作業管理システム及び作業管理方法
【課題】部品の拾い上げ作業における各作業者の作業をきめ細かに把握乃至評価できる作業管理システム及び作業管理方法を提供する。
【解決手段】部品18の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する指示書タグ44tと、無線により部品箱タグ16tの識別情報及び指示書タグ44tの指示情報を読み取るリストリーダ28と、そのリストリーダ28により読み取られる識別情報及び指示情報を受信可能に構成されたタブレットPC36とを、備え、そのタブレットPC36は、対象となる部品18の拾い上げ作業に係る指示情報がリストリーダ28により読み取られてからその指示情報に係る部品18に対応する部品箱タグ16tの識別情報がリストリーダ28により読み取られるまでの作業時間Dを測定する作業時間D測定手段を備えたものであることから、無線タグ通信を利用した物品の拾い上げ作業に関して、各作業者26の工程毎の作業時間を逐一測定することができる。
【解決手段】部品18の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する指示書タグ44tと、無線により部品箱タグ16tの識別情報及び指示書タグ44tの指示情報を読み取るリストリーダ28と、そのリストリーダ28により読み取られる識別情報及び指示情報を受信可能に構成されたタブレットPC36とを、備え、そのタブレットPC36は、対象となる部品18の拾い上げ作業に係る指示情報がリストリーダ28により読み取られてからその指示情報に係る部品18に対応する部品箱タグ16tの識別情報がリストリーダ28により読み取られるまでの作業時間Dを測定する作業時間D測定手段を備えたものであることから、無線タグ通信を利用した物品の拾い上げ作業に関して、各作業者26の工程毎の作業時間を逐一測定することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単数乃至複数の物品に対応する無線タグとの間で無線により情報の通信を行うことによりそれら物品に関する作業の管理を行う作業管理システム及び作業管理方法に関し、特に、各作業員による拾い上げ作業をきめ細かに把握乃至評価するための改良に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の情報が記憶された小型の無線タグ(応答器)から所定の無線タグ通信装置(質問器)により非接触にて情報の読み出しを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。このRFIDシステムは、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても無線タグ通信装置との通信によりその無線タグに記憶された情報を読み出すことが可能であることから、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
【0003】
斯かるRFIDシステムの一利用形態として、前記無線タグとの間で無線により情報の通信を行うことにより作業の管理を行う作業管理システムが提案されている。例えば、特許文献1に記載された作業管理システムがそれである。この技術によれば、作業者により着用されるヘルメットに非接触ICタグを付し、その非接触ICタグに所定の管理データを記憶させることで、各作業者の行動を把握して作業の効率化及び正確化を図ることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−209420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記従来の技術は、作業領域へ入退場するために設けられたゲートにおいて前記ヘルメットに付された非接触ICタグを読み取ることにより、その作業領域への作業者の出入りを把握して作業に役立てるといった簡単なシステムであり、例えば所定の製品の製造に係る部品の拾い上げ(ピックアップ)作業のように複数の工程を連続して行う作業に関して、各作業者による作業の各工程をきめ細かに把握乃至評価できるものではなかった。このため、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業をきめ細かに把握乃至評価できる作業管理システム及び作業管理方法の開発が求められていた。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業をきめ細かに把握乃至評価できる作業管理システム及び作業管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するために、本第1発明の要旨とするところは、複数に区分される区域の何れかにそれぞれ複数の物品が配置された作業領域において、その物品に対応する無線タグの識別情報を無線により読み取ることによりそれら物品に関する作業の管理を行う作業管理システムであって、前記物品の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示書と、作業者の手部に装着又は把持されて用いられる、無線により前記無線タグの識別情報を読み取る無線タグリーダと、前記作業指示書に記憶された指示情報を読み取る読取装置と、前記無線タグリーダにより読み取られる前記無線タグの識別情報及び前記読取装置により読み取られる指示情報を受信可能に構成された制御装置とを、備え、その制御装置は、前記対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られてからその指示情報に係る前記対象となる物品に対応する無線タグの識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られるまでの作業時間を測定する作業時間測定手段を備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また、前記目的を達成するために、本第2発明の要旨とするところは、複数に区分される区域の何れかにそれぞれ複数の物品が配置された作業領域において、その物品に対応する無線タグの識別情報を無線により読み取ることによりそれら物品に関する作業の管理を行う作業管理方法であって、前記物品の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示書と、作業者の手部に装着又は把持されて用いられる、無線により前記無線タグの識別情報を読み取る無線タグリーダと、前記作業指示書に記憶された指示情報を読み取る読取装置と、前記無線タグリーダにより読み取られる前記無線タグの識別情報及び前記読取装置により読み取られる指示情報を受信可能に構成された制御装置とを、備えた作業環境において、前記対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られてからその指示情報に係る前記対象となる物品に対応する無線タグの識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られるまでの作業時間を測定する作業時間測定過程を含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
このように、前記第1発明によれば、前記物品の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示書と、作業者の手部に装着又は把持されて用いられる、無線により前記無線タグの識別情報を読み取る無線タグリーダと、前記作業指示書に記憶された指示情報を読み取る読取装置と、前記無線タグリーダにより読み取られる前記無線タグの識別情報及び前記読取装置により読み取られる指示情報を受信可能に構成された制御装置とを、備え、その制御装置は、前記対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られてからその指示情報に係る前記対象となる物品に対応する無線タグの識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られるまでの作業時間を測定する作業時間測定手段を備えたものであることから、無線タグ通信を利用した物品の拾い上げ作業に関して、各作業者の工程毎の作業時間を逐一測定することができる。すなわち、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業をきめ細かに把握乃至評価できる作業管理システムを提供することができる。
【0010】
ここで、前記第1発明において、好適には、前記複数の区域それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各区域の位置情報を発信する区域情報発信装置を備え、前記制御装置は、その区域情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成されると共に、前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記区域情報発信装置からの位置情報がその指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的区域判定手段と、その目的区域判定手段による判定が肯定されてから前記作業指示書に記憶された対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られるまでの作業時間を測定する第2の作業時間測定手段とを、備えたものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0011】
また、好適には、前記制御装置は、前記対象となる物品に対応する無線タグの識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られてから前記作業指示書に記憶された次の対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られるまでの作業時間を測定する第3の作業時間測定手段を備えたものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0012】
また、好適には、前記複数の区域は複数の列を成し、各区域がそれぞれ何れかの列に含まれるものであり、前記複数の列それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各列の位置情報を発信する列情報発信装置を備え、前記制御装置は、その列情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成されると共に、前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記列情報発信装置からの位置情報がその指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的列判定手段と、その目的列判定手段による判定が肯定されてから前記目的区域判定手段による判定が肯定されるまでの作業時間を測定する第4の作業時間測定手段とを、備えたものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0013】
また、好適には、前記制御装置は、前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、その指示情報が前記読取装置により読み取られてから前記目的列判定手段による判定が肯定されるまでの作業時間を測定する第5の作業時間測定手段を備えたものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0014】
また、好適には、作業終了位置に対応して設けられ、所定の範囲に対してその作業終了位置の位置情報を発信する終了位置情報発信装置を備え、前記制御装置は、その終了位置情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成されると共に、前記作業指示書に記憶された指示情報に係る拾い上げ対象となる物品に対応する全ての識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られたか否かを判定する作業完了判定手段と、その作業完了判定手段による判定が肯定されてから前記終了位置情報発信装置からの位置情報が受信されるまでの作業時間を測定する第6の作業時間測定手段とを、備えたものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0015】
また、好適には、前記制御装置は、前記作業時間測定手段によりそれぞれ実際に測定された作業時間と、予め定められた各作業時間の標準値とを比較することにより、前記作業指示用の無線タグに記憶された指示情報に係る作業を評価する作業評価手段を備えたものである。このようにすれば、このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の工程毎の作業を詳細且つ実用的な態様で評価することができる。
【0016】
また、前記第2発明によれば、前記物品の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示書と、作業者の手部に装着又は把持されて用いられる、無線により前記無線タグの識別情報を読み取る無線タグリーダと、前記作業指示書に記憶された指示情報を読み取る読取装置と、前記無線タグリーダにより読み取られる前記無線タグの識別情報及び前記読取装置により読み取られる指示情報を受信可能に構成された制御装置とを、備えた作業環境において、前記対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られてからその指示情報に係る前記対象となる物品に対応する無線タグの識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られるまでの作業時間を測定する作業時間測定過程を含むことから、無線タグ通信を利用した物品の拾い上げ作業に関して、各作業者の工程毎の作業時間を逐一測定することができる。すなわち、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業をきめ細かに把握乃至評価できる作業管理方法を提供することができる。
【0017】
ここで、前記第2発明において、好適には、前記複数の区域それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各区域の位置情報を発信する区域情報発信装置を備え、前記制御装置は、その区域情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成された作業環境において、前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記区域情報発信装置からの位置情報がその指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的区域判定過程と、その目的区域判定過程における判定が肯定されてから前記作業指示書に記憶された対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られるまでの作業時間を測定する第2の作業時間測定過程とを、含むものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0018】
また、好適には、前記対象となる物品に対応する無線タグの識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られてから前記作業指示書に記憶された次の対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られるまでの作業時間を測定する第3の作業時間測定過程を含むものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0019】
また、好適には、前記複数の区域は複数の列を成し、各区域がそれぞれ何れかの列に含まれるものであり、前記複数の列それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各列の位置情報を発信する列情報発信装置を備え、前記制御装置は、その列情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成された作業環境において、前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記列情報発信装置からの位置情報がその指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的列判定過程と、その目的列判定過程における判定が肯定されてから前記目的区域判定過程における判定が肯定されるまでの作業時間を測定する第4の作業時間測定過程とを、含むものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0020】
また、好適には、前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、その指示情報が前記読取装置により読み取られてから前記目的列判定過程における判定が肯定されるまでの作業時間を測定する第5の作業時間測定過程を含むものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0021】
また、好適には、作業終了位置に対応して設けられ、所定の範囲に対してその作業終了位置の位置情報を発信する終了位置情報発信装置を備え、前記制御装置は、その終了位置情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成された作業環境において、前記作業指示書に記憶された指示情報に係る拾い上げ対象となる物品に対応する全ての識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られたか否かを判定する作業完了判定過程と、その作業完了判定過程における判定が肯定されてから前記終了位置情報発信装置からの位置情報が受信されるまでの作業時間を測定する第6の作業時間測定過程とを、含むものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0022】
また、好適には、前記作業時間計測過程においてそれぞれ実際に測定された作業時間と、予め定められた各作業時間の標準値とを比較することにより、前記作業指示用の無線タグに記憶された指示情報に係る作業を評価する作業評価過程を含むものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の工程毎の作業を詳細且つ実用的な態様で評価することができる。
【0023】
また、前記第1発明乃至第2発明において、好適には、前記作業指示書は、前記物品の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示用の無線タグを備えたものであり、前記読取装置は、前記無線タグリーダである。このようにすれば、前記識別情報を読み取る無線タグリーダにより前記作業指示書に記憶された指示情報を読み取り可能とすることにより、システムの構成を簡単なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明が好適に適用される作業管理システムの構成を例示する図である。
【図2】図1の作業管理システムにおける情報通信に係る構成を概略的に示すと共に、可動載置台である台車に備えられた構成について説明するブロック図である。
【図3】図1の作業管理システムに備えられたリストリーダの構成を説明するブロック図である。
【図4】図3のリストリーダの通信対象である無線タグの構成を説明する図である。
【図5】図1の作業管理システムにおいて図3のリストリーダが作業者の手部に装着されて用いられる様子を説明する斜視図である。
【図6】図1の作業管理システムにおいて図3のリストリーダにおけるアンテナが作業者の手部に装着されて用いられる様子を説明する斜視図である。
【図7】図1の作業管理システムに備えられたタブレットPCの構成を説明するブロック図である。
【図8】図1の作業管理システムに備えられたデータベースにおいて、所定の作業指示書に対応する部品の拾い上げ作業に関する一連の作業に対応して記憶されたデータテーブルの一例を示す図である。
【図9】図7のタブレットPCの制御部に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図10】図1の作業管理システムにおける所定の作業指示書に係る一連の作業を説明する工程図である。
【図11】図1の作業管理システムにおける拾い上げ作業の開始に際して作業指示書タグに記憶された作業指示情報がリストリーダにより読み出される様子を説明する図である。
【図12】図1の作業管理システムにおける拾い上げ作業において台車が所定の列に対応する領域に進入した場合、その列に対応するIRマーカからの信号がIRレシーバにより受信される様子を説明する図である。
【図13】図1の作業管理システムにおける拾い上げ作業において台車が所定の棚に対応する領域に進入した場合、その棚に対応するIRマーカからの信号がIRレシーバにより受信される様子を説明する図である。
【図14】図1の作業管理システムにおける拾い上げ作業において作業者の手部が所定の部品箱に接近することによりその部品箱に係る部品箱タグの識別情報が自動的にリストリーダにより読み出される様子を説明する図である。
【図15】図1の作業管理システムにおける拾い上げ作業において台車が所定の作業終了位置に対応する領域に進入した場合、その作業終了位置に対応するIRマーカからの信号がIRレシーバにより受信される様子を説明する図である。
【図16】図1の作業管理システムにおける拾い上げ作業において実際に測定された各工程の作業時間の4段階評価結果に基づいて、表示装置に表示される評価結果表示画面の一例を示す図である。
【図17】図7のタブレットPCの制御部による拾い上げ作業管理制御の要部を説明するフローチャートである。
【図18】図1の作業管理システムに用いられる台車に備えられたトレイの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0026】
図1は、本発明が好適に適用される作業管理システム10の構成を例示する図である。この図1は、所定の製品の組み立てを行う工場において、その製品に係る複数種類の部品18を保管する部品保管庫12の様子を概略的に示しており、本実施例の作業管理システム10は、作業領域としての斯かる部品保管庫12から、対象となる製品の製造に必要な複数種類の部品18の出庫すなわち拾い上げ(ピックアップ)を行う作業の管理等に好適に適用されるものである。なお、上記部品保管庫12は、必ずしも1種類の製品に係る部品のみを保管するものではなく、複数種類の製品に係る部品を一箇所にまとめて保管している形態も考えられ、本実施例の作業管理システム10は、そのような場合においても効果を奏する。
【0027】
図1に示すように、作業領域としての上記部品保管庫12には、複数の棚14a〜14i(以下、特に区別しない場合には単に棚14という)が位置固定に設置され、各棚14にそれぞれ複数の部品箱16が収められている。この部品箱16は、それぞれ所定の種類の部品(物品)18を収納するものであり、各部品箱16の中にはそれぞれ所定の種類の部品18が複数個ずつ収められている。また、各部品箱16には、その部品箱16に収納された部品18の種類を示す無線タグである部品箱タグ16tが貼り付けられており、後述するリストリーダ28によりその種類を示す情報(識別情報)が読み取り可能とされている。すなわち、図1に示す作業管理システム10は、複数に区分される区域に対応する複数の棚14の何れかにそれぞれ複数種類の部品18が配置された部品保管庫12において、それら部品18の拾い上げ作業の管理を行うものである。斯かる構成においては、各部品箱16に同一種類の部品18が対応して収納されており、それら部品18の拾い上げと併行して部品18の補給を行うことができるという利点がある。
【0028】
また、図1に示すように、上記複数の棚14は複数の列20a〜20c(以下、特に区別しない場合には単に列20という)を成し、各棚14がそれぞれ何れかの列20に含まれるものである。すなわち、図1に示す構成においては、上記棚14a〜14cが第1の列20aに、棚14d〜14fが第2の列20bに、棚14g〜14iが第3の列20cにそれぞれ含まれる。ここで、上記複数の棚14には、所定の範囲に対して赤外線信号を発信する赤外線発信機であるIR(InfraRed)マーカ22が各棚14それぞれに対応して設置されている。このIRマーカ22は、例えば各棚14の上部(天板)に固定され、その棚14に対応する所定の範囲(例えば、その棚14に収納された部品箱16を取り出すことが可能な範囲)に対して各棚14を識別するための位置情報である区域情報を発信する区域情報発信装置として機能するものである。また、上記複数の列20における一方の端部(入口側端部)には、同様に所定の範囲に対して赤外線信号を発信する赤外線発信機であるIRマーカ24が各列20の始点にそれぞれに対応して設置されている。このIRマーカ24は、例えば各列20に含まれる複数の棚14のうちその列20の一端に位置する棚14の端部側(列の端側)に固定され、所定の範囲(例えば、その列20に含まれる棚14の前面側の通路の入口)に対して各列20を識別するための位置情報である列情報を発信する列情報発信装置として機能するものである。また、上記複数の列20におけるIRマーカ24が設けられた側とは逆の端部(出口側端部)には、同様に所定の範囲に対して赤外線信号を発信する赤外線発信機であるIRマーカ25が各列20の終点にそれぞれに対応して設置されている。このIRマーカ25は、例えば各列20に含まれる複数の棚14のうちその列20の一端に位置する棚14の端部側(列の端側)に固定され、所定の範囲(例えば、その列20に含まれる棚14の前面側の通路の出口)に対して各列20の作業終了位置の位置情報である終了位置情報を発信する終了位置情報発信装置として機能するものである。
【0029】
また、前記作業管理システム10において、作業者26はその手部26wにリストリーダ28を装着又は把持すると共に、可動載置台である台車30を移動させながら対象となる部品18の拾い上げ作業を行う。図1に示すように、作業領域である前記部品管理庫12に隣接する予備領域32には、複数の上記台車30が設置されており、エレベータ34により上記予備領域32に進入した作業者26は、その予備領域32に設置された台車30の1台を押して前記作業領域12に進入し、その作業領域12内において対象となる複数の部品18を拾い上げた後、再び上記予備領域32に戻って上記エレベータ34により他の工程に対応する領域へ移動する。
【0030】
また、前記作業管理システム10における作業に際して、各作業者26には前記部品18の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示書44が付与される。この作業指示書44には、作業領域である前記部品保管庫12内における各作業者26の部品18の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示用の無線タグである指示書タグ44tが貼り付けられており、各作業者26はその指示書タグ44tに記憶された指示情報を前記リストリーダ28により繰り返し読み取りつつ前記部品保管庫12内における部品18の拾い上げ作業を行う。換言すれば、本実施例の作業管理システム10においては、上記作業指示書44の指示書タグ44tを前記リストリーダ28により読み取る回数に応じて作業工程を進ませるプログラムが後述するタブレットPC36により実行され、そのプログラムすなわち上記タブレットPC36の制御に従って前記作業管理システム10による作業管理が実行される。なお、上記指示書タグ44tに記憶される指示情報は、必ずしも前記作業管理システム10における作業に係る指示そのもの(例えば拾い上げ対象となる部品18の識別情報等)でなくともよく、その作業に係る一連の指示を特定し得る情報であればよい。すなわち、前記部品18の拾い上げ作業に関する具体的な一連の指示は後述するデータベース46等に記憶されたものであり、上記指示書タグ44は、そのデータベース46に記憶された所定の作業に対応する具体的な指示を特定するための識別情報としての指示情報を記憶するものであってもよい。本実施例においては、斯かる態様について説明する。
【0031】
図2は、本実施例の作業管理システム10における情報通信に係る構成を概略的に示すと共に、前記台車30に備えられた構成について説明するブロック図である。この図2に示すように、前記台車30には、タブレットPC36、IRレシーバ38、ブルートゥース(登録商標)通信装置40、及び無線LAN通信装置42等の構成が備えられている。また、本実施例の作業管理システム10に係る各種情報を記憶するデータベース46が設けられ、上記無線LAN通信装置42により無線LANを介してその情報が読み取り可能に構成されている。また、上記台車30には、前記部品保管庫12から拾い上げられた各部品18を収める(載置する)ためのトレイ37(図18を参照)が備えられており、好適には、そのトレイ37に各部品18が収められるべき型(底部パターン)が象られている。以下、これら本実施例の作業管理システム10を構成する各装置に関して、図3乃至図9を参照して詳述する。
【0032】
図3は、前記リストリーダ28の構成を説明するブロック図である。この図3に示すように、前記リストリーダ28は、UHF帯950MHzの電波(ISO/IEC18000-6 Type C等)を用いて前記部品箱タグ16tや指示書タグ44t等の無線タグとの間で非接触にて通信を行う無線タグ通信装置であり、通信対象である無線タグに所定の質問波Fcを送信するための送信部(送信回路)48と、その送信部48から送信される質問波Fcに応じて無線タグから返信される応答波Frを処理するための受信部(ホモダイン検波回路)50と、上記送信部48及び受信部50を介して通信対象である無線タグとの間の情報通信を制御する制御部52と、その制御部52に接続された操作部54と、表示部56と、ブルートゥース通信部58とを、備えて構成されている。上記制御部52は、CPU、ROM、及びRAM等を含んで構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータである。すなわち、本実施例においては、前記リストリーダ28が前記作業指示書44に記憶された指示情報を読み取る読取装置に対応する。
【0033】
上記送信部48は、上記質問波Fcの主搬送波の基準周波数を発生させる基準周波数発生部60と、その基準周波数発生部60により発生させられる基準周波数と上記制御部52からの制御信号とに基づいて主搬送波の周波数を設定するPLL(Phase Locked Loop)62と、その主搬送波の周波数をPLL62からの制御電圧に応じて制御するVCO(Voltage Controlled Oscillator)64と、そのVCO64により制御された所定の周波数の主搬送波を上記制御部52から供給される所定の制御信号TX‐ASKに基づいて変調する送信信号変調部66と、その送信信号変調部66からの出力信号を所定の制御信号TX‐PWRに基づいて増幅してアンテナ70に供給する送信信号増幅部68とを、備えており、その送信信号増幅部68から出力される送信信号は、送受信分離部76を介して上記アンテナ70から前記質問波Fcとして通信対象である無線タグに向けて送信される。ここで、上記送受信分離部76としては、サーキュレータ若しくは方向性結合器等が好適に用いられる。
【0034】
前記受信部50は、上記アンテナ70により受信され上記送受信分離部76を介して供給される通信対象である無線タグからの受信信号を互いに直交するI相信号及びQ相信号に変換するI相信号変換部72及びQ相信号変換部74と、そのI相信号変換部72から出力されるI相信号のうち所定の周波数帯域の信号のみを抽出するI相信号BPF78と、そのI相信号BPF78から出力されるI相信号を増幅するI相信号増幅部80と、上記Q相信号変換部74から出力されるQ相信号のうち所定の周波数帯域の信号のみを抽出するQ相信号BPF82と、そのQ相信号BPF82から出力されるQ相信号を増幅するQ相信号増幅部84と、上記I相信号BPF78及びQ相信号BPF82から出力されるI相信号及びQ相信号の強度を検出する信号強度検出部であるRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路86とを、備えており、上記I相信号増幅部80、Q相信号増幅部84、及びRSSI回路86から出力される信号は前記制御部52において処理され、その信号から所定の情報が読み出される。
【0035】
図4は、前記リストリーダ28の通信対象である無線タグすなわち前記部品箱タグ16t及び指示書タグ44tに共通の構成を説明する図である。この図4に示すように、前記部品箱タグ16t及び指示書タグ44tは、前記リストリーダ28との間で信号の送受信を行うためのダイポールアンテナ等のアンテナ部88と、そのアンテナ部88により受信された信号を処理するためのIC回路部90とを、備えて構成されている。このIC回路部90は、上記アンテナ部88により受信された前記リストリーダ28からの質問波Fcを整流する整流部92と、その整流部92により整流された質問波Fcのエネルギを蓄積するための電源部94と、上記アンテナ部88により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部102に供給するクロック抽出部96と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部98と、上記アンテナ部88に接続されて信号の変調及び復調を行う変復調部100と、上記整流部92、クロック抽出部96、及び変復調部100等を介して前記部品箱タグ16t乃至指示書タグ44tの作動を制御するための制御部102とを、機能的に含んでいる。この制御部102は、前記リストリーダ28と通信を行うことにより上記メモリ部98に上記所定の情報を記憶する制御や、上記アンテナ部88により受信された質問波Fcを上記変復調部100において上記メモリ部98に記憶された情報信号(すなわち前記部品箱タグ16tに対応する部品箱16に収められた部品18の識別情報或いは前記指示書タグ44tに記憶された指示情報)に基づいて変調したうえで応答波Frとして上記アンテナ部88から反射返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0036】
図5は、前記作業管理システム10において前記リストリーダ28が作業者26に装着されて用いられる様子を説明する斜視図である。この図5に示すように、本実施例の作業管理システム10では、前記リストリーダ28は備え付けのバンド28bにより作業者26の手部26wに装着又は把持されて用いられる。この手部26wとは、例えば手首乃至その付近であり、好適には作業者26の利き腕に装着されて用いられる。なお、図5においては、前記リストリーダ28本体が前記作業者26の手部26wに装着された例を図示しているが、例えば図6に示すように、前記リストリーダ28のアンテナ70がそのリストリーダ28の本体とは別の部位(本体から離れた位置)に装着可能とされた構成において、そのアンテナ70が作業者26の手部26wに装着されて用いられるものであってもよい。更には、図6に示すようなアンテナ70が、作業者26の両手の手部26wに装着可能とされたものであってもよい。
【0037】
前述のように、前記リストリーダ28は無線により前記部品箱タグ16t及び指示書タグ44tのメモリ部98に記憶された識別情報乃至指示情報を読み取る無線タグリーダとして機能するものであり、本実施例の作業管理システム10において、好適には、通信対象である部品箱タグ16t乃至指示書タグ44tが前記リストリーダ28の通信可能範囲内に入ることで自動的にその部品箱タグ16t乃至指示書タグ44tのメモリ部98に記憶された情報が読み出されるように構成されている。なお、UHF帯を近接で用いるには前記リストリーダ28の送信強度を所定値以下に絞ることが好ましい。また、前述のように前記リストリーダ28にはブルートゥース通信部58が備えられており、そのブルートゥース通信部58を介して上記台車30に備えられたブルートゥース通信装置40延いてはそのブルートゥース通信装置40に接続された前記タブレットPC36との間で情報の通信が可能とされている。そして、前記部品箱タグ16tの識別情報乃至指示書タグ44tの指示情報が前記リストリーダ28により読み取られた場合、その識別情報乃至指示情報が前記ブルートゥース通信部58乃至ブルートゥース通信装置40を介して前記タブレットPC36へ供給される。
【0038】
図7は、前記タブレットPC36の構成を説明する図である。この図7に示すように、前記タブレットPC36は、所定の画像(映像)を表示させると共に、利用者の接触操作に応じて入力を行うためのタッチパネルディスプレイ104と、前記作業管理システム10に係る各種制御を実行する制御部106と、読出専用メモリであるROM108と、随時書込読出メモリであるRAM110と、ハードディスク等の記憶部112と、音声等により所定の報知を出力する報知部114と、作業時間を測定するための時計(タイマ)129とを、備えて構成されている。
【0039】
図7に示すように、上記タッチパネルディスプレイ104は、そのタッチパネルディスプレイ104に所定の映像を表示させる画像表示部(ディスプレイ)としての表示装置116と、利用者の指や図示しない備え付けのペン等による上記タッチパネルディスプレイ104への接触により入力を行うタッチパネル118とを、備えて構成されている。また、上記表示装置116による画像(映像)の表示制御を行う表示制御部120と、上記タッチパネル118により入力される入力情報を処理する入力制御部122とが備えられており、それら表示制御部120及び入力制御部122により上記表示装置116及びタッチパネル118を介して上記タッチパネルディスプレイ104による画像表示制御乃至情報入力制御が実行される。
【0040】
また、図7に示すように、前記タブレットPC36は各種インターフェイスを介して外部装置との間で情報の送受信可能に構成されている。すなわち、インターフェイス124を介して前記台車30に備えられたIRレシーバ38に接続されており、前記IRマーカ22、24、25からの赤外線信号がそのIRレシーバ38を介して供給されるようになっている。また、インターフェイス126を介して前記台車30に備えられたブルートゥース通信装置40に接続されており、そのブルートゥース通信装置40を介して前記リストリーダ28に備えられたブルートゥース通信部58等の他のブルートゥースモジュールとの間で情報の送受信が可能とされている。また、インターフェイス128を介して前記台車30に備えられた前記無線LAN通信装置42に接続されており、その無線LAN通信装置42を介して前記データベース46からの情報の読み出し乃至そのデータベース46への情報の書き込み等が可能とされている。なお、前記IRレシーバ38、ブルートゥース通信装置40、及び無線LAN通信装置42は、前記タブレットPC36に内蔵されたものであってもよい。
【0041】
前記制御部106は、前記RAM110の一時記憶機能を利用しつつ前記ROM108に記憶された情報に基づいて中央演算処理装置であるCPUにより種々の情報処理を実行する所謂マイクロコンピュータであり、上記表示制御部120を介して前記タッチパネルディスプレイ104(表示装置116)に所定の画像を表示させる画像表示制御、そのタッチパネルディスプレイ104(タッチパネル118)への接触操作に応じて上記入力制御部122を介して入力される入力信号を処理する入力処理制御、前記IRレシーバ38、ブルートゥース通信装置40、及び無線LAN通信装置42等を介しての他の装置との間の通信制御、及び後述する作業管理制御等、本実施例の作業管理システム10に係る各種制御を実行する。この制御に関しては、図9等を用いて後述する。
【0042】
図8は、所定の前記作業指示書44に係る部品18の拾い上げ作業に関する一連の作業に対応して前記データベース46に記憶されたデータテーブル130の一例を示す図である。この図8に示すように、前記データベース46には、前記作業管理システム10に備えられた各作業指示書44すなわち指示書タグ44tに記憶された指示情報に対応して、前記タブレットPC36の表示装置40に表示されるべきメッセージをはじめとするその作業に関する具体的な各種情報が、作業工程を示すポインタRをインデックスとして記憶されている。すなわち、図8に示すデータテーブル130では、ポインタR=0〜23それぞれに対応して、処理のトリガとなる対象IDすなわち無線タグID(部品箱タグ16tの識別情報又は指示書タグ44tの指示情報)又はIRマーカID(IRマーカ22、24、又は25からの位置情報)、部品18の取り出し対象となる部品箱番号P、取り出し対象となる部品18の個数N、取り出された部品18が収められるべき部品トレイ37の位置番号L、処理に際して前記タブレットPC36の表示装置40に表示されるべきメッセージM、及び各ポインタRに係る作業の標準作業時間T1が記憶されている。ここで、上記ポインタRは、初期値である0から始まって23までカウントされた後、再び0に戻るようになっている。また、前記作業管理システム10における作業者26が実際に行った作業に係る実行作業時間(実測値)がポインタR=0〜23それぞれに対応して逐次記憶されるようになっている。また、上記作業の標準作業時間T1は、好適には、前記作業管理システム10(部品保管庫12)において作業する複数の作業者26による作業に関して測定される各工程の作業時間の実測値の平均値であり、更に好適には、前記作業管理システム10において所定の作業者26による作業が行われ、その作業に係る作業時間が測定される毎に更新される。なお、この図8に示すデータテーブル130は必ずしも前記データベース46に記憶されたものでなくともよく、前記タブレットPC36の記憶部112等に記憶されたものであってもよい。
【0043】
図9は、前記タブレットPC36の制御部106に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。また図10は、前記作業管理システム10における所定の作業指示書44に係る一連の作業を説明する工程図である。以下、これら図9及び図10を参照して本実施例の作業管理システム10に係る制御を詳細に説明する。
【0044】
図9に示す指示書読取判定手段132は、所定の作業指示書44に付随する指示書タグ44tに記憶された指示情報が前記リストリーダ28により読み取られたか否かを判定する。すなわち、前記リストリーダ28により前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された指示情報が読み取られ、その指示情報が前記ブルートゥース通信装置40等を介して供給されたか否かを判定する。また、好適には、そのようにして読み出された指示情報が、前記データベース46に記憶されたデータテーブル130に対応するものであるか否かを判定する。
【0045】
図10に示すように、前記作業管理システム10における所定の作業指示書44に係る作業では、先ず、その作業指示書44に付随する指示書タグ44tに記憶された指示情報が前記リストリーダ28により読み取られ、その指示情報が前記ブルートゥース通信装置40等を介して前記タブレットPC36へ送信される。図11は、そのようにして作業指示書44に付随する指示書タグ44tに記憶された指示情報が前記リストリーダ28により読み取られる様子を示している。斯かるリストリーダ28による指示書タグ44tの読み取り乃至読み取られた指示情報の前記タブレットPC36への送信に応じて、上記指示書読取判定手段132による判定が行われる。また、この指示書読取判定手段132による判定が肯定された場合、図8のデータテーブル130に示すように、前記指示書タグ44tの指示情報(作業指示書タグのID)が読み取られたことをトリガとしてポインタR=0に係る処理が実行され、前記表示制御部120を介して前記表示装置116に「台車を出発して下さい。」等のメッセージを含む画像が表示される。
【0046】
図9に示す目的列判定手段134は、前記作業指示書44の指示書タグ44tから読み取られた指示情報に係る拾い上げ作業に際して、列情報発信装置としての前記IRマーカ24からの位置情報(列情報)がその指示情報に対応するものであるか否かを判定する。すなわち、前記IRレシーバ38等を介して前記IRマーカ24から列情報としての赤外線信号が受信された場合に、斯かる列情報がその時点で行っている作業すなわち前記作業指示書44の指示書タグ44tから読み取られた指示情報に係る拾い上げ作業において進入すべき列20に対応する列情報として定められたものであるか否かを、前記データテーブル130の記憶内容等に基づいて判定する。
【0047】
前述のように前記作業指示書44に付随する指示書タグ44tに記憶された指示情報が前記リストリーダ28により読み取られた後、図10に示すように、列情報発信装置としての前記IRマーカ24からの赤外線信号が検知され、その赤外線信号が前記IRレシーバ38等を介して前記タブレットPC36へ送信される。図12は、そのようにして列情報発信装置としての前記IRマーカ24からの赤外線信号(列情報)が前記IRレシーバ38により受信される様子を示している。斯かるIRレシーバ38による前記IRマーカ24からの赤外線信号の受信乃至受信された列情報の前記タブレットPC36への送信に応じて、上記目的列判定手段134による判定が行われる。また、この目的列判定手段134による判定が肯定された場合、図8のデータテーブル130に示すように、前記IRマーカ24からの列情報(列用赤外線マーカのID1)が受信されたことをトリガとしてポインタR=1に係る処理が実行され、前記表示制御部120を介して前記表示装置116に「この列の通路を進んで下さい。」等のメッセージを含む画像が表示される。
【0048】
図9に示す作業時間A測定手段136は、前記リストリーダ28により前記作業指示書44の指示書タグ44tから読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記指示書読取判定手段132による判定が肯定されてから上記目的列判定手段134による判定が肯定されるまでの作業時間Aを測定する。換言すれば、作業開始にあたり前記リストリーダ28により前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された指示情報(指示書タグ44tのID)が読み取られた時刻1と、その指示情報に係る上記目的列判定手段134による判定が肯定された時刻2を前記時計129により計測し、差を算出することにより作業時間Aを測定する。すなわち、本実施例においては、上記作業時間A測定手段136が第5の作業時間測定手段に対応する。このようにして上記作業時間A測定手段136により測定された作業時間Aは、前記データベース46における図8に示すようなデータテーブル130に測定が行われる毎に記憶される。以下の実施例で説明する作業時間測定手段についても同様である。
【0049】
図9に示す目的区域判定手段138は、前記リストリーダ28により前記作業指示書44の指示書タグ44tから読み取られた指示情報に係る拾い上げ作業に際して、区域情報発信装置である前記IRマーカ22からの位置情報すなわち各棚14に係る位置情報(区域情報)がその指示情報に対応するものであるか否かを判定する。すなわち、前記IRレシーバ38等を介して前記IRマーカ22から区域情報としての赤外線信号が受信された場合に、斯かる区域情報がその時点で行っている作業すなわち前記作業指示書44の指示書タグ44tから読み取られた指示情報に係る拾い上げ作業において単数乃至複数の部品18を拾い上げるべき棚14に対応する区域情報として定められたものであるか否かを、前記データテーブル130の記憶内容等に基づいて判定する。
【0050】
前述のように列情報発信装置としての前記IRマーカ24からの列情報が検知された後、図10に示すように、区域情報発信装置としての前記IRマーカ22からの赤外線が検知され、その赤外線信号が前記IRレシーバ38等を介して前記タブレットPC36へ送信される。図13は、そのようにして区域情報発信装置としての前記IRマーカ22からの赤外線信号(列情報)が前記IRレシーバ38により受信される様子を示している。斯かるIRレシーバ38による前記IRマーカ22からの赤外線信号の受信乃至受信された区域情報の前記タブレットPC36への送信に応じて、上記目的区域判定手段138による判定が行われる。また、この目的区域判定手段138による判定が肯定された場合、図8のデータテーブル130に示すように、前記IRマーカ22からの区域情報(部品棚用赤外線マーカのID2)が受信されたことをトリガとしてポインタR=2に係る処理が実行され、前記表示制御部120を介して前記表示装置116に「台車を停めて、固定して下さい。」等のメッセージを含む画像が表示される。なお、所定の赤外線信号を受信したにも関わらず上記判定が否定された場合は、誤った列20に位置しているので「列が違います」等のメッセージが前記表示装置116に表示される。
【0051】
図9に示す作業時間B測定手段140は、前記時計129を用いて前記目的列判定手段134による判定が肯定されてから前記目的区域判定手段138による判定が肯定されるまでの作業時間Bを測定する。換言すれば、前記リストリーダ28により読み取られた前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された指示情報に係る前記目的列判定手段134による判定が肯定されてから、その判定に係る列20に含まれる棚14に対応する前記目的区域判定手段138による判定が肯定されるまでの作業時間Bを測定する。すなわち、本実施例においては、上記作業時間B測定手段140が第4の作業時間測定手段に対応する。なお、所定の赤外線信号を受信したにも関わらず上記判定が否定された場合は、誤った棚14の前に位置しているので「棚が違います」等のメッセージが前記表示装置116に表示される。
【0052】
前述のように区域情報発信装置としての前記IRマーカ22からの区域情報が検知された後、図10に示すように、前記作業指示書44に付随する指示書タグ44tに記憶された指示情報が前記リストリーダ28により再び読み取られる。斯かるリストリーダ28による指示書タグ44tの読み取り乃至読み取られた指示情報の前記タブレットPC36への送信に応じて、前記指示書読取判定手段132による判定が行われる。また、この指示書読取判定手段132による判定が肯定された場合、図8のデータテーブル130に示すように、前記指示書タグ44tの指示情報(作業指示書タグのID)が読み取られたことをトリガとしてポインタR=3に係る処理が実行され、前記表示制御部120を介して前記表示装置116に「部品箱PからN個取って下さい。」等のメッセージを含む画像が表示される。
【0053】
図9に示す作業時間C測定手段142は、前記目的区域判定手段138による判定が肯定されてから前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された対象となる部品18の拾い上げ作業に係る指示情報が前記リストリーダ28により読み取られるまでの作業時間Cを測定する。換言すれば、前記リストリーダ28により読み取られた前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された指示情報に係る前記目的区域判定手段138による判定が肯定されてから、その判定に係る指示情報に対応する前記指示書読取判定手段132による判定が肯定されるまでの作業時間Cを測定する。すなわち、本実施例においては、上記作業時間C測定手段142が第2の作業時間測定手段に対応する。
【0054】
図9に示す目的部品判定手段144は、前記リストリーダ28により前記作業指示書44の指示書タグ44tから読み取られた指示情報に係る拾い上げ作業に際して、その指示情報に係る対象となる部品18に対応する部品箱タグ16tの識別情報が前記リストリーダ28により読み取られたか否かを判定する。すなわち、前記リストリーダ28により読み取られた前記部品箱タグ16tの識別情報が前記ブルートゥース通信装置40等を介して受信された場合に、斯かる識別情報がその時点で行っている作業すなわち前記作業指示書44の指示書タグ44tから読み取られた指示情報に係る拾い上げ作業において拾い上げ対象となる部品18に対応する部品箱16(部品箱タグ16t)の識別情報として定められたものであるか否かを、前記データテーブル130の記憶内容等に基づいて判定する。
【0055】
前述のように前記作業指示書44に付随する指示書タグ44tに記憶された指示情報が前記リストリーダ28により読み取られた後、図10に示すように、所定の部品箱16の部品箱タグ16tに記憶された識別情報が前記リストリーダ28により読み取られる。図14は、そのようにして前記リストリーダ28により所定の部品箱16に係る部品箱タグ16tの識別情報が読み取られる様子を示している。斯かるリストリーダ28による部品箱タグ16tの読み取り乃至読み取られた識別情報の前記タブレットPC36への送信に応じて、上記目的部品判定手段144による判定が行われる。また、この目的部品判定手段144による判定が肯定された場合、図8のデータテーブル130に示すように、対象となる前記部品箱タグ16tの識別情報(部品箱のID3)が読み取られたことをトリガとしてポインタR=4に係る処理が実行され、例えば拾い上げられた部品18が図18に示すトレイ37において位置番号Lに対応するものである場合には、前記表示制御部120を介して前記表示装置116に「トレイのL番へ入れて下さい。」等のメッセージを含む画像が表示される。
【0056】
図9に示す作業時間D測定手段146は、前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された対象となる部品18の拾い上げ作業に係る指示情報が前記リストリーダ28により読み取られてから、その指示情報に係る前記対象となる部品18に対応する部品箱タグ16tの識別情報が前記リストリーダ28により読み取られるまでの作業時間Dを測定する。換言すれば、前記指示書読取判定手段132による判定が肯定されてから、その判定に係る指示情報に対応する前記目的部品判定手段144による判定が肯定されるまでの作業時間Dを測定する。すなわち、本実施例においては、上記作業時間D測定手段146が作業時間測定手段に対応する。
【0057】
前述のように前記リストリーダ28により所定の部品箱16の部品箱タグ16tに記憶された識別情報が読み取られた後、図10に示すように、前記作業指示書44に付随する指示書タグ44tに記憶された指示情報が前記リストリーダ28により再び読み取られる。斯かるリストリーダ28による指示書タグ44tの読み取り乃至読み取られた指示情報の前記タブレットPC36への送信に応じて、前記指示書読取判定手段132による判定が行われる。また、この指示書読取判定手段132による判定が肯定された場合、図8のデータテーブル130に示すように、前記指示書タグ44tの指示情報(作業指示書タグのID)が読み取られたことをトリガとしてポインタR=5に係る処理が実行され、前記表示制御部120を介して前記表示装置116に「部品箱PからN個取って下さい。」等のメッセージを含む画像が表示される。
【0058】
図9に示す作業時間E測定手段148は、前記対象となる部品18に対応する部品箱タグ16tの識別情報が前記リストリーダ28により読み取られてから前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された次の対象となる部品18の拾い上げ作業に係る指示情報が前記リストリーダ28により読み取られるまでの作業時間Eを測定する。換言すれば、前記リストリーダ28により読み取られた前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された指示情報に対応する前記目的部品判定手段144による判定が肯定されてから、その指示情報に係る前記指示書読取判定手段132による判定が肯定されるまでの作業時間Eを測定する。すなわち、本実施例においては、上記作業時間E測定手段148が第3の作業時間測定手段に対応する。
【0059】
以下、図10に示すように、前記リストリーダ28による前記作業指示書44の指示書タグ44tの指示情報の読み取り(指示書読取判定手段132による判定)、その指示情報に対応する部品18の拾い上げに伴う前記リストリーダ28による前記部品箱タグ16tの読み取り(目的部品判定手段144による判定)、乃至次の作業に係る前記リストリーダ28による前記作業指示書44の指示書タグ44tの指示情報の読み取り(指示書読取判定手段132による判定)が繰り返される。そして、斯かる指示書タグ44t及び部品箱タグ16tの読み取りに関して、前記作業時間D測定手段146による作業時間D1〜nの測定及び作業時間E測定手段148による作業時間E1〜nの測定が行われる。
【0060】
また、図8のデータテーブル130のポインタR=11〜13に示すように、他の列20乃至棚14に収納された部品箱16に対応する部品18を拾い上げる旨が定められており、その指示に従って作業が行われる場合には、前記台車30の移動に伴い前記指示書読取判定手段132、目的列判定手段134、及び目的区域判定手段138による判定が実行され、それらの判定に対応して前記作業時間B測定手段140による作業時間Bの測定及び作業時間C測定手段による作業時間Cの測定が行われる。
【0061】
図9に示す作業完了判定手段150は、前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された指示情報に係る拾い上げ対象となる部品18(部品箱16)に対応する全ての識別情報が前記リストリーダ28により読み取られたか否かを判定する。例えば、前記リストリーダ28により読み取られた前記部品箱タグ16tの識別情報が前記ブルートゥース通信装置40等を介して受信された場合に、斯かる識別情報がその時点で行っている作業すなわち前記作業指示書44の指示書タグ44tから読み取られた指示情報に係る拾い上げ作業において拾い上げ対象となる部品18に対応する部品箱16(部品箱タグ16t)の識別情報であって最後の部品18に係るものとして定められたものであるか否かを、前記データテーブル130の記憶内容等に基づいて判定する。なお、本実施例においては、図8に示すように各拾い上げ作業に関して拾い上げられるべき部品18が前記データテーブル130に定められているため、上記作業完了判定手段150は作業工程を示すポインタRに基づいて上記判定を行うものであってもよい。すなわち、そのポインタRが予め定められた所定の値となった段階で上記判定を肯定するものであってもよい。
【0062】
図9に示す作業終了位置判定手段152は、前記リストリーダ28により前記作業指示書44の指示書タグ44tから読み取られた指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記IRレシーバ38等を介して終了位置情報発信装置である前記IRマーカ25からの位置情報すなわち作業終了位置の位置情報が受信されたか否かを判定する。すなわち、前記IRマーカ25から位置情報としての赤外線信号が受信された場合に、斯かる位置情報がその時点で行っている作業すなわち前記作業指示書44の指示書タグ44tから読み取られた指示情報に係る拾い上げ作業において作業終了位置に対応する位置情報として定められたものであるか否かを、前記データテーブル130の記憶内容等に基づいて判定する。
【0063】
図10に示すように、前記作業指示書44に付随する指示書タグ44tに記憶された指示情報が前記リストリーダ28により読み取られた後、その指示情報の読み取りをもって全ての部品18の拾い上げ完了であると判定された場合には、前記台車30の出発が報知される。すなわち、前記作業完了判定手段150による判定が行われ、その判定が肯定される。この作業完了判定手段150による判定が肯定された場合、図8のデータテーブル130に示すように、前記指示書タグ44tの指示情報(作業指示書タグのID)が受信されたことをトリガとしてポインタR=22に係る処理が実行され、前記表示制御部120を介して前記表示装置116に「台車の固定を解除し、出発して下さい。」等のメッセージを含む画像が表示される。
【0064】
続いて、終了位置情報発信装置としての前記IRマーカ25からの赤外線が検知され、その赤外線信号が前記IRレシーバ38等を介して前記タブレットPC36へ送信される。図15は、そのようにして終了位置情報発信装置としての前記IRマーカ25からの赤外線信号(位置情報)が前記IRレシーバ38により受信される様子を示している。斯かるIRレシーバ38による前記IRマーカ25からの赤外線信号の受信乃至受信された位置情報の前記タブレットPC36への送信に応じて、上記作業終了位置判定手段152による判定が行われる。また、この作業終了位置判定手段152による判定が肯定された場合、図8のデータテーブル130に示すように、前記IRマーカ25からの位置情報(作業終了用赤外線マーカのID4)が受信されたことをトリガとしてポインタR=23に係る処理が実行され、前記表示制御部120を介して前記表示装置116に後述する図16に示すような評価結果表示画面158が表示される。
【0065】
図9に示す作業時間F測定手段154は、前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された指示情報に係る拾い上げ対象となる部品18(部品箱16)に対応する全ての識別情報が前記リストリーダ28により読み取られてから、終了位置情報発信装置である前記IRマーカ25からの位置情報すなわち作業終了位置の位置情報が受信されるまでの作業時間Fを測定する。換言すれば、前記作業完了判定手段150による判定が肯定されてから前記作業終了位置判定手段152による判定が肯定されるまでの作業時間Fを測定する。すなわち、本実施例においては、上記作業時間F測定手段154が第6の作業時間測定手段に対応する。
【0066】
図9に示す作業評価手段156は、前記作業時間A測定手段136、作業時間B測定手段140、作業時間C測定手段142、作業時間D測定手段146、作業時間E測定手段148、及び作業時間F測定手段154によりそれぞれ実際に測定された作業時間A〜Fすなわち前記データテーブル130に記憶された各作業時間A〜Fの実測値T2と、前記データテーブル130に予め定められた各作業時間の標準値T1とを比較することにより、前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された指示情報に係る作業を評価する。例えば、前記データテーブル130に記憶された各作業時間A〜Fの実測値T2と各作業時間の標準値T1との差に応じて、その実測値T2における各作業時間A〜Fをそれぞれ複数段階(例えば、優、良、可、不可の4段階)に評価し、好適にはその結果を前記表示制御部120を介して前記表示装置116に表示させる。図16は、そのようにして上記作業評価手段156により行われた各作業時間A〜Fの4段階評価結果に基づいて、前記表示装置116に表示される評価結果表示画面158の一例を示す図である。
【0067】
また、上記作業評価手段156による作業時間の評価の形態としては、種々の態様が考えられる。すなわち、前記データベース46に記憶された複数の作業者26の作業に係る前記各作業時間A〜Fの実測値T2に基づいて、対象となる作業者26の作業に係る前記各作業時間A〜Fの実測値T2の偏差値を算出するものであってもよい。或いは、簡易的に対象となる作業者26の作業に係る前記各作業時間A〜Fの実測値T2が各作業時間A〜Fの標準値T1を上回っているか下回っているか(速いか遅いか)だけを判定するものであってもよい。更に、上記作業評価手段156による評価結果は必ずしも前記タブレットPC36の表示装置116に表示されるものでなくともよく、図示しないプリンタによりプリントアウトされて各作業者26に配布されたり、勤務評定のための内部資料として管理者による閲覧可能とされるに留まるものであっても構わない。
【0068】
図17は、前記タブレットPC36の制御部106による拾い上げ作業管理制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0069】
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)S1において、作業工程を示すポインタRが0とされる。次に、S2において、所定のIDが検出されたか否かが判断される。このS2の判断が否定される場合には、判断が繰り返されることにより待機させられるが、S2の判断が肯定される場合には、S2′において、検出されたIDが対象IDであるか否かが判断される。すなわち、前記リストリーダ28を介して前記指示書タグ44tの指示情報が検出されたか、前記IRレシーバ38を介して前記IRマーカ22、24、25からの赤外線信号(位置情報)が検出されたか、或いは前記リストリーダ28を介して前記部品箱タグ16tの識別情報が検出されたか否かが判断される。このS2′の判断が否定される場合には、S2″において、間違ったIDが読み取られた旨のエラー報知が前記表示装置116に表示された後、S2以下の処理が再び実行されるが、S2′の判断が肯定される場合には、S3において、検出された対象IDをトリガとして前記データベース46のデータテーブル130に記憶されたメッセージを含む画像が前記表示装置116に表示される。次に、S4において、作業時間測定のためのタイマがONとされる。次に、S5において、作業工程を示すポインタRが1進められる。次に、S6において、所定のIDが検出されたか否かが判断される。このS6の判断が否定される場合には、判断が繰り返されることにより待機させられるが、S6の判断が肯定される場合には、S6′において、検出されたIDが対象IDであるか否かが判断される。すなわち、前記リストリーダ28を介して前記指示書タグ44tの指示情報が検出されたか、前記IRレシーバ38を介して前記IRマーカ22、24、25からの赤外線信号(位置情報)が検出されたか、或いは前記リストリーダ28を介して前記部品箱タグ16tの識別情報が検出されたか否かが判断される。このS6′の判断が否定される場合には、S6″において、間違ったIDが読み取られた旨のエラー報知が前記表示装置116に表示された後、S6以下の処理が再び実行されるが、S6′の判断が肯定される場合には、S7において、作業時間測定のためのタイマがOFFとされる。次に、S8において、タイマによる測定された作業時間が前記データベース46のデータテーブル130に記憶される。次に、S9において、作業時間測定のためのタイマがリセットされる。次に、S10において、検出された対象IDをトリガとして前記データベース46のデータテーブル130に記憶されたメッセージを含む画像が前記表示装置116に表示される。次に、S11において、作業時間測定のためのタイマがONとされる。次に、S12において、作業工程を示すポインタRが0であるか否かが判断される。このS12の判断が否定される場合には、S5以下の処理が再び実行されるが、S12の判断が肯定される場合には、S13において、作業時間測定のためのタイマがOFFとされる。次に、前記作業評価手段156の動作乃至作業評価過程に対応するS14において、前記データテーブル130に記憶された各作業時間A〜Fの実測値T2と各作業時間の標準値T1とが比較され、その比較結果が前記表示装置116に表示された後、本ルーチンが終了させられる。
【0070】
以上の制御において、S1及びS6が前記指示書読取判定手段132、目的列判定手段134、目的区域判定手段138、目的部品判定手段144、作業完了判定手段150、及び作業終了位置判定手段152の動作乃至目的列判定過程、目的区域判定過程、及び作業完了判定過程に対応する。また、S4、S7、S11、及びS13が前記作業時間A測定手段136、作業時間B測定手段140、作業時間C測定手段142、作業時間D測定手段146、作業時間E測定手段148、及び作業時間F測定手段154の動作乃至第1〜第6の作業時間測定過程に対応する。
【0071】
このように、本実施例によれば、物品すなわち部品18の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示用の指示書タグ44tと、作業者26の手部26wに装着又は把持されて用いられる、無線により部品箱タグ16tの識別情報及び指示書タグ44tの指示情報を読み取る無線タグリーダとしてのリストリーダ28と、そのリストリーダ28により読み取られる前記部品箱タグ16tの識別情報及び指示書タグ44tの指示情報を受信可能に構成された制御装置としてのタブレットPC36とを、備え、そのタブレットPC36は、前記対象となる部品18の拾い上げ作業に係る指示情報が前記リストリーダ28により読み取られてからその指示情報に係る前記対象となる部品18に対応する部品箱タグ16tの識別情報がそのリストリーダ28により読み取られるまでの作業時間Dを測定する作業時間D測定手段(S4、S7、S11、及びS13)を備えたものであることから、無線タグ通信を利用した物品の拾い上げ作業に関して、各作業者26の工程毎の作業時間を逐一測定することができる。すなわち、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業をきめ細かに把握乃至評価できる作業管理システム10を提供することができる。
【0072】
また、前記複数の区域すなわち複数の棚14それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各区域の位置情報を発信する区域情報発信装置としてのIRマーカ22を備え、前記タブレットPC36は、そのIRマーカ22により発信される位置情報を受信可能に構成されると共に、前記リストリーダ28により前記作業指示用の指示書タグ44tから読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記IRマーカ22からの位置情報がその指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的区域判定手段138(S2及びS6)と、その目的区域判定手段138による判定が肯定されてから前記作業指示用の指示書タグ44tに記憶された対象となる部品18の拾い上げ作業に係る指示情報が前記リストリーダ28により読み取られるまでの作業時間Cを測定する第2の作業時間測定手段としての作業時間C測定手段142(S4、S7、S11、及びS13)とを、備えたものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0073】
また、前記タブレットPC36は、前記対象となる部品18に対応する部品箱タグ16tの識別情報が前記リストリーダ28により読み取られてから前記作業指示用の指示書タグ44tに記憶された次の対象となる部品18の拾い上げ作業に係る指示情報がそのリストリーダ28により読み取られるまでの作業時間Eを測定する第3の作業時間測定手段としての作業時間E測定手段148(S4、S7、S11、及びS13)を備えたものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0074】
また、前記複数の棚14は複数の列20を成し、各棚14がそれぞれ何れかの列20に含まれるものであり、前記複数の列20それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各列20の位置情報を発信する列情報発信装置としてのIRマーカ24を備え、前記タブレットPC36は、そのIRマーカ24により発信される位置情報を受信可能に構成されると共に、前記リストリーダ28により前記作業指示用の指示書タグ44tから読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記IRマーカ24からの位置情報がその指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的列判定手段134(S2及びS6)と、その目的列判定手段134による判定が肯定されてから前記目的区域判定手段38による判定が肯定されるまでの作業時間Bを測定する第4の作業時間測定手段としての作業時間B測定手段140(S4、S7、S11、及びS13)とを、備えたものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0075】
また、前記タブレットPC36は、前記リストリーダ28により前記作業指示用の指示書タグ44tから読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、その指示情報が前記リストリーダ28により読み取られてから前記目的列判定手段134による判定が肯定されるまでの作業時間Aを測定する第5の作業時間測定手段としての作業時間A測定手段136(S4、S7、S11、及びS13)を備えたものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0076】
また、作業終了位置に対応して設けられ、所定の範囲に対してその作業終了位置の位置情報を発信する終了位置情報発信装置としてのIRマーカ25を備え、前記タブレットPC36は、そのIRマーカ25により発信される位置情報を受信可能に構成されると共に、前記作業指示用の指示書タグ44tに記憶された指示情報に係る拾い上げ対象となる部品18に対応する全ての識別情報が前記リストリーダ28により読み取られたか否かを判定する作業完了判定手段150(S2及びS6)と、その作業完了判定手段150による判定が肯定されてから前記IRマーカ25からの位置情報が受信されるまでの作業時間Fを測定する第6の作業時間測定手段としての作業時間F測定手段154(S4、S7、S11、及びS13)とを、備えたものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0077】
また、前記タブレットPC36は、前記作業時間A測定手段136、作業時間B測定手段140、作業時間C測定手段142、作業時間D測定手段146、作業時間E測定手段148、及び作業時間F測定手段154によりそれぞれ実際に測定された作業時間A〜Fと、予め定められた各作業時間の標準値とを比較することにより、前記作業指示用の指示書タグ44tに記憶された指示情報に係る作業を評価する作業評価手段156(S14)を備えたものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の工程毎の作業を詳細且つ実用的な態様で評価することができる。
【0078】
また、本実施例によれば、部品18の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示用の指示書タグ44tと、作業者26の手部26wに装着又は把持されて用いられる、無線により前記部品箱タグ16tの識別情報及び指示書タグ44tの指示情報を読み取るリストリーダ28と、そのリストリーダ28により読み取られる前記部品箱タグ16tの識別情報及び指示書タグ44tの指示情報を受信可能に構成されたタブレットPC36とを、備えた作業環境において、前記対象となる部品18の拾い上げ作業に係る指示情報が前記リストリーダ28により読み取られてからその指示情報に係る前記対象となる部品18に対応する部品箱タグ16tの識別情報がそのリストリーダ28により読み取られるまでの作業時間Dを測定する作業時間測定過程(S4、S7、S11、及びS13)を含むことから、無線タグ通信を利用した物品の拾い上げ作業に関して、各作業者26の工程毎の作業時間を逐一測定することができる。すなわち、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業をきめ細かに把握乃至評価できる作業管理方法を提供することができる。
【0079】
また、前記複数の棚14それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各棚14の位置情報を発信するIRマーカ22を備え、前記タブレットPC36は、そのIRマーカ22により発信される位置情報を受信可能に構成された作業環境において、前記リストリーダ28により前記作業指示用の指示書タグ44tから読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記IRマーカ22からの位置情報がその指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的区域判定過程(S2及びS6)と、その目的区域判定過程における判定が肯定されてから前記作業指示用の指示書タグ44tに記憶された対象となる部品18の拾い上げ作業に係る指示情報が前記リストリーダ28により読み取られるまでの作業時間Cを測定する第2の作業時間測定過程(S4、S7、S11、及びS13)とを、含むものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0080】
また、前記対象となる部品18に対応する部品箱タグ16tの識別情報が前記リストリーダ28により読み取られてから前記作業指示用の指示書タグ44tに記憶された次の対象となる部品18の拾い上げ作業に係る指示情報がそのリストリーダ28により読み取られるまでの作業時間Eを測定する第3の作業時間測定過程(S4、S7、S11、及びS13)を含むものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0081】
また、前記複数の棚14は複数の列20を成し、各棚14がそれぞれ何れかの列20に含まれるものであり、前記複数の列20それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各列20の位置情報を発信するIRマーカ24を備え、前記タブレットPC36は、そのIRマーカ24により発信される位置情報を受信可能に構成された作業環境において、前記リストリーダ28により前記作業指示用の指示書タグ44tから読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記IRマーカ24からの位置情報がその指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的列判定過程(S2及びS6)と、その目的列判定過程における判定が肯定されてから前記目的区域判定過程における判定が肯定されるまでの作業時間Bを測定する第4の作業時間測定過程(S4、S7、S11、及びS13)とを、含むものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0082】
また、前記リストリーダ28により前記作業指示用の指示書タグ44tから読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、その指示情報が前記リストリーダ28により読み取られてから前記目的列判定過程における判定が肯定されるまでの作業時間Aを測定する第5の作業時間測定過程(S4、S7、S11、及びS13)を含むものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0083】
また、作業終了位置に対応して設けられ、所定の範囲に対してその作業終了位置の位置情報を発信するIRマーカ25を備え、前記タブレットPC36は、そのIRマーカ25により発信される位置情報を受信可能に構成された作業環境において、前記作業指示用の指示書タグ44tに記憶された指示情報に係る拾い上げ対象となる部品18に対応する全ての識別情報が前記リストリーダ28により読み取られたか否かを判定する作業完了判定過程(S2及びS6)と、その作業完了判定過程における判定が肯定されてから前記IRマーカ25からの位置情報が受信されるまでの作業時間Fを測定する第6の作業時間測定過程(S4、S7、S11、及びS13)とを、含むものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0084】
また、前記作業時間計測過程においてそれぞれ実際に測定された作業時間A〜Fと、予め定められた各作業時間の標準値とを比較することにより、前記作業指示用の指示書タグ44tに記憶された指示情報に係る作業を評価する作業評価過程(S14)を含むものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の工程毎の作業を詳細且つ実用的な態様で評価することができる。
【0085】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0086】
例えば、前述の実施例において、区域情報発信装置、列情報発信装置、及び終了位置情報発信装置は、赤外線信号としての位置情報を発信するIRマーカ22、24、25であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ブルートゥース信号や所定周波数の電波等としての位置情報を対象となる領域に発信するものであっても構わない。更には、電源を備えたアクティブタグであってもよく、斯かる場合においては前記リストリーダ28によりそのアクティブタグからの位置情報が受信される。同様に、前記リストリーダ28及びタブレットPC36は、必ずしもブルートゥース信号により通信を行うものでなくともよく、赤外線信号や所定周波数の電波等を介して相互に情報の通信を行うものであってもよい。更に、前記リストリーダ28は、有線ケーブルにより前記タブレットPC36に接続されたものであってもよい。すなわち、本発明の作業管理システム乃至作業管理方法に係る装置相互間における情報の通信形態としては種々の態様が考えられ、設計に応じて適宜最適な通信形態が選択されて適用される。
【0087】
また、前述の実施例では、複数に区分された区域としての棚14の何れかにそれぞれ複数種類の部品18が配置された作業領域における拾い上げ作業に本発明が適用された例を説明したが、前記区域は必ずしも棚14でなくともよく、複数のキャビネットの何れかにそれぞれ複数種類の部品18が格納された態様や、複数の区域に区切られた床にそれぞれ複数種類の部品18が置かれた態様等、種々の作業領域における拾い上げ作業に本発明は好適に適用される。
【0088】
また、前述の実施例において、前記作業管理システム10に係る制御機能として図9に示した各種制御手段は、単一の制御装置である前記タブレットPC36の制御部106に機能的に備えられたものであったが、これらの制御機能の一部乃至全部が他の制御装置例えば前記リストリーダ28の制御部52に備えられたものであってもよい。
【0089】
また、前述の実施例において、前記リストリーダ28とタブレットPC36とが別体の装置として構成されていたが、これらリストリーダ28及びタブレットPC36の機能を併せ持つ単一の装置によりそれらの構成を代替してもよい。更に、前記作業管理システム10に適用される制御装置は、必ずしもタッチパネルディスプレイ104を備えたタブレットPC36でなくともよく、入力装置としてのキーボードを備えたパーソナルコンピュータ等であってもよい。また、画像表示部や報知部が別装置として備えられた構成において、それらが制御装置に有線又は無線により接続された構成も当然に考えられる。
【0090】
また、前述の実施例において、前記作業指示書44に付随する指示書タグ44tは、前記データベース46に記憶されたデータテーブル130に対応する指示情報すなわち対応するデータテーブル130を特定するため(読み出すため)の識別情報としての指示情報を記憶するものであったが、より詳細な作業指示に関する情報例えば対象となる作業において前記部品保管庫12から拾い上げられるべき部品18に対応する部品箱タグ16tの識別情報が、拾い上げられる順番に記憶されたものであってもよい。更には、前述した図8に示すようなデータテーブル130が前記指示書タグ44tに指示情報として記憶されるものであってもよい。
【0091】
また、前述の実施例において、前記作業評価手段156は、前記作業時間A測定手段136、作業時間B測定手段140、作業時間C測定手段142、作業時間D測定手段146、作業時間E測定手段148、及び作業時間F測定手段154によりそれぞれ実際に測定された作業時間A〜Fすなわち前記データテーブル130に記憶された各作業時間A〜Fの実測値T2と、前記データテーブル130に予め定められた各作業時間の標準値T1とを比較することにより、前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された指示情報に係る作業を評価するものであったが、本発明の作業評価手段は必ずしも前記作業時間A〜Fの全てに関して斯かる評価を行うものでなくともよく、少なくともそれらの一部について評価を行うものであれば本発明の一応の効果を奏する。
【0092】
また、前述の実施例では、前記作業評価手段156による各作業時間A〜Fの4段階の評価結果を前記表示装置116に表示させるものであったが、単に各作業時間A〜Fの実測値と標準値とを並べて前記表示装置116に表示させるものであってもよい。
【0093】
また、前述の実施例では、前記作業指示書44は、指示情報を記憶した指示書タグ44tを備え、その指示書タグ44tに記憶された指示情報が前記リストリーダ28により読み取られるものであったが、例えば、前記作業指示書44は、二次元コードとしての指示情報を記憶(プリント)したものであってもよい。その場合、前記台車30には、その二次元コードを読み取るためのバーコードリーダが前記読取装置として備えられる。
【0094】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0095】
10:作業管理システム
12:部品保管庫(作業領域)
14:棚(区域)
16t:部品箱タグ(無線タグ)
18:部品(物品)
20:列
22:IRマーカ(区域情報発信装置)
24:IRマーカ(列情報発信装置)
25:IRマーカ(終了位置情報発信装置)
26:作業者
26w:手部
28:リストリーダ(無線タグリーダ、読取装置)
36:タブレットPC(制御装置)
44t:指示書タグ(無線タグ)
134:目的列判定手段
136:作業時間A測定手段(第5の作業時間測定手段)
138:目的区域判定手段
140:作業時間B測定手段(第4の作業時間測定手段)
142:作業時間C測定手段(第2の作業時間測定手段)
146:作業時間D測定手段(作業時間測定手段)
148:作業時間E測定手段(第3の作業時間測定手段)
150:作業完了判定手段
154:作業時間F測定手段(第6の作業時間測定手段)
156:作業評価手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、単数乃至複数の物品に対応する無線タグとの間で無線により情報の通信を行うことによりそれら物品に関する作業の管理を行う作業管理システム及び作業管理方法に関し、特に、各作業員による拾い上げ作業をきめ細かに把握乃至評価するための改良に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の情報が記憶された小型の無線タグ(応答器)から所定の無線タグ通信装置(質問器)により非接触にて情報の読み出しを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。このRFIDシステムは、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても無線タグ通信装置との通信によりその無線タグに記憶された情報を読み出すことが可能であることから、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
【0003】
斯かるRFIDシステムの一利用形態として、前記無線タグとの間で無線により情報の通信を行うことにより作業の管理を行う作業管理システムが提案されている。例えば、特許文献1に記載された作業管理システムがそれである。この技術によれば、作業者により着用されるヘルメットに非接触ICタグを付し、その非接触ICタグに所定の管理データを記憶させることで、各作業者の行動を把握して作業の効率化及び正確化を図ることができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−209420号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前記従来の技術は、作業領域へ入退場するために設けられたゲートにおいて前記ヘルメットに付された非接触ICタグを読み取ることにより、その作業領域への作業者の出入りを把握して作業に役立てるといった簡単なシステムであり、例えば所定の製品の製造に係る部品の拾い上げ(ピックアップ)作業のように複数の工程を連続して行う作業に関して、各作業者による作業の各工程をきめ細かに把握乃至評価できるものではなかった。このため、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業をきめ細かに把握乃至評価できる作業管理システム及び作業管理方法の開発が求められていた。
【0006】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業をきめ細かに把握乃至評価できる作業管理システム及び作業管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
斯かる目的を達成するために、本第1発明の要旨とするところは、複数に区分される区域の何れかにそれぞれ複数の物品が配置された作業領域において、その物品に対応する無線タグの識別情報を無線により読み取ることによりそれら物品に関する作業の管理を行う作業管理システムであって、前記物品の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示書と、作業者の手部に装着又は把持されて用いられる、無線により前記無線タグの識別情報を読み取る無線タグリーダと、前記作業指示書に記憶された指示情報を読み取る読取装置と、前記無線タグリーダにより読み取られる前記無線タグの識別情報及び前記読取装置により読み取られる指示情報を受信可能に構成された制御装置とを、備え、その制御装置は、前記対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られてからその指示情報に係る前記対象となる物品に対応する無線タグの識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られるまでの作業時間を測定する作業時間測定手段を備えたことを特徴とするものである。
【0008】
また、前記目的を達成するために、本第2発明の要旨とするところは、複数に区分される区域の何れかにそれぞれ複数の物品が配置された作業領域において、その物品に対応する無線タグの識別情報を無線により読み取ることによりそれら物品に関する作業の管理を行う作業管理方法であって、前記物品の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示書と、作業者の手部に装着又は把持されて用いられる、無線により前記無線タグの識別情報を読み取る無線タグリーダと、前記作業指示書に記憶された指示情報を読み取る読取装置と、前記無線タグリーダにより読み取られる前記無線タグの識別情報及び前記読取装置により読み取られる指示情報を受信可能に構成された制御装置とを、備えた作業環境において、前記対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られてからその指示情報に係る前記対象となる物品に対応する無線タグの識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られるまでの作業時間を測定する作業時間測定過程を含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
このように、前記第1発明によれば、前記物品の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示書と、作業者の手部に装着又は把持されて用いられる、無線により前記無線タグの識別情報を読み取る無線タグリーダと、前記作業指示書に記憶された指示情報を読み取る読取装置と、前記無線タグリーダにより読み取られる前記無線タグの識別情報及び前記読取装置により読み取られる指示情報を受信可能に構成された制御装置とを、備え、その制御装置は、前記対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られてからその指示情報に係る前記対象となる物品に対応する無線タグの識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られるまでの作業時間を測定する作業時間測定手段を備えたものであることから、無線タグ通信を利用した物品の拾い上げ作業に関して、各作業者の工程毎の作業時間を逐一測定することができる。すなわち、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業をきめ細かに把握乃至評価できる作業管理システムを提供することができる。
【0010】
ここで、前記第1発明において、好適には、前記複数の区域それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各区域の位置情報を発信する区域情報発信装置を備え、前記制御装置は、その区域情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成されると共に、前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記区域情報発信装置からの位置情報がその指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的区域判定手段と、その目的区域判定手段による判定が肯定されてから前記作業指示書に記憶された対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られるまでの作業時間を測定する第2の作業時間測定手段とを、備えたものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0011】
また、好適には、前記制御装置は、前記対象となる物品に対応する無線タグの識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られてから前記作業指示書に記憶された次の対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られるまでの作業時間を測定する第3の作業時間測定手段を備えたものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0012】
また、好適には、前記複数の区域は複数の列を成し、各区域がそれぞれ何れかの列に含まれるものであり、前記複数の列それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各列の位置情報を発信する列情報発信装置を備え、前記制御装置は、その列情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成されると共に、前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記列情報発信装置からの位置情報がその指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的列判定手段と、その目的列判定手段による判定が肯定されてから前記目的区域判定手段による判定が肯定されるまでの作業時間を測定する第4の作業時間測定手段とを、備えたものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0013】
また、好適には、前記制御装置は、前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、その指示情報が前記読取装置により読み取られてから前記目的列判定手段による判定が肯定されるまでの作業時間を測定する第5の作業時間測定手段を備えたものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0014】
また、好適には、作業終了位置に対応して設けられ、所定の範囲に対してその作業終了位置の位置情報を発信する終了位置情報発信装置を備え、前記制御装置は、その終了位置情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成されると共に、前記作業指示書に記憶された指示情報に係る拾い上げ対象となる物品に対応する全ての識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られたか否かを判定する作業完了判定手段と、その作業完了判定手段による判定が肯定されてから前記終了位置情報発信装置からの位置情報が受信されるまでの作業時間を測定する第6の作業時間測定手段とを、備えたものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0015】
また、好適には、前記制御装置は、前記作業時間測定手段によりそれぞれ実際に測定された作業時間と、予め定められた各作業時間の標準値とを比較することにより、前記作業指示用の無線タグに記憶された指示情報に係る作業を評価する作業評価手段を備えたものである。このようにすれば、このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の工程毎の作業を詳細且つ実用的な態様で評価することができる。
【0016】
また、前記第2発明によれば、前記物品の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示書と、作業者の手部に装着又は把持されて用いられる、無線により前記無線タグの識別情報を読み取る無線タグリーダと、前記作業指示書に記憶された指示情報を読み取る読取装置と、前記無線タグリーダにより読み取られる前記無線タグの識別情報及び前記読取装置により読み取られる指示情報を受信可能に構成された制御装置とを、備えた作業環境において、前記対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られてからその指示情報に係る前記対象となる物品に対応する無線タグの識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られるまでの作業時間を測定する作業時間測定過程を含むことから、無線タグ通信を利用した物品の拾い上げ作業に関して、各作業者の工程毎の作業時間を逐一測定することができる。すなわち、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業をきめ細かに把握乃至評価できる作業管理方法を提供することができる。
【0017】
ここで、前記第2発明において、好適には、前記複数の区域それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各区域の位置情報を発信する区域情報発信装置を備え、前記制御装置は、その区域情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成された作業環境において、前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記区域情報発信装置からの位置情報がその指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的区域判定過程と、その目的区域判定過程における判定が肯定されてから前記作業指示書に記憶された対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られるまでの作業時間を測定する第2の作業時間測定過程とを、含むものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0018】
また、好適には、前記対象となる物品に対応する無線タグの識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られてから前記作業指示書に記憶された次の対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られるまでの作業時間を測定する第3の作業時間測定過程を含むものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0019】
また、好適には、前記複数の区域は複数の列を成し、各区域がそれぞれ何れかの列に含まれるものであり、前記複数の列それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各列の位置情報を発信する列情報発信装置を備え、前記制御装置は、その列情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成された作業環境において、前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記列情報発信装置からの位置情報がその指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的列判定過程と、その目的列判定過程における判定が肯定されてから前記目的区域判定過程における判定が肯定されるまでの作業時間を測定する第4の作業時間測定過程とを、含むものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0020】
また、好適には、前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、その指示情報が前記読取装置により読み取られてから前記目的列判定過程における判定が肯定されるまでの作業時間を測定する第5の作業時間測定過程を含むものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0021】
また、好適には、作業終了位置に対応して設けられ、所定の範囲に対してその作業終了位置の位置情報を発信する終了位置情報発信装置を備え、前記制御装置は、その終了位置情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成された作業環境において、前記作業指示書に記憶された指示情報に係る拾い上げ対象となる物品に対応する全ての識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られたか否かを判定する作業完了判定過程と、その作業完了判定過程における判定が肯定されてから前記終了位置情報発信装置からの位置情報が受信されるまでの作業時間を測定する第6の作業時間測定過程とを、含むものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0022】
また、好適には、前記作業時間計測過程においてそれぞれ実際に測定された作業時間と、予め定められた各作業時間の標準値とを比較することにより、前記作業指示用の無線タグに記憶された指示情報に係る作業を評価する作業評価過程を含むものである。このようにすれば、部品の拾い上げ作業における各作業者の工程毎の作業を詳細且つ実用的な態様で評価することができる。
【0023】
また、前記第1発明乃至第2発明において、好適には、前記作業指示書は、前記物品の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示用の無線タグを備えたものであり、前記読取装置は、前記無線タグリーダである。このようにすれば、前記識別情報を読み取る無線タグリーダにより前記作業指示書に記憶された指示情報を読み取り可能とすることにより、システムの構成を簡単なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明が好適に適用される作業管理システムの構成を例示する図である。
【図2】図1の作業管理システムにおける情報通信に係る構成を概略的に示すと共に、可動載置台である台車に備えられた構成について説明するブロック図である。
【図3】図1の作業管理システムに備えられたリストリーダの構成を説明するブロック図である。
【図4】図3のリストリーダの通信対象である無線タグの構成を説明する図である。
【図5】図1の作業管理システムにおいて図3のリストリーダが作業者の手部に装着されて用いられる様子を説明する斜視図である。
【図6】図1の作業管理システムにおいて図3のリストリーダにおけるアンテナが作業者の手部に装着されて用いられる様子を説明する斜視図である。
【図7】図1の作業管理システムに備えられたタブレットPCの構成を説明するブロック図である。
【図8】図1の作業管理システムに備えられたデータベースにおいて、所定の作業指示書に対応する部品の拾い上げ作業に関する一連の作業に対応して記憶されたデータテーブルの一例を示す図である。
【図9】図7のタブレットPCの制御部に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図10】図1の作業管理システムにおける所定の作業指示書に係る一連の作業を説明する工程図である。
【図11】図1の作業管理システムにおける拾い上げ作業の開始に際して作業指示書タグに記憶された作業指示情報がリストリーダにより読み出される様子を説明する図である。
【図12】図1の作業管理システムにおける拾い上げ作業において台車が所定の列に対応する領域に進入した場合、その列に対応するIRマーカからの信号がIRレシーバにより受信される様子を説明する図である。
【図13】図1の作業管理システムにおける拾い上げ作業において台車が所定の棚に対応する領域に進入した場合、その棚に対応するIRマーカからの信号がIRレシーバにより受信される様子を説明する図である。
【図14】図1の作業管理システムにおける拾い上げ作業において作業者の手部が所定の部品箱に接近することによりその部品箱に係る部品箱タグの識別情報が自動的にリストリーダにより読み出される様子を説明する図である。
【図15】図1の作業管理システムにおける拾い上げ作業において台車が所定の作業終了位置に対応する領域に進入した場合、その作業終了位置に対応するIRマーカからの信号がIRレシーバにより受信される様子を説明する図である。
【図16】図1の作業管理システムにおける拾い上げ作業において実際に測定された各工程の作業時間の4段階評価結果に基づいて、表示装置に表示される評価結果表示画面の一例を示す図である。
【図17】図7のタブレットPCの制御部による拾い上げ作業管理制御の要部を説明するフローチャートである。
【図18】図1の作業管理システムに用いられる台車に備えられたトレイの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例】
【0026】
図1は、本発明が好適に適用される作業管理システム10の構成を例示する図である。この図1は、所定の製品の組み立てを行う工場において、その製品に係る複数種類の部品18を保管する部品保管庫12の様子を概略的に示しており、本実施例の作業管理システム10は、作業領域としての斯かる部品保管庫12から、対象となる製品の製造に必要な複数種類の部品18の出庫すなわち拾い上げ(ピックアップ)を行う作業の管理等に好適に適用されるものである。なお、上記部品保管庫12は、必ずしも1種類の製品に係る部品のみを保管するものではなく、複数種類の製品に係る部品を一箇所にまとめて保管している形態も考えられ、本実施例の作業管理システム10は、そのような場合においても効果を奏する。
【0027】
図1に示すように、作業領域としての上記部品保管庫12には、複数の棚14a〜14i(以下、特に区別しない場合には単に棚14という)が位置固定に設置され、各棚14にそれぞれ複数の部品箱16が収められている。この部品箱16は、それぞれ所定の種類の部品(物品)18を収納するものであり、各部品箱16の中にはそれぞれ所定の種類の部品18が複数個ずつ収められている。また、各部品箱16には、その部品箱16に収納された部品18の種類を示す無線タグである部品箱タグ16tが貼り付けられており、後述するリストリーダ28によりその種類を示す情報(識別情報)が読み取り可能とされている。すなわち、図1に示す作業管理システム10は、複数に区分される区域に対応する複数の棚14の何れかにそれぞれ複数種類の部品18が配置された部品保管庫12において、それら部品18の拾い上げ作業の管理を行うものである。斯かる構成においては、各部品箱16に同一種類の部品18が対応して収納されており、それら部品18の拾い上げと併行して部品18の補給を行うことができるという利点がある。
【0028】
また、図1に示すように、上記複数の棚14は複数の列20a〜20c(以下、特に区別しない場合には単に列20という)を成し、各棚14がそれぞれ何れかの列20に含まれるものである。すなわち、図1に示す構成においては、上記棚14a〜14cが第1の列20aに、棚14d〜14fが第2の列20bに、棚14g〜14iが第3の列20cにそれぞれ含まれる。ここで、上記複数の棚14には、所定の範囲に対して赤外線信号を発信する赤外線発信機であるIR(InfraRed)マーカ22が各棚14それぞれに対応して設置されている。このIRマーカ22は、例えば各棚14の上部(天板)に固定され、その棚14に対応する所定の範囲(例えば、その棚14に収納された部品箱16を取り出すことが可能な範囲)に対して各棚14を識別するための位置情報である区域情報を発信する区域情報発信装置として機能するものである。また、上記複数の列20における一方の端部(入口側端部)には、同様に所定の範囲に対して赤外線信号を発信する赤外線発信機であるIRマーカ24が各列20の始点にそれぞれに対応して設置されている。このIRマーカ24は、例えば各列20に含まれる複数の棚14のうちその列20の一端に位置する棚14の端部側(列の端側)に固定され、所定の範囲(例えば、その列20に含まれる棚14の前面側の通路の入口)に対して各列20を識別するための位置情報である列情報を発信する列情報発信装置として機能するものである。また、上記複数の列20におけるIRマーカ24が設けられた側とは逆の端部(出口側端部)には、同様に所定の範囲に対して赤外線信号を発信する赤外線発信機であるIRマーカ25が各列20の終点にそれぞれに対応して設置されている。このIRマーカ25は、例えば各列20に含まれる複数の棚14のうちその列20の一端に位置する棚14の端部側(列の端側)に固定され、所定の範囲(例えば、その列20に含まれる棚14の前面側の通路の出口)に対して各列20の作業終了位置の位置情報である終了位置情報を発信する終了位置情報発信装置として機能するものである。
【0029】
また、前記作業管理システム10において、作業者26はその手部26wにリストリーダ28を装着又は把持すると共に、可動載置台である台車30を移動させながら対象となる部品18の拾い上げ作業を行う。図1に示すように、作業領域である前記部品管理庫12に隣接する予備領域32には、複数の上記台車30が設置されており、エレベータ34により上記予備領域32に進入した作業者26は、その予備領域32に設置された台車30の1台を押して前記作業領域12に進入し、その作業領域12内において対象となる複数の部品18を拾い上げた後、再び上記予備領域32に戻って上記エレベータ34により他の工程に対応する領域へ移動する。
【0030】
また、前記作業管理システム10における作業に際して、各作業者26には前記部品18の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示書44が付与される。この作業指示書44には、作業領域である前記部品保管庫12内における各作業者26の部品18の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示用の無線タグである指示書タグ44tが貼り付けられており、各作業者26はその指示書タグ44tに記憶された指示情報を前記リストリーダ28により繰り返し読み取りつつ前記部品保管庫12内における部品18の拾い上げ作業を行う。換言すれば、本実施例の作業管理システム10においては、上記作業指示書44の指示書タグ44tを前記リストリーダ28により読み取る回数に応じて作業工程を進ませるプログラムが後述するタブレットPC36により実行され、そのプログラムすなわち上記タブレットPC36の制御に従って前記作業管理システム10による作業管理が実行される。なお、上記指示書タグ44tに記憶される指示情報は、必ずしも前記作業管理システム10における作業に係る指示そのもの(例えば拾い上げ対象となる部品18の識別情報等)でなくともよく、その作業に係る一連の指示を特定し得る情報であればよい。すなわち、前記部品18の拾い上げ作業に関する具体的な一連の指示は後述するデータベース46等に記憶されたものであり、上記指示書タグ44は、そのデータベース46に記憶された所定の作業に対応する具体的な指示を特定するための識別情報としての指示情報を記憶するものであってもよい。本実施例においては、斯かる態様について説明する。
【0031】
図2は、本実施例の作業管理システム10における情報通信に係る構成を概略的に示すと共に、前記台車30に備えられた構成について説明するブロック図である。この図2に示すように、前記台車30には、タブレットPC36、IRレシーバ38、ブルートゥース(登録商標)通信装置40、及び無線LAN通信装置42等の構成が備えられている。また、本実施例の作業管理システム10に係る各種情報を記憶するデータベース46が設けられ、上記無線LAN通信装置42により無線LANを介してその情報が読み取り可能に構成されている。また、上記台車30には、前記部品保管庫12から拾い上げられた各部品18を収める(載置する)ためのトレイ37(図18を参照)が備えられており、好適には、そのトレイ37に各部品18が収められるべき型(底部パターン)が象られている。以下、これら本実施例の作業管理システム10を構成する各装置に関して、図3乃至図9を参照して詳述する。
【0032】
図3は、前記リストリーダ28の構成を説明するブロック図である。この図3に示すように、前記リストリーダ28は、UHF帯950MHzの電波(ISO/IEC18000-6 Type C等)を用いて前記部品箱タグ16tや指示書タグ44t等の無線タグとの間で非接触にて通信を行う無線タグ通信装置であり、通信対象である無線タグに所定の質問波Fcを送信するための送信部(送信回路)48と、その送信部48から送信される質問波Fcに応じて無線タグから返信される応答波Frを処理するための受信部(ホモダイン検波回路)50と、上記送信部48及び受信部50を介して通信対象である無線タグとの間の情報通信を制御する制御部52と、その制御部52に接続された操作部54と、表示部56と、ブルートゥース通信部58とを、備えて構成されている。上記制御部52は、CPU、ROM、及びRAM等を含んで構成され、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行う所謂マイクロコンピュータである。すなわち、本実施例においては、前記リストリーダ28が前記作業指示書44に記憶された指示情報を読み取る読取装置に対応する。
【0033】
上記送信部48は、上記質問波Fcの主搬送波の基準周波数を発生させる基準周波数発生部60と、その基準周波数発生部60により発生させられる基準周波数と上記制御部52からの制御信号とに基づいて主搬送波の周波数を設定するPLL(Phase Locked Loop)62と、その主搬送波の周波数をPLL62からの制御電圧に応じて制御するVCO(Voltage Controlled Oscillator)64と、そのVCO64により制御された所定の周波数の主搬送波を上記制御部52から供給される所定の制御信号TX‐ASKに基づいて変調する送信信号変調部66と、その送信信号変調部66からの出力信号を所定の制御信号TX‐PWRに基づいて増幅してアンテナ70に供給する送信信号増幅部68とを、備えており、その送信信号増幅部68から出力される送信信号は、送受信分離部76を介して上記アンテナ70から前記質問波Fcとして通信対象である無線タグに向けて送信される。ここで、上記送受信分離部76としては、サーキュレータ若しくは方向性結合器等が好適に用いられる。
【0034】
前記受信部50は、上記アンテナ70により受信され上記送受信分離部76を介して供給される通信対象である無線タグからの受信信号を互いに直交するI相信号及びQ相信号に変換するI相信号変換部72及びQ相信号変換部74と、そのI相信号変換部72から出力されるI相信号のうち所定の周波数帯域の信号のみを抽出するI相信号BPF78と、そのI相信号BPF78から出力されるI相信号を増幅するI相信号増幅部80と、上記Q相信号変換部74から出力されるQ相信号のうち所定の周波数帯域の信号のみを抽出するQ相信号BPF82と、そのQ相信号BPF82から出力されるQ相信号を増幅するQ相信号増幅部84と、上記I相信号BPF78及びQ相信号BPF82から出力されるI相信号及びQ相信号の強度を検出する信号強度検出部であるRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路86とを、備えており、上記I相信号増幅部80、Q相信号増幅部84、及びRSSI回路86から出力される信号は前記制御部52において処理され、その信号から所定の情報が読み出される。
【0035】
図4は、前記リストリーダ28の通信対象である無線タグすなわち前記部品箱タグ16t及び指示書タグ44tに共通の構成を説明する図である。この図4に示すように、前記部品箱タグ16t及び指示書タグ44tは、前記リストリーダ28との間で信号の送受信を行うためのダイポールアンテナ等のアンテナ部88と、そのアンテナ部88により受信された信号を処理するためのIC回路部90とを、備えて構成されている。このIC回路部90は、上記アンテナ部88により受信された前記リストリーダ28からの質問波Fcを整流する整流部92と、その整流部92により整流された質問波Fcのエネルギを蓄積するための電源部94と、上記アンテナ部88により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部102に供給するクロック抽出部96と、所定の情報信号を記憶し得る情報記憶部として機能するメモリ部98と、上記アンテナ部88に接続されて信号の変調及び復調を行う変復調部100と、上記整流部92、クロック抽出部96、及び変復調部100等を介して前記部品箱タグ16t乃至指示書タグ44tの作動を制御するための制御部102とを、機能的に含んでいる。この制御部102は、前記リストリーダ28と通信を行うことにより上記メモリ部98に上記所定の情報を記憶する制御や、上記アンテナ部88により受信された質問波Fcを上記変復調部100において上記メモリ部98に記憶された情報信号(すなわち前記部品箱タグ16tに対応する部品箱16に収められた部品18の識別情報或いは前記指示書タグ44tに記憶された指示情報)に基づいて変調したうえで応答波Frとして上記アンテナ部88から反射返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0036】
図5は、前記作業管理システム10において前記リストリーダ28が作業者26に装着されて用いられる様子を説明する斜視図である。この図5に示すように、本実施例の作業管理システム10では、前記リストリーダ28は備え付けのバンド28bにより作業者26の手部26wに装着又は把持されて用いられる。この手部26wとは、例えば手首乃至その付近であり、好適には作業者26の利き腕に装着されて用いられる。なお、図5においては、前記リストリーダ28本体が前記作業者26の手部26wに装着された例を図示しているが、例えば図6に示すように、前記リストリーダ28のアンテナ70がそのリストリーダ28の本体とは別の部位(本体から離れた位置)に装着可能とされた構成において、そのアンテナ70が作業者26の手部26wに装着されて用いられるものであってもよい。更には、図6に示すようなアンテナ70が、作業者26の両手の手部26wに装着可能とされたものであってもよい。
【0037】
前述のように、前記リストリーダ28は無線により前記部品箱タグ16t及び指示書タグ44tのメモリ部98に記憶された識別情報乃至指示情報を読み取る無線タグリーダとして機能するものであり、本実施例の作業管理システム10において、好適には、通信対象である部品箱タグ16t乃至指示書タグ44tが前記リストリーダ28の通信可能範囲内に入ることで自動的にその部品箱タグ16t乃至指示書タグ44tのメモリ部98に記憶された情報が読み出されるように構成されている。なお、UHF帯を近接で用いるには前記リストリーダ28の送信強度を所定値以下に絞ることが好ましい。また、前述のように前記リストリーダ28にはブルートゥース通信部58が備えられており、そのブルートゥース通信部58を介して上記台車30に備えられたブルートゥース通信装置40延いてはそのブルートゥース通信装置40に接続された前記タブレットPC36との間で情報の通信が可能とされている。そして、前記部品箱タグ16tの識別情報乃至指示書タグ44tの指示情報が前記リストリーダ28により読み取られた場合、その識別情報乃至指示情報が前記ブルートゥース通信部58乃至ブルートゥース通信装置40を介して前記タブレットPC36へ供給される。
【0038】
図7は、前記タブレットPC36の構成を説明する図である。この図7に示すように、前記タブレットPC36は、所定の画像(映像)を表示させると共に、利用者の接触操作に応じて入力を行うためのタッチパネルディスプレイ104と、前記作業管理システム10に係る各種制御を実行する制御部106と、読出専用メモリであるROM108と、随時書込読出メモリであるRAM110と、ハードディスク等の記憶部112と、音声等により所定の報知を出力する報知部114と、作業時間を測定するための時計(タイマ)129とを、備えて構成されている。
【0039】
図7に示すように、上記タッチパネルディスプレイ104は、そのタッチパネルディスプレイ104に所定の映像を表示させる画像表示部(ディスプレイ)としての表示装置116と、利用者の指や図示しない備え付けのペン等による上記タッチパネルディスプレイ104への接触により入力を行うタッチパネル118とを、備えて構成されている。また、上記表示装置116による画像(映像)の表示制御を行う表示制御部120と、上記タッチパネル118により入力される入力情報を処理する入力制御部122とが備えられており、それら表示制御部120及び入力制御部122により上記表示装置116及びタッチパネル118を介して上記タッチパネルディスプレイ104による画像表示制御乃至情報入力制御が実行される。
【0040】
また、図7に示すように、前記タブレットPC36は各種インターフェイスを介して外部装置との間で情報の送受信可能に構成されている。すなわち、インターフェイス124を介して前記台車30に備えられたIRレシーバ38に接続されており、前記IRマーカ22、24、25からの赤外線信号がそのIRレシーバ38を介して供給されるようになっている。また、インターフェイス126を介して前記台車30に備えられたブルートゥース通信装置40に接続されており、そのブルートゥース通信装置40を介して前記リストリーダ28に備えられたブルートゥース通信部58等の他のブルートゥースモジュールとの間で情報の送受信が可能とされている。また、インターフェイス128を介して前記台車30に備えられた前記無線LAN通信装置42に接続されており、その無線LAN通信装置42を介して前記データベース46からの情報の読み出し乃至そのデータベース46への情報の書き込み等が可能とされている。なお、前記IRレシーバ38、ブルートゥース通信装置40、及び無線LAN通信装置42は、前記タブレットPC36に内蔵されたものであってもよい。
【0041】
前記制御部106は、前記RAM110の一時記憶機能を利用しつつ前記ROM108に記憶された情報に基づいて中央演算処理装置であるCPUにより種々の情報処理を実行する所謂マイクロコンピュータであり、上記表示制御部120を介して前記タッチパネルディスプレイ104(表示装置116)に所定の画像を表示させる画像表示制御、そのタッチパネルディスプレイ104(タッチパネル118)への接触操作に応じて上記入力制御部122を介して入力される入力信号を処理する入力処理制御、前記IRレシーバ38、ブルートゥース通信装置40、及び無線LAN通信装置42等を介しての他の装置との間の通信制御、及び後述する作業管理制御等、本実施例の作業管理システム10に係る各種制御を実行する。この制御に関しては、図9等を用いて後述する。
【0042】
図8は、所定の前記作業指示書44に係る部品18の拾い上げ作業に関する一連の作業に対応して前記データベース46に記憶されたデータテーブル130の一例を示す図である。この図8に示すように、前記データベース46には、前記作業管理システム10に備えられた各作業指示書44すなわち指示書タグ44tに記憶された指示情報に対応して、前記タブレットPC36の表示装置40に表示されるべきメッセージをはじめとするその作業に関する具体的な各種情報が、作業工程を示すポインタRをインデックスとして記憶されている。すなわち、図8に示すデータテーブル130では、ポインタR=0〜23それぞれに対応して、処理のトリガとなる対象IDすなわち無線タグID(部品箱タグ16tの識別情報又は指示書タグ44tの指示情報)又はIRマーカID(IRマーカ22、24、又は25からの位置情報)、部品18の取り出し対象となる部品箱番号P、取り出し対象となる部品18の個数N、取り出された部品18が収められるべき部品トレイ37の位置番号L、処理に際して前記タブレットPC36の表示装置40に表示されるべきメッセージM、及び各ポインタRに係る作業の標準作業時間T1が記憶されている。ここで、上記ポインタRは、初期値である0から始まって23までカウントされた後、再び0に戻るようになっている。また、前記作業管理システム10における作業者26が実際に行った作業に係る実行作業時間(実測値)がポインタR=0〜23それぞれに対応して逐次記憶されるようになっている。また、上記作業の標準作業時間T1は、好適には、前記作業管理システム10(部品保管庫12)において作業する複数の作業者26による作業に関して測定される各工程の作業時間の実測値の平均値であり、更に好適には、前記作業管理システム10において所定の作業者26による作業が行われ、その作業に係る作業時間が測定される毎に更新される。なお、この図8に示すデータテーブル130は必ずしも前記データベース46に記憶されたものでなくともよく、前記タブレットPC36の記憶部112等に記憶されたものであってもよい。
【0043】
図9は、前記タブレットPC36の制御部106に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。また図10は、前記作業管理システム10における所定の作業指示書44に係る一連の作業を説明する工程図である。以下、これら図9及び図10を参照して本実施例の作業管理システム10に係る制御を詳細に説明する。
【0044】
図9に示す指示書読取判定手段132は、所定の作業指示書44に付随する指示書タグ44tに記憶された指示情報が前記リストリーダ28により読み取られたか否かを判定する。すなわち、前記リストリーダ28により前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された指示情報が読み取られ、その指示情報が前記ブルートゥース通信装置40等を介して供給されたか否かを判定する。また、好適には、そのようにして読み出された指示情報が、前記データベース46に記憶されたデータテーブル130に対応するものであるか否かを判定する。
【0045】
図10に示すように、前記作業管理システム10における所定の作業指示書44に係る作業では、先ず、その作業指示書44に付随する指示書タグ44tに記憶された指示情報が前記リストリーダ28により読み取られ、その指示情報が前記ブルートゥース通信装置40等を介して前記タブレットPC36へ送信される。図11は、そのようにして作業指示書44に付随する指示書タグ44tに記憶された指示情報が前記リストリーダ28により読み取られる様子を示している。斯かるリストリーダ28による指示書タグ44tの読み取り乃至読み取られた指示情報の前記タブレットPC36への送信に応じて、上記指示書読取判定手段132による判定が行われる。また、この指示書読取判定手段132による判定が肯定された場合、図8のデータテーブル130に示すように、前記指示書タグ44tの指示情報(作業指示書タグのID)が読み取られたことをトリガとしてポインタR=0に係る処理が実行され、前記表示制御部120を介して前記表示装置116に「台車を出発して下さい。」等のメッセージを含む画像が表示される。
【0046】
図9に示す目的列判定手段134は、前記作業指示書44の指示書タグ44tから読み取られた指示情報に係る拾い上げ作業に際して、列情報発信装置としての前記IRマーカ24からの位置情報(列情報)がその指示情報に対応するものであるか否かを判定する。すなわち、前記IRレシーバ38等を介して前記IRマーカ24から列情報としての赤外線信号が受信された場合に、斯かる列情報がその時点で行っている作業すなわち前記作業指示書44の指示書タグ44tから読み取られた指示情報に係る拾い上げ作業において進入すべき列20に対応する列情報として定められたものであるか否かを、前記データテーブル130の記憶内容等に基づいて判定する。
【0047】
前述のように前記作業指示書44に付随する指示書タグ44tに記憶された指示情報が前記リストリーダ28により読み取られた後、図10に示すように、列情報発信装置としての前記IRマーカ24からの赤外線信号が検知され、その赤外線信号が前記IRレシーバ38等を介して前記タブレットPC36へ送信される。図12は、そのようにして列情報発信装置としての前記IRマーカ24からの赤外線信号(列情報)が前記IRレシーバ38により受信される様子を示している。斯かるIRレシーバ38による前記IRマーカ24からの赤外線信号の受信乃至受信された列情報の前記タブレットPC36への送信に応じて、上記目的列判定手段134による判定が行われる。また、この目的列判定手段134による判定が肯定された場合、図8のデータテーブル130に示すように、前記IRマーカ24からの列情報(列用赤外線マーカのID1)が受信されたことをトリガとしてポインタR=1に係る処理が実行され、前記表示制御部120を介して前記表示装置116に「この列の通路を進んで下さい。」等のメッセージを含む画像が表示される。
【0048】
図9に示す作業時間A測定手段136は、前記リストリーダ28により前記作業指示書44の指示書タグ44tから読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記指示書読取判定手段132による判定が肯定されてから上記目的列判定手段134による判定が肯定されるまでの作業時間Aを測定する。換言すれば、作業開始にあたり前記リストリーダ28により前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された指示情報(指示書タグ44tのID)が読み取られた時刻1と、その指示情報に係る上記目的列判定手段134による判定が肯定された時刻2を前記時計129により計測し、差を算出することにより作業時間Aを測定する。すなわち、本実施例においては、上記作業時間A測定手段136が第5の作業時間測定手段に対応する。このようにして上記作業時間A測定手段136により測定された作業時間Aは、前記データベース46における図8に示すようなデータテーブル130に測定が行われる毎に記憶される。以下の実施例で説明する作業時間測定手段についても同様である。
【0049】
図9に示す目的区域判定手段138は、前記リストリーダ28により前記作業指示書44の指示書タグ44tから読み取られた指示情報に係る拾い上げ作業に際して、区域情報発信装置である前記IRマーカ22からの位置情報すなわち各棚14に係る位置情報(区域情報)がその指示情報に対応するものであるか否かを判定する。すなわち、前記IRレシーバ38等を介して前記IRマーカ22から区域情報としての赤外線信号が受信された場合に、斯かる区域情報がその時点で行っている作業すなわち前記作業指示書44の指示書タグ44tから読み取られた指示情報に係る拾い上げ作業において単数乃至複数の部品18を拾い上げるべき棚14に対応する区域情報として定められたものであるか否かを、前記データテーブル130の記憶内容等に基づいて判定する。
【0050】
前述のように列情報発信装置としての前記IRマーカ24からの列情報が検知された後、図10に示すように、区域情報発信装置としての前記IRマーカ22からの赤外線が検知され、その赤外線信号が前記IRレシーバ38等を介して前記タブレットPC36へ送信される。図13は、そのようにして区域情報発信装置としての前記IRマーカ22からの赤外線信号(列情報)が前記IRレシーバ38により受信される様子を示している。斯かるIRレシーバ38による前記IRマーカ22からの赤外線信号の受信乃至受信された区域情報の前記タブレットPC36への送信に応じて、上記目的区域判定手段138による判定が行われる。また、この目的区域判定手段138による判定が肯定された場合、図8のデータテーブル130に示すように、前記IRマーカ22からの区域情報(部品棚用赤外線マーカのID2)が受信されたことをトリガとしてポインタR=2に係る処理が実行され、前記表示制御部120を介して前記表示装置116に「台車を停めて、固定して下さい。」等のメッセージを含む画像が表示される。なお、所定の赤外線信号を受信したにも関わらず上記判定が否定された場合は、誤った列20に位置しているので「列が違います」等のメッセージが前記表示装置116に表示される。
【0051】
図9に示す作業時間B測定手段140は、前記時計129を用いて前記目的列判定手段134による判定が肯定されてから前記目的区域判定手段138による判定が肯定されるまでの作業時間Bを測定する。換言すれば、前記リストリーダ28により読み取られた前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された指示情報に係る前記目的列判定手段134による判定が肯定されてから、その判定に係る列20に含まれる棚14に対応する前記目的区域判定手段138による判定が肯定されるまでの作業時間Bを測定する。すなわち、本実施例においては、上記作業時間B測定手段140が第4の作業時間測定手段に対応する。なお、所定の赤外線信号を受信したにも関わらず上記判定が否定された場合は、誤った棚14の前に位置しているので「棚が違います」等のメッセージが前記表示装置116に表示される。
【0052】
前述のように区域情報発信装置としての前記IRマーカ22からの区域情報が検知された後、図10に示すように、前記作業指示書44に付随する指示書タグ44tに記憶された指示情報が前記リストリーダ28により再び読み取られる。斯かるリストリーダ28による指示書タグ44tの読み取り乃至読み取られた指示情報の前記タブレットPC36への送信に応じて、前記指示書読取判定手段132による判定が行われる。また、この指示書読取判定手段132による判定が肯定された場合、図8のデータテーブル130に示すように、前記指示書タグ44tの指示情報(作業指示書タグのID)が読み取られたことをトリガとしてポインタR=3に係る処理が実行され、前記表示制御部120を介して前記表示装置116に「部品箱PからN個取って下さい。」等のメッセージを含む画像が表示される。
【0053】
図9に示す作業時間C測定手段142は、前記目的区域判定手段138による判定が肯定されてから前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された対象となる部品18の拾い上げ作業に係る指示情報が前記リストリーダ28により読み取られるまでの作業時間Cを測定する。換言すれば、前記リストリーダ28により読み取られた前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された指示情報に係る前記目的区域判定手段138による判定が肯定されてから、その判定に係る指示情報に対応する前記指示書読取判定手段132による判定が肯定されるまでの作業時間Cを測定する。すなわち、本実施例においては、上記作業時間C測定手段142が第2の作業時間測定手段に対応する。
【0054】
図9に示す目的部品判定手段144は、前記リストリーダ28により前記作業指示書44の指示書タグ44tから読み取られた指示情報に係る拾い上げ作業に際して、その指示情報に係る対象となる部品18に対応する部品箱タグ16tの識別情報が前記リストリーダ28により読み取られたか否かを判定する。すなわち、前記リストリーダ28により読み取られた前記部品箱タグ16tの識別情報が前記ブルートゥース通信装置40等を介して受信された場合に、斯かる識別情報がその時点で行っている作業すなわち前記作業指示書44の指示書タグ44tから読み取られた指示情報に係る拾い上げ作業において拾い上げ対象となる部品18に対応する部品箱16(部品箱タグ16t)の識別情報として定められたものであるか否かを、前記データテーブル130の記憶内容等に基づいて判定する。
【0055】
前述のように前記作業指示書44に付随する指示書タグ44tに記憶された指示情報が前記リストリーダ28により読み取られた後、図10に示すように、所定の部品箱16の部品箱タグ16tに記憶された識別情報が前記リストリーダ28により読み取られる。図14は、そのようにして前記リストリーダ28により所定の部品箱16に係る部品箱タグ16tの識別情報が読み取られる様子を示している。斯かるリストリーダ28による部品箱タグ16tの読み取り乃至読み取られた識別情報の前記タブレットPC36への送信に応じて、上記目的部品判定手段144による判定が行われる。また、この目的部品判定手段144による判定が肯定された場合、図8のデータテーブル130に示すように、対象となる前記部品箱タグ16tの識別情報(部品箱のID3)が読み取られたことをトリガとしてポインタR=4に係る処理が実行され、例えば拾い上げられた部品18が図18に示すトレイ37において位置番号Lに対応するものである場合には、前記表示制御部120を介して前記表示装置116に「トレイのL番へ入れて下さい。」等のメッセージを含む画像が表示される。
【0056】
図9に示す作業時間D測定手段146は、前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された対象となる部品18の拾い上げ作業に係る指示情報が前記リストリーダ28により読み取られてから、その指示情報に係る前記対象となる部品18に対応する部品箱タグ16tの識別情報が前記リストリーダ28により読み取られるまでの作業時間Dを測定する。換言すれば、前記指示書読取判定手段132による判定が肯定されてから、その判定に係る指示情報に対応する前記目的部品判定手段144による判定が肯定されるまでの作業時間Dを測定する。すなわち、本実施例においては、上記作業時間D測定手段146が作業時間測定手段に対応する。
【0057】
前述のように前記リストリーダ28により所定の部品箱16の部品箱タグ16tに記憶された識別情報が読み取られた後、図10に示すように、前記作業指示書44に付随する指示書タグ44tに記憶された指示情報が前記リストリーダ28により再び読み取られる。斯かるリストリーダ28による指示書タグ44tの読み取り乃至読み取られた指示情報の前記タブレットPC36への送信に応じて、前記指示書読取判定手段132による判定が行われる。また、この指示書読取判定手段132による判定が肯定された場合、図8のデータテーブル130に示すように、前記指示書タグ44tの指示情報(作業指示書タグのID)が読み取られたことをトリガとしてポインタR=5に係る処理が実行され、前記表示制御部120を介して前記表示装置116に「部品箱PからN個取って下さい。」等のメッセージを含む画像が表示される。
【0058】
図9に示す作業時間E測定手段148は、前記対象となる部品18に対応する部品箱タグ16tの識別情報が前記リストリーダ28により読み取られてから前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された次の対象となる部品18の拾い上げ作業に係る指示情報が前記リストリーダ28により読み取られるまでの作業時間Eを測定する。換言すれば、前記リストリーダ28により読み取られた前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された指示情報に対応する前記目的部品判定手段144による判定が肯定されてから、その指示情報に係る前記指示書読取判定手段132による判定が肯定されるまでの作業時間Eを測定する。すなわち、本実施例においては、上記作業時間E測定手段148が第3の作業時間測定手段に対応する。
【0059】
以下、図10に示すように、前記リストリーダ28による前記作業指示書44の指示書タグ44tの指示情報の読み取り(指示書読取判定手段132による判定)、その指示情報に対応する部品18の拾い上げに伴う前記リストリーダ28による前記部品箱タグ16tの読み取り(目的部品判定手段144による判定)、乃至次の作業に係る前記リストリーダ28による前記作業指示書44の指示書タグ44tの指示情報の読み取り(指示書読取判定手段132による判定)が繰り返される。そして、斯かる指示書タグ44t及び部品箱タグ16tの読み取りに関して、前記作業時間D測定手段146による作業時間D1〜nの測定及び作業時間E測定手段148による作業時間E1〜nの測定が行われる。
【0060】
また、図8のデータテーブル130のポインタR=11〜13に示すように、他の列20乃至棚14に収納された部品箱16に対応する部品18を拾い上げる旨が定められており、その指示に従って作業が行われる場合には、前記台車30の移動に伴い前記指示書読取判定手段132、目的列判定手段134、及び目的区域判定手段138による判定が実行され、それらの判定に対応して前記作業時間B測定手段140による作業時間Bの測定及び作業時間C測定手段による作業時間Cの測定が行われる。
【0061】
図9に示す作業完了判定手段150は、前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された指示情報に係る拾い上げ対象となる部品18(部品箱16)に対応する全ての識別情報が前記リストリーダ28により読み取られたか否かを判定する。例えば、前記リストリーダ28により読み取られた前記部品箱タグ16tの識別情報が前記ブルートゥース通信装置40等を介して受信された場合に、斯かる識別情報がその時点で行っている作業すなわち前記作業指示書44の指示書タグ44tから読み取られた指示情報に係る拾い上げ作業において拾い上げ対象となる部品18に対応する部品箱16(部品箱タグ16t)の識別情報であって最後の部品18に係るものとして定められたものであるか否かを、前記データテーブル130の記憶内容等に基づいて判定する。なお、本実施例においては、図8に示すように各拾い上げ作業に関して拾い上げられるべき部品18が前記データテーブル130に定められているため、上記作業完了判定手段150は作業工程を示すポインタRに基づいて上記判定を行うものであってもよい。すなわち、そのポインタRが予め定められた所定の値となった段階で上記判定を肯定するものであってもよい。
【0062】
図9に示す作業終了位置判定手段152は、前記リストリーダ28により前記作業指示書44の指示書タグ44tから読み取られた指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記IRレシーバ38等を介して終了位置情報発信装置である前記IRマーカ25からの位置情報すなわち作業終了位置の位置情報が受信されたか否かを判定する。すなわち、前記IRマーカ25から位置情報としての赤外線信号が受信された場合に、斯かる位置情報がその時点で行っている作業すなわち前記作業指示書44の指示書タグ44tから読み取られた指示情報に係る拾い上げ作業において作業終了位置に対応する位置情報として定められたものであるか否かを、前記データテーブル130の記憶内容等に基づいて判定する。
【0063】
図10に示すように、前記作業指示書44に付随する指示書タグ44tに記憶された指示情報が前記リストリーダ28により読み取られた後、その指示情報の読み取りをもって全ての部品18の拾い上げ完了であると判定された場合には、前記台車30の出発が報知される。すなわち、前記作業完了判定手段150による判定が行われ、その判定が肯定される。この作業完了判定手段150による判定が肯定された場合、図8のデータテーブル130に示すように、前記指示書タグ44tの指示情報(作業指示書タグのID)が受信されたことをトリガとしてポインタR=22に係る処理が実行され、前記表示制御部120を介して前記表示装置116に「台車の固定を解除し、出発して下さい。」等のメッセージを含む画像が表示される。
【0064】
続いて、終了位置情報発信装置としての前記IRマーカ25からの赤外線が検知され、その赤外線信号が前記IRレシーバ38等を介して前記タブレットPC36へ送信される。図15は、そのようにして終了位置情報発信装置としての前記IRマーカ25からの赤外線信号(位置情報)が前記IRレシーバ38により受信される様子を示している。斯かるIRレシーバ38による前記IRマーカ25からの赤外線信号の受信乃至受信された位置情報の前記タブレットPC36への送信に応じて、上記作業終了位置判定手段152による判定が行われる。また、この作業終了位置判定手段152による判定が肯定された場合、図8のデータテーブル130に示すように、前記IRマーカ25からの位置情報(作業終了用赤外線マーカのID4)が受信されたことをトリガとしてポインタR=23に係る処理が実行され、前記表示制御部120を介して前記表示装置116に後述する図16に示すような評価結果表示画面158が表示される。
【0065】
図9に示す作業時間F測定手段154は、前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された指示情報に係る拾い上げ対象となる部品18(部品箱16)に対応する全ての識別情報が前記リストリーダ28により読み取られてから、終了位置情報発信装置である前記IRマーカ25からの位置情報すなわち作業終了位置の位置情報が受信されるまでの作業時間Fを測定する。換言すれば、前記作業完了判定手段150による判定が肯定されてから前記作業終了位置判定手段152による判定が肯定されるまでの作業時間Fを測定する。すなわち、本実施例においては、上記作業時間F測定手段154が第6の作業時間測定手段に対応する。
【0066】
図9に示す作業評価手段156は、前記作業時間A測定手段136、作業時間B測定手段140、作業時間C測定手段142、作業時間D測定手段146、作業時間E測定手段148、及び作業時間F測定手段154によりそれぞれ実際に測定された作業時間A〜Fすなわち前記データテーブル130に記憶された各作業時間A〜Fの実測値T2と、前記データテーブル130に予め定められた各作業時間の標準値T1とを比較することにより、前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された指示情報に係る作業を評価する。例えば、前記データテーブル130に記憶された各作業時間A〜Fの実測値T2と各作業時間の標準値T1との差に応じて、その実測値T2における各作業時間A〜Fをそれぞれ複数段階(例えば、優、良、可、不可の4段階)に評価し、好適にはその結果を前記表示制御部120を介して前記表示装置116に表示させる。図16は、そのようにして上記作業評価手段156により行われた各作業時間A〜Fの4段階評価結果に基づいて、前記表示装置116に表示される評価結果表示画面158の一例を示す図である。
【0067】
また、上記作業評価手段156による作業時間の評価の形態としては、種々の態様が考えられる。すなわち、前記データベース46に記憶された複数の作業者26の作業に係る前記各作業時間A〜Fの実測値T2に基づいて、対象となる作業者26の作業に係る前記各作業時間A〜Fの実測値T2の偏差値を算出するものであってもよい。或いは、簡易的に対象となる作業者26の作業に係る前記各作業時間A〜Fの実測値T2が各作業時間A〜Fの標準値T1を上回っているか下回っているか(速いか遅いか)だけを判定するものであってもよい。更に、上記作業評価手段156による評価結果は必ずしも前記タブレットPC36の表示装置116に表示されるものでなくともよく、図示しないプリンタによりプリントアウトされて各作業者26に配布されたり、勤務評定のための内部資料として管理者による閲覧可能とされるに留まるものであっても構わない。
【0068】
図17は、前記タブレットPC36の制御部106による拾い上げ作業管理制御の要部を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
【0069】
先ず、ステップ(以下、ステップを省略する)S1において、作業工程を示すポインタRが0とされる。次に、S2において、所定のIDが検出されたか否かが判断される。このS2の判断が否定される場合には、判断が繰り返されることにより待機させられるが、S2の判断が肯定される場合には、S2′において、検出されたIDが対象IDであるか否かが判断される。すなわち、前記リストリーダ28を介して前記指示書タグ44tの指示情報が検出されたか、前記IRレシーバ38を介して前記IRマーカ22、24、25からの赤外線信号(位置情報)が検出されたか、或いは前記リストリーダ28を介して前記部品箱タグ16tの識別情報が検出されたか否かが判断される。このS2′の判断が否定される場合には、S2″において、間違ったIDが読み取られた旨のエラー報知が前記表示装置116に表示された後、S2以下の処理が再び実行されるが、S2′の判断が肯定される場合には、S3において、検出された対象IDをトリガとして前記データベース46のデータテーブル130に記憶されたメッセージを含む画像が前記表示装置116に表示される。次に、S4において、作業時間測定のためのタイマがONとされる。次に、S5において、作業工程を示すポインタRが1進められる。次に、S6において、所定のIDが検出されたか否かが判断される。このS6の判断が否定される場合には、判断が繰り返されることにより待機させられるが、S6の判断が肯定される場合には、S6′において、検出されたIDが対象IDであるか否かが判断される。すなわち、前記リストリーダ28を介して前記指示書タグ44tの指示情報が検出されたか、前記IRレシーバ38を介して前記IRマーカ22、24、25からの赤外線信号(位置情報)が検出されたか、或いは前記リストリーダ28を介して前記部品箱タグ16tの識別情報が検出されたか否かが判断される。このS6′の判断が否定される場合には、S6″において、間違ったIDが読み取られた旨のエラー報知が前記表示装置116に表示された後、S6以下の処理が再び実行されるが、S6′の判断が肯定される場合には、S7において、作業時間測定のためのタイマがOFFとされる。次に、S8において、タイマによる測定された作業時間が前記データベース46のデータテーブル130に記憶される。次に、S9において、作業時間測定のためのタイマがリセットされる。次に、S10において、検出された対象IDをトリガとして前記データベース46のデータテーブル130に記憶されたメッセージを含む画像が前記表示装置116に表示される。次に、S11において、作業時間測定のためのタイマがONとされる。次に、S12において、作業工程を示すポインタRが0であるか否かが判断される。このS12の判断が否定される場合には、S5以下の処理が再び実行されるが、S12の判断が肯定される場合には、S13において、作業時間測定のためのタイマがOFFとされる。次に、前記作業評価手段156の動作乃至作業評価過程に対応するS14において、前記データテーブル130に記憶された各作業時間A〜Fの実測値T2と各作業時間の標準値T1とが比較され、その比較結果が前記表示装置116に表示された後、本ルーチンが終了させられる。
【0070】
以上の制御において、S1及びS6が前記指示書読取判定手段132、目的列判定手段134、目的区域判定手段138、目的部品判定手段144、作業完了判定手段150、及び作業終了位置判定手段152の動作乃至目的列判定過程、目的区域判定過程、及び作業完了判定過程に対応する。また、S4、S7、S11、及びS13が前記作業時間A測定手段136、作業時間B測定手段140、作業時間C測定手段142、作業時間D測定手段146、作業時間E測定手段148、及び作業時間F測定手段154の動作乃至第1〜第6の作業時間測定過程に対応する。
【0071】
このように、本実施例によれば、物品すなわち部品18の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示用の指示書タグ44tと、作業者26の手部26wに装着又は把持されて用いられる、無線により部品箱タグ16tの識別情報及び指示書タグ44tの指示情報を読み取る無線タグリーダとしてのリストリーダ28と、そのリストリーダ28により読み取られる前記部品箱タグ16tの識別情報及び指示書タグ44tの指示情報を受信可能に構成された制御装置としてのタブレットPC36とを、備え、そのタブレットPC36は、前記対象となる部品18の拾い上げ作業に係る指示情報が前記リストリーダ28により読み取られてからその指示情報に係る前記対象となる部品18に対応する部品箱タグ16tの識別情報がそのリストリーダ28により読み取られるまでの作業時間Dを測定する作業時間D測定手段(S4、S7、S11、及びS13)を備えたものであることから、無線タグ通信を利用した物品の拾い上げ作業に関して、各作業者26の工程毎の作業時間を逐一測定することができる。すなわち、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業をきめ細かに把握乃至評価できる作業管理システム10を提供することができる。
【0072】
また、前記複数の区域すなわち複数の棚14それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各区域の位置情報を発信する区域情報発信装置としてのIRマーカ22を備え、前記タブレットPC36は、そのIRマーカ22により発信される位置情報を受信可能に構成されると共に、前記リストリーダ28により前記作業指示用の指示書タグ44tから読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記IRマーカ22からの位置情報がその指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的区域判定手段138(S2及びS6)と、その目的区域判定手段138による判定が肯定されてから前記作業指示用の指示書タグ44tに記憶された対象となる部品18の拾い上げ作業に係る指示情報が前記リストリーダ28により読み取られるまでの作業時間Cを測定する第2の作業時間測定手段としての作業時間C測定手段142(S4、S7、S11、及びS13)とを、備えたものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0073】
また、前記タブレットPC36は、前記対象となる部品18に対応する部品箱タグ16tの識別情報が前記リストリーダ28により読み取られてから前記作業指示用の指示書タグ44tに記憶された次の対象となる部品18の拾い上げ作業に係る指示情報がそのリストリーダ28により読み取られるまでの作業時間Eを測定する第3の作業時間測定手段としての作業時間E測定手段148(S4、S7、S11、及びS13)を備えたものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0074】
また、前記複数の棚14は複数の列20を成し、各棚14がそれぞれ何れかの列20に含まれるものであり、前記複数の列20それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各列20の位置情報を発信する列情報発信装置としてのIRマーカ24を備え、前記タブレットPC36は、そのIRマーカ24により発信される位置情報を受信可能に構成されると共に、前記リストリーダ28により前記作業指示用の指示書タグ44tから読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記IRマーカ24からの位置情報がその指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的列判定手段134(S2及びS6)と、その目的列判定手段134による判定が肯定されてから前記目的区域判定手段38による判定が肯定されるまでの作業時間Bを測定する第4の作業時間測定手段としての作業時間B測定手段140(S4、S7、S11、及びS13)とを、備えたものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0075】
また、前記タブレットPC36は、前記リストリーダ28により前記作業指示用の指示書タグ44tから読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、その指示情報が前記リストリーダ28により読み取られてから前記目的列判定手段134による判定が肯定されるまでの作業時間Aを測定する第5の作業時間測定手段としての作業時間A測定手段136(S4、S7、S11、及びS13)を備えたものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0076】
また、作業終了位置に対応して設けられ、所定の範囲に対してその作業終了位置の位置情報を発信する終了位置情報発信装置としてのIRマーカ25を備え、前記タブレットPC36は、そのIRマーカ25により発信される位置情報を受信可能に構成されると共に、前記作業指示用の指示書タグ44tに記憶された指示情報に係る拾い上げ対象となる部品18に対応する全ての識別情報が前記リストリーダ28により読み取られたか否かを判定する作業完了判定手段150(S2及びS6)と、その作業完了判定手段150による判定が肯定されてから前記IRマーカ25からの位置情報が受信されるまでの作業時間Fを測定する第6の作業時間測定手段としての作業時間F測定手段154(S4、S7、S11、及びS13)とを、備えたものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0077】
また、前記タブレットPC36は、前記作業時間A測定手段136、作業時間B測定手段140、作業時間C測定手段142、作業時間D測定手段146、作業時間E測定手段148、及び作業時間F測定手段154によりそれぞれ実際に測定された作業時間A〜Fと、予め定められた各作業時間の標準値とを比較することにより、前記作業指示用の指示書タグ44tに記憶された指示情報に係る作業を評価する作業評価手段156(S14)を備えたものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の工程毎の作業を詳細且つ実用的な態様で評価することができる。
【0078】
また、本実施例によれば、部品18の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示用の指示書タグ44tと、作業者26の手部26wに装着又は把持されて用いられる、無線により前記部品箱タグ16tの識別情報及び指示書タグ44tの指示情報を読み取るリストリーダ28と、そのリストリーダ28により読み取られる前記部品箱タグ16tの識別情報及び指示書タグ44tの指示情報を受信可能に構成されたタブレットPC36とを、備えた作業環境において、前記対象となる部品18の拾い上げ作業に係る指示情報が前記リストリーダ28により読み取られてからその指示情報に係る前記対象となる部品18に対応する部品箱タグ16tの識別情報がそのリストリーダ28により読み取られるまでの作業時間Dを測定する作業時間測定過程(S4、S7、S11、及びS13)を含むことから、無線タグ通信を利用した物品の拾い上げ作業に関して、各作業者26の工程毎の作業時間を逐一測定することができる。すなわち、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業をきめ細かに把握乃至評価できる作業管理方法を提供することができる。
【0079】
また、前記複数の棚14それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各棚14の位置情報を発信するIRマーカ22を備え、前記タブレットPC36は、そのIRマーカ22により発信される位置情報を受信可能に構成された作業環境において、前記リストリーダ28により前記作業指示用の指示書タグ44tから読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記IRマーカ22からの位置情報がその指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的区域判定過程(S2及びS6)と、その目的区域判定過程における判定が肯定されてから前記作業指示用の指示書タグ44tに記憶された対象となる部品18の拾い上げ作業に係る指示情報が前記リストリーダ28により読み取られるまでの作業時間Cを測定する第2の作業時間測定過程(S4、S7、S11、及びS13)とを、含むものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0080】
また、前記対象となる部品18に対応する部品箱タグ16tの識別情報が前記リストリーダ28により読み取られてから前記作業指示用の指示書タグ44tに記憶された次の対象となる部品18の拾い上げ作業に係る指示情報がそのリストリーダ28により読み取られるまでの作業時間Eを測定する第3の作業時間測定過程(S4、S7、S11、及びS13)を含むものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0081】
また、前記複数の棚14は複数の列20を成し、各棚14がそれぞれ何れかの列20に含まれるものであり、前記複数の列20それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各列20の位置情報を発信するIRマーカ24を備え、前記タブレットPC36は、そのIRマーカ24により発信される位置情報を受信可能に構成された作業環境において、前記リストリーダ28により前記作業指示用の指示書タグ44tから読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記IRマーカ24からの位置情報がその指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的列判定過程(S2及びS6)と、その目的列判定過程における判定が肯定されてから前記目的区域判定過程における判定が肯定されるまでの作業時間Bを測定する第4の作業時間測定過程(S4、S7、S11、及びS13)とを、含むものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0082】
また、前記リストリーダ28により前記作業指示用の指示書タグ44tから読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、その指示情報が前記リストリーダ28により読み取られてから前記目的列判定過程における判定が肯定されるまでの作業時間Aを測定する第5の作業時間測定過程(S4、S7、S11、及びS13)を含むものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0083】
また、作業終了位置に対応して設けられ、所定の範囲に対してその作業終了位置の位置情報を発信するIRマーカ25を備え、前記タブレットPC36は、そのIRマーカ25により発信される位置情報を受信可能に構成された作業環境において、前記作業指示用の指示書タグ44tに記憶された指示情報に係る拾い上げ対象となる部品18に対応する全ての識別情報が前記リストリーダ28により読み取られたか否かを判定する作業完了判定過程(S2及びS6)と、その作業完了判定過程における判定が肯定されてから前記IRマーカ25からの位置情報が受信されるまでの作業時間Fを測定する第6の作業時間測定過程(S4、S7、S11、及びS13)とを、含むものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の作業を更にきめ細かに把握乃至評価することができる。
【0084】
また、前記作業時間計測過程においてそれぞれ実際に測定された作業時間A〜Fと、予め定められた各作業時間の標準値とを比較することにより、前記作業指示用の指示書タグ44tに記憶された指示情報に係る作業を評価する作業評価過程(S14)を含むものであるため、部品18の拾い上げ作業における各作業者26の工程毎の作業を詳細且つ実用的な態様で評価することができる。
【0085】
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
【0086】
例えば、前述の実施例において、区域情報発信装置、列情報発信装置、及び終了位置情報発信装置は、赤外線信号としての位置情報を発信するIRマーカ22、24、25であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ブルートゥース信号や所定周波数の電波等としての位置情報を対象となる領域に発信するものであっても構わない。更には、電源を備えたアクティブタグであってもよく、斯かる場合においては前記リストリーダ28によりそのアクティブタグからの位置情報が受信される。同様に、前記リストリーダ28及びタブレットPC36は、必ずしもブルートゥース信号により通信を行うものでなくともよく、赤外線信号や所定周波数の電波等を介して相互に情報の通信を行うものであってもよい。更に、前記リストリーダ28は、有線ケーブルにより前記タブレットPC36に接続されたものであってもよい。すなわち、本発明の作業管理システム乃至作業管理方法に係る装置相互間における情報の通信形態としては種々の態様が考えられ、設計に応じて適宜最適な通信形態が選択されて適用される。
【0087】
また、前述の実施例では、複数に区分された区域としての棚14の何れかにそれぞれ複数種類の部品18が配置された作業領域における拾い上げ作業に本発明が適用された例を説明したが、前記区域は必ずしも棚14でなくともよく、複数のキャビネットの何れかにそれぞれ複数種類の部品18が格納された態様や、複数の区域に区切られた床にそれぞれ複数種類の部品18が置かれた態様等、種々の作業領域における拾い上げ作業に本発明は好適に適用される。
【0088】
また、前述の実施例において、前記作業管理システム10に係る制御機能として図9に示した各種制御手段は、単一の制御装置である前記タブレットPC36の制御部106に機能的に備えられたものであったが、これらの制御機能の一部乃至全部が他の制御装置例えば前記リストリーダ28の制御部52に備えられたものであってもよい。
【0089】
また、前述の実施例において、前記リストリーダ28とタブレットPC36とが別体の装置として構成されていたが、これらリストリーダ28及びタブレットPC36の機能を併せ持つ単一の装置によりそれらの構成を代替してもよい。更に、前記作業管理システム10に適用される制御装置は、必ずしもタッチパネルディスプレイ104を備えたタブレットPC36でなくともよく、入力装置としてのキーボードを備えたパーソナルコンピュータ等であってもよい。また、画像表示部や報知部が別装置として備えられた構成において、それらが制御装置に有線又は無線により接続された構成も当然に考えられる。
【0090】
また、前述の実施例において、前記作業指示書44に付随する指示書タグ44tは、前記データベース46に記憶されたデータテーブル130に対応する指示情報すなわち対応するデータテーブル130を特定するため(読み出すため)の識別情報としての指示情報を記憶するものであったが、より詳細な作業指示に関する情報例えば対象となる作業において前記部品保管庫12から拾い上げられるべき部品18に対応する部品箱タグ16tの識別情報が、拾い上げられる順番に記憶されたものであってもよい。更には、前述した図8に示すようなデータテーブル130が前記指示書タグ44tに指示情報として記憶されるものであってもよい。
【0091】
また、前述の実施例において、前記作業評価手段156は、前記作業時間A測定手段136、作業時間B測定手段140、作業時間C測定手段142、作業時間D測定手段146、作業時間E測定手段148、及び作業時間F測定手段154によりそれぞれ実際に測定された作業時間A〜Fすなわち前記データテーブル130に記憶された各作業時間A〜Fの実測値T2と、前記データテーブル130に予め定められた各作業時間の標準値T1とを比較することにより、前記作業指示書44の指示書タグ44tに記憶された指示情報に係る作業を評価するものであったが、本発明の作業評価手段は必ずしも前記作業時間A〜Fの全てに関して斯かる評価を行うものでなくともよく、少なくともそれらの一部について評価を行うものであれば本発明の一応の効果を奏する。
【0092】
また、前述の実施例では、前記作業評価手段156による各作業時間A〜Fの4段階の評価結果を前記表示装置116に表示させるものであったが、単に各作業時間A〜Fの実測値と標準値とを並べて前記表示装置116に表示させるものであってもよい。
【0093】
また、前述の実施例では、前記作業指示書44は、指示情報を記憶した指示書タグ44tを備え、その指示書タグ44tに記憶された指示情報が前記リストリーダ28により読み取られるものであったが、例えば、前記作業指示書44は、二次元コードとしての指示情報を記憶(プリント)したものであってもよい。その場合、前記台車30には、その二次元コードを読み取るためのバーコードリーダが前記読取装置として備えられる。
【0094】
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0095】
10:作業管理システム
12:部品保管庫(作業領域)
14:棚(区域)
16t:部品箱タグ(無線タグ)
18:部品(物品)
20:列
22:IRマーカ(区域情報発信装置)
24:IRマーカ(列情報発信装置)
25:IRマーカ(終了位置情報発信装置)
26:作業者
26w:手部
28:リストリーダ(無線タグリーダ、読取装置)
36:タブレットPC(制御装置)
44t:指示書タグ(無線タグ)
134:目的列判定手段
136:作業時間A測定手段(第5の作業時間測定手段)
138:目的区域判定手段
140:作業時間B測定手段(第4の作業時間測定手段)
142:作業時間C測定手段(第2の作業時間測定手段)
146:作業時間D測定手段(作業時間測定手段)
148:作業時間E測定手段(第3の作業時間測定手段)
150:作業完了判定手段
154:作業時間F測定手段(第6の作業時間測定手段)
156:作業評価手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数に区分される区域の何れかにそれぞれ複数の物品が配置された作業領域において、該物品に対応する無線タグの識別情報を無線により読み取ることによりそれら物品に関する作業の管理を行う作業管理システムであって、
前記物品の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示書と、
作業者の手部に装着又は把持されて用いられる、無線により前記無線タグの識別情報を読み取る無線タグリーダと、
前記作業指示書に記憶された指示情報を読み取る読取装置と、
前記無線タグリーダにより読み取られる前記無線タグの識別情報及び前記読取装置により読み取られる指示情報を受信可能に構成された制御装置と
を、備え、
該制御装置は、
前記対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られてから該指示情報に係る前記対象となる物品に対応する無線タグの識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られるまでの作業時間を測定する作業時間測定手段を備えたものであることを特徴とする作業管理システム。
【請求項2】
前記複数の区域それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各区域の位置情報を発信する区域情報発信装置を備え、
前記制御装置は、
該区域情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成されると共に、
前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記区域情報発信装置からの位置情報が該指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的区域判定手段と、
該目的区域判定手段による判定が肯定されてから前記作業指示書に記憶された対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られるまでの作業時間を測定する第2の作業時間測定手段と
を、備えたものである請求項1に記載の作業管理システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記対象となる物品に対応する無線タグの識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られてから前記作業指示書に記憶された次の対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られるまでの作業時間を測定する第3の作業時間測定手段を備えたものである請求項1又は2に記載の作業管理システム。
【請求項4】
前記複数の区域は複数の列を成し、各区域がそれぞれ何れかの列に含まれるものであり、
前記複数の列それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各列の位置情報を発信する列情報発信装置を備え、
前記制御装置は、
該列情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成されると共に、
前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記列情報発信装置からの位置情報が該指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的列判定手段と、
該目的列判定手段による判定が肯定されてから前記目的区域判定手段による判定が肯定されるまでの作業時間を測定する第4の作業時間測定手段と
を、備えたものである請求項2又は3に記載の作業管理システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、該指示情報が前記読取装置により読み取られてから前記目的列判定手段による判定が肯定されるまでの作業時間を測定する第5の作業時間測定手段を備えたものである請求項4に記載の作業管理システム。
【請求項6】
作業終了位置に対応して設けられ、所定の範囲に対して該作業終了位置の位置情報を発信する終了位置情報発信装置を備え、
前記制御装置は、
該終了位置情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成されると共に、
前記作業指示書に記憶された指示情報に係る拾い上げ対象となる物品に対応する全ての識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られたか否かを判定する作業完了判定手段と、
該作業完了判定手段による判定が肯定されてから前記終了位置情報発信装置からの位置情報が受信されるまでの作業時間を測定する第6の作業時間測定手段と
を、備えたものである請求項1から5の何れか1項に記載の作業管理システム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記作業時間測定手段によりそれぞれ実際に測定された作業時間と、予め定められた各作業時間の標準値とを比較することにより、前記作業指示用の無線タグに記憶された指示情報に係る作業を評価する作業評価手段を備えたものである請求項1から6の何れか1項に記載の作業管理システム。
【請求項8】
前記作業指示書は、前記物品の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示用の無線タグを備えたものであり、
前記読取装置は、前記無線タグリーダである請求項1から7の何れか1項に記載の作業管理システム。
【請求項9】
複数に区分される区域の何れかにそれぞれ複数の物品が配置された作業領域において、該物品に対応する無線タグの識別情報を無線により読み取ることによりそれら物品に関する作業の管理を行う作業管理方法であって、
前記物品の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示書と、
作業者の手部に装着又は把持されて用いられる、無線により前記無線タグの識別情報を読み取る無線タグリーダと、
前記作業指示書に記憶された指示情報を読み取る読取装置と、
前記無線タグリーダにより読み取られる前記無線タグの識別情報及び前記読取装置により読み取られる指示情報を受信可能に構成された制御装置と
を、備えた作業環境において、
前記対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られてから該指示情報に係る前記対象となる物品に対応する無線タグの識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られるまでの作業時間を測定する作業時間測定過程を含むことを特徴とする作業管理方法。
【請求項10】
前記複数の区域それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各区域の位置情報を発信する区域情報発信装置を備え、
前記制御装置は、該区域情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成された作業環境において、
前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記区域情報発信装置からの位置情報が該指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的区域判定過程と、
該目的区域判定過程における判定が肯定されてから前記作業指示書に記憶された対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られるまでの作業時間を測定する第2の作業時間測定過程と
を、含む請求項9に記載の作業管理方法。
【請求項11】
前記対象となる物品に対応する無線タグの識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られてから前記作業指示書に記憶された次の対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られるまでの作業時間を測定する第3の作業時間測定過程を含む請求項9又は10に記載の作業管理方法。
【請求項12】
前記複数の区域は複数の列を成し、各区域がそれぞれ何れかの列に含まれるものであり、
前記複数の列それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各列の位置情報を発信する列情報発信装置を備え、
前記制御装置は、該列情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成された作業環境において、
前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記列情報発信装置からの位置情報が該指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的列判定過程と、
該目的列判定過程における判定が肯定されてから前記目的区域判定過程における判定が肯定されるまでの作業時間を測定する第4の作業時間測定過程と
を、含む請求項10又は11に記載の作業管理方法。
【請求項13】
前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、該指示情報が前記読取装置により読み取られてから前記目的列判定過程における判定が肯定されるまでの作業時間を測定する第5の作業時間測定過程を含む請求項12に記載の作業管理方法。
【請求項14】
作業終了位置に対応して設けられ、所定の範囲に対して該作業終了位置の位置情報を発信する終了位置情報発信装置を備え、
前記制御装置は、該終了位置情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成された作業環境において、
前記作業指示書に記憶された指示情報に係る拾い上げ対象となる物品に対応する全ての識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られたか否かを判定する作業完了判定過程と、
該作業完了判定過程における判定が肯定されてから前記終了位置情報発信装置からの位置情報が受信されるまでの作業時間を測定する第6の作業時間測定過程と
を、含む請求項9から13の何れか1項に記載の作業管理方法。
【請求項15】
前記作業時間計測過程においてそれぞれ実際に測定された作業時間と、予め定められた各作業時間の標準値とを比較することにより、前記作業指示用の無線タグに記憶された指示情報に係る作業を評価する作業評価過程を含む請求項9から14の何れか1項に記載の作業管理方法。
【請求項16】
前記作業指示書は、前記物品の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示用の無線タグを備えたものであり、
前記読取装置は、前記無線タグリーダである請求項9から15の何れか1項に記載の作業管理方法。
【請求項1】
複数に区分される区域の何れかにそれぞれ複数の物品が配置された作業領域において、該物品に対応する無線タグの識別情報を無線により読み取ることによりそれら物品に関する作業の管理を行う作業管理システムであって、
前記物品の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示書と、
作業者の手部に装着又は把持されて用いられる、無線により前記無線タグの識別情報を読み取る無線タグリーダと、
前記作業指示書に記憶された指示情報を読み取る読取装置と、
前記無線タグリーダにより読み取られる前記無線タグの識別情報及び前記読取装置により読み取られる指示情報を受信可能に構成された制御装置と
を、備え、
該制御装置は、
前記対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られてから該指示情報に係る前記対象となる物品に対応する無線タグの識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られるまでの作業時間を測定する作業時間測定手段を備えたものであることを特徴とする作業管理システム。
【請求項2】
前記複数の区域それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各区域の位置情報を発信する区域情報発信装置を備え、
前記制御装置は、
該区域情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成されると共に、
前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記区域情報発信装置からの位置情報が該指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的区域判定手段と、
該目的区域判定手段による判定が肯定されてから前記作業指示書に記憶された対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られるまでの作業時間を測定する第2の作業時間測定手段と
を、備えたものである請求項1に記載の作業管理システム。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記対象となる物品に対応する無線タグの識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られてから前記作業指示書に記憶された次の対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られるまでの作業時間を測定する第3の作業時間測定手段を備えたものである請求項1又は2に記載の作業管理システム。
【請求項4】
前記複数の区域は複数の列を成し、各区域がそれぞれ何れかの列に含まれるものであり、
前記複数の列それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各列の位置情報を発信する列情報発信装置を備え、
前記制御装置は、
該列情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成されると共に、
前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記列情報発信装置からの位置情報が該指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的列判定手段と、
該目的列判定手段による判定が肯定されてから前記目的区域判定手段による判定が肯定されるまでの作業時間を測定する第4の作業時間測定手段と
を、備えたものである請求項2又は3に記載の作業管理システム。
【請求項5】
前記制御装置は、前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、該指示情報が前記読取装置により読み取られてから前記目的列判定手段による判定が肯定されるまでの作業時間を測定する第5の作業時間測定手段を備えたものである請求項4に記載の作業管理システム。
【請求項6】
作業終了位置に対応して設けられ、所定の範囲に対して該作業終了位置の位置情報を発信する終了位置情報発信装置を備え、
前記制御装置は、
該終了位置情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成されると共に、
前記作業指示書に記憶された指示情報に係る拾い上げ対象となる物品に対応する全ての識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られたか否かを判定する作業完了判定手段と、
該作業完了判定手段による判定が肯定されてから前記終了位置情報発信装置からの位置情報が受信されるまでの作業時間を測定する第6の作業時間測定手段と
を、備えたものである請求項1から5の何れか1項に記載の作業管理システム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記作業時間測定手段によりそれぞれ実際に測定された作業時間と、予め定められた各作業時間の標準値とを比較することにより、前記作業指示用の無線タグに記憶された指示情報に係る作業を評価する作業評価手段を備えたものである請求項1から6の何れか1項に記載の作業管理システム。
【請求項8】
前記作業指示書は、前記物品の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示用の無線タグを備えたものであり、
前記読取装置は、前記無線タグリーダである請求項1から7の何れか1項に記載の作業管理システム。
【請求項9】
複数に区分される区域の何れかにそれぞれ複数の物品が配置された作業領域において、該物品に対応する無線タグの識別情報を無線により読み取ることによりそれら物品に関する作業の管理を行う作業管理方法であって、
前記物品の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示書と、
作業者の手部に装着又は把持されて用いられる、無線により前記無線タグの識別情報を読み取る無線タグリーダと、
前記作業指示書に記憶された指示情報を読み取る読取装置と、
前記無線タグリーダにより読み取られる前記無線タグの識別情報及び前記読取装置により読み取られる指示情報を受信可能に構成された制御装置と
を、備えた作業環境において、
前記対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られてから該指示情報に係る前記対象となる物品に対応する無線タグの識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られるまでの作業時間を測定する作業時間測定過程を含むことを特徴とする作業管理方法。
【請求項10】
前記複数の区域それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各区域の位置情報を発信する区域情報発信装置を備え、
前記制御装置は、該区域情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成された作業環境において、
前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記区域情報発信装置からの位置情報が該指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的区域判定過程と、
該目的区域判定過程における判定が肯定されてから前記作業指示書に記憶された対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られるまでの作業時間を測定する第2の作業時間測定過程と
を、含む請求項9に記載の作業管理方法。
【請求項11】
前記対象となる物品に対応する無線タグの識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られてから前記作業指示書に記憶された次の対象となる物品の拾い上げ作業に係る指示情報が前記読取装置により読み取られるまでの作業時間を測定する第3の作業時間測定過程を含む請求項9又は10に記載の作業管理方法。
【請求項12】
前記複数の区域は複数の列を成し、各区域がそれぞれ何れかの列に含まれるものであり、
前記複数の列それぞれに対応して設けられ、所定の範囲に対して各列の位置情報を発信する列情報発信装置を備え、
前記制御装置は、該列情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成された作業環境において、
前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、前記列情報発信装置からの位置情報が該指示情報に対応するものであるか否かを判定する目的列判定過程と、
該目的列判定過程における判定が肯定されてから前記目的区域判定過程における判定が肯定されるまでの作業時間を測定する第4の作業時間測定過程と
を、含む請求項10又は11に記載の作業管理方法。
【請求項13】
前記読取装置により前記作業指示書から読み取られた所定の指示情報に係る拾い上げ作業に際して、該指示情報が前記読取装置により読み取られてから前記目的列判定過程における判定が肯定されるまでの作業時間を測定する第5の作業時間測定過程を含む請求項12に記載の作業管理方法。
【請求項14】
作業終了位置に対応して設けられ、所定の範囲に対して該作業終了位置の位置情報を発信する終了位置情報発信装置を備え、
前記制御装置は、該終了位置情報発信装置により発信される位置情報を受信可能に構成された作業環境において、
前記作業指示書に記憶された指示情報に係る拾い上げ対象となる物品に対応する全ての識別情報が前記無線タグリーダにより読み取られたか否かを判定する作業完了判定過程と、
該作業完了判定過程における判定が肯定されてから前記終了位置情報発信装置からの位置情報が受信されるまでの作業時間を測定する第6の作業時間測定過程と
を、含む請求項9から13の何れか1項に記載の作業管理方法。
【請求項15】
前記作業時間計測過程においてそれぞれ実際に測定された作業時間と、予め定められた各作業時間の標準値とを比較することにより、前記作業指示用の無線タグに記憶された指示情報に係る作業を評価する作業評価過程を含む請求項9から14の何れか1項に記載の作業管理方法。
【請求項16】
前記作業指示書は、前記物品の拾い上げ作業に関する指示情報を記憶する作業指示用の無線タグを備えたものであり、
前記読取装置は、前記無線タグリーダである請求項9から15の何れか1項に記載の作業管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−129000(P2011−129000A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−288507(P2009−288507)
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月18日(2009.12.18)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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