフィルム等の帯電し易い材料で被覆した板等は好ましくない。このような帯電しやすい表面を有する壁材の場合は、表面に帯電防止剤や帯電防止フィルム等により帯電防止処理をして帯電防止処理壁とすればよい。なお、帯電防止性能を有する材料は、内壁面19だけでなく、天井や給気チャンバ15内壁、床、排気チャンバ18内、搬送装置7の表面、静電除塵装置3の壁面等、空気と接する部分に使用することが好ましい。さらに、作業チャンバ2内の空気は加湿器などにより適当な湿度に調整することも壁面や塵埃の帯電防止に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の作業室の概念図
【図2】イオン発生器の概念図
【符号の説明】
【0033】
1:作業室
2:作業チャンバ
3:静電除塵装置
4:取扱物品
5:作業者
6:梱包された取扱物品
7:搬送装置
8:イオン発生器
9:加湿器
10:循環ダクト
11:フィルタ
12:ブロア
13:排気口
14:バルブ
15:給気チャンバ
16:高性能フィルタ
17:開口床
18:排気チャンバ
19:内壁面
20:取扱物品搬送コンテナ
21:高圧発生装置
22:放電電極
23:接地電極
24:電源
25:マイナス電荷
26:プラス電荷
27:被除電物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井から清浄空気を放出し、床から排気をして室内の空気を清浄に保つ作業チャンバと、
前記作業チャンバ内で取り扱われた取扱物品を前記作業チャンバ外に搬出する搬送装置と、
前記搬送装置上で前記取扱物品の表面又は表面に付着している塵埃の静電気を除電して、前記取扱物品に付着している塵埃を除去する静電除塵装置とを備えたことを特徴とする作業室。
【請求項2】
前記静電除塵装置は、コロナ放電によるイオン発生器を備えていることを特徴とする請求項1に記載の作業室。
【請求項3】
前記静電除塵装置は、加湿器をさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載の作業室。
【請求項4】
前記静電除塵装置は、噴気口と排気口とを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の作業室。
【請求項5】
帯電防止性能を有する内壁面を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の作業室。
【請求項6】
前記作業チャンバの床から排気した室内の空気は、清浄化されるとともに、循環して天井から放出されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の作業室。
【請求項7】
前記循環される空気の一部は、作業室外へ排出されることを特徴とする請求項6に記載の作業室。
【請求項8】
前記搬送装置は、前記取扱物品を連続的に搬出できることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の作業室。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−176671(P2009−176671A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−16600(P2008−16600)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(594114684)内外施設工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】