便座ユニットの取り付け装置
【課題】洋風便器に固定された便座ユニットに対して後方へ押すような力が加えられたときにも、便座ユニットの後方へのずれを防止できる便座ユニットの取付装置を提供する。
【解決手段】洋風便器の後方部の取り付け部に形成した2個のボルト挿通孔にボルト21の螺子棒部21Bを通し洋風便器の下方からナットをボルトの螺子棒部21Bに装着して、所定位置にてナットの締め込みによって便座ユニットを洋風便器に固定するものにおいて、ボルトの頭部21Aの前後縁部には、下方へ延びた係止フランジ24を設け、フランジ24間に螺子棒部21Bが挿通され、ナットの締め込みに伴ってスリット20Aの上縁部22Aに圧接する弾力性の摩擦板25を設けた。
【解決手段】洋風便器の後方部の取り付け部に形成した2個のボルト挿通孔にボルト21の螺子棒部21Bを通し洋風便器の下方からナットをボルトの螺子棒部21Bに装着して、所定位置にてナットの締め込みによって便座ユニットを洋風便器に固定するものにおいて、ボルトの頭部21Aの前後縁部には、下方へ延びた係止フランジ24を設け、フランジ24間に螺子棒部21Bが挿通され、ナットの締め込みに伴ってスリット20Aの上縁部22Aに圧接する弾力性の摩擦板25を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便座ユニットを洋式便器上に取り付ける取り付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
温水供給機構の温水をノズルから噴出する温水洗浄便座ボックスを洋式便器上にボルトによって取り付ける技術がある。この技術は、便座ボックス1の底部プレート2に洋風便器4の前後方向に延在するスリット3が2条平行に設けられており、このスリット3にボルト5の頭部が差し込まれ、ボルト5の螺子棒部5bがこのスリット3を通って下方に延出され、洋風便器4の便鉢4aの後方部に形成した2個のボルト挿通孔4bにこのボルト5の螺子棒部5bを通し、洋風便器4の下方から半球パッキン8及びスリップワッシャ9を介してナット10をボルト5に装着して、所定位置にてナット10を締め込み、便座ボックス1を洋風便器4に固定する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これによって、特許文献1では、便座ボックス1の底部プレート2に2条平行に設けられたスリット3によって、洋風便器4に対して便座ボックス1の前後方向位置の調整ができるが、ナット10の締め込みが甘くなったり、便座ボックス1に無理に大きな力が加えられたりしたときは、便座ボックス1が位置ずれを起こすことがあるため、これを防止するために、ボルト10に替わりに、外管とその中に上方へ螺進可能な軸体を設けた特別なボルトを採用するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−70199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、上記のように外管とその中に上方へ螺進可能な軸体が組み合わさったものであるため、外管はその内外にネジが切られた特別なボルトが必要となること、また、軸体の上端が当たるように便座ボックス1の底部プレート2に形成する当接板14の部分も十分な強度を有する構成にしなければならない等の考慮が必要となる。
【0006】
本発明は、特許文献1のような二重軸の特別なボルトを採用するのではなく、従来採用されているボルトの頭部の若干の改良によって、便座ユニット(便座ボックス1に対応する)に無理に大きな力が加えられたりしたときに生じる便座ユニットの位置ずれを防止することができる技術を提供するものである。
【0007】
このため、本発明では、便座ユニットの底部の基板に前後方向に2条平行に設けられたスリットにボルトを通して、洋風便器に対して便座ユニットの前後方向位置の調整ができるように固定する場合、便座ユニットに無理に大きな力が加えられたりしたときにも、ボルトの頭部に設けた摩擦板によって、安定的に便座ユニットの位置ずれを防止できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明は、便座ユニットの底部の基板に洋風便器の前後方向に延在する2条平行のスリットが設けられ、前記スリットの左右上縁部にボルトの頭部が係止する状態で前記ボルトの螺子棒部が前記スリットを通って下方に延出され、洋風便器の後方部の取り付け部に形成した2個のボルト挿通孔に前記ボルトの螺子棒部を通し、前記洋風便器の下方からナットを前記ボルトの螺子棒部に装着して、所定位置にて前記ナットの締め込みによって前記便座ユニットを前記洋風便器に固定するものにおいて、前記ボルトの頭部の少なくとも前後縁部には下方へ延びた係止フランジを設け、前記螺子棒部が挿通される状態で前記前後の係止フランジ間に嵌め込まれ且つ前記ナットの締め込みに伴って前記スリットの上縁部に圧接する弾力性の摩擦板を設けたことを特徴とする。
【0009】
第2発明は、第1発明において、前記摩擦板は前記前後の係止フランジよりも下方へ突出した厚さを有し、前記螺子棒部は前記前後の係止フランジよりも下方位置に前記ボルトの頭部との間に前記摩擦板の下面を支える支持突起を備え、前記摩擦板は前記前後の係止フランジよりも下方へ突出する状態に前記ボルトの頭部と前記支持突起との間に保持されたことを特徴とする。
【0010】
第3発明は、第1発明または第2発明において、前記ボルトは前記頭部、前記前後の係止フランジ、前記螺子棒部及び前記支持突起が合成樹脂にて一体成形されたものであり、前記摩擦板は前後が前記前後の係止フランジに当接するゴム製であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
第1発明では、便座ユニットの通常使用状態では、摩擦板がスリットの上縁部に圧接する状態に保持されていて、便座ユニットを洋風便器上の所定位置に保持している。そして、便座ユニットへの着座などによって無理に大きな力が加えられたときには、便座ユニットが後方へ移動しようとする作用力が摩擦板に働く。この場合、前後係止フランジが存在しない場合は、便座ユニットが後方へ移動しようとする作用力によって、摩擦板がめくれて破断する状態となり、便座ユニットを洋風便器上の所定位置に保持することができなくなる。しかし、本発明では、前後係止フランジの存在によって、摩擦板のめくれを防止できるため、便座ユニットの後方への移動を防止でき、摩擦板の破断も防止できるものとなり、便座ユニットを洋風便器上の所定位置に保持することができることとなる。
【0012】
第2発明は、螺子棒部の支持突起を乗り越えて摩擦板を差し込みボルトの頭部に当接させる。この状態で、摩擦板が前後係止フランジよりも下方へ突出した状態となり、ボルトの頭部と支持突起との間に保持される。このため、前後係止フランジによる悪影響を受けない状態で、ナットの締め込みによって摩擦板がスリットの上縁部に圧接して、便座ユニットを洋風便器上の所定位置に保持できる。また、便座ユニットに後方へ移動しようとする作用力が働いても、前後係止フランジの存在によって、摩擦板のめくれを防止できるため、便座ユニットの後方への移動を防止でき、摩擦板の破断も防止できるものとなり、便座ユニットを洋風便器上の所定位置に保持することができることとなる。
【0013】
第3発明は、ボルトは、頭部、前後係止フランジ、螺子棒部及び支持突起が合成樹脂にて一体成形されたものであり、ゴム製の摩擦板との組み合わせによって、部品点数が少ない状態でボルトと摩擦板との取り付け関係を常に正規状態にできること、また、便座ユニットを洋風便器上の所定位置に固定するための部品点数も少なく、便座ユニットの取り付け及び取り外しがし易くなるという効果を奏しつつ、上記の第1発明及び第2発明の効果を奏するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る温水洗浄便座装置の蓋が閉まった状態の斜視図である。
【図2】本発明に係る温水洗浄便座装置の蓋と機能部分のカバーを取り外した状態の機能部分と制御ボックスを示す正面斜視図である。
【図3】本発明に係る便座ユニットの洋風便器上への取り付け構成を示す分解斜視図である。
【図4】本発明に係る便座ユニットの下方から見た斜視図である。
【図5】本発明に係る便座ユニットと取り付けボルトの関係を示す下方から見た斜視図である。
【図6】本発明に係るボルトと摩擦板との関係を示す下方から見た分解斜視図である。
【図7】本発明に係るボルト、摩擦板、及び便座ユニットの基板との関係を示す断面図である。
【図8】本発明に係る便座ユニットが前後方向移動する場合のボルト、摩擦板、及び便座ユニットの基板との関係を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、便座ユニットの底部の基板に洋風便器の前後方向に延在する2条平行のスリットが設けられ、このスリットの上縁部にボルトの頭部が係止する状態でボルトの螺子棒部がこのスリットを通って下方に延出され、洋風便器の後方部の取り付け部に形成した2個のボルト挿通孔にこのボルトの螺子棒部を通し、洋風便器の下方からナットをボルトの螺子棒部に装着して、所定位置にてナットの締め込みによって便座ユニットを洋風便器に固定するものにおいて、前記ボルトの頭部の少なくとも前後縁部には下方へ延びた係止フランジを設け、前記螺子棒部が挿通される状態で前記前後の係止フランジ間に嵌め込まれ且つ前記ナットの締め込みに伴って前記スリットの上縁部に圧接する弾力性の摩擦板を設けたものであり、以下に本発明の実施例を記載する。
【実施例1】
【0016】
本発明の実施形態について説明する。図において、1は本発明の便座ユニットを示しており、便座ユニット1は、後述のように洋式便器7の上面に取り付けられるものである。便座ユニット1は、裏側から絶縁被覆されたコードヒータ(図示せず)で加温される便座2と、便座2の上面を覆う開閉蓋3と、便座2及び開閉蓋3の後方に位置して機能部8を配置すると共に便座2及び開閉蓋3を開閉回動可能に支持する便座本体部4を備えている。
【0017】
便座本体部4は、底部の合成樹脂製基板5と、基板5上に取り付けた機能部8を着脱自在に覆う合成樹脂製カバー6とで構成している。機能部8は、洗浄ノズル9として便座2の後部下側へ延びるように配置したおしり(肛門)洗浄用ノズル9Aとビデ洗浄用ノズル9B、上水道水管に接続される上水道水導入パイプ19を介して上水道水が導入される温水タンク10、電装部11、電動機装置12及び13等の機能部品で構成されている。蓋3の後端部の駆動側(図では右側)は、基板5に支持部材を介して取り付けた電動機装置12によって往復回転する回転軸12Aには、蓋3が上方に開閉回動可能に取り付けられている。また、便座2の後端部の駆動側(図では左側)は、基板8に取り付けた電動機装置13によって往復回転する回転軸13Aに取り付けられて、便座2が上方に開閉回動可能である。温水タンク10に内蔵した加熱用シーズヒータにより温水タンク10内に温水が生成される。
【0018】
便座本体部4には、便座2の側方(図では右側)に配置した上面開口の制御ボックス14が連結されている。制御ボックス14内には、おしり(肛門)洗浄用ノズル9Aとビデ洗浄用ノズル9Bによる洗浄開始、洗浄停止等の各種の制御を行うスイッチSWを取り付けた絶縁性基板15を内蔵している。制御ボックス14の上面開口はカバー16で覆われ、カバー16の上面はスイッチSWの手動操作部17を構成する可撓性薄板18で覆われ、手動操作部17を押すことによって対応したスイッチSWが作動する。
【0019】
便座ユニット1は洋式便器7の上面に取り付けられるものであり、そのために、便座ユニット1の底部の基板5、即ち、便座本体部4の底部の基板5には、洋風便器7の前後方向に延在する2条平行のスリット20A、20Bが便座本体部4の後方に開放されるように設けられている。このスリット20A、20Bには、取り付け用ボルト21が前後移動可能に支持されている。このため、スリット20A、20Bの左右の上縁部22A、22Bに、取り付け用ボルト21の矩形状の頭部21Aの左右両側部が係止する状態で、ボルト21の螺子棒部21Bがこのスリット20A、20Bを通って下方に延出されるように組み合わされ、この状態で、ボルト21はスリット20A、20Bに沿って前後移動可能である。
【0020】
このようにボルト21がスリット20A、20Bに沿って前後移動可能状態を確保した状態で、スリット20A、20B及びボルト21の頭部21Aを覆うカバー部23が、合成樹脂製基板5に一体形成されている。基板5は、温水タンク10等の部分から万一漏水した場合にも、その漏水を基板5で受け基板5の一部に形成した排水部から洋式便器7内へ流出させるために、皿状に成形されている。このため、この基板5で受けた漏水がスリット20A、20Bを通って洋式便器7の外へ流出することを防止するために、カバー部23が形成されている。
【0021】
ボルト21の頭部21Aの少なくとも前後縁部には、下方へ延びた係止フランジ24を設け、頭部21Aの下側には、ボルト21の螺子棒部21Bが挿通される弾力性の摩擦板25が、前後の係止フランジ24、24に当接または略当接する状態で前後の係止フランジ24、24間に嵌め合わされている。摩擦板25は天然ゴムまたは合成ゴムで構成されたゴム製の平板状であり、ボルト21の頭部21Aの矩形状と類似の矩形状をなしている。
【0022】
摩擦板25は、頭部21Aの下側に当接した状態で、前後係止フランジ24よりも下方へ突出した厚さを有する。螺子棒部21Bには、前後係止フランジ24よりも下方位置に、ボルト21の頭部21Aとの間に摩擦板25の下面を支える支持突起26を備えている。この構成によって、摩擦板25は、その中央部の貫通孔に螺子棒部21Bが挿通され、支持突起26を乗り越えて頭部21Aの下側に当接した状態で、前後の係止フランジ24間に嵌め合わされる。その状態で、摩擦板25は前後の係止フランジ24よりも下方へ突出する状態に、ボルト21の頭部21Aと支持突起26との間に保持される。
【0023】
洋式便器7の後方部の取り付け部7Aには、2個のボルト挿通孔24が上下方向に貫通形成されている。スリット20A、20Bのそれぞれ左右の上縁部22A、22Bにボルト21の頭部21Aが係止する状態で、ボルト21の螺子棒部21Bがこのスリット20A、20Bを通って下方に延出されるように組み合わせた状態の便座ユニット1を準備する。この便座ユニット1は、2本のボルト21の螺子棒部21Bが対応するボルト挿通孔24を通るように、便座ユニット1の基板5を洋式便器7の後方部の取り付け部7Aに仮に載置される。この場合、洋式便器7の便鉢7Bの先端7B1に対して便座2が正規位置となるように位置調整を行なうために、図8に矢印Y及びSで示すように、ボルト21の螺子棒部21Bがスリット20A、20B内で前後に移動する状態で便座ユニット1を前後に移動させ、所定位置にボルト21を定めた状態で、取り付け部7Aへ便座ユニット1が正規に載置される。スリット20A、20Bの左右の基板5の下面には、滑り止め用の小さな突起27が一体形成されている。
【0024】
このように正規の位置に便座ユニット1を取り付け部7Aへ載置した状態で、取り付け部7Aの下方へ延出したそれぞれのボルト21の螺子棒部21Bに、それぞれ台円錐形状のゴム製等のブッシュ28とその下側にワッシャ29を通し、その状態でそれぞれのボルト21の螺子棒部21Bに合成樹脂製のナット30を螺着する。このナット30の螺着によって、摩擦板25がスリット20A、20Bの左右の上縁部22A、22Bを押しつつ圧縮され、滑り止め用の小さな突起27が洋式便器7の取り付け部7Aに圧接した状態に便座ユニット1が洋式便器7の上面に取り付けられる。
【0025】
この取り付け状態において、摩擦板25がスリット20A、20Bの左右の上縁部22A、22Bに圧接していることにより、便座2に着座して通常の使用がなされる場合は、便座ユニット1が洋式便器7の上面に取り付けられた正規の状態を保持できる。
【0026】
しかし、便座2に着座する際に便座ユニット1を後方へ押すような無理に大きな力が加えられたりしたとき、便座ユニット1の基板5が取り付け部7Aの後方へずれようとし、ボルト21の頭部21Aに設けた摩擦板25にその作用力が加わる。この場合、前後の係止フランジ24が存在しない場合は、便座ユニット1が後方へ移動しようとする作用力によって、摩擦板25がめくれて破断する状態となり、便座ユニット1を洋風便器5上の所定位置に保持することができなくなる。しかし、本発明では、摩擦板25が、前後の係止フランジ24、24に当接または略当接する状態で前後の係止フランジ24、24間に嵌め合わされている。このため、便座ユニット1を洋風便器5に取り付けた状態では、摩擦板25は、前後の係止フランジ24、24に当接する状態となり、摩擦板25がめくれようとしても前後の係止フランジ24、24によってそれが阻止され、めくれが防止できることとなり、便座ユニット1の後方への移動を防止でき、摩擦板25の破断も防止できるものとなり、便座ユニット1を洋風便器5上の所定位置に保持することができることとなる。
【0027】
上記の構成において、ボルト21は頭部21A、前後係止フランジ24、螺子棒部21B及び支持突起26が合成樹脂にて一体成形されたものであるため、ボルト21と摩擦板25との取り付け関係を常に正規状態にできること、また、便座ユニット1を洋風便器5上の所定位置に固定するための部品点数も少なく、便座ユニット1の取り付け及び取り外しがし易くなる、という効果が得られる。
【0028】
便座ユニット1の下面や洋式便器7の上面を清掃する場合や、便座ユニット1を交換する場合は、それぞれのナット30を緩め且つ外した状態で、便座ユニット1を洋式便器7から取り外せば、その清掃や交換が行なえる。
【0029】
上記のように、便座ユニット1に加わる前後方向の大きな作用力によって、洋風便器7に対して便座ユニット1が前後方向に移動しないようにするために、前後係止フランジ24が必要であるが、実施例では、前後係止フランジ24の補強と、ボルト21への摩擦板25の取り付けを考慮して、図6に示すように、この前後係止フランジ24を連結するように前後方向に延びた連結フランジ24Aを頭部21Aの一側に一体形成している。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、便座ユニット1や洋式便器7の形態は、上記実施例に示した図示の形態に限らず、本発明の技術範囲において、種々の構成を包含するものである。
【符号の説明】
【0031】
1・・・・・便座ユニット
2・・・・・便座
3・・・・・開閉蓋
4・・・・・便座本体部
5・・・・・基板
6・・・・・カバー
7・・・・・洋式便器
8・・・・・機能部
9・・・・・洗浄ノズル
9A・・・・おしり洗浄ノズル
9B・・・・ビデ洗浄ノズル
10・・・・温水タンク
11・・・・電装部
12・・・・電動機装置
13・・・・電動機装置
20A、20B・・・・スリット
21・・・・取り付けボルト
21A・・・ボルトの頭部
21B・・・ボルトの螺子棒部
22A、22B・・・・スリットの左右上縁部
24・・・・前後係止フランジ
25・・・・摩擦板
26・・・・支持突起
27・・・・滑り止め突起
28・・・・ブッシュ
29・・・・ワッシャ
30・・・・ナット
【技術分野】
【0001】
本発明は、便座ユニットを洋式便器上に取り付ける取り付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
温水供給機構の温水をノズルから噴出する温水洗浄便座ボックスを洋式便器上にボルトによって取り付ける技術がある。この技術は、便座ボックス1の底部プレート2に洋風便器4の前後方向に延在するスリット3が2条平行に設けられており、このスリット3にボルト5の頭部が差し込まれ、ボルト5の螺子棒部5bがこのスリット3を通って下方に延出され、洋風便器4の便鉢4aの後方部に形成した2個のボルト挿通孔4bにこのボルト5の螺子棒部5bを通し、洋風便器4の下方から半球パッキン8及びスリップワッシャ9を介してナット10をボルト5に装着して、所定位置にてナット10を締め込み、便座ボックス1を洋風便器4に固定する(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これによって、特許文献1では、便座ボックス1の底部プレート2に2条平行に設けられたスリット3によって、洋風便器4に対して便座ボックス1の前後方向位置の調整ができるが、ナット10の締め込みが甘くなったり、便座ボックス1に無理に大きな力が加えられたりしたときは、便座ボックス1が位置ずれを起こすことがあるため、これを防止するために、ボルト10に替わりに、外管とその中に上方へ螺進可能な軸体を設けた特別なボルトを採用するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−70199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、上記のように外管とその中に上方へ螺進可能な軸体が組み合わさったものであるため、外管はその内外にネジが切られた特別なボルトが必要となること、また、軸体の上端が当たるように便座ボックス1の底部プレート2に形成する当接板14の部分も十分な強度を有する構成にしなければならない等の考慮が必要となる。
【0006】
本発明は、特許文献1のような二重軸の特別なボルトを採用するのではなく、従来採用されているボルトの頭部の若干の改良によって、便座ユニット(便座ボックス1に対応する)に無理に大きな力が加えられたりしたときに生じる便座ユニットの位置ずれを防止することができる技術を提供するものである。
【0007】
このため、本発明では、便座ユニットの底部の基板に前後方向に2条平行に設けられたスリットにボルトを通して、洋風便器に対して便座ユニットの前後方向位置の調整ができるように固定する場合、便座ユニットに無理に大きな力が加えられたりしたときにも、ボルトの頭部に設けた摩擦板によって、安定的に便座ユニットの位置ずれを防止できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明は、便座ユニットの底部の基板に洋風便器の前後方向に延在する2条平行のスリットが設けられ、前記スリットの左右上縁部にボルトの頭部が係止する状態で前記ボルトの螺子棒部が前記スリットを通って下方に延出され、洋風便器の後方部の取り付け部に形成した2個のボルト挿通孔に前記ボルトの螺子棒部を通し、前記洋風便器の下方からナットを前記ボルトの螺子棒部に装着して、所定位置にて前記ナットの締め込みによって前記便座ユニットを前記洋風便器に固定するものにおいて、前記ボルトの頭部の少なくとも前後縁部には下方へ延びた係止フランジを設け、前記螺子棒部が挿通される状態で前記前後の係止フランジ間に嵌め込まれ且つ前記ナットの締め込みに伴って前記スリットの上縁部に圧接する弾力性の摩擦板を設けたことを特徴とする。
【0009】
第2発明は、第1発明において、前記摩擦板は前記前後の係止フランジよりも下方へ突出した厚さを有し、前記螺子棒部は前記前後の係止フランジよりも下方位置に前記ボルトの頭部との間に前記摩擦板の下面を支える支持突起を備え、前記摩擦板は前記前後の係止フランジよりも下方へ突出する状態に前記ボルトの頭部と前記支持突起との間に保持されたことを特徴とする。
【0010】
第3発明は、第1発明または第2発明において、前記ボルトは前記頭部、前記前後の係止フランジ、前記螺子棒部及び前記支持突起が合成樹脂にて一体成形されたものであり、前記摩擦板は前後が前記前後の係止フランジに当接するゴム製であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
第1発明では、便座ユニットの通常使用状態では、摩擦板がスリットの上縁部に圧接する状態に保持されていて、便座ユニットを洋風便器上の所定位置に保持している。そして、便座ユニットへの着座などによって無理に大きな力が加えられたときには、便座ユニットが後方へ移動しようとする作用力が摩擦板に働く。この場合、前後係止フランジが存在しない場合は、便座ユニットが後方へ移動しようとする作用力によって、摩擦板がめくれて破断する状態となり、便座ユニットを洋風便器上の所定位置に保持することができなくなる。しかし、本発明では、前後係止フランジの存在によって、摩擦板のめくれを防止できるため、便座ユニットの後方への移動を防止でき、摩擦板の破断も防止できるものとなり、便座ユニットを洋風便器上の所定位置に保持することができることとなる。
【0012】
第2発明は、螺子棒部の支持突起を乗り越えて摩擦板を差し込みボルトの頭部に当接させる。この状態で、摩擦板が前後係止フランジよりも下方へ突出した状態となり、ボルトの頭部と支持突起との間に保持される。このため、前後係止フランジによる悪影響を受けない状態で、ナットの締め込みによって摩擦板がスリットの上縁部に圧接して、便座ユニットを洋風便器上の所定位置に保持できる。また、便座ユニットに後方へ移動しようとする作用力が働いても、前後係止フランジの存在によって、摩擦板のめくれを防止できるため、便座ユニットの後方への移動を防止でき、摩擦板の破断も防止できるものとなり、便座ユニットを洋風便器上の所定位置に保持することができることとなる。
【0013】
第3発明は、ボルトは、頭部、前後係止フランジ、螺子棒部及び支持突起が合成樹脂にて一体成形されたものであり、ゴム製の摩擦板との組み合わせによって、部品点数が少ない状態でボルトと摩擦板との取り付け関係を常に正規状態にできること、また、便座ユニットを洋風便器上の所定位置に固定するための部品点数も少なく、便座ユニットの取り付け及び取り外しがし易くなるという効果を奏しつつ、上記の第1発明及び第2発明の効果を奏するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る温水洗浄便座装置の蓋が閉まった状態の斜視図である。
【図2】本発明に係る温水洗浄便座装置の蓋と機能部分のカバーを取り外した状態の機能部分と制御ボックスを示す正面斜視図である。
【図3】本発明に係る便座ユニットの洋風便器上への取り付け構成を示す分解斜視図である。
【図4】本発明に係る便座ユニットの下方から見た斜視図である。
【図5】本発明に係る便座ユニットと取り付けボルトの関係を示す下方から見た斜視図である。
【図6】本発明に係るボルトと摩擦板との関係を示す下方から見た分解斜視図である。
【図7】本発明に係るボルト、摩擦板、及び便座ユニットの基板との関係を示す断面図である。
【図8】本発明に係る便座ユニットが前後方向移動する場合のボルト、摩擦板、及び便座ユニットの基板との関係を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、便座ユニットの底部の基板に洋風便器の前後方向に延在する2条平行のスリットが設けられ、このスリットの上縁部にボルトの頭部が係止する状態でボルトの螺子棒部がこのスリットを通って下方に延出され、洋風便器の後方部の取り付け部に形成した2個のボルト挿通孔にこのボルトの螺子棒部を通し、洋風便器の下方からナットをボルトの螺子棒部に装着して、所定位置にてナットの締め込みによって便座ユニットを洋風便器に固定するものにおいて、前記ボルトの頭部の少なくとも前後縁部には下方へ延びた係止フランジを設け、前記螺子棒部が挿通される状態で前記前後の係止フランジ間に嵌め込まれ且つ前記ナットの締め込みに伴って前記スリットの上縁部に圧接する弾力性の摩擦板を設けたものであり、以下に本発明の実施例を記載する。
【実施例1】
【0016】
本発明の実施形態について説明する。図において、1は本発明の便座ユニットを示しており、便座ユニット1は、後述のように洋式便器7の上面に取り付けられるものである。便座ユニット1は、裏側から絶縁被覆されたコードヒータ(図示せず)で加温される便座2と、便座2の上面を覆う開閉蓋3と、便座2及び開閉蓋3の後方に位置して機能部8を配置すると共に便座2及び開閉蓋3を開閉回動可能に支持する便座本体部4を備えている。
【0017】
便座本体部4は、底部の合成樹脂製基板5と、基板5上に取り付けた機能部8を着脱自在に覆う合成樹脂製カバー6とで構成している。機能部8は、洗浄ノズル9として便座2の後部下側へ延びるように配置したおしり(肛門)洗浄用ノズル9Aとビデ洗浄用ノズル9B、上水道水管に接続される上水道水導入パイプ19を介して上水道水が導入される温水タンク10、電装部11、電動機装置12及び13等の機能部品で構成されている。蓋3の後端部の駆動側(図では右側)は、基板5に支持部材を介して取り付けた電動機装置12によって往復回転する回転軸12Aには、蓋3が上方に開閉回動可能に取り付けられている。また、便座2の後端部の駆動側(図では左側)は、基板8に取り付けた電動機装置13によって往復回転する回転軸13Aに取り付けられて、便座2が上方に開閉回動可能である。温水タンク10に内蔵した加熱用シーズヒータにより温水タンク10内に温水が生成される。
【0018】
便座本体部4には、便座2の側方(図では右側)に配置した上面開口の制御ボックス14が連結されている。制御ボックス14内には、おしり(肛門)洗浄用ノズル9Aとビデ洗浄用ノズル9Bによる洗浄開始、洗浄停止等の各種の制御を行うスイッチSWを取り付けた絶縁性基板15を内蔵している。制御ボックス14の上面開口はカバー16で覆われ、カバー16の上面はスイッチSWの手動操作部17を構成する可撓性薄板18で覆われ、手動操作部17を押すことによって対応したスイッチSWが作動する。
【0019】
便座ユニット1は洋式便器7の上面に取り付けられるものであり、そのために、便座ユニット1の底部の基板5、即ち、便座本体部4の底部の基板5には、洋風便器7の前後方向に延在する2条平行のスリット20A、20Bが便座本体部4の後方に開放されるように設けられている。このスリット20A、20Bには、取り付け用ボルト21が前後移動可能に支持されている。このため、スリット20A、20Bの左右の上縁部22A、22Bに、取り付け用ボルト21の矩形状の頭部21Aの左右両側部が係止する状態で、ボルト21の螺子棒部21Bがこのスリット20A、20Bを通って下方に延出されるように組み合わされ、この状態で、ボルト21はスリット20A、20Bに沿って前後移動可能である。
【0020】
このようにボルト21がスリット20A、20Bに沿って前後移動可能状態を確保した状態で、スリット20A、20B及びボルト21の頭部21Aを覆うカバー部23が、合成樹脂製基板5に一体形成されている。基板5は、温水タンク10等の部分から万一漏水した場合にも、その漏水を基板5で受け基板5の一部に形成した排水部から洋式便器7内へ流出させるために、皿状に成形されている。このため、この基板5で受けた漏水がスリット20A、20Bを通って洋式便器7の外へ流出することを防止するために、カバー部23が形成されている。
【0021】
ボルト21の頭部21Aの少なくとも前後縁部には、下方へ延びた係止フランジ24を設け、頭部21Aの下側には、ボルト21の螺子棒部21Bが挿通される弾力性の摩擦板25が、前後の係止フランジ24、24に当接または略当接する状態で前後の係止フランジ24、24間に嵌め合わされている。摩擦板25は天然ゴムまたは合成ゴムで構成されたゴム製の平板状であり、ボルト21の頭部21Aの矩形状と類似の矩形状をなしている。
【0022】
摩擦板25は、頭部21Aの下側に当接した状態で、前後係止フランジ24よりも下方へ突出した厚さを有する。螺子棒部21Bには、前後係止フランジ24よりも下方位置に、ボルト21の頭部21Aとの間に摩擦板25の下面を支える支持突起26を備えている。この構成によって、摩擦板25は、その中央部の貫通孔に螺子棒部21Bが挿通され、支持突起26を乗り越えて頭部21Aの下側に当接した状態で、前後の係止フランジ24間に嵌め合わされる。その状態で、摩擦板25は前後の係止フランジ24よりも下方へ突出する状態に、ボルト21の頭部21Aと支持突起26との間に保持される。
【0023】
洋式便器7の後方部の取り付け部7Aには、2個のボルト挿通孔24が上下方向に貫通形成されている。スリット20A、20Bのそれぞれ左右の上縁部22A、22Bにボルト21の頭部21Aが係止する状態で、ボルト21の螺子棒部21Bがこのスリット20A、20Bを通って下方に延出されるように組み合わせた状態の便座ユニット1を準備する。この便座ユニット1は、2本のボルト21の螺子棒部21Bが対応するボルト挿通孔24を通るように、便座ユニット1の基板5を洋式便器7の後方部の取り付け部7Aに仮に載置される。この場合、洋式便器7の便鉢7Bの先端7B1に対して便座2が正規位置となるように位置調整を行なうために、図8に矢印Y及びSで示すように、ボルト21の螺子棒部21Bがスリット20A、20B内で前後に移動する状態で便座ユニット1を前後に移動させ、所定位置にボルト21を定めた状態で、取り付け部7Aへ便座ユニット1が正規に載置される。スリット20A、20Bの左右の基板5の下面には、滑り止め用の小さな突起27が一体形成されている。
【0024】
このように正規の位置に便座ユニット1を取り付け部7Aへ載置した状態で、取り付け部7Aの下方へ延出したそれぞれのボルト21の螺子棒部21Bに、それぞれ台円錐形状のゴム製等のブッシュ28とその下側にワッシャ29を通し、その状態でそれぞれのボルト21の螺子棒部21Bに合成樹脂製のナット30を螺着する。このナット30の螺着によって、摩擦板25がスリット20A、20Bの左右の上縁部22A、22Bを押しつつ圧縮され、滑り止め用の小さな突起27が洋式便器7の取り付け部7Aに圧接した状態に便座ユニット1が洋式便器7の上面に取り付けられる。
【0025】
この取り付け状態において、摩擦板25がスリット20A、20Bの左右の上縁部22A、22Bに圧接していることにより、便座2に着座して通常の使用がなされる場合は、便座ユニット1が洋式便器7の上面に取り付けられた正規の状態を保持できる。
【0026】
しかし、便座2に着座する際に便座ユニット1を後方へ押すような無理に大きな力が加えられたりしたとき、便座ユニット1の基板5が取り付け部7Aの後方へずれようとし、ボルト21の頭部21Aに設けた摩擦板25にその作用力が加わる。この場合、前後の係止フランジ24が存在しない場合は、便座ユニット1が後方へ移動しようとする作用力によって、摩擦板25がめくれて破断する状態となり、便座ユニット1を洋風便器5上の所定位置に保持することができなくなる。しかし、本発明では、摩擦板25が、前後の係止フランジ24、24に当接または略当接する状態で前後の係止フランジ24、24間に嵌め合わされている。このため、便座ユニット1を洋風便器5に取り付けた状態では、摩擦板25は、前後の係止フランジ24、24に当接する状態となり、摩擦板25がめくれようとしても前後の係止フランジ24、24によってそれが阻止され、めくれが防止できることとなり、便座ユニット1の後方への移動を防止でき、摩擦板25の破断も防止できるものとなり、便座ユニット1を洋風便器5上の所定位置に保持することができることとなる。
【0027】
上記の構成において、ボルト21は頭部21A、前後係止フランジ24、螺子棒部21B及び支持突起26が合成樹脂にて一体成形されたものであるため、ボルト21と摩擦板25との取り付け関係を常に正規状態にできること、また、便座ユニット1を洋風便器5上の所定位置に固定するための部品点数も少なく、便座ユニット1の取り付け及び取り外しがし易くなる、という効果が得られる。
【0028】
便座ユニット1の下面や洋式便器7の上面を清掃する場合や、便座ユニット1を交換する場合は、それぞれのナット30を緩め且つ外した状態で、便座ユニット1を洋式便器7から取り外せば、その清掃や交換が行なえる。
【0029】
上記のように、便座ユニット1に加わる前後方向の大きな作用力によって、洋風便器7に対して便座ユニット1が前後方向に移動しないようにするために、前後係止フランジ24が必要であるが、実施例では、前後係止フランジ24の補強と、ボルト21への摩擦板25の取り付けを考慮して、図6に示すように、この前後係止フランジ24を連結するように前後方向に延びた連結フランジ24Aを頭部21Aの一側に一体形成している。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、便座ユニット1や洋式便器7の形態は、上記実施例に示した図示の形態に限らず、本発明の技術範囲において、種々の構成を包含するものである。
【符号の説明】
【0031】
1・・・・・便座ユニット
2・・・・・便座
3・・・・・開閉蓋
4・・・・・便座本体部
5・・・・・基板
6・・・・・カバー
7・・・・・洋式便器
8・・・・・機能部
9・・・・・洗浄ノズル
9A・・・・おしり洗浄ノズル
9B・・・・ビデ洗浄ノズル
10・・・・温水タンク
11・・・・電装部
12・・・・電動機装置
13・・・・電動機装置
20A、20B・・・・スリット
21・・・・取り付けボルト
21A・・・ボルトの頭部
21B・・・ボルトの螺子棒部
22A、22B・・・・スリットの左右上縁部
24・・・・前後係止フランジ
25・・・・摩擦板
26・・・・支持突起
27・・・・滑り止め突起
28・・・・ブッシュ
29・・・・ワッシャ
30・・・・ナット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便座ユニットの底部の基板に洋風便器の前後方向に延在する2条平行のスリットが設けられ、前記スリットの左右上縁部にボルトの頭部が係止する状態で前記ボルトの螺子棒部が前記スリットを通って下方に延出され、洋風便器の後方部の取り付け部に形成した2個のボルト挿通孔に前記ボルトの螺子棒部を通し、前記洋風便器の下方からナットを前記ボルトの螺子棒部に装着して、所定位置にて前記ナットの締め込みによって前記便座ユニットを前記洋風便器に固定するものにおいて、前記ボルトの頭部の少なくとも前後縁部には下方へ延びた係止フランジを設け、前記螺子棒部が挿通される状態で前記前後の係止フランジ間に嵌め込まれ且つ前記ナットの締め込みに伴って前記スリットの上縁部に圧接する弾力性の摩擦板を設けたことを特徴とする便座ユニットの取り付け装置。
【請求項2】
前記摩擦板は前記前後の係止フランジよりも下方へ突出した厚さを有し、前記螺子棒部は前記前後の係止フランジよりも下方位置に前記ボルトの頭部との間に前記摩擦板の下面を支える支持突起を備え、前記摩擦板は前記前後の係止フランジよりも下方へ突出する状態に前記ボルトの頭部と前記支持突起との間に保持されたことを特徴とする請求項1に記載の便座ユニットの取り付け装置。
【請求項3】
前記ボルトは前記頭部、前記前後の係止フランジ、前記螺子棒部及び前記支持突起が合成樹脂にて一体成形されたものであり、前記摩擦板は前後が前記前後の係止フランジに当接したゴム製であることを特徴とする請求項1または2に記載の便座ユニットの取り付け装置。
【請求項1】
便座ユニットの底部の基板に洋風便器の前後方向に延在する2条平行のスリットが設けられ、前記スリットの左右上縁部にボルトの頭部が係止する状態で前記ボルトの螺子棒部が前記スリットを通って下方に延出され、洋風便器の後方部の取り付け部に形成した2個のボルト挿通孔に前記ボルトの螺子棒部を通し、前記洋風便器の下方からナットを前記ボルトの螺子棒部に装着して、所定位置にて前記ナットの締め込みによって前記便座ユニットを前記洋風便器に固定するものにおいて、前記ボルトの頭部の少なくとも前後縁部には下方へ延びた係止フランジを設け、前記螺子棒部が挿通される状態で前記前後の係止フランジ間に嵌め込まれ且つ前記ナットの締め込みに伴って前記スリットの上縁部に圧接する弾力性の摩擦板を設けたことを特徴とする便座ユニットの取り付け装置。
【請求項2】
前記摩擦板は前記前後の係止フランジよりも下方へ突出した厚さを有し、前記螺子棒部は前記前後の係止フランジよりも下方位置に前記ボルトの頭部との間に前記摩擦板の下面を支える支持突起を備え、前記摩擦板は前記前後の係止フランジよりも下方へ突出する状態に前記ボルトの頭部と前記支持突起との間に保持されたことを特徴とする請求項1に記載の便座ユニットの取り付け装置。
【請求項3】
前記ボルトは前記頭部、前記前後の係止フランジ、前記螺子棒部及び前記支持突起が合成樹脂にて一体成形されたものであり、前記摩擦板は前後が前記前後の係止フランジに当接したゴム製であることを特徴とする請求項1または2に記載の便座ユニットの取り付け装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−147991(P2012−147991A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9923(P2011−9923)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(302071092)テガ三洋工業株式会社 (244)
【出願人】(303024611)エヌシーエム カンパニー リミテッド (1)
【出願人】(598030847)さつき株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(302071092)テガ三洋工業株式会社 (244)
【出願人】(303024611)エヌシーエム カンパニー リミテッド (1)
【出願人】(598030847)さつき株式会社 (3)
【Fターム(参考)】
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