説明

使用済み酸化ルテニウム含有触媒からルテニウムを回収する方法

本発明は、鉱酸に容易に溶解しない担体材料に酸化ルテニウムとしてルテニウムを含む使用済み酸化ルテニウム含有触媒からルテニウムを回収する方法に関し、以下の工程を有する。
a)酸化ルテニウム含有触媒を、塩化水素、及び場合により不活性ガスを含むガス流中で300から500℃の温度で還元する工程。
b)やや難溶性の担体材料上に金属ルテニウムを含む工程a)で得られた還元触媒を、酸素含有ガスの存在下で塩酸により処理を行い、担体に存在する金属ルテニウムを塩化ルテニウム(III)として溶解し、そして塩化ルテニウム(III)溶液として得る工程。
c)場合により、工程b)により得られた塩化ルテニウム(III)溶液を更に処理する工程。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済み酸化ルテニウム含有触媒からルテニウムを回収する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1868年に、Deaconにより開発された塩化水素の触媒酸化に関する方法において、塩化水素は、塩素を生成するために発熱平衡反応において、酸素により酸化される。特許文献1には、そのような塩化水素の触媒酸化の方法について開示されている。ここで、ルテニウム含有支持触媒が使用されている。この場合、ルテニウムは、担持するために、塩化ルテニウム、オキシ塩化ルテニウム、クロロルテニウム錯体、ルテニウム水酸化物、又はルテニウムアミン錯体又は更なるルテニウム錯体の形で適用される。特許文献2によれば、酸化アルミニウム上の塩化ルテニウム(III)が、塩化水素の触媒酸化のための触媒として使用される。
【0003】
y−酸化アルミニウムが通常、酸化アルミニウム担体として使用される。
【0004】
担体としてのy−酸化アルミニウム上に白金族金属を含む使用済みの貴金属は、回収するために湿式冶金の方法により通常は処理される。ここで、y−酸化アルミニウム支持は、水酸化ナトリウム溶液又は硫酸に溶け、貴金属は非溶解残留物として残る。この種の回収方法では、使用済みの触媒が低い炭素含有量を持つことが要求される。高い炭素含有量を持つ貴金属触媒及び、例えば、α−アルミニウム酸化物、シリコン酸化物又はゼオライトのような非溶解担体に貴金属を含む触媒は、貴金属の回遊にピロ冶金の方法により処理される。高温冶金の方法においては、触媒は1300℃を超える温度で溶融物に変換され、引き続いて要素成分に分離される。非特許文献1、2を参照のこと。高温冶金の方法による使用済みの貴金属含入触媒から貴金属を回収する方法は、複雑で高価である。
【0005】
y−酸化アルミニウムに基礎を置く触媒を採用する塩化水素の触媒酸化の方法の不利な点は、触媒の機械的な強度が低いことである。この結果、摩損と微細粉塵が形成される。この理由により、担体としてのα−酸化アルミニウムの上にルテニウムを含む貴金属触媒が、塩化水素の触媒酸化で使用されている。α−酸化アルミニウムは水酸化ナトリウム溶液及び硫酸の両方に非溶解なので、触媒を含む使用済みのα−酸化アルミニウムから湿式冶金の方法でルテニウムを回収することは不可能である。
【0006】
特許文献3は、ルテニウム又は酸化ルテニウムを含む残留物からルテニウムを回収する方法を開示している。ここで、残留物は、塩化ルテニウムを生成するために塩素ガスと高温で反応させる。揮発性の塩化ルテニウムは、引き続いて塩化バリウム液を通過され、水溶性のBaRuCl5として集積される。
【0007】
特許文献4は、ルテニウムの回収方法について開示している。ここで、腐食防止担体の上に存在する酸化ルテニウムは、最初に金属ルテニウムに還元され、続いて溶解可能なアルカリ金属ルテネートに変換される。
【0008】
特許文献5は、更なる金属を含むルテニウム含有混合酸化物からルテニウムを回収する方法に関連している。ルテニウム含有混合酸化物は還元され、ルテニウムと更なる金属が還元される。ルテニウムと異なる更なる金属は、引き続いて酸処理により溶解され、ルテニウムは非溶解残留物として残留し、濾過により分離される。
【0009】
特許文献6は、支持材料に酸化ルテニウムを含む使用済みのルテニウム含有触媒からルテニウムを回収する方法について記載している。この方法において、担体に存在する酸化ルテニウムは最初の工程で金属ルテニウムに還元され、続いて酸素含有ガスの存在下で、塩酸により塩化ルテニウム(III)として溶解される。
【0010】
水素の使用は、分離した工程を必要とする。加えて、非活性化触媒は、分離した還元炉にインストールされなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】EP-A0 743 277
【特許文献2】GB 1,046,313
【特許文献3】JP 03-013531
【特許文献4】JP 58-194745
【特許文献5】JP 2002-206122
【特許文献6】DE-A 10 2005 061 954
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Hydrocarbon Engineering July 2003, pages 48-53.
【非特許文献2】Hydrocarbon Engineering March 2004, pages 31-36.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、鉱酸に容易に溶解しないセラミック担体の酸化物の形のルテニウム含有触媒からルテニウムを回収する方法を提供することにある。方法は実行することが簡単であり、高価ではない。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的は、鉱酸に容易に溶解しない担体材料に酸化ルテニウムとしてルテニウムを含む使用済みのルテニウム含有触媒からルテニウムを回収する方法により達成される。この方法は以下の工程を含む。
a)酸化ルテニウム含有触媒を、塩化水素、及び場合により不活性ガスを含むガス流中で300から500℃の温度で還元する工程。
b)工程a)で得られた還元触媒を、酸素含有ガスの存在下で塩酸により処理を行い、担体に存在する金属ルテニウムを塩化ルテニウム(III)として溶解し、そして塩化ルテニウム(III)溶液として得る工程。
c)場合により、工程b)により得られた塩化ルテニウム(III)溶液を更に後処理する工程。
【発明を実施するための形態】
【0015】
RuO2は、塩化水素により還元できることが分かっている。RuCl3を介して元素ルテニウムに還元されることが仮定されている。このように、もし、酸化ルテニウム含有触媒が、塩化水素で処理されると、酸化ルテニウムは、十分長い処理時間を経た後に、恐らく定量的にルテニウムに還元される。
【0016】
水素を用いる分離還元は、このように必要ない。使用済みの触媒は、塩化水素の酸化が実行される反応炉で還元され得る。触媒は、分離した還元炉にインストールされる必要はない。
【0017】
本発明の方法により処理され得る、最適で控えめに溶解可能な担体材料は、例えば、α−酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化チタン(ルチル及びアナターゼTiO2、好ましくはルチルTiO2)、二酸化ジルコニウム、ゼオライト及びグラファイトである。好ましい担体は、α−酸化アルミニウムである。
【0018】
本発明の方法は、Deaconプロセスで使用され、及び恐らくは更なる担体材料を含む担体としてのα−酸化アルミニウムを含む使用済みのルテニウム含有触媒からルテニウムを回収するために使用される。一般に、担体は、基本的にはα−酸化アルミニウムから成るが、更なる担体材料、例えば、グラファイト、二酸化珪素、二酸化チアン及び/又は二酸化ジルコニウム、好ましくは二酸化チタン及び/又は二酸化ジルコニウムを含むことができる。一般に、この触媒は、200℃以上の温度、好ましくは350℃以上の温度で、塩化水素の触媒酸化で使用される。反応温度は、一般に600℃以上、好ましくは500℃以上ではない。
【0019】
Deaconプロセスとして知られている触媒プロセスにおいて、塩化水素は発熱平衡反応で酸素により酸化され、水蒸気と共に塩素を生成する。酸素は通常、超量子化学量論的な量が使用される。例えば、酸素の2から4倍過剰は慣習的である。選択性における減少は恐れる必要がないので、比較的高い圧力で及び大気圧のときよりも長い滞在時間で作用するので経済的な利点があり得る。
【0020】
塩化水素の触媒酸化が行われる慣習的な反応装置は、固定床及び流動床反応炉である。塩化水素の酸化は複数の段階で実行し得る。
【0021】
塩化水素の触媒酸化は、断熱的に又は好ましくは等温で、又は概ね等温で、不連続に又は好ましくは連続的に、移動床又は固定床工程で実行され得る。移動床反応炉で、320から400℃の温度で、2から8バールの圧力下で実行されるのが好ましい。
【0022】
等温又は概ね等温の操作モードにおいて、複数の、すなわち2から10、好ましくは2から6、特に好ましくは2から5台の付加的な中型冷却装置付きの反応炉をシリーズにして使用することも可能である。酸素は、最初の反応炉の塩化水素流と共に全部の炉に添加することができるし、添加を様々な反応炉に亘り、分布させても良い。この個々の反応炉のシリーズの接続を、一つの装置内に合併させることも可能である。
【0023】
一つの実施の形態は、固定床反応炉内で、流れの方向に触媒の活性が増加するように構築された触媒床の使用を含んでいる。そのような構築は、触媒担体を活性成分での異なる飽和により、又は不活性材料での触媒の異なる希釈により為され得る。不活性材料は、例えば、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム又はそれかの混合物の円環、円筒又は球、酸化アルミニウム、凍石、セラミック、ガラスグラファイト又はステンレス鋼を使用することができる。形成した触媒体の好ましい使用においては、不活性材料は同じ外寸法を有することが望ましい。
【0024】
形付けられた最適な触媒体は、選択が与えられているペレット、円環、円筒、星、車輪又は球状、特に好ましくは円環、円筒又は星状の押し出し物の何れかである。
【0025】
触媒は、平均粒子径10から200ミクロンの粉末の形状で流動床触媒としても使用できる。触媒は、好ましくは流動床触媒として使用される。
【0026】
支持されたルテニウム触媒は、例えば、支持材料をRuCl3水溶液への含浸及び付加的な好ましいそれらの塩化物の形のドーピングのための増進剤により得ることができる。触媒の形つくりは、支持材料の含浸の後、好ましくは前に実行することができる。
【0027】
ドーピングのための最適な増進剤は、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム及びセシウム、好ましくはリチウム、ナトリウム及びカリウム、特に好ましくはカリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウム、好ましくはマグネシウム及びカルシウム、特に好ましくはマグネシウム等のアルカリ土類金属、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム及びネオジム、好ましくはスカンジウム、イットリウム、ランタン及びセリウム、特に好ましくはランタン及びセリウム等の希土類金属、又はそれらの混合物である。
【0028】
含浸及びドーピングの後に、担体材料は、乾燥され、そして選択的に100から500℃、好ましくは100から400℃の温度で、例えば、窒素、アルゴン、又は空気中でか焼される。最初に担体材料を100から200℃で乾燥させ、続いて200から400℃でか焼させることに設定されている。
【0029】
反応炉入り口で酸素に対する塩化水素の体積比は、一般に1:1から20:1、好ましくは2:1から8:1、特に好ましくは2:1から5:1である。
【0030】
本発明の方法によって作り上げられるルテニウム含有触媒は、担体材料をルテニウム塩の水溶液に含浸し、担体材料の含浸後、好ましくは含浸前に触媒の成形を行うことにより得られる。触媒は、平均粒子径10から200μmの粉末状の流動床触媒としても使用することができる。固定床触媒として、一般に、それらは成形された触媒体の形で使用される。含浸の後、整形された触媒体又は粉末は、通常、乾燥され、続いて空気、窒素又はアルゴン、好ましくは空気の雰囲気中で100から400℃の温度でか焼される。成形された触媒体又は粉末は、好ましくは最初に100から150℃で乾燥され、続いて200から400℃でか焼される。か焼の間、塩化物から酸化物が生成される。
【0031】
ルテニウム含有担体触媒からルテニウムを回収する本発明の方法の特別な利点は、ルテニウムが塩化ルテニウム(III)水溶液の形で得られる事実である。この塩化ルテニウム(III)は、新しい担体材料に施与し、続いて乾燥させ、場合により含浸した担体のか焼により、新しい触媒を生産するために引き続いて使用することができる。
【0032】
一般に、含浸溶液のルテニウム濃度は、1から10質量%、好ましくは2から6質量%である。もし、本発明の方法の工程b)で塩化ルテニウム(III)水溶液が低い濃度で得られたなら、濃縮工程が望ましく続いて行われる。
【0033】
最初の工程a)において、触媒は、300から500℃、好ましくは330から450℃、特に好ましくは380から430℃の温度で、塩化水素及び選択的に不活性ガスを含むガス流により還元される。塩化水素含有のガス流は、更に、窒素又はアルゴン等の不活性ガス、又は更に希ガスを含んでも良い。一般に、ガス流は、少なくとも10から100体積%の塩化水素を含む。使用するガスの量は、一般に、触媒kg当たり0.1から1kgである。処理時間は、例えば、1から36時間である。
【0034】
工程b)のルテニウムの酸化は、20から37質量%、例えば略32質量%の濃度の塩化水素を持つ濃縮された塩酸中で好ましく行われる。酸化は、酸素を含むガス、好ましくは空気の存在化で行われる。例えば、金属ルテニウムを含むやや難溶性の担体は、圧力釜に濃縮された塩素と共に置かれる。空気はこの溶液中を通過することができる。溶液量を制限するために、ガス状の塩化水素を付加的に通すことができる。金属ルテニウムの溶解は、60から150℃、例えば、約100℃の高められた温度で通常起こる。
【0035】
得られる塩化ルテニウム(III)含有水溶液は、更なる金属をそれらの塩化物の形で選択的に含めることができる。これらの更なる金属は、反応炉に源を発し、摩損の結果として触媒に入り込む(例えば、ニッケル含有スチールからのニッケル)、又はルテニウム含有触媒のルテニウムに添加する更なる活性金属として含ませられる。このように、ルテニウム含有触媒は、例えば、パラジウム、プラチナ、オスミウム、イリジウム、銅、銀、金又はレニウムから選ばれた更なる貴金属を含むことができる。これらの更なる金属は、付加的なワークアップ工程c)において、通常の方法により部分的に又は完全に分離することができる。最適な方法は、Beck、Edelmentall-Taschenbuch、第2版、Heidelberg:Huethig 1995年 及び Winnacker-Kuechler、Chemische Technologie, 第4版、第4巻、頁540から572に記載されている。
【0036】
本発明の実施の形態では、ルテニウム含有触媒は、更なる金属としてニッケルを含んでいる。それ故、工程b)により、結果として溶解した形で塩化ルテニウム(III)のみならずニッケルをも含む溶液が得られる。この溶液は続いて、場合により濃縮された後、新しい支持されたルテニウム触媒を生産するために使用される。
【0037】
使用済みの非活性化された流動床のDeacon触媒は、例えば、塩化ニッケルとしてニッケルを2.5質量%まで含むことができる。もし、触媒が気体のHClを用いて反応炉内の現位置で還元されるなら、還元された触媒は、塩化ニッケルを2.5質量%含む。この触媒の塩化ニッケルを水で洗い流すことがない処理で、ルテニウムとニッケルを含む水溶液が得られることとなる。この溶液は、新しい触媒の調製のための以前の処理なしに、触媒の活性を改善するドーパントとしてのニッケルと共に使用することができる。
【0038】
本発明は以下の実施例で説明される。
【実施例】
【0039】
実施例1
使用済みの非活性化された流動床触媒(α−Al23上の2%RuO2、d=50μm)585gを、直径44mm、高さが990mm、床高さが300から350mmの流動床反応炉内で、430℃で70時間、気体状のHCl、100 標準リットル/時間で処理をした。この方法で得られた還元された触媒は、2500mlのガラス反応炉内で96時間、激しく撹拌しながら、100℃の20%強HCl溶液200mlで処理された。処理時間中、空気20標準リットル/時間がバブルされた。Ru含有溶液の上清が濾過により固体(担体)から分離され、濾塊は500mlの水で洗われた。化合した水相は、98%を超えるルテニウムを有していた。水溶液は続いて更に処理することができる。
【0040】
実施例2
α−Al23(平均直径(d50):50μm)上の2質量%のRuO2を含む使用済みの非活性化された流動床触媒585g、及びニッケル含有反応炉の腐食と浸食の結果として、塩化ニッケル2.5質量%が、実施例1で記載された流動床反応炉内で70時間、430℃の気体状HCl、100標準リットル/時間で処理された。この方法で得られた還元された触媒は、2500mlのガラス反応炉内で96時間、激しく撹拌しながら、100℃の20%強HCl溶液200mlで処理された。処理時間中、空気20標準リットル/時間がバブルされた。Ru及びNi含有溶液の上清が濾過により固体(担体)から分離され、濾塊は500mlの水で洗われた。化合した水相は、98%を超えるルテニウム及びニッケルを有していた。この水溶液を18mlまで蒸発させることで、ルテニウム4.2質量%、ニッケル7.0質量%を得た。これを、回転するガラスフラスコ中でα−Al23(粉末、平均直径(d50):50μm)50gに施与した。そして、湿った固体を続いて120℃16時間乾燥させた。乾燥した固体は、続いて380℃2時間、空気中でか焼された。
【0041】
この触媒2gは、118gのα−Al23と混合され、HCl、9.0標準リットル/時間及びO2、4.5標準リットル/時間が流動床反応炉(d=29mm;流動床の高さ:20−25cm)内で、360℃の温度でガラスフリットを介して下部から通過された。そして、HCl変換率が、ヨウ化カリウム溶液に結果として生じるガス流を通し、形成されたヨウ素をチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定することにより、測定された。40.0%のHCl変換率が見いだされた。ニッケルがなく、新しい塩化ルテニウム溶液から類似して調製される、相当する触媒は、37.7%の変換率である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉱酸に容易に溶解しない担体材料に酸化ルテニウムとしてルテニウムを含む使用済みルテニウム含有触媒からルテニウムを回収する方法であって、
a)酸化ルテニウム含有触媒を、塩化水素、及び場合により不活性ガスを含むガス流中で300から500℃の温度で還元する工程、
b)前記工程a)で得られた還元触媒を、酸素含有ガスの存在下で塩酸により処理を行い、担体上に存在する金属ルテニウムを塩化ルテニウム(III)として溶解し、そして塩化ルテニウム(III)溶液として得る工程、
c)場合により、前記工程b)により得られた前記塩化ルテニウム(III)溶液を更に処理する工程、
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記やや難溶性の担体材料は、α−酸化アルミニウムを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ルテニウム含有触媒は、前記やや難溶性の担体を前記塩化ルテニウム(III)溶液への浸漬、乾燥、及びか焼により調製されることを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記工程b)又はc)で得られる前記塩化ルテニウム(III)は、新しい触媒の調製に使用されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記使用済みのルテニウム含有触媒は、ニッケルを含むことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記工程b)で得られる前記塩化ルテニウム(III)溶液は、前記ニッケルを溶解した形で含み、該溶液は、場合により、濃縮された後に、新しい触媒を調製するために使用されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ルテニウム含有触媒は、塩化水素の酸化において使用されることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の方法。


【公表番号】特表2012−513893(P2012−513893A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−544038(P2011−544038)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067939
【国際公開番号】WO2010/076297
【国際公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】