説明

作業機械のエンジン回転制御装置

【課題】従来よりもさらに無駄な燃料消費を低減させることができるエンジン回転制御装置を提供する。
【解決手段】油圧アクチュエータ76を備えた作業機械のエンジン50の回転を制御する制御装置において、油圧アクチュエータ76を用いて作業を行う際のエンジン50の回転速度である作業時回転速度を設定する作業時回転速度設定手段22と、非作業時における目標回転速度となるべき、前記作業時回転速度よりも小さい零を含む非作業時回転速度を設定する省エネモード設定手段28と、前記作業時回転速度、および省エネモード設定手段28にて設定された前記非作業時回転速度のうちからどちらかを選択して目標回転速度とする目標回転速度設定手段24と、を備え、目標回転速度設定手段24で設定された目標回転速度となるように、エンジン50の回転速度を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設機械等の作業機械(例えば油圧ショベル)のエンジン回転制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図6は従来の油圧ショベルのエンジン回転制御装置の一例についてのブロック構成図である。
【0003】
通常油圧ショベルにおいては、車両と異なり、リモコン弁72の操作レバー72Aの操作の有無にかかわらず(油圧アクチュエータ76が実際に動作しているかどうかにかかわらず)、エンジン50はスロットルボリューム22で選択された回転速度で回り続け、燃料を消費している。このため、油圧ショベルを使った作業中に、例えば土砂を積み込むダンプカーを待っているときなど、油圧アクチュエータ76が実際に動作していないときでも、エンジン50は燃料を消費している。
【0004】
この無駄なエンジン回転による燃料消費を抑えるため、図6に示すエンジン回転制御装置100のように、ワンタッチアイドルスイッチ24を押圧して電気信号を発せさせる度に、操作レバー72Aから手を離すことなく、実際の作業を行う際のエンジン回転速度(Tw)と燃料消費の少ない低回転速度のアイドル回転速度(Ti0)を交互に切り換えて目標回転速度(Tt)とする技術が従来用いられている。図7は、この従来技術の動作の状況を模式的に示す図で、ワンタッチアイドルスイッチ24の押圧操作によるオンオフの状況および目標回転速度(Tt)のタイムチャートとモニタ26の表示との関係を示している。アイドル回転速度(Ti0)が選択されているとき、その状態はモニタ26に表示されて、オペレータに知らされるようにされている。
【0005】
また、操作レバー72Aが未操作であることを検出して自動的にエンジン回転速度を下げ、操作レバー72Aが操作されたことを検出するとスロットルボリューム22で選択された回転速度に復帰させるオートアイドルなる技術も従来用いられている。
【0006】
特許文献1では、この技術をさらに進めて、ワンタッチアイドルスイッチ24を押圧してエンジン50がアイドル状態になってから基準時間が経過するとエンジン50を停止させ、且つ、該基準時間の経過前に操作レバー72Aが操作されたりワンタッチアイドルスイッチ24によりアイドル状態が解除されたりした場合には、アイドル状態からスロットルボリューム22で選択された回転速度に復帰させる技術が開示されている。この特許文献1に記載の技術では、アイドル状態になってから基準時間が経過するとエンジン50を停止させており、無駄なエンジン回転による燃料消費がより抑えられている。
【0007】
【特許文献1】特開2004−339956号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術でも、無駄な燃料消費の低減が不十分である。
【0009】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、従来よりもさらに無駄な燃料消費を低減させることができるエンジン回転制御装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、油圧アクチュエータを備えた作業機械のエンジンの回転を制御する制御装置において、前記油圧アクチュエータを用いて作業を行う際の前記エンジンの回転速度である作業時回転速度を設定する作業時回転速度設定手段と、非作業時における目標回転速度となるべき、前記作業時回転速度よりも小さい零を含む非作業時回転速度を設定する省エネモード設定手段と、前記作業時回転速度、および前記省エネモード設定手段にて設定された前記非作業時回転速度のうちからどちらかを選択して目標回転速度とする目標回転速度設定手段と、を備え、該目標回転速度設定手段で設定された目標回転速度となるように、前記エンジンの回転速度を制御することにより、上記課題を解決したものである。
【0011】
本発明では、省エネモード設定手段により、非作業時における目標回転速度を、零を含めて作業時回転速度より小さい値に設定することができ、かつ、目標回転速度設定手段により目標エンジン回転速度を非作業時回転速度とすることができるので、油圧アクチュエータを用いた作業を行わないときに省エネを希望するときは、エンジンの回転速度を直ちに零とする(エンジンを停止する)ことができ、無駄な燃料消費を低減させることができる。
【0012】
なお、前記エンジンの回転速度を零から前記作業時回転速度に上昇させる際、例えば、前記目標回転速度設定手段により、先ず前記作業時回転速度よりも小さい回転速度が仮の目標回転速度として設定され、次いで該目標回転速度設定手段での再度の設定により、前記作業時回転速度が最終的目標回転速度とされるように構成すると、エンジン始動直後の急激なエンジン回転上昇を緩和することができ、騒音やエンジンへの悪影響を緩和することができる。
【0013】
また、前記目標回転速度設定手段は、例えば、前記作業機械で作業を行うための操作レバーに備えられたワンタッチプッシュボタンとすることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、従来よりもさらに無駄な燃料消費を低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下図面に基づいて、本発明に係る作業機械のエンジン回転制御装置の好適な実施形態の例について詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の第1実施形態に係るエンジン回転制御装置を示すブロック構成図であり、図2(A)は該エンジン回転制御装置が組み込まれた運転席1を示す斜視図であり、図2(B)はその操作部2を拡大して示す斜視図である。
【0017】
第1実施形態に係るエンジン回転制御装置10は、スロットルボリューム(作業時回転速度設定手段)22と、ワンタッチアイドルスイッチ(目標回転速度設定手段:ワンタッチプッシュスイッチ)24と、モニタ26と、省エネモード選択スイッチ(省エネモード設定手段)28と、コントローラ30と、エンジン再始動回路32と、回転センサ34と、エンジンコントロールアクチュエータ36と、を備えてなる。
【0018】
また、エンジン回転制御装置10は、エンジン50を始動するための機構として、キースイッチ38と、バッテリリレー40と、バッテリ42と、スタータリレー44と、スタータモータ46と、を備えているが、この機構は一般的に用いられている機構であるので詳細な説明は省略する。
【0019】
スロットルボリューム(作業時回転速度設定手段)22は、油圧アクチュエータ76を用いて作業を行う際のエンジン50の回転速度である作業時回転速度(Tw)を設定する設定手段であり、可変抵抗器を有して構成されている。
【0020】
ワンタッチアイドルスイッチ(目標回転速度設定手段)24は、押圧されるとコントローラ30に向けて電気信号を発するワンタッチプッシュスイッチであり、ワンタッチアイドルスイッチ24を用いることにより、操作レバー72Aから手を離すことなく、作業時回転速度(Tw)と燃料消費の少ない低回転速度または回転速度零の非作業時回転速度(Ti)とを交互に切り換えて目標回転速度(Tt)とすることができる。コントローラ30は、ワンタッチアイドルスイッチ24が押圧されて電気信号を発する度に、作業時回転速度(Tw)または非作業時回転速度(Ti)を交互に選択して、目標回転速度(Tt)とする。非作業時回転速度(Ti)は、燃料消費の少ない低回転速度または回転速度零であり、例えば土砂を積み込むダンプカーを待っているときなど、油圧アクチュエータ76が実際に動作していないときに用いるエンジン50の回転速度である。
【0021】
省エネモード選択スイッチ(省エネモード設定手段)28は、非作業時の目標回転速度(非作業時回転速度)を設定するためのもので、開閉操作の後の状態を維持するスイッチである。コントローラ30は、省エネモード選択スイッチ28がオフの状態のときは、作業時回転速度(Tw)よりも小さく零よりも大きい第1の回転速度(Ti1)を選択して非作業時回転速度(Ti)とし、省エネモード選択スイッチ28がオンの状態のときは、回転速度零である第2の回転速度(Ti2)を選択して非作業時回転速度(Ti)とする。
【0022】
例えば、油圧アクチュエータ76を用いての作業が短い時間間隔で断続的に行われるときには、非作業時回転速度(Ti)を零(Ti2)にせず第1の回転速度(Ti1)にしておいた方が、エンジン50の再始動時の騒音やエンジンに対する悪影響を小さくできる点で好ましく、省エネモード選択スイッチ28はオフの状態にしておく方が好ましい。一方、油圧アクチュエータ76を用いての作業が比較的長い時間間隔で断続的に行われるときには、非作業時回転速度(Ti)を零(Ti2)にしても、エンジン50の再始動時の騒音やエンジンに対する悪影響は比較的小さくなるので、燃料消費を低減させる点で非作業時回転速度(Ti)を零(Ti2)にしておく方が好ましく、省エネモード選択スイッチ28はオンの状態にしておく方が好ましい。なお、非作業時回転速度(Ti)の第1の回転速度(Ti1)は、図示せぬ入力手段を用いて、作業時回転速度(Tw)よりも小さく零よりも大きい範囲で任意にコントローラ30に入力して変更できるようになっている。
【0023】
コントローラ30は、スロットルボリューム22からの電圧信号により作業時回転速度(Tw)を演算し、決定する。この演算は、例えば図3に示す、スロットルボリューム22からの電圧信号と作業時回転速度(Tw)との関係から行うことができる。また、コントローラ30は、省エネモード選択スイッチ28がオフの状態のときは非作業時回転速度(Ti)として作業時回転速度(Tw)よりも小さく零よりも大きい第1の回転速度(Ti1)を選択し、オンの状態のときは回転速度零である第2の回転速度(Ti2)を選択して非作業時回転速度(Ti)とする。さらに、コントローラ30は、ワンタッチアイドルスイッチ24からの信号によって、作業時回転速度(Tw)または非作業時回転速度(Ti)を交互に選択して目標回転速度(Tt)とする。さらにまた、コントローラ30は、電気信号線34Aを介して受け取った回転センサ34の信号に基づいてエンジン50の回転速度を検出し、エンジン50の回転速度が目標回転速度(Tt)と等しくなるように燃料流量コントロール信号を電気信号線36Aを介してエンジンコントロールアクチュエータ36に出力するとともに、図示せぬ電磁比例弁に信号を出力し、可変容量型の油圧ポンプ70の吐出量を制御する。エンジンコントロールアクチュエータ36は、受け取った燃料流量コントロール信号に基づき、燃料噴射量を調整する。また、コントローラ30は、エンジン50が非作業時回転速度のうちの、第1の回転速度(Ti1)となっているときは、「Low idle」と表示するようにモニタ26に信号を出力し、第2の回転速度(Ti2)となっているときは、「engien stop」と表示するようにモニタ26に信号を出力する。
【0024】
エンジン再始動回路32は、キースイッチ38のスタートポジションとスタータリレー44を接続する電気信号線38Bの中途の点38B1と、コントローラ30との間に設けられており、目標回転速度(Tt)が零から零以外の値に変更されると、コントローラ30から出力されたエンジン始動信号をスタータリレー44に伝える。このため、本実施形態では、人手を介さずに自動的にエンジン50を再始動することができる。
【0025】
エンジン50が始動することにより油圧ポンプ70が始動して作動油(圧油)を吐出すると、リモコン弁72の操作レバー72Aの操作による制御弁74のスプールの移動に応じて油圧アクチュエータ76が動作する。
【0026】
次に、第1実施形態に係るエンジン回転制御装置10の作用について、図4を適宜参照して説明する。図4は、エンジン回転制御装置10の動作の状況を模式的に示す図で、ワンタッチアイドルスイッチ24および省エネモード選択スイッチ28の押圧操作によるオンオフの状況、エンジン始動信号のオンオフの状況、ならびに目標回転速度(Tt)についてのタイムチャートと、モニタ26の表示との関係を示している。
【0027】
オペレータがキースイッチ38をOFFポジションからONポジションに切替えると、電気信号線38Aを介してバッテリリレー40のコイルに電流が流れ、バッテリリレー40が作動する。これにより、バッテリ42からの電流が電気信号線40Aを介してコントローラ30に供給されるとともに、電気信号線40Bを介してスタータリレー44の一端に供給される。さらにキースイッチ38をスタートポジションに切替えると、スタータリレー44のコイルに電流が流れ、スタータリレー44が作動する。これにより、スタータモータ46に電流が供給され、スタータモータ46が作動し、エンジン50が始動する。エンジン50が始動するとオペレータがキースイッチ38の操作を止めるため、キースイッチ38のポジションは自動的にONポジションにもどる。
【0028】
オペレータによるスロットルボリューム22の操作によって発生した電圧信号はコントローラ30に伝達され、コントローラ30は、スロットルボリューム22からの電圧信号により作業時回転速度(Tw)を演算し、決定する。
【0029】
また、オペレータが省エネモード選択スイッチ28をオンの状態にすると、コントローラ30は非作業時回転速度(Ti)として、回転速度零である第2の回転速度(Ti2)を選択する。オペレータが省エネモード選択スイッチ28をオフの状態にすると、コントローラ30は非作業時回転速度(Ti)として、作業時回転速度(Tw)よりも小さく零よりも大きい第1の回転速度(Ti1)を選択する。
【0030】
また、オペレータによるワンタッチアイドルスイッチ24の押圧操作による信号はコントローラ30に伝達され、コントローラ30は、作業時回転速度(Tw)または非作業時回転速度(Ti)を交互に目標回転速度(Tt)として選択する。
【0031】
さらに、コントローラ30は、電気信号線34Aを介して受け取った回転センサ34の信号に基づいてエンジン50の回転速度を検出し、エンジン50の回転速度が目標回転速度(Tt)と等しくなるように燃料流量コントロール信号を電気信号線36Aを介してエンジンコントロールアクチュエータ36に出力する。エンジンコントロールアクチュエータ36は、受け取った燃料流量コントロール信号に基づき、燃料噴射量を調整し、エンジン50の回転速度は目標回転速度(Tt)と等しくなる。
【0032】
また、コントローラ30は、エンジン50が非作業時回転速度のうちの、第1の回転速度(Ti1)となっているときは、「Low idle」と表示するようにモニタ26に信号を出力し、第2の回転速度(Ti2)となっているとき(エンジン50が停止しているとき)は、「engien stop」と表示するようにモニタ26に信号を出力する。
【0033】
以上をまとめると、省エネモード選択スイッチ28がオンの状態では、非作業時回転速度(Ti)として回転速度零である第2の回転速度(Ti2)が選択されるので、ワンタッチアイドルスイッチ24の押圧操作によって、目標回転速度(Tt)として非作業時回転速度(Ti)を選択すると、目標回転速度(Tt)は零となり、エンジン50は直ちに停止する。このため、本実施形態では、従来よりもさらに無駄な燃料消費を低減させることができる。エンジン50が停止すると、モニタ26には「engien stop」と表示される。
【0034】
エンジン50が回転速度零である第2の回転速度(Ti2)となっている状態(エンジン50が停止した状態)において、オペレータがワンタッチアイドルスイッチ24の押圧操作(図4において領域Pで示される)を行うと、コントローラ30は非作業時状態を解除し、目標回転速度(Tt)を作業時回転速度(Tw)とする。エンジン50の回転速度が零から作業時回転速度(Tw)へと復帰する際には、コントローラ30は、エンジン再始動回路32を介してエンジン始動信号をt(sec)の時間だけスタータリレー44のコイルに送り、スタータモータ46を作動させて、エンジン50を再始動する。本実施形態では、エンジン再始動回路32が設けられているので、人手を介さずに自動的にエンジン50の再始動をすることができる。このため、エンジン50の回転速度を直ちに零とすることにより再始動の操作が多くなっても、煩わしくない。
【0035】
なお、コントローラ30がエンジン再始動回路32にエンジン始動信号を送る時間はt(sec)であり、この時間t(sec)は、基本的にはエンジン50が再始動されたことを回転センサ34で確認するまでの時間であるが、バッテリ42の連続通電時間も考慮してコントローラ30が決定する。
【0036】
次に、本発明の第2実施形態に係るエンジン回転制御装置について説明する。
【0037】
図5は、第2実施形態に係るエンジン回転制御装置の動作の状況を模式的に示す図である。省エネモード選択スイッチ28がオンで、目標回転速度(Tt)が零に設定されてエンジン50が停止した状態(このとき、モニタ26には「engine stop」と表示されている)から、ワンタッチアイドルスイッチ24に押圧操作がなされて作業時回転速度(Tw)へと復帰する場合、図5に示すように、第2実施形態では、ワンタッチアイドルスイッチ24への1回目の押圧操作がなされると、コントローラ30は、エンジン再始動回路32を介してエンジン始動信号をt(sec)の時間だけスタータリレー44のコイルに送り、スタータモータ46を作動させて、エンジン50を再始動させるが、まず第1の非作業時回転速度(仮の目標回転速度)(Ti1)までエンジン50の回転速度を上昇させる(このとき、モニタ26には「Low idle」と表示される)。そして、ワンタッチアイドルスイッチ24への2回目の押圧操作がなされると、エンジン50の回転速度が最終的目標回転速度である作業時回転速度(Tw)まで上昇するようにされている(このとき、モニタ26には「off」と表示される)。
【0038】
このため、第2実施形態では、エンジン50の回転速度が回転速度零から作業時回転速度(Tw)に上昇する場合、ワンタッチアイドルスイッチ24への押圧操作がなされても一気に作業時回転速度(Tw)まで上昇せず、いったん第1の非作業時回転速度(Ti1)まで上昇する。そして、ワンタッチアイドルスイッチ24への2回目の押圧操作がなされることにより、エンジン50の回転速度は作業時回転速度(Tw)まで上昇するので、エンジン50の始動直後の急激なエンジン回転上昇を緩和することができ、騒音やエンジンへの悪影響を緩和することができる。
【0039】
以上説明した第1および第2実施形態では、省エネモード選択スイッチ(省エネモード設定手段)28によって設定されている非作業時回転速度(Ti)として、作業時回転速度(Tw)よりも小さく零よりも大きい第1の回転速度(Ti1)および回転速度零である第2の回転速度(Ti2)からなる2つ回転速度のうちのいずれかの回転速度をとるものとして説明したが、非作業時回転速度(Ti)は零である回転速度を含み、各々が作業時回転速度(Tw)よりも小さい値ならいくつ設定されていてもよい。例えば、省エネモード選択スイッチ(省エネモード設定手段)28が「エコ重視」、「標準」、「操作性重視」の3モードを有しているときは、回転速度零のほか、作業時回転速度より小さい2つの非作業時回転速度(計3個の非作業時回転速度)が設定され、ワンタッチアイドルスイッチ(目標回転速度設定手段)のオンオフに応じて、いずれかの非作業時回転速度か作業時回転速度を交互に選択されるように構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
建設機械等の作業機械(例えば油圧ショベル)に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の第1実施形態に係るエンジン回転制御装置を示すブロック構成図
【図2】(A)前記エンジン回転制御装置が組み込まれた運転席を示す斜視図、(B)その操作部2を拡大して示す斜視図
【図3】スロットルボリュームからの電圧信号と作業時回転速度(Tw)との関係の一例
【図4】前記エンジン回転制御装置の動作の状況を模式的に示す図
【図5】第2実施形態に係るエンジン回転制御装置の動作の状況を模式的に示す図
【図6】従来の油圧ショベルのエンジン回転制御装置の一例についてのブロック構成図
【図7】前記従来技術の一例の動作の状況を模式的に示す図
【符号の説明】
【0042】
1…運転席
2…操作部
10…エンジン回転制御装置
22…スロットルボリューム(作業時回転速度設定手段)
24…ワンタッチアイドルスイッチ(目標回転速度設定手段)
26…モニタ
28…省エネモード選択スイッチ(省エネモード設定手段)
30…コントローラ
32…エンジン再始動回路
34…回転センサ
36…エンジンコントロールアクチュエータ
38…キースイッチ
40…バッテリリレー
42…バッテリ
44…スタータリレー
46…スタータモータ
50…エンジン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
油圧アクチュエータを備えた作業機械のエンジンの回転を制御する制御装置において、
前記油圧アクチュエータを用いて作業を行う際の前記エンジンの回転速度である作業時回転速度を設定する作業時回転速度設定手段と、
非作業時における目標回転速度となるべき、前記作業時回転速度よりも小さい零を含む非作業時回転速度を設定する省エネモード設定手段と、
前記作業時回転速度、および前記省エネモード設定手段にて設定された前記非作業時回転速度のうちからどちらかを選択して目標回転速度とする目標回転速度設定手段と、を備え、
該目標回転速度設定手段で設定された目標回転速度となるように、前記エンジンの回転速度を制御することを特徴とする作業機械のエンジン回転制御装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記エンジンの回転速度を零から前記作業時回転速度に上昇させる際、前記目標回転速度設定手段により、先ず前記作業時回転速度よりも小さい回転速度が仮の目標回転速度として設定され、次いで該目標回転速度設定手段での再度の設定により、前記作業時回転速度が最終的目標回転速度とされることを特徴とする作業機械のエンジン回転制御装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記目標回転速度設定手段が、前記作業機械で作業を行うための操作レバーに備えられたワンタッチプッシュボタンであることを特徴とする作業機械のエンジン回転制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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