便器清掃装置

【課題】洗浄液のボウル部（鉢部）からの飛散を防止する便蓋（カバー）の作動がスプリンクラー（洗浄ノズル）による洗浄作動に遅れる恐れが無く確実にボウル部からの洗浄液の飛散を防止することができ、而も洗浄中に誤って便蓋を開放したときも洗浄ノズルの洗浄作動を停止するために、洗浄液の飛散を防止することができる便器清掃装置を提供することをその課題としている。
【解決手段】ボウル部４を有する便器本体１の上面開口部１３にヒンジ構造５で連結された上下方向に開放閉鎖自在な便蓋３を設けてなる水洗便器の便蓋３の内面６に周囲に洗浄水を噴出するスプリンクラー１１を垂下形成し、該スプリンクラー１１の作動は便蓋３の開放動作開始により作動停止し、便蓋３の閉鎖完了により作動開始する便器清掃装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ボウル部を有する便器本体の上面開口部にヒンジ構造で連結された上下方向に開放閉鎖自在な便蓋を設けてなる水洗便器の便蓋の内面に周囲に洗浄水を噴出するスプリンクラーを垂下形成し、該スプリンクラーの作動は便蓋の開放動作開始により作動停止し、便蓋の閉鎖完了により作動開始する便器清掃装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来から特許文献１に示される如く、便器清掃装置は知られている。即ち、鉢部（ボウル部）から洗浄液を飛散させることなく鉢部を清掃することができるもので、洗浄ノズルによる洗浄作動時に液が鉢部から飛散することを防止するためのカバーが設けられているもので、このカバーが形状記憶高分子材料よりなるシート状物でなるものである。この便器清掃装置は便座及び便蓋を開け鉢部洗浄スイッチを入りとするとカバーのヒーター線に通電されカバーが鉢部を覆い洗浄液の鉢部からの飛散を防止するものである。
【０００３】
しかしながら、この便器清掃装置ではカバーが鉢部を覆うにはヒーターによる加熱が必要であり、ヒーターの加熱による昇温は環境温度に左右され、時間的な遅れが生じやすいものであり適切なものでなかった。
【特許文献１】特開２００４−６８２７８号公報（要約及び図１）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
本発明は上記特許文献１における便器清掃装置の欠点を解決するもので、即ち、洗浄液の鉢部からの飛散を防止するカバーの作動が洗浄ノズルによる洗浄作動に遅れる恐れが無く確実に鉢部からの洗浄液の飛散を防止する便器清掃装置を提供することをその課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
上記課題を解決するために、本発明に係る便器清掃装置は、ボウル部を有する便器本体の上面開口部にヒンジ構造で連結された上下方向に開放閉鎖自在な便蓋を設けてなる水洗便器の便蓋の内面に周囲に洗浄水を噴出するスプリンクラーを垂下形成し、該スプリンクラーの作動は便蓋の開放動作開始により作動停止し、便蓋の閉鎖完了により作動開始するものである。
【発明の効果】
【０００６】
請求項１に記載の便器清掃装置は、便蓋にボウル部の洗浄水の飛散を防止するカバーの役割を果たさせるものであり、便蓋の開放動作開始によりスプリンクラーの作動停止を行い、便蓋の閉鎖完了によりスプリンクラーの作動開始をさせるために便蓋の開閉動作とスプリンクラーの作動による時間的ずれの発生する恐れがないものであり、ボウル部からの洗浄水の飛散が確実に防止される効果を有するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００７】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して、詳細に説明する。図１は本発明の実施例である便器清掃装置を示す側面図、図２は図１に示す実施例の便蓋を開放した状態を示す斜視図、図３は図１に示す実施例に用いる便蓋内面の斜視図、図４は便蓋内面にスプリンクラーを取り付けた状態を示す断面図である。図１乃至図４において、１は便器本体、２は便座、３は便蓋である。
【０００８】
便器本体１はボウル部４を有し、上面開口部１３に便蓋３がヒンジ構造５で連結され、上下方向に開放閉鎖自在に設けられている。便蓋３は図２及び図３に示す如く、内面６に取付部７を形成してなるものである。取付部７は一端が下方に開口する開口部８でなる筒状体９で他端が給水管接続部１０でなるもので便蓋３の内面６に固着されているものである。取付部７には図４に示す如くスプリンクラー１１が取り付けられる。スプリンクラー１１は洗浄水をボウル部４内面に散水するものである。
【０００９】
この便器清掃装置を使用するときは、図１に示される清掃スイッチ１２を入れる。この時、便蓋３が図１に示すように便器本体１の上面開口部１３を閉鎖している時にはスプリンクラー１１は作動し洗浄水が散水されるものであり、便蓋３が図２に示すように便器本体１の上面開口部１３を開放している時にはスプリンクラー１１は作動せず散水は停止しているものである。便蓋３による上面開口部１３の開放、閉鎖によるスプリンクラー１１の作動、停止は便蓋３のヒンジ構造５部分にリミットスイッチ（図示せず）を設けることにより容易になすことができる。
【００１０】
この便器清掃装置は清掃スイッチ１２を入れても便蓋３が便器本体１の上面開口部１３を閉鎖していなければスプリンクラー１１は作動せず洗浄水を散水しないために洗浄液がトイレ室内に飛散する恐れがないものである。また、スプリンクラー１１が作動して洗浄液が散水にされている時に誤って便蓋３を上げ、便器本体１の上面開口部１３を開放した場合でもスプリンクラー１１の作動が停止するために洗浄液がトイレ室内に飛散する恐れがないものである。スプリンクラー１１が垂下自在に設けられているときはボウル部４内面に均等に洗浄液を散水することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明にかかる便器清掃装置の実施例の側面図。
【図２】図１に示す実施例の便蓋を開放した状態の斜視図。
【図３】図１に示す実施例の便蓋の斜視図。
【図４】図１に示す実施例の便蓋にスプリンクラーを取り付けた状態の断面図。
【符号の説明】
【００１２】
１便器本体
２便座
３便蓋
４ボウル部
５ヒンジ構造
６内面
７取付部
８開口部
９筒状体
１０給水管接続部
１１スプリンクラー
１２清掃スイッチ
１３上面開口部

【特許請求の範囲】
【請求項１】
ボウル部を有する便器本体の上面開口部にヒンジ構造で連結された上下方向に開放閉鎖自在な便蓋を設けてなる水洗便器の便蓋の内面に周囲に洗浄水を噴出するスプリンクラーを垂下形成し、該スプリンクラーの作動は便蓋の開放動作開始により作動停止し、便蓋の閉鎖完了により作動開始する便器清掃装置。

【図１】