作業車両
【課題】本発明の課題は、給油タンクをトラクタ前部の給油口近くまで容易に持ち上げることのできるリフト装置を作業車両に提供することにある。
【解決手段】本発明は、機体の前部側上部に燃料タンク8に通ずる給油口9を備えてある作業車両において、機体の前部側に位置して給油タンクTを載置して前記給油口9の近くまで給油タンクTを持ち上げ搬送するリフト装置10を装備してあることを特徴とする作業車両の構成とする。また、リフト装置10において、給油タンクTを載置する受け台11は機体前部の前側に位置し、受け台11をリフトするリフトアーム12の懸架台13は機体横側部の車体フレーム18に装着支持してあることを特徴とする作業車両の構成とする。
【解決手段】本発明は、機体の前部側上部に燃料タンク8に通ずる給油口9を備えてある作業車両において、機体の前部側に位置して給油タンクTを載置して前記給油口9の近くまで給油タンクTを持ち上げ搬送するリフト装置10を装備してあることを特徴とする作業車両の構成とする。また、リフト装置10において、給油タンクTを載置する受け台11は機体前部の前側に位置し、受け台11をリフトするリフトアーム12の懸架台13は機体横側部の車体フレーム18に装着支持してあることを特徴とする作業車両の構成とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、トラクタ等の作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラクタ前部のボンネット上部に設けられた燃料タンクの給油口近くに、給油タンクを載置する給油台を設置した構成のものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−44423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成の給油台は、非常に高い位置にあるため、満杯の給油タンク(18)を持ち上げるのに多大の労力を要していた。
本発明の課題は、給油タンクを所定位置まで軽く持ち上げることのできるリフト装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の本発明は、機体の前部側上部に燃料タンク(8)に通ずる給油口(9)を備えてある作業車両において、機体の前部側に位置して給油タンク(T)を載置して前記給油口(9)の近くまで給油タンク(T)を持ち上げ搬送するリフト装置(10)を装備してあることを特徴とする作業車両とする。
【0006】
上記構成によると、給油タンク(T)を載せた状態で地面近くの低い位置から給油口(9)近くの高い位置まで軽く持ち上げ搬送することができ、給油タンク(T)を安定した姿勢を保持させた状態でポンプ等によって簡単に給油することができる。
【0007】
請求項2記載の本発明は、前記リフト装置(10)において、給油タンク(T)を載置する受け台(11)は機体前部の前側に位置し、受け台(11)をリフトするリフトアーム(12)の懸架台(13)は機体横側部の車体フレーム(18)に装着支持してあることを特徴とする請求項1記載の作業車両とする。
【0008】
上記構成によると、給油タンク(T)の機体前部側から後方上部への給油口(9)近くまでの持ち上げ搬送が容易に行える。
請求項3記載の本発明は、前記リフト装置(10)は、給油タンク(T)を載置する受け台(11)と、受け台を昇降するリフトアーム(12)を備え、該リフトアーム(12)と前記懸架台(13)との間にはリフトアーム(12)を昇降駆動する昇降手段(16)を設けてあることを特長とする請求項1又は請求項2記載の作業車両とする。
【0009】
上記構成によると、電動モータや油圧シリンダ等の駆動手段を用いることによっても軽い操作力でもって重い給油タンク(T)を軽く持ち上げ搬送することができる。
請求項4記載の本発明は、前記昇降手段(16)は、回動ハンドル(15)とラセン軸(14)とからなり、回動ハンドル(15)の回動操作でリフトアーム(12)を昇降駆動すべく構成してあることを特徴とする請求項3記載の作業車両とする。
【0010】
上記構成によると、簡単な構成でリフトアーム(12)を確実に昇降駆動することができ、安価に実施することができる。
請求項5記載の本発明は、前記受け台(11)は、箱型の容器としてあることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の作業車両とする。
【0011】
上記構成によると、運搬装置としても利用することができ、農作業に用いる農具や肥料などの資材を入れて運搬することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上要するに、請求項1記載の本発明によれば、給油タンクを載せた状態で地面近くの低い位置から給油口近くの高い位置まで軽く持ち上げ搬送することができ、給油作業が容易に行える。
【0013】
請求項2記載の本発明によれば、請求項1記載の発明効果を奏するものでありながら、給油タンクの機体前部側から後方上部への給油口近くまでの持ち上げ搬送が容易に行え、受け台は機体前部に配置しているので、運行上支障を来たさない。
【0014】
請求項3記載の本発明によれば、請求項1又は請求項2記載の発明効果に加えて、適宜の駆動手段を用いることによって軽い操作力で重い給油タンクを軽く持ち上げ搬送することができる。
【0015】
請求項4記載の本発明によれば、回動ハンドルとラセン軸による昇降駆動構成は簡単であり、回動ハンドルを回すだけの簡単な操作でリフトアームを確実に昇降駆動することができ、安価に実施することができる。
【0016】
請求項5記載の本発明は、受け台は箱型に構成されているので、運搬装置としても利用でき、農具や肥料などの資材を入れて運搬することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】トラクタの側面図
【図2】リフト装置を備えたトラクタ要部の斜視図
【図3】同上要部の斜視図
【図4】2Pクイックヒッチ部の要部の斜視図
【図5】同上要部の斜視図
【図6】2Pリンク式ロータリ用簡易ヒッチの斜視図
【図7】ロータリカバーの昇降装置を示す要部の斜視図
【図8】3P昇降用シリンダケースの安全弁の取付構成を示す斜視図
【図9】同上シリンダケースの外部油圧バルブの取付構成を示す斜視図
【図10】トラクタ用牽引式集泥機の斜視図
【図11】同上側面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1において、1は作業車両の一例としてトラクタの車体を示すものであり、この走行車体1前部のボンネット2内部にエンジンEを搭載し、このエンジンEの回転動力をミッションケース3内の変速装置に伝え、この変速装置で減速された回転動力を前輪4及び後輪5とに伝えるようにしている。機体後部に設置された運転席6の前方には、前輪4,4を操舵するステアリングハンドル7が装備されている。エンジンEの上部には燃料タンク8が配置されている。燃料タンク8は、上部に給油口9を有し、ボンネット2上部から燃料補給が行えるようになっている。
【0019】
機体の前部側に設置され、給油タンクを載置してボンネット上部の給油口近くまで持ち上げ搬送するリフト装置10について説明する。
リフト装置10は、給油タンクポリタンクTを載置する受け台11と、受け台11を昇降するリフトアーム12と、リフトアーム12を上下及び前後方向に揺動自在に枢着支持する懸架台13と、前記リフトアーム12と前記懸架台13との間に設けられていて該リフトアーム12を昇降揺動駆動するラセン軸14及び回動ハンドル15からなる昇降手段16等を備えた構成としている。
【0020】
受け台11は、箱型の容器になっていて給油タンクの他農具や肥料等の資材が収容できるようになっている。また、この受け台はトラクタ前部の前側に配置され、リフトアーム12によってボンネットの前側からボンネット上面に沿って持ち上げられるようになっている。
【0021】
リフトアーム12は、懸架台13に対して支軸17回りに上下揺動する構成であり、回動ハンドル15を回すと、ラセン軸14の回転によりリフトアーム12が支軸17を支点として上下に揺動する構成である。
【0022】
懸架台13は、機体の前側横側部の車体フレーム18に装着(着脱自在にボルト止め)支持することによって、リフトアームによる機体前側から後方上部へのリフト範囲が大きく取れるように配置構成している。昇降手段16は、電動モータや油圧シリンダ等を用いてリフトアームを昇降駆動するものであっても良いが、図例のように、回動ハンドルによる手動操作でラセン軸を回して昇降駆動する構成にあっても、構成が簡素で安価に実施することができる。
【0023】
なお、図1において、ミッションケース3の上部には油圧シリンダケース21が設けられ、この油圧シリンダケース21にリフト作動アーム22を回動自在に枢着している。油圧シリンダケース21内の油圧昇降シリンダ23内に作動油を供給するとリフト作動ア−ム22が上昇回動し、排出するとリフト作動ア−ム22は下降するようになっている。トラクタ後部に装着されるロータリ等の作業機Rは、前記リフト作動ア−ム22の上げ下げにより、リフトロッド24で連結されたロワリンク25とトップリンク26とで構成される三点リンク機構を介して昇降するようになっている。
【0024】
図4、図5例は、作業機未装着時のジョイントハウジング部の姿勢安定化を図るため、2Pクイックヒッチ27に支持されたジョイント29のジョイントハウジング部30の下部を弾性変位可能な弾性体31にて略水平姿勢に支持するように構成したものである。これによると、ジョイントハウジング部を水平に保持することによって作業機未装着時のジョイントの破損を防止できる。また、弾性体で支持するため、着脱時に必要なジョイントの傾き角度を得ることができる。
【0025】
また、図例では、左右の支持フレーム28,28の外側に設けられた左右のフック32,32をロッド33にて連結し、ジョイントハウジング部に設けられた開放型の溝34にロッド33を通してロック及びロック解除が行えるように構成している。溝を開放型とすることで、組付けが簡単、容易に行える。
【0026】
なお、前記支持フレーム28のトラクタ側取付部がU字型取付部28aの構成となっているが、トラクタとの取付部が機種によって異なる場合には、なるべく部品共用性を持たせるため、別形状の取付部28b図4参照を溶接することによって対応することができる。
【0027】
小型トラクタ等に採用されている2Pリンク式ロータリは、3Pリンク式ロータリに比べて作業機の取付、取外しに手間がかかる。販社などでの移動の際も2Pリンク式ロータリを単体で移動させたい時など2Pリンク式のトラクタを用意しなければならない。
【0028】
本例は、図6に示すように、上下の横係合部材35a,35bと、左右の縦連結部材35c,35dと、連結保持部材35e,35fとからなる簡易ヒッチ35を2Pリンク式ロータリ36に取り付けることにより、簡易的な3Pクイック式に変更できる。これにより、移動の際など2Pリンク式のトラクタを用意することなく、より一般的な3Pクイックヒッチ37式トラクタで移動させることができる。なお、かかる簡易ヒッチ35は、3Pクイックヒッチ37部のアッパフック部37Uで引っ掛け上げるだけでなく、左右のロワフック部37L,37Rでも固定する構成としている。
【0029】
作業後のロータリカバーには、泥土の付着が多く、洗浄時にロータリカバーを人力で上昇させて固定させるには大きな力が必要となり、力の無い高齢者や婦女子にあっては困難な作業であった。
【0030】
本例では、図7に示すように、空気圧で伸縮のできるダンパ39を用いてロータリカバー38を昇降させるように構成することで、高齢者であっても泥落し等の洗浄作業が容易に行える。なお、上記ロータリカバーの昇降制御構成において、昇降制御スイッチをリモコン式とすることで、運転席外でも使用できて便利である。
【0031】
図8例は、トラクタ3P昇降用シリンダケース21のセーフティバルブの取付構成を示すもので、セーフティバルブ安全弁40をメインシリンダ油圧昇降シリンダ23の側方で水平シリンダ用のバルブ41の後方に配置することで、シリンダケース油路加工の簡素化を図るように構成している。
【0032】
また、シリンダケース21の右側面に外部油圧バルブを装着する場合、右側面の取付面積が小さい為、外部油圧バルブの直接の取り付けが困難である。そこで、本例では、図9にも示すように、スペーサメタル42を間に挟んで外部油圧バルブ(2連)43を取り付けた構成としている。
【0033】
なお、シリンダケースは、クラスの大小によって揚力の差があるため、シリンダ径が異なるが、リヤトランスミッションケースに取り付けるボルト箇所と取り付け面を等しくして共用のリヤトランスミションケースに取り付けできるようにしている。
【0034】
図10に示す実施例は、田畑でのトラクタ作業の後、トラクタやロータリ作業機の後方にセットして道路走行時に道路に落ちた泥土を掬い上げながら拾集する装置(集泥機)を具現化したものである。
【0035】
集泥機は、牽引部45と集泥部46と車輪47とで構成される。牽引部45は、牽引フックと45aと牽引棒45bからなり、トラクタ又は作業機Rの上部に引っ掛けて牽引する構成としている。泥を拾い上げて収集する集泥部46の先端には泥を掬い上げる為の掬上体48が設けられている。
【0036】
なお、集泥機の幅は、トラクタが作業後に泥を落す幅より広くしておくことが望ましい。
【符号の説明】
【0037】
8 燃料タンク
9 給油口
10 リフト装置
11 受け台
12 リフトアーム
13 懸架台
14 ラセン軸
15 回動ハンドル
16 昇降手段
18 車体フレーム
T 給油タンク
【技術分野】
【0001】
この発明は、トラクタ等の作業車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラクタ前部のボンネット上部に設けられた燃料タンクの給油口近くに、給油タンクを載置する給油台を設置した構成のものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−44423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記構成の給油台は、非常に高い位置にあるため、満杯の給油タンク(18)を持ち上げるのに多大の労力を要していた。
本発明の課題は、給油タンクを所定位置まで軽く持ち上げることのできるリフト装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1記載の本発明は、機体の前部側上部に燃料タンク(8)に通ずる給油口(9)を備えてある作業車両において、機体の前部側に位置して給油タンク(T)を載置して前記給油口(9)の近くまで給油タンク(T)を持ち上げ搬送するリフト装置(10)を装備してあることを特徴とする作業車両とする。
【0006】
上記構成によると、給油タンク(T)を載せた状態で地面近くの低い位置から給油口(9)近くの高い位置まで軽く持ち上げ搬送することができ、給油タンク(T)を安定した姿勢を保持させた状態でポンプ等によって簡単に給油することができる。
【0007】
請求項2記載の本発明は、前記リフト装置(10)において、給油タンク(T)を載置する受け台(11)は機体前部の前側に位置し、受け台(11)をリフトするリフトアーム(12)の懸架台(13)は機体横側部の車体フレーム(18)に装着支持してあることを特徴とする請求項1記載の作業車両とする。
【0008】
上記構成によると、給油タンク(T)の機体前部側から後方上部への給油口(9)近くまでの持ち上げ搬送が容易に行える。
請求項3記載の本発明は、前記リフト装置(10)は、給油タンク(T)を載置する受け台(11)と、受け台を昇降するリフトアーム(12)を備え、該リフトアーム(12)と前記懸架台(13)との間にはリフトアーム(12)を昇降駆動する昇降手段(16)を設けてあることを特長とする請求項1又は請求項2記載の作業車両とする。
【0009】
上記構成によると、電動モータや油圧シリンダ等の駆動手段を用いることによっても軽い操作力でもって重い給油タンク(T)を軽く持ち上げ搬送することができる。
請求項4記載の本発明は、前記昇降手段(16)は、回動ハンドル(15)とラセン軸(14)とからなり、回動ハンドル(15)の回動操作でリフトアーム(12)を昇降駆動すべく構成してあることを特徴とする請求項3記載の作業車両とする。
【0010】
上記構成によると、簡単な構成でリフトアーム(12)を確実に昇降駆動することができ、安価に実施することができる。
請求項5記載の本発明は、前記受け台(11)は、箱型の容器としてあることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の作業車両とする。
【0011】
上記構成によると、運搬装置としても利用することができ、農作業に用いる農具や肥料などの資材を入れて運搬することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上要するに、請求項1記載の本発明によれば、給油タンクを載せた状態で地面近くの低い位置から給油口近くの高い位置まで軽く持ち上げ搬送することができ、給油作業が容易に行える。
【0013】
請求項2記載の本発明によれば、請求項1記載の発明効果を奏するものでありながら、給油タンクの機体前部側から後方上部への給油口近くまでの持ち上げ搬送が容易に行え、受け台は機体前部に配置しているので、運行上支障を来たさない。
【0014】
請求項3記載の本発明によれば、請求項1又は請求項2記載の発明効果に加えて、適宜の駆動手段を用いることによって軽い操作力で重い給油タンクを軽く持ち上げ搬送することができる。
【0015】
請求項4記載の本発明によれば、回動ハンドルとラセン軸による昇降駆動構成は簡単であり、回動ハンドルを回すだけの簡単な操作でリフトアームを確実に昇降駆動することができ、安価に実施することができる。
【0016】
請求項5記載の本発明は、受け台は箱型に構成されているので、運搬装置としても利用でき、農具や肥料などの資材を入れて運搬することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】トラクタの側面図
【図2】リフト装置を備えたトラクタ要部の斜視図
【図3】同上要部の斜視図
【図4】2Pクイックヒッチ部の要部の斜視図
【図5】同上要部の斜視図
【図6】2Pリンク式ロータリ用簡易ヒッチの斜視図
【図7】ロータリカバーの昇降装置を示す要部の斜視図
【図8】3P昇降用シリンダケースの安全弁の取付構成を示す斜視図
【図9】同上シリンダケースの外部油圧バルブの取付構成を示す斜視図
【図10】トラクタ用牽引式集泥機の斜視図
【図11】同上側面図
【発明を実施するための形態】
【0018】
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1において、1は作業車両の一例としてトラクタの車体を示すものであり、この走行車体1前部のボンネット2内部にエンジンEを搭載し、このエンジンEの回転動力をミッションケース3内の変速装置に伝え、この変速装置で減速された回転動力を前輪4及び後輪5とに伝えるようにしている。機体後部に設置された運転席6の前方には、前輪4,4を操舵するステアリングハンドル7が装備されている。エンジンEの上部には燃料タンク8が配置されている。燃料タンク8は、上部に給油口9を有し、ボンネット2上部から燃料補給が行えるようになっている。
【0019】
機体の前部側に設置され、給油タンクを載置してボンネット上部の給油口近くまで持ち上げ搬送するリフト装置10について説明する。
リフト装置10は、給油タンクポリタンクTを載置する受け台11と、受け台11を昇降するリフトアーム12と、リフトアーム12を上下及び前後方向に揺動自在に枢着支持する懸架台13と、前記リフトアーム12と前記懸架台13との間に設けられていて該リフトアーム12を昇降揺動駆動するラセン軸14及び回動ハンドル15からなる昇降手段16等を備えた構成としている。
【0020】
受け台11は、箱型の容器になっていて給油タンクの他農具や肥料等の資材が収容できるようになっている。また、この受け台はトラクタ前部の前側に配置され、リフトアーム12によってボンネットの前側からボンネット上面に沿って持ち上げられるようになっている。
【0021】
リフトアーム12は、懸架台13に対して支軸17回りに上下揺動する構成であり、回動ハンドル15を回すと、ラセン軸14の回転によりリフトアーム12が支軸17を支点として上下に揺動する構成である。
【0022】
懸架台13は、機体の前側横側部の車体フレーム18に装着(着脱自在にボルト止め)支持することによって、リフトアームによる機体前側から後方上部へのリフト範囲が大きく取れるように配置構成している。昇降手段16は、電動モータや油圧シリンダ等を用いてリフトアームを昇降駆動するものであっても良いが、図例のように、回動ハンドルによる手動操作でラセン軸を回して昇降駆動する構成にあっても、構成が簡素で安価に実施することができる。
【0023】
なお、図1において、ミッションケース3の上部には油圧シリンダケース21が設けられ、この油圧シリンダケース21にリフト作動アーム22を回動自在に枢着している。油圧シリンダケース21内の油圧昇降シリンダ23内に作動油を供給するとリフト作動ア−ム22が上昇回動し、排出するとリフト作動ア−ム22は下降するようになっている。トラクタ後部に装着されるロータリ等の作業機Rは、前記リフト作動ア−ム22の上げ下げにより、リフトロッド24で連結されたロワリンク25とトップリンク26とで構成される三点リンク機構を介して昇降するようになっている。
【0024】
図4、図5例は、作業機未装着時のジョイントハウジング部の姿勢安定化を図るため、2Pクイックヒッチ27に支持されたジョイント29のジョイントハウジング部30の下部を弾性変位可能な弾性体31にて略水平姿勢に支持するように構成したものである。これによると、ジョイントハウジング部を水平に保持することによって作業機未装着時のジョイントの破損を防止できる。また、弾性体で支持するため、着脱時に必要なジョイントの傾き角度を得ることができる。
【0025】
また、図例では、左右の支持フレーム28,28の外側に設けられた左右のフック32,32をロッド33にて連結し、ジョイントハウジング部に設けられた開放型の溝34にロッド33を通してロック及びロック解除が行えるように構成している。溝を開放型とすることで、組付けが簡単、容易に行える。
【0026】
なお、前記支持フレーム28のトラクタ側取付部がU字型取付部28aの構成となっているが、トラクタとの取付部が機種によって異なる場合には、なるべく部品共用性を持たせるため、別形状の取付部28b図4参照を溶接することによって対応することができる。
【0027】
小型トラクタ等に採用されている2Pリンク式ロータリは、3Pリンク式ロータリに比べて作業機の取付、取外しに手間がかかる。販社などでの移動の際も2Pリンク式ロータリを単体で移動させたい時など2Pリンク式のトラクタを用意しなければならない。
【0028】
本例は、図6に示すように、上下の横係合部材35a,35bと、左右の縦連結部材35c,35dと、連結保持部材35e,35fとからなる簡易ヒッチ35を2Pリンク式ロータリ36に取り付けることにより、簡易的な3Pクイック式に変更できる。これにより、移動の際など2Pリンク式のトラクタを用意することなく、より一般的な3Pクイックヒッチ37式トラクタで移動させることができる。なお、かかる簡易ヒッチ35は、3Pクイックヒッチ37部のアッパフック部37Uで引っ掛け上げるだけでなく、左右のロワフック部37L,37Rでも固定する構成としている。
【0029】
作業後のロータリカバーには、泥土の付着が多く、洗浄時にロータリカバーを人力で上昇させて固定させるには大きな力が必要となり、力の無い高齢者や婦女子にあっては困難な作業であった。
【0030】
本例では、図7に示すように、空気圧で伸縮のできるダンパ39を用いてロータリカバー38を昇降させるように構成することで、高齢者であっても泥落し等の洗浄作業が容易に行える。なお、上記ロータリカバーの昇降制御構成において、昇降制御スイッチをリモコン式とすることで、運転席外でも使用できて便利である。
【0031】
図8例は、トラクタ3P昇降用シリンダケース21のセーフティバルブの取付構成を示すもので、セーフティバルブ安全弁40をメインシリンダ油圧昇降シリンダ23の側方で水平シリンダ用のバルブ41の後方に配置することで、シリンダケース油路加工の簡素化を図るように構成している。
【0032】
また、シリンダケース21の右側面に外部油圧バルブを装着する場合、右側面の取付面積が小さい為、外部油圧バルブの直接の取り付けが困難である。そこで、本例では、図9にも示すように、スペーサメタル42を間に挟んで外部油圧バルブ(2連)43を取り付けた構成としている。
【0033】
なお、シリンダケースは、クラスの大小によって揚力の差があるため、シリンダ径が異なるが、リヤトランスミッションケースに取り付けるボルト箇所と取り付け面を等しくして共用のリヤトランスミションケースに取り付けできるようにしている。
【0034】
図10に示す実施例は、田畑でのトラクタ作業の後、トラクタやロータリ作業機の後方にセットして道路走行時に道路に落ちた泥土を掬い上げながら拾集する装置(集泥機)を具現化したものである。
【0035】
集泥機は、牽引部45と集泥部46と車輪47とで構成される。牽引部45は、牽引フックと45aと牽引棒45bからなり、トラクタ又は作業機Rの上部に引っ掛けて牽引する構成としている。泥を拾い上げて収集する集泥部46の先端には泥を掬い上げる為の掬上体48が設けられている。
【0036】
なお、集泥機の幅は、トラクタが作業後に泥を落す幅より広くしておくことが望ましい。
【符号の説明】
【0037】
8 燃料タンク
9 給油口
10 リフト装置
11 受け台
12 リフトアーム
13 懸架台
14 ラセン軸
15 回動ハンドル
16 昇降手段
18 車体フレーム
T 給油タンク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の前部側上部に燃料タンク(8)に通ずる給油口(9)を備えてある作業車両において、機体の前部側に位置して給油タンク(T)を載置して前記給油口(9)の近くまで給油タンク(T)を持ち上げ搬送するリフト装置(10)を装備してあることを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記リフト装置(10)において、給油タンク(T)を載置する受け台(11)は機体前部の前側に位置し、受け台(11)をリフトするリフトアーム(12)の懸架台(13)は機体横側部の車体フレーム(18)に装着支持してあることを特徴とする請求項1記載の作業車両。
【請求項3】
前記リフト装置(10)は、給油タンク(T)を載置する受け台(11)と、受け台を昇降するリフトアーム(12)を備え、該リフトアーム(12)と前記懸架台(13)との間にはリフトアーム(12)を昇降駆動する昇降手段(16)を設けてあることを特長とする請求項1又は請求項2記載の作業車両。
【請求項4】
前記昇降手段(16)は、回動ハンドル(15)とラセン軸(14)とからなり、回動ハンドル(15)の回動操作でリフトアーム(12)を昇降駆動すべく構成してあることを特徴とする請求項3記載の作業車両。
【請求項5】
前記受け台(11)は、箱型の容器としてあることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の作業車両。
【請求項1】
機体の前部側上部に燃料タンク(8)に通ずる給油口(9)を備えてある作業車両において、機体の前部側に位置して給油タンク(T)を載置して前記給油口(9)の近くまで給油タンク(T)を持ち上げ搬送するリフト装置(10)を装備してあることを特徴とする作業車両。
【請求項2】
前記リフト装置(10)において、給油タンク(T)を載置する受け台(11)は機体前部の前側に位置し、受け台(11)をリフトするリフトアーム(12)の懸架台(13)は機体横側部の車体フレーム(18)に装着支持してあることを特徴とする請求項1記載の作業車両。
【請求項3】
前記リフト装置(10)は、給油タンク(T)を載置する受け台(11)と、受け台を昇降するリフトアーム(12)を備え、該リフトアーム(12)と前記懸架台(13)との間にはリフトアーム(12)を昇降駆動する昇降手段(16)を設けてあることを特長とする請求項1又は請求項2記載の作業車両。
【請求項4】
前記昇降手段(16)は、回動ハンドル(15)とラセン軸(14)とからなり、回動ハンドル(15)の回動操作でリフトアーム(12)を昇降駆動すべく構成してあることを特徴とする請求項3記載の作業車両。
【請求項5】
前記受け台(11)は、箱型の容器としてあることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の作業車両。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−245928(P2012−245928A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120607(P2011−120607)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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