説明

使い捨て式の撓み可能なスタイレット

【課題】低コスト、使い捨て式の撓み可能なスタイレットを提供すること。
【解決手段】カテーテル用使い捨て式の撓み可能なスタイレット10は、可撓性材料からなる撓み可能な部分12を備えている。アクチュエータ14が撓み可能な部分12に装着されており、撓み可能な部分12に対してアクチュエータ14を操作することによって、撓み可能な部分12が撓むことができる。スタイレット10は補強要素16を更に備えており、かかる場合、撓み可能な部分12は補強要素16の先端領域に設けられており、補強要素16は、末端の回転を実質的に同等な先端の回転に変えるため、ねじりに関して十分に補強されている。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本発明は、2007年6月15日付けで出願された米国仮特許出願第60/934844号の利益を主張するものであり、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【分野】
【0002】
本発明はカテーテルに関し、特に、カテーテル用の使い捨て式の撓み可能なスタイレット、スタイレットの製造方法及びスタイレットを含むカテーテルに関する。
【背景】
【0003】
心臓治療において、診断用カテーテル又は治療用カテーテルは、導入部を経て患者の血管の中に挿入される。普通、カテーテルは患者の大腿静脈を通って挿入され、患者の心臓における診断及び/又は治療が行われる場所に案内される。この場所においてカテーテルの電極を心臓壁組織に接触させて診断又は治療を行うために、カテーテルの先は撓む必要がある。
【0004】
したがって、カテーテルの先を撓み可能なものとする必要がある。これは、本願でのカテーテルでは、スタイレットをカテーテルの電極シースのルーメンの中に挿入することによって達成される。電極シースは、本願での製造技術によって製造され、スムーズなルーメンを有する。これは、一般的に電極シースの電極用導電体を電極シースの壁の中に嵌め込むことによって達成される。
【0005】
また、カテーテルは低コストハンドルで製造される。低コストハンドルは、カテーテルの中に配置される導電体又はコネクタを有しないことによって達成される。導電体は、カテーテルの本体を通って、カテーテルの電極と連通するために装置に直接接続される。したがって、カテーテルを使用する機関の著しく増加した費用なしに使い捨てることができる、低コストスタイレットを提供する利点を有する。
【概要】
【0006】
本発明の第1態様によると、
カテーテル用の使い捨て式の撓み可能なスタイレットであって、
可撓性材料からなる撓み可能な部分と、
撓み可能な部分に対してアクチュエータが操作されるとその撓み可能な部分を撓ませることができる、撓み可能な部分に装着されているアクチュエータと、
先端領域に撓み可能な部分が設けられており、末端の回転を実質的に同等な先端の回転に変えるために、ねじりに関して十分な強度を与える補強要素と
を備えるスタイレットが提供される。
【0007】
好ましくは、撓み可能な部分が合成プラスチック材料からなる。さらに、補強要素は金属からなってもよい。金属は、ステンレススチール材料のような低コストスチール材料であってもよく、アルミニウム、タングステン又は同様なものであってもよい。
【0008】
撓み可能な部分は、経路を画成する細長い管状本体部材であってもよい。本体部材の先端部の撓みを容易にするために、この管状本体部材の壁に、軸方向に延びる切取領域を画成してもよい。
【0009】
この切取領域は90°を超え270°未満の中心角となってもよい。特に、切取領域は約170°〜190°の中心角となってもよい。
【0010】
本明細書において、用語「中心角となる(subtend)」は、他に明瞭な表示がない限り、角度の範囲を形成する意味ないし示す意味で用いられる。
【0011】
一実施形態において、この切取領域は、長手方向に間隔をおいて横方向に延びる複数のスロットによって画成されるケージによって閉じられてもよい。切取領域の代わりに又は切取領域に追加的に、本体部材の先端部の撓みを容易にするために、長手方向に間隔をおいて横方向に延びて複数のスロットは、管状本体部材の先端部に画成されてもよい。
【0012】
一実施形態において、補強要素は、管状本体部材の経路内に収容されるチューブであってもよい。他の実施形態において、補強要素は、管状本体部材を覆って収容されるスリーブであってもよい。
【0013】
他の実施形態において、補強要素はチューブであってもよく、撓み可能な部分はチューブの先端に取り付けられる端部(tip portion)を構成してもよい。この実施形態でも、撓み可能な部分は細長い管状本体部材を備え、この本体部材の先端部の撓みを容易にするために、本体部材の壁に、軸方向に延びる切取領域を画成してもよい。
【0014】
アクチュエータは、チューブ及び管状本体部材を通って延びている引張り用針金であってもよく、かかる場合、引張り用針金の先端は管状本体部材の先端に固定される。
【0015】
さらに他の実施形態において、撓み可能な部分は細長い平面要素を備えてもよく、その平面要素は、その末端において、チューブの先端を取り付けるための取付け用構造を備えてもよい。この実施形態において、アクチュエータは、チューブを通って且つ平面要素全体に亘って延びている引張り用針金であってもよく、かかる場合、引張り用針金の先端は平面要素の先端に固定される。
【0016】
本発明の第2態様によると、
ルーメンを画成する、合成プラスチック材料からなる細長い管状本体部材と、
本体部材の先端部の撓みを容易にするために、本体部材の先端部において本体部材の壁に画成されている軸方向に延びる切取領域と、
本体部材のルーメンの中に収容されているアクチュエータと
を備えるカテーテル用の使い捨て式の撓み可能なスタイレットであって、
そのプラスチック材料は、本体部材の少なくとも一部分の撓みを可能にするが、本体部材の末端における回転を本体部材の先端における実質的に同等な回転に変えるために、ねじりに関して十分な強度を有するタイプのものであり、
その切取領域は、90°を超え270°未満の中心角となっており、
そのアクチュエータの先端は本体部材の先端に固定されており、本体部材とアクチュエータとが相対的に移動することによって、本体部材が本体部材の切取領域の周囲で撓むことができる、スタイレットが提供される。
【0017】
本体部材は熱可塑性材料からなってもよい。熱可塑性材料はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)材料又はポリイミド材料であってもよい。
【0018】
本体部材のルーメンの中の適所にアクチュエータを有する切取領域が形成されてもよい。切取領域は、本体部材の壁内に形成されている内向きのクリネーション状の領域であってもよい。切取領域は、長手方向に間隔をおいて横方向に延びている複数のスロットを備えるケージによって閉じられてもよい。
【0019】
スタイレットは、カテーテルのハンドル本体に取り付けるための取付け用アセンブリを備えてもよい。取付け用アセンブリは、ハンドル本体に取り付けることができる固定要素及び固定要素に対して移動できるように配置されている保持具を備えてもよく、アクチュエータと他の構成要素とが相対的に移動することによって撓み可能な部分が撓むことができるように、アクチュエータは、固定要素及び保持具の一方に固定して取り付けられており、他の構成要素は、保持具及び固定要素の他方に固定して取り付けられている。
【0020】
実施形態に応じて、「他の構成要素」は、補強部材の先端に取り付けられている管状本体部材自身又は補強部材であってもよい。
【0021】
本発明の第3態様によると、
ルーメンを画成する細長い管状本体要素を用意するステップと、
本体部材のルーメン内にアクチュエータを挿入するステップと、
アクチュエータを案内構造として用い、撓むことができる本体部材の周囲で湾曲助長部位を形成するために、管状部材の壁に、軸方向に延びる内向きのクリネーション状の切取部分を形成するステップと
を含む、撓み可能なスタイレットを製造する方法が提供される。
【0022】
この方法は、90°を超え270°未満の中心角となっている切取部分を形成するステップを含んでもよい。
【0023】
さらに、この方法は、アクチュエータの先端を本体部材の末端に留めるように固定するステップを含んでもよい。
【0024】
この方法は、スタイレットに補強部材を設けるステップを含んでもよい。補強部材はチューブであってもよく、この方法は、チューブ状部材の先端に管状本体部材を取り付けるステップを含んでもよい。代わりに、補強部材はチューブであってもよく、この方法は、本体部材のルーメンの中にチューブを挿入するステップを含んでもよい。さらに、補強部材はチューブであってもよく、この方法は、チューブの経路の中に本体部材を挿入するステップを含んでもよい。
【0025】
本発明の第4態様によると、
ハンドル本体を有するカテーテルハンドルと、
ハンドルの先端から延びており、ルーメンを画成する電極シースと、
電極シースのルーメン内に収容されている、上記のような使い捨て式の撓み可能なスタイレットと
を備えるカテーテルが提供される。
【0026】
カテーテルは、ハンドル本体上に移動できるように保持されている撓み制御機構を備えてもよく、かかる場合、取付け用アセンブリの保持具は移動制御機構に固定されており、固定用構造はハンドル本体の末端に固定されている。
【0027】
突出制御機構がハンドル本体上に保持されてもよく、かかる場合、電極シースは突出制御機構上に保持されており、突出制御機構はスタイレットに対して電極シースを伸縮させるように操作できる。
【実施形態の詳細な説明】
【0028】
図1及び図2において、参照符号10は、使い捨て式の撓み可能なスタイレット10の一実施形態を全般的に指している。スタイレット10は可撓性材料からなる撓み可能な部分12を備える。引張り用針金の形状にあるアクチュエータ14が撓み可能な部分12を通って収容されている。引張り用針金14の先端14.1は撓み可能な部分12の先端12.1に固定されている。
【0029】
スタイレット10はチューブ16の形状にある補強要素を備える。この実施形態において、細長い管状部材18を含む撓み可能な部分12は、チューブ16の先端に取り付けられている。チューブ16はステンレススチールのような金属からなる。
【0030】
撓み可能な部分12の管状本体部材18は熱可塑性材料からなる。例えば、管状本体部材12は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)プラスチック材料又はポリイミドプラスチック材料からなることができる。
【0031】
管状本体部材18は湾曲助長領域20を画成している。湾曲助長領域20は、引張り用針金14を露出させるために十分な深さまで管状本体部材18の壁の中に切り込んだ、内向きで軸方向に延びるクリネーション(crenation)22によって形成されている。クリネーション22は、90°を超え270°未満の中心角となっている。撓み可能な部分12の長手方向の軸を通る平面において、プラスチック材料からなる撓み可能な部分12が湾曲することを十分可能とすべきであるために、クリネーション22は僅か180°未満の中心角とすることが好ましい。
【0032】
スタイレット10は取付け用アセンブリ23を更に備えている。取付け用アセンブリ23は、固定用構造24と、矢印28の方向で移動できるよう、固定用構造24に対して移動できるように配置された取付け用部材(すなわち、保持具)26とを備えている。
【0033】
引張り用針金14の末端は、固定用構造24に固定されるように取り付けられている。チューブ16の末端は保持具26に固定されるように取り付けられており、保持具26と固定用構造24との間の相対移動により、撓み可能な部分12が撓み可能な部分12の長手方向軸を通る平面で撓むことができる。特に、チューブ16を固定用構造24に対して先端方向へ圧迫すると、撓み可能な部分12が湾曲助長領域20において撓むことができる。
【0034】
ここで、図面の図3〜図5を参照すると、スタイレット10の第2実施形態が示されている。特別の定めがない限り、前の図面を参照し、同じ参照符号は同じ部分について言及される。この実施形態において、撓み可能な部分12は、図面の図4及び図5においてより明瞭に示したような細長い帯状部材30を備えている。細長い帯状部材30は、チューブ16の先端に装着されている末端ボス構造32を有する。引張り用針金14は帯状要素30の表面を通り、引張り用針金14の先端14.1は、図面の図4においてより明瞭に示したように、撓み可能な部分12の先端12.1に引っ掛けられている。引張り用針金14の先端14.1を適所に保持するために、ノッチ34が帯状要素30の端部に画成されている。
【0035】
図面の図6及び図7を参照すると、スタイレット10の更なる実施形態が示されている。また、特別の定めがない限り、前の図面を参照し、同じ参照符号は同じ部分について言及される。この実施形態において、スタイレット10は、PEEK材料又はポリイミド材料からなる細長い管状本体部材36及び引張り用針金24を備える二部分構造のスタイレットである。ここで、チューブ16は省略されている。細長い管状本体部材36は、チューブ16の働きをする。したがって、本体部材36の末端は取付け用アセンブリ23の保持具26に固定されている。この実施形態において、本体部材36は、固定用構造24内にある引張り用針金の部分は別として、引張り用針金14の全長に亘り延びている。
【0036】
細長い管状本体部材36は、引張り用針金14が通る経路38を画成している。また、引張り用針金14の先端14.1は本体部材36の撓み可能な部分12の先端12.1に固定されている。図面の図1及び図2に示した実施形態の場合、本体部材36の撓み可能な部分12は、軸方向に延びている内向きのクリネーション22形状にある湾曲助長領域20に形成されている。
【0037】
図1及び図2に示した実施形態並びに図6及び図7に示した実施形態におけるクリネーション22を形成するために、プラスチック材料からなる管状部材には経路38が形成されている。引張り用針金14は経路38の中に挿入され、場合によって、本体部材18又は本体部材36に形成されている撓み可能な部分12の先端12.1に固定される。
【0038】
引張り用針金14が適所に固定されると、クリネーション22を形成するために、メス又は他の切削装置が用いられる。本体部材18及び本体部材36の壁は、引張り用針金14の深さまで切り取られ、引張り用針金14は、クリネーション22の形成におけるガイドとして用いられる。
【0039】
図10にはスタイレット10の更なる実施形態が示されており、また、特別の定めがない限り、前の図面を参照し、同じ参照符号は同じ部分について言及される。この実施形態において、クリネーションによって画成される撓み可能な部分12からなる湾曲助長領域20の代わりに、湾曲助長領域20はケージ37によって画成されている。ケージ37は、本体部材36の壁に形成されている軸方向に間隔をおいた複数の横方向のスロット39を備えている。
【0040】
この実施形態の構成において、また、引張り用針金14は経路38の中に挿入され、必要な深さまでスロット39を切削することにおけるガイドとして用いられる。
【0041】
図面の図8を参照すると、カテーテル40の一実施形態が示されている。カテーテル40は、末端44を有するハンドル本体42を備えている。
【0042】
カテーテル40はハンドル本体42から延びている電極シース46を備えている。電極シースの先端は軸方向に間隔をおいた複数の電極48を持っている。電極シース46の先端は、以下により詳しく説明されるように、スタイレット10を用いて、点線で示した適所に撓むことができる。
【0043】
取付け用アセンブリ23の固定用構造24は、半径方向外側へ延びている一対の互いに反対向きのピン50の形状にある装着構造を備えている(図9)。ピン50は、差し込み方法で、ハンドル本体42の末端44にあるL形状のスロットと係合する。同様に、保持具26は、カテーテル40のハンドル本体42の摺動体54(図9)にある対応するスロットと係合する、半径方向外側へ延びている一対の反対向きのピン52の形状にある固定用構造を備えている。特に、摺動体54は、撓み制御機構55の一部分に装着されている。撓み制御機構55は、ハンドル本体42上に軸方向で移動できるように配置されている撓み制御ノブ56を更に備えている。摺動体54は撓み制御ノブ56に固定されている。したがって、撓み制御ノブ56を矢印58の方向に圧迫することによって、スタイレット10のチューブ16又は本体部材36(場合によって)は、取付け用アセンブリ23の固定用構造24に固定されている引張り用針金14に対して先端方向へ圧迫される。これにより、湾曲助長領域20の周囲で湾曲するスタイレット10の撓み可能な部分12は、図面の図8における点線に示したような撓みをもたらすことができる。
【0044】
カテーテル40のハンドル本体42は、突出制御機構60を更に備えている。突出制御機構60は撓み制御ノブ56の先端方向に配置されている突出制御ノブ62を備えている。電極シース46は撓み制御機構60に固定されている。撓み制御機構60は、スタイレット10の先端に対して電極シース46の先端を伸ばすために用いられる。このような配置を用いて、電極シース46の先端をスタイレット10の先端に対して伸ばすことによって、患者心臓の届きづらい場所にアクセスすることができる。
【0045】
低コスト、使い捨て式の撓み可能なスタイレット10が提供されることは、本発明の特別な利点である。これにより、カテーテル40は(全体として)、低コスト材料からなるため使い捨てることができる。スタイレット10は、撓み可能なものとするためにニチノールのような高コスト材料から一般的に作られる。しかしながら、出願人は、意外に、高コスト材料の代わりに適当なプラスチック材料及び金属でスタイレットを作ることにより、電極シース46の先端が適当に曲がることができ、必要な湾曲性を提供することができることを見出した。
【0046】
当業者は、広く記載されている本発明の範囲から逸脱することなく、具体的な実施形態に示した本発明に多くの変更及び修正を行うことができるであろう。したがって、本実施形態は、実施例となるが非制限的なあらゆる点で考えるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】使い捨て式の撓み可能なスタイレットの一実施形態の立体図である。
【図2】図1のスタイレットの先端部分の立体図である。
【図3】使い捨て式の撓み可能なスタイレットの他の実施形態の立体図である。
【図4】図3のスタイレットの先端部分の立体図である。
【図5】図3のスタイレットの撓み可能な部分の立体図である。
【図6】使い捨て式の撓み可能なスタイレットの更なる実施形態の側面図である。
【図7】図6におけるラインVII−VIIに沿って切断した断面図である。
【図8】使い捨て式の撓み可能なスタイレットを備えるカテーテルの一実施形態の立体図である。
【図9】カテーテルの一部分の側断面図である。
【図10】使い捨て式の撓み可能なスタイレットの更なる実施形態の一部分の側面図である。
【符号の説明】
【0048】
10…スタイレット、12…撓み可能な部分、14…アクチュエータ、16…補強要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性材料からなる撓み可能な部分と、
前記撓み可能な部分に対して操作すると前記撓み可能な部分を撓ませることができる、前記撓み可能な部分に装着されているアクチュエータと、
先端領域に前記撓み可能な部分が設けられており、末端の回転を実質的に同等な先端の回転に変えるために、ねじりに関して十分に強度を与える補強要素と
を備える、カテーテル用の使い捨て式の撓み可能なスタイレット。
【請求項2】
前記撓み可能な部分が合成プラスチック材料からなる、請求項1に記載のスタイレット。
【請求項3】
前記補強要素が金属からなる、請求項1又は2に記載のスタイレット。
【請求項4】
前記撓み可能な部分が、経路を画成する細長い管状本体部材である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスタイレット。
【請求項5】
前記管状本体部材の先端部の撓みを容易にするために、前記管状本体部材の壁に、軸方向に延びる切取領域が画成されている、請求項4に記載のスタイレット。
【請求項6】
前記切取領域が、90°を超え270°未満の中心角となっている、請求項5に記載のスタイレット。
【請求項7】
前記切取領域が、長手方向に間隔をおいて横方向に延びている複数のスロットによって画成されたケージによって閉じられている、請求項5又は6に記載のスタイレット。
【請求項8】
前記補強要素が、前記管状本体部材の前記経路内に収容されているチューブである、請求項4〜7のいずれか一項に記載のスタイレット。
【請求項9】
前記補強要素がチューブであり、前記撓み可能な部分が、前記チューブの先端に取り付けられる端部を構成する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のスタイレット。
【請求項10】
前記撓み可能な部分が細長い管状本体部材を備え、前記管状本体部材の前記先端部の撓みを容易にするために、前記管状本体部材の壁に、軸方向に延びる切取領域が画成されている、請求項9に記載のスタイレット。
【請求項11】
前記管状本体部材の前記先端部の撓みを容易にするために、前記管状本体部材には、長手方向に間隔をおいて横方向に延びる複数のスロットが画成されている、請求項9又は10に記載のスタイレット。
【請求項12】
前記アクチュエータが、前記チューブ及び前記管状本体部材を通って延びている引張り用針金であり、前記引張り用針金の先端は前記管状本体部材の先端に固定されている、請求項9〜11のいずれか一項に記載のスタイレット。
【請求項13】
前記撓み可能な部分が細長い平面要素を備えており、前記平面要素は、その末端において、前記チューブの前記先端を取り付けるための取付け用構造を備えている、請求項9に記載のスタイレット。
【請求項14】
前記アクチュエータが、前記チューブを通って且つ前記平面要素全体に亘って延びている引張り用針金であり、前記引張り用針金の先端は前記平面要素の先端に固定されている、請求項13に記載のスタイレット。
【請求項15】
ルーメンを画成する、合成プラスチック材料からなる細長い管状本体部材と、
前記管状本体部材の先端部の撓みを容易にするために、前記管状本体部材の先端部において前記管状本体部材の壁に画成されている、軸方向に延びている切取領域と、
前記管状本体部材の前記ルーメンの中に収容されるアクチュエータと
を備える、カテーテル用の使い捨て式の撓み可能なスタイレットであって、
前記合成プラスチック材料は、前記管状本体部材の少なくとも一部分の撓みを可能にするが、前記管状本体部材の末端における回転を実質的に同等な前記管状本体部材の先端における回転に変えるために、ねじりに関して十分に強度を有するタイプの材料であり、
前記切取領域は、90°を超え270°未満の中心角となっており、
前記アクチュエータの先端は前記管状本体部材の先端に固定されており、前記管状本体部材と前記アクチュエータとが相対的に移動することによって、前記管状本体部材が前記管状本体部材の前記切取領域の周囲で撓むことができる、スタイレット。
【請求項16】
前記管状本体部材が熱可塑性材料からなる、請求項15に記載のスタイレット。
【請求項17】
前記管状本体部材の前記ルーメンの中の適所に前記アクチュエータを有する前記切取領域が形成されている、請求項15又は16に記載のスタイレット。
【請求項18】
前記切取領域が、前記管状本体部材の前記壁内に形成されている内向きのクリネーション状の領域である、請求項15〜17のいずれか一項に記載のスタイレット。
【請求項19】
前記切取領域が、長手方向に間隔をおいて横方向に延びる複数のスロットを備えているケージによって閉じられている、請求項15に記載のスタイレット。
【請求項20】
カテーテルのハンドル本体に取り付けるための取付け用アセンブリを備えている、請求項1〜19のいずれか一項に記載のスタイレット。
【請求項21】
前記取付け用アセンブリが、前記ハンドル本体に取り付けることができる固定要素及び前記固定要素に対して移動できるように配置されている保持具を備えており、前記アクチュエータと他の構成要素とが相対的に移動することによって前記撓み可能な部分が撓むことができるように、前記アクチュエータが、前記固定要素及び前記保持具の一方に固定して取り付けられており、前記他の構成要素が、前記保持具及び前記固定要素の他方に固定して取り付けられている、請求項20に記載のスタイレット。
【請求項22】
ルーメンを画成する細長い管状本体部材を用意するステップと、
前記管状本体部材の前記ルーメン内にアクチュエータを挿入するステップと、
前記アクチュエータを案内構造として用い、撓むことができる前記管状本体部材の周囲で湾曲助長部位を形成するために、前記管状本体部材の壁に、軸方向に延びる内向きのクリネーション状の切取部分を形成するステップと
を含む、撓み可能なスタイレットを製造する方法。
【請求項23】
90°を超え270°未満の中心角となっている前記切取部分を形成するステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記アクチュエータの先端を前記管状本体部材の先端に留めるように固定するステップを含む、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
前記スタイレットに補強部材を設けるステップを含む、請求項22〜24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記補強部材がチューブであり、当該方法が、前記チューブ状部材の先端に前記管状本体部材を取り付けるステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記補強部材がチューブであり、当該方法が、前記チューブを前記管状本体部材の前記ルーメンの中に挿入するステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記補強部材がチューブであり、当該方法が、前記チューブの経路の中に前記管状本体部材を挿入するステップを含む、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
ハンドル本体を有するカテーテルハンドルと、
前記ハンドルの先端から延びており、ルーメンを画成する電極シースと、
前記電極シースの前記ルーメン内に収容されている、請求項1〜21のいずれか一項に記載の使い捨て式の撓み可能なスタイレットと
を備えるカテーテル。
【請求項30】
請求項21に記載のスタイレットである場合、前記ハンドル本体上に移動できるように保持されている撓み制御機構を備えるカテーテルであって、
前記取付け用アセンブリの前記保持具は移動制御機構に固定されており、
固定用構造は前記ハンドル本体の末端に固定されている、請求項29に記載のカテーテル。
【請求項31】
前記ハンドル本体上に保持されている突出制御機構を備えるカテーテルであって、
前記電極シースは前記突出制御機構上に保持されており、
前記突出制御機構は、前記スタイレットに対して前記電極シースを伸縮させるように操作できる、請求項30に記載のカテーテル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−307386(P2008−307386A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−151961(P2008−151961)
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【出願人】(503146955)カソリック リミテッド (36)
【Fターム(参考)】