説明

使用物保管庫、USBメモリ保管庫、及びキー付きUSBメモリ

【課題】
オフィスにおいて使用されるUSBを保管するためのUSBメモリ保管庫を提供すること。
【解決手段】
オフィスにおいて使用されるUSBを保管するためのUSBメモリ保管庫において、ICチップ14を備える電子キー20とUSBメモリ21が一体に形成されたキー付きUSBメモリ11が装着される鍵孔7と、ICチップ14からデータを読取る読取手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスにおいて使用される使用物を保管するための使用物保管庫、USBメモリを保管するUSBメモリ保管庫、及びキー付きUSBメモリに関するものである。
【背景技術】
【0002】
USBメモリ保管庫とは、複数人が使用する複数個のUSBメモリを集中的に管理することのできる保管庫をいう。
従来、USBメモリを保管するUSBメモリの保管庫は存在しないが、オフィスにおいて広く必要とされ始めている。特に、企業内の重要な情報が含まれるUSBメモリをオフィス内で管理するのは当然である。さらに、USBメモリを保管するUSBメモリは、通常、管理者が個人的に管理する場合が多い。
特許文献1は、USBメモリ保管庫に関する発明ではなく、コピー機に関する発明であるが、特許文献1の技術的思想を使えばUSBメモリを集中的に管理できる保管庫を想到することができる。
例えば、特許文献1のUSBメモリの保管庫は、蓋体40が、収納凹部30を塞ぐように取付けられている。蓋体40には、収納ポケット部42が形成されている。
USBメモリを保管するときには、収納ポケット部42にUSBを収納して、蓋体40が、収納凹部30を塞ぐ。それにより、USBメモリを保管することができる。
【0003】
【特許文献1】特開2007−168167号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には錠は付いていないが、厳重にUSBメモリを保管するときには錠を付けて錠をかけておくことができる。さらに、錠にICカードや指紋認証手段等を設けることにより、より厳重にUSBメモリを保管することができる。
しかしながら、USBメモリ保管庫に錠を付けたのみでは、蓋が何時開いたか、何時閉じられたかについては、把握することができるが、実際にUSBメモリが返却されたかどうか、また、偽のUSBメモリが返却されたかどうか、は不明であるという問題がある。
また、USBが持ち出された場合に、どのパソコンで使われたか、何時から何時までパソコンで使われたか、また、どのファイルを使ったか、は分からないため、重要な情報の管理を厳重に行うことができないという問題がある。
また、USBメモリに対して一つ一つ蓋をつけると、それだけでスペースをとることになるという問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、複数個のUSBメモリを集中的に管理することのできるUSBメモリ保管庫、及びキーとUSBメモリとが一体に形成されたことを特徴とするキー付きUSBメモリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る使用物保管庫、USBメモリ保管庫、及びキー付きUSBメモリは以下の構成を有する。
(1)オフィスにおいて使用される使用物を保管するための使用物保管庫において、ICチップを備える電子キーと使用物が一体に形成された複合キーが装着される鍵孔と、ICチップからデータを読取る読取手段と、を有することを特徴とする。
(2)オフィスにおいて使用されるUSBメモリを保管するためのUSBメモリ保管庫において、ICチップを備える電子キーとUSBメモリが一体に形成された複合キーが装着される鍵孔と、ICチップからデータを読取る読取手段と、を有することを特徴とする。
(3)(2)に記載するUSBメモリ保管庫において、鍵孔に電子キーが装着されるときに、USBメモリが装着され、USBメモリの使用履歴を読取るUSBメモリ履歴読取手段を有すること、を特徴とする。
(4)(2)に記載するUSBメモリ保管庫において、USBメモリとICチップとが電気的に接続されており、接触式ICチップがUSBメモリの使用履歴を記憶していることを特徴とする。
(5)(3)に記載するUSBメモリ保管庫において、複合キーが、電子キーに対して、USBメモリをスライド可能に保持するUSBメモリスライド手段を有することを特徴とする。
(6)(3)に記載するUSBメモリ保管庫において、複合キーが、電子キーに対して、USBメモリを回転可能に保持するUSBメモリ回転手段を有することを特徴とする。
(7)USBメモリと、USBメモリ保管庫の鍵孔に装着ロックされて管理されるキーと、を有し、USBメモリとキーとが一体に形成されていること、を特徴とする。
(8)(7)に記載するキー付きUSBメモリにおいて、キーとUSBメモリコネクタが同一方向を向いていることを特徴とする。
(9)(8)に記載するキー付きUSBメモリUにおいて、キーに対して、USBメモリをスライド可能に保持するUSBメモリスライド手段を有することを特徴とする。
(10)(8)に記載するキー付きUSBメモリにおいて、キーに対して、USBメモリを回転可能に保持するUSBメモリ回転手段を有することを特徴とする。
(11)(8)乃至(10)に記載するキー付きUSBメモリのいずれか一つにおいて、キーが電子キーであることを特徴とする。
(12)(11)に記載するキー付きUSBメモリにおいて、USBメモリとICチップとが電気的に接続されており、ICチップがUSBメモリの使用履歴を記憶していることを特徴とする。
(13)(1)に記載する使用物保管庫おいて、使用物が鍵であることを特徴とする。
(14)(7)に記載するキー付きUSBメモリにおいて、外部USB接続端子と、空洞を備える本体と、空洞内に装着されるUSBメモリと、を有し、本体の外部に設けられた第1USB接続端子と、USBメモリの接続端子とを接続する第1配線と、ICチップと第1USB接続端子の電源端子とを接続する第2配線と、を有することを特徴とする。
(15)(14)に記載するキー付きUSBメモリを保管するためのUSBメモリ保管庫において、第2配線と接続する保管庫側接続端子と、本体をロックするロック手段とを有すること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上記構成を有するUSBメモリ保管庫の作用を説明する。
USBメモリ保管庫を、壁に設置する。
本発明のUSBメモリの保管に際しては、電子キーをUSBメモリ保管庫のデジタル鍵孔に装着する。電子キーを装着すると電子キーに対してUSBメモリ保管庫が施錠をするため、電子キーはUSBメモリ保管庫から抜けなくなる。その後に、USBメモリ保管庫の扉を閉めることにより、USBメモリを保管する。
USBメモリを保管庫に、USBメモリコネクタ装着部がある場合には、電子キーとUSBメモリコネクタとを、装着する場合がある。
USBメモリ保管庫から電子キーを取出すには、まずUSBメモリ保管庫にある、指紋認証手段及びICカードなどにより、使用者を特定したうえで、次に、USBメモリ保管庫にあるテンキーを押し暗証番号を押すことで、扉が開き、暗証番号に該当するキーのロックが外れ、キーをUSBメモリ保管庫の装着部から抜き出すことができる。
USBメモリ保管庫は、電子キーを抜いたときの日時及び装着したときの日時を記憶する。
【0008】
キー付きUSBメモリは、USBメモリとキーとが一体に形成されている。一体に形成されている形態として、キーとUSBメモリコネクタが反対を向いている形態、キーとUSBメモリコネクタとが90度の位置関係にある形態、キーとUSBメモリコネクタが上下に一体に形成され同一方向を向いている形態、キーに対して、キーをUSBメモリの前後にスライド可能に保持するUSBメモリスライド手段を有する形態、キーに対して、USBメモリを回転可能に保持し、キーと上下に保持される形態とキーと前後に保持される形態にすることができるUSBメモリ回転手段を有する形態、である。
前記形態のキー付きUSBメモリのいずれか一つにおいて、キーが電子キーである。
USBメモリとICチップとが電気的に接続されており、ICチップがUSBメモリの使用履歴を記憶している。
【0009】
上記構成を有するUSBメモリ保管庫の効果を説明する。
(1)は、ICチップを備える電子キーと使用物が一体に形成された複合キーが装着される鍵孔を有する使用物保管庫であるので、本来、キーと使用物が別物であることにより、それぞれのスペースが必要なところ、キーと使用物が一体となっているためコンパクトであり、それだけスペースの狭いところに多くの複合キーを収納できる。
また、一体に形成された複合キーは破壊されなければ、使用物のみを持ち出すことはできないため、電子キーの保管の管理により、一体に形成された使用物についても管理することができる。
また、ICチップからデータを読取る読取手段を有するため、各々が固有の識別番号を有しているICチップのデータを読み出すことで本物を識別できるので、偽物のキーを保管されることにより、キーに形成された使用物を他の場所に持ち出されることを防止することができる。
(2)は、ICチップを備える電子キーとUSBメモリが一体に形成された複合キーが装着される鍵孔を有するUSBメモリ保管庫であるため、本来、キーとUSBメモリのスペースが必要なところ一体となっているため、それだけスペースの狭いところに多くの複合キーを収納できる。
また、一体に形成された複合キーは破壊されなければ、USBメモリのみを持ち出すことはできないため、電子キーの保管の管理により、一体に形成されたUSBメモリについても管理することができる。
また、ICチップからデータを読取る読取手段を有するため、各々が固有の識別番号を有しているICチップのデータを読み出すことで本物を識別できるので、偽物のキーを保管されることにより、キーに形成されたUSBメモリを他の場所に持ち出されることを防止することができる。
(3)は、鍵孔に電子キーが装着されるときに、USBメモリが装着され、USBメモリの使用履歴を読取るUSBメモリ履歴読取手段を有すること、を特徴とするUSBメモリ保管庫であるため、USBがどのパソコンで使われたか、何時から何時までパソコンで使われたか、また、どのファイルを使ったかを把握することができる。
また、USBメモリが実際に返却されたかどうか、また偽のUSBメモリが返却されていないかどうかの確認をすることができる。重要な情報の管理を厳重に行うことができる。
(4)は、USBメモリとICチップとが電気的に接続されており、接触式ICチップがUSBメモリの使用履歴を記憶していることを特徴とする保管庫であるため、USBメモリが使用された使用履歴が電子キーのICチップに記憶され、ICチップよりUSBメモリの使用履歴を読取ることができるため、USBがどのパソコンで使われたか、何時から何時までパソコンで使われたか、また、どのファイルを使ったかを把握することができる。
また、USBメモリが実際に返却されたかどうか、また偽のUSBメモリが返却されていないかどうかの確認をすることができる。重要な情報の管理を厳重に行うことができる。
さらに、万が一に破壊された場合にも、電気的に繋がっているため、USBメモリ保管庫は、キー付きUSBメモリが破壊されUSBメモリが持ち出されたことを認識することができる。そのため、責任を明確にすることができる。
(5)は、複合キーが、電子キーに対して、USBメモリをスライド可能に保持するUSBメモリスライド手段を有することを特徴とするUSBメモリ保管庫であるため、(3)と同様の効果を奏する。
(6)は、複合キーが、電子キーに対して、USBメモリを回転可能に保持するUSBメモリ回転手段を有することを特徴とするUSBメモリ保管庫であるため、(3)と同様の効果を奏する。
【0010】
(7)は、USBメモリ保管庫の鍵孔に装着ロックされて管理されるキーと、を有し、USBメモリとキーとが一体に形成されていること、を特徴とするキー付きUSBメモリであるため、キーとUSBメモリの管理が簡単である。
また、一体形成されているため、破壊しなければキーとUSBメモリとを分離できないため、USBメモリとキーを切り離しUSBメモリのみ持ち出すことはできない。
また、電子キーとUSBメモリとが一体形成されているので、ワイヤーで結ばれている場合に比べて、電子キーとUSBメモリとが付け根の部分で連結されているため、小型になっている。そのため、収納する際には保管庫のスペースを小さくすることができ、保管庫を小型化することができる。
さらに、電子キーとUSBメモリとは直角の位置に配置し折り曲げることができるため、電子キーとUSBメモリとが一直線になっている場合と比較してUSBメモリ保管庫のスペースを取らないで済む。
(8)は、キーとUSBメモリコネクタが同一方向を向いていることを特徴とするキー付きUSBメモリであり、キーとUSBメモリとが一体に形成されているため、キーとUSBメモリの管理が簡単である。
また、一体形成されているため、破壊しなければキーとUSBメモリとを分離できないため、USBメモリとキーを切り離しUSBメモリのみ持ち出すことはできない。
また、電子キーとUSBメモリとが一体形成されているので、ワイヤーで結ばれている場合に比べて、電子キーとUSBメモリとが付け根の部分で連結されているため、小型になっている。そのため、収納する際には保管庫のスペースを小さくすることができ、保管庫を小型化することができる。
さらに、USBメモリコネクタを、USBメモリ保管庫に装着することができるため、USBがどのパソコンで使われたか、何時から何時までパソコンで使われたか、また、どのファイルを使ったか、というUSBメモリ内にあるUSBメモリの使用履歴を把握することができる。
また、USBメモリが実際に返却されたかどうか、また偽のUSBメモリが返却されていないかどうかの確認をすることができる。重要な情報の管理を厳重に行うことができる。
(9)は、キーに対して、USBメモリをスライド可能に保持するUSBメモリスライド手段を有することを特徴とするキー付きUSBメモリであるため、(8)の効果と同様の効果を奏する。
(10)は、USBメモリを回転可能に保持するUSBメモリ回転手段を有することを特徴とするキー付きUSBメモリであるため、(8)の効果と同様の効果を奏する。
(11)は、(8)乃至(10)に記載するキー付きUSBメモリのいずれか一つにおいて、キーが電子キーであることを特徴とするキー付きUSBメモリであるため、(8)乃至(10)の効果を奏する他、各々の電子キーが固有の識別番号を有しているICチップのデータ有しているため本物の電子キーを識別できるので、偽物の電子キーを保管されることにより、電子キーに一体形成されたUSBメモリを他の場所に持ち出されることを防止することができる。
(12)は、USBメモリとICチップとが電気的に接続されており、ICチップがUSBメモリの使用履歴を記憶していることを特徴とするキー付きUSBメモリであるため、USBメモリが使用された使用履歴が電子キーのICチップに記憶され、ICチップよりUSBメモリの使用履歴をUSBメモリ保管庫が読取ることができるため、USBがどのパソコンで使われたか、何時から何時までパソコンで使われたか、また、どのファイルを使ったかを把握させることができる。
また、USBメモリが実際に返却されたかどうか、また偽のUSBメモリが返却されていないかどうかの確認をさせることができる。重要な情報の管理を厳重に行うことができる。
さらに、万が一に破壊された場合にも、電気的に繋がっているため、USBメモリ保管庫に対して、キー付きUSBメモリが破壊されUSBメモリが持ち出されたことを認識させることができる。そのため、責任を明確にすることができる。
(13)は、(1)に記載する使用物保管庫おいて、使用物が鍵であることを特徴とするため、(1)の使用物が鍵である場合の効果と同様の効果を奏する。
【0011】
(14)(7)に記載するキー付きUSBメモリにおいて、外部USB接続端子と、空洞を備える本体と、空洞内に装着されUSBメモリと、を有し、本体の外部に設けられた第1USB接続端子と、USBメモリの接続端子とを接続する第1配線と、ICチップと第1USB接続端子の電源端子とを接続する第2配線と、を有するため、USBがどのパソコンで使われたか、何時から何時までパソコンで使われたか、また、どのファイルを使ったかを把握することができる。
また、蓋が電子キーカバーの右端部にレーザー溶着されているため、USBメモリは、電子キーカバーと一体になり、破壊しなければ取出すことができなくなる。
また、USBメモリは、電子キーカバーと一体に形成されているため、電子キーカバーが返却されれば、USBメモリも返却されたということが分かる。そのため、USBメモリのみを切り取りUSBメモリを持ち出すことを禁止できるため、重要な情報の管理を厳重に行うことができる。
また、万が一に破壊された場合にも、電気的に繋がっているため、USBメモリ保管庫は、キー付きUSBメモリが破壊されUSBメモリが持ち出されたことを認識することができる。そのため、責任を明確にすることができる。
また、既存のUSBメモリをそのまま用いて電子キーカバーと一体にできるため、USBメモリの情報を移し変える面倒がない。また、USBメモリをそのまま使用できるため、USBメモリについての費用を削減することができる。
(15)(14)に記載するキー付きUSBメモリを保管するためのUSBメモリ保管庫において、第2配線と接続する保管庫側接続端子と、本体をロックするロック手段とを有するため、ICチップの情報をUSBメモリ保管庫が読み取るため、USBがどのパソコンで使われたか、何時から何時までパソコンで使われたか、また、どのファイルを使ったかを把握することができる。
また、本来、キーとUSBメモリのスペースが必要なところ一体となっているため、それだけスペースの狭いところに多くの複合キーを収納できる。
また、一体に形成された複合キーは破壊されなければ、USBメモリのみを持ち出すことはできないため、電子キーの保管の管理により、一体に形成されたUSBメモリについても管理することができる。
また、ICチップからデータを読取る読取手段を有するため、各々が固有の識別番号を有しているICチップのデータを読み出すことで本物を識別できるので、偽物のキーを保管されることにより、キーに形成されたUSBメモリを他の場所に持ち出されることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1実施形態)
次に、本発明に係るUSBメモリを保管するUSBメモリ保管庫、及びキー付きUSBメモリを具体化した第1実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
図1は、USBメモリ保管庫1の扉8が開いた状態の正面図を表す。
図2は、USBメモリ保管庫1の扉8が閉じた状態の正面図を表す。
図3(a)は、キー付きUSBメモリ11の正面図を表し、図3(b)は、側面図を表す。電子キー20とUSBメモリ21とが一体に形成され、電子キー20部分がUSBメモリ21に対して90度の位置から、180度の位置まで移動することのできる、キー付きUSBメモリ11を表す。
【0013】
図1に基づいて、USBメモリ保管庫1について説明する。
図1に示すように、USBメモリ保管庫1の右下部にはID読取部4が配置されている。右上部には液晶表示部2が配置され、液晶表示部2とID読取部4の間には、テンキー3が配置されている。
USBメモリ保管庫1の左に位置するキー孔ユニット9A〜9Jには、上部からネームプレート5、LED6、鍵孔7が配置されている。図1では、扉8は開いた状態にあるため、扉8は、USBメモリ保管庫1の左端部に配置されている。
図2では、図1の状態から、扉8が閉じられた状態を示す。扉8が閉じられることにより、キー孔ユニット9A〜9Jは全て扉8により、覆われる。
次に、鍵管理ボックスのコントローラについて説明する。図7に制御の構成をブロック図で示す。コントローラ44は、CPU45、ROM46、履歴記憶部49を備えている。ROM46は、制御プログラム53、電子キーID記憶部47、USBメモリ記憶部48を備えている。
コントローラ44には、各キー孔ユニット9に対応して付設され、電子キー20をロックして抜けないようにするロック手段41A〜41J、キー付きUSBメモリ11の電子キー20のキー装着部17がUSBメモリ保管庫1の鍵孔7に装着されたときに、電子キー20に内蔵されたICチップ14に記憶されているデータを読み取るためのICデータ読取手段42A〜42J、LED43A〜43Jが接続されている。また、コントローラ44には、液晶表示部2、テンキー3、ICカード読取部4が接続されている。
【0014】
次に、図3に基づいて、キー付きUSBメモリ11について説明する。
図3において、(a)は、キー付きUSBメモリ11の正面図を示し、(b)は、キー付きUSBメモリ11の側面図を示す。
キー付きUSBメモリ11は、電子キー20とUSBメモリ21から構成される。
電子キー20は、キー装着部17とキー把持部18から構成されている。キー把持部18のキー装着部17の反対側には、軸心19を通すための、軸心孔19aが形成されている。キー把持部18の内部には、ICチップ14が内蔵されている。一対の接触式ICチップ13が、キー装着部17の両側に露出している。
USBメモリ21は、USBメモリコネクタ15とUSBメモリ把持部12とからなる。USBメモリ把持部12の上方は、略コの字型に形成され、その空間部にキー把持部18が嵌合されている。軸心19を溶着により加工しているので、電子キー20とUSBメモリ21は、破壊しなければ分離できないように構成されている。例えば、USBメモリに不具合が発生した場合でも、使用者が、USBメモリ21を取外すことをできなくしている。その場合には、メーカーに送付することによりメーカーでの交換可能である。又は、別なキー付きUSBメモリ11にデータを移して使用してもらうことになる。したがって、USBメモリ21と電子キー20とは常に一体であり、電子キー20を管理することにより、確実にUSBメモリ21を管理できる。すなわち、従来のようにUSBメモリ21と電子キー20とをワイヤー等で連結している場合には、ワイヤーが切断されれば、電子キーのみを保管した場合には、USBメモリが保管されたか確認することができなかったが、本キー付きUSBメモリ11は、破壊されない限り、USBメモリ21と電子キー20とを分離できないため、分離して電子キー20のみを保管庫に返却することはできない。
キー把持部18はUSBメモリ把持部12に対して軸心19により回転可能に保持されている。そのため、電子キー20は、軸心19を中心に180度回転する。したがって、キー付きUSBメモリ11を持ち運ぶときには、キー部18をUSBメモリ部12に対して一直線の位置にある状態で運ぶ。一直線の位置にすればポケット等に入れたときに、邪魔とならないからである。また、電子キー20とUSBメモリ21とが一体形成されているため、ワイヤーで結ばれている場合に比べて、電子キー20とUSBメモリ21とが付け根の部分で連結されているため、小型になっている。そのため、収納する際には保管庫のスペースを小さくすることができ、保管庫を小型化することができる。さらに、電子キー20とUSBメモリ21とは直角の位置に配置し折り曲げることができるため、電子キー20とUSBメモリ21とが一直線になっている場合と比較してUSBメモリ保管庫の奥行を取らないで済む。
【0015】
次に、図4に基づいて、電子キー20とUSBメモリ21との電気的な接続について説明する。
USBメモリ21をオフィス内の指定されたパソコンにおいて使用すると、USBメモリ21を使用し始めた使用開始時間、使用終了時間、PCの識別番号、及びどのファイルを使用したか等が、USBメモリ21のメモリ領域内63にあるUSBメモリ使用履歴領域62に記憶される。そして、USBメモリ使用履歴領域62に蓄積されたデータは、電子キー20を鍵孔7に差し込んだときに、インターフェース64を介して、電子キー20のUSBメモリ記憶手段68に転送される。USBメモリ記憶手段68に転送されたデータは、第1端子13a及び第2端子13bを介してUSBメモリ保管庫1内にあるUSBメモリ記憶部48が読取る。ここでは、USBメモリ使用履歴の転送を、電子キー20を鍵孔7に差し込んだときに行っているが、USBメモリコネクタ15をパソコンに差し込んでいるときに、1分おきに使用履歴のデータを電子キー20に転送するようにしてもよい。
USBメモリ21から電子キー20へデータを転送するにはインターフェース64が必要とされる。インターフェース64は、電子キー20とUSBメモリ21とを電気的に有線により接続するためのものである。インターフェース64が必要とされるのは、USBメモリ21は4端子であるのに対して、電子キー20は2端子であるため、電気信号を変えなければ転送することができないからであり、インターフェース64が、電気信号の変更を行うからである。
インターフェース64は、USBメモリコネクタ15と連結する形で設置する。インターフェース64はUSBメモリ21に対して溶着等により一体化されており、インターフェース64を用いれば、既存のUSBメモリ21をそのままの状態で使用することが可能である。また、インターフェース64は、有線69aが電子キー20の第1端子65aと、有線69bが電子キー20の第2端子65bと接続することにより、電子キー20と電気的に接続している。
【0016】
次に、実施形態のUSBメモリ保管庫1の使用形態について説明する。
図1に示すUSBメモリ保管庫1では、10個分のキー付きUSBメモリ11を管理できる。キー付きUSBメモリ11の電子キーID記憶手段に記憶された固有の識別番号(電子キーID)は、本実施形態では、接触式ICチップの固有の識別番号を利用している。市販されている接触式ICチップは、各々が固有の識別番号を有しており、同じものはなく、また書き換えも困難なので便利である。
電子キーID記憶手段は、電子キーIDに対応した特定のキー付きUSBメモリを記憶している。
【0017】
図6に、制御プログラム53の内容をフローチャートで示す。
使用者は、USBメモリ保管庫1の所に行き、所持しているICカードをICカード読取部4に読み取らせる(S11;YES)。そして、テンキー3により、暗証番号を入力する(S11)。USBメモリ保管庫1内にあるコントローラ44の電子キーID記憶部47は、ICカード読取部4が読み取ったICカードと対応する暗号番号を記憶しており、入力された暗証番号を照合する(S13)。そして、正しい暗証番号が入力されたときのみ(S13;YES)、扉8を開放する。本実施形態では、テンキー3を用いているが、静脈認証装置、指紋認証装置等により個人認証を行っても良い。個人認証を行うのは、他人のICカードを使用して不正行為が行われるのを防止するためである。
【0018】
コントローラ44は、扉8を開放すると同時に、電子キー20が装着されているキー孔ユニット9のロック手段41を解除する(S14)。ロック手段41は、キー装着部の凹部17aを利用して、図示しない係合爪をソレノイドで駆動させて係合・解除を行っている。また、解除したキー孔ユニット9のLED43を点灯する(S14)。使用者は、これにより、電子キー20を抜き取ることができる。コントローラ44は、ICチップデータ読取手段42がキー付き電子キー20を検出しなくなったときに、電子キー20が鍵孔7から抜き取られたと判断して(S15;YES)、認証した個人、取り出された電子キー20、取り出された時間を履歴記憶部49に記憶する(S16)。
本USBメモリ保管庫1では、電子キー20を直接、鍵孔7に装着させているので、キー孔ユニット9に付設されたICチップデータ読取手段42により、装着された電子キー20のICチップデータを読み取るため、電子キー20が正規の電子キー20であるか否かを確実に管理することができる。
【0019】
USBメモリ21を使用した場合、USBメモリ使用記憶手段には、パソコン側のコントローラ44により、パソコンの識別番号、使用を開始した日時、及び使用を終了した日時が書き込まれる。複数回UBメモリ21の使用を行った場合には、全ての使用履歴データが、USBメモリ21のUSBメモリ使用記憶手段に記憶される。
キー付きUSBメモリ11をUSBメモリ保管庫1に返却したときに、ICチップデータ読取手段42は、キー付きUSBメモリ11の電子キーIDを読取、個人認証した特定の個人に対応する正しいキー付きUSBメモリ11が返却されたことを確認し(S17;YES)、返却時間を履歴記憶部49に記憶する(S18)。次に、コントローラ44のICチップ読取手段42により、読み取られた使用履歴を、キー付きUSBメモリ11の使用履歴として履歴記憶部49に記憶される(S19)。
これにより、履歴記憶部49は、各キー付きUSBメモリ11に対して、USBメモリ保管庫1から取り出された日時、返却された日時を全て記憶する。
【0020】
次に、USBメモリ21のUSBメモリ記憶手段からUSBメモリの使用履歴データを読取、データがUSBメモリ記憶部48に記憶される(S20)。これにより、USBメモリ記憶部48は、各キー付きUSBメモリ11に対して、USBメモリの使用開始時間、使用終了時間、PCの識別番号、及びどのファイルを使用したか等の使用履歴を記憶する。
後で、USB内の情報の漏洩等のトラブルが発生したときに、使用履歴をチェックすることにより、責任の所在を追及することができる。また、全ての履歴を管理していることを使用者に知らせることにより、使用者がUSBメモリ保管庫1からキー付きUSBメモリ11を取り出した後、すばやくパソコンの利用を行うことが期待できるため、キー付きUSBメモリ11が机の上に長時間置きっぱ なしになるような事態を回避することができる。また、USBの使用履歴をチェックすることにより、使用者がUSBメモリを不正に持ち出すことの抑止力が生じる。
その後、扉8を閉じることを液晶表示部2に表示して指示する(S21)。扉8が閉じられたことを確認して(S22;YES)、S11へ戻る。
【0021】
次に、キー付きUSBメモリ11の取扱いについて説明する。
キー付きUSBメモリ11の電子キー20は軸心19を中心に180度回転する。そのため、キー付きUSBメモリ11を、USBメモリ保管庫1に保管する際には、電子キー20をUSBメモリ21に対して直角の位置にある状態で、キー装着部17をUSBメモリ保管庫1の鍵孔7に装着する。
キー付きUSBメモリ11を、USBメモリ保管庫1より取外し、持ち歩くときは、電子キー20をUSBメモリ21に対して一直線の位置にある状態で持ち歩く。ポケット等に入れたときに、邪魔とならないからである。
キー付きUSBメモリ11を、パソコンに使用したいときは、電子キー20をUSBメモリ21に対して直角の位置にある状態で、USBメモリ21をパソコンに装着し使用する。
【0022】
以上詳細に説明したように、本実施形態のUSBメモリ保管庫、及びキー付きUSBメモリによれば、USBメモリ保管庫1において、ICチップ14を備える電子キーとUSBが一体に形成された複合キーが装着されるキー装着部17と、ICチップ14からデータを読取る読取手段と、を有するので、保管庫が、保管するための電子キー20であることを認識することができ、本物の電子キー20でなければ保管したことにならないため、キー付きUSBメモリ11の使用者の責任を明確にすることができる。また、電子キー20とUSBメモリ21とは電気的に繋がっているため、万が一に破壊された場合にも、USBメモリ保管庫1は、キー付きUSBメモリ11が破壊されUSBメモリ21が持ち出されたことを認識することができる。そのため、責任を明確にすることができる。
従来では、オフィスにあるUSBメモリを仕事などで外部に持ち出すことはよくあった。しかし、近年、オフィス内以外のパソコンには、ファイル共有ソフトであるWinnyなどが入っていることがあり、オフィス外に持ち出したUSBメモリの中から重要な情報が流出することがあった。そこで、本USBメモリ保管庫、及びキー付きUSBメモリを用いることにより、オフィス内からUSBメモリを持ち出すことを禁止でき、また、USBメモリの情報がどこから漏れたかが分かるため責任を明確にすることができるのである。
また、ICカードとテンキー3で暗証番号によらなければキー付きUSBメモリ11を取り出すことができないため、二重にロックがされた状態であるため、厳重に管理することができる。
また、本実施形態のUSBメモリ保管庫1は、ICチップが、USBメモリを使用した使用履歴を記憶すること、ICチップデータ読取手段42がその使用履歴を読み取ることを行うので(S19)、使用者がキー付きUSBメモリ11をUSBメモリ保管庫1に返却したときに、USBメモリ保管庫1は、そのUSBメモリ21の使用履歴を把握できるため、使用者が何時にキー付きUSBメモリ11を持ち出し、USBメモリ21の使用開始時間、使用終了時間、PCの識別番号、及びどのファイルを使用したか等の使用履歴を把握できるのでUSBメモリ21内の情報の管理を十分に行うことができる。
また、個人で管理しているUSBメモリに関しても、USBメモリ保管庫で管理できるため、個人がオフィスからUSBメモリを持ち出すことを禁止することができる。
【0023】
また、USBメモリ保管庫1の鍵孔7に装着ロックされて管理される電子キー20と、を有し、USBメモリ21と電子キー20とが一体に形成されていること、を特徴とするキー付きUSBメモリ11であるため、キーとUSBメモリの管理が簡単である。
また、電子キーは接触式ICチップを使用しているため、各々が固有の識別番号を有しており、同じものはなく、また書き換えも困難なので、偽物の電子キーを保管して、本物を持ち出すことができないため、キー付きUSBメモリを厳重に保管することができる。USBメモリにより本物か否かの管理を行うと、スキミングにより管理領域をコピーされて偽者を作られる恐れがあるからである。
また、電子キー20とUSBメモリ21とは破壊しなければ分離することができないため、電子キー20のみを保管することにより、その後にUSBメモリ21を使用することはできない。例えば、USBメモリ21の使用履歴は電子キー20が鍵孔7に入ったときに移動するため、鍵の装着後に、キー付きUSBメモリ11が破壊され、USBメモリ21が持ち出されたときには、USBメモリ保管庫1は、USBメモリ21が持ち出されたことを判断できないため、扉8を閉めた後にUSBメモリ21の使用履歴が移動するようにすれば、キー付きUSBメモリ11を破壊してUSBメモリ21のみを持ち出すことはできない。そのため、USBメモリを厳重に保管することができる。
また、電子キー20とUSBメモリ21とが一体形成されているため、ワイヤーで結ばれている場合に比べて、電子キー20とUSBメモリ21とが付け根の部分で連結されているため、小型になっている。そのため、収納する際には保管庫のスペースを小さくすることができ、保管庫を小型化することができる。さらに、電子キー20とUSBメモリ21とは直角の位置に配置し折り曲げることができるため、電子キー20とUSBメモリ21とが一直線になっている場合と比較してUSBメモリ保管庫のスペースを取らないで済む。
【0024】
(第2実施形態)
次に、USBメモリを保管するUSBメモリ保管庫、及びキー付きUSBメモリを具体化した第2実施形態につき図面を参照して詳細に説明する。
第2実施形態における図8に示すUSBメモリ保管庫30は、USBメモリコネクタ装着部31があることを除いて、第1実施形態で述べたUSBメモリ保管庫1と、同じである。したがって、同一の構成については、同一の符号を付して省略し、異なった点を中心に説明する。
【0025】
すなわち、第2実施形態におけるUSBメモリ保管庫30では、図8に示すように、鍵孔7がキー孔ユニット9の下部に横向きに配置されており、鍵孔7の下部には鍵孔7と平行にUSBメモリコネクタ装着部31がある。図9のキー付きUSBメモリ40に対応するUSBメモリ保管庫30の場合に限って、キー孔ユニット9の32部分が図9に示すキー装着部17の長さhだけ段差になっており奥まっている。図8に示す上下一体型のキー付きUSBメモリ40のキー装着部17とUSBメモリコネクタ15をキー孔ユニット9に装着させるためである。その他に、キー孔ユニット9の32以外の部分が図9に示すキー装着部17の長さhだけ段差になっており奥まっている形態も考えられる。
【0026】
そこで、USBメモリ保管庫30に適合するキー付きUSBメモリの説明をする。USBメモリ保管庫10に適合するキー付きUSBメモリには以下の3つがある。
図9には、上下一体型のキー付きUSBメモリ40の正面図及び側面図を示す。
図10には、スライド式のキー付きUSBメモリ50の正面図及び側面図を示す。
図11には、回転式のキー付きUSBメモリ60の正面図及び側面図を示す。
【0027】
図9の上下方のキー付きUSBメモリ40は、キー装着部17とUSBメモリコネクタ15が上下に一体に形成され同一の右方向を向いている構成を採る。また、USBメモリコネクタ15の分だけ、電子キー20が後ろに来た構成を採る。USBメモリコネクタ15をパソコンにつなげるためである。キー把持部18とUSBメモリ把持部12とが接合されている。
図10のスライド式のキー付きUSBメモリ50は、キー把持部18とUSBメモリ把持部12が、キー把持部18に付けられた凸部51、及びUSBメモリ把持部12に設けられた凹部52に接合していることにより構成されている。
USBメモリコネクタ15とキー装着部17を、USBメモリ保管庫30のUSBメモリコネクタ装着部31と鍵孔7に装着する場合には以下の構成をとる。USBメモリ21をパソコンに使用している場合は、図10に示すように図9のUSBメモリ40とほぼ同様の構成を採る。始めに、図10のスライド前の状態で、USBメモリコネクタ15を、USBメモリ保管庫30のUSBメモリコネクタ装着部31に装着する。次に、電子キー20を、凸部51を支点に凹部52に沿って右側にスライドさせ鍵孔7に装着する。当該構成を採ることにより、USBメモリコネクタ15はキー装着部17と比べて頑丈ではないため、USBメモリコネクタ15を装着した後に、キー装着部17を装着することで、USBメモリコネクタ15を傷めることなく、両方を装着できるため有効である。
図11の回転式のキー付きUSBメモリ60は、キー把持部18とUSBメモリ把持部12が、軸心31により合体している。回転前は、電子キー20とUSBメモリ21とが上下に重なった状態でUSBメモリコネクタ15の付け根とキー装着部1の付け根が同じ位置にある構成を採る。回転は、軸心31を中心にUSBメモリ21が回転する。回転後は、キー装着部17とUSBメモリコネクタ15とが反対を向くことになる。
【0028】
第2実施形態の場合は、キー付きUSBメモリを保管する際には、第1実施形態と異なり、鍵孔7にキー装着部17を装着するほか、USBメモリコネクタ15をUSBメモリコネクタ装着部31に装着する。
USBメモリ保管庫30には、図12で示すように、USBメモリ読取手段54等がある。USBメモリコネクタ15がUSBメモリコネクタ装着部31に装着されると、USBメモリ読取手段54がUSBメモリ21のUSBメモリ使用履歴領域62より使用履歴を読取る。USBメモリ21の内部構造は図4に示すUSBメモリ21と同様である。USBメモリの使用履歴を読取ることにより、後に、USB内の情報の漏洩等のトラブルが発生したときに、USBの使用履歴をチェックすることにより、責任の所在を追及することができる。また、USBの使用履歴をチェックすることにより、使用者がUSBメモリを不正に持ち出すことの抑止力が生じるからである。
また、第1実施形態と比較して、電気的に電子キー20とUSBメモリ21とを接続する必要がないため、コストを抑えることができる。また、電気的に接続する必要がないため、配線が不要となりスペースを確保することができるため、キー付きUSBメモリの形態をスマートにすることができ、また小型化を図ることができる。
また、電子キー20を鍵孔7に装着し、USBメモリコネクタ15をUSBメモリコネクタ装着部31に装着することで、電子キー20とUSBメモリ21とが返却されたことを確認することができる。
また、電子キー20とUSBメモリ21とを上下に差し込むことができるため、第1実施形態の場合はUSBメモリ21が下部にある他のキー孔ユニット邪魔するため、USBメモリ把持部12の分だけスペースを取らなければならないのと比較して、USBメモリ把持部12の分だけスペースをとらなくてすむため、USBメモリ保管庫30を小型化することができる。
【0029】
(第3実施形態)
次に、既存のUSBメモリ21に電子キーカバー80を取付ける、第3実施形態につき図面5を参照して詳細に説明する。ここで使用するUSBメモリ保管庫90については、図示はしないが、電子キーカバー80をロックすることができるほどの大きさの鍵孔がある。また、USBメモリ保管庫90には、USBメモリコネクタ81を装着する部分がある。
図5における、第3実施形態における電子キーカバー80は、外観上、USBメモリコネクタ装着部81、本体86及び蓋84により構成されている。本体86には、切欠き部85a、切欠き部85bがある。
電子キーカバー80の内部の配線は、PC接続端子81a〜81dが、USB接続端子82a〜82dにそれぞれ配線されている。PC接続端子81a、81bは電源端子である。また、USB接続端子82a、82bも電源端子である。電子キーカバー80の内部構造は、図4の電子キー20の内部構造と同じである。電子キーカバー80は、通信端子を持たずに2個の電源端子83a、83bのみを持っている。電源端子83a、83bに電源を流すことによりICチップ14に記憶されているデータを読取ることができる。
USBメモリ21は、電子キーカバー80の中に挿入され、USBメモリ21のUSBメモリコネクタ15をUSBメモリ挿入部82に挿入する。USBメモリ21を電子キーカバー80に挿入した後に、蓋84を電子キーカバー80の右端部にレーザー溶着する。それにより、USBメモリ21は、電子キーカバー80と一体になり、破壊しなければ取出すことができなくなる。
【0030】
USBメモリ21が一体となった電子キーカバー80は、USBメモリコネクタ81をパソコンに挿入することにより、通信端子82c、83dを使うことで通常のUSBメモリと同様に使用することができる。USBメモリ21が一体となった電子キーカバー80をUSBメモリとしてパソコンに使用すると、PC接続端子81c、81dから通信端子82c、82dへデータが転送され、USBメモリ21の使用履歴領域へPCにおけるUSBメモリ21の使用開始時間、使用終了時間、PCの識別番号、及びどのファイルを使用したか等の使用履歴が記憶される。その後、USBメモリについて使用された使用履歴が、配線された電源端子83a、83bを介して電気的にICチップ14に使用履歴データが転送され記憶される。ICチップ14に使用履歴が記憶されているため、USBメモリ21が一体となった電子キーカバー80を、USBメモリ保管庫90に返却すると、USBメモリ保管庫90が、ICチップ14の情報をUSBメモリ保管庫90が読み取るため、USBがどのパソコンで使われたか、何時から何時までパソコンで使われたか、また、どのファイルを使ったかを把握することができる。
USBメモリコネクタ81及び電子キーカバー80を装着することで、図7のUSBメモリ保管庫の制御構成を示すブロック図と同様の構成により、ロック手段41により切欠き部85a、85bを固定することでロックすることができる。
また、USBメモリ21は、電子キーカバー80と一体に形成されているため、電子キーカバー80が返却されれば、USBメモリ21も返却されたということが分かる。そのため、USBメモリのみを切り取りUSBメモリを持ち出すことを禁止できるため、重要な情報の管理を厳重に行うことができる。
また、万が一に破壊された場合にも、電気的に繋がっているため、USBメモリ保管庫90は、キー付きUSBメモリが破壊されUSBメモリが持ち出されたことを認識することができる。そのため、責任を明確にすることができる。
また、既存のUSBメモリをそのまま用いて電子キーカバーと一体にできるため、USBメモリの情報を移し変える面倒がない。また、USBメモリをそのまま使用できるため、USBメモリについての費用を削減することができる。
【0031】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更して以下のように実施することもできる。
(1)第1実施形態のUSBメモリ保管庫1の本体に、USBメモリコネクタ装着部を別途の線で取付けることができる。別途の線でUSBメモリコネクタ装着部を有することにより、USBメモリコネクタを差し込めば、電子キーを介さずに、USBメモリ使用履歴をUSBメモリ保管庫1に直接取り込むことができる。キー付きUSBメモリが電気的に、電子キー20とUSBメモリ21とが接合していない場合に有効な手段である。
(2)USBメモリの他、使用物であれば上記電子キーと接合することができる。例えば、図13に示すような鍵である。キーと一体型となっていることにより、破壊しなければ持ち運びされることがないため、厳重に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】USBメモリ保管庫の扉が開いた状態の正面図である。
【図2】USBメモリ保管庫の扉が閉じた状態の正面図である。
【図3】電子キーが180度移動可能なキー付きUSBメモリの正面図及び側面図である。
【図4】電子キーとUSBメモリの電気的構成を示したブロック図である。
【図5】第3実施形態におけるUSBメモリ21に電子キーカバー80を取付けた図である。
【図6】制御プログラム53の内容を示すフローチャート図である。
【図7】第1実施形態USBメモリ保管庫の制御構成を示すブロック図である。
【図8】第2実施形態のUSBメモリ保管庫の扉が開いた状態の正面図である。
【図9】上下一体型のキー付きUSBメモリの正面図及び側面図である。
【図10】スライド式のキー付きUSBメモリの正面図及び側面図である。
【図11】回転式のキー付きUSBメモリの正面図及び側面図である。
【図12】第2実施形態のブロック図である。
【図13】電子キーが180度移動可能なキー付き鍵の正面図及び側面図
【符号の説明】
【0033】
1 USBメモリ保管庫
7 鍵孔
11 キー付きUSBメモリ
14 ICチップ
15 USBメモリコネクタ
20 電子キー
21 USBメモリ
31 USBメモリ装着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オフィスにおいて使用される使用物を保管するための使用物保管庫において、
ICチップを備える電子キーと前記使用物が一体に形成された複合キーが装着される鍵孔と、
前記ICチップからデータを読取る読取手段と、
を有することを特徴とする使用物保管庫。
【請求項2】
オフィスにおいて使用されるUSBメモリを保管するためのUSBメモリ保管庫において、
ICチップを備える電子キーと前記USBメモリが一体に形成された複合キーが装着される鍵孔と、
前記ICチップからデータを読取る読取手段と、
を有することを特徴とするUSBメモリ保管庫。
【請求項3】
請求項2に記載するUSBメモリ保管庫において、
前記鍵孔に前記電子キーが装着されるときに、
前記USBメモリが装着され、前記USBメモリの使用履歴を読取るUSBメモリ履歴読取手段を有すること、
を特徴とするUSBメモリ保管庫。
【請求項4】
請求項2に記載するUSBメモリ保管庫において、
前記USBメモリと前記ICチップとが電気的に接続されており、前記接触式ICチップが前記USBメモリの使用履歴を記憶していることを特徴とするUSBメモリ保管庫。
【請求項5】
請求項3に記載するUSBメモリ保管庫において、
前記複合キーが、電子キーに対して、前記USBメモリをスライド可能に保持するUSBメモリスライド手段を有することを特徴とするUSBメモリ保管庫。
【請求項6】
請求項3に記載するUSBメモリ保管庫において、
前記複合キーが、前記電子キーに対して、前記USBメモリを回転可能に保持するUSBメモリ回転手段を有することを特徴とするUSBメモリ保管庫。
【請求項7】
USBメモリと、
USBメモリ保管庫の鍵孔に装着ロックされて管理されるキーと、を有し、
前記USBメモリと前記キーとが一体に形成されていること、
を特徴とするキー付きUSBメモリ。
【請求項8】
請求項7に記載するキー付きUSBメモリにおいて、
前記キーとUSBメモリコネクタが同一方向を向いていることを特徴とするキー付きUSBメモリ。
【請求項9】
請求項8に記載するキー付きUSBメモリにおいて、
前記キーに対して、前記USBメモリをスライド可能に保持する前記USBメモリスライド手段を有することを特徴とするキー付きUSBメモリ。
【請求項10】
請求項8に記載するキー付きUSBメモリにおいて、
前記キーに対して、前記USBメモリを回転可能に保持する前記USBメモリ回転手段を有することを特徴とするキー付きUSBメモリ。
【請求項11】
請求項8乃至請求項10に記載するキー付きUSBメモリのいずれか一つにおいて、
前記キーが電子キーであることを特徴とするキー付きUSBメモリ。
【請求項12】
請求項11に記載するキー付きUSBメモリにおいて、
前記USBメモリと前記ICチップとが電気的に接続されており、前記ICチップが前記USBメモリの使用履歴を記憶していることを特徴とするキー付きUSBメモリ。
【請求項13】
請求項1に記載する使用物保管庫おいて、
前記使用物が鍵であることを特徴とする使用物保管庫。
【請求項14】
請求項7に記載するキー付きUSBメモリにおいて、
外部USB接続端子と、空洞を備える本体と、
前記空洞内に装着されるUSBメモリと、を有し、
前記本体の外部に設けられた第1USB接続端子と、前記USBメモリの接続端子とを接続する第1配線と、
前記ICチップと前記第1USB接続端子の電源端子とを接続する第2配線と、
を有することを特徴とするキー付きUSBメモリ。
【請求項15】
請求項14に記載するキー付きUSBメモリを保管するためのUSBメモリ保管庫において、
前記第2配線と接続する保管庫側接続端子と、
前記本体をロックするロック手段とを有すること、
を特徴とするUSBメモリ保管庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−110227(P2009−110227A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−281299(P2007−281299)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(391020322)東海理研株式会社 (42)
【Fターム(参考)】