説明

作業機械周辺監視装置

【課題】 作業機械と障害物との位置関係を容易かつ正確に把握でき、フロント作業機の旋回などの適否を瞬時に判断できるようにする作業機械周辺監視装置を提供する。
【解決手段】 作業時の作業機械の姿勢および形状を取り込む作業機械姿勢取込み手段300と、作業機械周辺を撮影するカメラ13と、作業機械周辺の障害物およびその位置を計測する障害物検出手段700と、作業機械姿勢取込み手段300からの情報に基づいて作業機械の姿勢および形状および作業範囲を描画する画像と、前記カメラで撮影された前記作業機械周辺の画像と、前記障害物検出手段700で検出された障害物を描画する画像とを合成し表示画像を生成する表示画像生成手段800と、生成された画像を表示する表示手段900とからなる作業機械周辺監視装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業機械周囲の障害物を監視する作業機械周辺監視装置に係り、特に、作業機械と障害物との位置関係を容易かつ正確に把握でき、フロント作業機の旋回などの適否を瞬時に判断できるようにする周囲情報提示手段に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルなどの作業機械と周囲の作業員などとの接触事故を防止するために、作業機械の監視カメラシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この監視カメラシステムにおいては、作業機械の側方カメラ画像と後方カメラ画像の鏡像とを運転室内モニタに表示している。表示されるカメラ画像は、運転操作に応じて切り換わる。
【0004】
しかし、この種装置の場合、運転者が、運転室内でモニタのカメラ画像を見て、危険な状況にあるか否かを判断しなければならず、運転者の負担となる場合があった。
【0005】
そこで、カメラの他に、近接センサなどの障害物検出手段を搭載し、障害物検出時には、カメラ画像を運転室1f内モニタに表示し、運転者に危険を知らせる監視装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
この装置は、複数の近接センサに対応して各近接センサの検出エリアを撮像するカメラを設け、いずれかの近接センサにより物体の存在を検出した場合、対応するカメラで撮像した画像を選択的に表示し、運転者に危険を知らせる。
【0007】
【特許文献1】特開2001−140286号公報(第3〜5頁 図1〜図4)
【特許文献2】特開2002−327470号公報(第3〜5頁 図1〜図4)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、物体が検出されたエリアのカメラ画像を選択的に表示する特許文献2の装置では、作業現場に複数の作業員や構造物などが存在する場合、カメラによる画像を表示するだけでは、どの作業員または構造物が障害物として検出されたのかを判別することが困難であり、運転者の注意および判断を要し、作業効率の低下につながるおそれがあった。
【0009】
また、実際の作業現場においては、作業機械の周囲で比較的危険度の低い位置に作業に必要な構造物が設置されている場合がある。この場合、特許文献2の装置では、特に危険の無い構造物も障害物として検出され、警報が出され、カメラ画像が表示されたままの状態となる。
【0010】
その状態で作業を継続すると、そこに作業員が侵入してきて、真に危険な状況が発生しても、警報にもカメラ画像表示にも特に変化が生じないので、作業員の侵入を見落としてしまう可能性がある。
【0011】
さらに、運転者が、運転室内モニタのカメラ画像を見て、危険な状況にあるか否かを判断する場合、カメラ画像を単に表示するだけでは、運転者が作業機械周辺全体を把握することが困難であり、フロント作業機が周囲のどの位置で作業しているか、どの程度の大きさおよび長さであるか、下部走行体がどの方向に位置しているかなどの確認が困難である。
【0012】
その結果、監視範囲内に障害物が存在する場合、フロント作業機から障害物までの位置関係を瞬時に把握することが困難であり、フロント作業機の旋回可否の判断に時間が掛かり、作業効率の低下につながるおそれがあった。
【0013】
本発明の目的は、作業機械と障害物との位置関係を容易かつ正確に把握でき、フロント作業機の旋回などの適否を瞬時に判断できるようにする作業機械周辺監視装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記目的を達成するために、作業時の作業機械の姿勢および形状を取り込む作業機械姿勢取込み手段と、作業機械周辺を撮影するカメラと、作業機械周辺の障害物およびその位置を計測する障害物検出手段と、作業機械姿勢取込み手段からの情報に基づいて作業機械の姿勢および形状および作業範囲を描画する画像と、カメラで撮影された作業機械周辺の画像と、障害物検出手段で検出された障害物を描画する画像とを合成し表示画像を生成する表示画像生成手段と、生成された画像を表示する表示手段とからなる作業機械周辺監視装置を提案する。
【0015】
作業機械姿勢取込み手段からの情報に基づいてカメラで撮影された画像の傾きおよび回転を補正する画像位置補正手段をカメラと表示画像生成手段との間に設けることができる。
【0016】
カメラで撮影された画像を統合してパノラマ画像とするパノラマ合成手段を表示画像生成手段の前に設ける。
【0017】
一度に撮影できる範囲が全周に達しないカメラが運転者の死角方向に配置されている場合は、カメラで撮影された画像を格納する画像記憶手段を備え、パノラマ合成手段が、カメラが死角方向を撮影している画像記憶手段に格納されている現在の画像とを合成する。
【0018】
一度に撮影できる範囲が全周に達しないカメラが運転者の死角方向に配置されている場合は、カメラで撮影された画像を格納する画像記憶手段を備え、パノラマ合成手段が、カメラで撮影し画像記憶手段に格納されている過去の画像とカメラが死角方向を撮影している現在の画像とを合成してもよい。
【0019】
カメラで撮影された画像を作業機械の上方視点からの俯瞰画像に変換する俯瞰変換手段を表示画像生成手段の前に設ける。
【0020】
カメラで撮影された画像を統合してパノラマ画像とするパノラマ合成手段を俯瞰変換手段と表示画像生成手段との間に設けることも可能である。
【0021】
一度に撮影できる範囲が全周に達しないカメラが運転者の死角方向に配置されている場合は、カメラで撮影された画像を格納する画像記憶手段を備え、パノラマ合成手段が、カメラが死角方向を撮影している画像記憶手段に格納されている現在の画像とを合成する。
【0022】
一度に撮影できる範囲が全周に達しないカメラが運転者の死角方向に配置されている場合は、カメラで撮影された画像を格納する画像記憶手段を備え、パノラマ合成手段が、カメラで撮影し画像記憶手段に格納されている過去の画像とカメラが死角方向を撮影している現在の画像とを合成してもよい。
【0023】
本発明は、また、作業時の作業機械の姿勢および形状を取り込む作業機械姿勢取込み手段と、作業機械周辺を撮影するカメラと、カメラで撮影された作業機械周辺の画像から作業機械周辺の障害物およびその位置を抽出する障害物検出手段と、作業機械姿勢取込み手段からの情報に基づいて作業機械の姿勢および形状および作業範囲を描画する画像と、カメラで撮影された作業機械周辺の画像と、障害物検出手段で抽出された障害物を描画する画像とを合成し表示画像を生成する表示画像生成手段と、生成された画像を表示する表示手段とからなる作業機械周辺監視装置を提案する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、作業機械周囲の監視範囲における障害物の存否および位置、フロント作業機の作業位置や大きさおよび長さ、下部走行体の位置などを運転者に提示するので、運転者は、作業機械と障害物との位置関係を一目で把握でき、フロント作業機の旋回の適否を的確かつ瞬時に判断でき、作業効率と安全性を高めることが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
次に、図1〜図24を参照して、本発明による作業機械周辺監視装置の実施例を説明する。
【実施例1】
【0026】
図1は、本発明を適用すべき作業機械の一例として油圧ショベルを示す斜視図である。
【0027】
油圧ショベルは、垂直方向にそれぞれ回動するブーム1a,アーム1b,バケット1cからなる多関節型のフロント作業機1Aと、上部旋回体1dおよび下部走行体1eからなる車体1Bとで構成される。上部旋回体1dには、運転室1fが搭載されている。フロント作業機1Aのブーム1aの基部は、上部旋回体1dの前部に支持されている。
【0028】
ブーム1a,アーム1b,バケット1c,上部旋回体1d,下部走行体1eは、油圧アクチュエータ3a,3b,3c,ここでは図示しない旋回モータ3d,左右の走行モータ3e,3fなどの各アクチュエータにより、それぞれ駆動される。ブーム1a,アーム1b,バケット1c,上部旋回体1dには、それぞれの回動角を検出する角度検出器8a,8b,8c,8dを備える。
【0029】
図2は、図1の油圧ショベルの平面図である。
【0030】
上部旋回体1dの上部には、車体1Bの右側方監視カメラ13a,後方監視カメラ13bが備えられ、監視範囲12a,12bを撮影する。点線14は、フロント作業機1Aの作業範囲を示している。作業員がフロント作業機1Aの作業範囲に進入すると、フロント作業機1Aと作業員とが衝突するおそれがある。
【0031】
図3は、図1の油圧ショベルの上部旋回体1dが右に90°旋回した状態を示す平面図である。
【0032】
車体1Bのうち、旋回するのは、上部旋回体1dであり、下部走行体1eは、そのままの姿勢を保持している。 このように、上部旋回体1dが図2から図3の状態に旋回した場合、図2で撮影した映像が過去の情報となり、図3で撮影した映像が最新の情報となる。
【0033】
図4は、油圧ショベルの作業現場の一例を示す斜視図である。
【0034】
油圧ショベルには、運転手からは死角となる右側方を撮影するカメラ13a,後方を撮影するカメラ13bを設置し、油圧ショベルのフロント作業機1Aの稼動範囲およびその周辺を監視する。フロント作業機1Aは、上部旋回体1dの旋回に追随して回転する。また、柵91〜柵94の内側には、人物などの障害物40,障害物41が存在する。
【0035】
車体1Bの周辺を監視するカメラは、撮影できる範囲が広ければ、後方を撮影するカメラ13bだけでもよい。設置コストに余裕があれば、カメラ13a,カメラ13bに加えて、左側方を撮影するカメラ13cも設置でき
る。油圧ショベルの右側方,後方,左側方前方に4台のカメラ13a〜13dを設置してあれば、現時点の作業現場の周囲全体が一度に撮影できる。
【0036】
図5は、図4の油圧ショベルの作業現場の俯瞰画像を示す平面図である。
【0037】
上部旋回体1dの上部には、車体1Bの右側方監視カメラ13a,後方監視カメラ13bが備えられ、監視範囲12a,12bを撮影する。
【0038】
図6は、本発明による作業機械周囲監視装置の実施例1の系統構成を示すブロック図である。
【0039】
本実施例の作業機械周囲監視装置は、画像入力手段100と、歪み補正手段200と、作業機械姿勢取込み手段300と、画像位置補正手段400と、俯瞰変換手段500と、パノラマ合成手段600と、障害物検出手段700と、表示画像生成手段800と、表示装置900とを含む。
【0040】
画像入力手段100は、カメラ13aが監視対象シーン20の対象物体40を撮影した映像信号を格納し、カメラ13bが監視対象シーン21の対象物体41を撮影した映像信号32を格納する。
【0041】
歪み補正手段200は、画像周辺に歪が発生している場合、格納画像の歪みを補正する。歪みが無ければ、歪み補正手段200の処理手順は省略してもよい。歪み補正手段200は、例えば、特開2006−59270号の技術を用いると、実現できる。
【0042】
作業機械姿勢取込み手段300は、ブーム1a,アーム1b,バケット1cの回動角を検出する角度検出器8a,8b,8c,8dからのデータを取り込み、フロント作業機1Aの大きさおよび長さなどを算出し、上部旋回体1dの回動角を検出する角度検出器8dから、旋回の方向を算出して、フロント作業機1Aの大きさおよび長さと上部旋回体1dの旋回方向とを決定する。
【0043】
画像位置補正手段400は、作業機械が稼動中のカメラ13aおよび13bの画像が上部旋回体1dの姿勢データに応じて傾きや回転などの影響を受けているので、これらの傾きや回転などを補正した画像を作成する。
【0044】
俯瞰変換手段500は、画像位置補正手段400で補正した画像を俯瞰画像に変換する。俯瞰変換手段500は、例えば、特開2006−48451号の技術を用いると、実現できる。
【0045】
パノラマ合成手段600は、俯瞰画像を統合処理したパノラマ合成画像を作成する。
【0046】
障害物検出手段700は、障害物40や障害物41を障害物として検知する。障害物検出手段700は、例えば、特開平6−333049号の技術を用いると、実現できる。
【0047】
表示画像生成手段800は、パノラマ合成手段600で俯瞰変換したパノラマ画像に、障害物検出手段700が検知した障害物の位置および距離と、作業機械姿勢取込み手段300が算出したフロント作業機1Aの大きさおよび長さと、下部走行体1eからの上部旋回体1dの旋回方向を反映した車体1Bをパノラマ画像の中央部に重畳させて表示画像を生成し、表示装置900に出力する。
【0048】
表示装置900は、角度検出器8aなどのデータを用いてフロント作業機1Aの大きさおよび長さを算出し、車体1Bを中央にしてフロント作業機1Aの算出値を反映させ、障害物40や障害物41の出現位置や距離を反映して重畳させたパノラマ画像を表示し、運転室1fの運転員1000に提示する。
【0049】
作業中の運転者1000は、障害物存在時に機械と障害物との位置関係を一目で明瞭に把握でき、フロント作業機1Aの旋回の適否を的確かつ瞬時に判断できるので、障害物を確実に回避し、作業効率を高めることが可能になる。
【0050】
図7は、実施例1の作業機械姿勢取込み手段300における処理手順を示すフローチャートである。
【0051】
作業機械姿勢取込み手段300は、ステップ301で、ブーム1aの回動角を検出する角度検出器8aの出力θ1を取り込み、ステップ302で、アーム1bの回動角を検出する角度検出器8bの出力θ2を取り込み、ステップ303で、バケット1cの回動角を検出する角度検出器8cの出力θ3を取り込み、ステップ304で、上部旋回体1dの回動角を検出する角度検出器8dの出力θ4を取り込む。
【0052】
作業機械姿勢取込み手段300は、ステップ305で、θ1,θ2,θ3,θ4からバケット1cの先端座標を算出し、ステップ306で、θ1,θ2,θ3を用いてフロント作業機1Aの大きさおよび長さを算出し、θ4を用いて下部走行体1eからの上部旋回体1dの旋回方向方向を算出する。
【0053】
その結果、作業機械姿勢取込み手段300は、車体1Bにおけるフロント作業機1Aの作業範囲14、および、上部旋回体1dと下部走行体1eとの旋回方向の相対関係を算出し、作業機の旋回状態と旋回範囲などを決定する。
【0054】
図8は、実施例1の画像位置補正手段400における処理手順を示すフローチャートである。
【0055】
画像位置補正手段400は、作業機械姿勢取込み手段300から取り込んだ上部旋回体1dの姿勢データに基づいて、ステップ401で、カメラ13aの現在の作業機械姿勢から傾き・回転を算出し、ステップ402で、カメラ13bの現在の作業機械姿勢から傾き・回転を算出し、ステップ403で、カメラ13aの過去の作業機械姿勢から傾き・回転を算出し、ステップ404で、カメラ13aの過去の作業機械姿勢から傾き・回転を算出する。
【0056】
次に、歪み補正手段200で作成した画像を用いて、ステップ405で、カメラ13aの現在の右側方位置補正画像を作成し、ステップ406で、カメラ13aの現在の右側方位置補正画像を作成し、ステップ407で、カメラ13aの過去の右側方位置補正画像を作成し、ステップ408で、カメラ13bの過去の後方位置補正画像を作成する。
【0057】
図9は、図4の油圧ショベルの作業現場の全周囲をカメラで撮影した画像を示す図である。
【0058】
油圧ショベルなどの作業機械を現場に移動させる際には、車体1Bの上部旋回体1dと下部走行体1eとが同一方向を向いて走行する。作業位置に達したら、下部走行体1eを固定し、上部旋回体1dを旋回させ、目的の作業を遂行する。
【0059】
作業現場を旋回して一周すれば、上部旋回体1dの後方に設置したカメラ13bは、作業現場を一周した映像を撮影できる。旋回体1dの後方にカメラ13bのみを設置した場合、旋回体1dの後方の画像が現画像であり、それ以外の周辺方向の画像は、カメラ13bが撮影した過去の映像となる。
【0060】
油圧ショベルがある時刻に作業していた場合、右側方監視カメラ13aは右側方シーン22、後方監視カメラ13bは後方シーン23を撮影する。次に、油圧ショベルが所定時間経過後に移動30した場合、右側方監視カメラ13aは右側方シーン20、後方監視カメラ13bは後方シーン21を撮影する。
【0061】
シーン20に障害物40が存在し、シーン21に障害物41が存在する場合、障害物検出手段700が障害物40および41を検出する時点では、撮影シーン20およびシーン21が現入力画像である。
【0062】
したがって、障害物を検出した時点における油圧ショベルの作業現場の周囲全体のシーンは、現在の右側方シーン20および後方シーン21と、過去の右側方シーン22および後方シーン23を用いて作成できる。
【0063】
カメラ13が油圧ショベルの前方,後方,左側方,右側方の四方に設置してあれば、現在の作業現場の周囲全体が撮影される。一方、カメラ13が油圧ショベルの後方のみ1台であれば、前方シーン,左側方シーン,右側方シーンは、過去の映像を用いて作業現場の周囲全体が作成できる。したがって、作業機械周辺全体の監視が可能になる。
【0064】
通常、油圧ショベルなどの作業機械は、運転室1fで操作している運転員から前方および左側方の視野にある監視シーンの視界は良好であり目視でよく見える。
【0065】
本実施例においては、運転員から死角にある右側方および後方にカメラ13a,13bを設置し、右側方および後方をカメラ13で監視し、右側方および後方の現在の撮影シーンを表示する。
【0066】
本実施例においては、運転員から死角にある右側方および後方にカメラ13a,13bを設置し、右側方および後方をカメラ13で監視し、右側方および後方は現在の撮影シーンを表示し、前方および左側方の監視シーンには、過去の映像を用いてもよい。
【0067】
運転員は、右側方および後方シーンを表示装置900上の現在の画像で確認し、前方および左側方シーンは目視で確認すれば、監視周辺全体をリアルタイムで確認できる。
【0068】
図10は、右側方監視カメラで撮影した画像と俯瞰画像との関係を示す図である。
【0069】
シーン20に対し、右側方監視カメラ13aを真上に移動した場合を想定すると、シーン20は俯瞰画像20aとなり、障害物40の監視シーンにおける出現位置が明白になる。
【0070】
図11は、後方監視カメラで撮影した画像と俯瞰画像との関係を示す図である。
【0071】
シーン21に対し、後方監視カメラ13bを真上に移動した場合を想定すると、シーン21は俯瞰画像21aとなり、障害物41の監視シーンにおける出現位置が明白になる。
【0072】
図12は、実施例1のパノラマ合成手段600における処理手順を示すフローチャートである。
【0073】
パノラマ合成手段600は、ステップ601で、カメラ13aの現在の右側方俯瞰画像を読込み、ステップ602で、カメラ13bの現在の後方俯瞰画像を読込んで、ステップ603で、読込んだ画像間で同一または類似パターンを探索し、その位置を算出する。ステップ604で、その位置の映像同士を重ねて現在のパノラマ画像を生成する。
【0074】
パノラマ合成手段600は、ステップ605で、カメラ13aの過去の右側方俯瞰画像を読込み、ステップ606で、カメラ13bの過去の後方俯瞰画像を読込んで、ステップ607で、読込んだ画像間で同一または類似パターンを探索し、その位置を算出する。ステップ608で、その位置の映像同士を重ねて過去のパノラマ画像を生成する。
【0075】
パノラマ合成手段600は、ステップ609で、ステップ604で生成した現在のパノラマ画像とステップ608で生成した過去のパノラマ画像間で、同一または類似パターンを探索し、その位置を算出する。ステップ610で、ステップ609で算出した位置情報から、現在のパノラマ画像と過去のパノラマ画像同士を重ねて表示用パノラマ画像を生成する。
【0076】
図13は、パノラマ合成手段600におけるパノラマ画像合成手順を説明する図である。
【0077】
カメラ13aの右側方俯瞰画像20とカメラ13bの後方俯瞰画像21において、画像20のパターン520と画像21のパターン521とは同一または類似のパターンなので、これらを重ね合わせると、現在のパノラマ画像530を生成できる。
【0078】
次に、過去の右側方俯瞰画像22と過去の後方俯瞰画像23において、画像22のパターン522と画像23のパターン523とは同一または類似のパターンなので、これらを重ね合わせると、過去のパノラマ画像531を生成できる。
【0079】
最後に、現在のパノラマ画像530と過去のパノラマ画像531において、パノラマ画像530のパターン524とパノラマ画像531のパターン525とは同一または類似のパターンなので、これらを重ね合わせると、表示用パノラマ画像532を生成できる。
【0080】
マッチングの誤りを防止するには、パノラマ画像530のパターン526とパノラマ画像531のパターン527とが同一または類似のパターンであることを用いてもよい。
【0081】
しかし、同一または類似のパターンが存在しない場合は、画像間で重ね合わせができないので、その部分は過去の映像で補間した画像を生成する。または、例えば真っ黒,真っ白などのままにして、その部分の画像が存在しないことを明示してもよい。
【0082】
図14は、パノラマ画像から障害物を検出する上記障害物検出手段700に代えて障害物検出器を外付けする例を示す斜視図である。
【0083】
パノラマ画像から障害物を検出する上記障害物検出手段700に代えて、上部旋回体1dの右側面および後面に障害物検出器10a,10bを設置し、上部旋回体1dの左側面に障害物検出器10cを設置してもよい。
【0084】
障害物検出器10a,10b,10cは、周囲の作業員や構造物などの障害物を検出し、その距離と方向から障害物の位置を得る近接センサであり、例えば、レーザレーダなどである。
【0085】
また、障害物検出器10b1台のみでもよい。その場合、上部旋回体1dの後方監視カメラ13bも設置する。
【0086】
上記実施例では、障害物検出手段700として、画像処理装置50によりカメラの画像から障害物を検出していた。本発明はカメラの画像を用いる方式には限定されない。車体1B周囲の障害物を検出する手段は、ミリ波レーダ,超音波センサ,赤外線センサなどの近接センサなどであれば利用できる。
【0087】
上記実施例では、障害物検出器10とカメラ13を上部旋回体1d側方と後方に1つずつ備えた例を示した。障害物検出器10とカメラ13の位置および数は、この実施例に限定されない。障害物検出器10とカメラ13は、側方のみ、後方のみに備えてもよいし、より多くの個所に搭載して、更に広範囲に監視してもよい。その場合は、表示装置900内にカメラ画像領域を増やしてもよいし、または表示装置900を複数設けてもよい。
【0088】
図15は、実施例1の表示画像生成手段800における処理手順を示すフローチャートである。
【0089】
表示画像生成手段800は、ステップ801で、フロント作業機1Aの大きさおよび長さから作業範囲14を算出し、ステップ802で、フロント作業機1Aの長さと下部走行体1eからの方向を用いて、フロント作業機1Aを前にして、下部走行体1eとの位置関係を決定し、ステップ803で、車体1Bの描画データである俯瞰画像を作成する。
【0090】
表示画像生成手段800は、ステップ804で、障害物検知部700の検出データを用いて、運転室1fと障害物40および41との距離データから、障害物40および41の位置を算出し、位置に描画する。
【0091】
ステップ805で、車体1Bのフロント作業機1Aを上部にして中央部に配置した画像と、監視範囲12a,12bと、障害物40および41とを重畳させた表示画像を生成し、表示装置900に出力する。
【0092】
運転室1fの運転員1000は、このようにして生成され表示装置900に表示される俯瞰画像によれば、自分が中心位置で前方を見ている状態で、障害物40および41の後方または右側方の存在位置を一目で認識でき、作業機械の旋回の可否を判断できる。
【0093】
なお、障害物検知部700が障害物40および41を検知した場合、表示装置900に表示するとともに、運転員に音声で報知してもよい。また、旋回開始時点で、障害物が存在しているなどのアラームを出力したり、障害物の退去を音声で出力してもよい。
【0094】
図16は、表示装置900に表示される作業機械周辺監視装置の画面例で障害物が検出された場合の画面例である。
【0095】
カメラ13a,13が、監視対象シーン20,21の対象物体40,41を撮影すると、俯瞰変換手段500が、撮影した映像信号を俯瞰変換し、パノラマ合成手段600が、パノラマ画像を合成し、障害物検出手段700が、障害物40または41を検知し、カメラ13a,13bから障害物40,41までの距離を算出する。
【0096】
表示画像生成手段800は、フロント作業機1Aの作業範囲14内に存在する障害物40については、巻き込まれてしまうので、危険であることを明示し、作業範囲14外に存在する障害物41については、注意するように表示する。
【0097】
監視カメラ13a,13bによる左側方および後方の映像は、上部旋回体1dが旋回した際に撮影した過去の映像である。そこで、前方の映像910および左側方の映像911が、過去の映像であることを示すように枠で囲み、枠内にj秒前の映像およびi秒前の映像などを明示する。
【0098】
フロント作業機1Aおよび車体1Bは、画面中央部に真上から見た俯瞰画像で表示する。上部旋回体1dおよびフロント作業機1Aは、下部走行体1eの方向に関係なく、上方向になるように表示する。
【0099】
すなわち、運転員が作業している車体1Bを中央部に配置し、車体1Bの周囲を取り囲むようにパノラマ合成した監視シーン,フロント作業機1Aの作業範囲14,障害物40,41までの距離40a,41aを重畳させて表示する。表示装置900には、これらの表示するとともに、警報音を発する手段を設けてもよい。
【0100】
何も表示しないと、周辺監視装置が障害物の無いことを正常に検出しているのか、障害物があるにもかかわらず周辺監視装置が故障しているのか判断できないので、障害物が検出されない場合は、「障害物なし」というメッセージを積極的に表示してもよい。
【0101】
障害物が検出された場合、その内容を手動で確認できる再生902,停止903,コマ送り904,戻り905,拡大906,標準907の機能を備えてもよい。再生902は、映像を再生する機能、停止903は映像の再生を停止させる機能、コマ送り904は、1フレーム毎に再生させる機能、戻り905は、後戻りする機能、拡大906は、障害物を拡大表示する機能、標準907は、拡大表示した部分を標準表示に戻す機能である。
【0102】
これらの機能を駆使すれば、作業中の運転者1000は、障害物の有無、作業機械と障害物との位置関係を一目で把握し、フロント作業機1Aの旋回の適否を的確かつ瞬時に判断できるので、障害物を確実に回避し、作業効率および安全性を格段に高めることができる。さらに、拡大機能906を用いれば、障害物の詳細を確認ができる。
【0103】
図17は、表示装置900に表示される作業員周辺監視装置の画面例を示す図である。
【0104】
後方の映像および右側方の映像が現在の映像である。そこで、右側カメラ13aで撮影した映像920を表示し、後方カメラ13bで撮影した映像921を表示する。右側カメラ13aおよび後方カメラ13bのカメラの画角に起因して、カメラで撮影できない死角912が発生する場合がある。その場合は、死角912の領域を死角と明示する黒色などで補間したパノラマ画像を生成し、運転員の右側方および後方における映像を表示する。
【0105】
また、過去の映像は表示しないので、映像表示がないことがわかるように、空白922を表示してもよい。
【0106】
図18は、表示装置900に表示される作業機械周辺監視装置の画面例を示す図である。
【0107】
障害物40が検知された場合、前方の映像および左側方の映像が過去の映像である。そこで、過去の時間経過に応じて表示画像を変化させ、n秒前映像911bおよびm秒前映像910bを暗く表示する。ここでは、n秒前映像911bがm秒前映像910bより時間を経過しているので、暗く表示している。時間経過に伴い信頼性が低下するとして暗く表示するなど、運転員の把握が容易な表示をすればよい。
【0108】
右側カメラ13aおよび後方カメラ13bのカメラの画角に起因して、カメラで撮影できない死角912が発生する場合がある。その場合は、死角912の領域を過去に撮影した映像で補間し、死角の無いパノラマ画像を生成し、運転員の全周辺映像を表示する。
【0109】
図19は、表示装置900に表示される作業機械周辺監視装置の他の画面を示す図である。
【0110】
作業開始時には、前方の映像および左側方の映像が過去の映像であるので、この部分には映像を表示しないで、始業点検項目920を明示して運転員に点検項目を確認させる。
【0111】
図20は、表示装置900に表示される作業機械周辺監視装置の別の画面を示す図である。
【0112】
障害物検出器10cが、監視範囲12a,12bの中に障害物42を検出し、距離を計測する。この場合、左側方監視カメラを備えていないので、過去の映像911cに障害物42を重畳させて表示する。この方式では、監視カメラの設置台数を削減できる。
【0113】
図21は、表示装置900に表示される作業機械周辺監視装置の更に他の画面例を示す図である。
【0114】
前方の映像および左側方の映像は過去の映像であるから、910dおよび911dの部分には映像を表示しないで、車体1Bの状態である油圧ポンプ状態930などを表示して、運転員に車体1B状態を把握させる。このとき、車体1B状態の正常上限940も明示してもよい。
【実施例2】
【0115】
図22は、本発明による作業機械周囲監視装置の実施例2の系統構成を示すブロック図である。
【0116】
本実施例2においては、車体1Bの上部旋回体1dに方向センサ8eを設置してある方向センサ8eは、上部旋回体1dの回動角を検出する角度検出器8dを備えていない場合に用いるセンサであり、上部旋回体1dと下部走行体1eとにおいてその方向の回動角の差分を検出する。
【0117】
作業機械方向の取込み手段およびフロント作業機の長さ方向決定手段350は、方向センサ8eが、上部旋回体1dの方向を検出する方向データを取り込んで下部走行体1eと方向の回動角の差分を検出し、フロント作業機1Aの最長の大きさおよび長さを決定する。下部走行体1eは、常に固定(前方)を向いているとしてもよい。
【0118】
表示画像生成手段800は、パノラマ合成手段600で俯瞰変換したパノラマ画像に、障害物検出手段700が検知した障害物の位置と、作業機械方向の取込み手段およびフロント作業機の長さ方向決定手段350が決定したフロント作業機1Aの大きさおよび長さと、下部走行体1eからの上部旋回体1dの旋回方向を反映した車体1Bとをパノラマ画像の中央部に重畳させ、表示画像を生成し、表示装置900に表示させ、運転室1fの運転員1000に提示する。
【0119】
作業中の運転者は、障害物存在時に機械と障害物との位置関係を一目で把握でき、フロント作業機1Aの旋回の適否判断を的確かつ瞬時に判断できるので、障害物を確実に回避し、作業効率を高めることが可能になる。
【0120】
図23は、実施例2の作業機械方向取込み手段およびフロント作業機の長さ方向決定手段350における処理手順を示すフローチャートである。
【0121】
作業機械方向取込み手段およびフロント作業機の長さ方向決定手段350は、上部旋回体1dの方向を検出する方向データ取込み手順とフロント作業機1Aの大きさおよび長さを決定する手順とを含んでいる。
【0122】
ステップ751で、上部旋回体1dと下部走行体1eとにおいてその回動角の差分を検出する方向センサ8eのデータθ5を取り込む。ステップ752で、下部走行体1eの方向を固定(前方方向)として、θ5から上部旋回体1dと下部走行体1eとの相対角度を算出する。ステップ753で、フロント作業機1Aの長さを最長の固定値として決定する。
【0123】
ステップ752,753の結果に基づいて、ステップ704で、フロント作業機1Aの大きさおよび長さと、下部走行体1eから上部旋回体1dの旋回方向を算出する。
【0124】
したがって、車体1Bにおけるフロント作業機1Aの作業範囲、および、上部旋回体1dと下部走行体1eの旋回方向の相対関係を算出し、作業機の旋回状態および旋回範囲などを決定できる。
【実施例3】
【0125】
図24は、本発明による作業機械周囲監視装置の実施例3の外観を示す斜視図である。
【0126】
本実施例3においては、カメラよりも障害物検出器を多く設置してある。すなわち、上部旋回体1dの上部には、車体1Bの後方監視カメラ13bに対応して障害物検出器10bが備えられている。また、車体1Bの左側方に障害物検出器10cを備えている。障害物検出器10bおよび10cは、ミリ波レーダ,超音波センサ,赤外線センサなどの近接センサである。
【0127】
上記実施例では、障害物検出手段700とカメラとを上部旋回体1dの側方および後方に1つずつ備えた例を示した。カメラおよび障害物検出手段700は、側方のみまたは後方のみに備えてもよいし、より多くの個所に搭載して更に広範囲に監視してもよい。その場合は、1つの表示装置900内にカメラ画像領域を増やしてもよいし、複数の表示装置900を設けてもよい。
【0128】
また、上記実施例では、障害物検出手段700が障害物を検出した場合のみカメラ画像を表示する構成とした。小規模な道路工事現場などでは、作業機械の近傍で作業員やその他の機械が何らかの作業に常に従事している場合もある。この場合、障害物検出手段700による障害物検出によりカメラ画像の表示・非表示が切り替わる構成では、画面が頻繁に変化し、運転者に余計なストレスを感じさせ、安全性の面から逆効果となるおそれもある。このような現場では、障害物検出手段700による障害物検出の有無にかかわらず、カメラ画像を常時表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明を適用すべき作業機械の一例として油圧ショベルを示す斜視図である。
【図2】図1の油圧ショベルの平面図である。
【図3】図1の油圧ショベルの上部旋回体1dが右に90°旋回した状態を示す平面図である。
【図4】油圧ショベルの作業現場の一例を示す斜視図である。
【図5】図4の油圧ショベルの作業現場の俯瞰画像を示す平面図である。
【図6】本発明による作業機械周囲監視装置の実施例1の系統構成を示すブロック図である。
【図7】実施例1の作業機械姿勢取込み手段300における処理手順を示すフローチャートである。
【図8】実施例1の画像位置補正手段400における処理手順を示すフローチャートである。
【図9】図4の油圧ショベルの作業現場の全周囲をカメラで撮影した画像を示す図である。
【図10】右側方監視カメラで撮影した画像と俯瞰画像との関係を示す図である。
【図11】後方監視カメラで撮影した画像と俯瞰画像との関係を示す図である。
【図12】実施例1のパノラマ合成手段600における処理手順を示すフローチャートである。
【図13】パノラマ合成手段におけるパノラマ画像合成手順を説明する図である。
【図14】パノラマ画像から障害物を検出する上記障害物検出手段700に代えて障害物検出器を外付けする例を示す斜視図である。
【図15】実施例1の表示画像生成手段800における処理手順を示すフローチャートである。
【図16】表示装置900に表示される作業機械周辺監視装置の画面例で障害物が検出された場合の画面例である。
【図17】表示装置900に表示される作業機械周辺監視装置の画面例を示す図である。
【図18】表示装置900に表示される作業機械周辺監視装置の画面例を示す図である。
【図19】表示装置900に表示される作業機械周辺監視装置の画面例で障害物が検出された場合の画面例である。
【図20】表示装置900に表示される作業機械周辺監視装置の別の画面を示す図である。
【図21】表示装置900に表示される作業機械周辺監視装置の更に他の画面例を示す図である。
【図22】本発明による作業機械周囲監視装置の実施例2の系統構成を示すブロック図である。
【図23】実施例2の作業機械方向取込み手段およびフロント作業機の長さ方向決定手段350における処理手順を示すフローチャートである。
【図24】本発明による作業機械周囲監視装置の実施例3の外観を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0130】
1A フロント作業機
1B 車体
1a ブーム
1b アーム
1c バケット
1d 上部旋回体
1e 下部走行体
1f 運転室
3a,3b,3c 油圧アクチュエータ
3e,3f 走行モータ
8a,8b,8c,8d 角度検出器
8e 方向センサ
10a,10b,10c 障害物検出器
12a,12b カメラの監視範囲
13a,13b カメラ
14 作業範囲
20 現在の右側方シーン
21 現在の後方シーン
22 過去の右側方シーン
23 過去の後方シーン
40,41 作業員または障害物
50 画像処理装置
91〜94 柵
100 画像入力手段
200 歪み補正手段
300 作業機械姿勢取込み手段
350 作業機械方向の取込み手段およびフロント作業機の長さ方向決定手段
400 画像位置補正手段
500 俯瞰変換手段
600 パノラマ合成手段
700 障害物検出手段
800 表示画像生成手段
900 表示装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業時の作業機械の姿勢および形状を取り込む作業機械姿勢取込み手段と、
前記作業機械周辺を撮影するカメラと、
前記作業機械周辺の障害物およびその位置を計測する障害物検出手段と、
前記作業機械姿勢取込み手段からの情報に基づいて前記作業機械の姿勢および形状および作業範囲を描画する画像と、前記カメラで撮影された前記作業機械周辺の画像と、前記障害物検出手段で検出された障害物を描画する画像とを合成し表示画像を生成する表示画像生成手段と、
生成された画像を表示する表示手段とからなる作業機械周辺監視装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械周辺監視装置において、
前記作業機械姿勢取込み手段からの情報に基づいて前記カメラで撮影された画像の傾きおよび回転を補正する画像位置補正手段を前記カメラと前記表示画像生成手段との間に設けたことを特徴とする作業機械周辺監視装置。
【請求項3】
請求項2に記載の作業機械周辺監視装置において、
前記カメラで撮影された画像を統合してパノラマ画像とするパノラマ合成手段を前記表示画像生成手段の前に設けたことを特徴とする作業機械周辺監視装置。
【請求項4】
請求項3に記載の作業機械周辺監視装置において、
前記カメラで撮影された画像を格納する画像記憶手段を備え、
一度に撮影できる範囲が全周に達しない前記カメラが、運転者の死角方向に配置され、
前記パノラマ合成手段が、前記カメラで撮影している現在の画像を合成することを特徴とする作業機械周辺監視装置。
【請求項5】
請求項3に記載の作業機械周辺監視装置において、
前記カメラで撮影された画像を格納する画像記憶手段を備え、
一度に撮影できる範囲が全周に達しない前記カメラが、運転者の死角方向に配置され、
前記パノラマ合成手段が、前記カメラで撮影し前記画像記憶手段に格納されている過去の画像と前記カメラが前記死角方向を撮影している現在の画像とを合成することを特徴とする作業機械周辺監視装置。
【請求項6】
請求項2に記載の作業機械周辺監視装置において、
前記カメラで撮影された画像を前記作業機械の上方視点からの俯瞰画像に変換する俯瞰変換手段を前記表示画像生成手段の前に設けたことを特徴とする作業機械周辺監視装置。
【請求項7】
請求項6に記載の作業機械周辺監視装置において、
前記カメラで撮影された画像を統合してパノラマ画像とする前記パノラマ合成手段を前記俯瞰変換手段と前記表示画像生成手段との間に設けたことを特徴とする作業機械周辺監視装置。
【請求項8】
請求項7に記載の作業機械周辺監視装置において、
前記カメラで撮影された画像を格納する画像記憶手段を備え、
一度に撮影できる範囲が全周に達しない前記カメラが、運転者の死角方向に配置され、
前記パノラマ合成手段が、前記カメラで撮影している現在の画像を合成することを特徴とする作業機械周辺監視装置。
【請求項9】
請求項7に記載の作業機械周辺監視装置において、
前記カメラで撮影された画像を格納する画像記憶手段を備え、
一度に撮影できる範囲が全周に達しない前記カメラが、運転者の死角方向に配置され、
前記パノラマ合成手段が、前記カメラで撮影し前記画像記憶手段に格納されている過去の画像と前記カメラが前記死角方向を撮影している現在の画像とを合成することを特徴とする作業機械周辺監視装置。
【請求項10】
作業時の作業機械の姿勢および形状を取り込む作業機械姿勢取込み手段と、
前記作業機械周辺を撮影するカメラと、
前記カメラで撮影された前記作業機械周辺の画像から前記作業機械周辺の障害物およびその位置を抽出する障害物検出手段と、
前記作業機械姿勢取込み手段からの情報に基づいて前記作業機械の姿勢および形状および作業範囲を描画する画像と、前記カメラで撮影された前記作業機械周辺の画像と、前記障害物検出手段で抽出された障害物を描画する画像とを合成し表示画像を生成する表示画像生成手段と、
生成された画像を表示する表示手段とからなる作業機械周辺監視装置。
【請求項11】
請求項10に記載の作業機械周辺監視装置において、
前記作業機械姿勢取込み手段からの情報に基づいて前記カメラで撮影された画像の傾きおよび回転を補正する画像位置補正手段を前記カメラと前記障害物検出手段および前記表示画像生成手段との間に設けたことを特徴とする作業機械周辺監視装置。
【請求項12】
請求項11に記載の作業機械周辺監視装置において、
前記カメラで撮影された画像を統合してパノラマ画像とするパノラマ合成手段を前記表示画像生成手段の前に設けたことを特徴とする作業機械周辺監視装置。
【請求項13】
請求項12に記載の作業機械周辺監視装置において、
前記カメラで撮影された画像を格納する画像記憶手段を備え、
一度に撮影できる範囲が全周に達しない前記カメラが、運転者の死角方向に配置され、
前記パノラマ合成手段が、前記カメラで撮影している現在の画像を合成することを特徴とする作業機械周辺監視装置。
【請求項14】
請求項12に記載の作業機械周辺監視装置において、
前記カメラで撮影された画像を格納する画像記憶手段を備え、
一度に撮影できる範囲が全周に達しない前記カメラが、運転者の死角方向に配置され、
前記パノラマ合成手段が、前記カメラで撮影し前記画像記憶手段に格納されている過去の画像と前記カメラが前記死角方向を撮影している現在の画像とを合成することを特徴とする作業機械周辺監視装置。
【請求項15】
請求項11に記載の作業機械周辺監視装置において、
前記カメラで撮影された画像を前記作業機械の上方視点からの俯瞰画像に変換する俯瞰変換手段を前記表示画像生成手段の前に設けたことを特徴とする作業機械周辺監視装置。
【請求項16】
請求項15に記載の作業機械周辺監視装置において、
前記カメラで撮影された画像を統合してパノラマ画像とする前記パノラマ合成手段を前記俯瞰変換手段と前記表示画像生成手段との間、並びに、前記俯瞰変換手段と前記障害物検出手段との間に設けたことを特徴とする作業機械周辺監視装置。
【請求項17】
請求項16に記載の作業機械周辺監視装置において、
前記カメラで撮影された画像を格納する画像記憶手段を備え、
一度に撮影できる範囲が全周に達しない前記カメラが、運転者の死角方向に配置され、
前記パノラマ合成手段が、前記カメラで撮影している現在の画像を合成することを特徴とする作業機械周辺監視装置。
【請求項18】
請求項16に記載の作業機械周辺監視装置において、
前記カメラで撮影された画像を格納する画像記憶手段を備え、
一度に撮影できる範囲が全周に達しない前記カメラが、運転者の死角方向に配置され、
前記パノラマ合成手段が、前記カメラで撮影し前記画像記憶手段に格納されている過去の画像と前記カメラが前記死角方向を撮影している現在の画像とを合成することを特徴とする作業機械周辺監視装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2008−248613(P2008−248613A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−92726(P2007−92726)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】