作業機連結装置
【課題】トラクタ車体の後部に昇降自在に装着された連結枠に作業機が自動連結される際に連結枠側の電源コネクタと作業機側の電源コネクタとが自動的に接続されるようにした作業機連結装置において、電源コネクタ同士の接続の信頼性の向上を図る。
【解決手段】連結枠3側又は作業機4側の一方の電源コネクタ42側に、電源コネクタ42同士の接続方向に長い案内ガイド105を設け、他方の電源コネクタ41側に、該他方の電源コネクタ41に対して前記一方の電源コネクタ42を相対的に接続方向に案内すべく、一方の電源コネクタ41と他方の電源コネクタ42とが接続し始める前に前記案内ガイド105に係合し且つ一方の電源コネクタ41と他方の電源コネクタ42との接続が完了するまで案内ガイド105に係合する被ガイド部112を設ける。
【解決手段】連結枠3側又は作業機4側の一方の電源コネクタ42側に、電源コネクタ42同士の接続方向に長い案内ガイド105を設け、他方の電源コネクタ41側に、該他方の電源コネクタ41に対して前記一方の電源コネクタ42を相対的に接続方向に案内すべく、一方の電源コネクタ41と他方の電源コネクタ42とが接続し始める前に前記案内ガイド105に係合し且つ一方の電源コネクタ41と他方の電源コネクタ42との接続が完了するまで案内ガイド105に係合する被ガイド部112を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタに作業機を自動連結する作業機連結装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トラクタに作業機を自動連結する作業機連結装置がある(特許文献1参照)。
この作業機連結装置は、トラクタ車体の後部にリンク機構を介して昇降自在に装着された連結枠を備えている。この連結枠の上部には係合部が設けられ、該連結枠の下部には嵌合部とロック部材とが左右一対設けられている。
作業機には、前記連結枠の係合部に係合する被係合部と、連結枠の左右の嵌合部に嵌合する左右の嵌合部材とが設けられている。
【0003】
この作業機連結装置にあっては、係合部を被係合部に係合させた状態で連結枠を上昇させて作業機を吊り上げることにより、作業機が連結枠に接近するように被係合部を中心として揺動して左右の嵌合部材が左右の嵌合部に嵌合し、且つ嵌合部に嵌合した嵌合部材に対してロック部材が係合して該嵌合部材が嵌合部から外れないようにロックされ、これにより、連結枠に作業機が連結されるように構成されている。
【0004】
前記嵌合部材は作業機が連結枠に接近する際にロック部材を下方揺動させて嵌合部に嵌合し、該嵌合部材が嵌合部に嵌合するとロック部材が上方揺動して復帰し、該ロック部材が嵌合部材の離脱を阻止するように構成されている。
また、トラクタに作業機を自動連結する作業機連結装置として、作業機を自動連結する際に、トラクタ側の電源コネクタと作業機側の電源コネクタとが自動的に接続されるようにした作業機連結装置がある(特許文献2参照)。
【0005】
この作業機連結装置にあっては、連結枠に、トラクタに設けられた電源にハーネスを介して接続された電源コネクタを設け、作業機に、該作業機に設けられた電気機器にハーネスを介して接続された電源コネクタを設け、作業機が連結枠に連結された時に、作業機側の電源コネクタが連結枠側の電源コネクタに自動的に接続されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−184403号公報
【特許文献2】特許第3661215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献2に記載の作業機連結装置にあっては、作業機側の電源コネクタが連結枠側の電源コネクタに接続されるまで案内するガイドが無いので接続不良を生じることが考えられる。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、連結枠に作業機が自動連結される際に連結枠側の電源コネクタと作業機側の電源コネクタとが自動的に接続されるようにした作業機連結装置において、電源コネクタ同士の接続の信頼性の向上を企図した作業機連結装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
請求項1に係る発明では、トラクタ車体の後部に昇降自在に装着された連結枠を設け、この連結枠の上部に設けた係合部を作業機側に設けた被係合部に係合させた状態で連結枠を上昇させて作業機を吊り上げることにより、作業機が連結枠に接近するように被係合部を中心として揺動して連結枠に自動連結されるように構成し、この作業機が連結枠に連結される時に、作業機側に設けた電源コネクタが連結枠側に設けた電源コネクタに自動的に接続されるように構成された作業機連結装置において、
連結枠側又は作業機側の一方の電源コネクタ側に、該電源コネクタの接続方向に長い案内ガイドを設け、
他方の電源コネクタ側に、該他方の電源コネクタに対して前記一方の電源コネクタを相対的に接続方向に案内すべく、一方の電源コネクタと他方の電源コネクタとが接続し始める前に前記案内ガイドに係合し且つ一方の電源コネクタと他方の電源コネクタとの接続が完了するまで案内ガイドに係合する被ガイド部を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明では、前記案内ガイドは対向する一対のガイド部材からなり、
前記被ガイド部は、電源コネクタの接続動作時に前記一対のガイド部材間に挿入することで該一対のガイド部材の間隔をバネ力に抗して押し広げ、且つ電源コネクタの接続完了時に該一対のガイド部材が前記バネ力によって復帰することで一対のガイド部材間から抜け止めされるように案内ガイドに係合することを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明では、連結枠側又は作業機側の電源コネクタが収容されたコネクタケースを設け、このコネクタケースに収容されない側の電源コネクタはコネクタケース内に侵入して該コネクタケースに収容された電源コネクタに接続され、
前記コネクタケースは電源コネクタを侵入・退出させる出入口を開閉自在に塞ぐ蓋体を備え、この蓋体はコネクタケースのケース本体に揺動自在に枢支されていてコネクタケースに収容されない側の電源コネクタがコネクタケース内に侵入する際に、該電源コネクタ側の接当部に押動されてコネクタケースの内側に揺動して開くことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明によれば、トラクタ車体の後部に設けた連結枠に作業機を連結する際において、連結枠側又は作業機側の一方の電源コネクタ側に設けた案内ガイドに他方の電源コネクタに設けた被ガイド部が係合することにより、該他方の電源コネクタに対して前記一方の電源コネクタが相対的に接続方向に案内されて接続される。
【0012】
これによって、電源コネクタ同士の接続が確実に行え、電源コネクタ同士の接続の信頼性の向上が図られる。
請求項2に係る発明によれば、案内ガイドは一対のガイド部材からなり、被ガイド部は、一対のガイド部材の間隔を押し広げながら該ガイド部材間に挿入し且つ電源コネクタの接続完了時に一対のガイド部材がバネ力によって復帰することで一対のガイド部材間から抜け止めされる。
【0013】
これによって、電源コネクタの取付け用のネジが緩んだり、脱落したとしても、電源コネクタ同士が離反する惧れがないという効果を奏する。
請求項3に係る発明によれば、連結枠側又は作業機側の電源コネクタがコネクタケース内に収容され、他の電源コネクタがコネクタケース内に侵入して該コネクタケース内に収容された電源コネクタに接続する。
【0014】
これによって、圃場作業時において、水や泥が電源コネクタに付着するのをコネクタケースによって防止することができる。
また、前記他の電源コネクタがコネクタケースに侵入する際に、該他の電源コネクタ側の接当部がコネクタケースの出入口を塞ぐ蓋体を押圧して該蓋体をコネクタケースの内側に揺動させて開く。
【0015】
したがって、作業機をトラクタに装着する際に、コネクタケースに設けられた蓋体を手で開ける必要がなく、蓋体の開け忘れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】トラクタに作業機を連結した状態を示す側面図である。
【図2】連結枠の側面図である。
【図3】連結枠の正面図である。
【図4】作業機の機枠が連結枠に連結される前の状態を示す側面図である。
【図5】連結枠と作業機の機枠とを連結した状態を示す側面図である。
【図6】(a)は連結枠側の電源コネクタの側面図、(b)は連結枠側の電源コネクタの平面図、(c)は連結枠側の電源コネクタの背面図である。
【図7】作業機側の電源コネクタの取付状態を示す正面図である。
【図8】コネクタケースを取付けた状態を示す正面図である。
【図9】(a)はコネクタケースの取付け状態を示す側面図、(b)はコネクタケースの取付け状態を示す平面図である。
【図10】(a)はコネクタケースを断面した側面図、(b)はコネクタケースを断面した平面図である。
【図11】(a)は電源コネクタの接続前状態を示す側面断面図、(b)は電源コネクタの接続途中を示す側面断面図、(c)は電源コネクタの接続完了状態を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1において、符号1はトラクタの車体であり、該トラクタ車体1の後方には、三点リンク機構又は二点リンク機構等の装着機構2を介してトラクタ車体1に昇降自在に支持された(装着された)連結枠3が設けられ、この連結枠3に作業機4が着脱自在に連結される。
【0018】
本実施形態では、作業機として、サイドドライブ方式のロータリ耕耘機4が例示されている。
このロータリ耕耘機4は、前記連結枠3に取り付けられる機枠5と、土壌を耕耘する耕耘部6と、この耕耘部6を覆う耕耘カバー7と、ゲージ輪や培土器8等の農器具が取り付けられる揺動支持フレーム9とを備えている。
【0019】
前記機枠5は、左右方向中央部のギヤケース10から左右両側にサポートアーム11を延出すると共に左側サポートアーム11の延出端に伝動ケース12の上部を取り付け、右側サポートアーム11の延出端にサイドフレームの上部を取り付けて門型状に主構成されている。
ギヤケース10の上部には前後二股状に形成されたトップマスト13が上方突出状に設けられ、このトップマスト13の前上部には左右方向の軸心を有する上連結ピン14(被係合部)が設けられている。
【0020】
図7にも示すように、左右の各サポートアーム11は、ギヤケース10から左右方向外方に一体的に延出する基側筒部11aと、この基側筒部11aの延出端に固定された連結ブラケット15に固定の延出端側筒部11bとから構成され、前記左右連結ブラケット15の前部に左右方向の軸心を有する下連結ピン16(嵌合部材)が設けられている。
ギヤケース10には動力を入力するPIC軸17がその前面から前方に突出状に設けられている。
【0021】
耕耘部6は、伝動ケース12とサイドフレームとの下部間に左右方向の軸心廻りに回転自在に支架された爪軸18と、この爪軸18に取り付けられた多数の耕耘爪19とから構成されている。
PIC軸17からギヤケース10内に入力された動力は、ギヤケース10内のベベルギヤ伝動機構に入力されると共に該ベベルギヤ伝動機構から左側サポートアーム11内の伝動軸、伝動ケース12内のチェーン伝動機構を経て爪軸18に伝達され、爪軸18が回転駆動されることにより、耕耘部6が回転駆動されるように構成されている。
【0022】
耕耘カバー7は、耕耘部6の上方を覆う上部カバー20と、耕耘の後方を覆う後部カバー21とを備えている。
後部カバー21は上端側が上部カバー20の後端側に回動支軸を介して左右軸廻りに回動自在に枢支されていて、該回動支軸の軸心廻りに上下揺動自在とされている。
サポートアーム11に設けた前ブラケット23と後部カバー21の背面に設けた後ブラケット24とにわたって支持杆25が設けられ、この支持杆25内にはネジ杆(図示省略)が挿入され、このネジ杆に後部カバー21の揺動範囲の下限を規制するストッパ26のネジ部が螺合されており、ネジ杆を軸心回りに回転させることにより、ストッパ26が支持杆25の長手方向に移動して、後部カバー21の揺動範囲の下限位置の調整が可能とされている。したがって、前記ネジ杆を回動させることにより後部カバー21を上げ下げすることができる。
【0023】
前記支持杆25の前端側には、ネジ杆と一体回転する操作部材27が設けられている。
また、後部カバー21は支持杆25に套嵌された図示省略の付勢バネの付勢力によって下方(接地方向)に付勢されている。
揺動支持フレーム9は、前後方向に長い左右一対の支持アーム28と、これら左右支持アーム28同士の中間部を連結する中間連結部材29と、左右方向に沿って配置されていて左右の支持アーム28の後端側に固定されたツールバー30とから主構成されている。
【0024】
各支持アーム28の前端側は前記連結ブラケット15の後部に左右軸廻りに回動自在に枢支連結されており、揺動支持フレーム9は前端側の枢支部分回りに上下揺動自在とされている。
ツールバー30の左右方向中央側に培土器8が回動支軸31を介して左右軸廻りに回動自在に取り付けられている。
【0025】
前記トップマスト13と揺動支持フレーム9の中間連結部材29とにわたって、揺動支持フレーム9を上げ下げすることによりツールバー30の高さを調整する高さ調整装置32が設けられている。
この高さ調整装置32は、トップマスト13の後部上部に左右軸廻りに回動自在に枢支された杆ホルダ33と、中間連結部材29に固定のブラケット34に左右軸廻りに回動自在に枢支された可動杆35と、杆ホルダ33内に配置された図示省略のネジ杆とを有する。
【0026】
可動杆35は杆ホルダ33内に下端から挿入されると共にネジ杆に螺合するネジ部を有し、ネジ杆を軸心回りに回転させることにより、可動杆35が杆ホルダ33の長さ方向に進退して揺動支持フレーム9が上げ下げされる。
杆ホルダ33の上端側には、該杆ホルダ33内のネジ杆と一体回転する操作部材36が設けられている。
【0027】
培土器8は、カバー部材37内に設けられた図示省略の昇降機構によって上げ下げ操作され、該昇降機構は、ネジ杆を有し、該ネジ杆を軸心回りに回転させることにより、培土器8が、図1に示す対地作業(畝立て作業等)を行う作業位置と、該作業位置から後ろ回りに180°回動させた非作業位置とに位置変更自在とされている。カバー部材37の前部には、ネジ杆と一体回転する操作部材38が設けられている。
【0028】
前記ロータリ耕耘機4には、後部カバー21を上げ下げ操作するネジ杆、揺動支持フレーム9を上げ下げ操作するネジ杆及び培土器8を上げ下げ操作するネジ杆を駆動する電動モータ39(電気機器)が装備されている。
この電動モータ39の出力軸は、ネジ杆と一体回転する各操作部材27,36,38に一体回転自在に嵌合可能であり、該電動モータ39により操作部材27,36,38を回転させることにより、ネジ杆を回転させる。
【0029】
この電動モータ39は、トラクタに装備されたバッテリ等の電源から電力が給電され、該電動モータ39を駆動するスイッチはトラクタの運転席近傍に設けられる。
電源から電動モータ39に至る給電経路は、連結枠3に設けられた連結枠側の電源コネクタ41(これを連結枠側コネクタという)と、ロータリ耕耘機4の機枠5に設けられていて前記連結枠側コネクタ41に着脱自在に接続された作業機側の電源コネクタ42(これを作業機側コネクタという)と、電源と連結枠側コネクタ41とを接続するトラクタ側給電用ハーネス43と、電動モータ39と作業機側コネクタ42とを接続する作業機側給電用ハーネス44とから構成されている。
【0030】
トラクタ車体1の後面下部には該後面からPTO軸45が突出されている。また、トラクタ車体1の後部上には、前部が左右方向の軸心を有する支軸46によって回動自在に支持された左右一対のリフトアーム47が設けられ、左右のリフトアーム47は油圧シリンダからなる昇降シリンダ48を伸縮させることによって支軸46回りに上下に揺動駆動される。
【0031】
三点リンク機構2は、上部の1本のトップリンク49と、下部の左右一対のロワーリンク50とを備え、トップリンク49の前端側はトラクタ車体1の後面上部に設けられたトップリンクブラケット51に枢支連結され、左右ロワーリンク50の前端側はトラクタ車体1の後部側面に設けられた後車軸ケース52の基部側下部に枢支連結されている。
左右のリフトアーム47の後部にはリフトロッド53の上部が枢支連結され、左右のリフトロッド53の下部は左右のロワーリンク50の中途部に枢支連結されている。
【0032】
トップリンク49と左右ロワーリンク50の後端側に前記連結枠3が取り付けられており、リフトアーム47を上下に揺動させることにより、三点リンク機構2を介して連結枠3が昇降自在とされている。
連結枠3は、図2〜図5に示すように、角パイプによって正面視山形状に形成された主枠材54を有し、この主枠材54の上下中間部には該主枠材54の左右側部を連結する中間枠材55が設けられている。
【0033】
前記主枠材54の頂部には引掛具56が設けられ、主枠材54の左右両側下端部には嵌合受具57が設けられ、左右の嵌合受具57は支持プレート58によって中間枠材55に連結されている。
前記引掛具56は、前部側にトップリンク49の後端側が枢支連結されるトップリンクピン59が設けられ、後部側がロータリ耕耘機4のトップマスト13に設けた上連結ピン14を下方から引っ掛け得るようにフック状に形成されている。
【0034】
この引掛具56後部のフック部分の上部の上方に向けて開放状の溝部60が上連結ピン14を下方から係合可能な係合部とされている。
各嵌合受具57は、図3に示すように、主枠材54の左右下端に固着された左右一対の側壁57aを有し、左右側壁57aの下面前部は底壁57bによって連結されている。
嵌合受具57の左右側壁57aの後端上部は後面上部壁57cで連結されており、左右側壁57aの後端側上下中途部には後方から前方に向けて凹設された凹部61が形成されている。
【0035】
この左右側壁57aの凹部61間にわたって、該凹部61に沿ってU字状に形成された補強プレート62が設けられている。この補強プレート62の後面側が、ロータリ耕耘機4の下連結ピン16が後方側から嵌合可能な嵌合部63とされている。
この補強プレート62の下壁の後端側には、接当壁64が下方側に向けて延設されている。
【0036】
前記嵌合受具57は上面側、前面側、下面側の底壁57b後方側が開放状とされている。
各嵌合受具57の嵌合部63の左右方向外側方にはそれぞれ左右ロワーリンク50の後端側が連結されるロワーリンクピン65が配置され、ロワーリンクピン65は外側の側壁57aの外面に当板を介して固着されている。
【0037】
また、主枠材54の左右下端には、嵌合受具57の前上部に挿入される補強板66が固着されている。
支持プレート58は左右一対設けられ、上端が中間枠材55に固着された縦壁部58aとこの縦壁部58aの下端から左右方向外方に延出されていて延出側端部が嵌合受具57に固着された横壁部58bとからL字状に形成されている。
【0038】
この左右支持プレート58の縦壁部58a間にはジョイントホルダ67が左右軸廻り回動自在に支持され、このジョイントホルダ67にはベアリングを介してジョイント軸68(ユニバーサルジョイント)の後端側のヨーク69が回転自在に支持されている。
このヨーク69にPIC軸17が嵌脱自在にスプライン嵌合され、ジョイント軸68の前端側のヨーク70にはトラクタのPTO軸45がスプライン嵌合されており、PTO軸45からジョイント軸68を介してPIC軸17に動力が伝達される。
【0039】
前記ジョイントホルダ67には、下方揺動を規制する規制部71が設けられている。
前記各嵌合受具57の左右側壁57a間にはロック部材72とねじりコイルバネからなる付勢バネ73とが組み込まれている。
ロック部材72は板材から形成されていると共に、嵌合受具57の嵌合部63に嵌入した下連結ピン16に下側から係合してその抜止めをすべく後部上面側に上向き開放状の凹部74が形成されたフック形状とされている。
【0040】
ロック部材72は、前後中途部が嵌合受具57の左右側壁57a間に設けられた左右方向の支軸75に回転自在に外嵌され、嵌合受具57の左右側壁57a間の左右方向内方側
に配置され、前部には左右方向に貫通形成された貫通孔76が形成されている。
なお、嵌合部63を形成する補強プレート62には、ロック部材72の後部の上部との干渉を避けるための挿通孔が形成されている。
【0041】
左右のロック部材72は連動部材78によって連動連結されていて、左右ロック部材72は連動して動く。この連動部材78は棒材(丸棒材)等によって形成され、上方に行くに従って左右方向内方に移行する傾斜状の左右の側杆部79と、左右側杆部79の上端同志を連結する連結杆部80と、左右各側杆部79の下端から左右方向外方に延びてロック部材72の貫通孔76に左右方向内方側から挿通される枢軸部81とから正面視略山形状に形成されている。
【0042】
連動部材78の連結杆部80及び枢軸部81は左右方向の軸心を有する。
左右各付勢バネ73はロック部材72の左右方向内方側に配置されていて支軸75に套嵌され、一端側は補強板66の下端に接当し、他端側は連動部材78の枢軸部81上面に接当していて、ロック部材72前部及び連動部材78を下方に付勢している。
前記ロック部材72の後端側上部は前上方に向けて傾斜状の案内面82とされていて、ロータリ耕耘機4の連結時に、該案内面82が下連結ピン16に押圧されると、ロック部材72後部が付勢バネ73の付勢力に抗して下方に逃げ得るようになっている。
【0043】
連動部材78の連結杆部80の左右方向中央部には揺動アーム83の上部が軸心回りに回動自在に外嵌され、揺動アーム83の下部は、連結枠3の中間枠材55に固着されたブラケット84に枢軸85を介して枢支されている。
また、揺動アーム83には操作レバー86が固着されており、この操作レバー86はロータリ耕耘機4を上昇させた時にトラクタの運転席側から操作可能とされている。
【0044】
この操作レバー86を引き上げた状態では、図2に実線で示すように、揺動アーム83が前傾状とされ、連動部材78の側杆部79の軸線Aが揺動アーム83の回動中心(揺動アーム83を枢支する枢軸85の中心)の前方側に位置していて、付勢バネ73の付勢力はロック部材72の後部を上方揺動させるように作用している。
このとき、ロック部材72後端側下部のストッパ部87が補強プレート62の接当壁64下端に接当してロック部材72後部の上方揺動が規制される。また、この状態において、ロック部材72後部の上部が下連結ピン16の嵌合部63への嵌入経路に侵入している。
【0045】
前記構成の連結枠3にロータリ耕耘機4を連結する場合について説明すると、トラクタ車体1をロータリ耕耘機4の前方に位置させ、ロワーリンク50を下げた状態でトラクタ車体1を後退させていく。このとき、操作レバー86は引き上げた状態としておく。
そして、引掛具56が上連結ピン14の下側に達すれば後退を停止し、リフトアーム47を上方揺動させて、三点リンク機構2を介して連結枠3を上昇させ、図4に示すように、引掛具56の係合部60を上連結ピン14に係合させて該上連結ピン14を引掛具56で引っ掛けてすくい上げる。
【0046】
これによって、ロータリ耕耘機4が吊り上げられて該ロータリ耕耘機4が上連結ピン14廻りにトラクタ車体1側に回動し、図5に示すように、左右の下連結ピン16がロック部材72後部の案内面82に接当して該ロック部材72後部を付勢バネ73の付勢力に抗して下方揺動させながら左右嵌合受具57の嵌合部63に嵌入する。
このとき、ロータリ耕耘機4のPIC軸17がジョイント軸68の後端側のヨーク69にスプライン嵌合する。
【0047】
下連結ピン16が嵌合部63に嵌合すると、下連結ピン16がロック部材72後部から外れ、該ロック部材72後部が付勢バネ73の付勢力によって上方移動して下連結ピン16がロック部材72によってロックされる。
このようにして、連結枠3にロータリ耕耘機4が、図5に示す連結状態に、自動連結される。
【0048】
次に、ロータリ耕耘機4を連結枠3(トラクタ車体1)から離反させる場合には、以下のようになされる。
先ず、ロータリ耕耘機4を上昇させてトラクタ車体1に接近させておき、図2に仮想線
で示すように、操作レバー86を押し下げる。
すると、揺動アーム83が枢軸85を中心として後方に回動して連動部材78が上方に引き上げられ、これによって、ロック部材72前部が引き上げられると共に該ロック部材72後部が支軸75を中心として下方揺動して下連結ピン16から下方側に外れる。
【0049】
この図2の仮想線で示す操作レバー86を押し下げた状態では、連動部材78の側杆部79の軸線Aが揺動アーム83の回動中心の後方に位置するので、付勢バネ73の付勢力は揺動アーム83を枢軸85中心に後方に回動させるように作用し、連動部材78の側杆部79が中間枠材55に接当することにより、揺動アーム83の後方への回動が規制される。
【0050】
これによって、ロック部材72は、その後部が下連結ピン16から下方側に外れた状態に保持されることとなる。
そして、連結枠3を下降させてロータリ耕耘機4を接地させ、嵌合受具57を下連結ピン16から外した後、引掛具56を上連結ピン14から外す。
また、本実施形態にあっては、ロータリ耕耘機4を連結枠3に連結させる際において、ロータリ耕耘機4が連結枠3に連結された時に、連結枠側コネクタ41と作業機側コネクタ42とが自動的に接続されるよう構成されている。
【0051】
本実施形態にあっては、作業機側コネクタ42は機枠5に取付固定されたコネクタケース91内に収容されており、連結枠側コネクタ41はこのコネクタケース91内に侵入して作業機側コネクタ42に接続される。
前記作業機側コネクタ42は、図10(a),(b)に示すように、絶縁性を有する合成樹脂等で構成されたハウジング88の前面側に後方に向けて凹設された円柱孔状の左右の各嵌入凹部89内にオス端子90(接続端子)を備えたオスコネクタで構成されている。
【0052】
連結枠側コネクタ41は、図6に示すように、絶縁性を有する合成樹脂等で構成されたハウジング92の後面側に後方突出状に一体形成された円柱状の左右の突出部93内にメス端子94(接続端子)を備えたメスコネクタで構成されている。
この連結枠側コネクタ41の突出部93が前記作業機側コネクタ42の嵌入凹部89に嵌合することにより、オス端子90とメス端子94とが接続されて(連結枠側コネクタ41と作業機側コネクタ42とが直線接続されて)トラクタ側給電ハーネス43と作業機側給電ハーネス44とが接続される。
【0053】
コネクタケース91は、図7に示すように、右側のサポートアーム11の基側筒部11a上方側に配置され、右側の連結ブラケット15に固定されたケースブラケット95に取付固定されている。
コネクタケース91は、図8〜図11に示すように、矩形ケース状のケース本体96を有し、このケース本体96の正面壁96aには連結枠側コネクタ41を侵入・退出させるための出入口97を有する。
【0054】
前記ケース本体96の出入口97は蓋体98によってケース本体96の内側から閉鎖されている。この蓋体98は上端側が左右軸回りに回動自在に枢支されていて、図9(a)に実線で示す出入口97を塞ぐ状態から仮想線で示すようにケース91内側に上方揺動することにより出入口97を開くよう構成されている。
なお、蓋体98は、図示省略のねじりコイルバネ等によって閉鎖方向に付勢され、閉鎖状態ではその縁部側がケース本体96の正面壁96aの内面に接当している。
【0055】
前記ケース本体96の左右の各側壁96bの外面後部には支持壁99が設けられており、この左右各支持壁99の背面の上下方向中途部(中央部)には、図9に示すように、それぞれ取付部材100が取付固定されている。
この取付部材100は、ケース本体96の支持壁99にボルト等によって固定された正面壁100aと、この正面壁100aの上下端部から後方側に延出された上下壁100b,100cとから、側面視後方に向けて開放状のコ字形に形成されている。
【0056】
左右の各取付部材100の上下にはゴムブロック101(弾性体)が配置されている。上側のゴムブロック101は上面が下面より後方に位置した側面断面菱形状のブロックに
形成され、下側のゴムブロック101は下面が上面より後方に位置した側面断面菱形状のブロックに形成されている。
上側のゴムブロック101はその下面が取付部材100の上壁100bに固着され、下側のゴムブロック101はその下面が取付部材100の下壁100cに固着されている。
【0057】
上側のゴムブロック101の上方及び下側のゴムブロック101の下方には支持プレート102が配置されており、各支持プレート102は上下方向同じ側にあるゴムブロック101に固着されている。
上下の支持プレート102はコネクタケース91の背面側に配置された取付ブラケット103にボルト等によって固定され、該取付ブラケット103はケースブラケット95に固定された支持ブラケット104に取付固定されている。
【0058】
前記コネクタケース91は前記ゴムブロック101を介して支持されているので、該ゴムブロック101が弾性変形することによりコネクタケース91の前部が、図9(a)に矢視Kで示すように、上下に揺動可能(首振り可能)とされていると共に、該ゴムブロック101が弾性変形することによりコネクタケース91に作用する前方側からの衝撃力(図9(a)の矢視F参照)を吸収することが可能とされている。
【0059】
作業機側コネクタ42はコネクタケース91内の後部に配置され、該コネクタケース91(ケース本体96)の背面壁96c等に固定されている。
コネクタケース91内には、連結枠側コネクタ41と作業機側コネクタ42との接続方向(図11(a)の矢視B方向参照、この図11(a)では接続方向Bは連結枠コネクタ41に対する作業機側コネクタ42の接続方向を示す)に長い案内ガイド105が設けられている。
【0060】
この案内ガイド105は作業機側コネクタ42の左右両側にそれぞれ配置されている。各案内ガイド105は上下方向に間隔をおいて対向配置された上下一対のガイド部材106(ガイドレール)からなる。
この上下のガイド部材106は、作業機側コネクタ42の上下方向中央から上下に振り分け状に配置されている。
【0061】
各案内ガイド105は、上下ガイド部材106の前部106a(入口側ガイド部)が前方側に行くに従って対向間隔が漸次広がるようにコネクタ41,42の接続方向に対して傾斜状に形成され、上下ガイド部材106の中間部106b(主ガイド部)がコネクタ41,42の接続方向に対して平行状とされ、上下ガイド部材106の後部106c(出口側ガイド部)が後方側に行くに従って対向間隔が漸次広がるようにコネクタ41,42の接続方向に対して傾斜状に形成されている。
【0062】
したがって、案内ガイド105の前部は後方に向けて先窄まりのテーパ状とされ、案内ガイド105の後部は前方側に向けて先窄まりのテーパ状とされている。
本実施形態では、各ガイド部材106はバネ板からなる弾性支持部材107で支持されており、この弾性支持部材107の弾性変形・弾性復元力によって上下ガイド部材105の間隔が拡縮自在とされている。
【0063】
また、本実施形態では、ガイド部材106と弾性支持部材107とが一体形成されている。
上側のガイド部材106を支持する上側の弾性支持部材107は、前壁107aがガイド部材106の前端から後方側に行くに従って上方側に移行する傾斜状に形成され、中間壁107bがコネクタケース91の上壁96dに固定され、後壁107cがガイド部材106の後端から前方側に行くに従って上方側に移行する傾斜状に形成されている。
【0064】
下側のガイド部材106を支持する下側の弾性支持部材107は、前壁107aがガイド部材106の前端から後方側に行くに従って下方側に移行する傾斜状に形成され、中間壁107bがコネクタケース91の下壁96eに固定され、後壁107cがガイド部材106の後端から前方側に行くに従って下方側に移行する傾斜状に形成されている。
なお、上下のガイド部材106を支持する弾性支持部材107はバネ板によって形成されることはなく、上下のガイド部材106の間隔が拡縮するように支持可能であれば、その他の弾性部材によって形成されていてもよい。
【0065】
連結枠側コネクタ41は、図3に示すように、連結枠3の中間枠材55の右側下方で且つ右側の支持プレート58の縦壁部58aの右側方に配置されている。
また、この連結枠側コネクタ41は、図4及び図5に示すように、中間枠材55に固定されたコネクタブラケット108に支持されている。
図6及び図11に示すように、この連結枠側コネクタ41を支持するコネクタブラケット108の後部には、背面視矩形状のベースプレート109が固定され、このベースプレート109の背面に連結枠側コネクタ41が後方突出状に固定されている。
【0066】
ベースプレート109は連結枠側コネクタ41の周囲からはみ出しており、該はみ出した部分の背面側に、ベースプレート109の縁部に沿ってシール部材110が設けられている。
このベースプレート109の背面視の外形状はコネクタケース91のケース本体96の正面壁96aの正面視の外形状に一致する形状に形成されている。
【0067】
連結枠側コネクタ41の左右両側にはそれぞれ支持アーム111が配置されている。この支持アームは、連結枠側コネクタ41の上下方向中央に配置され、コネクタ41,42の接続方向に長い直線状の帯板状に形成され、且つ上下幅W1が長手方向にわたって同幅に形成されている。
また、左右各支持アーム111はシール部材110より連結枠側コネクタ41寄りに配置され、その前端がベースプレート109の背面に固定され、その後端側が連結枠側コネクタ41の突出部93より後方側に延出状とされている。
【0068】
各支持アーム111の上下幅W1は、上下ガイド部材106の中間部106b間の間隔Dと同じ幅(又は該間隔Dよりも幅狭)に形成されている。
各支持アーム111の後端には、前記案内ガイド105(上下ガイド部材106)に係合する被ガイド部112が設けられている(同材料で一体形成されている)。
各被ガイド部112は、前端側(基端側)は支持アーム111の上下幅W1と同幅の上下幅に形成され、該前端側から前後方向に中途部(中央)に行くに従って漸次幅広となり、中途部(中央部)から後端(先端)に行くに従って漸次幅狭となるように形成されている。
【0069】
したがって、被ガイド部112の前部は前方側に向かって先窄まりとなるテーパ状に形成され、被ガイド部112の後部は後方側に向かって先窄まりとなるテーパ状に形成されている。また、被ガイド部112の最大上下幅部分である中途部(中央部)の上下幅W2は上下ガイド部材106の中間部106b間の間隔Dよりも大に形成されている。
前記構成の実施形態にあっては、図4に示すように、ロータリ耕耘機4を連結枠3に連結すべく、連結枠3でロータリ耕耘機4を吊り上げて機枠5が連結枠3に接近すると、連結枠側コネクタ41に対して作業機側コネクタ42が接近して連結枠側コネクタ41がコネクタケース91内に相対的に侵入(挿入)し、ロータリ耕耘機4が連結枠3に連結されると同時に作業機側コネクタ42が連結枠側コネクタ41に接続する。
【0070】
連結枠側コネクタ41がコネクタケース91内に相対的に侵入して作業機側コネクタ42が連結枠側コネクタ41に接続し始める前に、先ず、被ガイド部112が上下ガイド部材106の前部106a間に入り込み、該被ガイド部112が上側又は下側のガイド部材106の前部106aに接当(係合)する。
すると、案内ガイド105の前部及び被ガイド部112の後部側が後方側に向けて先窄まりとなるテーパ状となっていることから、図11(a)に示すように、上下ガイド部材106の前部106aと被ガイド部112とが係合することにより、連結枠側コネクタ41と作業機側コネクタ42とが接続方向で対向するように、作業機側コネクタ42を揺動させて連結枠側コネクタ41に対して作業機側コネクタ42を直線接続可能に位置合わせする。
【0071】
その後、機枠5が連結枠3に接近していくと、被ガイド部112が上下ガイド部材106(案内ガイド105)に係合することにより、作業機側コネクタ42が接続方向に案内され、該作業機側コネクタ42が連結枠側コネクタ41に接続する。
このとき、被ガイド部112の最大上下幅部分である中途部の上下幅W2が上下ガイド
部材106の中間部106b間の間隔Dよりも大に形成されているので、図11(b)に示すように、被ガイド部112が上下ガイド部材106の中間部106b間を通過する際に、弾性支持部材107のバネ力に抗して一対のガイド部材106の間隔を該バネ力に抗して押し広げる。
【0072】
そして、案内ガイド105の後部及び被ガイド部112の前部が前方側に向けて先窄まりのテーパ状となっていることから、図11(c)に示すように、被ガイド部112が上下ガイド部材106の中間部106bから後方側に抜け出し且つコネクタ41,42の接続が完了すると同時に上下ガイド部材106が弾性支持部材107のバネ力によって元の位置に復帰し、被ガイド部112が一対のガイド部材106間から抜け止めされる。
【0073】
また、コネクタ41,42同士が接続された状態では、ベースプレート109の背面に設けられたシール部材110がコネクタケース91のケース本体96の正面壁96aに接当する。
前記構成のものにあっては、被ガイド部112と案内ガイド105との係合によって(被ガイド部112が案内ガイド105に案内されることにより)コネクタ41,42同士の接続が確実に行え、コネクタ41,42同士の接続の信頼性の向上が図られる。
【0074】
また、連結枠側コネクタ41はコネクタケース91内に侵入して作業機側コネクタ42に接続されるので、圃場作業時において、水や泥が連結枠側コネクタ41及び作業機側コネクタ42に付着するのをコネクタケース91によって防止することができる。
また、コネクタ41,42同士が接続された状態では、被ガイド部112が一対のガイド部材106間から抜け止めされているので、コネクタ41,42の取付け用のネジが緩んだり、脱落したとしても、コネクタ41,42同士が離反するのを防止することができる。
【0075】
また、本実施形態にあっては、連結枠側コネクタ41がコネクタケース91内に相対的に侵入する際において、コネクタケース91の蓋体98は連結枠側コネクタ41側の接当部によって押圧されて自動的に開く。すなわち、連結枠側コネクタ41に作業機側コネクタ42が接近すると、先ず、被ガイド部112がコネクタケース91の蓋体98に接当して該蓋体98を押し開く。その後、該蓋体98は連結枠側コネクタ41の突出部93及びハウジング92に押圧されてこれらによって押し開かれる。
【0076】
したがって、被ガイド部112、連結枠側コネクタ41の突出部93及びハウジング92が、蓋体98を押動して開くべく該蓋体98に接当する接当部とされている。
なお、連結枠側コネクタ41がコネクタケース91内から退出する際は、被ガイド部112が蓋体98の先端側に接当するが、支持アーム111の上面と被ガイド部112の上面前部とのコーナー部分にアールが付けられていると共に蓋体98の先端にアールが付けられているので、蓋体98は、被ガイド部112にひっかかることなくスムーズに閉じられる。
【0077】
このように、コネクタケース91の蓋体98は、連結枠側コネクタ41がコネクタケース91内に侵入する動作によって開き、連結枠側コネクタ41がコネクタケース91内から退出する動作によって閉じるので、蓋体98を手で開け閉めする必要がなく、蓋体98の開け忘れ・閉め忘れがなくなる。
本発明は前記実施形態に限定されることはなく、種々設計変更可能である。例えば、前記実施形態において、案内ガイド105を連結枠側コネクタ41に設け、被ガイド部112を作業機側コネクタ42に設けてもよい。
【0078】
また、連結枠側コネクタ41をコネクタケース91に収容し、作業機側コネクタ42をコネクタケース91内に侵入させて連結枠側コネクタ41に接続させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 トラクタ車体
3 連結枠
4 作業機(ロータリ耕耘機)
14 被係合部(上連結ピン)
41 連結枠側の電源コネクタ
42 作業機側の電源コネクタ
60 係合部
91 コネクタケース
96 ケース本体
97 出入口
98 蓋体
105 案内ガイド
106 ガイド部材
112 被ガイド部
B コネクタの接続方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタに作業機を自動連結する作業機連結装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、トラクタに作業機を自動連結する作業機連結装置がある(特許文献1参照)。
この作業機連結装置は、トラクタ車体の後部にリンク機構を介して昇降自在に装着された連結枠を備えている。この連結枠の上部には係合部が設けられ、該連結枠の下部には嵌合部とロック部材とが左右一対設けられている。
作業機には、前記連結枠の係合部に係合する被係合部と、連結枠の左右の嵌合部に嵌合する左右の嵌合部材とが設けられている。
【0003】
この作業機連結装置にあっては、係合部を被係合部に係合させた状態で連結枠を上昇させて作業機を吊り上げることにより、作業機が連結枠に接近するように被係合部を中心として揺動して左右の嵌合部材が左右の嵌合部に嵌合し、且つ嵌合部に嵌合した嵌合部材に対してロック部材が係合して該嵌合部材が嵌合部から外れないようにロックされ、これにより、連結枠に作業機が連結されるように構成されている。
【0004】
前記嵌合部材は作業機が連結枠に接近する際にロック部材を下方揺動させて嵌合部に嵌合し、該嵌合部材が嵌合部に嵌合するとロック部材が上方揺動して復帰し、該ロック部材が嵌合部材の離脱を阻止するように構成されている。
また、トラクタに作業機を自動連結する作業機連結装置として、作業機を自動連結する際に、トラクタ側の電源コネクタと作業機側の電源コネクタとが自動的に接続されるようにした作業機連結装置がある(特許文献2参照)。
【0005】
この作業機連結装置にあっては、連結枠に、トラクタに設けられた電源にハーネスを介して接続された電源コネクタを設け、作業機に、該作業機に設けられた電気機器にハーネスを介して接続された電源コネクタを設け、作業機が連結枠に連結された時に、作業機側の電源コネクタが連結枠側の電源コネクタに自動的に接続されるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−184403号公報
【特許文献2】特許第3661215号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記特許文献2に記載の作業機連結装置にあっては、作業機側の電源コネクタが連結枠側の電源コネクタに接続されるまで案内するガイドが無いので接続不良を生じることが考えられる。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、連結枠に作業機が自動連結される際に連結枠側の電源コネクタと作業機側の電源コネクタとが自動的に接続されるようにした作業機連結装置において、電源コネクタ同士の接続の信頼性の向上を企図した作業機連結装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
請求項1に係る発明では、トラクタ車体の後部に昇降自在に装着された連結枠を設け、この連結枠の上部に設けた係合部を作業機側に設けた被係合部に係合させた状態で連結枠を上昇させて作業機を吊り上げることにより、作業機が連結枠に接近するように被係合部を中心として揺動して連結枠に自動連結されるように構成し、この作業機が連結枠に連結される時に、作業機側に設けた電源コネクタが連結枠側に設けた電源コネクタに自動的に接続されるように構成された作業機連結装置において、
連結枠側又は作業機側の一方の電源コネクタ側に、該電源コネクタの接続方向に長い案内ガイドを設け、
他方の電源コネクタ側に、該他方の電源コネクタに対して前記一方の電源コネクタを相対的に接続方向に案内すべく、一方の電源コネクタと他方の電源コネクタとが接続し始める前に前記案内ガイドに係合し且つ一方の電源コネクタと他方の電源コネクタとの接続が完了するまで案内ガイドに係合する被ガイド部を設けたことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明では、前記案内ガイドは対向する一対のガイド部材からなり、
前記被ガイド部は、電源コネクタの接続動作時に前記一対のガイド部材間に挿入することで該一対のガイド部材の間隔をバネ力に抗して押し広げ、且つ電源コネクタの接続完了時に該一対のガイド部材が前記バネ力によって復帰することで一対のガイド部材間から抜け止めされるように案内ガイドに係合することを特徴とする。
【0010】
請求項3に係る発明では、連結枠側又は作業機側の電源コネクタが収容されたコネクタケースを設け、このコネクタケースに収容されない側の電源コネクタはコネクタケース内に侵入して該コネクタケースに収容された電源コネクタに接続され、
前記コネクタケースは電源コネクタを侵入・退出させる出入口を開閉自在に塞ぐ蓋体を備え、この蓋体はコネクタケースのケース本体に揺動自在に枢支されていてコネクタケースに収容されない側の電源コネクタがコネクタケース内に侵入する際に、該電源コネクタ側の接当部に押動されてコネクタケースの内側に揺動して開くことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明によれば、トラクタ車体の後部に設けた連結枠に作業機を連結する際において、連結枠側又は作業機側の一方の電源コネクタ側に設けた案内ガイドに他方の電源コネクタに設けた被ガイド部が係合することにより、該他方の電源コネクタに対して前記一方の電源コネクタが相対的に接続方向に案内されて接続される。
【0012】
これによって、電源コネクタ同士の接続が確実に行え、電源コネクタ同士の接続の信頼性の向上が図られる。
請求項2に係る発明によれば、案内ガイドは一対のガイド部材からなり、被ガイド部は、一対のガイド部材の間隔を押し広げながら該ガイド部材間に挿入し且つ電源コネクタの接続完了時に一対のガイド部材がバネ力によって復帰することで一対のガイド部材間から抜け止めされる。
【0013】
これによって、電源コネクタの取付け用のネジが緩んだり、脱落したとしても、電源コネクタ同士が離反する惧れがないという効果を奏する。
請求項3に係る発明によれば、連結枠側又は作業機側の電源コネクタがコネクタケース内に収容され、他の電源コネクタがコネクタケース内に侵入して該コネクタケース内に収容された電源コネクタに接続する。
【0014】
これによって、圃場作業時において、水や泥が電源コネクタに付着するのをコネクタケースによって防止することができる。
また、前記他の電源コネクタがコネクタケースに侵入する際に、該他の電源コネクタ側の接当部がコネクタケースの出入口を塞ぐ蓋体を押圧して該蓋体をコネクタケースの内側に揺動させて開く。
【0015】
したがって、作業機をトラクタに装着する際に、コネクタケースに設けられた蓋体を手で開ける必要がなく、蓋体の開け忘れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】トラクタに作業機を連結した状態を示す側面図である。
【図2】連結枠の側面図である。
【図3】連結枠の正面図である。
【図4】作業機の機枠が連結枠に連結される前の状態を示す側面図である。
【図5】連結枠と作業機の機枠とを連結した状態を示す側面図である。
【図6】(a)は連結枠側の電源コネクタの側面図、(b)は連結枠側の電源コネクタの平面図、(c)は連結枠側の電源コネクタの背面図である。
【図7】作業機側の電源コネクタの取付状態を示す正面図である。
【図8】コネクタケースを取付けた状態を示す正面図である。
【図9】(a)はコネクタケースの取付け状態を示す側面図、(b)はコネクタケースの取付け状態を示す平面図である。
【図10】(a)はコネクタケースを断面した側面図、(b)はコネクタケースを断面した平面図である。
【図11】(a)は電源コネクタの接続前状態を示す側面断面図、(b)は電源コネクタの接続途中を示す側面断面図、(c)は電源コネクタの接続完了状態を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1において、符号1はトラクタの車体であり、該トラクタ車体1の後方には、三点リンク機構又は二点リンク機構等の装着機構2を介してトラクタ車体1に昇降自在に支持された(装着された)連結枠3が設けられ、この連結枠3に作業機4が着脱自在に連結される。
【0018】
本実施形態では、作業機として、サイドドライブ方式のロータリ耕耘機4が例示されている。
このロータリ耕耘機4は、前記連結枠3に取り付けられる機枠5と、土壌を耕耘する耕耘部6と、この耕耘部6を覆う耕耘カバー7と、ゲージ輪や培土器8等の農器具が取り付けられる揺動支持フレーム9とを備えている。
【0019】
前記機枠5は、左右方向中央部のギヤケース10から左右両側にサポートアーム11を延出すると共に左側サポートアーム11の延出端に伝動ケース12の上部を取り付け、右側サポートアーム11の延出端にサイドフレームの上部を取り付けて門型状に主構成されている。
ギヤケース10の上部には前後二股状に形成されたトップマスト13が上方突出状に設けられ、このトップマスト13の前上部には左右方向の軸心を有する上連結ピン14(被係合部)が設けられている。
【0020】
図7にも示すように、左右の各サポートアーム11は、ギヤケース10から左右方向外方に一体的に延出する基側筒部11aと、この基側筒部11aの延出端に固定された連結ブラケット15に固定の延出端側筒部11bとから構成され、前記左右連結ブラケット15の前部に左右方向の軸心を有する下連結ピン16(嵌合部材)が設けられている。
ギヤケース10には動力を入力するPIC軸17がその前面から前方に突出状に設けられている。
【0021】
耕耘部6は、伝動ケース12とサイドフレームとの下部間に左右方向の軸心廻りに回転自在に支架された爪軸18と、この爪軸18に取り付けられた多数の耕耘爪19とから構成されている。
PIC軸17からギヤケース10内に入力された動力は、ギヤケース10内のベベルギヤ伝動機構に入力されると共に該ベベルギヤ伝動機構から左側サポートアーム11内の伝動軸、伝動ケース12内のチェーン伝動機構を経て爪軸18に伝達され、爪軸18が回転駆動されることにより、耕耘部6が回転駆動されるように構成されている。
【0022】
耕耘カバー7は、耕耘部6の上方を覆う上部カバー20と、耕耘の後方を覆う後部カバー21とを備えている。
後部カバー21は上端側が上部カバー20の後端側に回動支軸を介して左右軸廻りに回動自在に枢支されていて、該回動支軸の軸心廻りに上下揺動自在とされている。
サポートアーム11に設けた前ブラケット23と後部カバー21の背面に設けた後ブラケット24とにわたって支持杆25が設けられ、この支持杆25内にはネジ杆(図示省略)が挿入され、このネジ杆に後部カバー21の揺動範囲の下限を規制するストッパ26のネジ部が螺合されており、ネジ杆を軸心回りに回転させることにより、ストッパ26が支持杆25の長手方向に移動して、後部カバー21の揺動範囲の下限位置の調整が可能とされている。したがって、前記ネジ杆を回動させることにより後部カバー21を上げ下げすることができる。
【0023】
前記支持杆25の前端側には、ネジ杆と一体回転する操作部材27が設けられている。
また、後部カバー21は支持杆25に套嵌された図示省略の付勢バネの付勢力によって下方(接地方向)に付勢されている。
揺動支持フレーム9は、前後方向に長い左右一対の支持アーム28と、これら左右支持アーム28同士の中間部を連結する中間連結部材29と、左右方向に沿って配置されていて左右の支持アーム28の後端側に固定されたツールバー30とから主構成されている。
【0024】
各支持アーム28の前端側は前記連結ブラケット15の後部に左右軸廻りに回動自在に枢支連結されており、揺動支持フレーム9は前端側の枢支部分回りに上下揺動自在とされている。
ツールバー30の左右方向中央側に培土器8が回動支軸31を介して左右軸廻りに回動自在に取り付けられている。
【0025】
前記トップマスト13と揺動支持フレーム9の中間連結部材29とにわたって、揺動支持フレーム9を上げ下げすることによりツールバー30の高さを調整する高さ調整装置32が設けられている。
この高さ調整装置32は、トップマスト13の後部上部に左右軸廻りに回動自在に枢支された杆ホルダ33と、中間連結部材29に固定のブラケット34に左右軸廻りに回動自在に枢支された可動杆35と、杆ホルダ33内に配置された図示省略のネジ杆とを有する。
【0026】
可動杆35は杆ホルダ33内に下端から挿入されると共にネジ杆に螺合するネジ部を有し、ネジ杆を軸心回りに回転させることにより、可動杆35が杆ホルダ33の長さ方向に進退して揺動支持フレーム9が上げ下げされる。
杆ホルダ33の上端側には、該杆ホルダ33内のネジ杆と一体回転する操作部材36が設けられている。
【0027】
培土器8は、カバー部材37内に設けられた図示省略の昇降機構によって上げ下げ操作され、該昇降機構は、ネジ杆を有し、該ネジ杆を軸心回りに回転させることにより、培土器8が、図1に示す対地作業(畝立て作業等)を行う作業位置と、該作業位置から後ろ回りに180°回動させた非作業位置とに位置変更自在とされている。カバー部材37の前部には、ネジ杆と一体回転する操作部材38が設けられている。
【0028】
前記ロータリ耕耘機4には、後部カバー21を上げ下げ操作するネジ杆、揺動支持フレーム9を上げ下げ操作するネジ杆及び培土器8を上げ下げ操作するネジ杆を駆動する電動モータ39(電気機器)が装備されている。
この電動モータ39の出力軸は、ネジ杆と一体回転する各操作部材27,36,38に一体回転自在に嵌合可能であり、該電動モータ39により操作部材27,36,38を回転させることにより、ネジ杆を回転させる。
【0029】
この電動モータ39は、トラクタに装備されたバッテリ等の電源から電力が給電され、該電動モータ39を駆動するスイッチはトラクタの運転席近傍に設けられる。
電源から電動モータ39に至る給電経路は、連結枠3に設けられた連結枠側の電源コネクタ41(これを連結枠側コネクタという)と、ロータリ耕耘機4の機枠5に設けられていて前記連結枠側コネクタ41に着脱自在に接続された作業機側の電源コネクタ42(これを作業機側コネクタという)と、電源と連結枠側コネクタ41とを接続するトラクタ側給電用ハーネス43と、電動モータ39と作業機側コネクタ42とを接続する作業機側給電用ハーネス44とから構成されている。
【0030】
トラクタ車体1の後面下部には該後面からPTO軸45が突出されている。また、トラクタ車体1の後部上には、前部が左右方向の軸心を有する支軸46によって回動自在に支持された左右一対のリフトアーム47が設けられ、左右のリフトアーム47は油圧シリンダからなる昇降シリンダ48を伸縮させることによって支軸46回りに上下に揺動駆動される。
【0031】
三点リンク機構2は、上部の1本のトップリンク49と、下部の左右一対のロワーリンク50とを備え、トップリンク49の前端側はトラクタ車体1の後面上部に設けられたトップリンクブラケット51に枢支連結され、左右ロワーリンク50の前端側はトラクタ車体1の後部側面に設けられた後車軸ケース52の基部側下部に枢支連結されている。
左右のリフトアーム47の後部にはリフトロッド53の上部が枢支連結され、左右のリフトロッド53の下部は左右のロワーリンク50の中途部に枢支連結されている。
【0032】
トップリンク49と左右ロワーリンク50の後端側に前記連結枠3が取り付けられており、リフトアーム47を上下に揺動させることにより、三点リンク機構2を介して連結枠3が昇降自在とされている。
連結枠3は、図2〜図5に示すように、角パイプによって正面視山形状に形成された主枠材54を有し、この主枠材54の上下中間部には該主枠材54の左右側部を連結する中間枠材55が設けられている。
【0033】
前記主枠材54の頂部には引掛具56が設けられ、主枠材54の左右両側下端部には嵌合受具57が設けられ、左右の嵌合受具57は支持プレート58によって中間枠材55に連結されている。
前記引掛具56は、前部側にトップリンク49の後端側が枢支連結されるトップリンクピン59が設けられ、後部側がロータリ耕耘機4のトップマスト13に設けた上連結ピン14を下方から引っ掛け得るようにフック状に形成されている。
【0034】
この引掛具56後部のフック部分の上部の上方に向けて開放状の溝部60が上連結ピン14を下方から係合可能な係合部とされている。
各嵌合受具57は、図3に示すように、主枠材54の左右下端に固着された左右一対の側壁57aを有し、左右側壁57aの下面前部は底壁57bによって連結されている。
嵌合受具57の左右側壁57aの後端上部は後面上部壁57cで連結されており、左右側壁57aの後端側上下中途部には後方から前方に向けて凹設された凹部61が形成されている。
【0035】
この左右側壁57aの凹部61間にわたって、該凹部61に沿ってU字状に形成された補強プレート62が設けられている。この補強プレート62の後面側が、ロータリ耕耘機4の下連結ピン16が後方側から嵌合可能な嵌合部63とされている。
この補強プレート62の下壁の後端側には、接当壁64が下方側に向けて延設されている。
【0036】
前記嵌合受具57は上面側、前面側、下面側の底壁57b後方側が開放状とされている。
各嵌合受具57の嵌合部63の左右方向外側方にはそれぞれ左右ロワーリンク50の後端側が連結されるロワーリンクピン65が配置され、ロワーリンクピン65は外側の側壁57aの外面に当板を介して固着されている。
【0037】
また、主枠材54の左右下端には、嵌合受具57の前上部に挿入される補強板66が固着されている。
支持プレート58は左右一対設けられ、上端が中間枠材55に固着された縦壁部58aとこの縦壁部58aの下端から左右方向外方に延出されていて延出側端部が嵌合受具57に固着された横壁部58bとからL字状に形成されている。
【0038】
この左右支持プレート58の縦壁部58a間にはジョイントホルダ67が左右軸廻り回動自在に支持され、このジョイントホルダ67にはベアリングを介してジョイント軸68(ユニバーサルジョイント)の後端側のヨーク69が回転自在に支持されている。
このヨーク69にPIC軸17が嵌脱自在にスプライン嵌合され、ジョイント軸68の前端側のヨーク70にはトラクタのPTO軸45がスプライン嵌合されており、PTO軸45からジョイント軸68を介してPIC軸17に動力が伝達される。
【0039】
前記ジョイントホルダ67には、下方揺動を規制する規制部71が設けられている。
前記各嵌合受具57の左右側壁57a間にはロック部材72とねじりコイルバネからなる付勢バネ73とが組み込まれている。
ロック部材72は板材から形成されていると共に、嵌合受具57の嵌合部63に嵌入した下連結ピン16に下側から係合してその抜止めをすべく後部上面側に上向き開放状の凹部74が形成されたフック形状とされている。
【0040】
ロック部材72は、前後中途部が嵌合受具57の左右側壁57a間に設けられた左右方向の支軸75に回転自在に外嵌され、嵌合受具57の左右側壁57a間の左右方向内方側
に配置され、前部には左右方向に貫通形成された貫通孔76が形成されている。
なお、嵌合部63を形成する補強プレート62には、ロック部材72の後部の上部との干渉を避けるための挿通孔が形成されている。
【0041】
左右のロック部材72は連動部材78によって連動連結されていて、左右ロック部材72は連動して動く。この連動部材78は棒材(丸棒材)等によって形成され、上方に行くに従って左右方向内方に移行する傾斜状の左右の側杆部79と、左右側杆部79の上端同志を連結する連結杆部80と、左右各側杆部79の下端から左右方向外方に延びてロック部材72の貫通孔76に左右方向内方側から挿通される枢軸部81とから正面視略山形状に形成されている。
【0042】
連動部材78の連結杆部80及び枢軸部81は左右方向の軸心を有する。
左右各付勢バネ73はロック部材72の左右方向内方側に配置されていて支軸75に套嵌され、一端側は補強板66の下端に接当し、他端側は連動部材78の枢軸部81上面に接当していて、ロック部材72前部及び連動部材78を下方に付勢している。
前記ロック部材72の後端側上部は前上方に向けて傾斜状の案内面82とされていて、ロータリ耕耘機4の連結時に、該案内面82が下連結ピン16に押圧されると、ロック部材72後部が付勢バネ73の付勢力に抗して下方に逃げ得るようになっている。
【0043】
連動部材78の連結杆部80の左右方向中央部には揺動アーム83の上部が軸心回りに回動自在に外嵌され、揺動アーム83の下部は、連結枠3の中間枠材55に固着されたブラケット84に枢軸85を介して枢支されている。
また、揺動アーム83には操作レバー86が固着されており、この操作レバー86はロータリ耕耘機4を上昇させた時にトラクタの運転席側から操作可能とされている。
【0044】
この操作レバー86を引き上げた状態では、図2に実線で示すように、揺動アーム83が前傾状とされ、連動部材78の側杆部79の軸線Aが揺動アーム83の回動中心(揺動アーム83を枢支する枢軸85の中心)の前方側に位置していて、付勢バネ73の付勢力はロック部材72の後部を上方揺動させるように作用している。
このとき、ロック部材72後端側下部のストッパ部87が補強プレート62の接当壁64下端に接当してロック部材72後部の上方揺動が規制される。また、この状態において、ロック部材72後部の上部が下連結ピン16の嵌合部63への嵌入経路に侵入している。
【0045】
前記構成の連結枠3にロータリ耕耘機4を連結する場合について説明すると、トラクタ車体1をロータリ耕耘機4の前方に位置させ、ロワーリンク50を下げた状態でトラクタ車体1を後退させていく。このとき、操作レバー86は引き上げた状態としておく。
そして、引掛具56が上連結ピン14の下側に達すれば後退を停止し、リフトアーム47を上方揺動させて、三点リンク機構2を介して連結枠3を上昇させ、図4に示すように、引掛具56の係合部60を上連結ピン14に係合させて該上連結ピン14を引掛具56で引っ掛けてすくい上げる。
【0046】
これによって、ロータリ耕耘機4が吊り上げられて該ロータリ耕耘機4が上連結ピン14廻りにトラクタ車体1側に回動し、図5に示すように、左右の下連結ピン16がロック部材72後部の案内面82に接当して該ロック部材72後部を付勢バネ73の付勢力に抗して下方揺動させながら左右嵌合受具57の嵌合部63に嵌入する。
このとき、ロータリ耕耘機4のPIC軸17がジョイント軸68の後端側のヨーク69にスプライン嵌合する。
【0047】
下連結ピン16が嵌合部63に嵌合すると、下連結ピン16がロック部材72後部から外れ、該ロック部材72後部が付勢バネ73の付勢力によって上方移動して下連結ピン16がロック部材72によってロックされる。
このようにして、連結枠3にロータリ耕耘機4が、図5に示す連結状態に、自動連結される。
【0048】
次に、ロータリ耕耘機4を連結枠3(トラクタ車体1)から離反させる場合には、以下のようになされる。
先ず、ロータリ耕耘機4を上昇させてトラクタ車体1に接近させておき、図2に仮想線
で示すように、操作レバー86を押し下げる。
すると、揺動アーム83が枢軸85を中心として後方に回動して連動部材78が上方に引き上げられ、これによって、ロック部材72前部が引き上げられると共に該ロック部材72後部が支軸75を中心として下方揺動して下連結ピン16から下方側に外れる。
【0049】
この図2の仮想線で示す操作レバー86を押し下げた状態では、連動部材78の側杆部79の軸線Aが揺動アーム83の回動中心の後方に位置するので、付勢バネ73の付勢力は揺動アーム83を枢軸85中心に後方に回動させるように作用し、連動部材78の側杆部79が中間枠材55に接当することにより、揺動アーム83の後方への回動が規制される。
【0050】
これによって、ロック部材72は、その後部が下連結ピン16から下方側に外れた状態に保持されることとなる。
そして、連結枠3を下降させてロータリ耕耘機4を接地させ、嵌合受具57を下連結ピン16から外した後、引掛具56を上連結ピン14から外す。
また、本実施形態にあっては、ロータリ耕耘機4を連結枠3に連結させる際において、ロータリ耕耘機4が連結枠3に連結された時に、連結枠側コネクタ41と作業機側コネクタ42とが自動的に接続されるよう構成されている。
【0051】
本実施形態にあっては、作業機側コネクタ42は機枠5に取付固定されたコネクタケース91内に収容されており、連結枠側コネクタ41はこのコネクタケース91内に侵入して作業機側コネクタ42に接続される。
前記作業機側コネクタ42は、図10(a),(b)に示すように、絶縁性を有する合成樹脂等で構成されたハウジング88の前面側に後方に向けて凹設された円柱孔状の左右の各嵌入凹部89内にオス端子90(接続端子)を備えたオスコネクタで構成されている。
【0052】
連結枠側コネクタ41は、図6に示すように、絶縁性を有する合成樹脂等で構成されたハウジング92の後面側に後方突出状に一体形成された円柱状の左右の突出部93内にメス端子94(接続端子)を備えたメスコネクタで構成されている。
この連結枠側コネクタ41の突出部93が前記作業機側コネクタ42の嵌入凹部89に嵌合することにより、オス端子90とメス端子94とが接続されて(連結枠側コネクタ41と作業機側コネクタ42とが直線接続されて)トラクタ側給電ハーネス43と作業機側給電ハーネス44とが接続される。
【0053】
コネクタケース91は、図7に示すように、右側のサポートアーム11の基側筒部11a上方側に配置され、右側の連結ブラケット15に固定されたケースブラケット95に取付固定されている。
コネクタケース91は、図8〜図11に示すように、矩形ケース状のケース本体96を有し、このケース本体96の正面壁96aには連結枠側コネクタ41を侵入・退出させるための出入口97を有する。
【0054】
前記ケース本体96の出入口97は蓋体98によってケース本体96の内側から閉鎖されている。この蓋体98は上端側が左右軸回りに回動自在に枢支されていて、図9(a)に実線で示す出入口97を塞ぐ状態から仮想線で示すようにケース91内側に上方揺動することにより出入口97を開くよう構成されている。
なお、蓋体98は、図示省略のねじりコイルバネ等によって閉鎖方向に付勢され、閉鎖状態ではその縁部側がケース本体96の正面壁96aの内面に接当している。
【0055】
前記ケース本体96の左右の各側壁96bの外面後部には支持壁99が設けられており、この左右各支持壁99の背面の上下方向中途部(中央部)には、図9に示すように、それぞれ取付部材100が取付固定されている。
この取付部材100は、ケース本体96の支持壁99にボルト等によって固定された正面壁100aと、この正面壁100aの上下端部から後方側に延出された上下壁100b,100cとから、側面視後方に向けて開放状のコ字形に形成されている。
【0056】
左右の各取付部材100の上下にはゴムブロック101(弾性体)が配置されている。上側のゴムブロック101は上面が下面より後方に位置した側面断面菱形状のブロックに
形成され、下側のゴムブロック101は下面が上面より後方に位置した側面断面菱形状のブロックに形成されている。
上側のゴムブロック101はその下面が取付部材100の上壁100bに固着され、下側のゴムブロック101はその下面が取付部材100の下壁100cに固着されている。
【0057】
上側のゴムブロック101の上方及び下側のゴムブロック101の下方には支持プレート102が配置されており、各支持プレート102は上下方向同じ側にあるゴムブロック101に固着されている。
上下の支持プレート102はコネクタケース91の背面側に配置された取付ブラケット103にボルト等によって固定され、該取付ブラケット103はケースブラケット95に固定された支持ブラケット104に取付固定されている。
【0058】
前記コネクタケース91は前記ゴムブロック101を介して支持されているので、該ゴムブロック101が弾性変形することによりコネクタケース91の前部が、図9(a)に矢視Kで示すように、上下に揺動可能(首振り可能)とされていると共に、該ゴムブロック101が弾性変形することによりコネクタケース91に作用する前方側からの衝撃力(図9(a)の矢視F参照)を吸収することが可能とされている。
【0059】
作業機側コネクタ42はコネクタケース91内の後部に配置され、該コネクタケース91(ケース本体96)の背面壁96c等に固定されている。
コネクタケース91内には、連結枠側コネクタ41と作業機側コネクタ42との接続方向(図11(a)の矢視B方向参照、この図11(a)では接続方向Bは連結枠コネクタ41に対する作業機側コネクタ42の接続方向を示す)に長い案内ガイド105が設けられている。
【0060】
この案内ガイド105は作業機側コネクタ42の左右両側にそれぞれ配置されている。各案内ガイド105は上下方向に間隔をおいて対向配置された上下一対のガイド部材106(ガイドレール)からなる。
この上下のガイド部材106は、作業機側コネクタ42の上下方向中央から上下に振り分け状に配置されている。
【0061】
各案内ガイド105は、上下ガイド部材106の前部106a(入口側ガイド部)が前方側に行くに従って対向間隔が漸次広がるようにコネクタ41,42の接続方向に対して傾斜状に形成され、上下ガイド部材106の中間部106b(主ガイド部)がコネクタ41,42の接続方向に対して平行状とされ、上下ガイド部材106の後部106c(出口側ガイド部)が後方側に行くに従って対向間隔が漸次広がるようにコネクタ41,42の接続方向に対して傾斜状に形成されている。
【0062】
したがって、案内ガイド105の前部は後方に向けて先窄まりのテーパ状とされ、案内ガイド105の後部は前方側に向けて先窄まりのテーパ状とされている。
本実施形態では、各ガイド部材106はバネ板からなる弾性支持部材107で支持されており、この弾性支持部材107の弾性変形・弾性復元力によって上下ガイド部材105の間隔が拡縮自在とされている。
【0063】
また、本実施形態では、ガイド部材106と弾性支持部材107とが一体形成されている。
上側のガイド部材106を支持する上側の弾性支持部材107は、前壁107aがガイド部材106の前端から後方側に行くに従って上方側に移行する傾斜状に形成され、中間壁107bがコネクタケース91の上壁96dに固定され、後壁107cがガイド部材106の後端から前方側に行くに従って上方側に移行する傾斜状に形成されている。
【0064】
下側のガイド部材106を支持する下側の弾性支持部材107は、前壁107aがガイド部材106の前端から後方側に行くに従って下方側に移行する傾斜状に形成され、中間壁107bがコネクタケース91の下壁96eに固定され、後壁107cがガイド部材106の後端から前方側に行くに従って下方側に移行する傾斜状に形成されている。
なお、上下のガイド部材106を支持する弾性支持部材107はバネ板によって形成されることはなく、上下のガイド部材106の間隔が拡縮するように支持可能であれば、その他の弾性部材によって形成されていてもよい。
【0065】
連結枠側コネクタ41は、図3に示すように、連結枠3の中間枠材55の右側下方で且つ右側の支持プレート58の縦壁部58aの右側方に配置されている。
また、この連結枠側コネクタ41は、図4及び図5に示すように、中間枠材55に固定されたコネクタブラケット108に支持されている。
図6及び図11に示すように、この連結枠側コネクタ41を支持するコネクタブラケット108の後部には、背面視矩形状のベースプレート109が固定され、このベースプレート109の背面に連結枠側コネクタ41が後方突出状に固定されている。
【0066】
ベースプレート109は連結枠側コネクタ41の周囲からはみ出しており、該はみ出した部分の背面側に、ベースプレート109の縁部に沿ってシール部材110が設けられている。
このベースプレート109の背面視の外形状はコネクタケース91のケース本体96の正面壁96aの正面視の外形状に一致する形状に形成されている。
【0067】
連結枠側コネクタ41の左右両側にはそれぞれ支持アーム111が配置されている。この支持アームは、連結枠側コネクタ41の上下方向中央に配置され、コネクタ41,42の接続方向に長い直線状の帯板状に形成され、且つ上下幅W1が長手方向にわたって同幅に形成されている。
また、左右各支持アーム111はシール部材110より連結枠側コネクタ41寄りに配置され、その前端がベースプレート109の背面に固定され、その後端側が連結枠側コネクタ41の突出部93より後方側に延出状とされている。
【0068】
各支持アーム111の上下幅W1は、上下ガイド部材106の中間部106b間の間隔Dと同じ幅(又は該間隔Dよりも幅狭)に形成されている。
各支持アーム111の後端には、前記案内ガイド105(上下ガイド部材106)に係合する被ガイド部112が設けられている(同材料で一体形成されている)。
各被ガイド部112は、前端側(基端側)は支持アーム111の上下幅W1と同幅の上下幅に形成され、該前端側から前後方向に中途部(中央)に行くに従って漸次幅広となり、中途部(中央部)から後端(先端)に行くに従って漸次幅狭となるように形成されている。
【0069】
したがって、被ガイド部112の前部は前方側に向かって先窄まりとなるテーパ状に形成され、被ガイド部112の後部は後方側に向かって先窄まりとなるテーパ状に形成されている。また、被ガイド部112の最大上下幅部分である中途部(中央部)の上下幅W2は上下ガイド部材106の中間部106b間の間隔Dよりも大に形成されている。
前記構成の実施形態にあっては、図4に示すように、ロータリ耕耘機4を連結枠3に連結すべく、連結枠3でロータリ耕耘機4を吊り上げて機枠5が連結枠3に接近すると、連結枠側コネクタ41に対して作業機側コネクタ42が接近して連結枠側コネクタ41がコネクタケース91内に相対的に侵入(挿入)し、ロータリ耕耘機4が連結枠3に連結されると同時に作業機側コネクタ42が連結枠側コネクタ41に接続する。
【0070】
連結枠側コネクタ41がコネクタケース91内に相対的に侵入して作業機側コネクタ42が連結枠側コネクタ41に接続し始める前に、先ず、被ガイド部112が上下ガイド部材106の前部106a間に入り込み、該被ガイド部112が上側又は下側のガイド部材106の前部106aに接当(係合)する。
すると、案内ガイド105の前部及び被ガイド部112の後部側が後方側に向けて先窄まりとなるテーパ状となっていることから、図11(a)に示すように、上下ガイド部材106の前部106aと被ガイド部112とが係合することにより、連結枠側コネクタ41と作業機側コネクタ42とが接続方向で対向するように、作業機側コネクタ42を揺動させて連結枠側コネクタ41に対して作業機側コネクタ42を直線接続可能に位置合わせする。
【0071】
その後、機枠5が連結枠3に接近していくと、被ガイド部112が上下ガイド部材106(案内ガイド105)に係合することにより、作業機側コネクタ42が接続方向に案内され、該作業機側コネクタ42が連結枠側コネクタ41に接続する。
このとき、被ガイド部112の最大上下幅部分である中途部の上下幅W2が上下ガイド
部材106の中間部106b間の間隔Dよりも大に形成されているので、図11(b)に示すように、被ガイド部112が上下ガイド部材106の中間部106b間を通過する際に、弾性支持部材107のバネ力に抗して一対のガイド部材106の間隔を該バネ力に抗して押し広げる。
【0072】
そして、案内ガイド105の後部及び被ガイド部112の前部が前方側に向けて先窄まりのテーパ状となっていることから、図11(c)に示すように、被ガイド部112が上下ガイド部材106の中間部106bから後方側に抜け出し且つコネクタ41,42の接続が完了すると同時に上下ガイド部材106が弾性支持部材107のバネ力によって元の位置に復帰し、被ガイド部112が一対のガイド部材106間から抜け止めされる。
【0073】
また、コネクタ41,42同士が接続された状態では、ベースプレート109の背面に設けられたシール部材110がコネクタケース91のケース本体96の正面壁96aに接当する。
前記構成のものにあっては、被ガイド部112と案内ガイド105との係合によって(被ガイド部112が案内ガイド105に案内されることにより)コネクタ41,42同士の接続が確実に行え、コネクタ41,42同士の接続の信頼性の向上が図られる。
【0074】
また、連結枠側コネクタ41はコネクタケース91内に侵入して作業機側コネクタ42に接続されるので、圃場作業時において、水や泥が連結枠側コネクタ41及び作業機側コネクタ42に付着するのをコネクタケース91によって防止することができる。
また、コネクタ41,42同士が接続された状態では、被ガイド部112が一対のガイド部材106間から抜け止めされているので、コネクタ41,42の取付け用のネジが緩んだり、脱落したとしても、コネクタ41,42同士が離反するのを防止することができる。
【0075】
また、本実施形態にあっては、連結枠側コネクタ41がコネクタケース91内に相対的に侵入する際において、コネクタケース91の蓋体98は連結枠側コネクタ41側の接当部によって押圧されて自動的に開く。すなわち、連結枠側コネクタ41に作業機側コネクタ42が接近すると、先ず、被ガイド部112がコネクタケース91の蓋体98に接当して該蓋体98を押し開く。その後、該蓋体98は連結枠側コネクタ41の突出部93及びハウジング92に押圧されてこれらによって押し開かれる。
【0076】
したがって、被ガイド部112、連結枠側コネクタ41の突出部93及びハウジング92が、蓋体98を押動して開くべく該蓋体98に接当する接当部とされている。
なお、連結枠側コネクタ41がコネクタケース91内から退出する際は、被ガイド部112が蓋体98の先端側に接当するが、支持アーム111の上面と被ガイド部112の上面前部とのコーナー部分にアールが付けられていると共に蓋体98の先端にアールが付けられているので、蓋体98は、被ガイド部112にひっかかることなくスムーズに閉じられる。
【0077】
このように、コネクタケース91の蓋体98は、連結枠側コネクタ41がコネクタケース91内に侵入する動作によって開き、連結枠側コネクタ41がコネクタケース91内から退出する動作によって閉じるので、蓋体98を手で開け閉めする必要がなく、蓋体98の開け忘れ・閉め忘れがなくなる。
本発明は前記実施形態に限定されることはなく、種々設計変更可能である。例えば、前記実施形態において、案内ガイド105を連結枠側コネクタ41に設け、被ガイド部112を作業機側コネクタ42に設けてもよい。
【0078】
また、連結枠側コネクタ41をコネクタケース91に収容し、作業機側コネクタ42をコネクタケース91内に侵入させて連結枠側コネクタ41に接続させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 トラクタ車体
3 連結枠
4 作業機(ロータリ耕耘機)
14 被係合部(上連結ピン)
41 連結枠側の電源コネクタ
42 作業機側の電源コネクタ
60 係合部
91 コネクタケース
96 ケース本体
97 出入口
98 蓋体
105 案内ガイド
106 ガイド部材
112 被ガイド部
B コネクタの接続方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクタ車体(1)の後部に昇降自在に装着された連結枠(3)を設け、この連結枠(3)の上部に設けた係合部(60)を作業機(4)側に設けた被係合部(14)に係合させた状態で連結枠(3)を上昇させて作業機(4)を吊り上げることにより、作業機(4)が連結枠(3)に接近するように被係合部(14)を中心として揺動して連結枠(3)に自動連結されるように構成し、この作業機(4)が連結枠(3)に連結される時に、作業機(4)側に設けた電源コネクタ(42)が連結枠(3)側に設けた電源コネクタ(41)に自動的に接続されるように構成された作業機連結装置において、
連結枠(3)側又は作業機(4)側の一方の電源コネクタ(42)側に、該電源コネクタ(42)の接続方向に長い案内ガイド(105)を設け、
他方の電源コネクタ(41)側に、該他方の電源コネクタ(41)に対して前記一方の電源コネクタ(42)を相対的に接続方向に案内すべく、一方の電源コネクタ(41)と他方の電源コネクタ(42)とが接続し始める前に前記案内ガイド(105)に係合し且つ一方の電源コネクタ(41)と他方の電源コネクタ(42)との接続が完了するまで案内ガイド(105)に係合する被ガイド部(112)を設けたことを特徴とする作業機連結装置。
【請求項2】
前記案内ガイド(105)は対向する一対のガイド部材(106)からなり、
前記被ガイド部(112)は、電源コネクタ(41,42)の接続動作時に前記一対のガイド部材(106)間に挿入することで該一対のガイド部材(106)の間隔をバネ力に抗して押し広げ、且つ電源コネクタ(41,42)の接続完了時に該一対のガイド部材(106)が前記バネ力によって復帰することで一対のガイド部材(106)間から抜け止めされるように案内ガイド(105)に係合することを特徴とする請求項1に記載の作業機連結装置。
【請求項3】
連結枠(3)側又は作業機(4)側の電源コネクタ(42)が収容されたコネクタケース(91)を設け、このコネクタケース(91)に収容されない側の電源コネクタ(41)はコネクタケース(91)内に侵入して該コネクタケース(91)に収容された電源コネクタ(42)に接続され、
前記コネクタケース(91)は電源コネクタ(41)を侵入・退出させる出入口(97)を開閉自在に塞ぐ蓋体(98)を備え、この蓋体(98)はコネクタケース(91)のケース本体(96)に揺動自在に枢支されていてコネクタケース(91)に収容されない側の電源コネクタ(41)がコネクタケース(91)内に侵入する際に、該電源コネクタ(41)側の接当部に押動されてコネクタケース(91)の内側に揺動して開くことを特徴とする請求項1又は2に記載の作業機連結装置。
【請求項1】
トラクタ車体(1)の後部に昇降自在に装着された連結枠(3)を設け、この連結枠(3)の上部に設けた係合部(60)を作業機(4)側に設けた被係合部(14)に係合させた状態で連結枠(3)を上昇させて作業機(4)を吊り上げることにより、作業機(4)が連結枠(3)に接近するように被係合部(14)を中心として揺動して連結枠(3)に自動連結されるように構成し、この作業機(4)が連結枠(3)に連結される時に、作業機(4)側に設けた電源コネクタ(42)が連結枠(3)側に設けた電源コネクタ(41)に自動的に接続されるように構成された作業機連結装置において、
連結枠(3)側又は作業機(4)側の一方の電源コネクタ(42)側に、該電源コネクタ(42)の接続方向に長い案内ガイド(105)を設け、
他方の電源コネクタ(41)側に、該他方の電源コネクタ(41)に対して前記一方の電源コネクタ(42)を相対的に接続方向に案内すべく、一方の電源コネクタ(41)と他方の電源コネクタ(42)とが接続し始める前に前記案内ガイド(105)に係合し且つ一方の電源コネクタ(41)と他方の電源コネクタ(42)との接続が完了するまで案内ガイド(105)に係合する被ガイド部(112)を設けたことを特徴とする作業機連結装置。
【請求項2】
前記案内ガイド(105)は対向する一対のガイド部材(106)からなり、
前記被ガイド部(112)は、電源コネクタ(41,42)の接続動作時に前記一対のガイド部材(106)間に挿入することで該一対のガイド部材(106)の間隔をバネ力に抗して押し広げ、且つ電源コネクタ(41,42)の接続完了時に該一対のガイド部材(106)が前記バネ力によって復帰することで一対のガイド部材(106)間から抜け止めされるように案内ガイド(105)に係合することを特徴とする請求項1に記載の作業機連結装置。
【請求項3】
連結枠(3)側又は作業機(4)側の電源コネクタ(42)が収容されたコネクタケース(91)を設け、このコネクタケース(91)に収容されない側の電源コネクタ(41)はコネクタケース(91)内に侵入して該コネクタケース(91)に収容された電源コネクタ(42)に接続され、
前記コネクタケース(91)は電源コネクタ(41)を侵入・退出させる出入口(97)を開閉自在に塞ぐ蓋体(98)を備え、この蓋体(98)はコネクタケース(91)のケース本体(96)に揺動自在に枢支されていてコネクタケース(91)に収容されない側の電源コネクタ(41)がコネクタケース(91)内に侵入する際に、該電源コネクタ(41)側の接当部に押動されてコネクタケース(91)の内側に揺動して開くことを特徴とする請求項1又は2に記載の作業機連結装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−235744(P2012−235744A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107219(P2011−107219)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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