説明

使い捨て立体マスク、使い捨て立体マスク封入体及び使い捨て立体マスク用加温シート

【課題】製作が容易で加温性、フィット性に優れた使い捨て立体マスクを提供する。
【解決手段】マスク本体3と、このマスク本体3の左右両側に設けられた一対の耳掛け部4とを備え、マスク本体3は左右の不織布シート1をこのマスク本体3の略中央で上下方向の略円弧状の接合縁2により接合して成り、左右の不織布シート1に、発熱粉体24の反応熱により着用者の顔面の被発熱部位を加温する発熱シート5を設ける。発熱シート5は不織布シート1の内面に粘着部25を介してに着脱自在に貼着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱粉体の反応熱により着用者の顔面の所要部位を加温できる使い捨て立体マスク、使い捨て立体マスクを密封袋に封入した使い捨て立体マスク封入体、及び使い捨て立体マスクに貼着して使用される使い捨て立体マスク用加温シートに関するものである。
【背景技術】
【0002】
アレルギー性鼻炎、花粉症等の症状は、くしゃみ、鼻水、鼻詰まり等として現れる。これらの諸症状は、空気中に飛散する杉花粉、ダスト、ダニ、排ガス等のアレルゲンが鼻腔内粘膜に付着することによって発現することが知られている。
【0003】
これらの諸症状を簡便に予防、緩和又は除去する対策の一つとして、着用者の口元周辺部分から鼻部周辺の鼻腔及び上顎洞の表面部分、目頭部間の篩骨洞の表面部分を含む一帯を覆うシート状のマスク本体と、マスク本体の左右両側に設けられた左右一対の耳掛け部とを備え、またマスク本体から上方に突出して目頭部間を覆う突出部に発熱粉体を複合して、その発熱粉体の反応熱により着用者の鼻部上部を加温するようにした保温マスクが提案されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平7−328135号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この保温マスクは、マスク本体で花粉等の微粒子の鼻腔への侵入を阻止する一方、マスク本体で上顎洞、篩骨洞の表面周辺を含む鼻部周辺を保温、加温することにより、アレルギー性鼻炎等の諸症状の発現を予防、緩和又は除去することができる利点がある。
【0005】
しかし、従来の保温マスクは、横長矩形状のマスク本体をベースとし、このマスク本体の内側の左右方向の中央に、鼻部上部を被覆する突出部をマスク本体とは別体に設ける等の構造を採用し、その突出部に発熱粉体を複合させているため、構造的に複雑である上に加工工数が増えて製作が煩わしく、しかも着用者の顔面に対するフィット性に欠ける欠点がある。
【0006】
本発明は、従来のこのような課題に鑑み、製作が容易で加温性又は保温性、フィット性に優れた使い捨て立体マスク、その使い捨て立体マスクが密封袋に封入された使い捨て立体マスク封入体、及びその使い捨て立体マスクに貼着して使用される使い捨て立体マスク用加温シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る使い捨て立体マスクは、マスク本体3と、該マスク本体3の左右両側に設けられた一対の耳掛け部4とを備えた不織布製の使い捨て立体マスクであって、前記マスク本体3は左右の不織布シート1を該マスク本体3の略中央で上下方向の略円弧状の接合縁2により接合して成り、左右の前記不織布シート1に、着用者の顔面の被加温部位を加温する加温シート5又は着用者の被保温部位を保温する保温シートを設けたものである。
【0008】
また前記マスク本体3は内外に不織布シート1を備えた複層構造であり、該不織布シート1の層間に前記加温シート5又は保温シートを介装したもの、前記マスク本体3の内面に設けたもの、又は前記左右の不織布シート1に跨がる長さを有し、該加温シート5に前記接合縁2に対応して切り欠き部35を設けたものでもよい。
【0009】
前記加温シート5又は保温シートは粘着部25を介して前記不織布シート1に着脱自在に貼着してもよい。前記マスク本体3は前記各不織布シート1の上部を着用者の顔面の凹凸形状に沿わせるための保形体33を有し、該保形体33に対応して前記不織布シート1に前記加温シート5又は保温シートを貼着している。前記加温シート5は発熱粉体24の反応熱により加温する発熱シートでもよい。前記加温シート5は左右の各不織布シート1に対応する発熱部5aと、該両発熱部5a間を接続する接続部5bとを備えた前記発熱シートでもよい。
【0010】
また本発明に係る使い捨て立体マスク封入体は、使い捨て立体マスク36をガスバリアー性を有する密封袋37に封入したものである。
【0011】
更に本発明に係る使い捨て立体マスク用加温シートは、マスク本体3に貼着して使用される使い捨て立体マスク用加温シートであって、左右方向の略中央に形成された切り欠き部35を備え、または左右方向の略中央に破断可能な破断部39を上下方向に設けたものである。
【0012】
なお、加温シートは発熱粉体24の反応熱により発熱する左右両側の発熱部5aと、左右方向の略中央で前記両発熱部5a間を接続する接続部5bとを備え、裏面側に貼着用の粘着部25を有するもの、前記切り欠き部35又は破断部39の左右両側に前記粘着部25を有するもの、又は少なくとも前記接続部5aに前記粘着部25を有するものでもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る使い捨て立体マスクは、マスク本体3と、該マスク本体3の左右両側に設けられた一対の耳掛け部4とを備えた不織布製の使い捨て立体マスクであって、前記マスク本体3は左右の不織布シート1を該マスク本体3の略中央で上下方向の略円弧状の接合縁2により接合して成り、左右の前記不織布シート1に、着用者の顔面の被加温部位を加温する加温シート5又は着用者の被保温部位を保温する保温シートを設けているため、製作が容易で保温性、フィット性に優れたものとなり、顔面を効率的に加温又は保温することができる。
【0014】
また本発明に係る使い捨て立体マスク封入体は、発熱粉体24の反応熱により加温する発熱シート5を有する使い捨て立体マスク36をガスバリアー性を有する密封袋37に封入しているため、立体マスク36を簡便に使用できる。
【0015】
更に本発明に係る使い捨て立体マスク用加温シートは、マスク本体3に貼着して使用される使い捨て立体マスク用加温シートであって、左右方向の略中央に形成された切り欠き部35を備え、又は左右方向の略中央に破断可能な破断部39を上下方向に設けているので、加温シートを立体マスクのマスク本体3の形状に沿って容易に貼着できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の各実施例を図面に基づいて詳述する。図1〜図7は本発明に係る使い捨て立体マスクと使い捨て立体マスク封入体との第1の実施例を例示する。この使い捨て立体マスクは図1〜図4に示すように、左右一対の不織布シート1を接合縁2で接合して成るマスク本体3と、このマスク本体3の左右両側に設けられた左右一対の耳掛け部4と、マスク本体3の各不織布シート1に設けられた発熱シート5とを備えている。
【0017】
マスク本体3は主覆い部6と、この主覆い部6の左右方向の中央部分から上方へと山形状に突出する突出覆い部7とを有する。主覆い部6は図2、図3に示すように、着用者が顔面に装着したときに、鼻腔8及び上顎洞9の表面を含んで、顔面の顎部10から口許部11、鼻部12及びその左右両側の頬部13の全体を覆う大きさを有し、また突出覆い部7は着用者の鼻部12の鼻梁14の上下中間及びその左右両側から目頭部15間の篩骨洞16の表面周辺までを覆うようになっている。
【0018】
このマスク本体3は、略対称な形状を有する左右一対の不織布シート1を重ね合わせて、その一対の不織布シート1をマスク本体3の左右方向の略中央で上下方向の接合縁2により略円弧状に一体に接合されている。
【0019】
なお、マスク本体3は顎部10、口許部11、鼻部12及びその左右両側の頬部13を覆う大きさであるが、少なくとも口許部11から鼻梁14の上下方向の中間部、及び左右の両側の頬部13を覆い得るものであればよい。接合縁2は熱溶着等により構成されている。
【0020】
不織布シート1にはアレルギー性鼻炎症、花粉症等の原因物質である花粉等の通過を阻止し、且つ適度な通気性と保温性とを有するもの、例えば熱可塑性を有する合成樹脂繊維製の不織布シートが使用されている。
【0021】
また不織布シート1はマスク本体3の上下両端に非接合部2aができるように、その非接合部2a間を接合縁2で接合することが望ましい。これは、接合縁2で着用者の顔面等を傷つけないためである。なお、主覆い部6の下端が顎部10から下側に突出する場合には、接合縁2はその下端まで設けてもよい。
【0022】
熱可塑性を有する合成樹脂繊維の不織布としては、例えばオレフィン樹脂繊維、ポリエチレン樹脂繊維、ポリエステル樹脂繊維、ポリプロピレン樹脂繊維等の単繊維を素材とする不織布や、複合芯鞘繊維を素材とする不織布、あるいは積層複合不織布等を使用することができる。複合芯鞘繊維としては、ポリエステル−ポリエチレン芯鞘繊維、ポリプロピレン−ポリエチレン芯鞘繊維等を適用できる。積層複合不織布としては、綿とポリエチレンの積層不織布、レーヨンとポリエチレンの積層不織布、綿とポリプロピレンの積層不織布等を適用できる。なお、発熱シート5に使用する不織布についても同様である。
【0023】
マスク本体3は、立体性のない平面状の不織布シート1を使用して略円弧状の接合縁2で接合し、その後に周縁を一体に裁断したものであって、着用に際して不織布シート1を左右に広げたときに接合縁2が前方に円弧状に張り出す立体形状を呈し、接合縁2及びその左右両側において、目頭部15間と顎部10とを除く上下方向の中間部分で顔面との間に所定の隙間ができるようになっている。
【0024】
耳掛け部4は耳通し孔17の上下に上辺部18と下辺部19とを有し、基部が各不織布シート1の接合縁2と反対側の上下方向の接合部20で熱溶着等により接合されている。上辺部18、下辺部19は、マスク本体3を顔面に当てて耳掛け部4を耳部21に掛けたときに、上辺部18の張力が下辺部19の張力よりも大になるように構成されている。耳掛け部4には、熱可塑性を有する合成樹脂繊維製の不織布シートが使用されている。
【0025】
耳掛け部4は上辺部18の張力が下辺部19よりも大であれば、その構造等は問題ではないが、次のようなものがある。例えば、上辺部18の幅を下辺部19よりも大にしてもよいし、上辺部18の長さを下辺部19よりも短くしてもよい。また上辺部18を二重構造にしてもよいし、別の不織布シートを上辺部18の内側に前後方向に熱溶着等で設けてもよい。耳掛け部4はスリットを備え、装着する際にそのスリットを広げて耳通し孔17を形成するようにしてもよい。また耳掛け部4はマスク本体3の左右両側に一体に設けてもよい。
【0026】
発熱シート5は着用者の鼻部12の鼻梁14側面から目頭部15近傍に掛けての鼻腔8及び篩骨洞16の表面側を加温するための加温シートを構成するものである。この発熱シート5は、例えば図5、図6に示すように外周が熱溶着等によりシールされた不織布製の表シート22及び裏シート23と、その両シート22,23間の内部空間に充填された鉄粉を主成分とする発熱粉体24と、裏シート23の裏面側に設けられた貼着用の粘着部25とを備え、マスク本体3の接合縁2の両側近傍で不織布シート1の内面に粘着部25を介して貼着した場合に、着用者の顔面との間に所定の隙間ができるか、軽く接触する程度の厚さの可撓シート状に構成されている。
【0027】
なお、発熱シート5は発熱粉体24が空気と接触して酸化反応するときの反応熱により、鼻腔8、篩骨洞16の表面等の被加温部位を体温と同等又は体温よりも若干高い程度の低温、例えば38±2℃程度で発熱し加温するようになっている。粘着部25は裏シート23の裏面の略全面に塗工された粘着剤により形成され、剥離紙26により保護されている。
【0028】
発熱シート5は二枚一組としてガスバリアー性を有する密封袋27に収納されており、使用に当たって密封袋27から取り出して剥離紙26を剥がし、粘着部25を介して不織布シート1に貼着する。発熱シート5の接合縁2側、突出覆い部7の上端縁に対応する側は、接合縁2側、突出覆い部7の上端縁に沿う形状になっている。
【0029】
なお、粘着部25は例えばホットメルト感圧接着剤により構成されている。そして、ホットメルト感圧接着剤は、熱可塑性ポリマーをベースにした、溶剤や水を含まない接着性混合物からなる。勿論、粘着部25にはその他の粘着剤を使用してもよい。
【0030】
表シート22、裏シート23は通気性を有する熱可塑性繊維の不織布からなり、その周縁が熱溶着等によりシールされている。なお、裏シート23は熱可塑性フィルム等を使用してもよい。また表シート22は多数の微孔が形成されたフィルムを使用してもよい。また密封袋27に発熱シート5を封入することにより、図5、図6に示すような構成の使い捨て立体マスク用の発熱シート封入体が構成されている。
【0031】

この立体マスクの使用に際しては、密封袋27から発熱シート5を取り出して、その発熱シート5をマスク本体3の接合縁2の両側近傍で不織布シート1の内面側に貼着する。この場合、マスク本体3の不織布シート1を左右に広げた状態で、発熱シート5の一側縁を接合縁2に合わせながら粘着部25を介して発熱シート5を不織布シート1に貼着すれば、発熱シート5を不織布シート1の所定位置に容易に貼着することができる。
【0032】
各不織布シート1に発熱シート5を貼着した後に、図2、図3に示すように左右の不織布シート1を両側に広げた状態で顔面に当て、その左右の耳掛け部4を耳部21に掛けると、主覆い部6で鼻腔8及び上顎洞9の表面を含む顎部10から口許部11、鼻部12及びその左右両側の頬部13の全体を覆うことができ、また突出覆い部7で鼻部12の鼻梁14部及びその左右両側から目頭部15間の篩骨洞16の表面周辺までを覆うことができる。しかも、左右の発熱シート5により鼻部12の鼻梁14部の両側で鼻腔8及び篩骨洞16の表面を加温することができる。
【0033】
従って、アレルギー性鼻炎や花粉症等の原因物質を遮断できるだけでなく、顔面の鼻腔8、上顎洞9及び篩骨洞16の周辺を保温すると同時に鼻腔8及び篩骨洞16の周辺を所定温度に加温できるため、アレルギー性鼻炎、花粉症等の諸症状を緩和又は除去できる。特に顔面の鼻腔8の周辺だけでなく、重要加温部位である篩骨洞16の周辺を一定に加温できるため、アレルギー性鼻炎、花粉症等の諸症状に対する緩和又は除去効果が大である。
【0034】
また装着状態でも、図3、図4に示すように、突出覆い部7の上端を除く下側ではマスク本体3と顔面との間に隙間があり、その隙間が断熱空間、保温空間となるため、保温効果が非常に良好である。しかも不織布シート1の内側に発熱シート5を設けているが、断熱空間、保温空間となる隙間部分で不織布シート1の内側にシート状の発熱シート5を貼着しているため、発熱シート5が着用者の顔面に密着することがなく、発熱シート5の発熱温度が比較的低温であることと相俟って、顔面の被加温部位の低温火傷等を未然に防止できる。
【0035】
発熱シート5は粘着部25により不織布シート1の内面側に着脱自在に貼着しているため、不織布シート1への貼着が容易である他、発熱シート5の加温効果が低下すれば、古い発熱シート5を剥離して新しいものと容易に交換できる。従って、発熱シート5の加温効果が低下しても立体マスク自体を廃棄する必要がなく、立体マスクをある程度の期間繰り返して使用することも可能である。
【0036】
この立体マスクは、左右の不織布シート1を上下方向の略円弧状の接合縁2で接合して主覆い部6及び突出覆い部7を有する立体形状に構成しているため、二枚重ねの不織布シート1を接合縁2で接合して所定形状に切り取る等によって製造でき、構造的に簡単で加工工数が特別に増加することもなく容易に製造することができる。
【0037】
またマスク本体3の不織布シート1は左右に広げたときに、図3の二点鎖線で示す装着前の状態から上部側及び下部側が顔面側へと湾曲して実線で示す状態となる。そして、この状態で顔面に当てて左右の耳掛け部4を耳部21に掛けると、マスク本体3の上下両側が耳掛け部4によって左右両側へと引っ張られて顔面に沿って引き絞られ、周縁部が顔面側に押し付けられる。
【0038】
このためマスク本体3は主覆い部6の中央部に上方へと突出する突出覆い部7を備えた形状であるにも拘わらず、装着時にマスク本体3の周縁部と顔面との間に隙間ができ難くなり、保温性、フィット性が向上する。
【0039】
しかも、耳掛け部4は上辺部18の張力が下辺部19の張力よりも大であるため、突出部を含むマスク本体3の上部側を顔面に確実にフィットさせることができ、装着状態での顔面の筋肉の動き等による下側へのずれ等を無くすることができる。
【0040】
因みに所定の供試マスクを使用して耳掛け部4の張力を測定したところ、図7に示すような結果が得られた。測定方法は男女三人の着用者が供試マスクを装着して、耳掛け部4の上辺部18、下辺部19にばねバカリを掛けて、顔面から離れる方向に3cm引っ張ったときの値を測定した。図7の各数値は上辺部18、下辺部19の夫々について3回ずつ測定し、その平均値を示す。なお、左右の数値が異なるのは、着用者が右利きか左利きかによるものであり、利き腕の方の値が大きくなる傾向にある。また着用者が男性の場合に数値が大きいのは、顔が大きいことによるものである。単位はgである。
【0041】
このように装着状態において上辺部18の張力が下辺部19よりも大きくなるように耳掛け部4を構成することによって、マスク本体3の周縁部の顔面に対する押し付け力が大になり、フィット性がより向上することが確認できた。
【0042】
図8〜図10は本発明の第2の実施例を例示する。この立体マスクは、図8、図9に示すようにマスク本体3が複層構造になっており、その層間に発熱シート5が介在されている。マスク本体3は外側マスク部30と、この外側マスク部30の内側に配置された内側マスク部31とを有する複層構造となっている。
【0043】
各マスク部30,31は左右の不織布シート1を円弧状の接合縁2で接合して構成され、その外側マスク部30の両端に接合部20を介して耳掛け部4が設けられている。なお、内側マスク部31は外側マスク部30よりも若干小さくなっている。
【0044】
内側マスク部31は左右両端に上下方向の粘着部32を有し、外側マスク部30との間に若干の空間を置いて両端の粘着部32が外側マスク部30の内面側に着脱自在に貼着されている。そして、この外側マスク部30と内側マスク部31との間の空間に、着用者の篩骨洞16の表面等の被加温部位を加温するシート状の発熱シート5が左右別々に出し入れ自在に挿入されている。
【0045】
外側マスク部30に内側マスク部31を貼着する場合の両者間の隙間は、発熱シート5が移動し難くなる程度にすることが望ましい。なお、内側マスク部31は左右両端部で外側マスク部30の内側に熱融着等で固着しておいてもよい。
【0046】
この発熱シート5は図10に示すように二枚一組で密封袋27に封入されている。なお、この発熱シート5は、第1の実施例とは異なって粘着部25、剥離紙26等を備えていない。その他の構成は第1の実施例と略同様である。
【0047】
使用に際しては、外側マスク部30、内側マスク部31を左右に広げて立体形状にし、その外側マスク部30の内側に内側マスク部31を粘着部32を介して貼着することにより、内外方向に複層構造のマスク本体3を構成する。そして、密封袋27から取り出した発熱シート5を、着用者の顔面の被加温部位に対応して外側マスク部30と内側マスク部31との間の空間に挿入し、その状態で着用者の顔面に装着する。
【0048】
このようにマスク本体3が複層構造の立体マスクでは、アレルギー性鼻炎や花粉症等の原因物質を遮断する遮断効果、顔面に対する保温効果及び加温効果が更に向上する。また外側マスク部30と内側マスク部31との間に発熱シート5があるため、発熱シート5が直接顔面に接触するような違和感もない。しかも、発熱シート5は外側マスク部30と内側マスク部31との間の内部空間に挿入しているため、その内部空間内で任意の位置に配置することもできる。
【0049】
図11は本発明の第3の実施例を例示する。この立体マスクは、第2の実施例と同様に外側マスク部30と内側マスク部31との複層構造となっている。そして、(A)の立体マスクは外側マスク部30の内側に、(B)の立体マスクは内側マスク部31の外側に夫々粘着部25を介して発熱シート5が着脱自在に貼着されている。
【0050】
このようにマスク本体3を複層構造として、その層間に発熱シート5を介装する場合でも、粘着部25を介して外側マスク部30又は内側マスク部31に発熱シート5を貼着してもよい。また(B)の場合には内側マスク部31の外側に発熱シート5を貼着するため、内側マスク部31を偏平状に閉じた状態で発熱シート5を貼着でき、発熱シート5を容易に貼着できる。
【0051】
図12〜図14は本発明の第4の実施例を例示する。この立体マスクは、マスク本体3の左右の不織布シート1に保形体33が設けられ、その保形体33に対応して発熱シート5が粘着部25を介して不織布シート1の内面側に貼着されている。
【0052】
保形体33は不織布シート1の上部側を顔面の凹凸形状に沿わせるためのもので、薄い帯状等に構成され、各不織布シート1の前面側上部等の適当箇所に、例えば突出覆い部7の上端側から主覆い部6の接合部20の上端側との間にその上端縁に沿って斜め方向に略対称に設けられている。
【0053】
この保形体33は例えば分子配列が一軸方向に配列されたポリオレフィン系合成樹脂製等のテープ状のもの、又は複数本の金属線材を設けたもの等が適当である。なお、保形体33はマスク本体3の内面側に設けてもよい。また保形体33は不織布等のカバー34で覆っている。更に保形体33は各不織布シート1に対応する部分を一体にしてもよい。
【0054】
発熱シート5は上部と下部との複数箇所に粘着部25が設けられ、上部の粘着部25が保形体33に対応する位置で、下部の粘着部25が保形体33から外れた位置で夫々不織布シート1の内側に着脱自在に貼着されている。なお、粘着部25は裏面側の略全面に設けてもよい。
【0055】
このようにすれば、装着後に保形体33を前側から顔面側へと押圧する等して、図13に示すように保形体33を鼻梁14部の両側部分の凹凸形状に沿って屈曲させることにより、マスク本体3の上部側のフィット性がより向上する。
【0056】
また保形体33に対応して不織布シート1に粘着部25を貼着することにより、粘着部25を介しての発熱シート5の貼着が容易であり、しかも発熱シート5の剛性が不織布シート1のそれよりも大きい場合でも、その保形体33によって発熱シート5を顔面の凹凸形状に沿って確実に支持できる。従って、マスク本体3を閉じた状態で発熱シート5を貼着し、その後にマスク本体3の不織布シート1を左右に広げるような場合でも、不織布シート1にしわ等ができることもない。
【0057】
またマスク本体3を広げた場合には、各不織布シート1は縦方向にも円弧状になる。このためマスク本体3を広げて立体形状にした後に、下側の粘着部25を不織布シート1に押し付けて貼着すれば、発熱シート5の下部側を固定できるだけでなく、上下の粘着部25間での不織布シート1のしわの発生等も防止できる。
【0058】
図15、図16は本発明の第5の実施例を例示する。この立体マスクでは、発熱シート5の左右に粘着部25が設けられ、その粘着部25を介して発熱シート5が不織布シート1の内側に着脱自在に貼着されている。例えば、発熱シート5の接合縁2に近い側には、その端縁側に上下方向の広い範囲に粘着部25が設けられている。
【0059】
この場合には左右の不織布シート1を広げた後、例えば図16に二点鎖線で示すように、接合縁2に近い側の粘着部25をその近傍で不織布シート1に貼着する。そして、次にマスク本体3を所定の立体形状に広げた後、遠い側の粘着部25を不織布シート1に押し付けて貼着する。このようにすれば、発熱シート5が左右方向に長い場合でも、左右の粘着部25間での不織布シート1のしわ等を防止できる。
【0060】
図17〜図22は本発明の第6の実施例を例示する。この立体マスクでは、図17〜図20に示すように、鼻部12の頂部から上側の接合縁2が略直線状に形成され、左右の不織布シート1に対応する発熱部5aを一体に備えた一体型の発熱シート5がその直線部2bに対応して不織布シート1の内側に着脱自在に貼着されている。なお、マスク本体3は保形体33を有し、その保形体33に対応して発熱シート5を貼着してもよい。発熱シート5は、左右の不織布シート1に跨がる長さを有するものであれば、左右の上顎洞9を加温する長さでもよい。
【0061】
発熱シート5は図21に示すように左右方向に長い帯状等の表シート22及び裏シート23を有し、その中間部を除く両側に、両シート22,23間に発熱粉体24が充填された発熱部5aが設けられ、また裏シート23の裏面には略全面に粘着部25と、これを保護する剥離紙26とが設けられている。発熱シート5は左右両側の発熱部5aと、この両発熱部5aを左右方向の略中央で接続する接続部5bとを有する構造になっている。勿論、使用前の発熱シート5は、図22に示すように密封袋27により密封されている。
【0062】
この立体マスクの使用に際しては、マスク本体3を広げて立体形状にした後、発熱部5a間の接続部5bが接合縁2に、両側の発熱部5aが接合縁2の両側で不織布シート1に夫々対応するように、粘着部25を介して発熱シート5を左右の不織布シート1の内側に貼着する。
【0063】
このように各不織布シート1に対応する2個の発熱部5aを有する発熱シート5を使用すれば、左右の不織布シート1に発熱シート5を個別に貼着する場合に比較して便利である。また発熱シート5は上下方向に所定の幅を有するが、接合縁2の直線部2bに対応してその裏側に貼着しているため、不織布シート1を左右に広げてマスク本体3を立体形状にした場合にも、発熱シート5が接合縁2に沿って上下方向に湾曲するようなこともない。従って、マスク本体3を立体的にした場合に、その形状が発熱シート5によって損なわれるようなこともない。
【0064】
図23〜図26は本発明の第7の実施例を例示する。この実施例の発熱シート5は、図23、図24に示すように、各不織布シート1に対応する発熱部5a間の接続部5bを除く両側に粘着部25が設けられている。従って、接続部5bの裏側には粘着部25がない。
【0065】
このようにすれば、発熱シート5の不織布シート1に対する貼着が容易であると共に、その後にマスク本体3を立体形状へと容易に広げることができる。発熱シート5を貼着するときには、粘着部25を外側にして発熱シート5を二つ折り状にし、図25に示すように粘着部25のない接続部5bに弛み5cを持たせて、その状態でV字状の一対の不織布シート1間に挿入する。そして、二つ折り状の発熱シート5の先端がV字状の一対の不織布シート1間に当たれば、一対の不織布シート1を両側から加圧して粘着部25を各不織布シート1に貼着する。
【0066】
その後、両不織布シート1を左右に広げると、発熱シート5の接続部5b側に弛み5c分があるので、先に両不織布シート1に貼着しているにも拘わらず、発熱シート5が障害となることもなくマスク本体3を立体形状に広げることができる。
【0067】
なお、発熱シート5の接続部5bの弛み5cは、貼着に際して持たせてもよいが、図26に示すように、発熱シート5の製造工程において、表シート22と裏シート23とを熱溶着するときに、熱成型等で予め成型しておいてもよい。
【0068】
図27〜図31は本発明の第8の実施例を例示する。この実施例の発熱シート5は、図27〜図29に示すように、左右方向の略中央にマスク本体3の接合縁2に対応して切り欠き部35が形成されている。この切り欠き部35は中間に接続部5bを残して上下両側からU字状に形成されている。発熱シート5の裏面には粘着部25が設けられているが、略全面に設けてもよいし、略全体に略均一に分散して筋状又は点状に設けてもよい。また発熱シート5は通常は密封袋27に封入されている。
【0069】
これらの発熱シート5を使用する場合には、発熱シート5を密封袋27から取り出した後、切り欠き部35がマスク本体3の接合縁2の内側に対応するように、粘着部25を介して不織布シート1の内側に貼着する。その際に、例えば図30に示すように発熱シート5を二つ折り状にして、接続部5bをマスク本体3の左右の不織布シート1の接合縁2の内側に当てて、その接続部5bを接合縁2側へと押し込む。
【0070】
このようにすると、図27に二点鎖線で示すように上下の切り欠き部35の左右幅が狭くなりながら、マスク本体3の立体形状に沿って発熱シート5全体が変形する。従って、広げたときに立体形状になるマスク本体3にシート状の発熱シート5を貼着しているにも拘わらず、マスク本体3の立体形状に沿って発熱シート5を容易に変形させることができ、マスク本体3、発熱シート5の何れにもしわ等が発生することはない。このため発熱シート5の貼着部位の接合縁2を直線状に構成する必要もない。
【0071】
切り欠き部35は、図31の(A)に示すように上側の接続部5bを残して下側にV字状に形成してもよいし、(B)に示すように下側の接続部5bを残して上側からスリット状に形成してもよい。また切り欠き部35は(C)に示すように上下両側の接続部5bを残して中間に長孔等の開口状に形成してもよい。
【0072】
粘着部25は、(A)に示すように接続部5bを含む裏面側の略全面に設ける他、(B)に示すように接続部5bと切り欠き部35の両側近傍等の複数箇所に設けてもよいし、(C)に示すように接続部5bのみ設けてもよい。
【0073】
なお、(B)に示すように上下方向、左右方向に間隔を置いて粘着部25を設けるか、または(C)に示すように上下方向に間隔を置いて粘着部25を設けておけば、マスク本体3を左右に広げて立体形状にする場合に、その内面側に発熱シート5があるにも拘わらず、この発熱シート5が邪魔にならず左右の不織布シート1を所定形状に湾曲させることができる。
【0074】
図32、図33は本発明の第9の実施例を例示する。図32は使い捨て立体マスク封入体を示し、この使い捨て立体マスク封入体は、ガスバリアー性を有する密封袋37内に、一体型の発熱シート5を備えた立体マスク36が封入されている。発熱シート5は、不織布シート1と、外周が不織布シート1に熱融着等で固着された不織布製の表シート22との間に発熱粉体24が充填されている。なお、立体マスク36は、偏平状態又はそれを二つ折り等に折り畳んだ状態で密封袋37に封入されており、使用時に密封袋37から取り出す。
【0075】
このように発熱シート5を備えた立体マスク36を密封袋37に封入してもよい。この場合には、発熱シート5を貼着する煩わしさがなく、発熱シート5付きの立体マスク36を簡便に使用できる。またマスク本体3の不織布シート1を利用して設けてもよい。
【0076】
図34、図35は本発明の第10の実施例を例示する。この実施例の使い捨て立体マスク封入体は、ガスバリアー性を有する密封袋37内に、貼着型の発熱シート5を備えた立体マスク36が封入されている。発熱シート5は各不織布シート1に対応する発熱部5aを有し、裏シート23側の粘着部25を介してマスク本体3の各不織布シート1に貼着されている。発熱部5a間の接続部5bには粘着部25がなく、その部分に弛み5cを持たせた状態で発熱シート5が各不織布シート1に貼着されている。
【0077】
このように立体マスク封入体38は、貼着型の発熱シート5を備えた立体マスク36を密封袋27に収納したものでもよい。なお、粘着部25により発熱シート5をマスク本体3に貼着する場合に、その粘着部25は発熱シート5の裏面の略全面に設けてもよいし、筋状、点状等に設けてもよい。
【0078】
図36、図37は本発明の第11の実施例を例示する。この発熱シート5は、図36に示すように、発熱部5a間の接続部5bに上下方向にミシン目、ハーフカット等の破断部39が形成されている。なお、この発熱シート5は、通常は粘着部25に剥離紙26を貼って密封袋27に封入されている。粘着部25は略全面、又は一部の何れでもよい。また発熱シート5は、マスク本体3の中央上部の形状に合わせて、破断部39の両側でく字状に屈曲する形状になっている。
【0079】
このような構成の発熱シート5は、次のような使用が可能である。例えば図37に示すように、二つ折りの発熱シート5をV字状に広げた左右の不織布シート1の内側に粘着部25を介して貼着した後、両不織布シート1を左右に引っ張れば、マスク本体3が立体状になる過程で破断部39に破断力が掛かって、破断部39の上下両側又は一方側が左右に破断する。このため発熱シート5をマスク本体3の立体形状に合わせて貼着できる。
【0080】
また図37の状態から、接続部5bを接合縁2側に押圧して押し込んで行くと、そのときに破断部39が破断するため、発熱シート5をマスク本体3の立体形状に合わせて貼着できる。更に破断部39で破断して発熱部5a毎に別々に貼着してもよい。
【0081】
以上、本発明の各実施例について詳述したが、各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、実施例では、マスク本体3は主覆い部6の上側に篩骨洞16の表面近傍まで覆う突出覆い部7を備えたものを例示しているが、突出覆い部7のないものでもよい。
【0082】
また発熱シート5は篩骨洞16の表面部分を加温する他、鼻腔8、上顎洞9の表面を加温する大きさ、例えば左右方向に長い帯状等に構成してもよい。従って、発熱シート5の外形状は別段問題ではない。
【0083】
発熱シート5は立体マスクの着用時に着用者の顔面に接触しないことが望ましいが、接触するようにしてもよい。貼着型の発熱シート5の場合、その裏面側の粘着部25は略前面に設けてもよいし、筋状、点状に略均等に分散させて設けてもよい。更に接続部5bのみ、又は接続部5bを除く略全領域等に部分的に設けてもよい。なお、破断部39は接続部5bの上下両側に設けてもよいし、V字状、U字状その他の形状に形成してもよい。
【0084】
また各実施例では、加温シートとして、発熱粉体24の反応熱を利用した発熱シート5を例示しているが、この発熱シート5以外のもの、例えばシート材に遠赤外線発生材料のナノ粉体、微粉体等を適宜バインダーで塗工した加温シート、更には繊維内に遠赤外線発生材料のナノ粉体、微粉体等を混練した加温シート等でもよい。また発熱シート、加温シートに代替して、積極的に顔面を加温する機能のない不織布シート、織布シートその他の保温シートを採用してもよい。
【0085】
更に各実施例では、マスク本体3の内面側又は内部に発熱シート5等の加温シートを設けたものを例示しているが、マスク本体3の前面に発熱シート5等の加温シートを設けることも可能である。また加温シートとして発熱シート5を使用する場合、発熱シート5の前面側に通気性のないフィルム等を貼着して、発熱シート5の裏面側の通気作用により内部の発熱粉体24に空気を送るようにしてもよい。
【0086】
またマスク本体3の左右の不織布シート1の内面側の上縁部或いはその近傍、及び/又は発熱シート5等の加温シートの内面側の上端部等に粘着部等の滑り止め部を設け、この滑り止め部によって、装着状態のマスク本体3が着用者の顔面に対して上下に移動し難くなるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の第1の実施例を示す使い捨て立体マスクの斜視図である。
【図2】同装着状態の正面図である。
【図3】同装着状態の側面図である。
【図4】同装着状態の要部の平面断面図である。
【図5】同発熱シートの封入体の断面図である。
【図6】同発熱シートの封入体の平面図である。
【図7】同張力の測定結果を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例を示す使い捨て立体マスクの斜視図である。
【図9】同装着状態の平面断面図である。
【図10】同発熱シートの封入体の断面図である。
【図11】本発明の第3の実施例を示す平面断面図である。
【図12】本発明の第4の実施例を示す使い捨て立体マスクの側面図である。
【図13】同装着状態の平面断面図である。
【図14】同要部の拡大断面図である。
【図15】本発明の第5の実施例を示す要部の背面図である。
【図16】同平面断面図である。
【図17】本発明の第6の実施例を示す使い捨て立体マスクの斜視図である。
【図18】同装着状態の正面図である。
【図19】同装着状態の側面図である。
【図20】同平面断面図である。
【図21】同発熱シートの破断斜視図である。
【図22】同発熱シートの封入体の平面図である。
【図23】本発明の第7の実施例を示す装着状態の平面断面図である。
【図24】同発熱シートの斜視図である。
【図25】同貼着途中の断面図である。
【図26】同変形例を示す断面図である。
【図27】本発明の第8の実施例を示す立体マスクの背面図である。
【図28】同装着状態の平面断面図である。
【図29】同側面断面図である。
【図30】同発熱シートの斜視図である。
【図31】(A)〜(C)は発熱シートの背面図である。
【図32】本発明の第9の実施例を示す立体マスクの平面図である。
【図33】同断面図である。
【図34】本発明の第10の実施例を示す立体マスクの平面図である。
【図35】同断面図である。
【図36】本発明の第11の実施例を示す立体マスクの平面図である。
【図37】同断面図である。
【符号の説明】
【0088】
2 接合縁
3 マスク本体
4 耳掛け部
5 発熱シート(加温シート)
25 粘着部
5a 発熱部
5b 接続部
22 表シート
23 裏シート
24 発熱粉体
33 保形体
35 切り欠き部
36 使い捨て立体マスク
37 密封袋
39 破断部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク本体(3)と、該マスク本体(3)の左右両側に設けられた一対の耳掛け部(4)とを備えた不織布製の使い捨て立体マスクであって、前記マスク本体(3)は左右の不織布シート(1)を該マスク本体(3)の略中央で上下方向の略円弧状の接合縁(2)により接合して成り、左右の前記不織布シート(1)に、着用者の顔面の被加温部位を加温する加温シート(5)又は着用者の被保温部位を保温する保温シートを設けたことを特徴とする使い捨て立体マスク。
【請求項2】
前記マスク本体(3)は内外に不織布シート(1)を備えた複層構造であり、該不織布シート(1)の層間に前記加温シート(5)又は保温シートを介装したことを特徴とする請求項1に記載の使い捨て立体マスク。
【請求項3】
前記加温シート(5)又は保温シートは前記マスク本体(3)の内面に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の使い捨て立体マスク。
【請求項4】
前記加温シート(5)又は保温シートは前記左右の不織布シート(1)に跨がる長さを有し、該加温シート(5)に前記接合縁(2)に対応して切り欠き部(35)を設けたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の使い捨て立体マスク。
【請求項5】
前記加温シート(5)又は保温シートは粘着部(25)を介して前記不織布シート(1)に着脱自在に貼着したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の使い捨て立体マスク。
【請求項6】
前記マスク本体(3)は前記各不織布シート(1)の上部を着用者の顔面の凹凸形状に沿わせるための保形体(33)を有し、該保形体(33)に対応して前記不織布シート(1)に前記加温シート(5)又は保温シートを貼着したことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の使い捨て立体マスク。
【請求項7】
前記加温シート(5)は発熱粉体(24)の反応熱により加温する発熱シートであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の使い捨て立体マスク。
【請求項8】
前記加温シート(5)は左右の各不織布シート(1)に対応する発熱部(5a)と、該両発熱部(5a)間を接続する接続部(5b)とを備えた前記発熱シートであることを特徴とする請求項7に記載の使い捨て立体マスク。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の使い捨て立体マスク(36)をガスバリアー性を有する密封袋(37)に封入したことを特徴とする使い捨て立体マスク封入体。
【請求項10】
マスク本体(3)に貼着して使用される使い捨て立体マスク用加温シートであって、左右方向の略中央に形成された切り欠き部(35)を備えたことを特徴とする使い捨て立体マスク用加温シート
【請求項11】
マスク本体(3)に貼着して使用される使い捨て立体マスク用加温シートであって、左右方向の略中央に破断可能な破断部(39)を上下方向に設けたことを特徴とする使い捨て立体マスク用加温シート
【請求項12】
発熱粉体(24)の反応熱により発熱する左右両側の発熱部(5a)と、左右方向の略中央で前記両発熱部(5a)間を接続する接続部(5b)とを備え、裏面側に貼着用の粘着部(25)を有することを特徴とする請求項10又は11に記載の使い捨て立体マスク用加温シート
【請求項13】
前記切り欠き部(35)又は破断部(39)の左右両側に前記粘着部(25)を有することを特徴とする請求項12に記載の使い捨て立体マスク用加温シート。
【請求項14】
少なくとも前記接続部(5a)に前記粘着部(25)を有することを特徴とする請求項12に記載の使い捨て立体マスク用加温シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【公開番号】特開2009−200(P2009−200A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−162421(P2007−162421)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(504373864)明広商事株式会社 (43)
【Fターム(参考)】