作業機械
【課題】キャブが最下位置の時のキャブの振動を抑制する。
【解決手段】作業機械1は、作業機械本体10と、作業機械本体10に変位可能に搭載されたキャブ15と、作業機械本体10とキャブ15とを連結して最下位置と最上位置との間でキャブ15を変位させるキャブ昇降装置20と、キャブ昇降装置20に取り付けられた電磁石50とを備える。キャブ昇降装置20は、作業機械本体10に固定された支持部30と、支持部30とキャブ15とを連結する可動部40と、を備える。電磁石50は、キャブ15が最下位置の時に支持部30と可動部40とを磁力で吸着可能に配置される。
【解決手段】作業機械1は、作業機械本体10と、作業機械本体10に変位可能に搭載されたキャブ15と、作業機械本体10とキャブ15とを連結して最下位置と最上位置との間でキャブ15を変位させるキャブ昇降装置20と、キャブ昇降装置20に取り付けられた電磁石50とを備える。キャブ昇降装置20は、作業機械本体10に固定された支持部30と、支持部30とキャブ15とを連結する可動部40と、を備える。電磁石50は、キャブ15が最下位置の時に支持部30と可動部40とを磁力で吸着可能に配置される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャブ昇降装置を備えた作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、作業機械本体に対してキャブを変位可能とした作業機械がある(例えば特許文献1又は2等)。この作業機械には、リンク式のキャブ昇降装置を備えたものがある。なお、特許文献1(段落[0008]、[図1]等)には、キャブを機体から上昇させた位置で、ロックピンを用いて、キャブの落下を係止する技術が記載されている。また、特許文献2(段落[0009]、[図1]等)には、キャブの高さ位置を、スライドブロック(14)を用いて、機械的に保持させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−106563号公報
【特許文献2】特開2007−210468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び2には、キャブを最下位置よりも上昇させた位置(いわば上昇途中位置)で、機械的にキャブを固定する技術が記載されている。しかしながら、これらの技術では、キャブが最下位置のときにキャブが振動する問題がある。
【0005】
さらに詳しくは、特許文献1([図1]等)に記載のキャブ昇降装置20は、支持部(33)とリンク(31)とを備える。キャブが最下位置の時、キャブ及びリンク(31)はストッパ(58)を介して支持部(33)に支えられる。このとき、ストッパ(58)は、支持部(33)に固定されず、単に支持部(33)に接触するのみである。よって、キャブが最下位置の時にキャブが振動するおそれがある。
【0006】
この種の作業機械では、作業機械本体にアタッチメント(ブーム、アーム、作業具など)が取り付けられる。このアタッチメントを動作させた時、特に動作の開始時や終了時に、作業機械本体に衝撃や振動が生じ、その結果キャブが振動しやすい。また、作業機械の走行時にも、作業機械本体が振動し、その結果キャブが振動しやすい。キャブが振動すると、キャブ内のオペレータに不快感や不安感を与えてしまう。
【0007】
また、特許文献1に記載のストッパ(58)には、通常、ゴム等の弾性部材(以下、単に「ゴム」)が用いられる。ここで、キャブの振動のうち、ゴムの圧縮方向のキャブの変位に対しては、ストッパの減衰効果を得られる。しかし、ゴムの引っ張り方向、すなわち、支持部(33)とリンク(31)とが離れる方向のキャブの変位に対しては、ゴムの減衰効果(振動低減効果)を得る事が出来ない。キャブの振動振幅が大きい時等は、ゴムのバネ特性によりキャブの振動がより大きくなる場合もある。
【0008】
そこで本発明は、キャブが最下位置の時のキャブの振動を抑制でき、キャブの振動によるオペレータの不快感や不安感を軽減できる、作業機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の作業機械は、作業機械本体と、前記作業機械本体に変位可能に搭載されたキャブと、前記作業機械本体と前記キャブとを連結し最下位置と最上位置との間で前記キャブを変位させるキャブ昇降装置と、前記キャブ昇降装置に取り付けられた電磁石と、を備える。前記キャブ昇降装置は、前記作業機械本体に固定された支持部と、前記支持部と前記キャブとを連結する可動部と、を備える。前記電磁石は、前記キャブが前記最下位置の時に前記支持部と前記可動部とを磁力で吸着可能に配置されている。
【発明の効果】
【0010】
キャブが最下位置の時のキャブの振動を抑制でき、キャブの振動によるオペレータの不快感や不安感を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】作業機械1の全体図である。
【図2】図1に示すキャブ15及びキャブ昇降装置20の斜視図である。
【図3】図1に示す作業機械1が備える電磁石制御手段70等のブロック図である。
【図4】図1に示す作業機械の動作のフローチャートである。
【図5】変形例2の図4相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1〜図4を参照して本発明の実施形態の作業機械1を説明する。なお、図1に示す作業機械1のキャブ15の位置は最下位置である。図2に示すキャブ15の位置は最上位置である。
【0013】
作業機械1は、図1に示すように、作業機械本体10に対してキャブ15を変位させることが可能な機械である。作業機械1は、建設機械(油圧ショベル等)、または、建設機械の応用機械(金属リサイクル機等)などである。例えば、作業機械1は、港湾作業における荷物の船倉等への積み込み及び積み下ろし作業を行う機械である。また例えば、作業機械1は、スクラップや鉄材等のトラックの荷台等への積み込み及び積み下ろし作業や、スクラップや鉄材等の集積を行う機械である。作業機械1は、船倉、荷台、又は集積物などを上から見ながら操作しやすいように構成される。
【0014】
この作業機械1は、作業機械本体10と、作業機械本体10に変位可能に搭載されたキャブ15と、作業機械本体10とキャブ15とを連結するキャブ昇降装置20と、キャブ昇降装置20に取り付けられた電磁石50とを備える。また、作業機械1は、図3に示すように、作業機械本体10(図1参照)に設けられたエンジン61と、エンジン61を駆動源とするアクチュエータ65と、アクチュエータ65を操作するための操作レバー66(操作手段)と、操作レバー66の操作の有効と無効とを切り換えるレバーロック68(ロック手段)と、電磁石50の励磁を制御する電磁石制御手段70と、電磁石制御手段70にそれぞれ接続されたエンジン動作検知手段62、操作検知手段67、及び位置検知手段69と、を備える。
【0015】
作業機械本体10は、図1に示すように、下部走行体11と、下部走行体11の上方に旋回可能に取り付けられた上部本体12とを備える。下部走行体11は、作業機械1を走行させる部分であり、例えばクローラ式である(ホイール式でも良い)。
【0016】
上部本体12には、図示しないアタッチメントが取り付けられる。このアタッチメントは、例えば、上部本体12に起伏可能に取り付けられたブームと、ブーム先端に起伏可能に取り付けられたアームと、アーム先端に取り付けられた作業具(リフティングマグネット、グラップル、バケットなど)とを備える。
【0017】
キャブ15は、作業機械1のオペレータが乗り込む箱状の運転室である。キャブ15は、作業機械本体10に変位可能に搭載される。
【0018】
キャブ昇降装置20は、作業機械本体10とキャブ15とを連結し、最下位置と最上位置との間でキャブ15を変位させる装置である。最下位置とは、作業機械本体10に対するキャブ15の位置のうち最も低い位置である。図2に示すように、キャブ昇降装置20は、リンク式であり、作業機械本体10(図1参照)に固定された支持部30と、支持部30に支持された可動部40と、支持部30と可動部40とに連結されたシリンダ48(煩雑を避けるため図2において二点鎖線で示す)とを備える。
【0019】
支持部30は、図1に示すように、可動部40を支持する部分である。支持部30は、上部本体12の前端部に固定される。支持部30は、柱状の支持フレーム31と、支持フレーム31の下端が固定された支持フレーム取付部35とを備える。ここで、作業機械1は、下部走行体11の上方に旋回可能に取り付けられた旋回フレームFを備える。本実施形態では、この旋回フレームFのうち支持フレーム31の下方の部分(支持フレーム取付部35)をキャブ昇降装置20の一部とし、この旋回フレームFのうち残りの部分を作業機械本体10の一部とする。
【0020】
支持フレーム31は、可動部40が取り付けられる部材(ブラケット)である。図2に示すように、支持フレーム31は、左右の側板部32R・32Lと、側板部32R・32L同士を連結する支持側連結部33とを備える。
【0021】
側板部32R・32Lは、旋回フレームF(の支持フレーム取付部35)から上方に突出するように旋回フレームFに固定される。側板部32R・32Lは、互いに対向して配置される。側板部32R・32Lは、それぞれ1枚(合計2枚)の板で構成される(それぞれ2枚、合計4枚などでも良い)。
【0022】
支持側連結部33は、例えば、鉛直方向に沿って配置された鉛直部33aと、鉛直方向に対して傾斜して配置された傾斜部33bと、を備える。傾斜部33bは、図1に示すように、キャブ15が最下位置の時に可動側連結部43(後述)と対向するように傾斜して配置される。なお、図2に示す側板部32R・32L同士は、支持側連結部33以外の部材(例えば背板34など)によっても連結される。
【0023】
可動部40は、支持部30とキャブ15とを連結する部分である。可動部40は、支持部30に対して(作業機械本体10に対して)可動である。可動部40は、支持部30に取り付けられたリンク41と、リンク41に取り付けられたデッキ45とを備える。
【0024】
リンク41は、支持部30とデッキ45とを連結する部材である。リンク41は、支持フレーム31の側板部32R・32Lに回動可能(ピンP1が回動中心)に取り付けられる。リンク41は、右側の側板部32Rに取り付けられた2本の右側の側柱部42Rと、左側の側板部32Lに取り付けられた2本の左側の側柱部42Lと、左右の側柱部42R・42L同士を連結する可動側連結部43とを備える。
【0025】
側柱部42Rは、上側の側柱42Ruと下側の側柱42Rbとで構成される。
側柱部42Lは、上側の側柱42Luと下側の側柱42Lbとで構成される。
【0026】
可動側連結部43は、左右の下側の側柱42Rb・42Lb同士を連結する例えば板である。可動側連結部43は、図1に示すように、キャブ15が最下位置のときに支持側連結部33の傾斜部33bと対向する。図2に示すように、可動側連結部43は、板43aから突出する突出部43bを備える。なお、左右の側柱部42R・42L同士は、可動側連結部43以外の部材(例えば、左右の上側の側柱42Ru・42Lu同士を連結する図示しない板など)によっても連結される。
【0027】
突出部43bは、図1に示すように、キャブ15が最下位置のときに電磁石50が接する部分であり、電磁石50を励磁させれば電磁石50に吸着される部分である。突出部43bは、キャブ15が最下位置のときにおける電磁石50側に板43aから突出するように(図1における右下側に突出するように)板43aに固定される。突出部43bは、例えば板43aよりも硬い、板43aを補強する部材である。突出部43bは、例えば、四角柱状や円柱状などの板状部材である。
【0028】
デッキ45は、キャブ15を上方に搭載する台である。デッキ45は、横から見て(キャブ昇降装置20の横方向から見て)例えばL字状である。図2に示すように、デッキ45には、左右の側柱部42R・42Lが回動可能に(ピンP2が回動中心)連結される。
【0029】
シリンダ48(煩雑を避けるため図2において二点鎖線で示す)は、支持部30に対して可動部40を変位させる、例えば油圧式の伸縮シリンダである。シリンダ48は、例えば2本設けられる(1本や3本以上でも良い)。シリンダ48・48は、支持部30と可動部40とに連結される。右側(左側)のシリンダ48は、側板部32R(32L)と側柱42Rb(42Lb)とに連結される。シリンダ48が伸縮すると、リンク41(側柱部42R・42L)がピンP1を中心に回動し、デッキ45が平行移動(昇降および前後に変位)し、デッキ45に搭載されたキャブ15が変位する。
【0030】
電磁石50は、キャブ昇降装置20に取り付けられる。電磁石50は、図1に示すように、キャブ15が最下位置の時に支持部30と可動部40とを磁力で吸着(固定)可能に配置される。電磁石50は、電源装置(図示なし)から供給される電力により励磁される。作業機械1がリフティングマグネット(上記アタッチメントの一例。図示なし)を備える場合、リフティングマグネット用の電源装置を用いて電磁石50を励磁させる。電磁石50は、例えば四角柱状や円柱状等である(どのような形状でも良い)。
【0031】
この電磁石50は、支持部30と可動部40とが重なるような(近接するような、対向するような)位置に配置される。
(ア)例えば、図2に示すように、電磁石50は、支持側連結部33の傾斜部33bの中央の位置Aに1つ配置される。電磁石50は、キャブ15が最下位置の時におけるリンク41側に突出するように傾斜部33bに固定される。この場合、例えば、位置Aよりも下方の位置B等にゴムストッパ(四角柱状や図示しない円柱状など)を設けても良い。
(イ)また例えば、電磁石50は、傾斜部33bの位置Aよりも下方の位置Bに1つ配置しても良い。電磁石50を下方の位置に配置するほど(リンク41の回動中心のピンP1から遠いほど)、支持部30と可動部40とをより確実に吸着できる。なお、この場合、位置A等にゴムストッパを設けても良い。
(ウ)また例えば、電磁石50は、傾斜部33bの位置Bの左右の位置C・Dに1つずつ(合計2つ)配置しても良い。電磁石50を2つ配置した場合は、1つのみ配置した場合に比べ、支持部30と可動部40とをより確実に吸着できる。
【0032】
この電磁石50の位置や個数、及び、ゴムストッパの有無や位置や個数は様々に変更できる。
(a)電磁石50は、支持部30に配置しても良く、可動部40に配置しても良く、支持部30と可動部40との両方に配置しても良い。
(b)電磁石50を支持部30に配置する場合、電磁石50は、支持フレーム31(例えば支持側連結部33の鉛直部33a)に配置しても良く、支持フレーム取付部35(例えば前端部)に配置しても良い。
(c)電磁石50を可動部40に配置する場合、電磁石50は、リンク41(例えば側柱42Rb・42Lbや、可動側連結部43など)に配置しても良く、デッキ45(例えばデッキ45の後端など)に配置しても良い。
なお、電磁石50の位置や寸法に応じて、突出部43bを適宜配置する。また、電磁石50の形状によっては、突出部43bは無くても良い。
【0033】
エンジン61(図3参照)は、上部本体12(図1参照)に搭載される。図3に示すように、エンジン61は、アクチュエータ65の駆動源である。エンジン動作検知手段62は、エンジン61が動作しているか否かを検知するものである。
【0034】
アクチュエータ65は、例えば、図1に示す下部走行体11を走行させる走行用油圧モータ(図示なし)、または、上部本体12に取り付けられたアタッチメントを動作させるアタッチメント用油圧シリンダ(図示なし)である。アクチュエータ65が動作すると、作業機械本体10が振動し、この振動がキャブ昇降装置20を介してキャブ15に伝わる。
【0035】
操作レバー66(操作手段)は、図3に示すように、アクチュエータ65を操作するためのレバーである。操作レバー66は、キャブ15(図1参照)内に設けられ、オペレータに操作される。操作レバー66は、例えばパイロット油圧を介してアクチュエータ65に指令を出力する。操作レバー66は、例えば、走行用レバー、または、アタッチメント操作用レバーである。
【0036】
操作検知手段67は、操作レバー66によるアクチュエータ65の操作の有無を検知する装置である。操作検知手段67は、例えば、操作レバー66の操作量を直接検知するセンサ、操作レバー66の操作に応じて変化するパイロット油圧を検知する圧力センサ、または、操作レバー66の操作に応じて動作するアクチュエータ65の動作の有無を検知するセンサなどである。操作検知手段67は、検知結果を電磁石制御手段70に出力する。
【0037】
レバーロック68(ロック手段)は、操作レバー66による操作の有効と無効とを切り換える装置である。レバーロック68は、キャブ15(図1参照)内に設けられ、上げ下げ等の操作をしなければオペレータが運転席へ出入りできないように構成される。レバーロック68がロック状態(OFF)のときは操作レバー66の操作が無効になり、レバーロック68が解除状態(ON)のときは操作レバー66の操作が有効になる。レバーロック68は、ONまたはOFFの情報を電磁石制御手段70に出力する。
【0038】
位置検知手段69は、キャブ15(図1参照)が最下位置か否かを検知するセンサである。位置検知手段69は、例えば、図2に示すキャブ昇降装置20のシリンダ48の伸縮位置を検知するリミットセンサ、支持フレーム31に対するリンク41の位置や回転角度を検知する近接センサやアングルセンサ等である。図3に示すように、位置検知手段69は、検知結果を電磁石制御手段70に出力する。
【0039】
電磁石制御手段70は、電磁石50の励磁を制御する装置である。電磁石制御手段70は、エンジン動作検知手段62、操作検知手段67、レバーロック68、及び、位置検知手段69に接続され、これらから入力された検知結果などに基づいて電磁石50を励磁する。電磁石制御手段70は、例えば、電磁石50用の電源(図示なし)に接続されたドライバ(図示なし)を介して、電磁石50を励磁する。
【0040】
(動作)
作業機械1(図1参照)の動作の概略は次の通りである。図3に示す電磁石制御手段70は、エンジン61が動作している時(図4のステップS1)、かつ、キャブ15(図1参照)が最下位置であることを位置検知手段69が検知している時(図4のステップS2)、かつ、操作レバー66の操作が有る時は電磁石50を励磁させる(図4のステップS3及びS4)。上記条件を満たさない時、例えば、操作レバー66の操作が無い時は、電磁石50の励磁をしない(励磁を規制する)(図4のステップS5)。以下、詳細に説明する(ステップS1〜S5については図4参照)。
【0041】
ステップS1では、図3に示すエンジン61が動作しているか否かが判断される。この判断は、エンジン動作検知手段62がエンジン61の動作を検知しているか否かにより行われる。エンジン61が動作している場合は、ステップS2へ進む。エンジン61が動作していない場合は、電磁石制御手段70は電磁石50を励磁しない(ステップS5)。
【0042】
ステップS2では、キャブ15(図1参照)が最下位置か否かが判断される。この判断は、キャブ15が最下位置であることを位置検知手段69が検知しているか否かにより行われる。キャブ15が最下位置の場合は、ステップS3へ進む。キャブ15が最下位置でない場合は、電磁石制御手段70は電磁石50を励磁しない(ステップS5)。
【0043】
ステップS3では、操作レバー66の操作が有るか否かが判断される。この判断は、操作検知手段67の検知結果に応じて行われる。
【0044】
操作レバー66の操作が有る場合は、電磁石制御手段70は電磁石50を励磁させる(ステップS4)。すなわち、アクチュエータ65の動作開始から動作中を経て動作終了までの間、電磁石50が励磁する。具体的には、アタッチメント作業中や作業機械1(図1参照)の走行中、電磁石50が励磁する。電磁石50の励磁により、支持部30と可動部40とが吸着(固定)される。その結果、図1に示す作業機械本体10に対するキャブ15の振動が抑制される。すなわち、作業機械本体10に対するキャブ15の振動を抑制できるような強さで電磁石制御手段70は電磁石50を励磁する。なお、上述した走行用およびアタッチメント操作用以外のアクチュエータ65(例えば上部本体12の旋回用など)の操作が有る時に電磁石50を励磁しても良い。
【0045】
操作レバー66の操作が無い場合は、電磁石50を励磁させない(ステップS5)。すなわち、エンジン61は動作しているがアタッチメント作業も走行もしていないアイドリング時は、電磁石50は励磁しない。レバーロック68がロック状態(OFF)のとき、すなわち、操作レバー66のレバー操作が無効のときは、「操作レバー66の操作が無い」とする。
【0046】
なお、ステップS5では、電磁石50を(完全に)励磁させなくても良く、また、電磁石50をわずかに励磁させても良い。すなわち「電磁石50の励磁を規制する」には、電磁石50を(完全に)励磁させない場合と、キャブ15(図1参照)の振動を十分に抑制できない程度に弱く電磁石50を励磁する場合とを含む。
ステップS4又はS5まで進むと、ステップS1に戻る。
【0047】
(効果)
次に、図1に示す作業機械1の効果を説明する。作業機械1は、作業機械本体10と、作業機械本体10に変位可能に搭載されたキャブ15と、作業機械本体10とキャブ15とを連結して最下位置と最上位置との間でキャブ15を変位させるキャブ昇降装置20と、を備える。キャブ昇降装置20は、作業機械本体10に固定された支持部30と、支持部30とキャブ15とを連結する可動部40と、を備える。
【0048】
(効果1)
作業機械1は、キャブ昇降装置20に取り付けられた電磁石50を備える。電磁石50は、キャブ15が最下位置の時に支持部30と可動部40とを磁力で吸着可能に配置される。よって、キャブ15が最下位置の時に電磁石50を励磁すれば、支持部30と可動部40とが吸着される。この吸着により、可動部40に連結されたキャブ15は、支持部30が固定された作業機械本体10に対して固定される。その結果、キャブ15が最下位置の時のキャブ15の振動を抑制でき、キャブ15の振動によるオペレータの不快感や不安感を軽減できる。
【0049】
(効果2)
作業機械1は、図3に示すように、アクチュエータ65と、アクチュエータ65を操作する操作レバー66(操作手段)と、アクチュエータ65の操作の有無を検知する操作検知手段67と、キャブ15(図1参照)が最下位置か否かを検知する位置検知手段69と、を備える。また、作業機械1(図1参照)は、キャブ15が最下位置であることを位置検知手段69が検知している時に(図4のステップS2。以下、ステップS1〜S5については図4参照)、操作検知手段67の検知結果に応じて電磁石50の励磁を制御する電磁石制御手段70を備える。
【0050】
(効果2−1)
電磁石制御手段70は、図3に示す操作レバー66の操作が有る時は、電磁石50を励磁させる(ステップS3及びS4)。よって、操作レバー66の操作が有る時のキャブ15(図1参照)の振動を抑制できる。
【0051】
(効果2−2)
電磁石制御手段70は、操作レバー66の操作が無い時は、電磁石50の励磁を規制する(ステップS3及びS5)。すなわち、操作レバー66により操作されるアクチュエータ65の動作が無く、このアクチュエータ65の動作によるキャブ15の振動が生じない時は、電磁石制御手段70は電磁石50の励磁を規制する。よって、操作レバー66の操作が無い時にも電磁石50を励磁する場合に比べ、エネルギー消費量を低減できる。
【0052】
(他の効果1)
電磁石制御手段70は、エンジン61の動作が無い時は電磁石50の励磁を規制する(ステップS1及びS5)。すなわち、電磁石制御手段70は、エンジン61を駆動源とするアクチュエータ65が動作せず、アクチュエータ65の動作によるキャブ15(図1参照)の振動が生じない時は、電磁石50の励磁を規制する。よって、エネルギー消費量を低減できる。
【0053】
(他の効果2)
電磁石制御手段70は、キャブ15(図1参照)が最下位置でない時は電磁石50の励磁を規制する(ステップS2及びS5)。すなわち、図2に示す電磁石50による支持部30と可動部40との吸着(固定)ができない状態の時は電磁石50の励磁を規制する。よって、エネルギー消費量を低減できる。
【0054】
(変形例1)
次に、変形例1の作業機械1について説明する。上記実施形態では、図3に示す電磁石制御手段70は、操作レバー66の操作が無い時は電磁石50の励磁を規制した(ステップS3及びS4)。しかし、操作レバー66の操作終了直後、すなわち、アクチュエータ65の動作終了直後は、アクチュエータ65の動作により作業機械1(図1参照)が振動している(揺れが残っている)場合がある。そこで変形例1では、電磁石制御手段70は、操作レバー66の操作の開始時から操作レバー66の操作の終了後所定時間T経過時まで、電磁石50を励磁させる。また、電磁石制御手段70は、操作レバー66の操作の開始時から操作レバー66の操作の終了後所定時間T経過時まで以外の時は、電磁石50の励磁を規制する。
【0055】
上記の所定時間Tは、操作レバー66の操作の終了後(アクチュエータ65の動作の終了後)、キャブ15の振動が十分におさまるのに要する時間以上とすることが好ましい。所定時間Tは、例えば数秒であり、例えば電磁石制御手段70に予め設定しておく。
【0056】
(効果3−1)
図3に示す電磁石制御手段70は、操作レバー66の操作の開始時から、操作レバー66の操作の終了後所定時間経過時まで、電磁石50を励磁させる。よって、操作レバー66の操作の終了直後のキャブ15(図1参照)の振動を抑制できる。
【0057】
(効果3−2)
電磁石制御手段70は、操作レバー66の操作の開始時から、操作レバー66の操作の終了後所定時間経過時まで以外の時は、電磁石50の励磁を規制する。よって、上記同様、エネルギー消費量を低減できる。
【0058】
(変形例2)
図5に変形例2の作業機械1の動作のフローチャート(図4相当図)を示す。上記実施形態および変形例1では、図3に示す電磁石制御手段70は、操作レバー66の操作が有る時等に電磁石50を励磁させた(図4のステップS3及びS4)。変形例2では、電磁石制御手段70は、レバーロック68が解除状態の時に電磁石50を励磁させる(ステップS103及びS4)。また、電磁石制御手段70は、レバーロック68がロック状態の時は電磁石50の励磁を規制する(ステップS103及びS5)。
【0059】
(効果4−1)
作業機械1(図1参照)は、図3に示すように、操作レバー66による操作の有効と無効とを切り換えるレバーロック68(ロック手段)を備える。電磁石制御手段70は、レバーロック68が解除状態の時は電磁石50を励磁させる(ステップS103及びS4)。すなわち、操作レバー66によるアクチュエータ65の操作が有効であり、アクチュエータ65が動作する可能性がある時は、電磁石制御手段70は電磁石50を励磁させる。よって、レバーロック68が解除状態の時のキャブ15の振動を抑制できる。
【0060】
(効果4−2)
電磁石制御手段70は、レバーロック68がロック状態の時は電磁石50の励磁を規制する(ステップS103及びS5)。すなわち、操作レバー66によるアクチュエータ65の操作が無効であり、アクチュエータ65が動作する可能性が無い時は、電磁石制御手段70は電磁石50の励磁を規制する。よって、上記同様、エネルギー消費量を低減できる。
【0061】
(その他の変形例)
作業機械1の構成は様々に変形できる。
例えば、図1及び図2に示す各部材(例えばキャブ昇降装置20等)の配置や形状、図3のブロック図に示す各構成の接続関係、図4及び図5のフローチャートの判断や処理の順序などは、適宜変更しても良い。
また例えば、上記実施形態では、エンジン61が動作していない時や、キャブ15が最下位置では無い時に、電磁石制御手段70は電磁石50の励磁を規制した(電磁石50を励磁させなかった)。しかし、エンジン61が動作していない時や、キャブ15が最下位置では無い時には、電磁石制御手段70は電磁石50の励磁の制御をしても良いし、しなくても良い。
【符号の説明】
【0062】
1 作業機械
10 作業機械本体
15 キャブ
20 キャブ昇降装置
50 電磁石
30 支持部
40 可動部
61 アクチュエータ
62 操作レバー(操作手段)
63 操作検知手段
66 レバーロック(ロック手段)
68 位置検知手段
70 電磁石制御手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャブ昇降装置を備えた作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、作業機械本体に対してキャブを変位可能とした作業機械がある(例えば特許文献1又は2等)。この作業機械には、リンク式のキャブ昇降装置を備えたものがある。なお、特許文献1(段落[0008]、[図1]等)には、キャブを機体から上昇させた位置で、ロックピンを用いて、キャブの落下を係止する技術が記載されている。また、特許文献2(段落[0009]、[図1]等)には、キャブの高さ位置を、スライドブロック(14)を用いて、機械的に保持させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−106563号公報
【特許文献2】特開2007−210468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び2には、キャブを最下位置よりも上昇させた位置(いわば上昇途中位置)で、機械的にキャブを固定する技術が記載されている。しかしながら、これらの技術では、キャブが最下位置のときにキャブが振動する問題がある。
【0005】
さらに詳しくは、特許文献1([図1]等)に記載のキャブ昇降装置20は、支持部(33)とリンク(31)とを備える。キャブが最下位置の時、キャブ及びリンク(31)はストッパ(58)を介して支持部(33)に支えられる。このとき、ストッパ(58)は、支持部(33)に固定されず、単に支持部(33)に接触するのみである。よって、キャブが最下位置の時にキャブが振動するおそれがある。
【0006】
この種の作業機械では、作業機械本体にアタッチメント(ブーム、アーム、作業具など)が取り付けられる。このアタッチメントを動作させた時、特に動作の開始時や終了時に、作業機械本体に衝撃や振動が生じ、その結果キャブが振動しやすい。また、作業機械の走行時にも、作業機械本体が振動し、その結果キャブが振動しやすい。キャブが振動すると、キャブ内のオペレータに不快感や不安感を与えてしまう。
【0007】
また、特許文献1に記載のストッパ(58)には、通常、ゴム等の弾性部材(以下、単に「ゴム」)が用いられる。ここで、キャブの振動のうち、ゴムの圧縮方向のキャブの変位に対しては、ストッパの減衰効果を得られる。しかし、ゴムの引っ張り方向、すなわち、支持部(33)とリンク(31)とが離れる方向のキャブの変位に対しては、ゴムの減衰効果(振動低減効果)を得る事が出来ない。キャブの振動振幅が大きい時等は、ゴムのバネ特性によりキャブの振動がより大きくなる場合もある。
【0008】
そこで本発明は、キャブが最下位置の時のキャブの振動を抑制でき、キャブの振動によるオペレータの不快感や不安感を軽減できる、作業機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の作業機械は、作業機械本体と、前記作業機械本体に変位可能に搭載されたキャブと、前記作業機械本体と前記キャブとを連結し最下位置と最上位置との間で前記キャブを変位させるキャブ昇降装置と、前記キャブ昇降装置に取り付けられた電磁石と、を備える。前記キャブ昇降装置は、前記作業機械本体に固定された支持部と、前記支持部と前記キャブとを連結する可動部と、を備える。前記電磁石は、前記キャブが前記最下位置の時に前記支持部と前記可動部とを磁力で吸着可能に配置されている。
【発明の効果】
【0010】
キャブが最下位置の時のキャブの振動を抑制でき、キャブの振動によるオペレータの不快感や不安感を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】作業機械1の全体図である。
【図2】図1に示すキャブ15及びキャブ昇降装置20の斜視図である。
【図3】図1に示す作業機械1が備える電磁石制御手段70等のブロック図である。
【図4】図1に示す作業機械の動作のフローチャートである。
【図5】変形例2の図4相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1〜図4を参照して本発明の実施形態の作業機械1を説明する。なお、図1に示す作業機械1のキャブ15の位置は最下位置である。図2に示すキャブ15の位置は最上位置である。
【0013】
作業機械1は、図1に示すように、作業機械本体10に対してキャブ15を変位させることが可能な機械である。作業機械1は、建設機械(油圧ショベル等)、または、建設機械の応用機械(金属リサイクル機等)などである。例えば、作業機械1は、港湾作業における荷物の船倉等への積み込み及び積み下ろし作業を行う機械である。また例えば、作業機械1は、スクラップや鉄材等のトラックの荷台等への積み込み及び積み下ろし作業や、スクラップや鉄材等の集積を行う機械である。作業機械1は、船倉、荷台、又は集積物などを上から見ながら操作しやすいように構成される。
【0014】
この作業機械1は、作業機械本体10と、作業機械本体10に変位可能に搭載されたキャブ15と、作業機械本体10とキャブ15とを連結するキャブ昇降装置20と、キャブ昇降装置20に取り付けられた電磁石50とを備える。また、作業機械1は、図3に示すように、作業機械本体10(図1参照)に設けられたエンジン61と、エンジン61を駆動源とするアクチュエータ65と、アクチュエータ65を操作するための操作レバー66(操作手段)と、操作レバー66の操作の有効と無効とを切り換えるレバーロック68(ロック手段)と、電磁石50の励磁を制御する電磁石制御手段70と、電磁石制御手段70にそれぞれ接続されたエンジン動作検知手段62、操作検知手段67、及び位置検知手段69と、を備える。
【0015】
作業機械本体10は、図1に示すように、下部走行体11と、下部走行体11の上方に旋回可能に取り付けられた上部本体12とを備える。下部走行体11は、作業機械1を走行させる部分であり、例えばクローラ式である(ホイール式でも良い)。
【0016】
上部本体12には、図示しないアタッチメントが取り付けられる。このアタッチメントは、例えば、上部本体12に起伏可能に取り付けられたブームと、ブーム先端に起伏可能に取り付けられたアームと、アーム先端に取り付けられた作業具(リフティングマグネット、グラップル、バケットなど)とを備える。
【0017】
キャブ15は、作業機械1のオペレータが乗り込む箱状の運転室である。キャブ15は、作業機械本体10に変位可能に搭載される。
【0018】
キャブ昇降装置20は、作業機械本体10とキャブ15とを連結し、最下位置と最上位置との間でキャブ15を変位させる装置である。最下位置とは、作業機械本体10に対するキャブ15の位置のうち最も低い位置である。図2に示すように、キャブ昇降装置20は、リンク式であり、作業機械本体10(図1参照)に固定された支持部30と、支持部30に支持された可動部40と、支持部30と可動部40とに連結されたシリンダ48(煩雑を避けるため図2において二点鎖線で示す)とを備える。
【0019】
支持部30は、図1に示すように、可動部40を支持する部分である。支持部30は、上部本体12の前端部に固定される。支持部30は、柱状の支持フレーム31と、支持フレーム31の下端が固定された支持フレーム取付部35とを備える。ここで、作業機械1は、下部走行体11の上方に旋回可能に取り付けられた旋回フレームFを備える。本実施形態では、この旋回フレームFのうち支持フレーム31の下方の部分(支持フレーム取付部35)をキャブ昇降装置20の一部とし、この旋回フレームFのうち残りの部分を作業機械本体10の一部とする。
【0020】
支持フレーム31は、可動部40が取り付けられる部材(ブラケット)である。図2に示すように、支持フレーム31は、左右の側板部32R・32Lと、側板部32R・32L同士を連結する支持側連結部33とを備える。
【0021】
側板部32R・32Lは、旋回フレームF(の支持フレーム取付部35)から上方に突出するように旋回フレームFに固定される。側板部32R・32Lは、互いに対向して配置される。側板部32R・32Lは、それぞれ1枚(合計2枚)の板で構成される(それぞれ2枚、合計4枚などでも良い)。
【0022】
支持側連結部33は、例えば、鉛直方向に沿って配置された鉛直部33aと、鉛直方向に対して傾斜して配置された傾斜部33bと、を備える。傾斜部33bは、図1に示すように、キャブ15が最下位置の時に可動側連結部43(後述)と対向するように傾斜して配置される。なお、図2に示す側板部32R・32L同士は、支持側連結部33以外の部材(例えば背板34など)によっても連結される。
【0023】
可動部40は、支持部30とキャブ15とを連結する部分である。可動部40は、支持部30に対して(作業機械本体10に対して)可動である。可動部40は、支持部30に取り付けられたリンク41と、リンク41に取り付けられたデッキ45とを備える。
【0024】
リンク41は、支持部30とデッキ45とを連結する部材である。リンク41は、支持フレーム31の側板部32R・32Lに回動可能(ピンP1が回動中心)に取り付けられる。リンク41は、右側の側板部32Rに取り付けられた2本の右側の側柱部42Rと、左側の側板部32Lに取り付けられた2本の左側の側柱部42Lと、左右の側柱部42R・42L同士を連結する可動側連結部43とを備える。
【0025】
側柱部42Rは、上側の側柱42Ruと下側の側柱42Rbとで構成される。
側柱部42Lは、上側の側柱42Luと下側の側柱42Lbとで構成される。
【0026】
可動側連結部43は、左右の下側の側柱42Rb・42Lb同士を連結する例えば板である。可動側連結部43は、図1に示すように、キャブ15が最下位置のときに支持側連結部33の傾斜部33bと対向する。図2に示すように、可動側連結部43は、板43aから突出する突出部43bを備える。なお、左右の側柱部42R・42L同士は、可動側連結部43以外の部材(例えば、左右の上側の側柱42Ru・42Lu同士を連結する図示しない板など)によっても連結される。
【0027】
突出部43bは、図1に示すように、キャブ15が最下位置のときに電磁石50が接する部分であり、電磁石50を励磁させれば電磁石50に吸着される部分である。突出部43bは、キャブ15が最下位置のときにおける電磁石50側に板43aから突出するように(図1における右下側に突出するように)板43aに固定される。突出部43bは、例えば板43aよりも硬い、板43aを補強する部材である。突出部43bは、例えば、四角柱状や円柱状などの板状部材である。
【0028】
デッキ45は、キャブ15を上方に搭載する台である。デッキ45は、横から見て(キャブ昇降装置20の横方向から見て)例えばL字状である。図2に示すように、デッキ45には、左右の側柱部42R・42Lが回動可能に(ピンP2が回動中心)連結される。
【0029】
シリンダ48(煩雑を避けるため図2において二点鎖線で示す)は、支持部30に対して可動部40を変位させる、例えば油圧式の伸縮シリンダである。シリンダ48は、例えば2本設けられる(1本や3本以上でも良い)。シリンダ48・48は、支持部30と可動部40とに連結される。右側(左側)のシリンダ48は、側板部32R(32L)と側柱42Rb(42Lb)とに連結される。シリンダ48が伸縮すると、リンク41(側柱部42R・42L)がピンP1を中心に回動し、デッキ45が平行移動(昇降および前後に変位)し、デッキ45に搭載されたキャブ15が変位する。
【0030】
電磁石50は、キャブ昇降装置20に取り付けられる。電磁石50は、図1に示すように、キャブ15が最下位置の時に支持部30と可動部40とを磁力で吸着(固定)可能に配置される。電磁石50は、電源装置(図示なし)から供給される電力により励磁される。作業機械1がリフティングマグネット(上記アタッチメントの一例。図示なし)を備える場合、リフティングマグネット用の電源装置を用いて電磁石50を励磁させる。電磁石50は、例えば四角柱状や円柱状等である(どのような形状でも良い)。
【0031】
この電磁石50は、支持部30と可動部40とが重なるような(近接するような、対向するような)位置に配置される。
(ア)例えば、図2に示すように、電磁石50は、支持側連結部33の傾斜部33bの中央の位置Aに1つ配置される。電磁石50は、キャブ15が最下位置の時におけるリンク41側に突出するように傾斜部33bに固定される。この場合、例えば、位置Aよりも下方の位置B等にゴムストッパ(四角柱状や図示しない円柱状など)を設けても良い。
(イ)また例えば、電磁石50は、傾斜部33bの位置Aよりも下方の位置Bに1つ配置しても良い。電磁石50を下方の位置に配置するほど(リンク41の回動中心のピンP1から遠いほど)、支持部30と可動部40とをより確実に吸着できる。なお、この場合、位置A等にゴムストッパを設けても良い。
(ウ)また例えば、電磁石50は、傾斜部33bの位置Bの左右の位置C・Dに1つずつ(合計2つ)配置しても良い。電磁石50を2つ配置した場合は、1つのみ配置した場合に比べ、支持部30と可動部40とをより確実に吸着できる。
【0032】
この電磁石50の位置や個数、及び、ゴムストッパの有無や位置や個数は様々に変更できる。
(a)電磁石50は、支持部30に配置しても良く、可動部40に配置しても良く、支持部30と可動部40との両方に配置しても良い。
(b)電磁石50を支持部30に配置する場合、電磁石50は、支持フレーム31(例えば支持側連結部33の鉛直部33a)に配置しても良く、支持フレーム取付部35(例えば前端部)に配置しても良い。
(c)電磁石50を可動部40に配置する場合、電磁石50は、リンク41(例えば側柱42Rb・42Lbや、可動側連結部43など)に配置しても良く、デッキ45(例えばデッキ45の後端など)に配置しても良い。
なお、電磁石50の位置や寸法に応じて、突出部43bを適宜配置する。また、電磁石50の形状によっては、突出部43bは無くても良い。
【0033】
エンジン61(図3参照)は、上部本体12(図1参照)に搭載される。図3に示すように、エンジン61は、アクチュエータ65の駆動源である。エンジン動作検知手段62は、エンジン61が動作しているか否かを検知するものである。
【0034】
アクチュエータ65は、例えば、図1に示す下部走行体11を走行させる走行用油圧モータ(図示なし)、または、上部本体12に取り付けられたアタッチメントを動作させるアタッチメント用油圧シリンダ(図示なし)である。アクチュエータ65が動作すると、作業機械本体10が振動し、この振動がキャブ昇降装置20を介してキャブ15に伝わる。
【0035】
操作レバー66(操作手段)は、図3に示すように、アクチュエータ65を操作するためのレバーである。操作レバー66は、キャブ15(図1参照)内に設けられ、オペレータに操作される。操作レバー66は、例えばパイロット油圧を介してアクチュエータ65に指令を出力する。操作レバー66は、例えば、走行用レバー、または、アタッチメント操作用レバーである。
【0036】
操作検知手段67は、操作レバー66によるアクチュエータ65の操作の有無を検知する装置である。操作検知手段67は、例えば、操作レバー66の操作量を直接検知するセンサ、操作レバー66の操作に応じて変化するパイロット油圧を検知する圧力センサ、または、操作レバー66の操作に応じて動作するアクチュエータ65の動作の有無を検知するセンサなどである。操作検知手段67は、検知結果を電磁石制御手段70に出力する。
【0037】
レバーロック68(ロック手段)は、操作レバー66による操作の有効と無効とを切り換える装置である。レバーロック68は、キャブ15(図1参照)内に設けられ、上げ下げ等の操作をしなければオペレータが運転席へ出入りできないように構成される。レバーロック68がロック状態(OFF)のときは操作レバー66の操作が無効になり、レバーロック68が解除状態(ON)のときは操作レバー66の操作が有効になる。レバーロック68は、ONまたはOFFの情報を電磁石制御手段70に出力する。
【0038】
位置検知手段69は、キャブ15(図1参照)が最下位置か否かを検知するセンサである。位置検知手段69は、例えば、図2に示すキャブ昇降装置20のシリンダ48の伸縮位置を検知するリミットセンサ、支持フレーム31に対するリンク41の位置や回転角度を検知する近接センサやアングルセンサ等である。図3に示すように、位置検知手段69は、検知結果を電磁石制御手段70に出力する。
【0039】
電磁石制御手段70は、電磁石50の励磁を制御する装置である。電磁石制御手段70は、エンジン動作検知手段62、操作検知手段67、レバーロック68、及び、位置検知手段69に接続され、これらから入力された検知結果などに基づいて電磁石50を励磁する。電磁石制御手段70は、例えば、電磁石50用の電源(図示なし)に接続されたドライバ(図示なし)を介して、電磁石50を励磁する。
【0040】
(動作)
作業機械1(図1参照)の動作の概略は次の通りである。図3に示す電磁石制御手段70は、エンジン61が動作している時(図4のステップS1)、かつ、キャブ15(図1参照)が最下位置であることを位置検知手段69が検知している時(図4のステップS2)、かつ、操作レバー66の操作が有る時は電磁石50を励磁させる(図4のステップS3及びS4)。上記条件を満たさない時、例えば、操作レバー66の操作が無い時は、電磁石50の励磁をしない(励磁を規制する)(図4のステップS5)。以下、詳細に説明する(ステップS1〜S5については図4参照)。
【0041】
ステップS1では、図3に示すエンジン61が動作しているか否かが判断される。この判断は、エンジン動作検知手段62がエンジン61の動作を検知しているか否かにより行われる。エンジン61が動作している場合は、ステップS2へ進む。エンジン61が動作していない場合は、電磁石制御手段70は電磁石50を励磁しない(ステップS5)。
【0042】
ステップS2では、キャブ15(図1参照)が最下位置か否かが判断される。この判断は、キャブ15が最下位置であることを位置検知手段69が検知しているか否かにより行われる。キャブ15が最下位置の場合は、ステップS3へ進む。キャブ15が最下位置でない場合は、電磁石制御手段70は電磁石50を励磁しない(ステップS5)。
【0043】
ステップS3では、操作レバー66の操作が有るか否かが判断される。この判断は、操作検知手段67の検知結果に応じて行われる。
【0044】
操作レバー66の操作が有る場合は、電磁石制御手段70は電磁石50を励磁させる(ステップS4)。すなわち、アクチュエータ65の動作開始から動作中を経て動作終了までの間、電磁石50が励磁する。具体的には、アタッチメント作業中や作業機械1(図1参照)の走行中、電磁石50が励磁する。電磁石50の励磁により、支持部30と可動部40とが吸着(固定)される。その結果、図1に示す作業機械本体10に対するキャブ15の振動が抑制される。すなわち、作業機械本体10に対するキャブ15の振動を抑制できるような強さで電磁石制御手段70は電磁石50を励磁する。なお、上述した走行用およびアタッチメント操作用以外のアクチュエータ65(例えば上部本体12の旋回用など)の操作が有る時に電磁石50を励磁しても良い。
【0045】
操作レバー66の操作が無い場合は、電磁石50を励磁させない(ステップS5)。すなわち、エンジン61は動作しているがアタッチメント作業も走行もしていないアイドリング時は、電磁石50は励磁しない。レバーロック68がロック状態(OFF)のとき、すなわち、操作レバー66のレバー操作が無効のときは、「操作レバー66の操作が無い」とする。
【0046】
なお、ステップS5では、電磁石50を(完全に)励磁させなくても良く、また、電磁石50をわずかに励磁させても良い。すなわち「電磁石50の励磁を規制する」には、電磁石50を(完全に)励磁させない場合と、キャブ15(図1参照)の振動を十分に抑制できない程度に弱く電磁石50を励磁する場合とを含む。
ステップS4又はS5まで進むと、ステップS1に戻る。
【0047】
(効果)
次に、図1に示す作業機械1の効果を説明する。作業機械1は、作業機械本体10と、作業機械本体10に変位可能に搭載されたキャブ15と、作業機械本体10とキャブ15とを連結して最下位置と最上位置との間でキャブ15を変位させるキャブ昇降装置20と、を備える。キャブ昇降装置20は、作業機械本体10に固定された支持部30と、支持部30とキャブ15とを連結する可動部40と、を備える。
【0048】
(効果1)
作業機械1は、キャブ昇降装置20に取り付けられた電磁石50を備える。電磁石50は、キャブ15が最下位置の時に支持部30と可動部40とを磁力で吸着可能に配置される。よって、キャブ15が最下位置の時に電磁石50を励磁すれば、支持部30と可動部40とが吸着される。この吸着により、可動部40に連結されたキャブ15は、支持部30が固定された作業機械本体10に対して固定される。その結果、キャブ15が最下位置の時のキャブ15の振動を抑制でき、キャブ15の振動によるオペレータの不快感や不安感を軽減できる。
【0049】
(効果2)
作業機械1は、図3に示すように、アクチュエータ65と、アクチュエータ65を操作する操作レバー66(操作手段)と、アクチュエータ65の操作の有無を検知する操作検知手段67と、キャブ15(図1参照)が最下位置か否かを検知する位置検知手段69と、を備える。また、作業機械1(図1参照)は、キャブ15が最下位置であることを位置検知手段69が検知している時に(図4のステップS2。以下、ステップS1〜S5については図4参照)、操作検知手段67の検知結果に応じて電磁石50の励磁を制御する電磁石制御手段70を備える。
【0050】
(効果2−1)
電磁石制御手段70は、図3に示す操作レバー66の操作が有る時は、電磁石50を励磁させる(ステップS3及びS4)。よって、操作レバー66の操作が有る時のキャブ15(図1参照)の振動を抑制できる。
【0051】
(効果2−2)
電磁石制御手段70は、操作レバー66の操作が無い時は、電磁石50の励磁を規制する(ステップS3及びS5)。すなわち、操作レバー66により操作されるアクチュエータ65の動作が無く、このアクチュエータ65の動作によるキャブ15の振動が生じない時は、電磁石制御手段70は電磁石50の励磁を規制する。よって、操作レバー66の操作が無い時にも電磁石50を励磁する場合に比べ、エネルギー消費量を低減できる。
【0052】
(他の効果1)
電磁石制御手段70は、エンジン61の動作が無い時は電磁石50の励磁を規制する(ステップS1及びS5)。すなわち、電磁石制御手段70は、エンジン61を駆動源とするアクチュエータ65が動作せず、アクチュエータ65の動作によるキャブ15(図1参照)の振動が生じない時は、電磁石50の励磁を規制する。よって、エネルギー消費量を低減できる。
【0053】
(他の効果2)
電磁石制御手段70は、キャブ15(図1参照)が最下位置でない時は電磁石50の励磁を規制する(ステップS2及びS5)。すなわち、図2に示す電磁石50による支持部30と可動部40との吸着(固定)ができない状態の時は電磁石50の励磁を規制する。よって、エネルギー消費量を低減できる。
【0054】
(変形例1)
次に、変形例1の作業機械1について説明する。上記実施形態では、図3に示す電磁石制御手段70は、操作レバー66の操作が無い時は電磁石50の励磁を規制した(ステップS3及びS4)。しかし、操作レバー66の操作終了直後、すなわち、アクチュエータ65の動作終了直後は、アクチュエータ65の動作により作業機械1(図1参照)が振動している(揺れが残っている)場合がある。そこで変形例1では、電磁石制御手段70は、操作レバー66の操作の開始時から操作レバー66の操作の終了後所定時間T経過時まで、電磁石50を励磁させる。また、電磁石制御手段70は、操作レバー66の操作の開始時から操作レバー66の操作の終了後所定時間T経過時まで以外の時は、電磁石50の励磁を規制する。
【0055】
上記の所定時間Tは、操作レバー66の操作の終了後(アクチュエータ65の動作の終了後)、キャブ15の振動が十分におさまるのに要する時間以上とすることが好ましい。所定時間Tは、例えば数秒であり、例えば電磁石制御手段70に予め設定しておく。
【0056】
(効果3−1)
図3に示す電磁石制御手段70は、操作レバー66の操作の開始時から、操作レバー66の操作の終了後所定時間経過時まで、電磁石50を励磁させる。よって、操作レバー66の操作の終了直後のキャブ15(図1参照)の振動を抑制できる。
【0057】
(効果3−2)
電磁石制御手段70は、操作レバー66の操作の開始時から、操作レバー66の操作の終了後所定時間経過時まで以外の時は、電磁石50の励磁を規制する。よって、上記同様、エネルギー消費量を低減できる。
【0058】
(変形例2)
図5に変形例2の作業機械1の動作のフローチャート(図4相当図)を示す。上記実施形態および変形例1では、図3に示す電磁石制御手段70は、操作レバー66の操作が有る時等に電磁石50を励磁させた(図4のステップS3及びS4)。変形例2では、電磁石制御手段70は、レバーロック68が解除状態の時に電磁石50を励磁させる(ステップS103及びS4)。また、電磁石制御手段70は、レバーロック68がロック状態の時は電磁石50の励磁を規制する(ステップS103及びS5)。
【0059】
(効果4−1)
作業機械1(図1参照)は、図3に示すように、操作レバー66による操作の有効と無効とを切り換えるレバーロック68(ロック手段)を備える。電磁石制御手段70は、レバーロック68が解除状態の時は電磁石50を励磁させる(ステップS103及びS4)。すなわち、操作レバー66によるアクチュエータ65の操作が有効であり、アクチュエータ65が動作する可能性がある時は、電磁石制御手段70は電磁石50を励磁させる。よって、レバーロック68が解除状態の時のキャブ15の振動を抑制できる。
【0060】
(効果4−2)
電磁石制御手段70は、レバーロック68がロック状態の時は電磁石50の励磁を規制する(ステップS103及びS5)。すなわち、操作レバー66によるアクチュエータ65の操作が無効であり、アクチュエータ65が動作する可能性が無い時は、電磁石制御手段70は電磁石50の励磁を規制する。よって、上記同様、エネルギー消費量を低減できる。
【0061】
(その他の変形例)
作業機械1の構成は様々に変形できる。
例えば、図1及び図2に示す各部材(例えばキャブ昇降装置20等)の配置や形状、図3のブロック図に示す各構成の接続関係、図4及び図5のフローチャートの判断や処理の順序などは、適宜変更しても良い。
また例えば、上記実施形態では、エンジン61が動作していない時や、キャブ15が最下位置では無い時に、電磁石制御手段70は電磁石50の励磁を規制した(電磁石50を励磁させなかった)。しかし、エンジン61が動作していない時や、キャブ15が最下位置では無い時には、電磁石制御手段70は電磁石50の励磁の制御をしても良いし、しなくても良い。
【符号の説明】
【0062】
1 作業機械
10 作業機械本体
15 キャブ
20 キャブ昇降装置
50 電磁石
30 支持部
40 可動部
61 アクチュエータ
62 操作レバー(操作手段)
63 操作検知手段
66 レバーロック(ロック手段)
68 位置検知手段
70 電磁石制御手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械本体と、
前記作業機械本体に変位可能に搭載されたキャブと、
前記作業機械本体と前記キャブとを連結し、最下位置と最上位置との間で前記キャブを変位させるキャブ昇降装置と、
前記キャブ昇降装置に取り付けられた電磁石と、を備え、
前記キャブ昇降装置は、
前記作業機械本体に固定された支持部と、
前記支持部と前記キャブとを連結する可動部と、を備え、
前記電磁石は、前記キャブが前記最下位置の時に前記支持部と前記可動部とを磁力で吸着可能に配置された、作業機械。
【請求項2】
アクチュエータと、
前記アクチュエータを操作する操作手段と、
前記操作手段による前記アクチュエータの操作の有無を検知する操作検知手段と、
前記キャブが最下位置か否かを検知する位置検知手段と、
前記キャブが最下位置であることを前記位置検知手段が検知している時に、前記操作検知手段の検知結果に応じて前記電磁石の励磁を制御する電磁石制御手段と、をさらに備え、
前記電磁石制御手段は、
前記操作手段の操作が有る時は前記電磁石を励磁させ、
前記操作手段の操作が無い時は前記電磁石の励磁を規制する、請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
アクチュエータと、
前記アクチュエータを操作する操作手段と、
前記操作手段による前記アクチュエータの操作の有無を検知する操作検知手段と、
前記キャブが最下位置か否かを検知する位置検知手段と、
前記キャブが最下位置であることを前記位置検知手段が検知している時に、前記操作検知手段の検知結果に応じて前記電磁石の励磁を制御する電磁石制御手段と、をさらに備え、
前記電磁石制御手段は、
前記操作手段の操作の開始時から前記操作手段の操作の終了後所定時間経過時まで、前記電磁石を励磁させ、
前記操作手段の操作の開始時から前記操作手段の操作の終了後所定時間経過時まで以外の時は、前記電磁石の励磁を規制する、請求項1に記載の作業機械。
【請求項4】
アクチュエータと、
前記アクチュエータを操作する操作手段と、
前記操作手段による操作の有効と無効とを切り換えるロック手段と、
前記キャブが最下位置か否かを検知する位置検知手段と、
前記キャブが最下位置であることを前記位置検知手段が検知している時に前記電磁石の励磁を制御する電磁石制御手段と、をさらに備え、
前記電磁石制御手段は、
前記ロック手段が解除状態の時は前記電磁石を励磁させ、
前記ロック手段がロック状態の時は前記電磁石の励磁を規制する、請求項1に記載の作業機械。
【請求項1】
作業機械本体と、
前記作業機械本体に変位可能に搭載されたキャブと、
前記作業機械本体と前記キャブとを連結し、最下位置と最上位置との間で前記キャブを変位させるキャブ昇降装置と、
前記キャブ昇降装置に取り付けられた電磁石と、を備え、
前記キャブ昇降装置は、
前記作業機械本体に固定された支持部と、
前記支持部と前記キャブとを連結する可動部と、を備え、
前記電磁石は、前記キャブが前記最下位置の時に前記支持部と前記可動部とを磁力で吸着可能に配置された、作業機械。
【請求項2】
アクチュエータと、
前記アクチュエータを操作する操作手段と、
前記操作手段による前記アクチュエータの操作の有無を検知する操作検知手段と、
前記キャブが最下位置か否かを検知する位置検知手段と、
前記キャブが最下位置であることを前記位置検知手段が検知している時に、前記操作検知手段の検知結果に応じて前記電磁石の励磁を制御する電磁石制御手段と、をさらに備え、
前記電磁石制御手段は、
前記操作手段の操作が有る時は前記電磁石を励磁させ、
前記操作手段の操作が無い時は前記電磁石の励磁を規制する、請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
アクチュエータと、
前記アクチュエータを操作する操作手段と、
前記操作手段による前記アクチュエータの操作の有無を検知する操作検知手段と、
前記キャブが最下位置か否かを検知する位置検知手段と、
前記キャブが最下位置であることを前記位置検知手段が検知している時に、前記操作検知手段の検知結果に応じて前記電磁石の励磁を制御する電磁石制御手段と、をさらに備え、
前記電磁石制御手段は、
前記操作手段の操作の開始時から前記操作手段の操作の終了後所定時間経過時まで、前記電磁石を励磁させ、
前記操作手段の操作の開始時から前記操作手段の操作の終了後所定時間経過時まで以外の時は、前記電磁石の励磁を規制する、請求項1に記載の作業機械。
【請求項4】
アクチュエータと、
前記アクチュエータを操作する操作手段と、
前記操作手段による操作の有効と無効とを切り換えるロック手段と、
前記キャブが最下位置か否かを検知する位置検知手段と、
前記キャブが最下位置であることを前記位置検知手段が検知している時に前記電磁石の励磁を制御する電磁石制御手段と、をさらに備え、
前記電磁石制御手段は、
前記ロック手段が解除状態の時は前記電磁石を励磁させ、
前記ロック手段がロック状態の時は前記電磁石の励磁を規制する、請求項1に記載の作業機械。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2013−36171(P2013−36171A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170751(P2011−170751)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【出願人】(000246273)コベルコ建機株式会社 (644)
【Fターム(参考)】
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